itベンチャーの起業促進に向けた経済産業省の検討状況 ·...
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ITベンチャーの起業促進に向けた経済産業省の検討状況
平成26年5月
経済産業省
商務情報政策局 情報処理振興課
資料3
1.ITベンチャーの育成・活用の重要性
2
ITベンチャー促進の意義
3
ITによるビジネスデザイン刷新の例(音楽販売)
IT関連技術を活用しビジネスモデルを構築、音楽販売のビジネス形態を大きく変革
iTunesストアの売上は年間約160億ドルとも推定(2013年)
各種のIT関連技術を活用し、 新たなビジネスモデルを構築
•音声圧縮技術 •著作権管理技術 •通信技術 等
音楽を収録した媒体の販売 インターネットを通じた音楽データの配信
Apple社は技術の取得のために企業を多数買収
(例)2010年、発話解析・認識技術を開発していたSiri社(2007年設立)を買収、自社の製品に技術を活用、今後車載端末への活用も予定
○産業のサービス化が進む中、ビジネスデザイン(=仕組み)に付随する付加価値が増大。ビジネスデザインのイノベーションは、革新的なITの活用によって実現される。
○スマートデバイスやセンサーによって世界中のあらゆる「ヒト」「モノ」「サービス」がインターネットとつながる中、画期的なビジネスデザインを生み出したIT企業が世界市場を席巻する状況が発生。
○革新的なITベンチャーを生み出すことで、我が国産業の高付加価値化、競争力強化を図っていくことが必要。
4
ITベンチャーによるビジネスデザインの革新事例
佐俣奈緒子CEO&Founder
2009年にペイパル日本法人の立ち
上げに参画。
2011年10月 ペイパルジャパン退社。
2012年 3月 コイニーを設立。
ITベンチャーの提供する決済サービスを導入し、安価にクレジットカードによる決済を導入
クレジットカード会社と提携したITベンチャーの開発したサービスを活用し、効果的な集客を実施
ITベンチャーのサービスを活用
安価にクレジットカード決済を導入
効果的なクーポン配信等により来店促進
店舗でのクーポン処理作業が不要
成果報酬型のため効果の明確化が可能
費用の発生は対象の売上が発生した場合のみ(決済額に応じ送客手数料を支払)
飲食サービス業 A社の例
ITベンチャー
モバイル端末を利用した決済サービスを提供
迅速な審査、安価な手数料で個人事業者も
クレジットカード決済の導入が可能
クラウドを利用し売上を集計
クレジットカードでの決済は、心理的な面も含め、現金で支払うよりも少し高い金額になる傾向があるとのことで、ある洋菓子店ではCoiney導入後に売り上げが15%も伸びたというケースもあったとのこと。
2012年3月設立のITベンチャー
スマートフォンやタブレットを活用した決済サービスを提供
2013年10月、産業革新機構が出資
2011年1月設立のITベンチャー
Card Linked Offer(クレジットカード決済連動型優待)と呼ばれる、実店舗への送客プラットフォームを日本で初めて開発・運営。
八巻渉 CEO&Founder(写真中央) 大学在学中はベンチャーで業務に従事。
2009年 エンジニアとして就職、データ解析などを担当。
2011年11月 カンムを設立。
2013年6月にクレディセゾンと提携、当該サービスを開始。
店舗側も利用者が来店して初めて手数料を払うモデルなので、追加費用が不要なので、利用者・店舗双方から好評
特定のクレジットカードを利用した際に特典を提供。
男女・年齢・住所・決済履歴から、対象を絞った配信等が可能。
初期・月額固定費用ゼロの完全成果報酬型のため、売上が発生しない場合は費用も発生しない
決済サービスを活用
集客サービスを活用
4
2.ITベンチャーを取り巻く環境
5
ITベンチャーの特徴
6
○技術・装置ではなく、才能をもった「人」がイノベーションを生み出す。
人への投資が重要
スタートアップ時の起業支援を強力に行い、小額でも多数の資金供給により、
可能性を持つ多くの人にチャンスを与え、挑戦の数を増やしていくことが重要
○非IT分野と比較し、起業の必要資金が少なく、事業化が容易。 ※必要資金例:ソフトウェア開発 490万円、喫茶店 3240万円
(出典:業種別スタートアップガイド:J-Net21))
○起業・廃業のトライアンドエラーを繰り返し、その中から、急成長するものが現れてくる。 ※シリコンバレーでは、年間1万7300社が起業し、年間1万2800社が廃業。
※Facebookは2004年設立後、2012年の時価総額は1150億ドルに
(課題:飛躍的成長に向けた連携・資金の不足)
【政策の方向性】 ・大企業との連携促進(自前主義からの脱却) ・出口戦略としてのM&A促進 ・成長のための資金供給
等
ベンチャー政策の全体像
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Startup Financing Cycle
○米国においてはベンチャーの起業に関するエコシステムが確立している一方、日本においては
ベンチャーのスタートアップに関して依然、各ステージに課題が存在。
○また、ITベンチャーに対しては、少額の出資、人物本位での投資判断、再挑戦の促進等、その特徴を踏まえた支援が必要。
(課題3:ベンチャーの起業・活躍の基盤としてのデータ利用環境の整備)
【政策の方向性】 ・政府、独法、公共企業等の保有するデータのオープンデータ化促進 ・データ活用コンテスト ・データプラットフォーマー構築 ・企業等のデータを活用した取組の推進
(課題1:起業人材の不足)
【政策の方向性】 ・大学との連携によるITベンチャー人材の育成・起業促進 ・未踏事業の拡充 等
スタートアップ段階 ITベンチャーについてはその特徴を踏まえた支援が必要
成長段階 成長フェーズに到達したITベンチャーには、一般的なベンチャーと同様の支援により成長を促進
(課題2:スタートアップ支援の不足)
【政策の方向性】 ・スタートアップアクセラレーターによるITベンチャーに対する支援の促進
(人材育成、人的ネットワークの提供、ビジネスサポートの提供、早期からの出資 等)
・政府調達によるベンチャー製品の積極採用 ・ITベンチャーの海外展開支援
等 ITベンチャーのみならず、ベンチャー全体の共通課題
1.IT起業人材の発掘・育成に関するこれまでの取組と課題
25歳未満の若年層の「個人」を対象 PM制度の導入 産学界のトップで活躍の方を登用 PMの独自の観点で人材を発掘・育成
未踏IT人材発掘・育成事業とは、いままで見たこともない「未踏的な」アイディア・技術をもつ「突出した人材」を、優れた能力と実績を持つプロジェクトマネージャー(PM)のもとで発掘・育成する事業
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2014年度未踏PM
竹内 郁雄 氏 早稲田大学教授 東京大学名誉教授
夏野 剛 氏
慶應義塾大学 大学院客員教授
等
プログラム言語(Ruby)の開発 ・日本提案により国際標準化 ・世界で数十万人が使用
未踏事業後の事業例 高精度なパーソナルニュースキュレーションサービスの開発
2012年度採択
福島 良典 氏
2000年度採択
まつもとゆきひろ 氏
・「Gunosy」としてサービス提供
○天才的なIT人材を発掘、育成する取組として、2000年以降、(独)情報処理推進機構において「未踏人材育成事業」を実施。
○これまでに1600人の人材を発掘・育成。160件が会社設立・事業化。
○発掘・育成した人材による起業を増加させるためには、大学との連携や、人材育成フェーズから起業支援フェーズへの連続的な支援体制等の新たな取組が必要。
2.スタートアップ支援組織の不足① (日米のVCの特徴)
9
27.6%
53.3%
42.4%
34.0%
57.6%
35.0%
31.6%
36.4%
17.8%
15.1%
8.1%
0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%70.0%
家族の理解・協力不足
起業・事業運営に伴う各種手続き
経営に関する知識・ノウハウの習得
自社の事業・業界に関する知識・ノウハウの
習得
資金調達
質の高い人材の確保
仕入先の確保
販路開拓・マーケティング
製品・商品・サービスの高付加価値化
新たな製品・商品・サービスの開発
知的財産権の保護
起業・経営上の課題:萌芽期 (n=4044)
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
『平成24年度 中小企業の起業環境に関する調査 報告書』
資金調達を行った企業数・資金調達の推移 1社あたりの資金調達額の推移(中央値)
出典:「2013年未公開ベンチャー企業資金調達の状況(2013年総括)」 2014年3月12日株式会社ジャパンベンチャーリサーチ
出典:ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会報告書(2008年)
○米国では、先輩ベンチャーが目利きのできるエンジェルとなって、ポテンシャルのある人材へ
積極投資を実施。
○一方、日本においてはVCの多くを金融機関系が占め、短期的な事業利益や
投資資金の回収が求められる傾向が存在。
日本においてはスタートアップアクセラレータが不足
1431 1163 1163
759 710 721 522 584
802 761
653
484 527 481 425 315
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
調達金額(億円)
社数(金額判明分の
み)
50 45
35
20 20 20 20
50
0
10
20
30
40
50
60
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
日米VCの属性別構成比
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○日本では、資金の調達に際し出資者から、個人保証や株の買取条項(創業者が株式をVCから買い取る義務を
規定)などの条件が設定されることが多く、再起業を難しくしている可能性。
今回の起業以前の起業経験の有無 (n=4512) 起業の経験があ
り、上手くいった
起業の経験があ
るが、上手くいか
なかった
今回の起業が初
めての起業である
12.2 %
8.8 %
79.1% 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
『平成24年度 中小企業の起業環境に関する調査査 報告書』
日米における失敗を恐れて起業を躊躇する割合
0% 20% 40% 60% 80% 100%
株式公開
償却・清算
売却 会社経営者等
による買戻し
その他
14% 15% 18% 45%
8%
イグジット数構成比(2011年) 29.7 %
34.7 %
0% 10% 20% 30%
課題はない・わからない
株主の理解が得られない
既往金融機関と良好な関係を維持できない
同族会社を維持できない
適合するファンドが少ない
経営の意志決定が思うように行かない
ファンドの利用方法がわかりづらい
手続きが煩雑
情報開示の要求が高い
審査が厳しい
外部の人間に経営関与されたくない
必要資金は金融機関からの調達で十分賄える
償還出口が株式公開にほぼ限定されている
ベンチャーキャピタルから株式公開を迫られる
一定期間に株式公開を行わない場合の買戻規定
中小企業がベンチャーキャピタルから出資を受ける上での課題
(株)東京商工リサーチ
「企業活動における資金調達実態調査」(2008年11月)
一般社団法人ベンチャーエンタープライズセンター ベンチャーキャピタル等投資動向調査
総務省「ICT産業のグローバル戦略等に関する調査結果」(2013年)
日本においてはベンチャーの再挑戦を可能とする環境の整備が不十分
2.スタートアップ支援組織の不足② (再挑戦に向けた課題)
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大学発ベンチャー企業が技術に関する知識を得るために最も頼りにしている社外の人物の起業経験
技術的知見と起業経験を併せ持つ人材の不足
「大学発ベンチャーに関する追跡調査」実施報告書(2011年5月)
【日本】 【Y Combinator】
セミナーには交流サイト最大手フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOが出席するなど人脈も折り紙つき
マーク・ザッカーバーグ
ドゥルー・ヒューストン
Yコン訓練生 ・卒業生
etc…
(出典 日本経済新聞より抜粋)
○日本では、起業経験を持つ先輩ベンチャーや優れた経営者らと、ベンチャー企業とのつながりが少なく、事業化にあたって実戦的なアドバイスやメンタリングを受けることが難しい。
日本においてはベンチャーを支援する人的ネットワークが不足 ○日本においても、起業経験者等をネットワーク化する等、新たに起業しようとする人材をサポートしていく仕組みが必要。
2.スタートアップ支援組織の不足③ (人的ネットワーク)
○シリコンバレーでは、IT関連企業や人材が密集しており、またそうしたリソースを活用してスタートアップアクセラレータがつながりの場やサポートを多く提供している。
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(参考)シリコンバレーにおける代表的なスタートアップアクセラレータ
「Y Combinator」 概要
カリフォルニア州マウンテンビューのスタートアップアクセラレータ。2005年に数万ドルで設立後、2010年までに投資したスタートアップの評価額が47億ドルを超えた。 毎年40社~60社のスタートアップ企業に対して、少額な資金提供(2万ドル前後)をするとともに、3ヶ月間集中的に起業家を育成するプログラムを年に2回提供。世界各国から1,000社を超える応募が集まるとされる。
支援内容 ①資金提供 企業に11,000ドル、創業メンバー一人当たり3,000ドルを支給。 (資金提供と引き替えに株式の2~10%の株式を受け取ると言われる) またYCスタートアップに対しては追加の審査を行わず、一律に15万ドルの投資を行うファンドが存在。 ②育成プログラムの提供
・ 何度でもパートナー(専門家)との個別面談(法律相談も含む)が可能。 パートナーには、プログラマー、起業家、卒業生、教授等。また、パートナーの他に、弁護士やWebサイトの作成サポートメンバーも存在する。
・ 参加者全員が参加するイベントの開催
投資実績例 オンラインストレージサービス ソーシャルニュースサイト WEBサイト編集アプリ Sequoia Capital,Accel Partnersが出資 Conde Nsatが買収 Synthasiteが買収
○「Y Combinator」は、シリコンバレーのエコシステムにおいて、スタートアップフェーズにおける
支援機能を有し、ベンチャーを成功に牽引するエンジンとしての役割を担っている。
○ベンチャー企業では、法務・税務などのビジネス面での問題を抱える可能性が高い一方、スタートアップ段階においてこれらの専門家をすべて自前で採用し対応することは困難
ITベンチャーのスタートアップにおける課題④ ビジネスサポート
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(「新しいビジネスを始めるために必要な知識、能力、経験を持っていますか」という質問に対し「はい」と答えた割合
: 日本 9%、 米国 55.9% 「平成24年度起業家精神に関する調査」)
ベンチャーのスタートアップ段階においては技術以外にも課題が存在
2.スタートアップ支援組織の不足④ (ビジネスサポート)
○米国においては、スタートアップ期のベンチャーがアウトソーシングを利用し、プロフェッショナルの法律顧問や財務、マーケティング専門家等を活用でき、起業家が事業開発に集中可能
WILSON SONSINI GOODRICH & ROSATI
PAYCHEX
SQUADHELP CROWD FLOWER
TEMP CFO
(プロフェッショナルアウトソーシングの事例)
(法務対応)
(財務対応) (財務対応)
(マーケティング) (データ分析)
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5.販路開拓の支援
経済産業省「ベンチャー企業からの公的調達の促進に向けた研究会」報告書(2007年3月)
○ベンチャー企業の製品に関する情報や信頼性の欠如により、調達に二の足を踏んでいることが考えられる
(ベンチャー企業からの調達拡大のネックとなる要因)
ITベンチャーのスタートアップにおける課題⑤ 信用力の不足、販路開拓
○ベンチャー企業にとって、創業直後は実績の不足のために市場に製品を受け入れてもらうことが困難なため、販路開拓は大きな課題。
○米国では、ベンチャーの製品を積極的に政府調達し、積極的な支援を実施。
○日本においては、ベンチャー企業の製品に関する情報や信頼性の欠如により、公共調達に二の足を踏んでいる可能性。
Visual Learning Systems 社(サテライト画像の開発会社)
国防省のSBIR プログラムを経て、開発さ
れた製品を国防省、内務省、農業省等が、合計約150 万ドルで購入
プログラミングに通じていない人でも、衛星画像から地理的な情報を得ることを可能とする製品を開発。また、通常のシステムよりも約5倍の早さでデータ入手が可能。
(米国における成功事例)
「ベンチャー企業からの公的調達の促進に向けた研究会」報告書(2007年)
スタートアップ段階のベンチャーは納入実績や信用力が不足しているため、販路開拓に苦戦
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3.政府調達によるベンチャー支援 (販路開拓)
ビジネスへの公共データの開放を促進することで、ITベンチャーによる新サービスの創出や、企業の情報収集活動の効率化が期待される。
公共データの中でも、特に、自治体等が保有する地理空間情報に関するデータは、サービスの付加価値向上やマーケティングなどの観点から事業者からの期待が高い。他方、自治体等にとっては、作業コストとの比較衡量や、公開後のリスク(治安への影響等)判断などが課題となり、対応は一部自治体に限定的。
オープンデータを活用したサービスの高付加価値化事例 オープンデータを活用した新サービス創出事例
全国の図書館の蔵書・貸出情報、 Amazonの書籍情報等を組み合わせ、横断検索・表示を可能とした民間サービス。
バナー広告、地域連動型広告、グッズ販売等の組合せにより、サービスを収益化。 (出典:https://calil.jp/)
株式会社カーリル
カーリル 図書館の蔵書 貸出情報
Amazonの書籍 販売情報
国立国会図書館の 書誌情報
利用者
書籍の検索 蔵書の確認
株式会社パスコ
地図上で、統計情報等のオープンデータを活用した商圏データと、顧客のデータを重ね合わせ、マーケティング、災害対策、輸配送の効率化を支援するサービスを展開。
人口集計・ランキング表示
顧客・ 店舗データ等
国勢調査、 商業統計、
経済センサス等
地図データ
出典:http://www.pasco.co.jp/products/marketplanner/
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4.公共データ(オープンデータ)の活用による新たなサービスの創出
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3.ITベンチャー促進に向けた政策の方向性
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1.ITベンチャー人材の発掘・育成の拡充
社会人層を念頭に、即起業を目指す天才的なIT人材を発掘・育成
技術的な助言に限らず、ビジネスを行う上でのノウハウを伝授
25歳未満の若年層の天才的なIT人材を対象に育成
第一線で活躍する指導者が独自の観点で発掘・育成
未踏人材育成事業 (独立行政法人情報処理推進機構(IPA)実施)
従来の未踏人材育成事業の取組に加え、 ベンチャー起業促進の観点から、対象の拡充を検討
2.産学官連携の 「ITスタートアップ大学協議会」(仮称)
先進的取組例
地域のベンチャー企業や自治体と連携し、イノベーションに挑戦する精神と技術力を持つ創業意識の高い若手人材を育成。
地域や企業の抱える課題やニーズを把握の上、テーマを設定・選択。テクノロジベンチャーへの発展を意識しながらテーマに関連して、新製品、新サービスにつながる研究・開発を実施。活動を通じて、ベンチャー創業活動の擬似体験。
学生当たりの大学発ベンチャー数は全国1位(23社/1000人)
会津大学
○先進的な大学の取組をベストプラクティスとして共有・横展開
○ITの活用による新しいビジネスモデルの創出を目指す人材を育成する大学での取組の拡大促進を検討。
「大学地域貢献度調査」日経グローカル(2014年1月)
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3.スタートアップアクセラレータの育成
投資家
ITベンチャー
起業家個人に着目し、新たなビジネスモデルを創造することが期待されるITベンチャーを支援・育成
(スタートアップアクセラレータの役割)
シード時点での経営者育成
起業成功者による人材の発掘
国内外の起業成功者等とのネットワークの提供
(失敗経験も含めた)経営ノウハウの伝授
販路開拓の支援 等
中小機構
出資
起業家個人の資質を
評価し、早期から出資
事業化の支援 (人材育成、人的ネットワークの提供、ビジネスサポート、販路開拓 等)
スタートアップアクセラレータ
出資1/2
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4.政府によるITベンチャーからの調達拡大
○小規模企業や若い企業は、少額の調達にしか参加できない。
○ベンチャーの優れたアイデア・能力を活かすことができる調達案件が少ない。
○入札参加条件の弾力化が必要ではないか
(ベンチャーを活かせる攻めのIT活用の例)
ビッグデータ解析による業務効率の分析や政策ニーズのマーケティング調査等
第七十二条 各省各庁の長又はその委任を受けた職員は、必要があるときは、工事、製造、物件の買入れその他についての契約の種類ごとに、その金額等に応じ、工事、製造又は販売等の実績、従業員の数、資本の額その他の経営の規模及び経営の状況に関する事項について一般競争に参加する者に必要な資格を定めることができる。
○各省における攻めのIT活用を
推進していくことが必要ではないか。
ビジネス創出に 向けた支援
5.アイディアソン、ハッカソンの取組促進
○ユーザー(個人、地方自治体、民間企業)のニーズとアプリの開発とをビジネスコンテスト等でマッチングし、公共データのビジネス化及び地方自治体等におけるオープンデータを更に促進
○民間データを活用したイノベーションに取り組む事業者やデータプラットフォーマーによるハッカソンやアイディアソンの開催を促進し、更に、事業化までつながる支援を検討
○ベンチャー施策との連携を検討
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データ駆動型のイノベーション創出を支えるデータプラットフォーマーの担い手を発掘し、 企業・ベンチャー等によるデータ利活用を促進
データ駆動型イノベーション 創出を目指すコミュニティ作り
6.データプラットフォーマーの構築
○データを活用した革新的ビジネスを生むには、日本的な囲い込みの文化を打破し、企業が壁を越えて、データを共有、連携していくことが重要
○そのため、データ基盤を提供し、連携の媒介となるプレーヤー(データプラットフォーマー)が必要ではないか
大規模HEMS情報基盤整備事業
○データ利活用に積極的な企業、データプラットフォーマーを目指す企業、有識者等が揃う場作りを通じ、成功事例の創出、データプラットフォーマーの在り方の検討等を実施。
○HEMSから得られる電力データの利活用プラットフォームを構築し、そのデータを活用した他分野でのサービス創出を目指す。
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ベンチャー創造の好循環 の実現に向けて
平成26年4月16日
茂木経済産業大臣提出資料
参考 第3回 経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議(平成26年4月16日)
茂木経済産業大臣提出資料
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1.ベンチャーの必要性
世界トップ2000社の内、1980年以降設立企業
(金融を除く)の比較
(資料)Forbes Global 2000 2013のデータより作成。
約1/8
1980年以降 の設立企業
約1/3
○多くの雇用を生み出し、経済のエンジンとなるのはベンチャー。
869
1187
7.8%
11%
0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
12.0%
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
2000 2010
(万人) (%)
雇用者数(左軸)
米国におけるベンチャー企業の生み出す雇用
(資料)NVCA, iHS global insight「Venture Impact 」2011年
※「ベンチャー企業」はベンチャーキャピタルが出資した企業
民間雇用に占めるベンチャーの割合(右軸)
<(株)クラウドワークス>
インターネットを通じて不特定多数の人に対して受注者を公募し、業務を外部委託するクラウドソーシングサービスを提供。
<(株)Preferred Infrastructure> ビッグデータをリアルタイムに処理する世界最高水準の技術を開発。機器の故障予測やiPS細胞研究におけるデータ解析などに利用。
○ベンチャーとは、既存企業の事業革新も含めた企業としての新しい取組への挑戦。ビジネスイノベーションの創造者としての役割が期待される。
<CYBERDYNE(株)> サイバニクス技 術を応用した ロボットスーツHAL により、介護現場 や工場での重労働 を支援。
<エリーパワー(株)>
スマートハウス向けの大容量リチウムイオン電池を販売。標準的な家庭の電力消費量の半分以上をまかなえる。
健康・医療 エネルギー
IT サービス
①依頼登録 ②応募・提案
③採用
④契約
312社
157社
869万人
1187万人
大量のデータをリアルタイムで 効率的に処理し、深い分析を実現
466社
181社
154 社
24 社
24
2.ベンチャー創造の好循環の実現に向けて
(1)初等教育からの起業家教育 ―土曜日等を活用した起業疑似体験授業やプログラミング教育などのモデ
ル事業の実施、指導事例作成・普及
(2)大学・大学院における実践的起業家教育 ―より高度な教育を行うための教員ネットワークの強化や海外機関との連
携
(3)ベンチャー支援人材10倍増 ―トップクラスのベンチャー支援人材のネットワークを作り、モデル事業によりノウハウを横展開
―リーンスタートアップの支援枠組を構築
(4)ベンチャー表彰制度による意識改革
(5)ダイバーシティを活かす起業家支援 ―多様な人材を活用したベンチャーを創出するための低利融資制度の拡充
(1)政府調達におけるベンチャー活用の推進 ―弾力的な入札条件の設定等
(2)ベンチャーへの思い切った税制措置等 ―エンジェル投資やスピンオフ・カーブアウトの促進等
(3)公的・準公的資金の運用等見直し ―公的・準公的資金の運用等の在り方について、各資金の規模・性格に応
じ、長期的な健全性の確保に留意しつつ、必要な施策を迅速かつ着実に実施すべく所要の対応を行う
(4)国家プロジェクトによるベンチャー支援 ―DARPA型スキームの創設や中小・中堅・ベンチャー向け目標設定等
○「ベンチャー創造の好循環」を形成し、世界で勝てるベンチャーを創出。 ○ビジネスイノベーションの推進を通じて、サービス産業等、既存産業の生産性向上を目指す。
2.大胆な制度改革 3.人材:挑戦するベンチャーを支える 意識改革・起業家支援
(1)ベンチャー創造協議会の創設 ―「ベンチャー創造協議会(仮称)」を創設し、先進的取組をベンチャー連携
先進企業100選としてモデル選定するなど、ベンチャーと大企業の「出会いの場」を増やし、オープンイノベーションを促す。
―地方都市を含めた各地で既存の企業群や市民らが起業を応援する「誰もが起業家応援社会」を構築。
(2)出口戦略としてのM&A促進
―国際会計基準の適用促進を図るとともに、ベンチャーのニーズを踏まえた運用改善を実施
(3)ガバナンス強化等によるスピンオフ、カーブアウトの促進
―外部取締役や金融機関・機関投資家等によるガバナンスの強化や、兼
業・副業等の柔軟な働き方を許容することなどによる、スピンオフ・カーブアウト促進の仕掛け作り
(4)官民ファンド・クラウドファンディング
―官民ファンドやクラウドファンディングによるベンチャー投資の加速を図
る。また、成長に適した資金調達・組織運営のための種類株式促進の方策を検討
1.日本経済全体でのベンチャー創造
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