中小企業におけるロボット導入促進研究会...

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中小企業におけるロボット導入促進研究会 1回資料 平成29825近畿経済産業局次世代産業・情報政策課

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Page 1: 中小企業におけるロボット導入促進研究会 第1回資料...中小企業へのロボット導入の重要性 2 ロボット新戦略(平成27年1月) ものづくり分野におけるこれからのロボット活用を考える上では、自動車や電気電子産業を中心にロボット

中小企業におけるロボット導入促進研究会 第1回資料

平成29年8月25日 近畿経済産業局次世代産業・情報政策課

Page 2: 中小企業におけるロボット導入促進研究会 第1回資料...中小企業へのロボット導入の重要性 2 ロボット新戦略(平成27年1月) ものづくり分野におけるこれからのロボット活用を考える上では、自動車や電気電子産業を中心にロボット

<農業> • 2020年までに自動走行トラクターの現場実装を実現 • 省力化などに貢献する新たなロボットを20機種以上導入

<ものづくり・サービス> • サービスロボットのベストプラクティス100例選定・公表 • ロボットの頭脳(AI)、目(センサー)、指(制御)の高度化 • 段取り作業や接客業の裏方等へロボット導入。 労働生産性を2%以上向上させ、国内立地の競争力強化 • システムインテグレーター事業に係る市場規模を拡大

<介護・医療> • 移乗等での腰痛リスクの高い作業機会をゼロに • 介護関係諸制度を見直し。現行、3年に1度の介護保険制度の種目検討について、要望受付・検討等を弾力化し、新たな対象機器の追加を随時決定。地域医療介護総合確保基金により介護従事者の負担軽減のための介護ロボット導入支援

• 医療ロボットの実用化支援を100件以上。新医療機器承認審査件数の8割は標準期間で処理(通常:14ヶ月、優先:10ヶ月)

<規制改革> 規制改革会議とも連携し「ロボットバリアフリー社会」へ、関係制度10本見直し (ロボットが使用する電波のルール整備、目視点検のロボット化(インフラ保守)、飛行ロボットに関するルール整備 等)

<基盤整備>システムインテグレータ人材の育成強化 (実証事業を通じたOJTの実施等)

<インフラ・災害対応・建設> • 生産性向上や省力化に資する情報化施工技術の普及率3割 • 重要/老朽インフラの目視点検や補修の20%にロボット導入 • 災害現場においても有人施工と比べて遜色ない施工効率

今後5年間をロボット革命集中実行期間と位置付け 官民で、総額1,000億円のロボット関連プロジェクトへ投資。 ロボットの市場規模を2.4兆円(年間)へ拡大。(現状6,500億円)

福島に新たなロボット実証フィールドを設置。 (飛行ロボットや災害ロボット等の実証区域を創設。イノベーションコースト構想へ繋げる。)

「ロボット新戦略」の概要

日本を世界最先端のロボット・ショーケース化 ~ロボットを日常の隅々にまで普及~

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中小企業へのロボット導入の重要性

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■ロボット新戦略(平成27年1月) ものづくり分野におけるこれからのロボット活用を考える上では、自動車や電気電子産業を中心にロボットの活用が進んできた大企業だけでなく、中堅・中小企業への導入が大きな課題である。

中堅・中小企業や様々な製造現場においてロボット活用が進むためには、ロボットが活用される分野が多種多様に広がり、その結果として、全体としてロボットの市場規模が拡大していくことが必要である。

中堅中小企業も含めて幅広くロボットを普及させていくためには、様々な技術を持つメーカーをSIerが束ね、多様なユーザーニーズを踏まえたロボットの活用に関する提案を行い、生産ラインを作り上げるような導入方式がクローズアップされ、広く活用されることが重要である。

中堅・中小企業において幅広くロボットが導入されるようになるためには、ロボットの導入によって生産性、収益性の向上が実感されるようになることが重要である。また、ロボット開発のみならず、中堅・中小企業が活用できる安価なで簡単なティーチング手法の開発と必要な技能者の育成が必要である。

■未来投資戦略2017-Society 5.0の実現に向けた改革(平成29年6月) 中小企業・小規模事業者、サービス産業の現場付加価値生産性を抜本的に向上させるための投資やイノベーション等を促進する。これに向け、It化・ロボット導入、データ利活用等に取り組む。

中堅・中小製造業のデータを用いた新サービス・付加価値創出に向け、IT・ロボット導入に関する専門家の支援を本年度末までに1万社以上に対して行う。また、製造現場の改善指導やIoT・ロボットの活用・導入を支援する「スマートものづくり応援隊」に相談できる拠点の整備に向けた取組を促し、今後2年以内で全国40カ所程度の設置を目指す。あわせて、中小企業・小規模事業者にロボット導入を提案・支援する「システムインテグレータ」を2020年までに3万人に倍増させる育成強化策を進める。

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主要産業用ロボットの出荷先規模別出荷額

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

400,000

450,000

500,000

300

400

500

600

700

800

900

1,000

1,100

83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11

ロボット国

内出

荷額

[百万

円]

労働

生産

性[万

円/

人]

(年度)

ロボット国内出荷額 大企業 中規模企業 小規模事業者

製造業における労働生産性の推移(規模別)とロボット国内出荷額

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000

一般組立

ピッキング・整列

・包装・入出荷

運搬・搬入管理

溶接

中小企業向出荷額 大企業向出荷額

(22.4%)

(9.5%)

(16.2%)

(0.1%)※括弧内の数字は中小企業向の割合

[百万円]

中小企業へのロボット導入拡大に向けた課題

中小企業へのロボット導入は、溶接で22%、ピッキング・整列・包装等で16%など、非常に低い水準。

製造業における労働生産性の推移においても、中小企業は大企業と比べて低い水準であり、ロボット導入によるカイゼンが期待される。

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企業における人手不足感(「量」の人材確保議論)

従業員が不足すると見通している企業の割合は、従業員が足りると見通している企業の割合よりも大きく上回っており、人手不足感は年を追うごとに強まっている。

製造業における人手不足DIは、どの雇用形態及び職種においても不足感が強まっているが、「専門・技術」、「技能工」、「単純工」といった工場で作業する職種では特に高い。

中小企業の従業員数過不足DIの推移 出典:2016年版 中小企業白書 (中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」)

製造業における雇用形態・職種別人手不足DI 出典:2016年版 製造基盤白書(ものづくり白書) (厚生労働省「労働経済動向調査」より経済産業省作成。)

-20

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

25

Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16

全産業 製造業(%p)(過剰-不足)

過剰

不足 -35-30-25-20-15-10-505

10

常用労働者

正社員等

臨時

パートタイム

派遣労働者

管理

事務

専門・技術

販売

サービス

輸送・機械運転

技能工

単純工

2013年2月調査 2016年2月調査(%p)(過剰-不足)

雇用形態区分 職種区分

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関西企業における人手不足の状況

工場・倉庫・配送センター・店舗等の現場での必要な人員数確保の状況について尋ねた結果、「概ね確保できている」と回答した企業が54.5%と半数を超え、「余裕を持って確保できている」の4.1%と合わせると、約6割を占めている。 ただその一方で、「確保に少し苦労している」は28.0%、「確保に大変な苦労をしている」は10.6%であり、4割近くの企業が確保に苦労している状況が示されている。 現場の人員確保に「少し苦労している」または「大変な苦労をしている」と回答した企業に対し、どの程度、人員不足になっているかについて尋ねた結果、「人員不足から必要なシフトを組むのが厳しい状況である」と回答した企業は57.7%と約6割に達した。 また、「人員不足が主な原因で、今後、事業を拡大できない懸念がある」は26.2%であり、「人員不足が主な原因で、事業存続そのものが懸念される」という回答は3.0%であった。これら2つの項目は、人員不足が事業そのものに悪影響を及ぼすと感じているというものであるが、これが約3割を占めていることがわかる。

出典:近畿経済産業局 「平成27年度産業用ロボットの新分野展開における導入阻害要因調査事業」

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関西企業における人手不足の状況(業種別)

人手確保について「大変な苦労をしている」との回答は全業種では10.5%にとどまるが、業種別にみると、食料品製造業では「大変な苦労をしている」との回答が34.8%と突出して多い。「少し苦労している」との回答と合わせると食品製造業は、およそ半数の企業が人手不足に苦労をしていることが把握された。

業種別の「人手不足」状況

出典:近畿経済産業局 「平成27年度産業用ロボットの新分野展開における導入阻害要因調査事業」

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<写真は官邸HPより>

「ロボット新戦略」の具体的な推進母体として平成27年5月に設置。製造・サービス業に加え、農業、介護、建設・インフラなど幅広い分野のロボットの作り手・担い手(SIer、情報通信関係)となる関係団体や企業、関係府省庁が参画(事務局:日本機械工業連合会、設立時会員数226、平成29年8月時点会員数485)。

協議会の下に「IoTによる製造ビジネス変革」「ロボット利活用推進」「ロボットイノベーション」等に関するWGを設置し、具体的課題に取り組んでいる。

(1)関係者間のマッチング、ベストプラクティスの共有・普及、(2)国際標準化、(3)情報セキリュティ、(4)国際プロジェクト、(5)実証実験のための環境整備、(6)人材育成、(7)関係機関と連携した研究開発・規制改革等の推進、(8)情報収集・発信、普及啓発事業の推進 等

ロボット革命イニシアティブ協議会(Robot Revolution Initiative)

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ロボット革命イニシアティブ協議会 WGについて

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IoTによる製造ビジネス変革WG

ロボット革命イニシアティブ協議会

ロボット利活用WG

ロボットイノベーションWG

IoT、M2M、BigDataなどの活用による製造業ビジネスの変革

世界一のロボット利活用社会、ロボットがある日常の実現に向けて、中堅・中小企業を含めたものづくり、サービス、医療・介護、インフラ・災害対応・建設、農林水産業・食品産業等の幅広い分野で、使いやすいロボットを創り活かすための環境整備を図る。 [取組テーマ] ① 各事業分野におけるロボットの活用を期待する事業者等の要望をサプライヤーにつなぐ仕組

みの具体化 ② 都道府県レベルでのロボット事業支援機関の創設 ③ ロボット活用の裾野拡大 ④ ロボットの普及を促す環境整備(ロボットバリアフリー社会の実現) ⑤ 情報の非対称性の解消/認識の共有化

次世代に向けた技術開発 (人工知能、センサ、認識システム、機構・アクチュエータおよび制御システム)

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これまでの近畿地域におけるロボット関係の取組

2003年4月に、関西経済連合会をはじめとする経済団体に加え、大学・研究所等、企業、自治体、国の機関などが参加した「関西次世代ロボット推進会議」が設立された。関西地域の高いポテンシャルを最大限に活かした、競争力ある新たな産業領域として、次世代ロボット、特に人々の生活に着目した「生活支援ロボット」の産業化を目指し、世界をリードする次世代ロボット産業クラスターを形成するべく情報発信、ネットワーク形成、研究開発・事業化支援等の取組を進めていた。

1.大阪府・・・次世代ロボット開発ネットワーク「RooBO」(※2015年に一般社団法人i-RooBO Network Forumに改組) 2.神戸市・・・レスキューロボットコンテスト(※今年度大会で17回目)

1.関西次世代ロボット推進会議

2004年4月に、「大阪圏における生活支援ロボット産業拠点の形成」が政府の第7次都市再生プロジェクトとして決定され、2005年2月に「大阪圏生活支援ロボット産業拠点の形成に係る推進協議会」が設置された(座長:内閣官房都市再生本部事務局次長、メンバー:都市再生本部、内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、京都府、大阪府、兵庫県、滋賀県、京都市、大阪市、神戸市、大阪商工会議所、関経連)。 地方と国(関係各府省等)の協議が行われるとともに、技術開発や実証事業等の総合的な支援が実施された。

2.大阪圏生活支援ロボット産業拠点の形成に係る推進協議会

各国の技術者チームが開発したロボットをサッカーで競わせるロボカップが大阪で開催。本大会では産学の連携により誕生した「Team OSAKA」が優勝(前大会からの2連覇)。 Team OSAKAのメンバーは、ロボット技術関連の中小企業ネットワークである「RooBO」の立ち上げの中心的存在となった。

3.ロボカップ2005大阪世界大会(第9回)

参考:継続中の取組について

関西では、2000年当初から関西経済連合会、関西経済同友会、大阪商工会議所、大阪府、京都府など官民が一体となり、関西をロボット(生活支援ロボット)の一大拠点とするべく、早くから各種取組が行われた。

出典:近畿経済産業局調べ

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関西の主な産業用ロボット関連メーカー

川崎重工業(株)

三菱電機 先端技術総合研究所

(株)ダイヘン

スキューズ(株)

パナソニック(株)

(株)キーエンス (各種ビジョン、センサー)

(株)三次元メディア (ビジョンセンサー)

オムロン(株) (各種センサー他)

日本電産(株) (ロボット用モーター)

出典:近畿経済産業局調べ

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関西のロボット関連研究室を持つ主な大学

大阪大学大阪府立大学大阪市立大学大阪工業大学大阪電気通信大学関西大学近畿大学

関西学院大学 立命館大学

龍谷大学

奈良先端科学技術大学院大学

神戸大学

和歌山大学

出典:日本ロボット工業会HPより

同志社大学

京都大学 京都府立大学

福井大学

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関西の自治体における主なロボット関連支援制度・窓口

【福井県】 制度:産学官金連携技術革新推進事業補助金

【滋賀県】 制度:IoT活用イノベーション創出支援事業補助金

【奈良県】 制度:高付加価値獲得支援補助金 (3)IoT戦略事業 窓口:奈良県 産業・雇用振興部 産業振興総合センター 生活・産業技術研究部(情報技術)

【和歌山県】 制度:先駆的産業技術研究開発支援事業 窓口:(公財)わかやま産業振興財団(IoT)

【京都府】 制度:・京都エコノミック・ガーデニング支援強化事業 ・「企業の森」推進事業 窓口:(公財)京都産業21(上記補助事業者向け)

【大阪府】 制度:新エネルギー産業(電池関連)創出事業 窓口:i-RooBO

【兵庫県】 制度:「人口減少社会×ものづくり技術」イノベーション創造事業 窓口:(公財)新産業創造研究機構

※ロボットに特化、あるいはロボット支援を明確にした 支援制度は赤字で記載 出典:近畿経済産業局調べ

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他地域におけるロボットビジネス推進に向けた取組

1.さがみはらロボットビジネス協議会 1.ロボット技術センター 相模原市では、ロボットをテーマとしたビジネスの推進を多面的に支援するために「さがみはロボットビジネス協議会」を設立。中小企業、大学等研究機関、金融機関、行政や支援機関で構成し、ロボットビジネス推進のための地域のプラットフォームとして、ロボット産業の振興や起業のビジネス支援に取り組んでいる。 〈主な取組〉 (1)中小企業魅力PR 展示会への出展、企業ガイドブックの作成 (2)ロボット技術高度化 産業用、生活支援、介護ロボットに関する研究 (3)技術実用化ネットワーク形成 セミナーの開催、WGの形成、情報ネットワークの構築

2.さがみはらロボット導入支援センター さがみはらロボット導入支援センターでは、産業用ロボットの導入支援や技術者の育成を通じて、市内ものづくり企業の「生産性の向上」や「競争力の強化」、「労働力不足の解消」を図っている。 〈主な取組〉 (1)システム展示 (2)コンサルティング (3)人材育成 (4)情報発信

北九州地域のロボット産業振興を目的とし、北九州ロボットフォーラムの運営を実施。ロボット技術の調査、開発から実証までのコーディネートや学研内の大学とロボット関連企業との共同研究開発を通して、ロボット分野の「技術開発」「実用化」の拠点化を進めるとともに、ロボット分野における高度人材育成に取り組んでいる。

相模原市における取組 北九州市における取組

2.産業用ロボット導入支援センター 生産性向上に意欲的な地元企業へのロボット導入を総合的に支援する「産業用ロボット導入支援センター」を北九州学術研究都市内で運用。

出典:各機関のホームページより

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中小企業におけるロボット導入促進研究会 【体制】

【研究会での検討内容】

事務局 近畿経済産業局 大阪商工会議所

低コスト化

産業技術総合研究所 Easy to Useなロボット実現のためのプラットフォームロボットの開発支援

ユーザー側(業界) ロボット導入が見込まれる業界からのニーズ提供

連携

課題の検討

成果の同業種、 異業種への横展開へ

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○大阪商工会議所 「導入コスト削減WG」 (めっき工場でのロボット導入)

○大阪市都市型産業振興センター 「人協調型ロボット導入WG」 (食品工場でのロボット導入)

情報不足対応 人材不足対応 サポート機能の充実

フィードバック

対応策の検証

■大学 ○大阪工業大学 本田教授 ○立命館大学 川村教授 ○大阪大学大学院 原田教授

■SIer ○東洋理機工業株式会社 ○髙丸工業株式会社 ○株式会社ブリッジ・ソリューション ■専門商社 ○株式会社立花エレテック

■ロボットメーカー ○川崎重工業株式会社 ○スキューズ株式会社

■産業支援機関 ○公益財団法人大阪市都市型産業振興センター ○公益財団法人新産業創造研究機構

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ロボット導入に向けての課題①

「ロボットを導入したい工程がある」または「ロボット導入に関心がある」と回答した企業に対し、ロボットを導入するとした場合、想定される課題及びロボットの改善について訪ねた結果、①「ロボットの価格」、②「人材の不足」、③「情報不足」、④「スペースや生産工程見直し等の問題(中小企業側の課題)」が指摘された。

出典:近畿経済産業局 「平成27年度産業用ロボットの新分野展開における導入阻害要因調査事業」

ロボットを導入する場合に想定される課題(N229)

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ロボット導入に向けての課題②

今後ロボットの導入を予定/検討している企業・団体(154社)に対して、今後導入にあたって課題と考えていることを訪ねたところ、「ロボットの導入にかかる費用が高い」が最も高く68.2%であった。次いで「費用対効果の判断が予測しにくい」が37.0%、「導入後のメンテナンス費用が高い」が32.5%であった。

出典:(一社)日本機械工業連合会 「平成28年度関西地域の産業におけるロボット導入状況と今後の活用分野に関する調査」

今後ロボットの導入を予定/検討している企業が 導入にあたって課題と考えていること

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ロボットの改善点

今後、ロボットのさらなる普及に向けて、ロボットにはどのような改善が必要だと考えるかと尋ねると、「ロボット本体の低価格化」という回答が7割近くと非常に多くを占めている(複数回答可)。想定される課題についての回答結果と同様、ロボットの改善点としても費用の問題が多く挙げられる結果となった。

続いて、「多品種少量への対応」が43.9%、「汎用性の高さ」が42.5%となり、ロボットの対応能力についても多く挙げられた。さらに、「プログラミングの容易さ」が4割、「操作の容易さ」も4割近くであり、ロボットの扱いやすさを重視する企業も多い。

ロボットの改善点(N435)

出典:近畿経済産業局 「平成27年度産業用ロボットの新分野展開における導入阻害要因調査事業」

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中小企業のロボット導入に係る阻害要因や課題の整理

(1)コスト

(3)情報不足

【初期投資】 ロボット本体の価格に加え、各現場ニーズに対応したSIerによる一品一葉の作り込みを行うエンジニアリングコストが全体の初期投資額を上げている。

ロボットメーカーも低価格化や普及効果の高い「汎用タイプのロボット」への関心は高いが、具体的な展開には苦労している。

【メンテナンス】 ちょこ停や故障、段取り替え等の際に、自社内にロボットプログラムの変更等の対応が出来る人材がいないと、都度、SIerに依頼することになる。

ロボットに関心はあるが、ロボットで何ができるのか、どういったロボットがあるのか、費用対効果等がよく分からない。

誰に相談して良いのか分からない。

(2)人材不足

(4)サポート体制ほか

【ロボットシステム】 導入後の段取り替え等のためのプログラムの変更を自社スタッフで行うことが出来ない。

ロボットの調整や保守点検が出来ない。

【ロボットオペレーション】 ロボットの操作ができる人材がいない。

SIerの絶対数が不足しており、中小企業向けの十分な対応が出来ていない。

ロボット化が簡単な現場は既に入っており、今後のロボット導入は難易度の高いものが多い。

ロボットを設置するスペースの確保が難しい。

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中小企業へのロボット導入に向けた検討(案) ロボット導入にかかるコスト削減

中小企業へのロボット導入にかかるコストのうち、エンジニアリングに係る費用が大きくなっているのが現状。

中小企業のロボット(システム)は一品一葉でコスト高になることが多いのが特徴である。

SIerの相互補完や連携による、協調領域の創出を通じたコストの削減。

ロボットシステムのパッケージ化、汎用化。

ソフト及びハードの共通プラットフォームの活用。

キャリブレーションレス(自動調整システム)等の導入によるロボット機能 の高度化で、ロボットシステム構築や事後運用費用を削減。

標準的なSIerプロセスの共有化。(例:シミュレーターの構築)

【課題】 【検討方策案】

ロボット導入にかかる人材の確保 【課題】 【検討方策案】 ロボットオペレーターの育成研修の拡充

中小企業におけるロボット有効に扱えるようにするための研修の機会の充実。

ティーチングを簡易に行うことのできるロボットの充実。

ロボット導入の効果を最大化したり、導入時の動作検証等に係る費用や事後のメンテナンス等の費用を削減するためには、中小企業がロボット操作等に係る知識を高める必要がある。

中小企業は小ロット多品種の生産の場合は多く、頻繁な段取り替えが発生する一方で、ロボットの操作やティーチング技術を持つ人材が不足。

ロボット導入にかかる情報の確保

中小企業はロボットの導入段階からアフターフォローまで、必要となる効果やコスト、メンテナンス等に関する情報や相談窓口が不十分。

相談窓口機能の充実

ロボット導入等の指導を行える専門家の拡充

導入モデル形成に向けたFS・実証事業の実施や、セミナーの開催やHP等における情報発信の機会の充実。

【課題】 【検討方策案】

中小企業の多くはロボット導入に係る技術が乏しく、システムエンジニア(SIer)の存在が重要である一方、その数は不十分。

中小企業はロボット導入に関するニーズや情報を漠然と持っているだけで、SIerと実情に合った調整ができず、ロボット導入の実現に至らないケースが多い。

ロボット導入をサポートする体制の充実 SIerの「スキル標準」の活用等による、機械装置製作事業者や自動化

設備事業者等の、SIerへの新規参入を促進。

「スマートものづくり応援隊」やよろず支援拠点をはじめとした産業支援機関のロボット導入にかかる相談(コーディネート)機能を充実させ、SIerへ案件をつなぐ“前さばき”を強化。

【課題】 【検討方策案】