~歩み始めた地域人材育成~ - ipa · ・目的意識 ・文化的理解力...
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Information-technology Promotion Agency, Japan
SoftwareEngineeringCenter
Software Engineering Center
地域におけるSEC成果の活用~歩み始めた地域人材育成~
IPAソフトウェア・エンジニアリングセンター リサーチフェロー東海大学専門職大学院組込み技術研究科 教授 研究科長
工学博士 大原茂之
2Software Engineering Center
組込みソフト産業の現状2007年度 経済産業省 組込みソフトウェア実態調査から
組込みソフトは産業横断的であり、日本の国際競争力の根源となっている国内総生産における組込みシステム関連産業の占める割合は12%(62兆円)製品開発費における組込みソフトの開発費の占める割合は46%(3.2兆円)
組込みソフト人材は不足している現状の人材規模は23万5000人、不足数は9万9000人(現状人数に対する不足人数の割合は42%)不足する人材は高度人材に集中(エントリレベル不足率28%に対し、ハイレベル不足率は65%)
組込みソフト人材はスキル不足必要なスキルセットをもつ技術者は全体の2割にも満たない現状の組込みソフト技術者の約4割は必要とするスキルセットの3割以上が欠落している
今後の日本の国際競争力を確保するためには、組込みソフト、特に高度人材育成の強化が急務
3Software Engineering Center
• 2007年4月 港区高輪にて開校、修士課程 2年間
• 学位 組込み技術修士(専門職)
Master of Embedded Technology (Professional)
• 24時間対応の校舎を新築
• 修士論文の作成不要
– 公開困難な企業との共同研究が推進可能
– 共同研究は複数の教員で対応
– 参加学生は単位を取得可
• 実践的な組込み技術教育研究
• 現在 学生16名内社会人学生10名
• 2008年度は18名社会人13名
• 場所 港区の高輪キャンパス– 品川駅至近
東海大学専門職大学院組込み技術研究科
4Software Engineering Center
本物の製品を意識させる組込み技術教育 (1)(協力:ルネサステクノロジー)
ン操作部ドア&イグニッション
ライト&ターンシグナル操作部 ワイパー操作部
5Software Engineering Center
本物の製品を意識させる組込み技術教育 (2)(提供:日産自動車、ルネサステクノロジー)
日産新型スカイラインクーペカットモデル
実際に使用しているAFS開発環境を、走行データを含めて組込み技術研究科の実習用に開発
6Software Engineering Center
本物の製品を意識させる組込み技術教育 (3)(提供:dSPACE)
dSPACEから提供される
HILS
エンジンのECU開発実習教材として使用
4月から高輪校舎に新設の情報通信学部組込みソフトウェア工学科の教育にも展開
を検討中
7Software Engineering Center
裏づけとして必要なスキル:・健康管理を含めた自己管理力・目的意識・文化的理解力・論理的主張力・証明力・サービス力・交渉力など
グローバル化に強い技術者の技術とスキルー 社会人基礎力、技術者基礎力から導出 ー
グローバルマーケット
複合的価値創造手段としての競争力
技術的俯瞰力と行動力:・グローバルマーケット、グローバルに広がる価値創造手段としての技術の構造を俯瞰できる。・グローバルな構造の中での自分のミッションを把握し、自律的に行動できる。
地域といえどもグローバルな
視点からマーケットを含むチェーンえきの
戦略を描き人材育成を検討すべき
グローバルなチェーン
8Software Engineering Center
要件定義工程に特化した開発チーム・スキルモデル
要件定義工程に特化要件定義工程に特化した開発チーム・した開発チーム・スキルモデルスキルモデル
設計工程に特化した開発チーム・スキルモデル
設計工程に特化した設計工程に特化した開発チーム・開発チーム・スキルモデルスキルモデル
実装工程に特化した開発チーム・スキルモデル
実装工程に特化した実装工程に特化した開発チーム・開発チーム・スキルモデルスキルモデル
テスト工程に特化した開発チーム・
スキルプロファイル
テスト工程に特化したテスト工程に特化した開発チーム・開発チーム・
スキルプロファイルスキルプロファイル
要件定義要件定義要件定義 設計設計設計 実装実装実装 テストテストテスト
プロジェクトマネージャ
ドメインスペシャリスト
システムアーキテクト
ソフトウェアエンジニア
テストエンジニア
凡例
ETSSに基づくスキルの活用力とチーム編成
9Software Engineering Center
実践的な技術とスキルをもつ人材を輩出すべきだ!
という掛声はあるが・・・・・
大学の問題論文数による教員評価の弊害⇒高度な技術者の育成? 研究者育成?
高度専門教育を行うために十分なノウハウ、リソースが不足
情報系の教育を受けた学生と他の学生と能力差がない
日本の情報系の教育が世界から遅れているのではないか
企業との接点不足による大手企業人材ニーズの把握が不十分
企業の問題実践的な力を発揮できる人材の適切な待遇
これらの問題の原因地域、大学、企業の思いを整合・評価する仕組みがない
グローバリズムを理解した実践的な人材育成と大学の問題、産業界の問題
10Software Engineering Center
特定地域・特定業種への過度の集中
地域間格差の拡大
製造業における業種間格差の拡大を助長
• 基幹部品の国内調達が不可能になる危険性• 地域にまたがるサプライチェーン崩壊の危険性
多品種・多業種・高品質というモノづくりを特徴とするわが国の国際競争力の源泉が枯渇!
これらの格差拡大を放置したときの最悪のシナリオ
産学官にまたがる問題
11Software Engineering Center
北海道
東北
関東
中部近畿
中国
四国
九州
沖縄
北海道
青森
秋田 岩手
山形 宮城
福島
沖縄
鹿児島
熊本
宮崎
大分
佐賀長崎 福岡
高知 徳島
香川愛媛
山口
広島 岡山
鳥取島根
兵庫
奈良
和歌山
滋賀
三重
富山
大阪
京都 福井
石川
長野
静岡
山梨
群馬 栃木
新潟
茨城
埼玉
東京 千葉
神奈川
愛知
岐阜
各地域産業の特性・役割分担と人材育成を共通課題として取り組む
地域活性化戦略、アロケーション戦略を国に提供
地域における組込み人材育成・産業育成の課題を全国規模で解決
全国を9地域に分割
組込み技術研究科(後でご紹介)を持つ東海大学のキャンパス
地域の各種課題解決に向けたアクションプラン~産官学広域連携協議会の物理的展開~
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Information-technology Promotion Agency, Japan
SoftwareEngineeringCenter
Software Engineering Center
以下以下 付録付録
13Software Engineering Center
ETSSにおけるキャリアフレームワークとキャリア
組込みソフトウェア開発
開発環境エンジニア
組込みソフトウェア開発
ブリッジSE
組込みシステム開発
テストエンジニア
レベル1
レベル2
エントリレベル
レベル3
レベル4
ミドルレベル
レベル5
レベル6
レベル7
ハイレベル
組込みソフトウェア開発
組込みソフトウェア開発
組込みプラットフォーム開発
組込みアプリケーション開発
組込みプラットフォーム開発
組込みアプリケーション開発
組込み関連技術
組込みソフトウェア開発
組込みシステム
専門分野
QAスペシャリスト
開発プロセス改善スペシャリスト
ソフトウェアエンジニア
システムアーキテクト
ドメインスペシャ
リスト
プロジェクトマネージャ
プロダクトマネージャ
職種
組込みソフトウェア開発
開発環境エンジニア
組込みソフトウェア開発
ブリッジSE
組込みシステム開発
テストエンジニア
レベル1
レベル2
エントリレベル
レベル3
レベル4
ミドルレベル
レベル5
レベル6
レベル7
ハイレベル
組込みソフトウェア開発
組込みソフトウェア開発
組込みプラットフォーム開発
組込みアプリケーション開発
組込みプラットフォーム開発
組込みアプリケーション開発
組込み関連技術
組込みソフトウェア開発
組込みシステム
専門分野
QAスペシャリスト
開発プロセス改善スペシャリスト
ソフトウェアエンジニア
システムアーキテクト
ドメインスペシャ
リスト
プロジェクトマネージャ
プロダクトマネージャ
職種
人材が複数のキャリアをもつ(キャリア≠人材)
14Software Engineering Center
• 前に踏み出す力(Action)– 主体性 :物事に進んで取り組む力
– 働きかけ力 :他人に働きかけ巻き込む力
– 実行力 :目的を設定し確実に行動する力
• 考え抜く力(Thinking)– 課題発見力 :現状を分析し目的や課題を明らかにする力
– 計画力 :課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
– 創造力 :新しい価値を生み出す力
• チームで働く力(Teamwork)– 発信力 :自分の意見をわかりやすく伝える力
– 傾聴力 :相手の意見を丁寧に聞く力
– 柔軟性 :意見の違いや立場の違いを理解する力
– 状況把握力 :自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
– 規律性 :社会のルールや人との約束を守る力
– ストレスコントロール力
:ストレスの発生源に対応する力
「社会人基礎力」で定義されている12の基礎力by 経済産業省中間報告
15Software Engineering Center
• 前に踏み出す力(Action)
– 向上力 :自己のスキルを継続的に高める力
– 挑戦力 :良くする工夫に取り組み現状を革新する力
• 考え抜く力(Thinking)
– 読解力 :技術用語を理解し技術文書を読み解き内容を理解する力
– 計測力 :客観指標により物事を数値的に測る力
– モデル化力 :物事の規則性を見出し原則を発見する力
– 構成力 :部品を組み合わせ目的とするものを実現する力
– リスク分析力 :潜在危険を発見しリスクを評価する力
– 市場力 :利用者や社会の要請(機能・性能・品質・コストなど)を理解する力
– 環境力 :地球環境への影響を考える力
• チームで働く力(Teamwork)
– 情報共有力 :情報を整理しチームで活用する活用させる力
– 段取り力 :意見をまとめあげチームに巻き込んで仕事をしてもらう力
– 連携力 :チームメンバーとして自己の責務を全うする力
「社会人基礎力」をベースにした「技術者基礎力」の提案 by 田丸、大原
16Software Engineering Center
組込み教育の先進校が基盤を提供組込み教育、組込み人材育成では一歩進んだ実績各大学・地域が得意とする応用領域で個性を発揮
国公私立大学等の教育機関が連携地域の枠組みにとらわれない全国的な相互交流・相互支援の仕組みそれぞれの得意分野をさらに伸張するとともに不得意分野を相互補完高等専門学校や専門学校とも連携
産業界との連携共同研究、インターンシップ、就職を通じて地域交流、地域再生協議会メンバにより活動内容に応じた最適なコンソーシアムを形成
経済産業省・文部科学省等の施策への積極的な参画公的事業等への提案地域活性化、人材育成強化等の政府重要施策に対する具体的貢献
既存組織の枠組みを超えた連携教員個人、技術者個人でも参画が可能学会、業界団体、地域コンソーシアムの参画も可能将来的にはアジア諸国との連携も視野に入れる
問題解決に向けてー産学広域連携協議会の必要性と基本戦略ー