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M1における抑制機能をTMS/fNIRSを用いて探索It searches for the suppressive function in moter area by using Transcranial magnetic stimulation and functional near-infrared spectroscopy ○井上正雄 山口由衣, 株式会社 島津製作所 産学官・プロジェクト推進室 戦略的イノベーション創出推進事業のためのワークショップ 「脳・神経等の疾患を対象とした安全なイメージング゙技術・開発」

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Page 1: M1における抑制機能をTMS/fNIRSを用いて探索 - …...指先運動に伴う左右のMIにおける抑制効果 • 運動は運動中枢と呼ばれる神経機構により制御されている。第一次運動野

「M1における抑制機能をTMS/fNIRSを用いて探索」It searches for the suppressive function in moter area by using

Transcranial magnetic stimulation and functional near-infrared spectroscopy

○井上正雄 山口由衣,株式会社 島津製作所 産学官・プロジェクト推進室

戦略的イノベーション創出推進事業のためのワークショップ

「脳・神経等の疾患を対象とした安全なイメージング゙技術・開発」

Page 2: M1における抑制機能をTMS/fNIRSを用いて探索 - …...指先運動に伴う左右のMIにおける抑制効果 • 運動は運動中枢と呼ばれる神経機構により制御されている。第一次運動野

指先運動に伴う左右のMIにおける抑制効果

• 運動は運動中枢と呼ばれる神経機構により制御されている。第一次運動野から脳幹と脊髄の運動ニューロンに投射する経路(錐体路)は随意運動に大きな役割を持つ。動物実験では、第一次運動野の微小電極刺激で生じた錐体細胞のインパルスは、下行し対側脊髄の介在ニューロンと運動ニューロンを興奮させるともに求心路を経由して運動中枢へ伝達される。(1)

• 我々は、左右の手指の随意運動を行なう場合と、一次運動野への経頭蓋磁気刺激法(TMS:Transcranial magnetic stimulation )を行った時に、対側側の神経活動に伴うヘモグロビンの変化量を近赤外光イメージング装置(fNIRS: functional near-infrared spectroscopy )を用いて計測した。

• 本計測により、左右の手指の運動の抑制や調整機能を対側の1次運動野において、どのような変化が生じるかを検討したので報告する。

Introduction

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ヘモグロビンの吸収スペクトル

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

650 750 850 950

分子吸光係数

nm

deoxy Hb oxy Hb

近赤外光可視光

Optic Fiber for Illumination Optic Fiber for

detectors

Functional Optical Imager for REsearch

3000

fNIRSの測定原理

組織中の酸素化型ヘモグロビン(oxyHb)、脱酸素化型deoxyHb)の変化を計測します。

安全な近赤外光を用いて、大脳皮質の表面におけるヘモグロビンの変化を計測します、

TMSの測定原理

経頭蓋磁気刺激法は、外部から磁場与え、弱い電流を組織に誘起させニューロンを刺激し神経活動を誘発する非侵襲的な刺激呈示の方法である

fNIRS/TMSの概要

780 805 830 nm

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CZ

T4TMS

TMS

M1へのTMS刺激 fNIRSのプローブ配置TMS刺激

・fNIRSは、国際10-20法に基づいて頭部基準点を計測し、T4ファイバのT4に設定しCZの方向へ側頭用FLASHホルダを用いて、4×4のプローブを配置し、24チャンネルのOxy-Hb, Deoxy-Hb, Total-Hbの変化量を取得した。・TMSは、指先が微動する部位を探索して保持して磁気刺激を行った。

計測領域

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302030

Rest Task Rest

被験者:健康な男性6名、女性2名の合計8名を被験者として同意書を得て計測を行なった。(全員右利き 平均年齢 46歳)

Rest :モニター画面を見て1点注視した。Task :TMS(T)/3回 左右ランダムに各3回指タッピング 合計9試行実施。TMS :左側運動野にて、右手指の微動する位置を固定し刺激を行った。

ブロックデザイン(秒)

Timing control :SeaquenceRep.Rate :1ppsNumber of Trains: 3Pulses in Train : 20Inter Train Interval 60 secAmplitude :50%~58%(閾上)

MagVenyure製

Preliminary experiment

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TMS(M1 left) Leff finger tappng゙

・Bonferone Method p<0.01を有意水準として検定を行ない、マッピングした。・外部からの磁気刺激においては、対側側のM1におけるOxy-Hbの増加が 右手指 タッピングの随意運動より大きく賦活した。

・左手指タッピングと右手指タッピングにおいて左右の調整に伴う賦活領域は異なる。

T検定によるマッピング

Right finger tapping

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TMS(M1 left)-left finger tappnngu

TMS-左右のタッピング

TMS(M1 left)- Right finger tapping(図B)

・M1左へのTMS刺激と右手指タッピングによる調整機能は、TMSの方が賦活領域が広いが、局在的にてTMSより賦活する領域も存在する。 (図B)

・M1左へのTMS刺激は、右手指タッピングより賦活する(図A

図A (図B)

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・TMS刺激により運動ニューロンが脊髄を経由し手指の運動へ伝達される。更に手指の末梢の感覚刺激から求心路を経由して運動中枢へ伝達されるが、体側の運動野に大きく賦活が見られ、どの段階で伝達されているのか特定できないが、いずれかの段階で体側側のM1へ伝達されることが示唆された。

・随意運動に比較してTMSによる刺激は、体側側でも賦活が大きく領域が狭いことが示唆された。

・随意運動と外部刺激の関係が明確になれば、脳梗塞の患者の方への有効なリハビリテーションが確立していくものと推定する。

・今後、同側側でも同じ条件で計測し、比較検討を進める。

関連資料・照井直人「はじめの1歩のイラスト生理学」・Yasushi Hada Neuro Imege 32(2006) 1226-1230・Tkenori Akiyama Brain Topography 2006・ 網田,河野,石川,常石,清水: 近赤外光イメージング装置, Medical Now, Vol.54, pp.20-21, 2004

conclusion