(1)鉛直力に対する支持性能 ucb -...

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超小型ゴム支承装置 2019 年 2 月 UCB 建技審証第 0810号 建設技術審査証明協議会会員 建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術) 概要書 一般財団法人 土木研究センター

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Page 1: (1)鉛直力に対する支持性能 UCB - JACIC...①鉛直力支持装置として高い支持力性能を有する弾性荷重支持板(HiPS)を用い、水平力支持装置として、全方向の水平力に

超小型ゴム支承装置 UCB

超小型ゴム支承装置

2019年2月

U C B

審査証明の結果

(1)鉛直力に対する支持性能繰返し漸増の圧縮力載荷試験および数値解析の結果から、鉛直支持力の特性値までの載荷に対して変状がなく、安定し

た荷重-変位関係を呈することが確認された。また、 200 万回の繰返し圧縮力載荷試験の結果、初回と最終載荷時の荷重-変位関係にほとんど変化がないことが確認された。

(2)水平力に対する支持性能水平力載荷試験から得られる最大水平荷重に 0.9 を乗じた値を水平支持力の特性値とする。このようにして設定した水

平支持力の特性値に対して、変状がなく、安定した荷重-変位関係を呈することが確認された。

(3)「UCB」可動タイプのすべり面の耐久性死荷重に相当する荷重を負荷した状態で、すべり面を摺動させる摩耗試験の結果、PTFE の摩耗量は微量であり、また

摩擦係数の変化も小さいことが確認された。

(4)上揚力への抵抗性上向きの鉛直支持力の制限値に相当する上揚力に対して、安定した上揚力-鉛直変位の関係が得られた。また、上向き

の鉛直支持力の制限値に相当する上揚力と回転が同時に負荷した場合でも安定した上揚力-鉛直変位の関係が得られたことから、上向きの鉛直支持力の制限値に相当する上揚力に対して、安定して抵抗していることが確認された。

(5)上部構造の回転変位に対する追随性数値計算により、桁の回転変位に対して円滑に追随し、回転変位に伴う正負の反力に対しても安全であることが確認さ

れた。

(6)自然環境における耐久性「UCB」に使用される被覆ゴムの耐塩性試験を行った結果、被覆ゴムは十分な耐塩性能を有することが確認された。また、17年間屋外に設置していた被覆ゴムの化学分析を行った結果、ゴム材質にオゾン劣化がないことがわかった。

2019年 2月15日~2024年 1月25日(内容変更:2019年 2月15日)

審査証明有効期間

株式会社ビー・ビー・エム 〒103-0027 東京都中央区日本橋3丁目11番 1号  開発部 TEL 03-3517-9864 FAX 03-3517-9868 E-mail: [email protected]  http://www.mgb.gr.jp/bbm/

技術保有会社/お問合せ先

建技審証第0810号

UCB-F の部品構成(HiPSとシンボウ)

下鋼板(SM490)ゴム(NR)

被覆ゴム(NR)t=2mm

上鋼板(SS400) 被覆ゴム(NR)t=2mm

HiPS

シンボウ(S45CN)ねじ

リングナット(S45CN)

ねじ

建設技術審査証明協議会会員

建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)概要書

一般財団法人 土木研究センター本概要書は、一般財団法人土木研究センター(PWRC)が行った「建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)」の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。

一般財団法人 土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html

Page 2: (1)鉛直力に対する支持性能 UCB - JACIC...①鉛直力支持装置として高い支持力性能を有する弾性荷重支持板(HiPS)を用い、水平力支持装置として、全方向の水平力に

①鉛直力支持装置として高い支持力性能を有する弾性荷重支持板(HiPS)を用い、水平力支持装置として、全方向の水平力に抵抗するシンボウを支承中心の一箇所に配置している。また、HiPSの下鋼板は、ベースプレートの機能を兼ねている。②UCBは、固定タイプ「UCB-F」と可動タイプ「UCB-M」の 2種類がある。UCB-F は、水平力に対して、シンボウで抵抗する。UCB-Mは、上部構造の水平変位を拘束しない構造としている。なお、すべり面の摩擦抵抗による水平力に対して、シンボウで抵抗する。

超小型ゴム支承装置 UCB技術の概要

施工例(支承交換の例)

UCBの構造

(1)支承高が低い既設橋梁の支承の取替えにおいて、鋼製支承および積層ゴム支承に比べて支承高が低いため、既存の桁下空間に収まりやすくなっている。

(2)取扱い時の作業性部品数の削減および支承のサイズが小さくなったことで、支承自体の重量が軽くなり、作業中の取り回しを向上させている。

(3)耐久性HiPSの外周をゴムで被覆し、錆に対する耐久性を確保している。

本技術の特長

橋全体の耐震性能の向上策として、既設橋梁の支承の取替えを行う場合には、スペースの制約から高さが低い支承が求められている。超小型ゴム支承装置「UCB」は、既設橋梁への適用性を高めるために、鋼製支承や積層ゴム支承よりも支承の高さを低く、かつ部品数の削減による構造の簡素化と経済性の向上をはかることを目的に開発された支承である。

鋼製支承(BP-B)

UCB固定タイプ「UCB-F」 UCB可動タイプ「UCB-M」

新技術

支承交換前(線支承) 支承交換後(UCB-F)

セットボルト

スライディングプレート

アンカーボルト

HiPS

シンボウ

PTFEステンレス鋼板

セットボルト

リングナット

上沓

HiPS

アンカーボルト

シンボウ

従来技術 ※支承交換において、既存の支承より支承高が低いため、

 桁下空間が大きい場合には、ソールプレートや台座コン クリート等を用いて施工する必要がある。

支承交換前 支承交換後

積層ゴム支承

UCB-F線支承( 鉛直反力1,000kN)

125

155

上部構造(主桁)

支承

桁下空間

下部構造鉄筋

19122 ソー

ルプ

レー

ト支

213

250

22 ソ

ール

プレート

支承

272

既設支承よりも支承高さが低いため、下部工への影響がなく、施工が容易である。

既設支承よりも支承高さが高いため、橋座面を掘り下げる必要がある。 また、下部工の鉄筋と干渉する場合もある。

9822

ソー

ルプレ

ート

支承

155

桁下空間

Page 3: (1)鉛直力に対する支持性能 UCB - JACIC...①鉛直力支持装置として高い支持力性能を有する弾性荷重支持板(HiPS)を用い、水平力支持装置として、全方向の水平力に

①鉛直力支持装置として高い支持力性能を有する弾性荷重支持板(HiPS)を用い、水平力支持装置として、全方向の水平力に抵抗するシンボウを支承中心の一箇所に配置している。また、HiPSの下鋼板は、ベースプレートの機能を兼ねている。②UCBは、固定タイプ「UCB-F」と可動タイプ「UCB-M」の 2種類がある。UCB-F は、水平力に対して、シンボウで抵抗する。UCB-Mは、上部構造の水平変位を拘束しない構造としている。なお、すべり面の摩擦抵抗による水平力に対して、シンボウで抵抗する。

超小型ゴム支承装置 UCB技術の概要

施工例(支承交換の例)

UCBの構造

(1)支承高が低い既設橋梁の支承の取替えにおいて、鋼製支承および積層ゴム支承に比べて支承高が低いため、既存の桁下空間に収まり

やすくなっている。

(2)取扱い時の作業性部品数の削減および支承のサイズが小さくなったことで、支承自体の重量が軽くなり、作業中の取り回しを向上させて

いる。

(3)耐久性HiPSの外周をゴムで被覆し、錆に対する耐久性を確保している。

本技術の特長

橋全体の耐震性能の向上策として、既設橋梁の支承の取替えを行う場合には、スペースの制約から高さが低い支承が求められている。超小型ゴム支承装置「UCB」は、既設橋梁への適用性を高めるために、鋼製支承や積層ゴム支承よりも支承の高さを低く、かつ部品数の削減による構造の簡素化と経済性の向上をはかることを目的に開発された支承である。

鋼製支承(BP-B)

UCB固定タイプ「UCB-F」 UCB可動タイプ「UCB-M」

新技術

支承交換前(線支承) 支承交換後(UCB-F)

セットボルト

スライディングプレート

アンカーボルト

HiPS

シンボウ

PTFEステンレス鋼板

セットボルト

リングナット

上沓

HiPS

アンカーボルト

シンボウ

従来技術 ※支承交換において、既存の支承より支承高が低いため、

 桁下空間が大きい場合には、ソールプレートや台座コン クリート等を用いて施工する必要がある。

支承交換前 支承交換後

積層ゴム支承

UCB-F線支承( 鉛直反力1,000kN)

125

155

上部構造(主桁)

支承

桁下空間

下部構造鉄筋

19122 ソー

ルプ

レー

ト支

213

250

22 ソ

ール

プレート

支承

272

既設支承よりも支承高さが低いため、下部工への影響がなく、施工が容易である。

既設支承よりも支承高さが高いため、橋座面を掘り下げる必要がある。 また、下部工の鉄筋と干渉する場合もある。

9822

ソー

ルプレ

ート

支承

155

桁下空間

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超小型ゴム支承装置 UCB

超小型ゴム支承装置

2019年2月

U C B

審査証明の結果

(1)鉛直力に対する支持性能繰返し漸増の圧縮力載荷試験および数値解析の結果から、鉛直支持力の特性値までの載荷に対して変状がなく、安定し

た荷重-変位関係を呈することが確認された。また、 200 万回の繰返し圧縮力載荷試験の結果、初回と最終載荷時の荷重-変位関係にほとんど変化がないことが確認された。

(2)水平力に対する支持性能水平力載荷試験から得られる最大水平荷重に 0.9 を乗じた値を水平支持力の特性値とする。このようにして設定した水

平支持力の特性値に対して、変状がなく、安定した荷重-変位関係を呈することが確認された。

(3)「UCB」可動タイプのすべり面の耐久性死荷重に相当する荷重を負荷した状態で、すべり面を摺動させる摩耗試験の結果、PTFE の摩耗量は微量であり、また

摩擦係数の変化も小さいことが確認された。

(4)上揚力への抵抗性上向きの鉛直支持力の制限値に相当する上揚力に対して、安定した上揚力-鉛直変位の関係が得られた。また、上向き

の鉛直支持力の制限値に相当する上揚力と回転が同時に負荷した場合でも安定した上揚力-鉛直変位の関係が得られたことから、上向きの鉛直支持力の制限値に相当する上揚力に対して、安定して抵抗していることが確認された。

(5)上部構造の回転変位に対する追随性数値計算により、桁の回転変位に対して円滑に追随し、回転変位に伴う正負の反力に対しても安全であることが確認さ

れた。

(6)自然環境における耐久性「UCB」に使用される被覆ゴムの耐塩性試験を行った結果、被覆ゴムは十分な耐塩性能を有することが確認された。また、17年間屋外に設置していた被覆ゴムの化学分析を行った結果、ゴム材質にオゾン劣化がないことがわかった。

2019年 2月15日~2024年 1月25日(内容変更:2019年 2月15日)

審査証明有効期間

株式会社ビー・ビー・エム 〒103-0027 東京都中央区日本橋3丁目11番 1号  開発部 TEL 03-3517-9864 FAX 03-3517-9868 E-mail: [email protected]  http://www.mgb.gr.jp/bbm/

技術保有会社/お問合せ先

建技審証第0810号

UCB-F の部品構成(HiPSとシンボウ)

下鋼板(SM490)ゴム(NR)

被覆ゴム(NR)t=2mm

上鋼板(SS400) 被覆ゴム(NR)t=2mm

HiPS

シンボウ(S45CN)ねじ

リングナット(S45CN)

ねじ

建設技術審査証明協議会会員

建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)概要書

一般財団法人 土木研究センター本概要書は、一般財団法人土木研究センター(PWRC)が行った「建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)」の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。

一般財団法人 土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html