段ボールに印刷された色の標準 m 0001:2000段ボール業界規格 jcs...

2
段ボール業界規格 JCS 段ボールに印刷された色の標準 M 0001:2000 Stand ard for co lor print ed on co rrug ated fibreb oard 1.適用範囲 この規格は、外装用段ボールの表面に施した印刷の色(以下、段ボールの印刷色という。)について規定す る。 2.引用規格 次に掲げる規格は、この規格に引用されることによって、この規格の規定の一部を構成する。これらの引用 規格は、その最新版(追補を含む。)を適用する。 JI S P 3902段ボール用ライナ JI S Z8721 三属性による色の表示方法 JI S Z8722物体色の測定方法 3. 種類 段ボール印刷色の標準コード番号及び色名は、第1に示す18種類とする。また、色の表示方法はJ I S Z 8721による。 表1 種類 段ボール原紙の種類 C 級ライナ* A 級ライナ* 白(白色)ライナ コード番号 色名 HV/C HV/C HV/C D 010 ぼたん 0.6 R 4.6/9. 7 1.7 R 4.5/8. 9 9. 0 RP 5. 1/12. 1 D 030 あか 4.9 R 4.2/9. 9 5. 3 R 4.1/9. 4 3. 4 R 4.5/12. 8 D 040 あか 5. 4 R 4.2/10. 3 5. 8 R 4.1/9. 5 3. 8 R 4.7/12. 8 D 050 オレンジ 9. 7 R 5. 2/10. 3 9. 9 R 5. 0/9. 6 8.7 R 5. 9/13. 0 D 060 オレンジ 3. 0 Y R 5. 7/10. 3 3. 1 Y R 5. 5/9. 7 2. 3 Y R 6. 6/12. 6 D 070 1.1 Y 6. 4/9. 0 0.5 Y 6. 1/8. 4 1.1 Y 7.7/11. 6 D 090 くさ 1.2 G 4.2/6. 0 0.6 G 4.1/5. 2 1.9 G 4. 8/8.2 D 110 くさ 4.9 G 4.1/6. 1 4.0 G 3. 9/5. 1 7.0 G 4.7/8.5 D 130 あさぎ 4.5 B 4.3/6. 1 2. 8 B 4.2/5. 1 7.2 B 4.7/8. 7 D 140 ぐんじょう 3. 9 PB 3. 5/6. 0 2. 6 PB 3. 4/4. 5 5. 8 PB 3. 9/11. 1 D 160 あい 0.6 PB 3. 4/5. 4 8.6 B 3. 3/4. 1 3. 5 PB 4.0/10. 8 D 170 こんあい 4.9 PB 3. 1/3. 1 3. 4 PB 3. 1/2. 1 6. 0 PB 3. 4/6. 7 D 180 こんあい 6. 8 PB 3. 1/4. 4 6. 4 PB 3. 1/3. 0 7.5 PB 3. 5/10. 1 D 200 むらさき 9. 0 PB 3. 5/2. 1 7.3 RP 3. 5/4. 5 0.2 RP 3. 8/8.0 D 220 ちゃ 4.0 Y R 4.1/4. 0 4.5 Y R 4.0/3. 9 2. 1 Y R 4.4/4. 5 D 240 ちゃ 3. 7 Y R 3. 2/2. 1 3. 7 Y R 3. 3/2. 3 0.3 Y R 3. 4/2. 3 D 250 しろ N 8.1 N 7.7 D 260 くろ N 2. 3 N 2. 5 N 2. 5 注*J I S P 3902による種類 4.標準値測定試料 段ボールに印刷された色の標準値測定に使用した試料は、表2の段ボール原紙を用い、 色は均一な印刷状態とする。 表2 色の標準値測定試料 段ボール原紙の種類 C 級ライナ* A 級ライナ* 白(白色)ライナ 表示(H、V/C ) 2. 3 Y 6. 6/3. 6 0.5 Y 6. 1/4. 1 9. 3 Y8.7/0. 3 5.測定方法 段ボールの印刷色標準値測定はJ I S Z 8722によって行う。 インキの展

Upload: others

Post on 22-Aug-2020

4 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 段ボールに印刷された色の標準 M 0001:2000段ボール業界規格 JCS 段ボールに印刷された色の標準 M 0001:2000 Standard for color printed on corrugated

 

段ボール業界規格 JCS

 

段ボールに印刷された色の標準 M 0001:2000

Standard for color printed on corrugated fibreboard 

    1.適用範囲  この規格は、外装用段ボールの表面に施した印刷の色(以下、段ボールの印刷色という。)について規定す

る。

 2.引用規格  次に掲げる規格は、この規格に引用されることによって、この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は、その最新版(追補を含む。)を適用する。              JIS P 3902 段ボール用ライナ              JIS Z 8721 三属性による色の表示方法              JIS Z 8722 物体色の測定方法

 3.種類  段ボール印刷色の標準コード番号及び色名は、第1に示す18種類とする。また、色の表示方法はJIS Z8721による。

                                        表1 種類

段ボール原紙の種類 C級ライナ* A級ライナ* 白(白色)ライナ

コード番号 色名 H V/C H V/C H V/C

D 010 ぼたん 0.6 R 4.6/9.7 1.7 R 4.5/8.9 9.0 RP 5.1/12.1

D 030 あか 4.9 R 4.2/9.9 5.3 R 4.1/9.4 3.4 R 4.5/12.8

D 040 あか 5.4 R 4.2/10.3 5.8 R 4.1/9.5 3.8 R 4.7/12.8

D 050 オレンジ 9.7 R 5.2/10.3 9.9 R 5.0/9.6 8.7 R 5.9/13.0

D 060 オレンジ 3.0 YR 5.7/10.3 3.1 YR 5.5/9.7 2.3 YR 6.6/12.6

D 070 き 1.1 Y 6.4/9.0 0.5 Y 6.1/8.4 1.1 Y 7.7/11.6

D 090 くさ 1.2 G 4.2/6.0 0.6 G 4.1/5.2 1.9 G 4.8/8.2

D 110 くさ 4.9 G 4.1/6.1 4.0 G 3.9/5.1 7.0 G 4.7/8.5

D 130 あさぎ 4.5 B 4.3/6.1 2.8 B 4.2/5.1 7.2 B 4.7/8.7

D 140 ぐんじょう 3.9 PB 3.5/6.0 2.6 PB 3.4/4.5 5.8 PB 3.9/11.1

D 160 あい 0.6 PB 3.4/5.4 8.6 B 3.3/4.1 3.5 PB 4.0/10.8

D 170 こんあい 4.9 PB 3.1/3.1 3.4 PB 3.1/2.1 6.0 PB 3.4/6.7

D 180 こんあい 6.8 PB 3.1/4.4 6.4 PB 3.1/3.0 7.5 PB 3.5/10.1

D 200 むらさき 9.0 PB 3.5/2.1 7.3 RP 3.5/4.5 0.2 RP 3.8/8.0

D 220 ちゃ 4.0 YR 4.1/4.0 4.5 YR 4.0/3.9 2.1 YR 4.4/4.5

D 240 ちゃ 3.7 YR 3.2/2.1 3.7 YR 3.3/2.3 0.3 YR 3.4/2.3

D 250 しろ N 8.1 N 7.7 -

D 260 くろ N 2.3 N 2.5 N 2.5

                                                        

                                  注* JIS P 3902による種類

 4.標準値測定試料  段ボールに印刷された色の標準値測定に使用した試料は、表2の段ボール原紙を用い、

色は均一な印刷状態とする。

                                  表2 色の標準値測定試料

段ボール原紙の種類 C級ライナ* A級ライナ* 白(白色)ライナ

表示(H、V/C) 2.3 Y 6.6/3.6 0.5 Y 6.1/4.1 9.3 Y 8.7/0.3

 5.測定方法  段ボールの印刷色標準値測定はJIS Z 8722によって行う。

インキの展

Page 2: 段ボールに印刷された色の標準 M 0001:2000段ボール業界規格 JCS 段ボールに印刷された色の標準 M 0001:2000 Standard for color printed on corrugated

JCS M 0001:2000

段ボールに印刷された色の標準  解説 

 この解説は、本体に規定・記載した事柄及びこれに関連した事柄を説明するもので、規格の一部ではない。

 平成4年に改正された日本工業規格JIS Z 0501(段ボールに印刷された色の標準)は、JISのゼロベース見直しに伴い廃止されることになったが、段ボール印刷色の標準としての必要性から、日本段ボール工業会の業界規格として新たに制定し、存続させることとした。 業界規格制定に当たり、日本段ボール工業会技術委員会において内容を再検討した結果、原規格を内容変更せず業界規格に移行することにした。

 以下に、過去の経緯を明らかにするため、平成4年5月1日改正時の解説の一部を再度掲載する。

1.改正の経緯 この規格は、昭和44年5月に制定され、その後約20年を経過した。

 制定当時の段ボール用印刷インキはアマニ油系溶剤をビヒクルとし、顔料は無機系化合物を主体にしたものであった。その後、段ボ

ール箱の生産性向上のため、グリコール系のビヒクルを用いた速乾性インキが現れ、更に極めて乾燥の速い水性のフレキソインキが

多く用いられるようになった。

 また公害防止が社会的な問題として浮上するに伴い、昭和48年にインキ工業会は有害物質を顔料として使用しない自主規制措置をと

ったことで、顔料が有機系化合物に変わったため、段ボールに印刷された色の色調とインキの被覆力が変化してきた。 この

めJ ISZ0501-1976は現実と離れたものとなってしまった。

 段ボール業界はこの調整のため、昭和57年にインキ工業会の協力でこの規格の改正を意図したが、実現せず、改正までの暫定措置

として業界規格を昭和58年に制定した。

 また昭和61年にも改正が意図されたが実現しなかった。今回この規格を日本工業規格として、実情に即したものに改める必要性が高

まり改正を行った。

2.改正の要点

 a) 適用範囲 近年、“美術印刷外装用箱”が漸増しているので、これらの箱へのこの規格の適用を除外するため適用範囲を“物

流用に使用する外装用段ボールの表面-”と改める案が出たが、従来の“外装用段ボール箱”でも輸送・保管など物流を主目

的として用いられる段ボール箱であると理解できるので、特に“物流用に使用する”は付記しないこととした。

 b) 種類 改正前の規格は、油性インキ16色を用いたものであるが、前述のようにその後の大きな変化があったので、改正に当た

っては油性インキではなく、フレキソインキと速乾性インキの双方を用いた印刷とし、現在広く実用されている18色とした。従来

の番号を現在実用されているコード番号に変えた。コード番号の最初のDは段ボール印刷用のインキであることを示す記号であ

る。色名については関連規格J IS Z 8102(物体色の色名)とともに、コード番号などと同様な配慮をして現在実用されているも

のを用いた。

 表色系には、マンセル系、L*a*b*系、U*V*W*系などがあるが、今回の改正に当たっては、従来の規格と同様マンセル系を採

用した。

 また、改正前の規格は印刷された色の色差(ΔE)を規定しているが、次の二つの理由でΔEを削除した。

 (1) ΔEを測定する標準光源は通常の生活環境では存在せず実用的でない。

 (2) ΔH、ΔV、ΔCを検討したが、近接した色ではH、V/Cの数値がラップするものがある。よって、表1のH、V/Cの値は表2の段

ボール原紙を被印刷原紙とした印刷色の実測値そのものを示すこととした。

 c) 標準値測定試料 印刷された色の被印刷段ボール原紙の種類は改正前にはジュートライナ、クラフトライナの2種類となって

いる。今回の改正ではJ IS P 3902(段ボール用ライナ)の呼称であるC級ライナ及びA級ライナに変更した。近年表面が白色の

段ボール原紙の使用が増加しているので、新たに白(白色)ライナも加え、被印刷段ボール原紙3種類とした。ただし、コード番

号D250、色名しろは白(白色)ライナに印刷されることがないと考え、表1中にはそのH、V/Cの数値を示さなかった。

 被印刷段ボール原紙の表示(H、V/C)は表2のもので、これにも印刷された色のときと同様に許容差を規定せず、使用した

原紙の測定値そのものを示した。

 インキの展色状態については、最近印刷機構が多様化し機械の種類が増えてきたので、改正前にはインキ層の厚さを規定し

ていたが、今回の改正では、単に均一な印刷状態と表現した。

その他の改正点 改正前の規格は色見本の大きさを規定していたが、これはこの規格の範囲でないので削除した。また、関

連規格としてJ IS Z 8723(表面色の視感比較方法)を載せ、比色方法も除いた。

 d) 規格実用上の留意点 この規格の実用に当たっては、本体表1のH、V/Cの値を測定した試料である“色見本帳”(日本段ボ

ール工業会、全国段ボール工業組合連合会、全国紙器工業組合連合会、印刷インキ工業組合連合会)を利用することが望ま

しい。