(仮称)魅力創造計画(大山まちづくり整備計画)...
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(仮称)魅力創造計画(大山まちづくり整備計画)【分析報告書編】について(概要)
1 趣旨(P1)※本編における記載ページ
基本計画 2025 における未来創造戦略で設定している「魅力創造発信都市」と「安全安心環
境都市」の実現に向けて、当該地区に関する計画的・段階的な整備に関するマスタースケジュ
ールプラン(大山まちづくり整備計画)を包含する(仮称)「魅力創造計画」を策定する。
策定にあたっては、当地区を多面的に再評価・分析し、課題の整理を行うとともに、魅力創
造の観点からまちづくりの方向性を示すことを内容とした分析を行った。
2 対象地区・まちづくりの状況(P2)(P30)
大山東町・大山町の全域と大山金井町・熊野町・氷川町・栄町・仲町の一部の約 81ha。
① 補助第 26号線の整備 ② 再開発事業 ③ 不燃化特区の取組
④ 板橋交通公園の改修 ⑤ 板橋キャンパスの再編成
⑥ 駅前広場の整備 ⑦ 東武東上線の立体化
まちづくり調査特別委員会資料
平成 29 年 2 月 24 日
都市整備部拠点整備課
この地図は承認番号 28-33の一部を転載したものである
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3 主な地区特性(P29~P75)
人口や世帯の動向をはじめ、産業・商業、用途地域の指定、土地利用など、18項目の現況デ
ータに基づき、地区特性を把握した。
【地区全体】
・区平均より高い:人口密度、外国人居住者の割合、地価(住宅地・商業地)、
マンション分譲価格
・区平均より低い:年少人口の割合(*0~4歳人口が増加傾向)、
高齢人口・単身高齢者世帯の割合(*近年増加傾向)、
緑被率、老朽空き家の割合
・旧川越街道沿道を中心に、区内有数の商店街が形成されている
・低未利用地が点在、公園不足エリアが多い
・公共交通機関や道路整備が進み利便性が高いが、駅周辺にバス停、タクシー乗り場が
不足
・大量の電力を使用する公共公益施設が多く立地
・近年、集合住宅や子育て世帯の増加による児童数が増えている
・医療機関が充実
【町丁目別】
・大山東町は、地区内でも人口密度・世帯密度ともに高い
・熊野町は外国人居住者の割合が高い
・大山町と大山東町には、狭隘道路に囲まれた街区が連坦する箇所がある
・大山金井町や熊野町は6m以上の道路が整備され一方通行規制が多い
4 評価(P76~P105)
(1)国土交通省のガイドラインによる評価(P76~P97)
国土交通省の評価ガイドライン(「都市構造の評価に関するハンドブック」及び「健康・
医療・福祉のまちづくりの推進ガイドライン」)を参考にして、町丁目データから生活
利便性や健康・福祉、安全・安心などについて、簡易評価を行う。
●医療施設・福祉施設・商業施設・基幹的な公共交通路線にアクセスできる区域が地区内の
9割以上で利便性が非常に高く徒歩での利用が可能
●65歳以上の人口・単身者世帯の割合は板橋区の平均と比較して低い
●郵便局・銀行・コンビニの ATMを徒歩圏で全域をカバーでき利便性が高い
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評価指標
(評価分野:1 生活利便性分野、2 健康・福祉分野、3 安全・安心分野、
4 地域経済分野、5 高齢化進展度、6 一人暮らし高齢者率、7 公益機能)
評価分野 評価指標 半径 250ⅿ徒歩圏人口カバー率
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医療施設(医療施設【内科か外科を有する】・診療所) 99.8%
福祉施設(通所系、訪問系施設及び小規模多機能施設) 100.0%
商業施設(スーパーマーケット、コンビニエンスストア) 100.0%
公共交通路線(鉄道は 400m・バス停は 200m圏) 92.6%
日常サービス全体(上記4項目をすべて充足する圏域) 92.5%
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徒歩・自転車の機関分担率 48.7%
高齢者福祉施設の圏域(250m)高齢人口カバー率 100.0%
保育所の徒歩圏 0~5歳人口カバー率 60.7%
公園・緑地 250m徒歩圏人口カバー率 67.6%
7 徒歩圏内(250m)に郵便局・銀行がない住宅の割合
(コンビニエンスストアを含めた場合)
20.6%
(0.8%)
評価分野 評価指標 割合・数値
2 買い物への移動手段における徒歩の割合 37.4%
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住民1万人当たりの交通事故死亡者数 0.11人
最寄り緊急避難場所までの平均距離 193.16m
空き家率 0.5%
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小売商業床面積当たり売上高 120.0万円/㎡
平均住宅宅地価格 459千円/㎡
区民 1人当たりの区税額 79.8千円
5 65歳以上の人口の割合 21.4%
6 65歳以上の単身者世帯の割合 10.5%
(2)パタン・ランゲージによる評価(P98~P105)
パタン・ランゲージ(元気なまちに存在する253の法則[パタン])のうち、「まち」や「近
隣」に関するパタンとされている№11 から№40 のパタンの存在の有無を検証することで簡易
評価を行う。
№11 地区周囲に環状道路、地区内の安全な歩行・自転車利用:幹線道路に囲まれ、地区内の主
要道路の多くは一方通行で歩行者等の安全性が確保されている
№12 適度な規模のコミュニティ:7つの町会があり約 3000人のコミュニティが存在している
№13 コミュニティ単位が識別できる境界:補助第 26号線や東上線の線路敷等が存在している
№14 濃密なコミュニティ:町会・自治会・老人クラブなどなどが存在している
№15 意識的なコミュニティ境界の設置:町会ごとのコミュニティが存在している
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№16 接続した公共輸送網:大山駅に直結するバス停やタクシープールはない
№17 環状道路に接した高速道路:山手通りには首都高速道路 5号線が接続している
№18 多様な学びの機会のネットワーク:子供から高齢者まで対応した生涯学習がある
№19 品揃え豊富な商店網:ハッピーロード大山商店街や遊座大山商店街が存在している
№20 ミニバス:地区内にコミュニティバスはない
№21 戸建住宅(3階以下)が多い:絶対高さ制限はありますが 3階建ての規制はない
№22 駐車場は地区面積の9%以下:地区内には大規模な駐車場は集積していない
№23 地区内は平行道路で一方通行が多い:道路は格子状に整備され多くは一方通行である
№24 歴史的なランドマーク(聖地):神社仏閣や文化財が複数存在している
№25 地区内に水に触れあう憩いの場:千川上水は暗渠で石神井川は地区外にある
№26 各年代が利用する施設:商店街、文化会館、公園、学校など様々な年代の人が利用する施
設が存在している
№27 男女それぞれが利用する施設:住宅、商店街、公共施設、工場等偏りなく存在している
№28 地区中心から少し外れて高度利用、周辺が低密度エリア:駅及び商店街は容積率が高く
高度利用が可能で、周辺の住宅地は容積率が低く低密度な街並みとなっている
№29 地区内中心寄りに商業、周囲に住宅エリア駅:駅や商店街が概ね中心に位置し、その周辺
が住宅地になっている
№30 徒歩圏に複数のコミュニティ施設:公園や広場がありますがあまり多くない状況である
№31 プロムナード(遊歩道):ハッピーロード大山商店街と遊座大山商店街がプロムナードとし
て利用されている
№32 多様な商品を扱う商店街(買物街路):商店街には大規模なデパートはありませんが、中小
規模の商店が多数存在している
№33 駅周辺に深夜まで営業している施設が集約:大山駅周辺には深夜営業の飲食店がある
№34 住宅地近くの乗り換え地点:川越街道や山手通りはバスやタクシーが利用しやすい
№35 多様な世帯が混合して存在:子供から高齢者まで多様な世代が居住している
№36 公共度に応じた住宅(閑静、にぎやか、中間):計画的な住宅整備は行われていない
№37 複数の住宅が共有する公共地を囲んでいる:公共空間を含む住宅整備は行われていない
№38 連続住宅(長屋式住宅):公共事業としての長屋形式の住宅整備は行われていない
№39 団地形式ではなく、ひな壇状で共有庭がある住宅:高低差がないため建築は困難である
№40 地区内のエリアごとに 50人前後の高齢者用の住宅:高齢者専用住宅の整備は行われてい
ない
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5 分析(P106~P112)
(1)評価結果から抽出した課題(P106)
①国土交通省の評価ガイドラインからの課題
・大山駅周辺の開発を契機とした基幹交通の充足
・小規模保育所や民間保育所等の充実
・商店街や鉄道立体化に合わせて整備される路線をプロムナードとして位置づけや歩行
空間の整備
・補助第 26号線の整備による安全な避難経路の確保をはじめとする安心・安全なまちの
形成
・「板橋区版 AIPの構築」
②パタン・ランゲージから抽出した課題
・乗りかえ地点のユニバーサルデザイン化
・地域ごとの特徴を生かした地域コミュニティの充足や、地区計画等のまちづくりルー
ルの導入
・町会・自治会への加入促進のための仕組みづくり
・コミュニティを展開する地域活動や人的ネットワークづくり、地域の担い手育成
・商店街の活性化
(2)まちづくりのテーマ(P106)
これまでの地区特性や評価結果、課題などを踏まえ、まちづくりの4つのテーマを抽
出。
・ユニバーサルデザ
多様な主体による
一体的マネジメント
にぎわいの創出 高齢者、障がい者、
外国人等への配慮
・商業によるにぎわい
・外出活動や交流活動
・板橋区版 AIP の構築
・ユニバーサルデザイン
環境負荷の低減
・施設・建物間、地区の
各段階での省エネ化
・スマートシティの構築
防災・防犯
・コミュニティ力の向上
・燃えない・燃え広がらない
まちの形成
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(3)将来の展開可能性(P107~P112)
①住みたくなる居住環境、外出活動や交流活動が生み出す地区全体の『にぎわいの創出』(P107)
・既存商店街の活性化、新たな商業集積のあり方、線から面への商業地形成など、新たな
にぎわい創出に向けた公共投資を契機とした民間投資の呼び込み
・新たな居住者ニーズに適切に対応した子育て支援施設の誘導や、広場や公園などの人々
の交流・憩いの場の充実、外国人向けの各種情報提供などの取組
・当地区内に点在する低未利用地や空き家の活用の促進
・商店街に不足している業種や機能を導入することを見据えて、規制緩和により常設の
オープンカフェを設置するなどして、人々が集まる場を意識的に組み込み、そうした場
で社会実験を実施
②AIPやユニバーサルデザインを導入した『高齢者・障がい者・外国人等への配慮』(P108)
・NPO・商店街・医療施設等と連携した高齢者の見守りのための仕組みや、障がい者、外国
人、子育て世帯等に配慮した、公共施設整備及び大規模な建築物の整備に合わせたバリア
フリー化・ユニバーサルデザイン化の推進
・若者や現役世代からの、「未病」を治していく、心のケアと身体のケアを組み合わせた
「トータル・ヘルスプロモーション」の考え方に基づく取組
③コミュニティ力の向上を意識した『防災・防犯』(P110)
・町会等の単位での防災訓練や、高齢者の見守りなどの充実を行うとともに、日本語では、
まだ十分に理解できず、地震などの災害をあまり体験したことがない外国人居住者等に
対しても、必要となる情報を的確に提供する仕組みづくり
・公共・民間を問わず、ハード整備では、防犯環境設計の積極的な導入や、啓発イベント、
子どもの見守りパトロールなど、防犯意識を高めるソフト事業の実施
④全てのテーマ実現を下支えする『環境負荷の低減』(P112)
・エネルギー消費が多い施設について、エネルギーの確保や融通を行うスマートエネルギー
への取組
・地区全体で必要とする施設やサービス量を確保する「シェア型」の事業展開(例えば、
エリアでは公園・緑地が少ないが、プロムナードでつなげ、地区内外の他の場所で確保し
たものを利用するための環境整備)
(4)留意事項(P114~P115)
①ヒューマンスケールの設定(P114)
人(間)の快適な生活を第一にまちづくりを考えるため、当地区ならではの環境・コミュ
ニティに適した規模を意識していく。具体的には、今後想定される高齢人口の増加や子育て
ファミリー世帯の誘導、地域課題の解決法等の検討を見据え、半径 250m圏を軸にまちづく
りを展開する。※なお、公共施設を含めた各種施設の配置基準を示すものではない。
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②エリア設定(イメージ)(P115)
対象地区の地区特性や課題に対応するまちづくりを進めるにあたり、エリアを設定し
生活者の視点で、きめ細かな対応を推進していく。
エリア設定については、公共公益施設の立地状況や、商店・住宅・工場などの建物用
途の特徴などを勘案して設定する。
「公共公益施設エリア」区役所(地区外)、都税事務所、文化会館、東京都健康長寿医療
センターなど公共公益施設が集積したエリア
「商業(小売商業)エリア」旧川越街道の商店街を中心としたエリア
「住宅エリア」大山東町、大山金井町を中心としたエリア
「住・商(卸・小売)・工エリア」熊野町を中心としたエリア
凡例
公共公益施設エリア
商業(小売商業)エリア
住宅エリア
住・商(卸・小売)・工エリア
住宅エリア
住・商(卸・小売)・工エリア
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6 今後の検討事項(P113~116)
【にぎわいの創出 】(P113)
・新たな商業環境形成に向けた、試行段階からの社会実験・実証実験の実施
・歴史・地域資源を活用したまちづくり(例えば、地区内に点在する史跡・寺社等を含めた
地域資源を活用した散策ルートの整備、多言語サイン等の整備)
・補助第 26号線の整備や鉄道立体化に合わせた駅前広場の整備や新規バス路線の誘致
・緑被率向上に軸足を置いた、計画的な公園・広場・緑地・緑道などの整備や身近な緑であ
る生け垣などの導入促進
・各施設整備に際しての、街並みに配慮した規模や分散配置の検討
【高齢者・障がい者・外国人等への配慮】(P113)
・健康寿命の延伸の取組(板橋区版 AIPの構築)と施設整備に合わせたユニバーサルデザイ
ンの推進
・多言語サインをはじめ商業・公共施設の多言語対応
・高齢者の集まれる空間・店舗等の機能の導入、買い物等の外出支援・健康カフェ等の取組
の推進
・若者世代からの未病対策
【防 災 ・ 防 犯】(P114)
・補助第 26号線の整備と一体となった、燃えにくい建物への建て替え促進
・公共施設整備や個別宅地での取組による浸水対策
・指定避難所・一時滞在施設の機能強化
・公共施設を中心とした防犯環境設計や防犯意識向上の取組の推進
【環境負荷の低減 】(P114)
・公共施設等を拠点とした地区及び周辺におけるエネルギーの面的利用
・不足又は一層充実すべきサービス等を確保する場合の「シェア型」の社会実験
【UDC方式の導入】(P116)
高島平地域では、高島平地域グランドデザイン(平成 27年 10月策定)で掲げた未来志
向の都市デザインを実現するために、まちづくりの推進機能を担う「受け皿」として、
平成 28年 11月 6日に「民・学・公」連携の組織として、都内初となる「アーバンデザイ
ンセンター高島平(UDCTak)※」が設立された。
当地区でも UDC方式導入の可能性を検討していく。