シラバス(専門看護師コース)目次 ·...

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- 153 - 科目名 科目名 看護教育学 155 慢性看護学特論Ⅰ(慢性病者の行動理解) 179 看護管理・政策論 156 慢性看護学特論Ⅱ(慢性病者の査定) 181 看護理論 158 慢性看護学特論Ⅲ(慢性病者の支援技術) 184 看護研究Ⅰ(概論) 160 慢性看護学特論Ⅳ(慢性病者に関連する制度や体制) 186 看護研究Ⅱ(量的・質的研究) 161 慢性看護学特論Ⅴ(慢性病者に関連する治療・療養環境整備) 188 コンサルテーション論 163 慢性看護学特論Ⅱ演習(慢性病者の査定) 190 看護倫理 164 慢性看護学特論Ⅲ演習(慢性病者への支援技術) 194 生命倫理 165 慢性看護学実習Ⅰ(専門看護師の役割理解) 197 国際医療保健論 167 慢性看護学実習Ⅱ(慢性期/外来) 198 国際言語文化論入門(英語分野) 168 慢性看護学実習Ⅲ(急性増悪期・回復期・終末期/病棟) 200 臨床看護病態生理学 169 慢性看護学実習Ⅳ(予防期/地域) 201 フィジカルアセスメント 170 がん看護学特論Ⅰ(腫瘍病態学) 203 臨床看護薬理学 171 がん看護学特論Ⅱ(がん看護理論) 204 遺伝子診断と疾患の分子生物学 173 がん看護学特論Ⅲ(がん看護援助論) 206 保健医療福祉特論 174 がん看護学特論Ⅳ(がん薬物療法看護) 208 保健統計学 175 がん看護学特論Ⅴ(がん薬物療法看護方法論) 210 看護情報科学特論 176 がん看護学特論Ⅵ(緩和ケア) 212 行動理論 177 がん看護学特論Ⅵ演習(緩和ケア演習) 214

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Page 1: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

- 153 -

シラバス(専門看護師コース)目次

科目名 頁 科目名 頁

看護教育学 155 慢性看護学特論Ⅰ(慢性病者の行動理解) 179

看護管理・政策論 156 慢性看護学特論Ⅱ(慢性病者の査定) 181

看護理論 158 慢性看護学特論Ⅲ(慢性病者の支援技術) 184

看護研究Ⅰ(概論) 160 慢性看護学特論Ⅳ(慢性病者に関連する制度や体制) 186

看護研究Ⅱ(量的・質的研究) 161 慢性看護学特論Ⅴ(慢性病者に関連する治療・療養環境整備) 188

コンサルテーション論 163 慢性看護学特論Ⅱ演習(慢性病者の査定) 190

看護倫理 164 慢性看護学特論Ⅲ演習(慢性病者への支援技術) 194

生命倫理 165 慢性看護学実習Ⅰ(専門看護師の役割理解) 197

国際医療保健論 167 慢性看護学実習Ⅱ(慢性期/外来) 198

国際言語文化論入門(英語分野) 168 慢性看護学実習Ⅲ(急性増悪期・回復期・終末期/病棟) 200

臨床看護病態生理学 169 慢性看護学実習Ⅳ(予防期/地域) 201

フィジカルアセスメント 170 がん看護学特論Ⅰ(腫瘍病態学) 203

臨床看護薬理学 171 がん看護学特論Ⅱ(がん看護理論) 204

遺伝子診断と疾患の分子生物学 173 がん看護学特論Ⅲ(がん看護援助論) 206

保健医療福祉特論 174 がん看護学特論Ⅳ(がん薬物療法看護) 208

保健統計学 175 がん看護学特論Ⅴ(がん薬物療法看護方法論) 210

看護情報科学特論 176 がん看護学特論Ⅵ(緩和ケア) 212

行動理論 177 がん看護学特論Ⅵ演習(緩和ケア演習) 214

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科目名 頁 科目名 頁

がん看護学実習Ⅰ(診断と治療) 216 在宅看護学特論Ⅰ(保健医療福祉制度とケアマネジメント) 238

がん看護学実習Ⅱ(高度看護実践・役割) 217 在宅看護学特論Ⅱ(在宅看護アセスメント) 241

がん看護学実習Ⅲ(緩和ケア) 218 在宅看護学特論Ⅲ(在宅看護援助方法) 244

がん看護学実習Ⅳ(在宅緩和ケア) 219 在宅看護学特論Ⅳ(医療的ケア・終末期ケア) 247

老年看護学特論Ⅰ(老年看護学の基盤) 220 在宅看護学特論Ⅴ(訪問看護ステーション等の管理・運営) 249

老年看護学特論Ⅱ(アセスメント・健康生活評価) 222 在宅看護学演習Ⅰ(医療的ケアに関する看護) 251

老年看護学特論Ⅲ(老年病病態治療学) 223 在宅看護学演習Ⅱ(終末期ケアに関する看護) 253

老年看護学特論Ⅳ(看護介入方法) 225 在宅看護学実習Ⅰ(退院支援・調整と在宅チーム医療) 255

老年看護学特論Ⅴ(保健医療福祉政策・サポートシステム) 227 在宅看護学実習Ⅱ(専門看護師の機能と役割①) 256

老年看護学演習Ⅰ(老年急性期看護) 228 在宅看護学実習Ⅲ(専門看護師の機能と役割②) 257

老年看護学演習Ⅱ(認知症高齢者看護) 230 在宅看護学実習Ⅳ(訪問看護ステーションの開設、管理・運営) 258

老年看護学実習Ⅰ(老年急性期高度実践看護・役割) 232 課題研究 259

老年看護学実習Ⅱ(認知症高齢者高度実践看護・役割) 236

シラバス(専門看護師コース)目次

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科目名・英名 看護教育学

Nursing Education 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 金子昌子 必修・選択 選択 開講年次 1・2年次

開講学期 前期

授業形態 講義・演習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 N306教室

科目概要

看護専門職にとっての教育的役割は、看護実践や後輩育成において重要不可欠である。

本科目では、教育の定義や本質、教育学における基本概念や理論を学ぶ。さらに、医学教育の現況を参考に、基礎教育、継続教育、卒後教育の関連お

よびこれらの現状と課題、看護管理における看護教育の位置づけを理解し、看護専門職業人としてのキャリア開発のあり方について探求する。

授業目的 看護や教育の実際の場面で教育活動に活用するため、看護教育の変遷や教育理論、教育方法について理解する。

到達目標

1.看護教育の歴史的変遷を理解する。 2.教育心理学、学習心理学における学習理論を理解する。 3.医学教育・看護学教育の現況と課題を理解する。 4.専門職のキャリア発達における教育につい理解する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 看護教育制度の変遷 看護教育の歴史的な変遷、指定規則と大学設置基準及びカリキュラ

ムの変遷を紹介する。

金子昌子

2

学習理論① 学習理論の自己学修を通して理解を深め、ディスカッションに臨む。

自己学習課題

教育心理・学習心理における学習理論:連合理論,ピアジェの発達

理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、

組織学習論について、事前学修する。 3

学習理論②

4.5 授業展開の基本(1) 授業の形態、教育方法、教授方略、授業設計と指導計画:指導計画

を作成し模擬授業を展開する準備を行う。 6 授業展開の基本(2)

7.8

成人教育

成人教育について、発達を通して探究する。ペタゴジーとアンドラ

ゴジーの看護ケアとクライアント教育

ケアとしての教育

9.10.

現任教育、継続教育、卒後教育の現状と課題 現任教育、継続教育、卒後教育の現状と課題を学習者個々の立場で

提示する。 Patricia BennerのDreyfus Modelを参考に、基礎教育からの看

護専門職のキャリア発達における教育について探究する。

11 継続教育 継続教育の取り組みの実際と課題

12.13 医学教育の現況と今後 基礎教育、専門医教育の医学教育の現状を理解し、専門職教育につ

いての課題や対策を探究する。

ゲストスピーカー

北村 聖

(国際医療福祉大学)

14.15 まとめ 模擬講義のプレゼンテーション 金子昌子

授業外における

学習・時間

教育心理・学習心理における学習理論:連合理論,ピアジェの発達理論、社会構成理論、状況

の基づく学習理論、情報論的学習理論、組織学習論について、事前学修する。

看護教育学に関する基礎的な理解が本履修には不可欠であるため、以下の参考書を読んでおく。

1コマ/30分

評価方法 授業への参加度(準備性・積極性)50%、レポ-ト50%の割合で評価する。

テキスト・参考書

1. 杉森みど里 他(2006):看護教育学, 医学書院.

2. 堀 薫夫他(2008):成人教育の現代的実践,鳳書房.

3. パトリシア ベナー他、早野ZITO真佐子訳2011):ベナー ナースを育てる,医学書院.

4. 藤岡完治(1994):授業設計ワークブック,医学書院.

5. 梶田叡一(1993):教育評価,有斐閣双書.

6. 中原 淳(2010):職場学修論 東京大学出版会.

7. 目黒悟(2010):看護教育を拓く授業リフレクション,メヂカルフレンド社.

その他、随時紹介する。 履修上の注意 講義形式の授業にも積極的に質問、討議に参加することを望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

フィスアワー:原則として毎週水曜 12時10分~13時

E-mail [email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名 看護管理・政策論

Nursing Administration・Nursing Policy 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 山口久美子、佐山静江 必修・選択 選択 開講年次 1・2年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 N306教室

科目概要

本科目では、保健医療福祉分野に従事する諸専門職との連携をとりながら、看護職者が仕事をしていくための看護管

理に関する諸理論、概念について概観する。また、保健・医療・福祉施設における看護組織のあり方、看護職者の業務

運営・管理のあり方、看護業務と政策との関連について学習し、質の高い看護を提供できるシステムを構築することに

ついて学習する。

具体的には、看護管理を科学的に考究するための基礎として、まず、ものの見方、考え方について講じ、そのうえで、

看護管理に関する諸概念や諸理論および技法について学ぶ。また、看護業務と政策との関連を歴史の視点から概観し、

現況と今日的課題について探究する。さらに、看護政策の変遷と現状、行政組織の構造と機能を学び、課題を見極める

方法と政策策定について教授する。他方、臨床現場からの視点で、経営学での学習及びトップマネジメント・ミドルマ

ネジメントとしての実務経験をもとに、病院組織および看護組織の実情、課題、展望について講義を行う。

授業目的 看護現象を科学的に分析・評価し、創造的な実践を開発する研究能力に関する知識・技能・態度を修得する。

到達目標

1.看護の概念を説明する。

2.看護サービスの概念について例を挙げて説明する。

3.自己変革し、創造的な看護管理者のあり方を説明する。

4.大学病院の看護管理の実態と課題を説明する。

5.看護管理と看護政策の関係を説明する。

6.わが国の看護政策の形成プロセスを説明する。

7.わが国の看護政策の変遷と課題を論述する。

8.看護政策の方法と評価を論述する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 ガイダンス 山口久美子

2

看護管理概説① 「看護管理者になるということ」「看護管理者に必要な

知識体系」について学び、看護管理の意義と役割につい

て理解する。

3 看護管理概説② 「看護管理の歴史的」変遷を概観し、看護管理の歴史を

学ぶ意義を理解する。

4 看護管理概説③ 「組織化とマネジメント」について、組織論のおおまか

な流れとマネジメントのプロセスを理解する。

5

看護管理概説④ 「人的資源活用と情報システム」として、リーダーシッ

プとマネジメント、キャリア開発と継続教育、看護管理

を支援する情報システムを理解する。

6

看護管理概説⑤ 「制度・政策と医療経済」について理解し、制度と看護

の関係について看護管理の課題への応用的視点を理解

する。

山口久美子

7 看護管理の現状と課題① 看護管理の視点から診療報酬について概観し、看護管理

の課題への応用的視点を理解する。

山口久美子

8 看護管理の現状と課題② 保健医療行政の地域移行、地域包括ケアについて看護管

理の課題への応用的視点を理解する。

9 看護管理の実際① 病院管理の実際を理解する。(トップマネジメント) 獨協医科大学

統括看護部長

佐山 静江

山口久美子

10

看護管理の実際② 病院管理の実際を理解する。(ミドルマネジメント)

11-14 演習 それぞれが課題についてのプレゼンテーションを行い、

ディスカッションする。

山口久美子

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==== 事前学習:発表する各領域の対応困難事例のレポートを

作成する。

15 まとめ 自己の課題と看護管理の課題を明らかにする。

授業外における

学習・時間

11-14 回目の講義に向けて、自らの課題について討議するレポートの作成、及びレポート作成に向け

た文献検索等 1コマ/30分

評価方法 講義への出席状況、レポートの内容を考慮して総合的に評価を決定する。

講義への参加状況(40%)レポート(60%)

テキスト・参考書

1.沢田允茂(1976):考え方の論理 第50刷 講談社学術文庫45, 講談社.

2.高根正昭(1979):創造の方法学 講談社現代新書553, 講談社.

3.草刈淳子(1992):看護管理における研究の現状と展望 看護Mook40, 金原出版, 東京.

4.清水嘉与子 他(2009):保健師助産師看護師法60年史:看護行政の歩みと看護の発展,日本看護協会出版会.

5.日本看護歴史学会 編集,川嶋みどり,草刈淳子,氏家幸子,高橋みや子 監修(2008): 日本の看護120年 歴史を

つくるあなたへ-,日本看護協会出版会.

6.見藤隆子,石田昌宏,大串正樹,北浦暁子,伊勢田暁子(2007):看護職者のための政策過程入門,日本看護協会出

版会.

7.日本看護協会出版会 編集(2010):看護におけるケアとキュア、そして看護の役割―裁量権拡大の本質論―, インタ

ーナショナルナーシングレビュー33(1), 日本看護協会出版会.

履修上の注意 主体的学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

1. 全体に関わる質問は講義時間で対応する。

2. オフィスアワーに研究室で対応する。

オフィスアワー:水曜日 17:00~18:00 研究室NO.11

Email:yama-k@dokkyomed.ac.jp

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科目名・英名 看護理論

Nursing Theory 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 菊池麻由美 必修・選択 選択 開講年次 1・2年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講者との協議により決定する 教室 受講者との協議により決定する

科目概要

高度な実践能力を育成するにあたり、看護理論は「看護」という営みを理解し、新たな看護実践を創造する理論枠組

として価値づけられる。 本科目では、代表的な「ドロセア・オレムのセルフケア理論」「ジーン・ワトソンのケアリング理論」「パトリシア・

ベナーの看護理論」などについて論及し、理論の看護事象への活用法を示す。また、1つの理論について検討した結果

をプレゼンテーションする。

授業目的 高度専門職業人としての看護実践者、看護管理者、看護教育・研究者育成の為に、実践・管理・教育・研究の基礎と

発展にとって重要な看護理論の理解を深める。

到達目標

1.看護学の理論体系の発展経緯と看護現象の概念化や理論化の意味や重要性を理解する。看護実践の基盤となる諸理

論の構成、利点及び限界や、看護実践・研究・教育への活用を検討する。

1) 看護学の理論体系の発展経緯を説明する。

2)いくつかの看護論の背景、主要概念、枠組みを説明する。

3)理論に基づく事例検討を行い、課題解決に看護理論を用いる方法を説明する。

4)1つの看護理論について背景、主要概念、枠組み、事例への活用方法をプレゼンテーションする。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 看護学の理論体系の発展経緯と看護現象

の概念化や理論化の意味や重要性

看護における理論開発の歴史

看護理論の概観と看護科学、看護学との関連

菊池麻由美

2

・看護理論の諸概念、看護実践・教育・研究における重要性

・卓越した看護実践への看護理論の活用

・看護実践の質を維持・発展させるための理論構築

3 ・理論と概念、理論の評価(分析とクリティーク)

4 ドロセア・オレムのセルフケア理論

理論家の背景、理論の源泉、問題意識、前提、主要概念、

命題

5 課題を含んだ実践事例への看護理論の活用

6 課題:看護実践の中に看護理論を捉える①

7 パトリシア・ベナーの看護理論 または ジ

ーン・ワトソンのケアリング理論

理論家の背景、理論の源泉、問題意識、前提、主要概念、

命題

8 課題を含んだ実践事例への看護理論の活用

9 課題:看護実践の中に看護理論を捉える②

10 中範囲理論: 病みの軌跡理論 または

パートナーシップ理論

理論家の背景、理論の源泉、問題意識、前提、主要概念、

命題

11 課題を含んだ実践事例への看護理論の活用

12 課題:看護実践の中に看護理論を捉える③

13 看護実践の中に看護理論を捉える 課題発表

14 看護理論の看護実践への活用 -その実際と課題-

15 看護理論の看護実践への活用を支援する

授業外における

学習・時間

事前に『筒井真優美編集(2015). 看護理論家の業績と理論評価. 医学書院.』の[序]および[第一

部:看護理論の発展と理論評価の基本となるもの]を読んで授業に臨むことが好ましい。 1コマ/30分

評価方法 プレゼンテーション60%、グループ討議への参加40%等を総合評価する。

テキスト・参考書

1.筒井真優美編集(2015),看護理論家の業績と理論評価,医学書院.

2.筒井真優美編(2008) ,看護理論 看護理論20 の理解と実践への応用,南江堂. 3.野川道子(2016),看護実践に活かす中範囲理論,メヂカルフレンド社. その他、担当教員より随時に明示する。

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履修上の注意 討議形式の授業・課題検討・課題発表をするので積極的参加を期待します。

質問への対応

(オフィスアワー・Email) E-mail [email protected]

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科目名・英名 看護研究Ⅰ(概論)

Nursing ResearchⅠ 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 島田 三惠子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

看護研究論文の作成には、研究の方法論および論文の作成に関する基礎知識を理解することが必要である。 本科目では、看護研究論文の作成に必要な基礎知識として、研究の種類、研究デザイン、研究プロセス、研究課題の

明確化、文献検討、量的研究方法、質問紙作成、データ収集と分析、研究計画書の作成方法、研究倫理と倫理審査申請

書の作成方法、研究発表と討論、研究成果の活用、および論文投稿などについて学修する。

授業目的 看護現象を科学的に分析・評価し、創造的な実践を開発する研究能力の基盤を培う。

到達目標

1.看護の科学的探究と看護実践との関係を説明する。 2.看護研究を進めるプロセスと各々の段階の具体例、及び研究倫理を説明する。 3.自分の臨床疑問を文献検索につなげるプロセスを説明できる。 3.論文クリティークを行い、看護研究の成果活用方法を説明する。 4.量的研究:調査研究のプロセスと質問紙作成の要点を説明できる。 5.研究論文の作成と発表方法の要領と留意点を説明する。 6.研究課題(案)を念頭に、研究計画書、倫理審査申請書(案)の作成を試みる。

授業

内容

回 月 日 曜 限 授業計画 授業外学習 担当者

1 4 17 火

5 研究の概念枠組みと意義、研究のプロセス、 配布資料復習 島田三恵子

2 6 リサーチクエスチョンとPICO 同上

3 5 15 火

5 文献検索と文献検討のまとめ方 構造化抄録

4 6 論文のクリティークの基本:STROBE、サブストラクション 論文選定

5 5 29 火

5 調査研究の特徴とプロセス、研究の種類(質の研究との違い) 配布資料復習

6 6 質問紙作成の基本とプロセス テキスト①該

当章予習 7 6 5 火

5 測定尺度の信頼性と妥当性

8 6 文献クリティーク ① ② 発表者が 2 週以

前に文献配布、各

自精読

9 6 19 火

5 文献クリティーク ③ ④ 10 6 文献クリティーク ⑤ ⑥ 11

7 3 火 5 研究計画書の書き方 案作成

12 6 研究倫理ガイドライン、倫理審査申請書の書き方 案作成

13 7 17 火

5 論文のまとめ方(原著論文の作成方法)、 テキスト②、他

14 6 論文のまとめ方(論文投稿、査読の要点)、研究の不正行為

15 7 24 火 5 学会発表とプレゼンテーション技術、研究指導の受け方 配布資料復習

授業外における

学習・時間 前期中にe-learningで①研究者の倫理(CITI)と②ICR臨床研究入門を行い、passする。 1コマ/30分

評価方法 授業全般に関わる参加度(準備性・積極性)10%、プレゼンテーション20% 討論の参加度と発言の適切性20%、CITIと ICR受講50%で評価する。

テキスト

① 石井京子、他:ナースのための質問紙調査とデータ分析、医学書院2002.

② アメリカ心理学会、APA論文作成マニュアル〔第2版〕、医学書院.

③ 大木秀一:文献レビューのきほん、医歯薬出版 2013.

履修上の注意 テキストは、自己学習し参加する。研究方法を理解するために、文献クリティークを行う。

質問への対応

(オフィスアワー・Email) Email:[email protected]、 オフィスアワー:水曜12~13時 にて対応いたします。

科目名・英名 看護研究Ⅱ(量的・質的研究)

Nursing Research Ⅱ 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 粟生田友子、春山康夫、大久保功子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

看護学の体系化には、量的研究と質的研究の両方の研究方法論が必要である。しかしそれぞれのパラダイム

が異なるため、各々の研究方法論を理解し、看護学の今後の発展に必要な研究方法論について理解することは

重要である。

本科目では、看護研究Ⅰで学修した研究の基礎知識をふまえ、看護領域でよく用いられている研究方法とし

て、量的研究では疫学的調査法、質的研究では内容分析、Grounded Theory Approach、解釈学的アプローチ

について学び、各々の方法論の特徴と限界について理解する。

授業目的 「看護現象を科学的に分析・評価し、創造的な実践を開発する研究能力」を培うために、看護研究の方法につい

て質的・量的な探究方法を学修する。

到達目標

一般学習目標

1.量的研究と質的研究の相違点を理解する。

2.疫学的調査法を理解する。

3.内容分析とgrounded theory approachの研究方法を理解する。

4.現象学的アプローチについて理解する。

行動目標

1.量的研究と質的研究の相違点を挙げて説明する。

2.疫学的調査法:仮説の設定、研究デザイン、仮説の検定方法、疫学とEBNとの関係を説明する。

3.内容分析とgrounded theory approachの研究方法を説明する。

4.現象学的アプローチについて説明する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1

疫学概論 1)疫学とは

2)疫学の基本指標

3)疫学とEvidence-Based Nursing(EBN)

春山康夫

2

研究調査の考え方と進め方 1)看護研究課題の抽出

2)文献検索

3)看護研究目的と仮説

4)看護研究デザイン

3 研究目的と仮説 1)記述疫学

2)分析疫学1(生態学的研究)

4 研究デザイン1:横断研究 1)分析疫学2(横断研究と縦断研究)

2)介入研究

5

研究デザイン2:縦断研究 1)SPSSのデータベース作成

2)変数の計算、再カデゴリー化、新変数の作成

3)正規分布と基本統計量

6

仮説検定(単変量と多変量解析) 1)対応のないt検定、対応のあるt検定

2)分散分析(ANOVA)

3)カイ二乗検定、マクネマー検定

4)マン・ホイットニー検定、ウィルコクスン検定

7

疫学とEvidence-Based Nursing(EBN) 1)一般線形モデル(共分散分析(ANCOVA))

2)重回帰モデル

3)多重ロジスティック回帰モデル

8

質的研究概論 ・探求レベルから見た質的研究と量的研究の関係

・質的研究の特徴と課題

・看護で多用されている質的研究方法論

粟生田友子

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科目名・英名 看護研究Ⅱ(量的・質的研究)

Nursing Research Ⅱ 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 粟生田友子、春山康夫、大久保功子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

看護学の体系化には、量的研究と質的研究の両方の研究方法論が必要である。しかしそれぞれのパラダイム

が異なるため、各々の研究方法論を理解し、看護学の今後の発展に必要な研究方法論について理解することは

重要である。

本科目では、看護研究Ⅰで学修した研究の基礎知識をふまえ、看護領域でよく用いられている研究方法とし

て、量的研究では疫学的調査法、質的研究では内容分析、Grounded Theory Approach、解釈学的アプローチ

について学び、各々の方法論の特徴と限界について理解する。

授業目的 「看護現象を科学的に分析・評価し、創造的な実践を開発する研究能力」を培うために、看護研究の方法につい

て質的・量的な探究方法を学修する。

到達目標

一般学習目標

1.量的研究と質的研究の相違点を理解する。

2.疫学的調査法を理解する。

3.内容分析とgrounded theory approachの研究方法を理解する。

4.現象学的アプローチについて理解する。

行動目標

1.量的研究と質的研究の相違点を挙げて説明する。

2.疫学的調査法:仮説の設定、研究デザイン、仮説の検定方法、疫学とEBNとの関係を説明する。

3.内容分析とgrounded theory approachの研究方法を説明する。

4.現象学的アプローチについて説明する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1

疫学概論 1)疫学とは

2)疫学の基本指標

3)疫学とEvidence-Based Nursing(EBN)

春山康夫

2

研究調査の考え方と進め方 1)看護研究課題の抽出

2)文献検索

3)看護研究目的と仮説

4)看護研究デザイン

3 研究目的と仮説 1)記述疫学

2)分析疫学1(生態学的研究)

4 研究デザイン1:横断研究 1)分析疫学2(横断研究と縦断研究)

2)介入研究

5

研究デザイン2:縦断研究 1)SPSSのデータベース作成

2)変数の計算、再カデゴリー化、新変数の作成

3)正規分布と基本統計量

6

仮説検定(単変量と多変量解析) 1)対応のないt検定、対応のあるt検定

2)分散分析(ANOVA)

3)カイ二乗検定、マクネマー検定

4)マン・ホイットニー検定、ウィルコクスン検定

7

疫学とEvidence-Based Nursing(EBN) 1)一般線形モデル(共分散分析(ANCOVA))

2)重回帰モデル

3)多重ロジスティック回帰モデル

8

質的研究概論 ・探求レベルから見た質的研究と量的研究の関係

・質的研究の特徴と課題

・看護で多用されている質的研究方法論

粟生田友子

Page 10: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

- 162 -

9

内容分析について① ・内容分析と内容の分析の違い(既存の方法論とそ

うでない方法の特徴と課題)

・Bernard Berelson,Ole R. Holsti,

Klaus Krippendorffの各々が開発した方法論の特徴

と課題について、論文を通して概説する。

10 内容分析について② 前回に続く

11

Grounded theory approach(GTA と略

す)について①

・GlaserとStraussがGTAを開発した社会的背景(相

互作用論の概説)

・→予習してきた内容のプレゼンをもとに、看護に

おけるGTAの有効性を考察する。

・その後の両者の意見の相違による方法論上の混乱

・木下康仁によるM-GTAの方法論上の課題の改善策

・看護で用いられている研究例によるGTAの有効性

と課題

12 Grounded theory approachについて② 前回に続く

13

14

現象学的アプローチ 解釈学的アプローチについて学び、その特徴と限界

について理解する。

大久保功子

15 まとめ 粟生田友子

授業外における

学習・時間

自ら取り組んできた研究実績を踏まえて、再学習する機会として授業を効果的に活用できるよ

う、事前準備をして授業に臨むことを基本とする。授業ごとに1時間程度を確保する。

評価方法

評価基準の割合は、①第1回講義から第7回講義までの内容を50%、②第8回から第15回までの評価を50%

として、①と②を合算して最終評価を出す。それぞれの評価基準は、授業参加の状況10%、授業中で課したレ

ポート40%、最終レポート50%とする。

テキスト・参考書

教科書:日本疫学会 編集(2009):疫学-基礎から学ぶために(第11刷),南江堂.

参考書:N.K.デンジン 他 編,平山満義 監訳(2006):質的研究ハンドブック1~3巻, 北大路書房.その他、随

時紹介する。

履修上の注意 主体的な取り組みを期待する。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:12時~13時

E-mail:[email protected] にて対応いたします。

科目名・英名 コンサルテーション論

consultation 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 天賀谷隆、小西敏子、岸田さな江 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 N306教室

科目概要

コンサルテーションの基本理論、プロセス、役割機能、ならびに看護学領域におけるコンサルテーションの実際を学

ぶ。これらを通して、患者やその家族、看護職が抱える課題や問題解決のプロセスを共有し、有効な援助が行なわれる

資源として活用されるコンサルタントの役割を理解する。

また、事例検討やロールプレイなどの学習方法を駆使して、患者や家族へのケアや組織的な課題を明確化し、具体的

なケアに関する助言などのコンサルテーションのプロセスを学び、適切な援助ができることを目指す。そして看護にお

けるコンサルテーションに有用な対人関係スキルを学び、さまざまな健康問題において適確な判断、指導、対処ができ

る能力を習得する。

授業目的 コンサルテーションに関する最新の知識と複雑な倫理的問題に対応できる調整能力を学修する。

到達目標

1)コンサルテーションに関する基本理論と方法を理解するとともに、コンサルテーションに必要な技術を習得する。

2)精神看護、がん看護、慢性疾患や感染領域等における専門看護師が行うコンサルテーションの実際を学ぶ。

3)自らの専門領域におけるコンサルテーション技法の活用方策、および今後の課題について、考察する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1-2

1)コンサルテーションの理論(カウンセ

リングの基礎を含む)

2)コンサルテーションの基本理論

コンサルテーションの概念、タイプ、プロセス、コン

サルタントの役割の紹介と専門看護への応用的視点

を理解する。

天賀谷隆

3-4

がん看護領域におけるコンサルテーション

について

がん看護領域におけるコンサルテーションの実際を

紹介し、援助プロセスにおける援助者の役割・課題を

理解する。

天賀谷隆

小西敏子

5-9

1)精神科領域(リエゾンなど)における

コンサルテーションについて 2)カウンセリングの実際

生活習慣病を中心に、依存の概念、タイプ、プロセス

を紹介し、専門看護への応用的視点を理解する。カウ

ンセリングの実際を紹介し、援助プロセスにおける援

助者の役割・課題を理解する。

天賀谷隆

10-11

精神科リエゾン領域におけるコンサルテー

ションの実際 リエゾン精神看護およびがん・慢性疾患・感染領域に

おけるコンサルテーションの実際を紹介し、専門看護

への応用的視点を理解する。

天賀谷隆

ゲストスピーカー: 加藤郁子

12-13

がん・慢性疾患・感染領域におけるコンサ

ルテーションの実際 リエゾン精神看護およびがん・慢性疾患・感染領域に

おけるコンサルテーションの実際を紹介し、専門看護

への応用的視点を理解する。

天賀谷隆

岸田さな江

14-15

各領域におけるコンサルテーション技法

の活用と課題

各自の看護領域におけるコンサルテーション技法の

活用及び課題についての発表し、討議をおこなう。

==== 事前学習:発表する各領域の対応困難事例のレポート

を作成する。

天賀谷隆

小西敏子

授業外における

学習・時間

14-15回目の講義に向けて、各領域の対応困難事例について討議するレポートを作成すること。

授業外学習は、1~2時間程度、配布資料を基に講義内容を整理すること。 1~2時間

評価方法 講義への参加状況(60%)とレポート(40%)で評価する。 テキスト・参考書 E.H.シャイン著: プロセス・コンサルテーション-援助関係を築くこと。

履修上の注意 講義形式の授業にも積極的に、討議に参加することを望む。

発表する各領域の対応困難事例は、A4用紙2枚程度のレポートを作成する。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー: 水曜日12時から13時

E-メール: amagaya@dokkyomed.ac.jp

研究室: 4階研究室30 にて対応いたします。

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- 163 -

科目名・英名 コンサルテーション論

consultation 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 天賀谷隆、小西敏子、岸田さな江 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 N306教室

科目概要

コンサルテーションの基本理論、プロセス、役割機能、ならびに看護学領域におけるコンサルテーションの実際を学

ぶ。これらを通して、患者やその家族、看護職が抱える課題や問題解決のプロセスを共有し、有効な援助が行なわれる

資源として活用されるコンサルタントの役割を理解する。

また、事例検討やロールプレイなどの学習方法を駆使して、患者や家族へのケアや組織的な課題を明確化し、具体的

なケアに関する助言などのコンサルテーションのプロセスを学び、適切な援助ができることを目指す。そして看護にお

けるコンサルテーションに有用な対人関係スキルを学び、さまざまな健康問題において適確な判断、指導、対処ができ

る能力を習得する。

授業目的 コンサルテーションに関する最新の知識と複雑な倫理的問題に対応できる調整能力を学修する。

到達目標

1)コンサルテーションに関する基本理論と方法を理解するとともに、コンサルテーションに必要な技術を習得する。

2)精神看護、がん看護、慢性疾患や感染領域等における専門看護師が行うコンサルテーションの実際を学ぶ。

3)自らの専門領域におけるコンサルテーション技法の活用方策、および今後の課題について、考察する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1-2

1)コンサルテーションの理論(カウンセ

リングの基礎を含む)

2)コンサルテーションの基本理論

コンサルテーションの概念、タイプ、プロセス、コン

サルタントの役割の紹介と専門看護への応用的視点

を理解する。

天賀谷隆

3-4

がん看護領域におけるコンサルテーション

について

がん看護領域におけるコンサルテーションの実際を

紹介し、援助プロセスにおける援助者の役割・課題を

理解する。

天賀谷隆

小西敏子

5-9

1)精神科領域(リエゾンなど)における

コンサルテーションについて 2)カウンセリングの実際

生活習慣病を中心に、依存の概念、タイプ、プロセス

を紹介し、専門看護への応用的視点を理解する。カウ

ンセリングの実際を紹介し、援助プロセスにおける援

助者の役割・課題を理解する。

天賀谷隆

10-11

精神科リエゾン領域におけるコンサルテー

ションの実際 リエゾン精神看護およびがん・慢性疾患・感染領域に

おけるコンサルテーションの実際を紹介し、専門看護

への応用的視点を理解する。

天賀谷隆

ゲストスピーカー: 加藤郁子

12-13

がん・慢性疾患・感染領域におけるコンサ

ルテーションの実際 リエゾン精神看護およびがん・慢性疾患・感染領域に

おけるコンサルテーションの実際を紹介し、専門看護

への応用的視点を理解する。

天賀谷隆

岸田さな江

14-15

各領域におけるコンサルテーション技法

の活用と課題

各自の看護領域におけるコンサルテーション技法の

活用及び課題についての発表し、討議をおこなう。

==== 事前学習:発表する各領域の対応困難事例のレポート

を作成する。

天賀谷隆

小西敏子

授業外における

学習・時間

14-15回目の講義に向けて、各領域の対応困難事例について討議するレポートを作成すること。

授業外学習は、1~2時間程度、配布資料を基に講義内容を整理すること。 1~2時間

評価方法 講義への参加状況(60%)とレポート(40%)で評価する。 テキスト・参考書 E.H.シャイン著: プロセス・コンサルテーション-援助関係を築くこと。

履修上の注意 講義形式の授業にも積極的に、討議に参加することを望む。

発表する各領域の対応困難事例は、A4用紙2枚程度のレポートを作成する。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー: 水曜日12時から13時

E-メール: amagaya@dokkyomed.ac.jp

研究室: 4階研究室30 にて対応いたします。

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- 164 -

科目名・英名 看護倫理

Nursing Ethics 科目区分 共通科目 単位数 1単位

教員名 長尾式子 必修・選択 選択 開講年次 1・2年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 N306教室

科目概要

近年、社会の人々の価値観が多様化し、医療への期待や権利意識が高まる一方で、急速に進展高度化する医療技術に伴うさまざま

な新たな倫理的問題が生じている。これに対して、患者の擁護者である看護職は倫理的感受性と調整力が求められる。

本科目では、このような状況下において、看護職はどのように考え、判断、対応したらよいか、看護専門職に求められる倫理的問

題への対応について探究することを目的とする。具体的には、倫理的問題への対応のために必要な基礎的知識について講義し、医療

現場やライフサイクルで看護職が直面する葛藤やジレンマを感じる場面を取り上げ、検討する。

授業目的 高い倫理観に基づいた看護実践や、複雑な倫理的課題をめぐって当事者間で調整する能力、科学的及び倫理的側面の配

慮に基づく研究能力に関する知識、態度を修得し、創造できる。

到達目標

1. 看護倫理の変遷を理解する。

2. 看護倫理に関する基礎知識を理解する。

3. 倫理的意思決定モデルを用いた看護への活用を理解する。

4. ライフサイクル(出生から終末まで)における倫理的問題を理解する。

5. 専門職看護師に求められる倫理的役割と責任を理解する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 看護倫理の変遷とその動向 医療で倫理が問われるようになった歴史的背景

今日の医療ケア、医療系研究の倫理の動向

長尾式子

2 道徳倫理とケア倫理の諸理論 看護実践における価値基準(行為)と倫理理論

3 看護師の倫理規定と看護専門職としてのあり方

専門職倫理

看護研究と倫理

4 ライフサイクルに関する倫理的問題 出生をめぐる倫理的問題

終末期における倫理的問題

5 倫理的問題:個別的事例検討①

非配偶者間体外受精・胚移植―妻の妹を用いた場合

生殖補助医療をめぐる倫理的問題

生物学的な母と出産した母

6 倫理的問題:個別的事例検討②

代理母:代理妊産婦

生殖補助医療をめぐる倫理的問題

生物学的な女性が母か、出産した女性が母か

7

倫理的意思決定モデルの活用と事例検討 看護場面事

例―

インフォームド・コンセント、ケア拒否、家族への対

応― その1

患者の権利とインフォームド・コンセント

意思決定における看護の視点と医師の視点

8

倫理的意思決定モデルの活用と事例検討 看護場面事

例―

インフォームド・コンセント、ケア拒否、家族への対

応― その2

患者の権利とインフォームド・コンセント

患者の自律尊重と善行・無危害との対立

授業外における

学習・時間

受講者は各人、パワーポイントで道徳的に葛藤を感じる場面や、医療現場や社会で生じる倫理的問題を

含む事例について紹介するスライドをご準備ください。 1コマ/30分

評価方法 授業全般に関わる参加度10%、プレゼンテーション20%、討論の参加度と発言の適切性20%、レポート50%で評価する。

テキスト・参考書

1.Sara T.Fry & Megan-Jane Johnstone,片田範子,山本あい子訳(2005):看護実践の倫理,日本看護協会出版会.

2.Gladys L Husted & James H. Husted,藤村龍子、樽井正義 監訳:臨床実践のための看護倫理,医学書院.

3.Anne J.Davis & Verena Tschudin&Louise de Raeve(2008);小西恵美子監訳:看護倫理を教える・学ぶ,日本看護協会出版会.

4.石井トク(2008):看護の倫理学,丸善株式会社.

5.アン・J.デービス 他(2007):看護倫理~日本文化に根ざした看護倫理とは~,医学映像教育センター.

6.赤林 朗 他(2005):入門・医療倫理Ⅰ,株式会社 勁草書房.

履修上の注意 生命倫理を履修することが望ましい。授業のテーマについて積極的に質問議論に参加することを望む。全授業を通して

看護倫理に関する最終課題レポートを提出すること。最終レポートに対しては、コメントを返します。 質問への対応

(オフィスアワー・Email)

平日は、メールにて対応可能です。メールアドレスは以下の通り。

長尾式子:[email protected]

科目名・英名 生命倫理

Bioethics 科目区分 共通科目 単位数 1単位

教員名 北澤正文、黒須明、黒須三惠、山内忍 必修・選択 選択 開講年次 1・2年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 N306教室

科目概要

今日、医療技術の急速な発展に伴い、医療を取り巻く環境において、生命倫理の問題がますます重要になってきてい

る。また、生命倫理は、看護倫理の基礎として欠くことのできないものである。

本科目では、生命倫理の基礎的、専門的知識を学修すると共に、現在議論されている生命倫理問題の動向と現状を理

解して、医療場面での倫理的諸問題への応用倫理学的なアプローチを試みることで、倫理的な判断能力、実践能力の向

上を図ることを目的に学修する。

授業目的 高い倫理観に基づいた看護行動をとることができ、複雑な倫理的課題に対応できる調整能力を養う。

到達目標

1.生命倫理の原則、背景について理解する。

2.医学研究における倫理学について理解する。

3.患者の基本的権利を認知し、これらに関する現状の問題点を理解する。

4.生殖医療や末期医療、先端医療の倫理学について理解する。

5.医療事故が発生した場合の対処などについて理解する。

6.行政と医療との関連を学び、医療関係法規について理解する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1

医の倫理

生命倫理の成立とその背景、歴史を学び、国際看護師協会

(ICN)の看護師倫理綱領を理解する。倫理の 4 原則につ

いて学び、ユネスコの「生命倫理と人権に関する世界宣言」

の内容について理解し、議論を深めていく。

黒須三惠

2

患者の権利・インフォームドコンセント

インフォームドコンセントの成立には患者の自律性や人

格尊重が重要であるが、随伴する医学的適応や予後、社会

的環境など周囲の状況も大きな影響がある。患者の権利を

中心に倫理的側面から問題点を考えてみたい。

黒須 明

3

生殖医療と倫理

生殖医療は人の生命の誕生にかかわる医療であることか

ら、通常の臨床医学とは本質的に異なった倫理観が必要と

なる。生殖医療の対象は、クライエントと生まれてくる子

供を含む家族と第三者であり、これらを含め通常の臨床医

学と異なる倫理観を考えてみたい。

北澤正文

4

再生医療と倫理

再生医療、および再生医療関連技術の基礎的知識とその現

状を学ぶとともに、再生医療の実現に向けた研究開発の進

歩がもたらす倫理的、社会的問題点について考える。

山内 忍

5

臨床研究と倫理

医学の進歩は人間を対象とする諸試験を要する研究に根

本的に基づくものである。現在の動向を踏まえ原則や規制

など諸問題について検討する。

山内 忍

6

安楽死と尊厳死

安楽死と尊厳死の違いを歴史的背景を含めて学ぶ。近年議

論され、法制化の働きかけもある尊厳死についての議論を

各々の感想を含めて議論していきたい。

黒須 明

7

脳死と臓器移植

脳死と臓器移植についてはいわゆる「臓器移植法」成立後

徐々に行われるようになりつつあるが、脳死を人の死とし

て受容しにくい国民感情もあり、まだまだ一般的とは言え

ない状況にある。

8

裁判判例

看護師が主体となる医療事故である「療養上の医療事故」

は比較的少ない。看護師の法的責任が問われた実例を提示

し、その判決内容を含めて議論を行う。

授業外における

学習・時間

第三者が介入する生殖医療には、どのようなものがあるか考えておいてほしい。

医療現場における倫理的問題点について考える。 90分

評価方法 授業への参加度(準備性・積極性)20%、客観的評価80%とする。

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科目名・英名 生命倫理

Bioethics 科目区分 共通科目 単位数 1単位

教員名 北澤正文、黒須明、黒須三惠、山内忍 必修・選択 選択 開講年次 1・2年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 N306教室

科目概要

今日、医療技術の急速な発展に伴い、医療を取り巻く環境において、生命倫理の問題がますます重要になってきてい

る。また、生命倫理は、看護倫理の基礎として欠くことのできないものである。

本科目では、生命倫理の基礎的、専門的知識を学修すると共に、現在議論されている生命倫理問題の動向と現状を理

解して、医療場面での倫理的諸問題への応用倫理学的なアプローチを試みることで、倫理的な判断能力、実践能力の向

上を図ることを目的に学修する。

授業目的 高い倫理観に基づいた看護行動をとることができ、複雑な倫理的課題に対応できる調整能力を養う。

到達目標

1.生命倫理の原則、背景について理解する。

2.医学研究における倫理学について理解する。

3.患者の基本的権利を認知し、これらに関する現状の問題点を理解する。

4.生殖医療や末期医療、先端医療の倫理学について理解する。

5.医療事故が発生した場合の対処などについて理解する。

6.行政と医療との関連を学び、医療関係法規について理解する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1

医の倫理

生命倫理の成立とその背景、歴史を学び、国際看護師協会

(ICN)の看護師倫理綱領を理解する。倫理の 4 原則につ

いて学び、ユネスコの「生命倫理と人権に関する世界宣言」

の内容について理解し、議論を深めていく。

黒須三惠

2

患者の権利・インフォームドコンセント

インフォームドコンセントの成立には患者の自律性や人

格尊重が重要であるが、随伴する医学的適応や予後、社会

的環境など周囲の状況も大きな影響がある。患者の権利を

中心に倫理的側面から問題点を考えてみたい。

黒須 明

3

生殖医療と倫理

生殖医療は人の生命の誕生にかかわる医療であることか

ら、通常の臨床医学とは本質的に異なった倫理観が必要と

なる。生殖医療の対象は、クライエントと生まれてくる子

供を含む家族と第三者であり、これらを含め通常の臨床医

学と異なる倫理観を考えてみたい。

北澤正文

4

再生医療と倫理

再生医療、および再生医療関連技術の基礎的知識とその現

状を学ぶとともに、再生医療の実現に向けた研究開発の進

歩がもたらす倫理的、社会的問題点について考える。

山内 忍

5

臨床研究と倫理

医学の進歩は人間を対象とする諸試験を要する研究に根

本的に基づくものである。現在の動向を踏まえ原則や規制

など諸問題について検討する。

山内 忍

6

安楽死と尊厳死

安楽死と尊厳死の違いを歴史的背景を含めて学ぶ。近年議

論され、法制化の働きかけもある尊厳死についての議論を

各々の感想を含めて議論していきたい。

黒須 明

7

脳死と臓器移植

脳死と臓器移植についてはいわゆる「臓器移植法」成立後

徐々に行われるようになりつつあるが、脳死を人の死とし

て受容しにくい国民感情もあり、まだまだ一般的とは言え

ない状況にある。

8

裁判判例

看護師が主体となる医療事故である「療養上の医療事故」

は比較的少ない。看護師の法的責任が問われた実例を提示

し、その判決内容を含めて議論を行う。

授業外における

学習・時間

第三者が介入する生殖医療には、どのようなものがあるか考えておいてほしい。

医療現場における倫理的問題点について考える。 90分

評価方法 授業への参加度(準備性・積極性)20%、客観的評価80%とする。

Page 14: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

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テキスト・参考書

講義は基本的にPower Pointで行い、資料を配付する。下記を参考書として挙げる。

1. 医療倫理Q&A刊行委員会 編:医療倫理Q&A,太陽出版.

2. 生命倫理と法編集委員会 編:資料集 生命倫理と法,太陽出版.

3. 金川 琢雄(2008): 実践 医事法学(増補新訂版),金原出版.

4. 中島 和江 他:ヘルスケアリスクマネジメント,医学書院.

5. 江川 寛 他:医療科学,医学書院.

6. 臓器移植制度研究会 監修:脳死判定・臓器移植マニュアル,日本医事新報社.

7. 森岡 恭彦:医の倫理と法,南江堂.

履修上の注意 主体的学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email) 講義終了後に質問するか、後日法医学講座(内線2132)まで連絡を取ること。

科目名・英名 国際医療保健論

International health care and health promotion 科目区分 共通科目 単位数 1単位

教員名 齋藤ゆみ、会沢紀子(ゲストスピーカー) 必修・選択 自由 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 月曜日 2,3限 教室 受講生との協議により決定する

科目概要

社会のグローバル化を背景として、災害や感染などの健康課題に関して国際的な対応が必要となる場面が増加してい

る。本教科では特に国内外の自然災害や紛争、パンデミックな感染症発症の歴史的背景やWHOの機能と課題などの現

実を学ぶ。授業の方法としては専門看護師として国際的にも役割機能を果たせる実践的な力を涵養するために、学生の

討議形式による授業を展開する。

授業目的 専門看護師としての保健と疾病に関する国際的視野と現実的課題に関する実践力を涵養すること。

到達目標

1.パンデミックな感染症の歴史を学習する。

2.国内外での災害や感染の事例を学習する。

3.国際的な感染症制御とWHOの役割について理解できる。

4.国際看護における専門看護師としての機能が理解できる。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 授業ガイダンス 授業内容と方法の概説

齋藤ゆみ 2 パンデミックな感染症発症の歴史 参考文献を用いて、人類における国際的なパンデミッ

ク事例を学ぶ。 3 パンデミックな感染症発症の歴史

4 国内外での災害や感染の事例 国内外での災害や感染症の発生事例から、その対策や

グローバルヘルスの課題について学ぶ。

齋藤ゆみ

(ゲストスピーカー)

会沢紀子 5

国内外での災害や感染の事例

6 国際的な健康・保健の課題とWHOの役割 国際社会における健康や疾病、保健の課題などについ

てのWHOの機能と成果、今後の展望などを学ぶ。

齋藤ゆみ 7 国際的な健康・保健の課題とWHOの役割

8 学習成果の発表とまとめ 国際看護・保健における専門看護師の役割機能と課

題、および今後の展望

授業外における

学習・時間 指定された参考書の事前学習および授業に必要な資料集めとしての主体的な文献検索 1コマ/30分

評価方法 授業への参加度、およびレポート内容で評価する。詳細については講義時に説明する。

テキスト・参考書

1.加藤重孝(2013) 人類と感染症の歴史 丸善出版

2.尾身 茂(2011) WHOをゆく 医学書院

3.そのほかに参考書として授業で紹介する。

履修上の注意 積極的な討論参加のために前もってテーマに関連する資料を読んでおくこと。

質問への対応

(オフィスアワー・Email) 月曜日午後

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科目名・英名 国際医療保健論

International health care and health promotion 科目区分 共通科目 単位数 1単位

教員名 齋藤ゆみ、会沢紀子(ゲストスピーカー) 必修・選択 自由 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 月曜日 2,3限 教室 受講生との協議により決定する

科目概要

社会のグローバル化を背景として、災害や感染などの健康課題に関して国際的な対応が必要となる場面が増加してい

る。本教科では特に国内外の自然災害や紛争、パンデミックな感染症発症の歴史的背景やWHOの機能と課題などの現

実を学ぶ。授業の方法としては専門看護師として国際的にも役割機能を果たせる実践的な力を涵養するために、学生の

討議形式による授業を展開する。

授業目的 専門看護師としての保健と疾病に関する国際的視野と現実的課題に関する実践力を涵養すること。

到達目標

1.パンデミックな感染症の歴史を学習する。

2.国内外での災害や感染の事例を学習する。

3.国際的な感染症制御とWHOの役割について理解できる。

4.国際看護における専門看護師としての機能が理解できる。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 授業ガイダンス 授業内容と方法の概説

齋藤ゆみ 2 パンデミックな感染症発症の歴史 参考文献を用いて、人類における国際的なパンデミッ

ク事例を学ぶ。 3 パンデミックな感染症発症の歴史

4 国内外での災害や感染の事例 国内外での災害や感染症の発生事例から、その対策や

グローバルヘルスの課題について学ぶ。

齋藤ゆみ

(ゲストスピーカー)

会沢紀子 5

国内外での災害や感染の事例

6 国際的な健康・保健の課題とWHOの役割 国際社会における健康や疾病、保健の課題などについ

てのWHOの機能と成果、今後の展望などを学ぶ。

齋藤ゆみ 7 国際的な健康・保健の課題とWHOの役割

8 学習成果の発表とまとめ 国際看護・保健における専門看護師の役割機能と課

題、および今後の展望

授業外における

学習・時間 指定された参考書の事前学習および授業に必要な資料集めとしての主体的な文献検索 1コマ/30分

評価方法 授業への参加度、およびレポート内容で評価する。詳細については講義時に説明する。

テキスト・参考書

1.加藤重孝(2013) 人類と感染症の歴史 丸善出版

2.尾身 茂(2011) WHOをゆく 医学書院

3.そのほかに参考書として授業で紹介する。

履修上の注意 積極的な討論参加のために前もってテーマに関連する資料を読んでおくこと。

質問への対応

(オフィスアワー・Email) 月曜日午後

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科目名・英名 国際言語文化論入門(英語分野) ABC’s of English Language and Linguistics

科目区分 共通科目 単位数 1単位

教員名 藤澤隆一 必修・選択 自由 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

国際化が進む現代に於いて、国内における外国人患者のケアおよび海外での医療協力活動異文化コミュニケーシ

ョンに必要など、医療従事者にも英語の運用力が求められている。本科目では、国際共通語である英語を駆使し、

外国に対して日本人と同様に看護に必要なコミュニケーションが出来る事を目的とする。そのためには英語表現の

みならず、主に英米文化圏と日本の国民性、文化の相違、異文化コミュニケーションにおける誤解例などを通して、

多様な価値観を理解し、豊かな教養を身につけてもらいたい。

授業目的 英語圏で出版される看護学雑誌から、最新の知見や技術に関する情報を効率よく自分のものとして活用出来るコ

ツを理解する。また、異文化コミュニケーションの向上により、総合的に看護ケアをマネージメントする一助とす

る。

到達目標

1. 医療現場で必要とされる英語表現を学ぶ。 2. 診察に伴う英語によるコミュニケーション力を養う。 3. 症例・医療情報に関する英文を読解する英文法力を習得する。 4. 諸外国の文化背景を理解する。 5. 外国文化について学ぶことを通じて日本文化を再認識する。

回 単元主題 授業内容 教員名

授業内容

1 Introduction to health care

配布資料に基づいて講義を展開する。 範囲・進度については担当教員が指示する。

藤澤隆一

2 Nursing Skills and Professions 3 Hospital Setting 4 Community Setting 5 Reliable Web Sites for Nursing 6 Wellness 7 Dealing with Dementia 8 Disasters and Diseases

授業外における 学習・時間

講義の進行に合わせて、参考書や授業で配布する参考資料などを必ず復習すること。 1コマ/30分

評価方法 授業への参加度(50%)、小テスト及びレポート(50%)で総合的に評価する。 レポート課題については授業時に提示する。

テキスト・参考書 看護師たまごの英語40日間トレーニングキット ほか

履修上の注意 課題文を正確に読むための英語表現、文法について学び、また、異文化や背景にある多様な価値観も学びます。

また、英語で書かれた最新の看護・医療情報が読めるように、信頼できる海外の医療サイトを参照しながら学習し

ます。従って、履修生には積極的な授業参加を希望します。

質問への対応 (オフィスアワー・Email)

① 不明の点については、授業中及び講義終了直後などに積極的に質問してください。 ② 講義時間以外でも、随時受け付けます(オフィスアワー:月~金 16:30~18:00)。 ③ e-mailを用いた質問も可能です。具体的な手法について、初回の講義時に説明します。

科目名 臨床看護病態生理学

clinical pathophysiology 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 藤野彰子、粟生田友子、金子昌子、六角僚子、倉沢和宏、知花和行、上嶋 亨、

辰元宗人 必修・選択 必修

開講年次 1年次

開講学期 前期

科目概要

病態生理学は人体の正常な機能が異常をきたしたり、調節機能が破綻することによる疾病のメカニズムと身体の状

態を理解し、診断や治療に応用することを目的としている。

本科目では、正常な臓器や組織・細胞の機能をもとに、疾病の発症から進行あるいは回復、さらに治療による病像

の推移などを理解する。また、地域や臨床で遭遇する頻度の高い疾患の病態生理の理解とエビデンスに基づいたアセ

スメント能力を高めることによって、高度な看護実践のための基盤を築く。

授業目的 高度な病態生理の理解とエビデンスに基づいたアセスメント能力を高めることにより、専門看護師としての高度な

実践能力を高める基礎を学修することを目的とする。

目標

1. 各疾患の病態を説明する。 2. 各疾患の検査と診断基準、症状と予後を説明する。 3. 各疾患の基本的な治療法の特質を理解する。 4. 各疾患の課題と看護アプローチの可能性を探究する。 5. 授業に参加する領域の院生による事例を用いたグループワークを通して、エビデンスに基づいた看護アセスメン

ト、看護診断能力を修得する。

授業 内容

回 単元主題 授業内容 教員名 1 免疫学 (1) 基礎疾患の解説及び事例検討等 内科学〔リウマチ・膠原病〕 倉沢和宏 2 免疫学 (2) 〃 内科学〔リウマチ・膠原病〕 倉沢和宏 3 免疫学のまとめ 患者事例を用いたディスカッション形式の授業 内科学〔リウマチ・膠原病〕 倉沢和宏 4 呼吸器疾患(1) 基礎疾患の解説及び事例検討等 内科学〔呼吸器・アレルギー〕 知花和行 5 呼吸器疾患・アレルギー疾患(2) 〃 内科学〔呼吸器・アレルギー〕 知花和行 6 呼吸器疾患のまとめ 患者事例を用いたディスカッション形式の授業 内科学〔呼吸器・アレルギー〕 知花和行 7 循環器疾患(1) 基礎疾患の解説及び事例検討等 内科学〔心臓・血管〕 上嶋 亨 8 循環器疾患(2) 〃 内科学〔心臓・血管〕 上嶋 亨 9 循環器疾患のまとめ 患者事例を用いたディスカッション形式の授業 内科学〔心臓・血管〕 上嶋 亨 10 消化器疾患(1) 基礎疾患の解説及び事例検討等 内科学〔消化器〕教員 11 消化器疾患(2) 〃 内科学〔消化器〕教員 12 消化器疾患のまとめ 患者事例を用いたディスカッション形式の授業 内科学〔消化器〕教員 13 神経疾患(1) 基礎疾患の解説及び事例検討等 内科学〔神経〕 辰元宗人 14 神経疾患(2) 〃 内科学〔神経〕 辰元宗人 15 神経疾患のまとめ 患者事例を用いたディスカッション形式の授業 内科学〔神経〕 辰元宗人

16~ 18

まとめ 授業に参加領域の院生による事例を用い

たグループ学習 藤野彰子、金子昌子、粟生田友子、六角僚

子 他 授業外における 学習・時間

患者事例を用いたディスカッションのための事例の準備 まとめの事例を用いたグループ学習のための事例の準備

1コマ/30分

評価方法 出席状況と授業の参加度と事例を用いたグループ学習によって総合的に評価する。詳細については授業時に説明する。 テキスト・参考書 適宜紹介する。 履修上の注意 授業計画の16~18はCNSコース領域合同の授業とする。授業方法は後日別紙により告知する。 質問への対応

(オフィスアワー・Email) オフィスアワー:水曜日午後。適宜 [email protected]へ連絡ください。

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科目名 臨床看護病態生理学

clinical pathophysiology 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 藤野彰子、粟生田友子、金子昌子、六角僚子、倉沢和宏、知花和行、上嶋 亨、

辰元宗人 必修・選択 必修

開講年次 1年次

開講学期 前期

科目概要

病態生理学は人体の正常な機能が異常をきたしたり、調節機能が破綻することによる疾病のメカニズムと身体の状

態を理解し、診断や治療に応用することを目的としている。

本科目では、正常な臓器や組織・細胞の機能をもとに、疾病の発症から進行あるいは回復、さらに治療による病像

の推移などを理解する。また、地域や臨床で遭遇する頻度の高い疾患の病態生理の理解とエビデンスに基づいたアセ

スメント能力を高めることによって、高度な看護実践のための基盤を築く。

授業目的 高度な病態生理の理解とエビデンスに基づいたアセスメント能力を高めることにより、専門看護師としての高度な

実践能力を高める基礎を学修することを目的とする。

目標

1. 各疾患の病態を説明する。 2. 各疾患の検査と診断基準、症状と予後を説明する。 3. 各疾患の基本的な治療法の特質を理解する。 4. 各疾患の課題と看護アプローチの可能性を探究する。 5. 授業に参加する領域の院生による事例を用いたグループワークを通して、エビデンスに基づいた看護アセスメン

ト、看護診断能力を修得する。

授業 内容

回 単元主題 授業内容 教員名 1 免疫学 (1) 基礎疾患の解説及び事例検討等 内科学〔リウマチ・膠原病〕 倉沢和宏 2 免疫学 (2) 〃 内科学〔リウマチ・膠原病〕 倉沢和宏 3 免疫学のまとめ 患者事例を用いたディスカッション形式の授業 内科学〔リウマチ・膠原病〕 倉沢和宏 4 呼吸器疾患(1) 基礎疾患の解説及び事例検討等 内科学〔呼吸器・アレルギー〕 知花和行 5 呼吸器疾患・アレルギー疾患(2) 〃 内科学〔呼吸器・アレルギー〕 知花和行 6 呼吸器疾患のまとめ 患者事例を用いたディスカッション形式の授業 内科学〔呼吸器・アレルギー〕 知花和行 7 循環器疾患(1) 基礎疾患の解説及び事例検討等 内科学〔心臓・血管〕 上嶋 亨 8 循環器疾患(2) 〃 内科学〔心臓・血管〕 上嶋 亨 9 循環器疾患のまとめ 患者事例を用いたディスカッション形式の授業 内科学〔心臓・血管〕 上嶋 亨 10 消化器疾患(1) 基礎疾患の解説及び事例検討等 内科学〔消化器〕教員 11 消化器疾患(2) 〃 内科学〔消化器〕教員 12 消化器疾患のまとめ 患者事例を用いたディスカッション形式の授業 内科学〔消化器〕教員 13 神経疾患(1) 基礎疾患の解説及び事例検討等 内科学〔神経〕 辰元宗人 14 神経疾患(2) 〃 内科学〔神経〕 辰元宗人 15 神経疾患のまとめ 患者事例を用いたディスカッション形式の授業 内科学〔神経〕 辰元宗人

16~ 18

まとめ 授業に参加領域の院生による事例を用い

たグループ学習 藤野彰子、金子昌子、粟生田友子、六角僚

子 他 授業外における 学習・時間

患者事例を用いたディスカッションのための事例の準備 まとめの事例を用いたグループ学習のための事例の準備

1コマ/30分

評価方法 出席状況と授業の参加度と事例を用いたグループ学習によって総合的に評価する。詳細については授業時に説明する。 テキスト・参考書 適宜紹介する。 履修上の注意 授業計画の16~18はCNSコース領域合同の授業とする。授業方法は後日別紙により告知する。 質問への対応

(オフィスアワー・Email) オフィスアワー:水曜日午後。適宜 [email protected]へ連絡ください。

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科目名・英名 フィジカルアセスメント (Physical Assessment)

科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 板倉朋世、杉木大輔、茂呂悦子、吉田弘毅 必修・選択 必修 開講年次 1年次 開講学期 前期

授業形態 講義20%(2コマ)・演習80%(13コマ) 曜日時限 受講生との協議により決定する 教室 N306教室

科目概要 生理的および病態学的徴候に関する高度実践看護師の備えるべきフィジカルアセスメントの技能を効果的な学習法

によって習得する。

授業目的 最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践力に関する知識・技能・態度を修得するとともに、看護職

者及び関連する多職者の中で専門的な役割を発揮し、教育的役割を担う指導能力に関する知識・技能・態度を修得す

る。

到達目標

1.呼吸器系の異常の有無がアセスメントできる。 2.循環器系、腎臓機能、末梢血管の異常の有無がアセスメントできる。 3.消化器系、泌尿器系、内分泌・代謝系の異常の有無がアセスメントできる。 4.脳神経系・末梢神経系、骨・軟部組織の異常の有無がアセスメントできる。

授業 内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 CNSの役割 板倉朋世

杉木大輔

2

学習のガイダンス 前提テスト・事前テスト

シミュレーション学習のゴールと合格条件 学習要素(学習方法と学習ツール)シミュレーション

演習の学習目的 基本的なフィジカルアセスメント能力をチェックす

る。 模擬患者・シミュレーターを用いたフィジカルアセス

メント能力を診断する。 テスト結果に合わせて、学習者の学習目標を設定す

る。

杉木大輔 板倉朋世

3・4 呼吸器系のアセスメント シミュレーション学習 茂呂悦子 5・6 循環器系、腎臓機能のアセスメント シミュレーション学習 茂呂悦子

7・8 消化器系、泌尿器系、内分泌・代謝系の

アセスメント シミュレーション学習

吉田弘毅

9・10 脳神経系のアセスメント シミュレーション学習 吉田弘毅

11・12

内科疾患(意識障害、呼吸器症状、循環

器症状、腹部症状、腎・泌尿器症状)が

疑われる患者のフィジカルアセスメン

シミュレーション学習 杉木大輔

13・14 外傷患者のフィジカルアセスメント シミュレーション学習 杉木大輔

15

最終テストとフィードバック 課題シナリオに示された情報から異常を判断する論

理式(プログラム)を描く。 判断の根拠を明確にし、行動に移る。 推論した結果をSBARで報告する。 CNSに必要なフィジカルアセスメントと自分自身の

ギャップについて記述する。

杉木大輔 板倉朋世

授業外における 学習・時間

初回授業までに基本的なフィジカルイグザミネーションをマスターしておくこと。 各回に学ぶ器官系統の病態に関する知識を復習しておくこと。

2時間 各1時間

評価方法 11-14回で実施するシナリオの作成と臨床推論過程に関するレポート(30%) 最終試験は、提示されたシナリオに対する臨床推論過程とフィジカルイグザミネーションにより評価する。(70%)

テキスト・参考書 適宜紹介する。 履修上の注意 全授業に出席することを原則とする。 質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:16時~18時

メール(itakura@dokkyoumed.ac.jp)にて対応いたします。

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科目名・英名 臨床看護薬理学

Clinical Pharmacology for Nursing 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 内田幸介 必修・選択 必修 開講年次 1年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 N306教室

科目概要

薬物は、生物が本来有している生体機能を促進するかあるいは抑制するかである。これは、薬理学の基本的

概念であり、薬物療法における「薬によって、回復力を促進する」ことに繋がる考え方である。

臨床看護薬理学では、体内薬物動態や病態生理に基づく薬物治療の科学的根拠および臨床応用について解説

し、治療効果の評価や有害作用発現の機序についての理解を深める。

さらに、主要病態における薬物動態の変化を解説し、薬物反応の変化、薬物相互作用、薬物中毒などに関す

る理解を深め、薬物使用の判断やアドヒアランスの向上を図るためのより高い専門知識を学修する。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護」を実践するための知識・科学的思考を修得し、「看

護現象を科学的に分析・評価し、創造的な実践を開発する研究能力」を培う。

到達目標

1. 基本的な薬物作用のしくみを解説できる。

2. 体内薬物動態、薬物相互作用、薬物中毒、アドヒアランスについて説明できる。

3. 主要病態における薬物治療の科学的根拠、治療効果、有害作用を説明できる。

4. 主要病態での薬物動態の変化を説明できる。

授業

計画

回 単元主題 授業内容 教員名

1

薬理学序論・医薬品情報 生体に対する薬物の作用のしくみ(機序)につい

て概説し、受容体理論と用量反応曲線について論

ずる。

内田幸介

2

体内薬物動態 臨床薬理学の基本となる生体内薬物処理機構(薬

物の吸収・体内分布・代謝・排泄)と血中濃度と

の関係について解説する。

3 薬物相互作用・有害作用 特徴的な有害作用について解説し、多剤併用との

関連について考察する。

4 病態薬理 主な病態における薬物の体内動態の特徴を解説

し、薬理作用の変化について論ずる。

5 狭心症治療薬・高血圧治療薬 高血圧・虚血性心疾患の病態に基づき、治療薬の

科学的根拠を解説する。

6

心不全治療薬 心不全の病態、急性心不全・慢性心不全の治療方

針・治療目標について解説し、治療薬の理論的背

景を論ずる。

7 呼吸器疾患治療薬(気管支喘息・COPD) 閉塞性肺疾患の病態に基づき、治療薬の科学的根

拠、作用機序、治療薬の選択について解説する。

8 消化器作用薬(抗潰瘍薬・制吐薬・止瀉薬・

瀉下薬)

消化器症状の背景となる病態について触れ、治療

薬の科学的根拠、作用機序について解説する。

9 代謝性疾患治療薬(糖尿病・脂質異常症・

高尿酸血症)

各代謝障害とその弊害について概説し、治療薬の

科学的根拠、治療方針・目標について論ずる。

10 化学療法薬概説(抗腫瘍薬・抗菌薬) 抗腫瘍薬・抗菌薬の主な種類と作用機序、適応、

有害作用について概説する。

11

抗炎症薬(ステロイド・NSAID) 炎症のメカニズムについて概説し、ステロイドや

NSAID の作用機序、それぞれの適応症や特徴的な

有害作用について論ずる。

12

中枢作用薬(抗不安薬・催眠薬・パーキン

ソン病治療薬・アルツハイマー治療薬)

各疾患の神経病理学的背景を概説し、それぞれの

治療薬の作用機序、有害作用、長期使用上の問題

点について論ずる。

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13

麻薬性鎮痛薬・疼痛管理 モルヒネを代表とするオピオイド鎮痛薬の基本的

作用機序および多彩な薬理作用について論じ、臨

床応用としての疼痛管理について解説する。

14 臨床薬理学演習(救急治療・シミュレーシ

ョン体験)

主な救急医薬品に対する生体反応、ショックや心

停止時の使用法、作用機序について考察する。

15

臨床薬理学演習(症例検討・ロールプレイ

実習)

様々な合併症を有する症例における治療薬(処方

薬)について検討し、相互作用や有害作用につい

て考察する。

授業外における

学習・時間

事前に配布した資料および参考図書等に目を通し、次回の講義内容についての概要を理解して

おくこと。 各1-2時間程度

評価方法 参加度(講義中の質疑応答による主体性・積極性)40%、

レポート提出2回(講義時に症例に関連した課題を提示)60%

テキスト・参考図書

1. 日本臨床薬理学会 編: 臨床薬理学, 医学書院

2. 越前宏俊・鈴木 孝 編: 薬物治療学, 医学書院

3. 渡邉裕司 監訳: ハーバード大学講義テキスト 臨床薬理学 原書3版, 丸善出版

4. Ramachandran A, edited: Pharmacology Recall, 2nd ed. Lippincott William & Wilkins

履修上の注意 病態生理と連動させ、主体的・積極的に学修することを期待する。

提出されたレポートについては、講義時に各自に解説してもらい、質疑応答を行う。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:金曜日午後3時~4時

Email:[email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名 遺伝子診断と疾患の分子生物学

Molecular Biology of Genetic Diagnoses and Disorders 科目区分 共通科目 単位数 1単位

教員名 藤澤隆一 必修・選択 自由 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

種々の疾患の病理・病態を正確に捉えることは重要である。これらの疾患は近年の基礎・臨床医学の進歩により、

病理・病態を分子レベルで理解することが肝要になっている。そこで本科目では、分子生物学の基礎知識を習得し、

生体の構造や機能を規定しているDNAに対する興味関心を養うとともに、疾患に関連した遺伝子の機能および遺伝子

診断の原理や問題点について考究する。

授業目的 看護学の基盤となる種々の疾患を分子生物学的に理解し、根拠に基づいた高度な看護実践の礎を学ぶことを目的と

する。

到達目標

1. 細胞の基本構造を説明できる。 2. 遺伝情報の伝達様式を説明できる。 3. 細胞間・細胞内情報伝達機構を説明できる。 4. 分子・遺伝子検査の原理について説明できる。 5. 分子・遺伝子診断の原理や問題点について説明できる。

回 単元主題 授業内容 教員名

授業 内容

1 分子生物学序論 分子生物学の幕開けと遺伝子、遺伝子発現の中心教義

藤澤隆一

2 分子細胞生物学

微生物遺伝子の基本構造、核酸・タンパク質の化学、生体膜

の分子生物学、細胞内小器官・小胞輸送、情報伝達、細胞の

増殖と分化の概要 3 4 5 DNA診断法の基本原理 制限酵素地図、PCR、RFLP DNA多型解析、 6 遺伝と遺伝子、遺伝疾患 遺伝の概念、ゲノム、遺伝形式、疾患、遺伝病の遺伝子検査

7 感染症、悪性腫瘍の遺伝子検査 がん関連遺伝子、腫瘍の発生機構、遺伝性腫瘍、がん抑制遺

伝子、臨床遺伝子学的診察、診断 8 まとめ 遺伝子診断と疾患の分子生物学の現状と未来

授業外における 学習・時間

講義の進行に合わせて、参考書や授業で配布する参考資料などを読んで復習すること。 1コマ/30分

評価方法 授業への参加度(70%)、レポート(30%)で総合的に評価する。

テキスト・参考書 参考書:エッセンシャル細胞生物学 細胞の分子生物学(中村、ほか)ニュートンプレス

履修上の注意 履修生には積極的な授業参加を希望します。

質問への対応 (オフィスアワー・Email)

① 不明の点については、授業中及び講義終了直後などに積極的に質問してください。 ② 講義時間以外でも、随時受け付けます(オフィスアワー:月~金 16:30~18:00)。 ③ e-mailを用いた質問も可能です。具体的な手法について、初回の講義時に説明します。

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科目名・英名 保健医療福祉特論 Advanced Public Health Services Administration

科目区分 共通科目 単位数 1単位

教員名 山口久美子、後藤 勝 必修・選択 自由 開講年次 1・2年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 N306講義室

科目概要

質の高い保健医療福祉を提供するには、行政側が現場のニーズを吸い上げ、政策に反映させることが重要である。看

護職者は、関連分野に従事する関係者と連携し、行政側に現場のニーズを伝え、保健医療福祉活動の実施とその質の向

上のための要請をする。すなわち、行政と現場を結ぶパイプ役の一端を担うことが期待される。関連分野に従事する関

係者、さらに行政側と効果的に連携するには、それぞれの活動の実態を知り理解することが不可欠である。

本科目は、看護職者の役割を明確にするとともに、臨床および行政担当者から直接情報を得て実情を知り、看護職者

として保健医療福祉に有効に機能するための基盤をつくることを目的とする。

授業目的 総合的に看護ケアをマネジメントし、保健医療福祉チームにおいては多職者と連携・協力・調整するための知識を修得

する。

到達目標

1.地域住民を対象とした保健医療福祉の施策の実情と課題を理解する。 2.地域住民の保健医療福祉のニーズを理解する。 3.地域の保健医療福祉の質の向上を図るための看護職独自の役割について考える。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 ガイダンス ・保健医療福祉行政における看護職の役割 山口久美子

2 国における保健医療行政の実態と課題 ・保健医療福祉行政のおける国の立場から 後藤 勝

3 保健医療福祉行政の実態と課題① ・保健医療福祉行政における県の立場から

山口久美子 (ゲストスピーカー)

4 保健医療福祉行政の実態と課題② ・栃木県の医療福祉行政における看護職の立場から

5 保健医療福祉行政の実態と課題③ ・市町村および保健所の立場から

6 県行政に協力する本学の立場から ・保健医療福祉における大学(大学病院)の役割 山口久美子

(ゲストスピーカー)

7 看護職能団体の実態と課題 ・保健医療福祉行政のおける職能団体の立場から 山口久美子

(ゲストスピーカー)

8 まとめ ・自己の課題と保健医療福祉行政の視点から課題を明ら

かにする。 山口久美子

授業外における

学習・時間 事後レポートの作成(課題については授業内で提示する) 1コマ/30分

評価方法 授業への参加度(準備・積極性)30%、レポート70%で評価する。

テキスト・参考書

1.岡本全勝(2005):新 地方自治入門 行政の現在と未来(第4刷),時事通信社.

2.佐藤 進(1996):福祉と保健・医療の連携の法政策(新版第1刷),信山社.

3.ジュリアン・ルグラン 著、郡司篤晃 監訳(2008):公共政策と人間,聖学院大学出版会.

4.健康支援と社会保障制度④関係法規,メジカルフレンド社,2013.

履修上の注意 主体的学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

メールもしくはオフィスアワーに研究室で対応する。(17:00~18:00) [email protected]

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科目名・英名 保健統計学

Health statistics 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 小橋 元、春山康夫、梅澤光政、西連地利己 必修・選択 自由 開講年次 1・2年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 N306教室

科目概要

疫学は、「人間集団を対象として、その健康および健康障害の頻度と分布を明らかにし、それらに関連する要因とそ

の交絡状況を包括的に研究して、より良い社会、暮らしに還元する学問」であり、統計学は、「多くのデータを要約し、

中に含まれている情報を把握しやすくする手段であると同時に、要約された事実に基づいて、別の場面(対象)あるい

は将来にどのような結果が得られるかを推定、あるいは予測する学問」である。したがって、疫学と統計学は、車の両

輪のような関係であり、さまざまな研究においてはもちろん、日常の業務や生活においても重要な学問である。

授業目的 疫学研究デザインの能力を養い、統計解析の考え方を理解する。

到達目標 看護研究や看護職実務上で必要な統計知識の修得を目標とする。内容としては、データの収集、データの種類、代表

値、データのばらつき、集計、推定、検定、メタアナリシスなどの理論を学修する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 疫学とは何か 疫学研究についての概説 小橋 元

2 疫学研究デザイン 疫学研究の種類について 春山康夫

3 バイアスと交絡 バイアス、交絡とその制御方法について 西連地利己

4 EBM・EBN EBM、EBNとは科学的思考の基礎の理解 梅澤光政

5 統計とは何か、データの整理、分布と

ばらつきについて

統計解析についての概説、データ整理、分布、代表値(中

央値、最頻値、平均値)ばらつき(分散、標準偏差) 小橋 元

6 変数の種類と相関、関連、因果関係 独立変数と従属変数、相関(散布図、相関係数)、2群の平

均値の比較、カテゴリー分析、因果関係 梅澤光政

7 確率 確率・確率分布、推定(区間推定) 西連地利己

8 検定 検定(分散の検定、平均値の差の検定、独立性の検定) 春山康夫

9 検定:ノンパラメトリック ノンパラメトリック検定

ノンパラメトリックとは何かを理解する 小橋 元

10 分散分析 分散分析(一元配置分散分析)、回帰分析(単回帰分析) 西連地利己

11 検定 リスク比、オッズ比、生命表 梅澤光政

12 多変量解析 多変量解析とは 春山康夫

13 回帰分析・成分分析 重回帰分析、判別分析、主成分分析、因子分析 西連地利己

14 統計解析演習 SPSSを用いて実際に統計解析の演習を行う 春山康夫

15 疫学、統計解析の応用 研究における疫学研究デザイン、統計解析の事例

論文を通して理解する 小橋 元

授業外における

学習・時間 既講義内容の疑問点を確認する。 1コマ/30分

評価方法 授業への参加度(予習、復習、発言等で50%)、レポートまたは小テスト(50%)とする。

テキスト・参考書 教科書:何冊か紹介する。授業資料はその都度配布する。

履修上の注意

質問への対応

(オフィスアワー・Email) 講義中、またはメール([email protected][email protected])にて対応いたします。

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科目名・英名 看護情報科学特論

Advanced Nursing Informatics 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 坂田信裕、山下真幸、坂東宏和、上西秀和 必修・選択 自由 開講年次 1・2年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 教室棟A102 PC教室

科目概要

看護情報科学特論(Advanced Nursing Informatics)では、情報化社会の変革とともに変化を続ける医療・看護にお

ける情報化に関する内容について、概念とともに実践的な活用をするための知識や技能、さらには研究的な取り組みも

含む将来的な展開について学ぶ。

その内容としては、個人情報の保護に関する法律やガイドラインに基づく適切な情報の取り扱いなどの情報倫理、電

子的なシステムを用いたデータ取り扱いの特性や活用手法、さらには適切な情報セキュリティの概念や実践など、看護

管理及び看護実践において、知識や技能が求められている領域を網羅する。

授業目的 看護現象を科学的に分析・評価し、創造的な実践を開発する研究能力を身につける。

到達目標

1.情報・データの基本概念について理解する。

2.情報管理・情報セキュリティについて理解する。

3.高度情報化社会と医療・看護の関わりについて理解する。

4.医療・看護で取り扱う情報の保護に関する法律やガイドライン等について理解する。

5.医療・看護における情報・データ活用手法について理解する。

6.高度化・複雑化する保健医療福祉分野における情報システムの現状と課題を理解する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 ガイダンス/ICT活用学修環境の活用 演習:PC教室・LMS・Office365操作 坂田信裕

山下真幸

坂東宏和

上西秀和

2 医療・看護における情報・データと活用手法 I 演習:アンケート調査実践(概論、テーマ決定)

3 高度情報化社会と医療・看護 講義:病院等における情報化

4 情報セキュリティ 講義:情報セキュリティの現状と課題

5 医療・看護における情報・データと活用手法 II 演習:アンケート調査実践(質問項目等の検討)

6 保健医療福祉分野における情報通信技術の活用 I 講義:ロボットなど、テクノロジーの進展

7 医療・看護における情報・データと活用手法

III

演習:アンケート調査実践(質問紙の作成)

8 保健医療福祉分野における情報通信技術の活用 II 講義:地域医療におけるICT活用

9 医療・看護における情報・データと活用手法 IV 演習:アンケート調査実践(調査結果の入力)

10 保健医療福祉分野における情報通信技術の活用 III 演習:看護領域におけるプレゼンテーション

11 医療・看護における情報・データと活用手法 V 演習:データの集計・可視化

12 医療・看護における情報・データと活用手法 VI 演習:統計解析(1)

13 医療・看護における情報・データと活用手法

VII

演習:統計解析(2)

14 医療・看護における情報・データと活用手法

VIII

演習:アンケート分析

15 総括 講義:全体の振り返りとまとめ

授業外における

学習・時間

各回の授業において提示される、事前学習または事後学習への取り組みが必要となり、LMS を用いた

課題確認および作成ファイルの提出が求められます。 90分

評価方法 授業準備10%、討論の参加度と発言の適切性40%、レポート50%で評価する。

参考書

1. 石村 貞夫,劉晨,石村友二郎,加藤千恵子 (2015):

『SPSSでやさしく学ぶアンケート処理(第4版)』,東京図書.

2. 樋口耕一 (2014):

『社会調査のための計量テキスト分析―内容分析の継承と発展を目指して』,ナカニシヤ出版.

3. 他の参考書については授業内で示す。

履修上の注意 講義だけでなく、授業時間中に討論を行うため、事前学習および事後学習が必要となります。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

質問は、教室棟A101もしくはA105にて、担当教員が随時対応する。ただし、都合によって、調整を行う場合がある。

電子メール([email protected])の場合は、メールを教員が受信後、質問内容を確認し、適切な方法により対

応する。

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科目名・英名 行動理論

Behavior Analysis 科目区分 共通科目 単位数 2単位

教員名 森山哲美 必修・選択 自由 開講年次 1・2年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 N306教室

科目概要

行動の理論として、行動分析学という学問を紹介する。行動分析学は、実験的行動分析学と応用行動分析学からなる。

実験的行動分析学は、行動の実験的基礎科学で、行動についての法則(行動の原理)を明らかにする学問である。実験

的行動分析学によって明らかにされた「行動の原理」を基にして、私たちの行動を環境に適した方向に改変するための

方法論が応用行動分析学である。その意味で、行動分析学の知見は、医療や看護、あるいは福祉に活かすことができる。

本科目では、基礎と応用の行動分析学を紹介しながら、どのようにすれば私たちの行動の問題(行動変容等)を解決

していくことができるのかについて講義する。

授業目的

適切な看護を実践するには、看護にかかわる行動のマネジメントが必要です。やみくもに行動すればいいというわけ

ではありません。科学的な視点に立って、患者様はなぜこのように行動するのか、また医療関係者は、どのように行動

すれば望ましい医療を実践できるのか、それらの問題について考える必要があります。そのためにも「行動の科学」を

学ぶことは重要です。 本講座の目的は、看護実践を科学的に分析・評価し、高度な看護実践に繋がる行動の科学である「行動分析学」の理

論と研究方法を学ぶことです。すなわち、人の行動を望ましい方向に変容させるための視点と方法を学ぶことが目的と

なります。

到達目標 1.私たちの行動をきちんと説明することができる。 2.日常生活や医療、看護の場面に関係する人達の行動を理解することができる。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 行動の科学としての心理学 心理学が「心の学問」ではなく、「行動の科学」である

理由とその必要性について講義します。

森山哲美

2 行動理論とは(行動分析学とは)

「行動の科学」としての行動分析学の考え方について講

義します。行動分析学が実験的行動分析学と応用行動分

析学からなることも説明します。

3 オペラント条件づけ(4つの随伴性)

行動に随伴して生起する環境の変化によって行動その

ものが変化するオペラント条件づけについて説明しま

す。4つの随伴性(正の強化、負の強化、正の弱化、負

の弱化)について説明します。

4 オペラント条件づけ(強化スケジュール)

同じ行動に対して同じ強化子で強化しても、その強化の

仕方(強化スケジュール)を変えるだけで行動に特有の

変化をもたらすことができるということを説明します。

5 行動の原理

基礎的な実験的行動分析学の研究によって明らかにな

った「行動の原理」について説明します。行動は、「行

動の原理」にしたがって変容します。

6 言語行動(基本的言語行動)

人の言語行動もオペラント条件づけによって強化され

維持されている行動であること、そしてその基本的な言

語行動について説明します。

7 ルール支配と随伴性制御

随伴性を言語化してできた刺激をルールといいます。

「~すれば・・・」という形式の言語刺激です。人の行

動は、このルールによって強く制御されます。一方、ル

ールではなく、行動に随伴した環境の変化によっても行

動は制御されます。ルールによる制御をルール支配とい

い、行動に随伴した結果による制御を随伴性制御と言い

ます。それぞれの制御を理解することで人間の行動は理

解されます。

8 行動の制御と応用行動分析学

行動の制御について学ぶことで、行動を適切な行動へと

変容することが出来ます。適切な行動を獲得したり、不

適切な行動を低減したりすることができるようになり

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ます。その方法について研究する応用行動分析学につい

て講義します。

9 行動の観察と記録

行動分析学では行動を理解するために行動を観察して

記録することが重要視されています。その方法について

説明します。

10 実験計画法 行動を改変するための研究方法を紹介します。

11 オペラント条件づけ(形成化、促進化、連

鎖化)

行動を望ましい方向に変容するための具体的な方法に

ついて説明します。

12 レスポンデント条件づけ

行動に先行する環境事象によってもっぱら制御される

レスポンデント行動の学習であるレスポンデント条件

づけについて説明します。この条件づけは、パブロフの

条件反射という学習です。

13 情動条件づけ なんでもなかった事柄に対して快や不快といった情動

を感じるようになるメカニズムについて説明します。

14 徹底的行動主義

実験的行動分析学と応用行動分析学の哲学的基盤であ

る徹底的行動主義について講義します。行動分析学の祖

であるスキナーは、この視点にもとづいた「行動の科学」

を提唱しました。

15 まとめ 「行動の科学」である行動分析学について、行動の予測

と制御の視点からその全体のまとめをします。

授業外における

学習・時間

テキストはウィリアム・M・ボーム 著 森山哲美 訳の『行動主義を理解する―行動・文化・進化』

です。この本を授業と並行して必ず読んでください。そして、適切な看護を実践するには、「行動の

科学」の知見(主に「行動の原理」)をどのように応用したらよいのか、いつも考えるようにしてく

ださい。

1コマ/30分

評価方法 授業への参加状況、ならびにレポートの成績の両方で評価する。配点はそれぞれ50点とする。合わせて100点となる。

テキスト・参考書

テキスト ウィリアム・M・ボーム著 森山哲美訳 (2016). 『行動主義を理解する―行動・文化・進化』二瓶社 参考書 河合伊六・辻下守弘・小林和彦 著 (2009). 『リハビリテーションのための行動分析学入門』医歯薬出版 杉山尚子 著 (2005). 『行動分析学入門』集英社新書

履修上の注意 授業では、テキストや参考書に即して講義が必ずしも行われるわけではありません。しかし、テキストは必ず授業に

並行して読み進めてください。不明な点があれば、遠慮なく質問してください。 質問への対応

(オフィスアワー・Email)

質問等の連絡先は、[email protected]です。

特にオフィスアワーがあるわけではないので、いつでも質問してください。

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科目名・英名 慢性看護学特論Ⅰ(慢性病者の行動理解)

Advanced Lecture of Chronic Illness and Conditions NursingⅠ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 粟生田友子、西村ユミ 必修・選択 選択 開講年次 1年

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

慢性病者と慢性病に起因する障がい者(以下、慢性病者に含む)や家族が抱える慢性病特有の複雑で解決困難な問題お

よび慢性病をもつ人の行動理解に役立つ病の軌跡、セルフケアとセルフマネジメント、障がい受容、自己効力感、エン

パワーメント、スティグマとレジリエンスなどの諸理論を学修する。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践能力」を培うために、慢性病者の行動理解について,諸理

論を学修する。

到達目標 1.慢性病者とその家族を理解する上で基盤となる哲学及び理論や概念を学修する。

2.慢性病者が慢性病と折り合いをつけ、慢性病と生きることの意味について考察する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 ガイダンス

・慢性疾患看護専門看護師のカリキュラムにおける本

科目の位置づけと構成、授業の進め方、学習方法、

評価方法についてオリエンテーションを行う。

・慢性病看護の特徴と近年の動向について学修する。

粟生田友子

2-3 慢性病者を理解するための哲学的視座 ・現象学の立場から慢性病者をどのように理解するか

について学修する。 西村ユミ

4 慢性病者と発達

・成人期(青年期、壮年期、向老期)、老年期の各期

の特徴と課題を理解し、慢性病による発達への影響

について学修する。 粟生田友子

5 慢性病の慢性性、病みの軌跡 ・慢性病者の体験を病みの軌跡を通して学修する。

6 病気や障がいとの折り合い

(1)衝撃状態にある患者、(2)拒否状態にある患者、

(3)絶望状態にある患者、(4)承認状態にある患者

の各状態にある病者が病気と折り合いをつけるまで

の経過について学修する。

粟生田友子

7 慢性病者とボディイメージ ・ボディイメージの障害を理解し、折り合いを

つけてそのための看護支援を学修する。 粟生田友子

8 慢性病者とスティグマ/レジリエンス ・慢性病者の体験を学修する。 粟生田友子

9 慢性病者・障がい者とICFモデル

・ICF モデルに立脚した慢性病者・障がい者を理解し

ノーマライゼーションを実現するために、身体機能

に加え、生活機能を視野に治療・ケアを含めた人

的・物的環境の整備の意義について学修する。

粟生田友子

10 慢性病者とセルフケア/セルフマネジメン

・慢性病者のセルフケアに関する看護支援について学

修する。 粟生田友子

11 慢性病者の無力感 ・慢性病者が体験する無力感について学修する。 粟生田友子

12 慢性病者の行動変容とトランスセオレティ

カル理論 ・慢性病者の理解に向けた看護理論を学修する。

粟生田友子 13 慢性病者の行動変容と自己効力感、エンパワ

ーメント ・慢性病者の理解に向けた看護理論を学修する。

14 慢性病者の家族 ・慢性病者や中途障がい者の家族が直面する問題を理

解し、援助課題を探求する。

15 まとめ ・これまでの学修をもとに、慢性病者が慢性病と折り

合いをつけ、生きることの意味について考察する。 粟生田友子

授業外における

学習・時間 慢性病者の行動理解について,諸理論を事前に学修して臨むこと。授業ごとに1時間は確保する。 1コマ/1時間

評価方法 プレゼンテーション30%、レジュメ20%、参加態度20%、最終レポート30%で評価する。

レポート課題については授業時に提示する。

テキスト・参考書 1.アイリーン・モロフ・ラブキン,パラマ Dラーセン(2007):クロニックイルネス,医学書院.

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2.アンセルム・ストラウス(1987):慢性疾患を生きる,医学書院.

3.ピエール・ウグ(1996):病みの軌跡,医学書院.

4.西村ユミ(2008):語りかける身体,ゆみる出版.

5.プロチャスカ他(2006):チェンジング・フォー・グッドーステージ変容理論で上手に行動を変える,法研.

6.ジェリー・エー・デルウィッチ、アーチー・ブロドスキー(2002):糖尿病のケアリング 語られた生活体験と感情,

医学書院.

7.アーサー・クラインマン(1996):病いの語り,誠信書房.

8.ARN,奥宮暁子監訳(2005):リハビリテーション看護の実践 概念と専門性を示すARNのコアカリキュラム,日本看護

協会出版会.

9.Malott,RW et al,杉山尚子他訳(1998):行動分析入門,産業図書.

10.Alberto,PA et al,佐久間徹 他訳(2004):はじめての応用行動分析,二瓶社.

その他、授業中に随時紹介する。

履修上の注意 主体的な学修を望む。

履修者は、論文コース共通科目の「行動理論」を履修することが望ましい。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:12時~13時

E-mail:[email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名 慢性看護学特論Ⅱ(慢性病者の査定)

Advanced Lecture of Chronic Illness and Conditions NursingⅡ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 粟生田友子 必修・選択 選択 開講年次 1年

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

慢性病者と慢性病に起因する障がい者(以下、慢性病者に含む) の包括的査定方法について講義を通して学修する。 具体的には、履修生のサブスペシャリティーに応じて、糖尿病または脳卒中のいずれかを選択して、これらの疾患をもつ慢性病者

に特化した身体心理社会的アセスメントを学修するほか、慢性病者に共通するSF36、自尊感情、ローカスオブコントロール、不安尺

度、うつ状態自己評価尺度、家族などの心理社会生活面のアセスメントについて学ぶ。慢性看護学特論Ⅰで学んだ病みの軌跡をもと

に、病体験によるアセスメントに上述した医学、心理学、社会学などの学際的な知識を取り入れ、病者を主観的、客観的または量的

(程度)に捉え、多角的、科学的かつ包括的なアセスメントについて学修する。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践能力」を培うために、慢性病者の査定について、学際的な

知識を取り入れ、病者の包括的なアセスメントについて学修する。

到達目標

慢性病者の査定に必要な医学的診断知識をもとに次のことについて学修する。

1.慢性病者の身体面の査定と方法を理解する。

2.慢性病者の心理社会面の査定と方法を理解する。

3.慢性病者の生活面とその家族の査定方法を理解する。

4.病体験の包括的査定を理解する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 ガイダンス

・本科目の位置づけ(慢性看護学特論Ⅰ、特に実習との関連)と

構成、授業の進め方、評価方法についてオリエンテーションを

行う。

・専門看護師に求められる高度な査定技術について国内外の関連

団体の見解をふまえ、看護系大学協議会の基準について理解す

る。

粟生田友子

2 慢性病者全般についての査定の特徴

・主要な慢性疾患について、主観的(主訴)、客観的(症状)所

見、検査(一般的検査、精密検査)などを通して、医学的診断

に必要な情報の収集技術(診察技術)と根拠について理解し、

看護の査定に必要な知識を学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

次の3~10回は、履修生のサブスペシャリティーによって、糖尿病をもつ慢性病者か、脳卒中をもつ慢性病者のいずれかを履修する。

3

糖尿病をもつ慢性病者の査定

・糖代謝、糖尿病の病態と病型、診断のための症状、検査を通し

て、診断基準について理解し、査定に必要な知識を学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

脳卒中をもつ慢性病者の査定

・脳卒中の病態、診断のための症状、検査を通して、診断基準に

ついて理解し、査定に必要な知識を学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

4

糖尿病をもつ慢性病者の長期的影響の査定

1:細小血管障害

・糖尿病網膜症の査定の方法と程度

・糖尿病腎症の査定の方法と程度

・糖尿病神経障害(自律神経、末梢神経)の査定方法と程度につ

いて学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

脳卒中をもつ慢性病者の運動・感覚機能障

害の査定:

・神経所見と脳、脊髄レントゲン、CT、MRI の所見に基づく診断

について学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

5 糖尿病をもつ慢性病者の長期的影響の査定

2:大血管障害

・動脈硬化の査定方法と程度と治療の関連

・足病変のある糖尿病患者の事例を用い、足病変の状況、血糖コ

ントロールとの関係、原因、適用される治療内容と治癒の予測

について査定する技術について、学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

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脳卒中をもつ慢性病者の高次脳機能障害の

査定:

・脳の特定機能が選択的に障害される症状(理解力の低下、記憶

力の低下、計算力の低下、失語、失行、失認、失読、失書物、

注意力の低下、意欲の喪失、情動の制御困難)の査定方法につ

いて学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

6

糖尿病をもつ慢性病者の急性増悪の査定:

急性合併症

・糖尿病の急性合併症(糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧性高

血糖症候群、感染症)の原因、症状、重症度の判定、適切な治

療、予防内容の査定について学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

脳卒中をもつ慢性病者の急性期の状態の査

定:

・意識障害の程度の査定、病態と治療及び廃用症候群などの合併

症のリスクの査定と予防について学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

7

糖尿病をもつ慢性病者の治療の査定1:食

事療法、運動療法

・糖尿病をもつ慢性病者の発達や生活に適する食事療法、運動療

法の査定、生活との各治療法の適切さの査定について学修す

る。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

脳卒中をもつ慢性病者の回復期の機能障害

の査定:

・運動機能障害の査定とリハビリテーション療法(理学療法と作

業療法)について学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

8

糖尿病をもつ慢性病者の治療査定2:薬物

療法

・糖尿病をもつ慢性病者に対する内服薬、インスリン療法の適用、

薬物の種類、量と日常生活、心理・社会的側面との関連からみ

た適切さの査定について学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

脳卒中をもつ慢性病者の回復期の機能障害

の査定:

・摂食嚥下障害と失語症の査定とリハビリテーション療法につい

て学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

9

慢性病者の心理社会側面の査定1:

・糖尿病をもつ慢性病者に特化したスケール

(1)糖尿病QOL尺度(Diabetes Quality of Life)

(2)糖尿病問題領域尺度(Problem Areas in Diabetes)

粟生田友子

慢性病者の心理社会側面の査定1:

・脳卒中をもつ慢性病者に特化した尺度

(1)日常生活動作(ADL)評価尺度(Barthel Scale)

(2)日常生活動作(ADL)及び認知機能の評価尺度(FIM)

粟生田友子

10 慢性病者の心理社会側面の査定2: ・慢性病者のQOLを包括的に査定する尺度:

・SF36 ・首尾一貫感覚(SOC) 粟生田友子

11 慢性病者の心理社会側面の査定3: ・自尊感情、ローカスオブコントロール 粟生田友子

12 慢性病者の心理社会側面の査定3: ・不安尺度、うつ状態自己評価尺度 粟生田友子

13 慢性病者の家族の心理社会側面の査定: ・家族のシステム理論に基づく慢性病者家族の身体心理社会生活

側面の査定

粟生田友子

14 慢性病者の病体験に焦点を当てた査定 ・病みの軌跡をもとに、病体験に焦点をあてた多角的、科学的か

つ包括的なアセスメントについて学修する。

粟生田友子

15 慢性病者の包括的アセスメント

・病体験のアセスメントに、本科目で学修した査定に必要な医学、

心理学、社会学などの学際的な知識やツールを取り入れた多角

的、科学的かつ包括的なアセスメントについて学修する。

粟生田友子

授業外における

学習・時間 慢性病者の査定について,事前学習をして臨むこと。授業ごとに1時間は確保する。 1コマ/1時間

評価方法 プレゼンテーション30%、レジュメ20%、参加態度20%、最終レポート30%で評価する。

レポート課題については授業時に提示する。

テキスト・参考書 1.日本糖尿病学会編(2004):科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン,南江堂.

2.日本糖尿病学会編(2013):糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第5版,診断と治療社.

Page 31: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

- 183 -

3.日本糖尿病学会編(2013):糖尿病治療ガイド,文光堂

4.佐々木富男他編(2011):標準 脳神経外科学,医学書院.

5.宮本省三(2006):リハビリテーション・ルネサンス,春秋社.

6.中村隆一編(2002):臨床運動学,医歯薬出版株式会社.

7.Shirley P.Hoeman(2007):Rehabilitation Nursing:Prevention, Intervention ,and Outcomes.(Rhhabilitation

Nursing:Process & Application),Mosby.

8.Rebecca Jester(2007):Advancing Practice in Rehabilitation Nursing,Wiley-Blackwell.

9.アーロン・アントノフスキー(2001):健康の謎を解くーストレス対処と健康保持のメカニズム,有信堂高文社.

10. 鈴木和子,渡辺裕子(2006):家族看護学 理論と実践,日本看護協会出版会.

その他、授業中に随時紹介する。

履修上の注意 ・3~10回は、履修生のサブスペシャリティーによって、糖尿病をもつ慢性病者か、脳卒中をもつ慢性病者のいずれかを履修する。

・解剖学、生理学、薬理学についての知識を復習して、講義に臨むこと。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:12時~13時

E-mail:[email protected] にて対応いたします。

Page 32: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

- 184 -

科目名・英名 慢性看護学特論Ⅲ(慢性病者への支援技術) 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 粟生田友子、小西敏子、岸田さな江 必修・選択 選択 開講年次 1年

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

慢性病者と慢性病に起因する障がい者(以下、慢性病者に含む)の状態の変化に対応した慢性病の予防・診断・

治療に伴う専門的看護支援、自己管理支援、リハビリテーション看護、ターミナルケアなどに関する理論と支

援技術について講義を通して学修する。 具体的には、まず、履修者のサブスペシャリティーによって、糖尿病をもつ慢性病者または脳卒中をもつ慢

性病者に特化した支援に必要な理論を学修する。その後、慢性病患者の支援に共通して必要な理論として、行

動分析理論の援用、自己決定への支援、成人教育などを学修する。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践能力」を培うために、慢性病者の支援技術につい

て,自分自身の支援技術を評価し、必要な理論や支援方法について学修する。

到達目標

1.慢性病者の病期(予防期、急性増悪期、慢性期、回復期、終末期)の治療と治療を受ける慢性病者への専門

的看護支援のための技術について学修する。 2.糖尿病、呼吸器疾患、脳卒中をもつ慢性病者の治療と治療を受ける慢性病者への専門的看護支援のための技

術について講義を通して学修する。 3.慢性病者とその家族の倫理的問題と人権の擁護について学修する。 4.省察的実践を理解し、専門看護師として自己成長する能力を養う。 5.慢性病者とその家族に対する、質の高い看護実践を行う専門看護師の基礎的能力を養う。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 ガイダンス

・カリキュラムにおける本科目の位置づけと構

成、授業の進め方、評価方法を説明する。

・慢性病者の看護支援の特徴について概説する。

粟生田友子

2 慢性病者の各時期の治療・支援1(予防期) ・慢性病予防の啓発に対する支援について、日

常生活習慣病を中心に学修する。

粟生田友子

次の3~5回は、履修生のサブスペシャリティーによって、糖尿病をもつ慢性病者、呼吸器疾患をもつ慢性病者、あるい

は脳卒中後の慢性病者のいずれかを履修する。

3

慢性病者各時期の治療・支援2(慢性期) ・糖尿病の血糖コントロールのための治療と支

援について学修する。

粟生田友子

慢性病者各時期の治療・支援2(慢性期) ・呼吸器疾患の運動・活動コントロールのための

治療と支援について学修する。

粟生田友子

慢性病者各時期の治療・支援2(慢性期)

・高血圧症の服薬管理、低塩分食・低脂肪・低

コレストロール等の食事療法の管理について

学修する。

粟生田友子

4

慢性病者各時期の治療・支援3(慢性期) ・糖尿病の合併症発症予防のための治療と支援

について学修する。

粟生田友子

慢性病者各時期の治療・支援3(慢性期) ・呼吸器疾患の合併症発症予防のための治療と

支援について学修する。

粟生田友子

慢性病者各時期の治療・支援3(回復期)

・脳卒中発作後早期からの治療と看護に引き続

き、脳卒中回復期における合併症予防、AD

L拡大を図るための機能訓練と看護について

学修する。

粟生田友子

5

慢性病者各時期の治療・支援4(急性増悪期)

・糖尿病の急性増悪期における、糖尿病ケトア

シドーシス、高浸透圧高血糖症候群、低血糖

昏睡への治療と看護支援を中心に学修する。

粟生田友子

慢性病者各時期の治療・支援4(急性増悪期) ・呼吸器疾患の急性増悪期における、呼吸不全

状態の治療と看護支援を中心に学修する。 粟生田友子

Page 33: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

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科目名・英名 慢性看護学特論Ⅲ(慢性病者への支援技術) 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 粟生田友子、小西敏子、岸田さな江 必修・選択 選択 開講年次 1年

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

慢性病者と慢性病に起因する障がい者(以下、慢性病者に含む)の状態の変化に対応した慢性病の予防・診断・

治療に伴う専門的看護支援、自己管理支援、リハビリテーション看護、ターミナルケアなどに関する理論と支

援技術について講義を通して学修する。 具体的には、まず、履修者のサブスペシャリティーによって、糖尿病をもつ慢性病者または脳卒中をもつ慢

性病者に特化した支援に必要な理論を学修する。その後、慢性病患者の支援に共通して必要な理論として、行

動分析理論の援用、自己決定への支援、成人教育などを学修する。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践能力」を培うために、慢性病者の支援技術につい

て,自分自身の支援技術を評価し、必要な理論や支援方法について学修する。

到達目標

1.慢性病者の病期(予防期、急性増悪期、慢性期、回復期、終末期)の治療と治療を受ける慢性病者への専門

的看護支援のための技術について学修する。 2.糖尿病、呼吸器疾患、脳卒中をもつ慢性病者の治療と治療を受ける慢性病者への専門的看護支援のための技

術について講義を通して学修する。 3.慢性病者とその家族の倫理的問題と人権の擁護について学修する。 4.省察的実践を理解し、専門看護師として自己成長する能力を養う。 5.慢性病者とその家族に対する、質の高い看護実践を行う専門看護師の基礎的能力を養う。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 ガイダンス

・カリキュラムにおける本科目の位置づけと構

成、授業の進め方、評価方法を説明する。

・慢性病者の看護支援の特徴について概説する。

粟生田友子

2 慢性病者の各時期の治療・支援1(予防期) ・慢性病予防の啓発に対する支援について、日

常生活習慣病を中心に学修する。

粟生田友子

次の3~5回は、履修生のサブスペシャリティーによって、糖尿病をもつ慢性病者、呼吸器疾患をもつ慢性病者、あるい

は脳卒中後の慢性病者のいずれかを履修する。

3

慢性病者各時期の治療・支援2(慢性期) ・糖尿病の血糖コントロールのための治療と支

援について学修する。

粟生田友子

慢性病者各時期の治療・支援2(慢性期) ・呼吸器疾患の運動・活動コントロールのための

治療と支援について学修する。

粟生田友子

慢性病者各時期の治療・支援2(慢性期)

・高血圧症の服薬管理、低塩分食・低脂肪・低

コレストロール等の食事療法の管理について

学修する。

粟生田友子

4

慢性病者各時期の治療・支援3(慢性期) ・糖尿病の合併症発症予防のための治療と支援

について学修する。

粟生田友子

慢性病者各時期の治療・支援3(慢性期) ・呼吸器疾患の合併症発症予防のための治療と

支援について学修する。

粟生田友子

慢性病者各時期の治療・支援3(回復期)

・脳卒中発作後早期からの治療と看護に引き続

き、脳卒中回復期における合併症予防、AD

L拡大を図るための機能訓練と看護について

学修する。

粟生田友子

5

慢性病者各時期の治療・支援4(急性増悪期)

・糖尿病の急性増悪期における、糖尿病ケトア

シドーシス、高浸透圧高血糖症候群、低血糖

昏睡への治療と看護支援を中心に学修する。

粟生田友子

慢性病者各時期の治療・支援4(急性増悪期) ・呼吸器疾患の急性増悪期における、呼吸不全

状態の治療と看護支援を中心に学修する。 粟生田友子

慢性病者各時期の治療・支援4(生活期)

・回復期から生活期の看護及び合併症の予防、

日常生活の維持、健康増進・再発予防につい

て学修する。

粟生田友子

6 慢性病者の各時期の治療・支援5(終末期) ・終末期の概念、慢性病の終末期に至るまでの

経過に応じた支援技術について学修する。

小西敏子

7 セルフケアの調整を促進する支援技術1

・血糖パターンマネージメント、セルフモニタ

リングを活用し、自己の支援事例または文献

等の支援事例を通して学修する。

粟生田友子

8 セルフケアの調整を促進する支援技術2

・慢性病者が有する症状(倦怠感、しびれ、痛

み、便秘など)に対するマネジメント方法、

最新の看護技術について学修する。

粟生田友子

9 セルフケアの再獲得を促進する支援技術3 ・行動分析理論を援用した脳卒中患者への行動

形成と維持について学修する。

粟生田友子

10 自己決定の支援技術

・慢性病者の自己決定への支援について文献上

の事例検討を通して学修する。

(行動変容が難しい慢性病者のセルフケアへの

自己決定支援)

粟生田友子

11 成人病者の教育支援 ・成人の発達段階の特徴を踏まえた支援を学修

する。

粟生田友子

12 慢性病者の倫理的問題と擁護

・慢性病者とその家族の倫理的問題と擁護つい

て、サラ・フライの提唱する倫理 5 原則、日

本看護協会看護者の倫理綱領を用い、文献に

よる事例を通して学修する。

粟生田友子

13-14 慢性病者とその家族の看護支援に関する専

門看護師の役割

・専門看護師による現場での実践、教育、相談、

調整、倫理調整、研究について、役割の実際

を学修する。

粟生田友子

岸田さな江

15 まとめ

・慢性病者とその家族への高度な看護実践力の

習得と専門看護師として自己成長するために

役立つ省察的実践について学修する。

粟生田友子

授業外における

学習・時間 慢性病者の支援技術について,事前に学修して臨むこと。授業ごとに1時間は確保する。

評価方法 プレゼンテーション25%、レジュメ25%、参加態度10%、最終レポート40%で評価する。

レポート課題については授業時に提示する。

テキスト・参考書

1.アイリーン・モロフ・ラブキン,パラマ Dラーセン(2007):クロニックイルネス,医学書院.

2.アンセルム・ストラウス(1987):慢性疾患を生きる,医学書院.

3.ピエール・ウグ(1996):病みの軌跡,医学書院.

4.正木治恵監修(2007):糖尿病看護の実践知,医学書院.

5.数間恵子編集(2013);外来看護パーフェクトガイド,看護の科学社.

6.福西勇夫・秋本倫子(1999):糖尿病患者への心理学的アプローチ,学研.

7.ARN,奥宮暁子監訳(2005):リハビリテーション看護の実践 概念と専門性を示すARN のコアカリキュラム,

日本看護協会出版会.

8.Malott,RW et al,杉山尚子他訳(1998):行動分析入門,産業図書.

9.Alberto,PA et al,佐久間徹 他 訳(2004):はじめての応用行動分析,二瓶社.

10.ローリィ・N・ゴットリーブ,ナンシー・フィーリー,シンディータルトン(2007):協働的パートナーシッ

プによるケア,エルゼピアジャパン.

11.渡邊洋子(2007):生涯学習時代の成人教育学,明石書店.

12.サラ・フライ,メガン-ジェーン・ションストン(2010):看護実践の倫理第3版,日本看護協会出版会.

13. ミルトン・メイヤロフ(1993):ケアの本質,ゆみる出版.

その他、授業中に随時紹介する。

履修上の注意 3~5回は、履修生のサブスペシャリティーによって、糖尿病をもつ慢性病者か、脳卒中をもつ慢性病者のいず

れかを履修する。

質問への対応

(オフィスアワー・Email) E-mail [email protected]

Page 34: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

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科目名・英名 慢性看護学特論Ⅳ(慢性病者に関連する制度や体制)

Advanced Lecture of Chronic Illness and Conditions Nursing Ⅳ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 粟生田友子、六角遼子、種市ひろみ、小野澤幸子、鮎澤みどり 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

慢性病者と慢性病に起因する障がい者(以下、慢性病者に含む)に適用される医療・福祉の制度や体制について学修す

る。

具体的には、慢性病者に関連する国内外の制度と体制(診療報酬、保健医療制度・体制、職種間の連携)の現状と課

題を把握した上で、慢性病者の自己実現、安寧な死、QOLの向上の観点から、今後のあり方について検討する。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践能力」を培うために、慢性病者の状態に見合った支援をす

るための制度や体制について学修する。

到達目標

1.慢性疾患管理モデル及びディジーズマネジメントプログラムについて理解する。

2.慢性病者に適用される保健医療・福祉の制度や体制の現状と課題を理解する。

3.慢性病者の自己実現、安寧な死、QOLの向上の観点から、慢性病者に適用される医療・福祉の制度や体制の革新方策

を教授し、履修生のサブスペシャリティー領域の今後のあり方を探求する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 ガイダンス

・カリキュラムにおける本科目の位置づけと構成、授

業の進め方、評価方法を説明する。

・新しい慢性疾患管理の考え方として、慢性疾患管理

モデル及びディジーズマネジメントプログラムに

ついて教授する。

粟生田友子

六角 僚子

種市ひろみ

2 わが国の制度や体制に関わる慢性病者の概

・慢性病者、健常者に対する医療・福祉に関連する政

策について学修する。

・わが国の慢性病者の有病率、年齢構成等から、慢性

病者の特徴を理解する。

・慢性病者が保健医療財政に与えている影響を理解す

る。

粟生田友子

六角 僚子

種市ひろみ

3

慢性病者と保健医療制度(国内)1:診療報

酬制度・慢性病者の看護に関連した診療報酬

制度と診療報酬制度

・算定となった背景を調べ、現状、課題とその対策(制

度・体制)と専門看護師の役割について検討する。

粟生田友子

六角 僚子

種市ひろみ

4-5 慢性病者と保健医療制度(国内)2:保健医

療制度

・慢性病者が利用できる保健医療制度を調べ、現状、

課題とその対策(制度・体制)と専門看護師の役割

について検討する。

粟生田友子

六角 僚子

種市ひろみ

6 慢性病者と保健医療制度(国内)3:医療の

提供体制(包括的地域診療連携)

・慢性病者への医療の提供体制(特に包括的地域診療

連携)を調べ、現状、課題とその対策、専門看護師

の役割について検討する。

粟生田友子

六角 僚子

種市ひろみ

7 慢性病者が活用できる福祉制度(国内):事

例を通して演習

・慢性病者が活用できる福祉制度を調べ、発表し、現

状、課題とその対策(制度・体制)、専門看護師の

役割について検討する。

粟生田友子

六角 僚子

種市ひろみ

8-9 慢性病者が活用できる保健医療・福祉制度

(海外)

・海外の慢性者が活用できる保健医療・福祉制度を調

べ、我が国の慢性病者が活用できる保健医療・福祉

制度との比較を通して、我が国の保健医療・福祉制

度や体制の課題とその対策、専門看護師の役割につ

いて討議する。

粟生田友子

六角 僚子

種市ひろみ

10-11 慢性病者に適用される保健医療・福祉の支援

体制と多職種連携1:

・施設から在宅への連携を中心に慢性病者の治療・療

養の場の移動(施設から在宅へ)の際に適用される

保健医療・福祉の支援体制、多職種連携、ソーシャ

ルサポートについて学修する。

小野澤幸子

12-13 慢性病者に適用される保健医療・福祉の支援 ・地域全体での包括的な支援・糖尿病または、脳卒中 粟生田友子

Page 35: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

- 187 -

体制と多職種連携2: 患者または、履修生のサブスペシャリティー領域の

慢性病者について、地域における包括的診療体制を

調べ、課題とその対策、専門看護師の役割について

検討する。

六角 僚子

種市ひろみ

14 慢性病者に適用される保健医療・福祉の支援

体制と多職種連携3:

・履修生のサブスペシャリティーの慢性病者を例に訪

問看護を利用する慢性病者の在宅での多職種連携

による支援体制について、学修する。

鮎沢みどり

15 まとめ

・慢性病者の自己実現、安寧な死、QOLの向上の観点

から、履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者に適用される保健医療・福祉の制度や体制の課題

と今後のあり方について討議する。

粟生田友子

六角 僚子

種市ひろみ

授業外における

学習・時間 慢性病者に関連する制度や体制について、事前学習をして臨むこと。授業ごとに1時間は確保する。 1コマ/1時間

評価方法 プレゼンテーション25%、レジュメ25%、参加態度10%、最終レポート40%で評価する。

レポート課題については授業時に提示する。

テキスト・参考書

1.アイリーン・モロフ・ラブキン,パラマ Dラーセン(2007):クロニックイルネス,医学書院.

2.星恵子,下篠貞友(2007):在宅看護・介護のための難病ガイド 改訂第2版,日本医学出版.

3.川越博美,山崎摩耶,佐藤美穂子(2006):訪問看護研修テキスト,日本看護協会出版会.

その他、授業中に随時紹介する。

履修上の注意 主体的な学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:12時~13時

E-mail:[email protected] にて対応いたします。

Page 36: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

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科目名・英名 慢性看護学特論Ⅴ(慢性病者に関連する治療・療養環境整備)

Advanced Lecture of Chronic Illness and Conditions Nursing Ⅴ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 粟生田友子、鮎澤みどり、小西敏子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

慢性病者と慢性病に起因する障がい者(以下、慢性病者に含む)の治療や療養環境および地域支援などを、質の高い生

活に向けて調整する方策について学修する。 具体的には、人的資源としてのソーシャルサポート、セルフヘルプグループ、また、発病・急性増悪期、慢性期、回

復期、終末期の療養環境、さらに、地域における支援の現況と課題を把握した上で、慢性病者の自己実現、安寧な死、

QOLの向上の観点から、今後のあり方について検討する。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践能力」をもって,慢性病者の状態に見合った的確な支援を

することができるよう、治療および療養環境整備について学修する。

到達目標

1.慢性病者の病期(予防期、慢性期、急性増悪期、回復期、終末期)に応じた療養環境(病棟・外来・地域・居宅・職場)

を理解する。 2.ソーシャルサポート、セルフヘルプグループの概念を理解する。 3.慢性病者のソーシャルサポート、地域支援の実際を理解する。 4.慢性病者の治療や療養環境および地域支援の課題を整理する。 5.慢性病者の自己実現、安寧な死、QOL の向上の観点から、慢性病者の療養環境および地域支援の今後のあり方と専

門看護師の役割を探求する

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 ガイダンス ・カリキュラムにおける本科目の位置づけと構成、授

業の進め方、評価方法について説明する。

粟生田友子

2 ソーシャルサポート

・ソーシャルサポートの概念、種類、内容、倫理的な

問題にかかわる点について学修する。

・慢性病者とその家族を擁護するソーシャルサポート

(ネットワークづくりを含む)の在り方について討

議する。

粟生田友子

3 セルフヘルプグループの概念と実際

・セルフヘルプグループの概念と例として、脳卒中患

者の患者会の実際を紹介し、患者、家族同士の交流、

セルフヘルプグループからの影響、倫理的な問題に

かかわる点について学修する。

・患者擁護の視点から、セルフヘルプグループの在り

方、活用について討議する。

粟生田友子

4-5 予防期における慢性病者の治療・療養環境と

地域支援1:地域での状況と取組み

・地域における看護職を含めた療養環境と地域支援を

学修し、現状と課題を検討する。

ゲストスピーカー(壬生町保健師)による健康診査、

地域での健康増進、生活習慣病予防に向けた取り組

みの現状と課題、倫理的に配慮が必要な点、倫理的

な問題について説明を受け、地域での予防期におけ

る専門看護師の役割について討議する。

粟生田友子

6-7 予防期における慢性病者の治療・療養環境と

地域支援2:職場での状況と取組み

・職場における看護職を含めた療養環境と地域支援を

学修し、現状と課題を検討する。ゲストスピーカー

(産業保健師)による健康診査、職場での健康管理、

啓発活動、労働衛生改善に向けた取り組みの現状と

課題、倫理的に配慮が必要な点、倫理的な問題つい

て説明を受け、職場での予防期における専門看護師

の役割について討議する。

粟生田友子

8 発病、急性増悪の時期における慢性病者の治

療・療養環境と地域支援

・履修生の経験から、医療施設(病棟)における看護

職を含めた療養環境と地域支援の実際をプレゼン

テーションし、慢性病者の自己実現、安寧な死、QOL

粟生田友子

Page 37: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

- 189 -

の向上の観点からみた課題、生じやすい倫理的な問

題について討議する。

・慢性疾患ケアモデルを用いて、地域連携部署の機能

拡大について学修し、専門看護師の役割について討

議する。

9 慢性期、回復期における慢性病者の治療・療

養環境と地域支援1

・医療施設(外来・回復期リハビリテーション病棟)

における看護職を含めた療養環境と地域支援を学

修し、現状、慢性病者の自己実現、QOLの向上の観

点からみた課題、生じやすい倫理的な問題、専門看

護師の役割について討議する。

粟生田友子

10 慢性期、回復期における慢性病者の治療・療

養環境と地域支援2

・在宅での看護職を含めた療養環境と地域支援を学修

し、現状、慢性病者の自己実現、QOLの向上の観点

からみた課題、生じやすい倫理的な問題、専門看護

師の役割について討議する。

鮎沢みどり

11 慢性期、回復期における慢性病者の療養環境

と地域支援3

・福祉施設における看護職を含めた療養環境と地域支

援を学修し、現状、慢性病者の自己実現、QOL の向

上の観点からみた課題、生じやすい倫理的な問題、

専門看護師の役割について討議する。

粟生田友子

12-13 慢性期、回復期における慢性病者の地域での

治療・療養環境と地域支援4

・ゲストスピーカー患者会会員から、患者会への参加

の仕方、セルフケアにおける患者会からの影響につ

いて話を伺い、セルフヘルプグループの慢性病者と

家族への影響、生じやすい倫理的な問題を考察し、

慢性病者の自己実現、QOL の向上の観点から、専門

看護師の役割について検討する。

粟生田友子

14 終末期における慢性病者の治療・療養環境と

地域支援

・在宅、福祉施設での終末期における治療・療養環境

と地域支援、生じやすい倫理的な問題について学修

し、慢性病者の安寧な死、QOL の向上の観点から、

専門看護師の役割について検討する。

小西 敏子

15 まとめ

・慢性病者の療養の場における治療・療養環境および

地域支援の課題、生じやすい倫理的問題について慢

性病者の自己実現、安寧な死、QOL の向上の観点か

らみた今後のあり方と専門看護師の役割を討議す

る。

・療養環境の移行に伴う課題、生じやすい倫理的な問

題と今後のあり方及び専門看護師の役割について

討議する。

粟生田友子

授業外における

学習・時間 治療および療養環境整備について事前学習をして臨むこと。授業ごとに1時間は確保する。 1コマ/1時間

評価方法 プレゼンテーション25%、レジュメ25%、参加態度10%、最終レポート40%で評価する。

レポート課題については授業時に提示する。

テキスト・参考書

1.アイリーン・モロフ・ラブキン,パラマ Dラーセン(2007):クロニックイルネス,医学書院.

2.森山美智子編(2007):新しい慢性疾患ケアモデル,中央法規出版.

3.星恵子,下篠貞友(2007):在宅看護・介護のための難病ガイド 改訂第2版,日本医学出版.

4.川越博美,山崎摩耶,佐藤美穂子(2006):訪問看護研修テキスト,日本看護協会出版会.

5.浦光博(2012):支えあう人と人 ソーシャルサポートの社会心理学,サイエンス社.

6.K・K.キューブラ,P.H.ベリー,D.E.ハイドリッヒ(2011):エンドオブライフケア,医学書院.

その他、授業中に随時紹介する。

履修上の注意 主体的な学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:12時~13時

E-mail:[email protected] にて対応いたします。

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- 190 -

科目名・英名 慢性看護学特論Ⅱ演習(慢性病者の査定)

Seminar on Chronic Illness and Conditions Nursing Ⅱ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 粟生田友子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 演習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

慢性病者と慢性病に起因する障がい者(以下、慢性病者に含む) の包括的査定方法について演習を通して学修する。

具体的には、「慢性看護学特論Ⅱ」で学修した糖尿病、脳卒中を発症した慢性病者に特化した査定に必要な知識に加え、本科

目では技術を学修し、知識と技術の統合を図る。また、履修生のサブスペシャリティー領域の慢性疾患患者の病体験をもとに

した病期に応じた医学的診断技術、SF36、自尊感情、ローカスオブコントロール、不安尺度、うつ状態自己評価尺度などの心

理社会生活面の査定ツールについて、事例を通して活用方法を学修した上で、履修生のサブスペシャリティー領域の慢性疾患

患者の査定に最適な多角的、科学的、包括的な査定フォーマットを作成する。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践能力」を培うために、慢性病者の包括的な査定方法につい

て慢性看護学特論Ⅱで学修したことを基盤に事例を通して学修し、査定に必要な具体的な方法を探究する。

到達目標

「慢性看護学特論Ⅱ」で学修した査定に必要な知識に加え、医学的診断技術と心理社会生活側面の査定技術を本科目で学び、

次にあげる目標について学修する。(糖尿病または脳卒中をもつ慢性病者を通して)

1.慢性病者の身体的側面の査定技術を学修し、査定に必要な知識と技術を統合する。

2.慢性病者の心理社会生活的側面の査定技術を学修し、査定に必要な知識と技術を統合する。

3.病体験に加え、1と2で学修した知識やツールを応用し、 履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者について事例を通

して、多角的、科学的、包括的アセスメントを行う。

4. 履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者の多角的、科学的、包括的アセスメントを行うための「査定フォーマット」

を作成し、実習で活用する。

1授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 ガイダンス

・本科目の位置づけ(特に実習との関連)と構成、授業

の進め方、評価方法についてオリエンテーションを行

う。

粟生田友子

2 ヘルスアセスメント(健康成人の健康状態全

体)

・視聴覚教材を参考に、大学院生間でヘルスアセスメン

トを実施する。

3 慢性病者全般についての査定

・症例を通して、主要な慢性疾患について、主観的(主

訴)、客観的(症状)所見、検査(一般的検査、精密検査)

など、医学的診断に必要な情報の収集技術(診察技術)

について学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

次の4~11回は、履修生のサブスペシャリティーによって、糖尿病をもつ慢性病者か、脳卒中をもつ慢性病者のいずれかを履修

する。

4

糖尿病をもつ慢性病者の査定 1:診断初期にお

ける査定

・糖尿病患者の症例を通して、診断基準、症状や血液検

査などから糖尿病の状態、程度を判断する技術を学修

する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

<急性期:発作直後>

発作直後の状態の査定1:

・発作直後の急性期の症例を通して、患者の検査結果(神

経所見、脳、脊髄レントゲン、脳、脊髄CT、MRI、血

液検査)から状態を判断し、治療を予測する技術を学

修する。

・同時に、急性増悪期にみられる脳圧亢進症状、脳ヘル

ニア、意識障害、麻痺などの症状の査定、原因・誘因

の把握、検査所見とあわせて必要とする治療や予後の

査定及び判断技術を学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

5

糖尿病をもつ慢性病者の査定 2:食事療法・運

動療法

・糖尿病患者の症例を通して、所見から食事療法、運動

療法を中心とした治療内容の是非について検討し、医

師と治療の見直しを相談する必要があるか査定する技

術を学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

運動・感覚機能障害の査定2: ・脳の障害部位と運動・感覚機能への影響及び査定技術 粟生田友子

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- 191 -

を学修する。(麻痺や異常感覚の部位や程度の査定)

・機能障害の査定を画像等の検査所見から、病状や障害

を査定する検査データの読解力を学修する。

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

6

糖尿病をもつ慢性病者の査定3:薬物療法

・糖尿病患者の症例を通して、所見から薬物療法を中心

とした治療内容の是非について検討し、医師と治療の

見直しを相談する必要があるか査定する技術を学修す

る。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

高次脳機能障害の査定3:

・理解、記憶、注意、遂行などの思考に関する機能障害

の査定技術を学修する。

・機能障害の査定を画像等の検査所見から、病状や障害

を査定する検査データの読解力を学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

7

糖尿病をもつ慢性病者の長期的影響の査定 1:

網膜症・神経障害

・糖尿病網膜症患者の症例を通して、眼底検査、血液検

査所見から、網膜症の状態を判断する技術を学修す

る。

・糖尿病神経障害患者の症例を通して、神経学的検査、

自律神経系等の所見から、神経障害の状態を判断する

技術を学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

<回復期:リハビリテーション期>における認

知機能と日常生活動作の査定(評価)1:リハ

ビリテーションー医学的視点から

・回復期及び維持期にある脳卒中をもつ慢性病者の症例

を通して、脳の損傷部位・程度から運動機能障害の予

後の査定と適する治療(機能訓練)の査定について学

修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

8

糖尿病をもつ慢性病者の長期的影響の査定 2:

腎症

・糖尿病腎症患者の症例を通して、腹部レントゲン、腹

部 CT、血液検査、尿検査から糖尿病腎症の状態を判

断する技術を学修する。

・透析導入の判断基準を理解し、腎機能保護、腎代替療

法の治療内容の適切性を査定する技術について学修

する。

・患者の状態が、医師と治療内容を調整する必要がある

か、調整が必要な治療内容について査定する技術を学

修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

<回復期:リハビリテーション期>における日

常生活動作の改善2;理学療法の視点から

・筋力の改善を核とする理学療法の査定と評価の方法と

適する治療について学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

9

糖尿病をもつ慢性病者の長期的影響の査定3:

足病変

・足病変のある糖尿病をもつ慢性病者の症例を通して、

足の観察(モノフィラメントなどを用いた判定を含

む)、足病変の程度、血糖コントロールとの関係、原

因、適用される治療内容と治癒の予測について査定す

る技術を学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

回復期における日常生活動作の改善 3:作業療

法の視点からの査定

・回復期にある脳卒中をもつ慢性病者の症例を通して、

日常生活における巧緻性を要する動作の査定と適す

る治療技術を学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシャ

リティーに適う臨床医お

よびメディカルスタッフ

10-11

慢性病者の心理社会側面の査定 1:心理社会側

面を測定するツール

・糖尿病QOL尺度(Diabetes Quality of Life)、糖尿病

問題領域尺度(Problem Areas in Diabetes)を実際

の事例に使用し、把握できたこと、解釈したことに関

する討議を通して、査定方法を学修する。

粟生田友子

慢性病者の心理社会側面の査定 1:心理社会側

面を測定するツール

(1)日常生活動作(ADL)評価尺度(Barthel Scale)

(2)日常生活動作(ADL)及び認知機能評価尺度(FIM)

を事例に使用し、把握できたこと、解釈したことに関

する討議を通して、査定方法を学修する。

粟生田友子

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- 192 -

12 慢性病者の心理社会側面の査定 2:心理社会側

面を測定するツール:SF36

・SF36 を事例に使用し、把握できたこと、解釈したこ

とに関する討議を通して、査定方法を学修する。 粟生田友子

13

慢性病者の心理社会側面の査定 3:心理社会側

面を測定するツール:不安尺度、うつ状態自己

評価尺度

・不安尺度、うつ状態自己評価尺度のうち、1つを選択

し、事例に使用し、把握できたこと、解釈したことに

関する討議を通して、査定方法を学修する。

14

慢性病者の心理社会側面の査定 4:心理社会側

面を測定するツール:自尊感情、首尾一貫感覚

(SOC)

・自尊感情、首尾一貫感覚(SOC)から、1つを選択し、

事例に使用し、把握できたこと、解釈したことに関す

る討議を通して、査定方法を学修する。

15-17 慢性病者の心理社会側面の査定3:家族の査定

・紙上事例を通して、家族の発達理論、システム理論、

ストレス対処理論を理解し、慢性病者の家族について

査定を行う技術を学修する。

粟生田友子

18 履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者の身体面の査定1:初期診断の査定

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者の症例

を通して、診断基準、症状や血液検査などから糖尿病

の状態、程度を判断する技術を学修する。

粟生田友子

履修生のサブス

ペシャリティー

領域の慢性病の

該当科医師(獨

協医科大学医学

部教員)

19 履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者の身体面の査定2:慢性期の査定1

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者の症例

を通して、検査データ、症状などの身体所見から、慢

性期にあり、全身状態が安定していることを判断する

技術を学修する。

20 履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者の身体面の査定3:慢性期の査定2

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者の症例

を通して、検査データ、症状などの身体所見、患者の

日常生活、心理社会的側面と、食事療法、薬物療法、

その他の治療方法との適切さ、医師との治療の調整を

相談する必要性を判断する技術を学修する。

21 履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者の身体面の査定4:急性増悪期の査定

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者の症例

を通して、検査データ、症状などの身体所見、患者の

日常生活、心理社会的側面から、急性増悪期を判断す

る技術と必要な対処の査定について学修する。

22 履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者の身体面の査定5:回復期の査定

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者の症例

を通して、検査データ、症状などの身体所見、患者の

日常生活、心理社会的側面から、回復期と回復状況の

程度、今後の回復の見通しを判断する技術の査定につ

いて学修する。

23 履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者の身体面の査定6:終末期の査定

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者の症例

を通して、検査データ、症状などの身体所見、患者の

日常生活、心理社会的側面から、終末期の状況程度、

今後の見通しを判断する技術の査定について学修す

る。

24 履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者の査定1:尺度(査定ツール)の探索

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者の身

体、心理、社会的側面の査定する尺度(査定ツール)

を調べ、プレゼンテーションを行い、適用、特徴、有

用性、課題を討議する。

粟生田友子

履修生のサブス

ペシャリティー

領域の慢性病の

獨協医科大学医

学部教員 25

履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者の査定2:尺度(査定ツール)の使用

・第24回の授業でプレゼンテーションした既存の尺度

(査定ツール)の中から、2種類の尺度(査定ツール)

について、事例を用いて査定を行い、既存の尺度を用

いた査定について学修する。

26

履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者の査定 3:病の軌跡の枠組みと本科目で学修

した医学、心理学、社会学等の学際的知識やツ

ールを併用

・既習知識を活用して、紙上事例を用いて査定を行い、

複数の査定方法による多角的な査定について学修す

る。

27 履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者の査定4:査定フォーマットの作成1

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者の身体

の査定フォーマットを考案し、プレゼンテーションを

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- 193 -

行い、その妥当性と実用性について討議する。

28 履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者の査定5:査定フォーマットの作成2

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者の査定

に有用な心理社会、生活面の査定フォーマットを考案

し、プレゼンテーションを行い、その妥当性と実用性

について討議する。

29 履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病

者の査定6:査定フォーマットの使用と評価3

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者の病体

験に焦点をあてた多角的、科学的、包括的な査定フォ

ーマットを考案し、プレゼンテーションを行い、その

妥当性と実用性について討議する。

30 まとめ

・慢性病者の身体・心理社会、生活面と病体験を含めた

多角的、科学的、包括的な査定の方法と技術について

振り返り、医学的・看護学的診断への応用について討

議し、その理解を深める。

粟生田友子

授業外における

学習・時間 事例を通して活用するための個別演習時間を1時間程度確保する。 1コマ/1時間

評価方法 資料40%、討論内容20%、参加度(積極性)20%、レポート20%で評価する。

レポート課題については授業時に提示する。

テキスト・参考書

1.横山美樹,石川ふみよ(2012):ヘルスアセスメント,ヌーベルヒロカワ.

2.日本糖尿病学会編(2004):科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン,南江堂.

3.日本糖尿病学会編(2013):糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第5版,診断と治療社.

4.日本糖尿病学会編(2013):糖尿病治療ガイド,文光堂.

5. 佐々木富男他編(2011):標準 脳神経外科学,医学書院.

6.中村隆一編(2002):臨床運動学,医歯薬出版株式会社.

7.Shirley P.Hoeman(2007):Rehabilitation Nursing:Prevention,Intervention, and Outcomes.(Rhhabilitation

Nursing:Process & Application),Mosby.

8.Rebecca Jester(2007):Advancing Practice in Rehabilitation Nursing,Wiley-Blackwell.

9.アーロン・アントノフスキー(2001):健康の謎を解くーストレス対処と健康保持のメカニズム,有信堂高文社.

10ピエール・ウグ(1996):病みの軌跡,医学書院.

11.鈴木和子,渡辺裕子(2006):家族看護学 理論と実践,日本看護協会出版会.

その他、授業中に随時紹介する。

履修上の注意

1.第18回から22回については、次の注意をよく読み、履修すること。

・糖尿病をサブスペシャリティーとする履修生は、第18-22回の講義で、薬物療法(内服薬)、薬物療法(インスリン

療法)、薬物療法と生活調整、糖尿病腎症について更に学修を深める。

・脳卒中をサブスペシャリティーとする履修生は、第18-22回の講義で、脳卒中による運動・感覚機能障害部位・程度

と検査所見、脳卒中による高次機能障害について更に学修を深める。

2.第10-14回の演習では、ご協力いただける1-2人の同一事例に実際にツールを使用し、患者の回答からツールの違

いによる査定内容の特徴、有用な点、不足な点について比較検討する。患者及び演習施設での態度等に留意すること。

3.ヘルスアセスメントについて、復習してから講義に臨むこと。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:12時~13時

E-mail:[email protected] にて対応いたします。

Page 42: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

- 194 -

科目名・英名 慢性看護学特論Ⅲ演習(慢性病者への支援技術)

Seminar on Chronic Illness and Conditions NursingⅢ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 粟生田友子、小西敏子、種市ひろみ

大学院生のサブスペシャリティーに適う臨床医(獨協医科大学医学部教員) 必修・選択 選択

開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 演習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

慢性病者と慢性病に起因する障がい者(以下、慢性病者に含む)の変化する時期に対応した専門的看護支援、自己管理支援、

リハビリテーション看護、ターミナルケアなどに関する理論と支援技術について演習を通して深める。 具体的には、「慢性看護学特論Ⅲ」で学修した糖尿病、脳卒中を発症した慢性病者の治療とその看護知識を基盤として、

慢性病の病期に応じて使用される行動分析理論、自己決定への支援、成人教育などの専門的看護支援について演習を通し

て深める。また、履修者のサブスペシャリティー領域の慢性病患者に対する高度な看護支援について、事例検討、文献検

討、関連学会へ参加し、得られた新たな知見を2つ取り上げ、「研究発表の概要、関心をもった理由、その支援が有効な慢

性病者の病期、状態についての考察」をレポートにまとめることや、「履修生のサブスペシャリティー領域の支援技術に関

する最近の研究の動向と課題」について討議することも学習方法として含める。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践能力」を培うために、慢性病者の支援技術について慢性看

護学特論Ⅲでの学修を基盤に、履修者のサブスペシャリティー領域に必要な高度な看護支援を探究する。

到達目標

1.慢性病者の各時期(予防期、急性増悪期、慢性期、回復期、終末期)の治療を受ける慢性病者への専門的看護支援のた

めの技術について文献、自己の事例を通して学修する。

2.糖尿病または脳卒中、または大学院生のサブスペシャリティーに適う慢性病者の治療を受ける慢性病者への専門的看護

支援のための技術について文献、自己の事例を通して学修する。

3.慢性病者とその家族に対する倫理的感受性を高め、倫理的問題を解決する方法を学修する。

4.自己の看護事例を他者にわかりやすく伝え、慢性病者と家族への看護について分析する方法を学修する。

5. 各病期にある慢性病者に対して、質の高い看護実践を行う専門看護師として役割を発揮するための基礎的能力を養う。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 ガイダンス

・カリキュラムにおける本科目の位置づけと構成、授

業の進め方、評価方法を説明する。

・文献検索、事例作成方法について

・文献講読及びクリティークのプレゼンテーションと

討論について

粟生田友子

2-3 慢性病者の治療1:内服薬

・糖尿病患者の慢性期における食事療法、運動療法、

薬物療法(内服薬)について、事例を用いて、治療

内容の把握、治療選択の理由、治療変更のタイミン

グについて学修する。

粟生田友子

大学院生のサブスペシ

ャリティーに適う臨床

医およびメディカルス

タッフ

4-5 慢性病者の治療2:インスリン療法

・糖尿病患者の慢性期における食事療法、運動療法、

薬物療法(インスリン療法)について、事例を用い

て、治療内容の把握、治療選択の理由、治療変更の

タイミングについて学修する。

6-7 慢性病者の治療3:履修生のサブスペシャリ

ティー領域の慢性病の治療

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病の事例

を用いて、治療内容の把握、治療選択の理由、治療

変更のタイミングについて学修する。

粟生田友子

履修生のサブ

スペシャリテ

ィー領域の慢

性病の臨床医

次の8~9回は、履修生のサブスペシャリティーによって糖尿病をもつ慢性病者または、脳卒中をもつ慢性病者の

いずれかを履修する。

8

慢性期にある慢性病者を支援する看護技術

1:血糖パターンマネージメント

・血糖パターンマネージメントを活用した支援事例の

文献または自己の事例分析。

粟生田友子

慢性期にある慢性病者を支援する看護技術

1:

・ADLに関する動作の再獲得(移乗移動、歩行、更

衣、清潔、排泄、食事など)の技術の演習を通して

学習する。

粟生田友子

Page 43: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

- 195 -

9

慢性期にある慢性病者を支援する看護技術

2:糖尿病患者セルフケア能力測定ツールの

活用

・糖尿病患者セルフケア能力測定ツールを活用した援

助について学修する。

粟生田友子

慢性期にある慢性病者を支援する看護技術

2:

・高次脳機能障害をもつ患者のADLに関する動作の

再獲得(理解力の低下、記憶力の低下、失認、失行、

意欲低下など)

粟生田友子

10 慢性期にある慢性病者を支援する看護技術

3:身体的ケアの活用

・身体的ケア(清拭、足浴、マッサージなど)を活用

した支援を事例または文献を通して、学修する。

粟生田友子

11 慢性期にある慢性病者を支援する看護技術

4:セルフケアへの動機づけ

・自己効力感、または、エンパワーメントモデル、ま

たは、行動分析理論を活用したセルフケアへの動機

づけへの支援について、事例を通して学修する。

粟生田友子

12

急性増悪期にある慢性病者を支援する看護

技術1:糖尿病性昏睡の治療・症状緩和のケ

・糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、

低血糖昏睡への治療と慢性病者への支援を中心に

学修する。

粟生田友子

13 急性増悪期にある慢性病者を支援する看護

技術2:慢性病の治療・症状緩和のケア

・症状を緩和する技術を(胸痛、呼吸苦の緩和を例に

とり、安楽な姿勢の保持、酸素療法、スクイージン

グ)学修する。

粟生田友子

種市ひろみ

14

急性増悪期にある慢性病者を支援する看護

技術3:人工呼吸器選択に関する意思決定支

援と人工呼吸器を装着中のケア

・侵襲的または非侵襲的人工呼吸器を使用する慢性病

患者への支援技術として、人工呼吸器選択に関する

意思決定への支援技術、人工呼吸器を装着中のケア

を学修する。

粟生田友子

種市ひろみ

15 回復期にある慢性病者を支援する看護技術

1

・糖尿病腎症により血液透析導入となり、内シャント

形成術を行った慢性病者へのセルフケア支援技術

を学修する。 粟生田友子

16 回復期にある慢性病者を支援する看護技術

2

・糖尿病腎症により血液透析導入となり、内シャント

形成術を行った慢性病者(自己の援助事例または文

献)に対して、障がい受容の概念を活用した心理的

支援について学修する。

17 終末期にある慢性病者を支援する看護技術

1

・終末期の苦痛(痛み、倦怠感、しびれなど)を緩和

する技術、安寧な死を迎えるための支援技術を学修

する。 小西敏子

18 終末期にある慢性病者と家族を支援する看

護技術2

・終末期に起こりやすい慢性病者の倫理的問題と人権

擁護のための行動指針、遺族へのグリーフケアを学

修する。

19-20 慢性病の予防期にある成人への教育的支援

技術

・慢性病予防への啓発をテーマに、身近な小集団を対

象に、健康教育を立案、実施、評価する。 粟生田友子

21 慢性病者とその家族の倫理的問題と人権の

擁護1:倫理的感性の向上

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者また

は家族に起こりうる倫理的問題となる場面を例に

検討し、倫理的感受性を高め、人権擁護のための行

動指針を理解する。 粟生田友子

22-23 慢性病者とその家族の倫理的問題と人権の

擁護2:倫理的葛藤の解決

・倫理的葛藤について事例検討を行い、倫理的意思決

定を行うための支援技術(Jonsen の症例検討シー

ト、国際看護師協会による「4 ステップモデル」に

よる問題解決用紙の活用)を学修する。

24 コンサルテーション

・履修生のサブスペシャリティー領域において、慢性

疾患看護専門看護師の資格をもたない看護師が遭

遇する困難について、文献等から整理し、どのよう

に相談を行い、質の高い看護を提供できるかを検討

する。

粟生田友子

25-26 困難な問題を抱える慢性病者への支援技術 ・履修生が経験した解決困難な問題を抱える慢性病者 粟生田友子

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(事例検討) とその家族への看護について事例検討を行う。

27-28 慢性病者への支援技術に関する最新の知見

1(文献検討)

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者とそ

の家族への看護、症状マネジメントの方法に関する

国内外の文献を検討し、支援技術の動向、最新の支

援技術について知り、課題を検討する。

粟生田友子

28-29 慢性病者への支援技術に関する最新の知見

2(国内外の関連学会への参加)

・履修生のサブスペシャリティー領域の慢性病者とそ

の家族への看護実践及び研究に関する学会に参加

し、最新の実践や研究の動向を知り、得られた新た

な知見を 2 つ取り上げ、「研究発表の概要、関心を

もった理由、その支援が有効な慢性病者の病期、状

態についての考察」をレポートにまとめる。

また、「履修生のサブスペシャリティー領域の支援

技術に関する最近の研究の動向と課題」について討

議する。

粟生田友子

30 まとめ

・本演習を通して考察した慢性病者への質の高い専門

的な看護支援について発表し、発表した支援の有効

性、実現可能性、今後の課題を検討する。

粟生田友子

授業外における

学習・時間 個別演習時間を1時間程度確保する。

評価方法 資料20%、討論内容20%、提出事例の妥当性20%、参加度(積極性)20%、レポート20%で評価する。

レポート課題については授業時に提示する。

テキスト・参考書

1日本糖尿病学会編(2013):科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン,南江堂.

2.日本糖尿病学会編(2013):糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第5版,診断と治療社.

3.日本糖尿病学会編(2013):糖尿病治療ガイド,文光堂

4.佐々木富男他編(2011):標準 脳神経外科学,医学書院.

5.ARN,奥宮暁子監訳(2005):リハビリテーション看護の実践 概念と専門性を示すARNのコアカリキュラム,日本看護

協会出版会.

6.伊藤利之, 鎌倉矩子編 ; 鎌倉矩子他(2008). ADLとその周辺 : 評価・指導・介護の実際,医学書院.

7.星恵子,下篠貞友(2007):在宅看護・介護のための難病ガイド 改訂第2版,日本医学出版.

8.K・K.キューブラ,P.H.ベリー,D.E.ハイドリッヒ(2011):エンドオブライフケア,医学書院.

9.サラ・フライ,メガン-ジェーン・ションストン(2010):看護実践の倫理第3版,日本看護協会出版会.

10.赤林朗,蔵田伸雄,児玉聡(2006):臨床倫理学,新興医学出版社.

11.水野節夫(2000):事例分析への挑戦,東普堂.

その他、授業中に随時紹介する。

履修上の注意 分析する事例は履修者辞しの実践事例を取り上げることが望ましい。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:12時~13時

E-mail:[email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名

慢性看護学実習Ⅰ(専門看護師の役割理解)

Advanced Nursing Practice for Chronic Illness and Conditions NursingⅠ

科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 粟生田友子、佐藤佳子、岸田さな江(実習指導者)

履修生のサブスペシャリティーに適う慢性疾患看護専門看護師 必修・選択 選択

開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要 本科目は、専門看護師の6つの役割(実践、教育、相談、調整、倫理、研究)を理解し、自己の専門看護師像を描き、

取り組むべき課題を見出すために、専門看護師の活動に同行し、シャドーイングを通して学修する。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践能力」をもって,慢性病者への支援を実践するために、専

門看護師の役割について実習を通して学修する。

到達目標

1) 医療施設で専門看護師が果たしている6つの役割(実践、教育、相談、調整、倫理、研究)の実際を理解する。

2)慢性疾患看護専門看護師が果たしている6つの役割(実践、教育、相談、調整、倫理、研究)の実際を理解する。

3)専門看護師の役割を発揮するためのシステム作りについて理解する。

4)専門性の異なる専門看護師の役割の共通点、相違点について考察する。

5) 自己の専門看護師像を描き、取り組むべき課題を見出す。

授業内容

実習方法

1) 実習時期 : 1年後期 (1-2月)

2) 実習期間 : 2週間以上、履修生の目標到達度により実習期間を延長する。

3) 実習場所 1週目:獨協医科大学病院

2 週目:獨協医科大学越谷病院または履修生のサブスペシャリティーと同じ慢性疾患看護専門看護

師の所属する病院

4) 具体的な実習方法

(1)1週目、2週目共に、専門看護師に随行し、行動観察を通して学習する方法(以後、シャドーイングとする)によ

り学修する。

(2)1 週目には、獨協医科大学病院に勤務するがん専門看護師のシャドーイングを通して、施設内外における専門看

護師の役割、システムづくりを理解する。

(3)2 週目には、履修生のサブスペシャリティー領域に適う慢性疾患看護専門看護師のシャドーイングを通して、慢

性疾患看護専門看護師が施設内外で果たす役割、システムづくりを理解する。

(4)1週目の金曜日、2週目の木曜日にカンファレンスを行う。

授業外における

学習・時間 随時実習状況に合わせて指示する。

評価方法

1.評価対象

・慢性看護学実習Ⅰ(専門看護師の役割理解)目標達成度(50%)

・レポート(30%)

・カンファレンスでのプレゼンテーション(20%)

2.評価方法

教員と履修生は同じ評価表を用いて、実習目的・目標の達成度及びレポートについて、評価基準にもとづき、面接を

行い、評価する。レポート課題については授業時に提示する。

3評価基準

S・A・B・C・Fの5段階評定である。

テキスト・参考書 適宜、紹介する。

履修上の注意 主体的学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:12時~13時

E-mail:[email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名 慢性看護学実習Ⅱ(慢性期/外来)

Advanced Nursing Practice for Chronic Illness and Conditions NursingⅡ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名

粟生田友子、佐藤佳子、

履修生のサブスペシャリティーに適う慢性疾患看護専門看護師または左記

に相当する看護師、履修生のサブスペシャリティーに適う慢性疾患の専門医

必修・選択 選択

開講年次 2年次

開講学期 前期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

本科目は、慢性期を維持するため、外来において、慢性病者(以下、患者と称す)を身体、心理、社会的側面から把握

し、アセスメントにより医学的問題、看護問題を明確にし、慢性期を維持して患者と家族が住み慣れた場所で望む生活を

過ごせるように多職種と協働し、セルフケアの調整・再獲得を支援する看護、及び医師の包括指示のもとで一部の治療を

含む高度な看護を実践する能力を培うものである。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践能力」をもって,慢性病者への支援を実践するために、慢

性期を維持するための外来での支援方法を、実習を通して学修する。

到達目標

1.診断に際して行われる診察・検査、治療に必要な知識技術を学修し、この期にある患者が必要とするセルフケアの調整・

再獲得を支援するために、医師の包括指示のもとでアセスメントと治療を含めた看護を実践する。

2.慢性期にある患者が良好な安定状態を維持するために、医学的な視点から病状経過の予測を行い、必要なアセスメント

技術と治療や医学的処置を理解し、セルフケアの調整・再獲得を支援する継続性のある看護を実践する。

3.医学的な視点から病状悪化の経過を把握し、必要とされる検査、治療、処置を予測し、患者やその家族が円滑に受け入

れられるよう支援する。

4.倫理の5原則(自律の尊重、無危害、善行、公正・正義、誠実・忠誠)、日本看護協会による看護者の倫理綱領を自己

の看護において実践する。

5.外来通院患者とその家族に対して慢性疾患看護専門看護師が果たす役割を探求する。

授業内容

実習方法

1) 実習期間 : 2週間以上、履修生の目標到達度により実習期間を延長する。

2) 実習場所

獨協医科大学病院内の履修生のサブスペシャリティーに適う外来、または履修生のサブスペシャリティーに適う慢

性疾患看護専門看護師が勤務する学外の医療施設の外来、老人保健・福祉施設(通所施設含む)、訪問看護ステーショ

ンたんぽぽ

3) 対象

・履修生のサブスペシャリティーに適う外来通院患者とその家族

・実習施設における看護職

4) 具体的な実習方法

(1)初期診断を行った患者、慢性期にある患者、急性増悪期にある患者を、それぞれ1人ずつ担当し、様式1、様式2を

記載する。病状に関する医学的判断と治療を理解し、看護問題の解決のため、質の高い看護を実践する。また、医師の

包括的指示のもと、治療の一部を実施する。

慢性期にある患者は、継続事例として担当し、次の外来受診時に実習期間中に行った治療、看護の効果を確認する。

(2)医師の診察を見学し、初期診断、慢性期、急性増悪期の査定、治療とその根拠を理解する。

(3)看護専門外来がある施設においては、看護専門外来での看護活動を見学し、外来通院患者とその家族への専門的な看

護支援の提供について考察する。

(4)実習2週目に、老人保健施設または老人福祉施設と訪問看護で行われている治療・看護を見学する。この目的は、①

外来通院する対象が生活する多様な場を理解すること、②多様な生活の場での治療・看護の実際を理解し、看護の課題

と慢性疾患専門看護師が果たす役割を考えることである。

(5)必要に応じて、調整、倫理的調整、看護職を対象とした相談、教育を行う。本実習で、これらの慢性疾患看護専門看

護師の役割を学修できない場合には、慢性看護学実習Ⅲで学修する。

授業外におけ

る学習・時間 実習状況に合わせて指示する。

評価方法

1.評価対象

1)慢性看護学実習Ⅱ(慢性期/外来・施設・居宅)目標の達成度(50%)

2)レポート

ケースレポート2(10%)、最終レポート(20%)

レポート課題については授業時に提示する。

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3)プレゼンテーション

まとめのカンファレンス(20%)

2.評価方法

教員と履修生は同じ評価表を用いて、実習目的・目標の達成度及びレポートについて、評価基準にもとづき、面接を行

い、評価する。レポート課題については授業時に提示する。

3評価基準

S・A・B・C・Fの5段階評定である。

テキスト・参考書 適宜、紹介する。

履修上の注意 主体的学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:12時~13時

E-mail:[email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名 慢性看護学実習Ⅲ(急性増悪期・回復期・終末期/病棟)

Advanced Nursing Practice for Chronic Illness and Conditions NursingⅢ 科目区分 専門科目 単位数 4単位

教員名

粟生田友子、佐藤佳子、 履修生のサブスペシャリティーに適う慢性疾患看護専門看護師または左記

に相当する看護師、履修生のサブスペシャリティーに適う慢性疾患の専門医 必修・選択 選択

開講年次 2年次

開講学期 前期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

本科目では、複雑で解決困難な問題を抱える急性増悪期、回復期、終末期にある慢性病者とその家族に対して、セルフケアの調整・

再獲得または安寧な死を迎えることができるように、病状の経過及び医学的治療に関するアセスメント、看護問題の適切な把握と根拠

にもとづく支援方法を用いて、治療を含む看護計画を立案し、医師、看護師、多職種と協働して、患者の看護問題を解決するための質

の高い看護実践能力を学修する。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践能力」をもって,慢性病者への支援を実践するために、複雑で解決困難な

問題を抱える急性増悪期、回復期、終末期での支援方法を、実習を通して学修する。

到達目標

1.医学的視点、看護学的視点から、患者とその家族が持てる力を発揮して、セルフケアの調整・再獲得または安寧な死を迎えることが

できるように、医師の包括指示のもとで診断・治療の一部を含む質の高い看護を実践できる。

2.患者とその家族の倫理的葛藤を解決するために倫理的調整を行う。

3.専門看護師として、相談、調整、教育の役割を果たす。

4.急性増悪期、回復期、終末期にある患者とその家族に対して、専門看護師の役割を探求する。

授業計画

実習方法

1) 実習期間 : 4週間以上、履修生の目標到達度により実習期間を延長する。

2) 実習場所

獨協医科大学病院内の履修生のサブスペシャリティーに適う病棟または履修生のサブスペシャリティーに適う慢性疾患看護専門看護

師が勤務する学外の医療施設、花の舎病院

3) 対象

・医療施設に入院している複雑で解決困難な問題を抱える急性増悪期または回復期または終末期にある慢性病者とその家族

・実習施設における看護職

4) 具体的な実習方法

(1)履修生のサブスペシャリティー応じて、複雑で解決困難な問題を抱える急性増悪期または回復期または終末期にある患者を 1 人担

当し、治療を含む看護計画を立案し、看護問題の解決をはかる。

(2)患者のフィジカルアセスメントを行い、身体状況から、患者の医学的問題と病状の予測、現在の治療、病状に応じた治療の変更につ

いて、アセスメントし、患者と家族のセルフケア能力、生活状況から必要に応じて、治療内容について、医師と相談、調整する。

(3)医師から治療内容について説明及び包括指示を受け、治療の一部を含む看護を実施する。

(4)担当患者またはその他の患者について、倫理的調整、調整を実施する。

(5)看護職に対し、自己の学びの中から看護職者のニーズに適うテーマで相談、教育を実施する。

授業外におけ

る学習・時間 随時実習状況に合わせて指示する。

評価方法

1.評価対象

1)慢性看護学実習Ⅲ(急性増悪期・回復期・終末期/病棟)目標の達成度(50%)

2)レポート

ケースレポート1(5%)、ケースレポート2(5%)、最終レポート(20%)

3)プレゼンテーション

中間カンファレンス(10%)、まとめのカンファレンス(10%)

レポート課題については授業時に提示する。

2.評価方法

教員と履修生は同じ評価表を用いて、実習目的・目標の達成度及びレポートについて、評価基準にもとづき、面接を行

い、評価する。レポート課題については授業時に提示する。

3.評価基準

S・A・B・C・Fの5段階評定である。

テキスト・参考書 適宜、紹介する。

履修上の注意 主体的学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:12時~13時

E-mail:[email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名 慢性看護学実習Ⅳ(予防期/地域)

Advanced Nursing Practice for Chronic Illness and Conditions Nursing Ⅳ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名

粟生田友子、佐藤佳子

壬生町保健センター保健師

栃木県内企業の保健室または履修生が実習調整した企業の保健室の保健

師または看護師、会員制総合スポーツクラブ運動指導責任者

必修・選択 選択

開講年次 2年次

開講学期 前期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

本科目では、地域住民の健康に対する意識とセルフケア行動を理解し、慢性病を予防し、健康の保持・増進をはかるための質の高

い看護実践能力を養う。 行政及び民間(職場(企業)、総合スポーツクラブ)による健康増進、生活習慣病予防活動への参加、総合スポーツクラブを利用す

る成人期または老年期にある対象へインタビューを行い、慢性病の予防のための意識、セルフケア行動を理解し、看護の役割を検討

する。総合スポーツクラブを利用する地域住民のヘルスニーズにもとづき、支持・教育的な看護実践として健康教育を行い、地域住

民のセルフケア能力を高める。 これらの実習を通して、地域に居住する住民を対象に、慢性病予防のための健康増進に関する実態を知り、看護の役割を探究する。

授業目的 「最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践能力」をもって,慢性病者への支援を実践するために、地域における予

防的な支援方法を、実習を通して学修する。

到達目標

1.地域住民の健康に対する意識とセルフケア行動を理解する。

2.地域住民の慢性病に対する意識とセルフケア行動を理解する。

3.慢性病を予防するために地域住民に対して行われる行政による健康増進、生活習慣病予防活動の実際を理解する。

4.慢性病を予防するために地域住民に対して行われる民間による健康増進、生活習慣病予防活動の実際を理解する。

5.地域住民の健康増進、生活習慣病予防に対するニーズをアセスメントする。

6.地域住民の健康増進、生活習慣病予防に対するニーズのアセスメントにもとづき、健康増進、生活習慣病予防活動を必要とする人々

で構成された小集団に対して健康教育を行い、地域住民のセルフケア能力を高める。

7.地域住民へのアプローチや専門看護師と協働する多職種に関わる実践において、倫理的配慮を行う。

8.上記1)-7)をふまえ、地域住民に対する慢性病を予防し、健康の保持・増進をはかるための専門看護師の役割を見出す。

授業内容

実習方法

1) 実習期間 : 2週間以上、履修生の目標到達度により実習期間を延長する。

2) 実習場所

行政:壬生町保健福祉センター

企業(職場):日産自動車健康保険組合 栃木地区診療所栃木地区健康推進センター 会員制総合スポーツクラブ:ビッグツリースポーツクラブラグザ

3) 対象

地域住民

4) 具体的な実習方法

(1)1 週目は、行政での健康増進、生活習慣病予防活動の取り組みとして、壬生町保健福祉センターでの見学と会員制総合スポーツ

クラブを利用している住民から健康に対する意識やセルフケア行動について伺い、ヘルスニーズを把握し、健康教育を企画するた

めの資料を得る。

(2)2 週目は、民間企業の職場での健康増進、生活習慣病予防活動の取り組みとして、産業保健師により行われる活動を見学し、事

業に参加した企業の従業員から、健康や慢性病に対する意識と日常行っているセルフケア行動について話を伺う。

また、民間の会員制総合スポーツクラブにおいて、住民を対象に健康増進、生活習慣病予防に対するニーズをアセスメントし、対

象とするグループのセルフケア能力を高めるために、健康教育を企画、実施、評価する。

(3)壬生町保健師、産業保健師と実習施設にてカンファレンスを行う。また、2 週目の金曜日に教員とカンファレンスを行い、地域

住民に対する慢性病を予防し、健康の保持・増進をはかるため、慢性疾患看護専門看護師の役割について発表し、討議する。

授業外における

学習・時間 随時実習状況に合わせて指示する。

評価方法

1.評価対象

1)慢性看護学実習Ⅳ(予防期/地域・職場)目標達成度(50%)

2)レポート(30%) レポート課題については授業時に提示する。

3)まとめのカンファレンスでのプレゼンテーション(20%)

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2.評価方法

教員と履修生は同じ評価表を用いて、実習目的・目標の達成度及びレポートについて、評価基準にもとづき、面接を

行い、評価する。レポート課題については授業時に提示する。

3評価基準

S・A・B・C・Fの5段階評定である。

テキスト・参考書 適宜、紹介する。

履修上の注意 主体的学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:12時~13時

E-mail:[email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名 がん看護学特論Ⅰ(腫瘍病態学)

Clinical Oncology 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 藤野彰子 上田善彦 植木敬介 小橋元 楫 靖 佐伯吉規

藤澤隆一 必修・選択 選択

開講年次 1年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

腫瘍の定義と分類、腫瘍の診断、腫瘍の分化度や腫瘍の増殖および浸潤・転移など腫瘍の生物学的および臨床的特徴、

発癌のメカニズムと癌遺伝子の役割および多段階的発癌のしくみ、腫瘍の疫学、発がんの危険因子、腫瘍の病気と予後

および治療など、ヒト腫瘍学の病態全般について教授する。また、がん看護において最新の知見を踏まえて、専門技術

を実践していくための基礎となる最新の治療、腫瘍精神学、家族性がんについて教授する。

授業目的 がん専門看護師として、高度な実践を行うための、アセスメント能力を高めるための腫瘍病態学について学修するこ

とを目的とする。

到達目標

1.ヒトの腫瘍に関する病理学的知識、分子生物学的知識、疫学的知識、臨床的知識などについて広く学修し、腫瘍に係

わる専門的知識を習得する。

2.ヒト腫瘍に係わる専門的知識を広く習得し腫瘍の本体を理解することによって、がん患者の看護を適切に遂行するた

めに必要とされる専門的能力を育成する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 腫瘍の定義

腫瘍の分類

腫瘍の自律性、腫瘍の増殖、不死化

良性腫瘍と悪性腫瘍、組織学的分類

上田善彦 2

腫瘍の浸潤・転移

腫瘍の分化度・病期

播種性転移、リンパ行性転移、血行性転移

腫瘍の悪性度、ステージ、予後

3 腫瘍の診断法(1) 病理診断、遺伝子診断

4 腫瘍の診断法(2) 画像診断

5 腫瘍の増殖のしくみ 細胞周期、増殖因子、アポトーシス

6 腫瘍と遺伝子 癌原遺伝子、癌抑制遺伝子、変異誘発遺伝子 藤澤隆一

7 発癌機構と発癌因子 多段階的発癌、化学発癌、物理的発癌、ウイルス発癌 上田善彦

8 腫瘍と免疫 細胞性免疫、NK細胞 藤澤隆一

9 腫瘍の症状 全身症状、局所症状 植木敬介

10 腫瘍の疫学 死亡率・発癌率の推移、地域的特性

小橋元 11

がんの予防と検診

一次予防、二次予防、リスクファクター、がん検診の現状と

問題点

12

腫瘍の治療(1)

外科的治療

がんの外科的治療の意義、がんの根治手術(原発巣切除、リ

ンパ節切除、転移巣切除)、低侵襲手術、がんの姑息手術 植木敬介

13

腫瘍の治療(2)

放射線治療

放射線治療の目的・適応・種類、放射線

感受性、放射線治療のスケジュール、

放射線治療の実際と効果、有害事象、

緩和的放射線治療

楫 靖

14 精神腫瘍学 ストレス反応、うつ病、死の受容 佐伯吉規

15 科目のまとめ がん看護の視点からみた腫瘍病態学 藤野彰子

授業外における

学習・時間

放射線の治療については、看護学部の「放射線と看護」(1単位)に出席する。

各授業の復習として各1時間を要する。 各授業1時間

評価方法 プレゼンテーション25%、レジュメ25%、参加態度10%、最終レポート40%で評価する。

テキスト・参考書 適宜提示する。

履修上の注意 主体的取り組みを望む。 質問への対応 (オフィスアワー・Email)

水曜日 17時から18時 Eメール [email protected]にて対応いたします。

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科目名・英名 がん看護学特論Ⅱ(がん看護理論)

Theories in Cancer Nursing 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 藤野彰子 小西敏子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要 がん看護・緩和ケアに関連するパラダイムや主要理論、がん患者および苦痛を体験している人々の家族を全人的に理

解する上で基盤となる概念・主要理論について探求する。また、それらの実践および研究への適用について検討する。

授業目的 がん専門看護師としての科学的根拠に基づく高度実践を行うための、様々な看護理論について理解し、看護ケアに適

用するための技法を修得することを目的とする。

到達目標

1.がん看護、特に緩和ケアの歴史を概観し、最近の動向を知る。

2.ストレスコーピング理論、危機理論を学修し、看護実践への活用について理解を深める。

3.保健行動理論、QOL、セルフケア理論を学修し、看護実践への活用について理解を深める。

4.ケアリング理論、不確かさ理論、悲嘆と喪失理論を学修し、看護実践への活用について理解を深める。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 がん看護・緩和ケアの基本理念 がん看護・緩和ケアにおける看護師の役割、看護理論を

どのように活用するか、すぐれた看護師とは

藤野彰子

小西敏子

2 がん看護・緩和ケアの歴史的・社会的背景

と近年の動向

ホスピスの発祥と緩和ケアの歴史

日本におけるホスピスの歴史

がん看護・緩和ケアにおける看護師の役割

3-4

ストレスコーピングの理解と活用

看護実践への理論の活用

ストレスに関する概念

ストレス・対処理論(ラザルス、フォルクマン)

臨床経験に基づいた事例の展開

5-6

危機理論の理解と活用

看護実践へのモデルや理論の活用

危機理論とは

危機理論モデルとは

キャプランの危機理論

アギュララとメズイックの危機介入理論

臨床経験に基づいた事例の展開

7

保健行動理論の理解と活用

看護実践へのモデルや理論の活用

保健行動理論とは

バンデューラの自己効力理論

保健信念モデルの活用

8

QOL(Quality of Life)概念の理解と活用

看護実践へのモデルや尺度の活用

QOLとは

健康関連QOLと評価方法

がん看護におけるQOL

尺度を用いた論文を文献レビューしプレゼンをする。

9-10

セルフケア理論の理解と活用

看護実践への理論の活用

セルフケア理論やその関連概念

オレムのセルフケア理論の応用

家族看護の立場から見た家族のセルフケア機能

臨床経験に基づいた事例の展開

11-12

ケアリングの理解と活用

看護実践への理論の活用

メイヤロフのケアの基本となるもの

ローチのケアの要素

ワトソンのケアリング理論

自分の看護師としての経験からケアリングの体験につ

いてまとめ、プレゼンする。 藤野彰子

小西敏子

13

不確かさ理論の理解と活用

看護実践への理論の応用と活用

ミッセルの病気の不確かさ理論

がん患者の再発・転移の不安についてこの理論をもとに

考察する。

14-15 悲嘆と喪失の理解と活用

ウォールデン、ニューマイヤーの悲嘆の理論

パークス、リンデマンの遺族のグリーフワーク

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- 205 -

看護実践への理論の活用

臨床経験に基づいた事例の展開

授業外における

学習・時間 各授業において、指定図書を読みプレゼンの準備をする。

各理論ごとに臨床経験を振り返り事例を準備する。 1コマ/30分

評価方法 プレゼンテーション25%、レジュメ25%、参加態度10%、最終レポート40%で評価する。

テキスト・参考書

1.眞島朋子(2008):実践的緩和ケア 看護は何をすべきか,エルゼビア・ジャパン.

2.佐藤栄子(2009):中範囲理論の入門,日総研.

3.黒田裕子(2015):看護診断のためのよくわかる中範囲理論第2版,学研.

4.メイヤロフ(1993):ケアの本質, ゆみる出版.

5.ドナC.アギュララ(2004):危機介入の理論と実際,川島書店.

6.小杉正太郎(2009):ストレス心理学 個人差のプロセスとコーピング,川島書店.

7.リチャード・S・ラザルス,スーザン・フォルクマン(2007):ストレスの心理学 認知評価と対象の研究,実務教育出版.

8.ドロセアE.オレム(2005):オレム看護論 看護実践における基本概念,医学書院.

9.シスター・M・シモーヌ・ローチ(2007):アウト・オブ・ケアリング ケアする存在としての人間,ゆみる出版.

10.遠藤恵美子(2001):希望としてのがん看護 マーガレット・ニューマン‟健康の理論”がひらくもの,医学書院.

11.小此木啓吾(2007):対象喪失 悲しむということ,中公新書.

12.坂口幸弘(2010):悲嘆学入門 死別の悲しみを学ぶ,昭和堂.

13.Worden, J.William(2008):Grief counseling and grief therapy, SPRINGER.

(J.W.ウォーデン/山本力(2011):悲嘆カウンセリング、誠信書房)

14.ロバート・A・ニューマイヤー(2011):喪失と悲嘆の心理療法 構成主義から見た意味の探求,金剛出版.

15.デイビッド・キセイン(2004):家族志向グリーフセラピー,コスモスライブラリー.

履修上の注意 主体的取り組みを望む。

各理論ごとに自らの臨床経験の中から適合する事例をまとめてプレゼンする。

質問への対応 (オフィスアワー・Email)

水曜日 17時から18時 Eメール [email protected]にて対応いたします。

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- 206 -

科目名・英名 がん看護学特論Ⅲ(がん看護援助論)

Nursing Intervention for Cancer Patients & Patient's Family 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 藤野彰子 小西敏子

岸田さな江 小橋元 渡邊知映 必修・選択 選択

開講年次 1年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

がん看護専門看護師として、患者と家族への実際的な看護援助方法を教授する。特に複雑な問題を抱えた患者とその

家族への看護支援について、文献により新しい知見を見出し、自らの体験について理論を活用して分析する。がん患者

の意思決定のための理論について学修し、倫理的な問題を考慮した意思決定を支える看護支援について考察する。がん

治療に伴う生体反応、侵襲について、オンコロジーエマージェンシーの特徴と看護援助について教授する。がんサバイ

バーの身体的、心理的、社会的、霊的な側面について教授し、特に遺伝、予防の観点からがんサバイバーを支える方略

について学修する。

授業目的 がん専門看護師として、複雑な問題を抱える患者と家族への看護支援の方法について学修することを目的とする。

到達目標

1. がん専門看護師としての高度看護実践のための看護援助の方法について、特に複雑な問題を抱えた患者・家族への

看護支援について考察する。

2. がん患者の意思決定のための理論について学修し、意思決定を支える看護援助について考察する。

3. オンコロジーエマージェンシーについて学修し、高度実践のための基礎的アセスメント能力を高める。

4. がんサバイバーの持つ問題と課題について理解し、特に遺伝、予防の観点からがんサバイバーを支える方略につい

て考察する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 がん対策における基本的施策

がん対策基本法の成立と施行、がん協議会の機能、がん

診療連携拠点病院

藤野彰子

小西敏子

2-3

高度看護実践のための包括的アセスメン

トと看護援助

複雑な問題を抱えた患者・家族に対する専

門看護師の看護援助の実際

高度看護実践における包括的アセスメントの重要性、包

括的アセスメントに関する方法論

臨床で経験した事例から、アセスメント・計画・介入・評

価について学ぶ

岸田さな江

4-5

がん患者の意思決定と看護援助

インフォームド・コンセントと看護師の役割、がん患者

への病名告知、がん患者の意思決定の支援と倫理的課題

がん患者の意思決定を支える看護援助

藤野彰子

小西敏子

6-7

オンコロジーエマージェンシー

代謝物によるエマージェンシー

構造的要因によるエマージェンシー

DIC のリスクの高い患者の特定、敗血症のリスクと感染

症、悪性腫瘍に関連した免疫抑制、腫瘍崩壊症候群、カ

リウム、カルシウム等の電解質の異常と看護

頭蓋内圧亢進、上大静脈症候群、心タンポナーデ

藤野彰子

小西敏子

8-9

がんの予防・早期発見と看護援助

疫学研究からみたがん予防

がんの一次予防から三次予防まで

がん予防・早期発見の為の教育、啓発、相談活動

小橋元

10-11

遺伝性がんと看護援助

遺伝医療における看護の現状と展望

遺伝医療サービスと看護倫理

遺伝看護の実際

家族性がん、遺伝子検査のカウンセリング

渡邊知映

12-14

がんサバイバーの概念と看護援助

サバイバーとサバイバーシップの概念、がんの種類と段

階に応じた看護のあり方、がんサバイバーの身体的、心

理的、社会的、霊的な問題と課題、

がんサバイバーシップの就労との関係と支援

藤野彰子

小西敏子

15 科目のまとめ 藤野彰子

小西敏子

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- 207 -

授業外における

学習・時間

1.がん対策基本法、がん診療連携等に関するプレゼンの資料作成。

2.がん患者の意思決定についての課題図書のプレゼンの準備。意思決定に関する自らの体験を振り返

っての事例の準備。

3.オンコロジーエマージェンシーについて、腫瘍崩壊シンドローム、DIC、敗血症、心タンポナーゼ、

電解質の異常、脳血管障害等それぞれについてプレゼンの準備をする。

4.遺伝と腫瘍に関する基礎的知識を学修する。

5.がんサバイバーの現状と問題点についてプレゼンの準備をする。

1コマ/30分

評価方法 プレゼンテーション25%、レジュメ25%、参加態度10%、最終レポート40%で評価する。

テキスト・参考書

1.小島操子(2007): がん看護コアカリュキュラム,医学書院.

2.眞島朋子(2008):実践的緩和ケア 看護は何をすべきか,エルゼビア・ジャパン.

3.中根実(2013):がんの痛み,メディカル・サイエンス・インターナショナル.

4.堀内志奈 (2013):決められない患者たち,医学書院.

5.安藤広子(2002):遺伝看護,医歯薬出版株式会社.

6.武田文和(2010):トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント,医学書院.

7.Lynne E.Young,Virginia Hayes(2008):ヘルスプロモーション 実践の変革,日本看護協会出版社.

8.安藤広子他(2002):遺伝看護,医歯薬出版株式会社.

9.デール・ハルンツェ・リー(2001): 遺伝看護の実際 事例からのアプローチ,日本看護協会出版会.

10.赤林 朗(2006):臨床倫理学 臨床における倫理的決定のための実践的アプローチ,新興医学出版社.

11. Kenneth D.Miller/金 容壱 (2012):がんサバイバー,医学書院.

12.日野原重明(2014):がんサバイバーシップ,医学書院.

履修上の注意 主体的取り組みを望む。

質問への対応 (オフィスアワー・Email)

水曜日 17時から18時 Eメール [email protected]にて対応いたします。

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- 208 -

科目名・英名 がん看護学特論Ⅳ(がん薬物療法看護)

Advanced Nursing for Cancer Pain Management 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 藤野彰子 小西敏子 内田幸介

石濱洋美 佐伯吉規 渡辺邦彦 必修・選択 選択

開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

がんに対する集学的治療とがん薬物療法の近年の動向などを教授し、チーム医療における看護師の役割と機能を理解

する。次に、がん薬物療法看護を実践する上で基盤となる、抗がん薬の基本原則、分子標的薬の特徴、薬物動態、副作

用対策と支持療法について教授する。また、薬物療法の治療計画について、特に、計画立案のために必要な情報とその

解釈、代表的ながんに対する標準的治療を教授する。最後に、がん薬物療法を受けている患者の緩和ケア、精神症状に

対するケア、代替補完療法について教授し、がん薬物療法を受けている患者および家族の苦痛を緩和し、質の高い療養

生活を送ることができるようなケアを探求する。

授業目的 がん薬物療法看護を実践する上で基盤となる薬物についての理解、特にがんの中心的な治療である化学療法と、がん

患者の最大の問題であるがん性疼痛のコントロールについて学修することを目的とする。

到達目標

1.がん薬物療法におけるチーム医療について理解し、その中での看護師の役割・機能を探求する。

2.がん薬物療法看護の基盤となる、抗がん薬の基本原則、分子標的薬の特徴、薬物動態、副作用対策と支持療法につ

いて理解する。

3.薬物療法の治療計画および代表的ながんに対する標準的治療を理解する。

4.がん薬物療法を受けている患者の緩和ケア、精神症状に対するケアを理解し、がん薬物療法を受けている患者およ

び家族の苦痛を緩和し、質の高い療養生活を送るためのケアを探求する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1

がん薬物療法における看護師の役割

がんに対する集学的治療とその背景

近年のがん薬物療法の動向

がん薬物療法の目的・適応基準・治療効果判定

がん薬物療法におけるチームアプローチの重要性

がん薬物療法における看護の役割と機能

藤野彰子

小西敏子

2

抗がん薬概論(基本原則)

各分類と薬剤(作用機序による分類、由来物質による分

類、細胞周期による分類)

各薬剤の作用部位と選択 内田幸介

3

抗がん薬概論(分子標的薬)

分子標的薬とは(従来の抗がん薬との違い)

分子標的薬の標的・副作用 内田幸介

4

抗がん薬概論(PK-PD)

薬物動態に影響を与える因子(肝機能

腎機能、相互作用、食事、遺伝子多型)

抗がん薬のPK-PDとは(時間依存型、AUC依存型)

抗がん薬のTDMとは

内田幸介

5 抗がん薬概論の評価とまとめ 内田幸介

6-7

抗がん薬の副作用対策(支持療法)

有害事象とは

有害事象の発生機序、有害事象の評価基準

支持療法の実際(好中球減少、口内炎

悪心・嘔吐、下痢、皮膚障害)

藤野彰子

小西敏子

8-9

がんの薬物療法のレジメン

レジメンとは(レジメンの基本・構成)

治療計画の確認(治療目的、投与方法、投与経路、投

与量)

薬物アセスメント(容量制限毒性、最大耐容量、累積投

石濱洋美

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- 209 -

与量)

併用禁止注意薬剤、投与時間・随所に注意が必要な薬剤

各疾患における標準治療(乳がん、大腸がん、胃がん、

肺がん)

10

抗がん薬の安全な取り扱い、暴露対策

抗がん薬が人体に及ぼす影響

抗がん薬暴露の機会

暴露に対する防護方法

抗がん薬調整時の安全な取り扱い

暴露時の対処方法

患者指導

藤野彰子

小西敏子

11-12

がん薬物療法を受けている患者の緩和ケ

がん性疼痛コントロールの基本的な考え方

鎮痛剤投与の方法(内服、経皮吸収、座薬、注射)

基本処方とレスキュードーズの考え方

オピオイドの副作用と観察のポイント・対応

オピオイドローテーション

ペインコントロールの実践例

渡辺邦彦

13 がん薬物療法を受けている患者の精神症

状に対するケア

抑うつ状態の評価尺度を使ったアセスメント、不安、せ

ん妄 佐伯吉規

14

代替療法(サプリメントと漢方薬)

健康食品(サプリメント)の利用とその問題点

がん治療に用いられる漢方薬 藤野彰子

小西敏子

15 科目のまとめ 藤野彰子

小西敏子

授業外における

学習・時間

各授業において、指定資料をよみプレゼンの準備をする。(各授業1時間) 各授業1時間

評価方法 プレゼンテーション25%、レジュメ25%、参加態度10%、最終レポート40%で評価する。

テキスト・参考書

1.特定非営利活動法人日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会(2014):がん疼痛の薬物療法に関するガイド

ライン,金原出版株式会社.

2.武田文和(2010):トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント,医学書院.

3.田村康二(2000):アメリカ医師会がガイドする代替療法の医学的証拠 民間療法を正しく判断する手引き,泉書房.

随時参考文献・資料を別途配布する。

履修上の注意 主体的取り組みを望む。 質問への対応

(オフィスアワー・Email)

水曜日 17時から18時 Eメール [email protected]にて対応いたします。

Page 58: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

- 210 -

科目名・英名 がん看護学特論Ⅴ(がん薬物療法看護方法論)

Nursing Intervention for Cancer Pain Management 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 藤野彰子 小西敏子 渡邊知映 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

がん薬物療法を受ける患者に対する投与管理の実際について教授する。また、がん薬物療法の有害事象の症状マネジ

メントについて、アセスメントする能力を養う視点を教授し、がん患者および家族の苦痛を緩和し、質の高い療養生活

を送ることができるようなケアを探求する。次に、がん薬物療法におけるセクシャリティの問題と課題、外来において

化学療法を継続するための患者教育やセルフケア支援について教授する。更に、成人に対する学習理論について教授し、

がん薬物療法を受けている患者に対する教育支援およびがん患者のセルフケア支援のための教育方法について探求す

る。

授業目的 がん薬物療法を受ける患者に対する有害事象のマネジメントと、薬物療法の継続のためのセルフマネジメントについ

て、理論と実践を学修し、がん専門看護師としての高度な実践に活かすための能力を培うことを目的とする。

到達目標

1. がん薬物療法を受けている患者の投与管理方法について理解する。

2. がん薬物療法の有害事象のアセスメント方法を理解し、質の高い療養生活を送るためのケアを探求する。

3. がん薬物療法におけるセクシャリティの問題と課題を理解し、患者に必要な支援を検討する。

4. 患者教育のための成人に対する学習理論を理解し、セルフケア支援のための具体的な実践方法を検討する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1-2

抗がん薬の投与管理

薬剤の管理・準備

皮下埋め込み型ポート、末梢静脈の管理

投与後の暴露対策

急性症状のモニタリング(血管外漏出、アレルギー反応/

過敏症、インフュージョンリアクション)

藤野彰子

小西敏子

ゲストスピーカー

内堀由美子

3-7

がん薬物療法の有害事象の症状マネジメ

ントとセルフケア支援

下記の有害事象に関する症状出現のメカニズムおよびマ

ネジメント方法について学修し、セルフケア支援方法を

検討する。

①悪心・嘔吐、味覚障害

②骨髄抑制・脱毛

③末梢神経障害・皮膚障害

④倦怠感

小西敏子

藤野彰子

8-9

がん薬物療法とセクシャリティ

セクシャリティとは

がん患者の性機能障害の特徴と種類

がん患者のパートナーの心理反応

がん治療後に子どもを持つということ

渡邊知映

10-12

がん薬物療法を受けている患者に対する

教育支援とその実際

成人に対する学習理論の理解とその実際

がん薬物療法を受けている患者に対する教育計画の立案

看護職者、保健医療職者に対するがん薬物療法に

関する教育の実際

藤野彰子

小西敏子

13-14 外来化学療法における患者教育

安全で高度な外来化学療法のあり方

がん薬物療法を受ける患者へのセルフケア支援の実際

藤野彰子

小西敏子

15 科目のまとめ 藤野彰子

小西敏子

授業外における

学習・時間

プレゼンテーションの準備、指定文献のプレゼンの準備 1コマ/30分

がん薬物療法に関するテーマで「教育の実際」の実施を行う。そのための準備5時間程度。 5時間程度 評価方法 プレゼンテーション25%、レジュメ25%、参加態度10%、最終レポート40%で評価する。

テキスト・参考書

1.特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会(2014):がん疼痛の薬物療法に関するガイドラ

イン,金原出版株式会社. 2.Martha Polovich(2009):がん化学療法・バイオセラピー 看護実践ガイドライン,医学書院.

3.西條長宏(2005):癌化学療法update,中外医学社.

4.小島操子(2007): がん看護コアカリュキュラム,医学書院.

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- 211 -

5.武田文和(2010):トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント,医学書院.

6.鈴木志津枝(2013):がん看護PEPリソース,医学書院.

7.アメリカがん協会(2007): がん患者の“幸せな性”-あなたとパートナーのために,春秋社.

8.ドロセア・E・オレム(2005):オレム看護論 看護実践における基本概念,医学書院.

9.杉森みど里(2014):看護教育学,医学書院

10.堀薫夫(2002):成人教育の現代的実践,鳳書房.

11.入江直子(2004):大人の学びを創る 専門職の省察的実践を目指して,鳳書房.

12.マルカム・ノールズ(2002):成人教育の現代的実践,鳳書房.

履修上の注意 「教育の実際」は自らの経験から、対象者や場を設定し、成人の学習理論を応用して計画し、実施する。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

水曜日 17時から18時 Eメール [email protected]にて対応いたします。

Page 60: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

- 212 -

科目名・英名 がん看護学特論Ⅵ(緩和ケア)

Palliative Care for Cancer Patients 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 藤野彰子 小西敏子

岸田さな江 栗原幸江 必修・選択 選択

開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

緩和ケア領域において、高度看護実践者として役割機能を発揮する能力を育成する。緩和ケア領域におけるがん看護

専門看護師の役割と機能について教授するとともに、がん患者とその家族が体験する全人的苦痛および緩和ケアにおけ

る死生観、死の準備教育におけるがん看護専門看護師の役割を検討する。また、療養の場の違いから見た緩和ケアの課

題と対策を教授し、緩和ケアの質の向上を図るために、がん看護専門看護師の役割機能をどのように発揮するかを検討

する。最後に、がん患者の精神的苦悩と苦悩に対する看護介入およびエンド・オブ・ライフケア、家族のグリーフケアに

ついて、カウンセリング理論とそれを基盤にした実際を教授する。

授業目的

本コースのサブスペシャリティーである緩和ケアについて、基本的な概念を学修し、緩和ケアにおけるコミュニケー

ション、グリーフワーク等についての学びを通して、がん患者の精神的苦悩に看護介入できる能力を養うことを目的と

する。

到達目標

1.緩和ケア、エンド・オブ・ライフケアの概念と歴史を理解する。

2.がん医療の動向と課題を理解する。

3.緩和ケア領域において、特に、がん患者・家族の全人的苦痛、死生観と死の準備教育、緩和ケアの療養の場の違いか

ら見た課題・対策の視点から、がん看護専門看護師の役割・機能について整理し検討する。

4.がん患者の精神的苦悩に対する看護介入およびエンド・オブ・ライフケア、家族のグリーフワークについて、カウンセ

リング理論を基盤としたその実際を理解する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 緩和ケア概論 緩和ケア、エンド・オブ・ライフケアの概念と歴史、がん

医療の動向と課題

藤野彰子

小西敏子

2 緩和ケアにおけるがん看護専門看護師の

役割・機能

がん専門看護師の6つの役割

大学病院におけるがん看護師の役割

大学病院と地域との連携

岸田さな江

3-4 スピリチュアルケアに関する理論の理解

と実践

村田理論、窪寺理論、河理論の理解

理論の活用の実際

藤野彰子

小西敏子

5-6

緩和ケアと死生観・死の準備教育

死の受容(死への5段階説、死への受容の三段階モデル)

死への恐怖とそのケア

死の教え方

デス・エデュケーションの課題

生きる意味について、日本人の死生観

藤野彰子

小西敏子

7-8 緩和ケアと療養の場

在宅での看取りの支援と課題

緩和ケア病棟、ホスピス、緩和ケアチームの現状と課題

療養の場の意思決定とそれを支える看護

在宅への移行に伴う問題と倫理的な問題

藤野彰子

小西敏子

9-11

緩和ケアにおけるコミュニケーションス

キル

怒り・否認を表出する患者とのコミュニケーション

死の話題がある患者とのコミュニケーション

具体的なコミュニケーション技法

栗原幸江

12-14

エンド・オブ・ライフケアと家族のグリー

フワーク

看取りに向けた臨終前後のがん患者・家族への支援

家族の悲嘆のプロセスと影響する心理的要因

遺族ケアの実際

栗原幸江

15 科目のまとめ 藤野彰子

小西敏子

授業外におけ

る学習・時間

プレゼンテーションの準備、指定文献のプレゼンの準備。 1コマ/30分 栗原先生の授業では、2事例のまとめが評価の対象となる(1事例5時間程度)。

例 エンド・オブ・ライフケアにおける自身の体験からの事例を作成する。

例 コミュニケーションが難しかった事例の作成。

1事例/5時間程度

評価方法 授業への参加度(授業準備、積極性)(50%)、課題・レポートへの取り組み(50%)から総合的に評価する。

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- 213 -

テキスト・参考書

1.特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会(2014):がん疼痛の薬物療法に関するガイドラ

イン,金原出版株式会社.

2.田村恵子他(2012):スピリチュアルの手引き,青海社.

3.岡本拓也(2014):誰も教えてくれなかったスピリチュアルケア,医学書.

4.窪寺俊之(2008):スピリチュアルケア学概説,三輪書店.

5.エリザベス・ジョンストン・テイラー(2008):スピリチュアルケア 看護のための理論・研究・実践,医学書院.

6.V・Eフランクル(2012):宿命を超えて、自己を超えて,春秋社.

7.V・Eフランクル(1996):それでも人生にYESという,春秋社.

8.レイチェル・ナオミ・リーメン(2000):失われた物語を求めて,中央公論新

9.アーサー・Wフランク(2002):傷ついた物語の語り手,ゆみる出版

(栗原先生の参考文献は、授業の中で提示されます).

履修状上の注

意 主体的学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

水曜日 17時から18時 Eメール [email protected]にて対応いたします。

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- 214 -

科目名・英名 がん看護学特論Ⅵ演習(緩和ケア演習)

Nursing Intervention for Palliative Care 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 小西敏子 藤野彰子 熊倉みつ子 種市ひろみ

岸田さな江 花出正美 野村亜矢(ゲストスピーカー) 必修・選択 選択

開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 演習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

がん患者および家族に対する看護に活用できるアセスメントの実際について学修するとともに、がん患者および家族

に関わるケアマネジメントの理論と実践について探求する。次に、症状マネジメントモデルを教授し、それを基盤にし

た事例分析の方法を学修する。また、がんがもたらす苦痛症状を包括的に理解し、患者のセルフケアを高めながら症状

を緩和するケアを、エビデンスにもとづいて提供する能力を育成する。地域で暮らすがん患者と家族の支援についても

教授する。最後に、がん看護専門看護師としての機能である倫理問題、コンサルテーション、調整などについて、事例

の分析を通してその方策を学修する。

授業目的

最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践力を養成するため、複雑な問題を抱えるがん患者および

家族に対する看護に活用できるアセスメント、ケアマネジメント、症状マネジメントについて学修し、症状を緩和する

ケアをエビデンスに基づいて提供する能力を育成する。

また、高い倫理観に基づき、複雑な倫理的課題に対応できる調整能力を養うため、倫理問題、コンサルテーション、

調整などについて、事例の分析を通してその方策を学修する。

到達目標

1.がん患者および家族の全人的苦痛のアセスメント方法を理解する。

2.症状マネジメントモデルを活用した事例分析方法を理解する。

3.全人的苦痛のマネジメントおよび症状緩和技術を理解し、実践に活用するため方策を検討する。

4.地域で暮らすがん患者と家族の支援について理解する。

5.がん看護専門看護師として、看護領域および終末期における倫理的課題に対する意思決定支援方法を検討する。

6.がん看護専門看護師として、コンサルテーション、調整について、事例の分析を通してその方策を検討する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1-3

緩和ケアにおける霊的苦痛とその特徴

スピリチュアルケアに関する看護援

助とその実践例

藤野彰子

小西敏子

4 家族のアセスメント(1)

家族とは何か

家族の発達理論、家族システム論、家族ストレス対処論

家族アセスメント・介入モデル

カルガリー家族アセスメントモデル

家族生活力量モデル

家族看護エンパワーメントモデル 熊倉みつ子

5 家族アセスメント(2)

コミュニケーションの分析

コミュニケーションの一般的枠組み

コミュニケーションの様式

家族内コミュニケーションの様相

6 家族アセスメント(3) 家族の危機とコミュニケーション

自分の家族を想像する

7-8 症状マネジメントモデル(IASM理論)の

理解と展開

歴史的な背景

症状マネジメントモデルの概念と枠組み

中心となる3つの要素

IASMによる看護活動

理論の適応の実際

小西敏子

藤野彰子

9-10 症状マネジメント理論を活用した

事例検討

事例検討 小西敏子

藤野彰子

ゲストスピーカー

野村亜矢

11-14 全人的苦痛のマネジメントと

症状緩和技術の探求

下記の症状マネジメントモデルを活用し、下記の症状を呈

する患者について事例報告し、症状緩和のための方策を

探求する。

小西敏子

藤野彰子

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①身体症状を強く呈する患者

②精神症状を強く呈する患者

③霊的苦痛を有する患者

15-16 全人的苦痛のマネジメントと

症状緩和技術演習(1)

終末期に出現する呼吸困難へのアプローチ

安静時における呼吸困難に対するアプローチ

気道分泌物の貯留・喀出困難による呼吸困難に対するア

プローチ

日常生活における呼吸困難に対するアプローチ

小西敏子

藤野彰子

17-18 全人的苦痛のマネジメントと

症状緩和技術演習(2)

終末期に出現するリンパ浮腫に対するアプローチ

アセスメントとケアの目標

ケアの実際とその課題

終末期の患者に対するスキンケア

小西敏子

藤野彰子

19 がん相談支援技術 大学病院におけるがん相談の実際 岸田さな江

20-21 在宅における終末期看護

終末期を迎える場に関する意思決定への支援

在宅における療養環境調整

マンパワーの確保と協力体制の確立

QOLの追求

緩和ケアの実際

グリーフケア

種市ひろみ

22-25 がん看護領域および終末期における倫

理的課題と特徴、倫理的意思決定

事例を用いて、Jonsen 臨床倫理の 4 分割法を活用しなが

ら、倫理的課題に対する意思決定支援を検討する。 花出正美

26-27 緩和ケアにおけるコンサルテーション

の実際

大学病院におけるコンサルテーションの実際

岸田さな江

28-29 緩和ケアにおける調整の実際 大学病院における調整の実際

30 科目のまとめ 小西敏子

藤野彰子

授業外における

学習・時間

1.テキスト、参考書の中から、講義内容に合致する文献を読む。

2.症状マネジメントモデルを活用した事例検討に向けた資料の作成、発表の準備を行う。

3.症状緩和の技術演習に向けた準備を行う。

1コマ/30分

評価方法 授業への参加度(授業準備、積極性)(50%)、課題・レポートへの取り組み(50%)から総合的に評価する。

テキスト・参考書

1.エリザベス・ジョンストン・テイラー(2008):スピリチュアルケア 看護のための理論・研究・実践,医学書院.

2.小林美奈(2011):病の苦悩を和らげる家族システム看護 イルネスビリーフモデル:患者と家族と医療職のために,日

本看護協会出版会.

3.窪寺俊之(2008): スピリチュアルケア学概説,三輪書店.

4.田村恵子他(2012): スピリチュアルの手引き,青海社.

5.鈴木和子(2010): 家族看護学 理論と実践,日本看護協会出版会.

6.森山美知子(2005): ファミリーナーシングプラクティス 家族看護の理論と実践,医学書院.

7.佐藤佳代子(2005): リンパ浮腫の治療とケア,医学書院.

8.リンパ浮腫診療ガイドライン作成委員会(2014):リンパ浮腫診療ガイドライン(2014年度版),金原出版株式会社.

9.野島良子(1999): 心と体の調和を生むケア,ヘルス出版.

10.赤林朗(2006): 臨床倫理学, 新興医学出版社.

11.坂口幸弘(2010): 悲嘆学入門 死別の悲しみを学ぶ,昭和堂.

12.寺崎明美(2010):対象喪失の看護 実践の科学と心の癒し,中央法規.

13.小早川晶(2012):緩和ケアコンサルテーション,南江堂.

履修上の注意 主体的学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

質問への対応は、授業日(水、木曜日)の17時から18時

もしくはEメール(小西:[email protected]、藤野:[email protected]、)にて対応する。

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科目名・英名 がん看護学実習Ⅰ(診断と治療)

Advanced Practicum of Cancer NursingⅠ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 藤野彰子 小西敏子 岸田さな江(実習指導者)

松井孝至(栃木県立がんセンター 実習指導者) 必修・選択 選択

開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

がん診療の場において、状態の改善および維持のために治療を受けるがん患者を身体的、心理的、社会的、霊的側面からアセスメントし、医

学的問題を明確にする。ケアとキュアを統合し、患者に必要な看護支援を提供する能力を養う。あらゆる治療、状況、場面において、患者の苦

痛緩和のための身体的管理方法と治療を遂行するために必要な医師と協働する医療処置について、卓越した判断能力や直接ケア能力を養う。

授業目的 がん患者を身体的、心理的、社会的、霊的な側面からアセスメントし、医学的な問題を明確にすることで、ケアとキュアを統合し、卓越した

判断能力や直接ケア能力を養うことを目的とする。

到達目標

1.緩和ケアを受けるがん患者の心と身体を整える支援を行う。

2.緩和ケアを受けるがん患者の、苦痛緩和に関わる身体管理と治療遂行のための支援を行う。

3.緩和ケアに用いられる薬物療法に関わる身体管理と、治療遂行のための支援を行う。

4.緩和ケアを遂行するために必要な医師と協働する医療処置について理解する。

授業計画

実習方法

1)実習時期 : 1年後期 (2~3月)

2)実習期間 : 2週間以上。履修生の目標到達度により実習期間を延長する。

3)実習場所 : 栃木県立がんセンター 緩和ケア病棟/外来

4)具体的な実習方法

(1)2 週間、指導医に同行し指導を受ける。指導医が外来を担当している間は、外来において医師が実践している医療の見学と参加を行い、必要

性と意味を理解する。指導医が病棟を担当している間は、病棟において実習を行う。医師に指導を受けながら、検査指示、検査データ・画像

の判断、薬物コントロール、必要な医療処置について体験的に学習できるようにする。

(2)各週1回以上、指導医師、がん看護専門看護師、教員と共にカンファレンスを行う。

授業外における

学習・時間 実習目標に沿った実習目標の作成、日々の実習のまとめ、カンファレンスのための準備 実習期間中 2時間

評価方法

1.評価対象

・がん看護学実習Ⅰ(診断と治療)目標達成度(50%)

・記録、レポート(25%)

・カンファレンスでのプレゼンテーション(15%)

・実習準備、実習態度(10%)

2.評価方法

履修生と面接を行い、実習目的・目標の達成度、記録・レポート、実習準備・実習態度について、評価基準をもとに評価する。

3.評価基準

S・A・B・C・Fの5段階評定である。

テキスト・参考書

1.大西和子(2011):がん看護学,NOUVELLE HIROKAWA.

2.小島操子(2007):がん看護コアカリュキュラム,医学書院.

3.武田文和(2010):トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント,医学書院.

4.堀夏樹(2011): 緩和ケア ゴールデンハンドブック,南江堂.

5.特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会(2014):がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン,金原出版株式会社.

6.特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会(2013):終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン,金原出版株式会社.

7.特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会(2011):がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン,金原出版株式会社.

8.特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会(2010):苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン,金原出版株式会社.

9.特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員(2011):がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン,金原出版株式会社.

履修上の注意

緩和ケア医の指導の下、最新のがん治療を学びつつ、がん看護専門看護師に求められる役割・能力について見いだすことができるよう主体的に

取り組むこと。

学修を深めるための討論を積極的にしてほしい。

質問への対応

(オフィスアワー・Email) Eメール [email protected]にて対応いたします。

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科目名・英名 がん看護学実習Ⅱ(高度看護実践・役割)

Advanced Practicum of Cancer NursingⅡ 科目区分 専門科目 単位数 4単位

教員名 藤野彰子 小西敏子 岸田さな江 (実習指導者) 必修・選択 選択 開講年次 2年次

開講学期 前期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

がん看護専門看護師の指導のもとで、実際に行われている臨床での活動(実践、相談、調整、倫理調整、教育、研究)を学ぶ。また、

包括的なアセスメントに基づき、複雑で対応が困難ながん患者とその家族に対して、苦痛の緩和、日常生活の回復・適応を促進するた

めに、理論を活用しながら高度看護実践を行う。

授業目的 複雑で対応の困難ながん患者と家族のさまざまな問題を解決する高度看護実践能力を養い、がん看護専門看護師としての役割を理解

し、実践する能力を養うことを目的とする。

到達目標

高度看護実践

1.病棟・外来に入院・通院しているがん患者に生じている問題について、専門的な知識をもとに情報を整理し、問題の焦点化ができる。

2.がん特有の苦痛症状を持つ対応困難な患者を受け持ち、包括的なアプローチを行う。

3.事例検討および高度看護実践の評価から、がん看護専門看護師としての自己の課題、がん看護における課題を見いだす。

CNSの役割

1.治療やケアの困難ながん患者および家族に対するケアの実践・介入プロセスを共有し、がん看護専門看護師の役割機能の実際につい

て理解する。

2.6つの役割機能(実践、相談、調整、倫理調整、教育、研究)について、役割開発と課題について検討する。

授業計画

実習方法

1)実習時期 : 2年前期 (5~6月)

2)実習期間 : 4週間以上。履修生の目標到達度により実習期間を延長する。

3)実習場所 : 獨協医科大学病院 緩和ケアを必要とするがん患者が多い病棟/外来および外来化学療法室

4)具体的な実習方法

(1)対応が困難ながん患者を2名以上受け持ち、患者の問題解決に向け、適用できる理論を分析・判断し、効果的な実践を行う。

(2)緩和ケアチーム、外来、外来化学療法室、患者会の活動等の実習を通して、がん看護専門看護師に必要な役割機能を学ぶとともに、

それぞれの場面における現象を分析・判断し、その内容をがん看護専門看護師と意見交換して深めていく。

(3)各週 1 回、カンファレンスを持ち、がん看護専門看護師・師長・教員からフィードバックを受ける。また、病棟・外来において、

担当患者に関するケースカンファレンスを1回/週以上開催し、看護の方向性をスタッフと協働して見いだす。

授業外におけ

る学習・時間 実習目標に沿った実習目標の作成、日々の実習のまとめ、カンファレンスのための準備 実習期間中 2時間

評価方法

1.評価対象

・がん看護学実習Ⅱ(高度実践・役割)目標達成度(50%)

・記録、レポート(25%)

・カンファレンスでのプレゼンテーション(15%)

・実習準備、実習態度(10%)

2.評価方法

履修生と面接を行い、実習目的・目標の達成度、記録・レポート、実習準備・実習態度について、評価基準をもとに評価する。

3.評価基準

S・A・B・C・Fの5段階評定である。

テキスト・参考書

1.眞島朋子(2008):実践的緩和ケア 看護は何をすべきか,エルゼビア・ジャパン.

2.内富庸介(2007):がん医療におけるコミュニケーションスキル,医学書院.

3.日野原重明(2014):がんサバイバーシップ,医学書院.

適宜紹介する。

履修上の注意 実習指導者と共に行動するが、実習への取り組みは主体的に進めること。学修を深めるための討論を積極的に活用し、

がん看護専門看護師の役割を果たすために必要な自己の課題を見いだすこと。

質問への対応

(オフィスアワー・Email) Eメール [email protected]にて対応いたします。

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科目名・英名 がん看護学実習Ⅲ(緩和ケア)

Advanced Practicum of Cancer NursingⅢ 科目区分 専門科目 単位数 3単位

教員名 藤野彰子 小西敏子 佐藤香奈(済生会宇都宮病院 実習指導者) 必修・選択 選択 開講年次 2年次

開講学期 前期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

緩和ケアを受ける複雑で対応の困難ながん患者および家族に対して、薬物療法や理論を用いた苦痛緩和のための高度な看護を実践する。また、緩和ケア

病棟から在宅への移行に際して必要とされる看護支援について理解し、地域の看護スタッフと協働して実践する。がん医療における地域連携を理解し、必

要なシステムやがん看護専門看護師に求められている役割を見いだす。

授業目的 緩和ケア病棟において、緩和ケアを受ける複雑で対応困難ながん患者と家族の様々な問題を解決する高度実践能力を養うことを目的とする。

到達目標

1.緩和ケア病棟に入院している複雑で対応が困難ながん患者と家族に対して、高度な看護実践を行う。

2.在宅へ移行し、療養を継続するがん患者と家族に対して、医師・看護スタッフと協働して看護を実践する。

3.がん医療における療養の場の選択、療養の場の環境・体制作りに関する現状と社会情勢をふまえ、がん看護の課題とがん看護専門看護師としての自己

の課題について考察する。

実習内容

実習方法

1)実習時期 : 2年前期 (6~7月)

2)実習期間 : 3週間以上。履修生の目標到達度により実習期間を延長する。

3)実習場所 : 済生会宇都宮病院 緩和ケア病棟/退院支援室

4)具体的な実習方法

(1)緩和ケア病棟において対応が困難ながん患者を1例以上受け持ち、看護を実践する。また、退院支援室において、緩和ケアを在宅へ移行しようとして

いるがん患者・家族を包括的にアセスメントし、必要な相談・調整・教育等を看護スタッフと協働しながら行う。

(2)各週1回以上、カンファレンスを持ち、がん看護専門看護師・師長・教員からフィードバックを受ける。また、がん患者に関するケースカンファレン

スを1回/週以上開催し、看護の方向性をスタッフと協働して見いだす。

授業外におけ

る学習・時間 実習目標に沿った実習目標の作成、日々の実習のまとめ、カンファレンスのための準備 実習期間中 2時間

評価方法

1.評価対象

・がん看護学実習Ⅲ(緩和ケア)目標達成度(50%)

・記録、レポート(25%)

・カンファレンスでのプレゼンテーション(15%)

・実習準備、実習態度(10%)

2.評価方法

履修生と面接を行い、実習目的・目標の達成度、記録・レポート、実習準備・実習態度について、評価基準をもとに評価する。

3.評価基準

S・A・B・C・Fの5段階評定である。

テキスト・参考書

1.鈴木志津枝(2013):がん看護PEPリソース,医学書院.

2.小島操子(2007):がん看護コアカリュキュラム,医学書院.

3.眞島朋子(2008):実践的緩和ケア 看護は何をすべきか,エルゼビア・ジャパン.

4.堀夏樹(2011): 緩和ケア ゴールデンハンドブック,南江堂.

5.佐藤栄子(2009): 中範囲理論の入門,日総研.

6.特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会(2014): がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン,金原出版株式会社.

7.特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会(2013): 終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン,金原出版株式会社.

8.特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会(2010):苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン,金原出版株式会社.

9.特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会(2011): がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン,金原出版株式会社.

10.特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会(2011): がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン,金原出版株式会社.

履修上の注意 実習指導者と共に行動するが、実習への取り組みは主体的に進めること。学修を深めるための討論を積極的に活用してほしい。

質問への対応

(オフィスアワー・Email) Eメール [email protected]にて対応いたします。

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科目名・英名 がん看護学実習Ⅳ(在宅緩和ケア)

Advanced Practicum of Cancer NursingⅣ 科目区分 専門科目 単位数 1単位

教員名 藤野彰子 小西敏子 種市ひろみ 岸田さな江(実習指導者)

鮎澤みどり(実習指導者) 必修・選択 選択

開講年次 2年次

開講学期 前期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

在宅において終末期を迎え、緩和ケアを受ける複雑で対応の困難ながん患者とその家族に対して、苦痛緩和とQOL を

高める看護支援について理解し、必要な支援を在宅ホスピス医および地域の看護スタッフと協働して実践する。終末期

医療・在宅医療における地域連携を理解し、必要なシステムやがん看護専門看護師に求められている役割を見いだす。

授業目的 在宅において終末期を迎える複雑で対応困難ながん患者と家族の様々な問題を解決する高度実践の能力を養うことを

目的とする。

到達目標

1.在宅において終末期にあるがん患者と家族に対して、在宅ホスピス医・地域の看護スタッフと協働し、看護を実践す

る。

2.終末期にあるがん患者と家族のおかれた状況を理解し、在宅療養における現状と課題、がん看護専門看護師としての

自己の課題について考察する。

授業計画

実習方法

1)実習時期 : 2年前期 (9月)

2)実習期間 : 1週間以上。履修生の目標到達度により実習期間を延長する。

3)実習場所 : 訪問看護ステーションたんぽぽ

4)具体的な実習方法

(1) 在宅ホスピス医・訪問看護師と協働して行う。在宅で終末期にある緩和ケアを行っている対応が困難な患者1例以

上受け持ち、看護を展開する。患者に対して、フィジカルアセスメント、検査指示、必要な医療処置を判断した上

で、在宅医・訪問看護師からスーパーバイスを受けながら実習を行う。

(2) 実習終了時にケースカンファレンスを持ち、在宅ホスピス医・訪問看護師・がん看護専門看護師・教員からフィー

ドバックを受ける。

授業外におけ

る学習・時間 実習目標に沿った実習目標の作成、日々の実習のまとめ、カンファレンスのための準備 実習期間中 2時間

評価方法

1.評価対象

・がん看護学実習Ⅳ(在宅緩和ケア)目標達成度(50%)

・記録、レポート(25%)

・カンファレンスでのプレゼンテーション(15%)

・実習準備、実習態度(10%)

2.評価方法

履修生と面接を行い、実習目的・目標の達成度、記録・レポート、実習準備・実習態度について、評価基準をもとに

評価する。

3)評価基準

S・A・B・C・Fの5段階評定である。

テキスト・参考書

1.渡辺邦彦著(2010):栃木発、「待ったなし!」在宅緩和医療 日本初の「ホスピスカー」が誕生するまで,文芸社.

2.渡辺邦彦著(2009):自分らしく生ききるために 進行がんの患者さんを支える,文芸社.

3.デイヴィッド・スピーゲル(2003):がん患者と家族のためのサポートグループ,医学書院.

4.小林奈美(2011):病の苦悩を和らげる家族システム看護 イルネスビリーフモデル:患者と家族と医療職のために,日本

看護協会出版会.

履修上の注意 主体的に実習に取り組み、がん看護(特にがん終末期における緩和ケア)の場の違いと社会情勢を踏まえたがん看護

専門看護師に求められる課題を見いだすこと。

質問への対応

(オフィスアワー・Email) Eメール [email protected]にて対応いたします。

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科目名・英名 老年看護学特論Ⅰ(老年看護学の基盤)

Advanced Lecture of Gerontological Nursing Ⅰ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 金子昌子、丸井明美、長坂奎英、六角僚子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

老年者の健康と生活を理解するために有用な看護理論・概念を、文献等を活用し学修を深め、老年者が健やかに老い

ることについて多面的に理解する力を養う。また老年者に対する社会的理解と偏見を含め、老年者がおかれている状況

と倫理的課題に対する解決方法を探究する。さらに国際的な視野をもって老年看護の課題と解決策について探究し、健

康生活及び人生を完結する老年者に対する看護の専門的役割を考察する。

授業目的

1. 文献等を活用し、老年者の健康と生活を理解するために有用な看護理論・概念を学ぶ。 2. 老年者に対する社会的理解と偏見を含め、老年者がおかれている状況と倫理的課題に対する解決方法を探究する。 3. 国際的な視野をもって老年看護の課題と解決策について探究する。

到達目標

1. 老年者に関する学際的な諸理論、発達理論を理解し、老年者の理解に適用できる。さらに老年期における役割の変

化とその変化への適応についての社会理論や発達理論を理解し、老年者が健やかに老いることを自分のことばで説

明することができる。 2. エイジズムについて、また社会の中で老年者がおかれている状況を理解し、倫理的課題への対応を説明できる。 3. 老年看護学を展開するために有用と考えられる看護理論について学修し、看護理論を用いて、老年者の事例に適応

させて、健康と生活について説明することができる。 4. 人生を完結する老年期をよりよく生きることを支える老年看護学、及び専門看護師の果たす役割を、国際動向をふ

まえて考察する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1

【オリエンテーション】

本科目の老年看護学の歴史的変遷、有用な理論、倫

理的課題、専門看護師の役割と機能を学修する目的・目

標及び到達度評価について説明する。さらに、自己の学

修計画を立案し、主体的に学修を進める必要性を説明す

る。

金子昌子

丸井明美

2.3

【看護の対象である老年者の理解】

社会状況と平均寿命の延伸及び社会環境変化に伴

う老年者の発達課題や人々のもつ老年者観、老年看護学

の変遷を、文献等を活用し学修する。さらに老年者の置

かれている様々な現況を理解するとともに、いかなる状

況下においても、老年者は社会的に尊重され、意志をも

つ自律した存在であることを理解し、自己の老年者観を

探究する。

金子昌子

丸井明美

4.5

【看護の対象である老年者の理解と看護

理論:個人史】

老年者が生きてきた過程を、個人の体験から理解す

る必要性や方法を学修する。また、看護理論を活用し、

人生を完結するための老年期の生き方を支援する看護

の役割を探究する。老人像とサクセスフルエイジング、

病や障害と共に生きる老年者の体験記や文献等を活用

し学修する。

丸井明美

金子昌子

6.7

【老年者及び老年看護実践と倫理的課題】

社会や家族の中での老年者の理解と偏見について、文

献検討を通して探究し、老年者に対する倫理的課題と医

療・看護上での倫理的課題をとらえ、その対応策につい

て探究する。エイジズム、意思決定や抑制・虐待・セル

フネグレクトなどの問題を取り上げ考察する。

金子昌子

六角僚子

8.9

【高齢化の国際動向と対策の比較】

老年者看護に関する国際的動向や施設看護の歴史的

変遷、高齢化対策の国際比較を通して、我が国における

老年者看護の課題とその解決策を探究する。

金子昌子

10.11

【専門看護師の役割】

専門看護師の役割である高度な看護実践及び教育・相

談・連携・研究活動の実際と専門看護師に期待される役

割と課題について、専門看護師の活動を通して理解し、

金子昌子

長坂奎英

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- 221 -

ディスカッションを通して専門看護師の役割と課題を

探究する。

12.13.

14.

【老年看護に有用な看護理論】

老年看護に有用なセルフケア理論やエンパワメント

などの看護理論を、学修者が実践した複数の事例に活用

し、有効性と有効な活用方法を、文献的考察と討論を通

して理解を深める。

金子昌子 丸井明美

15

【専門看護師の役割と自己の課題】

老年者の特徴及び老年看護学上の課題、専門看護師

の役割と課題、自己の老年者観、専門看護師として自己

の課題をまとめ、プレゼンテーションし、学修を深める。

金子昌子 丸井明美

授業外における

学習・時間 1コマ/30分

評価方法 授業への参加状況(事前学習、学習課題の準備(50%)、プレゼンテーションやコミュニケーション、ディスカッショ

ン能力(20%))と課題レポート(30%)から評価する。

テキスト・参考書

E.H.エリクソン・J.M.エリクソン(2001),村瀬孝雄・近藤邦夫訳:ライフサイクル・その完結,増補版,みすず書房. Ebersole, P. & Hess P.(2004):Toward Health Aging: Human Needs and Nursing Response, 7th edition, Mosby. 他適宜紹介する。

履修上の注意

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:原則として毎週水曜 12時10分~13時

E-mail [email protected] にて対応いたします。

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- 222 -

科目名・英名 老年看護学特論Ⅱ(アセスメント•健康生活評価)

Advanced Lecture of Gerontological Nursing Ⅱ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 金子昌子、丸井明美、黒木茂広 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講者との協議により決定する

教室 受講者との協議により決定する

科目概要

老年者の健康生活の科学的なアセスメントと実践の評価に必要な知識と知識の活用について学修する。加齢の影響を

考慮した身体機能のアセスメント、また老年者に多い全身症状のアセスメントの実際を学び、心身機能の正常からの逸

脱と脆弱化の悪循環を予測できるアセスメント能力を養う。また、認知的、心理的、社会的側面のアセスメントについ

て学び、老年者の健康生活を、生活機能を含めて包括的に評価できる能力を養う。

授業目的

老年者の健康問題及び看護の必要性を判断するためのアセスメントの視点及び方法を獲得する。

到達目標

1.老年者の健康生活評価に必要な老化による心身の機能変化と正常からの逸脱のアセスメント視点について説明できる。

2.老年者の生活機能の包括的評価方法について理解できる。

3 .介護家族を支援するためのアセスメント方法について説明できる。 4.老年者のQOL を高める高度実践に必要なアセスメント能力について説明できる。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1

老年者のQOLと、QOL・生活機能評価

老年者の健康生活を、包括的に評価する視点について学習し、科学

的にアセスメント・実践・評価ができるために活用可能なツールと

高度実践に必要な能力について討議する。

金子昌子

2

老年者の健康の特徴

生物学的老化の理論と加齢による心身の機能変化、老年期に生じ

やすい健康問題の概要を学修し、脆弱化の悪循環に陥りやすい老年

者に対する看護アセスメントについて討議する。

黒木茂広

金子昌子

3-8

老化による身体機能の変化とフィジカルアセスメ

ント

・老年者の身体機能の変化とアセスメントの実際を学習する。

・老年者の疼痛アセスメントの実際を学修する。

・老年者に多い全身症状のアセスメントの実際を学修する(倦怠感、

体重減少、発熱、食欲不振、 眩暈、頭痛など)。

※外来診療場面での学修も含む。

黒木茂広

金子昌子

9-10 生活機能の包括的評価方法

活動、認知機能、意欲、情緒・気分、ソーシャルネットワークの

評価尺度と評価方法について学ぶ。

金子昌子

11

認知機能と老年者の心理、老年者をとりまく社会環

境のアセスメント

加齢の影響に伴う精神・心理面の評価尺度と社会環境のアセスメ

ント視点について学び、事例を用いて、アセスメントの実際につい

て討議する。

金子昌子

丸井明美

12-13 介護家族を支援するためのアセスメント

家族を理解するための理論、アセスメントの方法について学び、

事例を用いてアセスメントの実際について討議する。

金子昌子

丸井明美

14-15

老年者の健康生活評価の実際と専門看護師に求め

られるアセスメント能力

事例を用いて高度実践における健康生活評価の実際を学び、専門

看護師に必要なアセスメント能力について討議する。

金子昌子

授業外における

学習・時間 1コマ/30分

評価方法 授業への参加状況、各回の課題への取り組み(50%)、プレゼンテーション(30%)、課題レポート(20%)

テキスト・参考書

参考書 プリシラ・エバーソールら(2007):ヘルシーエイジング.エンゼルピア・ジャパン. 鳥羽研二(2010):高齢者の生活機能の総合的評価.新興医学出版社. 鳥羽研二監修(2003).高齢者総合的機能評価ガイドライン.厚生科学研究所. 他、適宜紹介する。

履修上の注意

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:原則として毎週水曜 12時10分~13時

E-mail [email protected] にて対応いたします。

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- 223 -

科目名・英名 老年看護学特論Ⅲ(老年病病態治療学)

Advanced Lecture of Gerontological Nursing Ⅲ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 金子昌子、丸井明美、内田幸介、宮本雅之、沼部敦司、藤澤隆

一、黒木茂広 必修・選択 選択

開講年次 1年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する 教室 受講生との協議により決定する

科目概要

老年期に多い疾患、徴候、症状や複数の疾患に加齢が加わる複雑な病態について理解を深め、複雑でハイリスク状態

にある老年者の健康問題を分析し、看護の必要性を判断するアセスメント能力を養う。また老年者の生体情報の解釈の

仕方や、薬物療法など治療の特徴と管理について理解を深め、老年医療の現状と課題、看護の専門的役割について考察

する。

授業目的 老年医療の現状と課題、看護の専門的役割について理解する。

到達目標

1. 老年期に多い疾患、徴候、症状の発生起序と病態を理解する。 2. 老年期に特有の循環器系疾患、認知・精神機能障害、感染リスクの健康障害を査定し、治療の必要性と方法を理解

する。 3. 加齢と生体情報の関連を理解し、老年者の生体情報を正しく解釈し、判断する。 4. 加齢と薬物動態の関連を理解し、薬理作用と有害作用をアセスメントできる。 5. 複雑な健康障害を有する老年者の事例を用いて、病態及び健康上の課題を査定し、必要な看護を説明することがで

きる。 6. 診断治療過程におけるキュアとケアを統合した看護の専門的役割を考察する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1

オリエンテーション 老年期に発症頻度が高い疾患や症候群の病態とその診

断-治療過程を学修する目的・目標及び本科目の評価方法

について説明する。さらに、自己の学修計画を立案し、

主体的に学修を進める必要性を説明する。

金子昌子

2.3

【老年者の生体情報の特徴】

老年者の生体情報の基準値と基準範囲、異常値の臨床

的意義、判定の注意点や、薬剤・食事、運動等の生体情

報に変動を与える要因について学修する。

沼部敦司

4.

5.

6.

【老年者の薬物療法の特徴】

老年者への薬物の投与は、加齢の進行度や老年病の合

併頻度とその重症度、生活機能障害の有無などの個体差

を充分把握し検討する必要がある。服薬管理において

は、効果や副作用を査定し、多剤投与による問題を生じ

させないために、①老年者の薬物動態の特徴、②加齢に

よる薬物感受性の変化、③老年者で問題となる治療薬

(循環器、呼吸器、消化器、抗凝固薬など)など老年者

に対する薬物療法の原則について学修する。

内田幸介

7.

8.

【老年者の循環器系疾患の病態と診断-治療の特徴】 卒中、虚血性心疾患や心不全等の病態と

診断―治療について学修する。

加齢に伴う循環機能の脆弱は、脳卒中をはじめ虚血性

心疾患、高血圧症心不全などの病態を引き起こす。その

発症メカニズムと病態を理解し急性発症及び慢性疾患

の急性増悪を防ぐために、老年者に多く発症する急性疾

患と治療について学修する。

黒木茂広

9.

10.

【老年者の認知・精神機能障害の病態と診

断-治療の特徴】

老年者割合の増加とともに、認知症高齢者も 10 人

に1人と推計されている。認知症を正しく判断し、環境

及び薬物療法を通して進行を防ぐ。さらに急性期治療の

対象となる老年者が、治療の影響を受け認知症を発症し

たりせん妄を発症し状態を悪化させることを予防する

看護を言及するために、認知機能に影響を及ぼす判別の

難しい認知症、せん妄、うつの病態と発症要因及び治療

について学修する。

宮本雅之

11.12 【老年者の感染リスクと病態と診断-治療

の特徴】 加齢に伴う脆弱により感染リスクが高まる老年者の

感染防御メカニズムと代表的な呼吸器感染症、尿路・性

藤澤隆一

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- 224 -

器感染、腸管感染症の発症メカニズムと診断及び治療に

ついて学修する。

13.14. 【老年者に多い症侯の病態と特徴】

老年者からの主訴の多い睡眠障害に焦点を当て、その

メカニズムと診断及び治療について学修する。 宮本雅之

15

【老年者の健康状態のアセスメント】

複雑な病態をもつ老年者の事例を用いて、健康障害及

び診断―治療過程における看護の専門的役割と老年者

医療の課題と課題への対応について考察する。

金子昌子 丸井明美

授業外における

学習・時間 1コマ/30分

評価方法 授業への参加状況(事前学習、学習課題の準備(50%)プレゼンテーションやコミュニケーション能力(20%))と課題

レポート(30%)から評価する。

参考書

道場信孝、日野原重明(2013):第2版 臨床老年医学入門、医学書院.

大内尉義、秋山弘子(2010):新老年医学、第3版、東京大学出版.

大内尉義(2002):老年病のとらえかた-眼で見るベッドサイドの病態生理、文光堂.

下方浩史(2012):高齢者の検査基準値ガイド、中央法規.

小澤利男,折茂 肇(2006):高齢者薬物療法ハンドブック、中外医学社.

他、適宜紹介する。

履修方法

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:原則として毎週水曜 12時10分~13時

E-mail [email protected] にて対応いたします。

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- 225 -

科目名・英名 老年看護学特論Ⅳ(看護介入方法)

Advanced Lecture of Gerontological Nursing Ⅳ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 金子昌子、丸井明美、熊倉みつ子、長坂奎英 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

加齢や健康障害によって生じやすい症状や徴候及び症状や徴候の生活への影響を理解し、療養環境を整えリスクを最

小限にする予防的ケアについて探究する。また、健康レベル、生活の場にかかわらず安全と安楽・安心を提供でき生活

の質を保証する看護介入と、老年者の強みを引き出す看護介入方法について探究する。

授業目的 複雑な看護問題を有する高齢者と家族への効果的な看護介入を決定するための方法を学ぶ。

到達目標

1. 加齢に伴い出現する身体的徴候や健康障害によって生じやすい廃退、二次障害を予防する看護介入方法を理解し、

対象に応じた個別的ケアを決定できる臨床判断能力と対象の強みを引き出す介入能力を身につける。

2. 老年者とその家族が抱える問題を解決でき、老年者と家族両者のニーズが満たされる退院支援のあり方を考察でき

る。

3. 老年者の安全で安楽、安心な療養環境を整えるための看護管理上の課題について考察できる。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1

【オリエンテーション】

加齢に伴う生活への影響をアセスメントし、廃退や二

次障害を予防するケアを探究する。多様な生活の場にお

いてみられる共通した問題を取り上げその解決方法を

検討し、老年者の強みをアセスメントし強みを引き出す

看護ケアについて考察する。

金子昌子

丸井明美

2.3

【摂食・嚥下機能障害に伴う低栄養・肺炎

予防ケア】

加齢に伴う口腔機能及び嚥下機能への影響を分析し、低

栄養や肺炎を予防する口腔ケアを含む嚥下機能の維

持・改善を図る看護介入を、文献的考察をふまえて検討

する。

金子昌子

丸井明美

4.5 【転倒・転落の予防的看護ケア】

転倒・転落の原因や現状を分析し、フットケアを含め

た転倒予防ケアを、文献的考察をふまえて検討する。

金子昌子

丸井明美

6.7

【睡眠及びせん妄への予防的ケア】

加齢に伴う睡眠障害やせん妄などの問題を取り上げ、

現状を把握・分析し、せん妄の予防や回復を促進する看

護介入を、文献的考察をふまえて検討する。

金子昌子

8.9

【スキントラブルの予防ケア】

加齢に伴う円背などの姿勢の変化と皮膚の脆弱によ

り生じやすいスキントラブルを予防するケアについて、

文献的考察をふまえて検討する。

金子昌子

丸井明美

10.11 【排泄障害への予防的ケア】

加齢に伴い排泄障害に対する、失禁及び便秘の予防的

ケアを、文献的考察をふまえて検討する。

金子昌子

丸井明美

12.13

【退院計画と退院調整】

病院から退院、在宅移行過程で生じる介護問題を取り

上げ、入院早期からの退院支援計画及び調整について探

究する。

具体的には、事例を用いて、入院当初から、介護を担

う家族の発達段階・課題を含めた介護支援能力機能をア

セスメントし、介護の対応能力及び社会的サポートの必

要性を判断する。さらに、家族機能を維持するために、

必要な社会資源に関する情報提供や活用可能な制度を

導入するための調整的役割について考察する。また、介

護者が介護肯定感を獲得できる有効な看護介入につい

ても考察する。

熊倉みつ子

金子昌子

14.15

【医療安全と環境調整】

医療環境下において、老年者の強みを引き出す、安心

で安全、安楽な生活環境を整える、人的配置を含めた看

護管理上の課題と調整について、ディスカッションを行

い、探究する。

長坂奎英

金子昌子

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- 226 -

授業外における

学習・時間 1コマ/30分

評価方法 授業への参加状況(事前学習、学習課題の準備(50%)プレゼンテーションやコミュニケーション能力(20%))

と課題レポート(30%)から評価する。

テキスト・参考書

藤島一郎(2000):脳卒中の摂食・嚥下障害 第2版,医歯薬出版. 瀬邦弘監修(2002):せん妄-すぐに見つけてすぐに対応-,照林社. 西村かおる(2009) :コンチネンスケアに強くなる排泄ケアブック,学研. 福井準之助・小松浩子・西村かおる(2001):尿失禁ケアハンドブック,医薬ジャーナル社. 中島紀恵子・太田喜久子・他(2007):認知症高齢者の看護,医歯薬出版. 他、適宜紹介する。

履修上の注意

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:原則として毎週水曜 12時10分~13時

E-mail [email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名 老年看護学特論Ⅴ(保健医療福祉政策・サポートシステム)

Advanced Lecture of Gerontological Nursing Ⅴ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 金子昌子、丸井明美、熊倉みつ子、小川紀子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

老年者の保健・医療・福祉政策を含むサポートシステムの現状と課題について学修し、老年者のサポートシステムの構築を図るた

めに、現状を分析、課題の発見、多職者間の連携を図り問題解決に取り組む、協調的課題解決能力を養う。また、老年者の個々の状

況をとらえ、個人に適したサービスを選択し、継続して看護サービスを提供するシステム構築のプロセスを学修する。また老年者を

取りまく保健・医療・福祉体制の現状を分析し、よりよい老年者の健康生活の実現にむけた課題を提言できる能力を養う。

授業目的 保健医療福祉政策・サポートシステムを構築する方法を学ぶ。

到達目標

1.老年者の保健・医療・福祉政策の現状を、海外の制度や政策と比較し、有効な政策やシステムを理解する。

2.現在の老年者ケアシステムでの老年者の健康生活に関する課題と解決の方向性について考察し、専門看護師の果たす役割について

考察できる。

3.老年者を支える家族の体験を理解し、家族を支えるフォーマル、インフォーマルな資源の活用について学修する。

4.多様な生活形態を送る老年者へのサポートシステムの強化のための方策を考察できる。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 オリエンテーション 老年者を取り巻く環境及び保健医療政策を学ぶ目的・目標とそ

の評価方法について説明する。

金子昌子

2.3.4

老年者の保健医療福祉に国際比較 老年者の保健医療福祉に国際比較を通して、我が国における保

健医療福祉政策の現状と課題を探究する。さらにアメリカにおけ

るNurse Practitionerの役割・活動について学修する。

金子昌子

5.6 【老年者に関連する社会保障制度】

老人保健法、老人福祉法、介護保険、障害者福祉、診療報酬な

どの老年者の保健医療福祉に関連する社会保障制度を理解する。

熊倉みつ子

7.8.9

【在宅認知症高齢者と社会保障制度】

デイサービスを受けながら、在宅で生活する認知症高齢者と介

護者の生活を支援する保健医療福祉制度の実際を学修し、制度上

の課題とその対応策について、文献的考察を加えて探究する。

金子昌子

10.11

.12

【在宅・施設療養老年者と社会保障制度】

通所リハビリテーションセンターを活用し、在宅療養を維持す

る老年者の事例から、保健医療福祉制度の活用の実際を学修し、

制度上の課題とその対応策について、文献的考察を加えて探究す

る。

小川紀子

13.14

【在宅・施設療養老年者と社会保障制度】

在宅で介護を受ける老年者の事例から、社会資源及びサポート

の実際と家族機能の維持を支援する看護者の役割や課題を、文献

考察を通して探究する。

小川紀子

15

【在宅・施設療養老年者と社会保障制度】

多様な場で生活する老年者の生活の実際と活用されている社

会保障制度及び課題についてプレゼンテーションし、ディスカッ

ションを通して理解深める。さらに専門看護師としての役割につ

いて探究し、老年者の健康生活の実現に向けた課題と自己の課題

を明確にする。

金子昌子

丸井明美

授業外における

学習・時間

1コマ/30分

評価方法 授業への参加状況(事前学習、学習課題の準備(50%)プレゼンテーションやコミュニケーション能力(20%))と課題

レポート(30%)から評価する。

テキスト・参考書

金川克子・野口美和子編(2005):地域・在宅における高齢者の看護(最新高齢者看護プラクティス),中央法規. E.O.コックス他(1994):高齢者のエンパワーメントの基礎,相川書房. 小田謙三・杉本敏夫・久田則夫編著(1999):エンパワーメント実践の理論と技法-これからの福祉サービスの具体的指針-,中央法規出版. 篠田道子(2003):高齢社会に求められるケアマネジメントサービス,第1版,医学書院. 他、適宜紹介する。

履修上の注意

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:原則として毎週水曜 12時10分~13時

E-mail [email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名

老年看護学演習Ⅰ(老年急性期看護)

Seminar on Gerontological Nursing Ⅰ(Critical care

for elderly people )

科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 金子昌子、丸井明美、齋藤ゆみ、長坂奎英、稲葉典子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 演習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

急性期医療を受ける複雑な健康障害をもつ老年者及び家族について理解を深め、複雑な看護問題を分析する視点と看護介入につい

て探究する。さらに具体的な事例を通して、倫理上の課題や急性期医療に伴う看護上の課題を解決するための方法を学ぶ。さらに高

度看護専門職者としての役割について探究する。特に治療環境下における輸液や鎮静剤の適性投与を、老年者のQOLの視点からと

らえ、治療過程におけるキュアとケアの統合を図る、老年看護実践について探究する。

授業目的 急性期にある高齢者と家族が抱える複雑な問題に焦点をあて、介入の実査を通して、看護介入方法について学修する。

到達目標

1. 生命の危機的状態にある老年者のフィジカルアセスメントと輸液や鎮静剤の適性投与、鎮静に伴う倫理的課題等、急性期医療

上の課題を明らかにする。

2. 生命の維持・回復をはかるとともに、安全で安心な環境と安楽で老年者の強みを引き出す、キュアとケアを統合した老年急性

期看護を探究する。

3. 熱傷・外傷・手術を受ける老年者のイムノコンプロマイズドホストの感染症と看護ケアについて理解する。

4. 身体拘束や睡眠薬の処方、意志決定などの倫理的課題に焦点をあて、キュアとケアを統合した認知症高齢者の急性期看護につ

いて探究する。

5. 入院初期から退院・在宅移行への計画を立案し、社会資源・サポート体制の構築と専門看護師の役割を理解する。

6. 急性期医療環境下で老年者の安全で安心な療養環境を提供するための、医療専門職者の連携や倫理、適切な人員配置などの看

護管理及び課題と対応策を理解し、老年看護専門看護師の実践上の課題と自己の課題を明確化する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1.2

【オリエンテーション】

急性期治療を受ける老年者の、治療環境下で生じる看護問題

へ対応し、スムーズに退院・在宅移行を支援することが、老年

者のその後の生活の質に影響を及ぼすことを説明し、老年急性

期看護について探究する本科目の目的・目標及び評価方法につ

いて説明する。特に、高度医療環境下において安全かつ安楽、

安心な、老年者の強みを引き出す看護介入及び生活環境調整に

焦点をあてる。

金子昌子

丸井明美

【急性期治療を受ける老年者のおかれている

状況】

生命の危機的状態にある老年者のフィジカルアセスメントと

輸液や鎮静剤の適性投与、鎮静に伴う倫理的課題等、急性期医

療上の課題を文献から明らかにする。生命の維持・回復をはか

るとともに、安全で安心な環境と安楽で老年者の強みを引き出

す、キュアとケアを統合した老年急性期看護を探究する。

3.4 【老年者の生体防御と看護】

熱傷・外傷・手術を受ける老年者のイムノコンプロマイズド

ホストの感染症と看護ケアについて理解する。

齋藤ゆみ

5.6.7

【急性期医療を受ける老年者と家族への看護】

危機的状態にある老年者とその家族の救急・集中治療環境下

での意思決定及び危機への対処、廃退や二次障害を防ぐ、安全、

安楽、安心で老年者の強みを引き出す、キュアとケアを統合し

た老年者急性期看護を、事例への看護理論の活用及び文献的考

察を通して探究する。さらに入院初期から退院・在宅移行への

計画を立案し、社会資源・サポート体制の構築と専門看護師の

役割を探究する。

金子昌子

授業

内容

8-

15

フィールドワーク:事例検討及び文献的考察、

プレゼンテーション

目的:【老年者の生体防御と看護】【急性期医療を受け

る老年者と家族への看護】の単元で既修した学修内容を

実際の事例を通して確認し、臨床上の課題を明確にす

る。

金子昌子

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- 229 -

1.救急搬送され集中治療室へ入院した老年者とその家族への

キュアとケアの実際を学ぶ。

2.展開されているキュアとケアの実際を、既習内容を活用し

分析し、危機的状態にある老年者と家族の看護問題及び医

療者が抱える倫理的課題への支援のあり方を探究する。

場所:三次救急医療機関

16.17.

18.

【急性期医療を受ける認知症高齢者と家族の

看護】

認知症高齢者の体験をベースに、急性期治療を受ける環境や

医療処置及び看護ケアを倫理的視点から評価する。特に身体拘

束や睡眠薬の処方、意志決定などの倫理的課題に焦点をあて、

キュアとケアを統合した認知症高齢者とその家族の急性期看護

について、事例展開を通して探究する。

金子昌子

丸井明美

19.20

【急性期医療における退院支援計画】

危機的状態を脱した老年者が、早期退院を可能にするため、

入院初期から退院・在宅移行への計画を、家族機能アセスメン

トを含め立案し、社会資源の活用とサポート体制を構築するプ

ロセスを学修する。

金子昌子

稲葉典子

21-26

フィールドワーク:事例検討及び文献的考察、

プレゼンテーション

目的:【急性期医療を受ける認知症高齢者と家族の看護】【急

性期医療における退院支援計画】の単元で既修した学修内容を

実際の事例を通して確認し、臨床上の課題を明確にする。

1.急性期治療を受ける認知症高齢者とその家族へのキュアと

ケアの実際を学ぶ。

2.展開されているキュアとケアの実際を、既習内容を活用し

分析し、急性期認知症治療を受ける認知症老年者と家族の

看護問題及び医療者が抱える倫理的課題への支援のあり方

を探究する。

場所:二次救急医療機関

金子昌子

27.28 【専門看護師の役割】

急性期医療において老年者のQOLを高める老年専門看護師の

役割を、事例展開を通して探究し、自己の課題を明確にする。

金子昌子

29.30

【老年者の医療環境下での療養生活の安全管

理】

急性期医療環境下で老年者の安全を阻害する要因を探索し、

安全で安心な療養環境を提供するための、医療専門職者の連携

や倫理、適切な人員配置などの看護管理及び課題と対応策につ

いて探究する。

金子昌子

長坂奎英

授業外における

学習・時間 1コマ/30分

評価方法 授業への参加状況(事前学習、学習課題の準備(50%)プレゼンテーションやコミュニケーション能力(20%))と課題

レポート(30%)から評価する。

テキスト・参考書

佐々木英忠(2003):老年看護病態・疾患論 第2版 (系統看護学講座 専門),医学書院. 佐藤直子(1999):専門看護制度-理論と実践,医学書院. Suzanne Gordon、 勝原 裕美子 翻訳(1998):ライフサポート 最前線に立つ3人のナース,日本看護協会出版会. シオバン ネルソン他、阿部 里美 翻訳(2007):ケアの複雑性-看護を再考する,エルゼビア・ジャパン株式会社 他、

適宜紹介する。

履修上の注意

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:原則として毎週水曜 12時10分~13時

E-mail [email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名

老年看護学演習Ⅱ(認知症高齢者看護)

Seminar on Gerontological Nursing Ⅱ(Nursing for elderly

people with dementia)

科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 丸井明美、金子昌子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 演習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

複雑で困難な課題を抱える認知症高齢者への高度な看護実践能力を養うために認知症の人の体験、援助理論と具体的

な援助方法、倫理的課題について学修する。文献とフィールドワークから認知症高齢者と家族の体験を理解し,その

人らしい生活を実現するために重要なケア関係とコミュニケーション能力を養い、その人を尊重した看護実践の課題

と、認知症看護における専門看護師の役割について考察を深める。

授業目的 最新の知見と技術を有し、根拠に基づいた高度な看護実践力に関する知識・技術・態度を修得する。

到達目標

1.認知症の人の体験を文献とフィ一ルドワ一クから理解する。 2 .認知症の周辺症状と周辺症状のある認知症高齢者への支援について説明できる。

3.認知症の非薬物療法、予防的介入について説明できる。

4.認知症高齢者をとりまく倫理的課題と、課題解決のための倫理調整の実際を理解する。

5.その人らしい生活を実現するケア提供の基盤にある認知症高齢者とのケア関係とコミュニケーションについて学修

する。

5.生活の場に合わせた認知症高齢者を尊重した支援の実際と課題を学修する。

6.認知症ケアにおける専門看護師の役割を考察し自己の課題を明確にできる。

授業 内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 認知症の人と家族の体験の理解 手記や研究等を読み、認知症の人と家族の体験を理解す

る。

丸井明美

金子昌子

2-3 認知症高齢者を尊重したケア提供のため

の理論

パーソンセンタードケアの前提となる考え方と、パーソ

ンセンタードケアを学び、認知症高齢者をひとりの人と

して尊重したコミュニケーションによるケア提供につ

いて討議する。

丸井明美

4 周辺症状の理解とケア

周辺症状の生じる要因と対応困難な症状に対する対応

を学修し、生活環境を整える視点を含めた支援を経験事

例から検討する。

丸井明美

5-6 認知症の非薬物療法、予防的介入とその効

非薬物療法(回想法、アクティビティケア)、認知症の

予防的介入とその効果について学修する。 丸井明美

7-8 在宅で生活する認知症高齢者と家族への

援助の実際

在宅で生活する認知症高齢者と家族の看護について学

修する。 丸井明美

9-14 フィールドワーク1

場所:デイサービス施設

目的:

1.在宅介護を受ける認知症高齢者と家族の理解とケア

の実際を学ぶ。

2.認知症の方と良好なケア関係を形成できる関係の持

ち方、コミュニケーションのとり方について、既習の学

修内容を用いて学ぶ。

丸井明美

15 フィールドワークの報告と事例検討、

文献を用いた考察

フィールドワークについてプレゼンテーションし、討論

する。

丸井明美

金子昌子

16-17 認知症高齢者と家族にかかわる倫理的課

認知症高齢者と家族にかかわる倫理的課題と支援、倫理

調整の実際について学修する。 丸井明美

18-19

施設で生活する認知症高齢者と家族への

援助の実際 進行した認知症高齢者への支

施設で生活する認知症高齢者と家族及び進行した認知

症高齢者への支援を学修する。 丸井明美

20-28 フィールドワーク2

目的: 1.専門的ケアが 24 時間必要な認知症高齢者と家族の

理解およびケアの実際を学ぶ。 2.入所者へのケアに可能な範囲で参加し、認知症高齢

丸井明美

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者の言動が環境とケア提供者の関わりにどのよう

に影響を受けているのかを、実践を通して学習す

る。 場所:認知症グループホーム

29 フィールドワークの報告と事例検討、

文献を用いた考察 フィールドワークについてプレゼンテーションし、討論

する。 金子昌子

丸井明美

30 認知症看護実践の課題と専門看護師の役

割の考察と自己の課題を明らかにする これまでの学修から、認知症看護実践の課題と専門看

護師の役割の考察と自己の課題を明らかにする。 金子昌子

丸井明美

授業外における

学習・時間 各授業におけるプレゼンテーション準備、フィールドワークの事前学習。 1コマ/30分

評価方法 授業への参加状況、各回の課題への取り組み(50%)、プレゼンテーション(10%)

フィールドワークレポート(40%)

テキスト・参考書

参考書

中島 紀惠子編著(2013):新版認知症の人々の看護.医歯薬出版.

服部英幸編(2012):BPSD初期対応ガイドライン.ライフ・サイエンス.

トム・キットウッド(1997).認知症のパーソンセンタードケア.筒井書房.

Souren L. & Franssen E.(2003):アルツハイマー病―患者の世界―.じほう.

クリスティーン・ボーデン(1998):私はだれになっていくの?アルツハイマー病者からみた世界.クリエイツかもが

わ.

小沢勲(2003):痴呆を生きるということ.岩波新書.

他適宜紹介する。

履修上の注意 主体的な学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:12:00~13:00

E-mail:[email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名 老年看護学実習Ⅰ(老年急性期高度実践看護・役割)

Advanced Nursing Practice for Older PeopleⅠ 科目区分 専門科目 単位数 6単位

教員名 金子昌子、丸井明美、茂呂悦子(実習指導者)、牛込和子(実習指

導者)、飯島満枝(実習指導者) 必修・選択 選択

開講年次 2年次

開講学期 前期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

専門分野の講義及び演習での学修を発展、統合させて、急性期医療を必要とする複雑な看護問題をもつ老年者と家族を

受け持ち、演習で探究した急性期老年者の看護を実践、評価する。看護実践を通して老年者と家族に対する、キュアとケ

アを統合した安全、安楽、安心で老年者の強みを引き出す看護実践を探究し、統一した看護ケアを提供するための教育及

び多職者と協働を図り協調的問題解決を図るための相談・調整能力を修得する。

また老年者及び家族の意思決定を支え QOL を高めるための支援、倫理的課題への対応について探究する能力を修得す

る。さらに専門看護師との協働を通して自己の課題を明確し、専門看護師の役割と自律的活動について探究する。

授業目的

1.急性期老年者の看護を実践を通して、専門的役割と統一した看護ケアを提供するための教育及び多職者と協働を図り協

調的問題解決を図るための相談・調整能力を修得する。

2.老年者及び家族の意思決定を支えQOLを高めるための支援、倫理的課題への対応について探究する能力を修得する。

3.専門看護師との協働を通して自己の課題を明確し、専門看護師の役割と自律的活動について探究する。

到達目標

1.高度先進医療施設(二次・三次救急医療機関)実習

1)老年看護専門看護師が果たしている6つの役割(実践、教育、相談、調整、倫理、研究)を理解し、老年看護専門看

護師として取り組むべき自己の課題を明らかにすることができる。

(1) 老年看護専門看護師が果たしている6つの役割(実践、教育、相談、調整、倫理、研究)の活動を理解する。

(2) 専門看護師役割を発揮するためのシステム作りの実際を理解する。

(3) 急性期にある老年者と家族に対して、老年者と家族が持てる力を発揮して、回復または安寧な死を迎えることができ

るように、倫理的調整を行う。

(4) 自己の専門看護師像を描き、取り組むべき課題を見出す。

2) 三次救急医療機関を受診する老年者の複雑な看護上の問題や療養環境を身体・精神・生活の側面からアセスメントで

きる。

(1) 老年者の健康状態について、加齢による変化、疾病の状態基本的日常生活動作能力を情報収集し、加齢による生理

的病的変化と身体障害によって生じる身体・心理・社会的反応の違いを判断し解決すべき健康問題とその程度をア

セスメントすることができる。

(2) 的確にフィジカルアセスメントを行うことができる。

(3) 老年者に起こりうる合併症や二次障害をアセスメントできる。

(4)老年者の心理・社会的側面について、認知機能、情緒・気分、意欲、QOL、ソーシャルネットワークを情報収集し、

問題とその程度についてアセスメントできる。

(5) 老年者の生活史について、老年者または家族から情報収集し、現在の状況について生活史上の意味をアセスメントす

ることができる。

(6) 老年者に行われている検査、治療の内容と必要性を理解する。

(7)老年者に行われている検査、治療(薬物含)が老年者の身体・心理・社会的側面に及ぼす影響をアセスメントするこ

とができる。

(8) 老年者の病状の経過を予測し、変化に応じて必要な検査・治療・医療処置をアセスメントすることができる。

(9) 老年者が置かれた療養環境について、回復の遅延、二次障害の発生リスクの観点からアセスメントすることができる。

(10) 老年者とその家族の状態をアセスメントし、看護問題を把握する。

3)三次救急医療機関を受診する老年者の看護問題を解決するために 生活を整え、QOL の低下を予防できるようキュア

とケアを統合した質の高い看護を実践できる。

(1) 老年者とその家族の看護問題を改善・解決し、老年者とその家族が持てる力を発揮して、回復の促進、または安寧な

死を迎えることができるように治療の一部を含む看護計画を立案する。

(2) 老年者に起こりうる合併症や二次障害を予防するために、治療の一部を含む看護計画を立案する。

(3) 老年者とその家族の看護問題を解決するために、科学的根拠や有用な研究成果にもとづいた支援方法を選択し、実践

する。

(4) 老年者が置かれた療養環境について、回復の促進、二次障害の予防の観点から、療養環境を整える。

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(5)老年者とその家族の医学的問題、看護問題を解決するために、医師、看護師、多職種と協働する。

(6) 実践した医療、看護を老年者とその家族の身体的、心理的、社会的な側面から適切に評価する。

4)老年者とその家族の倫理的葛藤を解決するために適切な意思決定ができるよう倫理的調整を行うことができる。

(1) 基礎的及び最新の倫理的見識をもとに、自己の倫理的感性を高める。

(2) 複雑で解決困難な問題を抱える急性期にある老年者とその家族に生じやすい倫理的問題について理解する。

(3) 老年者の尊厳を守るため、老年者とその家族に対して、治療・看護の選択、療養場所の決定など倫理的調整を行い、

適切な意思決定ができるように支援できる。

2.地域中核医療施設(二次救急医療施設)実習

1) 地域中核医療施設(二次救急医療施設)に入院している急性期にある認知症をもつ老年者の看護上の問題や療養環境を

身体・精神・生活の側面からアセスメントすることができる。

(1) 急性期にある認知症をもつ老年者の健康状態について、加齢による変化、急性期にある疾病の状態、基本的日常生活

動作能力を情報収集し、加齢による生理的変化と解決すべき健康問題とその程度についてアセスメントすることがで

きる。

(2)急性期にある認知症をもつ老年者の心理・社会的側面について、認知機能、情緒・気分、意欲、QOL、ソーシャルネ

ットワークを情報収集し、問題とその程度についてアセスメントすることができる。

(3) 急性期にある認知症をもつ老年者について、療養期間中の認知機能の低下をアセスメントすることができる。

(4) 急性期にある認知症をもつ老年者の生活史について、老年者または家族から情報収集し、現在の状況について生活史

上の意味をアセスメントすることができる。

(5) 急性期にある認知症をもつ老年者に行われている検査、治療と必要性を理解する。

(6)急性期にある認知症をもつ老年者に行われている検査、治療が老年者の身体・心理・社会的側面に及ぼす影響をアセ

スメントすることができる。

(7) 急性期にある認知症をもつ老年者の病状の経過を予測し、変化に応じて必要な検査・治療・医療処置をアセスメント

することができる。

(8) 急性期にある認知症をもつ老年者が置かれた療養環境について、認知機能の低下、回復の遅延、二次障害の発生リス

クの観点からアセスメントすることができる。

(9) 急性期にある認知症をもつ老年者とその家族の状態をアセスメントし、看護問題を把握する。

2) 地域中核医療施設(二次救急医療機関)に入院している急性期にある認知症をもつ老年者の看護問題を解決するため

に、生活を整え、QOLの低下を予防できるようキュアとケアを統合した質の高い看護を実践できる。

(1) 急性期にある認知症をもつ老年者とその家族の看護問題を改善・解決し、生活を整え、QOL の低下を予防できるよ

う治療の一部を含む看護計画を立案できる。

(2) 急性期にある認知症をもつ老年者に起こりうる合併症や二次障害を予防するために、治療の一部を含む看護計画を

立案できる。

(3) 急性期にある認知症をもつ老年者について、療養期間中の認知機能の混乱及び低下を予防する看護計画を立案でき

る。

(4) 急性期にある認知症をもつ老年者の人権を尊重し、情緒が安定するように、コミュニケーションをはかることがで

きる。

(5) 急性期にある認知症をもつ老年者の人権を尊重し、常に擁護する姿勢で支援することができる。

(6) 急性期にある認知症をもつ老年者とその家族の看護問題を解決するために、科学的根拠や有用な研究成果にもとづい

た支援方法を選択し、実践することができる。

(7) 急性期にある認知症をもつ老年者が置かれた療養環境について、回復の促進、二次障害の予防の観点から、療養環境

を整えることができる。

(8)急性期にある認知症をもつ老年者とその家族の医学的問題、看護問題を解決するために、医師、看護師、多職種と協

働することができる。

(9) 実践した医療、看護を急性期にある認知症をもつ老年者とその家族の身体的、心理的、社会的な側面から適切に評価

することができる。

3) 急性期にある認知症をもつ老年者とその家族が希望する生活の場で生活することができるように家族・施設内外の保

健医療福祉関係者に対し、調整、倫理的調整を実施できる。

Page 82: シラバス(専門看護師コース)目次 · 理論、社会構成理論、状況の基づく学習理論、情報論的学習理論、 組織学習論について、事前学修する。

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(1) 急性期にある認知症をもつ老年者とその家族が希望する生活の場を把握し、退院にあたり最良の選択を行うための施

設内外の社会資源を把握することができる。

(2) 急性期にある認知症をもつ老年者の療養場所の移行に際し、老年者と家族が希望する生活の場について最良の選択が

できるように家族・施設内外の保健医療福祉関係者と調整することができる。

(3) 急性期にある認知症をもつ老年者とその家族に生じやすい倫理的問題について理解する。

(4) 急性期にある認知症をもつ老年者とその家族の倫理的葛藤を解決するために適切な意思決定ができるように支援す

ることができる。

4)老年看護専門看護師として、相談、教育の役割を果たすことができる。

(1) 実習施設の看護職に対して、急性期にある認知症をもつ老年者の問題について相談を行い、相談者が自らの力で患者

の問題を解決できるよう支援できる。

(2) 実習施設の看護職の急性期にある認知症をもつ老年者に関する教育ニーズを把握し、実習施設の看護職に対して教育

を企画、実施、評価することができる。

授業

内容

1.高度先進医療施設(二次・三次救急医療機関)実習

1週目

自治医科大学附属病院の概要と地域の中での果たす役割及びICU、救急部等の実習関連部署のオリエン

テーションを受け、実習計画を立案する。

専門看護師の活動の実際及び役割を、実際の活動に同行し理解を深める。

・受け持ち老年者の病状、今後の治療方針について、カルテから情報収集し、医師の説明を受ける。

・受け持ち老年者及び家族の状況、療養環境をアセスメントし、医学的問題、看護問題を明らかにし、解

決するために診断・検査・治療の一部を含む看護を考える。

・治療の一部を含む看護実践を開始し、より老年者に適した看護を検討する。

・第1回 中間面接

教員と面接を行い、看護問題、看護の方向性、自己の課題について検討する。

金子昌子

茂呂悦子

2、3

週目

急性期治療を受ける老年者と家族を受け持ち、看護過程を展開する。受け持ち老年者は、緊急入院から

退院までの過程を通して看護を実践する。必要な指導は重症・集中患者看護専門看護師及び老年看護学領

域の専任教員から指導を受ける。

・看護計画提出する(2週目初日)。

・キュアとケアが統合された看護計画にもとづき、治療の一部及び看護を実施する。

・中間カンファレンスを行う。

実習指導者、医師、教員とカンファレンスを行い、看護問題、目標、看護計画の適切性、必要な調整、

倫理調整について、アドバイスを受ける。

・看護計画の修正

・キュアとケアが統合された看護計画の修正案を提出

修正した看護計画にもとづき治療の一部及び看護を実施する。

・第2回 中間面接

教員と面接を行い、自己の課題について検討する。

・キュアとケアが統合された看護計画の修正案にもとづき、看護実践を行う。

・必要に応じて、療養環境の調整を行う。

・受け持ち老年者またはその他の老年者について、調整、倫理的調整を行う。

・まとめのカンファレンス

実習指導者、医師、教員とカンファレンスを行い、実施した治療を含む看護の評価を発表し、アドバイス

を受ける。

・実習での学びを振り返り、思考の整理・統合を行う。

・評価面接

学習目標の達成度を評価する。

・今後の自己の課題を明確にし、その解決のために必要な方法を考える。

金子昌子

茂呂悦子

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授業

内容

2.地域中核医療施設(二次救急医療機関)実習

1週目

・教員からのオリエンテーション、必要に応じて、実習施設との実習調整を行う。

・実習施設についてオリエンテーションを受ける。

・附属施設である訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所についてオリエンテーションを受ける。 ・受け持ち老年者の病状、今後の治療方針について、カルテから情報収集し、医師の説明を受ける。

・受け持ち老年者及び家族の状況、療養環境をアセスメントし、医学的問題、看護問題を明らかにし、解

決するために診断・検査・治療の一部を含むキュアとケアを統合した看護を考える。

・治療の一部を含む看護実践を開始し、より老年者に適した看護を検討する。

・実習病棟を中心に、看護職の急性期にある認知症をもつ老年者に関する教育ニーズを把握する。

・第1回 中間面接

教員と面接を行い、看護問題、看護の方向性、自己の

課題、実習施設の看護職に対する教育の実施テーマに

ついて検討する。

金子昌子

丸井明美

飯島満枝

牛込和子

2週目

看護計画提出する(2週目初日)

・キュアとケアを統合した看護計画にもとづき、治療の一部及び看護を実施する。

・中間カンファレンスを行う。

実習指導者、医師、教員とカンファレンスを行い、看護問題、目標、看護計画の適切性、必要な調整、

倫理調整について、アドバイスを受ける。

・看護計画の修正

・キュアとケアを統合した看護計画の修正案を提出

修正した看護計画にもとづき治療の一部及び看護を実施する。

・第2回 中間面接

教員と面接を行い、自己の課題について検討する。

金子昌子

丸井明美

飯島満枝

牛込和子

3週目

・看護計画の修正案にもとづき、看護実践を行う。

・タイムリーに老年者と家族が希望する望む生活、療養の場の移行に関する支援を行う。

・受け持ち老年者またはその他の老年者について、調整、倫理的調整、相談を行う。

・まとめのカンファレンス

実習指導者、医師、教員とカンファレンスを行い、実施した治療を含む看護の評価を発表し、アドバイス

を受ける。

・実習施設の看護職に対して教育を企画、実施する。

・実習での学びを振り返り、思考の整理・統合を行う。

・評価面接

学習目標の達成度を評価する。

・専門看護師として、今後の自己の課題を明確にし、その解決のために必要な方法を考える。

金子昌子

丸井明美

飯島満枝

牛込和子

授業外における

学習・時間 1コマ/30分

評価方法 実習目標の達成度、プレゼンテーション、課題レポートから評価する。詳細は授業時に提示する。

テキスト・参考書 適宜紹介する。

履修上の注意

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:原則として毎週水曜 12時10分~13時

E-mail [email protected] にて対応いたします。

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科目名・英名 老年看護学実習Ⅱ(認知症高齢者高度実践看護・役割)

Advanced Nursing Practice for Older People with DementiaⅡ 科目区分 専門科目 単位数 4単位

教員名

金子昌子、丸井明美 本間昭(実習指導者)、石川容子(実習指導者)、川野かおり(実

習指導者)

必修・選択 選択

開講年次 2年次

開講学期 前期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する 教室 受講生との協議により決定する

科目概要

認知症外来実習では診断、治療を受ける認知症高齢者と家族への支援、在宅認知症高齢者と家族が生活を再構築し在

宅生活を継続するための支援の実際を学び、既習の特論・演習での学修を統合して認知症高齢者と家族が辿る療養生活

の軌跡を理解し、施設での療養支援および施設から在宅へ生活の場の移行への支援に必要なケア対象者の理解を深め

る。 認知症専門病院実習では、複雑で困難な課題をもつ認知症高齢者を受け持ち、受け持ち認知症高齢者と家族への実践

を通して、認知症高齢者への高度なアセスメント能力と認知症高齢者の意思を尊重した実践能力およびケア提供者の倫

理的ジレンマに気づき倫理調整を行う能力を養う。また、認知症ケアの質の向上に向けた、看護師間や多職種との調整、

教育、相談能力を養う。

授業目的 本実習では、施設で生活する認知症高齢者への高度な実践能力を養うことを目的とする。

到達目標

認知症外来実習

1.認知症高齢者への認知症の診断、治療の実際を理解する。

2.認知症外来で診断や通院治療を受ける老年者の診療場面に同席し、在宅生活継続のための生活の再構築に向けた認

知症医療と看護の役割を理解する。

3. 認知症高齢者・家族の認知症や生活についての思いを知ることにより、診断、治療を受ける老年者と介護家族の

生活とニーズを理解する。

4.診断、 治療を受けて在宅生活を送る認知症高齢者と介護家族のケアニーズと、生活の再構築へ向けた認知症医療

と看護の役割について考察できる。

5.学修した内容を、施設から在宅へ生活の場が移行する認知症高齢者と家族の支援にどのように活用できるのかを考

察できる。

認知症専門病院実習

1.複雑で困難な課題をもつ認知症高齢者を受け持ち、既習の知識を用いて高度な身体的、 心理的、社会的な側面から

包括的にアセスメントし、健康上•生活上の課題を明らかにできる。

2.老年者と家族の望みを反映させた目標を設定し、認知症高齢者が一人の人として尊重されるケアを、家族や他の専

門職者との連携をとりながら実践できる。

3.認知症高齢者へのよりよい支援のためにチームが抱える課題と課題解決に向けた相談や教育の役割を理解できる。

4.受け持ち認知症高齢者を中心に、目標設定や実践上の倫理的課題を明らかにし、倫理調整の実践ができる。

5.認知症高齢者をめぐる倫理的課題への感受性を高め、倫理調整の実践•評価を通 して、認知症ケアにおける課題と

チームケアのあり方、また認知症ケアシステムのあり方について考察できる。

6.看護外来での相談場面への同席により、在宅療養で認知症高齢者と家族が抱える悩みと在宅療養継続の支援の視点

について理解し、入院患者の在宅へ向けた移行支援について考察できる。

7.認知症外来・デイサービス実習での学修内容と合わせて、認知症ケアにおける施設で看護実践する専門看護師の役

割と課題また自己の課題について考察できる。

内容 1

認知症外来実習

Ⅰ.実習方法

1.対象: 認知症外来を受診する認知症高齢者とその家族

2.実習時期: 2年生前期 4月~5月

3.実習期間: 外来診療日に4日間実習する。履修生の目標到達度により実習期間を延長する。5日

目はまとめのカンファレンスを行う。

4.実習時間: 原則として外来診療日(火曜日、水曜日)の9:00-12:00、または14:00-18:00

5.実習場所: お多福物忘れクリニック

金子昌子

丸井明美

実習指導者

本間昭

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Ⅱ.実習内容

1.外来診療の場に同席し、認知症高齢者への認知症の診断、治療の実際を学ぶ。

2.複雑で困難な課題を抱える認知症高齢者1~2名の紹介を受け、外来受診を複数回同席する。認知

症高齢者と家族の協力が得られた場合、可能な範囲で、現在の生活や、認知症や生活についての思

いを知る。

3.上記の認知症高齢者と家族以外で、受診時に認知症高齢者と家族の協力が得られた場合、可能な範

囲で現在の生活や、認知症や生活についての思いを知る。

4.実習内容から、①診断、治療を受け生活の再構築をはかる認知症高齢者と介護家族のニーズ、②生

活の再構築に向けた認知症医療と看護の役割、③施設から在宅へ生活の場の移行を伴う認知症高齢

者と家族の支援への学修内容の適用について考察する。

認知症専門病院実習

Ⅰ.実習方法

1.対象:施設に入院している複雑で解決困難な課題を抱える認知症高齢者とその家族

2.実習時期:2 年生前期5-7 月

3.実習期間:3 週間以上。履修生の目標到達度により実習期間を延長する。 4.実習時間:原則として8:45 より16:00

5.実習場所:和光病院

Ⅱ.実習内容

1.受け持ち老年者と家族への実践

1)複雑で困難な課題を持つ認知症高齢者を1〜2 名受け持ち、老年者や家族に生じている課題を、専

門知識を用いて包括的にアセスメントする。

2)受け持ち老年者と家族の望みを考慮した目標設定、老年者の持つ力を引き出せるような計画立案、

実践を行う。

2.調整

1)受け持ち老年者への看護計画を多職種との連携やサービス活用を含めて立案する。

2)チームで実施できるように職員との意思統一、意見交換を行う場を設定してプランを共有した実施

•評価を行う。

3.相談、教育

老年者を取り巻く環境を整える視点を持ち、病棟全体のマネジメント、チームケアの質の向上に向

けた相談、教育の実際を、実習指導者の実践の見学と参加を通して学習する。

4.倫理調整

受け持ち老年者を中心に、老年者ケアにかかわる倫理的問題を確認し、職員間の葛藤や家族の葛藤

に対する支援を行う。

5.専門看護師の役割と課題、自己の課題の明確化

スーパービジョンを受けながら、自己の専門性を発展させ、専門看護師としての自己の課題を明確

にする。

金子昌子

丸井明美

実習指導者

石川容子

川野かおり

授業外における

学習・時間 1コマ/30分

評価方法 実習目標の達成度60%、プレゼンテーション10%、課題レポート30%

受け持った事例の看護実践および、専門看護師の役割と自己の課題についてのレポートを課題レポートとする。

テキスト・参考書 適宜紹介する。

履修上の注意 実習計画を立案し、課題を明確化して臨む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:原則として毎週水曜 12時10分~13時

E-mail [email protected] にて対応いたします。

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- 238 -

科目名・英名 在宅看護学特論Ⅰ(保健医療福祉制度とケアマネジメント) Advanced Lecture of Home Care Nursing Ⅰ

科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 六角僚子、種市ひろみ、熊倉みつ子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する 教室 受講生との協議により決定する

科目概要

わが国の在宅看護の歴史を学び、諸外国の在宅看護との比較の中でその特性を理解する。同時に制度の活用や関係機

関・職種のネットワークの構築、退院支援・調整による在宅移行の可能性を検討するケアマネジメントの過程について

修得する。

授業目的 総合的に看護ケアをマネジメントし、保健医療福祉チームでの連携、協力を調整する管理能力を育成するため、制度

とケアマネジメントを理解する。

到達目標

1.わが国の在宅看護の歴史を学び、諸外国の在宅看護との比較の中でその特性を理解する。 2.わが国の保健医療福祉制度とその活用実態を理解する。 3.在宅看護に関わる関係機関・職種のネットワークの構築、退院支援・調整による在宅移行の可能性を探る。 4.ケアマネジメントの過程について修得する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 わが国の在宅看護の変遷

・初期の訪問看護活動 ・公衆衛生看護の芽生え ・第2次世界大戦後の公衆衛生看護 ・新たな訪問看護の動き ・訪問看護制度の創設と発展

熊倉みつ子

2 わが国の保健医療福祉制度 ①

ゲストスピーカーの大橋誠氏が、社会福祉協議会におけ

る活動体験と、社会福祉主事としての知見から以下の項目

について講義する ・保健医療福祉制度に関わる都道府県と市町村の役割 ・近年の制度変更のポイントと実際 ・学生の考える現行制度の問題と課題をテーマに教員を交

えて討論を行う

ゲストスピーカー 大橋 誠

3 わが国の保健医療福祉制度 ②

在宅医療制度の現況と課題について、本学医学部地域医

療学講座を兼務する看護学研究科専任教員が、以下の内容

で講義する。

・在宅医療支援診療所制度と診療報酬 ・日本在宅医学会と認定専門医制度の動向 ・病院から在宅療養への移行を進めるための医療者の教育

研修の実際 ・在宅看護・在宅介護との連携、チーム医療の推進のため

の活動 ・高度な医療機器を使用する在宅医療の現況

・在宅終末期医療と在宅看取りのための在宅医療実践

熊倉みつ子

4 わが国の保健医療福祉制度 ③

介護保険制度の現況と課題について ・介護支援専門員の資格と活動 (特にモニタリングと評価) ・ケアマネジメントのプロセスと看護職の役割 ・介護保険を受給する対象と家族の生活、経済的基盤の状

況 ・居宅サービスとしての訪問看護の位置付け ・施設サービスの中で行われる看護援助の実際

熊倉みつ子

5 諸外国の保健医療制度とわが国の制度の

対比 ①

中福祉中負担の国、オーストラリアの場合。オーストラリ

アの「地域ケア研修」の体験をPPを用いて説明し、併せ

てわが国の制度との対比を行う。 ・高齢者を中心とした在宅ケアの方向性

種市ひろみ

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・オーストラリアの保健医療制度 ・オーストラリアの在宅看護 ・わが国の制度との比較から考え課題を検討し、討論と発

表を行う。

6 諸外国の保健医療制度とわが国の制度の

対比 ②

米国における訪問看護サービスの実態と課題 ・米国で訪問看護ステーションを立ち上げ、運営した筆者

の経験をもとに、米国の状況を概説する。 1.在宅看護サービスの背景 2.米国の医療改革(1983)と政策 (DRG vs PPC) 病院

ケア→施設ケア→在宅ケア 3.在宅看護サービスの実際

~症例を通して~ 4.在宅看護の質の保証 5.日米の在宅看護課題・在宅における終末期医療等

種市ひろみ

7 退院支援・調整、在宅移行可能性を探るケ

アマネジメント

退院支援の必要な背景と現行の制度 「退院支援」と「退院調整」の定義と意義 退院調整看護師の役割と機能 病棟・外来看護師の退院支援に果たす役割

熊倉みつ子

8 退院支援・調整、在宅移行可能性を探るケ

アマネジメントの過程

1.入院48時間以内のスクリーニング 2.退院支援・調整の要否アセスメント 3.受容支援と自立支援 4.サービス調整、医療管理上の課題⇒在宅医療サービス

へ 生活・介護上の課題⇒介護保険制度、障害者総合支

援法、難病対策事業 5.退院前カンファレンス

六角 僚子 種市ひろみ

9 退院支援・調整、在宅移行可能性を探るケ

アマネジメントの実際

在宅療養における多問題が予測された事例を元に、在宅移

行の可能性を探るケアマネジメントを追体験する。 その経過と結果を相互に発表し、教員を交えて討論する。

六角 僚子 熊倉みつ子

10 退院支援・調整のケアマネジメント事例分

析①

各種機関・職種のネットワーク、退院支援・調整による

在宅移行の可能性の検討等の観点から事例を検討する。 原田静香氏のレポート「訪問看護師による退院調整への関

与に関する分析」を題材に検討する。 検討の結果を発表し、教員を交えて討論を行う。

六角 僚子 熊倉みつ子

11 退院支援・調整のケアマネジメント事例分

析②

高校進学と同時に発症した亜急性全脳炎の15歳女性O氏の事例 入院直後から、確定診断後の家族の受容支援と自宅退院

への意思決定の支援、医療・介護の双方向のサービス調整

を要した事例を通して検討する。関係職のネットワーク形

成等を含める。 検討の結果を発表し、教員を交えて討論を行う。

六角 僚子

12 退院支援・調整のケアマネジメント事例分

析③

終末期がん患者と家族を支えるケアマネジメントにつ

いて事例を通して検討する。自らの意思で在宅ホスピスを

選んだ40代男性K氏の闘病生活を通して、終末期がん患

者のケアマネジメントについて検討する。療養者と家族の

在宅療養の意志確認、退院支援、多職種のネットワークの

形成を含む。 検討の結果を発表し、教員を交えて討論を行う。

ゲストスピーカー 角田 直枝

13 ケアマネジメントから考える「地域ケアシ

ステムの構築」①

個別のケアマネジメントに関わる訪問看護師が、地域で

のケアコーディネーションを担当する機関や関係職種と

の連携をシステマティックに行うための方策作りに参加

六角 僚子 種市ひろみ

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することの意義について講義し、個々の在宅療養者と家族

への支援を効果的におこなうためにも地域の全体を考え

る視点の重要性を講義する。

14 ケアマネジメントから考える「地域ケアシ

ステムの構築」②

終末期の在宅療養者と家族を対象とした個別のケアマ

ネジメントの集積から、地域ケアシステムの構築に発展し

た例を紹介する。訪問看護ステーションと地域の在宅診療

医との合同の「在宅看取り学習会」から、地域連携の一環、

在宅看取りの協働体制としての「壬生の会」を立ち上げた

経緯と会の活動成果を紹介し、学生が必要と考える「地域

ケアシステム」について、教員を交えて討論を行い発表す

る。

六角 僚子 種市ひろみ

15

本科目のまとめ あらかじめ、学生が課題レポートを提出し、その内容に

沿って討論を行う。 <抑えるポイント> 1.ケアマネジメントとケースマネジメント 2.ケアコーディネーション ※レポート課題名 「在宅ケアのシステム作りに訪問看護師が果たす役割」

六角 僚子 種市ひろみ

授業外における

学習・時間 制度及び関係職種に関する知識を得るため、以下の参考書を読んでおく。

1コマ

1時間

評価方法 授業への参加度(授業準備・積極性)50%、授業中の取り組みや態度30%、レポート20%

テキスト・参考書

1. 上野千鶴子:ケアの社会学 当事者主権の福祉社会へ,太田出版,2011 2. 六車由実:驚きの介護民俗学,医学書院,2012 3. 田中滋:医療制度改革の国際比較 講座 医療経済・政策学 第6巻,2011 4. 井伊雅子:アジアの医療保障制度,東京大学出版会,2011 5. 大林雅之他編:第8巻 高齢者・難病患者・障害者の医療福祉,丸善出版,2012 6. 今中雄一・大日康史編:第17巻 医療制度・医療政策・医療経済,丸善出版,2013 7. 西村周三監・国立社会保障・人口問題研究所編:地域包括ケアシステム―「住み慣れた地域で老いる」社会をめ

ざして,慶應義塾大学出版会,2013 8. おおた高齢者見守りネットワーク編,澤登久雄,野中久美子著:地域包括ケアに欠かせない多彩な資源が織りな

す地域ネットワークづくり,ライフ出版社,2013 9. 白澤政和:地域のネットワークづくりの方法―地域包括ケアの具体的な展開,中央法規出版,2013

履修上の注意 講義に討論を交えて行う。主体的な取り組みを期待する。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:9時~12時(水曜日)

E-mail:[email protected]にて対応いたします。

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科目名・英名 在宅看護学特論Ⅱ(在宅看護アセスメント) Advanced Lecture of Home Care Nursing Ⅱ

科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 六角僚子、種市ひろみ、板倉朋世(基礎看護学) 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する 教室 受講生との協議により決定する

科目概要

療養者・家族の健康と生活に活用できる理論やモデルを応用して、在宅看護におけるフィジカルアセスメント、家族

アセスメント、生活環境アセスメント、セルフケアアセスメントの実際について修得する。また、在宅療養者・家族に

関わるケアマネジメントの理論と実践について探求する。

授業目的 在宅看護の最新の知見と技術を修得するため、高度なアセスメント能力を身につける。

到達目標

1.在宅療養者・家族の健康と生活に活用できる理論やモデルを応用して、在宅看護におけるフィジカルアセスメント、

家族アセスメント、生活環境アセスメント、セルフケアアセスメントの実際について修得する。 2.在宅療養者・家族に関わるケアマネジメントの理論と実践について探求する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 在宅看護における フィジカルアセスメント ①

・家族アセスメント・生活環境アセスメントとの関連を考慮して行う

在宅看護場面におけるフィジカルアセスメント ・信頼できる確かなフィジカルイグザミネーションとその結果を適切

にアセスメントする能力 ・評価の結果を関係専門職間で共有・活用できるための標準化された

情報と共通言語の意義 ・対象年齢からみた体温と脈拍数のアセスメントと感染徴候の発見 ・褥瘡予防や創傷の改善に結び付ける栄養評価の方法 ・高齢者の腹部聴打診によるイレウス徴候発見と排便コントロール ・呼吸器感染症予防のための効果的な気道吸引につながる呼吸音の聴

取とアセスメント ・安全な経口摂取の可能性を評価する口腔アセスメントと嚥下機能ア

セスメント

板倉 朋世

2 在宅看護における フィジカルアセスメント ②

日常生活雑音のある在宅という環境の中での、呼吸音、心音、腸音

の聴取、腹部触診、光量の少ない民家の中での自然光を利用した浮腫

の有無、皮膚の性状と色、粘膜の性状と色等の観察と、その留意点と

工夫について考える。シミュレーターを使って、学生同士でフィジカ

ルアセスメントの技法を確認する。結果を記述・判断し、報告する。

板倉 朋世

3 在宅看護における フィジカルアセスメント ③

学生グループで以下の課題で討論を行う。 「確実なフィジカルイグザミネーションの結果を適正に判断し、その

判断から導くべき看護について考える」 討議の内容を発表し、指導者を交えて討論を深める。

板倉 朋世

4 家族アセスメント ①

家族看護学の発展と家族を理解するための諸理論の理解のために

以下を学修する。 1.家族とは何か 2.介護家族の状況 3.家族の発達理論、家族システム理論、家族ストレス対処論 4.上記1~3を概観し、以下の4種のモデルについて、その特性に

ついて講義し、家族のアセスメントを実施する ・家族アセスメント・介入モデル(Berke.K.M & Hanson.S.M.H) ・カルガリー家族アセスメントモデル(Wright & Leahey) ・家族生活力量モデル(家族ケア研究会)

・家族看護エンパワーメントモデル(野嶋佐由美)

種市ひろみ

5 家族アセスメント ②

家族内コミュニケーションの諸相

家族危機のアセスメントツールとしての「家族内コミュニケーショ

ン」: 基本的には佐藤悦子氏の「コミュニケーションの一般的枠組み」

(佐藤は水戸幸聖がヘイリーの理論に臨床的見地から改定を加えたコ

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ミュニケ―ションの枠組みを使って分析を行った)を使用して家族の

コミュニケーションの分析を行う。 テキストの豊富な家族の描写から家族のアセスメントを行う。 1対1から、複数家族のコミュニケーションへ拡大させる コミュニケーション分析

コミュニケーションの一般的枠組み コミュニケーションの様式 在宅療養者と家族に関わるケアマネジメントの理論と実践

6 家族アセスメント ③

家族の危機とコミュニケーション 自分の家族を塑像する(演習) 過去・現在・未来の自分の家族を塑像し、家族アセスメントを行う。 家族への幻想、家族への偏見など、自分と家族の真の姿を模索して

みる。

7 生活環境アセスメント ①

寝ている生活からの脱却を目指して、ベッドから身体を移動する目

的(食事、排せつ、清潔、交流等)とそれを達成するための方法を段

階的に考える。 療養室とベッドの位置、手すり、立ち上がり補助具、就床環境での

物品配置、床面、ドア等の設備、それを活用するための運動機能や服

装、履物との関係、移動距離等々を複合的に検討する。

六角 僚子

8 生活環境アセスメント ②

訪問現場における生活環境アセスメントの実際 療養者と家族の在宅療養生活の質の向上につながる生活環境アセ

スメントの意義を講義する。 ゲストスピーカーの尾崎祐一郎氏が、理学療法士としての訪問看護

ステーションでの在宅リハビリテーション実践体験を踏まえて、在宅

療養者の環境を整えることの効果を、豊富な具体例と多様な対応策か

ら講義する。

六角 僚子

ゲストスピーカー

尾崎祐一郎

9 生活環境アセスメント ③

介護保険制度を活用した住宅改修の考え方と実際

福祉住環境コーディネーターの資格と活動

・療養者の生活の質を向上させる生活環境アセスメントの例

・家族の介護疲労を軽減させるための生活環境アセスメントの例

事例をもとにグループ討議を行い、対象の生活環境アセスメントを

行い、改善策を提案するまでの課題を行って、発表する。

10 在宅ケアの目標である

セルフケアアセスメント ①

・アセスメントシートを使用した情報の整理

学生をグループ分けする 自身を一人の成人として、客体視し、セルフケアの観点から分析して

みる。

六角 僚子

11 セルフケアアセスメント ②

分析の結果を発表し、指導者を交えて討議する中で、個人・集団を問

わず、セルフケアは問題解決能力の向上に大きく関与しているという

セルフケアアセスメントの意味を再確認する。

六角 僚子

12 在宅療養者・家族に関わる ケアマネジメントの理論と実践 ①

・池上直己氏のMDS・在宅ケアアセスメントマニュアル ・特定非営利活動法人宮城県ケアマネージャー協会編のアセスメンツ

ールの概要 その意義と使用方法について講義する。

種市ひろみ

13

14

在宅療養者・家族に関わる ケアマネジメントの理論と実践 ②

以下の事例で、宮城県方式を活用したケアアセスメントの方法とプラ

ン作成を行う。 73歳女性、腰部打撲から寝たきりになり、仙骨部に褥瘡を併発した

が、同居家族の介護協力が乏しい事例。要介護3の認定を得ている。

褥瘡対策として訪問看護が導入された。

学生はケアプラン展開例を提示し、教員を含めて討議する。

種市ひろみ

15 本科目のまとめ あらかじめ、学生が課題レポートを提出し、その内容に沿って討論

を行う。

六角 僚子

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<抑えるポイント> 1.在宅フィジカルアセスメント 2.家族アセスメント 3.生活環境アセスメント 4.セルフケアアセスメント 5.在宅療養者・家族に関わるケアマネジメント ※レポート課題名「家族アセスメントを活用した在宅看護の実践」

種市ひろみ

授業外における

学習・時間 療養者本人のアセスメント、本人をとりまく家族や環境のアセスメントについて事前学習する。

1コマ

1時間

評価方法 授業への参加度(授業準備・積極性)50%、授業中の取り組みや態度30%、レポート20%

テキスト・参考書

1. 鈴木和子・渡辺裕子:家族看護学第4版,日本看護協会出版会,2012. 2. 野嶋佐由美:家族エンパワーメント,ヘルス出版,2005. 3. 佐藤悦子:家族内コミュニケーション,勁草書房,1990. 4. 平木典子・柏木惠:家族を生きる: 違いを乗り越えるコミュニケーション,東京大学出版会,2012 5. 平木典子・中釜洋子:家族の心理‐家族への理解を深めるために-,サイエンス社,2006 6. ロレイン・M・ライト&ジャニス・M・ベル,小林奈美・松本和史訳:病の苦悩を和らげる家族システム看護,

日本看護協会出版会,2011 7. 佐藤健一:どうする? 家庭医のための“在宅リハ" (総合診療ブックス),医学書院,2012 8. 服部真理子:服部真理子のケアマネジメント実践法,中央法規出版,2013. 9. 野中猛:図説ケアマネジメント,中央法規,1997. 10. 高村成幸:ケアマネジメントの仕事術,中央法規,2005. 11. 山内豊明:フィジカルアセスメントガイドブック,医学書院,2005. 12. 箭野育子:フィジカルアセスメントと看護ケア,中山書店,2010. 13. 石賀奈津子:フィジカルアセスメントをケアにつなげる,医学書院,2012

履修上の注意 講義に討論を交えて行う。主体的な取り組みを期待する。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:9時~12時(水曜日)

E-mail:[email protected]にて対応いたします。

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科目名・英名 在宅看護学特論Ⅲ(在宅看護援助方法) Advanced Lecture of Home Care Nursing Ⅲ

科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 六角僚子、種市ひろみ、熊倉みつ子、長坂奎英、稲葉典子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 前期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

在宅療養者の看護計画の立案と実践・評価を含めた在宅看護過程を展開する。複雑で多様な課題を持つ療養者やケア

提供者について、在宅療養者の健康と生活に活用できる理論やモデルを応用して、家族、セルフケア、生活環境をアセ

スメントし、倫理的・臨床的判断を総合して、問題解決方法を提案する。

授業目的 高い倫理観に基づいた在宅看護行動を修得するため、関連科目と当該科目の関連性について理解し、調整力を養う。

到達目標

1. 在宅療養者の看護計画の立案と実践・評価を含めた在宅看護過程を展開する。 2. 在宅療養者の健康と生活に活用できる理論やモデルを応用して、家族、セルフケア、生活環境をアセスメントできる。 3. 複雑で多様な課題を持つ療養者やケア提供者について倫理的・臨床的判断を総合して、問題解決方法を提案できる。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 在宅看護過程の基本特性 ①

生活者として対象をとらえ、療養者と家族を併せて1単位の

対象とする。療養者と家族の生活、価値観、希望を優先し、療

養者と家族の力を生かした支援方法を駆使する。 ・幅広い視点での<情報収集>

(家族・セルフケア・生活環境)

・家族アセスメント、セルフケアアセスメント、生活環境アセ

スメントを活用した<課題の明確化> ・家族の総合的な健康維持を目標とする視点と多職種協働と連

携を踏まえた<在宅看護計画立案> ・その時その場で必要なケアを実践する<在宅看護実践> ・法的な根拠と看護の継続性を保ち、看護実践を評価する<記

録と評価>

六角 僚子 種市ひろみ

2 在宅看護過程の基本特性 ②

・セルフケア能力を引き出すための教育的支援 ・在宅療養の場の構造化(ICF) ・対象の障害を構造からみる見方

impairments, activity limitations, participation restrictions

・療養者とケア提供者のストレス認知と評価 ・8つのセルフケアの要件とADL評価 ・生活状況の構造化 (生活関係・生活時間・生活空間・生活習慣) ・介護状況の把握等

3 在宅看護過程の基盤となる基本的知識の確

・在宅看護に関わる関係法 (医療法、介護保険法、健康保険法他) ・在宅看護に関わる関係職種 (医師、歯科医師、薬剤師、PT、OT

社会福祉士、介護福祉士、栄養士、医療機器専門業者、MSW他)

・在宅看護に関わる関係機関 (市町村の保健医療福祉の総合窓口) ・在宅看護に関わる経済的側面 (診療報酬)

4 在宅看護の倫理的課題を考える

訪問看護における倫理的課題について学ぶ意義を確認し、問題

の所在や方向性、対応の原則等について講義する。 ・対象の意思決定を支援する看護と家族による代理意思決定の

支援

熊倉みつ子

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・対象者の権利擁護 (1988年、患者の権利宣言) ・看護者の倫理綱領 (2003年.日本看護協会) ・成年後見制度(2000年) (自己決定の尊重・残存能力の活用・ノーマライゼーションの

3理念) ・高齢者虐待防止法(2006年)の概要 ・情報管理 (対象家族のプライバシーの保持)

5 在宅看護場面における臨床的課題を考える ①

訪問看護における臨床的課題について学ぶ意義を確認し、問題

の所在や方向性、対応の原則等について講義する。 ・多様な病態を複合している療養者の看護における優先度の選

択 ・心身の両面の疾患をもつ療養者の看護の考え方 ・療養生活の制限により教育の確保に問題を生じる在宅小児の

看護 ・終末期に近づいている病態を自覚できない療養者・家族の看

護 ・倫理的・臨床的課題が複合する在宅看護場面の対応策等

熊倉みつ子

6 在宅看護場面における臨床的課題を考える ②

訪問看護における倫理的・臨床的課題について、『訪問看護に

おける倫理的課題とその対応モデル作成に関する研究報告書』

を題材に読み合わせ、グループ討議と発表を行う。 複雑で多様な臨床的判断や倫理的課題をもつ事例を学生に

示し、紙面上で在宅看護過程を実践する。 検討方法としては、問題があると考えたら「判断樹」を作成

し、それに沿って計画を立て実践につなげる。以下の3事例を

検討する。 本時では、事例検討の具体的方法を提示し、今後の事例検討

が効果的に実施できるように調整する。

六角 僚子

種市ひろみ

7・8 事例検討 ①:複雑多様な課題をもつ療養者

やケア提供者の事例

認知症により強い嫉妬妄想があり、同居の妻や娘夫婦に対する

猜疑心が強い70代のCOPDの男性。感染等による呼吸不全に

よる入院を繰り返すが、入院生活には適応できず、当人の強い

帰宅願望により自宅退院し訪問看護を受ける。妻は妄想からの

暴力や暴言に疲弊し、娘夫婦は母を気遣い、暴力行為が孫であ

る子どもたちに及ぶことを恐れながら介護を続けたが、主介護

者の妻が離婚を希望するようになり、当人の施設入所を決意。

入所中に呼吸状態悪化し緊急処置として隣接する医療機関で

気管内挿管・人工呼吸器装着となる。医師より、本人の望む自

宅退院には気管切開によるIPPVをと提案され、代理意思決

定を迫られ悩んでいる事例の看護過程展開を行う。 事例検討後の発表・討議の過程で、倫理的・臨床的判断の意

味を明確にする。 現役訪問看護師であるゲストスピーカーの永井恵子氏が討

論に参加する。

六角 僚子

種市ひろみ

ゲストスピーカー 永井 恵子

9・10 事例検討 ②:複雑で多様な倫理的課題をも

つ事例

『療養者・家族からのセクシャルハラスメントに関する事例』、

もしくは『高齢の療養者に対する虐待が疑われる事例』を学生

が事例提供する。提供された事例のその時点での情報を整理

し、論理的に看護問題を抽出し、ケアプランの立案を行う。 事例検討後の発表・討議の過程で、療養者・介護家族からの

セクシャルハラスメントへの対応の原則と対処方法を明確に

稲葉 典子

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- 246 -

する。この段階で、法的根拠を明確にして、アセスメントの妥

当性、対象者の尊厳を守る配慮、ケアプランの適切性等の視点

から討論する。 教員は学生と共に討論に参加する。

11・12 事例検討 ③:複雑で多様な倫理的課題をも

つ事例と看護過程

『IPPV下で在宅療養中の小児の事例で母子密着状況における

父親と子の兄弟の心理社会的複雑で多様な臨床的判断や倫理

的課題をもつ事例支援』、もしくは『脳血管疾患後遺症による

寝たきり状態の独居高齢者への成年後見制度導入を考えた支

援』等の事例を学生が提供し、本事例への看護過程展開を試み

る。 事例検討後の発表・討議の過程で、療養者・介護家族のもつ

倫理的課題と臨床判断の調整的関わりと、療養者・家族の主体

性を尊重した意志決定を支援するための情報提供や関わり方

について確認する。対応の原則と対処方法を明確にするため

に、教員を交えて討論する。

六角 僚子

13・14 事例検討 ④:複雑で多様な課題を持つ療養

者やケア提供者に関する体験発表

学生が、複雑で多様な臨床的判断や倫理的課題をもつ事例を対

象にした在宅看護体験と対応の実際について、レポートを提出

し、発表する。学生は、前回までの例示と看護過程演習を踏ま

えて、自分の過去の実践例を評価し、アセスメントの妥当性、

実践の過不足や他の対応の可能性等について、教員を交えて討

論する。

長坂 奎英

15 本科目のまとめ

複雑で多様な課題を持つ療養者やケア提供者について、的確な

倫理的・臨床的判断を行い、これを総合して、問題解決方法を

提案し、実施する在宅看護者の役割について確認し、対象を尊

重しながら、冷静で論理的な対応が、改善策につながることを

具体的な例を持って講義する。

六角 僚子

種市ひろみ

授業外における

学習・時間 在宅における倫理的課題について、先行研究から検索し、レポートを作成する。

1コマ

1時間

評価方法 授業への参加度(授業準備・積極性)50%、授業中の取り組みや態度30%、レポート20%

テキスト・参考書

1. 木下由美子:在宅看護論,医歯薬出版,2009 2. 石垣 靖子, 清水 哲郎編:臨床倫理ベーシックレッスン―身近な事例から倫理的問題を学ぶ,日本看護協会出版会,2012 3. サラ T.フライ,片田 範子訳:看護実践の倫理―倫理的意思決定のためのガイド,2010 4. 中山 和弘, 岩本 貴編:患者中心の意思決定支援―納得して決めるためのケア,中央法規出版,2011 5. 石井 トク:看護の倫理学 第2版,丸善;,2007 6. 浜渦辰二・宮脇美保子編:シリーズ生命倫理学 第14巻 看護倫理,丸善出版,2012 7. 甲斐克則・谷田憲俊,笹栗俊之編:安楽死・尊厳死,丸善出版,2012 8. 志自岐康子他:訪問看護における倫理的課題とその対応モデル作成に関する研究,社団法人全国訪問看護事業協会,2012

履修上の注意 講義に事例検討のための討論を交えて行う。積極的な参加と主体的な取り組みを期待する。 質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:9時~12時(水曜日)

E-mail:[email protected]にて対応いたします。

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科目名・英名 在宅看護学特論Ⅳ(医療的ケア・終末期ケア) Advanced Lecture of Home Care Nursing Ⅳ

科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 六角僚子、種市ひろみ、渡辺邦彦 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する 教室 受講生との協議により決定する

科目概要

医療処置の必要な対象には医療機関の包括的支援を基盤として、検査、処置、対症療法、薬物調整などについて、ア

セスメントを実施し、看護を実践できる在宅人工呼吸器療法などに関わる医療機器の操作と管理方法、在宅緩和ケアの

ためのペインコントロールと在宅で終末期を迎える対象の看護等について学ぶ。

授業目的 最新の知見と技術を修得するため、高度な医療的ケア、終末期ケアを理解する。

到達目標

1.医療処置の必要な対象には医療機関の包括的支援を基盤として、検査、処置、対症療法、薬物調整などについて、

アセスメントを実施し、看護を実践できる。 2.在宅人工呼吸器療法などに関わる医療機器の操作と管理方法に習熟し、療養者・家族の指導ができる。 3.在宅緩和ケアのためのペインコントロールと在宅で終末期を迎える対象と介護家族への具体的な支援方法を学ぶ。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 在宅における医療処置の現状 ①

わが国における在宅医療の中の医療処置の現状を把握

する。(医療処置の数と内容) ・医療処置に対する看護の目標 ・療養者・家族の支援教育のポイント

六角 僚子 種市ひろみ

2 在宅における医療処置の現状 ②

・在宅医療に関わる診療報酬と介護報酬 ・居宅での療養に関わる診療報酬と介護報酬

3 1)医療処置に対する看護の目標 2)支援・教育のポイント

療養者と家族の医療処置の受容を支援する、生活の中に

医療処置をとりいれる工夫、厳守すべき事項の確認と指

導の具体策 次の医療処置に関わる療養者と家族指導の実際 褥創ケア、在宅経管栄養法、間欠的導尿及び尿道留置カ

テーテル管理、在宅人工呼吸療法、在宅中心静脈栄養法、

在宅酸素、検査(末梢血酸素飽和度、血糖値、培養のた

めの検体採取)疾病管理、薬物調整、看取りの看護

ゲストスピーカー

高瀬 義昌

4

在宅における医療処置の現状 ③ <在宅における褥創ケア①>

在宅診療医としての経験から、ポケットの切開や、不良

肉芽の切除、デブリードメント等、在宅療養者の褥創の

医療的処置の具体的方法を教授し、訪問看護師が行う褥

創ケアに結び付ける。

ゲストスピーカー

高瀬 義昌

5 <在宅における褥創ケア②> 褥創ケアの実際について教授し、栄養補給の工夫、褥創

部の洗浄と保清、被覆材の工夫、摩擦軽減のための工夫

等の具体策を事例と共に教授する。

六角 僚子 種市ひろみ

6 <在宅人工呼吸器に関わる手技①>(実習室

にて)

・人工呼吸器の操作と管理方法 ・必要物品の供給と保管 ・呼吸評価のための、肺音聴取、酸素飽和度の測定、そ

の他の観察項目

ゲストスピーカー

高瀬 義昌

7 <在宅人工呼吸器に関わる手技②> ・人工呼吸器装着に伴う困りごと ・療養者と家族への指導、その他 ・関係業者との連絡調整

六角 僚子

種市ひろみ

8-9

<人工呼吸器装着に伴う 倫理的課題>

人工呼吸器装着に伴う倫理的課題について調べ、発表・

討論する。

10 <終末期のケア>

ペインコントロールについて ①

担当講師は、在宅ホスピス医としての豊富な経験と学識

経験から、薬物療法と生活支援について講義する。 ・がん性疼痛コントロールの基本的な考え方 ・疼痛のアセスメントと除痛の評価の方法 ・鎮痛剤投与の方法(内服、経皮吸収、座剤、注射)

渡辺 邦彦

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11 <終末期のケア>

ペインコントロールについて ②

・基本処方とレスキュードーズの考え方 ・オピオイドの副作用と観察ポイントと対応について ・在宅ホスピスにおけるペインコントロール実践例

12-14 <終末期の看護>

・終末期を迎える場に関する意思決定への支援 ・在宅における療養環境調整 ・マンパワーの確保と協力体制の確立 ・QOLの追求 ・緩和ケアの実際 ・グリーフケア

ゲストスピーカー

秋山 正子

15 まとめ 在宅医療の本来の意義について、討論する

六角 僚子 種市ひろみ

授業外における

学習・時間 在宅の医療処置に関する課題を先行研究から学び、レポートを作成する。 1コマ

1時間

評価方法 授業への参加度(授業準備・積極性)50%、授業中の取り組みや態度30%、レポート20%

テキスト・参考書

1. 川人 明:医学管理の完全解説 2012ー13年版―診療報酬点数表、医学通信社、2012 2. 栗林令子監修:訪問診療・訪問看護のための在宅診療報酬Q&A医学通信社; 第10版、2012 3. 日本訪問看護財団編:訪問看護お悩み相談室 平成24年改定対応版―報酬・制度・実践のはてなを解決、中央法規出版、

2012 4. 川村佐和子:在宅療養支援のための医療処置管理看護プロトコール、日本看護協会出版会、2010 5. 岡崎美智子・正野 逸子編:根拠がわかる 在宅看護技術 第2版、メヂカルフレンド社、2010 6. 角田直枝編:在宅看護技術マスターQ&A―実践できる皮膚ケア・栄養ケアマネジメント・呼吸ケア、学研メディカル秀

潤社、2010 7. 真田弘美・宮地良樹:NEW褥瘡のすべてがわかる、永井書店、2012 8. 大浦武彦:創を立体的にとらえ チームでなおす褥瘡ケア‐あなたが行う体位変換は褥瘡を悪化させていないか、中山

書店、2011 9. 小長谷百絵・川口有美子:在宅人工呼吸器ポケットマニュアル 暮らしと支援の実際、医歯薬出版株式会社、2009 10. 露木菜緒:使いこなし人工呼吸器 初めての人が達人になれる、南江堂、2012 11. 岡田晋吾・三鬼達人:半固形化栄養法ガイドブック PEGからNGチューブまでできる、メディカ出版2012 12. 田中 マキ子・下元佳子:在宅ケアに活かせる褥瘡予防のためのポジショニング―やさしい動きと姿勢のつくり方、中山

書店、2009 13. 露木菜緒:使いこなし人工呼吸器 初めての人が達人になれる、南江堂、2012 14. HAICS研究会PICSプロジェクト:訪問看護師のための在宅感染予防テキスト―現場で役立つケア実践ナビ、メディカ

出版、2008 15. 押川 眞喜子・坂本 史衣:これだけは知っておきたい!在宅での感染対策―訪問看護のための基本と実践、日本看護協会

出版会、2008 履修上の注意 講義に討論を交えて行う。主体的な取り組みを期待する。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:9時~12時(水曜日)

E-mail:[email protected]にて対応いたします。

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科目名・英名 在宅看護学特論Ⅴ(訪問看護ステーション等の管理・運営)

Advanced Lecture of Home Care Nursing Ⅴ 科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 六角僚子、種市ひろみ、鮎沢みどり、小野澤幸子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 後期

授業形態 講義 曜日時限 受講生との協議により決定する 教室 受講生との協議により決定する

科目概要 在宅ケア事業所の開設、効果的な管理・運営についての具体的方策および経営戦略について探求する。在宅ケアの質

の評価のための方法の検討、改善策について検討する。

授業目的 総合的に看護ケアをマネジメントし、多職者との連携を調整する管理能力を養うため、関連科目を統合し、当該科目

を理解する。

到達目標 1.在宅ケア事業所の開設、効果的な管理・運営についての具体的方策および経営戦略について探求する。 2.在宅ケアの質の評価のための方法の検討、改善策について検討する。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 訪問看護ステーションの管理・運営①

現役の訪問看護ステーション管理者である講師の訪問看

護ステーションの設立時の体験、管理・運営の具体的な方

法、スタッフのモチベーションの維持、ケアの質の保障と

教育的関わりの実際例を講義する。 ・訪問看護ステーションの運営に関する法律・制度 ・訪問看護ステーションの経営方略

鮎沢みどり

2 訪問看護ステーションの管理・運営② ・訪問看護ステーションの効率的な管理・運営 ・訪問看護ステーションの運営に関する課題と今後につい

3 訪問看護ステーションの管理・運営③ ・訪問看護スタッフを対象とする教育指導の実際 ・訪問看護の質の保障のための対策について

4 在宅ケアの質の評価 ①

・ゲストスピーカーが、自身の訪問看 護事業所立ち上げの体験や、現職の第三者評価機関『メ

イアイヘルプユウ』の活動体験から、在宅ケアの質評価

のあり方と改善のための具体例を講義・質の評価のため

の検討・改善策の必要性

六角 僚子

ゲストスピーカー

葭田美知子

5 在宅ケアの質の評価 ② ・在宅ケアの質評価の尺度 ・訪問看護ステーションの質評価の実際

6 訪問看護ステーションにおけるケアの効

果と評価 ①

ケアの質評価とケアの効果を高めるための方略等の検討、

研究的手法を活用し探求していく グループ分けをして、質評価や方略の検討など文献を探し

ながら検討し、発表する。

六角 僚子

種市ひろみ

小野澤幸子

7

訪問看護ステーションにおけるケアの効

果と評価 ②

・在宅看護の研究の動向 ・訪問看護ステーションに関する研究 ・質改善に向けての研究

8 訪問看護ステーションにおけるケアの効

果と評価 ③ ・ケアの質を高めるための取り組み

六角 僚子

種市ひろみ

ゲストスピーカー

小泉 未央 9 訪問看護ステーションにおけるケアの効

果と評価 ④ ・発表後、教員を交えて討論する。

10・11 訪問看護ステーションの運営に関わる課

題 ①

訪問看護ステーションの管理運営に関する市販の冊子

を収集し、現実の管理運営に関する問題点と未来に向けて

の課題について討論を行う。

六角 僚子

種市ひろみ

12 訪問看護ステーションの運営に関わる課

題 ② 発表と相互評価 六角 僚子

種市ひろみ

13-15

訪問看護ステーションにおける人材の育

成 本科目のまとめ

・自分たちの仲間を育てる人材育成に、どういう形で参画

できるのかを討論する。 ・他機関・多職種とのかかわりについて討論し、ネットワ

六角 僚子

種市ひろみ

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ークの構築について考える。 授業外における

学習・時間 看護管理に関する文献から、各単元の主題に基づいてレポートを作成する。

1コマ

1時間

評価方法 授業への参加度(授業準備・積極性)50%、授業中の取り組みや態度30%、レポート20%

テキスト・参考書

1. 全国訪問看護事業協会編:訪問看護実務相談Q&A〈平成24年度改定版〉中央法規出版,2012 2. 日本訪問看護財団著:訪問看護ステーション開設・運営・評価マニュアル,日本看護協会出版会,2012 3. 一般社団法人全国訪問看護事業協会(監):看護の事業所開設ガイドQ&A,日本看護協会出版会,2012

履修上の注意 講義に討論を交えて行う。主体的な取り組みを期待する。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:9時~12時(水曜日)

E-mail:[email protected]にて対応いたします。

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科目名・英名 在宅看護学演習Ⅰ(医療的ケアに関する看護) Seminar on Home Care Nursing Ⅰ

科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 六角僚子、種市ひろみ、小野澤幸子 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 通年

授業形態 演習 曜日時限 受講生との協議により決定する 教室 受講生との協議により決定する

科目概要

在宅神経難病事例を用いた演習を主体とする。呼吸、栄養、排泄、コミュニケーション等の身体機能の低下を、医療

機器を活用して生きる事例を通して、疾病の受容と療養方針の決定の支援、医療機関から在宅への移行期の支援、在宅

療養開始時の支援、継続期の支援等療養者・家族への支援を検討する。

授業目的 最新の知見と技術を修得するため、在宅神経難病等に対する質の高い看護を理解する。

到達目標

1.在宅神経難病等の療養者と家族への援助の方法を、疾病の受容と療養方針の決定の支援、医療機関から在宅への移

行期の支援、在宅療養開始時の支援、継続期に分けて系統的に理解する。 2.身体機能の低下を補うために医療機器を活用して療養する事例の呼吸、栄養、排泄、コミュニケーション等の援助

の方法を療養者と家族の生活を援助する方法を探求する。 方法:演習は基本的に下記のように行う。

教員による課題提示⇒学生は課題に沿って学習を深める。(例えば、文献検索、論文クリティーク等)⇒学生に

よるプレゼンテーションと話題提供⇒討論で課題を深める。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1-4 在宅看護における神経難病の看護

・文献検索 ・現在の神経難病の医療と看護について調べる。 ・神経難病患者が在宅療養を継続するための課題との問題点 例:病院での死が大多数を占めるわが国の現状、在宅死の希

望が強いが現実は病院・診療所の死が8割以上の現状等に

ついて整理する。 近年の特徴として、人口動態、一人暮らしの増加等につい

て整理する。 ・発表と討論を組み合わせて展開する。 ・神経難病の中でもALSに焦点を当てる。 ・ALSに関する知見を発表して共有する。

六角 僚子

種市ひろみ

5-6 人工呼吸器等の医療機器を装着して在宅療

養をしている方と家族への看護の実際

・在宅で気管切開し、人工呼吸器療法を受ける対象を支援す

る専門職、非専門職のネットワークと訪問看護師の役割

・病態に応じたコミュニケーション手段の確立の援助

・日々の人工呼吸器の管理と観察事項、業者との連携ポイン

・気道の清浄化のためのケア(加湿・吸引等)と感染防止

・気管切開部の保護と処置(医療者の処置と家族の処置)

・栄養評価と栄養摂取の援助

・身体の保清と排せつの援助

・その人らしい生活と生き甲斐への援助

・介護家族のレスパイト

六角 僚子

種市ひろみ

7-8 ポートを使用して高カロリー輸液療法を受

ける方と家族への看護の実際

・主治医、入院病棟や外来看護職との密な連携

・安全な高カロリー輸液療法のための観察と家族指導

・食べる楽しみの喪失に対する援助

9-12 闘病経過からみるALSの看護

(事例から) 呼吸・栄養・排せつ・コミュニケーション等身体機能の低

下を、機器を活用して生きる事例を通し、① 疾病の受容と療

養方針の決定、② 医療機関から在宅への移行期の支援、③ 在宅療養開始時の支援、④ 継続期の支援について整理し、発表

する。

六角 僚子

種市ひろみ

小野澤幸子

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13-14 神経難病看護における行政の保健師の役割 保健所での難病支援担当経験を持つ保健師がゲストスピーカ

ーとして、保健所保健師の行う神経難病対応の実際について

講義する。

六角 僚子

種市ひろみ ゲストスピーカー

難病支援担当経

験を持つ保健師

15-22 県難病支援センターの活動と行政の保健師

の活動の実際(1)

ゲストスピーカーは、難病相談支援センターでの経験から、

学生の以下の活動への参加を調整する。 また、ゲストスピーカーは、学生の体験後の討論に教員と共

に参加し、助言を行う。 ・神経難病患者家族相談会への参加(15・16・17・18回分) ・在宅療養者宅への同行訪問 (19・20・21・22回分) (療養者と家族の現状を見せてもらう、医療者へ期待するも

のについてインタビューする。)

六角 僚子

23 県難病支援センターの活動と行政の保健師

の活動の実際(2)

ゲストスピーカーは、難病相談支援センターでの経験から、

学生の以下の活動への参加を調整する。 また、ゲストスピーカーは、学生の体験後の討論に教員と共

に参加し、助言を行う。

六角 僚子

ゲストスピーカー 難病支援担当経

験を持つ保健師

24 県難病支援センターの活動と行政の保健師

の活動のまとめ

患者家族相談会、保健所保健師と行う患者宅への同行訪問等

の体験を整理して発表し、ゲストスピーカーを交えて討論を

行う。

六角 僚子

種市ひろみ

25-26 ALS患者会の成立と活動実績 (栃木県の例)

ゲストスピーカーは、ALS患者会の県支部の会長の立場か

ら、神経難病と診断された当事者と家族にとって、患者会の

意味するものは何かを講義し、家族が中心となって活動する

患者会の実際と、会の活動指針をこれまでの実践を通して講

義する。また、今後の患者会活動の展望について講義する。

六角 僚子 種市ひろみ

ゲストスピーカー

渡辺 敏久

27-28 県難病団体連絡協議会と患者会の活動

ゲストスピーカーが県難病団体連絡協議会会長としての10

年にわたる活動体験を踏まえて、難病団体を統括する立場か

ら、患者会・家族会等のあり方と、患者会の活動の意味する

ものと医療機関・在宅の看護職に求めたいことは何かを講義

し、最後に、講師と学生で、討論の機会を設ける。

六角 僚子 種市ひろみ

ゲストスピーカー

玉木 朝子

29・30 まとめ 学生が、神経難病対策の状況と課題についてまとめて、発表

する。 六角 僚子

種市ひろみ 授業外における

学習・時間 患者会等の催しに参加して、セルフヘルプグループの実際的活動を体験する。

1コマ

1時間

評価方法 授業への参加度(授業準備・積極性)50%、授業中の取り組みや態度30%、レポート20%

テキスト・参考書

1. 中島孝:ALSマニュアル決定版,日本プランニングセンター,2009 2. 川口有美子:逝かない身体―ALS的日常を生きる,医学書院,2009 3. 日本ALS協会編:新ALSケアブック―筋萎縮性側索硬化症療養の手引き,川島書店,2013 4. 日本リハビリテーション工学学会:小児から高齢者までの姿勢保持―工学的視点を臨床に生かす― 第2版,

医学書院,2013 5. 立石真也:ALS不動の体と息する器械,医学書院,2008

履修上の注意 患者と家族のための相談会等への参加を含めて、展開する。

現地では主催者や参加者への配慮を留意し積極的に取り組むことを期待したい。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:9時~12時(水曜日)

E-mail:[email protected]にて対応いたします。

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科目名・英名 在宅看護学演習Ⅱ(終末期ケアに関する看護) Seminar on Home Care Nursing Ⅱ

科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 六角僚子、種市ひろみ、山口重樹、岸田さなえ 必修・選択 選択 開講年次 1年次

開講学期 通年

授業形態 演習 曜日時限 受講生との協議により決定する 教室 受講生との協議により決定する

科目概要

在宅終末期ケアの実践事例を用いた演習を主体とする。終末期を自宅で迎えるため本人と家族の意思決定、在宅での

療養環境の準備、療養者と家族をサポートするマンパワーの確保と協働体制の確立、対象のQOLの追求、緩和ケアの

実際、臨終期のケア、グリーフケアまでの各期の的確なニーズの把握とケア実施の方法を検討する。

授業目的 在宅看護の最新の知見と技術を修得するため、高度な終末期看護を学ぶ。

到達目標

1.在宅終末期ケアの実践事例を用いた演習において、療養者と家族の意志や生活スタイル、価値観を尊重した看護援

助について考えることができる。 2.終末期を自宅で迎えるため、本人と家族の意思決定、在宅での療養環境の準備、サポートするマンパワーの確保と

協働体制の確立、対象のQOLの追求、緩和ケアペインコントロールの実際、臨終期のケア、グリーフケアまでの

各期の看護を検討する。 方法:演習は基本的に下記のように行う。

教員による課題提示⇒学生は課題に沿って学習を深める(例えば、文献検索、論文クリティーク等)⇒プレゼン

テーションと話題提供⇒討論で課題を深める。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1・2 近年のがんの特徴とがんの治療 (ペインコントロールを含む)

大学病院における先進的がん治療の動向と、ペイン

外来を主催する麻酔科学教授としての識見から、転

移・再発例におけるペインコントロールの実践例とそ

の知見、ペインコントロールによるQOL向上の実践

例について講義する。 ・学生の体験を踏まえて、ペインコントロールについ

て討論する。

山口 重樹

3・4 がん患者の在宅療養移行への支援、(CNSの立

場から)

実践例を中心に、がん患者の在宅移行期の看護につ

いて、的確なケアニーズの把握、ケア実践の方法、

QOLの向上と家族へのサポートに関するケアについ

て講義する。 ・学生の体験を基盤に討論する。

岸田さなえ

5・6 在宅医療における薬剤師の機能と 役割

ゲストスピーカーは、株式会社メヂィカルグリーンの

創設者である薬剤師の立場から、がん患者の服薬管

理、経口抗がん薬や鎮痛・鎮静剤の調剤と服薬指導の

経験から、在宅医療における薬剤師の機能と役割につ

いて、また、在宅がん患者の薬物療法の基本を講義す

る。 ・在宅薬物療法で訪問看護師に期待されるものについ

て、討論する。

六角 僚子

種市ひろみ

ゲストスピーカー

大澤 光司

7-9 終末期ケアに関する看護 課題演習 ①

「終末期を自宅で迎えるための本人と家族の意思決

定」 「在宅での療養環境の準備」 課題提示⇒課題に沿って学習を深める⇒プレゼンテ

ーションと話題提供⇒討論

六角 僚子

種市ひろみ

10 発表と討論

11-13 終末期ケアに関する看護 課題演習 ②

「サポートするマンパワーの確保と協働体制の確立」 課題提示⇒課題に沿って学習を深める⇒プレゼンテ

ーションと話題提供⇒討論

14 発表と討論 15-17 終末期ケアに関する看護 「対象のQOLの追求と緩和ケアの実際」

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課題演習 ③ 「家族を看取るということの意味、臨終を迎える家族

支援」 課題提示⇒課題に沿って学習を深める⇒プレゼンテ

ーションと話題提供⇒討論

18 発表と討論

19-21 終末期ケアに関する看護 課題演習 ④

「臨終期のケアとグリーフケア」 課題提示⇒課題に沿って学習を深める⇒プレゼンテ

ーションと話題提供⇒討論 22 発表と討論

23-29

事例からみる在宅ホスピスケア 41歳女性、乳がん

子どもと共に過ごす時間を得たいと自宅退

退院調整、退院前の事前家庭訪問、本人と家族の意思

決定、療養環境の整備(病室の整備やマンパワー、症

状に対する看護、サポートのマンパワー(ボランティ

アを含む)、QOLの追求、夫との関係、母親として

の役割、緩和ケア、ペインコントロール、終末期ケア、

グリーフケアまで)等、討論し、まとめる。

六角 僚子

種市ひろみ

30 本科目のまとめ 在宅療養者と家族を対象とした終末期ケアの展望

六角 僚子

種市ひろみ

授業外における

学習・時間 必要時、学外の研修会・研究会への参加をすすめ、学内での討議につなげる。

1コマ

1時間

評価方法 授業への参加度(授業準備・積極性)50%、授業中の取り組みや態度30%、レポート20%

テキスト・参考書

1. 野嶋佐由美・渡辺裕子編:家族看護選書 第5巻 終末期の家族看護・グリーフケア,日本看護協会出版会,2012 2. 広瀬 寛子:悲嘆とグリーフケア,医学書院,2011 3. 宮林幸江・関本昭治:はじめて学ぶグリーフケア,日本看護協会出版会,2012 4. 高橋聡美:グリーフケア ―死別による悲嘆の援助,メヂカルフレンド社,2012 5. 小此木啓吾:対象喪失―悲しむということ,中公新書,1979 6. Robert Twycross (著)トワイクロス先生のがん緩和ケア処方薬: 薬効・薬理と薬の使い方,医学書院,2013 7. 安藤泰至・高橋都編:第4巻 終末期医療 The Japanese Bioethics Series,丸善出版,2012 8. 佐藤智:在宅がん緩和治療ハンドブック―かかりつけ医訪問看護師薬剤師のための 在宅チームのためのお役立ち

ノウハウ集,メディカ出版,2009 9. 余宮きのみ:ここが知りたかった緩和ケア,南江堂,2011 10. 日本薬剤師会編:在宅医療の基礎知識,薬事日報社,2009 11. (株)コムファ在宅推進委員会編:薬局薬剤師における在宅業務マニュアル,北海道医薬総合研究所,2012 12. 宇都宮宏子編:退院支援・退院調整ステップアップQ&A―実践者からの知恵とコツ,日本看護協会出版会,2012 13. 全国訪問看護事業協会・篠田道子編:ナースのための退院調整―院内チームと地域連携のシステムづくり,日本

看護協会出版会,2012 14. Jerome Groopman MD,Pamela Hartzband MD 著,堀内 志奈訳:決められない患者たち,医学書院,2013 15. 中山和弘,岩本貴編:患者中心の意思決定支援―納得して決めるためのケア,中央法規出版,2011

履修上の注意 実践事例を中心に、事例展開を行う。

事前学習を十分に行い積極的な活動を期待する。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

オフィスアワー:9時~12時(水曜日)

E-mail:[email protected]にて対応いたします。

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科目名・英名 在宅看護学実習Ⅰ(退院支援・調整と在宅チーム医療) Home Care Nursing Practicum Ⅰ

科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 種市ひろみ、六角僚子 必修・選択 選択 開講年次 2年次

開講学期 前期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する 教室 受講生との協議により決定する

科目概要

この実習では、在宅看護実践の開始前に関わる医療機関の退院支援・調整部門で実習する。これにより、在宅看護を

必要とする療養者・家族への支援を系統的、包括的にとらえるための視点を養う。尚、本実習では、CNS が備えるべ

き6つの能力のうち、他職種との「連携調整」を中心に「相談」・「倫理的問題の調整」等の分野について学習する。

授業目的 多職者の中で退院支援に関する専門的な役割を修得するため当該科目を通し、専門性を高める。

到達目標

1. 患者・家族を対象とする退院支援・在宅移行準備の実際を体験し、その後の在宅看護の実践までを系統的に理解す

る。 2. 在宅療養支援と退院支援のための法制度とその活用の実際を学ぶ。 3. 在宅療養開始に至るまでの患者・家族の戸惑いや心理的葛藤を知り、対象への働き掛けや心理的な支援について

学ぶ。 4. 医療的ケアを要する事例や終末期ケアを要する事例の退院支援・在宅移行支援を体験し、地域の在宅チーム医療

の一員として連携の実際を学ぶ。

実習施設 獨協医科大学病院 地域医療連携センター 退院支援室

獨協医科大学日光医療センター 地域連携医療部 退院支援部門

実習期間 1年次、5月中旬から2週間

実習内容

1. 事前に実習計画を立案し、実習施設の指導者に相談して調整し、実習計画を完成させて、実習に臨む。 2. 医療機関の退院支援・調整部門の実習では、指導者と共に、調整依頼のあった事例の面接に参加し、関係機関へ

の連絡や退院調整会議の招集と実施、その後の退院準備への関わり、退院前訪問等に参加する。 3. 退院支援・調整事例で引き続き同一医療機関から退院後の訪問看護を受ける事例を選択し、訪問看護に参加する

ことで、退院支援・調整と在宅療養、在宅看護の実際を系統的に学習する。 4. 退院調整事例を訪問看護実践する中で、地域の在宅チーム医療の一員として連携・協働のための実際的役割を体

験から学ぶ。 5. 実習初期には、指導者とともに、病室訪問や退院前訪問等に参加するが、後半は、指導者の許可を得て主体的に

単独での病室訪問や退院前訪問を行う。 6. 学生は実習中、指導者とディスカッションする時間をもち、当日の体験を整理し、専門看護師としての知識や技

術の構築に役立てる。 授業外における

学習・時間 退院支援に関するレポートを作成する。

実習期間中

60分~90分

評価方法 実習の事前準備の段階から、実習計画の作成(15%)実習態度(10%)実習成果の発表(15%)

実習目標の達成度(60%)を目安として実習終了までの全過程を通じて形成評価とする。

テキスト・参考書

1. 佐藤智他編:明日の在宅医療2巻在宅医療の諸相と方法,中央法規,2008. 2. 佐藤智他編:明日の在宅医療3巻在宅での看取りと緩和ケア,中央法規,2008. 3. 佐藤智他編:明日の在宅医療5巻在宅医療・訪問看護と地域連携,中央法規,2008. 4. 渡部律子:気づきの事例検討会,中央法規,2009. 5. 宇都宮宏子編:退院支援・退院調整ステップアップQ&A―実践者からの知恵とコツ,日本看護協会出版会,2012 6. 全国訪問看護事業協会・篠田道子編:ナースのための退院調整―院内チームと地域連携のシステムづくり,日本

看護協会出版会,2012 7. 宇都宮宏子:退院支援実践ナビ,医学書院,2011

履修上の注意 実習指導者と共に行動しながらも実習への取り組みは主体的に進める。

学修を深めるための討論を積極的に活用にしてほしい。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

E-mail [email protected]

オフィスアワー:水曜日11:00~12:00

研究室:4階 研究室15 にて対応いたします。

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科目名・英名 在宅看護学実習Ⅱ(専門看護師の機能と役割 ①) Home Care Nursing Practicum Ⅱ

科目区分 専門科目 単位数 3単位

教員名 種市ひろみ、六角僚子 必修・選択 選択 開講年次 2年次

開講学期 前期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する 教室 受講生との協議により決定する

科目概要

医療的ケアを要する事例を1例以上受け持ち、退院準備期から在宅療養導入期、安定期の各期を通して看護過程を展

開し、看護実践を行う。

本実習では、CNSが備えるべき6つの能力のうち、「卓越した実践能力」と「連携調整」、「倫理的問題の調整」を中

心に、「教育」や「相談」の機能、「研究」的視座を持って看護実践を評価するための方法について学習する。

授業目的 高い倫理観に基づいた看護行動、課題に対する調整能力を修得するため、高度なCNSの役割を理解する。

到達目標

本実習では、原則として、実習指導者を専門看護師のモデルとして、学生は実習指導者とともに行動し看護活動を展

開する。

1. 医療的ケアに関する看護を必要とする在宅療養者とその家族の現状を見極め、関連する専門知識や理論に基づい

てアセスメントでき、必要な看護ケアを実践できる。

2. 受持ち事例を含む複数の看護実践を通して、在宅療養支援に関わる関係職との効果的な連携を考え、実践できる。

3. 訪問看護の実践上の課題を明確にし、在宅療養者とその家族への看護ケアの質を高める専門看護師の役割につい

て考える。

実習施設 よどきり医療と介護のまちづくり株式会社 よどきり訪問看護ステーション

医療法人社団友志会 訪問看護ステーション たんぽぽ

実習期間 2年次、4月から3週間

実習方法

1. 事前に実習計画を立案し、実習施設の指導者に相談して調整し、実習計画を完成させて、実習に臨む。

2. 医療的ケアを必要とする事例を中心に、サービス提供者間の連携調整が必要な事例、倫理的な問題の調整が必要

な事例などの複数の在宅療養者への訪問看護に参加する。

3. 医療的ケアを必要とする事例を1例以上受け持ち、看護過程を展開し援助の実際を包括的・体験的に学ぶ。

4. 実習指導者による「実践」「教育」「相談」「連携調整」「倫理的問題の調整」「研究」活動へ参加する。

5. 第1週目は、基本的には、指導者をモデルとして、指導者と共に行動し、第2週目以降は、計画を立て指導者の

許可を得て、学生が主体的に行動する。

6. 実習中は、毎日、指導者・教員とディスカッションの時間をもち、体験を整理し、CNS に求められる看護活動の

意味を明確にして学習をまとめる。

※ 実習計画の立案、調整については、実習要項を参照する。

授業外における

学習・時間 在宅における医療ケアの課題について、先行研究よりレポートを作成する。

実習期間中

60分~90分

評価方法 実習の事前準備の段階から、実習計画の作成(15%)実習態度(10%)実習成果の発表(15%)実習目標の達成度(60%)

を目安として実習終了までの全過程を通じて形成評価とする

テキスト・参考書

1. 全国訪問看護事業協会編:訪問看護実務相談Q&A〈平成24年度改定版〉,中央法規出版,2012 2. 日本訪問看護財団著:訪問看護ステーション開設・運営・評価マニュアル,日本看護協会出版会,2012 3. 一般社団法人全国訪問看護事業協会(監):看護の事業所開設ガイドQ&A,日本看護協会出版会,2012

履修上の注意 実習指導者と共に行動しながらも実習への取り組みは主体的に進める。

学修を深めるための討論を積極的に活用にしてほしい。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

E-mail [email protected]

オフィスアワー:水曜日11:00~12:00

研究室:4階 研究室15 にて対応いたします。

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科目名・英名 在宅看護学実習Ⅲ(専門看護師の機能と役割 ②) Home Care Nursing Practicum Ⅲ

科目区分 専門科目 単位数 3単位

教員名 種市ひろみ、六角僚子 必修・選択 選択 開講年次 2年次

開講学期 後期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

ここでは、前期に修了した在宅看護学実習Ⅰ・Ⅱで学んだ内容を生かし、終末期ケアに関する看護(緩和ケアを含む)

を必要とする在宅療養者とその家族を受持ち、在宅看護過程の質をさらに深めて実践する。

また、CNSの共通目的の「実践」「教育」「相談」「連携調整」「倫理的問題の調整」「研究」の内容を実地の事業、他

機関・他職種との連携等、具体的な実習内容に落とし込んで看護の質を高めていく。

授業目的 高い倫理観を持ち、看護現象を科学的に分析・評価をするため、受け持ち終末期療養者の看護を通して、教育的役割

や研究能力を高める。

到達目標

1. 本実習にあたり、在宅看護学実習Ⅰ・Ⅱでの学びを整理して、実習Ⅲとの関連を明確にして実習に臨む。

2. 終末期ケアに関する看護(緩和ケアを含む)を必要とする在宅療養者とその家族の看護を、退院準備期から、導

入期、終末期、グリーフケアまでの過程を通して、在宅療養の現状を見極め、関連する専門知識や理論に基づき

必要な看護ケアをアセスメントできる。

3. 終末期在宅療養支援のネットワークの活動や在宅ホスピスの訪問診療に参加し、多職種連携の実際を体験的に学

び、今後の方向性と課題を考える。

4. 専門看護師の共通目的の「実践」「教育」「相談」「連携調整」「倫理的問題の調整」「研究」を学ぶ機会を意図的に

盛り込んだ実習計画を作成できる。

実習施設 よどきり医療と介護のまちづくり株式会社 よどきり訪問看護ステーション

医療法人社団友志会 訪問看護ステーション たんぽぽ

実習期間 2年次、10月初旬から3週間

実習内容

1. 事前に実習計画を立案し、実習施設の指導者に相談して調整し、実習計画を完成させて、実習に臨む。

2. 終末期ケアを必要とする在宅療養者とその家族を1事例以上受け持ち、主体的に訪問看護を展開する。

3. 専門看護師の卓越した6つの能力の展開:

訪問看護の実践場面や、訪問看護ステーションのスタッフへの相談及び教育、他職種・他施設との連携、倫理的

問題の調整、研究活動に関することなどを実習指導者に相談し、実習日程に組み込む。

これらは指導者と協議の上で行う。

6つの能力の詳細については別紙(実習直前オリエンテーション)参照

4. 在宅終末期医療を担当する地域の診療所や在宅ホスピスにおいて、訪問診療に同行し、在宅療養支援チームの活

動とその連携を看護の視点から体験的に学修する。

5. 在宅終末期医療を考える「壬生の会」の定例会に参加し、訪問看護と訪問診療、訪問介護等のネットワークの実

際について学ぶ。

6. 学生は実習中、指導者とディスカッションする機会を持ち、当日学んだ6つの項目の具体的内容を提示し、指導

者の助言を得る。

※実習計画の立案、調整については、実習要項を参照する。

授業外における

学習・時間 実習期間中記録のまとめ

実習期間中

60~90分

評価方法 実習の事前準備の段階から、実習計画の作成(15%)実習態度(10%)実習成果の発表(15%)

実習目標の達成度(60%)を目安として実習終了までの全過程を通じて形成評価とする。

テキスト・参考書

1. 日本訪問看護財団:訪問看護ステーション開設・運営・評価マニュアル,日本看護協会出版会,2012 2. 一般社団法人全国訪問看護事業協会(監):看護の事業所開設ガイドQ&A、日本看護協会出版会,2012 3. 渡辺邦彦:栃木発、「待ったなし!」在宅緩和医療 日本初の「ホスピスカー」が誕生するまで,文芸社,2010 4. 渡辺邦彦:自分らしく生ききるために 進行がんの患者さんを支える,文芸社,2009

履修上の注意 主体的に実習をすすめ、連携促進のための企画や教育や研究の企画運営等にも積極的に参加することで、体験を深める

ことを期待する。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

E-mail [email protected]

オフィスアワー:水曜日11:00~12:00

研究室:4階 研究室15 にて対応いたします。

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科目名・英名 在宅看護学実習Ⅳ(訪問看護ステーションの開設、管理・運営) Home Care Nursing Practicum Ⅳ

科目区分 専門科目 単位数 2単位

教員名 種市ひろみ、六角僚子 必修・選択 選択 開講年次 2年次

開講学期 後期

授業形態 実習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

訪問看護ステーションの開設、管理・運営の実際を訪問看護ステーションの管理者について実習する。また、訪問看

護実践の質改善のための職場環境の整備やスタッフの教育等に関する研究的取り組みについて実習する。本実習では、

CNSの共通目的の「高度実践」「教育」「相談」「連携・調整」「倫理的問題の調整」「研究」の全てを統合する実習内容

となる。

訪問看護ステーションの訪問看護活動から発生した「暮らしの保健室」含む関連施設における地域ケアネットワーク

システムの構築について学修する。

授業目的 在宅看護の最新の知見と技術を修得するため、当該科目を通し、高度な看護実践を学ぶ。

到達目標

1. 訪問看護ステーションの開設のための準備と方法が分かる。

2. 地域の特性を考慮した訪問看護ステーションの開設・運営について考える。

3. 訪問看護ステーションの理念を踏まえた経営方針、財務管理、運営方法、人事管理を学修する。

4. 訪問看護実践の質改善のための職場環境の整備やスタッフの教育に関する研究的取り組みについて考える。

実習施設 白十字訪問看護ステーション

実習期間 2年次、12月初旬から2週間

実習内容

1. 事前に、実習施設について情報を整理し、教員の指導を受けて目標達成可能な実習計画を立案し、指導者に実習

目標と内容を提示する。

2. 開設者、管理者から、開設の経緯と運営の現況に関する説明を聞く。

3. 実習施設におけるケアの質評価、改善のための取り組みの実施状況について説明を受ける。

4. 訪問看護活動に参加し、施設内で行われるケアの質評価と改善ための取り組みに参加する。

5. 実習施設の関連施設の活動を見学・参加し、訪問看護活動から発展した地域ケアネットワークシステムの構築に

ついて学ぶ。

6. 見学実習したことをもとに訪問看護ステーションの運営を考え、看護の質の向上や経営改善のための提言をする。

7. 実習施設、事業ごとに「実践」「教育」「相談」「連携調整」「倫理的問題の調整」「研究」の枠組みに沿って学修を

まとめ、プレゼンテーションし、教員、実習指導者、施設のスタッフを含めて討論する。

※実習計画の立案、調整については、実習要項を参照する。

授業外における

学習・時間 実習期間中記録のまとめ

実習期間中

60分~90分

評価方法 実習の事前準備の段階から、実習計画の作成(15%)実習態度(10%)実習成果の発表(15%)実習目標の達成度(60%)

を目安として実習終了までの全過程を通じて形成評価とする。

テキスト・参考書 1. 秋山正子:在宅ケアのつながる力,医学書院,2011 2. 秋山正子:在宅ケアのはぐくむ力,医学書院,2012

履修上の注意 これまでの実習での学びを統合して、高度な在宅看護実践ための在宅療養支援事業所の活動を管理的な見地から学修す

ること。主体的・積極的に取り組むことを期待する。

質問への対応

(オフィスアワー・Email)

E-mail [email protected]

オフィスアワー:水曜日11:00~12:00

研究室:4階 研究室15 にて対応いたします。

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科目名・英名 課題研究

Research project in clinical nursing 科目区分 研究科目 単位数 2単位

教員名 粟生田友子、藤野彰子、金子昌子、六角僚子、小西敏子、丸井

明美、種市ひろみ 必修・選択 必修

開講年次 2年次

開講学期 通年

授業形態 演習 曜日時限 受講生との協議により決定する

教室 受講生との協議により決定する

科目概要

専門看護師は、現場の看護を改善するチェンジエージェントとしての役割が期待されている。専門看護師として、現

場での看護を改善し根拠基づくケアを実践するために、研究を活用する能力、研究を計画し、実施する能力が必要不可

欠である。

本科目は、共通科目や専門科目の学修を統合し、実践経験と文献クリティークを通して自己の研究課題を明確にし、

研究計画書を作成し、修士論文(課題研究)を作成することを目標としている。本科目を通して、専門看護師の役割の

一つである研究に必要な基礎的な能力を学修する。

授業目的 まだ解決されていない看護上の課題に対する、科学的手法を用いた解決方法を獲得する。

到達目標

1.看護実践及び文献購読を通して、研究課題を明らかにできる。

2.文献レビューを十分行える。

3.看護研究方法を理解し、自己の研究課題の解決に最適な研究方法を選択できる。

4.一貫性のある研究計画書を作成できる。

5.自己の研究に必要な倫理的配慮について考え、看護研究倫理審査申請書を作成できる。

6.研究計画書にもとづき、研究を遂行できる。

7.データを適切に科学的な方法で分析し、結果を得ることができる。

8.研究結果について文献を用いて、考察できる。

9.一貫性をもって研究を修士論文にまとめ、成果を公表できる。

授業

内容

回 単元主題 授業内容 教員名

1 ガイダンス 研究動機、研究目的の明確化1

2-6 論文のクリティーク 自己の研究目的に関連する研究についての文献クリ

ティーク

7-8 自己の研究テーマの検討 研究動機、研究背景、研究目的の明確化2

9-12 研究方法について 研究方法に関する検討と決定

13-15 研究計画書について 研究計画書の完成

16-17 看護研究の倫理審査について 看護研究倫理審査申請書の作成

18-22 研究の実施 研究の実施とデータ収集

23-25 データ整理・分析 データ整理・分析の実施

26-29 修士論文の作成 研究結果のまとめ、考察

30 修士論文(課題研究)の完成 修士論文(課題研究)の完成と修士論文発表会での発

授業外における

学習・時間

自己学習における予習 1コマ/30分

評価方法

① 授業への取り組み状況(積極性、継続性)(20%)

② 研究計画書の作成(20%)

③ 看護研究倫理審査申請書の作成(20%)

④ 修士論文(課題研究)の完成(20%)

⑤ 修士論文(課題研究)発表(20%)

テキスト・参考

1.D.F.ポーリット、C.T.ベック(2010):看護研究 原理と方法 第2版.医学書院.

2.ナンシー・バーンズ、スーザン・K・グローブス(2007):看護研究入門.エルゼピア・ジャパン.

3.野口美和子監訳:ナースのための質的研究入門 第2版.医学書院.

履修上の注意 主体的学修を望む。

質問への対応

(オフィスアワー・Email) オフィスアワー:火曜日午後