it検証産業協会の取り組み - ipaストエンジニアのスキル標準のフレーム...
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2012年11月16日 一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)
技術部会副主査 末田 信
IT検証産業協会の取り組み ~ソフトウェア品質監査制度(仮称)に関して~
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ET2012 IPAブース講演
目次
1. IT検証産業協会の目指すところ 2. ソフトウェア品質監査制度(仮称)における検証業界の役割認識 3. 検証審査基準策定機関としての役割 4. 独立検証機関としての役割 5. 独立検証機関の育成組織としての役割
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1. IT検証産業協会(IVIA)の目指すところ
IT検証サービスに関する企業、団体、個人が集い、よりよいIT検証
サービスを目指して研鑚し、業界の健全なる発展を促進するとともに産業として確立させ、わが国の社会・経済の発展に寄与する
人材育成・活用
検証作業と技術の標準化
提案営業と検証取引の モデルづくり
業界としての基本情報の 作成と発信
検証産業の普及・広報活動
国内各種団体との 協業、連携
検証の 産業化
検証技術・人材の 開発・活用
検証産業の 認知拡大
検証産業の 仲間作り
IVIAの公的な認定
産業化に向けた活動の方向性(長期ビジョン)
海外企業団体との連携
IVIAの国による検証業務の 義務・認定制度化
公的認定機関であるIVIAによる検証会社の企業認定 国際的な協力体制とグローバルスタンダードの確立
活動アイテム(中項目)
検証技術の標準化
検証技術者の育成・スキル認定
技術的施策
検証技術の向上
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2. ソフトウェア品質監査制度(仮称)における検証業界の役割認識
① 検証審査基準の審査基準策定機関としての役割 ② 会員企業等が独立検証機関としての役割 ③ 独立検証機関としての業務査察・能力維持のための継続的な教育
研修を提供する役割
①IVIA等
③IVIA等
業界団体
②IVIA会員企業等
教育・研修
出展:IPAソフトウェア品質説明力強化のための制度フレームワークに関する提案(中間報告) に加筆
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3. 検証審査基準策定機関としての役割
既存のプロセス認証、プロダクト認証を補完 プロセス認証は正しく作っているかを確認できるが、正しい
ものを作っていることを確認できない。 • プロセスが正しければ、よいものが作れる、とはいえない • プロセスが間違っていれば、よいものは作れない
既存のプロダクト認証に分類される、規格認証、型式認証、互換性認証は規格に適合しているかは確認できるが、規格そのものが不備であれば利用者からみた品質を担保できない。
各種、製品サービス共通の検証審査基準の策定 均質な検証サービスを提供できる
3. 1 検証審査基準の必要性
第三者視点をもった検証審査基準
安全・安心
第三者検証
品質説明
プロダクト
プロセス
正しいものを作っている
正しく作っている
利用者期待
どおり
仕様どおり
定められた手順どおり
プロセス認証
ISO9000,CMMI
機能安全認証
IEC61508,ISO26262, IEC62304,IEC62278
製品認証・型式認証
ISO9126(フレームワーク)
互換性認証
ISO12207(SLCP)
ISO/IEC25000
29119
ISO9241(ユーザビリティ)
・・・
・・・
検証審査規準
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3.2 品質説明の手順
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既存審査基準(既存規格)への適合: 品質や安全を確保するためのプロセスや実現方法、確認方法、管理方法等の規定への適合
事業者による品質説明: 安全を確保するために、想定したリスクとその回避方法について、規格に適応す
ることでどこまで保証されるのか、その関係を明確化
第三者検証による品質確認: 利用者が求める安全や品質に対する要件について、プロセスおよびシステムで
適切に実現されているかどうかを検証し、妥当性を確認
本制度で提供する品質説明: 事業者による規格適合と、第三者による検証と妥当性確認により確保された
システムの品質と安全について、利用者が理解出来る内容で説明することにより、安心感を向上させる
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3.3 IVIAのソフトウェア品質審査基準
既存の審査基準で体系的な網羅がされていない、ソフトウェア品質検証の実践的な基準に特化
IVIAソフトウェア品質審査基準 開発プロセスに対応した、第三者検証による品質確認を実施するためのテストエンジニアリングプロセスを定義 テストエンジニアリングプロセスにより実現すること
• 正しく作成していることを確認するプロセス • 正しいものを作成していることを確認するプロセス
IT検証標準工法ガイド テスト要求に基づくテストの設計と実行
• 妥当性確認(Validation)要求を含む、テストに対する要求や目的に基づくテスト内容を設計し、検証(Verification)を実施する
テスト対象(製品・サービス)分野共通のソフトウェア検証標準工法 • 各種製品・サービスのソフトウェア品質の第三者検証を、効果的・効率的に実施するための標準を定義
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3.4 検証審査基準策定(期待)
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ICT業界
家電業界
自動車業界
住宅業界
電力業界
検証分野の審査基準書 +
ドメイン毎の詳細化
PKGソフト業界
○○業界
IVIA SW品質審査基準 /IT検証標準工法ガイド
実践的な基準
IPA/SEC 品質説明力の原則 品質目標、ロジック、エビデンス及び
それらの相互トレース
・・
・・
4. 独立検証機関としての役割
4.1 監査に必要な高度で専門的な検証サービスの提供
IVIA会員企業
検証サービス
技術部会
教育研修部会
標準化部会
支援 支援 支援
・検証技法 ・検証ツール ・新検証技術の開発 ・ワークショップ(外部専門家)
・標準工法/作業標準 ・用語 ・スコア化(ベンチマーク)
・シラバス ・スキル/キャリア標準 ・テストプロセス(ISO29119のWG )
IVIA
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ETSSのスキル分類とIEEE829のアクティビティを基準にIT検証(*)の視点で分類 *)IT検証 : IT製品・システムのソフトウェア検証
検証工程のフレームワーク IT検証技術
IT検証の概念
IT検証の開発技術
IT検証の管理技術
IT検証の支援技術
IT検証の技術要素
テストフレーム
開発と検証のプロセスモデル
標準工程:テスト要件定義~テスト評価
標準工法
テスト技法:技法の分類/適用方法
テストツール:ツールの分類/利用技術
ドメイン技術要素:Android検証、クラウド検証、 スマートグリッド検証、・・
IT検証技術者育成 IT検証技術者認定(IVEC)
4.2 IT検証技術体系に基づく技術整備
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5. 独立検証機関の育成組織としての役割
IVIAでは、テストエンジニアの資格認定試験であるIT検証技術者認定試験(IVEC)を実施している。 IVIA会員企業の中には試験制度向けの教育プログラムを提供する会社もある。 本制度の独立検証機関の育成制度にIVECが活用できると考えている。
IVECの特徴 テストの現場における実務を重視 キャリアレベルごとに知識試験と実務試験を設定 テストエンジニアとして必要な知識だけでなく実務経験・スキルを含めた認定 組込み領域やエンタプライズ領域といったドメインに依存しないスキル構成 合格者は業界でも高い評価
5. 1 IT検証技術者認定試験(IVEC)の特徴
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5.2 IVECのキャリアレベル
IPAが策定した組込みスキル標準(ETSS)のフレームワークをベースにキャリアレベルを作成
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5.3 IVECの教育シラバス
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シラバスは、学習の目的・項目毎に
・A(認知レベル)・・・用語を認知し、会話で利用できる
・B(引用レベル)・・・用語や内容を認知し、会話や文書作成で利用できる
・C(実用レベル)・・・用語や内容を理解し、実務で利用できる
で構成され、知識試験・実務試験に紐づけされています。
またIVECの教育シラバスは、テストエンジニアの スキル標準フレームワークであるTest.SSF を用いて開発されています。
SSF: Skill Standard Framework / スキル標準フレームワーク Test.SSF: Test Technology Skill Framework based on SSF
Test.SSFは、 IVECを運営するIT検証産業協会と テスト技術者資格認定(JSTQB)を 運営する特定非営利活動法人ソフトウェアテスト技術振興協会(Aster)とが、IPA/SECのアドバイスを受け、共同でテストエンジニアのスキル標準のフレームワークを定義したものです。Test.SSFの特徴は、ETSSのフレームワークを利用しながら、スキルを組み込み領域に限定しないでテスト活動のスキル基準を定義したものです。
ご静聴ありがとうございました
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(付録1) IT検証標準工法ガイド
1.テスト要求分析 : テストに対する要求を獲得、分析し、テスト要件として定義
2.テスト計画 : テスト要件定義で定めた方針を具体的に進める計画を作成
3.テスト基本設計 : テストする内容や範囲、実施方法の概要を定める
4.テスト詳細設計 : テストする内容の詳細と具体的な実施方法を定める
5.テスト実行/不具合報告 : テストを実行して、テスト結果や不具合報告を行う
6.テスト評価/報告 : テスト要件定義やテスト計画との差異評価と報告を行う
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