ブラインドミトスrpg...

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ブラインドミトスRPG 「人魚姫の悲しみ」 ◆シナリオ想定◆ PL:2,3PCレベル:2レベル(初期作成) 所要時間:120~150(ボイスセッションの場合) ◆キャラクター作成◆ 推奨ジャンル:特になし サンプル推奨:C,D,F ◆あらすじ◆ 街が海の中のように変質するという禁書災害が発生した。 聖ビブリオからの依頼で急遽、禁書災害に対応することになったPCたちは、目 の前で一人の少女が消えるところを目撃する。 能力を暴走させてしまった禁書使いである少女を助け、禁書災害を収拾すること PCたちの目的となる。 ◆登場人物◆ ■水野リン 中学2年生の少女。1年前母親を病気で亡くした。 ずいぶん立ち直ったように見えたが、最近学校を休みがち。 母親を亡くしたことを切っ掛けに、無意識のうちに禁書能力に目覚めかけてい る。 ■岡本順一 水野リンの友達。不安定な彼女の心の支え。 最終的に水野リンの絆になる。 ■間野雫 水野リンの同級生。 水野リンの陰口を言ったりして、仲間はずれにしたりしている。 ブラインドミトスRPG「人魚姫の悲しみ」 / 1 5 @0dwa作

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ブラインドミトスRPG 「人魚姫の悲しみ」

◆シナリオ想定◆ PL:2,3人PCレベル:2レベル(初期作成)所要時間:120分~150分(ボイスセッションの場合)

◆キャラクター作成◆ 推奨ジャンル:特になしサンプル推奨:C,D,F

◆あらすじ◆ 街が海の中のように変質するという禁書災害が発生した。聖ビブリオからの依頼で急遽、禁書災害に対応することになったPCたちは、目の前で一人の少女が消えるところを目撃する。能力を暴走させてしまった禁書使いである少女を助け、禁書災害を収拾することがPCたちの目的となる。

◆登場人物◆ ■水野リン 中学2年生の少女。1年前母親を病気で亡くした。 ずいぶん立ち直ったように見えたが、最近学校を休みがち。 母親を亡くしたことを切っ掛けに、無意識のうちに禁書能力に目覚めかけている。

■岡本順一 水野リンの友達。不安定な彼女の心の支え。 最終的に水野リンの絆になる。

■間野雫 水野リンの同級生。 水野リンの陰口を言ったりして、仲間はずれにしたりしている。

ブラインドミトスRPG「人魚姫の悲しみ」 / 1 5 @0dwa作

◆導入◆

■導入1.ここは海の底

PCたちが街を歩いていると、急に波の音が聞こえてくる。 ◆描写突き抜けるような青空が気持ちよい昼下がり。終本市の街角に君たちはいる。携帯電話でどこかに連絡を取ったり、時計を気にしながら足早にどこかへ向かったり、周囲の様子も至って普通だ。しかし、君たちはそこになにか異常なものを感じる。ざああ、ざああ潮騒が君たちの耳へ聞こえてくる。気づけば、周囲は海の底へと変化していた。

![精神抵抗]必要成功数1(全員判定)  ▽成功→周囲が海の底のようになっていることに気付く。

▽失敗→自分が海の中に居ることに気づき、パニックを起こす。トラウマに1点ダメージ。

周囲の一般人は自分たちが海の中に居ることには気付いていない。いつも通りの様子で、街の中を歩いている。どういうことだろうと周囲を見回す君たちのスマホが着信を告げる。間野潟「急なことで済まないが、禁書の回収を頼みたい」話によると、新たに禁書の力を目覚めさせた人物が力を暴走させているらしい街が海のようになっているのは、ここが禁書領域となっているせいらしい。事態が拡大する前にその人物を保護してほしいとのこと。 ただし、対象がどんな人物かはまだ分かっていない。

■導入2.泡になった人魚姫

PCたちが手がかりを求めて街を歩いていると、一人の少女が水泡に包まれていることに気づく。PCたちが近寄っても、少女は彼らに反応しない。やがて苦しそうな表情で小さく呟いた後、泡となってどこかへ消えてしまう。水野リン「お母さん……待って…!」

ブラインドミトスRPG「人魚姫の悲しみ」 / 2 5 @0dwa作

導入

手がかり1:リンの家 手がかり2:終本東中学校

手がかりA:ポストカード

手がかり3:思い出の場所

手がかりフローチャート

手がかりB:岡本順一 (リンの家を離れるとき発生)

クライマックス

PCたちは彼女が今回の事件の発端であることを感じ取るだろう。その場には、少女のものらしき学生証が残されていた。学生証には少女の名前と住所、学校名など書かれている。 □「手がかり1:リンの家」に行けるようになる □「手がかり2:終本東中学校」に行けるようになる

◆メインフェイズ◆

■手がかり1:リンの家 汚染カウント+1

◆描写学生証を頼りにリンの家でやってくる。水野リンの家は、住宅地の中にある一般的な規模の一軒家だ。しかし、なんとなく雰囲気は荒んでいる。郵便受けに広告が貯まっていたり、枯れ草が植わったプランターが放置されていたりと、あまり手入れがされていないのが一目でわかる様相だ。日中だからか、家の中に人気は無い。そして、辺りには禁書の気配が色濃く渦巻いている。PCたちが家へ近づくと、何かが扉をすり抜けるようにして家の中から飛び出してくる。

![運動]必要成功数2 (家に一番近づいたPC一人)▽成功→避けることに成功。なにもなし▽失敗→飛び出してきた何かに攻撃される。トラウマに2点ダメージ

鋭い歯を持った魚2体がPCたちへ襲いかかってくる。◆ウツボ2体と戦闘

●ウツボ識別:禁書知識1 耐久値:5 攻撃値:3d/2d 防御値:0 行動値:1 特殊能力:なし

戦闘に勝利すると、ウツボたちは泡となって消えてしまう。その場には一枚のポストカードが残されている。

□「手がかりA:ポストカード」を調査できる □この場から立ち去る場合、「手がかりB:岡本順一」が発生する

○リンの家庭について 1年前、母親が病気で亡くなった。それ以来父親は仕事を理由にあまり家に帰らなくなっている。家庭の状態の悪化もリンの不安定さに拍車をかけている。

■手がかり2:終本東中学校

◆描写海の底で中学校ではいつも通りの日常を過ごしているようだ。辺りの様子が騒ぎになっている様子はない。ただ授業中にもかかわらず、一人の少女が廊下の隅にうずくまっている。どうやら彼女は周囲の様子に気付いているらしい。話をしようと声をかけても、怯えてしまって会話にならない。

![交渉]または[威圧]必要成功数2(誰か一人)▽成功→少女は落ち着いて、会話が成り立つようになる。▽失敗→トラウマに2点ダメージ。成功と同じ結果。

少女は間野雫と名乗る。リンについて尋ねると、次のように教えてくれる。「水野さん、いつも一人なんだよね」「あの子全然笑わないし、面白くないからしょうが無いよね」「何話してもつまらなそうだし、話聞いてるかどうかもよく分からないし」「それに、あの子のそばにいると時々変なことが起きるんだ」「いきなり足元に水たまりが出来たり、水道の水が塩水になったり」「だからみんなあの子に近づくのを嫌がってる」「仲良くしてるのは岡本君くらいじゃないかな」リンについての話を聞いていると、少女の体が水泡に包まれていく。

![生命抵抗]必要成功数2▽成功→水泡を追い払うと、少女は怯えた様子でかけ去ってしまう▽失敗→ようやく水泡を追い払った頃には、少女は気を失ってしまった。

周囲の水の圧力が増している。汚染カウント+1

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(リンの悪口を言ったことで禁書の暴走が悪化します)

○リンのクラスでの立ち位置について 禁書の能力に目覚めかけているリンは、無意識にその能力を使ってしまうことがあった。 それ故、クラスでは気味悪がられており、岡本順一以外に親しい友人もいない。 母親を亡くしたことと、クラスで孤立気味であることから不登校気味になっている。

■手がかりA:ポストカード

ポストカードにはプラネタリウムの灯影機らしき写真が印刷されている。PCによっては、その写真に見覚えがあるだろう。一般知識での判定を行うこと。

![一般知識]必要成功数2▽成功→ポストカードに描かれている風景についての情報を得る▽失敗→汚染が1進むが、成功と同じ

◆描写ポストカードに描かれているのは、1年前に閉館したプラネタリウムだ。そこに行けばなにか分かるだろう。また、ポストカードの裏側には水野リンが書いた文字が残されている。「お母さんがくれた絵本が私を呼んでいる。いけないと。」裏面を見たPCたちはその文字から溢れる、リンの悲しい感情を感じ取る。

![禁書知識]必要成功数2(文字を見たPCのみ)▽成功→なにもなし▽失敗→ポストカードに残されたリンの思念に引きずられそうになる。喪

失に2点ダメージ

□「手がかり3:思い出の場所」へ行けるようになる。

■手がかりB:岡本順一

リンの家から立ち去ろうとすると、リンを訪ねてきた少年に出会う。リンの家から出てきたPCたちのことを怪しんでいる。

◆描写「あんたたち、水野の家に何の用?」水野リンの家を出たところで、訝しげに声を掛けられた。声の主は中学生くらいの少年だ。水野リンの同級生だろうか。少年はPC達のことを怪しんでいるらしく、こちらを睨み付けている。

![交渉]必要成功数2(協力可)▽成功→ PCたちに友好的になり、話をしてくれるようになる。▽失敗→ PCたちに心を開かず、警戒した様子で去ってしまう。

交渉に成功した場合、少年は岡本順一と名乗る。彼は母親を亡くして、不安定になっているリンの相談によく乗っていた。「あいつ、おばさんがいなくなってから、全然笑わなくなったんだ」「ノイローゼみたいな感じなのかな」「最近なんて、おばさんがくれた本が話しかけてくる、なんて言いだして」「今のクラスに馴染めてないみたいだし」「心配だから、様子見に来たんだけど。今日はいないんだな」順一と会話していると、PCたちは彼の周りに違和感を感じる。

![発見]必要成功数1▽成功→ 順一の周囲に彼を守るようにして小さな気泡が漂っていること

に気付く。精神抵抗で追加の判定を行う。▽失敗→ 何も気づかない。

![精神抵抗]必要成功数2([発見]の判定に成功したもののみ)▽成功→ トラウマを2点回復▽失敗→ 何もなし

「これ、水野にあげようと思ったんだけど、今日会えないみたいだしあんたたちにあげる」順一は木を削って作られた小さなマスコットをくれる。○岡本順一について 彼は学校で浮いているリンの唯一の友達である。リンの様子を見に来るために学校をサボったりする不真面目さが垣間見えるが、基本的には優しい少年。

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■手がかり3:思い出の場所(汚染1)

閉館して約1年がたったプラネタリウムはプラネタリウムへやってくると、中央の本来投影機が置かれている場所にリンが倒れている。その周りを象徴体であろう巨大な魚が泳ぎ回っている。リンへ近づくと、彼女がうわごとのように母を呼んでいることに気づく。「お母さん、どこなの?」「私を置いていかないで」「待って、私はここよ」リンのうわごとに合わせて、周囲の禁書の気配が増大する。

![精神抵抗]必要成功数2 (判定対象:全員)▽成功→ 重圧に耐えきった。何もなし▽失敗→ 重圧に負けた。喪失に1点ダメージ

禁書の暴走を止めなければ、リンの命が危ない。クライマックスへ移行する。○リンの禁書について アンデルセン童話の「人魚姫」 亡くなったリンの母が昔、幼いリンに買い与えたもの。インテリアにも使えそうな立派な装丁の絵本。

◆クライマックス◆ 増大した禁書の力にこれ以上リンは耐えられないだろう。彼女を助けるために禁書の暴走を食い止めなければならない。彼女を守るように象徴体があなた達へと向かってくる。

◆象徴体1体とPC数+1体のウツボと戦闘になる。●ウツボ識別:禁書知識1 耐久値:5 攻撃値:3d/2d 防御値:0 行動値:1 特殊能力:なし

●象徴体識別:禁書知識2 耐久値:6 攻撃値:3d/3d 防御値:1 行動値:2 特殊能力:なし

順一からマスコットを受け取っている場合、ウツボが1体減少する。象徴体は前衛に配置する。ウツボは前衛のPC数-1体を前衛に、残りを後衛に配置する。

象徴体との戦闘に勝利すると、海の中と化していた終本市がだんだんと元の様子に戻っていく。町が元に戻るとリンも目を覚ます。

◆その後について◆ 後日、君達の元に禁書となった絵本を携えた水野リンが訪れる。禁書使いとして訓練を積んで、能力を暴走させない術を手に入れるのだという。そう言って笑う彼女の表情は晴れやかなものだった。

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