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2010.3.13 第24回 長野県MR研究会Ⅱ 県立こども病院 Gd造影剤のモル濃度について Gd造影剤のモル濃度について 放射線科 畠山憲重 放射線科 畠山憲重

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2010.3.13 第24回 長野県MR研究会Ⅱ 県立こども病院

Gd造影剤のモル濃度についてGd造影剤のモル濃度について

放射線科 畠山憲重放射線科 畠山憲重

この話の経緯の話の経緯

自分 「実験しようと思うけど Gdの0 5 l て何倍希釈に自分 「実験しようと思うけど、Gdの0.5mmolって何倍希釈に

すればよかったんだっけ?」

自分 「神谷さん教えて下さい自分 「神谷さん教えて下さい」

神谷さん 「いいよー。こうするんだよ。ちなみによかったらこの

デ タも参考にしてみてデータも参考にしてみて」

自分 「ありがとうございました。」

神谷さん 「ところでさー、ちゃんとできたの?やったことまとめて

みてよ。」(あってるかどうか確認のために)

自分 「ええ~っ!!」

人体では静注された造影剤がどの程度希釈されるか文献を調べた。

FOOらの報告(Radiology 1997 203:275-280)「ボーラス注入した造影剤(GD-DTPA)のfirst passによる血中濃度は2-

3mmol/L」GD-DTPAの原液は500mmol/Lなので250-166倍に希釈

吉満 研吾 上腹部のダイナミックMRI(日本医放会誌 2001 第61巻8号)

「20 Gdを2 / 静注した場合 大動脈 Gd最大濃度は約「20ccGdを2cc/secで静注した場合、大動脈でのGd最大濃度は約5mM」

GD-DTPAの原液は500mMなので100倍に希釈GD DTPAの原液は500mMなので100倍に希釈

佐久間 肇 心臓領域におけるMRI用造影剤の実際の使用方法(日本医放会誌 2002第62巻12号)医放会誌 2002第62巻12号)

「GD-DTPA0.1mmol/kgを注入速度1ml/secにて静注した場合の大動脈血造影剤最大濃度は約4mM」

NAGANO REDCROSS HOSPITAL 3

濃度 約 」GD-DTPAの原液は500mMなので125倍に希釈

遅延造影MRIのファントム遅延造影 のファント

過去の文献から(タイトル等割愛)

装置 ファントム (Gd-DTPAの生食希釈)

① 3T 0.75mmol/L (T1値 500ms)

正常心筋 梗塞心筋

① / ( 値 )

0.375mmol/L (T1値 1700ms)

② 1.5T 1500倍希釈

③ 1.5T 0.1,0.2,0.3,・・・ ,1.6mmol/L

今回は mol/L ~倍希釈 等について再確認のためまとめてみました

900倍 1100倍

今回は mol/L , 倍希釈 等について再確認のためまとめてみました

体積モル濃度 【mol/L】体積 ル濃度 【 / 】

mol/L国際単位系(SI)における物質量の単位 溶媒溶液の体積国際単位系(SI)における物質量の単位 溶媒

溶液

溶液の体積

溶質

体積モル濃度 【mol/L】体積 ル濃度 【 / 】

mol/L国際単位系(SI)における物質量の単位国際単位系(SI)における物質量の単位

【定義】

0 012キログラム(12g)の炭素12の中に存在する原子の数と等しい数0.012キログラム(12g)の炭素12の中に存在する原子の数と等しい数の要素粒子又は要素粒子の集合体(疎性が明確にされたものに限る)で構成された系の物質量

12

原子 原子量

12

物質量

1mol

質量

12g質量数

分子 分子量 物質量質量

32 1mol32g(12+3+16+1)

体積モル濃度 【mol/L】体積 ル濃度 【 / 】

mol/Lは小文字で表現• mは小文字で表現

• mol/L = Mol(モル) あるいは M(モーラー)mol/L Mol(モル) あるいは M(モ ラ )(※ 国際単位系(SI)では認めていない)

実験室レベルのごく少量の溶液を用いる場合は接• 実験室レベルのごく少量の溶液を用いる場合は接頭辞のミリ(10-3)をあわせmmol単位を用いることが慣習となっている習となっている

マグネビスト (Gd-DTPA) 添付文書グネ ト ( ) 添付文書

販売名 グネビ トシリ ジ販売名 マグネビストシリンジ

内容量 (mL) 5 10 15 20

1 L中 ガドペンテト酸メグルミン371 40

主成分・含量

1mL中,ガドペンテト酸メグルミン371.40mg(ガドペンテト酸ジメグルミンとして469.00mg)含有

371 40 mg ⇒ 0 5 mmol

1シリンジ内の主成分量(mg) 1,857 3,714 5,571 7,428

一般名:ガドペンテト酸メグルミン371.40 mg ⇒ 0.5 mmol

1 mL = 0.001 L

分子式:C14H20GdN3O10・C7H17NO5

分子量:742.79

742.79 g ⇒ 1 mol 製剤濃度 500 mmol/L g

各社製剤各社製剤

分類 細胞外液性 肝臓

略名略名

(商品名)

Gd-DTPA

(マグネビスト)

Gd-DOTA

(マグネスコープ)

Gd-HP-DO3A

(プロハンス)

Gd-DTPA-BMA

(オムニスキャン)

Gd-EOB-DTPA

(プリモビスト)

分子式 C14H20GdN3O10

・C7H17NO5

C16H25GdN4O8

・C7H17NO5

C17H29GdN4O7 C14H28GdN5O9

・3H2O

C14H20GdN3O10

・C7H17NO5

分子量 742.89 753.86 558.69 645.72 725.71

1mL中 1mL中

371.40mg 181.43mg

モル濃度 500mmol/L 500mmol/L 500mmol/L 500mmol/L 250mmol/L

希釈希釈

500mmol/L500mmol/L

99

100倍希釈

/

500mmol/L 1

99100 5mmol/L

(500÷100)

500mmol/L 1

希釈用の器具希釈用の器具

密封あり密封なし 密封あり密封な

喀痰用スピッツ

こんなの作ってみましたんなの作 てみました

①生食 T1値2588.73ms

②500倍(1 l/L)②500倍(1mmol/L)T1値 198.88ms

⑨4000倍(0.125mmol/L)T1値 966.22ms

①②

⑧2000倍(0.25mmol/L)T1値 669.20ms

③500倍(1mmol/L)T1値 195.78ms

①②

④⑨

④1000倍(0.5mmol/L)T1値 364.01ms

⑦2000倍(0.25mmol/L)T1値 613.05ms

⑤⑥⑦

⑤1000倍(0.5mmol/L)T1値 377.10ms

⑥2000倍(0.25mmol/L)T1値 635.26ms

TR:8000ms TE:15ms TI:30~ BW:100Hz/pixel 256×256

こんなの作ってみましたんなの作 てみました

500倍(1 l/L)上 密封あり 500倍(1mmol/L)T1値 198.88ms

上:密封あり

500倍(1mmol/L)T1値 195.78ms

下:密封なし

同 試料同一試料1か月後

1か月前と変わらず1か月前と変わらず

TR:8000ms TE:15ms TI:30~ BW:100Hz/pixel 256×256

こんなの作ってみましたんなの作 てみました

直接希釈直接希釈1000倍

↑原液原液

1000倍(0.5mmol/L)T1値 364.01ms

倍々希釈

1000倍(0.5mmol/L)T1値 377.10ms

1000倍↑

500倍

TR:8000ms TE:15ms TI:30~ BW:100Hz/pixel 256×256

こんなの作ってみましたんなの作 てみました

左: 倍々希釈2000倍

↑1000倍

2000倍(0.25mmol/L)T1値 669.20ms

中: 直接希釈②

2000倍(0.25mmol/L)T1値 613.05ms

中: 直接希釈②2000倍

2000倍(0.25mmol/L)T1値 635.26ms

右: 直接希釈①2000倍

TR:8000ms TE:15ms TI:30~ BW:100Hz/pixel 256×256

はたして

あっているのだろうか?

理想曲線と比較理想曲線と比較

緩和速度 (1/T1)obs = (1/T1)t + R1 [P]緩和速度 (1/T1)obs = (1/T1)t + R1 [P]

Gd-DTPAが水に溶解しているとき R1=4 R2=5 [mmol/L・sec]-1

26002800

9

10

1/T1(s-1) T1(msec)

16001800200022002400

6

7

8

9

400600800100012001400

2

3

4

5

0200400

0.01 0.1 10

1

0 0.5 1 1.5 2

P(mmol/L) P(mmol/L)P(mmol/L) P(mmol/L)

TR:8000ms TE:15ms TI:30~ BW:100Hz・pixel 256×256

長いシーケンスは面倒だ長 シ ケン は面倒だ

生食のT1値生食のT1値

1400msec

実際はありえない

TR:2500ms TE:15ms TI:30~ BW:100Hz・pixel 256×256濃度の確認は

可能!?

TR:2500ms TE:15ms TI:30~ BW:100Hz・pixel 128×128

こんな実験してみましたんな実験してみました

生食の残り ⇒ 20倍希釈生食の残り 倍希釈

生食50ml 生食50ml?mmol/L

Gd ?ml

?mmol/L

注入前 Gd注入 Gd 注入直後 生食注入後

対象 肺血流対象 肺 流

45Kg Gd:9ml 生食:21ml 3ml/sec 10s注入

20G 右前腕20G 右前腕

59Kg Gd:12ml 生食:18ml 3ml/sec 10s注入

20G 左前腕 (右手ギブス)

結果結果

測定T1値 モル濃度 20倍希釈前 Gd量生食

2734.95ms

(計算式より)

[mmol/L]モル濃度[mmol/L] [ml]

①① 20G左前腕Gd:12ml

769.46 0.2335 4.670 0.471

② 20G右前腕Gd 11 l

557.22 0.3574 7.148 0.725Gd:11ml

③ 20G右前腕 747 04 0 2432 4 865 0 491前腕Gd:9ml

747.04 0.2432 4.865 0.491

まとまりのない話で申し訳ありませんでしたまとまりのない話で申し訳ありませんでした。

間違っていたところありましたら教えて下さい。