miraiten 10th 2

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The 10th Sapporo Mirai Exhibition 19-27 March,2011 Hokkaido Museum of Modern Art

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ご挨拶  波田浩司

謝辞

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0 室:招待状

センターテント

1 室:曲芸

2 室:イリュージョン

3 室 : クライマックス

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Co n t e n t s

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冨田 哲司

問谷 明希

問谷 明希

問谷 明希

問谷 明希

三浦 卓也

三浦 卓也

佐藤 仁敬

加藤 広貴

加藤 広貴

加藤 広貴

山田 啓貴

山田 啓貴

山田 啓貴

池田 光弘

川上 亜里子

菊地 大

菅野 舞子

吉井 見知子

吉井 見知子

波田 浩司

波田 浩司

Ariadne in Contemporary Maze

untitled

untitled

put on

untitled

多くの物語を知る

Gitana ~ジプシーの肖像~

不在の存在

太陽

アパート

ピッカピカの月

遥かなるタオロマイ

海岩の記憶

ディナーの主役

untitled

ユクカムイの角

blast

N0.1 WGS-84(43.059598141.330579)

龍血樹

龍血樹Ⅳ

羽の舞う日

羽の舞う日

第 3 室 : クライマックス

イベント

a.k.a. 祭太郎

KICK

茂呂 剛伸

小玉 尚弘

こうの 紫

東海林 靖志

松原 壮志朗

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p.39

交 流  

レイアあーと

招待作家 :

堀 一浩

棚澤 寛

京岡 英樹

高松 和樹

大泉 佳広

北本 真隆

p.49

  

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スズキ ナツコ

スズキ ナツコ

伊藤 直美

伊藤 直美

黒岩 絵里子

風間 雄飛

風間 雄飛

河野 健

河野 健

大浦 和代

安居 沙織

風間 天心

風間 天心

川上 亜里子

川上 亜里子

川上 亜里子

川上 亜里子

川上 亜里子

川上 亜里子

千葉 隆弘

千葉 隆弘

吉田 浩気

松隈 無憂樹

松隈 無憂樹

松隈 無憂樹

松隈 無憂樹

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藤田 遼子

佐々木 ゆか

佐々木 ゆか

若林 啓

diffusion

MANZOKU…?

夜煌蝶

rangda

それぞれにわかる合図

drop drawing

私は貴方を高嶺の花とは思わない

スモーカーはアンバーに染まる都市

を肺の中で構築している、副流煙を

取り入れた肺もまた己の知らぬ所で

アンバー都市を形成するだろう。

mixture

はいからさん

Han-Don

白湯

sled & shovel

Japanese food 200908

Red AND Black

stamp.

Mountain

畏れ

祈りの言葉を捧げよ

人が人でいられた時

岩に大地に

岩に大地に

存在と力

最終防衛戦車編

戦車の作品に付随する絵

Diamond-Dust

受け止める耳は開いてゆく

無題

無題

空も閉じ込める奴ら

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川上 大雅

川上 大雅

川上 大雅

モサパサ

茂呂 剛伸

茂呂 剛伸

茂呂 剛伸

decided.(反応しないスイッチのための)

planet

What is your trust?

みんな自由だったのだ

縄文 bazooka

縄文太鼓

縄文 bazooka white

センターテント

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佐藤 史恵 

佐藤 舞 

鈴木 秀尚

鈴木 秀尚

北田 依知子

水野 智吉

宮地 明人

宮地 明人

谷地元 麗子

谷地元 麗子

三上 曜

菊谷 達史

fluid −瞼の裏側にある記憶−

portrait

portrait

沈黙

あの風を呼ぶ

paradox

paradox

いつか見た夢

いつか見た夢

蜜子さん

第 1 室 : 曲芸

第 2 室 : イリュージョン

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渡辺 元佳

村山 之都

村山 之都

村山 之都

菊谷 達史

竹中 里乃

河崎 辰成

宮地 明人

藤井 康子

藤井 康子

kensyo

福森 崇広

casper

We go(rreeppllaayy)

レストハウス

鳥打ち

何れにせよ、その必要不可欠な猛

毒から逃れる術は無い事をまだ知

らずにいるアウストラロピテクス

どこでもひとりテント

ブリーフベイビーズ

原因と結果

輝きをもとめて

秘めごと

node,link & memorie

nest

第 0 室:招待状

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 雪解けの3月。卒業式。

 年度末であるこの月を機会に数々のものが終わりを迎え、そしてまた次の目標へと向かってい

きます。そんな中、毎年3月に開催されてきた「サッポロ未来展」は一足先に目標へ向かう準備

を始めます。この展覧会をきっかけとして、若者たちは自分の作品を感じ、次の目標を定めるこ

とができます。そして同時に、メンバー同志の交流を通じて意欲を高め、志新たに制作に取り組

んでいく事ができます。作者の成果発表とともに次の目標を見出すことのできる「始まりのとき」

といえるのです。

 この度、北海道立近代美術館で開催させて頂きました『第10回サッポロ未来展「ノマディッ

クサーカス」』をご高覧頂き、誠にありがとうございました。雪も解けきらぬ道中、足をお運び

頂いた皆様に、心より感謝申し上げます。

 今回は、この10年間の集大成でありました。それぞれの作品制作と同時に、暗中を探りなが

らの会場構成、企画。「サッポロ未来展」としてはじめて与えて頂いた大きな発表の場を最大限

に活かし、それぞれがこれからの可能性を見出し得る有意義な展覧会にすることができたのでは

ないかと思います。作家活動と平行し、教員生活を送る私にとって「サッポロ未来展」は、とり

わけ重要な展覧会でありました。今回をもって私は引退し、出品作家としては外れますが、これ

からもサッポロ未来展卒業生として、力になっていけたらと思います。

 これから先、メンバーへ望む事は「個々が自分の可能性に限りをつけず、見てくださる方々と

共感できる感動を自分の中に持ち続けることができるように。」「毎年発表させて頂ける恵まれた

環境に感謝して、それを次の意欲につなげられるように。」という点です。 

「サッポロ未来展」メンバーは常に、制作できる環境と、発表できる機会に感謝し続け、それぞ

れの目標に向かっていくことを強く望みます。また、メンバー全員の強い意欲と努力によって、

これからも限ることなく、現代美術社会に影響を与え続ける団体となっていくことを信じていま

す。

 最後になりますが、今までご後援、ご協賛、ご協力、様々な形で支え続けて頂きました多くの

皆様に、そしてご指導・ご鞭撻頂きました先生方々へ、厚く御礼を申し上げます。

これからも「サッポロ未来展」は、若い作家達の「成果発表の場」として、それぞれの「意欲形

成の場」として邁進し続けていきますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。

今後も「サッポロ未来展」を応援し、ご高覧頂けたら幸いに存じます。

平成23年5月 吉日

                                  波田 浩司

冷たい空気を照らす日差しが、

これから行く道を解き、潤していく。

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第 0 室:招待状

 「第 10 回サッポロ未来展 Nomadic Circus Troupe」のねらいは、非日常的な遊戯空間の演出である。各地を転々

とするサーカスは一過性のお祭りであり、足を運んだ観客は、きらびやかなパフォーマンスに酔いしれ、このひととき

のあいだ日常生活を忘れる。この現実と隔離された非日常性こそが「遊び」の本質であると、オランダの歴史家ホイジ

ンガは『ホモ・ルーデンス』のなかで述べている。本展もまた、全国各地で多彩な活動を展開するアーティストたちが

一堂に会し、エンターテインメントとして、あるいは一過性のお祭りとしての空間をつくりあげている。

本章は、サーカスの入り口にあたる。ここに掲載されている作品は、現実社会と非日常的空間とを結びつける橋のよう

な役割を果たしている。作品を見ていると、自分がいるのが、それまでいた現実世界なのか、それともまったく別の

世界なのかがわからなくなってくる。絵画の織りなすイリュージョンに吸い込まれそうになったり、あるいは展示空間を

構成する立体作品を目前にして自分の立ち位置がわからなくなったりと、一種の眩暈のような感覚におそわれるかもし

れない。そのような効果をもたらすのが、本章の作品のねらいであるといえよう。

寺地 亜衣

村 山 之 都S h i t s u M u r a y a m a

渡 辺 元 佳M o t o k a W a t a n a b e

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菊 谷 逹 史S a t o s h i K i k u y a

河 崎 辰 成T a t s u n o r i K a w a s a k i

宮 地 明 人A k i h i t o M i y a c h i

竹 中 里 乃R i n o T a k e n a k a

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k e n s y ok e n s y o

第 0 室 出 品 作 家

福 森 崇 広T a k a h i r o F u k u m o r i

渡 辺 元 佳1 9 8 1 年   北 海 道 伊 達 市 生 ま れ

《casper》 面白い作者・渡辺である。そのユニークな発想にいつも注目されるが、近年までの作風である「猿」をモチーフとした作品は記憶に新しい。彼の洞察力と感覚はダーウィンの頭脳の如く、進化を唱えている。作品はどこへ行くのか。見よ、あの変容を、作品は地上に留まるのみならず!今回もまた、渡辺は独自の作品進化論を展開し、口先だけに留まらず。われわれに体感させるのだ。興味ある新説進化論を感じる。面白い作家・渡辺に。 (佐々木、以下 S)

村 山 之 都1 9 6 9 年   北 海 道 旭 川 市 生 ま れ

これまで一貫して油彩での制作を続けてきた村山は、正確な描写力に基づいた写実と、油絵の具の質感とを共存させることで、絵画のもつイリュージョン性と物質性との間に生じる揺らぎを浮き彫りにしている。出品作は《We go(rreeppllaayy)》と《レストハウス》。モニターの映像や画中画、奥行のある画面構成などによって、観賞者を巧みにイリュージョンの世界へと誘い込むが、油絵の具の荒いタッチが、それを阻止している。

(寺地、以下 T)

藤 井 康 子Y a s u k o F u j i i

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祭 太 郎p

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第 0 室 出 品 作 家

宮 地 明 人1 9 7 7 年   北 海 道 岩 見 沢 市 生 ま れ

宮地はカトリックであるが、彼はかつて学んだ聖書の内容については記憶にないと言い、また制作の上で直接キリスト教を題材にすることはない。しかし彼の作品からは、キリスト教から影響を受けたと思われる要素が断片的にみられる。今回の出品作≪ paradox ≫(人物画)も、その一つ。ベッドの上で眠りこむ、白い服の女性。その上に、白と黒の二頭の羊が浮かぶ。重くのしかかりそうな羊の姿、そして女性の体に今にも刺さろうとしている杭からは、女性が見ているのが悪夢であると連想させる。(T)

k e n s y o1 9 8 0 年   北 海 道 苫 小 牧 市 生 ま れ

《node,l ink & memorie》 いずこをはかと、探してみる。肉体は、闇の中に実在するメッセージのようにも思える。ステートメント(声明書)を発する声が闇の中から聞こえるのか、それとも目に見えるものが先か。レーゾンデートル(存在理由)を闇が問う。闇に佇む肉体はメタファー(暗喩)なのか、と。光と対峙する闇と、作者が対話しているように思えた。我われのレーゾンデートルはいずこかと。 (S)

藤 井 康 子1 9 8 1 年   北 海 道 稚 内 市 生 ま れ

藤井は人物や風景をモチーフにしたリアリズム絵画を描いている。彼女にとってリアリズムとは、「自分が感じ取ったものの力や存在感を描きだすこと」であると述べている。出品作《輝きをもとめて》《秘めごと》には、どちらも布の上に横たわる女性が描かれている。床に散りばめられた花や貝、アクセサリーなどのさまざまなモチーフや、皺くちゃになった布、そして女性のポーズや視線は、見る者にさまざまな憶測を呼び起こさせる。(T)

福 森 崇 広1 9 8 0 年   北 海 道 苫 小 牧 市 生 ま れ

《nest》 必ずしも外見だけではわからない。例えば作家福森が自らの作品に用いた事のある鳥。日常の場面で、何羽もの鳥が毎日のように飛び立ち鳴いているが、いつも同じ鳥が鳴いているのかわからない。そこにはいつもの「何か」ではないものが映ることもある。鏡面やレンズ越しは一見してリアルな光景を映すようであるが、その中にも、自分の知らない出来事が反映される場合があるのではないか。そんなことを作家は感じているようでもある。 (S)

河 崎 辰 成1 9 8 8 年   北 海 道 札 幌 市 生 ま れ

普段から親しみやすい作品づくりを目指している河崎。今回の出品作≪ベイビーズブリーフ≫は、アリや魚などの生物が群れをなす様子から着想を得ている。床に多数並べられた赤ん坊のフィギュアは、すべて同じ型から作られているが、体の色はそれぞれ異なり、そしてすべて違う柄のブリーフをはいている。河崎はこの作品によって、画一的な印象を受けがちな現代人であっても、それぞれ個性や独自の主張があることを表現している。(T)

竹 中 里 乃1 9 8 0 年 北 海 道 札 幌 市 生 ま れ

竹中の出品作《どこでもひとりテント》は、作家の好きな赤いチェックの服で組み立てられてており、一人がやっと入れるだけのスペースしかない。愛着ある素材で自分だけの空間を作り、自分自身と向き合うことを意図している。また、この作品は折りたたんで持ち歩くことができ、どこでも自分の殻に篭ることができる。しかし同時に、自由に外の世界へ行き来することもできる。内観するための空間と外界とのかかわり方を提示した作品。(T)

ウサギのマスクがトレードマークの祭。本展で

は、川上大雅のミラーボールの下で和太鼓と語

りによるパフォーマンスをおこなった。アドリ

ブで進行してゆく彼の独特の語り口は、ユーモ

ラスでどこか哀愁をも感じさせる。

後半では、鍼灸師という祭の職業に関連づけて、

低周波治療装置を用いた。エレキテルを発明し

た平賀源内へのオマージュである。また、作家

と観客とが手を繋いで電流を流すことで、ライ

ブの一体感を、全員が文字通り肌で感じ合った。

(T)

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0 室 profi le

K I C Kカ

ポエ

イラ

独踊

/ 2

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[su

n]

center t

ent

center t

entセンターテント

 センターテントは、各展示室をつなぐ中心的な役割を果たしている。展示室から展示室へ移動するには、この奇妙

な雰囲気が漂うセンターテントを通らなければならない。視界を遮るように反射した光が目の前でギラギラと輝き動い

ている。ここでは、自分以外の他者とすれ違うときに、この異空間の特質に気づくことができる。

 人とすれ違うことは、とても日常的だ。美術館内においても、よく起きる出来事である。そういったとき、すれ違う

他者はあくまで美術館の“観客”だ。たったそれだけの認識でしかない。しかし、このセンターテントの空間ですれ

違う他者は、単なる“観客”ではない。妖しげな光に照らされている他者は、あたかも彼らがサーカスの演者のように

見えないだろうか。彼らに気づかれないように注意しながら、そっと静かに視線を向けるのだ。

 テントのなかをさまようあなたは、次にどの展示室へ進んでいくのか。他者という演者に誘われるままに、その展示

室へ向かうのも良いかもしれない。再びこのセンターテントへ戻ってくる頃、次はあなたが誰かにとっての演者になって

いることだろう。

片山 実季

カポエイラとは、舞踏と格闘技がミッ

クスされたようなダンスのことだ。

基本的に相手に触れず、相手に蹴り

や攻撃を当ててしまうことは下手と

されており、KICK のダンスは、カポ

エイラを基盤としている。ダンスは

身体性が問われるメディアの一つで

あるが、特に彼の作品は「身体—重

力」と関係が強い。カポエイラ特有

の格闘のような動きは、重力を利用

し、かつ反発している。近年、さま

ざまな技術によって身体性が薄れて

いる傾向にあるが、彼のダンスは「身

体—重力」という根本的な問題を再

認識させてくれるだろう。(K)

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川 上 大 雅T a i g a K a w a k a m i

モ サ パ サM o s a p a s a

茂 呂 剛 伸G o s h i n M o r o

セ ン タ ー テ ン ト 出 品 作 家

川 上 大 雅1 9 8 0 年   北 海 道 札 幌 市 生 ま れ

多忙な弁護士業務の傍ら、作家活動や、ギャラリー「salon cojica」の運営もおこなっている川上。センターテントのなかでもひときわ異彩を放っていた《planet》は、ミラーボールとチェーンによる構成に、光を当てたインスタレーションである。ミラーボールに反射した光が、予測もしない動きをして目が離せない。既製品にほとんど手を加えず、その数を増やしたり配置方法を変えたりすることによって、物のもつ意味を変えることをねらいとしている。(T)

茂 呂 剛 伸1 9 7 8 年   北 海 道 江 別 市 生 ま れ

《ジャンベ太鼓演奏》 音はどこへ行くのだろう。心の中か、空の彼方か。目に見えるのは、楽器と奏でるひとなのに、いつまでも音の余韻が残るのはどうして。原始からの空の彼方に舞う星を見た時、原野の詩人になってしまったひとたちは、音を空に感じるからか。音はどこへ行くのかと考えてみるならば。思い描こう。音が空を舞う姿を。音が心に打ち込まれる最中で。 (S)

モ サ パ サ1 9 8 3 年   北 海 道 旭 川 市 生 ま れ

暗闇の中にいるキャラクターは愛らしく、また不気味な一面を持ち合わせている。モサパサは、“不条理”をテーマにしているという。彼女のマンガ作品には、動物が登場することが多く、それらは人間生活の比喩として扱われている。不条理な目に合うキャラクターは、表情が乏しいことが多い。マンガの読者は、愛らしいキャラクターに感情移入し、大きなショックを受けるであろう。今回は、展示というかたちで発表されたが、HP で是非マンガを読んでいただきたい。 (片山、以下 K)

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× 星 野 道 映

1918

茂 呂 剛 伸ジ

ャン

ベ太

鼓演

奏 /

20

11

.3.2

1 [

mon

] 小 玉 尚 弘

和太

鼓演

奏 /

20

11

.3.2

6 [sat]

音はどこへ行くのだろう。心の中

か、空の彼方か。目に見えるのは、

楽器と奏でるひとなのに、いつま

でも音の余韻が残るのはどうし

て。原始からの空の彼方に舞う星

を見た時、原野の詩人になってし

まったひとたちは、音を空に感じ

るからか。音はどこへ行くのかと

考えてみるならば。思い描こう。

音が空を舞う姿を。音が心に打ち

込まれる最中で。(S)

民俗芸能を体現するために、小玉は実際に農業や山仕事をおこなっているという。彼が選

んだ表現は、農村で生まれた芸能なのだ。足を一歩踏み入れる動作さえ、それは田んぼに

足を踏み入れる時のような動作でなくてはならない。小玉はそういった生活を実際に過ご

し、その様子を録画し、ネット上で公開している。彼の活動は、『忘れられた日本人』(宮

本常一,岩波文庫 , 1984)を連想させる。それは、“日本人”という民俗を再認識するた

めの実践なのだ。(K)

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第 1 室:曲芸

 古く、ヨーロッパでは偉大な権威の象徴として、または永遠の美人の基準として、多くのポートレイト(肖像画)が

描かれてきた。けれど時代が進むにつれて、形ばかりの象徴的表現からポートレイトは徐々に開放されてゆき、作家

個人の内省や、モデルが持つ個性的な抒情など、それらの私的性格が画中の表現のために強まる傾向を見せた。

たとえば遠くに住む恋人の姿を自ら描き、それを見つめながら、今は会えない最愛の彼女へ、自室の机上で多くの手

紙を綴り送った19 世紀イギリスの、コンスタブルのような画家もいた。ポートレイトはその時、画家の心を自由に、恋

人のもとへ羽ばたかせたのだろう。ポートレイトがテーマとするところ。それは思い出という失われた過去を表現とす

るものばかりではないということだ。

作家やモデルのプライベートも内包されたポートレイト。それを見つめるわたくしたちに、画中の表現はどんなことを投

げかけてくれるのか。ポートレイトを目の前にして、画中のモデルと画家の間(ま)と、時を追いかけながら画中の表

現と接してみるのも、ファンタジックで面白い。

劇場の時は夕刻に迫った。このサーカスのファンタジーで、たゆたう水や普段は静かな人形たちも、ポートレイトの魅

力を奏でながら、これから夜を堪能する。この仄かな暗闇の中で、そんな演目の夢を見てみたい。

さあ開幕だ。ポートレイトの曲芸に、ノクターン(夜想曲)を覚えよう。

佐々木慶一11個人の内省や、モデルが持つ個性的な抒情など、それらの私的性格が画中の表現のために強まる傾向を見せた。

1個人の内省や、モデルが持つ個性的な抒情など、それらの私的性格が画中の表現のために強まる傾向を見せた。

たとえば遠くに住む恋人の姿を自ら描き、それを見つめながら、今は会えない最愛の彼女へ、自室の机上で多くの手

1たとえば遠くに住む恋人の姿を自ら描き、それを見つめながら、今は会えない最愛の彼女へ、自室の机上で多くの手

紙を綴り送った19 世紀イギリスの、コンスタブルのような画家もいた。ポートレイトはその時、画家の心を自由に、恋

1紙を綴り送った19 世紀イギリスの、コンスタブルのような画家もいた。ポートレイトはその時、画家の心を自由に、恋

人のもとへ羽ばたかせたのだろう。ポートレイトがテーマとするところ。それは思い出という失われた過去を表現とす

1人のもとへ羽ばたかせたのだろう。ポートレイトがテーマとするところ。それは思い出という失われた過去を表現とす

るものばかりではないということだ。

1るものばかりではないということだ。

作家やモデルのプライベートも内包されたポートレイト。それを見つめるわたくしたちに、画中の表現はどんなことを投

1作家やモデルのプライベートも内包されたポートレイト。それを見つめるわたくしたちに、画中の表現はどんなことを投

げかけてくれるのか。ポートレイトを目の前にして、画中のモデルと画家の間(ま)と、時を追いかけながら画中の表

1げかけてくれるのか。ポートレイトを目の前にして、画中のモデルと画家の間(ま)と、時を追いかけながら画中の表

現と接してみるのも、ファンタジックで面白い。

1現と接してみるのも、ファンタジックで面白い。

劇場の時は夕刻に迫った。このサーカスのファンタジーで、たゆたう水や普段は静かな人形たちも、ポートレイトの魅

1劇場の時は夕刻に迫った。このサーカスのファンタジーで、たゆたう水や普段は静かな人形たちも、ポートレイトの魅

力を奏でながら、これから夜を堪能する。この仄かな暗闇の中で、そんな演目の夢を見てみたい。

1力を奏でながら、これから夜を堪能する。この仄かな暗闇の中で、そんな演目の夢を見てみたい。

さあ開幕だ。ポートレイトの曲芸に、ノクターン(夜想曲)を覚えよう。

1さあ開幕だ。ポートレイトの曲芸に、ノクターン(夜想曲)を覚えよう。

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佐 藤 舞M a i S a t o

佐 藤 史 恵S h i e S a t o

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22 23

鈴 木 秀 尚H i d e t a k a S u z u k i

水 野 智 吉T o m o y o s h i M i z u n o

谷 地 元 麗 子R e i k o Y a c h i m o t o

北 田 依 知 子I c h i k o K i t a d a

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三 上 曜Y o M i k a m i

菊 谷 逹 史S a t o s h i K i k u y a

藤 田 遼 子R y o k o F u j i t a

若 林 啓K e i W a k a b a y a s h i

佐 々 木 ゆ かY u k a S a s a k i

谷 地 元 麗 子R e i k o Y a c h i m o t o

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第 1 室 出 品 作 家 第 1 室 出 品 作 家

佐 藤 史 恵1 9 7 8 年   北 海 道 幕 別 町 生 ま れ

本作は、薄いガーゼでできた円筒形のスクリーンと水によるインスタレーション。スクリーンの上部に配置された水槽に水が滴り落ちた瞬間、スクリーンに波紋が投影される。円筒の内外を行き来する観賞者の影もぼんやりと映し出され、水の波紋と人影とが、ゆらぎながら重なったり離れたりを繰り返す。佐藤は、スクリーンを「自己(波紋の影)」を認識するための装置であり、また自分と世界との境界線だと言う。そこに映し出される光と影は、作家個人のみならず、観る者の持つ記憶をも呼び覚ますことに繋がるだろう。(T)

三 上 曜1 9 9 0 年   北 海 道 江 別 市 生 ま れ

今回で未来展 2 回目の出品となる三上。< 人 > は、作家の自画像である。壁の前に立ち、目を伏せ、憮然とした表情を浮かべている。彼は作品の前に立つ鑑賞者と視線を合わせることがなく、また、鑑賞者にとっても、彼の表情が何を暗示しているのか読み取れず、さまざまな憶測をめぐらせるようになる。この点において本作は、現代社会によくみられるコミュニケーションの不和を表しているようにも受け取れる。 (T)

鈴 木 秀 尚1 9 8 6 年   北 海 道 帯 広 市 生 ま れ

《portrait》 肉体が象徴するもの、それは個を揺るがす大きな問題だ。レーゾンデートル(存在理由)は、その存在価値を問われながらも証明され、ついには作品化されてきた美術史の事実もある。その場合、証明は人物が描かれることでクリアされるが、作者・鈴木はあえてキャラクター(性格)を不透明にすることで、存在証明そのものを問うているのだろうか。 (S)

佐 々 木 ゆ か1 9 8 8 年   北 海 道 北 見 市 生 ま れ

《夜煌星》 性への思いをそこはかと無しに描ききったかに見える、その軽快な描写は、20 世紀初頭のアメリカ芸術が持つブルジョワの典雅さを想定したよう。だが、作者の佐々木がくみ取るのは身近な女性たちの日常である。それは誰しもが知ることのないプライベートと、アウトドアに打ち出された女性たちの生活の狭間にある、グレーの層である。モデルの女性たちが営む生活を、佐々木は自らが触れようとする。そこには優雅な夢うつつを超えたタイトなダイレクトさがある。 (S)

水 野 智 吉1 9 6 9 年   北 海 道 函 館 市 生 ま れ

漆に魅せられた水野は、これまで一貫して乾漆による人物像を制作し続けている。鋳造によるブロンズ像と異なり、石膏型に自らの手で漆を塗り重ねてゆく乾漆技法は、細部まで手を加えることができ、また繊細な表現が可能となるが、同時に扱う者の卓越した技量が必要となる。出品作≪あの風を呼ぶ≫は、彼が得意とする裸婦像。女性はわずかに笑みを浮かべ、両手を広げて左足を半歩前へ踏み出し、風を全身で受け止めるかのようなポーズをしている。(T)

佐 藤 舞1 9 8 5 年   青 森 県 青 森 市 生 ま れ

《屍》 鳥の羽音に耳を傾ける。神話の神々が、多くの種の生き物たちの姿で描かれているように、その羽音もまた、神話を成立させるのだ。生き物は駆け、いな鳴き、やがて日は暮れ、再び活動の時を待つのか、あるいは闇夜を駆けるのか。作者・佐藤は動物たちを多角的に見つつ、より深く指に触れるのは、それら太古の琴線。 (S)

藤 田 遼 子1 9 9 0 年   北 海 道 留 萌 市 生 ま れ

未来展初出品の藤田。<diffusion> は、「拡散」の意。髪の長い裸婦が宙に浮き、逆さまになった状態で画面いっぱいに描かれている。無理なポーズにみえるが、女性の表情はむしろ穏やかである。藤田はこの作品で、人体を植物に例えようとしている。彼女は、意思に関係なく伸びる人間の髪と、水や養分を吸い上げるためどこまでも伸びてゆく植物の根に、「生命のたくましさ」という共通点を見出だし、女性の髪を植物の根になぞらえて描いた。(T)

北 田 依 知 子1 9 9 0 年   北 海 道 旭 川 市 生 ま れ

《沈黙》 挑発的な格好の女性群。彼女たちは一体何へ視線を向けているのだろうか。ジェンダー的な問題を、北田は捉えようとしているのだろうか。彼女が描く女性は、豊満な肉体を露出させ、強い眼差しをどこかへ向けている。女性の強さとして捉えることもできる。しかし、それとともにどこか弱さを感じないだろうか。強い眼差しは、警戒を意味しているようにも思う。彼女たちは、弱いが自立しようと姿勢を見せているのだ。それは、若い作家である北田自身の姿勢と重なっているのかもしれない。(片山)

若 林 啓1 9 8 9 年   北 海 道 北 広 島 市 生 ま れ

《rangda》 脅威を求めてみるならば、それは時に伝奇物語とロマンスにも似た抒情を見つけることだろう。作家・若林の脅威、それは毎日の日々の中で、仄かな光に覚えるもののようである。かの淡い光、作家が通常の世界から抜けきる時、それは造形に託されるトワイライト・ゾーン(夕暮れ時)の白み。日常の終わりを、作家はどのようにイメージするのか。 (S)

谷 地 元 麗 子1 9 8 0 年   北 海 道 江 別 市 生 ま れ

一貫して女性像を描き続けている谷地元は、人物以外にあまり関心をもたないという。どんな人間にも、他者が踏み込めないような側面があるが、谷地元は人間のそんな部分に魅力を感じ、特に同性の視点から、女性の内面性やエロスを表現してゆきたいと語る。本展の出品作は 2 点。ともに《いつか見た夢》と題し、横たわる女性が描かれている。女性の姿は官能的で繊細に描かれながらも、その表情には気高さや力強さがあらわれている。(T)

菊 谷 達 史1 9 8 9 年   北 海 道 稚 内 市 生 ま れ

作 品 の 印 象 は 、 可 愛 い け れ ど 怖 い 。 ま る で 、 現 代 社 会 の 一 部 を ア イ コ ン の よ う に 描 い て い る 。 描 か れ た人 物 は 、 普 段 の 生 活 や 町 で 見 ら れ る 人 間 の 特 徴 を ア イ ロ ニ カ ル に 捉 え 、 不 気 味 な 笑 顔 を 浮 か べ て い る 。菊 谷 の 作 品 は 、 人 間 の 内 部 に 存 在 し て い る “ 負 ”、 一 般 的 に “ 負 ” と し て 認 識 さ れ て い る 部 分 が 強 調 され て い る 。 し か し 、 こ う い っ た 特 徴 に あ る 種 の キ ャ ラ ク タ ー 性 を 与 え る こ と に よ っ て 、 否 定 / 肯 定 す るの で は な く 、 人 間 の 新 し い 認 識 方 法 を 提 示 し て い る の か も し れ な い 。 (K)

Page 15: miraiten 10th 2

× O K I

28 29

三味

線演

奏 /

20

11

.3.2

6 [

sat]

東 海 林   靖 志こ う の   紫

ダン

スパ

フォ

ーマ

ンス

/ 2

01

1.3

.27

[sun]

美的な音色は必ずしも美術や音楽と言う区

分のもとに、感じ取られるわけではないが、

作家・こうの、彼女はその狭間を佇む。瞳

に映る美的なものは、音楽的感性により語

られるからなのだろうか。この響きと初め

て出会った時に、音色に造形的筆触を感じ

る。それはいつかどこかで耳にしたもので

なく、かつて視覚を介して精神に語られた

美術の物語である。さらに時として、それ

は物語を超えた視覚的な現実であった。(S)

東海林は、「一線を越えてその時間を共有す

ること」を大切にしているという。彼が踊

るダンスは、何かストーリーがあるわけで

もなく、違和感があるだろう。しかし、動

作の中には、普段我々が何気なくおこなう

仕草にも似ている部分がある。同じ空間に

いる者は、異質 / 同質の連続を目の当たりし、

違和 / 共感を繰り返す。空間を共有するこ

とによって、“自己と他者”という日常的な

問題を再認識させるのかもしれない。(K)

Page 16: miraiten 10th 2

31

222 第 2 室へ進むと、賑やかな空間が広がっている。「第 2 室:イリュージョン」には、ダイナミックで動的な要素が含

まれている作品を集めた。他の展示室と比べると、エネルギッシュな印象が強く、多種多様な表現が混在しているので、

この状況に違和感を抱く人もいるだろう。

 サッポロ未来展は、若手作家によっておこなわれるグループ展である。展示される作品は、特定のテーマを設けて

制作されているわけではない。各々の作家がつくり出した作品は、次 と々展示空間に組み込まれ、化学反応を起こし、

新たな何かが生まれるのだ。その“何か”とは、見る人の捉え方によって様々な可能性を秘めている。サッポロ未来

展の特徴のひとつである〈作品と作品の化学反応〉を、本展では特に強調するような展示形態をとった。

 各作家の感覚や想像力によって生み出された作品が集まるこの展示室は、「統一」というものは一切無視され混沌と

している。どのように見たら良いのか戸惑う人もいるかもしれない。そのような場合は、これらの作品群を一つの風景

として捉えてみてはいかがだろうか。イメージの集合体は、見る人のイメージが加えられることによってひとつの風景と

して完成することができる。そのプロセスがこの第 2 室のテーマである〈イリュージョン〉なのだ。多種多様な表現の

混在は、人々を惑わし、魅了し、多くの物語を想像させ、この風景は変化し続けるだろう。

片山 実季

第 2 室:イリュージョンス ズ キ ナ ツ コN a t s u k o S u z u k i

伊 藤 直 美N a o m i I t o h

Page 17: miraiten 10th 2

32 33

黒 岩 絵 里 子E r i k o K u r o i w a

河 野 健T a k e s h i K a w a n o

大 浦 和 代K a z u y o O u r a

風 間 雄 飛Y u h i K a z a m a

Page 18: miraiten 10th 2

3534

安 居 沙 織S a o r i Y a s u i

川 上 亜 里 子A s a k o K a w a k a m i

千 葉 隆 弘T a k a h i r o C h i b a

風 間 天 心T e n g s h i n g K a z a m a

Page 19: miraiten 10th 2

3736

第 2 室 出 品 作 家

7 年 前 の 春 、 祖 父 が 亡 く な っ た 。

ぼ く は 火 葬 場 で 、 祖 父 が 灰 に な る ま で の 数 十 分 間 、 煙突 か ら 昇 る 煙 を 見 つ め て い た 。 も う 二 度 と 会 う こ と ので き な い 悲 し み と 共 に 、 ぼ く は 、 人 間 も 物 質 で あ る とい う 当 た り 前 の よ う な 現 実 に シ ョ ッ ク を 受 け た 。

現 在 、 米 国 の ラ イ フ ジ ェ ム と ス イ ス の ア ル ゴ ダ ン ザ の2 社 が 、 遺 灰 か ら ダ イ ヤ モ ン ド を 製 造 す る サ ー ビ ス を行 っ て い る 。 遺 灰 に 高 温 高 圧 を 加 え 、 い わ ば 死 者 を 二度 焼 き 、圧 縮 す る こ と で 、遺 族 は 故 人 の 身 体 の 一 部 ( であ っ た も の ) を き わ め て 純 度 の 高 い か た ち で 所 有 す るこ と が で き る 。 そ の プ ロ セ ス は 「 炭 素 の 結 晶 化 」 の 意味 を 超 え た 、 遺 灰 か ら 故 人 の 代 用 物 ( i c o n ) 的 価 値を も っ た 新 し い 物 質 を 創 り 出 す 、 と い う 現 代 の 錬 金 術に 他 な ら な い 。

あ の と き 、 煙 と な っ て 空 に 散 ら ば っ た 祖 父 の 遺 灰 は 、あ ら ゆ る 塵 や 埃 と 混 じ り 合 い な が ら 「 雪 」 と な っ て 降り 積 も っ た 。そ の 想 像 力 が 、 ぼ く の 足 を 火 葬 場 の 眼 前 に 広 が る 雪 原に 踏 み 入 れ さ せ る 。

代 用 物 と し て の 価 値 な ら ば 、 ダ イ ヤ モ ン ド の 輝 き は 一体 何 を 残 し て く れ る の だ ろ う 。

吉 田 浩 気H i r o k i Y o s h i d a

松 隈 無 憂 樹M u j u M a t s u k u m a

ス ズ キ ナ ツ コ1 9 8 0 年   北 海 道 札 幌 市 生 ま れ

《それぞれにわかる合図》《drop drawing》 動物をモチーフに作品を作り続けているスズキは、今回いくつかの絵を並べた作品を発表している。柔らかい色合いで描かれた絵が、無造作に置かれている。子どもの頃に、自分だけの場所を発見したような感覚に陥るようである。描かれているモチーフははっきりとした輪郭があるわけではないが、鑑賞者にさまざまなイメージを膨らませる。スズキは、「思いつかないままつくっている」といっているが、無意識の中で彼女自身の世界があるのであろう。物語性の強い作品だ。 (K)

黒 岩 絵 里 子1 9 8 3 年   北 海 道 札 幌 市 生 ま れ

黒岩は、抽象的なものを描き続けている。時には渦のようなものが表れたり、水を連想させるようなものを描いている。それは目を閉じた時に見る、瞼の裏側の世界のようだ。目を閉じると、光の加減や意識の変化によって、それは流動し続ける。心象風景といっても良いのかもしれない。彼女が心象風景を描いているかは分からないが、そう捉えることもできよう。色はカラフルであり、時にグロテスクでもある。鑑賞者が見ることによって、さらに異なった風景へと変化し続けるだろう。 (K)

河 野 健1 9 7 3 年   北 海 道 苫 小 牧 市 生 ま れ

《白湯》 家族をモチーフとしているが、子どもへ焦点を絞っている。一見子どもが見ている風景が描かれているように思うが、それは父親としての河野の視線である。子どもを観察することによって、それは家族の団欒の象徴であるとともに、家族の危うさなどを捉えている。家族という存在をさまざまな視点で考えさせる作品ではないだろうか。 (K)

伊 藤 直 美1 9 7 8 年   北 海 道 札 幌 市 生 ま れ

《私は貴方を高嶺の花とは思わない》は、鉄屑に埋もれた花が一輪咲いている。日常生活のなかでよく目にする、コンクリートから元気よく伸びているタンポポを連想させる。この鉄屑の世界はどこなのだろう。ひょっとすると未来の世界かもしれない。タイトルのテキストは、作者の言葉ではなく、そこにある花の想いかもしれない。花は自分自身にこの言葉をつきつけることで、強くそこで生きていけるのだ。

風 間 雄 飛1 9 8 2 年   北 海 道 上 川 郡 東 川 町 生 ま れ

絵を描くという行為より、刷るという行為の方が相応しい。風間が制作テーマにしているのは「記憶」だ。曖昧であり、一瞬で別のものへと変化してしまう記憶。風間が捉えた一瞬の記憶をいくつかのパターンへと分割し、版を刷る。作品は、彼自身の記憶であるが、見る人が自分自身の記憶と重なることによって流動的に変化し、記憶が共有されていく。 (K)

大 浦 和 代1 9 8 0 年   北 海 道 札 幌 市 生 ま れ

今回の展覧会には、食をモチーフにした作品を出品したという。赤い色がとても印象的だ。タイトルは《japanese food 200908》。人間にとって重要な営みの中に“食”がある。人間は、他の生命体を自分に取り込むことによって、自己を存在させている。そうしなければ、生きていけないのである。大浦の作品に登場するフレッシュな赤(トマトの赤を連想させるが定かではない)、それは生きている人間が口から自分へ取り込む赤だ。ファストフードがあふれている現代への危惧を表しているのかもしれない。 (K)

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38

第 2 室 出 品 作 家

松 原   壮 志 朗人

形劇

/ 2

01

1.3

.27

[sun] 安 居 沙 織1 9 8 1 年   北 海 道 深 川 市 生 ま れ

描かれているのは、よく祭りで売られている金魚である。ビニール袋の水の中に入れられている金魚だ。画面に大きく描かれており、タイトルは《Red AND Black》。風景は具体的に描かれていないが、祭りの灯りに照らされた金魚なのだろうか。安居は、これまで色をテーマに作品を描いてきた。彼女にとって、祭りの金魚は印象深かったのだろう。記憶自体を再現することは困難だが、鮮明に残っている赤と黒をよく再現している。彼女にとっての記憶とは、“色”なのかもしれない。 (K)

川 上 亜 里 子1 9 9 0 年   北 海 道 え り も 町 生 ま れ

川上は、北海道の厳しい自然とともに生き、諸神を敬うアイヌの文化に共感し、制作のテーマとしている。出品作のひとつ < ユクカムイの角 > は、アイヌの神アイヌラックルが、鹿の神ユクカムイと闘ったという神話からインスピレーションを受けている。捕えた動物を、神の仮の姿として崇め、その肉・皮・骨すべてを無駄にしないアイヌ。川上は、ユクカムイの角が現代までどこかで大切に奉られているだろうと想定し、超自然的で崇高さすら感じられる角を制作した。

(T)

吉 田 浩 気1 9 8 6 年   北 海 道 札 幌 市 生 ま れ

《Diamond Dust》 小さな心を示そうか。それは愛を語れぬ心の内だ。どこで想いを告げようか。この広大なフィールド、ここで告げよう。大きな声など出さなくとも、走った息切れは空気が伝えてくれるだろう。作者はなにを想う。広大さの中で唯一のもの。真白な雪はどこも一緒なのか?作者・吉田は、その場にいる者へ大きく語っている。雪は郷土への魂とともに何度もあり続けた、冬に訪れる異邦人の様。幾度も出会い、別れ続けた冬の異邦人に祖父の姿を見る。彼は雪と、どこで語り合ったのだろうか。 (S)

風 間 天 心1 9 7 9 年   北 海 道 上 川 郡 東 川 町 生 ま れ

《mountain》 高くそびえる作家の被造物と真上の惑星と見間違えてしまいそうな巨大バルーン。その目下の構造物は大気の動きとともに、いつまでも同じ形を保たない。空は動き、雲は流れては消える。運ばれる風。数ある宇宙の星の中で、自然がこんなにも多くの表情で出迎えてくれる惑星はどこかにあるものか。人が作った造物、そこにあるフォルムと自然の息吹が出会う時、作者のたたずむ、広大なフィールドに、なにかが余韻となって残る事だろう。 (S)

千 葉 隆 弘1 9 7 6 年   北 海 道 札 幌 市 生 ま れ

千葉は、社会への疑問を一つの制作動機としており、昨年末から戦車をモチーフにした一連の作品を制作し始めた。戦車は、戦争や戦地といったネガティヴなイメージを連想させる。しかし、彼がつくった戦車は、必ずしもそうではない。立体とドローイングで戦車を表しているが、そのほとんどが解体された戦車である。木材の骨格がむき出しの戦車があり、ドローイングで描かれている戦車はカラフルで実際の重々しい戦車のイメージと異なる。戦車という存在をさまざまな方法で解体することで、争いの終焉を指し、戦車の新しい捉え方の可能性を提示している。 (K)

松 隈 無 憂 樹1 9 8 5 年   東 京 都 八 王 子 市 生 ま れ 、 札 幌 育 ち

《空も閉じ込める奴ら》 “コミュニケーション”と“翻弄”をテーマに制作された作品は、絵具で塗り重ねられたマチエールが印象的だ。具体的に何が描かれているのか分からないが、タイトルを意図的に鑑賞者を翻弄させるように「的確ではないこと」を提示しているという。松隈がつくった作品やタイトルは人を翻弄させる。なぜなら、作品を読み解くための的確なことは何一つ提示されていたいからだ。人は、常に何か答えを得ようとするが、本当は的確な答えというものは存在しないのかもしれない。 (K)

暗闇の中で、最も印象深い思い出を思い返してみてはどうか。人形たちは

舞い踊る、そして雄弁に語る。心が宿った人形の行為が、私たちの体験し

た思い出とシンクロする時、苦悩に苦しみながら、それでも懸命に動こう

とする人形たちの、たわいもないおとぎの世界から、不思議と日常のリア

ルな経験をむくむくと感じさせるのだから、人形の中に松原が入っている

んじゃないかと、不思議な、それは不思議な人形たちなのである。(S)

Page 21: miraiten 10th 2

333341

第 3 室:クライマックス

 サーカスのクライマックスとして位置付けられた本章の作品は、感情やメッセージ性が強く表出されているのが特徴

である。ひとつひとつの作品が見る者に訴えかけ、ファンタジー、ユーモア、インパクト、感動などといった、さまざま

な印象を与える。観賞者が芸術作品と対峙したとき、その見え方が人によって異なるのは言うまでもない。それは観

賞者個人の考え方やそれまでの体験などに基づいており、言いかえれば、作品と向き合うことは自分自身と向き合うこ

とに他ならない。華やかなイリュージョンの後に深い思索の時を経て、観賞者はサーカスのテントから日常世界へと戻っ

てゆくのである。

寺地 亜衣

冨 田 哲 司T e t s u s h i T o m i t a

問 谷 明 希A k i T o i y a

Page 22: miraiten 10th 2

42 43

三 浦 卓 也T a k u y a M i u r a

加 藤 広 貴H i r o k i K a t o

山 田 啓 貴K e i k i Y a m a d a

佐 藤 仁 敬J i n k e i S a t o

Page 23: miraiten 10th 2

44 45

池 田 光 弘M i t s u h i r o I k e d a

菅 野 舞 子M a i k o K a n n o

吉 井 見 知 子M i c h i k o Y o s h i i

菊 池 大Y u t a k a K i k u c h i

Page 24: miraiten 10th 2

4746

波 田 浩 司K o j i H a t a

第 3 室 出 品 作 家

冨 田 哲 司1 9 7 7 年   北 海 道 札 幌 市 生 ま れ

出品作《Ariadne in Contemporary Maze》は、石膏像のアリアス ( アリアドネ ) と映像によるインスタレーション。ノートパソコンのデスクトップには、同じデータが入った 1000 のフォルダでびっしりと埋め尽くされており、各フォルダには「Ariadne」の名称で、1 から 1000 までの通し番号が入っている。乱雑に取り散らかったフォルダや文字は、デジタルメディアによって表面的な視覚情報に惑わされ、オリジナルとコピーの判別ができなくなった、現代における美学上の迷宮を表している。アリアドネは、ギリシャ神話では迷宮脱出への道を示したことで知られているが、その彼女がここでは、壁に投影された画面から背を向け涙を流している。視覚的メディアの台頭する現代社会への問いかけを示した作品。(T)

三 浦 卓 也1 9 7 8 年   北 海 道 函 館 市 生 ま れ

《多くの物語を語る》 懐古は時を飛び越して現実に記される。煌めきは画中の外のどこかに置かれ、それは瞳に映された。静寂は雄弁だ。すでに過ぎた日々ならば、いずこかを探して、それを示そう。静寂の戸をほんの少しだけノックしてみたい。  (S)

加 藤 広 貴1 9 7 2 年   北 海 道 苫 小 牧 市 生 ま れ

《ピッカピカの月夜》 月に手を伸ばそう。月には兎だっているし、狂気のことをルナシー(ルナは月)と呼んだりもする。いろいろ月夜に起きている。月は世界を誘惑する。たまたま太陽が月を照らしているだけで、月の女神は太陽などなくても街を見ている。人間は月に近づこうとして、鉄塔の街を高く作る。そんな一夜を感じさせた作者・加藤の夜想。 (S)

問 谷 明 希1 9 8 0 年   北 海 道 旭 川 市 生 ま れ

問谷の油彩画は一見して抽象画のようであるが、よく目を凝らしてみると、人物や風景、静物など、さまざまなモチーフが浮かび上がってくる。彼女は、どんなにちっぽけで単純なものでも、焦点を当ててみると光る瞬間があると語っている。絵画の中のモチーフもそれぞれは素朴だが、淡い色彩を重ねることによって描かれるそれらは、観ていると確かに光を当てたようにぼんやりと浮き彫りになる瞬間がある。 (T)

佐 藤 仁 敬1 9 8 0 年   北 海 道 滝 川 市 生 ま れ

《不在の存在》 もし世界が再構築され、その全てが変容する日が来るならば、その変動をあだや疎かにして、日常を過ごせるものなのか。馬を描く作家の目線が、四角四面の世界から、肉体の静寂さを解き放つ。馬は変容する自らの生の内に、死という虚無の状態を維持しているのか。いや、もしかしたらその馬の魅力はなお絶大なる久遠(くおん)なものと言うことなのか。象徴するものは、永遠の嘶きか。 (S)

山 田 啓 貴1 9 7 8 年   北 海 道 苫 小 牧 市 生 ま れ

《海岸の記憶》 この絵は貴いのだと思う。日常に出会う多くの諸要素は常に私たちに語りかけてくる。けれどそれは永遠だろうか。磯の香りその塩からさ、鼻腔を通り匂いが当事者に伝わる。それはいみじくも語り難い不明瞭な、いつの日かの想いか。作者・山田をもっと知りたい。彼の無意識へのアプローチ。レミニセンスreminiscence、記憶の再生。 (S)

川 上 亜 里 子A s a k o K a w a k a m i

Page 25: miraiten 10th 2

48 49

透明のキャンバスに好きな絵を描いてもらいました。透明のキャンバスを

たくさん重ねて(レイヤー)、透かせて見ながら絵を描くことができます。

交 流レ

イア

あー

と /

20

11

.3.1

9 [sat] - 2

01

1.3

.27

[sun]

第 3 室 出 品 作 家

池 田 光 弘1 9 7 8 年   北 海 道 岩 内 町 生 ま れ

幻想的な風景と、物質としてキャンバスの上に付着する油絵具とが混在することで、絵画のなかに独自の世界観を作り上げる池田。本展の出品作≪ untitled ≫は、写実的に描いた岩の上にさまざまな色の絵具が塗り重ねられており、その層があたかも岩の中心部に堆積しているかのように見える。印象派を思わせるこの手法によって、絵具の鮮やかな色彩が保たれる。そして絵具層の塗り重ねによって深い奥行が生まれ、観る者の視線を画面の中央へと引きつける。 (T)

菅 野 舞 子1 9 8 4 年   北 海 道 小 清 水 町 生 ま れ

《N0.1 WGS-84(43.059598141.330579)》 絵画や立体、写真、映像といったメディアは、時には抽象的なイメージを鑑賞者へ与え、そのイメージが変質するようなアプローチをする。それらと比べると、言語は、明確なイメージを他者と共有するために一般的に使用されてきた。具体性という言語の特質を、あえて失わせ、キーワードとなる言葉を元に次々と言葉を連想させて関係をつなげていくのが、菅野の作品だ。本に書いてある質問や提案に鑑賞者が答えを書き込み、言語が持つ曖昧さや抽象性を引き立て、一般的な言語とは異なったイメージ共有を提案している。 (K)

波 田 浩 司1 9 7 1 年   北 海 道 江 別 市 生 ま れ

波田は、人物と建物を描き続けているが、それは一体何を意味しているのか。現代社会では、インターネットを通してさまざまな国や人種を超えてイメージを共有している。実際に経験していないことを、ネットから具体的なイメージを引き出すことによって間接的経験の機会は増え、身体性が失われつつある。波田が描く人物は、湾曲して翼が生えている。身体性の喪失、そして新たな「身体性と都市」の在り方を提示しているのかもしれない。(K)

菊 地 大1 9 7 6 年   北 海 道 苫 小 牧 市 生 ま れ

今回の出品作≪ blast ≫は、菊地が「大人積み木」と呼んでいるシリーズの一つ。粘土製のブロックが斜方へ高く積み上げられている。展示室の空間を分断するかのような存在感を放ち、また同時に緊張感をも感じさせる。不安定な角度に積み上げられたブロックは、さらに上方へ延び続けようとしているのか、それともバランスを失い、今まさに倒壊する瞬間なのか。作品の解釈は、観る者にゆだねられる。 (T)

吉 井 見 知 子1 9 7 9 年   北 海 道 広 尾 郡 大 樹 町 生 ま れ

広尾郡大樹町生まれの吉井。故郷の大自然は、彼女にとって「人生の原点」であるという。出品作≪龍血樹≫は、絵画と天井から吊り下げられた立体を組み合わせた連作。「龍血樹」とは、カナリア諸島原産の巨木で、地球上でもっとも長寿の木であり、7000~8000 年生きるとされている。また、血のように赤い樹液からその名がつけられた。彼女は、悠久の時のなかで生き続ける神秘的な龍血樹に魅せられ、本作の制作に至った。 (T)

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50 51

招 待 作 家 招 待 作 家

堀 一 浩K a z u h i r o H o r i

北 本 真 隆M a s a t a k a K i t a m o t o

棚 澤 寛H i r o s i T a n a s a w a

京 岡 英 樹H i d e k i K y o o k a

高 松 和 樹K a z u k i T a k a m a t s u

大 泉 佳 広K a z u h i r o O i z u m i

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52

風 間 天 心T e n g s h i n g K a z a m a

屋 外 展 示

 「第 10 回サッポロ未来展」に参加した 51人の作家は、それぞれ作風も活動の場も多種多様であるが、北海道出

身、または北海道にゆかりがあるという共通項をもっている。普段の活躍の場がどこであれ、彼らは北海道を自らの

原風景として大切にしており、そのことを多かれ少なかれ作品にも反映させている。北海道という土地を愛しつつも、

一定の土地に定住することにこだわりをもたず、どこへ行ってもたくましく生きてゆく姿は、さながらノマド(遊牧民)

のようであり、または自らの芸を糧として各地を転 と々する旅芸人の姿をも彷彿とさせる。

展覧会後、彼らはまたそれぞれの日常に戻ってゆく。しかし1年後には再び札幌に集まって、また新たなサーカスを

披露するだろう。

「サーカス」の語源はラテン語の「円(circulus)」である。「サッポロ未来展」は、北海道を原風景とする若手作家に

とって「旅」の出発点であり、また同時に帰着点でもあるといえよう。

寺地 亜衣

53

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54 55

サ ッ ポ ロ 未 来 展 2 0 0 2 ー ー 2 0 1 0

■ 出品作家朝田 千佳子/石山 由貴子/伊藤 生野/長部 佳代子/柿本 礼子/加藤 広貴/加藤 宏子/河野 健/河原 真理子/菊地 大/木村 紘子/郷田 晴子/河野 紫/佐久間 和子/佐々木 永利子/佐藤 弘法/澤出 玲奈/鈴木 奈津子/高橋 優依/竹居田 圭子/多田 和史/田中 怜文/千葉 隆弘/月田 有香/辻 由佳里/出戸 千秋/中川 ゆき乃/中島 涼沙/永良 雄亮/波田 浩司/秦朋 子/平松 佳和/堀江 千草/堀口 静子/前田 宗/三浦 卓也/村山 之都/安居 沙織/山田 啓貴/山本 陽子/吉川 孝/渡邊 慶子

■ 出品作家伊藤 生野/柿本 礼子/風間 真悟/加藤 広貴/河野 健/河野 紫/田中 怜文/中川 治/中島 涼/沙間 笑美/波田 浩司/秦 朋子/藤本 太志/水野 智吉/宮地 明人/村山 之都/谷地元 麗子/山田 啓貴/山本 陽子/渡辺 和弘/渡邊 慶子/渡辺 元佳

■ 出品作家浅沼 さゆり/風間 真悟/加藤 広貴/河野 健/河野 紫/齋藤 麗/鈴木 奈津子/竹居田 圭子/田中 怜文/中川 治/西山 直樹/間 笑美/波田 浩司/秦 朋子/藤本 太志/水野 智吉/宮地 明人/村山 之都/矢口 佳那/谷地元 麗子/山田 啓貴/山本 陽子/渡辺 和弘/渡邊 慶子/渡辺 元佳

■ 出品作家井上 大輔/大泉 佳広/北本 真隆/京岡 英樹/堀 一浩/ 渡辺 秀亮/サッポロ未来展

「THE PRESENT」出品作家

■ 出品作家稲實 愛子/風間 真悟/カトウ タツヤ/河崎 辰成/河野 健/菊谷 達史/北田 依知子、 佐々木 ゆか/佐藤 志帆/佐藤 仁敬/佐藤 舞/鈴木 秀尚/竹居田 圭子/中川 治/波田 浩司/久山 春美/福森 崇広/前田 健浩/三上 曜/宮地 明人/谷地元 麗子/渡辺 元佳 ■ 招待作家高松 和樹、 棚澤 寛

■ 出品作家本誌目次 p.2 ~ 3 参照■ 招待作家大泉 佳広/北本 真隆/京岡 英樹/高松 和樹/棚澤 寛/堀 一浩

■ 出品作家秋元 美穂/風間 真悟/河野 健/久津間 律子/斉藤 麗/佐藤 正和/高村 葉子/田中 怜文/戸山 麻子/中川 治/長屋 麻衣子/西山 直樹/間 笑美/波田 浩/司秦 朋子/平松 佳和/藤井 康子/船橋 彩/水野 智吉/宮地 明人/棟方 一沙/村山 之都/谷地元 麗子/渡辺 和弘/渡邊 慶子/渡辺 元佳

■ 出品作家秋元 美穂/稲實 愛子/風間 真悟/片山 実季/河野 健/菊池 博江/久津間 律子/河野 紫/小林 愛美/齋藤 麗/佐藤 正和/高村 葉子/竹居田 圭子/田中 怜文/西山 直樹/波田 浩司/平野 可奈子/平松 佳和/藤井 康子/三浦 卓也/水野 智吉/宮澤 佑輔/宮地 明人/棟方 一沙/村山 之都/谷地元 麗子/山田 啓貴/山本 陽子/渡辺 和弘/渡辺 元佳

■ 出品作家朝地 信介/石山 有貴子/伊藤 生野/柿本 礼子/風間 真悟/加藤 広貴/河野 健/河野 紫/佐久間 和子/佐藤 弘法/竹居田 圭子/田中 怜文/中川 治/中島 涼沙/間 笑美/波田 浩司/秦 朋子/平松 佳和/藤本 太志/堀口 静子/宮地 明人/村山 之都/山田 啓貴/山本 陽子/渡辺 和弘/渡邊 慶子/渡辺 元佳

■ 出品作家青木 美歌/秋元 美穂/風間 真悟/片山 実季/河野 健/ こうの 紫/齋藤 麗/佐藤 仁敬/高村 葉子/竹居田 圭子/田中 怜文/長屋 麻衣子/西山 直樹/波田 浩司/平野 可奈子/福森 崇広/藤田 有紀/水野 智吉/宮澤 佑輔/宮地 明人/明円 光/村山 之都/谷地元 麗子/吉田 浩気/ 渡辺 直翔/渡辺 元佳

■ 出品作家秋元 美穂/稲實 愛子/海藤 慎治/風間 真悟/河崎 辰成/ 河野 健/菊谷 達史/こうの 紫/佐藤 仁敬/佐藤 正和重孝/鈴木 秀尚/高村 葉子/ 竹居田 圭子/立岩 明日実/田中 怜文/波田 浩司/福森 崇広/藤田 有紀/水野 智吉/宮下 倹/宮地 明人/明円 光/村山 之都/谷地元 麗子/吉田 浩気/渡辺 直翔/ 渡辺 元佳

■ 出品作家青木 美歌/秋元 美穂/稲實 愛子/風間 真悟/片山 実季/河野 健/菊地 博江/久津間 律子/こうの 紫/小林 愛美/齋藤 麗/佐直 麻里子/佐藤 仁敬/佐藤 正和/高村 葉子/竹居田 圭子/田中 怜文/戸山 麻子/長屋 麻衣子/西山 直樹/波田 浩司/平野 可奈子/藤井 康子/三浦 卓也/水野 智吉/宮澤 佑輔/宮地 明人/明円 光/村山 之都/谷地元 麗子/渡辺 和弘/渡辺 元佳■ 招待作家大泉 佳広/北本 真隆/京岡 英樹/堀 一浩

第1回展  第6回展  第 7 回展「THE PRESENT」

第 8 回展「LABORATORY」

第10回展「ノマディックサーカス」第9回展「Fo r um」

第 2 . 1 回展 

第4回展  第5回展 

第3回展  :m i r a i t e n[金沢]

第 2 回展  2002 . 3 . 4 ~ 3 . 9 2007 . 3 . 19 ~ 3 . 24 2008 . 3 . 17 ~ 3 . 22

札幌時計台ギャラリー 全室 札幌時計台ギャラリー 全室 札幌時計台ギャラリー 全室

南幌町ふるさと物産館ビューロー

札幌時計台ギャラリー 全室 札幌時計台ギャラリー 全室札幌時計台ギャラリー 全室 北海道立近代美術館

札幌時計台ギャラリー 全室

札幌時計台ギャラリー 全室 札幌時計台ギャラリー 全室金沢市民芸術村 アート工房

ギャラリー 点2003.8 .5 ~ 8.20

2005.3 .14 ~ 3.19 2010.3 .15 ~ 3.202006.3 .20 ~ 3.25 2011.3 .19 ~ 3.27

2004.3 .15 ~ 3.20 2009.3 .16 ~ 3.212008.4 .8 ~ 4.13

2003 . 3 . 17 ~ 3 . 22

■ パネルトーク 3 月 18 日 ( 日 ) 北海道立近代美術館 講堂 主催 : サッポロ未来展実行委員会、北海道新聞社 共催 : 札幌時計台ギャラリー パネラー : 荒巻 義雄(作家、札幌時計台ギャラリー代表) 一井 建二(月刊 美術の窓 編集長)※功刀 知子より変更 古家 昌伸(北海道新聞社 編集局文化部)佐藤 友哉(北海道立近代美術館 副館長)田井 淳(独立美術協会 会員)波田 浩司(サッポロ未来展 代表)司会 : 高橋 伸(独立美術協会 会員、札幌武蔵野美術学院 学院長)

■ レイヤあーと(参加型作品) 札幌時計台ギャラリー G 室 参加費 : 無料■ ギャラリーツアー 15:00 ~ 16:003 月 16 日(火) 風間 真悟、 波田 浩司、 高松 和樹、 棚澤 寛 3 月 18 日(木) 竹居田 圭子、 福森 崇広、 鈴木 秀尚  3 月 20 日(土) 佐藤 志帆、 宮地 明人、 谷地元 麗子

■ パフォーマンス 3 月 19 日 ( 土 ) 16:00 祭太郎 / パフォーマンス 3 月 20 日 ( 日 ) 16:00 KICK/ カポエイラ独踊 3 月 21 日 ( 月 ) 16:00 茂呂 剛伸 / ジャンベ太鼓演奏 3 月 26 日 ( 土 ) 14:00 小玉 尚弘 / 和太鼓演奏 16:00 松原 壮志朗 / 人形劇3 月 27 日 ( 日 ) 14:00 東海林 靖志 / ダンスパフォーマンス          16:00 こうの 紫 / 三味線演奏

■レイヤあーと(参加型作品) 会場内 参加費 無料

■ 講演会 3 月 17 日 ( 月 ) 17:00 ~ 18:30 札幌時計台ギャラリー A 室 講師 吉田 豪介(美術評論家)

■ お絵描きワークショップ 3 月 15 日 ( 日 ) < 第 1 部 >10:30 ~ 13:30、< 第 2 部 >14:30 ~ 17:30 さっぽろテレビ塔 2F(しらかば) 参加費 :1 組 500 円 対象 :6-12 才と保護者 協力 : ターナー色彩■ 音楽×映像 in 時計台 3 月 20 日 ( 金 ) 開演 19:00 ~ 終演 20:00 さっぽろ時計台 2F(時計台ホール) 入場 1000 円(第 8 回展図録購入で無料)

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[ 会 場 ]

構 成 : 渡 辺 元 佳

制 作 : 渡 辺 元 佳 、 吉 田 浩 気 、 中 村 朋 美 、 藤 田 遼 子

      河 崎 辰 成 、 長 野 真 紀 子 、 小 杉 侑 以 、 若 林 啓

[ 図 録 ]

編 集 : 福 森 崇 広 、 風 間 天 心

執 筆 : 片 山 実 季 、 佐 々 木 慶 一 、 寺 地 亜 衣

写 真 : 小 牧 寿 里

デ ザ イ ン : D E N J U D E S I G N [ 成 田 伝 寿 ]

印 刷 : ◯ ◯ ◯ ◯

発 行 : サ ッ ポ ロ 未 来 展 実 行 委 員 会

      2 0 1 1 年 5 月 1 日

サ ッ ポ ロ 未 来 展 1 0 t h “ ノ マ デ ィ ッ ク サ ー カ ス ” 図 録 別 冊

サ ッ ポ ロ 未 来 展 実 行 委 員 会 事 務 局   代 表 : 波 田 浩 司

〒 0 6 0 - 0 0 3 2 札 幌 市 中 央 区 北 2 東 1 - 2 札 幌 武 蔵 野 美 術 学 院 内

T e l : 0 1 1 - 2 5 1 - 7 8 4 4   F a x : 0 1 1 - 2 5 1 - 7 8 4 8

E - m a i l : i n f o @ s a p p o r o m i r a i t e n . c o m

W e b s i t e : w w w . s a p p o r o m i r a i t e n . c o m