guidelines for auditing management...

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特集 I 執筆/有限会社福丸マネジメントテクノ代表取締役 福丸典芳 I ISO19011:2018( マネジメントシステム監査のための指針:Guidelinesforauditingmanagementsystems) 3 版として7 月に発行された。第2 版である2011 年版から7 年ぶりの改訂となり、附厩書SL を考慮した内容となっている。 QMS EMS に限らす複数のマネジメントシステムを複合監査するアプローチを取っており、内部監査及び二者監査のマネジメ ント評価ツールとして組織のパフオーマンス向上に役立てることができる。本特集では、日本を代表する第二者監査のエキス パートである福丸典芳氏(福丸マネジメントテクノ代表取締役)にISO19011 :2018 の詳細解説をお願いした。(本誌編集部)

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特集

I 執筆/有限会社福丸マネジメントテクノ代表取締役 福丸典芳 I ISO 19011:2018(マネジメントシステム監査のための指針:Guidelines for auditing management systems)が

第3版として7月に発行された。第2版である2011年版から7年ぶりの改訂となり、附厩書SLを考慮した内容となっている。

QMSやEMSに限らす複数のマネジメントシステムを複合監査するアプローチを取っており、内部監査及び二者監査のマネジメ

ント評価ツールとして組織のパフオーマンス向上に役立てることができる。本特集では、日本を代表する第二者監査のエキス

パートである福丸典芳氏(福丸マネジメントテクノ代表取締役)にISO19011 :2018の詳細解説をお願いした。(本誌編集部)

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1はじめに

ISO 19011は2011年に第2版として

発行された。これ以降、ISO/IEC27001

('I胄報セキュリティマネジメントシステム)、

ISO 9001 (品質マネジメントシステム)、及

びISO14001 (J, ぶVflマネジメントシステム)

の改正、ISO39001 (逍路交通マネジメン

トシステム)、ISO50001 (エネルギーマネジ

メントシステム)、ISO55001 (アセットマネジ

メントシステム)、ISO45001 (労働安全衛

生マネジメントシステム)など新しいマネジメン

トシステム規格が発行されてきている。これ

らの規格は、2012年に開発された「ISO/

IEC専門業務用指針• 第1部」の中の「統

合版ISOi-ill足指針ーISO専門手順附/函

,1~SL」 に従って作成されている。

ISO 19011はこの附屈杏SLを考廊し

て2018年7月に第3版として発行された

ので、本特媒では内部監査や第二者監

在の迎営管理を効果的に行うために必

吸なこの規格の慈図及びその適用例に

ついて解説する。

とができ、マネジメントシステム(以下、MS

と称す)の改苦に活川できるとしている。

また、組織は単一のMS規格だけでなく、

異なった分野の複数のMS規格を迎営

押理しているので、この指針ではこれらを

一紺に監査する場合、“複合監杏”とす

るアプローチを取り込んでいる。

また、内部監杏はMSの活動の状況を

監視、検証することができるマネジメントツー

ルとして位置づけている。したがって、内部

i,:,, 判f.の活用レベルが閻い組織は、MSの

継続的な改苦が行われるとともにパフォー

マンスも向上しているが、「MS規格の要求

·l~ 項であるので内部監在を行っている」と

しか認識していない糾織は、改普が進ま

ないでその結果としてパフォーマンスが向

上しないという問題が発生している。

このような状態にならないように、この

規格を理解し、糾織にとって効果的でか

つ効率的な内部監杏に収り組むことが

大切である。また、提供者のMSを評価す

る方法の一つとして、第二者監森を行っ

ている組織もこの規格を活川することで、

あるので、これを組織がどのように利用す

るかを考えることが大切である。内部監

行や第二者監査に関するプロセスを梢

築している組織は、この規格を理解した

,~. で糾織の事業即脱を考J恙し、この規

格で示されている1,¥悟府プログラムの要索

から糾織にとって必要なものを採用する

ことで、監査プログラムが効米的で効率

的になる。

4監査の原則

監在は、監査負によってばらつきがある

と1,:1冠査の信頼性が揺らぐことになる。この

ようなばらつきを生じさせないためには、

共通的なある原則に晶づいて実施するこ

とが有効である。この規格では次に示す

七つの原則を明確にしている。第2版で

は、a)~f)が示されていたが、今回の改正

ではg)が追加されている。これらの原則は

いずれも重要な考え方であるので、十分

理解し、実践することが監査を成功させる

従供者のバフォーマンス向上に役立つよ カギとなる。

うにすることが大切である。

2序文 a)高潔さ:専門家であることの基礎

序文には、ISO19011を適用する際 3適i用範囲の考え方が記述されている。特に、し器杏

結果は事業計画策定のインプットにするこ この規格は要求市瑣ではなく指針で

16 アイソス No.251 2018年 10月号

轟潔さとは、轟尚 (学11¥J・言行等の程

腹が悩く、上品なこと)で潔白なことであ

り、 11器杏只及び監杏プログラムの管理者

(例:MS管理責任者、第二者監杏に貢

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任を持つ竹判!者)は、藍府に l.½J する I、't-

1"1家であり、彼らのとるべき行動をポして

しヽる。

監森具及び1,:益fl:プログラムの1匂用者

は、監杏業務を遂行するための活動に

頁任を持つことが大切であるという考えJj

を示唆している。

b)公正な報告ありのままに、かつ、正確

に報告する義務

監杏貝は、監介した結果をそのまま確

認した辿りに、 1り実を,~r係者に報1りする

必要がある。

被監府者が部長で監査員が,i果長又

は社以の場合、職直がものをしヽう糸ll織で

は被監牡者の, i'lヽ 分に1g1:迅があっても

正しlヽ としてlヽ る例がある。これでは適切

な監査が実行できているとは,iえないの

で注慈が必製である。監査員と被慇碕者

は同等であり、役職の上下関係を考I巡し

てはならない。監杏では被監介者とあら

ゆる場面でコミュニケーションを行っている

ので、事実に枯づtヽて、正確で、客観的

で、必要なときに、明確かつ完全であるこ

とが大切である。

C)専門家としての正当な注意:監査の際

の広範な注意及び判断

監杏員は、賊,臨行者の職場で1,:臨代活

動を行うため、\器介.場所では「l常業務に

I 著者プロフィール 1

有限会社福丸マネジメントテクノ代表取締役 福丸典芳

1974年鹿児島大学工学部卒業後、日本電信電話公社入社。

1996年日本電信電話(株)資材調達部品質管理部長。2001年

東日本電信露話(株)退社、福丸マネジメントテクノ代表取締役、現

在に至る。品質マネジメントシステム国内審議委員会委員、日本適

合性認定協会技術委員会副委員長、日本品質管理学会 QMS

有効活用及び審査研究会主査、デミング賞審査委員会委員、もの

づくり日本語検定協会企画実行委員会委員、JRCA登録品質主

任審査口。 「ISO9001要求事項の解説とマネジメントシステム構

築の仕方J(日科技連出版)など著困多数。

影評を及ぼさなlヽ ように注滋する(例:作

業をとめさせる、作業を妨古する)必疫が

ある。また、被舟,'噴者とコミュニケーション

を行っているため、周りの収員がWf;h員

の占動に.{flIしてlヽ ることも認識する必

嬰がある

d)機密保持:情報のセキュリティ

「機密保持」では、組織が保イiしてし\

る機密に'*'わる'I',';・報の収り扱いを考}悠

することが人り)である。 特に第 一• 者監介

では機密保持の/J;(則が重疫である。提

供者を監介する場合には、i'I社の製,11111だ

けでなく、他社の製品、プロセス、及びI直I

イi技術につtヽ てもHに触れることがある

のでこの});(¥!I]は特に頂要となる。

e)独立性:監査の公平性及び監査結論

の客観性の基礎

「独 I°(性」とは、監森が他のものからし‘

かなる支配も受けないようにするための考

え)jであり、破監介者が監ftで指摘を受

けないように、都合のよい監介員を被監

森者が指名することは逍けなければなら

なしヽ 。また、 内部1,:g,:森員は、公t・性の観

、,.':(から1J、Ii'illl, 沿';牡員自身が行った業務を

屈:ifl:することはできなtヽ。

少人数の糾織で内部監介を行う場合

には、この)~;illりを適 Jl]する困難さはある

が、 1,:盆介員1'1身が白分の行った業務を監

介しないように注意する必投がある。

f)証拠に基づくアプローチ:体系的な監

査プロセスにおいて、信頼性及び再現性

のある監査結論に到達するための合理

的な方法

「,¥II拠に)んづくアプローチ」とは、監査

の結論を迎くには妥当な証拠がなければ

適合性の'j'lj断を迎切にすることはできな

いと\ヽ う考え方である。

監ftは決められた時間内で実施する

必投があるので、すべての業務を1,器森で

きるわけではなしヽので、 ,証拠については

サンプリングした結果から監行対象の局

狛1寸1を拌価するため、サンプリングが偏ら

なlヽ ようにしなければならな\ヽ。したがっ

て、サンプルは、例えば、生廂数:,しの多tヽ

もの、新製,11111、最近変更した1,';-報セキュリ

ティ技術、可(吸な段1燒側1fiiなどのような

母船1ヽJ-1の代表になるような'i'i'i'報を選定す

る必要がある。

g)リスクに基づくアプローチ:リスク及び

機会を考慮する監査アプローチ

「リスクに),じづくアプローチ」とは、監杏

対絞の業務のリスク及び機会にネ'i-目す

ることで効呼t的に監府を行うことを意柊I

している。このため、監ftプログラムの目

的に沿った1,:臨ft活動を行うことが大切で

ある。

アイソス No.2512018年 10月号 17

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図表1 監査プログラムの管理のためのプロセスフロー

PLAN DO CHECK ACT

5.5監査プログラムの実施

5.6監査プログラムの監視

6.2監査の開始

6.3監査活動の準備 6.4監査の実施

PLAN

6.5監査報告田の作成及び配布

DO

6.6監査の完了

CHECK ACT

5監査プログラムのマネジメント

5.1一般

組織はQMS、EMS、ISMSなどの分

野別のMSを構築している。これらを監査

するためには、自組織の監査能力を考慇

して、個別に監査を行うことやこれらを組

み合わせて監査を行うことができるので、

どのような方法が最も効果的で効率的で

あるかを見極めることが大切である。

監査の優先順位を考感する際には、

MSにおいて内在するリスクが高く、パ

フォーマンスレベルが低い事項に対して賓

源及び手法を割当てるようにするとよい。

監査プログラムの管理責任者は、図表

1「監査プログラムの管理のためのプロセ

スフロー」にかかわる機能を理解し、監査

プログラムがうまく機能しているかを評価

する必要がある。このため、監査プログラ

ムのPOCAのサイクルを回すとともに、連

営管理に必要な資源を明確にし、提供す

る責任がある。

監在プログラムを策定する際には、内

部監査では自組織のMSの活動状況、

第二者監査では提供者のMSの成熟度

を考慇することが効果的である。

監査プログラムの構造は、図表2に示

すように監査プロセスヘのインプット、監査

プロセス、監査プロセスからのアウトプット、

及び相互作用のあるプロセスから構成さ

れている。

このため、監査の実施時期及び回数

は次の考え方で行うとよい。年度事業計

画は、組織が今年度運営管理する事業

活動に関する目標及びそれを達成する

ための方策から設定されているので、例

えば、内部監査をどのプロセスに対してい

つ行うのかを考感することが大切である。

また、第二者監査をいつ行えぱ、組織に

とって効果があるのかを考感した計画を

図表2 監査プログラムの構造

インプット

三三

アウトプット

監査対象プロセスの適合・不適合・改善指摘

強み・弱みの評価

@

18 アイソス No.2512018年 10月号

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| 特集 ISO 19011 :2018マネジメントシステム監査のための指針 詳細解説

策定する必要がある。すなわち、MSの活

動状況を評価するタイミングを考えること

が重嬰である。

次に・Ji:例を示す。

a)内部監査

内部監査を毎年同じ時期に行うのは、

事業活動と必ずしも整合していないの

で、例えば、新製品の設計・開発時期が

5月から9月、製造が10月から開始の場合

には、設,ll・・IJり発プロセスの内部監杏の

図表3 リスク抽出表の例

監査プログラムの要素

監査計画の策定

監査の実施

求・Ji:項を満たすだけでなく、MS及びその

パフォーマンスを改i'名の機会とする、糾織

のi¥lS状況を11)1確にする実現能力を評

価する、リスク及び機会に1具1する活動状

況の実現能力を拌(1lliする、外部提供者

の実現能力を拌f1lliするなどがある。

5.3監査プログラムのリスク及び機会

の決定及び評価

監森プログラムの1」的達成のために

リスクに関係する事項

監査目的の設定

監査の時期の設定

監査員問の調整

計画との乖離

で物・I涛を考えることができる嬰負を意図し

ている。したがって、トップマネジメントはし

かるべき疫具を任命する必災iがある。な

お、小企業ではトップマネジメントがこの役

翡ljを果たすことも可能であり、この仕組み

の)jが効率的に運営することができる場

合が多い。

監介プログラムの管理者の例として、内

部監介ではMS管理責任者、第二者監杏

では提供者の評価に貨任 権限を持つ秤

理者(例:ll1'lt買部門の直任者)がある。

時期を9月、製造プロセスの時期を10月に は、それに彩態をりえるリスク及び機会が

することで、問題やリスクを検出できる。

b)第二者監査

第二者監在では、提供者のMSが糾

織のMSの迎営管理に与える彩秤を考應

して策定する必要があるので、定期的又

はMSに,~,する重要l~\J/出が発生した時期

に実施する。

5.2監査プログラムの目的の設定

監杏を行うためには、何のために監森

を行うのかという目的をIIJI確にする必要

がある。

監牡プログラムの目的は、組織の戦略

的方向性と一致し、MSの方針及び目的

に沿ったものにすることが必災である。

監:l'l:プログラムの目的には、 単にMS疫

([在するので、監介プログラムのそれぞ

れの段階でどのようなリスク及び機会があ

り糾るのかを特定し、 1―i前に対応する必

嬰がある。リスクを特定するためには、図表

3に示すリスク4・,1111111表を作成するとよい。

監杏プログラムの改袴の機会には、複

数の監森をll!:!図実施する、現場への移

動時間及び距離を蔽小限にする、監介

5.4.2監査プログラムの管理者の力凪

監行プログラムの笠理者には、内部監

森と第二者監査では次に示す知識と技

能が必投であり、MSに1i1する知識及び

技能の変化に対応した力 :1しの維持向上

をどのように行う必嬰があるのかを考える

ことも屯疫である。

チームの)J :1(レベルを監査目的を達成す a)内部監査

るために必投な)J l1tレベルに合わせるな

どがある。

5.4監査プログラムの策定

5.4.1監査プログラムの管理者の役割

及び買任

,,益壺プログラムの管理貨任者は、糾織

活動をよく理解しており、経常的な立場

「監在の厭則、プロセス及び方法」

「MS規格及びその他の規桁」 「被監査

者の活動、製品及びプロセス」「被監査

者の活動及び製品に関し、適川される法

的及びその他の要求·!~項」「被監査者の

外部/内部の課迎、密接に1州連する利

害I:½!係者並びにそのニーズ及び期待」

b)第二者監査

アイソス No.2512018年 10月号 19

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「監査の原則、プロセス及び方法」 事項を考慇してこれらを特定する必要が 5.5監査プログラムの実施

「MS規格(ただし、提供者がMS規格 ある。

を適用している場合)及びその他の規 5.5.1一般

格」「提供者の活動、製品及びプロセス」 ・監査員教育に必要な研修費用、人件 監査プログラムを運営管理するために

「提供者の活動及び製品に関し、適用 費などの一連の監査活動に必要な費 は関係者とあらゆる調整が必要となるの

される法的及びその他の要求事項」「提 用がどの程度必要かを明確にする。 で、監査プログラムの管理者は、次の事

供者の外部/内部の課題、密接に関連 ・監査方法には、個別監査、複合監査、 項への対応を行うことが大切である。

する利害関係者並ぴにそのニーズ及び 合同監査がある。また、現地監査又はリ

期待」 モート監査があり、組織の事業活動の ・監査プログラムの活動状況を共有する

実態にあった方法を選択するとよい。第 ため、外部及び内部コミュニケーション

5.4.3監査プログラムを適用する範囲の 二者監査では現地監査を推奨する。 チャネルを通じて、定期的にその進捗

i,双/1,........ 疋 ・監査員には、監査プログラムの目的にふ 状況を知らせる。

監査プログラムを適用する範囲を設定 さわしい力量が必要である。例えば、設 ・監査を効果的に行うため、監査の目

するためには、MSの目的、監査の対象と 計プロセスを監査するのに、監査員の 的、適用範囲及び基準を明確にする。

なる活動の重要性・複雑さ、MSの有効 知識として設計プロセスに関する知識 ・監査方法を選択する。

性に影孵を与える要因、適用される監査 をもっていることが、効果的な監査がで ・監査を効率的に行うため、監査に関わ

基準、前回までの内部又は外部監査の きるということである。したがって、監査 る各種の調整や全体スケジュールを作

結果、顧客の苦惜、法令・規制要求事項 対象プロセスを監査するのにふさわしい 成する。

及び組織が約束したその他の要求事項 力鼠をもった監査員を指名するとよい。 •有効性の監査を行うため、監査チーム

への不順守、又はサプライチェーンの問題 なお、第二者監査では技術専門家を の管理技術及び固有技術を十分考感

などに関する利害関係者の懸念事項、 考感する場合もある。 する。

被監査者の状況又はその運営並びに関 ・資源は、監査プログラムを適用する範囲、 ・監査チームに必要な資源を提供する。

連するリスク及び機会に対する重要な変 並ぴに監査プログラムのリスク及び機会 • プログラムの作成中に発生する、あらゆ

更、事業リスク及び機会、並ぴにそれらへ から得られる俯報をもとに決定する。 る運営リスク、機会、及び課題(すなわ

の取組みなどを考盛する必要がある。 ・監査場所への移動時間、交通費・宿 ち、予期しない事象)をマネジメントし、監

泊費、宿泊場所などを考感する(特に 在プログラムに従った監査の実施を確

5.4.4監査プログラムの資源の決定 第二者監査ではこれらを考感する必要 実にする。

監査プログラムを運営管理するために がある)。 ・監査チームは監査手順に基づいて監

は資源(財務資源、技術、人、インフラスト •リモート監査が可能であればこれを活用 在を実施する。特に時間の順守が重要

ラクチャ、時間など)が必要であり、次の する。 である。

20 アイソス No.251 2018年 10月号

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r 特集 ISO 1 901 1 :201 8マネジメントシステム監査のための指針 詳細解説 4

・監介チームは監介活動の結果を記録と

して維持する。

5.5.2個々の監査の目的、適用範囲及

び基準の明確化

監杏プログラムの目的をもとに個々

(今回実施する)の監在の目的、適川

範1,a及び基準を明確にする。個々の監

究の目的は、MS秤理此任者、又は第二

者監査の管理責任者がMSの活動状況

や組織のパフォーマンスなどを考應して

作成する。

監査目的には次の ·)~項も含めて考える

とよtヽ。

• MSの監査枯準への適合の程度の決定

(適合・不適合の決定)

・法的及び契約上の投求市項並びに組

織が約束したその他の投求'I況項への

頻守を確実にするための!VISの実現能

カの評価 (MSの仕組みが効果的か、

又は効率的かという判断)

• MSの有効性の評価 (,iJ画通りの結果

が出ているかという判断)

• MSの潜在的な改拌に関する機会の

特定(改恙指摘事項に該~,する疫索)

・被監査者の状況及び戦略的方向性

に関するMSの逸切性及び妥当性の

評価(被監査者の状況及び戦略的方

向性と整合しているか、過不足の要索

はな\ヽ かという評価) す内部監森貝で構成したとする。

• ・lり業は1坑の変化に応じて、関連する

行動の実施も含め、 目的を確立及び逹

成し、リスク及び機会に対して効果的

に収り組むための、 MSの実視能力の

, i'i'f1lli

監介範!Ill には、上場、現場又は ·]~務

所などの,.~碕場所、部門又は課などの

組織単位.、業務活動、プロセス、及びし\

つからいつまでの活llilJ期間が1,:侮在対絞

となる。

監*-)訊r,は、l¥llSを構築している文,'}

化されていない手順や法令・規制吸求 •)I'.

項を含む枯準類すべてが対象になる。

5.5.3監査方法の選定及び決定

監Cfi)j法には、個別監査、合同監杏、

t及合1,:iな介、現地\器在又はリモート監府が

ある。 •般的には、監府場所が述距離に

あり、監介を定期的に行う場合などはリ

モー!監介が効果的であるが、現地監:ri:とl!f:!11するとよい。なお、第二者監杏の

場合には、このI」的を考えると現地w合杏

の方が効米的である。

5.5.4監査チームメンバーの選定

複数人数で監府を行う場合、監杏チー

ムを編成することになる。監森チームは監

森目的を達成できる力菰を持った次に示

チームリーダー山田 経営者担当

メンバー 山本 設計プロセス

メンバー 佐藤 製造プロセス

メンバー 石井 購買プロセス

例えば、製造プロセスを監査する場合、

佐藤監資員は製造プロセスの重要な機

能は何かを十分理解しておく必要があ

る。なぜならば、製追プロセスの実現能力

の評価を行うことができないからである。

監査員が1人の島合は、その監査員が

チームリーダーに対する嬰求事項を満た

す必要がある。また、メンバー選定におい

ては、独立性に注邸しなければならない。

この際、組織では人・Ii異動があるので監

杏員の職歴を確認する必投がある。

監杏チームメンバーが、監査目的を達

成するための知識及び技能を満たしてい

るかどうかを明確にするためには、監査員

の力屈マップを作成するとよい。なお、カ

愴には次の事項を考應するとよい。

・方針管理

• I郡園解決手法

• QC七つ道具

・統計的手法

・日常管理

・プロセス管理

アイソス No.251 2018年 10月号 21

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・環境管理 の管理責任者は、次に示す‘情報を監査 果に関する記録の内容分析とその管理

・情報セキュリティ管理など チームリーダーに提供する必要がある。 を行う必要がある。特にこれらの内容分

析を行うためには、分析に関するための

なお、監査チームに訓練中の監杏員を ・監査目的 ツールに関する知識が必要である。例え

参加させる場合は、監査員としての指名 ・監査基準及び関連する文書化した ぱ、監査所見の問題点指摘力、なぜなぜ

を受けているわけではないので、単独で 情報 分析力、是正処罹及び未然防止の進め

監査をさせるのではなく、必ず監査チーム ・監査の対象となる組織及び機能並び 方などに関する知識が必要になる。

リーダーの下で実施させる必要がある。 にプロセスの特定を含めた監査範囲

監査を複数の監査員で構成した場合 ・監査プロセス及びそれに付随する方法 5.5.7監査プログラムの記録の管理及

には、監査活動を取りまとめるための監 ・監査チームの構成 び維持

査チームリーダーが必要である。このため、 ・被監査者の連絡先、監査活動が行わ 記録は実施した監査が有効であった

監査チームリーダーの指名においては、 れる場所、期間、及び監査期間 のか、次回の監査に活用できるようになっ

MSのパフォーマンス向上に役立つような ・監査の実施に必要な資源 ているのか、監査の結果を適切に報告で

指摘ができるようにするため、監査対象プ ・監査目的の達成に対する特定されたリ きるのかについて判断できる必要がある

ロセスの内容を理解しており、プロセスの スク及び機会の評価及び対応に必要 ので、誰でも理解できる内容にしておくこ

有効性及びMSの有効性を評価できる な情報 とが頂要である。なお、記録の管理はMS

要員を選定する必要がある。 ・監査チームリーダーが監査プログラムの 規格の要求事項に基づいて実施する。

また、監査チームリーダーは監査計画の 有効性のために被監査者とやりとりす 第二者監査では、監査記録によっては

運営管理を行うため、リーダーシップを果 る際に監査チームリーダーの支援となる 機密保持に関するものがある場合には取

たせる能力が必要である。このため、監査 情報 り扱いには特に注意が必要である。

チームリーダーは、監査に関する高度な知 不適合報告書は、監査基準と監査証

識や経験が必要になるので、MSを理解 第二者監査で合同監査を行う場合に 拠が明確に記載されており、その論理性

している管理者で監査経験が4回以上あ は、監査前に、監査を行う部門間でそれ を確認することが大切である。

る監査員を指名するとよい。 ぞれの責任、特に監査のために指名され

たチームリーダーの権限について、合意し 5.6監査プログラムの監視

5.5.5監査チームリーダーに対する個々 ておくことが重要である。

の監査の貴任の割当て 監査プログラムの管理責任者は、次の

監査チームリーダーは、監査の活動を 5.5.6監査プログラムの結果の管理 梢報をもとに監査プログラムが計画通り

推進する役割を持っており、監在が効 監査プログラムの管理資任者は、監査 に行われているかどうかを監視する。な

果的に行われるために、監査プログラム プログラムからのアウトプットである監査結 お、監視の結果や監査対象のMSの運

22 アイソス No.251 2018年 10月号

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r 特集 ISO l 90 l l :20 l 8マネジメントシステム監査のための指針 詳細解説 4

営管理に彩牌を与える災IJ:Iが11¥II岨となる

可能性がある場合には、監介プログラム

の修正を行う必要がある。

・スケジュールの順守状況、監杏プログラ

ムの目的の達成状況

・監:i'tチームのリーダー及び技術専門家

を含む監行チームメンパーのパフォー

マンス(監在の知識及び1,:詞杏技術の

レベル)

・監介計画を実施するI,器在チームの能力

(:ll"両達成能力の程度)

・監府依頻者、被監査者、監'r.l:員、技術

専l"l家、及びその他l*I係者からのフィー

ドパック(、意見や要望)

・監介プロセス全体における文占化した

梢報の充足度及び妥当性

5.7監査プログラムのレピュー及び

改善

監杏プログラムの継続的改泊のため

に、監オtプログラムのレビュー及び改普を

行うことが大切である。このためには、監

査プログラムのパフォーマンスに関する指

標を明確にし、それを監視及び測定する

必要がある。

内部監介では不適合の指摘だけでな

く、改怜のための指摘が市疫であり、改善

に関する指摘率などの指椋も考應すると

よい。また、不適合指摘i'I数と品質')繕'1

を評価することで監fl:プログラムのイiク)J

性を評価することも11J能である。イ,}I,i'j合f'I:

ダーは、 個々のステップを確認しながら監

ft活動を行う。

数が滅少傾向にあるにもかかわらず、イ, 6.2.2被監査者との連絡体制の確立

良呼代やクレームなどの1品質実紹が滅少し

ないで変化しないということは、監介の質

が低いと考えるべきである。このような場合

は、監荏員がプロセスの機能に関して適

切な評価を行うことができてし なヽいと判断

し、)J :,tの向上を図る必嬰がある。

6監査の実施

6.1一般

監i'f.の実施の機能には、監行のIJf.l始

(6.2)、監府祈動の準fil/1(6.3)、監介括

動の実施 (6.4)、[語在報告,I}の作成及

び配付(6.5)、監代の完了(6.6)、I,臨介の

フォローアップの実施 (6.7)があるので、こ

の手頓に),にづいて1,:臨在に1北1するfl:糾み

を朴'/築するとよい。

6.2監査の開始

6.2.1一般

,,り匂杞IJf-1始から[益介究了までの段階で

は、監在チームリーダーがその直任 を果た

すことになる。したがって、監杏チームリー

監介の述絡方法としては、 一般的に

は、監介プログラムの竹理此任者が被監

介者に対して、監森目的、適川範囲、監

1lf.)j法、監在実施H、1,:;名ftメンバーなど

の通知を文内により行う場合が多い。こ

れらの枯本的な連絡 ·I~項が完了した後

に、監介チームリーダーが具(本的に監府

を巡めるための梢報確認のため、被監在

者に辿絡をとる。

6.2.3監査の実施可能性の判定

監ftll(r,、)を達成するためには、次の事

項に19'1して1l悔在の実施可能性を検討す

ることが大切である。

・監ftの,ll画を策定し、実施するための

I・ 分かつ適切なm・報

・被監ft者の十分な協)J

• 1,:1:; :rtを実施するための I・分な時間及

び即IJ;(

内部監清では、一般的にはこれらの投

索については内部監介 ·J~務局のように

監行を運i均管理する組織で検討されて

いる場合が多いので、監在チームリーダー

は検討する必要はない。しかし、第二者

アイソス No.251 2018年 10月号 23

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図表4 チェックリストの例

MS要求事項 チェック項目 結果 証拠

文四管理 改訂された文害は、関連する部門で内容が確認され、訂任者が承認しているか

文害は決めた時期にレビューしているか

改訂された文祖は改訂時期及び理由が記載されているか

図表5 チェックシートの例

重点監査項目 重要な QMS要求事項 確認のための情報 確認したい活動 質問

工程管理 7.1.3インフラストラク 設備保全台帳 設備の故障状況の評 今年度の設備保全計

チャの管理 価をしているか 画について説明してく

ださし'o

9.1.1プロセスの監視 工程分析のデータ(エ 日々 のデータから問題 品質特性の管理方法及び測定

監介では、監査リーダーが中心となって監

介活動を進めることが多いので、これらの

災索についての検討が必吸となる。

6.3監査活動の準備

6.3.1文害化した情報のレビューの実施

糾織が決めた監杏プロセスに従って、

監介に必要な文因化したt,'i・報を収集す

る。 特に、 MSの活動状況に関する•h'i'報

が市疫であり、これには前l!.!Iまでの[益介

報11.;-.,~ に記載された・h'i'報も含むとよい。

レビューでは、被監査者の糾織の規校、

性質、複雑さ、及び伐l述するリスク及び

機会を含む、組織の状況を考J.他に人れ

るとよtヽ。

また、MSの標準化の全体像を把握す

るため、監在対象範囲の文 , I~にはどのよ

うなものがあるのか、また文,'}休系はどの

ようになっているのかを'.H11fiに確認する。

6.3.2監査計画の作成

6.3.2.1計画へのリスクに基づくアプ

ローチ

監fl:·J~ 務局などから提示された1,:器杜

, l l· 11 l 1j , 1 卜には、監壺対絞組織の1,:g~*の監

fl:H、I)り始時間、及び完了時間などが指

ぷされているので、監杏チームリーダーは

24 アイソス No.2512018年 10月号

程能力指数、管理図) 点を検出しているか ついて説明してください。

これをもとに具体的な監行計画を策定す

る際には、リスクに)&づくアプローチを採

用するとよい。

,,照杏計両の策定にあたっては、 1,:1~杏

員の力斌を考應して、誰をどの器森対級

に内I]り当てるのか、 I,益牡対泉の母梨団

からどのようなサンプルを抽出すれば効

果的か、1H釘i'f.活動のイi効性及び効率を

改苦する機会には(11fがあるか、効果的で

ない監ft,廿両によって監行目的の達成

に関してどのようなリスクがあるか、監牡

活動で被監オf.―者に対してどのようなリス

ク(製品を壊す、牛廂ラインを倅止する、

作業の停滞など)があるのかを考える必

要がある。

複合監杏では、監杏対政が各MS

(QMS、EMS、ISMSなど)へ与える影

親渡を考J.&:し、糾鱈の大きいMSへの

時間配分や質間の順番などを決定する

ことが大切である。

6.3.2.2監査計画作成の詳細

監杏,ll両は、内惰111,:臨在と第二者1H名在

とでは札1述する。また、 1,:臨行の進み貝合

に伴って\%噴,ii仙iの変史が起こり得るこ

とを許容することが大切である。

監府チームリーダーは監杏を効果的か

つ効率的に行うため、監1叫画を作成

し、1.:益ff.f衣頻者の承諾を得て、実地監介

の前に破監在者に提示する必殷iがある。

なお、膨,盗行者が監資計画に11•,1 :迅がある

と提起した場合は、I対係者で検討する必

災がある。

6.3.3監査チームヘの作業の割当て

監代チームリーダーは、監介メンパーと

i,:/命代を実施する前に打合せを行い、監

・rt員の)J i1しを考l忍して、誰が何を1,:ff(fl:す

るかについて役割を明確にする必災があ

る。また、監府の進捗状況により、監布員

の作業分担を変更することもあり得る。

このように作業の割り当てを行う目的

は、作業の割り当てを明確にしないことで

同じ内容を確認したり、サンプルが同じよ

うなものを111 1 出したりするといった 1 1•,1 :俎が

発'I~することがあり得るからである。

6.3.4監査のための文害化した情報の

作成

監介を効果的に行うためには、チェック

リストやチェックシートを活川するとよlヽ。な

ぉ、チェックリストは監杏の訓れを防ぐソー

ル、チェックシートは質11',Iの内容を記載し

たものでI,器府を効率的に行うツールであ

る。チェックリストの例を図表4に、チェック

シートの例を図表5に示す。

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6.4監査活動の実施 いなどに1i1する梢報を提供する必要があ

る。なお、初'"'会議で確認する内容にiA1J

6.4.1一般 れがなしヽ ようにチェックリストを川滋すると

監介活動は、図表lに示す監介プログ よtヽ。

ラムのフローの順序で実施するが、 個々 内部監行における訓"'会議には、次

の監介の状況に応じて変史する場合が に示すプつの方法がある。

ある。

めておく必疫がある。例えば、個別部1"1の

監介終(した後、午前中の監査が終(し

た後、 111の1,監介が終了した時点でi,:/合'rf.

チームとしての監介結果の1廿報の共11を

図るため、定期的に打合せを実施するこ

とが効米的である。

MSの迎'i均笠JIHl. の大きな問忍(法令

① 内部監ftの推進 ·J~務}、Jが議艮とな 述反、・h'i・報訓洩、データの改ざんなど)を

6.4.2案内役及びオブザーバの役割及

び閃任の割当て

内部監代では一般的には案内役は必

嬰ないが、案内役が存在する例としては、

内部監杏をアウトソースしている場合が該

当する。第二者監在では、例えば、被監

行者の窓口である部門の直任者が案内

役になる場合がある。

オプザーパの例には、監行員候補者の

教宥の一•環としてこの 1i.'iitf.員(l)tMl者を

監行チームに同行させる、第_..者監介の

指砕のためにコンサルタントがltif1iする場

合などがある。

案内役及びオプザーパは監介チームメ

ンバーではないので、\器在¥舌勅に11をさ

しはさむなどの行動をしないように .,~前に

説明しておく必嬰がある。

6.4.3初回会語の実施

り、被監任者令員を集めて今回の監

行のII的及び確認事項に1i1して説明

を行う方法

② 監牡チームリーダーが議長となり、被監

fl: 者術に,,、暉l益 rt•)~務/祉から指示さ

れた内容に従って説明を行う方法

般的には、小規校組織の場合には

①が効果的であるが、糸II織の規校が大き

くなると関係 者全員を集合させることは

時間的にも限界があるので、②の方が効

果的である。②の場合には、 10分程度で

終わるようにするとよt、第―.者監ftの場合には、組織と供給

者との契約 I・.の関係となるので、監査

チームリーダーが議長となり、膨揺脊者全

員に対して今1川の監ftの目的及び確認

加頁に関して説明を行う方法をとる。

初同会談では監杏チームリーダーが被 6.4.4監査中の連絡

監介者に対して、これから行う監介部動 l謡森メンバーが分かれて個々に監杏を

のH的や監査範冊、 指摘 -'. ] ~項の収り扱 行っている場合には、連絡のルールを決

検出した場合には、被監査者や監介依

頓者に述やかに報告を行い、指示を仰ぐ

必疫がある。

6.4.5監査情報の入手可能性及びアク

セス

監介方法には、監杏員の活動場所

(現地又はリモート)と対話(人との直接

対話での人的交流、機器、施設及び文

麿孔との非人的交流)による方法がある

ので、どこで、tヽつ、どのように監査'1¥1報に

アクセスできるかと\ヽ う点が重疫である。

6.4.6監査の実施中の文書化した情報

のレビューの実施

,,監介では、 1芯匂が結果を判断するため

にはw:噴枯準となる文内が拠り所となる

ので、レピューが必疫となる。レピューする

とは、監介実施中に文占が遜切か(川い

て\ るヽ手段が合っているかどうか)、妥‘斗

か(必要 I・分であるかどうか)、有効か(I=!

的が達成 1り能かどうか)について確認す

アイソス No.251 2018年 10月号 25

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図表6 情報の収集対象

JI:

ることである。

監行計画で与えられたJUII/¥I内に適切

な文;'F化した梢報を提供できなかった場

合には、監介チームリーダーは、監究プロ

グラムの笠理者及び被1,:1:訂在者の双方に

述絡するとよい。これに伴い、監究の目的

及び適用範冊によって、監介を続行する

か、又は文―,'F化した・l)'j-報にWIする11¥J)迅点

が解決するまで中浙するかについて決定

するとよい。

6.4.7情報の収集及び検証

監杏は、時間が限られているのですべ

ての梢報について監行することができな

し\。このため、サンプルで,Wf1lliすることにな

り、サンプルの抽出が監杏の有効性を1;::

右するので、どのようなサンプルを11l!i'l'1す

るかを事前に検討しておくとよい。サンプ

ルの選定にあたっては次の ·] ~項にィ咋目す

るとよい。

● ·l~ 業計両でrn疫課題としているもの

• 生廂斌の多いもの

・面客への影親が大きlヽ ものなど

また、サンプルの数はJi文低でも3つあれ

ば適合性の判l折が可能である。その板拠

は次のとおりである。

サンプルA:適合、サンプルs:不適合、

サンプルc:適合の場合には、システム的

な11.¥J題はないと判断する。一方、サンプル

A: 適合、サンプルB:不巡合、サンプルc:

不適合の場合には、システム的な問題が

あると判断する。

このように、サンプルを3つとれば枯本

的な判断ができる。

一方、'梢報収狛の方法には、実態を監

視する、内容を聴く、手)l偵や,・記録の(龍認

を行うが、収狛するl,'j・報は図表6に示す

ように、インプロセスの'l'i'i"報を含むものが

対絞になる。

梢報を収媒する方法として典型的なも

のを次に示す。

・而談

・観察

・文因化した梢報のレピュー

6.4.8監査所見の作成

監在貝は、監査結果について1,器介所

見を作成する必要があり、この監在所見

は1,:臨杏碁準に対して、監杏対段が適合

かイ湘適合かを1リIMiにしなければならな

い。なお、 明確にするためには、監査枯準

とIHiift,l1i拠を一対にして記述することが

大切である。特に監介証拠については、ト

レースできるように識別することが大切で

ある。

監ff,ii画には監在チームとしての見

解を明確にするために、監究所見をレ

ピューするための時間を確保する必要が

ある。また、改善対象についても言及する

ことが監介日(IりにIIJJ確化されている場合

には、改善の機会及びf優れた実践につ

いての指摘をするとよい。なお、改蒋指摘

とは、製求Ji瑣は悩iたしているが仕組み

を改袴することにより、効果的で効率的

になることが期待されることをいう。

改普指摘の例として、「QC工程図の中

間検行で破壊試験を5個行っているが、

最近の結果を兄ると間題が発生しておら

ずT程能力も十分あるのでコストを考應し

て破壊,試験の個数を滅少させたらどうか」

「謁ii術 杏 の1渾i汽料配付が3日前に

なっているが、各部門で検討する時間を

考えて1辿1111前にしたらどうか」などがある。

監介所兄は適合性の証拠を明確に

するため、これらについての記録を残すこ

とが適切である。また、不適合は組織の

状況及びそのリスクによって格付けする

ことが可能である。格付けは定凪的なもの

(例:1~5)でも定性的なもの(例:軽度、

26 アイソス No.2512018年 10月号

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監査対象プロセス 強み

設計・開発 頗客要求事項への対応が迅速である

調達 第二者監査プロセスのPOCAが回っている

製造 製造技術の強み・弱み分析が行われている

.ifi股)でもあり得る。

なお、不適合は、監査証拠が正雁であ

ること、及び不適合の内容が理解された

ことについて被監査者に認めてもらうた

めに、被監査者とレビューするとよい。監

府証拠又は監査所見にWIして磁:兄の相

違がある場合には、それを解決するため

のあらゆる努力を試みることが大切である

が、解決できない問題は、監究報侶,りに

記録しておくとよい。

6.4.9監査結論の決定

6.4.9.1最終会語の準備

監究が終了したら監査チームとしての

粘論を禅き出すため、次の ·J~項について

最終会議に先立ってチーム内で打合せ

を行う。

• 各監究貝が記述した監if.所兄や監

介で確認した梢報についてチームメン

パー全員で内容に問超がないかを1雁

認する。

・被監行者のMSに対する収組み状況

などを含めて、全員で監脊結論を検討

する。

・監在計画にMSの改苦が可能な領域を

明確化することが明示されている場合

には、改善につしヽて提言を11)1確にする。

・不逸合に対する監府のフォローアップ

を早急に行うのがよいのか、または次の

図表7 監査報告円の内容の一部の例

弱み 不適合

設計品質目標の達成 製品Aの設計検証率が80%である 時期が計画より1週

問遅れているが処匹がとられていない

部品の供給者が1社のみの部品が3品目ある

製品Aの工程能力が 在庫品の部品Cに1.0である 錆が付いている

1, 悔査時点で行うのがよし.ヽ のかについて

検討する。

最終会議では、 主に11頒での報告に

なることが一般的であるので、監行チーム

リーダーは最終会議で報約する内容に

ついてメモを作成するとよい。

6.4.9.2監査結論の内容

監森結論には、次の •j f叫を収り扱う。

・監杏)店準への適合の程腹及びMSの

頑健さ。これには、、意図した成米を満た

すことにおけるMSのイi効性、リスクの

特定、及び被I,悔ff.者がリスクに収り組

むために取った行動の布効性を含む。

• MSの効米的な実施、維持及び改苦。

・監森目的の達成、1.:1;;;1f.範ILt-1の網羅性

及び監酉枯準の達成。

・匝向を特定するII的で'ii釘杞された、又

は合lnl監査杵しくは前1111までの監在か

ら得られた、異なる領域における同様

の所見。

6.4.10最終会議の実施

最終会議は、監牡チームリーダーが監

佑りi見及び監'.f'H:,'[論を戦,%清者に提示

し、被監在者が内容をJ唱解するとともに

同慈を求める目的で開催する。したがっ

て、i位終会議の出席者は、初lul会議に出

改善指摘 推奨事例

サプライチェーンのレビューを定期的に行うとよい

是正処四の原因追究 ポカヨケの効果を把になぜなぜ分析を行う 握している様式を作成するとよい

席したメンパーが対絞になる。最終会議で

確認する ·J~項については、事前にチェッ

クリストを作成しておくとm;れがない。最終

会議は監杏チームリーダーが作成したメモ

に従って報佑を行う。しかし、報告内容に

理解が得られない場合には、協議を行い

解決することが必投であるが、解決しない

場合にはその論、点の内容を記録する。論

点については、地終的には監森プログラ

ムの'1:l理直打者が判断するとよい。

また、改袴指摘を採川するかどうかは

被監杏者が決めることであり、監査員が

「改普指摘I~項を実行すべきである」と

言うことは恙し控えるべきである。なお、時

間は30分以内が適切である。

6.5監査報告店の作成及び配付

6.5.1監査報告古の作成

監究報缶 ,'fは組織が定めた監森手

顛に従って作成を行うが、一般的には、

監査チームリーダーが最終会議終了後、

1週間以内をめどに速やかに作成すると

よい。なぜならば、時間が経過してしまうと

記柁が薄れてしまい、正確な報告ができ

なくなる恐れがあるからである。監査報告

:;l江には、単にイ遁合内容だけを記述する

のではなく、図表7に示すようにプロセス

の能力に関する'h';-報をインプットすること

が効果的である。

アイソス No.251 2018年 10月号 27

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6.5.2監査報告書の配付 次期の監在計画で確認することが効率 ログラム及び監査目的を考慮した監査員

監査チームリーダーが作成した監査報 的である。 の力鼠を明確にし、開発すべき力量につ

告書は、監査に関する手順に従って責 フォローアップするための力鼠には、是 いての監査員の教育・訓練を策定し、実施

任者が承認し、関連する人々に配付し、 正処骰のチェック方法を習得する必要が し、その有効性評価を行う必要がある。

各部門の資任者が活用する。 ある。是正処樅のチェックポイントは、次の 監査はチームで行うことが多いので、

とおりである。 チームとしての力拭を明確にして、監査員

6.6監査の完了 を指名することがよい。したがって、必ずし

・事象が明確になっているか。 も監在メンバーの力駄が全て高度なレベ

監査完了の時期は、監査報告書を関 ・不適合の原因に事象が含まれていな ルにある必要はない。

係者に配付した時点である。監査完了の しヽか。

後で、監査チームリーダーは監査活動に • 原因のメカニズムを分析し、原因を明 7.2監査員の力量の決定

ついてのレピューを行うとよい。レビューの 確にしているか。

視点は、監査計画通りできたか、監査員 ・不適合の原因と他のプロセスとの影響 7.2.1一般

研修者への指導はうまくいったかなどで を評価しているか。 監査員の知識及ぴ技能の決定の際

ある。このレビューの結果から監査活動に • その原因が他の製品やプロセスに問題 には、監査の対象は何かを明確にし、そ

関する改普点が抽出されることで、監査 を発生させていないか、又はその可能 れを監査するために最低限必要な知識

プログラムのPDCAサイクルが回る。 性はないか。 及び技能はどのようなものかを関係者で

監査から得た知見は、監査プログラム ・是正処骰に時間がかかっていないか。 検討し、決定するとよい。監査では、管理

及び被監査者に関するリスク及び機会を ・是正処骰活動のフォローを行っているか。 技術だけでなく固有技術も必要になるの

特定し得るので、監査文因の開示には注 で、これらを考感する必要がある。

意が必要である。

7監査員の力量及び評価 7.2.2個人の行動

6.7監査のフォローアップの実施 監査員は、監査活動を実施している

7.1一般 間、専門家として次の行動をするとよい。

監査で指摘された事項について、被 基本的にはこのような特質を監査員が持

監査者は処瞳の状況を監査プログラム 監在を有効に行うためには、監査員の つことは、監査実施の点で有効であると

の管理責任者や監査チームに報告す 力鼠が十分担保されている必要がある。 の考え方である。

る。また、その処樅の内容確認のための 監査員の力凩が低いと単なるMSの運営

監査は、頂要なものであれば時期を決め 管理のチェックになり、監査目的を十分達 倫理的である、心が広い、外交的である、

て実施するが、その他のものについては 成することはできなくなる。このため、監査プ 観察力がある、知党が鋭い、適応性があ

28 アイソス No.251 2018年 10月号

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特集 ISO 1 90 l 1 :20 l 8マネジメントシステム監査のための指針 詳細解説

る、粘り強い、決断力がある、自立的であ ・監査の原則、プロセス及び方法 7.2.3.5複数の分野の監査のための知

る、不屈の精神をもって行動できる、改普 • MS規格及びその他の基準文書 識及び技能

に対して前向きである、文化に対して敏 ・組織及び組織の状況 複数の分野に対応するMSを監査す

感である、協働的である ・適用される法令・規制要求事項及びそ る場合は総合的な判断を下すために、

の他の要求事項 監査チームメンバーは異なるMS間の相

監査員として好ましくない行動には、次 互作用及び相乗効果について理解して

のような例がある。監査員は、このような 7.2.3.3分野及び業種に固有の監査員 いるとよい。

行動をしないように心がける必要がある。 の力量 監査チームリーダーは、監査対象となる

分野に固有の知識及び技能とは、MS 各MS規格の要求事項を理解し、それぞ

• 自分の考えに固執する の運営管理に必要な専門性に関するも れの分野における自身の力最の限界を

• 上から目線で話す のである。例えば、 QMSでは品質保証 認識するとよい。

・被監査者の説明を十分聞かないで、よ 活動の要索及び固有技術、 EMSでは

くしゃべる 環境側面に関する要索及び固有技術、 7.2.4監査員の力置の獲得

・深堀をしない ISMSでは管理策に関する要索及び固 監査員の力撒で考感すべきことは、監

有技術などが該当する。 査員に要求される知識及び技能を持つ

7.2.3知識及び技能 ための教育・訓練を受けているかどうか、

7.2.3.1一般 7.2.3.4監査チームリーダーの共通の力量 監査対象のプロセスの業務機能が理解

監査員は監査を実施するために必 監査チームリーダーは、次の事項を行う できるだけの業務経験があるのか、監査

要な知識及び技能を維持・開発するた 力撒を備えているとよい。 チームリーダーのもとでの監査の経験があ

め、適切な教育・訓練を行うことが必要で るのかどうかである。

ある。したがって、トップマネジメントは資源 ・監査計画の作成及び監査チームメン したがって、これを満たす教育・訓練、

(研修費用、研修時間など)を提供する バーヘの業務の割り当て 業務経験、監査経験を積む必要がある。

必要がある。また、監査チームリーダーに ・被監査者のトップマネジメントとの面談

は、監査に対するリーダーシップを果たす ・監査チームメンバーとの協力的な業務 7.2.5監査チームリーダーの力量の獲得

ための知識及び技能が必要になる。 関係の構築 監査チームリーダーは監査の統括を行

・監査プロセスのマネジメント う役割があるので、監査のリーダーシップ

7.2.3.2マネジメントシステム監査員の共 ・監査チームとしての代表活動 を発揮する必要がある。このためには、

通の知識及び技能 ・監査チームの統率及び監査結論の導 7.2.3.4の力鼠を開発するための追加的

監査員は、次に示す領域の知識及び き出し な監査経験を積むことが基本であり、他

技能を備えているとよい。 ・監査報告書の作成 の監査チームリーダーの指揮及び指導の

アイソス No.251 2018年 10月号 29

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もとで経験することが大l;JJである。

監介チームリーダーの)J :,tの教宥・?,)II

錬方法のひとつとして、 i,:;-危介メンパーが作

成した不適合報缶,りを評価する/iJf修方

法がある。このような方法は不遥合報告

.~}のどこに問題があるのかを発見させる

油智を行うと効果が上がる。また、監究貝

が被1,悔森者に対して質11',Jしている状況を

ピデオで抽膨し、後でどこに1/',J;趙があるの

かを抽出させる演習も実践演習として効

果がある。

7.3監査員の評価基準の設定

監在員の評価碁準には、定性的(例え

修の時11¥J)なものがある。

監査只の評価基準には、評価項'='とし

てMS固有の笠理技術的要索及び固イi

技術的要索、MS規格、監杏技術を考I俎

する必要がある。

監査員には図表8に示すように笠理

技術に関する力批が必要である。

なお、監査技術には、観察技術、サンプ

リング技術、質間技術、チェックシート作成

技術、評価技術、記録技術、足正処附評

価技術、有効性評価技術、プロセスアプ

ローチ技術がある。

また、固有技術の例には図表9に示す

ようなものがある。

ば乱ii練又は職場で示された、望ましい 7.4監査員の適切な評価方法の選定

行動、知識又は技能のパフォーマンス)及

び定批(1り(例えば、業務経験及び教育 監査員の評価方法は、次に示す方法

の年数、実施した監杏の回数、監杏員/iJf が効果的である。

a)監在記録のレピュー結果

監行具の監介所兄の内容から監査

技術を;評価する。

b)被腑噴者などからのフィードバック

監杏活動に対する被監森者のアン

ケート結果から監査技術、行動などを

、評価する。

c)而接の実施

監:rt具と而談して力:,しを評価する。

d)監究活動の観察結果

1,: 臨介チームリーダー、監査事務局、又

はコンサルタントの評価結米から監査

技術、秤理技術、固布技術、MSに関

する理解股などを評価する。

e)監杞 ―籍研修後の試験結果

監杏員(iJf修中の受講者の行動や試

験の結果から監査技術、行動、及び

MS規格の理解度などを評価する。

f)監介糾録のレピュー

図表8 監査員の管理技術に関する力屈評価項目の例

評価項目内部監査

第二者監査OMS EMS ISMS

監査対象の業務知識

゜ ゜ ゜ ゜品質管理の原則の理解

゜ ゜リスク管理

゜ ゜ ゜ ゜プロセスの設計法の知識

゜ ゜ ゜ ゜管理・改善のための管理技術の理解

゜ ゜ ゜ ゜組織で使用している統計的方法の知識

゜ ゜ ゜ ゜標準化に関する知識

゜ ゜ ゜ ゜環境管理

゜ ゜情報セキュリティ管理

゜ ゜MS用語の知識

゜ ゜ ゜ ゜MS要求事項の知識

゜ ゜ ゜ ゜監査技術

゜ ゜ ゜ ゜30 アイソス No.251 2018年 10月号

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| 特集 ISO l 90 l l :20 l 8マネジメントシステム監査のための指針 詳細解説 4

監杏チェックリスト、監査チェックシート、監

在所兄、監査報告因などで評価する。

7.5監査員の評価の実施

監森員が、明確にした力批を維持開

発しているかどうかを確認するため、決定

した監在具の評価方法に),しづいて評価

を継続的に行うとよtヽ。

7.6監査員の力旦の維持及び向上

専I"隊として監在を実施している疫

員、例えば111111質保証部門の人々は別に

しても、 一般の監査貝は年間を通して監

:Pt業務を行っているわけではない。このた

め、)J :, しを維持する方法として、監査の

火)j他前に監在プロセスの勉り針をすること

も効来的である。

しかし、これだけではイ'I・分である。監

介技術(観察技術、サンプリング技術、質

間技術、チェックシート作成技術、評価技

術、,記録技術、是_f_処1iりし評価技術、布

効l'I囁ffilli技術、プロセスアプローチ技術)

は、1,:益代を行うためのものだけではなく、 H

常業務の中でも使JTIされるものであるの

で、監介員だけに必嬰な技術ではないと

しヽうことを認識する必吸がある。

したがって、II常業務を行うことで監在

技術の維持及び向 I・.につながると考える

とよ\ヽ 。要はマネジメントカを常に発揮す

ることが重要である。▼

[参考文献l• ISO 19011:2018 マネジメントシステ

ム監杏のための指針

• JIS Q 19011:2012マネジメントシステ

ム1,:詣査のための指針

・組織が機能するマネジメントシステム

,,器杏カーISO19011:2011 (JIS Q

19011:2012)の解説と活用方法ー(福

丸典芳著、2012、1:1本規格協会)

• ISO 9001:2015年版 内部監行の枯

礎から応川まで(幅丸典芳著、アイ‘ノス

No.233-No.244、システム規格社.)

図表9 監査員の固有技術に関する力足評価項目の例

評価項目内部監査

第二者監査OMS EMS ISMS

配線技術

゜ ゜ハンダ技術

゜ ゜金型技術

゜ ゜射出成型技術

゜ ゜板金技術

゜ ゜メッキ技術

゜ ゜塗装技術

゜ ゜切削技術

゜ ゜試験技術

゜ ゜製造条件設定技術

゜ ゜検査項目設定技術

゜ ゜自動機設計技術

゜ ゜回路設計技術

゜ ゜廃液処理技術

゜ ゜ばい煙測定技術

゜ ゜情報セキュリティ技術

゜ ゜アイソス No.251 2018年 10月号 31