サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール ·...

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2017年9月21日 天野 昌幸 パナソニック サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール エコソリューションズ社

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Page 1: サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール · 2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネル ギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。

2017年9月21日

天野 昌幸

パナソニック

サーバレスアーキテクチャで実現したエネルギー分析ツール

エコソリューションズ社

Page 2: サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール · 2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネル ギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。

2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネルギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。 本発表では、その開発で使用したAWSのサービス(DynamoDB, Lambda, Kinesisなど)の活用ノウハウ、 特に大量データを格納し、Webブラウザ上に可視化するための各種工夫について説明します。

発表の概要

*1:既存のWindowsアプリをWebアプリケーションとして再構築

※本試作開発は、環境省の「平成28年度 エコチューニングビジネスモデル確立事業」の一環として実施されました。

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目次 3

1. パナソニックについて 2. 既存の分析ツールについて

• 背景 • 概要 • 現状の課題

3. 試作した「分析ツール」について • 概要(構成、特徴) • 動作デモ

4. 方式設計について • 目論見と設計方針 • 性能目標と達成のための方策 • システム構成

5. 結果 6. まとめ

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パナソニックについて 4

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パナソニックについて 5

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エコソリューションズ社について

エコソリューションズ社は人々のくらしに関わる住宅や、ビル・公共エリアなどの非住宅空間を対象に、快適環境を創造する技術やエネルギーをコントロールする技術を活かし、世界中の人々が環境負荷を軽減しながらも快適に暮らせる空間を提供しています。

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目次 7

1. パナソニックについて 2. 既存の分析ツールについて

• 背景 • 概要 • 現状の課題

3. 試作した「分析ツール」について • 概要(構成、特徴) • 動作デモ

4. 方式設計について • 目論見と設計方針 • 性能目標と達成のための方策 • システム構成

5. 結果 6. まとめ

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分析ツール開発の背景

環境省

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分析ツール開発の背景 エコチューニング遠隔支援について

遠隔地にいる少数の専門分析者がクラウド上の分析診断ツールを利用して分析を行い、現地施設管理者と協力してチューニングを実践

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• 分析した内容を関係者で共有

• 改善効果をグラフ、数値でアピール

• 操作方法が共通、ノウハウを水平展開

現地に専門家が居なくても、遠隔から専門家の指導を受けることで「ウラの省エネ」を実施できます

専門家不足をクラウド化で補う

中央監視盤のデータをクラウドに送付

※メーカ問わず

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分析ツール開発の背景 「ウラの省エネ」実践のために 10

省エネチューニングは、「オモテの省エネ」と「ウラの省エネ」に分けられます。

「オモテの省エネ」

分りやすい運用改善

「ウラの省エネ」

高度な裏方のチューニング

誰が 誰でもできる

総務、オフィスワーカーが担当

専門知識がないとできない。

設備・ファシリティの専門家が担当

どんな体制で 総務、ビル管理者が担当 総務、ビル管理、設備業者の協力体制

何をする

・設定値の変更(室内温度など)

・運転スケジュールの変更

・こまめな消灯、スイッチオフ

・パソコン、複合機の省エネ設定

・熱源、空調システムの適切な調整

・運転パラメータ(圧力、流量、温度)設定

・ポンプ圧力の調整

・蒸気ボイラー圧力の調整

必要な計測 電力量、室内温度 が基本

電力量、室内温度に加え、

圧力、流量、温度(冷水温、蒸気温)

運転パラメータなど

実施時の

合意形成

執務者(居住者)に気付かれる

(理解を得る必要あり)

執務者(居住者)には気付かれずに

実施できる

本ツールは、「ウラの省エネ」を実践するためのツールです。

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従来の分析ツールの概要 11

【設備の運転データを1つのグラフに集約して、相関関係を視覚化】

低層階要求冷水流量[m3] 低層冷水 要求流量補正[m3] 冷水積算流量(低層系統)[m3] 冷水往還差圧(低層系統)[kPa] 吸収式冷凍機補機R-1運転[]〔第2Y軸〕 ターボ冷凍機R-2運転[]〔第2Y軸〕 ターボ冷凍機R-3運転[]〔第2Y軸〕 ブラインターボ冷凍機R-4[]〔第2Y軸〕 水冷チラーR-5.6.7運転[]〔第2Y軸〕 熱交CEX-1運転[]〔第2Y軸〕 外気エンタルピー[kcal/㎏]〔第2Y軸〕

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-10

-202014/10/27(月) 2014/10/28(火) 2014/10/29(水) 2014/10/30(木) 2014/10/31(金) 2014/11/01(土) 2014/11/02(日)

冷水

流量

[m3]

・差

圧[

kPa]

比エ

ンタ

ルピ

ー[kcal/kg]・

冷熱

源機

運転

[]

低層階冷水流量および冷熱源運転状況

<冷水流量および冷熱源運転状況>

設備が安定して無駄なく効率的に運転されているかを分析できます。

<要求冷水流量と積算流量> <冷水往環差圧> <各熱源機器の運転状況> <外気エンタルピー>※演算

分析ツールの利用イメージ

「ウラの省エネ」を行うために、専門家が長期間・大量の運転データを直感的に 素早く・効率よく分析できるツールが求められ、開発に着手。

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DHC受入 CW積算熱量[0.1×GJ] AC-2201 外気温度[℃]〔X軸〕

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DHC受入熱量と外気温度の相関

 表示期間:2004/08/01 00:00~2005/08/27 23:59 

グラフ種別を簡単に変更 (トレンド→散布図)

ドラッグ&ドロップで 簡単にグラフを作成

DHC受入 CW積算熱量[0.1×GJ] AC-2201 外気温度[℃]〔第2Y軸〕

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2004/08/012004/09/19

2004/11/072004/12/26

2005/02/132005/04/03

2005/05/222005/07/10

DHC受入熱量と外気温度の相関

外気温度 冷水負荷

AC-2201 外気温度[℃]

02468

10121416182022242628303234363840

2004/07/152004/07/20

2004/07/252004/07/30

2004/08/042004/08/09

2004/08/142004/08/19

2004/08/242004/08/29

外気温度(2004/07/15~2004/08/31)

長期トレンドが描け、夏期の 最高気温記録日がすぐ判る

外気温度

VAV2201-04(VAV3)温度計測[℃] VAV2201-04(VAV3)温度設定[℃] VAV2201_04 風量計測[l/s]〔第2Y軸〕 AC-2201 外気温度[℃]

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2004/07/20 0:002004/07/20 12:00

2004/07/21 0:002004/07/21 12:00

22階 AC-2201空調機 VAV-04系統(中央部)

室内温度 風量

室内環境を確認

夏期最高気温

AC-2201 電力量[kW] AC-2201 外気温度[℃]〔第2Y軸〕

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2004/07/20 2004/07/21 2004/07/22

電力量 kWH 外

気温度 ℃

AC-2201 電力量(2004.7.20-21)

省エネ度を確認

ファン動力

データ分析を簡単に実施 ・データ補間 ・周期変換 ・フィルタリング ・演算、関数定義

建物のエネルギーデータを分析するために開発された分析ツール(商品名「SatTool」)

・国プロの成果をベースに、2006年2月発売(Windowsアプリ) ・2013年より、リモードテスクトップ技術にてAWS上で提供中

従来の分析ツールの概要 主な機能 12

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1. データ分析機能を他のサービスで活用しにくい 分析ツール内部のデータ処理とUIが一体になっているため、例えばデータ処理部分だけを切り出して他のアプリで活用する等ができない。

2. 運用コストが高い ※詳細は割愛

3. 最新のWebブラウザでは動作しない

リモートデスクトップの実行のためにActiveXやJavaアプレットを使用。 PCの最新ブラウザ(Edge)やスマート端末のブラウザでは、「分析ツール」を実行できない。

4. 不具合修正やシステムの拡張が不可能

使用しているグラフ描画コンポーネント(ActiveX)のサポートが既に終了。 ライセンスの追加購入ができないので、利用者増加にともなうサーバの増設が不可能。

従来の分析ツールの課題 13

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目次 14

1. パナソニックについて 2. 既存の分析ツールについて

• 背景 • 概要 • 現状の課題

3. 試作した「分析ツール」について • 概要(構成、特徴) • 動作デモ

4. 方式設計について • 目論見と設計方針 • 性能目標と達成のための方策 • システム構成

5. 結果 6. まとめ

Page 15: サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール · 2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネル ギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。

2-3 CSVファイル取り込み(メール) 計測データ用DB

2-2 CSVファイル取り込み(Web)

2-1 CSV書式情報の登録 計測データ処理用API (取得・演算、補間、フィルタ、集計)

1-1 データ管理

1-2 グラフの表示・編集

・グラフの設定 ・各種設定情報

Amazon Kinesis

【凡例】 API Gateway

AWS Lambda

Amazon DynamoDB

RDS Aurora

Amazon SES

AWSのクラウドサービス(PaaS)を活用して、分析ツールのシステムを構築 ・Amazon EC2のインスタンスはゼロ (サーバレスアーキテクチャ) ・クライアント側はSPA

分析ツールの概要 概略システム構成 15

アプリ用DB

処理・データの流れ

データ(参照のみ)

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分析ツールの概要 GUI 16

株式会社□□□□□□ 梅田支店

<ログイン画面>

<基本画面>

<グラフ画面>

<グラフ+ポイントリスト画面>

① ユーザID、パスワードを 入力してログイン

② 表示したいグラフを選択 ※クラウドストレージサービス風のUI

③ 「グラフ」で閲覧

④ 「+」をクリックすると右から「ポイントリスト」が表われ、選択可能となる

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分析ツールの概要 特徴(1/3) 17

<3. タブレット/スマホに対応> <1. グラフ描画機能の高速化>

タブレットやスマホから利用可能 サーバ側とクライアント側とで 機能分担するので、応答性が向上

現行では、リモートデスクトップ環境で動作させるために必要なソフトのインストールが不要となる。 (セキュリティ設定の厳しい会社ではアクセスできない事例あり)

<2. 初回インストールが不要> <4. データ送付が簡単>

CSVファイルをWEB画面から 送付可能(メール添付でも可)

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分析ツールの概要 特徴(2/3) 18

<2. コメント通知機能>

本部分析者と現地実施者との間でコミュニケーション

Xさんが"全体の電力使用量"に

コメントしました

2016-06-05 12:15

想定以上に使っていますね。また、空調…

Yさんが"建物Bのエネルギー使

用量"の共有を停止しました

2016-06-02 10:15

削除 更新

建物 1F 建物 2F 全体のエネルギー

使用量 ( 原油換算 ) 全体の電力使用量

<3. サムネイル表示機能>

作成したグラフのイメージをアイコンで表示

<1. お気に入り共有機能>

作成したお気に入りグラフを関係者で共有

<4. データ登録機能> クラウドサーバへの初期登録がユーザで可能に。 ポイントの追加・変更もWEB画面から可能に。

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分析ツールの概要 特徴(3/3) 19

<2. Windows CALライセンスフリー> <4. スケーラブル対応>

利用の増大に対応し、サーバのリソース(メモリ、DB等)を増やせるため、運営コストを最小化できる

現行のリモートデスクトップ方式では、ID発行毎に 必要なWindows CAL(Client Access License)の ライセンス料が不要となる

<3. 他システムとの連携が容易>

データ処理API部分だけを取り出して、他のアプリケーション向けに活用可能。他のアプリとのシングルサインオンも実現可能。

<1. 施設・ユーザの登録機能>

施設 追加 削除

株式会社□□□□□□ 鈴木 一郎 の権限設定

本町支店

施設やユーザの登録、権限付与などの管理機能を強化。管理工数を削減できる

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分析ツールの概要 ユーザの階層構造 20

契約会社A 管理会社F 顧客施設P

顧客施設Q

管理会社G 顧客施設R

顧客施設S

運営会社

契約会社K 顧客施設X

顧客施設Y

契約会社B 管理会社H 顧客施設T

顧客施設U

管理会社J 顧客施設V

顧客施設W

○○病院

○○ビル

○○病院

○○ビル

○○センター

○○モール

Administrators Power Users General Users Guest Users

パナソニック以外でも施設やユーザ登録を行えるようにして、運用や管理の工数を削減

Page 21: サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール · 2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネル ギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。

動作デモ

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Page 23: サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール · 2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネル ギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。

目次 23

1. パナソニックについて 2. 既存の分析ツールについて

• 背景 • 概要 • 現状の課題

3. 試作した「分析ツール」について • 概要(構成、特徴) • 動作デモ

4. 方式設計について • 目論見と設計方針 • 性能目標と達成のための方策 • システム構成

5. 結果 6. まとめ

Page 24: サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール · 2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネル ギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。

目論見と設計方針 分割 制御 データ管理 UI

演算処理をA

PI

として分離する

計測データ格納前にキューを挟む

個人情報はパナIS

内に配置する

ブラウザ側で画面遷移する

ブラウザ側でグラフを生成する

Lam

bda

上でアプリを実行する

キューイングにK

inesis

を使う

計測データはD

ynam

oDB

に保存する

アプリデータはA

urora

に保存する

Bootstra

p

でWeb

画面を作成する

可用性 エラーが発生しても、自動復旧すること ○ ○ ○ ○ ○

性能・拡張性 トラフィックの増加に対応できること ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

容量の増加に対応できること ○ ○ ○ ○

運用・保守性 仕様変更の影響を少なくすること ○ ○ ○

運用工数を削減すること(通常時) ○ ○ ○ ○

対応工数を削減すること(障害時) ○ ○ ○ ○

移行性 旧システムからの移行が容易であること ○ △

セキュリティ 個人情報が漏洩しないこと ○

外部からの侵入が困難であること ○ ○

DoS攻撃への耐性を有すること AWSでDoS攻撃への対策はしているが、詳細は不明。

目論見

設計方針

PaaSをフル活用

PaaSをフル活用

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Page 25: サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール · 2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネル ギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。

性能目標値

■想定ユースケースと目標値 ①(日常の報告資料を作成するため、)日報、月報のグラフを表示する。 →一般的な3秒以内の応答時間を目標とする。 ②(最も暑かった日を見つけるため、)1年間分の外気温度(1分周期)をグラフ化する。 ⇒データ数は50万以上! →3秒は不可能なので、歯止めとしてユーザの注意の限界とされている10秒以内を応答時間の目標とする。

■https://u-site.jp/alertbox/20100621_response-times ■http://news.mynavi.jp/news/2012/12/11/025/

以下から、通常の使用状況では応答時間を3秒以内、特殊な使用状況では10秒以内とした。

※ネットワーク速度は3Mbpsと想定 (モバイル利用を考慮)

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Page 26: サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール · 2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネル ギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。

性能目標達成のための方策 応答時間=①DBアクセス時間+②サーバアプリ処理時間+③ネットワーク転送時間 +④ブラウザでのグラフ描画時間と仮定して高速化策を検討

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①DBアクセス時間削減を目指し、次の方策を実施 (a)レイテンシの小さなNoSQL型のDB(Amazon DynamoDB)を採用 (b)アクセスするレコード数を削減 1日分のデータ(最大:1440個)をZIP圧縮して1レコードに格納 事前検証では、1095万件のレコードから1年分のデータ(365件)を取得して 平均218msの応答時間を得た。

② ④ ③

リクエスト

ブラウザ側にてグラフを描画

Page 27: サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール · 2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネル ギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。

性能目標達成のための方策 ③ネットワーク転送時間 1データあたり8バイトとすると、8 * 1440 * 365 = 4204800(約4MB)。gzip圧縮転送(Transfer-Encoding : gzip)すれば、データ量は1/5~1/7になる(*1)ので、圧縮後のデータを3MBpsで転送すれば2.34秒で転送完了の見込み ④ブラウザでのグラフ描画時間 グラフ描画ライブラリHighchartの「boost module」(*2)により、上記の量のダミーデータを3秒以内にグラフ化できることを事前に確認。

上記より、②サーバアプリ処理時間には、10秒ー(①、③、④の合計時間)=約4.5秒残る。 使用するクラウドサーバの性能であれば、4.5秒以内にサーバアプリ処理は完了できると想定

*1:既存の計測データの圧縮実績から推定 *2:http://www.highcharts.com/articles/2-news/175-highcharts-performance-boost

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Page 28: サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール · 2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネル ギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。

補足:DBサービスの選定 28

AWS RDS(Aurora) AWS DynamoDB

課金例

$398.16(オンデマンド)

(DBサイズが10GB程度なら$259)

※複数インスタンスの場合は上記の倍額。

・db.r3.large

・1121GB

・31 Million requests

・Data Transfer Out: 5GB, In: 10GB

$482.53

備考 最大インスタンス(db.r3.8xlarge)でも書き込み性能が不足する場合はシャーディング等の実装が必要。

単一インスタンスの場合、復旧時間は15分以内。複数の場合、1分以内に自動復旧。

スループットを事前予約(課金)。予約範囲の要求に対する応答は数ms。予約スループットを超過した場合に対処するため、Kinesis等をつかったリトライのしくみが必要。NoSQL型なので、複雑なアプリの開発は困難。

アプリデータを格納 計測データを格納

・性能とスケーラビリティを確保するため、計測データ用DBにはDynamoDBを採用 ・グラフ画面などのアプリ開発を容易にするため、アプリ用DBにはRDS Auroraを採用

■試算条件

・計測データ用DBのサイズ:1000計測点 * 1000件名 * 1024B/レコード・日 * 3年分 = 1121GB、アプリ用DBは10GB

・書き込み回数/日 1000*1000、読み込み回数は書き込み回数の1/10

・データ転送 out: 5GB in: 10GB

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AWS Lambda

計測データ用DB

Amazon DynamoDB

Amazon API Gateway

Node.js

各種アプリ用 認証用 DB

Amazon RDS

Amazon CloudFront

※セキュリティ 対策

Amazon S3

Js

Amazon WAF

コンテンツ

アプリ用DB

データ処理用API

Amazon SES

※メール サービス

Internet

Amazon Cognito

認証 トークン発行

システム構成(全体) 29

サイズが大きい(>6MB)応答の場合

ツール 利用者

Page 30: サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール · 2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネル ギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。

Amazon DynamoDB

Amazon API Gateway

処理・データの流れ データ(参照)

Amazon S3

AWS Lambda

データ 登録用 バッチ

Amazon Kinesis

Amazon Kinesis Streams

データ 登録用キュー (二重化)

Amazon CloudWatch

保存

AWS Lambda

Amazon SES

Amazon RDS

CSV 書式情報

システム構成(計測データ登録部分) 30

計測データ用 DB

エネルギーデータ取得(演算結果格納時)

CSVファイルPOSTによるエネルギーデータ登録

CSVファイル書式情報登録

メールによるエネルギーデータ登録

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目次 31

1. パナソニックについて 2. 既存の分析ツールについて

• 背景 • 概要 • 現状の課題

3. 試作した「分析ツール」について • 概要(構成、特徴) • 動作デモ

4. 方式設計について • 目論見と設計方針 • 性能目標と達成のための方策 • システム構成

5. 結果 6. まとめ

Page 32: サーバレスアーキテクチャで実現した エネルギー分析ツール · 2016年度、サーバレスアーキテクチャにて、建物のエネル ギーデータを分析するツール(Webアプリ:*1)を試作しました。

従来版が抱えていた以下の課題を解決

従来版の課題 Webアプリ版での対策

WindowsのIEでしか分析ツールが動作しない HTML5に対応した多くのブラウザで動作可能

常にサーバが起動し続けるため、利用者が いない時間帯の運用コストが無駄にかかる

AWS Lambdaを活用することにより、実際の 利用状況に応じた課金とし、運用コストを削減 費用は既存の約1/6に。 (変動費のみ。運用支援機能追加の効果も含む)

サービス提供者側の手作業が多い (ユーザ登録、構成設定、データ収集設定など)

利用者側で設定できる機能を追加

ユーザ数の増加に応じて、サーバの増設・ ディスクの増設などを管理する必要がある

AWS側で自動でスケールされる構成とした

サーバの稼働監視・セキュリティ対策を サービス提供者側で行う必要がある

管理対象のEC2インスタンスが無いため、サーバの稼働監視・セキュリティ対策が不要になり、アプリケーションのセキュリティ対策に注力できる

測定データのバックアップ作業が大変 AWS側で常に3か所のデータセンターに保存されるため、運用者側の負担にならない

動作

環境

運用

費用

運用

工数

結果 32

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■測定環境(Let'sNote CF-SX2相当) OS: Windows7(32bit) CPU: intel core i5-2400S 2.5GHz RAM: 4GB

以下の代表的ユースケースを想定した性能目標を達成 ①日報、月報、年報のグラフを表示する。 目標:3秒以内に描画完了 実績:3秒以内に描画完了 ②(年間で最も空調負荷の高かった日を見つけるため、)1年間分の外気温度(1分周期)のグラフを表示する。 目標;10秒以内に描画完了 実績:6~10秒以内に描画完了

一年間分(1分周期)の外気温度のグラフ化(データ数約52万点)のグラフ化 →概ね6~10秒程度でグラフ化完了 ※デモ動画を参照

結果 33

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目次 34

1. パナソニックについて 2. 既存の分析ツールについて

• 背景 • 概要 • 現状の課題

3. 試作した「分析ツール」について • 概要(構成、特徴) • 動作デモ

4. 方式設計について • 目論見と設計方針 • 性能目標と達成のための方策 • システム構成

5. 結果 6. まとめ

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まとめ 35

• 既存WindowsアプリをAWSのPaaSをフル活用して、 Webアプリケーションとして再構築できた。

• AWSのPaaS(DynamoDB、Lambda、Kinesis、Auroraなど)を活用することで、運用コストの大幅な削減が達成できる見込みを得た。 • 特に対話型システムは早朝・夜間の使用頻度が低いため、費用削減効果大 • サーバの保守・運用コストも大幅に削減可能

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ご静聴、ありがとうございました。