ホ.吸収、分布、代謝、排泄...雌雄crl:cd(sd)ラットに1 mg/kg あるいは20...

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ホ.吸収、分布、代謝、排泄 吸収、分布、代謝、排泄の項の略号表 ホ-1 総括 ホ-4 1. 被験物質及びその定量方法、並びに代謝物標準品 ホ-8 2. 動物における成績 ホ-10

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Page 1: ホ.吸収、分布、代謝、排泄...雌雄Crl:CD(SD)ラットに1 mg/kg あるいは20 mg/kg にて単回経口投与した場合の分 布、代謝および排泄からプロフルトリンの酸側代謝物の分布、代謝および排泄を考察した

ホ.吸収、分布、代謝、排泄

目 次 頁

吸収、分布、代謝、排泄の項の略号表 ホ-1 総括 ホ-4 1. 被験物質及びその定量方法、並びに代謝物標準品 ホ-8 2. 動物における成績 ホ-10

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吸収、分布、代謝及び排泄の項の略号一覧表(つづき)

略号 化学名(一般名) 構造式 由来

HY-2CA-1846- B-glu

β-D-glucuronide of 2,3,5,6-tetrafluoro- 4-(hydroxymethyl)benzyl (Z)-(1R,3R)-2-carboxy-2-methyl- 3-(prop-1-enyl)cyclopropanecarboxylate

- 代謝物

ホ-3

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総括

表ホ-1 吸収、分布、代謝、排泄に関する試験一覧表

試験項目 動物種 性 被験物質 投与 経路 投与量

収 血液中放射能濃度 単回投与

Crj:CD(SD)ラット ♂♀ [ -14C]

プロフルトリン 経口 1 mg/kg 60 mg/kg

布 組織中放射能濃度 単回投与

Crj:CD(SD)ラット ♂♀ [ -14C]

プロフルトリン 経口 1 mg/kg 60 mg/kg

尿中代謝物 糞中代謝物 血漿中代謝物 組織(肝臓、腎臓)中代謝物 単回投与

Crj:CD(SD)ラット ♂♀ [ -14C]

プロフルトリン 経口 1 mg/kg 60 mg/kg

尿中代謝物 糞中代謝物 胆汁中代謝物 単回投与

Crj:CD(SD)ラット ♂♀ [ -14C]

プロフルトリン 経口 1 mg/kg

尿中排泄 糞中排泄 呼気中排泄

単回投与

Crj:CD(SD)ラット ♂♀ [ -14C]

プロフルトリン 経口 1 mg/kg 60 mg/kg

胆汁中排泄 単回投与

Crj:CD(SD)ラット ♂♀ [ -14C]

プロフルトリン 経口 1 mg/kg

動物における成績

プロフルトリンはエステル結合を有するが、本エステル結合は動物体内で容易に開裂

し、開裂後に生成する酸側とアルコール側の代謝物は異なる体内動態を示す。 アルコール側代謝物については、プロフルトリンのアルコール側標識体を用いて、吸

収、分布、代謝、排泄につき検討を行った。 プロフルトリン、2,3,5,6-tetrafluoro-4-methylbenzyl

(Z)-(1R,3R)-2,2-dimethyl-3-(prop-1-enyl)cyclopropanecarboxylateのラットにおける体

内動態を明らかにするため、プロフルトリンの の の炭素を 14C 標識した

[ -14C]プロフルトリンを雌雄 Crl:CD(SD)ラットに 1 mg/kg(低用量)あるい

は 60 mg/kg(高用量)にて単回経口投与し、全血および血漿中 14C 濃度推移、器官およ

び組織中 14C 濃度推移および残留性、14C 排泄(尿、糞、呼気および胆汁)ならびに排

泄物および組織中代謝物について検討した。

ホ-4

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(1)吸収

プロフルトリンの の を 14C 標識した[ -14C]プロフルトリン

を雌雄 Crl:CD(SD)ラットに 1 mg/kg(低用量)にて単回経口投与した結果、その

大部分(投与 14C 量の 66.4~72.5%以上)が体内へと吸収された。血漿中 14C 濃度は

投与後 6~8 時間目に最高濃度に到達し、半減期 37.3~52.2 時間で経時的に減少し

た。高用量(60 mg/kg)投与群においては、吸収の飽和が認められた。血漿中 14C濃度推移には用量による顕著な差は認められなかった。

(2)分布

プロフルトリンの の を 14C 標識した[ -14C]プロフルトリン

を雌雄 Crl:CD(SD)ラットに 1 mg/kg(低用量)にて単回経口投与した結果、雌雄

ラットいずれにおいても、組織中 14C はほとんどの器官および組織で投与後 6~8 時

間目に最高濃度を示した。投与後 6~8 時間目の 14C 濃度は消化管内容物で高値を示

した。消化管および消化管内容物を除く器官および組織では、肝臓で最も高い値を

示し、次いで、腎臓および甲状腺において比較的高い値を示した。組織中 14C 濃度は

17.8~63.5 時間の半減期で経時的に減少した。投与後 168 時間目における投与 14C量に対する体内残存率は雌雄ラットとも投与 14C 量の 0.3%以下であり、投与した 14Cはほぼ完全に排泄された。 高用量(60 mg/kg)投与群の場合、器官および組織中 14C の濃度推移および分布

傾向は、低用量群とほぼ同様の傾向を示した。 特定の組織へ残留・蓄積する傾向は認められず、組織中 14C 濃度に顕著な性差は認

められなかった。

(3)代謝 体内へ吸収されたプロフルトリンは代謝を受けた後に体外へと排泄され、未吸収

のプロフルトリンは未変化体として糞中に排泄された。尿、胆汁および糞には、代

謝物がそれぞれ 15、18 および 5 種認められた。尿中の主要代謝物は FOAL-glu およ

び XLDA-glu であり、その他に、FOAL-D、XLDA-D、XLDA-MA、HY-2CA-1846-B、

HY-2CA-1846-B-glu および XLDA が認められ、糞中には親化合物および

HY-2CA-1846-B が認められた。また、胆汁中の主要代謝物は FOAL-glu であり、そ

の他に、XLDA-glu、HY-diol-1846-glu、HY-2CA-1846-B-glu、HY-2CA-1846-B、

ωCA-1846 および XLDA が認められた。HY-2CA-1846-B およびその抱合体の排泄

に性差が認められたが、その他の代謝物には顕著な性差は認められなかった。

(4)排泄 プロフルトリンの の を 14C 標識した[ -14C]プロフルトリン

ホ-5

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を雌雄 Crl:CD(SD)ラットに 1 mg/kg(低用量)にて単回経口投与した結果、投与

した 14C は、投与後 48 時間目までに大部分(>96%)が体外へと排泄され、主要排

泄経路は尿中であった。投与 168 時間目までの尿および糞中への排泄量は、投与 14C量の 65.6~71.8%および同 27.3~32.8%であった。体内に吸収された 14C の主要排泄

経路は胆汁であり、胆汁中へ排泄された代謝物が、再度吸収され、腸肝循環しなが

ら、代謝を受けるなどして、最終的には尿中に排泄された。顕著な性差は認められ

なかった。 高用量(60 mg/kg)投与群においては、糞中における親化合物の排泄量(投与 14C

量の 37.8~38.2%)が若干増加した。

一方、酸側の代謝物については、酸側の構造がプロフルトリンと同一である S-1264 の

酸側標識体を用いた体内動態試験において、既にその吸収、分布、代謝、排泄について検

討されている。以下には、[ -14C]S-1264RTZ または[ -14C]S-1264RTE を

雌雄 Crl:CD(SD)ラットに 1 mg/kg あるいは 20 mg/kg にて単回経口投与した場合の分

布、代謝および排泄からプロフルトリンの酸側代謝物の分布、代謝および排泄を考察した

結果を記載する。 なお、S-1264 の酸側標識体を用いた体内動態試験を、酸側の代謝物に係る体内動態試

験として採用することは、①プロフルトリンと S-1264 の酸側の化学構造の同一性、②

S-1264 の酸側標識体を用いた体内動態試験においてエステル結合が開裂した後に生成

する酸側の代謝体がほぼ完全に同定されている点、及び、③ラット体内においてプロフ

ルトリンと S-1264 のエステル結合が容易に開裂する点の3点から判断して妥当と考え

られる。 分布:投与後の S-1264 由来の放射能は速やかに組織に分布し、最も多くの放射能が

分布した組織は肝臓であった。組織中放射能濃度は、投与後 2~12 時間で最高

濃度を示した後、経時的に消失した。血球、骨、毛、脂肪組織からの消失はそ

の他の組織に比較して緩徐であったが、投与後 168 時間目のこれら組織への残

留量は投与量の 0.1%未満と極めて微量であったことから、プロフルトリンの酸

側代謝物についても、組織残留性は低いと考えられた。 代謝:S-1264 のエステル結合は容易に開裂し、酸側代謝物がさらに変換された代謝物

が多数認められた。代謝反応としては、末端または 2 位のメチル基の酸化およ

びその後のラクトン化、二重結合の還元・水和・開裂、二重結合のエポキシ化

後の加水分解・グルタチオン抱合、グルタチオン抱合後のメルカプツール酸抱

合体・メチルスルフィニル化物の生成、シクロプロパン環の開裂、およびグル

クロン酸抱合化が認められたことから、プロフルトリンの酸側代謝物について

も、同じ代謝反応を受けると考えられた。

ホ-6

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排泄:投与したS-1264由来の放射能は、速やかに排泄され、投与後2日目までに投与

量の92.7~95.2%、投与後7日目までに投与量の95.6~96.7%が尿、糞及び呼気

中に排泄されたことから、プロフルトリンの酸側代謝物についても速やかに排

泄されると考えられた。投与後168時間目にラット体内に残存しているS-1264由来の放射能は、投与量の0.1%以下であることから、プロフルトリンの酸側代

謝物についてもほぼ完全に排泄されると考えられた。

ホ-7

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1.被験物質及びその定量方法,並びに代謝物標準品・・・・・・・・・添付資料ホ-1 (1)標識被験物質

①標識被験物質 試験に用いた 14C-プロフルトリンの標識位置を図ホ-1に示した。比放射能及び

放射化学的純度を表ホ-2に示した。

表ホ-2 標識被験物質一覧表

名称 ロット番号 比放射能 (GBq/mmol)

放射化学的純度 (合成時)

[ -14C]プロフルトリン 2.15 99.0%

図ホ-1 [ -14C]プロフルトリンの標識位置(*)

②定量法 放射能の測定は試料調製後,液体シンチレーションカウンター(LSC)を用いて

行った。なお、単位に関しては、放射能をプロフルトリン相当量もしくは投与放射

能に対する割合に換算して表示した。 (2)非標識被験物質

以下の非標識被験物質を試験に用いた。

表ホ-3 非標識被験物質一覧表 名称 ロット番号 化学的純度

プロフルトリン 07SC4171224-1 99.3%

ホ-8

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(3)代謝物標準品 以下の代謝物標準品を代謝物同定に使用した。

表ホ-4 代謝物標準品一覧表

化合物名(略名) 比放射能

(GBq/mmol) 化学的純度

HY-1846Z - 95.43 % HY-diol-1846 - 92.14 %

CA-diol-1846-A - 97.81 % CA-diol-1846-B - 96.57 % HY-3CA-1846 - 94.73 % ωHY-1846 - 70.11 % ωCA-1846 - 92.60 %

Diol-1846-A - 88.74 % Diol-1846-B - 93.55 %

FOAL - 97.99 % FOAL-D - 97.99 % XLDA - 98.47 %

XLDA-D - 99.80 % XLDA-MA 2.50 100.00 %

HY-2CA-1846-B 2.50 83.47 %

ホ-9

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2.動物における成績・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・添付資料ホ-1

(1)吸収 ①血液中放射能濃度

[ -14C]プロフルトリンを投与した際の全血および血漿中放射能濃度推移及

び薬物動態パラメーターを表ホ-5~表ホ-7に示した。

雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg(低用量)または 60 mg/kg(高用量)で単回経口投与後 168 時間目まで経時採血し、全血および血漿中 14C 濃

度を測定した。 低用量群では雌雄ラットいずれにおいても全血および血漿中 14C 濃度は投与後速

やかに上昇し、雄性ラットでは投与後 6 時間目、雌性ラットでは投与後 8 時間目に

最高濃度(Cmax)に到達した。最高血漿中 14C 濃度は、雄性および雌性ラットにお

いて、それぞれ、0.148 µg プロフルトリン相当量/g(以下、ppm と表記)および 0.091 ppm であり、その後、血漿中の 14C は、雄性ラットでは 52.2 時間の半減期(t1/2)

で、雌性ラットでは 37.3 時間の t1/2で消失した。血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)

は、雄性ラットで 2.821 µg プロフルトリン相当量・hr/g、雌性ラットで 1.973 µg プロフルトリン相当量・hr/g であった。 高用量群では、雌雄ラットとも投与後 6 時間目に Cmaxに到達した。最高血漿中 14C

濃度は、雄性および雌性ラットにおいて、それぞれ、3.54 ppm および 3.87 ppm で

あり、その後、血漿中の 14C は、雄性ラットでは 46.2 時間、雌性ラットで 51.8 時間

の t1/2で消失した。AUC は、雄性ラットで 88.94 µg プロフルトリン相当量・hr/g、雌性ラットで 104.82 µg プロフルトリン相当量・hr/g であった。 低用量群と高用量群において、各採血ポイントの全血または血漿中濃度の平均値

から求めた Cmaxの比は雌雄ラットで 24~43 倍となり(1 頭ずつの全血または血漿中

濃度から算出した薬物動態パラメーターを平均した数値(表ホ-7及び8)から計

算した場合は 23~39 倍)、投与量比の 60 倍(60 mg/kg:1 mg/kg)と比較して低値

であった。同様に、各採血ポイントの全血または血漿中濃度の平均値から算出した

AUC 比も 32~53 倍であり(Cmaxの場合と同じく、表ホ-7及び8から計算した場

合は 32~59 倍)、投与量比(60 倍)を下回った。このことから、高用量群ではプロ

フルトリンの消化管からの吸収が飽和した可能性が示唆された。全血および血漿中

14C 濃度には顕著な性差は認められなかった。

ホ-10

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表ホ-5 雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg 経口投与後の血中

濃度推移(平均値±S.D.)

時間 濃度 (µg プロフルトリン相当量/g) 雄 雌

全血 血漿 全血 血漿 0.5 0.013±0.0057 0.022±0.0102 0.013±0.0042 0.023±0.0073 1 0.038±0.0067 0.064±0.0117 0.024±0.0054 0.041±0.0101 2 0.067±0.0164 0.110±0.0264 0.037±0.0102 0.065±0.0184 4 0.084±0.0283 0.129±0.0399 0.046±0.0187 0.076±0.0324 6 0.094±0.0485 0.148±0.0854 0.057±0.0279 0.090±0.0446 8 0.075±0.0466 0.115±0.0672 0.063±0.0386 0.091±0.0549 12 0.052±0.0207 0.079±0.0300 0.041±0.0215 0.058±0.0278 24 0.019±0.0060 0.024±0.0112 0.019±0.0084 0.023±0.0043 48 0.009±0.0016 0.008±0.0019 0.006±0.0017 0.006±0.0014 72 0.005±0.0014 0.005±0.0017 0.003±0.0012 0.003±0.0012

120 0.003±0.0011 0.002±0.0004 0.002±0.0007 0.001±0.0013 168 0.003±0.0011 0.002±0.0005 0.002±0.0005 <0.001

(n=3)

図ホ-2 雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg 経口投与後の血中濃度

推移(平均値±S.D.)

ホ-11

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表ホ-6 雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 60 mg/kg 経口投与後の 血中濃度推移(平均値±S.D.)

時間 濃度 (µg プロフルトリン相当量/g) 雄 雌

全血 血漿 全血 血漿 0.5 0.72±0.111 1.16±0.208 0.49±0.151 0.74±0.239 1 1.18±0.055 1.86±0.102 0.93±0.082 1.37±0.194 2 1.87±0.602 2.56±0.829 1.39±0.205 2.01±0.424 4 1.99±0.593 2.96±0.747 1.89±0.868 2.62±1.089 6 2.37±0.476 3.54±0.723 2.53±0.965 3.87±1.857 8 1.86±0.357 2.63±0.457 2.16±0.419 3.05±0.538 12 1.74±0.347 2.41±0.543 1.56±0.467 2.09±0.614 24 0.83±0.245 1.00±0.292 1.24±0.216 1.17±0.491 48 0.35±0.037 0.33±0.030 0.44±0.043 0.52±0.089 72 0.22±0.045 0.20±0.029 0.21±0.145 0.25±0.100

120 0.17±0.048 0.11±0.019 0.19±0.132 0.22±0.153 168 0.12±0.027 <0.06 0.11±0.072 0.08±0.058

(n=3)

図ホ-3 雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 60 mg/kg 経口投与後の血中 濃度推移(平均値±S.D.)

ホ-12

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表ホ-7 雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg 経口投与後の 薬物動態パラメーター

薬物動態パラメーター 雄 雌

全血 血漿 全血 血漿

Tmax(hr) 4.7±1.15 4.7±1.15 5.3±3.06 5.3±3.06

Cmax(µg プロフルトリン相当量/g) 0.096 ±

0.0461 0.154 ±

0.0777 0.067 ±

0.0365 0.102 ±

0.0505

T1/2(hr) 69.2 ±

25.98 52.4 ±

2.19 64.9 ±

2.90 37.9 ±

12.06

AUC(µg プロフルトリン相当量.・hr/g) 2.342 ±

0.8110 2.833 ±

1.0867 1.660 ±

0.6622 2.003 ±

0.7545

表ホ-8 雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 60 mg/kg 経口投与後の 薬物動態パラメーター

薬物動態パラメーター 雄 雌

全血 血漿 全血 血漿

Tmax(hr) 6.0±0.00 6.0±0.00 6.7±1.15 7.3±1.15

Cmax(µg プロフルトリン相当量/g) 2.37 ±

0.476 3.54 ±

0.723 2.58 ±

0.950 3.92 ±

1.826

T1/2(hr) 80.4 ±

12.14 52.4 ±

12.36 73.6 ±

26.59 50.9 ±

16.99

AUC(µg プロフルトリン相当量.・hr/g) 87.71 ±

20.013 90.80 ±

15.521 97.52 ±

32.300 105.99 ±

34.460 ②経口吸収率

吸収率は、胆汁排泄実験の結果から、[尿中排泄率+胆汁中排泄率+組織残留]とし

て算出できるため、低用量群の吸収率は、雄性ラットで 53.3%、雌性ラットで 40.3%と算出された。しかしながら、本数値は、胆管カニュレーション手術を施していな

いラットの代謝試験における尿中排泄率(雄:65.6%、雌:71.8%)よりも低く、通

常のラットにおける吸収率を反映していないと考えられた。原因としては、胆汁導

出ラットでは、胆汁を導出したことによって吸収が低下した可能性が考えられた。

そのため、より正確な吸収率を算出するために、代謝試験の結果を使用することに

した。後述のように、代謝試験における糞中 14C の大部分は親化合物であり、代謝物

は僅かであったこと、胆汁中には親化合物は排泄されないことから、最低の吸収率

は[尿中排泄率+呼気中排泄率+組織残留]として算出できる。その結果、低用量群の

吸収率は、雄性ラットで 66.4%以上、雌性ラットで 72.5%以上と算出された。同様

に、高用量群の吸収率は、雄性ラットで 60.5%以上、雌性ラットで 59.5%以上と算

出された。

吸収率には顕著な性差はなく、高用量で吸収の飽和による吸収率の低下が認めら

れた。

ホ-13

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(2)分布 [ -14C]プロフルトリンを投与した際の組織中放射能濃度推移を表ホ-8~

表ホ-11に示した。

雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg(低用量)または 60 mg/kg(高用量)で単回経口投与し、最高血漿中 14C 濃度到達時点(低用量;投与後 6 ま

たは 8 時間目、高用量;同 6 時間目)、最高血漿中 14C 濃度の約 1/2~1/4 を示す時

点(低用量;投与後 12 時間目、高用量;同 12 または 24 時間目)、最高血漿中 14C濃度の約 1/10 以下を示す時点(低用量;投与後 48 時間目、高用量;同 48 または 72時間目)および投与後 168 時間目の計 4 時点について、器官、組織および消化管内

容物中 14C 濃度を組織摘出法にて測定した。 低用量群では、雌雄ラットいずれにおいても、組織中 14C はほとんどの器官および

組織で投与後 6~8 時間目に最高濃度を示した。投与後 6~8 時間目の 14C 濃度は消

化管内容物で高値を示した。消化管および消化管内容物を除く器官および組織では、

肝臓で最も高い値を示し、次いで、腎臓および甲状腺において比較的高い値を示し

た。組織中 14C 濃度は 17.8~63.5 時間の半減期で経時的に減少した。投与後 168 時

間目における投与 14C 量に対する体内残存率は雌雄ラットとも投与 14C 量の 0.3%以

下であり、投与した 14C はほぼ完全に排泄された。 高用量群の場合、器官および組織中 14C の濃度推移および分布傾向は、低用量群と

ほぼ同様の傾向を示した。ほとんどの器官および組織において 14C 濃度は投与後 6時間目に最高値を示した後、17.5~103.3 時間の半減期で経時的に減少した。消化管

およびその内容物を除くと、肝臓、脂肪、甲状腺、子宮、卵巣、腎臓、副腎、血球

および毛・皮膚における 14C 濃度が比較的高かった。投与後 168 時間目における組

織への分布率は投与 14C 量の 0.2%以下に低下し、ほぼ完全に排泄された。 特定の組織へ残留・蓄積する傾向は認められず、組織中 14C 濃度に顕著な性差は認

められなかった。

ホ-14

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表ホ-9 雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg 単回経口投与したときの組織

内放射能濃度(平均値±S.D.)

組 織 組織内濃度(µg プロフルトリン相当量 / g 組織)

6 時間 12 時間 48 時間 168 時間 副腎 0.0572±0.01093 0.0347±0.00652 0.0079±0.00106 0.0024±0.00176 全血 0.0781±0.01946 0.0347±0.00784 0.0056±0.00017 0.0016±0.00071 血球 0.0409±0.00789 0.0190±0.00394 0.0046±0.00011 0.0025±0.00091 血漿 0.1154±0.02785 0.0495±0.01219 0.0064±0.00038 0.0010±0.00033 骨 0.0163±0.00611 0.0081±0.00119 0.0015±0.00028 0.0007±0.00024 骨髄 0.0351±0.00427 0.0192±0.00277 0.0039±0.00063 0.0007±0.00011 脳 0.0147±0.00133 0.0053±0.00160 0.0012±0.00018 <0.0004 眼球 0.0212±0.00301 0.0139±0.00554 0.0022±0.00066 <0.0008 脂肪 0.0344±0.01324 0.0267±0.00448 0.0067±0.00227 0.0026±0.00066

被毛・皮膚 0.0950±0.06802 0.0466±0.03349 0.0083±0.00034 0.0017±0.00023 心臓 0.0372±0.01006 0.0165±0.00279 0.0025±0.00014 0.0008±0.00021 腎臓 0.3805±0.13532 0.1602±0.04859 0.0179±0.00460 0.0036±0.00150 肝臓 0.6859±0.15424 0.4922±0.12081 0.1551±0.03660 0.0369±0.01490 肺 0.0525±0.01136 0.0261±0.00692 0.0056±0.00059 0.0018±0.00065

顎下腺 0.0472±0.01681 0.0244±0.00883 0.0030±0.00013 0.0008±0.00015 筋肉 0.0234±0.00447 0.0124±0.00216 0.0028±0.00166 0.0006±0.00027 膵臓 0.0574±0.03245 0.0336±0.01369 0.0046±0.00160 0.0008±0.00019 下垂体 0.0605±0.00951 0.0142±0.00030 0.0116±0.00530 <0.0076

坐骨神経 0.0350±0.01679 0.0319±0.03667 0.0058±0.00236 <0.0032 脾臓 0.0367±0.01760 0.0183±0.00344 0.0040±0.00089 0.0011±0.00029 脊髄 0.0180±0.00177 0.0150±0.01251 0.0016±0.00049 0.0005±0.00000 精巣 0.0271±0.00398 0.0107±0.00241 0.0029±0.00172 0.0005±0.00012 胸腺 0.0282±0.00409 0.0158±0.00464 0.0039±0.00129 0.0006±0.00013 甲状腺 0.1291±0.07106 0.4201±0.44267 0.0402±0.02666 <0.0060 盲腸 0.2705±0.11627 0.5500±0.18887 0.1240±0.01547 0.0017±0.00125 大腸 0.2478±0.01802 0.2859±0.10900 0.0902±0.01273 0.0013±0.00081 小腸 2.0079±0.59543 0.8732±0.15106 0.0775±0.01531 0.0018±0.00097 胃 1.1815±0.44347 0.3321±0.22683 0.0125±0.00112 0.0008±0.00031

盲腸内容物 2.3964±1.50214 10.0116±1.46482 0.3123±0.07420 0.0031±0.00186 大腸内容物 0.3343±0.29881 7.2079±2.25556 0.2735±0.04632 0.0042±0.00239 小腸内容物 13.4974±0.67302 6.7422±3.19536 0.3369±0.02861 0.0029±0.00122 胃内容物 3.4072±0.33439 1.6964±1.76153 0.0042±0.00187 <0.0004

(168 時間:n=4 6,12 及び 48 時間:n=3)

ホ-15

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表ホ-10 雌ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg 単回経口投与したときの

組織内放射能濃度(平均値±S.D.)

組 織 組織内濃度(µg プロフルトリン相当量 / g 組織)

8 時間 12 時間 48 時間 168 時間 副腎 0.0595±0.00732 0.0298±0.00399 0.0079±0.00130 0.0018±0.00024 全血 0.0656±0.01016 0.0312±0.00533 0.0066±0.00060 0.0017±0.00030 血球 0.0350±0.00396 0.0183±0.00074 0.0048±0.00074 0.0025±0.00057 血漿 0.0953±0.01435 0.0462±0.00525 0.0079±0.00132 0.0009±0.00018 骨 0.0186±0.00219 0.0185±0.00431 0.0017±0.00043 0.0007±0.00015 骨髄 0.0365±0.00592 0.0468±0.02077 0.0053±0.00023 <0.0007 脳 0.0167±0.00382 0.0087±0.00127 0.0018±0.00095 <0.0004 眼球 0.0210±0.00526 0.0125±0.00340 0.0022±0.00045 0.0013±0.00259 脂肪 0.0367±0.01961 0.0428±0.04895 0.0080±0.00473 0.0019±0.00051

被毛・皮膚 0.0623±0.01272 0.0751±0.06341 0.0127±0.00252 0.0011±0.00034 心臓 0.0320±0.00591 0.0167±0.00143 0.0031±0.00068 0.0006±0.00011 腎臓 0.3219±0.01899 0.1301±0.01866 0.0180±0.00534 0.0030±0.00045 肝臓 0.5017±0.08121 0.2778±0.01297 0.0646±0.01444 0.0194±0.00473 肺 0.0485±0.01505 0.0256±0.00232 0.0065±0.00051 0.0013±0.00026

顎下腺 0.0352±0.00370 0.0198±0.00215 0.0040±0.00082 0.0007±0.00008 筋肉 0.0286±0.00692 0.0147±0.00691 0.0030±0.00097 <0.0004 卵巣 0.0680±0.01106 0.0471±0.03992 0.0135±0.00296 0.0014±0.00096 膵臓 0.0676±0.02178 0.0283±0.00994 0.0079±0.00240 0.0006±0.00017 下垂体 0.0373±0.00892 0.0385±0.02778 <0.0098 <0.0070

坐骨神経 0.0173±0.00372 0.0755±0.07315 0.0026±0.00257 <0.0048 脾臓 0.0409±0.01139 0.0204±0.00327 0.0052±0.00051 0.0010±0.00019 脊髄 0.0201±0.00341 0.0125±0.00283 0.0015±0.00055 <0.0010 胸腺 0.0284±0.00382 0.0132±0.00260 0.0040±0.00088 0.0005±0.00013 甲状腺 0.0786±0.01422 0.0613±0.02835 0.0115±0.00309 <0.0077 子宮 0.0663±0.03433 0.0632±0.02909 0.0075±0.00184 0.0009±0.00052 盲腸 1.5141±1.65029 0.7702±0.52944 0.1349±0.05013 0.0016±0.00040 大腸 0.2823±0.12555 0.1995±0.05526 0.0986±0.02075 0.0010±0.00024 小腸 2.5398±0.15440 0.4284±0.27561 0.2045±0.06477 0.0019±0.00060 胃 0.8219±0.24005 0.1828±0.07918 0.0547±0.03745 0.0008±0.00010

盲腸内容物 7.8826±4.24870 8.5451±1.90659 0.3419±0.11585 0.0019±0.00059 大腸内容物 2.9782±2.57187 7.6202±1.82395 0.2475±0.08051 0.0018±0.00038 小腸内容物 12.2024±2.21886 5.7568±1.26614 0.9793±0.46059 0.0031±0.00093 胃内容物 6.4794±2.00859 0.6035±0.59714 0.0152±0.00888 <0.0004

(168 時間:n=4 8,12 及び 48 時間:n=3)

ホ-16

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表ホ-11 雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 60 mg/kg 単回経口投与したとき

の組織内放射能濃度(平均値±S.D.)

組 織 組織内濃度(µg プロフルトリン相当量 / g 組織)

6 時間 24 時間 48 時間 168 時間 副腎 3.03±1.121 1.04±0.040 0.45±0.014 <0.16 全血 2.44±0.372 0.67±0.158 0.35±0.114 0.09±0.034 血球 1.56±0.403 0.37±0.061 0.31±0.143 0.14±0.052 血漿 3.39±0.409 0.88±0.246 0.37±0.094 0.04±0.013 骨 0.78±0.267 0.23±0.036 0.19±0.055 0.05±0.004 骨髄 1.76±0.517 0.56±0.030 0.41±0.200 0.06±0.031 脳 0.76±0.299 0.17±0.025 0.06±0.016 <0.02 眼球 0.74±0.101 0.23±0.059 0.09±0.008 <0.06 脂肪 2.75±0.823 1.68±0.064 0.74±0.256 0.19±0.027

被毛・皮膚 2.27±0.614 2.50±0.845 0.70±0.202 0.08±0.020 心臓 1.59±0.550 0.42±0.153 0.16±0.011 0.03±0.017 腎臓 14.97±4.822 3.47±1.120 1.02±0.224 0.13±0.034 肝臓 15.13±4.407 7.18±1.701 3.74±0.788 1.02±0.373 肺 1.92±0.515 0.64±0.131 0.35±0.054 0.09±0.025

顎下腺 1.77±0.414 0.46±0.089 0.21±0.024 0.04±0.007 筋肉 1.07±0.484 0.30±0.019 0.10±0.009 0.03±0.002 膵臓 2.31±0.965 0.67±0.154 0.31±0.131 0.03±0.021 下垂体 1.62±0.368 1.47±0.608 <0.59 <0.57

坐骨神経 1.45±0.591 0.48±0.265 0.25±0.151 <0.28 脾臓 1.56±0.366 0.47±0.035 0.25±0.028 0.05±0.007 脊髄 0.89±0.347 0.26±0.128 0.09±0.001 <0.05 精巣 1.08±0.249 0.31±0.043 0.12±0.031 0.03±0.004 胸腺 1.38±0.243 0.60±0.204 0.19±0.011 <0.03 甲状腺 11.58±6.381 5.94±5.691 0.71±0.301 <0.43 盲腸 9.12±5.730 17.43±2.485 4.52±0.353 0.10±0.059 大腸 8.17±4.418 10.27±0.236 2.61±0.659 0.06±0.013 小腸 75.18±39.233 31.37±13.147 5.95±0.861 0.08±0.007 胃 50.08±24.324 4.73±1.762 1.12±0.184 0.03±0.022

盲腸内容物 333.98±209.648 72.13±24.653 11.69±1.313 0.12±0.043 大腸内容物 134.94±128.061 91.96±39.500 8.45±0.668 0.17±0.081 小腸内容物 588.64±279.026 117.18±54.562 24.92±5.452 0.13±0.033 胃内容物 150.83±70.987 3.95±1.043 0.15±0.054 <0.03

(168 時間:n=4 6,24 及び 48 時間:n=3)

ホ-17

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表ホ-12 雌ラットに[ -14C]プロフルトリンを 60 mg/kg 単回経口投与したとき

の組織内放射能濃度(平均値±S.D.)

組 織 組織内濃度(µg プロフルトリン相当量 / g 組織)

6 時間 12 時間 72 時間 168 時間 副腎 4.14±2.301 1.98±0.449 0.37±0.120 0.14±0.050 全血 2.52±1.182 1.28±0.248 0.16±0.027 0.06±0.025 血球 1.52±0.716 0.81±0.232 0.18±0.034 0.11±0.051 血漿 3.56±1.688 1.74±0.340 0.16±0.026 0.03±0.006 骨 0.89±0.385 0.64±0.290 0.09±0.015 0.04±0.008 骨髄 1.90±1.024 1.18±0.389 0.17±0.042 <0.06 脳 0.97±0.557 0.45±0.154 0.05±0.019 <0.02 眼球 0.97±0.444 0.50±0.195 0.08±0.033 <0.04 脂肪 2.97±1.347 2.47±1.117 0.60±0.029 0.15±0.053

被毛・皮膚 2.32±0.924 1.51±0.463 0.33±0.032 0.07±0.012 心臓 1.61±0.840 0.81±0.184 0.10±0.026 0.03±0.009 腎臓 11.72±2.673 5.73±0.701 0.37±0.026 0.10±0.041 肝臓 10.13±4.594 6.37±2.083 1.14±0.240 0.33±0.202 肺 2.05±0.962 1.21±0.315 0.23±0.019 0.07±0.024

顎下腺 1.89±0.740 0.99±0.334 0.11±0.026 0.04±0.012 筋肉 1.46±0.978 0.59±0.244 0.07±0.024 <0.02 卵巣 3.52±2.251 2.62±0.568 0.39±0.134 0.08±0.022 膵臓 3.80±3.679 1.58±0.425 0.16±0.007 0.04±0.010 下垂体 3.22±2.753 1.21±0.363 <0.55 <0.54

坐骨神経 1.13±0.734 0.99±0.370 <0.28 <0.25 脾臓 2.09±1.332 0.95±0.322 0.16±0.038 0.06±0.024 脊髄 0.88±0.378 0.54±0.147 0.07±0.036 <0.03 胸腺 1.37±0.671 0.78±0.223 0.13±0.033 0.04±0.013 甲状腺 7.64±5.637 3.63±0.867 0.47±0.822 <0.41 子宮 3.05±1.898 3.46±1.670 0.40±0.364 0.07±0.044 盲腸 6.07±2.553 34.44±14.395 1.47±0.215 0.11±0.063 大腸 7.92±2.317 15.27±2.129 0.97±0.559 0.06±0.038 小腸 60.33±21.144 25.94±15.313 1.24±0.142 0.10±0.047 胃 46.09±21.715 13.33±8.031 0.43±0.255 0.05±0.035

盲腸内容物 162.19±177.851 530.95±35.737 4.45±2.445 0.32±0.509 大腸内容物 21.44±24.664 580.36±165.944 2.28±0.810 0.36±0.595 小腸内容物 664.07±26.958 544.85±129.996 8.19±3.415 0.20±0.195 胃内容物 283.33±122.619 120.43±193.616 0.29±0.152 0.15±0.296

(168 時間:n=4 6,12 及び 72 時間:n=3)

ホ-18

Page 20: ホ.吸収、分布、代謝、排泄...雌雄Crl:CD(SD)ラットに1 mg/kg あるいは20 mg/kg にて単回経口投与した場合の分 布、代謝および排泄からプロフルトリンの酸側代謝物の分布、代謝および排泄を考察した

(3)代謝 ①糞及び尿中代謝物の分析

[ -14C]プロフルトリンを投与したラットの尿及び糞中の代謝物分析結果を

表ホ-12及び表ホ-13に示す。

[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg(低用量)で雌雄ラットに単回経口投与

したところ、尿中には、15種類の代謝物が認められた。尿中の主要代謝物はFOAL-glu(29.49~32.11%、対投与 14C 量%、以下同)および XLDA-glu(14.90~16.77%)

であり、その他に、FOAL-D(3.59~5.42%)、XLDA-D(2.95~3.30%)、XLDA-MA(2.53~3.46%)、HY-2CA-1846-B(2.30~6.01%)、HY-2CA-1846-B-glu (1.25~5.25%)および XLDA(0.18~0.38%)が認められた。その他の代謝物は合計して

1.89~2.51%であった。XLDA、HY-2CA-1846-B および HY-2CA-1846-B-glu は雌

性ラットにおいて雄性ラットよりも多く排泄され、その他の代謝物については雌雄

ラットにおいてほぼ同量が排泄された。 糞中には、親化合物および 5 種類の代謝物が認められた。プロフルトリンの糞中排

泄量は、投与 14C 量の 22.49~23.13%であった。主要代謝物は HY-2CA-1846-B(0.40~2.11%)であり、雄性ラットにおいて雌性ラットよりも多く排泄された。その他の

代謝物は合計して 0.75~2.56%であった。 雌雄ラットに 60 mg/kg(高用量)で投与後の尿および糞中には低用量群と同様の

代謝物が認められた。主要な代謝物は FOAL-glu(33.80~40.44%)および XLDA-glu(10.83~11.50%)であり、その他に、FOAL-D(3.50~5.30%)、XLDA-D(1.90~2.25%)、XLDA-MA(1.14~2.48%)、HY-2CA-1846-B(0.05~0.73%)、XLDA(0.11~0.20%)および HY-2CA-1846-B-glu(雌性ラットのみ、0.42%)が認められた。そ

の他の 2 種類の代謝物は合計して 0.72~ 0.84%であった。 XLDA-MA 、

HY-2CA-1846-B および HY-2CA-1846-B-glu は雌性ラットにおいて雄性ラットより

も多く排泄され、その他の代謝物については雌雄ラットにおいてほぼ同量が排泄さ

れた。糞中では、プロフルトリンが主要成分として認められ、投与 14C 量の 34.53~35.98%であった。糞中へと排泄された未吸収の親化合物は、低用量群と比較して多

かった。また、他に HY-2CA-1846-B(雄性ラットのみ、0.66%)が認められた。そ

の他の 2 種類の代謝物は合計して 0.30~0.31%であった。

ホ-19

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表ホ-13 雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg 単回経口投与したとき

の尿及び糞中代謝物組成(0-48 時間)(平均値)

代謝物 投与量に対する割合(%)

雄 雌 尿 糞 尿 糞

プロフルトリン N.D. 23.13 N.D. 22.49 XLDA-D 2.95 N.D. 3.30 N.D.

XLDA-glu 16.77 N.D. 14.90 N.D. XLDA 0.18 N.D. 0.38 N.D.

XLDA-MA 2.53 N.D. 3.46 N.D. FOAL-glu 32.11 N.D. 29.49 N.D. FOAL-D 3.59 N.D. 5.42 N.D.

HY-2CA-1846-B-glu 1.25 N.D. 5.25 N.D. HY-2CA-1846-B 2.30 2.11 6.01 0.40

その他* 2.51 2.56 1.89 0.75

非抽出物 N.D. 3.41 N.D. 2.76

合計 64.20 31.20 70.10 26.40 N.D.:検出されず。 (n=4) *:7 画分(尿)あるいは 4 画分(糞)(未知代謝物)の合計値。

ホ-20

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表ホ-14 雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 60 mg/kg 単回経口投与したと

きの尿及び糞中代謝物組成(0-48 時間)(平均値)

代謝物 投与量に対する割合(%)

雄 雌 尿 糞 尿 糞

プロフルトリン N.D. 34.53 N.D. 35.98 XLDA-D 1.90 N.D. 2.25 N.D.

XLDA-glu 10.83 N.D. 11.50 N.D. XLDA 0.20 N.D. 0.11 N.D.

XLDA-MA 1.14 N.D. 2.48 N.D. FOAL-glu 40.44 N.D. 33.80 N.D. FOAL-D 3.50 N.D. 5.30 N.D.

HY-2CA-1846-B-glu N.D. N.D. 0.42 N.D. HY-2CA-1846-B 0.05 0.66 0.73 N.D.

その他* 0.84 0.31 0.72 0.30

非抽出物 N.D. 1.40 N.D. 1.52

合計 58.90 36.90 57.30 37.80

N.D.:検出されず。 (n=4) *:2 画分(尿)あるいは 2 画分(糞)(未知代謝物)の合計値。

②胆汁中代謝物の分析

[ -14C]プロフルトリンを投与した胆管カニューレ処置ラットの尿、胆汁及

び糞中の代謝物分析結果を表ホ-14に示す。

胆汁を導出した雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg(低用量)

で単回経口投与したところ、胆汁中には 18 種の代謝物が検出され、親化合物は認め

られなかった。胆汁中の主要な代謝物は FOAL-glu(13.82~14.32%)であり、その

他 に 、 XLDA-glu ( 1.96 ~ 3.33% ) 、 HY-diol-1846-glu ( 1.57 ~ 3.05% ) 、

HY-2CA-1846-B-glu(1.19~4.06%)、HY-2CA-1846-B(1.10~2.25%)、ωCA-1846(0.24~0.54%)および XLDA(雄性ラットのみ 0.85%)が認められた。XLDA、

HY-2CA-1846-B-glu、HY-2CA-1846-B およびωCA-1846 は雄性ラットにおいて雌

性ラットよりも多く排泄され、その他の代謝物については雌雄ラットでほぼ同量が

排泄された。その他の 10 種類の代謝物は合計して 4.42~8.72%であった。尿中の主

要代謝物は FOAL-glu(10.72~10.94%)および XLDA-glu(1.84~2.77%)であり、

その他に、FOAL-D(0.33~0.49%)、XLDA-D(0.34~0.46%)、HY-2CA-1846-B-glu(0.18~1.12%)、XLDA(0.13~0.19%)、HY-2CA-1846-B(0.03~0.68%)およ

ホ-21

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び XLDA-MA(0.04~0.15%)が認められた。XLDA-MA、HY-2CA-1846-B-glu お

よび HY-2CA-1846-B は雌性ラットにおいて雄性ラットよりも多く排泄され、その他

の代謝物については雌雄ラットでほぼ同量が排泄された。その他の 6 種類の代謝物

は 0.13~0.17%以下であった。糞中抽出性 14C は、全て未変化の親化合物(39.92~51.65%)であった。 未吸収の親化合物は代謝を受けることなく排泄され、体内へと吸収されたプロフル

トリンは、代謝を受けた後に体外(主に胆汁中)へと排泄された。胆汁中のプロフ

ルトリンのエステル結合を保持した代謝物は、腸肝循環を繰り返し、エステル結合

が開裂後、XLDA および FOAL のグルクロン酸抱合体等として、尿中に排泄された

と考えられた。

表ホ-15 胆管カニューレ処置ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg 単回経

口投与したときの胆汁及び尿中代謝物組成(0-48 時間)(平均値)

代謝物 投与量に対する割合(%)

雄 雌 胆汁 尿 糞 胆汁 尿 糞

プロフルトリン N.D. N.D. 39.92 N.D. N.D. 51.65 XLDA-D N.D. 0.46 N.D. N.D. 0.34 N.D.

XLDA-glu 3.33 2.77 N.D. 1.96 1.84 N.D. XLDA 0.85 0.13 N.D. N.D. 0.19 N.D.

HY-diol-1846-glu 3.05 N.D. N.D. 1.57 N.D. N.D. XLDA-MA N.D. 0.04 N.D. N.D. 0.15 N.D. FOAL-glu 14.32 10.94 N.D. 13.82 10.72 N.D. FOAL-D N.D. 0.49 N.D. N.D. 0.33 N.D.

HY-2CA-1846-B-glu 4.06 0.18 N.D. 1.19 1.12 N.D. HY-2CA-1846-B 2.25 0.03 N.D. 1.10 0.68 N.D.

ωCA-1846 0.54 N.D. N.D. 0.24 N.D. N.D. その他* 8.72 0.17 N.D. 4.42 0.13 N.D.

非抽出物 N.D. N.D. 0.38 N.D. N.D. 0.45

合計 37.10 15.20 40.30 24.30 15.50 52.10

N.D.:検出されず。 (n=4) *:11 画分(胆汁)あるいは 5 画分(尿)(未知代謝物)の合計値。

ホ-22

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③血漿,肝臓及び腎臓中代謝物の分析 [ -14C]プロフルトリンを投与したラットの血漿,肝臓及び腎臓中の代謝物

分析結果を表ホ-15~表ホ-17に示す。

低用量(1 mg/kg)投与群において、雄性ラットで投与後 6~12 時間目、雌性ラッ

トで同 8~12 時間目の肝臓、腎臓および血漿中の 14C 代謝物を分析したところ、排

泄物中の代謝物と同様の代謝物が検出された。肝臓抽出液中で最も高濃度であった

のは、HY-2CA-1846-B であり、その他に、ωCA-1846、HY-2CA-1846-B-glu、XLDA、

XLDA-MA および FOAL-glu が認められた。腎臓抽出液中で最も高濃度であったの

は、FOAL-glu であり、その他に、HY-2CA-1846-B-glu、HY-2CA-1846-B、XLDA、

XLDA-glu および XLDA-MA が認められた。血漿抽出液中には、XLDA-glu、XLDA、

FOAL-glu、HY-2CA-1846-B およびωCA-1846 が認められた。 高用量(60 mg/kg)投与群において、雄性ラットで投与後 6~24 時間目、雌性ラ

ットで 6~12 時間目の肝臓抽出液中には、HY-2CA-1846-B、XLDA、ωCA-1846、HY-2CA-1846-B-glu および FOAL-glu が認められた。腎臓抽出液中で最も高濃度で

あったのは、 FOAL-glu であり、その他に、 XLDA-glu 、 XLDA および

HY-2CA-1846-B-glu が認められた。血漿抽出液中には、XLDA-glu、XLDA、

FOAL-glu および HY-2CA-1846-B が認められた。 以上の全ての投与群において投与 14C 量の 5%を超える未知代謝物は認められなか

った。 表ホ-16 雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを単回経口投与したときの血漿中

代謝物組成(平均値)

代謝物

代謝物濃度 (µg プロフルトリン相当量/g) 1 mg/kg 60 mg/kg

雄 雌 雄 雌 6 時間 12時間 8 時間 12時間 6 時間 24時間 6 時間 12時間

XLDA-glu N.D. N.D. N.D. 0.005 N.D. N.D. 0.8 N.D. XLDA 0.022 0.009 0.021 0.007 1.1 N.D. 1.1 0.7

FOAL-glu 0.022 0.005 0.010 0.007 2.0 0.4 1.3 0.8 HY-2CA-1846-B N.D. 0.009 0.015 0.006 N.D. 0.3 N.D. N.D.

ωCA-1846 0.039 0.006 0.018 0.006 N.D. N.D. N.D. N.D. その他* 0.024 0.012 0.022 0.008 N.D. N.D. N.D. N.D. 非抽出物 0.008 0.008 0.009 0.007 0.3 0.3 0.3 0.3 合計 0.115 0.050 0.095 0.046 3.4 0.9 3.6 1.7

N.D.:検出されず。 (n=3) *:2 画分(未知代謝物)の合計値。

ホ-23

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表ホ-17 雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを単回経口投与したときの肝臓中代謝

物組成(平均値)

代謝物

代謝物濃度 (µg プロフルトリン相当量/g) 1 mg/kg 60 mg/kg

雄 雌 雄 雌 6 時間 12 時間 8 時間 12 時間 6 時間 24 時間 6 時間 12 時間

XLDA 0.065 0.017 0.084 0.045 3.7 1.4 3.0 1.5 XLDA-MA 0.035 N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. FOAL-glu 0.030 0.018 N.D. 0.023 N.D. N.D. N.D. 1.4

HY-2CA-1846-B- glu

0.115 0.035 0.090 0.035 N.D. 2.0 3.8 1.2

HY-2CA-1846-B 0.189 0.169 0.145 0.093 4.1 N.D. 1.1 0.7 ωCA-1846 0.119 0.030 0.103 0.016 2.2 N.D. 1.1 0.6 その他* N.D. 0.029 N.D. 0.011 2.8 N.D. N.D. N.D.

非抽出物 0.133 0.195 0.080 0.054 2.4 3.8 1.1 1.1

合計 0.686 0.492 0.502 0.278 15.1 7.2 10.1 6.4

N.D.:検出されず。 (n=3) *:1 画分(未知代謝物)。

表ホ-18 雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを単回経口投与したときの腎臓中代謝物

組成(平均値)

代謝物

代謝物濃度 (µg プロフルトリン相当量/g) 1 mg/kg 60 mg/kg

雄 雌 雄 雌 6 時間 12 時間 8 時間 12 時間 6 時間 24 時間 6 時間 12 時間

XLDA-glu 0.020 0.015 0.052 0.013 2.8 N.D. 2.2 1.4 XLDA 0.039 0.016 0.026 0.021 2.1 N.D. 1.3 0.8

XLDA-MA N.D. N.D. 0.021 N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. FOAL-glu 0.166 0.046 0.129 0.051 9.8 2.6 5.1 3.2

HY-2CA-1846-B- glu 0.058 0.043 0.056 0.016 N.D. 0.5 N.D. N.D.

HY-2CA-1846-B 0.047 0.032 0.029 0.024 N.D. N.D. N.D. N.D. その他* 0.041 N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. 2.8 N.D. 非抽出物 0.010 0.008 0.008 0.005 0.4 0.4 0.2 0.2

合計 0.381 0.160 0.322 0.130 15.0 3.5 11.7 5.7 N.D.:検出されず。 (n=3) *:1 画分(未知代謝物)。

ホ-24

Page 26: ホ.吸収、分布、代謝、排泄...雌雄Crl:CD(SD)ラットに1 mg/kg あるいは20 mg/kg にて単回経口投与した場合の分 布、代謝および排泄からプロフルトリンの酸側代謝物の分布、代謝および排泄を考察した

②代謝経路 [ -14C]プロフルトリンにおける代謝物の同定結果から,プロフルトリンの

主要な代謝反応は,以下のように推定された。 (1)エステル結合の開裂 (2)フェニル基 4 位のメチル基の酸化 (3)シクロプロパン環 2 位のメチル基のカルボン酸への酸化 (4)プロペニル基の二重結合のエポキシ化後の水和 (5)プロペニル基の末端メチル基の酸化 (6)(1)で生じたベンジルアルコールのカルボン酸への酸化 (7)(2)で生じたベンジルアルコールのグルタチオン抱合化およびメルカプツー

ル酸への代謝 (8)(1)または(2)で生じたベンジルアルコールのグルクロン酸抱合化 プロフルトリンのラットにおける推定代謝経路を図ホ-2に示す。

ホ-25

Page 27: ホ.吸収、分布、代謝、排泄...雌雄Crl:CD(SD)ラットに1 mg/kg あるいは20 mg/kg にて単回経口投与した場合の分 布、代謝および排泄からプロフルトリンの酸側代謝物の分布、代謝および排泄を考察した
Page 28: ホ.吸収、分布、代謝、排泄...雌雄Crl:CD(SD)ラットに1 mg/kg あるいは20 mg/kg にて単回経口投与した場合の分 布、代謝および排泄からプロフルトリンの酸側代謝物の分布、代謝および排泄を考察した

雌性ラットで同 76.8%(尿:58.3%、糞:17.9%、呼気:0.6%)が排泄された。投与

後 168 時間目までの総 14C 排泄率は雄性ラットで同 99.0%(尿:65.6%、糞:32.8%、

呼気:0.5%)、雌性ラットで同 99.7%(尿:71.8%、糞:27.3%、呼気:0.6%)であ

った。 高用量群においても、低用量群と同様に 14C の尿および糞中への排泄は、速やかで

あり、投与後 168 時間目までの総 14C 排泄率は雄性ラットで投与 14C 量の 98.1%(尿:

60.2%、糞:37.8%)、雌性ラットで同 97.6%(尿:59.4%、糞:38.2%)であった。

低用量群と比較して糞中への 14C 排泄率が高い値を示しており、高用量群においては、

消化管からの 14C 吸収の飽和による未吸収 14C が増加したと考えられた。

表ホ-19 雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg 単回経口投与したときの

尿,糞,呼気中排泄率(平均値±S.D.)

時間 投与量に対する割合(%)

尿 糞 呼気 計 0-6 12.9±3.93 - - 12.9±3.93

0-12 38.1±3.50 - - 38.1±3.50 0-24 57.1±7.39 23.5±15.20 0.5±0.10 81.1±8.41 0-48 64.1±9.43 31.3±10.80 0.5±0.10 95.9±1.38 0-72 65.2±10.15 32.2±10.09 0.5±0.10 98.0±0.18 0-120 65.5±10.40 32.7±9.89 0.5±0.10 98.7±0.62 0-168 65.6±10.44 32.8±9.84 0.5±0.10 99.0±0.71 残屍体 0.3±0.10 総計 99.3±0.76

-:分析せず (n=4)

ホ-27

Page 29: ホ.吸収、分布、代謝、排泄...雌雄Crl:CD(SD)ラットに1 mg/kg あるいは20 mg/kg にて単回経口投与した場合の分 布、代謝および排泄からプロフルトリンの酸側代謝物の分布、代謝および排泄を考察した

表ホ-20 雌ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg 単回経口投与したときの

尿,糞,呼気中排泄率(平均値±S.D.)

時間 投与量に対する割合(%)

尿 糞 呼気 計 0-6 13.1±3.11 - - 13.1±3.11

0-12 37.5±9.00 - - 37.5±9.00 0-24 58.3±7.98 17.9±11.88 0.6±0.07 76.8±9.35 0-48 70.1±5.02 26.3±5.33 0.6±0.07 97.0±0.28 0-72 71.3±5.24 26.9±5.10 0.6±0.07 98.8±0.20 0-120 71.7±5.33 27.2±5.02 0.6±0.07 99.4±0.38 0-168 71.8±5.33 27.3±4.99 0.6±0.07 99.7±0.42 残屍体 0.2±0.03 総計 99.8±0.43

-:分析せず (n=4) 表ホ-21 雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 60 mg/kg 単回経口投与したとき

の尿,糞中排泄率(平均値±S.D.)

時間 投与量に対する割合(%)

尿 糞 計 0-6 16.5±5.31 - 16.5±5.31

0-12 35.0±11.44 - 35.0±11.44 0-24 52.0±12.76 30.2±7.66 82.2±7.66 0-48 59.0±11.63 37.0±9.73 95.9±2.84 0-72 59.8±11.46 37.5±9.73 97.3±2.32 0-120 60.1±11.49 37.8±9.75 97.9±2.20 0-168 60.2±11.47 37.8±9.76 98.1±2.18 残屍体 0.2±0.04 総計 98.3±2.21

-:分析せず (n=4)

ホ-28

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表ホ-22 雌ラットに[ -14C]プロフルトリンを 60 mg/kg 単回経口投与したとき

の尿,糞中排泄率(平均値±S.D.)

時間 投与量に対する割合(%)

尿 糞 計 0-6 13.4±2.34 - 13.4±2.34

0-12 26.9±4.52 - 26.9±4.52 0-24 44.9±5.60 29.6±12.87 74.4±11.43 0-48 57.2±8.47 37.7±10.35 95.0±3.05 0-72 59.0±8.75 38.1±10.23 97.0±2.40 0-120 59.3±8.74 38.2±10.23 97.5±2.28 0-168 59.4±8.72 38.2±10.24 97.6±2.27 残屍体 0.1±0.04 総計 97.7±2.25

-:分析せず (n=4) ②胆汁への放射能の排泄

[ -14C]プロフルトリンを胆管カニュレーションを施したラットに投与した

際の胆汁,尿及び糞への排泄率を表ホ-22および表ホ-23に示す。

胆汁を導出した雌雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg(低用量)

で単回経口投与したところ、投与後 24 時間目に雄性ラットで投与 14C 量の 79.5%(胆

汁:34.4%、尿:14.0%、糞:31.1%)、雌性ラットで同 78.2%(胆汁:23.2%、尿:

14.4%、糞:40.6%)、投与後 72 時間目までに雄性ラットで投与 14C 量の同 93.6%(胆汁:37.3%、尿:15.3%、糞:41.0%)、雌性ラットで同 92.5%(胆汁:24.4%、

尿:15.7%、糞:52.4%)が排泄された。投与後 72 時間目の消化管内容物には極僅

かの 14C が認められただけであり、残屍体中には雄性ラットでそれぞれ投与 14C 量の

0.6%、雌性ラットで 0.2%が認められた。 胆汁排泄実験における主要排泄経路は胆汁であったが、胆汁を導出していない通常

のラットにおいては、尿中に排泄される割合が多く、尿中が主要排泄経路になって

いたことから、通常のラットでは、胆汁へ排泄された 14C が腸肝循環および代謝後、

尿中に排泄されると考えられた。尿、胆汁、糞および呼気中への各総 14C 排泄率に顕

著な性差は認められなかった。

ホ-29

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表ホ-23 雄ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg 単回経口投与したときの

尿,胆汁,糞中排泄率(平均値±S.D.)

時間 投与量に対する割合(%)

尿 胆汁 糞 計 0-6 4.1±2.74 12.1±6.94 - 16.2±9.63

0-12 10.8±4.52 28.0±8.46 - 38.8±12.90 0-24 14.0±4.46 34.4±8.24 31.1±13.27 79.5±12.80 0-48 15.2±4.26 37.1±8.51 40.3±11.94 92.6±1.89 0-72 15.3±4.25 37.3±8.60 41.0±11.72 93.6±1.21 残屍体 0.6±0.43 総計 94.3±1.30

-:分析せず (n=4)

表ホ-24 雌ラットに[ -14C]プロフルトリンを 1 mg/kg 単回経口投与したときの

尿,胆汁,糞中排泄率(平均値±S.D.)

時間 投与量に対する割合(%)

尿 胆汁 糞 計 0-6 5.6±2.77 8.5±2.18 - 14.2±4.31

0-12 10.9±6.08 16.6±5.21 - 27.6±10.39 0-24 14.4±8.01 23.2±9.15 40.6±20.52 78.2±9.55 0-48 15.6±8.50 24.3±10.11 52.1±14.85 91.9±4.16 0-72 15.7±8.48 24.4±10.08 52.4±14.84 92.5±4.04 残屍体 0.2±0.11 総計 92.7±4.00

-:分析せず (n=4)

ホ-30