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現場視点で高度情報化医療の明日を伝える No. 〒101- 8421 東京都千代田区神田猿楽町1-5- 15 猿楽町SSビル TEL 03-3233-6351 禁無断複写 2 NDB と介護 DB の連結解析へ 有識者会議を設置、秋にも報告書 厚労省 3 対面不要な 一気通貫の在宅医療は実現するか 規制改革会議、オンライン服薬指導で厚労省と交渉へ 8 デジタルヘルス領域の可能性に手応え メディパルHD・渡辺取締役  提携軸に事業具体化へ 行政・政策 4 「HPKIのさらなる活用を」  自民・サイバーセキュリティ本部が提言 4 次世代医療基盤法の基本方針、与党が了承   4 月 27 日に閣議決定へ 4 オンライン診療での保険証確認、「画面越しに」  保険局、自民・勉強会で 5 「日本海ヘルスケアネット」の現状をヒアリング  大沼政務官 5 医療等分野の識別子の在り方で論点など確認  厚労省 WG 6 データヘルス時代の母子保健情報活用で検討会  厚労省、4 月 25 日に初会合 6 難病・小慢のDB、提供先は原則「厚労省や関係研究機関」  厚労省 7 未コード化傷病名への対応を  規制改革会議医療・介護WG 企業・施設 9 ネットで「セカンドオピニオン」を提供  リーズンホワイ 9 岩手の一関市が母子手帳アプリを導入 9 オンライン予防医療サービス事業者と資本提携  ココカラファイン 10 「郵送メイン」の調剤薬局を出店、送料も負担  都内の事業者が 5月2日に、待ち時間短縮や利便性強化へ 10 音声在庫確認サービス、「置き場所」も可能に 11 AZ、医薬専門 AI 翻訳システムで共同研究  情報通信研究機構と 11 帝人、「睡眠力向上プログラム」提供開始  企業向けサービスを展開 イベント・セミナー 12 HC 分野のビッグデータ活用でセミナー  新社会システム研 2018.5.10 061

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現場視点で高度情報化医療の明日を伝える

No.

〒101-8421 東京都千代田区神田猿楽町1-5-15 猿楽町SSビル TEL 03-3233-6351 禁無断複写

2 NDBと介護DBの連結解析へ有識者会議を設置、秋にも報告書厚労省

3 対面不要な「一気通貫」の在宅医療は実現するか規制改革会議、オンライン服薬指導で厚労省と交渉へ

8 デジタルヘルス領域の可能性に手応えメディパルHD・渡辺取締役  提携軸に事業具体化へ

行政・政策

4 「HPKIのさらなる活用を」  自民・サイバーセキュリティ本部が提言

4 次世代医療基盤法の基本方針、与党が了承  4月27日に閣議決定へ

4 オンライン診療での保険証確認、「画面越しに」  保険局、自民・勉強会で

5 「日本海ヘルスケアネット」の現状をヒアリング  大沼政務官

5 医療等分野の識別子の在り方で論点など確認  厚労省WG

6 データヘルス時代の母子保健情報活用で検討会  厚労省、4月25日に初会合

6 難病・小慢のDB、提供先は原則「厚労省や関係研究機関」  厚労省

7 未コード化傷病名への対応を  規制改革会議医療・介護WG

企業・施設

9 ネットで「セカンドオピニオン」を提供  リーズンホワイ

9 岩手の一関市が母子手帳アプリを導入

9 オンライン予防医療サービス事業者と資本提携  ココカラファイン

10 「郵送メイン」の調剤薬局を出店、送料も負担  都内の事業者が5月2日に、待ち時間短縮や利便性強化へ

10 音声在庫確認サービス、「置き場所」も可能に

11 AZ、医薬専門AI翻訳システムで共同研究  情報通信研究機構と

11 帝人、「睡眠力向上プログラム」提供開始  企業向けサービスを展開

イベント・セミナー

12 HC分野のビッグデータ活用でセミナー  新社会システム研

2018.5.10061

有識者会議における検討・NDB及び介護DB情報等の連結解析基盤に関して、

法的・技術的な論点について整理するため、 有識者会議を設けて検討。 ※NDB、介護DBの双方に精通した有識者等により構成。

・同有識者会議の検討状況は、社会保障審議会医療保険部会 に報告。制度面等の観点から議論。

<有識者会議における主な検討事項(案)>(1)個人情報保護法制等との関係(2)データの収集・利用目的、対象範囲(3)第三者提供 (4)費用負担 (5)実施体制(6)技術面の課題(セキュリティの確保等を含む。)(7)その他

検討スケジュール・4月19日 医療保険部会開催

・5月 第1回有識者会議開催月1回程度開催。有識者会議の議論においては、医療保険及び介護保険における請求事務等に係るデータを、二次利用の目的で悉皆的に収集するという類似性を有するNDB及び介護DBの連結について先行して検討。

・7月 中間とりまとめ ⇒ 医療保険部会に報告、議論月1回程度開催。他の公的DBとの関係の整理その他の検討が必要な事項を中心に検討。

・秋頃 報告書とりまとめ ⇒ 医療保険部会に報告、議論

構成員遠藤 久夫 国立社会保障・人口問題研究所所長田中 弘訓 高知市健康福祉部副部長樋口 範雄 武蔵野大学法学部特任教授松田 晋哉 産業医科大学医学部公衆衛生学教授

松山 裕 東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻生物統計学分野教授

武藤 香織東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター公共政策研究分野教授

棟重 卓三 健康保険組合連合会理事

山本 隆一 一般財団法人医療情報システム開発センター理事長

※現在、日本医師会に参画を要請中。 諸手続が完了次第、正式決定。

検討の進め方 (イメージ)

社会保障審議会医療保険部会資料より作成

 厚生労働省は「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)」と「介護保険総合データベース(介護DB)」の連結解析を目的に、社会保障審議会・医療保険部会の下に有識者会議を設置する。7月にも中間取りまとめを実施し、秋ごろには報告書を同部会に報告する。4月19日に開かれた医療保険部会で明らかにした。

 有識者会議では、個人情報保護法制などとの関係やデータの収集・利用目的、対象範囲、第三者提供、技術面の課題などを検討する。医療保険部会の遠藤久夫部会長(国立社会保障・人口問題研究所長)や山本隆一氏(医療情報システム開発センター理事長)らが構成員となるほ

か、日本医師会からも参画する予定。 部会では、菊池令子委員(日本看護協会副会長)が、電子化を進めている訪問看護のレセプトは医療と介護をつなぐ重要なデータだと強調し、電子化が完了した後にはNDBにデータを格納するよう求めた。

2018 年 4月19日 【MEDIFAX】

NDBと介護DBの連結解析へ有識者会議を設置、秋にも報告書厚労省

2医療 ICT NEWS FILE

<<< 行政・政策

2018.5.10

 高齢化の進展で在宅医療ニーズが高まる中、厚労省は2018年度診療報酬改定でオンライン診療の点数を新設した。3月にはオンライン診療を適切に普及させるための指針もまとめるなど、通院が困難な患者が在宅で診察を受けられる環境が整いつつある。 一方、院外処方された薬については医薬品医療機器法(薬機法)により、薬剤師が対面で服薬指導した上で販売することが義務付けられている。規制改革推進会議側には、オンライン診療を認める一方で、服薬指導だけ対面原則が維持されたままでは、「一気通貫」の在宅医療が実現できないという問題意識がある。 3月下旬に規制改革推進会議が「オンライン医療」をテーマに開いた公開討論では、オンライン服薬指導に議論が集中した。 東日本大震災による原発事故被災地で、遠隔診療を活用した在宅医療に取り組んでいる福島県の南相馬市立小高病院の藤井宏二管理者は、「一番大きな問題点は遠隔診療で処方箋を出せても薬を薬局に取りに行かないといけないこと。遠隔医療とは名ばかりで制度としては成立していない」とオンライン服薬指導の実現を訴えた。

厚労省「特区での実証踏まえて検討」

 一方、厚労省の森和彦大臣官房審議官(医薬担当)は「対面だけで全て賄うというのが現実困難な状況があちらこちらで見えてきている中で、オンラインを対面と組み合わせていくという考え方が出てきて

いる。それをどのような形で適切に行うのかということが求められている」とオンライン服薬指導の必要性に理解を示しつつも、まずは特例として遠隔服薬指導が認められている国家戦略特区での実証実験の結果を踏まえて検討する考えを示した。 これに対し、規制改革推進会議は4月20日にまとめた意見書で「福島県南相馬市のような地域や、(通院が困難な)オンライン診療や訪問診療の対象患者のように、必要性に迫られた地域や患者については、オンライン服薬指導と訪問服薬指導との組み合わせが可能になるよう、早急に制度を見直すべき」と主張。特区での実証実験がこれまで行われていないことも踏まえ、特区にとどまらず、薬局に行くのが困難な地域や患者については早急にオンラインによる服薬指導を認めるよう迫った。

規制改革会議「特区を越えて現実が進んできた」

 意見書の取りまとめ後に記者会見した同会議の森下竜一委員(大阪大大学院教授)は「ICTが急速に進むことによって、特区を乗り越えて現実が進んできた。(オンライン)診療が解禁されているのにそこ(服薬指導)だけ対面が残るということになると、まさに一気通貫を阻害する」と指摘。「何のためにオンライン診療をしているのか分からないということになるので、やはりイコールフッティングをすべきだ」と特区以外でもオンライン服薬指導を認めるよう求めた。

対面不要な「一気通貫」の在宅医療は実現するか規制改革会議、オンライン服薬指導で厚労省と交渉へ

 政府の規制改革推進会議が、診察から服薬指導、薬の受け渡しまで医療サービスを全て在宅で受けられるようにするため、オンライン服薬指導を実現するよう求める意見書をまとめた。規制改革推進会議は5月にもまとめる答申に盛り込むことを目指し、今後、厚生労働省と具体的な交渉に入る方針だ。

2018 年 4月25日 【PHARMACY NEWSBREAK】

<<< 行政・政策

3医療 ICT NEWS FILE 2018.5.10

 オンライン服薬指導の実現のためには薬機法の改正も含め、乗り越えるべきハードルがあるのも事実。しかし、高齢化の進展で薬局に行くこと自体が困難な患者は急速に増えており、遠隔地であることが前提の特区以外でもオンライン服薬指導を可能にする

何らかの手だてを早急に検討する必要がある。内閣府の規制改革推進室は「(答申に盛り込むことを目指して)これから(厚労省と)具体的な交渉に入る」と話しており、今後の協議の行方に注目が集まる。� (山田�宏)

 自民党のサイバーセキュリティ対策本部(高市早苗本部長)は4月26日までに、第1次提言を取りまとめ、安倍晋三首相に提出した。医療や金融、鉄道など、分野ごとの最近の不正アクセス事案などを振り返った上で、対策の現状と今後の課題を整理している。医療分野では、HPKI(保健医療福祉分野の電子証明書)について「一層活用するべき」と提言している。

 このほか、「マイナンバーカードの公的個人認証機能を活用することで、健康保険証などのセキュリティーレベルをより向上させる方策を検討すべき」としている。また、診療報酬支払基金の国民生活や経済活動への影響力の大きさを強調し、サイバー攻撃からの技術的な防護体制を強化するよう求めている。

「HPKIのさらなる活用を」自民・サイバーセキュリティ本部が提言� �2018 年 4月26日 【MEDIFAX】

 5月施行の次世代医療基盤法(医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律)に基づき、政府がまとめた基本方針案について、自民党と公明党は4月24日までの事前審査で内容を了承した。政府は4月27日に基本方針を閣議決定する見通し。法の理念などについて医療職が患者に事前通知を行うことを明記する方向だ。 同法が施行されると、医療機関は認定匿名加工医療情報作成事業者に対して患者の医療情報を任意で提供できる。ただし、患者本人に法の趣旨などを事

前に通知する必要がある。自民党の厚生労働部会(橋本岳部会長)と内閣第2部会(石原宏高部会長)の合同会議では、この事前通知を確実に担保するよう一部議員が求めたため、石原氏に対応が一任されていた。 自民党総務会(竹下亘会長)は4月24日、基本方針案を了承。総務会に出席した石原氏は取材に対し、「患者に対して医療職が事前通知をしっかりやることを(方針に)書き込むということで、(出席議員から)ご理解が得られた」と説明した。

次世代医療基盤法の基本方針、与党が了承4月27日に閣議決定へ� �2018 年 4月24日 【MEDIFAX】

 厚生労働省保険局は4月24日の自民党「医療分野における情報管理の強化に向けた勉強会」(司会=自見英子参院議員)で、オンライン診療における患者の被保険者資格の確認方法について、被保険者証を画面越しに確認することを検討していると説明し

た。同勉強会に出席していた東京都医師会の目々澤肇理事の質問に答えた。 目々澤氏は質疑応答で、オンライン診療において「保険証の確認方法が明確に規定されていないのではないか」と指摘した。これについて保険局は「(患者

オンライン診療での保険証確認、「画面越しに」保険局、自民・勉強会で� �2018 年 4月24日 【MEDIFAX】

<<< 行政・政策

4医療 ICT NEWS FILE 2018.5.10

 厚生労働省の大沼瑞穂政務官は4月22日、山形県酒田市の日本海総合病院を視察し、同病院も参加している地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」(4月1日付で山形県が認定)の現状などについて関係者にヒアリングした。 日本海ヘルスケアネットには9法人が参加しており、医療機関や老健施設などのほか、酒田地区の医師会、歯科医師会、薬剤師会も加わっているのが特徴だ。地域に必要な診療機能・病床規模の適正化や、将来の医療需要に対応できる業務連携などを目指している。 視察に訪れた大沼政務官に対し、山形県・酒田市

病院機構の栗谷義樹理事長は、地域医療連携推進法人を立ち上げるに至った経緯などを説明。法人設立の狙いとして▽地域の医療・介護事業の経営を持続可能にすること▽各法人の意思決定と情報処理分析を一元化して価値を共有すること―を挙げた。 また、酒田市議会の自民党系会派は4月23日、法人による医療連携や地域包括ケア促進が順調に進むよう、国に制度的な支援を求める要望書を大沼政務官に提出した。 視察を終えた大沼政務官は「地域の医療関係者らが連携を図っている好事例だと考えている。こうした好事例の横展開を図っていきたい」と話している。

に)保険証を画面上にかざしてもらい、提示してもらう、という運用を想定している」と説明。その上で、今後具体的な確認方法については「必要に応じて明確にしたい」と述べた。保険局は本紙の取材に対し、オンライン診療は対面が原則であることを強調した上で、月をまたいだ場合などに、患者側に画面越しに被保険者証の提示を求める想定だと説明した。 このほか、古川俊治参院議員は法律家としての見地から、医師法第20条で「医師は、自ら診察しないで治療をしてはならない」との定めがあることを指摘。現状の法整備ではオンライン診療に対応できて

いないとして、「法律を作り直す必要がある」と強調した。

医療界のセプターカウンシル加入、「大きな成果」

 司会の自見議員は、国の各重要インフラの関係者が情報共有する会議体「セプターカウンシル」に医療界も加入することになったことを「大きな成果」として、月1回のペースで開催していた同勉強会をいったん終了し、必要に応じ再開する方針を示した。

「日本海ヘルスケアネット」の現状をヒアリング大沼政務官� �2018 年 4月23日 【MEDIFAX】

 厚生労働省の医療等分野情報連携基盤検討会の医療等分野情報連携基盤技術ワーキンググループ(WG)(座長=山本隆一・医療情報システム開発センター理事長)は4月19日、非公開の初会合を開催した。同WGは情報連携基盤の技術的な検討を行う会議で、初会合では医療等分野の識別子の在り方について論点を確認。目視できる「見える番号」の被保険者番号を用いるか、電磁的な符号である「見えない番号」とするかでは多様な意見が出たとみられ、今

後も検討課題とする方向だ。 既存の地域医療連携ネットワーク(NW)では、保健医療情報の連結や共有に、患者の氏名や性別、生年月日、住所などを用いるか、もしくは各NWで独自の識別子を発行している。ただ、氏名や性別などは漏えい時に悪用されるリスクが高いことに加え、大量のデータ連結が難しく、姓が変わった場合に同一人物の特定が正確にできないなどの課題がある。独自の識別子を用いている場合は、異なるNW間の

医療等分野の識別子の在り方で論点など確認厚労省WG� �2018 年 4月20日 【MEDIFAX】

<<< 行政・政策

5医療 ICT NEWS FILE 2018.5.10

データ連結が困難となる。このため、正確で効率的な保健医療情報の収集・連結には何らかの識別子が必要との見解でこれまでに一致している。WGではこうした現状を確認した上で、識別子の具体的な在り方を検討した。 配布資料によると、事務局の政策統括官付情報化担当参事官室は、医療情報に氏名や住所などの個人情報が含まれる場合が多く、個人特定のリスクの大小と、番号が見えるかどうかは別問題であると指摘。

「見えない番号」のために新たな識別子を用いる場合、システム開発などが高額になる懸念があることから、「識別子として(新たに個人ごとに付番される)被保険者番号を用いることが望ましいのではないか」との考え方を示した。 一方で、セキュリティー上の懸念から「見えない番号」による運用を求める意見も出たとみられる。具体的な意見交換は次回以降に行う予定だ。

 厚生労働省は4月25日、「データヘルス時代の母子保健情報の利活用に関する検討会」の初会合を東京都内で開く。乳幼児健診などの情報について最低限、電子的に管理するべき情報に関する様式の標準化などを検討するという。日本医師会の温泉川梅代

常任理事ほか18人が委員として意見を交わす予定。 事務局は子ども家庭局母子保健課が務める。同日は、厚労省がこれまでの取り組み状況などを報告する予定。

データヘルス時代の母子保健情報活用で検討会厚労省、4月25日に初会合� �2018 年 4月19日 【MEDIFAX】

 厚生労働省は4月18日の厚生科学審議会・難病対策委員会と社会保障審議会・小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の合同会議で、指定難病と小児慢性特定疾病の2つのデータベース(DB)の当面の利活用の在り方について、議論の取りまとめ案を示した。事務局案では、情報の提供先は「原則として、厚労省または厚労省が補助を行う研究事業を実施する研究機関に限定すべき」とした。全体的な方向性に大きな反対はなかった。両DBの運用は早ければ2018年度後半にも開始したいとしている。 情報の利用目的は、原則として研究や学術目的に限定すべきだとした。また、厚労省の関係する研究機関以外の者が実施する研究への情報提供については、目的が難病の研究推進に寄与すると考えられる場合、個々の申請ごとに審査会で検討を行い情報提供の可否を決める。審査会では、情報の提供先や提供範囲、目的や公表方法などを総合的に審査することになる見込みだ。

 今後は、事務局が今回の議論を踏まえて最終的な取りまとめ案を作成し、次回会議に諮る予定。了承されれば、審査会の審査基準や運営方法などについて議論する検討会を新たに設置する方向で、事務局の健康局難病対策課は「夏までに審査に関するガイドラインまたはマニュアルに当たるものをまとめたい」としている。

難病・小慢のDB、提供先は原則「厚労省や関係研究機関」厚労省� �2018 年 4月18日 【MEDIFAX】

DBの在り方の取りまとめ案を議論した合同会議

<<< 行政・政策

6医療 ICT NEWS FILE 2018.5.10

 規制改革推進会議の医療・介護ワーキンググループは4月17日、厚生労働省と社会保険診療報酬支払基金から基金改革の取り組み状況をヒアリングした。厚労省はコンピューターチェックに適したレセプト様式の見直しについて、未コード化傷病名の減少に向けた2018年度診療報酬改定での対応を報告した。委員からは未コード化傷病名の解消をさらに推進するよう求める意見が出た。 DPC病院の機能評価係数Ⅱで診療実績データに未コード化傷病名が一定割合以上ある場合は減点されるが、18年度改定ではその基準を20%以上から2%以上に引き下げた。このほか、厚労省はレセプトの摘要欄を選択方式にしたと報告。医科は82項

目、歯科は38項目、調剤は4項目で選択式とした。併せて、療養病棟入院基本料などでの医療区分・ADL区分に関する評価票などの添付を廃止したことも説明した。 基金は、検証を踏まえて4月から高額医薬品等注意付せんを廃止したことや、審査委員の運用上の取り扱い(自らが関連する医療機関等は担当しないなど)を内規上で明文化したと報告した。 3月の公開ディスカッションでオンラインでの服薬指導などが課題となった「一気通貫の在宅医療の実現」についても議論したが、近く本会議で意見を公表することとした。

未コード化傷病名への対応を規制改革会議医療・介護WG� �2018 年 4月17日 【MEDIFAX】

http://www.jiho.co.jp/ 〒101-8421 東京都千代田区神田猿楽町 1-5-15 猿楽町 SS ビル 〒541-0044 大阪市中央区伏見町 2-1-1 三井住友銀行高麗橋ビル

TEL:03-3233-6333 FAX:0120-657-769TEL:06-6231-7061 FAX:0120-189-015

<<< 行政・政策

7医療 ICT NEWS FILE 2018.5.10

デジタルヘルス領域の可能性に手応えメディパルHD・渡辺取締役  提携軸に事業具体化へ

 メディパルホールディングス(HD)の渡辺紳二郎取締役システム担当(アトル社長)は4月17日、じほうの取材に応じ、IT企業との資本業務提携によるデジタルヘルス領域への取り組みについて語った。渡辺氏は「提携企業が運営するプラットフォームは1200万人のスマホユーザーの情報が集約される。この基盤によりエンドユーザーにリーチできることに非常に広い可能性を感じている」と述べ、IT企業との提携による事業具体化に意欲を示した。

 ただ、「デジタルヘルスはAR(MR資格を持 つMS)プ ロ モ ーションやPFM(プロジェクト・ファイナンス&マーケティング)などの新規事業のもう一歩先の位置付け」と語り、収益事業化を急ぐ考えはないことも付け加えた。

 メディパルHDは、2年前に医療IT分野の強化策としてコンテンツ配信事業のエムティーアイと資本業務提携し、今年3月には診療所向けクラウド電子カルテ事業を提供するクリニカル・プラットフォームを加えた3社による新たな資本提携を発表した。 渡辺氏は「2年前は(医療のIT化について)何がど

う進むか分からなかったが、女性向け健康サイトや電子母子手帳などを展開するエムティーアイとの提携によって幅広い可能性の中で何をやるかが明確になってきた」との認識を示し、当面はエムティーアイが提供するコンテンツの普及などプラットフォームビジネスのサポートに取り組む方針だ。また、クリニカル・プラットフォームが提供するクラウド電子カルテの普及促進については、「今上期中に具体的な業務提携に関する体制をつくっていきたい」との見通しを示した。 渡辺氏は医療ビッグデータ利活用への対応にも言及し、「データにどんな付加価値を付けられるかが大事だ。これまでとは違う次元から新しいヘルスケアが始まろうとしている。既存のデータの活用より、独自のプラットフォームから得られるデータの価値を重視していく」との姿勢を示した。

2018 年 4月18日 【日刊薬業】 薬局・医薬品

取材に応じる渡辺取締役

8医療 ICT NEWS FILE 2018.5.10

<<< 企業・施設

 ココカラファインは4月27日、オンライン診療を活用して生活習慣病重症化予防サービスなどを展開するメドケア(東京都)と資本提携をしたと発表した。提携により同サービスに関わる医師や薬剤師、管理栄養士との連携を進めていく考え。 同社はメドケアによる第三者割当増資を引き受け、同日付でメドケアの株式を取得した。出資額は

非公表。 メドケアが運営する生活習慣病重症化予防サービス「MEDICALLY」は、生活習慣病患者が対象。スマートフォンやウエアラブルセンサーを通じ、離れた場所から診療や栄養指導、体重、血圧の管理などを行う。処方薬も配送する。

岩手の一関市が母子手帳アプリを導入� 2018 年 4月19日 【MEDIFAX】医療・介護

 母子手帳アプリを提供するエムティーアイは4月18日、岩手県一関市が同社の母子手帳アプリを導入し4月13日から提供を開始したと発表した。今回採用された母子手帳アプリはスマートフォン・タブレット端末・PCに対応したサービスで、妊産婦と子供の健康データの記録・管理や予防接種のスケジュール管理、出産・育児に関するアドバイスの提

供などの機能を持つ。同社によると、この母子手帳アプリは2014年からサービスを開始、現在全国82自治体に導入されており、資本提携しているメディパルホールディングスが販売協力している。一関市は、今回のアプリ導入に関して同社に支払う委託料は18年度65万円としている。

ネットで「セカンドオピニオン」を提供リーズンホワイ� 2018 年 4月23日 【MEDIFAX】医療・介護

 患者と専門医をITでつなぐサービスなどを展開する「リーズンホワイ」は4月23日、患者向けに、ネット型の有料セカンドオピニオンサービス「Findme」(ファインドミー)の提供を4月25日から開始すると発表した。専門分野で貢献したい医師が、患者にセカンドオピニオンの提供を申し出る仕組み。 患者が主治医から受けた診断結果や関連データなどをアップロードすると、事前に登録した医師からセカンドオピニオンを提供する申し出が届き、患者はリポートを書いてもらいたい医師を選んで申し込む。同社は、ネットサービスのため地域性を気にせ

ずセカンドオピニオンを利用できるとしている。最初は乳がんや子宮がんなど婦人科系のがんが対象。情報の質に関しては、参加医師に「医師歴10年以上」や「DPC病院に勤務している」などの条件を設けることで担保を図るとしている。

オンライン予防医療サービス事業者と資本提携ココカラファイン� 2018 年 4月27日 【PHARMACY NEWSBREAK】薬局・医薬品

事業説明を行う代表取締役の塩飽哲生氏

9医療 ICT NEWS FILE 2018.5.10

<<< 企業・施設

 調剤薬局を展開するしろが(東京都葛飾区)は4月27日、調剤薬の郵送を前面に打ち出した調剤薬局を5月2日、都内に出店すると発表した。処方箋を出し、説明を受けた患者は翌日、宅配で薬を受け取ることができる。従来の窓口での手渡しではなく、郵送をメインに据えることで患者の待ち時間の緩和や利便性の強化、業務の効率化につなげたい考えだ。 薬局の名称は「ゆうゆう調剤薬局」。葛飾区青戸の東京慈恵会医科大葛飾医療センター前に開設する。同社として初の薬局で、患者が郵送を希望した場合、ほかの患者がいなければ薬局での待ち時間は1~5分程度で済むという。麻薬や温度管理が難しい要冷蔵品などは郵送の対象外とする。送料は薬局側が負担する。

「グレーゾーン解消制度」踏まえ

 今回の出店は、昨年9月に経済産業省から開示され、投薬前の服薬指導も認めた「グレーゾーン解消制度」の活用結果を踏まえたもの。未来の薬局(新宿区)が都内で展開する「おくすりカウンター」も、待ち時間の短さを売りにしており、郵送も受け付けて

いる。 「ゆうゆう調剤薬局」の店舗面積は60坪弱。店内には6人分の待ち合い席も用意する。備蓄薬は約1000品目で、薬剤師1人で運営する。定休日は月曜・日曜・祝日で、営業時間は午前9時から午後6時まで。志賀和人社長は「(郵送の割合を)最終的には6割以上にしたい」と話し、規制緩和が取り沙汰されている遠隔服薬指導にも関心を示している。 同社は2018年2月に設立した企業で、資本金は500万円。調剤薬局運営のほか、低コスト薬局コンサルティングも行う。

 ファーマクラウド(東京都)は4月27日までに、「Googleアシスタント」の専用スピーカーを通じ、ほかの薬局の医薬品の不動在庫などを音声で確認することができるサービス「ファーマシストオンライン」に、自店の医薬品在庫の位置(棚番)を問い合わ

せることができる棚番表機能を追加したと発表した。例えば「×××の○ミリグラムって、どこにある?」と問い掛けると、「薬品棚Aです」「スチールラックです」などと回答する。�

「郵送メイン」の調剤薬局を出店、送料も負担都内の事業者が5月2日に、待ち時間短縮や利便性強化へ�2018 年 4月27日 【PHARMACY NEWSBREAK】薬局・医薬品

音声在庫確認サービス、「置き場所」も可能に� 2018 年 4月27日 【PHARMACY NEWSBREAK】薬局・医薬品

5月2日に開局するゆうゆう調剤薬局(東京都葛飾区)

10医療 ICT NEWS FILE 2018.5.10

<<< 企業・施設

 アストラゼネカ(AZ)と情報通信研究機構(NICT)は4月17日、医薬業界に特化したAI(人工知能)を用いた自動翻訳システムについて、共同研究に関する実施契約を締結したと発表した。AZはNICTに対し、自社の対訳データを提供し、翻訳システムの実

用化に向けた検証を共同で行うとともに、カスタマイズされた翻訳システムの使用権利を取得する。 国際共同治験などが主流となる中、医薬品開発に対応できるAI翻訳エンジンを開発することで医薬品開発の迅速化を図る。

 帝人は4月17日、企業向けのサービスとして「Sleep�Styles�睡眠力向上プログラム」の提供を開始した。これまで同社が取り組んできた睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療装置のレンタル事業や睡眠関連メディアの展開、ウェアラブルデバイスの販売などで得たノウハウやツールを活用し、企業が取り組む「健康経営」の支援につなげる。2020年度中に累計500社以上へのプログラム提供を目指す。 睡眠力向上プログラムでは、事前のアンケートなどで睡眠傾向を分類。寝付きを支援するウェアラブルセンサーとアプリからなる「ツーブリーズ」や睡

眠コーチングアプリ、オンライン学習などを通じて睡眠力向上を図る。また、睡眠力向上に無呼吸リスクなどが考えられる場合には産業医との協力でSASの検査を行うオプションも提供する。 同社は、ウェアラブルデバイスやソフトウェアが健康増進分野だけでなく診断治療の領域で活用されてきていることから「在宅医療やデジタルヘルスを事業展開しているノウハウ、知見を生かして、未病や予防の領域でもデジタルヘルスのサービス領域を増やしていきたい」としている。

AZ、医薬専門AI翻訳システムで共同研究情報通信研究機構と� 2018 年 4月17日 【日刊薬業】薬局・医薬品

帝人、「睡眠力向上プログラム」提供開始企業向けサービスを展開� 2018 年 4月17日 【日刊薬業】薬局・医薬品

11医療 ICT NEWS FILE 2018.5.10

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 新社会システム総合研究所は、「ヘルスケア分野のビッグデータ活用の最前線と法律問題~データヘルス改革とプラットフォームの構築・利用上の課題~」をテーマにしたセミナーを6月14日(木)の午後1時~5時、東京都港区西新橋の同社セミナールームで開催する。 講師は、社会保険診療報酬支払基金理事長特任補

佐の吉井弘和氏と、西村あさひ法律事務所弁護士・ニューヨーク州弁護士の福岡真之介氏。内容は「世界におけるヘルスケア・ビッグデータ活用の最前線」、「日本の文脈におけるヘルスケア・ビッグデータ活用の展望」など。問い合わせ先は、新社会システム総合研究所(Tel:03-5532-8850、Fax:03-5532-8851)。

HC分野のビッグデータ活用でセミナー新社会システム研� ��2018 年 4月27日 【MEDIFAX】

http://www.jiho.co.jp/ 〒101-8421 東京都千代田区神田猿楽町 1-5-15 猿楽町 SS ビル 〒541-0044 大阪市中央区伏見町 2-1-1 三井住友銀行高麗橋ビル

TEL:03-3233-6333 FAX:0120-657-769TEL:06-6231-7061 FAX:0120-189-015

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