globalinx newsletter winter 2012

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GLOBALINX CORP International Training Consultants Newsletter - Winter2012 www.globalinx.co.jp 新年の辰年を迎えるにあたり、皆 様の一層のご繁栄を祈念するととも に、これまでの皆様のご支援に対し、 感謝の念を述べさせていただきたい と思います。 昨年を振り返りますと、私たち多く の日本人にとっては非常に大変な年 でした。東日本大震災と津波の被害 に遭われた方々にとりましては、今年 は、生活とコミュニティを再建して、ビ ジネスや産業を復興させる年となる ことを期待します。また、東北地方の 人々にとって本年が輝かしい年とな ることを願ってやみません。 さて、研修・人材開発の分野におけ る傾向としまして、2012年に準備して おく必要があるものは何でしょうか。 当然ながら、ビジネスのグローバル 化は今後も継続する傾向にあり、従 業員が多文化環境下で効果的に働 けるためのスキルを開発・向上させ ることが必要です。海外赴任前研修 プログラムやスキル開発セミナーと いった従来のプロセスと方法は間違 いなく継続します。しかし一方で、柔 軟性を求める個人の学習環境を提 供する新技術を実現させる方向に向 かうであろうということも確信してお ります。 1998年に、弊社はeラーニングと呼 ばれる新しい学習技術の有益性と可 能性を説明する公開セミナーを実施 しました。当時、私たちはSMILE (Self-Managed Interactive Learning Environment)と名付けた 新しい学習システムを開発しました。 そして、その学習システムは当時画 期的であり、研修業界にとっては革 新的なものだと考えました。しかし期 待していたほどの関心や成果はあり ませんでした。14年後の今年、私は 再び同じことを主張したいと思いま す。14年の間に大きな変化がありま した。想像を超え、進化を遂げたeラ ーニングを支える技術とインフラス トラクチャが開発されました。また、 より柔軟的な個人の学習環境へのニ ーズを生んだ種々の要因もありまし た。では、この14年の間にどのような 変化があったのでしょうか。多くの変 化がありましたが、その中でも、私た ちの学習のやり方に重要な影響を与 えた3つの大きな変化を挙げますと、 新しい技術、社会的なプラットフォー ム、そして、インターネット検索エンジ ンです。今では検索エンジンは、多か れ少なかれ、情報不足を解決するど こにでもあるツールとなりました。多 くのビジネスマンが自己の学習ニー ズを満たすためにより大きな責任を 負うようになり、インターネットは最 初の選択肢となりました。 私たちは、研修のプロフェショナル として、従業員個人の学習を助け、戦 略的ビジネスニーズを支える新しい 個人学習環境を構築するという新し い時代に適応する必要があります。こ れは、従来の学習システムを再評価 し、戦略的にビジネスニーズと直結 した、柔軟な個人の学習環境を提供 する新しい学習システムへ移行する ことを意味します。 次回(2012年春)のニュースレター では、研修の品質と有効性を高めた ウェブナーの可能性を紹介します。研 修および人材開発マネジャーにとっ て、「ウェブナー」という言葉は「グロ ーバル」という言葉と共に、2012年に は愛用されるようになるでしょう。 依然として企業や社会では不透明さ が見られる中ではありますが、今回 は長く待ち続けた機会であり、私たち は、既に、皆様の研修開発カリキュラ ムに新しい技術を用いた学習ツール をスムーズに活用するための支援が できるよう準備を整えています。 本年も皆様の多種多様なニーズ にお応えすべく努力してまいります。 株式会社グローバリンクス 代表取締役     ディーン・フィリップ・アンドリュー 2012年、あけましておめでとうございます

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Latest Japanese Newsletter from Globalinx Corp

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GLOBALINX CORPInternational Training Consultants Newsletter - Winter2012

www.globalinx.co.jp

 新年の辰年を迎えるにあたり、皆様の一層のご繁栄を祈念するとともに、これまでの皆様のご支援に対し、感謝の念を述べさせていただきたいと思います。 昨年を振り返りますと、私たち多くの日本人にとっては非常に大変な年でした。東日本大震災と津波の被害に遭われた方々にとりましては、今年は、生活とコミュニティを再建して、ビジネスや産業を復興させる年となることを期待します。また、東北地方の人々にとって本年が輝かしい年となることを願ってやみません。

 さて、研修・人材開発の分野における傾向としまして、2012年に準備しておく必要があるものは何でしょうか。当然ながら、ビジネスのグローバル化は今後も継続する傾向にあり、従業員が多文化環境下で効果的に働けるためのスキルを開発・向上させることが必要です。海外赴任前研修プログラムやスキル開発セミナーといった従来のプロセスと方法は間違いなく継続します。しかし一方で、柔軟性を求める個人の学習環境を提供する新技術を実現させる方向に向かうであろうということも確信しております。 1998年に、弊社はeラーニングと呼ばれる新しい学習技術の有益性と可能性を説明する公開セミナーを実施しました。当時、私たちはSMILE

(Self-Managed Interactive Learning Environment)と名付けた新しい学習システムを開発しました。そして、その学習システムは当時画期的であり、研修業界にとっては革新的なものだと考えました。しかし期待していたほどの関心や成果はありませんでした。14年後の今年、私は再び同じことを主張したいと思います。14年の間に大きな変化がありました。想像を超え、進化を遂げたeラーニングを支える技術とインフラストラクチャが開発されました。また、より柔軟的な個人の学習環境へのニーズを生んだ種々の要因もありました。では、この14年の間にどのような変化があったのでしょうか。多くの変化がありましたが、その中でも、私たちの学習のやり方に重要な影響を与えた3つの大きな変化を挙げますと、新しい技術、社会的なプラットフォーム、そして、インターネット検索エンジンです。今では検索エンジンは、多かれ少なかれ、情報不足を解決するどこにでもあるツールとなりました。多くのビジネスマンが自己の学習ニーズを満たすためにより大きな責任を負うようになり、インターネットは最初の選択肢となりました。 私たちは、研修のプロフェショナルとして、従業員個人の学習を助け、戦略的ビジネスニーズを支える新しい個人学習環境を構築するという新しい時代に適応する必要があります。これは、従来の学習システムを再評価し、戦略的にビジネスニーズと直結した、柔軟な個人の学習環境を提供する新しい学習システムへ移行することを意味します。

 次回(2012年春)のニュースレターでは、研修の品質と有効性を高めたウェブナーの可能性を紹介します。研修および人材開発マネジャーにとって、「ウェブナー」という言葉は「グローバル」という言葉と共に、2012年には愛用されるようになるでしょう。依然として企業や社会では不透明さが見られる中ではありますが、今回は長く待ち続けた機会であり、私たちは、既に、皆様の研修開発カリキュラムに新しい技術を用いた学習ツールをスムーズに活用するための支援ができるよう準備を整えています。

 本年も皆様の多種多様なニーズにお応えすべく努力してまいります。

株式会社グローバリンクス 代表取締役     ディーン・フィリッフ ・゚アンドリュー

2012年、あけましておめでとうございます

www.globalinx.co.jp

GLOBALINX CORP

☆トレーニング現場からの提言☆

■状況 今日、熱く語られる「グローバル化」という言葉ですが、グローバル化することに何が含まれているかを、本当に知っている人はどれくらいいるでしょうか。そして、あなたの会社が、グローバルなプレーヤーになると決めた時、あなたにはグローバルなステージで競争するために必要なものが本当に備わっているでしょうか。 答えはたぶん「いいえ」です。事実、ほとんどの中堅企業は、グローバル化戦略を追求するため準備が完全にできているとはいえません。グローバル化への準備は、適切な商品、サービスや、参入計画を策定することだけでなく、高いコストや不適切な業務や手順を用いることなく、既存・新規市場をサポートする組織の能力について考える必要があります。■複雑性 グローバル展開による機会は潜在的に巨大ですが、リスクと障害もあります。 以下はその例です。 •会社が持つ特定の優位性や競争力

は、目標とする市場で効果が発揮できない。 •経済的、政治的、そして制度的なリスクにより、一夜にして利益がなくなる。 •人件費、原材料、資本などのコスト優位性は、通常、競争相手にすぐに追いつかれ、調整コストが増大する。 •グローバル化計画は、時として過小に評価され、伝達され、誤解や内部の抵抗に遭う。 •海外企業との協業を行う能力が十分でなければ、革新が制限され、収益と時間が損なわれる。

■解決策 グローバル化がローリスク、ハイリターンであるためには、戦略に柔軟

性があり、遂行可能な現実的なものでなくてはなりません。 戦略的整合性: 私たちは、トップダウンアプローチでリスクを特定することでグローバル化戦略を評価することから始め、最適案を提案します。 戦略が強固になれば、次に組織と協力して、計画通りに遂行できることを見極めます。それには、次のようなことが含まれます。 - 新たに世界で通用するコンピテン シー要件を定義する - 組織の現状のコンピテンシーレベ ルを評価する - 新組織を設計する - 人材採用や選定に整合性があるこ とを確認する - 教育や人材育成方法、パフォーマ ンスマネジメントやグローバル戦 略を支える報酬などを再設計する  この結果、リスクを軽減させ、起業家精神を鼓舞し、持続的に業績を上げる責任を感じとれる組織が形成されるのです。

その1~「グローバル化」への準備~ Mark Beresford, PMP

◆3月28日(水)【ステークホルダーへの英語コミュニケーション術向上~プロジェクト・マネージャー/リーダーむけ~Stakeholder Communication】使用言語:英語担当講師:Mark BeresfordPDU:7

<<期待効果>>•聞き手(ステークホルダー)が必要とする情報が正しく分析できるようになります。

•素早く理解しやすい方法で、現状を発表できるようになります。

◆5月22日(火)【中国リスクマネジメント】(仮称)

使用言語:日本語担当講師:李年古 日中ナレッジセンター代表

◆6月【アサーティブ・コミュニケーション】(仮称)

使用言語:日本語

◆9月【中国人の人事管理】(仮称)

使用言語:日本語

◆10月【コンフリクト・マネジメント】(仮称)

使用言語:英語

※2012年、PMI日本支部における弊社関連セミナーのご案内※

2011年、弊社は以下の4回、PMI日本支部主催の公開セミナー 「PMスキルアップ教室」を継続的に担当させていただき、好評をいただきました。◆2月16日

「英語プレゼンテーション・スキル」担当講師:Philip DeanePDU:7

◆5月25日「プロジェクト・ファシリテーション」担当講師:Mark BeresfordPDU:7◆9月29-30日

「英語コミュニケーション術 (Assertive Communication Skills)」担当講師:Philip DeanePDU:13

◆11月10-11日「ロジカル・シンキング」担当講師:森壮平

PDU:13

PMI日本支部公開セミナー「PMスキルアップ教室」レポート2011

International Training Consultants

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私たちが担当したセミナーの参加者の多くが、外国人が発するメッセージを理解し、適切な質問をすることに困難を感じています。一般的に他者の話を聞く能力はかなり貧弱と言えます。従って、セミナーでは、参加者のアクティブ・リスニング・スキル向上のために多くの時間を費やしています。アクティブ・リスニングの効用には、以下のことが含まれます。1. 強い関係(信頼と尊敬)を築く。2. 協働して問題を解決する。3. 異なる見解や意見を議論できる環境を構築する。アクティブ・リスニングを阻害する要因には、以下のようなものがあります。1. 相手の話の内容を傾聴するよりも、次に何を話すかを心配する。2. どのように言われたかよりも何を言われたかにより注意を向ける。3. 新しい情報よりも、確信していることに同意を求める。 アクティブ・リスニングは、適切で正確な応答をするために、聞き手が話し手のメッセージを受信して、正確に解釈するために不可欠なスキルです。

私の経験を例にしてみましょう。私は7年間日本に住んでいます。

私の妻は東京出身で、私と話す時は標準の日本語を話します。初めて宮城県に住んでいる彼女の父親に会ったとき、私は方言を知らなかったので、彼が言った言葉を理解できませんでした。しかし、30分も経つと、義父は、義父が発した言葉を理解する私の能力に驚いていました。なぜこのような奇跡が起こったのでしょうか。

私は彼が話した言葉を理解していませんでしたが、彼のボディー・ランゲージと話の調子から、彼の気持ちが分かりました。それで私は、彼の気持ちに同調し、理解していることを示す一般的な言葉を会話の節々に挟みました。「おお、わかりました」、「本当ですか」、「それは驚きですね」、「面白いですね」というような表現を適切に発したのです。 私たちが去るとすぐに義父は、私の日本語が上手であると親族や友人に知らせました。そして、どこでも歓迎されました。上記のような対応で、コミュニケーションがうまく行くようになったのです。

適切な応答は、聴き取りプロセスの不可欠な部分であり、ネゴシエーションやビジネス会議を成功に導く重要な鍵なのです。

 アクティブ・リスニング・スキルを高めるヒント:1. オープンな質問をする2. 綿密な仕上げを奨励する3. 共感をもって聴く4. 理解をチェックするためにフィー

ドバックをする5. 中立的に受け入れる6. 集中する。散漫にならないよう

にする7. 結論に飛びつかない8. 心をオープンに持ち続ける9. 相手の話を遮らない10. 理解したことを要約すること

で、理解度をチェックする

 人は閉じている宝物箱だと想像してみてください。こちらが心を開けば、相手も心を開いてくれます。共感しながら聴く能力は、相手からの信頼を勝ち取り、協力することに繋がる最も重要な特質と言えます。

グローバルリーダー、グローバルビジネスに関する有益書籍

 今から25年前に書かれたアルビン・トフラーの「第三の波」を読まれた方も多いと思います。 すでにその第三の波の”情報化社会”は終焉を迎えようとしております。次に来る「第四の波」というのは著者によれば「コンセプチュアル社会」すなわち既成概念にとらわれずに新しい視点から物事をとらえ、新しい意味づけを与えていく、という流れです。そのためには右脳主体の頭を使っていくことが大切、とのことです。そうした「突出した個人」は以下の六つの感性を磨いている、と紹介しています。すなわち

① 機能だけでなく「デザイン」② 議論よりも「物語」③ 個別よりも「全体の調和」④ 論理ではなく「共感」

⑤ まじめだけでなく「遊び心」⑥ モノよりも「生きがい」

 以上の六つが大切である、とのことです。この六つのセンスは誰にでも身につけることができ、その方法を伝授してくれます。

 本書には、日本人がこれから一番身につけなければならない「右脳を生かした全体的な思考能力」と「新しいものを発想していく能力」、そしてその実現の可能性を検証する左脳の役割などについて、わかりやすくまとめられています。 自分のキャリアに不安を抱えている人、今の生活に不満のある人など多いと思いますが、これからの社会を生き抜いていく上で、参考になる一冊です。

『ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代』(ダニエル・ピンク著/大前研一 訳・三笠書房)

その2~「アクティブ・リスニング」の効用~ Joseph Hull, PMP, MBA

人間としてグローバル世界に向けて成長していくことは、取りも直さず、その人間の内面を大きく成長させることと密接に関わっています。Globalinxの使命は、教育の場で出会う人々の一人ひとりの意識、情熱、感性に触れ、数々の教育メソッドを駆使しながら、それらを昂らせながら、彼らの内面での質的変化を見届けることです。その結果として、彼らの総合的な能力が、グローバル世界に向けて大きく発展することを願うものです。Globalinxは1968年の設立以来、一貫してグローバル教育を標榜し、国際企業人を育ててきました。広範な育成プログラムを用意し、研修の場だけでなく、実務の場においても継続サポートをしてきました。これからも、グローバル・トレーニングのプロフェッショナルとして、企業の個別、固有の問題に丁寧なコンサルティングを行い、ベストケースの教育プログラムを提案し実施していきます。

株式会社グローバリンクス〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-23野村第一ビル5階

TEL 03(5297)8243 FAX 03(5297)8689E-mail [email protected]

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