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せとうちスマートアイランド構想〜 多極分散ネットワーク型における「海と島のみとよ」ゾーン観光活性化策 香川県三豊市 1

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せとうちスマートアイランド構想〜多極分散ネットワーク型における「海と島のみとよ」ゾーン観光活性化策

香川県三豊市

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Page 2: せとうちスマートアイランド構想〜 多極分散ネット …せとうちスマートアイランド構想〜 多極分散ネットワーク型における「海と島のみとよ」ゾーン観光活性化策

地域軸→機能軸↓

海と島の三豊 まちと⽥園の三豊 ⼭と⾥の三豊詫間と仁尾の⼀部。瀬⼾内海の海と多島美の景観、アートなど、世界的な訴求⼒のある観光資源を持つエリア。荘内半島に⼩さな集落が点在。

詫間から三野、高瀬、豊中に至るエリア。港湾や⼯場、⼤型商業施設などが⽴地し、三豊の産業、⽣活、⾏政の中⼼となる機能が⽴地。

⼭本と財⽥。⼭間部に果樹園や茶畑などが広がる、フルーツ王国・三豊を代表するエリア。農産物や特産物などの潜在的資源も多い。

⾏政サービス拠点(センター)市⺠を⽀える

各種証明・収納業務、健康福祉業務、防災拠点業務、まちづくり⽀援業務等、ベーシックな⾏政サービス拠点。最⼤のサービスセンターとなる市役所本庁舎とクラウド化した旧⽀所の機能を、合理的に2キロ圏内コミュニティユニットに対して⽀援

豊さ創造・実感拠点

コミュニティ拠点人をつなぐ

地域住⺠同⼠のコミュニティ活動の拠点、福祉や⽀え合いの⾏政サービス活動拠点及び地区における交通ネットワーク拠点機能。人々がつながる⼼豊かな暮らしを実現する拠点として位置づけ。

文化・スポーツ拠点

地方格差をなくし子供の教育レベルでだれ⼀人取り残さないことを目指した機能整備。スポーツ教育機能・センター図書館機能などツ拠点を形成しサービスを全域に展開する。

子育て・ヘルスケア拠点未来を育てる

子育て支援センター機能、子育てコンシェルジュや親子連れが交流できるカフェ等で構成された子育てと憩いの場。ヘルスケア機能も備え、高齢者と若者の世代間交流も目指す。

産業創造拠点未来に挑戦する

産業の育成やビジネス創造の解決にチャレンジする拠点。三豊市内外の人々の多様な交流(⼈材交流・観光交流等)を通じて新しい価値を創造。三豊市の課題と資源を踏まえ、観光、農業、まち・産業の3つのテーマを設定。

多極分散ネットワーク型まちづくりの基本フレーム〜ゾーニングと拠点配置の考え⽅全体像

これからの三豊市には①⾏政サービス拠点、②コミュニティ拠点③文化・スポーツ拠点④子育て・ヘルスケア拠点⑤産業創造拠点を設定。この中で「海と島の三豊」エリアにモデル事業を展開する。

⾏政ハブ機能本庁舎

⾏政ハブ機能

仁尾ハブ

詫間ハブ

三野ハブ

高瀬ハブ

豊中ハブ

山本ハブ

財田ハブ

観光資源 観光資源 実証実験事業化テスト

実証実験事業化テスト

実証実験事業化テスト 実証農園 実証農園

次世代タウンシステム創造拠点●次世代交通インフラ(自動運転等)●次世代エネルギーシステム●次世代製造拠点、物流システム等

みとよ観光交流拠点 農業イノベーション拠点

観光交流ゾーン まち・産業創造ゾーン

農業振興ゾーン

文化・スポーツ拠点

子育て・ヘルスケア拠点

文化スポーツ交流ゾーン

コミュニティユニット

コミュニティユニット

コミュニティユニット

コミュニティユニット

コミュニティユニットコミュニティユニット

コミュニティユニット

コミュニティユニット

コミュニティユニットコミュニティユニット

コミュニティユニット

コミュニティユニット

コミュニティユニット

コミュニティユニット

コミュニティユニット

コミュニティユニット

コミュニティユニット

コミュニティユニットサービス提供 サービス提供

サービス提供

サービス提供サービス提供サービス提供

サービス提供

サービス提供

センター機能

センター機能

センター機能

クラウド機能 クラウド機能

多極分散型コミュニティゾーン

ビジネス産業創造ゾーン

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Page 3: せとうちスマートアイランド構想〜 多極分散ネット …せとうちスマートアイランド構想〜 多極分散ネットワーク型における「海と島のみとよ」ゾーン観光活性化策

多極分散ネットワーク型の中のエリアの役割

本来あった地域活動やコミュニティ(地域自治活動)のつながりを大切にしながらも、高齢者・若者・子育て世代・子供たちが広く交流し、町のサードプレイスとして、憩う・くつろぐ・遊ぶ・学ぶ・用事をする・情報を入手するといった多機能なサービスステーション。行政機能拠点の再編成をすることで多極分散ネットワーク型の住みやすいまちづくりを推進する。

★2㎞圏コミュニティゾーンとは=行政ハブ+コミュニティユニット(人々の集う場)そこに行けば・・・

緻密で高精度な情報・行政サービス・防災拠点=ローカルせとうちスマートステーション(策定中)

市内全域に20数か所の2㎞圏コミュニティゾーン(計画)=「小さな拠点」配置構造

海と島の三豊=産業創造拠点

<産業と観光のエリア>

●詫間地区=旧造船所跡地&工業団地●粟島・荘内半島・

⽗⺟ヶ浜=観光地区・名所

★生活拠点の2㎞圏コミュニティゾーンとエリア開発をうまく組み合わせて、観光・産業交通と生活交通の両立を図る。

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粟島と荘内半島の魅力=海と島のみとよ

★瀬⼾内国際芸術祭2019 in 粟島2019年9⽉28⽇〜11⽉4⽇ 秋季大会三豊市粟島&須田港3年ごとのトリエンナーレ海と島のみとよ情報発信の起爆剤として位置付ける。

海と島の三豊エリアとして魅力化を図りながら、観光・アートによる産業活性化と生活の充実をめざし、持続可能な、いわゆる⽇本の理想的な田舎暮らしのまちを実現していく。

⽗⺟ヶ浜の⻑年の住⺠の環境保全活動が実を結んだ いまやインスタ映えで46万人もの観光客を集める⽗⺟ヶ浜ニューヨークタイムズでも掲載された瀬⼾内の美:紫雲出⼭から⾒る眺望

アートインスタレーションやマルシェの開催

ベトナム人アーティストとの交流や瀬⼾内少⼥歌劇団船上プロジェクト

タラ財団の展示

(あわしま)

せとうちスマートアイランド構想〜多極分散ネットワーク型における「海と島のみとよ」ゾーン観光活性化策

(しょうないはんとう)

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粟島(あわしま)は、香川県三豊市、詫間港の北⻄4.5kmの海上に浮かぶ島。面積3.68平方km、周囲16km。塩飽水軍で有名な塩飽諸島に属し、かつては北前船の寄港地として栄えた。1897年(明治30年)設立の国立粟島海員学校は、⽇本で最初に村立(当初)で開設、1987年(昭和62年)に廃校。その跡地は、粟島海洋記念公園に新しく生まれかわり島のシンボルとなっている。

荘内半島(しょうないはんとう)は三豊市北⻄部にある。半島の北側は備讃瀬⼾(びさんせと)、⻄側は燧灘(ひうちなだ)が広がっている。荘内半島には、浦島太郎に関する地名が数多く残されてる

荘内半島粟島

海と島のみとよ

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■観光・経済面の取り組み

• 瀬⼾内の美〜世界に誇る内海(うちうみ※)の絶景を誇る• 粟島=環境保全を目指すタラ財団の⽇本の本拠地として• 南米ウユニ塩湖に比する⽗⺟ヶ浜の集客力• 荘内半島のゲストハウスの充実・⺠間事業活力• 紫雲出山(しうでやま)の絶景

• 起点となる詫間港エリア開発

(1)魅力的な観光地域づくり

(2)効果的なデジタルマーケティングと情報発信の強化

(3)観光客受け入れ環境の整備

※内海(うちうみ)=世界的にも地中海と並ぶinland seaの代表が瀬⼾内海。シルクロード(絹の道)を命名したリヒトフォーヘンが「海の道」として絶賛した。 5

ゲートウェイとしての讃岐造船所跡地・産業エリア開発

●観光基本計画の骨子

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瀬⼾内ワークス&地元⺠間団体の活躍⺠間組織「瀬⼾内海ワークス」と三豊市の連携により、様々なプロジェクトが次々と誕生。海と島の三豊エリアとして魅力化を図りながら、地域内外の意欲的なプレーヤーがつながり、人材の活性化・交流人口の拡大に寄与している。瀬⼾内ワークスは、三豊市からの委託で、令和元年度に「三豊市観光戦略(関係人口創出・検証)策定業務」を受託。

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関係人口の創出を通じて①地域の人材不足問題の解決②オーバーツーリズムの解消③コアリピーターの創出

デジタルマーケティングと、東京・高松・三豊でのイベントや、東京を含む県外者が参加するツアーを実施。

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⽗⺟ヶ浜の⻑年の住⺠の環境保全活動と、観光集客活動と交流人口の増加が活性化の起爆剤となっている

海と島のみとよが瀬⼾内を魅力的な地域にする

はたらく・あそぶ・住む・・・・魅力的で持続可能な地域づくり

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▲⽗⺟ヶ浜PORT・・・公設で指定管理者が管理し、設備投資も行っている。事業者とともに、観光客の利便性向上、住⺠の満足度向上のため交通・受入環境整備を行っていく。

地域貢献=やりがいのある仕事を求める都会の若者たちとの接点を創造する事業を実施。

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商品開発・流通販売活動◆三豊を魅力的な観光地域にするための

課題解決型提案支援制度の仕組み図

例①「酒蔵は、地域の価値を醸造する。」Sakagura brews the value of the region.香川、三豊。瀬⼾内に向かって伸びる荘内半島の根元。瀬⼾内国際芸術祭の舞台となる粟島漂流郵便局に向かう須田港から徒歩1分の場所で、観光客、地元⺠のハブとなる施設「三豊鶴」をオープン。141年前に産声を上げ“⽇本酒”を醸造していた地域最後の酒蔵「三豊鶴」は、“地域の価値”を醸造する場所へと変貌。瀬⼾内の穏やかな空気と多島美を楽しむことができるリゾート型ゲストハウスが多いこの地域で、さらに地域全体を楽しんでもらうための補完的機能(飲食、娯楽、土産、体験など)を持った複合施設で、コワーキングスペースのような交流とイノベーションを生み出す場所を目指す。この拠点に多様な人々が集い、様々なプロジェクトが生まれ、時代に合わせ地域の価値を醸造する「三豊鶴」というバトンを次世代へと受け継いで行けるように。三豊市観光交流局のHPや、瀬⼾内国際芸術祭用に制作した粟島のパンフレットでの情報発信も行い、こうした⺠間事業者の取り組を後押しした。

例②荘内半島でのオリーブ農園・レモン農家と商品づくり+ゲストハウス

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モビリティ計画 域外からの流入と域内の移動活性化の両方を鑑み、様々なモビリティの有機的な配備計画を推進する。観光交通・生活交通の両立と、地元住⺠にとっての快適なデマンド交通がつながり、地域の活性化、持続可能な生活圏の維持に貢献。

鉄道とバス、オンデマンドタクシーなど適切なモビリティの組み合わせが実利便性を生む。

海上交通と陸路の融合、駅と港、低速近距離・⻑距離高速・・・モビリティ計画の策定の重要性

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■社会面の取り組み

紫雲出山

カフェ・レストラン

須田港(粟島)

父母ヶ浜

体験プロダクト

ゲストハウス

スポットB

スポットA スポットC

【全体事業イメージ図】

地域内(広域)の回遊性向上

地域内(⽗⺟ヶ浜近隣)の回遊性向上・渋滞解消

オンデマンド型交通による回遊性向上の実現

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■環境面の取り組みタラ財団の海洋環境調査への支援⽇本事務所を粟島に。

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アニエスベーがサポートするフランスの科学探査スクーナー船。以下の2大ミッションを果たすために、2003年にプロジェクトを始動しました。1. 気候の変動と海洋における環境問題の研究プロジェクトを企画・遂行する2. 科学的調査を実施、発表し、環境変化に対する人々の関心を向上させる

プロジェクト最高責任者のエティエンヌ・ブルゴワは、「環境の脆さについて人々に関心を持って欲しい。タラ号の科学ミッションは、海洋と気候、海洋と海洋生物多様性、海洋と人間、の3つを中心に組み立てられている。」タラ号に乗った科学者と乗組員たちは、極地から極地へと航海に繰り出し、船に搭載されたテクノロジーと最新鋭の実験室を駆使して、海洋に関する知識を深めてきた。タラ号の⺟港は、ブルターニュ地方のロリアン港。40ヶ国から350名が1800⽇に及ぶ航海の間タラ号に乗船し、70 の研究所や科学機関が関与。タラ号は約50ヶ国の国を訪れ、80回近く寄港した。プロジェクト毎に、10名余りの科学者たちが乗船し、約20の科学分野で研究を行い、それらは、海洋生物学、分子生物学、海洋学、生物情報学、生物地球化学、ゲノム科学、画像診断、生態学、モデリング、微生物学(細菌学・ウイルス学)、気象学、エネルギー収支法、降雪学、氷河学、動物学、鳥類学、考古学、地質学、化学といった分野に及ぶ。

<タラ財団と三豊市の提携の経緯>

年 月 内 容

2017年2月 ⽇比野克彦⽒が瀬⼾内海を航海中のタラ号に乗船した際、乗組員とともに粟島に立ち寄る。

2018年5月 タラ号が本市に寄港。環境学習や乗船体験会を開催。2019年4月 TARA JAPANの関係者が来訪。三豊市を視察。2019年9月 粟島海洋記念館にて、「三豊市と一般社団法人TARA

JAPANとの連携に関する協定書」を締結。

①最先端のプロフェッショナルな取組を学ぶことによる子どものグローバルな人材育成②環境啓発による豊かな環境を後世まで残すこと③粟島を拠点とした交流人口の拡大及び地域コミュニティ維持による離島の振興、住み続けられるまちづくり

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タラ財団タラ号ジュニアプロジェクトタラ号ジュニアプロジェクトでは、タラ号の研究を通して、環境問題を子どもたちに分かりやすく説明し、考えさせ、関心を向上させる取り組みを行っている。これまでに、フランスで35,000 人以上の子供、世界中で16,000人の子供たちが、実際にタラ号を訪問。

一般社団法人タラジャパン⽇本人に海の生命に対する意識をタラ号という科学探査船の活動を通じてあげていく組織2017年設立 フランスのタラ財団の支社

協力機関• アニエスベー• モナコアルベール公基金• 在⽇フランス大使館・アンスチチュフランセ• VEOLIA ・SERGE FERRARI• 東京大学インターメディアテック• 京都大学・筑波大学・高知大学・神⼾市みなと総局• 香川県三豊市• OSI(オシアニック サイエンス アンスチチュ)• 大丸松坂屋・上野マリーンサービス・丸二倉庫

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タラ号プロジェクト事務局長ロマン・トゥルブレ

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■統合的取り組み 当該エリア&市全域での有機的バランス

★2㎞圏コミュニティゾーンとは=⾏政ハブ+コミュニティユニット(人々の集う場)

多極分散ネットワーク型まちづくり2㎞圏コミュニティゾーン=「⼩さな拠点」配置構造

★AIプログラミング講座による人材育成

★環境活動とアートによる情報発信

★港湾産業地区開発とAIによる次世代育成

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■多様なステークホルダーとの取り組み⇒自律的好循環を生む工夫

中国銀行・地元金融機関

三豊市

プロジェクト統括(地域政策課PT) 関係各部署

<東京大学AI松尾研究室+香川高専+三豊市>

ミトヨで、やってミヨ。

ミトヨに、住んでミヨ。

ミトヨで、走ってミヨ。

ミトヨで、跳んでミヨ。

といった形で、三豊市の次世代事業者・

チャレンジャーから

全国の人々へ向けたメッセージを展開。

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