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GIS開発におけるモデル駆動型 アーキテクチャアプローチの可能性と限界 NTTデータ 田中光穂・中井章文 [email protected] [email protected]

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GIS開発におけるモデル駆動型アーキテクチャアプローチの可能性と限界

㈱ NTTデータ田中光穂・中井章文

[email protected]@nttdata.co.jp

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はじめに

モデル中心手法への期待

OMG ー Model Driven Architecture標準化プロセスによって構築されるモデル

空間IT分野への適用可能性標準モデルの貢献度は未だ低い?

モデルからシステムを生成できるか?

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MDA 概要

MDA (Model Driven Architecture)OMGによるモデル中心の新しい技術体系モデル駆動型のシステム開発・ライフサイクル管理を実現

特定のプラットフォームに依存しない

実装技術が変化しても、20年後も動くソフトウェアを実現する!

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モデルとは

モデルとはシステムの機能、構造や振る舞いの一部を表現したもの

モデルは構文と意味論を持つ言語によって定義され、内容の分析や推論が可能であること

UMLによって記述されたモデルソースコードやIDLによる記述もモデル

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モデルの種別 PIM と PSM

Platform Independent Model特定の実装には依存しないシステムのモデル

MDAの主張にある20年後も動くシステムを実現するための根幹

Platform Specific Model特定の実装に依存したモデル

PIMに実装に関わる部分を追加したような抽象度の高いPSMIDLやソースコードなどより実装に近いPSM

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モデルの相互変換

モデルは形式的な言語に基づき記述されている

慎重に設計されたモデルは、機械的に処理されることで、(半)自動的に別のモデルに変換され得る

PIM→PIM、PIM→PSM、PSM→PSMといったモデル変換の繰り返しで、システムのライフサイクルが管理される

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MDAのライフサイクル 1中心はMDAのコアとなるモデリング技術

円の外側はそれぞれのアプリケーション領域

中間層はPIM→PSM

参考: http://www.omg.org/mda/

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MDAのライフサイクル 2

PIM/PSMCore languages

PIM to PIMMapping

PSM to PSMMapping

PIM to PSMMapping

SoftwareDevelopment

Lifecycle

参考: http://www.omg.org/cgi-bin/doc?ormsc/2001-07-01

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MDAの前提

十分な記述能力を備えたPIMが定義可能である特定のプラットフォーム毎にPSMが定義されるPIMからPSMへの自動変換が定義可能である新たに登場するプラットフォームに対してもPSMが定義され、他モデルとの変換が可能となる

20年後も動くソフトウェアを実現する!

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MDAの今後

UMLの記述能力の向上適用分野ごとに適合するPIM/PSMが定義される

定義されたモデル間の自動変換が実現される

空間IT分野においてもPIM/PSMおよびモデル変換が実現されることが期待される

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空間IT領域の標準モデル

ISO/TC211 - ISO 19100データモデル先行 – システムの静的側面

Open GIS ConsortiumImplementation Spec. – インタフェースのモデル化

システムの動的側面 – 振る舞いのモデル化標準化されているモデルはまだ少ない

実装者が独自にモデル化を行っている

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空間ITの基盤技術化を目指して空間IT技術のビジネスプロセスへの統合自律、分散、協調するアプリケーション基盤

その他のビジネスロジックと同様に統合可能な部品としての空間IT技術

統合化されたアプリケーション

… …

ビジネスプロセス統合

空間ITその他のビジネスロジック

空間ITその他のビジネスロジック

統合化されたアプリケーション

… …

ビジネスプロセス統合

空間ITその他のビジネスロジック

空間ITその他のビジネスロジック

空間ITその他のビジネスロジック

空間ITその他のビジネスロジック

レガシーGIS

GIS技術基盤GIS アプリケーション …

レガシーGIS

GIS技術基盤GIS アプリケーション …

GIS技術基盤GIS アプリケーション …

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空間IT領域へのMDAの適用

空間IT領域をモデル化するPIMの導入空間IT領域のモデルを特定のプラットフォームで実現するためのPSMの導入PIM→PSMの変換の(半)自動化

「動くシステム」を実現するためには、システムの動的側面のモデル化が重要

特にGIS特有の要件としてGUIを含んだMMIモデルが重視される傾向がある

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COTSアプローチの提案

「システムの動的側面のモデル化」と「システムのGUIのモデル化」を実現するお手軽な方法

COTS(Commercial Off-the-shelf) – 既製品を組み合わせて手早く簡単にシステムを構築

仮説: COTS は1つのプラットフォーム既製品を組み合わせる方式や手順を形式化することで、「システムの動的側面のモデル化」と「システムのGUIのモデル化」を実現するPSMを構築する

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実験:地図URL取得サービス

COTSとして既存のリソースを活用したシステムを生成する

「与えられた座標値の範囲を中心とした地図を表示できるURLを返却するサービス」

モデルの変換を行ないながら、最終的に実行することが可能なシステムを構築する

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この実験におけるモデル

PIM(UML)

PSM(UML Profile)

PSM(java ソースコード)

手動で変換

自動で変換

モデルを作成

実行可能!

UMLツール上で手動で作成

自動的に生成

PIM(UML)

PSM(UML Profile)

PSM(java ソースコード)

手動で変換

自動で変換

モデルを作成

実行可能!

UMLツール上で手動で作成

自動的に生成

PIM: UMLによって記述

PSM #1: この目的のために拡張したUMLによって記述 (PIMから手動で変換)

PSM #2: PSM #1 から自動的に変換されて生成するソースコード

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COTSとして利用する既製品

Axis – ソースコードを実行するアプリケーションフレームワークとして利用

任意のインターネット地図サービス – 地図を表示するために利用

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MSNの地図サービス(デモ)

URLhttp://map.msn.co.jp/here.asp

パラメータ

map=E#id_Lon#.#im_Lon#.#fs_Lon#map=N#id_Lat#.#im_Lat#.#fs_Lat#zm=12sz=1

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おわりに

モデルから動くシステムを生成できる!

そのために必要なもの検討されたモデル(PIM・PSM)モデル間の変換ルールの形式化・自動化

COTS的なアプローチの応用可能性特に空間IT分野における有用性は?適切なプラットフォームの選択