japanese language assistant report 2010

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ブリティッシュ・カウンシル日本語指導助手英国派遣プログラム Routes to excellence ブリティッシュ・カウンシル 2010/11 年度 British Council 2010/11 日本語指導助手派遣プログラム 参加報告書 Japanese Language Assistants Scheme Activity Reports

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Japanese Language Assistant report 2010

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Page 1: Japanese Language Assistant report 2010

  

ブリティッシュ・カウンシル日本語指導助手英国派遣プログラム

Routes to excellence  

        

ブリティッシュ・カウンシル 2010/11 年度 British Council 2010/11

日本語指導助手派遣プログラム 参加報告書

Japanese Language Assistants Scheme Activity Reports

                 

Page 2: Japanese Language Assistant report 2010

ブリティッシュ・カウンシルは英国の公的な

国際文化交流機関です。世界 100 ヵ国以

上で活動しています。

日本では、東京にセンターを開設していま

す。効果的な英語学習および英語指導を

支援し、教育交流や英国留学の機会を広

め、芸術、科学技術その他の分野を通して

日本の若者が現代の英国により親しみを

感じられるような機会を提供しています。

ブリティッシュ・カウンシル

語学指導助手事業 ブリティッシュ・カウンシルでは毎年、約

2,700人の外国語指導助手の渡英および

約2,000人の英語指導助手の英国から諸

外国への派遣事業を運営しています。英国

に派遣される助手は、フランス語、ドイツ語、

イタリア語、スペイン語、アイルランド語、中

国語、ロシア語そして日本語の学習を補助

しています。英国からの英語指導助手は、

オーストリア、ベルギー、カナダ、中国、フラ

ンス、ドイツ、イタリア、ラテンアメリカ、スペ

イン、スイス、セネガルへ派遣されています。 同事業は100年の歴史があります。英国が

初めて語学指導助手を独仏と交換したの

は1905年です。英国の中等学校カリキュラ

ムにある言語をもつ20ヵ国と助手を交換し

ています。同事業は英国のイングランド、ス コットランド、ウェールズ、北アイルランドの

各教育担当省から資金を得ています。大多

数の国の教育担当省と二ヵ国間同意がな

されており、そのような国々の担当組織(教

育担当省またはその機関)と直接やり取り

をしています。当該国で活動しているブリテ

ィッシュ・カウンシルは重要な情報伝達およ

び連絡の役割を担っています。 ブリティッシュ・カウンシル日本では、2005年に日本語指導助手を英国に派遣するプ

ログラムを開設しました。2010/11年度は、

6名の日本語指導助手が英国に派遣され

2011年5月まで任務に就きました。 日本語指導助手としての任務に強いご関

心をお持ちいただいた皆様に当該プログラ

ムにご参加頂き、熱心に任務に取り組んで

いただきましたことを大変嬉しく思っており

ます。本編は、その参加者の皆様の報告を

まとめたものです。

最後になりましたが、今後も日本と英国が

効果的で持続可能な連携を発展させていく

ことができるよう心より願っております。

ブリティッシュ・カウンシル

駐日副代表 アリソン・ビール

はじめに

Page 3: Japanese Language Assistant report 2010

ブリティッシュ・カウンシルの教育支援プログラム

学校や教育関連のプログラムを通して、ブリティッシュ・カウンシルは日本と英国の間で、若者、教員、

研究者や教育政策に携わる方の間の強い結びつきとネットワークを構築することを目的として活動して

います。また、英語教育の支援活動を世界各地で展開しています。 ブリティッシュ・カウンシル www.britishcouncil.or.jp

■ 英語教育に関する情報提供 初等中等教育において、世界各国の教育省や地方教育局と連携し、英語教育に関する最新情報の提

供やカリキュラム作成の支援を行っています。 英国および東アジアから英語教育の専門家を招いて、シンポジウムやセミナーを開催するなど、国や

地域レベルで専門知識を共有できる有益な機会をご提供しています。 ■ 英語教員研修 コミュニケーション能力の育成を図るための授業力向上等を目的とした教員研修をご提供しています。 ブリティッシュ・カウンシルの講師は全員、国際的な英語教授法認定資格を保持しています。公立・私

立の諸機関において、若い学習者への豊富な指導経験を持ち、各教育委員会や教員のみなさまの個

別のニーズに対応したプログラムを実施しています。 ■ ブリティッシュ・カウンシルの無料オンライン教材 教員向け、大人向け、子供向けなどの無料英語学習サイトトをご提供しています。教員向けのサイトで

使えるアイディアやヒント、レッスンプランなどの教材がダウンロードでき、効果的で楽しい授業を行う ための情報にアクセスできます。また、オンラインのディスカッションフォーラムに参加して、世界各国の

先生と情報交換ができます。

■ 言語学習への支援 英国の小・中等学校への日本語指導助手の派遣を行なっています。将来教員を目指す若者にとって

有益な指導経験の機会を提供しています。

Page 4: Japanese Language Assistant report 2010

ブリティッシュ・カウンシル日本語指導助手 2010/11 報告書

目 次

報告書 1 京都教育大学 泉 智子 派遣先: Tile Hill Wood School & Language College

1

報告書 2 北海道教育大学 一條 花甫里 派遣先: Hendon School

5

報告書 3 京都教育大学 今井 亮太 派遣先: Haydon School

8

報告書 4 京都大学 川部 瑠衣子 派遣先: Dartford Grammar School

12

報告書 5 清泉女子大学 末木 千尋 派遣先: Grace Academy Coventry

14

報告書 6 北海道教育大学 吉田 麻衣 派遣先: Aquinas College (Stockport Council)

20

(敬称略)

Page 5: Japanese Language Assistant report 2010

1

■ 2010/11 年度日本語指導助手参加レポート ①

Tile Hill Wood School and Language College 派遣 京都教育大学 泉 智子

(1) 派遣先について

私が勤務していたTile Hill Wood School

&Language College は、コベントリーとい

う町にある女子校です。ロンドンから電車

で約1時間、バスで 2 時間半のところにあ

ります。年齢は 11 歳から 17 歳までの生

徒が通う学校ですが、私が担当していた学

年は、Year8(12~13 歳)から Year11(15

~16 歳)なので、日本でいう中学校に相

当するかと思います。Language college

ということもあり、特に語学に力を入れて

います。私以外にも、スペイン語、フラン

ス語、ドイツ語のアシスタントも同じ期間

働くことになるので、心強いかと思います。

先生方はとても気さくで、わからないこと

や問題があれば日本語の先生だけでなく、

その他の語学の先生も力を貸してくれる

のでとても働きやすい環境です。また、渡

英当初の書類の手続き、保険の加入など不

明なことがあれば、school business

manager の方が丁寧に教えてくれ、先生

が一緒に銀行開設に連れて行って下さる

ので安心して仕事ができるかと思います。

(2) 出発前の準備

■ 学校との連絡、教材について

7 月上旬に学校から仕事の依頼のメー

ルがありました。そのあとメンターと連絡

を取り、イギリスの生徒がどのような内容

を日本語で勉強するか、そして指導してい

るかについての概要を知りました。10 月

1 日が初日だとその連絡を通して知った

ので、7 月末には片道航空券を予約しまし

た。

授業に関する教材は学校にあるので、心

配はないかと思います。しかし、授業で見

せてみたいものや、役立ちそうな教材があ

れば、持っていくといいかと思います。例

えば、日本で撮った写真は活用できます。

自分の町の写真、風景、お寺や神社の写真、

家族ほか、日本らしいと思える写真があれ

ば USB に保存して持っていくと、授業で

活用できます。また、日本クラブを担当す

ることになるので、私は筆や折り紙を持っ

て行きました。書道や折り紙は、生徒にと

ても人気があります。そして、私はそろば

んが得意なので、そろばんを持って行きま

した。何か得意なものがあって、ぜひイギ

リスの生徒に教えたいことがあるのなら、

学校は力を貸してくれますし、チャレンジ

させてくれます。きっと、自分の特技を生

かす良いチャンスになるかと思います。

■ ビザの申請について

7 月末に、ブリティッシュ・カウンシル

大阪でのオリエンテーションで、ビザ申請

の方法を聞き、その後オンラインにてビザ

申請の予約をしました。大阪の長堀橋にあ

るビルで必要書類(パスポートや証明写真

等)を持参の上、申請手続きをしました。

そして、ビザの発行が完了したのをオンラ

インで確認し(その説明は、ビザ申請の際、

係の方が教えてくださいますので安心し

て下さい。)、受け取りに行きました。唯

一不安だったことは、ビザ申請の予約をす

る前に、オンラインで家族や自分の誕生日

などの詳細を、きちんと入力できているか、

手順通りできているかどうかでした。しか

Page 6: Japanese Language Assistant report 2010

2

し、ブリティッシュ・カウンシルの担当の

方が、親切に教えて下さったので、8 月中

に書類の出発準備は完了していました。

■ 荷物(スーツケースに入れるもの等)

書類の準備をすると同時に、前もって、

時間がある間に少しずつ荷物の準備をす

ることをお勧めします。イギリス行きの航

空会社が決まると、荷物の重量制限がわか

ります。洋服や靴、鞄、日用品などは、イ

ギリスはお手頃で、日本よりも安いものも

たくさんありますので、たくさん持ってい

かなくても大丈夫かと思います。私は、イ

ギリスに着いて 2 日目に、ホストマザーに

町に連れて行ってもらいました。そこで、

パジャマや洋服、洗面用具など必要なもの

を揃えました。

お手頃なお店:

Primark, H&M, New Look, Boots(薬局)

(3) JLA の業務内容

年度によって、担当する学年は異なるかと

思いますが、私は 8 年生から 11 年生まで

のクラスを担当していました。勤務形態は、

火曜日から金曜日までの週 4 日のうち、

12 時間と木曜日の昼休みに日本クラブを

担当していました。

アシスタントなので、基本的に専任教員

と一緒のクラスに入って勤務しました。最

初の約 1 週間は、学校の雰囲気や授業の流

れを知るため、見学しました。そして徐々

に、机間指導を行い、サポートが必要な生

徒に助言をしたり、別室で小さいグループ

になって個人的に指導したりしました。ま

た、発音やスピーキング、ライティングの

書き方を指導したり、添削をしたりしまし

た。

わからないことや、不明な点があれば、

すぐに専任教員に相談しました。また授業

の打ち合わせやワークシートの作成等は、

学校のメールで先生と連絡を取り合いま

した。家で準備をしたことは、リーディン

グ練習やスピーキング練習のスクリプト

を作ったり、リスニング練習の内容を考え

たりしました。また、リーディングテスト

を作ったりしました。ですが、どのような

ことをするかは学年や学期によっても異

なると思うので、週 1 回のミーティングで

打ち合わせをしました。もちろん、専任教

員がアイディアを提案してくれますし、ど

のような内容を盛り込めばいいかなど打

ち合わせでアドバイスをもらったりでき

ます。

(4)英国での生活

■ 住居について

学校が紹介してくれたイギリス人の夫

婦(60 歳前後で子ども・ペットなし)の

家に住みました。学校まで歩いて 15~20

分のところだったので、通勤はとても便利

でした。しかし、友達と週末に出かける時

や、夜に帰る場合、バスの時間を気にする

必要があったので、私はホストファミリー

に自転車を借りていました。それでも、自

転車で町に出るのに約 30 分かかりました

し、ゆるやかな坂がかなりあるので、寒さ

のひどい冬はとても大変でした。

3食と光熱費込みで週100ポンドでした。

2 日以上外泊する場合や、旅行に行く際は

家賃を払う必要はありませんでした。イン

ターネットは、ホストマザーとケーブルを

シェアしていたので、不便を感じることも

ありました。

Page 7: Japanese Language Assistant report 2010

3

その後、最終的には友だちの家に引越し

をしました。スーパーに買い物に行くと、

野菜や魚、お肉などは手頃で購入できまし

たし、中には、日本よりも安いと思うもの

もたくさんありましたので、自炊すること

も全く問題ありませんでした。

このイギリスでの住居に関して学んだ

のは、学校が家を紹介してくれたからとい

って、必ず住む必要はないことです。実際、

コベントリーには、部屋を貸しているとこ

ろはたくさんあります。現地の学生やアシ

スタント同士で flat share をしている仲

間や、roger と一緒に住んでいた友達もた

くさんいました。また、途中で引っ越すこ

とも可能です。違う文化や習慣をもつ他人

と一緒に住むのは難しいこともあります。

私の場合、学校からの最初にもらったメー

ルで、accommodation を紹介したものを

断ると次は自分で探すよう記載されてい

たので、コベントリーに繋がりもないため、

そこに決めました。その後、ホストファミ

リーと連絡を取り合い、ある程度私の好み

や必要なものなどを伝え、確認をしたつも

りでした。しかし、今思えば、部屋の写真

を送ってもらったり、インターネットのこ

とを詳しく聞いたり、食事は別にしてもら

えば良かったと思いました。同じアシスタ

ントの仲間は、月に 270~300 ポンド程度

で食事は別、部屋も広く、無線 LAN もあ

り充分問題なく生活している友人もたく

さんいました。住居は選べますし、8 ヶ月

間、短いようで長い生活になるので、自分

が納得できる家を探すことが大切だと思

いました。

■ 余暇の過ごし方

アシスタント仲間とよく集まったり、学

校のあとに食事をしたりしました。

Orange という会社の携帯電話を持つと、

水曜日に映画の割引があります。学生割引

に加え、2 人で 1 人分の映画料金で映画を

観ることができるのでよく映画に行きま

した。週末にサッカーの試合を観に行った

り、イギリス国内を旅行したり、フランス

に行ったりしたこともありました。10 月

のハーフターム、12 月のクリスマス休暇、

2月のハーフタームと4月のイースター休

みなど、休みはたくさんあります。休みを

利用して、オランダや、ローマ、ベネツィ

ア、フランス、ポルトガル、スペインに行

きました。

格安航空会社:

Ryanair, easyjet, bmibaby

(4) 新 JLA へのアドバイス・メッセージ

Tile Hill Wood School には、フレンドリ

ーで愉快な先生がたくさんいます。いろん

な先生のお話を聞いたり、興味がある授業

があれば、見学をさせてもらったりすると

勉強になります。イギリスの授業形態は日

本と違うところがたくさんあるので、とて

も参考になります。大阪市内で育った私に

とっては、コベントリーはとても田舎で、

8 カ月住むので充分だと思う反面、Tile Hill

Wood School で、ぜひ専任教員としてチ

ャレンジしてみたい気持ちで複雑でした。

それくらい、学校の雰囲気が好きでした。

生徒と関われば関わる程、問題も出てきま

す。ですが、嬉しいことはその何倍もあり

ました。学校は毎年アシスタントに出会う

ことを楽しみにしています。有意義なイギ

リス生活になることを心より願っていま

す。

Page 8: Japanese Language Assistant report 2010

4

(5) 帰国後の進路・予定

帰国後は、10 月から復学すると同時に、中学の非常勤講師として働きたいと考えていま

す。そして、4 月からは小・中・高校のいずれかの私学教員として勤務できるよう、就職先

を探す予定です。

Page 9: Japanese Language Assistant report 2010

5

■ 2010/11 年度日本語指導助手参加レポート ②

Hendon School 派遣 北海道教育大学 一條 花甫里 1、派遣先 私が派遣されたのは、ロンドン北西部に位

置する Hendon School という言語教育を専

門とする中等学校です。Year7(11-12 歳)か

ら Year13(17-18 歳)まで約 1,300 の生徒が

在籍しています。そして、同校は全校生徒

1,300 人のうち約 500 人の生徒が日本語を

履修している、英国で も日本語学習者が

多 い 中 等 学 校 の 一 つ で も あ り ま

す。’Learning together across the world’と

いう学校方針の元、Year11 までに生徒たち

は 低 4 ヵ国語に触れる機会が与えられま

す。Year7 で日本語又はフランス語言語を選

択し、Year8 でさらにドイツ語又はスペイン語

を選択します。言語を選択する際 10 回のト

ライアル授業が設けられ、生徒たちは言語・

文化に触れながら自分に合う言語を選択す

ることができます。Year9 までは、選択した 2

ヵ国語を勉強しますが Year10 で履修言語を

1 ヵ国語に絞り、Year11 で受験する GCSE

( General Certificate of Secondary

Education)に向けて本格的な授業が行わ

れます。Year12 と Year13 では外国語科目

は選択科目に位置づけられ、GCSE や A

Levels という試験で一定の成績を収めた生

徒が外国語科目を履修することができるシ

ス テ ム に な っ て い ま す 。 ま た 、 Saturday

School や Adult School などのカリキュラム

外で上述した 4 ヵ国語に加えてイタリア語、

アラビア語、中国語、ギリシャ語なども学ぶ

ことができます。

2、出発前準備 7 月中旬にメンターの先生から業務内容の

概要について連絡を頂きましたが、それ以

降先生が休暇に入られたため連絡が取れず、

住居に関する情報が全く得られませんでし

た。しかし、前任の日本語指導助手の方か

ら 2010/11 年度も続けて勤務するスペイン

語指導助手の方の連絡先を教えていただい

たので、学校の様子、住居についてなど

様々な事を事前に教えていただけただけで

なく、住居が決まるまでの間、その方のお宅

に泊まらせていただきとても助かりました。

教材については、事前に日本語の先生か

ら「学校には十分な教材があるので、特に用

意していただくものはありません。」と言われ

ていたので、渡英前に行われたオリエンテー

ションで前任の日本語指導助手の方々がお

勧めしていたもの(シールや筆ペンなど)を

用意して行きました。

3、業務内容 月曜日から木曜日まで週 12 時間、9 クラスの補助をさせていただきました。Hendon School で

は、時間割がそれぞれ異なる Red week と Blue week が隔週で行われるシステムを採用してお

り、私の時間割も週ごとで僅かに異なったものでした。(表 1 参照) 表 1 R:Red week B:Blue week

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日

1 Year12 (R) 文法

Year11 (R) GCSE 対策

Year13 (B) 読解・作文

Year9 文法・語彙

Page 10: Japanese Language Assistant report 2010

6

2 Year8 ひらがな・語彙

3 Year10 GCSE 対策

Year10 GCSE 対策

4 Year9 (B) 文法・語彙

Year11 GCSE 対策

Year11 GCSE 対策

お昼休み Year10 A Levels 個別指導

Japan Club 日本文化紹介

5 Year11 GCSE 対策

Year12 文法・漢字

Year8 から Year11 までのクラスでは、主に

授業の始めのスターターを担当させていた

だくことが多かったです。Year9 までは生徒

に言語を単に学習させるのではなく、言語を

楽しませることが同校の言語教育方針であ

るため、学習項目を含みながらどれだけ生

徒を楽しませ、且つ効果的なスターターがで

きるか、というのがこの 8 ヵ月間の私の挑戦

でした。Year10 と Year11 の授業では、

GCSE で重要な項目の復習、口頭試験の練

習、作文の添削などのお手伝いをさせてい

ただきました。特に、GCSE を 6 月に控えた

Year11 の生徒たちとは、お昼休みなど授業

外で口頭試験の練習をすることが多かった

です。Year12 と Year13 では、授業内での

直接的な補助よりも教材作りや作文の添削

を通しての間接的な補助が主でした。また、

全てを担当させていただいた Japan Club で

は、全学年を対象に日本文化紹介・体験の

活動を行いました。暦に沿って、1 月には書

道を用いての年賀状作り、2 月には鬼の仮

面を作って豆まきなど日本の年間行事体験

や、巻き寿司の試食、浴衣の試着なども行

いました。

4、英国での生活 英国での生活を始めるにあたって、 も苦

労したのが住居探しです。Hendon School

に勤務する言語助手は、基本的に学校のサ

ポートなしで住居を探さなければなりません。

勤務開始と同時に行う国民保険番号や所得

税免除などの申請手続きを円滑に行うため

には、住居の確保が大変重要となります。私

は勤務開始の 1 週間前に渡英し、英国人の

友達の助けを借りながら住居探しをしました

が、家賃、立地、契約期間など全ての条件

が合うものをなかなか見つけられず大変な

思いをしました。時間が限られていたため理

想に合った物件を探すことはできませんでし

たが、フラットメイトに恵まれたこともあって特

に問題もなく、快適な英国生活を送ることが

できました。参考までに、住居探しの際に利

用したウェブサイトをご紹介します。英国国

内で頻繁に使われているものなので、参考

にしていただければと思います。

・Gumtree

http://www.gumtree.com/london

5、新日本語指導助手の方々へ 新たに日本語指導助手として派遣されるみ

なさんへお伝えしたいことは、限りある時間

の中で、一日一日を大切に、そして充実した

ものしていただきたいということです。みなさ

んがこれから過ごされる 8 ヵ月の間に、喜び、

楽しみ、悲しみ、苦労など様々なことを経験

Page 11: Japanese Language Assistant report 2010

7

されるかと思いますが、その全てがご自身

の財産になるということを心に留めておいて

下さい。みなさんの英国での滞在が実りある

ものになるようお祈りしています。 6、今後の進路 7 月からメキシコの日本メキシコ文化センターで日本語夏期集中講座の教師として勤務すること

が決まっています。その後 10 月から大学に復学し、来春 3 月に卒業予定です。卒業後は南米圏

で日本語教師として働きたいと思っております。

7、さいごに 英国で一生の財産となる貴重な 8 ヵ月を過

ごすことができたのは、多くの方に支えてい

ただいたからであると感謝しております。特

に、派遣前から任期終了までお世話になっ

たブリティッシュ・カウンシルのみなさま、こ

のプログラム参加に向けて全面的に支援し

てくださった北海道教育大学の小林先生、

学務グループの荒木さんには心より感謝申

し上げます。また、今年 3 月に日本が大震災

に見舞われた際、Hendon School で日本語

を履修している生徒が中心となって募金活

動が行われたり道端で私が日本人であると

知ると「家族や友人は大丈夫ですか?」と尋

ねられたりすることが多くありました。6月現

在でも、ロンドン市内で日本のためにたくさ

んのチャリティーイベントが催されています。

一個人としてではなく、日本人として本当に

勇気付けられると同時に、英国の人々の日

本を想う気持ちに深く感謝したいと思います。

Page 12: Japanese Language Assistant report 2010

8

■ 2010/11 年度日本語指導助手参加レポート ③

Haydon School 派遣 京都教育大学 今井 亮太 1.派遣先について

今回私が担当した学校はロンドン北西部

に位置する Haydon School でした。Haydon

School は主に言語に特化した学校です。

Year7 から 6th form の Year13 までの生徒

たち約 2000 名が毎日ここで勉強しています。

先述のように Haydon は言語に特化してい

ます。生徒たちは第一外国語、第二外国語

を各自選択し学びます。主な外国語はフラン

ス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語です。

その他中国語、日本語、ロシア語、アラビア

語などがあります。学校内に入るとなるほど、

さすがはランゲージスクールというだけのこ

とはあり、案内版には世界中の言語で「受

付」という言葉が示されています。また国語

科の実践としてブック・デイというものがあり

ました。生徒、教員が各人の好きな物語の

キャラクターに仮装し、その日一日を過ごす

というものです。これはイギリス中の学校で

一般的なものなのか Haydon のみで行われ

ているのかは分かりません。生徒がメディア

の授業で制作したビデオが食堂で流れてい

たり、空き時間はグラウンドでサッカーをして

いたりと、私にとっては海外の学校で働くと

言うことは初めてでしたから、何もかもが新

鮮でした。そんな中での8ヶ月間は私にとっ

て素晴らしい学びの場でもありました。

2.出発前準備について

2.1 ビザの申請、各種資料準備について

事前オリエンテーションは大学の試験の都

合上出席することができませんでした。しか

しながら、ブリティッシュ・カウンシルの当時

の担当者様より代替の電話連絡を頂き、ビ

ザ取得のための資料をそろえることができま

した。また私の大学は京都、ビザセンターは

大阪にありますから、比較的スムーズに取

得できました。

しかし、犯罪経歴証明書は住民票に登録し

た居住地での申請しかできませんので、苦

労を要しました。私は住民票を京都に移して

おらず、地元の宮崎県のままにしています。

申請から発行までは時間がかかります。宮

崎と京都を往復したり、親とも連絡を取った

りとなかなかに時間のかかる作業です。大

学の休学申請のことも、その他の手続きの

こともありますから、事前にしっかりと計画を

立ててされるのがよいと思います。

2.2 メンターとの連絡、教材準備について

メンターの先生より居住のこと、担当するク

ラスのことなどメール連絡頂きました。ホー

ムステイ先を紹介して頂いたおかげで、到着

して空港から家まで何とかたどり着くことが

できましたし、その後の生活も暮らし良いも

のでした。教材準備に関しては日本から、小

学校英語の授業で使用した教材や、図解日

本語やその他日本文化に関する本などを持

参しました。しかし、私の担当した学校では、

後の項目で詳しく述べますが、基本的に

GCSE 対策のクラスでしたから文化に関す

る本はほとんど使うことはありませんでした

し、簡単な読み物すら然りでした。

Page 13: Japanese Language Assistant report 2010

9

3.JLA の業務内容について

JLA の位置づけよりも、まず Haydon におけ

る日本語の位置づけについてお話したいと

思います。日本語の授業は第二外国語の授

業です。第一外国語とは違い、希望者によ

る選択の授業です。しかもその希望者という

のは Year7 初旬のテストで上位成績を収め

た生徒約 30 名です。11 月から彼らの授業

が始まり、授業を受けてみて興味があれば

継続して日本語の授業に取り組みますし、な

ければリタイアしていきます。継続する、しな

いは生徒の自由です。そうして次の学年ま

で続けていく生徒は各学年3、4人。全6学

年を通しても 23 人と極めて少数です。しかし

これは、英語と日本語の言語間の距離を考

慮して、生徒の負担を減らそうという計らい

だと思われます。しかし外国語科以外の部

門の先生の中には、生徒に対して「まだ日本

語の授業を受けているのか?」などと、日本

語に対して否定的な考えを持っている方もお

られるようで、日本語はオプションで肩身が

狭く、残念です。

では JLA の位置づけですが、前述の通り

日本語を受講する生徒は少数です。以下に

時間割を用意しましたのでご覧ください。

月曜 火曜 木曜 金曜 1 2 Year 11 3 Year 11 4

昼休み Year 12 Year 7 Year 12 5

6 Year 11 Year 4 Primary School

放課後 Year 8,10(2h) Year 12(1h)

Year 8(1h) Year 9(1h)

前年度までは日本語クラブのようなものがあ

り、文化や会話などの時間が設けられてい

たようですが、本年度はそういったものがな

くなり、すべて GCSE 対策のクラスになりま

した。ご覧の通り、私は Year 7 から Year 12

までを担当し、また火曜日には近隣の小学

校へ出かけ日本語を教えていました。水曜

日は休みですので週4日間、計 11 コマの授

業の担当でした。

Haydon には、常勤でイギリス人の先生1

人、非常勤講で日本人の先生が 1 人おられ

ます。勤務形態もお二人によって内容が変

わりますので前者の形態を A、後者を B とし

たいと思います。 A の場合

A の場合の担当は Year 7, 11, 12 でした。そ

れぞれの受講人数(2011 年 5 月現在)は 8

名、3 名、4 名です。人数を確認して頂いた

通り、メインの先生1人でまかなえる人数で

す。ですので、授業中に特別することはあり

ません。活動の人数合わせのために参加し

たり、ライティングで実際場面の使用につい

て助言したりするくらいです。しかし、先生(私

Page 14: Japanese Language Assistant report 2010

10

のメンターでもいらっしゃる)は、ドイツ語も教

えておられ、大変忙しい方でした。授業時間

に会議がよく入り、おそらく私は代わりに授

業をするために用意されたのだと思います。

どちらかと言うとアシスタントというよりも、代

替の教師という認識の方がよいと思います。

B の場合

B の場合の担当は、Year8, 9,10 でした。非

常勤講師の先生と一緒に授業を進めました。

Year8 と 10 は同じ時間に行われます。それ

ぞれの日本語力には差がありますので、私

は遅れている生徒について指導しました。こ

ちらの場合、先生は学校に常在ではなく授

業の度に学校に来られるので、事前の打ち

合わせはほとんどできません。実際に授業

の中で担当を振られて、例えば、即興で単

語のプラクティスを考えたり、場合によっては

2 時間丸丸教えたりしました。

4.英国での生活

生活、余暇についてはおおむね満足して

います。日本とは違いイギリスは2月に1度

まとまった休みがあります(私にはそれさえ

カルチャー・ショックでしたが)。ですので、そ

の休みを利用してイギリス国内を回ったり、

ヨーロッパへ足を運んだりしていました。旅

行するために普段は節約に努め、できるだ

け安いスーパーを見つけたり、そしてそこで

はスーパーのカートの大きさに驚いたり、毎

日色々な発見がありました。イギリス料理は

おいしくはありませんが、イギリスで食べるス

ペイン料理だったり、イタリア料理はなかな

かおいしかった記憶があります。機会があれ

ばチャレンジしてみてください。

5.新 JLA へのメッセージ

Haydon School 外国語科は皆仲良く、互い

に 助 言 し 、 雰 囲 気 の よ い 所 で す 。 ま た

Haydon 担当に関わらず、このプログラムで

派遣される皆さんについても、それぞれがそ

れぞれに日本語指導助手としてやるべきこ

と、やれることを存分に発揮してほしいと思

います。

そして、日本はやはり遠いですね。他の言

語のアシスタントたちはハーフタームになれ

ば故郷に帰っていきます。一人寂しさを感じ

ることもあるかも知れませんが、不安や孤独

に負けず、今ある幸福をかみしめながら邁

進していってください。

6.帰国後の進路について

帰国後は復学します。そして大学院進学を考えています。帰国後大学院入試が控えています。

将来については教員志望です。 7.所感

日本とイギリスという国にはまだまだ多く

の隔たりがあります。日本人を見て日本人だ

と思うイギリス人はどれほどいるでしょうか。

イギリスにいる間色々なことがありました。

中国が GDP で日本を抜き去り、日本では大

地震が起こり、イギリスでも 2 週間ほど第一

Page 15: Japanese Language Assistant report 2010

11

面で扱われていました。ロンドンマラソンで

は日本人選手を受け入れ、彼らの寛容さと

慈悲の念を感じましたが、それでも沿道の応

援者は黄色い肌に黒い髪の日本人選手を

見ては中国人だと言っていました。まだまだ

イギリス人にとって、あるいは欧米人にとっ

て日本人は見慣れない存在です。一方では

日本の事を思い被災した日本を支援してく

れるイギリス人がおり、他方では日本人を全

く認識できない半面もあるのです。日本語指

導の役割や、国際交流の役割を考えさせら

れる時間だったなと思います。

この8ヶ月という、非常に貴重な時間を与

えてくださったブリティッシュ・カウンシルを始

め、受け入れ先の Haydon School、関係者

の皆さまに多大なる感謝を示し、所感といた

します。

Page 16: Japanese Language Assistant report 2010

12

■ 2010/11 年度日本語指導助手参加レポート ④

Dartford Grammar School 派遣 京都大学大学院 川部 瑠衣子 1. 派遣先について

私が派遣されたのは、イギリス南東部

ケ ン ト 州 に あ る Dartford Grammar

School(以下 DGS)です。DGS では

Sixth form(16-18 歳)のみ女子の入学

を許しているため圧倒的に男子の割合

が多いです。外国語教育に力を入れて

おり、日本語を含め 10 ヶ国語を学ぶ機

会があるようです。通常のAレベルでは

なく、IB(International Baccalaureate)

制度を採用しており、特別なカリキュラ

ムのもとで学びます。生徒のほとんどが

大学進学を見据え真剣に勉強していま

した。

2. 出発前準備

DGS では 初の一カ月は見学で、授

業準備の時間が十分あると聞いていた

こともあり、日本語の教材はほとんど持

っていきませんでした。出発 2 週間ほど

前に実家へ引っ越し、荷造りに取り掛

かりました。大きなスーツケース 20 キロ

が一つと手荷物が 5 キロ、ラップトップ、

を持って行きました。DGS ではスーツで

はないもののフォーマルな服や靴が必

要です。日本人、特に小柄な人の場合

サイズに合うものがあるとは限らないの

で、ある程度は持っていくことも必要に

なるかと思います。日本文化を紹介す

る Japan Club を担当するので、日本文

化を紹介できるものをもっと持っていけ

ばよかったと思います。特に箸、風呂敷

または和風のハンカチは贈り物に喜ば

れますし、折り紙、アニメに関するもの、

CD や DVD、若者向けの雑誌は学年を

問わず生徒の興味を引けると思います。

おもちゃの硬貨やお札も便利でした

(100 円均一で買えます)。

3. 業務内容

おもに Year12 と 13 の会話クラス(それ

ぞれ、Standard と Ab Initio の2レベル

に分かれています)を担当しました。生

徒数は各クラスに 4~9 人でした。DGS

では、アシスタントとはいえ、授業準備

も授業も一人で行います。通常の会話

クラスの他に、Support Club という

Year9-10 の補習授業や、Year7-8 を対

象とした Japan Club という文化紹介の

クラブも担当しました。5 月になると

Year12、13 がテスト期間に入るためス

ケジュールが大きく変わり、小学校への

派遣授業や Evening Class という大人

向 け の ク ラ ス も 受 け 持 ち ま し た 。

Bilingual Project という、他教科と外国

語のコラボ教育も試されており、その教

材作りもアシスタントの仕事でした。他

には、翻訳や会話テストの手伝いなど

「アシスタント」としての仕事も随時入り、

なかなか忙しかったです。

Page 17: Japanese Language Assistant report 2010

13

4. イギリスでの生活

住居:徒歩 10 分という環境はよかった

のですが、とにかく寒いのが問題でした。

雪の降る日に暖房が壊れ、お湯が止ま

り、壁に穴を発見し・・という事態が何度

か起こりました。大家さんは非常にアク

ティブ、エコにも気を使う方で、一緒に

住んで多くのことを学びましたが、お互

いの体感温度の違いと、自由に暖房が

使えないストレスを考えると、引っ越しを

考えてもよかったかもしれない、とも思

います。

休暇:長い休みが多いので、仕事だけ

でなく自分の趣味や興味に費やす時間

がたくさんあります。Ryan Air や Easy

Jet という格安航空会社はたまに驚くほ

ど安いときがあるので、早めかつ定期

的にそれらのサイトをチェックして旅行

を計画するといいと思います。Dartford

はロンドンに近い(電車で 45 分くらい)

のが特権で、One day Travel Card と

いう乗り放題のチケットを買ってよく遊

びに行きました。25 歳以下でしたら

Young Person Travel Card を購入す

れば、三分の一の料金で電車に乗れま

す。また、3 人以上で買えば Group

Saver を利用でき、お得です。もちろん、

旅行だけでなく、英語の学校に通ったり

することもできます。学校でも様々な催

しや職員向けサービスがあるはずなの

で、探してみるとよいと思います。私は

週に一回、学校の施設で行われるピラ

ティス教室に通っていました。

5. 役にたつ教材

地元の図書館で見つけた English Grammar Games and Activities(Penguin English

photocopiable)は英語の学習書ですがコピーしてそのまま使えるものが多く、非常に役立ち

ました。

6. 来年度の方へ

8 か月を終えると、人それぞれ得たもの

や大切な思い出がたくさん出来ると思

います。私の場合、様々な人と知り合い、

悩みも喜びも共有でき、助け合える仲

間ができたことが何よりの宝だった、と

感じています。それは現地で出会った

たくさんの人々でもあり、日本の JLA の

仲間でもあります。困った時は抱え込ま

ず相談し、アイデアや何かいい情報が

あったら教えてくださいね。

教室で、アシスタント仲間と

Page 18: Japanese Language Assistant report 2010

14

■ 2010/11 年度日本語指導助手参加レポート ⑤

Grace Academy 派遣 清泉女子大学 末木 千尋 1. 派遣先教育機関の概要

Grace Academy Coventry(以下 GAC)は

Coventry の中心部から 3 マイル程離れた場

所に位置しており、11 歳から 19 歳までのお

よそ 800 名の学生が在籍している私立の

Secondary school です。キリスト教の価値

基準を基本理念とし、現代社会に貢献しそし

て成功していけるような有能で力強い価値

観を持った人材を育てる教育を幅広く展開し

ている学校です。言語教育だけでなく、ビジ

ネス、エンターテインメント、アート、スポー

ツ・サイエンス、バリュー教育等の様々な科

目が魅力の一つとなっています。言語教育

に関しては、フランス語、スペイン語、アラブ

語そして日本語が教えられています。また、

日本語は enrichment subject として扱われ

ているため GCSE 等の試験は行われてお

らず、今後も本格的な日本語教育を行う予

定はないようです。

2. 出発前準備(日本にて)

① 派遣先学校との連絡・その他

比較的早い段階からメンターと連絡を取り合

うことができました。学校の概要、担当する

学年や日本語授業の位置づけについて、住

居や入国時の出迎え等についてメールで連

絡し合いました。また、同時期に学校のセク

レタリーより雇用通知の書類もメールで受け

取りました。

② 持参すべき教材等

折り紙、シール、筆ペン、年間行事(正月、

節分、ひな祭り、子供の日、十五夜、七五三、

年末年始等)に関する小道具、その他。

※GAC の様に試験対策ではなく日本の言

語や文化の紹介を中心に行う場合は、日本

でしか手に入らないだろう道具が必要となる

でしょう。特に筆ペンは 30 本持って行きまし

たがとても重宝しました。GAC の様に 1 クラ

スの生徒数が多い場合、道具は数を揃えて

おくとよいでしょう。

③ VISA(2010 年 8 月現在)

日本語指導助手として英国に滞在する日本

人 は Tier5 (Government Authorized

Exchange)というカテゴリーの VISA を取得

します。この VISA は政府の機関もしくはそ

れに準ずる機関からのサポートがある場合

の仕事に与えられるもので、 長 2 年までの

滞在が認められます。ただ、2 年目に派遣先

学校を変更する場合は VISA の延長は認め

られません。また、学生、婚約、就労等その

他のカテゴリーへの変更も認められないた

め、注意が必要です。申請から取得までに

は早くて 1 週間遅くて 1 カ月ほどかかるよう

です。私は 1 週間で届きました。オリエンテ

ーションで説明される通りに申請すれば簡単

です。

④ 犯罪経歴証明書

イギリスの学校教育機関で生徒と接する仕

事をする場合、必ず CRB Check というもの

にクリアしなければなりません。そのための

書類を住民票のある市町村の警察署で事

前に取得します。ほとんどの市町村で申請も

受け取りも本人出頭が原則です。申請から

受け取りまでには 1 週間半かかりました。

⑤ 渡航手段と荷物

航空券に関しては、往路は British Airways

の公式サイトより片道航空券を購入しました。

キャンペーン中だったこともあり 2 万円の追

加でアップグレードすることができ、スーツケ

Page 19: Japanese Language Assistant report 2010

15

ースも 2 つ預け入れることができました。購

入金額合計は約 10 万円でした。復路は

KAYAK というサイトを使い調べました。結局

Emirates の公式サイトより片道航空券を購

入、約 450 ポンドでした。Emirates の 大の

魅力は、30 キロまでのスーツケースを預け

入れられるということです。また、持参する洋

服に関しては、こだわりがない限りこちらの

PRIMARK で購入するのがよいでしょう。ま

た、初めの 1 カ月の資金の持参方法ですが、

インターネットでポンド建ての TC を購入し持

参しました。サイトはセシールを利用し、種類

は AMEX の TC でした。キャンペーン期間中

だったこともあり手数料もかかりませんでし

た。現金を持参するよりもレートがいいので

TC を購入することをお勧めします。2010 年

10 月の時点では、英国の Lloyds 銀行で 1

日500ポンドまで無料で換金でき、M&Sでも

1 日 200 ポンドまで無料でできました。また、

帰国時のポンドから円への換算についてで

すが、こちらも比較的換金時のレートの良い

ポンド建ての TC を購入し、しばらくは保管し

ておいて時期を見て換金する予定です。

⑥ その他

必須ではありませんが、海外旅行傷害保険

に加入していくことをお勧めします。英国滞

在中に様々な国へ旅行に行くと思われます

が、全てにカバーされる保険もありますので、

私は知り合いの保険会社で約 9 ヵ月間の保

険を契約しました。金額は約 7 万円でしたが、

6 万円~8 万円が相場のようです。

3. 各種手続き(英国にて)

① 英国入国手続き

私はヒースロー空港を利用し英国へと入国

しました。入国時にはもちろん各種情報の提

示が求められます。パスポートのほかに事

前 オ リ エ ン テ ー シ ョ ン で も ら っ た T5

Confirmation of Maintenance Form を入国

審査官に見せました。質問は入国目的、滞

在期間でした。また、滞在先住所及び連絡

先の情報も必ず準備しておく必要がありま

す。

② 銀行口座開設

学校のセクレタリーより銀行口座開設のため

の手紙(勤務契約期間、英国での住所を記

載 ) を 作 成 し て も ら い 、 パ ス ポ ー ト 、 T5

Confirmation of Maintenance Form、学校

側から渡英前にメール添付で送られてきた

Appointment of Japanese Language

Assistant 2010-2011 等 の 書 類 を も っ て

Lloyds 銀行へ行きました。事前に予約を取

ってから行くとよいでしょう。開設には 30 分

ほどを要し、自分に必要な機能を付けたり省

いたりしていきながら手続きを行っていきま

した。

③ 英国での雇用のための書類及び

income Tax

任期当初に P46(Employee without a form

P45)という書類を作成しました。これは雇用

主(学校等)から渡されるものであり、雇用主

とともに作成にあたりました。また、昨年まで

は P86 という書類もあったようですが、今年

から廃止されたようでした。(2011 年度以降

のことはわかりません。)

また、4 月に新しい Tax year となり 4 月及び

5 月の給料から運悪く Income tax がひかれ

てしまう人もいるでしょう。今年の場合は 1 カ

月に 51 ポンドひかれました。これは日英の

協定上引かれるべき Tax ではないので、クレ

ーム・バックをする必要があります。その際

必要となる書類は下記のとおりです。

1) P85 ( Leaving the UK- getting

your tax right)

2) British Council からの手紙

Page 20: Japanese Language Assistant report 2010

16

まず私がしたことは HMRC というオフィスの

ヘルプラインに電話をしP85の書類を取り寄

せました。この書類はウェブでも参考程度に

閲覧することはできますが、実際に届いた今

年度用の P85 はウェブのものとは少し中身

が違いました。実際に届いた P85 によると、

一時的に英国で働きその後母国に帰る場合

で income Tax が余計にとられた人は P85

を帰国前に HMRC(学校が使用してる支店)

に送るだけでタックスバックが可能です。ウェ

ブ上の P85 には、If you have a form P45

and don’t send it to us, any repayment

due to you cannot be made.と書かれてい

ましたが、実際に手にした P85 には、………,

any payment due to you may be delayed.

と 変 更 さ れ て い ま し た 。 本 来 な ら P45

(Details of employee leaving work)という

書類を雇用主から受け取りそれを P85 と共

に送付しなければなりませんが、P45 は雇

用契約終了後でしか手に入りません。その

ため P85 の 後にこのような文章が書かれ

ているのだろうと理解しました。税金が戻る

までに 5 か月ほどを要するだろうと推測され

ますが、気長に待つしかないと思います。ま

た、この手続きを行うためには UK の銀行口

座を開けたままにしておく必要があります。

P85 で手続きすれば小切手での返金だけで

なく銀行(UK の銀行口座のみ)振り込みを

選ぶことも可能です。また、BC からの手紙

はロンドンオフィスのジェームスに依頼しまし

た。

④ Police check

学校の担当者より紫色の書類(書類名は不

明)を渡され記入しました。私の場合 EU 以

外の国籍だったからか、すでに学生ではな

い身分だったからか、既定の書類以外に現

地英国の銀行の statement が必要でした。

また、この CRB Check の申請は 10 月に行

いましたが、自宅に Enhanced Criminal

Record Certificate が届いたのは 12 月の中

旬でした。また、この申請が下りるまで学内

の ID カードを作ることが許可されておらず、

また教員による付添なしでは学内を動き回

ることすらできませんでした。なので、 初の

3 カ月はまともな授業もできませんでしたし、

学内を自分の意思で移動することすら困難

な状況でした。

⑤ NI number

学校側より、既に申請済みなのであとは自

宅に書類が送られてくるはずだ、と言われ待

つこと 5 カ月。一向に進展しないので、自分

で Job Centre に連絡をとりました。手続きが

遅れているどころか、手続きすらされていな

い状況でしたので、さっそく事情を話し書類

を自宅に送ってもらいました。日本人は

VISA をもっているため Job Centre にいかな

くても書類の郵送手続きだけで取得は可能

です。ただ、パスポートの写真のページと

VISA ページのコピーを添付する必要があり

ます。書類を郵送後 1 週間で NI Number が

届きその後 1 ヶ月半ほどでカードが無事に

届きました。

⑥ General doctor 登録

学校近くの病院で登録をしました。病院に行

き登録したい意思を伝えたところ、翌日パス

ポート等の身分証明書をもって再度病院へ

来るように言われました。翌日再度来院し書

類を作成しました。その後約 1 ヶ月後にカー

ドが届きましたが、結局 1 度も病院にお世話

になるようなことはありませんでした。

⑦ 在留届の提出

インターネットでロンドンにある日本国領事

館のページより在留登録をしました。登録を

してからは、大規模なデモ開催による注意

喚起のお知らせ、在外選挙のお知らせ、そ

の他各種連絡やメール等が届くようになりま

した。

Page 21: Japanese Language Assistant report 2010

17

4. 業務内容

① JLA の役割(位置づけ)

GAC の JLA に求められていることは日本の

言語及び文化の紹介でした。生徒は主にフ

ランス語やスペイン語を履修しているのです

が、日本語という新たな言語に触れることで

彼らの外国語に対する興味や関心をより引

き出す意図があったようです。

② 勤務形態

基本的に月曜日から木曜日までの週 4 日の

勤務となりました。タームごとに受け持つクラ

スが変わるので、その都度メンターに予定を

聞く必要があります。契約では 12 時間でし

たが、10か月を通して12時間教えた週は一

度もありませんでした。

③ 担当学年と授業内容

年 間 を 通 し て 担 当 し た 学 年 は year8 、

post16(year12,13)そして Japanese club で

した。Year8 は 1 週間に 2 時間の授業があり、

約 6 週間ごとに受け持つクラスが変わります。

また、post16 は年間を通して週に 2 時間連

続して担当していました。Japanese club は

木曜日の放課後に毎週 1 時間持っていまし

た。それら以外に year7、humanity のクラス、

Artのクラス Year13 の個人授業(週 3 時間)

などがあり、タームごとに様々なクラスに参

加することができました。

授業は 4 つの要素で構成しました。①スター

ター(復習)②PPT による説明(スピーキング

とリスニング)③プリント(ライティング)④活

動(創作活動)又は視聴覚教材(リスニング)

です。このように 1 コマに全ての学習要素を

入れるよう努力しました。主な一例を紹介。

スターター(10 分) PPT(10 分) プリント(15 分) 活動等(25 分) ワードサーチ、 クイズ等(復習)

挨拶、数、色、

家族、 簡単な動詞、 簡単な名詞、 日本の文化

簡単な文章作成(アルファベット使用)、文字を書く(平仮名

等)、 正誤問題

折り紙、カード作り、PCゲーム、か

るた、ビンゴ、福笑い、映像等(映

画、アニメ、歌)、お面作り、あやと

り、ミリオネアクイズ、お箸の使い

方、日本文化体験、フルーツバス

ケット等の教室活動等

また、当初から小学校での勤務も希望して

おり、8 カ月を通して週に 1 日だけでしたが

近くの小学校の year4 のクラスを担当するこ

とができました。小学生はとても素直で元気

いっぱいです。また、日本への関心もとても

高く、常に満足のいく学習成果を確認するこ

とができました。授業内容は前述したような

内容のほかに天気、日本の小学校について、

文房具の名前、日本の絵本、童謡などそれ

ぞれをより丁寧にじっくりと教えるように心が

けました。

④ 使用したサイトやお勧めの教材など

基本的な事ですが、ほとんどの物は国際交流基金のサイトに集約されていますし、FLA のサイト

にも豊富なアイデアが載っているので参考にするとよいと思います。また、GAC からアカウントを

貰いゲームをオンラインで作成して使用したりもしました。

http://www.jpf.org.uk/language/teaching_resources.php

http://www.linguascope.com/

⑤ その他

日本語や日本文化教育以外に何か平和教 育につながる活動をここ英国で行うことを決

Page 22: Japanese Language Assistant report 2010

18

めていました。

そこで 2011 年 1 月より「One Thousand

Paper Cranes Project」と題し、ヒロシマと平

和についてスケジュールとは別に授業をさ

せてもらっていました。Coventry は平和と復

興の町として知られており、大聖堂には広島

から送られた千羽鶴や平和の銅像も飾られ

ています。学校全体が結束したことで、4 月

の終わりには広島の平和公園に私たちの千

羽鶴が届き平和の子の像のもとに飾られま

した。また、5 月にはメンターからの勧めで

Coventry Community Cohesion Award

2011 というものに応募し、この千羽鶴プロジ

ェクトをより多くの市民と共有することができ

ました。

(千羽鶴の完成式 year8 の生徒たちと) (広島の平和公園に送られた千羽鶴)

5. 英国での生活

① 住居について

学校から徒歩 15 分ほどのところにある若い

夫婦の家庭にお世話になりました。20 代後

半の両親と 1 歳半の子供そして子犬が 1 匹

いました。月 300 ポンドの家賃には部屋代、

水道光熱費、生活必需品(タオル、シャンプ

ー・リンス、洗剤他)、インターネット(ワイヤ

レス)のほかに日常的な食品(パン、ミルク、

チーズ、ハム、調味料他)も含まれていまし

た。そのため朝食は家賃に含まれていたよ

うなものでした。彼らと夕食をともにすること

もありましたが、ほとんどは部屋で一人でと

りました。部屋には 46 インチの壁掛けのテ

レビがあり、skyという日本のスカパーのよう

な衛星放送が入っていました。またインター

ネットもワイヤレスでしたので、通信手段に

は困ることはありませんでした。ですが、こち

らのネット事情は複雑で電話が鳴るとインタ

ーネットは切断され、気まぐれで何度となく

接続ができない日もありました。日本のよう

に便利ではないことを覚悟しておくとよいでし

ょう。部屋は夫婦が寝室として使用していた

部屋を貸してくれたのでとても広くて明るくて

快適でした。ホームステイというものではなく

居候という立場でしたので、余暇を共に過ご

すことはほとんどありませんでした。ですが、

若さゆえに生活スタイルにこだわりがあるわ

けでもなく、私という外国人を好意的に受け

入れてくれてもいたので、日常生活で衝突す

ることもなく心地の良い 8 カ月を過ごすこと

ができました。平日は夫婦ともに仕事をして

いたので、実家の両親が孫の面倒やペット

の世話をしており、平日も休日も家族の出入

りの激しい家でした。良い意味でとても賑や

かでした。

Page 23: Japanese Language Assistant report 2010

19

② 週末及び休暇の過ごし方

週末は他のアシスタントと会ったり英国内外

へ旅行に行ったりしました。また、月に 2 回

Coventry Language Café という集まりに参

加し英語の勉強やスペイン語の勉強もして

いました。勤務後半は他のアシスタントと会

うよりも現地で知り合った友人と出かけるこ

との方が多かったです。

6. 新 JLA へのアドバイス・メッセージ

このプログラムは週に平均して 12 時間ほど

の勤務時間しかありません。なので、想像以

上に自由な時間があると思います。自分自

身の研究や英語の勉強等に精一杯時間を

使ってください。8 ヶ月間はあっという間です。

悔いのないように過ごしてください。また、英

国人は“聞かれないと答えない”という風潮

があります。答えを待っているのではなく、何

事にも積極的に挑んでいってください。

■ 2010/11 年度日本語指導助手参加レポート ⑥

Page 24: Japanese Language Assistant report 2010

20

Grace Academy 派遣 北海道教育大学 吉田 麻衣 1.派遣先学校と JLA の学校での役割

私 は Aquinas college と い う 6th form

college(16 歳から 18 歳の大学入学前の学

生が在籍しています)に派遣されました。学

校は、Manchester の南にある Stockport と

いう町にあります。

Aquinas college では、Modern Foreign

Language として、日本語の他にフランス語、

スペイン語、ドイツ語、イタリア語を教えてい

て、British Council 派遣のフランス語、スペ

イン語、ドイツ語のアシスタントがいました。

中国語とロシア語は Enrichment という(試

験を実施しない)自由選択の科目になってい

て、British Council 派遣の中国語アシスタン

トもいました。

学生はここで、大学に入るための勉強をし

ています。大学に入るために必要な試験が

あるのですが、日本のように高校で勉強しな

ければいけない科目が決まっておらず、学

生は大学で勉強したい科目を自分で選択し、

その科目の試験を受けるため、ここで勉強し

ています。

そのため、フランス語などの他の言語はも

ちろん、数学や英語、美術や音楽など他の

科目を履修する学生は、大学入学に必要な

スコアを取るために勉強をしています。しか

し、日本語を履修する学生のほとんどはここ

ではじめて日本語を勉強するので、GCSE と

いう試験から受けなければいけません。

GCSE 試験は、Secondary School の時に

受ける試験なのですが、大学入学に必要な

試験を受けるためには、同じ科目の GCSE

を受けていることが前提になっているため、

学生は GCSE 試験の勉強からはじめなくて

はならないのです。1年生で GCSE を取得し

た学生のうち何人かが、2年目によりレベル

の高い AS という試験を受けるための勉強を

始めます。ごく少数の学生が大学で日本語

を専門に勉強するため AS より上の A2 とい

う試験を受けることもあります。

私は今年、GCSE を週7時間(7グルー

プ)、A Level(AS、A2)を週3時間(3グル

ープ)、日本文化のクラスを週2時間(2グル

ープ)受け持っていました。GCSE の学生に

はメンターの先生の行っている日本語授業

の復習や、Speaking 試験の準備を中心に

行いました。AS、A2 の試験には Speaking

がないので、彼らには漢字のゲームをしたり、

Web サイトや歌などの生教材を使って授業

しました。日本文化の授業では折り紙をした

り、書道や茶道をしたり、箸でお菓子をつか

む練習をしたりと、学生が自ら楽しめる活動

を取り入れました。

学生はおとなしい子ばかりではなく、時に

は授業がうまくいかずに悩んだこともありま

したが、そのたびにメンターの先生と相談し

て、個人面談をしたり、授業のやり方を変え

たりしながら試行錯誤しました。 初は日本

語が全く分からないと言って、何を言っても

興 味 を 示 さ な か っ た 学 生 も 、 後 の

Speaking 試験が終わった後には「ありがと

う」と笑顔で言ってくれて、とてもうれしかった

です。イギリスの学生は、日本の学生とは全

然違って、戸惑うこともたくさんありましたが、

私はとても良い学生に恵まれたと思っていま

す。

2.出発前準備

Page 25: Japanese Language Assistant report 2010

21

初 に 、 Stockport Council か ら

Language Assistant として雇いたいというメ

ールをいただき、それに Confirm のメールを

送りました。その後、メンターの先生から連

絡をいただいて、学校の概要や、年間のス

ケジュール、使っている教科書や学生のレ

ベルなどを教えていただきました。私の学校

は、日本人の日本語の先生がいて、その方

が私のメンターだったので、出発前のコミュ

ニケーションでは特に困ったことはありませ

んでした。ただ、7月中旬から9月の中旬ま

で学校がお休みなので、その間はなかなか

連絡を取ることができませんでした。

出発前には、Stockport Council の方とも

よく連絡を取り合いました。イギリスの学校

で働くために必要な書類のことや家の手配

などはすべて Stockport Council の方がして

くれました。働き始めてからも、Stockport で

働いているアシスタントのための勉強会やミ

ーティング、個人面談(何か困っていることは

ないか、アシスタントの任期終了後はどうす

るのかなど話しました)まであり、困ったこと

があってもすぐに相談にのってくれたので、

とても働きやすい環境だったと思います。

また、出発前にはたくさん書類の準備をし

なければなりません。British Council から書

類をもらってビザの手配をしたり(東京までビ

ザのための面接に行ったり)、航空券や海外

旅行保険の手配を行ったり、病院や警察か

ら必要書類をもらったりとたくさんやることが

ありました。書類の準備には長い時間がか

かることもあるので、早めにやっておくことを

おすすめします。

それから、イギリスに持ってくる荷物です

が、私は持ってきたもので使わなかったもの

やいらなかったなと思ったものがたくさんあり

ました。例えば、冬のブーツや厚手の洋服な

どです。洋服や日用品はイギリスでも普通に

買うことができるので(服や靴、かばんはこ

ちらの方が買いやすいかもしれません。)日

本でしか手に入らないものを厳選して持って

きた方がいいと思います。マスクとホッカイロ

はこちらでは買えないので、必要であれば持

ってくることをおすすめします。日本食や一

部の調味料も、中華街などで買うことができ

ました。しょうゆやみりんはもちろん、お好み

焼きソースやすし酢、めんつゆまで売ってい

て驚きました。ただ、日本のお菓子は決まっ

たもの(コアラのマーチやポッキーは中華街

にありました。)しか買うことができないので、

あめや駄菓子など小さいお菓子を日本から

持ってきてよかったと思いました。駄菓子は

学生が喜んでくれました。

薬類は、常備薬があればそれを持ってくる

くらいで大丈夫だと思います。私は風邪薬を

持ってくるのを忘れましたが、こちらのスー

パーで買った風邪薬をよく使っていました。

それから、冬は寒いので、心配であればイン

フルエンザの予防接種を受けてくることをお

すすめします。

3.英国での生活について

イギリスでの生活は日本のそれに比べる

ととても緩やかで、たくさん時間があります。

特に、こちらの学校はとにかく休みが多いの

で、その期間を有効に使えるように、渡英前

に旅行の計画を立てておくといいかもしれま

せん。私はイングランド内でしか旅行しませ

んでしたが、ヨーロッパも近いのでいろんな

国に行くことができると思います。また。イギ

リス国内であれば週末を使っていろんな町

に行くことができますよ。

それから、旅行をしなくても自分なりの楽

しみ方を見つけることをおすすめします。私

Page 26: Japanese Language Assistant report 2010

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はキリスト教徒ではありませんが、日曜日に

は家の近くの教会に通って、いろんな人と会

話をすることが楽しみでした。木曜日には近

くのパブに Stockport の他の Assistant たち

と行って、クイズナイトに参加しました。クイ

ズは難しかったですが、イギリスの歴史のこ

とから TV 番組やタレントのこと、サッカーの

こと(いかにもヨーロッパという感じです)など

勉強にもなって、とても良い経験でした。

後に、新 JLA のみなさん、8ヶ月は本当

にあっという間に過ぎてしまうので、たくさん

イギリスの生活を満喫してくださいね。