ロボットオペレータチーム訓練環境の一提案challeng/sig-challenge-b... ·...

6
ロボットオペレータチーム訓練環境の一提案 A study of the exercising simulator for team robot operators 清水 優, 高橋 友一 Masaru Shimizu, Tomoichi Takahashi 中京大学 情報理工学部, 名城大学 理工学部 Chukyo University, Toyota [email protected] Meijo University, Nagoya [email protected] Abstract Remote controlled robots have been used in Fukushima nuclear plants. The tasks at Fukushima present necessary issues on robots. Drills of operators who manipulate robots at disaster areas are necessary as well as developing robots. We proposed an mecha- nism that creates dynamical changing environments. In this paper, we proposed an exercising environment using the mechanism for people drill team robot oper- ations under dynamical changing environments. Sys- tem architecture is described and experiment results of using the system are discussed. 1 はじめに 近年日本では,大規模自然災害が数年に1度発生し, 多くの人命が失われている.多くの人命を救うため, 倒壊家屋内部に取り残されている要救助者(以下 VIC- TIM)を探索し,救助計画の基礎情報となる倒壊家屋 内地図を作成するレスキューロボットの研究が盛んに 行われている [1]レスキューロボットの開発とともに,研究者間で共 通の性能評価用フィールドを利用できなかったり,ロ ボットの比較実験が困難である等,評価の標準化が難 しいという実機ならではの問題点もある [2].又,現在 はレスキューロボットオペレータの訓練も必要とされ てきている.福島原発では,レスキューロボットが人 間が入れない環境を調査するために使用された.その ときのオペレータの話から [3](1) 瓦礫が散乱してい るような特殊な環境でのロボット遠隔操作はあらかじ め訓練が必要であること,(2) ロボットが無いと訓練 できない(ロボットを操縦できる環境にある人が世界 中に多くいるわけではない)ことが述べられている. 実際の福島原発の現場のように,予期せぬ移動や崩 壊がある,無線接続状況の変化など動的な環境変化を シミュレーションに導入する事で,より現実に近いロ ボットのテスト環境,オペレータの訓練環境を用意で きる. この動的環境変化は,シミュレータ外部からのコマ ンドによる制御だけでなく,あらかじめ動的環境変化 を設定したシナリオによる制御も可能になる.併せて, 任意のタイミングで災害イベントを発生できるシナリ オベースの動的環境下において,ロボットオペレータ の訓練環境を提案する.2 章では,ロボットオペレー タ訓練の問題点を示す. 3 章では,提案するレスキュー ロボットオペレータ訓練環境について述べる.4 章で は,チーム訓練の評価について述べる.5 章では,実 際に行ったオペレータ訓練の結果とその妥当性を検討 する.6 章で全体をまとめる. 2 UARSim とロボットオペレータ 訓練 2.1 USARSim レスキューロボットで用いられる代表的なシミュ レータに,市販ゲームソフトウェア Unreal Tourna- ment 2004(以下 UT2004) を元に開発された USAR- 社団法人 人工知能学会 Japanese Society for Artificial Intelligence 人工知能学会研究会資料 JSAI Technical Report SIG-Challenge-B201-12 (5/4) 63

Upload: others

Post on 07-Oct-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

ロボットオペレータチーム訓練環境の一提案A study of the exercising simulator for team robot operators

清水 優, 高橋 友一Masaru Shimizu, Tomoichi Takahashi

中京大学 情報理工学部, 名城大学 理工学部Chukyo University, Toyota [email protected]

Meijo University, Nagoya [email protected]

Abstract

Remote controlled robots have been used inFukushima nuclear plants. The tasks at Fukushimapresent necessary issues on robots. Drills of operatorswho manipulate robots at disaster areas are necessaryas well as developing robots. We proposed an mecha-nism that creates dynamical changing environments.In this paper, we proposed an exercising environmentusing the mechanism for people drill team robot oper-ations under dynamical changing environments. Sys-tem architecture is described and experiment resultsof using the system are discussed.

1 はじめに近年日本では,大規模自然災害が数年に1度発生し,

多くの人命が失われている.多くの人命を救うため,倒壊家屋内部に取り残されている要救助者(以下VIC-TIM)を探索し,救助計画の基礎情報となる倒壊家屋内地図を作成するレスキューロボットの研究が盛んに行われている [1].レスキューロボットの開発とともに,研究者間で共

通の性能評価用フィールドを利用できなかったり,ロボットの比較実験が困難である等,評価の標準化が難しいという実機ならではの問題点もある [2].又,現在はレスキューロボットオペレータの訓練も必要とされてきている.福島原発では,レスキューロボットが人間が入れない環境を調査するために使用された.そのときのオペレータの話から [3],(1)瓦礫が散乱してい

るような特殊な環境でのロボット遠隔操作はあらかじめ訓練が必要であること,(2)ロボットが無いと訓練できない(ロボットを操縦できる環境にある人が世界中に多くいるわけではない)ことが述べられている.実際の福島原発の現場のように,予期せぬ移動や崩壊がある,無線接続状況の変化など動的な環境変化をシミュレーションに導入する事で,より現実に近いロボットのテスト環境,オペレータの訓練環境を用意できる.この動的環境変化は,シミュレータ外部からのコマンドによる制御だけでなく,あらかじめ動的環境変化を設定したシナリオによる制御も可能になる.併せて,任意のタイミングで災害イベントを発生できるシナリオベースの動的環境下において,ロボットオペレータの訓練環境を提案する.2章では,ロボットオペレータ訓練の問題点を示す.3章では,提案するレスキューロボットオペレータ訓練環境について述べる.4章では,チーム訓練の評価について述べる.5章では,実際に行ったオペレータ訓練の結果とその妥当性を検討する.6章で全体をまとめる.

2 UARSimとロボットオペレータ訓練

2.1 USARSim

レスキューロボットで用いられる代表的なシミュレータに,市販ゲームソフトウェア Unreal Tourna-ment 2004(以下 UT2004) を元に開発された USAR-

社団法人 人工知能学会 Japanese Society for Artificial Intelligence

人工知能学会研究会資料 JSAI Technical Report SIG-Challenge-B201-12 (5/4)

63

Sim(Urban Search and Rescue Simulation)がある [4].USARSimは,瓦礫,火災,被災者,レスキューロボット(本体や移動機構,センサ等)の基本モデル,レーザレンジファインダなどの距離センサなどの実在する部品も多数用意されている.また,動力学演算によるリアリティのある 3Dシミュレーション画像がカメラ画像として得られる.そのリアルな画像は,ロボットビジョンや環境認識,行動計画やロボットオペレータの訓練に利用できる.

USARSimは,図 2に示すように,USARSimは物理演算ユニット (Karma Engine)とイベント処理ループを中核とする Unreal Engineを持っており,物理演算など必要な演算は自動的に行う.ロボットユーザインタフェースプログラマは,ネットワーク接続によるロボット操作コマンドやセンサによる計測データを送受信するクライアントプログラムを記述する事で,レスキューロボットとのユーザインタフェースを構築できる.

2.2 ロボット訓練での問題点これまでのレスキューロボットシミュレーションで

は,崩れない瓦礫,変化しない火災,温度分布,CO2

濃度,電波環境,位置が固定されたVICTIM等「静的な環境」であった.実際の災害現場は環境が変化する場所であり,図 1に示すように,レスキューロボットオペレータの訓練のために,動的環境変化を与えられるシミュレータが必要である. 自動車や建設作業機械と同様に,ロボットオペレー

タもレスキューロボットを操作して訓練する必要がある.ロボットを使用する予定の環境での訓練や,チームミッションの場合はチームでの訓練が必要となる.2011年の福島原発事故での作業員は,以下の問題点を指摘している [3].

• 訓練時間不足(ロボットの台数不足,ロボット充電中は訓練できない)

• ロボットが用意できない場合は,訓練できない

• チームでの訓練不足

シミュレータを用いる一般的な利点として,実機ロボットが無くても訓練可能,ロボットが壊れる危険が

図 1: レスキューロボットシミュレータフレームワーク.レスキューロボット開発者は,動的環境変化によってロボットの挙動を評価できる

無い,という点に加え,以下の点もレスキューロボットオペレータの訓練という観点では重要である.

• レスキューロボットが活動する環境を構築しやすい

• 複数の視点を設定でき,容易に視点を切り替えられる

• 遠隔地に分散しているオペレータによるチーム訓練を再現可能である

3 レスキューロボットオペレータ訓練環境

 

3.1 訓練用ロボットとユーザインタフェース動的環境変化が可能なシミュレータを用いて,ロボット操縦訓練環境を図 3に示す.(a)は使用したUSAR-Sim に標準搭載されている車輪型ロボット P2AT を示す.

64

図 2: USARSimの動的環境変化コマンド/データ流れ図.白枠は動的環境変化のための新しいモジュール

(a) P2AT robot

(b) joystick (c) GUI for Operation

図 3: 訓練に使用したロボットの外観,操縦用ジョイスティック,メータ付 GUI

P2AT 1は,カメラ,傾斜計,速度計,レンジファインダ(ロボット前方 180度を計測)を搭載している.(b)は操縦用アナログジョイスティックで,オペレータがスティックを倒すと,ロボットは倒した方向に進む.また,スティックを倒した傾きに応じて,速度を増減する.(c)の操縦用GUIは,ロボットに搭載したカメラからの映像と傾斜計,速度計,レンジファインダ表示で構成した.図上半分がロボットカメラからの映像,

1P2ATは,挙動が分かりやすい車輪型移動機構と訓練に必要なセンサを備えているため,今回の訓練で使用することとした.

その下左側が傾斜計,右側が速度計,最下部がレンジファインダの表示である.オペレータは,ロボットカメラの映像を見て,センサ表示を確認しながらロボットを操縦する訓練を行った.

3.2 訓練用コースによるロボット操作習熟全くの初心者も存在する事を考慮して,初心者向けコースで,ロボットの機体幅の感覚を体得してもらい,その後訓練コースへ進みロボット操作訓練を行った [5].

図 4 (a)は初心者向けコースの全体を上空から見た図である.オペレータはロボットを操作して,12 時の位置からスタートして,時計回りにこの単純な周回コースの中を移動する.図 5は,でこぼこの地面や坂道,岩や壁等の障害物によって難易度が高くなっている訓練用コースの 1例である.初心者コースではコースの曲がり角にロボットが引っかかることがあったが,ここではさらに岩や壁などが積極的にロボットの走りやすいコースを遮るように配置されている.図 6は,図 5のコースのでこぼこや坂道の寸法図である.コース最初の曲がり角を越えると,斜度 22.5°の小さい山が 2つある.それを過ぎると,斜度 11.3°の長い坂を上るように配置した.図 7は,コースの一部に崩れる箱を設置した動的環

65

(a) (b)

(c) (d)

図 4: 初心者向け低難易度コース.(a) シンプルなコースの全体; (b) スタート地点; (c) ロボット前方カメラからの映像; (d) ロボット後部設置カメラからの映像,ロボットが写っている.

境変化を導入した訓練コースを示す.図 7 (a)は,図5のコースの右上部分である.動的環境変化の一つである崩れる箱を使って,崩れる壁(図 7 (a) 上方)と崩れる道 (図 7 (a) 下方)を構成した.崩れる壁は,シナリオ機能によりロボットがちょうど横を通り過ぎるときに,自動的に崩れるように設定した.図 7 (b)の崩れる道は,ロボットがこの部分で立ち止まると崩れる.オペレータは,画面の揺れや傾斜計の動きで地面が不安定である事を知ったならば,止まらずに通り過ぎるなければならないことをこの訓練コースから学ぶ

(a) (b)

図 5: 訓練コース (a) 天井からのコース全体像; (b) (a)の右方から見たコース側面, 数カ所に斜面がある.

図 6: 訓練コース解説.ロボットは時計回りにコースを進行する.最初の右折の後,2つのでこぼこ道がある.1つの斜面は,斜度 22.5°,長さ 0.84 mである.2つの小さな丘の後は,長く高い道がある.この道は4つの長い坂道で構成されている.1つの坂道は斜度11.3°,長さが 4.4 mである.最も高い部分は,地面から 1.9 mである.

事ができる.図 7 (c)は,壁が崩れた状況を示す.オペレータは,場合によっては障害物を避ける操作をしなければならない.図 7 (d)は,崩れる道上でロボットを停止させた瞬間であり,すでに道は崩れ始めている事がわかる.

4 チームによるオペレーション評価福島原発のロボット投入にあるように,災害現場ではロボット1台ではなく複数台がチームを組む.表 1は,2名のオペレータによって,チームミッションの訓練を行った結果である.チームミッションであるので,2台ともがスタート地点に帰還した時間を計測した.チームミッションの必要性を構成する為に,高所コースの壁を削除した.これにより,「ロボットが高所から落下する可能性がある」という心理的ストレスも増加する.チームミッションの目的は,お互いの安全を確認しながら,かつ手際よくミッションを遂行する(周回時間が短くなるように努力する)こととした.また,チームミッションの場合,チームリーダの善し悪

66

(a) (b)

(c) (d)

図 7: 動的環境変化を付加した訓練コース. (a) 動的環境変化オブジェクト(白い箱)の配置を上から見た図; (b) 崩れる床 ((a)下部の拡大図). (c) シナリオにより自動的に崩れた白い箱 ; (d) ロボットが通過する事により崩れた白い箱.

しがチーム全体の成績を左右することはよく知られている.そこで,以下のケースで周回時間を計測した.

• OP1がリーダで,OP2が後続かつOP1の補助を行う場合

• OP2がリーダで,OP1が後続かつOP2の補助を行う場合

• OP1 と OP2 がその時の状況で,指示を出すオペレータを決めた場合(途中で変更可能)

さらに,計器の表示がある場合とない場合での違いも計測した.後続のオペレータが行う補助は,主に先頭ロボット

の全体および周囲の画像を撮影し,先頭オペレータに見せる事であった.チームミッション中の会話では,チームリーダから「私のロボットの左側をあなたのロボットのカメラで撮影してください」等,共同作業を

表 1: チームミッションの結果.

conditions time (s) num.of

GUI panel robots avg. std. pauses failures

OP1 117.1 3.2 4 0- OP2 108.3 2.5 6 0

both 112.7 5.2 10 0

OP1 122.8 7.1 5 0indicator OP2 92.7 2.3 0 0

both 107.7 15.9 5 0

“robots” column shows which operator control thefirst robot.

円滑に行う為の指示が出されていた.表 1からは,以下の事がわかる.

• OP2 が先頭のとき,周回時間が短い

• センサがあっても OP1 がリーダのときは周回時間が長くなっている

• センサがある時,OP2がリーダでは周回時間が短くなっている

ここまでの訓練で,OP2はOP1よりも 10秒~20秒以上短い周回時間であった.つまり,OP2のように能力に余裕があるオペレータがリーダを務めるとチームとして良い結果が得られる.提案しているシミュレーション環境は,個人別の習熟度を評価でき,さらにチームミッションにおいても誰がチームリーダになればミッションを安全かつ円滑に進める事ができるのかを示す事ができる.また,オペレータ間の支持や返答は,共同作業に習熟するに従って短くなっていった.すなわち,シミュレーションでも,チームミッションとして連携が円滑に行える程に訓練できたことがわかった.これらは,ロボットオペレータの訓練やチームミッションでの訓練に,提案するシミュレーション環境が有効である事を示している.

5 考察我々が提案したシミュレーション環境でのレスキューロボットオペレータの訓練から判明した事柄を,以下

67

に示す.

1. 提案した訓練用シミュレーション環境は,現実同様の訓練フィールドとして使用できる.現実の訓練と同等の効果は,シミュレーションを利用した訓練でも再現された:

• 繰り返しの訓練は,オペレータを早くロボット操作に習熟させた

• 一旦習熟した後,坂道で脱輪させるなど慣れによる致命的なミスも見られた

• 動的な環境変化(突発的事態の発生)によって,オペレータは周囲を注意深く観察するようになるため,周回時間が長くなった

2. チームミッションの訓練では,当初 OP1 と OP2

は音声による意思疎通を行っていた.数回の訓練の後,彼らは自動的にそれぞれの役割を実行していた.

• OP1 は,自身のロボットを写した映像が必要なとき,自動的に 2 台目のロボットの到着を待った

• OP1は,2台目のロボットが難所にさしかかった時,自動的に 2台目ロボットとその周辺画像を撮影した

• OP2は,1台目ロボットの姿が映像に入るように,自動的に速度を調整した

チームミッションの訓練では,我々が提案するシミュレーション環境はロボット開発やロボットオペレータ訓練に貢献できる可能性を示した.特に福島原発事故で報告があるように [3], 作業環境や使用するシステム,ロボットオペレータのチームメンバが制限されることがある.事故処理では事態収拾に一刻を争うので,平常時からチームミッション訓練やオペレータ組み合わせの選定を行っておく必要がある.それには,提案しているシミュレーション訓練の活用が適している.

6 まとめ本報では,シミュレーションによるレスキューロボッ

トオペレータの訓練環境を提案した.動的環境変化を付加し,突発的な事態への対処も訓練できるシミュレー

ション環境を提供した(動的環境変化のロボットオペレータ訓練環境への適用例を示した),動的環境変化を付与した USARSimによってロボットオペレータ訓練環境を構築し,段階的な訓練環境の例およびチームミッション訓練結果を示した.その結果,ロボットオペレータに欠かせない「突発的事態への対処能力」も訓練可能であることがわかった.シナリオによる動的環境変化は,複数のオペレータに対して共通の「突発的事態」を与える事もでき,また対応に習熟するまで繰り返すことも可能である.このように,本提案による訓練用シミュレーション環境は,ロボットオペレータの訓練に有用である.

参考文献[1] 田所 諭,北野宏明:ロボカップレスキュー - 緊急大規模災害救助への挑戦,共立出版 (2000).

[2] 田所 諭,高橋友一:ロボカップレスキュー (¡特集¿自律分散型サッカーロボット),日本ファジィ学会誌, Vol. 14, No. 6, pp. 593–601(オンライン) ,http://ci.nii.ac.jp/naid/

110002912622/ (2002-12-15).

[3] GUIZZO, E.: Fukushima Robot Op-erator Writes Tell-All Blog, Techni-cal report, http://spectrum.ieee.org/

automaton/robotics/industrial-robots/

fukushima-robot-operator-diaries

(2011.10.23).

[4] Carpin, S., Lewis, M., Wag, J., Balakirsky, S. andScrapper, C.: Bridging the gap between simula-tion and reality in urban search and rescue, Lec-ture Notes in Computer Science, Vol. 4434, p. 1(2007).

[5] Shimizu, M. and Takahashi, T.: Simulation Plat-form for Performance Test for Robots and HumanOperations, 2011 AAAI Fall Symposium Series(2011).

68