fx (外国為替証拠金取引) と為替相場変動要因
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FX (外国為替証拠金取引) と為替相場変動要因. 法政大学経営学部 3年 松浦 航. はじめに. - PowerPoint PPT PresentationTRANSCRIPT
FX(外国為替証拠金取引)と為替相場変動要因
法政大学経営学部3年 松浦 航
はじめに• FX(外国為替証拠金取引)は1998年に「外国為替法」が改正され、個人投資家でも外国為替が可能になった事から始まった取引である。一般的に FXはリスクが大きいと言われているが、為替の変動要因を理解し、リスク管理を行えば投資家が大きな損失を負う事はほとんどありません。 FXを通じて為替相場の参加者となることで日頃のニュースからの情報がより身近に感じられるのではないのでしょうか?皆さんに FXの魅力、面白さについて広く知ってもらいたいと思い、今回はその仕組みと為替相場の変動要因について簡易発表したいと思います。
目次• 外国為替の基礎知識• FXの仕組み• 為替相場変動要因
• まとめ• 参考文献
外国為替の基礎知識
• 概要• 円高と円安• 取引参加者• 取引市場について• 取引通貨について• FX以外の外貨商品
概要
• 為替=通貨を交換すること 日本では円を基準にみるので、為替レートが変動する と円高になったり円安になったりします。
• 為替レート=通貨の交換比率の事 「1ドル=100円」のように表す 為替レートは国の経済力、金利、政治的要因で常に変動する。 その変動を見越して利益を狙っていくのが外貨投資である。 実際に取引が行われるなは外国為替市場で、主な市場は ニューヨーク、東京、ロンドンとなっている。
円高と円安
1ドル=90円
1ドル=100円
1ドル=110円
1ドル購入するのに90円あれば充分
円高
1ドル購入するのに110円必要
円安
取引参加者
• 銀行• 機関投資家• 個人投資家• ヘッジファンド• 商社、石油会社等の輸出入企業
外国為替市場の仕組み
対顧客市場外貨預金や外国債券などの外貨建て商品が取引される
インターバンク市場・金融機関のみ参加可能・為替の卸値が決まる
銀行
銀行銀行
輸出入会社個人
為替レートはTTS(銀行にとっての売りレート)TTB(銀行にとっての買いレート)として銀行店頭に表示される。レートは原則1日1回決定され、終日適用される。
取引通貨
ユーロ
英ポンド
カナダドル
NZドル
豪ドル
円
米ドル
・機軸通貨となる米ドル の取引が圧倒的に多い
・米ドル以外の通貨を取引する際にも米ドルが介在する。
例えば、円を売って豪ドルを買う時は、一旦、円を売って米ドルを買うと同時に、米ドルを売って豪ドルを買います。これを「クロス取引」と言います。
FX以外の外貨商品一覧銀行で販売可能な商品 外貨預金 外国債券
商品内容 通貨が円以外で預け入れる預金
海外の国や企業が外貨建てで発行する債券
留意点 高金利だが、為替手数料が高く、解約がすぐにできない
保有期間が長いと高金利でも為替変動リスクがある。
証券会社の商品 外貨建MMF 外国債券 外国投信 外国株式
商品内容外国投資信託の一種。格付の高い債券を組み入れ運用
海外の国や企業が外貨建てで発行する債券
外国籍の投資信託
外国の株式市場に上場されている株に投資する
留意点外貨預金より金利・手数料が有利
為替変動リスクがある
手数料が高く、情報が少ない
情報が仕入れにくい。手数料が高い
FXの仕組み
• 紹介• 近年の人気• FXの特徴• FX取引の実際(簡略に)• FXのメリット・デメリット
紹介• FX( Foreign Exchange)の正式名称は外国為替証拠金取引
• 1988年に「外国為替法」が改正され、個人投資家でも外国為替の取引が可能になった事から取引が開始される。
• 一定の証拠金(担保)を業者に納めて、その額に比例した範囲内での外貨の取引を行い、為替差益を狙う取引である。
• 口座開設もネットから気軽にできる為に、口座数も年々増加している。
近年の人気
• 06年 3 月 33.0 万口座
• 07年 3 月 64.4 万口座
• 08年 3 月 123.7 万口座
急速に FX人口が増加
口座開設が容易キャッシュバック等
投資科学アカデミーより転載
理由は?
特徴
• 円高でも円安でも利益を狙える 基本的に外貨建て商品は円で外貨を買いますが、 FXの場合は円を買ってドルを売るという事もできるので、円高局面でも利益を狙える
• 24時間取引可能 株と違い、為替市場が世界各地に分散してあるため
円を預けたのに円を買う??
FXは外貨そのものをかうのではなく売買の権利を買い差額を証拠金から増減させる取引である
特徴• 取り扱い通貨が豊富 業者によって違いはあるが、日本円や米ドル、英ポンドを始めとした主要通貨の他に、トルコリラやアイスランドクローネ等のマイナー通貨も取り扱う事が出来ます
→投資家は円 /米ドル、ユーロ /米ドルなどの業者が用意してた通貨ペアを選択し取引をします
• 少ない証拠金で大きな額の取引ができる このレバリッジ効果が FXの一番の特徴といえる。日本
語で「てこの原理」を意味し、少額の投資金額で多額の取引が出来る。つまり、 FXは投資効率が良いのである
FXは預けたお金 ( 証拠金 ) を担保として、証拠金の範囲内でレバリッジを利用し外貨取引を行う金融商品
レバレッジとは?
• FXは基本的に1万通貨単位で注文する(業者によっては 1000通貨、 100通貨もある)
• つまり、 1 万ドル (100 万円)が最低注文単位となる。
• レバリッジ100倍の場合、 1 万円 (1 万円 ×100 )が 1 単位注文するのに必要な証拠金となるので証拠金が10万円の場合、最大10単位(1000 万 )購入する事ができる。
1 ドル=100円の時 取引通貨 円 /米ドル 注文数量 1 万通貨 レバリッジ 100倍 証拠金 10万円
設定条件
取引の実際
• 買い注文の場合、思惑通りに円安の方向に進んでいけば利益を得る事ができる。売り注文の場合は円高で利益
• しかし円高方向に進んでしまった場合は含み損を抱える。しかし、確定しない限り実際に損失をする事はないので、相場の反転を待つことも出来る
• そのまま、円高に進み含み損が証拠金の20%以下(業者により異なる)になった場合、強制的に決済される。これを強制ロスカットと言う。
• 言い換えれば、証拠金を100万円預けていれば、注文枚数が1単位の場合、1ドル=20円になるまでは決済されない←米国が崩壊しない限り有り得ない
1 ドル=100円の時 取引通貨 円 /米ドル 注文数量 1 万通貨 レバリッジ 100倍 証拠金 10万円
設定条件
1 単位1 万ドル買注文
104円で利確
4 万円の利益
96円で損切り
4万円の損失
92円で強制終了
8 万円の損失
108円で利確
8 万円の利益
取引の実際
• リターンは大きいが、あまりにもリスクが大きい
• レバリッジを高くするのは危険? それはレバリッジを高くすると注文
枚数を増加させる事ができるからであり、注文数量が1万通貨であればレバリッジが5倍だろうが100倍だろうがリスクの大きさは全く変わらない
・リスクの大きさはレバリッジに比例するのではなく注文数量に比例する
10単位10万ドル買注文
104円で利確
40万円の利益
9 9 .2円で強制ロスカット
8万円の損失
108円で利確
80万円の利益
1 ドル=100円の時 取引通貨 円 /米ドル 注文数量 10万通貨 レバリッジ 100倍 証拠金 10万円
設定条件
取引の実際
• レバリッジは注文数量の上限を決定するだけ
• 上記の場合、レバリッジが400倍だと1単位注文するのに2500円。証拠金が100万円あるとしたら、400単位注文可能。
• 1円の円安で400万円の利益を得ることが出来ますが・・・・
• この場合は3~5単位が妥当
3単位3万ドル買注文
104円で利確
12万円の利益
96円で損切り
12万円の損失
73円で強制終了
8 0万円の損失
108円で利確
24万円の利益
1 ドル=100円の時 取引通貨 円 /米ドル 注文数量 3万通貨 レバリッジ 400倍 証拠金 100万円
設定条件
要は証拠金の額に合わせた注文数量に抑える事でリスクを抑える事は可能 それに加え、情報収集力・分析力を勉学や経験により醸成していくことが利 益を産み出していく為に重要である
FXのメリット
• 手数料が他の投資商品に比べて格安• 24時間取引でき、注文・決済を予約できるので PCに張り付く必要がない
•レバリッジ効果により投資効率が高い•預けた証拠金以上の損失を被らない•円高局面・円安局面、両方から利益が狙える
FXのデメリット
• 多くの収益が期待できる分、損失も大きくなる可能性がある
• 為替変動リスクがある• 投資判断が全て自己責任である為、充分な知識・経験・相場の分析が必要
確かに、ハイリスクな投資である事には間違いない。しかし、充分な知識・を身につけ、証拠金に合わせた注文数量に押さえ、損切りを行えるようになれば、大きな損失を被る事はないと言える
では、相場変動の仕組みと経済指標について考察します。
為替相場変動要因
• 概要• 経済指標• 政治問題や突発事項• 他の金融マーケット
概要• 相場の流れを決めるのはファンタメンタルズ
• 各国の金融政策、経済状態、国際的な貿易や資本の収支関係、政治、軍事力等、全ての要素が含まれている
• 為替相場では国の経済動向を如実に表す経済指標に対して敏感に反応
収支
国内消費 センチメント
経済成長率
金利
為替相場
概要
• 結果が悪くても予想の範囲内ならば、相場はあまり変化しない
• 予想と結果が乖離した場合に大きく相場が動く
• その予想とは世界各地の経済アナリストの予想を集計したもの
経済指標発表
+5
悪い
+10
予想と合致
+20
良い
今回の予想は+10(前回は ± 0だった)
相場に悪影響 相場は動かない 通貨高、株高へ
前回より改善していても通貨安になることがある!!
経済指標(生産)
・代表的な指標はGDP(国内総生産)
・構成要素としては、個人消費、設備投資、政府支出、輸出入
・その他、鉱工業生産、設備稼働率、住宅着工件数 、耐久財受注、製造業受注などの指標も相場を動かす要因。
↓08年11月 米四半期実質 GDP
国名 経済指標 発表時期
米国
GDP 毎月 21 ~ 30日
耐久財受注 毎月 20 ~ 30日
日本
GDP 速報は3,6,9,12 月に発表
鉱工業生産 月次/速報は翌月下旬
英国GDP 3,6,9,12 月
中旬
ユーロGDP 1,4,7,10 月
下旬
指標発表
経済指標(インフレ)• インフレとはインフレー
ションの略で、モノの値段が上がっていく状態をいう。
• つまり、モノの値段が上がるということは相対的に貨幣の価値が減退することを意味する。
↓ 08年12月米消費者物価指数
国名 経済指標 発表時期
米国
消費者物価指数 毎月15日前後
生産者物価指数 毎月15日前後の木・金
日本
消費者物価指数 26日を含む週の金曜日
企業サービス価格指数 翌月18営業日
卸売物価指数 月1回、不定期
ユーロ
生産者物価指数 月次/翌々月の上旬
消費者物価指数 月次/翌々月の上旬
指標発表
経済指標(収支)• 日本やドイツの貿易収支は大幅な黒字である
• 貿易黒字が続けば、超過分の外貨が蓄積され、自国通貨に交換される事になる→貿易黒字国の通貨は買われやすく、貿易赤字国の通貨は売られやすい
↓ 08年 12 月 米貿易収支
国名 経済指標 発表時期
米国 貿易収支 毎月20前後
日本 国際収支 月次 /翌々月の下旬
ユーロ
国際収支 3,6,9,12の下旬
指標発表
経済指標(雇用)• 個人消費や企業の生産活動全てに関わっており、政治問題にもなり易い
• 特に米国の非農業部門就業者数は注目されやすく予想と乖離した結果が出ると大幅に相場が動く ↓08年10月 非農業部門就業者数
国名 経済指標 発表時期
米国 非農業部門就業者数
毎月第一金曜日
失業率 毎月第一金曜日
新規失業保険申請者数
毎週木曜日
日本 失業率 月次 /速報は翌月
ユーロ
失業率 月次 /速報は翌月
指標発表
経済指標(センチメント)• 将来の消費や景気動向を測ることに適している指標
• センチメントがよいと、株式相場が賑わう→通貨高になる
↓08年12月 ISM 製造業景気指数
国名 経済指標 発表時期
米国 ISM製造業景気指数
毎月第一営業日
消費者信頼感指数 毎月25日~月末
ミシガン大学消費者信頼感指数
毎月10日前後の金曜日
日本 日銀短観 4,7,10,12 月初旬
景気動向調査 毎月初旬
ユーロ 企業信頼感指数 月次 /当月下旬
指標発表
経済指標(消費)• GDP総額の約7割が個人支出である為に、消費の動向がGDPの成長率に大きな影響を与える。
• その他には、個人支出、住宅販売、小売売上高、企業在庫、卸売在庫等の指標がある。
↓08年12月 米小売売上高
国名 経済指標 発表時期米国 個人
所得・支出毎月月末
小売売上高 毎月第2週
中古住宅販売
毎月25日~月末
日本 全世帯消費支出
指標発表
金融政策
米国連邦準備制度理事会(FRB)が開く連邦公開市場委員会(FOMC )が最高決定機関
少なくとも年8回開催
ユーロ
中央銀行は欧州中央銀行(ECB)月に1度、金融政策決定の為の会合を開催する。 ちなみに、欧州は大戦後にハイパーインフレを何度も体験している為にインフレに対する警戒感が強く、金利の引き下げには慎重である。
日本
金融政策決定会合は日本銀行にて、月1回開催 日銀による大規模なドル買い(日銀砲)による市場介入等、円高に対して直接的な手段にでる場合もある。なので、日銀総裁の発言には注目が集まる。
政治問題・突発的事項
日本
北朝鮮・中国等との政治問題
地震による災害
米国
イスラム過激派・アルカイダによる国際テロ
英国
アルカイダやIRAによるテロ
欧州
異常気象加入国間の経済摩擦
豪州
干ばつ等の自然災害原油高等の資源高騰
• 有事のドル買い? 米国は強大な軍事力を持つために非難通貨としての地位を保っていたが、
9.11テロで米国そのものが標的となってからは、ドルはもはや非難通貨ではなくなったと言える
↓ロンドン地下鉄爆破テロ時の為替動向
テロ発生数時間で 3円ほど下落
その他の金融マーケット
株式市場
国力 = 経済力がすぐ反映される市場基本的にダウ平均株価とドル相場は連動Ex,米国株上昇→米ドル買い 米国株下降→米ドル売り
債券市場
特に国債の市場と関連性が深い→債券価格は世の中の金利を基本として決定されるEx,金利が上昇すると債券価格が下がる 金利が下降すると債券価格が上がる
商品市場
商品市場の通貨単位はドル石油、貴金属、エネルギー関連、食料品ex、日本は石油輸入率が高い 原油高=日本円にとってマイナス材料 →円が売られやすくなる
まとめ
• 今回調べてみて、FXは他の外貨投資商品にはない多くの特徴がある魅力的な商品だと改めて感じました。確かにリスクは存在し、運用するには多くの知識が必要だと実感しましたが、外国為替取引を行うことによって世界経済・金融を多くの視点から主体的に学ぶ事のできる媒体になるのではないかと感じました。
参考文献
• FX入門 日本実業出版会社
• FX投資の手引き 実業之日本社• http://www.fxjiten.com/
• http://damefx.blog48.fc2.com/blog-entry-10120.html#comment