マンスリー・レポート 日本株「ストック・ピック」 no ·...

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マンスリー・レポート 日本株「ストック・ピック」 NO.67 2017 年 12 月号 目 次 今月のポイント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.1 「2018 年の注目テーマと 12 月の注目銘柄」 ストック・ピック銘柄 ◆前田建設工業(1824)・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.6 ◆三菱ケミカルホールディングス(4188)・・・・・・・・・ P.9 ◆日本特殊陶業(5334)・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.12 ◆オムロン(6645)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.15 ◆キヤノン(7751)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.18 新規紹介 新規紹介 継続紹介 新規紹介 投資調査部 新規紹介

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マンスリー・レポート

日本株「ストック・ピック」 NO.67

2017 年 12 月号

目 次

今月のポイント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.1

「2018 年の注目テーマと 12 月の注目銘柄」

ストック・ピック銘柄

◆前田建設工業(1824)・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.6

◆三菱ケミカルホールディングス(4188)・・・・・・・・・ P.9

◆日本特殊陶業(5334)・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.12

◆オムロン(6645)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.15

◆キヤノン(7751)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.18

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2018 年の注目テーマと 12 月の注目銘柄

2017 年 12 月のマンスリー・レポート日本株

【12月の注目セクターと銘柄】

○日経平均は急ピッチな上昇後の上げ一服局面にある。しかし、日経平均は中期的な上昇トレンド

が続いているものと見られる。理由として、主力大型株を中心に18/3期の業績見通しが堅調であ

ることや、日経平均の予想PERが14.7倍(11/28)と割安圏にあるためだ(図表1)。一方で、主力株

が下値固めとなるなか、新興の中小型株が中心の日経ジャスダック平均は堅調だ。日経ジャスダ

ック平均は急ピッチで上昇しているため、高値警戒感は付きまとう。しかし、同平均の予想PERは

過去5年間の 高から見れば約1割下回る水準にある(図表2)。バブル的に買い上げられている

わけではないので、主力株が一服しているなかでは相対的に注目され易いものと見られる。

○12月の参考銘柄は業績拡大が期待でき18年に向けて注目されるテーマ性を有する銘柄を中心に

ピックアップした。オリンピックに向けて高水準の建設投資によって業績拡大が期待される前田建

設工業(1824)、リチウムイオン電池などの成長分野で優れた技術力を誇る三菱ケミカルホールデ

ィングス(4188)、次世代の電池として注目される全固体電池の開発に注力しつつある日本特殊陶

業(5334)、製造業の自動化ニーズの高まりで恩恵を享受することが予想されるオムロン(6645)、

有機EL製造装置で高い市場シェアを有する企業をグループに抱えるキヤノン(7751)を選定し

た。

【トピックス】

○17年の業種別騰落率(16年末→17年11月28日)を見ると、他製品株(主に任天堂)、電機株、化

学株などの上昇が目立った(図表3)。世界景気が堅調に推移したことと、半導体を中心にハイテク

景気が力強く拡大したことを反映した。また日・米・中ともに労働需給もタイトな状況となり、製造業

の自動化ニーズが盛り上がったことで、機械株も堅調だった。一方で、世界的に低金利が続いた

ことで、金融株のパフォーマンスは相対的に低迷した(図表3)。

○12月については、米国で金融規制の緩和期待が高まりつつあり、米銀行株の上昇に追随して、出

遅れている日本の金融株も見直される可能性があろう(図表4)。ただし、世界的に堅調な景況感

のなかで、日本の株式市場では業績相場に移行していると見られ、これまでと同様に電機株、機

械株などがリードセクターとなろう。

○また、17年はEV(電気自動車)、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、5G(次世代移動通

信)など次世代技術・産業が注目されたが、18年はその動きが更に進展することが期待され、株式

市場で注目されるテーマとなろう(図表5)。(梅田)

今月の

ポイント

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<図表1:日経平均と予想PERの推移(日次)>

12

14

16

18

20

22

24

0

5000

10000

15000

20000

25000

14/10/23 15/4/23 15/10/23 16/4/22 16/10/24 17/4/21 17/10/19

出所:QUICKを基に東海東京調査センター作成

日経平均(左軸)

予想PER(右軸)

過去3年平均15.1倍

(円) (倍)

<図表2:日経ジャスダック平均と予想PER(日次)>

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

0

20

40

60

80

99/4/1 02/5/10 05/6/16 08/7/22 11/9/2 14/10/10 17/11/22

80倍以上は未記載79.1(00/4/10)

48.0(06/1/13)

2713.73(00/2/21)2904.38(06/1/16)

過去5年平均17.1倍最高22.8倍最低14.0倍

予想PER(右軸)

日経ジャスダック平均(左軸)(円)

(倍)

出所:QUICKより東海東京調査センター作成

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<図表3:17年の東証業種別騰落率(上位7業種、下位7業種)>

他製品 電

化学

石油・石炭 空

非鉄金属

機械

輸送用機器

保険業

陸運業

不動産

銀行

証券・商品

電気・ガス

‐10

‐5

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

%

出所:QUICKより東海東京調査センター作成、業種分類は東証33業種

東証業種別騰落率(16年末→17年11月28日)

上位 下位

<図表4:日米の銀行株の推移(日次)>

85

90

95

100

105

110

115

140

150

160

170

180

190

200

16/12/30 17/3/8 17/5/12 17/7/18 17/9/21 17/11/28

東証銀行株指数(左軸)

米KBW銀行株指数(右軸)

出所:ブルームバーグより東海東京調査センター作成

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<図表5:2018年の注目テーマ>

テーマ ポイント 代表銘柄

EV(電気自動車)シフト 中国NEV(新エネルギー車)法の施行

中国政府は、19年より自動車メーカーに10%の新エネルギー車(NEV)の製造・販売を義務付ける。25年に新車販売台数予測3,500万台のうち、20%の700万台をNEVで占める計画。仏・英等の欧州諸国、インド等もEVシフトを加速させる方針

米テスラ(TSLA)トヨタ(7203)パナソニック(6752)三菱ケミHD(4188)

AI(人工知能)

米アマゾンや米グーグル等は、人工知能を備えたAIスピーカーを家庭向けに投入。宅内利用のビッグデータの収集・解析で、新たなサービス展開による商機拡大を目指す。さらに、18年は、AIの利用が自動走行車やドローン(小型無人機)のほか、製造、流通・物流、金融等の社会システム全般で一段と進展しよう

米アマゾン(AMZN)米エヌビディア(NVDA)ソニー(6758)富士通(6702)

次世代移動通信システム(5G通信)

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて高精細映像の高速配信、VR(仮想現実)、IoT(あらゆるモノをネット接続)等の基盤となる次世代移動通信システムの実証サービスが本格化。もの作り・交通・教育等の社会システム全般の変革をもたらそう

NTTドコモ(9437)アンリツ(6754)ネットワン(7518)古河電(5801)

次世代電池(全固体電池)

充電して繰り返し利用できる二次電池。現在主流のリチウムイオン電池がイオン(電子)の電極間移動に電解液を用いるのに対して固体電解質を使用する。安全性・小型化等に優れ、トヨタ等が開発中

トヨタ(7203)積水化(4204)出光興産(5019)特殊陶(5334)

自動走行車 =EV(電気自動車)+AI(人工知能)

日本版GPS衛星の運用開始で位置情報の誤差6センチを実現。高精度位置情報と各種センサを駆使した自動走行車の実証が本格化する。自動車各社はIT企業(モービルアイ、エヌビディア、グーグル、等)との連携強化で自動走行技術の開発を加速させている

トヨタ(7203)三菱電(6503)米エヌビディア(NVDA)

有機ELディスプレイ(曲がるディスプレイ)

17年は米アップルの10周年モデルiPhoneXに有機ELディスプレイ採用が話題となったが、18年は有機ELDの曲がる特性を活かした韓サムスン製新モデルが話題に。18年1月8日開催予定の世界最大の国際家電見本市(CES)に注目

住友化(4005)キヤノン(7751)デクセリアルス(4980)日製鋼(5631)

IoT、生産性革命 (次世代FAシステム・ロボット)

製造業の高度化が進む中国ではFA及びロボットの需要が増加。日欧米でもAI(人工知能)、あらゆるモノがネットにつながるIoT、ビッグデータ等による“第4次産業革命”の実現を目指し、新たな技術開発が進展中

ファナック(6954)不二越(6474)オムロン(6645)

働き方改革18年4月から労働契約法に基づく有期雇用契約の無期転換が本格開始予定。企業は、労務制度・人事制度・人材育成等で見直しが必要。コンサルティングやシステム開発等の需要増が期待される

パーソルHD(2181)リクルートHD(6098)SCSK(9719)

人づくり革命(教育無償化)

政府は、3~5才の子育て費用の完全無償化、低所得者に限り0~2才の子育て費用・大学等の高等教育の授業料無償化等を実施する方針。保育・学習市場の拡大が期待。企業内・駅構内等の保育所開設も注目

ベネッセHD(9783)ピジョン(7956)ライク(2462)

フィンテック 金融 + IT

17年に改正銀行法が成立。家計簿アプリなどの金融サービスを手がけるベンチャー企業には登録制を導入、銀行には口座情報への接続網開放を促す。16年の17年ぶりとなる銀行規制緩和に次ぐもの。18年は、メガバンク等がITベンチャーを取り込みフィンテックビジネスが加速することが見込まれる

三菱UFJ(8306)SCSK(9719)NTTデータ(9613)

自由貿易圏 TPP(環太平洋パートナーシップ)11 日欧FTA、等

17年11月に米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する11ヵ国が新たな自由貿易協定の締結で大筋合意。自動車部品の関税見直しなど、質の高い自由貿易圏づくりの基礎となることが期待される。18年は、わが国が自由貿易の先導役を果たせるかが試される年に

トヨタ(7203)伊藤忠(8001)イオン(8267)

シェアエコノミー海外企業が自転車・自動車等の国内シェアエコノミー市場に参入。米ライドシェア最大手ウーバーテクノロジーズ等にトヨタが出資。住宅に旅行者を有料で泊める住宅宿泊事業法(民泊法)が18年6月15日に施行予定。

NTTドコモ(9437)楽天(4755)KDDI(9433)ソフトバンクG(9984)

出所: 各種報道等より東海東京調査センター作成 銘柄名はQUICK略称、記載は順位不同 

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< 12月の紹介銘柄 >

新規 前田建設工業(1824)

■ コンセッションや再生可能エネルギー事業などの請負周辺事業に注力

■ 手持ち工事の採算改善、18/3期経常利益は前期比50%増を予想

■ 株価は19/3期予想PER13倍に相当する2,100円を目指すと予想

継続 三菱ケミカルホールディングス(4188)

■ 化学系3社を統合、高成長・高収益型の企業グループを目指す

■ 中国環境規制が追い風、18/3期は前期比40%営業増益と予想

■ 18/3期予想PER8.7倍に割安感、株価は1,630円を目指すと見込む

新規 日本特殊陶業(5334)

■ 主力の自動車用プラグ、センサーは排気ガス規制強化が追い風

■ 18/3期は会社修正後営業利益を上ブレ、過去最高更新を予想

■ 株価は18/3期予想PER14倍の3,140円を目指すとみる

新規 オムロン(6645)

■ FA(工場自動化)関連の制御機器が主力、ヘルスケアにも強み

■ 工場自動化など制御機器がけん引、18/3期の計画を上方修正

■ FA関連需要は高水準持続とみられ、株価は水準を切り上げよう

新規 キヤノン(7751)

■ 戦略的大転換を果たして新たな成長に挑戦

■ 17/12期は4期ぶりの増収増益計画、有機EL関連装置等が伸長

■ 株価は成長期待から上昇を見込む。17/12期予想年間配当利回り3.7%

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個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.1006

前田建設工業(1824)

2017 年 11 月 30 日

東海東京調査センター

投資調査部 廣瀬 治

◎土木・建築事業の採算向上、新規事業の展開も株価支援材料に

詳細は、企業レポート(17 年 11 月 24 日)を参照して下さい

■ コンセッションや再生可能エネルギー事業などの請負周辺事業に注力

同社は、上場大手 4 社に次ぐ準大手ゼネコン(総合建設業)の一角。道

路、ダム、鉄道などの大型土木、各種工事で豊富な実績を持つ。

業績は、同業他社と同様に経常利益が 1990 年頃にピークアウト、公

共工事縮小等で長期間にわたり低迷した。だが、東日本大震災後の復

興需要や首都圏再開発等による建設需要の拡大を背景に、13/3 期を

ボトムに回復基調にある。

図表 1: 売上高及び経常利益の推移

52

▲42

112152

229273

409459

‐100

0

100

200

300

400

500

600

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

12/3期 13/3期 14/3期 15/3期 16/3期 17/3期 18/3期予19/3期予

売上高(左軸)

経常利益(右軸)

億円

億円

出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター

加えて、同社が土木・建築に次ぐ収益の柱として注力してきた「コンセ

ッション(インフラ運営権の民間への譲渡)」や「再生可能エネルギー事業」な

株価

利益 配当 (11/28時点)

PER(18/3期予想) 11.7 倍 〃(19/3期予想) 10.4 倍

PBR(17/3期実績) 1.68 倍一株当たり純資産 1002.8 円

ROE(17/3期実績) 13.8 %

(単位:億円、%、円)

19.0) 306 ( 12% ) 161.0( 14% ) 459 ( 12%19/3予 4,755 ( 5% ) 414

出所:会社資料より東海東京調査センター作成 業績予想(連結優先)は東海東京調査センター(栗原 英明) ( )は前期比伸び率

当期利益一株当たり

1,681.0円売上高 営業利益 経常利益

17/3 4,225 239( -4% ) 231 ( 24% ( 37% ) 132.6 14.0) 273 ( 19% )

18/3予 4,523 ( 7% ) 364 ( 58% ) 409 ( 50% 17.0) 273 ( 14% ) 143.7

■ コンセッションや再生可能エネルギー事業などの請負周辺事業に注力

■ 手持ち工事の採算改善、18/3 期経常利益は前期比 50%増を予想

■ 株価は 19/3 期予想 PER13 倍に相当する 2,100 円を目指すと予想

売買単位100 株

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7/24

どの請負周辺事業の利益貢献が始まりつつある。

コンセッションとは、国や自治体が所有権を持ったままで運営権を民

間に譲渡し、公共事業に民間の資金・技術・経営能力を活用する手法

である。16 年 7 月より仙台空港のコンセッション、16 年 10 月より愛知県

の有料道路コンセッション事業を開始した。

■ 手持ち工事の採算改善、18/3 期経常利益は前期比 50%増を予想

18/3 期経常利益予想について、東海東京調査センターでは 6 月時点

の 364 億円(会社計画 300 億円)から 409 億円(前期比 50%増)に引き上げた。

この理由は、(1)建築及び土木ともに採算重視の営業活動が奏功して、

従来の当調査センターの想定以上に手持ち工事の採算が改善してい

る、(2)国内土木では想定以上に設計変更などでの利益が積み上がっ

ているためである。手持ち工事の採算改善にともない売上総利益率の

上昇を見込む(図表 2)。

続く 19/3 期は、豊富な手持ち工事の消化等を理由に、当調査センタ

ーは経常利益予想を従来の 414 億円から 459 億円(前期比 12%増)に上

方修正した。

なお、17 年 9 月末時点の手持ち工事高(単体)は 16 年 9 月末比 29%

増の 6,438 億円と、17/3 期の建設事業売上高の約 2 年分に積み上がっ

た。17/3 期に受注した東名ジャンクションランプシールドトンネル・地中

拡幅工事、リニア中央新幹線関連工事、ダムなど大型が手持ち工事と

なっている模様である。

図表 2: 建築・土木事業の売上総利益率の推移(単体)

6.8%

8.4%

11.2%12.4% 12.7%

8.2%8.8%

8.9%

14.3%15.2%

5%

7%

9%

11%

13%

15%

17%

15/3期 16/3期 17/3期 18/3期予 19/3期予

建築

土木

海外損失の

解消等が寄与

出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター

売上総利益は売上高から製品・サービス等の売上原価を差し引いたもの。同利益は企業にとって最も重要な

利益源泉である

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■ 株価は 19/3 期予想 PER13 倍に相当する 2,100 円を目指すと予想

株価は、好調な業績に加えて、コンセッションの展開等も注目され、上

昇トレンドをたどると予想(図表 3)。今後、株価は 19/3 期予想 PER13 倍に

相当する 2,100 円を目指すと見込む。PER13 倍は建設業界の環境が東

京五輪開催決定等で好転した 13 年 9 月から 17 年 3 月までの PER 上

限である。

※投資判断およびリスク等の詳細については、11 月 24 日付の企業レポートを参照ください。

図表 3: 株価チャート(週足)と PER の推移

500

700

900

1100

1300

1500

1700

5

10

15

14/6/1 14/11/30 15/5/31 15/11/29 16/5/29 16/11/27 17/5/28 17/11/26

倍PER(右軸)

(16/11/28)1091.0

648.0

(16/1/21)

前田建(週足)

(14/12/29)1018.0

13倍

26週移動平均線

出所:QUICK より東海東京調査センター作成 17 年 4 月以降の PER は 18/3 期東海東京調査センター

予想一株当たり利益に基づき計算

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個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.1007

三菱ケミカルホールディングス(4188)

2017 年 11 月 30 日

東海東京調査センター

投資調査部 廣瀬 治

◎バリュエーションに割安感、電池関連として注目

詳細は、企業レポート(17 年 10 月 6 日)を参照して下さい

■ 化学系 3 社を統合、高成長・高収益型の企業グループを目指す

同社は、三菱ケミカルホールディングスグループ会社(三菱ケミカル、田

辺三菱製薬、生命科学インスティテュート、大陽日酸)の持株会社。機能商品・素

材・ヘルスケアの 3 分野で広範な事業をグローバルに展開する(図表 1)。

同社は、「高成長・高収益型の企業グループ」を目指すことを基本方

針に掲げ、「成長・高効率・基盤強化」に寄与する施策を実行。その一環

として、14 年 11 月に大陽日酸の連結子会社化、17 年 4 月に傘下の化

学系 3 社(三菱化学・三菱樹脂・三菱レイヨン)を「三菱ケミカル」として統合した

(図表 2)。これまで個社に分かれていた社内リソースの活用(シナジー効果

の 大化)、自動車業界やエレクトロニクス業界をはじめとする事業環境の

変化にスピーディに対応できる体制整備、等を図る計画である。

図表 1: 事業別売上収益構成比 図表 2:売上高(売上収益)、営業利益、当期利益の推移

‐800

0

800

1,600

2,400

3,200

4,000

4,800

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

06/3期07/3期08/3期09/3期10/3期11/3期12/3期13/3期14/3期15/3期16/3期17/3期18/3期

売上高

(左軸)

営業利益

(右軸)

当期利益

(右軸)

億円

億円

三菱レイヨン

連結子会社化

10年3月 大陽日酸

連結子会社化

14年11月

構造改革費用等を

計上(16/3期)

化学系3社を

「三菱ケミカル」に統合

17年4月

予 出所:会社資料より東海東京調査センター作成 出所:QUICK、会社資料より東海東京調査センター作成 18/3 期予は東海東京調査センター予想

18/3 期より事業セグメントを変更、17/3 期は概算値 15/3 期以前は日本基準、16/3 期以降は IFRS

株価

利益 配当 (11/28時点)

PER(18/3期予想) 8.7 倍 〃(19/3期予想) 8.6 倍

PBR(17/3期実績) 1.56 倍一株当たり純資産 758.3 円

ROE(17/3期実績) 15.1 %

(単位:億円、%、円)

31.0) 1,976 ( 1% ) 137.3( 1% ) 3,681 ( 1%19/3予 37,580 ( 1% ) 3,781

出所:会社資料より東海東京調査センター作成 業績予想(連結優先)は東海東京調査センター(中原 周一) ( )は前期比伸び率

当期利益一株当たり

1,180.0円売上収益 営業利益 税前利益

17/3 33,760 1,562( -5% ) 2,686 ( 0% ( 204% ) 106.7 20.0) 2,583 ( 2% )

18/3予 37,194 ( 10% ) 3,753 ( 40% ) 3,653 ( 41% 30.0) 1,957 ( 25% ) 136.0

売買単位100 株

32%

29%

17%

16%

6%

17/3期

売上収益

33,760億円

機能商品

ケミカルズ

その他

ヘルスケア

産業ガス

■ 化学系 3 社を統合、高成長・高収益型の企業グループを目指す

■ 中国環境規制が追い風、18/3 期は前期比 40%営業増益と予想

■ 18/3 期予想 PER8.7 倍に割安感、株価は 1,630 円を目指すと見込む

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10/24

■ 中国環境規制が追い風、18/3 期は前期比 40%営業増益と予想

18/3 期営業利益を、東海東京調査センターは前期比 40%増の 3,753

億円と会社計画 3,450 億円を上回ると予想する(図表 4)。

18/3 期上半期(4-9 月期)のコア営業利益(営業利益から非経常的な要因で発

生した損益を除いたもの)は前年同期比 41%増の 1,922 億円となり、10 月以

降も高い利益水準が継続すると考えるため(図表 3)。素材分野(ケミカルズ

事業)では中国・環境規制による需給逼迫等を背景とするアクリル樹脂原

料(MMA モノマー)※の市況上昇、機能商品分野(機能商品事業)ではリチウ

ムイオン電池材料等の数量増効果が原料高の影響を上回る、等の寄与

を見込む。

図表 3: 売上収益及び(コア)営業利益の推移(半期ベース)

1363

1712

19222030

1000

1200

1400

1600

1800

2000

2200

2400

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

上半期 下半期 上半期 下半期予

兆円

億円

17/3期 18/3期

売上収益(左軸)

コア営業利益(右軸)

出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター

コア営業利益は営業利益から非経常的な要因で発生した損益を除いたもの

中国では環境対策での法令違反と見なされた多くの企業が生産を停

止。この影響で、化学業界では、違法操業の縮小による需給逼迫で市

況価格の上昇が生じている。同社は、アクリル樹脂原料の国内価格を

11 月 27 日出荷分から引き上げると発表した(上げ幅は 1 キロ 30 円)。

※アクリル樹脂原料(MMA モノマー)で同社は世界シェア 4 割と首位。アクリル樹脂成形材料や

アクリル樹脂板を自動車や家電、光学製品、看板等の幅広い分野に供給している。

また、同社は、車載向けリチウムイオン電池用電解液で世界シェア 4

割を持つ最大手。電解液は、正極と負極の間でリチウムイオンの橋渡し

役となる(図表 4)。世界 4 極体制の強化(英国工場の再開、国内・米国工場の生

産能力増強、宇部興との中国合弁会社による拡販)、車載や蓄電池といった大型

向けに特化することで、事業収益の継続的改善を図っている。

続く 19/3 期営業利益は前期比 1%増の 3,781 億円と、高水準持続を

予想する。機能商品事業の増益(数量増効果等)等を見込むため。

なお、同社は、11 月 28 日の事業説明会で、足元の業績好調を受けて、

中期経営計画の最終年度である 21/3 期コア営業利益目標を前回の

3,800 億円から 4,300 億円に引き上げた。

- +

電解液

正極負極

セパレータ

図表 4: リチウムイオン電池の構造

出所:東海東京調査センター作成

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11/24

■ 18/3 期予想 PER8.7 倍に割安感、株価は 1,630 円を目指すと見込む

同社株は、18/3 期当期利益が過去 高益更新が見込まれる中で、上

昇トレンド持続(図表 5)。18/3 期予想 PER8.7 倍で依然として株価に割安

感があり、一段の上昇余地があると考える。同 PER は総合化学 7 社の

18/3 期平均予想 PER13.0 倍を下回る水準である(図表 6)。

当調査センターでは、今後、PER における割安感が解消し、総合化学

平均並みのバリュエーションに向けて株価切り上げを予想する。株価は、

18/3 期予想一株当たり調整後利益(当調査センター予想一株当たり利益 136.0

円から転換社債にかかわる 8%の希薄化を考慮)125.6 円に PER13 倍を乗じた

1,630 円を目指すと見込む。世界的な規模で EV シフトが進展する中で

注目される電池関連銘柄の一角であることも株価の支援材料となろう。

※投資判断およびリスク等の詳細については、10 月 6 日付の企業レポートを参照ください。

図表 5: 株価チャート(月足)と当期利益の推移

‐400

‐200

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1003

1640

128

835

354185 322

608 513

15621957

0

500

1000

1500

2000

2500

07/3期 08/3期 09/3期 10/3期 11/3期 12/3期 13/3期 14/3期 15/3期 16/3期 17/3期 18/3期

億円

当期利益

(07/7)1190.0

(15/7)847.0

275.0

(12/10)

リーマン・ショック

437.3

(16/6)

過去最高益更新へ

赤字

三菱ケミHD(月足)

出所:QUICKより東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター

15/3 期以前は日本基準、16/3 期以降は IFRS

図表 6: 三菱ケミ HD と同業他社との PER 比較

PER 一株当たり利益

4188 三菱ケミHD 1,180.0 8.7 136.0

3407 旭化成 1,377.0 14.2 96.9

4005 住友化 795.0 10.1 78.9

4042 東ソー 2,408.0 9.3 257.9

4063 信越化 12,420.0 23.8 521.4

4183 三井化学 3,530.0 9.5 372.2

4204 積水化 2,167.0 15.2 142.2

平均(7社) - 13.0 -

単位:円、倍

コード 銘柄名(QUICK略称)

株価(11/28)

18/3期予想

出所:QUICK を基に東海東京調査センター作成

予想 PER は三菱ケミ HD は東海東京調査センター、ほか6銘柄は QUICK コンセンサス(各

社アナリストの平均値、11/28 時点)の一株当たり利益予想を基に算出したもの

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12/24

個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.1008

日本特殊陶業(5334)

2017 年 11 月 30 日

東海東京調査センター

投資調査部 川又 信之

◎18/3 期に再び過去最高営業益更新を予想

詳細は、企業レポート(17 年 11 月 10 日)を参照して下さい

■主力の自動車用プラグ、センサーは排気ガス規制強化が追い風

自動車用プラグ、排気系センサーで世界トップ。17年4-9月期(上半期)

の営業利益は前年同期比22%増の324億円になった(10月30日発表)。

主力の自動車関連事業が世界的な排気ガス規制強化を追い風に、プ

ラグ、センサーを中心に好調。テクニカルセラミックス事業は半導体製造

装置向けセラミックの好調と、半導体部門の不採算製品撤退などから赤

字体質の改善が進みつつある(図表 1、2)。

地域別では、北米向け売り上げが前年同期比3%減(現地通貨ベース、以

下同じ)となったが、欧州向け売り上げが同5%増、中国向けが同27%増、

タイが同9%増とけん引した。

株価

利益 配当 (11/28時点)

PER(18/3期予想) 11.2 倍 〃(19/3期予想) 10.1 倍

PBR(17/3期実績) 1.52 倍一株当たり純資産 1660.1 円

ROE(17/3期実績) 7.4 %

(単位:億円、%、円)

60.0) 475 ( 86% ) 224.3( 29% ) 719 ( 30%18/3予 4,143 ( 11% ) 689

( -17% ) 119.4 42.0) 555 ( -14% ) 256( -3% ) 535 ( -19%

出所:会社資料より東海東京調査センター作成 業績予想(連結優先)は東海東京調査センター(細井 克己) ( )は前期比伸び率

当期利益一株当たり

2,523.0円売上高 営業利益 経常利益

17/3 3,729

19/3予 4,426 ( 7% ) 738 ( 7% ) 768 ( 7% 67.0) 526 ( 11% ) 248.8

■ 主力の自動車用プラグ、センサーは排気ガス規制強化が追い風

■ 18/3 期は会社修正後営業利益を上ブレ、過去最高更新を予想

■ 株価は 18/3 期予想 PER14 倍の 3,140 円を目指すとみる

売買単位100 株

図表 1: 事業別 売上高(上半期、前年同期比較) 図表 2:事業別 営業利益(上半期、前年同期比較)

298332

‐50

0

50

100

150

200

250

300

350

400

16年4―9月 17年4―9月

自動車関連(プラグ、排気系セ

ンサなど)

テクニカルセラミックス

その他

・セラミック部門

億円

テクニカルセラミックス

・半導体部門

出所:会社資料より東海東京調査センター作成

1529 1687

0

500

1000

1500

2000

2500

16年4―9月 17年4―9月

自動車関連(プラグ、排気

系センサなど)

テクニカルセラミックス

その他億円

出所:会社資料より東海東京調査センター作成

・セラミック部門

・半導体部門

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13/24

また、同社は、10月末に開催された東京モーターショー2017に、開発

中の全固体電池(電解液の代わりに固体の電解質を使用する次世代電池。各社が

開発に取り組む)を出展するなど、新たな分野にも取り組む。

■18/3 期は会社修正後営業利益を上ブレ、過去最高更新を予想

同社は上半期の業績発表に併せて、18/3 期営業利益計画を 534 億

円→664 億円と上方修正(10 月 30 日発表)。

東海東京調査センターは、18/3 期の営業利益は修正後計画を上回

る 689 億円(前期比 29%増)と予想。16/3 期の過去最高(662 億円)を更新

するとみる(図表 3、4)。

主力の自動車関連事業の営業利益が前期比20%増とみる(会社計画は

同 15%増)こと、などが主因。会社は下半期の為替前提を 108 円/ドル、

128 円/ユーロとしている。当調査センターの想定レートは 110 円/ドル、

125 円/ユーロ。1 円の円安は通期で対ドル 6.2 億円、対ユーロ 4.0 億円

の営業増益要因と推定。

テクニカルセラミックス事業は半導体部門がスマートフォン用パッケー

ジ(半導体 IC などの表面を保護するセラミック部材)など注力製品の拡販と生産

性向上で赤字幅縮小、セラミック部門は半導体製造装置向けが好調と

みる。

続く 19/3 期も、東海東京調査センターは自動車関連事業の好調と半

導体部門の収支改善を見込み、前期比 7%営業増益を予想。

図表 3: 事業別 営業利益の推移

711579

695 708

‐100

0

100

200

300

400

500

600

700

800

16/3 17/3 18/3予 19/3予

自動車関連(プラグ、排気系セン

サなど)

テクニカルセラミックス

その他

・セラミック部門

億円

テクニカルセラミックス・半導体部門

出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター

図表 4:営業利益の推移

621662

535

689738

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1,000

15/3 16/3 17/3 18/3予 19/3予出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター

更新予想過去最高益

億円

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14/24

■ 株価は 18/3 期予想 PER14 倍の 3,140 円を目指すとみる

同社株は、16 年末から下降トレンドを続けていたが、17 年 8 月の安値

2,031 円を底に、出直り基調に転じた(図表 5)。

しかし、当調査センターは18/3期に再び過去 高営業益更新を予想

することから、18/3期予想PER11.2倍には割安感があるとみる(図表6)。

同社過去3年平均の同14倍と比べても割安と考える。

株価は11月に入り、高値2,716円をつけた後、足元ではスピード調整

の動きだが、13週移動平均線が上昇してきており、押し目買いポイント

に接近していると考える。

当調査センターは、同社株の目標株価を18/3期予想PER14倍となる

3,140円と算定。株価はこの水準を目指すと考える。

※投資判断およびリスク等の詳細については、11 月 10 日付の企業レポートを参照ください。

図表 5: 株価(週足)と出来高

12001400160018002000220024002600280030003200

0

5000

10000

15000

16/4/3 16/7/3 16/10/2 17/1/1 17/4/2 17/7/2 17/10/1 17/12/1

出所:QUICKより東海東京調査センター作成

円(16/12/16)

2835.0

千株

出来高

特殊陶(週足)

2031.0(17/8/21)

13週移動平均線

(17/11/9)2716.0

1391.0(16/7/8)

図表 6: 株価(月足)と営業利益

516

621 662535

689

738

300

400

500

600

700

800

900

1000

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500 円 億円(15/6)3900.0

特殊陶(月足、左軸)

14/3 15/3 16/3 17/3 18/3予 19/3予

1391.0(16/7)

出所:QUICK、会社資料より東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター

営業利益(右軸)

予想

過去最高

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15/24

個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.1009

オムロン(6645)

2017 年 11 月 30 日

東海東京調査センター

投資調査部 川又信之

◎FA関連需要を背景に、株価は水準を切り上げよう

詳細は、企業レポート(○○年○月○日)を参照して下さい

■ FA(工場自動化)関連の制御機器が主力、ヘルスケアにも強み

同社は制御機器(FA:工場自動化関連のセンサー、コントロール機器、産業用ロ

ボットなど)、電子部品(家電・通信機器向けのリレー、スイッチなど)、車載(電動パ

ワステ、コントロール機器など)、社会システム(自動改札機、券売機など)、ヘルス

ケア(電子血圧計、体温計など)などを手掛ける電機メーカー(図表 1)。電子血

圧計では世界シェアトップ。

とくに、制御機器は、世界的な景気堅調を背景に、製造現場における

人手不足解消や生産性向上のため、中国向けを中心に需要が高まっ

ている。

株価

利益 配当 (11/28時点)

PER(17/3期実績) 32.5 倍 〃(18/3期予想) 25.2 倍

PBR(17/3期実績) 3.18 倍一株当たり純資産 2193.7 円

ROE(17/3期実績) 10.1 %

(単位:億円、%、円)

68.0) 459 ( -3% ) 215.1( 9% ) 654 ( 0%17/3 7,942 ( -5% ) 675

( -24% ) 219.0 68.0) 656 ( -25% ) 472( -2% ) 622 ( -28%

出所:会社資料より東海東京調査センター作成 業績予想(連結優先)は会社計画  ( )は前期比伸び率

当期利益一株当たり

6,980.0円売上高 営業利益 税前利益

16/3 8,336

18/3予 8,500 ( 7% ) 850 ( 26% ) 795 ( 21% 76.0) 590 ( 28% ) 277.0

■ FA(工場自動化)関連の制御機器が主力、ヘルスケアにも強み

■ 工場自動化など制御機器がけん引、18/3 期の計画を上方修正

■ FA 関連需要は高水準持続とみられ、株価は水準を切り上げよう

売買単位100 株

図表 2: 売上高と営業利益

453

680

865

622675

850

0

200

400

600

800

1,000

1,200

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

13/3 14/3 15/3 16/3 17/3 18/3予

出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は会社計画

億円億円売上高(左軸)

営業利益(右軸)

図表 1: 事業別 売上高

42%

12%17%

8%

13%8% 制御機器

電子部品出所:会社資料より東海東京調査センター作成

各事業の売上構成比は連結消去前

車載

社会

システム

ヘルスケア

その他

17/3期

売上高

7942億円

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16/24

■ 工場自動化など制御機器がけん引、18/3 期の計画を上方修正

17 年 4―9 月期の売上高は前年同期比 11%増の 4,105 億円、営業利

益は同 67%増の 433 億円になった(10 月 31 日発表)。

大幅増益の要因は、高採算の制御機器事業の増収により、全社の売

上高営業利益率が前年同期比 3.6%ポイント向上し、10.6%になったこ

と。制御機器事業の売上高営業利益率も同 5.1%ポイント向上し 19.7%

になったほか、電子部品事業、ヘルスケア事業の同利益率も向上した。

制御機器の好調は、同社がグローバルに注力する仕向け先 4 業界(自

動車、デジタル、食品・日用品、社会インフラ)向けが前年同期比 29%増(現地通

貨ベース、以下同じ)と伸びたため。この 4 業界向けでは中華圏が同 42%

増、日・米・欧・アジア向けが同 26%増と高成長を遂げた。

同社は、17 年 4―9 月期決算の発表と併せ、18/3 期通期の計画上方

修正を発表した(10 月 31 日)。

18/3 期の売上高計画を会社は従来計画の 8,100 億円→8,500 億円

(前期比 7%増)に上方修正。営業利益計画は同じく 680 億円→850 億円

(同 26%増)に修正した。

工作機械業界全体の受注の好調(図表 3)に見られるように、主力の制

御機器事業がけん引し、足元の業績が好調なため(図表 4)。同社は 17

年 10 月―18 年 3 月期の為替前提を 1 ドル=110 円、1 ユーロ=128 円

と想定(1 円の円安は営業利益に通期で対ドル約 5 億円、対ユーロ約 5 億円の増益要

因と同社は想定)。

図表 4: 主な事業別 営業利益(連結消去前)

546 479 520715

0

200

400

600

800

1000

1200

15/3 16/3 17/3 18/3予

社会システム

車載

電子部品

ヘルスケア

制御機器

億円

出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は会社計画

営業利益は連結消去前 その他(本社直轄事業)は非掲載

図表 3: 工作機械受注

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

12/12 13/6 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 16/12 17/6出所:日本工作機械工業会より東海東京調査センター作成

百万円

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17/24

■ FA 関連需要は高水準持続とみられ、株価は水準を切り上げよう

同社株は、17 年 5 月の安値 4,385 円を底に、上昇トレンドにある(図表

5)。FA・産業用ロボット関連銘柄物色の動き、さらに 10 月 31 日に発表し

た 17 年 4―9 月期の業績好調、18/3 期通期計画の上方修正発表など

が背景とみられる。

株価の上昇もあり、同社株の 18/3 期予想 PER は 25.2 倍となっている

が、同業他社比較では割安感がある(図表 6)。

世界的な景気堅調を背景に、中国などを中心とした FA 関連の需要は

今後も高水準が続くとみられ、同社株も上昇トレンドを持続、水準を切り

上げると考える。

なお、同社は11月28日引け後に株式の売出しを発表。三菱東京UFJ

銀行などが保有する同社普通株 2,875,000 株(発行済株式数の 1.3%)を売

出すもの。引受人である三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券が全株引受け、

売出しを行う予定。株式需給悪化要因ではあるものの、株数も少なく、影響

は軽微とみられる。むしろ、これにより株価が調整するならば、押し目買いの

機会と考えたい。

図表 5: 株価(週足)と出来高

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000 円

13週移動平均線

オムロン(週足)

千株

0

5000

10000

15000

16/1/4 16/7/3 17/1/1 17/7/2 17/12/31

出来高

出所:QUICKより東海東京調査センター作成

2742(16/2/12)

(17/3/2)5120

4385

(17/5/18)

7230(17/11/27)

図表 6: 同業他社 PER 比較(円、倍)

コード QUICK略称株価

(11/28)会社予想

EPS予想PER

6645 オムロン 6,980.0 277.0 25.2

6474 不二越 704.0 36.2 19.4

6506 安川電 5,250.0 146.5 32.86861 キーエンス 67,710.0 1,410.1 48.06954 ファナック 28,290.0 850.7 33.3

4社平均 33.4出所:QUICKより東海東京調査センター作成

安川電機は決算期変更のため11ヵ月の変則決算、予想PERは12ヵ月換算で算定

キーエンスは会社計画未公表のため、日経予想を利用

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18/24

個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.1010

キヤノン(7751)

2017 年 11 月 30 日

東海東京調査センター

投資調査部 廣瀬 治

◎株価は利益成長とともに上昇見込む、好配当利回り銘柄としても注目

■ 戦略的大転換を果たして新たな成長に挑戦

同社は、2016 年より「戦略的大転換を果たし、新たな成長に挑戦す

る」という基本方針を掲げ、カメラや事務機器用の「現行事業」の徹底的

な強化と「新規事業」の拡大、新生産システムの確立等を柱とする戦略

を実行。M&A(合併・買収)による有機 EL 関連ビジネスやメディカルシステ

ム事業等で成果が実りつつある。

図表1のように、同社の時価総額は、リーマンショックを境に停滞が続

いた(図表 1)。だが、「戦略的大転換」への取り組みが顕在化することで、

再び同社の時価総額は増加する素地が整いつつあると考える。なお、

同社は 20/12 期売上高が過去 高となった 07/12 期(4.4 兆円)を上回る

ことを計画している。

図表 1: 時価総額の推移 ~ リーマンショック後の停滞期から脱却へ

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

94/1 96/1 98/1 00/1 02/1 04/1 06/1 08/1 10/1 12/1 14/1 16/1 17/12

兆円リーマン

ショック

「戦略的大転換」を果たし、新たな成長に挑戦」

〈停滞期〉

出所:ブルームバーグより東海東京調査センター作成

株価

利益 配当 (11/28時点)

PER(17/12期予想) 18.8 倍 〃(18/12期予想) 18.2 倍

PBR(16/12期実績) 1.68 倍一株当たり純資産 2548.5 円

ROE(16/12期実績) 5.2 %

(単位:億円、%、円)

160.0) 2,542 ( 3% ) 235.5( 6% ) 3,842 ( 5%18/12予 41,378 ( 1% ) 3,723

出所:会社資料より東海東京調査センター作成 業績予想(連結優先)はQUICKコンセンサス(各社アナリスト予想の平均、11/28時点) ( )は前期比伸び率 一株当たり配当予想は日経観測報道

当期利益一株当たり

4,294.0円売上高 営業利益 税前利益

16/12 34,014 1,506( -11% ) 2,288 ( -36% ( -32% ) 138.0 150.0) 2,446 ( -30% )

17/12予 40,839 ( 20% ) 3,523 ( 54% ) 3,651 ( 49% 160記) 2,465 ( 64% ) 228.3

■ 戦略的大転換を果たして新たな成長に挑戦

■ 17/12 期は 4 期ぶりの増収増益計画、有機 EL 関連装置等が伸長

■ 株価は成長期待から上昇を見込む。17/12 期予想年間配当利回り 3.7%

売買単位100 株

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■ 17/12 期は 4 期ぶりの増収増益計画、有機 EL 関連装置等が伸長

同社は、新規事業として、商業印刷、ネットワークカメラ、ヘルスケア、

産業機器の 4 分野を柱に拡大を目指している。とりわけ、買収した東芝

メディカルシステムズ(以下、東芝メディカル)を主とする「メディカルシステム

事業」と有機 EL ディスプレイ製造装置(露光装置、蒸着装置、等)を含む「産

業機器事業」の展開が注目される(図表 2)。

東芝メディカルは、国内シェアトップのコンピューター断層撮影装置

(CT)システムなどを持つ医療機器業界におけるグローバル企業。同社は、

独自の画像処理や微細加工等の先端技術を活かして、東芝メディカル

との統合による相乗効果を引き出し、世界の医療機器 3 強(米ゼネラル・

エレクトリック、独シーメンス、蘭フィリップス)に挑む計画である。

図表 2: 事業別売上高構成比 図表 3:ヘルスケア事業の売上高比較

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

米ゼネラル

・エレクトリック(GE)

独シーメンス

(SIE)

蘭フィリップス

(PHIA)

キヤノン

兆円

出所:ブルームバーグを基に東海東京調査センター作成 大手 3 社は 16 年度実績(蘭フィリップスはパソナルヘ

ルス事業とコネクテッドケア&ヘルスインフォメーション等の合計)、キヤノンは同社公表の 17/12 期メディカルシ

ステムの計画 売上高は円換算(11 月 24 日時点)

同社の子会社キヤノントッキは、有機 EL 製造用蒸着装置で世界シェ

ア首位。同製造用露光装置を含む同関連装置は、スマートフォン等を

中心とする有機 EL ディスプレイの採用拡大等を背景に販売が伸長。

「産業機器その他」事業の17年1-9月期営業利益は前年同期比849%

増の 406 億円となった(図表 4)。

図表 4: 「産業機器その他事業」の営業利益の推移(四半期ベース)

▲6 5

4431

87

131

188

133

‐10

40

90

140

190

240

16.1‐3 4‐6 7‐9 10‐12 17.1‐3 4‐6 7‐9 10‐12

億円

有機EL関連装置がけん引役

出所:会社資料を基に東海東京調査センター作成 予想は会社計画

17/12期

売上高計画

4兆800億円

オフィス産業機器

その他

メディカルシ

ステム

イメージング

システム

出所:会社資料より東海東京調査センター作成

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米大手調査会社の予測によれば、スマートフォン向けパネルは 18 年

に有機 EL が液晶を金額ベースで逆転する見通し。高級 TV 向け有機

EL パネル市場の拡大も見込まれ、同社の有機 EL 関連ビジネスの拡大

持続が見込まれる。

■露光装置:シリコンウエハ上にナノメートル(1 メートルの 10 億分の1)単位の微

細な電子パターンを刻む装置。超精密・品質の工学・光学技術が要求される

■蒸着装置:金属や酸化物などを蒸発させて、素材の表面に付着させる表面

処理あるいは薄膜を形成する装置

同社は 17 年 1-9 月期決算発表で 17/12 期通期業績計画の上方修正

を発表。売上高を前回公表比 300 億円増の 4 兆 800 億円(前期比 20%増)、

営業利益を同 200 億円増の 3,500 億円(同 53%増)に引き上げた。17/12

期は 4 期ぶりの増収・営業増益となる計画である。

「現行事業」ではレーザービームプリンタとカメラの回復と露光装置の

好調、「新規事業」ではネットワークカメラや有機 EL 蒸着装置関連の売り

上げ伸長、東芝メディカルも寄与する見通し、としている。業績計画の前

提となる 17/12 期第 4 四半期(10-12 月)の為替レートは、1 米ドル=112

円、1 ユーロ=132 円。1 円の円安による営業利益影響額(17 年 10-12 月)

は対米ドルで+13 億円、対ユーロで+10 億円と想定している。

なお、市場予想(QUICK コンセンサス、11/28 時点)は、売上高 4 兆 839 億円

(前期比 20%増)、営業利益 3,523 億円(同 54%増)、続く 18/12 期は前期比

1%増収、同 6%営業増益の見通し(図表 5)。

図表 5: 売上高及び営業利益の推移

7566

4960

2170

3875 3780 3238 3372

3634 3552

2288

3523 3723

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

10000

11000

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17予 18予

兆円

億円

営業利益(右軸)

年度

売上高(左軸)

リーマンショック

16年12月東芝メディカルシステムズを買収

15年4月監視カメラ大手Axis AB(アクシス)を買収

07年12月トッキ(現キヤノントッキ)を買収

出所:会社資料を基に東海東京調査センター作成 予想は QUICK コンセンサス(11/28 時点)

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■ 株価は成長期待から上昇を見込む。17/12期予想年間配当利回り3.7%

株価は 16 年 1-9 月期決算発表(16 年 11 月 11 日)を好感して上昇トレン

ドに転じた(図表 6)。東芝メディカル買収による相乗効果への期待に加え

て、「イメージングシステム事業」や「産業機器その他事業」の利益回復

等が寄与したと考える。製品・サービスの売上総利益(粗利益)は、16 年

7-9 月を底にして改善傾向。売上総利益は、売上高から売上原価を差

し引いたもの。同利益は企業にとって も重要な利益の源泉である。

今後、株価は利益成長とともに上昇トレンドをたどると見込む。17/12

期予想年間配当利回りは 3.7%と、好配当利回り銘柄としても注目され

よう。会社公表の 17/12 期予想年間配当金は 160 円(普通配当金 150 円、

記念配当 10 円)。

図表 6: 株価チャート(週足)と売上総利益伸び率(四半期)

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000円

%

(15/4/13)4539.0

キヤノン(週足)

(17/11/9)4472.026週移動平均線

‐20

‐10

0

10

20

30

40

15.1‐3 4‐6 7‐9 10‐12 16.1‐3 4‐6 7‐9 10‐12 17.1‐3 4‐6 7‐9 10‐12

売上総利益伸び率(前年同期比)

2780.0

(16/6/28)

16年1-9月期決算

発表(16/11/11)

出所:QUICK より東海東京調査センター作成 予想は会社計画 売上総利益は、売上高から製品・サービス等

の売上原価を差し引いたもの。同利益は企業にとって最も重要な利益の源泉である

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東海東京調査センターからの注意事項

【レーティングの定義】

投資判断の定義

Outperform

Neutral

Underperform

Suspended

NR

今後 6 ヵ月間における投資成果が TOPIX に対して 15%以上上回るとアナリストが予想

今後 6 ヵ月間における投資成果が TOPIX に対して±15%未満とアナリストが予想

今後 6 ヵ月間における投資成果が TOPIX に対して 15%以上下回るとアナリストが予想

一時的に投資判断、目標株価を停止

レーティング、目標株価を付与せず

このレポートは、東海東京調査センター(以下「弊社」)が作成し、弊社の許諾を受けた証券会社、及び情報

提供会社等から直接提供する形でのみ配布いたしております。提供されたお客様限りでご利用ください。

このレポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではあり

ません。投資判断の 終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

このレポートは、信頼できると考えられる情報に基づいて作成されておりますが、弊社は、その正確性及び

完全性に関して責任を負うものではありません。このレポートに記載された内容は、作成日におけるものであり、

予告なく変わる場合があります。このレポートの権利は弊社に帰属しており、いかなる目的であれ、無断で複製

又は転送等を行わないようにお願いいたします。

レーティングの表記は、TOPIX に対して Outperform、Neutral、Underperform の 3 段階で区分表記していま

す。また、一時的に投資判断、目標株価を停止する場合は、Suspended、レーティングが無い場合は、NR と表

記しています。対象期間は、投資評価が付与された日を起点として、6 ヵ月程度を想定しております。

アナリストがレポートにおいて企業の目標株価に言及した場合、その目標株価はアナリストによる当該企業

の業績予想に基づくもので、期間は 6 ヵ月程度を想定しております。実際の株価は、当該企業の業績動向や、

当該企業に関わる市場や経済環境などのリスク要因により、目標株価に達しない可能性があります。

このレポートで述べられている見解は、当該証券又は発行会社に関する執筆者の意見を正確に反映したも

のです。執筆者の過去、現在そして将来の報酬のいかなる部分も、直接、間接を問わず、このレポートの投資

判断や記述内容に関連するものではありません。

弊社は、このレポートを含め、経済・金融・証券等に関する各種情報を作成し、証券会社等に提供すること

を主たる事業内容としており、弊社の許諾を受けた証券会社よりこのレポートの対価を得ております。

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東海東京証券からの注意事項

このレポートは、東海東京調査センターが作成し、東海東京証券株式会社が許諾を受けて提供いたして

おります。投資判断の 終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

金融商品取引法に基づきお客様にご留意いただきたい事項を以下に記載させていただきます

東海東京証券の概要

商 号 等 : 東海東京証券株式会社 金融商品取引業者 東海財務局長(金商)第140号

加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融

商品取引業協会

リスクについて

◎ 国内外の金融商品取引所に上場されている有価証券(上場有価証券等)の売買等にあたって

は、株式相場、金利水準等の変動や、投資信託、投資証券、受益証券発行信託の受益証券等

の裏付けとなっている株式、債券、投資信託、不動産、商品等(裏付け資産)の価格や評価額の

変動に伴い、上場有価証券等の価格等が変動することによって損失が生じるおそれがあります。

◎ 上場有価証券等の発行者等の業務や財産の状況等に変化が生じた場合や、裏付け資産の発

行者等の業務や財産の状況等に変化が生じた場合、上場有価証券等の価格が変動することに

よって損失が生じるおそれがあります。

◎ 新株予約権、取得請求権等が付された上場有価証券等については、これらの権利を行使できる

期間に制限がありますのでご留意ください。

◎ 上場有価証券等が外国証券である場合、為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変化することによ

り、為替相場が円高になる過程では外国証券を円貨換算した価値は下落し、逆に円安になる過

程では外国証券を円貨換算した価値は上昇することになります。したがって、為替相場の状況に

よっては為替差損が生じるおそれがあります。

◎ 信用取引またはデリバティブ取引を行う場合は、その損失の額がお客様より差入れいただいた委

託保証金または証拠金の額を上回るおそれがあります。

※ 裏付け資産が、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等である場合

には、その 終的な裏付け資産を含みます。

※ 新規公開株式、新規公開の投資証券及び非上場債券等についても、上記と同様のリスクがあり

ます。

◎ 上記以外の上場有価証券等にも価格等の変動による損失が生じるおそれがありますので、上場

有価証券等の取引に際しては、当該商品等の契約締結前交付書面等をよくお読みください。

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手数料等諸費用について

Ⅰ 国内の金融商品取引所に上場されている有価証券等

国内の取引所金融商品市場における上場有価証券等の売買等についてお支払いいただく委託手数料

等は、次の通りです。

(1)国内の金融商品取引所に上場されている株券等(新株予約権付社債券を除く。)

委託手数料の上限は、約定代金の1.242%(税込)になります。

(2) 国内の金融商品取引所に上場されている新株予約権付社債券等

委託手数料の上限は、約定代金の1.08%(税込)になります。

※上記金額が2,700円(税込)に満たない場合には、2,700円(税込)になります。

※信用取引には、委託手数料の他に、委託保証金を差し入れていただきます。対面取引における信用

取引の委託保証金は、売買代金の30%以上で、かつ500万円以上、ダイレクト信用取引の委託保証

金は、売買代金の33%以上で、かつ30万円以上が事前に必要です。加えて、買付の場合は金利、売

りつけの場合は貸株料及び品貸料等をいただきます。金利、貸株料、品貸料等の額は、その時々の

金利情勢等に基づき決定されますので、金額等をあらかじめ記載することはできません。

Ⅱ 外国金融商品市場等に上場されている株券等

外国株券等(外国の預託証券、投資信託等を含みます。)の取引には、国内の取引所金融商品市場に

おける外国株券等の売買等のほか、外国金融商品市場等における委託取引と国内店頭取引の2通りの

方法があります。

(1) 外国金融商品市場等における委託取引

① 国内取次ぎ手数料

国内取次ぎ手数料(上限:約定代金の1.404%(税込))が掛ります。

② 外国金融商品市場等における委託手数料等

外国株券等の外国取引にあたっては、外国金融商品市場等における委託手数料及び公租公

課その他の諸費用が発生します。当該諸費用は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて

決定されますので、本書面上その金額等をあらかじめ記載することはできません。

(2) 国内店頭取引

お客様に提示する売り・買い参考価格は、直近の外国金融商品市場等における取引価格等を基

準に合理的かつ適正な方法で算出した社内価格を仲値として、仲値と売り・買い参考価格との差

がそれぞれ原則として2.50%(手数料相当額)となるように設定したものです。当該参考価格には

手数料相当額が含まれているため、別途手数料は頂戴いたしません。

※ 外国株券等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際の為替レートは、外国為替市場の動

向をふまえて当社が決定した為替レートによるものといたします。

Ⅲ その他

募集、売出し又は相対取引の場合は、購入対価をお支払いいただきます。また、お客様との合意に基づ

き、別途手数料をいただくことがあります。

金融商品等にご投資いただく際のリスク、手数料等は、金融商品等ごとに異なりますので、契約締

結前交付書面や上場有価証券等書面または目論見書等をよくお読みください。