iijmio meeting 15 mvnoのなぜなにと総務省

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MVNOのなぜなにと総務省 総務省総合通信基盤局 電気通信事業部料金サービス課

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MVNOのなぜなにと総務省

2 0 1 7 年 4 月 1 5 日総 務 省 総 合 通 信 基 盤 局電気通信事業部料金サービス課

MVNOの成長

MVNO契約数は携帯電話の1割弱に。 利用者アンケートでは、MVNOの利用率は約16%に。

604 678

762 807

795 845 898

958 1,006 1,073

1,163 1,269

1,346 1,427

1,485

0

300

600

900

1200

1500

14.6末 14.9末 14.12末 15.3末 15.6末 15.9末 15.12末 16.3末 16.6末 16.9末 16.12末SIMカード型契約数 MVNO契約数

(万件)

シェア約

%8.9

※SIMカード型:MNOとは異なる独自の料金プランのデータ・音声サービスをSIMカードを使用して提供する形態

出典:総務省資料

【MVNOサービスの契約数の推移】

出典:総務省調べ

※UQコミュニケーションズ(UQモバイル含む)は、MNOに計上。

【MVNOサービスの利用率の推移】

1

大手携帯電話事業者とMVNOのスマートフォンの料金比較(例)

基本料(10分以内国内通話の

かけ放題含む)

S(1GB):2,980円M(3GB):3,980円L(7GB):5,980円

大手携帯電話事業者

5,500円/月~

1,600円/月~+通話料

MVNO(データ+通話プラン)

(税抜。平成29年2月28日時点)

通話料(従量)20円/30秒

データ通信・通話プラン料

3GB :1,600円6GB :2,220円

10GB :3,260円

1,310円/月~+通話料

通話料(従量)20円/30秒

データ通信・通話プラン料

500MB:1,310円3GB:1,510円

10GB:3,130円 等

NTTドコモ インターネットイニシアティブ

ケイ・オプティコム

データ通信料

1GB:2,900円5GB:5,000円20GB:6,000円30GB:8,000円

ネット接続料300円

基本料(5分以内国内通話の

かけ放題含む)

1,700円

4,900円/月

KDDI、ソフトバンク ソフトバンク(ワイモバイル)

平成28年4月~(1GB)平成28年9月~(20GB,30GB)

平成28年9月~

2,980円/月~

契約当初2年間の1,000円割引を3年目以降の利用者にも拡大

データ通信料

2GB:3,500円5GB:5,000円20GB:6,000円30GB:8,000円

ネット接続料300円

基本料(5分以内国内通話の

かけ放題含む)

1,700円

平成28年9月~(20GB,30GB)平成29年1月~(2GB)

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MVNOに関する様々な疑問

① MVNOの料金は、なぜ安いの?

② MVNOの通信品質、大手携帯電話事業者と同じなの?

③ MVNOは、なぜドコモ系ばかりなの?

④ ドコモの端末はMVNOでそのまま使えるのに、その他の大手携帯電話事業者の端末は使えないのはなぜ?

総務省の果たしている役割も踏まえつつ解説します。3

KDDI グループ(携帯電話等シェア29.2%※ )

NTTドコモ(市場支配的事業者)(携帯電話等シェア44.1% ※)

ソフトバンク グループ(携帯電話等シェア26.7%※)

Wireless City Planning

UQコミュニケーションズ

MVNO(600社以上)

4

Q1.MVNOの料金は、なぜ安いの?

大手携帯電話事業者(MNO)は3グループのため、競争が働きにくい。 MVNOは、600者以上が参入し、お互いの活発な競争を通じて、料金が低廉化するとともに、サービスが多様化。

※ 各グループの携帯電話等シェアはグループ内取引調整後の数値(2016年12月末時点)。

ネットワークの貸出し

5

Q1.MVNOの料金は、なぜ安いの?(続き①)

そもそもMVNOは、大手携帯電話事業者(MNO)のネットワークを利用してサービスを提供。

しかし、MNOは、本来は商売敵のMVNOを、なぜ参入させるのか?

※ 各グループの携帯電話等シェアはグループ内取引調整後の数値(2016年12月末時点)。

KDDI グループ(携帯電話等シェア29.2%※ )

NTTドコモ(市場支配的事業者)(携帯電話等シェア44.1% ※)

ソフトバンク グループ(携帯電話等シェア26.7%※)

Wireless City Planning

UQコミュニケーションズ

MVNO(600社以上)

6

Q1.MVNOの料金は、なぜ安いの?(続き②)

電気通信事業法では、① MNOを含む電気通信事業者に、ネットワークを利用させる義務

(第32条)② シェアの大きいMNOには、

・データ接続など一定のネットワーク機能を提供し、・ネットワークの利用料金について、

原価+利潤を回収できる水準以下とする義務(第34条)

MVNOがMNOのネットワークを借り易くすることで、MVNOの参入を促進。

7

Q2.MVNOの通信の品質は、大手携帯電話事業者と同じなの?

音声通話(080/090)は、MNOの設備をそのまま使っているので同じ(050の場合はインターネット電話、 00XYの場合は他の通信事業者経由なので、異なる)。

データ通信は、MNOのネットワークの出口をどれだけ借りているかによって異なる。

MNOユーザ

MVNOユーザ インターネット

等無線基地局

ゲートウェイ装置

MNOのデータネットワーク

MVNOの設備

インターネット等

パケット交換機

パケット交換機

パケット交換機

ゲートウェイ装置

MNOの音声ネットワーク(080/090の場合)MNO

ユーザ

MVNOユーザ

音声交換機

他の通信事業者の音声ネットワーク

音声交換機

この部分の容量が事業者ごとに異なる

音声交換機

音声交換機

8

電気通信事業法では、① MNOがMVNOなどへのネットワークの提供に際して、自らの利用者に比べて不利な条件とした場合には、約款変更命令の対象(第34条)

② 不当な差別的な取り扱いは、業務改善命令の対象(第29条)

MNOがMVNOを不利に扱うことを防止し、対等に競争できる環境に。

Q2.MVNOの通信の品質は、大手携帯電話事業者と同じなの?(続き)

なお、MNOの実際の通信速度については、総務省のガイドラインで計測方法を統一。

MVNOについては、今後、どのように計測すべきかなどを検討予定。

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Q3.MVNOはなぜドコモ系が多いの?

ネットワークの利用料(接続料)は、NTTドコモが最も安いため、MVNOがドコモを選ぶ傾向。

また、NTTドコモが、最も早くから現在のような形でのネットワークを提供しており、実績がある。 この他、MNO3グループで、採用している通信方式が一部異なり、対応端末にも違いがある。

データ接続料の推移(レイヤ2接続、10Mbps当たり・月額)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

2013 2014 2015

NTTドコモ KDDI ソフトバンク

(単位:万円) MNOの通信方式

W-CDMA W-CDMA

LTE

CDMA2000

LTEWiMAX2+

LTEAXGP

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電気通信事業法では、シェアの大きいMNOには、ネットワークの利用料金について、

原価+利潤を回収できる水準以下とする義務(第34条)

MNOにより、原価と利潤がそもそも異なるため、ネットワークの利用料金もそれぞれ異なる。

総務省では、2月に「利潤」が多くなりすぎないよう規制を見直し、ネットワークの利用料金の格差は縮小。

Q3.MVNOはなぜドコモ系が多いの?(続き)

様々なMNOのネットワークを利用したMVNOが登場しやすい環境に。

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Q4.ドコモの端末はMVNOでもそのまま使えるのに、他の大手の端末は使えないのはなぜ?

MNOは、他のMNOでは利用できないよう、端末にSIMロックを設定。 NTTドコモ以外のMNOは、自らのネットワークを利用するMVNOでも利用できないよう、SIMロックを設定。

他のMNOなどで利用できるようにするには、SIMロック解除が必要だが、原則として購入から約6ヶ月経過後に手続が必要。

事業者 NTTドコモ KDDI ソフトバンク1.対象端末 平成27年5月1日以降に新たに

発売する端末平成27年5月1日以降に新たに発売する端末

平成27年5月1日以降に新たに発売する端末

2.解除制限期間

端末購入日から6ヶ月間※ 過去に解除したことがある場合、その時点から6ヶ月経過していれば即解除可能。(契約継続が前提)

端末購入日から180日間 端末購入日から180日間

3.解除手続き方法及び解除手数料

・インターネットによる受付:無料・電話による受付:3,000円(税抜)・店頭受付:3,000円(税抜)

・インターネットによる受付:無料・店頭受付:3,000円(税抜)

・インターネットによる受付:無料・店頭受付:3,000円(税抜)

4.自社網を利用するMVNOでの利用可否

SIMロック解除をすることなく利用可能

VoLTE端末については、SIMロック解除をしなければ利用できない

SIMロック解除しなければ利用できない

【大手携帯電話事業者のSIMロック解除の対応(平成29年1月時点)】

出典:各社(MVNO含む)HP

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総務省のガイドラインにより、平成27年5月以降の新規発売端末については、代金の不払い防止等のため最低限必要な期間経過後は、SIMロック解除に原則として無料で応ずべきことを規定。

本年1月にガイドラインを見直し、以下の内容を新たに追加。①MVNO向けSIMロックの禁止(平成29年8月1日以降の新規発売端末)

②SIMロック解除に応ずるまでの期間を短縮。

割賦払の場合:100日程度以下(平成29年8月1日~)

一括払の場合:当該支払を確認できるまでの期間(平成29年12月1日~)

利用者が、購入した端末をそのまま使って、他の通信事業者を利用しやすく。

Q4.ドコモの端末はMVNOでもそのまま使えるのに、他の大手の端末は使えないのはなぜ?(続き)

大手携帯電話事業者

MVNO

競争の加速①接続料の低廉化②接続機能の開放 等

利用者

総務省は、携帯電話について、競争を機能させ、利用者が多様な料金・サービスを選択できるようするため、

(1)大手携帯電話事業者・MVNOも含めた「競争の加速」(2)利用者による「通信サービスと端末のより自由な選択」

の観点から取組を推進。

サービスと端末の自由な選択①SIMロック解除②2年縛り見直し 等

MVNOを巡る総務省の取組のねらい

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MVNOを巡る今後の総務省の取組の方向性

大手携帯電話事業者ではできるのに、MVNOではできない、を減らしていく。

大手携帯電話事業者が、特定のMVNOを優遇/不利にすることを防止。

MVNOにおける、消費者保護や不適正利用防止の充実。

利用者が、MVNOを、MVNOと特に意識せずとも、利用できるように。