第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(jaxa)

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流体機械における最適設計の実践 金崎 雅博 首都大学東京 システムデザイン学部 航空宇宙システム工学コース [email protected] Follow me!: @Kanazaki_M (twitter.com/Kanazaki_M) 第21回新生流体科学セミナー 宇宙航空研究開発機構 調布航空宇宙センター

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第21回新生流体科学セミナー講演資料.@宇宙航空研究開発機構(JAXA) 私が保有する最適設計の手法と実践例を紹介.自動車エンジンマニフォールド~火星探査航空機翼型~プラズマアクチュエータの実験的最適あ

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Page 1: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

流体機械における最適設計の実践

金崎 雅博

首都大学東京システムデザイン学部

航空宇宙システム工学コース

[email protected]

Follow me!: @Kanazaki_M (twitter.com/Kanazaki_M)

第21回新生流体科学セミナー 宇宙航空研究開発機構 調布航空宇宙センター

Page 2: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

もくじ 最適化,とは? ~ 極値の求解から設計探査・Inovizationへ

実問題の解法

多目的評価法~Pareto Ranking法

遺伝的アルゴリズム

近似関数法,Kriging法

データマイニング,多変量解析

航空機設計問題に適用するために

考えに入れる必要がある制約条件

適用する評価方法

CAD

適用例1:自動車エンジン排気マニホールド設計(MOGA)

適用例2:PARSEC法の改良と火星探査航空機翼型設計(MOGA/PCP)

適用例3:実験的評値に基づくプラズマアクチュエータの配置最適化(Kriging/MOGA/ANOVA/PCP)

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最適化,とは?

~ 極値の求解から設計探査・Inovizationへ

3

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最適化とは?(1/4)

ある(目的)関数の最大値,最小値,希求値を求める

勾配が0となる点を求めることで求解可能

多峰性がある場合,複数の勾配0の点

勾配0の解は必ずや実用上の最適解であるか?

解の解釈

適切な問題設定

4

説明(設計)変数

目的関数

説明(設計)変数

目的関数

最適化ツールさえあれば都合の良い答えが得られる訳では無い

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最適化とは?(2/4)

発見的手法の利用

勾配0を狙う方法→決定論的手法

局所的最適解が見つかる

最適性は保証

勾配法などが有名

多くの集団で比べあうことで求解

→発見的(確率論)的手法

大域的最適解が見つかる

最適性の保証は無いが集合を観察することでいろいろな知識を得ることが出来る

進化計算などが有名

5

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最適化とは?(3/4)

実問題・システム設計問題(空力最適化,構造最適化,制御系最適化)

設計問題の吟味

効率的最適化法

後処理(流体可視化等と同じ?)

私見ですが…

実問題対応のためには分かりやすい手法を選択することも必要

ベテランの方々から本質的で有用な御意見を頂くために

Pre/post processの重要さ

問題設定の面白さと適切さが最適設計研究には肝要

6

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最適化とは?(4/4)

「最適設計」を取り巻く思想的な変遷

最大値・最小値を求める (古典的手法)

設計空間の大域的知識を獲得する「設計探査」(Prof. Obayashi)

多目的設計探査 (Multi-Objective Design Exploration: MODE)

アブダクション(演繹,帰納と同じく必要な思考)

大域的多目的最適化に寄るイノベーション

(Inovization: Prof. Deb)

設計原理の抽出を支援する優化設計 (Prof. Wu)

7

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実問題の解法

8

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航空宇宙機の新規開発では・・ 多様な要求を満たす革新的な設計

議論の時間も十分与える,高い設計効率

・・が求められている

9実問題への適用

方針転換後が(我が国より)早いのは知識・蓄積が大きい ⇒ 組織体力を維持できる知識体系,知識の大規模化(年月・生産性)に対応

設計探査思想の必要性

Boeing767

Sonic Cruiser

音速近くで飛ぶ機体開発計画:2001年初旬に計画発表

9.11などによ

る航空市場の委縮

Mitsubishi Regional Jet(MRJ)

Boeing787

計画の見直し.通常の形態になり,経済性の高い787が2009年に初飛行

2002年頃から計画

Boeing社の事例を考察

設計知識の構築と運用

(Design Knowledge Management)

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実問題への適用 10

Pareto optimum

多目的評価法→ Pareto ranking

現実の問題は多目的問題である.

履修する科目(単位を取る難しさvs. 興味)

アルバイトの選択(時給vs.楽さ)

・・・・ などなど

例)東京から大阪へ向かう場合の最適な交通手段

パレート最適解

劣解

複数の評価基準に基づいて最適性を調べる多目的問題

時間

運賃

工学問題でも多目的であることがほとんどex.)性能vs.コスト

空力性能vs.構造性能vs.環境・騒音

機械の性能を高めることにより悪化する物事に着目

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11実問題への適用発見的手法としての遺伝的アルゴリズム

生物の進化プロセスを数学的に記述

選択・遺伝子交叉・突然変異

Blended Cross Over - α

Parent

Child

x2 x4x3x1 x5

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12実問題への適用

多目的最適性の評価 ~ Pareto Ranking

Prof. FonsecaらによるRanking法 Prof. DebらによるRanking法→ Non-dominated Sorting

f1, f2の同時最小化問題

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13実問題への適用

多様性の維持,HPCに対応した進化計算法

並列計算への高い親和性(出来た個体は個別に評価して良い)

分散スキーム

(いっそ親集合も分けてみる → 高い多様性)

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14実問題への適用

近似関数法応答曲面法

決めた関数形に最小二乗法で係数を求める

Kriging法など既知のデータセットから確率的に未知の値を予測

)()( iiy xx

global model localized deviation

from the global model

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15実問題への適用

EI(Expected Improvement):最適性と誤差のバランスを示す指標

s

fys

s

fyfyIE maxmax

max

ˆˆ)ˆ( x

, :standard distribution,

normal density

:standard errors

解ごとに近似モデルを構築

多目的最適化と追加サンプルの選択

初期設計のサンプリング・評価

追加サンプルの評価

Termination?

Yes

データマイニング,設計知識

No

Kriging model

Genetic Algorithms

任意の評価手法

実際の解

初期の近似解

初期のサンプル

追加サンプル

更新された近似解

関数最小化問題におけるEI値による追加サンプリングのイメージ.空間誤差が大きく,最適性を示す可能性が高い場所にサンプルを追加する.

DR Jones, “Efficient Global Optimization of Expensive Black-Box Functions,” 1998.

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16実問題への適用

大量のデータを得たまでは良いですが…

可視化が必要→データマイニング・多変量分析

多変数,多目的空間を可視化により把握

恐らく三つに分類?

統計的グラフ手法 → 誰もが知るグラフを活用

学習的クラスタリング・ルール抽出手法→ ちょっと難しい

分散解析→多変量分析法に分類

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17実問題への適用

Parallel Coordinate Plot (PCP)

設計問題の可視化

設計変数・目的関数の上下限で正規化した値を平行にプロットし1設計分を線で連結

類似例:レーダーチャート

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18実問題への適用自己組織化マップ(Self organizing map: SOM)

Prof. Kohonenにより提案される

教師無し学習

高次元のデータを低次元のマップに落とし込む

変量の従属関係を知ったうえで利用する事が重要

多次元のデータ(ベクトル)

低次元で可視化できるマップ(2次元マップを作成し,ベクトルの成分により色づけ)

学習

obj1 obj2.

・それぞれの6角形は入力に対応した多次元データをあらわすベクトルを示す.

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19

入力データ(X1, X2, …., XN), Xi: 目的関数をあらわすベクトルを利用

六角形であることに意味は無い.(見易さにより選択)マップ上にあるノードの数にも意味は無い.

実問題への適用

1.マップの初期化 2.入力ベクトルXi

に対して最も近いベクトルWを求める.

3.Learning1

W はXiに近づくように学習する.W = W +α(Xi- W)

4.Learning2

Wの近傍も同様に学習する.

SOMの学習プロセス

i=1, 2,…..NXi

W

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Functional Analysis of Variance (Functional ANOVA)

多変量解析のひとつ,目的関数の変動を観察

niinii dxdxdxdxxxyx ,..,,,...,),.....,(ˆ)( 1111

nn dxdxxxy ,.....,),.....,(ˆ11

nn

iii

dxdxxxy

dxx

ip...),....,(ˆ 1

2

1

2

設計変数 xiによる変動は

ここで

全変数の変動に対する設計変数 xiの寄与は

variance

Inte

gra

te

μ1

Proportion (Main effect)

20実問題への適用

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21設計問題に適用するために

考えに入れる必要がある制約条件があるはず

航空機の場合Lift=Weight

Trim balance

適用する評価方法

High-fidelity solver, Low-fidelity solver

実験

CAD

どの様に線を引くか?NURBS, B-spline

PARSEC法

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適用例1:自動車エンジン排気マニホールド設計(MOGA)

22

2011/2/16 7:00日本経済新聞 電子版

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14th January 2003 Masahiro Kanazaki

23

エアクリーナ

スロットルチャンバ

吸気コレクタ

吸気マニホールド

吸気ポート

吸気バルブ

外気

燃焼室

マフラー

排気マニホールド

排気チューブ

排気ポート

排気バルブ

触媒

スムーズな排気

出力増加

排気温度最大化

排気マニホールド

有害物質除去

充填効率最大化

エンジンサイクルと排気マニホールド

充填効率(%)=100×新たに流入してきた気体の体積/シリンダの体積

MPSシンポジウム2003

適用例1:自動車エンジン排気マニホールド設計

Page 24: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:自動車エンジン排気マニホールド設計

自動車エンジン排気マニフォールド

数個の燃焼室からの排気を纏める

燃焼室が多いほど纏め方が難しい

同時に纏めてしまうと出力が低下

小型の車には小型の排気マニフォールド

大出力の車には長い排気マニフォールド排気される流量・流速・温度などによる

触媒反応は排気が高温であるほど良好

24

Page 25: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:自動車エンジン排気マニホールド設計 25

エンジンサイクル全般 : 実験値によりモデル化された一次元非定常コード

排気マニホールド管 : 三次元非構造Eulerコード

Page 26: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:自動車エンジン排気マニホールド設計 26

1. 管路の設計

2. 半径の設定と壁面の生成

3. 干渉部分の抽出と除去(前進先端法)

4. 管の結合

Page 27: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:自動車エンジン排気マニホールド設計 27

排気マニホールドの最適設計 目的関数

6000回転での充填効率 1500回転での排気温度

設計変数 分岐位置(Case1:3設計変数)

分岐位置と管の径(一律)(Case2:4設計変数)

分岐位置と管の径(分岐位置ごとに変更,テーパー管)

(Case3:6設計変数)

集団サイズ 32(Case1)

64(Case2,3)

遺伝的操作 領域分割数 : 4

移住間隔 : 4 世代 交叉方法 : BLX-0.5

突然変異率 : 0.1

1管部 (b*r0) 2管部 (a*r0) 4管部(r0)

分岐3 分岐 1,2

分岐位置に対する子の決定 径に対する子の決定

親1 親2

親1 親2

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D

B (Maximum temperature)

適用例1:自動車エンジン排気マニホールド設計 28

1490 1500 1510 1520

85

87.5

90

Ch

arg

ing

eff

icie

ncy

(%

)

Temperature (K)

Initial

A

B

CD

A,C : 出力最大で排気温度も高い → テーパーが大きくなることの効果

A (Maximum charging efficiency)

C

Page 29: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:自動車エンジン排気マニホールド設計

ただ,設計変数と性能との関係を体系化するに至らず…

パラメータ設定の段階でそれらの意味づけをしっかりしていなかった.

29

Page 30: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例2:PARSEC法の改良と火星探査航空機翼型設計(GA,PCP)

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適用例1:修正PARSEC法と翼型設計Image of MELOS

31

Ikeshita/JAXA

火星複合探査のひとつとして航空機による探査がある

技術的課題 推進 空力 構造

・地球と比較して1%の大気密度,2/3

程度の音速・より高い空力性能を持つ翼型が必要・石井翼が有望な翼型のひとつ

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適用例1:修正PARSEC法と翼型設計未知の問題に対応できる翼型表現法

B-spline curve, NURBS

自由な表現が可能

設計点(制御点)と空力性能とは無関係

PARSEC(PARametric SECtion) method*

32

*Sobieczky, H., “Parametric Airfoils and Wings,” Notes on Numerical Fluid Mechanics, pp. 71-88, Vieweg 1998.

遷音速翼型設計の知見から設計点を設定した手法

上下面が独立に定義される

自動最適設計アルゴリズムやデータマイニングなどでの利用が用意

Leading edge (LE)で設定できるパラメータが少ない

前縁丸みの中心が翼弦線上(大きなキャンバを持つ翼型の設計に不利)

Page 33: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計修正PARSEC翼型表現法 **

翼厚分布とキャンバー分布を独立に定義一般的な翼型定義法に基づく

Matushimaらにより,超音速翼を再現可能であることを検証**

オリジナルPARSEC法の共通する利点設計変数の数は同程度

設計変数を用いて現象を説明可能⇒データマイニングなどと高い親和性

33

** K. Matsushima, Application of PARSEC Geometry Representation to High-Fidelity Aircraft Design by CFD,

proceedings of 5th WCCM/ ECCOMAS2008, Venice, CAS1.8-4 (MS106), 2008.

Page 34: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計修正PARSEC法による翼型表現

翼厚分とキャンバ分布をそれぞれ定義

前縁丸みの中心は常にキャンバー上

翼厚分布はオリジナルPARSECで対称翼型を定義したものと同等

キャンバー分布は 5次関数 ルートの項を入れる事により,キャンバーの前縁半径を設計可能

12の設計変数により翼型定義

34

2

126

1

n

xazn

nt

5

1

0

n

n

nc xbxbz

CamberThickness

Page 35: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計問題設定多目的設計問題

Maximize maximum l/d

Minimize Cd0(零揚力抵抗)subject to t/c=target t/c (t/c=0.07c)

空力性能評価構造格子法に基づく圧縮性粘性ソルバー

Baldwin-Lomax turbulent model

火星大気条件Density=0.0118kg/m3

Temperature=241.0K

Speed of sound=258.0m/s

主流条件Velocity=60m/s

Reynolds number:20,823.53

Mach number:0.233

Page 36: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計

設計空間

0.35 for t/c=0.07c

Upper bound Lower bound

dv1 LE radius 0.0020 0.0090

dv2 x-coord. of maximum thickness 0.2000 0.6000dv3 z-coord. of maximum thickness 0.0350 0.0350dv4 curvature at maximum thickness -0.9000 -0.4000dv5 angle of TE 5.0000 10.0000dv6 camber radius at LE 0.0000 0.0060dv7 x-coord. of maximum camber 0.3000 0.4000dv8 z-coord. of maximum camber 0.0000 0.0800dv9 curvature at maximum camber -0.2500 0.0100dv10 z-coordinate of TE -0.0400 0.0100dv11 angle of camber at TE 4.0000 14.0000

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適用例1:修正PARSEC法と翼型設計多目的設計の結果,解空間

Multi-Objective Genetic Algorithm: (MOGA)

37

Des_moga#2

Des_moga#1

Des_moga#3

20個体30世代:目的関数間にトレードオフ

Baseline

Page 38: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計α vs. l/d, α vs. Cd, α vs. Cl

38

迎角0-15度に渡ってl/dとClが向上

Cdを小さくする解が存在

Page 39: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計形状と圧力分布

39

Des_moga#1 Des_moga#2

Des_moga#3

最大l/dが最大となる時のCp 分布,及び翼型の比較

Des_moga#1-3は大きな後縁翼厚 Des_moga#1と3はサクションピークがやや小,Des_moga#2(選択回のうちで抵抗が最小)はサクションピークがやや大

Page 40: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計 40

全体として似た傾向を示すが,TE翼厚(th75)には比較的ばらつきが見られる.

PCPによる可視化(MOGAによる探索解)

Page 41: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計 41

l/d>45.0

PCPによる可視化(MOGAによる探索解,l/dでソート)

Page 42: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計 42

Cd0<0.0010

PCPによる可視化(MOGAによる探索解,Cd0でソート)

Page 43: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計 43

前縁翼厚(th25)は大→石井翼と同じ傾向 最大翼厚での翼厚の2階微分(dv4(zxx))も小さい(急なカーブを描くように)→後縁厚み

(th75)も小, MOGAの解のうち,maxl/dが大きいものはdv4(zxx)も小さい→後縁厚み(th75)が小 MOGAの解のうち,Cd0が小さいものは,後縁開き角(dv5),dv4(zxx)共に大→ 後縁厚み

(th75)が大

maxl/d th25 th75 maxl/d Cd0 th25 th75

max 54.2988 0.0700 0.1046 49.3560 0.0335 0.0700 0.0539min 23.1859 0.0102 0.0035 25.7858 0.0091 0.0677 0.0214

SOGA MOGA

l/d>45.0

Cd0<0.0010

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Des_moga#1 Des_moga#2 Des_moga#3 Des_soga#1 Baseline

dv1 LE radius 0.0029 0.0022 0.0022 0.0023 0.0086dv2 x-coord. of maximum thickness 0.2815 0.2822 0.2880 0.2987 0.2000dv3 z-coord. of maximum thickness 0.0350 0.0350 0.0350 0.0350 0.0350dv4 curvature at maximum thickness -0.5613 -0.5220 -0.5960 -0.6123 -0.4600dv5 angle of TE 9.9043 9.3355 9.1472 5.2016 5.0000dv6 camber radius at LE 0.0014 0.0013 0.0011 0.0008 0.0016dv7 x-coord. of maximum camber 0.3674 0.3728 0.3707 0.3153 0.5200dv8 z-coord. of maximum camber 0.0177 0.0168 0.0177 0.0233 0.0200dv9 curvature at maximum camber -0.0331 -0.0465 -0.0489 -0.0063 -0.2500dv10 z-coordinate of TE -0.0077 -0.0064 -0.0109 -0.0290 0.0000dv11 angle of camber at TE 7.7567 6.9447 6.0664 13.2839 4.5000

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計得た解とBaselineとの比較

Baseline翼型(石井翼型)を修正PARSEC法で表現

前縁半径が小さく

MOGAの最大キャンバはやや小さく,曲率変化も小さく(フラットに),特にmaxl/dを大きくするためには曲率変化も小さくCd0を小さくするために,最大キャンバは小

SOGAの解では後縁角が大きい

高maxl/dの翼型は特に前縁キャンバがつく

Des_moga#1: compromised

Des_moga#2: Cd0小 Des_moga#3: maxl/d大

Page 45: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計

SOMによる解釈

45

前縁半径

maxl/d

Cd@maxl/d

キャンバーの前縁半径

Page 46: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例1:修正PARSEC法と翼型設計

SOMによる解釈

46

前縁半径 キャンバーの前縁半径

Cd@maxl/dmaxl/d

Page 47: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例3:実験的評価値に基づくプラズマアクチ

ュエータ駆動条件の最適化 ~風洞試験計画支援

(Kriging/GA)

47

Page 48: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例3:風洞試験計画支援

Plasma Actuator: PA 流体を制御する能動的空力制御デバイスのひとつ

電極と不導体を用いて,その間に交流電圧を印加することによって空気を電離させ,それによって生まれるジェットを物体近傍流れの制御に利用

小型・軽量に製作が可能

48

Page 49: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例3:風洞試験計画支援

設置位置,駆動条件についてどのように良い条件を見つけるかが課題!

パルス幅変調方式 (Pulse Width Modulation:

PWM)による電圧印加が効果的であることがわかっているが,周期(T1, T2)等の最適位置は?

高精度な解を得るためには,数秒の現象をシミュレーションで数時間以上

風洞試験の評価値を直接最適化ループに反映できれば…

49

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適用例3:風洞試験計画支援

Efficient Global Optimization(EGO=Kriging法+遺伝的アルゴリズム)による最適化ループに風洞試験を組込

風洞評価値による全自動最適化

50

Page 51: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

適用例3:風洞試験計画支援

半円柱に取り付けたPMW駆動PAにおいて, (T1, T2)を設計変数として,抵抗最小化問題を設定

総当り実験では約1000回以上の試験が必要

51

Page 52: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

52適用例3:風洞試験計画支援

モジュレーション周波数:

デューティ比: [%]

1

mod

1

Tf

1

2100T

TDcycle

交流電圧の周波数fpに対して5%周期の波形をxm

回生成する機器を用いることから,fmodは次のように書ける.

m

p

x

ff

20mod [Hz]

[Hz]

目的関数

設計変数

Minimize CD (Drag coefficient)

2 .0 ≤ xm ≤ 90.0

10.0 ≤ Dcycle ≤ 70.0

Page 53: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

53適用例3:風洞試験計画支援

Page 54: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

54適用例3:風洞試験計画支援

Page 55: 第21回新生流体科学セミナー@宇宙航空研究開発機構(JAXA)

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本システムでは20回最適値に!

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まとめと所感,今後の展望

最適化とは実問題を数学的に解くと言う事で良いでしょう 多数の手法が存在

設計者の思想・観察眼が大切 → 如何に適切で面白い問題を解くか

実問題の解法 現実問題の多くは多目的,進化計算法は有用

コストを抑えるための近似関数法の導入も時には必要

流体機械設計問題に適用するために 目的を明らかにして,制約・評価法を選択

適用例を通じて 問題設定が出来れば一応答えが出る. → 欲しい答えか?要観察.

実は問題設定の部分に一番苦戦します.

最適化法を用いた設計について御話しました.

御清聴頂き有難う御座いました.