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2015年第2 06/30/15 著作権© 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN ® の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。 乳癌 リスク低減 2015年 第2NCCN.org NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ® ) NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン)

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NCCN Guidelines Version 2.2015 乳癌リスク低減

2015年第2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

ガイドライン索引

乳癌リスク低減 目次

考察

乳癌

リスク低減 2015年 第2版

NCCN.org

NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®)

(NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン)

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NCCN Guidelines Version 2.2015

乳癌リスク低減

ガイドライン索引 乳癌リスク低減 目次

考察

2015年第2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

* Therese B. Bevers, MD/Chair Þ The University of Texas MD Anderson Cancer Center John H. Ward, MD/Vice Chair † ‡ Huntsman Cancer Institute at the University of Utah Banu K. Arun, MD † The University of Texas MD Anderson Cancer Center Graham A. Colditz, MD, DrPH Siteman Cancer Center at Barnes- Jewish Hospital and Washington University School of Medicine Kenneth H. Cowan, MD, PhD ϭ Fred & Pamela Buffett Cancer Center Mary B. Daly, MD, PhD † Fox Chase Cancer Center Judy E. Garber, MD, MPH † Dana-Farber Cancer Institute Mary L. Gemignani, MD Ω Memorial Sloan Kettering Cancer Center William J. Gradishar, MD ‡ Robert H. Lurie Comprehensive Cancer Center of Northwestern University Judith A. Jordan, BS Patient Advocate NCCN Mary Anne Bergman Fayna Ferkle, PharmD Lauren Gallagher, RPh, PhD Rashmi Kumar, PhD

Larissa A. Korde, MD, MPH Fred Hutchinson Cancer Research Center/ Seattle Cancer Care Alliance Nicole Kounalakis, MD ¶ University of Colorado Cancer Center Helen Krontiras, MD ¶ University of Alabama at Birmingham Comprehensive Cancer Center Shicha Kumar, MD ¶ Roswell Park Cancer Institute Allison Kurian, MD, MSc † Þ ∆ Stanford Cancer Institute Christine Laronga, MD ¶ Moffitt Cancer Center Rachel M. Layman, MD † The Ohio State University Comprehensive Cancer Center - James Cancer Hospital and Solove Research Institute Loretta S. Loftus, MD, MBA † ‡ Þ Moffitt Cancer Center Martin C. Mahoney, MD, PhD & Þ Roswell Park Cancer Institute Sofia D. Merajver, MD, PhD ‡ University of Michigan Comprehensive Cancer Center

Ingrid M. Meszoely, MD ¶ Vanderbilt-Ingram Cancer Center Joanne Mortimer, MD † City of Hope Comprehensive Cancer Center Lisa Newman, MD, MPH ¶ University of Michigan Comprehensive Cancer Center Elizabeth Pritchard, MD ¶ St. Jude Children’s Research Hospital/ The University of Tennessee Health Science Center Sandhya Pruthi, MD Þ Mayo Clinic Cancer Center Victoria Seewaldt, MD † Duke Cancer Institute Michelle C. Specht, MD ¶ Massachusetts General Hospital Cancer Center Kala Visvanathan, MD, MHS Þ † The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer Center at Johns Hopkins Anne Wallace, MD UC San Diego Moores Cancer Center

NCCNガイドライン委員会に関する情報開示

委員会メンバー

Ω 婦人科腫瘍学 ϭ アレルギー/免疫学

† 腫瘍内科学 & 疫学

Þ 内科学(家庭医療、 ∆ 遺伝学

予防医学を含む) * 作成委員会メンバー

¶ 外科/腫瘍外科学

‡ 血液学

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NCCN Guidelines Version 2.2015

乳癌リスク低減

ガイドライン索引 乳癌リスク低減 目次

考察

2015年第2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

NCCN乳癌リスク低減委員会メンバー

ガイドライン更新の要約

家族性リスクの評価(BRISK-1)

リスク要素、リスク管理(BRISK-3)

リスク低減療法の希望なし:リスク評価およびスクリーニング/フォローアップ

(BRISK-4)

リスク低減療法の希望あり:ベースライン評価、介入およびフォローアップ

(BRISK-5)

タモキシフェンまたはラロキシフェン療法中の臨床症状および管理(BRISK-7)

リスク/ベネフィット評価およびカウンセリングの内容(BRISK-A)

乳癌リスク低減薬(BRISK-B)

臨床試験:NCCNは、すべてのがん患者にとって最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験へ

の参加が特に推奨される。

NCCN加盟施設における臨床試験のオンライン検索はこちらから:nccn.org/clinical_trials/physician.html

NCCNのエビデンスとコンセンサスによるカテゴリー:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2A

である。

NCCNのエビデンスとコンセンサスによるカテゴリーを参照

目次

NCCNガイドライン®は、エビデンスと現在受け入れられている治療方針に対する見解についての著者らの合意を記述したものである。NCCNガイドラインを適用または参照する臨床医には、患者のケアまたは治療法の決定において、個々の臨床状況に応じた独自の医学的判断を行うことが期待される。National Comprehensive Cancer Network®(NCCN®)は、その内容、使用、または適用に関して、意見陳述ないし保証を行うものではなく、いかなる場合においても、その適用または使用について一切責任を負わない。NCCNガイドラインの著作権はNational Comprehensive Cancer Network®にある。無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、NCCNガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。© 2015

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乳癌リスク低減

ガイドライン索引 乳癌リスク低減 目次

考察

2015年第2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

NCCN乳癌リスク低減ガイドライン 2015年第 1版から 2015年第 2版への更新は以下の通りである:

MS-1:アルゴリズムの変更点を反映させるべく考察部分の記述が更新された。

NCCN乳癌リスク低減ガイドライン 2014年第 1 版から 2015年第 1版への更新は以下の通りである:

BRISK-1

• 家族歴の下:

下位項目のさらに下の最初の項目が次のように変更された:

「乳癌感受性遺伝子の既知の変異を有する家系の近親者」

下位項目のさらに下の 2番目の項目が次のように再編および変更された:

「年齢を問わず、1人の近親者に原発乳癌が 2つ以上ある」

下位項目のさらに下の 3番目の項目が次のように変更された:

「年齢および性別を問わず、一方の家系(母方または父方)に原発乳癌患者

が 2人以上いる」

下位項目のさらに下の 4番目の項目が次のように変更された:

一方の家系(母方または父方)からの原発性浸潤性卵巣癌の患者がいる。上

記の浸潤性卵巣癌に対応する脚注「d」が新たに追加された。「卵管癌および原発性腹膜癌を含む。BRCA 関連卵巣癌には粘液性以外の上皮性の組織型との関連が認められる。他の遺伝性癌症候群に粘液性卵巣癌が合併することもある。また、PJSやその他の癌症候群に非上皮性卵巣癌が合併することもある。卵巣癌/卵管癌/原発性腹膜癌は、リンチ症候群を構成する腫瘍であり、この症候群の臨床徴候にも注意すること。NCCN Guidelines for

Genetic/Familial High-Risk Assessment: Colorectal を参照。

下位項目のさらに下の 6番目の項目が次のように変更された:

一方の家系に乳癌と以下のうちの 1つ以上の組合せを有する近親者が 1人以

上いる以下の既往歴および/または家族歴が 3つ以上認められる(特に若年

発症の場合):膵癌、高悪性度の前立腺癌(グリソンスコア≧7)、肉腫、

副腎皮質癌、脳腫瘍、子宮内膜癌、白血病/リンパ腫、甲状腺癌、腎癌、皮

膚症状および/または巨頭症、過誤腫性消化管ポリープ、またはびまん性胃

癌(同一個人の複数の原発癌を含む)

• 脚注「f」が次のように変更された:「いくつかの組織型の過誤腫性消化管または結腸ポリープと同時に乳癌ならびに口唇および口腔粘膜の色素沈着斑がみられる

場合は、STK11検査を考慮すべきである。NCCN……ガイドラインを参照。一部の HBOC家系で黒色腫が報告されている。」

• 脚注「i」が次のように変更された:「遺伝性症候群の基準を満たす可能性のある

患者のカウンセリングでは、遺伝カウンセラー、遺伝専門医、腫瘍専門医、外科

医、腫瘍専門看護師、または癌遺伝学の専門知識と経験を有するその他の医療専

門職が早期に関与するべきである。遺伝学的検査を提案する際と検査結果の判明

後に遺伝カウンセリングを行うことが強く推奨される。遺伝カウンセリングおよ

び遺伝学的検査の微妙な差異の詳細については、乳癌および卵巣癌における遺伝

学的/家族性リスク評価に関する NCCNガイドライン(BR/OV-A)を参照。」

BRISK-3

• リスク要素の下:

「平坦型上皮異型」が次の対応する脚注とともに新たに追加された:「この集団におけるリスク低減療法のリスクまたはベネフィットの大きさについては、説得力のあるデータは得られていない。」

異型過形成に対して新たな脚注が追加された:「異型過形成の女性では治療によりリスクが 86%低下する。リスク低減療法を強く推奨すべきである。」

BRISK-6

• 脚注:

「v」が次のように変更された:「リスク低減乳房切除術は一般に、乳癌のリスクを高める遺伝子変異を有する女性(乳癌および卵巣癌における遺伝学的/家族性リスク評価に関する NCCN ガイドラインの GENE-2の表を参照)すなわち、BRCA1/2、PTEN、TP53、CDH1、STK11)、強い家族歴を有する女性、場合により LCISまたは 30歳未満での胸部 RT の既往を有する女性にのみ考慮すべきである。説得力のある乳癌家族歴はないが、2倍以上の乳癌リスク増加と関連する他の遺伝子に病的変異がある女性におけるリスク低減乳房切除術の価値(大規模疫学研究に基づく)は不明である。」

「aa」が次のように変更された:「乳頭乳輪温存手術乳房切除術のリスクおよびベネフィットについて話し合うこと。」

「ff」が次のように変更された:「35歳未満の女性におけるタモキシフェンまたはラロキシフェンの乳癌リスク低減効果は不明である。ラロキシフェンは 35

歳以上の閉経後女性にのみ使用できる。長期追跡した場合のリスク低減効果では、ラロキシフェンはタモキシフェンより有効性が低いとみられるが、毒性を考慮に入れると、子宮が正常な女性では、なおもタモキシフェンよりラロキシフェンを選択することになる場合がある。タモキシフェンには催奇形性があるため、妊娠中または妊娠を計画している女性では禁忌である。」

BRISK-A

• 手術の下:

2番目の下位項目が次のように変更された:「BRCA1/2 変異を有する女性では、乳癌または卵巣癌のリスクおよびリスク低減両側卵巣卵管摘出術の選択肢についての話し合い。」

3番目の下位項目が次のように変更された:「リスク低減のための乳頭乳輪温存乳房切除術を考慮する。乳頭乳輪温存乳房切除術は、乳頭/乳輪および乳房の皮膚を温存する乳房全摘術である。残存乳房組織の量を最小限に抑えるよう努めるべきである。」

• 健康な生活習慣の下:

2番目の下位項目が次のように変更された:「飲酒量を 1日 1杯未満に制限する(1杯分:蒸留酒約 30mL、ワイン約 180mL、ビール約 240mL)。」

5番目の下位項目、「授乳」が新たに追加された。

UPDATES

1 OF 1

更新

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乳癌リスク低減

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考察

2015年第2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

家族性リスクの評価a

家族性/遺伝学的因子

• 乳癌に対する既知の遺伝学的素因(BRCA1/2、p53、PTEN、その他の遺伝子変異) BRISK-2 を参照

• 浸潤性乳癌または非浸潤性乳管癌(DCIS)の既往歴のない女性を対象とする詳細な遺伝学的リ

スク評価の基準b:

家族歴

癌感受性遺伝子の既知の変異を有する近親者

年齢を問わず、1人の近親者に原発乳癌 cが 2つ以上ある

年齢および性別を問わず、一方の家系(母方または父方)に原発乳癌患者が 2人以上いる

原発性浸潤性卵巣癌 dの患者がいる

第一度または第二度近親者に 45歳以下で乳癌を発症した者がいる

以下の既往歴および/または家族歴が 3つ以上認められる(特に若年発症の場合):膵癌、

前立腺癌(グリソンスコア≧7)、肉腫、副腎皮質癌、脳腫瘍、子宮内膜癌、甲状腺癌、腎

癌、皮膚症状 e,f、および/または巨頭症、過誤腫性消化管ポリープ f、またはびまん性胃癌g(同一個人の複数の原発癌を含む)

遺伝学的素因の頻度が高い集団に属するh

男性乳癌

Yes 女性が家族性/

遺伝性リスクの

基準を 1つでも

満たす No

BRISK-1

a 乳癌および卵巣癌における遺伝学的/家族性リスク評価に関する NCCNガイドラインを参照。

b 詳細な遺伝学的リスク評価と遺伝学的検査の基準は同一ではない。本ガイドラインの目的を考慮して、浸潤性および非浸潤性乳管癌も含めるべきである。家族性の癌パターンについて、母方と父方の家系は別々に検討するべきである。

c 2つの原発乳癌には、両側乳癌ならびに明らかに異なる複数の同側原発乳癌の症例を含める。

d 卵管癌および原発性腹膜癌を含む。BRCA関連卵巣癌には粘液性以外の上皮性の組織型との関連が認められる。他の遺伝性癌症候群に粘液性卵巣癌が合併することもある。また、PJSやその他の癌症候群に非上皮性卵巣癌が合併することもある。卵巣癌/卵管癌/原発性腹膜癌は、リンチ症候群を構成する腫瘍であり、この症候群の臨床徴候にも注意すること。NCCN Guidelines for Genetic/Familial High-Risk Assessment: Colorectalを参照。

e 皮膚症状については、乳癌および卵巣癌における遺伝学的/家族性リスク評価に関する NCCNガイドラインの「カウデン症候群」(COWD-1)を参照。

f 過誤腫性結腸ポリープと同時に乳癌ならびに口唇および口腔粘膜の色素沈着斑がみられる場合は、STK11の検査を考慮すべきである。NCCN Guidelines for

Genetic/Familial High-Risk Assessment: Colorectalの「Peutz-Jeghers Syndrome」を参照。一部の HBOC家系で黒色腫が報告されている。 g びまん性胃癌の家族歴を有する乳腺小葉癌では、CDH1遺伝子検査を考慮すべきである。

h 高リスク集団では、対象に含める要件を変更してもよい(例えば、アシュケナージ系ユダヤ人の家系であれば、年齢を問わず乳癌、卵巣癌または膵癌を有する個人)。

i 遺伝カウンセリングおよび遺伝学的検査の微妙な差異の詳細については、乳癌および卵巣癌における遺伝学的/家族性リスク評価に関する NCCNガイドライン

(BR/OV-A)を参照。

BRISK-2 を参照

腫瘍遺伝学の専

門家への紹介が

推奨されるi

BRISK-2 を参照

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NCCN Guidelines Version 2.2015

乳癌リスク低減

ガイドライン索引 乳癌リスク低減 目次

考察

2015年第2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

追加のリスク評価

女性がリスク低減療法を希望しない

(BRISK-4を参照)

リスク低減

カウンセリングm

Yes

• 既知の遺伝学的素因a 女性がリスク低減療法を希望する

(BRISK-5を参照)

または

• 遺伝学的素因を示唆する家系 a,j

または

• 主に家族歴に基づくモデルで算出した生涯

リスク>20%k

かつ

期待余命≧10年 l

No (BRISK-3を参照)

BRISK-2

a 乳癌および卵巣癌における遺伝学的/家族性リスク評価に関する NCCNガイドラインを参照。

j 女性が家族性リスクの基準を 1つでも満たす(BRISK-1を参照)。

k 主に家族歴に基づくリスクモデル(例、Claus、BRCAPRO、BOADICEA、Tyrer-Cuzick)。

l 期待余命の計算ツールを参照(www.eprognosis.com)。基準点として、米国における平均的な 78 歳女性の期待余命は 10.2歳である(NCCN Guidelines for Older

Adult Oncologyを参照のこと)。 m リスク/ベネフィット評価およびカウンセリングの内容(BRISK-A)を参照。

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考察

2015年第2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

リスクを高める要素 • 加齢 • 民族/人種 o

• 生活習慣因子 Body mass index(BMI)高値 飲酒 エストロゲンおよびプロゲステロンによるホルモン補充療法の施行または既往

• 生殖歴 初経年齢の低さ 未経産/出産回数の少なさ 第一子出産年齢の高さ 閉経年齢の高さ

• その他 平坦型上皮異型 p

異型過形成(乳管型および小葉型)q

非浸潤性小葉癌(LCIS)の既往 r

乳房生検の回数 癌診断の目的で行われた処置;同一病変に対する生検の反復は 1回分とする。

マンモグラフィでの乳腺密度 30歳未満での胸部 RTの既往

リスクを下げる要素 • 卵巣摘出術の既往 • リスク低減療法の既往 • 運動

リスク評価s リスク管理

期待余命<10年 l

• 30歳未満での

胸部 RTの既往

• LCISの既往 r

期待余命≧10年 l

女性が家族

性リスクの

いずれの基

準も満たさ

ない

リスク低減

カウンセリ

ング m

乳癌の 5年リスク

≧1.7%u

かつ

期待余命≧10年 l

女性がリスク低

減療法を希望す

る(BRISK-5を

参照) 評価 m,t

(例、35 歳以

上の女性を対

象とする改変

Gailモデル)

乳癌の 5年リスク<1.7%u

または

期待余命<10年 l

または

リスク低減のための内分泌療法

の禁忌 m

NCCN乳癌スク

リーニング・診

断ガイドライン

を参照

r LCIS患者の管理については、NCCN乳癌ガイドラインに記載されている。

s 乳輪周囲のランダムな穿刺吸引、乳頭吸引または乳管洗浄の臨床的有用性と役割は依然として評価段階にあり、臨床試験でのみ用いるべきである。

t 改変 Gailモデル(NCI Breast Cancer Risk Assessment Tool)はコンピューターベースのツールであり、NCIのウェブサイト(http://www.cancer.gov/bcrisktool/Default.aspx)から利用可能である。Gailモデルでは、乳癌発症リスクが過小評価される場合があり、例えば、BRCA1/2変異の保有者、乳癌の強い家族歴を有する女性、母方または父方の家系に卵巣癌の家族歴を有する女性、白人以外の女性などである。Claus、BRCAPRO、Tyrer-Cuzickおよび BOADICEAモデルは、乳癌、卵巣癌またはその他の癌の強い家族歴を有する女性における乳癌リスクの判定に特に有用と考えられる。考察の MS-2を参照。

u リスクの定義は、NSABP BCPT(National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project Breast Cancer Prevention Trial)による定義の通りである。

l 期待余命の計算ツールを参照(www.eprognosis.com)。基準点として、米国における平均的な 78歳女性の期待余命は 10.2歳である(NCCN Guidelines for Older Adult

Oncologyを参照のこと)。 m リスク/ベネフィット評価およびカウンセリングの内容(BRISK-A)を参照。

n DCIS患者の管理については、NCCN乳癌ガイドラインに記載されている。

o 例えば、アシュナケージ系ユダヤ人家系では、特定の BRCA1/2変異の保有率が高い。

p この集団におけるリスク低減療法のリスクまたはベネフィットの大きさについては、説得力のあるデータは得られていない。

q 異型過形成の女性では治療によりリスクが 86%低下する。リスク低減療法を強く推奨すべきである。

BRISK-3

リスク要素n

NCCN乳癌スク

リーニング・診

断ガイドライン

を参照

女性がリスク低

減療法を希望し

ない(BRISK-4

を参照)

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乳癌リスク低減

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考察

2015年第2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

リスク低減療法の希望なし リスク評価 スクリーニング/フォローアップ

遺伝学的素因を示唆する家系/または遺伝学

的素因が判明している家系 a,j

または

主に家族歴に基づくモデルで算出した生涯

リスク>20%k

女性がリスク低減療法

を希望しない

かつ

期待余命≧10年l

LCIS の既往r

30 歳未満での胸

部 RTの既往

NCCN乳癌スクリーニング・診断

ガイドラインを参照

乳癌の 5年リスク≧1.7%u

BRISK-4

乳癌および卵巣癌における遺伝学的

/家族性リスク評価に関する NCCN

ガイドライン

および

NCCN乳癌スクリーニング・診断

ガイドラインを参照

a 乳癌および卵巣癌における遺伝学的/家族性リスク評価に関する NCCNガイドラインを参照。

j 女性が家族性リスクの基準を 1つでも満たす(BRISK-1を参照)。

k 主に家族歴に基づくリスクモデル(例、Claus、BRCAPRO、BOADICEA、Tyrer-Cuzick)。

l 期待余命の計算ツールを参照(www.eprognosis.com)。基準点として、米国における平均的な 78 歳女性の期待余命は 10.2歳である(NCCN Guidelines for Older

Adult Oncologyを参照のこと)。 r

LCIS患者の管理については、NCCN乳癌ガイドラインにも記載されている。 u リスクの定義は、NSABP BCPT(National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project Breast Cancer Prevention Trial)による定義の通りである。

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NCCN Guidelines Version 2.2015

乳癌リスク低減

ガイドライン索引 乳癌リスク低減 目次

考察

2015年第2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

ベースライン評価 リスク低減療

法の希望あり

リスク低減介入 フォローアップ

両側乳房全摘術aa,bb

±再建手術

リスク低減乳房切除術の

希望あり v

リスク低減両側卵巣卵管

摘出術の希望ありw

(BRCA1/2変異が既知

または強く疑われる女性

に限定)

両側卵巣卵管摘出術と腹膜洗浄。

病理学的評価には卵巣および卵管

の切片を含めるべきである。

臨床的に適応がある場合

正常

女性がリス

ク低減療法

を希望する

かつ

かつ期待余

命≧10年 l

• ベースラインの婦人

科評価(子宮が正常

な女性)

• ベースラインの骨密

度評価(閉経後女性

のみ)

閉経前 cc

リスク低

減薬x,y,z

閉経後cc,dd

NCCN乳癌スクリーニング・診断

ガイドラインを参照 異常

BRISK-6 の脚注を参照

BRISK-5

前年に実施さ

れていない場

合、NCCN乳

癌スクリーニ

ング・診断ガ

イドラインに

従った乳房ス

クリーニング

• 乳癌リスクの高い女性

には NCCN乳癌スクリ

ーニング・診断ガイド

ラインに従ったサーベ

イランス

• 年 1回の婦人科評価

(子宮が正常なタモキ

シフェン服用中の女

性)ii

• 白内障または視覚症状

がある場合は眼科診察

• タモキシフェンまたは

ラロキシフェン療法中

の管理については、

BRISK-7 を参照

臨床試験 ee

または

タモキシフェン z,ff

(カテゴリー1)

臨床試験 ee

または

タモキシフェン z,ff

(カテゴリー1)

または

ラロキシフェンz,ff,gg

または

アロマターゼ阻害

薬 z,hh(カテゴリー

1)

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乳癌リスク低減

ガイドライン索引 乳癌リスク低減 目次

考察

2015年第2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

BRISK-6

リスク低減療法に関する脚注

l 期待余命の計算ツールを参照(www.eprognosis.com)。基準点として、米国における平均的な 78歳女性の期待余命は 10.2年である(NCCN Guidelines for Older

Adult Oncologyを参照)。 v リスク低減乳房切除術は一般に、乳癌のリスクを高める遺伝子変異を有する女性(乳癌および卵巣癌における遺伝学的/家族性リスク評価に関する NCCNガイドラ

インの GENE-2の表を参照)、強い家族歴を有する女性、場合により LCISまたは 30歳未満での胸部 RTの既往を有する女性にのみ考慮すべきである。説得力のあ

る乳癌家族歴はないが、2倍以上の乳癌リスク増加と関連する他の遺伝子に病的変異がある女性におけるリスク低減乳房切除術の価値(大規模疫学研究に基づく)

は不明である。 w 同時に子宮摘出術を施行することで追加的に得られるベネフィットは、現時点では明確でない。 x 胸部放射線療法の既往がある女性におけるリスク低減薬の使用に関するデータは存在しない。

y CYP2D6遺伝子型検査は、タモキシフェンを考慮している女性では推奨されない。

z 乳癌リスク低減薬(BRISK-B)を参照。

aa 乳頭乳輪温存乳房切除術のリスクおよびベネフィットについて話し合うこと。

bb リスク低減手術時の腋窩リンパ節評価の適応は限定的である。

cc 乳癌の臨床試験で採用される閉経の定義は一定ではない。閉経とは、一般的には月経の永続的な停止を指すが、乳癌管理で用いられる用語としては、卵巣における

エストロゲン合成の著明かつ永続的な低下も含まれる。閉経を判定する妥当な基準としては以下のものがある:両側卵巣摘出術の既往;60歳以上;60歳未満;化

学療法、タモキシフェン、トレミフェン、卵巣抑制剤投与を行っていない状況での 12ヵ月以上の無月経、ならびに閉経後範囲の卵胞刺激ホルモン(FSH)およびエ

ストラジオール濃度。タモキシフェンまたはトレミフェンの服用中で 60歳未満の場合、妥当な基準は閉経後範囲の FSHおよび血漿エストラジオール濃度である。 dd 治療法の選択において骨密度が参考になることがある。

ee 臨床試験に参加した女性は、プロトコルに従って、ベースライン検査、フォローアップおよびモニタリングを受けるべきである。

ff 35歳未満の女性におけるタモキシフェンまたはラロキシフェンの乳癌リスク低減効果は不明である。ラロキシフェンは 35歳以上の閉経後女性にのみ使用できる。

長期追跡した場合のリスク低減効果では、ラロキシフェンはタモキシフェンより有効性が低いとみられるが、毒性を考慮に入れると、子宮が正常な女性では、なお

もタモキシフェンよりラロキシフェンを選択することになる場合がある。タモキシフェンには催奇形性があるため、妊娠中または妊娠を計画している女性では禁忌

である。 gg タモキシフェンおよびラロキシフェンのリスク/ベネフィットについて閉経後女性のカウンセリングを行う場合は、次の文献の表を参照のこと:Freedman AN, et al.

Benefit/risk assessment for breast cancer chemoprevention with raloxifene or tamoxifen for women age 50 years or older. J Clin Oncol 2011;29(17):2327-2333. hh エキセメスタンおよびアナストロゾールは、現時点で乳癌リスク低減を適応とする FDAの承認を受けていない。エキセメスタンおよびアナストロゾールのベネフィ

ットおよびリスクをタモキシフェンまたはラロキシフェンのそれと比較したデータは現時点で存在しない。 ii 他に症状のない女性に対しては、ルーチンの子宮内膜超音波検査および生検は推奨されない。

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乳癌リスク低減

ガイドライン索引 乳癌リスク低減 目次

考察

2015年第2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

臨床症状 タモキシフェンまたはラロキシフェン療法中の管理

無症状 リスク低減薬の継続

ホットフラッシュなど

のリスク低減薬に関連

する症状

対症療法

持続する場合はリスク低

減薬の役割を再評価

リスク低減薬の継続

フォロー

アップを

継続

子宮内膜に病変が認められた場合は、早期であれば、子宮

摘出後にタモキシフェンの再開を考慮してもよい。管理に

ついては、NCCN子宮体がんガイドラインを参照

子宮が正常な場合

は、子宮内膜癌の

迅速評価

異常な膣出血

子宮内膜に病変(癌もしくは異型を伴うまたは伴わない過

形成)が認められない場合は、タモキシフェンを継続し、

症状が持続または再発したら再評価

待機手術の前にタモキシ

フェンまたはラロキシフ

ェンの中止を考慮

先行での待機

手術

歩行が正常の場合は、術後にタモキシフェンまたは

ラロキシフェンを再開

深部静脈血栓症、肺塞栓

症、脳血管発作または長期

の不動化

タモキシフェンまたはラロキシフェンを中止し、

基礎疾患の治療を行う

BRISK-7

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乳癌リスク低減

ガイドライン索引 乳癌リスク低減 目次

考察

2015年第2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

リスク/ベネフィット評価およびカウンセリングの内容

リスク低減の選択肢については、共同意思決定が可能な環境において話し合うべきである。乳癌リスク低減に関するこの話し合いで扱うべき要素には、以下のものがある:

• 強い家族歴のためにリスクの高い女性と極めて早期に乳癌または卵巣癌を発症した女性には、遺伝カウンセリングを行うべきである。乳癌および卵巣癌における遺伝学的/家族性リスク評価に関する NCCNガイドラインを参照。

• リスク低減薬―考察の節を参照。

タモキシフェン、ラロキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬による相対および絶対リスク低減についての話し合い 1。

タモキシフェンまたはラロキシフェンの禁忌:深部静脈血栓症、肺塞栓症、脳血栓症または一過性脳虚血発作の既往、既知の遺伝性の血栓性素因。

タモキシフェン、ラロキシフェンおよびアロマターゼ阻害薬 1の禁忌:現在の妊娠またはホルモン剤以外の有効な避妊法を用いない妊娠可能な女性。

年齢に依存するリスクを踏まえたタモキシフェン、ラロキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬1の主な副作用および重篤な副作用。

• 手術

高リスク女性におけるリスク低減乳房切除術についての話し合い。リスク低減乳房切除術は一般に、BRCA1/2など強い素因となる遺伝子変異を有する女性、 強い家族歴を有する女性、場合により LCISまたは 30歳未満での胸部 RTの既往を有する女性にのみ考慮すべきである。評価には外科および再建外科へのコンサルテーションを含めるべきである。精神科へのコンサルテーションも考慮してよい。

BRCA1/2 変異を有する女性では、乳癌または卵巣癌のリスクおよびリスク低減両側卵巣卵管摘出術の選択肢についての話し合い。

リスク低減のための乳頭乳輪温存乳房切除術を考慮する。乳頭乳輪温存乳房切除術は、乳頭/乳輪および乳房の皮膚を温存する乳房全摘術である。残存乳房組織の量を最小限に抑えるよう努めるべきである。

• スクリーニング、リスク評価またはその他のリスク低減介入の臨床試験に参加するという選択。

• 健康な生活習慣

エストロゲン/プロゲステロン併用療法に伴う乳癌リスクを検討する

飲酒量を 1日 1杯未満に制限する(1杯:蒸留酒約 30mL、ワイン約 180mL、ビール約 240mL)

運動 2

体重管理 授乳

1 エキセメスタンおよびアナストロゾールは、現時点で乳癌リスク低減を適応とする FDAの承認を受けていない。エキセメスタンおよびアナストロゾールの

ベネフィットおよびリスクをタモキシフェンまたはラロキシフェンのそれと比較したデータは現時点で存在しない。 2

American Cancer Society Guidelines を参照。

BRISK-A

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乳癌リスク低減

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考察

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注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

乳癌リスク低減薬

• タモキシフェン1,2,3

タモキシフェンによるリスク低減に関するデ

ータは、Gailモデルで乳癌の 5年リスクが

1.7%以上であるか LCISの既往を有する 35

歳以上の閉経前および閉経後女性のものに限

られている。

タモキシフェン:20mg/日の 5年間の投与に

より、乳癌リスクの 49%の低下が認められて

いる。異型過形成の既往を有する女性では、

この用量および期間のタモキシフェン投与に

より、86%の乳癌リスクの低下が認められ

た。

BRCA1/2 変異を保有する女性または胸部放

射線照射の既往を有する女性におけるタモキ

シフェンのリスク低減効果は、他のリスク群

と比べてあまり研究されていない。入手可能

なデータからはベネフィットが示唆されてい

る。

高リスクの閉経前女性においては、タモキシ

フェンのリスク/ベネフィット比に関するデ

ータは、比較的良好とみられる(カテゴリー

1)。

高リスクの閉経後女性においては、タモキシ

フェンのリスク/ベネフィット比に関するデ

ータは、年齢、子宮の有無または併存症によ

る影響を受ける(カテゴリー1)。民族およ

び人種に関するデータは不十分である。

• ラロキシフェン1,2

ラロキシフェンによるリスク低減に関するデ

ータは、Gailモデルで乳癌の 5年リスクが

1.7%以上であるか LCISの既往を有する 35

歳以上の閉経後女性のものに限られている。

ラロキシフェン:60mg/日の投与により、最

初の比較において、タモキシフェンと同等の

乳癌リスク低減効果が認められた。長期追跡

した場合のリスク低減効果では、ラロキシフ

ェンはタモキシフェンより有効性が低いとみ

られるが、子宮が正常な女性では、毒性を考

慮に入れると、なおもタモキシフェンよりラ

ロキシフェンを選択することになる場合があ

る。

BRCA1/2変異を保有する女性または胸部放射

線照射の既往を有する女性におけるラロキシ

フェンの使用に関するデータは存在しない。

高リスクの閉経後女性においては、ラロキシ

フェンのリスク/ベネフィット比に関するデー

タは、年齢または併存症による影響を受ける

(カテゴリー1)。民族および人種に関するデ

ータは不十分である。

閉経前女性における乳癌リスクの低減を目的

とするラロキシフェンの使用は、臨床試験の

一部として行う場合を除き、不適切である。

• アロマターゼ阻害薬(エキセメスタンおよびアナストロゾール)4

エキセメスタンに関するデータは、Gailモデルで乳癌の 5年リスクが 1.7%

以上であるか LCISの既往を有する 35歳以上の閉経後女性に対象を限

定した単一の大規模ランダム化試験で得られたものである。

アナストロゾールに関するデータは、一般集団との比較で以下のリスクを有する 40~70歳の閉経後女性に対象を限定した単一の大規模ランダム化

試験で得られたものである。

40~44歳―4倍高い

45~60歳―2倍以上高い

60~70歳―1.5倍以上高い

これらの基準を満たさないが、Tyrer-Cuzickモデルで乳癌の 10年リス

クが 5%超える女性も対象とされた。

エキセメスタン:25mg/日の投与により、追跡調査期間 3年の時点

で、浸潤性乳癌の相対発生率に 65%(0.55%から 0.19%)の低下が

認められた。

アナストロゾール:1mg/日の投与により、追跡調査期間 5年の時点

で、浸潤性乳癌の相対発生率に 53%の低下が認められた。

• BRCA1/2変異を保有する女性または胸部放射線照射の既往を有する女

性におけるアロマターゼ阻害薬の使用に関するデータは存在しない。

• 高リスクの閉経後女性においては、アロマターゼ阻害薬療法のリスク/

ベネフィット比に関するデータは、年齢および骨粗鬆症などの併存症に

よる影響を受ける(カテゴリー1)。民族および人種に関するデータは

不十分である。

• 閉経前女性における乳癌リスクの低減を目的とするアロマターゼ阻害薬

の使用は、臨床試験の一部として行う場合を除き、不適切である。

1 乳癌予防におけるタモキシフェンまたはラロキシフェンの 5年を超える使用に関するデータは限られている。さらに、5年を超えるタモキシフェンの使用に関連して、安全性上の懸念が存在する可能性があ

る。最近更新された STAR試験のデータに基づけば、ラロキシフェンを 5年を超えて継続すること(これらの薬剤の 5年後以降のリスク低減効果を評価した高水準の使用経験や臨床試験のデータは得られて

いない)が、この薬剤のリスク低減効果を維持するためのアプローチの 1つとなる可能性がある。 2 タモキシフェンおよびラロキシフェンのリスク/ベネフィットについて閉経後女性のカウンセリングを行う場合は、次の文献の表を参照のこと:Freedman AN, et al. Benefit/risk assessment for breast cancer

chemoprevention with raloxifene or tamoxifen for women age 50 years or older. J Clin Oncol 2011;29(17):2327-2333. 3 一部の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、タモキシフェンの活性代謝物であるエンドキシフェンの産生を減少させる。しかしながら、シタロプラムおよびベンラファキシンは、タモキシフェ

ンの代謝に最小限の作用しか及ぼさないと考えられる。これらの知見が臨床に及ぼす影響は不明である。 4 エキセメスタンおよびアナストロゾールは、現時点で乳癌リスク低減を適応とする FDAの承認を受けていない。エキセメスタンおよびアナストロゾールのベネフィットおよびリスクをタモキシフェンまた

はラロキシフェンのそれと比較したデータは現時点で存在しない。

BRISK-B

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考察

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乳癌リスク低減

考察

NCCNのエビデンスとコンセンサスによるカテゴリー

カテゴリー1:高レベルのエビデンスに基づいており、その介入が適

切であるという NCCNの統一したコンセンサスが存在する。

カテゴリー2A:比較的低レベルのエビデンスに基づいており、その介

入が適切であるという NCCNの統一したコンセンサスが存在する。

カテゴリー2B:比較的低レベルのエビデンスに基づいており、その介

入が適切であるという NCCNのコンセンサスが存在する。

カテゴリー3:いずれかのレベルのエビデンスに基づいてはいるが、そ

の介入が適切であるかという点で NCCN 内に大きな意見の不一致があ

る。

特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

概要 ................................................................................................ MS-2

リスク評価 ...................................................................................... MS-2

家族性/遺伝学的危険因子 .............................................................. MS-3

他のリスク要素 ............................................................................ MS-4

リスク低減介入 ................................................................................ MS-6

生活習慣の改善 ............................................................................ MS-6

リスク低減手術 ............................................................................ MS-6

両側乳房全摘術......................................................................... MS-6

両側卵巣卵管摘出術 .................................................................. MS-7

リスク低減薬 ............................................................................... MS-9

リスク低減を目的とするタモキシフェンの使用 ............................ MS-9

リスク低減を目的とするラロキシフェンの使用 ........................... MS-11

リスク低減を目的とするアロマターゼ阻害薬の使用 .................... MS-14

NCCN乳癌リスク低減委員会のリスク低減薬の推奨 ................... MS-15

タモキシフェンに関する推奨 ................................................ MS-15

ラロキシフェンに関する推奨 ................................................ MS-16

AIに関する推奨(アナストロゾールおよび

エキセメスタン) ................................................................ MS-17

リスク低減薬を使用する患者のモニタリング ................................. MS-17

子宮内膜癌 ............................................................................. MS-17

網膜症および白内障 ................................................................ MS-18

骨密度 .................................................................................... MS-19

血栓塞栓症および脳卒中 .......................................................... MS-19

リスク低減薬による副作用の管理 ................................................. MS-19

リスク低減カウンセリングの要素 .................................................... MS-22

リスク低減薬による治療前のカウンセリング ............................. MS-22

リスク低減手術前のカウンセリング .......................................... MS-24

生活習慣の改善に関するカウンセリング .................................... MS-25

要約 .............................................................................................. MS-28

表 1 ........................................................................................... MS-29

表 2 ........................................................................................... MS-30

参考文献........................................................................................ MS-31

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考察

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乳癌リスク低減

概要

乳癌は米国人女性で最も診断頻度の高い癌であり、2015 年の浸潤性乳

癌の症例数は 234,190 例、乳癌により死亡する女性の数は 40,290人と

推定されている 1。このことから、有効な乳癌スクリーニングおよびリ

スク低減戦略の必要性が強調される。

乳癌の既往歴がない女性においては、乳癌発症の危険因子は、家族性/

遺伝学的因子、人口統計学的特性に関連する因子、生殖歴、生活習慣

因子、ならびに乳房生検回数(特に平坦型上皮異型、異型過形成

[AH]または非浸潤性小葉癌[LCIS]を認めたもの)、乳腺密度、30

歳未満での胸部放射線照射(例えば、ホジキン病の治療)など、その

他の因子を含む複数のカテゴリーに分けることができる。

個人について乳癌リスクを推定することは難しく、ほとんどの乳癌で

は、女性であることと加齢以外の危険因子に原因を帰することはでき

ない 2。既存の危険因子には是正可能なものがほとんどなく、是正の可

能性がある危険因子についても、乳癌の懸念だけでなく社会的な影響

をもつものがあるため(例えば、第一子の出産時年齢)、乳癌発生率を

抑制するための有効な戦略を開発することも困難であった。それでも、

リスク低減薬の使用やリスク低減手術の施行など、乳癌に対する有効

なリスク低減戦略が同定されている。乳癌リスクを低減するための介

入を検討している女性とその担当医は、介入による証明されたベネフ

ィットと生じうる合併症とを秤にかける必要がある。外科的なリスク

低減戦略(例えば、リスク低減両側乳房切除術)は、対象の女性にと

って心理社会的、身体的な負担となる可能性があり、手術によらない

リスク低減に使用されるリスク低減薬は特定の有害作用と関連してい

る 3-5。乳癌発症リスクの高い女性とその担当医が乳癌リスクを低減す

るための個別化された戦略を適用する際の一助となるべく、NCCN は

この乳癌リスク低減ガイドラインを策定した。

文献検索の基準とガイドライン更新の方法

NCCN 乳癌リスク低減ガイドラインの本版の更新に先立ち、「Breast

Cancer Risk Assessment」、「Breast Cancer Risk Reduction」および

「Breast Cancer Risk Reduction Therapies」を検索語とし、2013年 12

月 10 日から 2015 年 6 月 10 日までに発表された重要文献を対象とし

て、PubMed データベース上で電子検索を行った。得られた検索結果

から、英語で発表されたヒトを対象とする研究のみに絞り込んだ。本

文書の公表前に更新分の検索を行った。PubMed データベースは、医

学文献の情報源として現在も最も広く使用されているものであり、ま

た査読された生物医学文献のみがインデックス化されているため選択

した 6。

採用する論文の種類は、第 II相臨床試験、第 III相臨床試験、第 IV相臨

床試験、ガイドライン、ランダム化比較試験、メタアナリシス、系統

的レビュー、バリデーション研究とした。

PubMed での検索により 125 件の報告が特定され、それぞれの潜在的

関連性を検討した。本版の考察の節には、これら PubMed 上の重要論

文に加えて、当委員会が本ガイドラインと関連性があると判断して検

討した追加の情報源(印刷版掲載前の電子出版物、会議抄録など)か

ら収集した文献のデータを記載している。高水準のエビデンスがない

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NCCN Guidelines Version 2.2015

乳癌リスク低減

推奨については、比較的低レベルのエビデンスについての当委員会の

レビュー結果と専門家の意見に基づいている。

NCCN ガイドラインの策定および更新の完全な詳細については、

NCCNのウェブページで閲覧することができる。

リスク要素およびリスク評価

浸潤性乳癌または非浸潤性乳管癌(DCIS)の既往歴がない女性におけ

る乳癌リスクの推定は、乳癌リスクの増大に関連する家族性/遺伝学的

因子の初期評価から始まり、そこでは詳細な遺伝学的リスク評価とカ

ウンセリングを行うべきかどうかを判断することが目的となる。

家族性/遺伝学的危険因子

この初期評価の第一段階は、主に乳癌および/または卵巣癌に関係する、

本人の既往歴および家族歴の広範かつ柔軟な評価である 7,8。

乳癌リスクを高める遺伝学的素因としては、遺伝性乳癌・卵巣癌

(BRCA1/2)9,10、リ・フラウメニ症候群(TP53)11、ポイツ・ジェガ

ーズ症候群(STK11)12、カウデン症候群(PTEN)13,14、遺伝性びま

ん性胃癌(CDH1)15などがある。

BRCA1/2、TP53、PTEN を始めとする乳癌リスクと関連のある遺伝子

の変異など、乳癌に対する既知の遺伝学的素因を有する個人には、リ

スク低減の選択肢についてカウンセリングを行う必要がある。

家族性/遺伝学的因子が判明していない場合は、徹底的な評価を実施す

る必要がある。リスクの強さは、家系内の患者数、患者との関係の近

さ、患者の診断年齢に応じて増強する 16-18。第一度または第二度近親

者の診断年齢が低いほど、遺伝学的要素が存在する可能性が高くなる。

癌の家族性パターンについて、母方と父方の家系を個別に検討するべ

きである(乳癌および卵巣癌における遺伝学的/家族性リスク評価に関

する NCCNガイドラインを参照)。

遺伝性の癌は、癌の発生確率と関連する遺伝子変異(すなわち浸透率

が高い遺伝子型)、父母いずれかからの垂直伝達、他の種類の腫瘍の合

併を特徴とすることが多い 19,20。しばしば若年で発症し、常染色体優

性の遺伝形式(癌遺伝子の片方のコピーに生殖細胞系列変異があるだ

けで発生する)を示す。

家族性の癌は、遺伝性の癌と一部の特徴を共通するが、すべての特徴

が一致するわけではない。例えば、家族性乳癌は特定の家系で一般集

団より高頻度で生じるが、遺伝性の癌と一致する遺伝様式や発症年齢

は示さないのが通常である。家族性の癌には、家系内での散発性癌症

例の偶然の集積、比較的浸透率が低い遺伝子の遺伝学的変異、共通の

環境、またはこれらの因子の組合せに関連している可能性がある 21-24。

個人またはその近親者が NCCN 乳癌リスク低減ガイドラインの「家族

性リスク評価」に(また乳癌および卵巣癌における遺伝学的/家族性リ

スク評価に関する NCCN ガイドラインにも)挙げられている基準を 1

つでも満たす場合、その個人は家族性/遺伝性乳癌のリスクが高い可能

性があり、正式な遺伝学的評価/カウンセリングへの紹介が推奨される。

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NCCN Guidelines Version 2.2015

乳癌リスク低減

腫瘍遺伝学の専門職が関与しながら、家族歴に基づくモデル(Claus25、

Tyrer-Cuzick26、その他 27-29)からその個人における乳癌の生涯リスク

が 20%を超えるかどうかを判断するべきである。既知の癌関連遺伝子

変異がなく、第一度または第二度の女性近親者に乳癌 25 および卵巣癌30患者が 1~2 名いる白人女性での乳癌リスクの推定には、Claus の表

が有用となりうる。

BRCA 変異のリスクの推定には、BRCAPRO31 および Breast and

Ovarian Analysis of Disease Incidence and Carrier Estimation Algorithm

(BOADICEA)32 がより広く使用されている。一部の家系では、連鎖解

析により、乳癌と卵巣癌の間に強い遺伝学的関連性が実証されている。

これらのモデルを 1 つ以上用いたリスク評価により、BRCA1/2、TP53

または PTEN の遺伝子変異を有する女性または乳癌の遺伝学的素因を

強く示唆する家系が同定されることがある。乳癌および卵巣癌におけ

る遺伝学的/家族性リスク評価に関する NCCN ガイドラインにおいて

も、BRCA1/2、TP53 または PTEN 変異が判明または疑われる女性、

もしくは乳癌の遺伝学的素因を強く示唆する家系に対する管理戦略が

記載されている。

他のリスク要素

家族性/遺伝性乳癌のリスクがあるとみなされない女性には、乳癌リス

クの増大に寄与する他のリスク要素の評価が推奨される。具体的には、

女性、年齢、民族/人種などの人口統計学的因子が挙げられる。アシュ

ケナージ系ユダヤ人家系の女性では BRCA1/2 変異の保有率が高いこと

が報告されている 33。また生殖歴も含まれる。生殖歴と関係のある強

い危険因子としては、未経産、初経から第一子出産までの期間(例え

ば、若年での初経や高齢での第一子出産)、現時点での更年期ホルモン

補充療法の施行などがある 34-38。

Body mass index(BMI)は乳癌の独立した危険因子であり、白人女性

では特に重要である。いくつかの研究により、BMI 高値と成人期の体

重増加について、閉経後女性における乳癌リスク増加との関連性が確

立されている 39-47。このリスク増加は、脂肪組織に由来する内因性エ

ストロゲンの血中濃度上昇が原因とされている 45-47。さらに、BMI と

閉経後乳癌の関連性はホルモン陽性腫瘍でより強くみられる 41-44。

現在または過去のホルモン補充療法 38、飲酒 48-50、また程度は弱いが

喫煙 51,52などの生活習慣因子も乳癌の発症リスクに寄与する。

その他に考慮すべき因子として、乳房生検の回数、特に平坦型上皮異

型、AHまたは LCISが示された生検の回数がある。

平坦型上皮異型に関連する乳癌リスクは、異型を示さない良性増殖性疾

患のそれと同程度である。この集団におけるリスクの程度やリスク低減

療法のベネフィットについては、説得力のあるデータは得られていない。

AHには異型乳管過形成(ADH)と異型小葉過形成(ALH)の両方が含ま

れる。AHは、特に多巣性病変の場合、その後の乳癌発症リスクを大幅に

増大させる 53-55。LCISのある女性でも乳癌リスクが大幅に高くなる。

胸部/乳房領域全体を照射野に含む胸部放射線照射を 30 歳未満で受け

た(例えば、ホジキン病の治療として)ことは、乳癌発症の有意な危

険因子である。Late Effects Study Groupが実施した試験では、若年時

の胸部放射線照射に関連する乳癌全体のリスクが一般集団における乳

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ガイドライン索引 乳癌リスク低減 目次

考察

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乳癌リスク低減

癌リスクの 56.7 倍(女性患者では 55.5 倍)であったことが判明した56。この研究における追跡期間別の相対リスク(RR)は、5~9 年で 0、

10~14 年で 71.3、15~19 年で 90.8、20~24 年で 50.9、25~29 年で

41.2、30 年以上で 24.5 であった 56。若年時(30 歳以下)にホジキン

リンパ腫の治療として胸部放射線照射を受けた女性を対象とする症例

対照研究の結果から、25 歳で 40Gy の放射線治療を受け、アルキル化

薬による治療は受けなかった女性における 55 歳時点での乳癌の推定累

積絶対リスクが 29.0%(95%信頼区間[CI]、20.2~40.1%)であるこ

とが示唆された 57。ホジキン病に対する胸部放射線照射による治療歴

を有する女性では、放射線曝露のみに基づく乳癌リスクが高い 56-61。

乳癌の危険因子として乳腺密度の変化が示唆されている 62。マンモグ

ラフィで測定された乳房組織の密度が乳癌の重要な危険因子として認

識されるようになってきている 63-67。例えば、35 歳以上で乳癌の病歴

がなく、最初のベースライン時とそれから平均 6 年後にマンモグラフ

ィによるスクリーニングを受けた女性を対象とした大規模なケースコ

ホート研究の報告では、乳腺密度の長期的な変化が乳癌リスクの変化

と関連していることが示唆されている 66。

癌リスクの評価

BRCA1/2、TP53 または PTEN 変異、乳癌の強い家族歴、30 歳未満で

の胸部放射線照射の既往、LCIS の病歴がいずれもない 35 歳以上の女性

では、改変 Gail モデルに従って乳癌リスクを推定するべきである 68-70。

改変 Gail モデルは、年齢、人種、初経年齢、第一子出産年齢または未経

産、乳癌の第一度近親者数、過去の乳房生検回数、乳房生検での組織学

的所見を用いて将来的な乳癌リスクを推定する、コンピューターベース

の多変量ロジスティック回帰モデルである 68,69,71,72。改変 Gail モデルに

よるリスク判定に用いられる基準を表 1 に示す。National Surgical

Adjuvant Breast and Bowel Project(NSABP)の研究者により改変さ

れた Gail モデルは、National Cancer Institute のウェブサイト

(http://www.cancer.gov/bcrisktool/Default.aspx)で利用できる。

リスク低減戦略の採用を考慮する女性に必要となるリスク閾値は、提案

される介入の有効性、合併症発生率および費用の評価に依拠したもので

なければならない。妥当な識別閾値として、NCCN 乳癌リスク低減委員

会は、改変 Gail モデルによって規定された 5 年間の推定乳癌リスク

1.7%以上という基準を採用したが、これは、NSABP Breast Cancer

Prevention Trial(BCPT)73,74および Study of Tamoxifen and Raloxifene

(STAR)試験 75,76 に適格な女性を特定するために採用されたものである。

Gail モデルは、アフリカ系米国人女性におけるリスク評価の精度を高

めるべく、Women's Contraceptive and Reproductive Experiences

(CARE)研究と SEER データベースからの併合データのほか、

National Center for Health Statistics の死因データを用いて更新された77。同モデルはまた、米国のアジア系および太平洋諸島系女性における

リスク判定精度を高めるため、Asian American Breast Cancer Study

(AABCS)および SEER データベースのデータを用いて更新された 78。

日本または中国からの最近の移民に Gail モデルを適用すると、乳癌リ

スクを過大評価する可能性がある 78。Gail モデルは、一部の女性でリ

スクを過大評価する可能性があるが、他の一部の女性、特に AH の女

性では、リスクが過小評価され、リスク低減療法に不適格とみなされ

てしまう可能性がある。

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乳癌リスク低減

Gail モデルは、ホジキン病の治療として胸部放射線照射を受けた女性

(マントル照射など)または LCIS の女性を対象とした乳癌リスクの評

価ツールとしては適切ではない 79。Tyrer-Cuzick モデルでは、各女性

の BRCA 変異のリスクを検討することに加え、家族歴のみならず、AH

または LCISの既往歴を含む疫学的変数も用いて乳癌の発症リスクを推

定する。AH の女性または LCIS の病歴を有する女性では、患側および

対側の両乳房で浸潤性乳癌が発生するリスクも大幅に高くなる 53-55,80,81。

AH の女性 300 名以上からなる Mayo Clinic のコホートを対象とする解

析結果によると、Gail モデルでは AH の女性における乳癌リスクが過

小評価されたのに対し 79、Tyrer-Cuzick モデルでは同リスクが過大評

価された 82。乳腺密度は、一般的に使用されているリスク評価モデル/

ツールのいずれにも含まれていない 28。

期待余命が 10 年以上で乳癌の診断/既往がなく、前述の評価のいずれか

に基づき乳癌リスクが高いと考えられる女性は、乳癌のリスクを低減す

るため、対象者毎に個別化されたカウンセリング(例えば、BRCA1/2変

異保有者におけるリスク低減手術、リスク低減薬の禁忌がない女性にお

けるリスク低減薬による治療)(後述の「リスク低減カウンセリングの

要素」の節を参照)と、NCCN 乳癌スクリーニング・診断ガイドライン

に詳述された通りの乳房スクリーニングを受けるべきである。

期待余命が 10 年未満の場合には、リスク低減療法やスクリーニングは、

おそらくほとんど有益とならないであろう(NCCN 乳癌スクリーニン

グ・診断ガイドラインおよび NCCN乳癌ガイドラインを参照)。

DCIS の診断を受けた女性は、NCCN乳癌ガイドラインに概説された推

奨に従って管理すべきである。

リスク低減介入

生活習慣の改善

移民研究で得られたエビデンスから、家族歴と遺伝学的因子に加えて、

環境因子も重要な役割を果たしている可能性が示唆されている。食事、

体重、運動、飲酒などの生活習慣の改善は乳癌リスクの是正可能な要

素の一部である。具体的な食事要素により乳癌リスクを効果的に低減

できるという明確なエビデンスは存在しないが、成人期における体重

増加および肥満は閉経後乳癌の発生に対する危険因子である 47,83,84。飲

酒は中等度でも乳癌リスクを増加させる 49,84-87。患者には、健康な生

活習慣を維持するとともに、スクリーニングおよびサーベイランスに

関する推奨について常に最新の情報を得ておくよう奨励すべきである

(「生活習慣の改善に関するカウンセリング」の節を参照)。

リスク低減手術

両側乳房全摘術

BRCA1/2 変異保有者における乳癌の生涯リスクは 56~84%と推定さ

れている 88-90。追跡期間中央値 13~14 年の後ろ向き解析では、中リス

クおよび高リスクの女性と既知の BRCA1/2 変異保有者において、両側

リスク低減乳房切除術(RRM)を施行することで乳癌の発症リスクが

90%以上低下することが示された 91,92。Hartmann らによる研究 91結果

の解析により、高リスク女性において乳癌を 1 例予防するために RRM

を施行する必要のある女性の数は 6 人と算出された 93。追跡期間のよ

り短い比較的小規模な前向き研究でも、BRCA1/2 変異を有する女性で

は RRMにより乳癌に対する高い防御効果が得られるとの施行を支持す

る結果が得られている 94,95。4 つの前向き研究を対象とした最近のメタ

アナリシス(患者 2,635 名)では、BRCA1/2 変異保有者において両側

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乳癌リスク低減

RRM により乳癌発生リスクが有意に低下していたことが確認された

(HR=0.07;95%CI、0.01~0.44;P=0.004)96。

NCCN 乳癌リスク低減委員会は、乳癌リスクが高く、この介入を希望する、

慎重に選択された女性(例えば、BRCA1/2、TP53、PTEN、CDH1 または

STK11 変異を有する女性、場合により LCIS の病歴がある女性)に対して

RRM を施行することを支持している。NCCN 乳癌リスク低減委員会では、

他に危険因子のない LCISの女性にとって RRMの検討が選択肢の 1つであ

るという点でコンセンサスを得ているが、これは該当する女性の大部分に

推奨されるアプローチというわけではない。過去にマントル照射を受けた

女性における RRMについては、データが得られてない。説得力のある乳癌

家族歴はないが、乳癌リスクの増大と関連する(大規模な疫学研究に基づ

く)他の遺伝子に病的変異がある女性におけるRRMの価値は不明である。

RRM を考慮している女性はまず、適切な集学的カウンセリングと問

診・視触診および両側マンモグラフィ(過去 6 ヵ月以内に受けていない

場合)を受けるべきである。結果が正常の場合、RRM を選択する女性

は、この手術を単独または即時乳房再建との併用で受けることができる。

リスク低減を目的とする両側乳房切除術では、すべての乳房組織の切除

(すなわち乳房全摘術)を行うべきである。RRM 施行時の腋窩リンパ節

評価の有用性は限られている。RRM を受ける場合、乳房切除標本の病

理学的評価で乳癌が確認されない限り、腋窩リンパ節郭清は必要ない 97。

マンモグラフィと乳房 MRIのいずれかで異常所見が認められた生検を受

けていない患者や、術前に乳房 MRIを受けなかった家族歴のある患者な

ど、一部の患者では潜在性の原発腫瘍のリスクがある。このような患者

では、RRM の術中に潜在癌について腋窩リンパ節の病期診断を目的と

するセンチネルリンパ節生検を施行してもよく、潜在性の浸潤癌が発見

された場合には、二次的な腋窩リンパ節郭清を回避できる可能性がある。

この手技がリンパ浮腫のリスクを高めるという報告はない 98。

RRM を受けた BRCA1/2 変異を有する女性には、乳癌および卵巣癌に

おける遺伝学的/家族性リスク評価に関する NCCN ガイドラインに従

ったモニタリングを行うべきである。RRM 施行時に浸潤性乳癌または

DCIS が判明した女性には、NCCN乳癌ガイドラインに従った治療を行

うべきである。その他のすべての女性については、RRM 施行後はルー

チンの健康診断によりフォローアップすべきである。健康診断に関す

る推奨の大半は、乳房に関係しないものである。なおも乳癌の発症リ

スクがわずかにあることから、乳房の健康状態をモニタリングするた

め、胸部/再建乳房の診察を年 1 回の頻度で継続すべきである。この状

況ではマンモグラフィは推奨されない。

両側卵巣卵管摘出術

BRCA1/2変異を有する女性では、乳癌と卵巣癌(卵管癌を含む)のリス

クがともに高い。BRCA1/2変異保有者における卵巣癌のリスクは、乳癌

のリスクと比べれば低いが(BRCA1および BRCA2変異保有者における

推定生涯リスクはそれぞれ 36~46%および 10~27%89,99-102)、確実な早

期発見法がなく、また進行卵巣癌は予後不良であるため、これらの女性

では最後の出産終了後に両側のリスク低減卵巣卵管摘出術(RRSO)を

施行することが支持される。Rebbeck らの研究では、BRCA1/2 変異保

有者における卵巣癌の平均診断時年齢は 50.8歳であった 103。

BRCA1/2変異保有者における RRSOによる卵巣癌リスクの低減効果は、

いくつかの研究で実証されている。例えば、BRCA1/2 変異保有者を対象

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乳癌リスク低減

とした 10の研究をまとめたメタアナリシスでは、RRSO施行後に卵巣癌

または卵管癌のリスクが約 80%低下したことが示されている 104。ただし、

原発性腹膜癌について 1~4.3%の残存リスクを報告した研究もある 103-108。

RRSO は BRCA1/2 変異保有者の乳癌リスクを約 50%低下させるとも

報告されている 103,104,108,109。国際的な症例対照研究では、BRCA1/2 変

異保有者において、RRSO 施行後に乳癌リスクがそれぞれ 56%(オッ

ズ比[OR]=0.44;95%CI、0.29~0.66)および 46%(OR=0.57;

95%CI、0.28~1.15)低下していたことが報告された 109。RRSO を受

けた BRCA1/2 変異を有する女性における乳癌リスクをサーベイランス

のみを選択した同変異保有者と比較した他の 2 つの研究では、ハザー

ド比(HR)で 0.47(95%CI、0.29~0.77)103 および 0.30(95%CI、

0.11~0.84)107 という結果が報告されている。これらの研究結果は、

BRCA1/2 変異保有者において RRSO 施行後に乳癌リスクが約 50%低

下するという同程度の結果を確認したメタアナリシスにより、さらに

裏付けられている 104。ある前向きコホート研究の結果からは、BRCA1

変異保有者では BRCA2 変異保有者より RRSO に関連する乳癌リスク

の低下が大きくなる可能性が示されている 110。

BRCA1/2 変異保有者における RRSO 施行後の乳癌リスクの低下には、

卵巣摘出後のホルモン曝露量の減少が関連している可能性がある。乳癌

リスクの低下幅は、40 歳以下で RRSO を受けた BRCA1 変異保有者の

女性(OR=0.36;95%CI、0.20~0.64)の方が、41~50 歳で同手術を

受けた BRCA1 変異保有者の女性(OR=0.50;95%CI、0.27~0.92)よ

りも大きかった 109。51 歳以上の女性では、症例数が少なかったものの、

乳癌発症リスクに有意ではない低下傾向が認められた 109。しかしながら、

Rebbeck らが報告した結果でも、50 歳以降の RRSO は乳癌リスクの実

質的な低下とは関連していないことが示唆されている 108。

RRSO の至適年齢についてはデータが限られているが、モンテカルロ

法を用いたシミュレーションモデルでの検討により、BRCA1/2 変異保

有者の女性における乳癌および卵巣癌のリスク低減戦略(例えば、マ

ンモグラフィ/MRI による乳房スクリーニング、リスク低減手術)が生

存率に及ぼす影響が、保有する BRCA 変異の種類別、リスク低減のた

めの具体的な介入別、および介入時の年齢別に示されている 111。この

モデルから得られた生存率の推定値は、リスク低減のアプローチの選

択に関する共同での意思決定に利用することができる(表 2を参照)。

前向き多施設共同研究により、乳癌の強い遺伝学的素因をもつ女性に対

するリスク低減手術のベネフィットが報告されている 112。この研究は

BRCA1/2 遺伝子変異陽性と診断された女性 2,482 名を対象としたもので、

その約半数が RRSO または RRM を選択した。3 年間の追跡期間中、

RRM を選択した女性では乳癌の症例は発生しなかった。同期間中、他の

アプローチを選択した女性の 7%が乳癌の診断を受けた。BRCA2 変異保

有者では、卵巣卵管摘出術後の 6 年間の追跡期間中に卵巣癌の症例は発

生しなかったのに対し、同手術を受けなかった女性では 3%が卵巣癌の診

断を受けた。RRM を受けた女性では乳癌の発症例はなかった。RRSO に

は、全死亡率(HR=0.40)、乳癌特異的死亡率(HR=0.44)および卵巣

癌特異的死亡率(HR=0.21)の低下との関連が認められた。RRSO を受

けた女性のうち、卵巣癌を発症したのは 1.1%のみであった。BRCA1/2遺

伝子変異を有する 5,783名の女性を対象とした別の大規模前向き研究から、

卵巣摘出術により卵巣癌、卵管癌および腹膜癌のリスクが 80%低下した

ことが報告されている(HR=0.20;95%CI、0.13~0.30;P<0.001)113。

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乳癌リスク低減

その後、3 つの前向き研究 110,112,113 をまとめたメタアナリシスにより、

RRSO 施行後の卵巣癌リスクの有意な低下が認められている(リスク比

[RR]0.19;95%CI、0.13~0.27)114。NCCN 乳癌リスク低減委員会は、

RRSO の対象者を BRCA1/2 変異が判明しているか強く疑われる女性に限

定することを推奨する。手術時には腹腔洗浄を行うべきであり、病理学

的評価には卵巣および卵管の薄切切片を含めるべきである 96,115。

RRSO と同時に子宮摘出術を行うことの追加的なベネフィットは、現

時点では不明である。RRSO を受ける女性は、RRM を受けたことがあ

る場合を除き、NCCN 乳癌ガイドラインに従ってルーチンの健康診断

および乳房スクリーニングを継続すべきである。

リスク低減薬

リスク低減薬(risk-reduction agent:タモキシフェン、ラロキシフェ

ン、アナストロゾール、エキセメスタン)は、35 歳未満の女性におけ

る有用性が不明であるため、35 歳以上の女性に対してのみ推奨される。

リスク低減を目的とするタモキシフェンの使用

選択的エストロゲン受容体(ER)調節薬(SERM)であるタモキシフ

ェンについては、乳癌の術後補助療法および転移性乳癌の治療におけ

るベネフィットが十分に立証されている。乳癌女性に対する術後補助

療法でのタモキシフェンの使用と不使用を比較するランダム化比較臨

床試験の後ろ向き解析から、対側乳房における第 2 の原発性乳癌の発

生率低下が示されている 116-119 。 Early Breast Cancer Trialists’

Collaborative Group によるメタアナリシスでは、最初の乳癌が ER 陽

性または ERの状態が不明な女性における対側原発性乳癌のリスクが 5

年間のタモキシフェン療法によって大幅に低下することが確認された

(すなわち、年間再発率比=0.59で統計学的に有意)120。

NSABP Breast Cancer Prevention Trial

乳癌治療におけるタモキシフェンの有効性を踏まえて、P-1 試験とし

ても知られる NSABP BCPT 試験が実施された。これは 60 歳以上の女

性、乳癌発症の 5 年累積リスクが 1.7%以上の 35~59 歳の女性、およ

び LCISの病歴を有する健康な女性を対象としたランダム化臨床試験で

あった 73。閉経前女性と閉経後女性の両方が登録され、タモキシフェ

ン群(5 年間にわたる 20mg/日の投与)とプラセボ群に二重盲検下で

ランダム化された。主要エンドポイントは浸潤性乳癌の発生率とされ、

優先度の高い副次エンドポイントは血栓塞栓症、心血管疾患、骨折、

子宮内膜癌、非浸潤性乳癌および乳癌死亡の発生率とされた。この試

験は 1998 年に盲検解除され、最初の知見が報告された。その後、盲検

が解除された時点から 7 年間の追跡データを考慮に入れた、本試験に

関する報告が発表されている。しかしながら、盲検が解除された時点

でプラセボ群の参加者の約 3 分の 1 が SERM の服用を開始したため、

タモキシフェン群に対するプラセボ群の被験者数の比率が低下して、

遠隔期成績に交絡が生じた可能性がある 74。P-1試験では、タモキシフ

ェンを用いた治療により、35 歳以上で乳癌リスクの高い健康な女性に

おいて乳癌の短期リスクが 49%低下したことが示されている 73。閉経

前女性と閉経後女性の両方において、あらゆる年齢層を通じて、リス

ク低減のベネフィットが実証された。浸潤性乳癌の平均年間発生率の

差は、1,000 人当たり 3.30 例であった(プラセボ群では 1,000 人当た

り 6.76 例、タモキシフェン群では 1,000 人当たり 3.43 例)。5 年間で

の絶対リスクの低下幅は女性 1,000 人当たり 21.4 例であった 73。すな

わち、浸潤性乳癌を 1 例予防するために治療を行う必要がある人数を

指標とすると、タモキシフェンの場合は 47 人ということになる。更新

された結果からは、7 年間の追跡後にはこの集団における乳癌リスク

が 43%低下したことが示唆されている 74。この試験の初回解析では、

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乳癌リスク低減

AH を有する参加者における浸潤性乳癌のリスク低下が特に著しく

(RR=0.14;95%CI、0.03~0.47)、7 年間の追跡後の RR は 0.25

(95%CI、0.10~0.52)であった。タモキシフェンの更なるベネフィッ

トの 1 つは、骨折の減少であった(RR=0.81;95%CI、0.63~1.05)。

しかしながら、乳癌診断後にタモキシフェンを服用している女性を対象

とした研究での経験から予想された通り、主要な毒性はホットフラッシ

ュ、閉経後女性における浸潤性子宮内膜癌、白内障などであった。タモ

キシフェンを服用していた 50 歳以上の女性では、肺塞栓症発生率の有

意な上昇も認められた。肺塞栓症の平均年間発生率は女性 1000 人当た

り 1.00例対 0.31例であった(RR=3.19;95%CI、1.12~11.15)73。

最長 7 年間の追跡で、治療群別の全死亡率に差は認められなかった。

初回解析により、全死因による平均年間死亡率はタモキシフェン投与

群での 1,000 人当たり 2.17 例に対し、プラセボ投与群では 1,000 人当

たり 2.71 例であり、RR は 0.81(95%CI、0.56~1.16)であることが

判明した 73。7 年間の追跡後の年間死亡率はタモキシフェン投与群の

1,000 人当たり 2.80 例に対し、プラセボ群では 1,000 人当たり 3.08例

であり、RRは 1.10(95%CI、0.85~1.43)であった 74。

P-1試験における BRCA1/2変異保有患者のサブセットの評価から、タモ

キシフェン投与を受けていた BRCA2 変異保有患者では乳癌リスクがプ

ラセボ投与群と比べて 62%低かったことが判明した(RR=0.38;95%

CI、0.06~1.56)。しかしながら、BRCA1 変異保有患者ではタモキシフ

ェンの使用に乳癌リスク低下との関連は認められなかった 121。これらの

知見については、BRCA2 変異保有者の方が BRCA1 変異保有者よりも

ER 陽性腫瘍の発生する可能性が高いことが関連している可能性がある。

ただし、この解析には BRCA1/2 変異陽性の患者数が非常に少ないとい

う限界があった。現在、BRCA 変異保有者においてタモキシフェンのリ

スク低減効果を評価する前向き研究は実施されていない。

P-1 試験の結果に基づき、米国食品医薬品局(FDA)は 1998 年 10 月、

乳癌リスクの高い女性における乳癌リスクの低減を適応としてタモキ

シフェンを承認した。

欧州におけるタモキシフェンの研究

タモキシフェンの乳癌リスク低減効果をプラセボと比較した欧州の 3 つの

研究も報告されている。Royal Marsden Hospital study は、主に家族歴に基

づいて乳癌リスクが高いと判定された 30~70 歳の女性を対象として、タ

モキシフェンとプラセボを比較したパイロット試験である 122,123。試験参加

女性は閉経後ホルモン補充療法を継続または開始することができた。2,471

名が対象とされた中間解析では、2 つの試験群間に乳癌発生頻度の差は観

察されなかった。さらに、毒性についても 2 群間に統計学的有意差は認め

られなかった 123。Royal Marsden Hospital studyの更新データの解析では、

タモキシフェンの使用による乳癌リスクの低下について有意ではないベネ

フィットが示された(すなわち、乳癌発症例はタモキシフェン群では

1,238名中 62例であったのに対し、プラセボ群では 1,233名中 75例)122。

最近、Royal Marsden Hospital studyの追跡期間 20年時点での盲検データ

が解析され、被験者をタモキシフェンまたはプラセボにランダムに割り

付けた 2 群間で乳癌発生率の差は認められなかった(HR=0.78;95%CI、

0.58~1.04;P=0.10)124。しかしながら、ER 陽性乳癌の発生率は、プ

ラセボ群よりもタモキシフェン群の方が有意に低かった(HR=0.61;

95%CI、0.43~0.86;P=0.005)。重要な点として、2 群間の差は治療後

追跡期間(すなわち 8年間の治療終了後)でのみ有意となった。

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ガイドライン索引 乳癌リスク低減 目次

考察

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乳癌リスク低減

Italian Tamoxifen Prevention Studyでは、子宮摘出術を受けた乳癌のな

い 35~70 歳の女性 5,408 名が、5 年間にわたりタモキシフェンまたは

プラセボの投与を受ける 2 つの群にランダムに割り付けられた 125。参

加者はホルモン補充療法を受けることができた。追跡期間中央値 46、

81.2 および 109.2 ヵ月の各時点で、試験対象集団全体での比較では乳

癌発生率の有意差は認められなかった 125-127。タモキシフェン群では、

血栓塞栓イベント(主に表在性血栓静脈炎)の増加が認められた。

Italian Tamoxifen Prevention Studyに参加した女性のうち、ホルモン補

充療法を受け、生殖歴およびホルモン特性に基づき乳癌リスクが高い

と判定されたサブセットでは、タモキシフェン療法によって乳癌リス

クが有意に低下したことが判明した 127,128。しかしながら、乳癌リスク

が高いと判定された参加者は全体の約 13%のみであった。

Italian Tamoxifen Prevention Studyの対象集団全体で乳癌リスクの低下

が認められなかった原因は不明である。考えられる理由として、ホル

モン補充療法が併用されたことや、試験対象集団に差があった(すな

わち、乳癌リスクが低かった)ことなどが挙げられる 129。

First International Breast Cancer Intervention Study(IBIS-I)では、乳

癌リスクの高い 35~70 歳の女性 7,152 名が、5 年間にわたりタモキシ

フェンまたはプラセボの投与を受ける 2 つの群にランダムに割り付け

られた 130。タモキシフェンは乳癌(浸潤性乳癌または DCIS)リスク

の 32%の低下(95%CI、8~50;P=0.013)をもたらした。タモキシ

フェン群では血栓塞栓イベントが増加し(OR=2.5;95%CI、1.5~

4.4;P=0.001)、子宮内膜癌に有意ではない増加傾向が認められた(P

=0.20)。タモキシフェン群では、全死亡率で見た過剰死亡が観察され

た(P=0.028)。

追跡期間中央値 8 年時点の評価では、タモキシフェン群においてあら

ゆる種類の浸潤性乳癌の有意な減少が報告された(RR=0.73[95%CI、

0.58~0.91;P=0.004])131。ER 陰性浸潤性腫瘍のリスクについては

2 群間で差は認められなかったが、タモキシフェン群の患者は ER 陽性

浸潤性乳癌のリスクが 34%低いことが認められた 131。閉経前の患者で

はタモキシフェンによるリスク低減効果がわずかに高いことが認めら

れた。重要な点として、治療期間中にタモキシフェンで観察された静

脈血栓塞栓症(VTE)のリスク増加は、治療後の追跡期間には有意で

はなくなった。タモキシフェンの実薬投与に関連した婦人科および血

管運動症状の副作用は、治療後の追跡期間には認められなかった。

最近報告された追跡期間中央値 16 年時点での解析では、タモキシフェ

ンによる予防効果は最初の 10 年間にわたり有意なリスク低下を維持し

て持続し(HR=0.72[95%CI、0.59~0.88;P=0.001])、それ以降の

期間は低下幅がやや大きくなっていた(HR=0.69[0.53~0.91;P=

0.009])ことが確認された 132。ER 陽性浸潤性乳癌の発生率低下につ

いても、長期追跡後の評価で同様のパターンが観察された。さらに

DCIS でも、タモキシフェン群で有意なリスク低下が記録されたが、こ

れは最初の 10 年間のみであった。興味深いことに、追跡期間 10 年の

時点で、ER 陰性乳癌はタモキシフェン群の方がプラセボ群より多く報

告されていた(HR=2.45[0.77~7.82];P=0.13)132。

乳癌リスク低減薬としてのタモキシフェンの使用が STAR 試験 75,76 で

評価されている(後述の「STAR試験」の節を参照)。

リスク低減を目的とするラロキシフェンの使用

ラロキシフェンは第 2 世代の SERM で、タモキシフェンとは化学的に異な

り、同様の抗エストロゲン作用を有しつつ、子宮内膜に対する刺激作用は

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乳癌リスク低減

かなり弱いとみられている。ラロキシフェンの乳癌リスク低減薬としての

有効性は、いくつかの臨床試験で評価されている。2007年に FDAがラロキ

シフェンの適応を拡大したことにより、骨粗鬆症を有する閉経後女性にお

ける浸潤性乳癌のリスク低減、ならびに浸潤性乳癌のリスクが高い閉経後

女性における浸潤性乳癌のリスク低減を目的とする使用が可能となった。

MORE試験

Muliple Outcomes of Raloxifene Evaluation(MORE)試験は、骨粗鬆

症を有する閉経後女性において 3 年間のラロキシフェン投与により骨

折リスクが低減できるかどうかを検討するべくデザインされた 133。31

~80 歳の閉経後女性計 7,705 名が、3 年間にわたりプラセボ、ラロキ

シフェン 60mg/日またはラロキシフェン 120mg/日を投与する 3つの群

にランダムに割り付けられた。試験登録では、骨粗鬆症があること

(骨密度が若年女性における平均値の−2.5 標準偏差以下の場合と定義)

または骨粗鬆症による骨折の既往のあることが要件とされた。この試

験では、プラセボ群との比較して、ラロキシフェン投与群に脊椎骨折

のリスク低下と大腿骨頸部および脊椎の骨密度増加が認められた。

この MORE 試験では、中央値で 40 ヵ月間の追跡期間中、40 名の患者

で乳癌が報告され、その内訳はプラセボ群で 2,576 名中 27 例、ラロキ

シフェン投与群で 5,129 名中 13 例であった 134。プラセボ群と比較し

たときのラロキシフェン投与群における浸潤性乳癌発症の RR は 0.24

(95%CI、0.13~0.44)であった。ラロキシフェンは ER 陽性乳癌のリ

スクを著明に低下させたが(RR=0.10;95%CI、0.04~0.24)、ER 陰

性乳癌のリスクには影響を及ぼさないようであった(RR=0.88;95%

CI、0.26~3.0)。MORE 試験では乳癌発生率が副次エンドポイントと

されたが、乳癌リスクは試験に登録され各治療群に層別化された女性

について前向きに設定された特性ではなかったという点に注意する必

要がある 129。さらに、MORE 試験に登録された患者は、P-1 試験に登

録された患者よりも平均して乳癌リスクが低く、高齢であった。

ラロキシフェンの使用に伴って発現した副作用は、ホットフラッシュ、

インフルエンザ様症候群、子宮内腔液貯留、末梢性浮腫、こむら返り

などであった。さらに、ラロキシフェンの投与に関連して深部静脈血

栓症(DVT)(ラロキシフェン 60mg/日群の 0.7%に対してプラセボ群

では 0.2%)および肺塞栓症(ラロキシフェン 120mg/日群の 0.3%に

対してプラセボ群では 0.1%)の発生率の上昇が認められた。しかし、

ラロキシフェンに伴う子宮内膜癌リスクの増大は認められなかった。

CORE試験

MORE 試験で得られた乳癌リスクに関連する初期の知見を受けて、同

試験は Continuing Outcomes Relevant to Evista(CORE)試験という

名称の下で継続されることとなった。MORE 試験では乳癌発生率が副

次エンドポイントであったことから、CORE 試験は、骨粗鬆症を有す

る閉経後女性にラロキシフェンをさらに 4 年間投与することが浸潤性

乳癌の発生率に及ぼす影響を検討できるようにデザインされた。副次

エンドポイントの 1 つとして ER 陽性浸潤性乳癌の発生率が設定され

た。CORE試験のデータは 2004年に報告された 135。

CORE試験の期間中には、ラロキシフェン群における浸潤性乳癌の 4年発

生率はプラセボ群と比較して 59%低かった(HR=0.41;95%CI、0.24~

0.71)。ラロキシフェンは、プラセボと比較して ER陽性浸潤性乳癌の発生

率を 66%低下させたが(HR=0.34;95%CI、0.18~0.66)、ER 陰性浸潤

性乳癌には効果がなかった 135。両試験を併せた 8年間(MORE+CORE)

で見ると、ラロキシフェン群における浸潤性乳癌の発生率はプラセボ群と

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乳癌リスク低減

比較して 66%低下した(HR=0.34;95%CI、0.22~0.50)。また 8 年間の

ラロキシフェン投与は、プラセボと比較して ER 陽性浸潤性乳癌の発生率

を 76%低下させた(HR=0.24;95%CI、0.15~0.40)。興味深いことに、

非浸潤性乳癌の発生率については、ラロキシフェン群とプラセボ群の間で

有意差が認められなかった(HR=1.78;95%CI、0.37~8.61)135。

CORE 試験で観察された有害事象は、MORE 試験でみられたものと同様で

あった。CORE 試験のラロキシフェン群では、プラセボ群と比較して血栓

塞栓症リスクに有意ではない増加傾向が認められた(RR=2.17;95%CI、

0.83~5.70)。CORE試験の 4年間とMORE試験およびCORE試験の合計 8

年間のいずれの場合も、ラロキシフェン群とプラセボ群の間で子宮内膜イ

ベント(出血、増殖症、癌)の発生率に統計学的有意差は認められなかっ

た。MORE試験および CORE試験の合計 8年間では、ラロキシフェンによ

りホットフラッシュおよびこむら返りのリスクがプラセボと比べて増大し

た。これらのリスクは MORE 試験の期間中に観察されたが、CORE 試験の

4 年間の追加投与中に観察されなかった。ホットフラッシュとこむら返りは、

治療を継続しても持続しない早期の事象である可能性があるが、選択バイ

アス(すなわち、MORE 試験でこれらの症状を経験した女性が CORE 試験

への参加継続を選択しなかった可能性がある)により、これら有害事象の

リスク増加が CORE 試験では観察されなかったという可能性も考えられる。

CORE 試験の結果は、試験デザインの複雑さから完全に明瞭であると

はいえない。MORE 試験でランダム化の対象となった患者 7,705 名の

うち、治療法に関する盲検を維持したまま引き続き CORE 試験に参加

することを選択したのは 4,011 名のみであったが、ここでの脱落のた

めに治療群に有利なバイアスがかかった可能性が高い。CORE 試験で

は、ランダム化が再度行わることはなく(プラセボ群 1,286 名、ラロ

キシフェン群 2,725名)、元の試験の二重盲検が維持された。

RUTH試験

Raloxifene Use for The Heart(RUTH)試験では、冠動脈疾患の高リス

クとされた閉経後女性がラロキシフェン群とプラセボ群にランダムに

割り付けられた 136,137。この試験では浸潤性乳癌の発生率が別の主要エ

ンドポイントとされたが、Gail モデルにより乳癌リスクが高いと判定

された参加者は全体の約 40%のみであった。試験薬投与期間の中央値

は 5.1 年で、追跡期間の中央値は 5.6 年であった 137。ラロキシフェン

は心血管イベントのリスクを低下させなかったが、ラロキシフェン群

では浸潤性乳癌の発生率が 44%低下し(HR=0.56;95%CI、0.38~

0.83)、ER 陽性乳癌の発生率は 55%低かった(HR=0.45;95%CI、

0.28~0.72)。ラロキシフェン群で非浸潤性乳癌のリスク低下は認めら

れず、STAR 試験の最初の結果と一致していたが、RUTH 試験では乳

癌全体での非浸潤性乳癌の割合が 7%のみであった。

STAR試験

試験デザインに問題があったものの、CORE 試験および先行する

MORE 試験で得られた結果は、ラロキシフェンは有効なリスク低減薬

である可能性があるという結論の裏付けとなるものであった。しかし

ながら、これらの試験はどちらも、この点についてラロキシフェンの

有効性をタモキシフェンと直接比較するようにはデザインされていな

かった。この問題は、1999 年に開始されて最初の結果が 2006 年に発

表された NSABP STAR試験(P-2)で対応された 75。

STAR試験では、改変 Gailモデルで浸潤性乳癌のリスクが高いと判定さ

れたか、LCIS の既往歴を有する 35 歳以上の閉経後女性 19,747 名が 2

つの治療群(プラセボ群はなし)の一方に登録された。主要エンドポイ

ントは浸潤性乳癌とされ、副次エンドポイントは生活の質(QOL)と

非浸潤性乳癌、DVT、肺塞栓症、子宮内膜癌、脳卒中、白内障および死

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乳癌リスク低減

亡の発生率であった。平均追跡期間約 4年の時点で、浸潤性乳癌リスク

の低下に関して、タモキシフェン 20mg/日群とラロキシフェン 60mg/日

群の間で統計学的有意差は観察されなかった(RR=1.02;95%CI、

0.82~1.28)。プラセボ群が設定されなかったため、浸潤性乳癌につい

てラロキシフェン対プラセボの RR を求めることはできなかったが、P-

1 試験では、タモキシフェンが乳癌リスクを約 50%低下させることが

示された。さらに、LCIS または AH の病歴を有する患者サブセットで

は、ラロキシフェンにタモキシフェンと同等の浸潤癌リスクの低減効果

が示された。しかしながら、ラロキシフェンによる非浸潤性乳癌のリス

ク低減効果はタモキシフェンほど大きくなく、統計学的有意差は認めら

れなかった(RR=1.40;95%CI、0.98~2.00)73。

19,490 名の女性に対する中央値で約 8 年間(81 ヵ月間)の追跡により、

ラロキシフェンは浸潤性乳癌のリスク低減効果がタモキシフェンより約

24%低いことが示され(RR=1.24;95%CI、1.05~1.47)、浸潤性乳癌の

リスク低減という点での長期的なベネフィットはタモキシフェンの方が大

きいことが示唆された 76。ラロキシフェンは LCIS を有する女性における

浸潤癌のリスク低減ではタモキシフェンと同等の有効性を示したが(RR

=1.13;95%CI、0.76~1.69)、AH の病歴を有する女性ではタモキシフェ

ンよりも有効性が低かった(RR=1.48;95%CI、1.06~2.09)。興味深い

ことに、長期追跡では、ラロキシフェン群における非浸潤癌のリスクがタ

モキシフェン群でのリスクに近づいていた(RR=1.22;95%CI、0.95~

1.50)。2 群間で死亡率に有意差は認められなかった。STAR 試験のデータ

の初回解析では、ラロキシフェン群における浸潤性子宮内膜癌の発生頻度

がタモキシフェン群より低かったが、統計学的有意差を認めるには至らな

かった。しかしながら、ラロキシフェン群ではタモキシフェン群と比較し

て子宮内膜増殖症の発生率と子宮摘出術の施行率が有意に低かったことに

注目すべきである。ただし長期追跡では、ラロキシフェン群の方が子宮内

膜癌のリスクが有意に低かった(RR=0.55;95%CI、0.36~0.83)。

STAR 試験の初回解析においてタモキシフェン群との比較でラロキシ

フェン群に認められた低い血栓塞栓イベント(RR=0.75;95%CI、

0.60~0.93)および白内障(RR=0.80;95%CI、0.72~0.89)の発生

率は、長期追跡時にも維持されていた 76。脳卒中、虚血性心疾患およ

び骨折の発生率は 2 群間で同程度であった。最初の報告では、全般的

な生活の質は両群で同様と報告されたが、性機能についてはタモキシ

フェン群の患者の方が良好と報告した 138。

リスク低減を目的とするアロマターゼ阻害薬の使用

浸潤性乳癌の閉経後女性患者における術後補助療法としてのアロマタ

ーゼ阻害薬(AI)の使用を検討した臨床試験がいくつか報告されてい

る。そのうち最初に実施された ATAC 試験では、浸潤性乳癌の閉経後

女性が二重盲検下でアナストロゾール群、タモキシフェン群、アナス

トロゾール+タモキシフェン群のいずれかにランダムに割り付けられ

た 139。エンドポイントは対側乳房の第 2 の原発性乳癌の発生とされた。

追跡期間中央値 47 ヵ月の時点で、アナストロゾール単剤群においてタ

モキシフェン群との比較で、対側乳癌の発生率に有意でない減少傾向

が認められ(OR=0.62;95%CI、0.38~1.02;P=0.062)、初発乳癌

がホルモン受容体陽性であった女性で構成されるサブセットでは、対

側乳癌の有意な減少が認められた(OR=0.56;95%CI、0.32~0.98;

P=0.04)140。対側乳癌の同様のリスク低下が、タモキシフェン単剤と

比較したタモキシフェン+エキセメスタンの逐次投与、およびタモキ

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乳癌リスク低減

シフェン+プラセボの逐次投与と比較したタモキシフェン+レトロゾ

ールの逐次投与で認められている 141,142。

Breast International Group(BIG)1-98試験では、早期乳癌の閉経後女

性が 5年間にわたるレトロゾール単剤投与、レトロゾール+タモキシフ

ェン逐次投与、タモキシフェン単剤投与、タモキシフェン+レトロゾー

ル逐次投与のいずれかにランダムに割り付けられた。乳癌再発のリスク

は、タモキシフェン群と比較してレトロゾール群の方が低かった 143。

MAP.3 試験の結果から、乳癌予防におけるエキセメスタンの使用が有

望であることが示されている。MAP.3 は多国間多施設共同ランダム化

二重盲検プラセボ対照試験であり、4,560 名の女性がエキセメスタン群

(2,285 名)とプラセボ群(2,275 名)にランダムに割り付けられた 4。

著者らの報告によると、両群とも約 5%の患者がプロトコル治療を中

止した。プロトコル治療の早期中止に至った主要な理由は、毒性作用

(エキセメスタン群 15.4%対プラセボ群 10.8%;P<0.001)と患者の

拒否(6.9%対 6.0%;P=0.22)であった。追跡期間中央値 3年時点の

評価では、エキセメスタンによりプラセボと比較して浸潤性乳癌の相

対発生率が 65%(0.55%から 0.19%)低下したことが明らかにされた

(エキセメスタンについて HR=0.35;95%CI、0.18~0.70)4。

IBIS-II 試験では、乳癌の家族歴もしくは DCIS、LCIS または ADH の既

往歴がある場合と定義された乳癌リスクの高い閉経後女性 3,864 名が対

象とされた 5(HR=0.47;95%CI、0.32~0.68)。アナストロゾールの

長所は、組織学的異型度が intermediate または low grade の腫瘍と比較

して high grade の腫瘍に対する予防効果が高い(HR=0.35;95%CI、

0.16~0.74)ということであった。本試験の追跡期間は MAP.3 試験よ

り長かった。7 年後の累積発生率は、アナストロゾール群では 2.8%ま

で上昇すると予測されたのに対し 5、プラセボ群では 5.6%であった。

NCCN乳癌リスク低減委員会のリスク低減薬の推奨

BCPT試験 73および STAR試験 75のデータに基づいて、Freedmanらは、ラ

ロキシフェンと無治療(プラセボ)およびタモキシフェンと無治療を比較

するために、50歳以上の女性についてベネフィット/リスク指数の表を作成

している 3。タモキシフェンまたはラロキシフェンのどちらかによる治療の

リスクおよびベネフィットは、年齢、人種、乳癌リスクおよび子宮摘出術

の既往に依存する。この報告には、子宮をもつ/もたない非ヒスパニック系

白人女性、子宮をもつ/もたない黒人女性、および子宮をもつ/もたないヒ

スパニック系女性のそれぞれについて、浸潤性乳癌の 5 年リスクを年齢群

別にリストした表が含まれている。NCCN 乳癌リスク低減委員会は、乳癌

のリスク低減を目的とするラロキシフェンおよびタモキシフェンの使用に

関する閉経後女性のカウンセリングで、これらの表 3を使用することを推奨

する。ただし、これらの表は AH などの乳房の増殖性病変がある女性で得

られるより大きなリスク低減が考慮されていないことに注意すべきである。

タモキシフェンに関する推奨

NCCN乳癌リスク低減委員会は、35歳以上で期待余命が 10年以上ある健

康な閉経前および閉経後女性のうち、改変 Gail モデルにより乳癌の 5 年

リスクが 1.7%以上と判定されたか LCIS の既往を有する女性において乳

癌リスクを低減するための選択肢として、タモキシフェン(20mg/日)を

推奨する(カテゴリー1)。NCCN 乳癌リスク低減委員会では、乳癌リス

クの高い閉経前女性におけるタモキシフェン使用のリスク/ベネフィット

比は比較的良好であり(カテゴリー1)、閉経後女性におけるタモキシフ

ェン使用のリスク/ベネフィット比は年齢、子宮の有無または他の併存症

による影響を受ける(カテゴリー1)という点でコンセンサスを得ている。

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NCCN Guidelines Version 2.2015

乳癌リスク低減

初期の研究から、比較的短い治療期間で比較的低用量のタモキシフェン

を投与することで閉経後女性の乳癌リスクが低下する可能性のあること

を示唆されているが、このような知見は第 III 相臨床試験で妥当性を検証

する必要がある 144。BRCA1/2 変異保有者および胸部放射線照射の既往の

ある女性におけるタモキシフェンのリスク低減薬としての有効性につい

ては、現時点で入手可能はデータは非常に限られている。BRCA変異を有

する女性においてタモキシフェンのリスク低減効果を評価する前向き研

究は実施されてない。しかしながら、非常に小規模のコホートで得られ

たデータからは、BRCA2 変異を有する女性では有益であるが、BRCA1

変異を有する女性では有益でない可能性が示唆されている 121。

35 歳未満の女性における乳癌リスク低減薬としてのタモキシフェンの

有用性は不明である。タモキシフェンには催奇形性があるため、妊娠

中または妊娠を計画している女性では禁忌である。リスク低減薬とし

てのタモキシフェンの有効性および安全性に対して民族および人種が

及ぼす影響については、十分なデータがない。

ある種の薬剤(例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害薬[SSRI])

は、タモキシフェンの代謝に関与するチトクロム P450(CYP)の特定

のアイソフォーム(CYP2D6)を阻害することにより、タモキシフェン

のエンドキシフェンへの酵素変換を妨げることを示したエビデンスが存

在する 145。NCCN 乳癌リスク低減委員会では、可能であれば、エンド

キシフェンの血漿中濃度に対する影響が少ないまたは全くない別の薬剤

で代替するべきであるという点でコンセンサスを得ている 145。シタロプ

ラムおよびベンラファキシンはタモキシフェンの代謝を阻害しない。

CYP2D6 の一定の遺伝子型がタモキシフェン代謝の低下に対するマー

カーであることも報告されている 146,147。しかしながら、NCCN 乳癌リ

スク低減委員会では、このバイオマーカーがタモキシフェン療法の患

者選択に使用可能となるまでには、更なる検証が必要であるという点

でコンセンサスを得ている。

ラロキシフェンに関する推奨

乳癌リスク低減委員を務める NCCNの専門家は、タモキシフェンは手術

によらないリスク低減療法を希望する大半の閉経後女性にとってリスク

低減薬の優れた選択肢の 1 つであろうと確信している。これは、更新さ

れた STAR 試験の結果から、治療中止後にタモキシフェンと比べてラロ

キシフェンによるベネフィットが減少したことが示されたことに基づい

ている 76。しかしながら、毒性を考慮に入れると、なおも一部の女性で

はタモキシフェンよりラロキシフェンが選択される場合がある。

ラロキシフェンを選択する場合、NCCN 乳癌リスク低減委員会は 60mg/

日の使用を推奨する。乳癌のリスク低減を目的とするラロキシフェンの

使用に関するデータは、改変 Gail モデルにより乳癌の 5 年リスクが

1.7%以上と判定されたか LCIS の病歴を有する 35 歳以上の健康な閉経

後女性に限定されている。NCCN 乳癌リスク低減委員会では、乳癌リス

クの高い閉経後女性におけるラロキシフェン使用のリスク/ベネフィッ

ト比は年齢および併存症の影響を受けるという点でコンセンサスを得て

いる(カテゴリー1)。BRCA1/2 変異保有者および胸部放射線照射の既

往のある女性におけるラロキシフェンのリスク低減効果については、現

時点で入手できるデータがないため、NCCN 乳癌リスク低減委員会は、

これらの集団におけるラロキシフェンの使用をカテゴリー2A の推奨と

している。閉経前女性の乳癌リスクを低減するためのラロキシフェンの

使用は、臨床試験の一部として行う場合を除き、不適切である。35歳未

満の女性におけるラロキシフェンの乳癌リスク低減薬としての有用性は

不明である。リスク低減薬としてのラロキシフェンの有効性および安全

性に対して民族および人種が及ぼす影響については、十分なデータがな

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ガイドライン索引 乳癌リスク低減 目次

考察

2015年第 2版 06/30/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。 MS-17

NCCN Guidelines Version 2.2015

乳癌リスク低減

い。全体として、タモキシフェンおよびラロキシフェンによるリスク低

減療法の利用度は非常に低い 148。リスク低減療法のベネフィットが害を

はるかに上回る対象者としては、AH(乳管型および小葉型の両方)お

よび LCIS の女性が挙げられる 55,73。AH および LCIS の女性では、浸潤

性乳癌を発症するリスクが有意に高い。P-1 試験の初期および追跡結果

(前記の節で記載している)から、AH の女性におけるタモキシフェン療

法による有意なリスク低減が実証されている 73,74。この事実にもかかわ

らず、AH または LCIS の女性でリスク低減療法を受けた割合が 44%の

みであったことが最近の研究で報告されている 55。乳癌発生率の低下に

関してリスク低減療法による顕著な効果が得られる可能性を考慮し、当

NCCN委員会は AHの女性におけるリスク低減療法を強く推奨する。

AIに関する推奨(アナストロゾールおよびエキセメスタン)

乳癌リスク低減委員を務める NCCNの専門家は、手術によらないリスク

低減療法を希望する大半の閉経後女性を対象とするリスク低減薬の選択

肢として、エキセメスタンおよびアナストロゾールを含めている(カテ

ゴリー1)。これは MAP.3 試験 4および IBIS-II 試験 5の結果に基づくもの

である。NCCN 乳癌リスク低減委員会は、エキセメスタン 25mg/日また

はアナストロゾール 1mg/日の使用を推奨する。乳癌のリスク低減を目

的とする AI(エキセメスタンおよびアナストロゾール)の使用に関する

データは、Gail モデルで 5 年リスクスコアが 1.66%を超えるか LCIS の

病歴を有する 35 歳以上の閉経後女性に限定されている。NCCN 乳癌リ

スク低減委員会では、乳癌リスクの高い閉経後女性における AI 使用の

リスク/ベネフィット比は年齢、骨密度および併存症の影響を受けると

いう点でコンセンサスを得ている。閉経前女性の乳癌リスクを低減する

ための AI の使用は、臨床試験の一部として行う場合を除き、不適切で

ある。35 歳未満の女性における AI の乳癌リスク低減薬としての有用性

は不明である。リスク低減薬としての AI の有効性および安全性に対し

て民族および人種が及ぼす影響については、十分なデータがない。

エキセメスタンおよびアナストロゾールは、現時点で乳癌リスク低減

を適応とする FDA の承認を受けていない。AI のベネフィットおよびリ

スクをタモキシフェンまたはラロキシフェンのそれと比較したデータ

は現時点で存在しない。

リスク低減薬を使用する患者のモニタリング

乳癌のリスク低減を目的としてリスク低減薬による治療を受けている

女性のフォローアップでは、乳癌の早期発見と有害な症状または合併

症の管理に重点を置くべきである。適切な乳癌モニタリングと乳房異

常の評価は、NCCN 乳癌スクリーニング・診断ガイドラインに記載の

高リスク女性を対象としたガイドラインに従って行うべきである。タ

モキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾールまたはエキセメス

タンによるリスク低減療法に適格な集団は、少なくとも年 1 回の両側

マンモグラフィ、6~12 ヵ月毎の問診・視触診、およびブレスト・ア

ウェアネスの奨励が必要とされるだけの乳癌リスクが高い女性である。

子宮内膜癌

P-1試験の結果から、タモキシフェン投与を受けている 50歳以上の女性

では、浸潤性子宮内膜癌の発生リスクが高くなることが示された。50歳

以上の女性では、タモキシフェンの服用期間中に子宮内膜癌を発症する

リスクがプラセボと比べて増加した(RR=4.01;95%CI、1.70~

10.90)73,74。この試験でタモキシフェン投与を受けていた 49 歳以下の

女性では、子宮内膜癌のリスク増加は認められなかった(RR=1.21;

95%CI、0.41~3.60)73,74。P-1 試験における子宮内膜癌による唯一の死

亡例はプラセボ群の被験者であったが 73,74、NSABP のデータ解析から、

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乳癌リスク低減

子宮が正常なタモキシフェンの服用患者において少数の子宮肉腫が明ら

かとなっている。子宮肉腫は、子宮癌患者全体の 2~4%に発生すると

報告されているまれな子宮悪性腫瘍である 149。他の子宮悪性腫瘍と比べ

て、子宮肉腫では受診時から病期が進行していることが多く、そのため

無病生存および全生存期間で見た予後はより不良となりやすい 150,151。

NSABP 試験の更新された結果によると、プラセボ群と比較して、タモキ

シフェンを服用する女性では子宮内膜腺癌および子宮肉腫の発生率がとも

に高くなることが示唆されている 152。他のいくつかの試験によっても、タ

モキシフェン療法と子宮肉腫の発症リスク増加との関連が裏付けられてい

る 150,151,153,154。タモキシフェンの添付文書には、タモキシフェンによる子

宮内膜癌リスク(上皮性子宮内膜癌および子宮肉腫の両方)を強調する

FDA の「黒枠」警告が記載されている 155。それでも、子宮内膜癌発症の

絶対リスクは低い(1,000 人当たりの年間絶対リスク:プラセボ 0.91 対タ

モキシフェン 2.30)。多くの場合、乳癌リスクの高い女性集団において、

乳癌イベント数の減少幅は子宮癌イベント数の増加幅を上回っている。

ラロキシフェンの使用については、MORE 試験において子宮内膜癌の

発生率増加との関連は示されなかった 134。STAR 試験の長期成績によ

ると、ラロキシフェン群ではタモキシフェン群と比べて浸潤性子宮内

膜癌の発生率が有意に低かった(RR=0.55;CI、0.36~0.83)76。

子宮が正常な女性には、タモキシフェン投与開始前にベースラインの

婦人科評価が推奨され、さらに毎回の受診時にフォローアップの婦人

科評価を行うべきである 156。タモキシフェンに関連する子宮内膜癌を

発症した女性の大多数は、癌の初期症状としての微量の腟出血により

受診する。そのため、閉経後女性では微量の腟出血を迅速に評価する

ことが不可欠である。

現在のところ、無症状の女性に対するルーチンのスクリーニングとし

て子宮超音波検査または子宮内膜生検の施行を推奨できるだけの十分

なエビデンスはない 157-159。リスク低減薬の服用中に子宮内膜癌の診断

を受けた女性では、子宮内膜癌の治療が十分に行われるまで、その薬

剤を中止すべきである。NCCN 乳癌リスク低減委員会は、早期子宮内

膜癌の治療終了後にリスク低減薬による治療を再開することは安全か

つ合理的であると考えている。

網膜症および白内障

タモキシフェンと網膜症の発生との関連を指摘した報告があるが、こ

れに関する情報のほとんどは症例研究に由来するものである 160,161。さ

らに、タモキシフェンのランダム化比較試験では、該当する症例は確

認されていない。P-1 試験では、白内障の相対リスクがプラセボとの

比較で 1.14(95%CI、1.01~1.29)と報告されており、タモキシフェ

ン服用中に白内障を発症した個人における白内障手術の相対リスクは

プラセボとの比較で 1.57(95%CI、1.16~2.14)である 73。P-1 試験

の 7 年間の追跡では、白内障発生および白内障手術の相対リスクは最

初に報告された値と同程度であった 74。MORE 試験では、プラセボと

の比較でラロキシフェンの使用に白内障発生率との関連は認められな

かった(RR=0.9;95%CI、0.8~1.1)162。STAR 試験では、白内障の

発生率および白内障手術の施行率がラロキシフェン群よりタモキシフ

ェン群で有意に高かった 76,162。白内障の発生率(RR=0.80;95%CI、

0.72~0.89)および白内障手術の実施率(RR=0.79;95%CI、0.70~

0.90)は、ラロキシフェン群ではタモキシフェン群より約 20%低かっ

た 76,162。したがって、タモキシフェンによる治療中に視覚症状を来し

た患者は眼科的評価を受けるべきである。

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乳癌リスク低減

骨密度

骨はエストロゲンに反応性を示す組織であり、タモキシフェンは骨に対

し(月経の状態に応じて)エストロゲン作用薬とエストロゲン拮抗薬の

どちらとしても作用しうる 123,163-165。閉経前女性では、タモキシフェンは

骨に対するエストロゲンの強力な作用に拮抗して、骨粗鬆症のリスクを

増大させる可能性があるのに対し、一般的にエストロゲン濃度が低い閉

経後女性においては、タモキシフェンは骨密度の増加と関連する 73,74。し

かしながら、閉経前の患者集団では骨減少症/骨粗鬆症が発生する可能性

は低いと考えられるため、NCCN 乳癌リスク低減委員会は、タモキシフ

ェン服用中の閉経前患者における骨密度のモニタリングを推奨していな

い。閉経後女性では、ラロキシフェンはプラセボとの比較で骨密度を増

加させ、脊椎骨折の発生率を低下させることが示されている 133,136。STAR

試験では、ラロキシフェンまたはタモキシフェンの投与を受けた閉経後

女性の試験群において、骨折の発生率にいかなる差も示されなかった 75,76。

骨密度の変化は、AI 療法を受けている女性において懸念事項となる。し

たがって、アナストロゾールやエキセメスタンなどの AI による治療を開

始する前には、ベースラインの骨密度スキャンが推奨される。

血栓塞栓症および脳卒中

タモキシフェンおよびラロキシフェンには、血栓塞栓イベント(DVT、

肺塞栓症)および脳卒中のリスク増加との関連が報告されている 73,74-

76,134,166。VTE 発生率の上昇は、リスク低減薬としてタモキシフェンを検

討したすべてのプラセボ対照ランダム化試験において、タモキシフェン

群で観察されている。Royal Marsden試験(比較的若年の女性のみが登録

された)を除くこれらの試験すべてで、統計学的に有意ではないもの、

タモキシフェン群での脳卒中リスクの増加も示されている。このリスク

増加は、タモキシフェンを乳癌のリスク低減薬または治療薬として評価

するランダム化比較試験を対象とした 2 つのメタアナリシスにおいて、

有意であることが明らかにされた 167,168。STAR 試験におけるラロキシフ

ェン群とタモキシフェン群の比較では、脳卒中の発生率には差が認めら

れず 75,76、RUTH 試験ではラロキシフェンの投与を受けた心臓に基礎疾患

のある女性で致死性脳卒中のリスクが有意に高かった 137。しかしながら、

P-1 試験でタモキシフェン療法を受けた第 V 因子 Leiden 変異またはプロ

トロンビン G20210A 変異を有する女性では、これらの変異がない女性と

比較して、VTE の発生リスクが増加しなかったことが示されている 169。

第 V 因子 Leiden 変異またはプロトロンビン変異について女性を対象とす

る前向きのスクリーニングや血栓塞栓症についての断続的なスクリーニ

ングが有用となる可能性は低いが、タモキシフェンまたはラロキシフェ

ンを服用している女性は、DVT および肺塞栓症でみられる症状について

指導すべきである。長期の不動により VTE のリスクが増大する可能性が

あることも伝えるべきであり、また DVT または肺塞栓症の症状が生じた

場合は直ちに担当医に連絡するように指導すべきである。血栓塞栓症と

確定診断された女性では、血栓塞栓症に対して適切な治療を行い、タモ

キシフェンまたはラロキシフェン療法は永続的に中止するべきである。

リスク低減薬による副作用の管理

ホットフラッシュは更年期によくみられる愁訴である。P-1 試験では、

ホットフラッシュはタモキシフェン群の約 81%とプラセボ群の 69%で

発生した 73。STAR 試験では、タモキシフェン群の方がラロキシフェ

ン群より血管運動症状の発生率が有意に高かったと報告されたが 138、

プラセボとの比較では、ラロキシフェンの使用にもホットフラッシュ

の重症度および/または頻度の増加との関連が認められた 134。ホット

フラッシュによって生活の質が低下している女性には、ホットフラッ

シュを完全または最小限に抑える介入を行うべきである。エストロゲ

ンおよび/またはプロゲスチンの投与は、SERM との相互作用を招く可

能性があるため、NCCN 乳癌リスク低減委員会は、臨床試験以外の状

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乳癌リスク低減

況で、リスク低減薬を服用している女性のホットフラッシュの治療に

これらの薬剤を使用することを推奨していない。

主に痙攣発作の抑制や神経障害性疼痛の管理に使用される γ-アミノ酪

酸(GABA)アナログのガバペンチンが、ホットフラッシュの重症度を

軽減し、持続時間を短縮することが報告されている 170-173。このような

ガバペンチンの作用については、中枢神経系の体温調節中枢を介する機

序が仮説として提唱されている 170,171。乳癌女性 420 名を対象としてガ

バペンチンによるホットフラッシュの治療を評価したランダム化二重盲

検プラセボ対照試験の結果が報告されている。この試験では、ガバペン

チン 300mg/日、ガバペンチン 900mg/日およびプラセボの 3 群が設定

された。試験期間は 8週間で、試験に参加した女性の大半(投与群によ

り 68~75%)が術後補助療法としてタモキシフェンを服用していた。

プラセボ群においてホットフラッシュの重症度の軽減が得られた女性の

割合は、4 週間後と 8 週間後でそれぞれ 21%と 15%であったが、ガバ

ペンチン投与群において 4週間後と 8週間後に改善を報告した女性の割

合は、低用量群でそれぞれ 33%と 31%、高用量群で 49%と 46%であ

った。高用量のガバペンチンを服用した群のみでは、ホットフラッシュ

の発現頻度および重症度に有意な低下が認められた。ガバペンチンを服

用した少数の女性で副作用としての傾眠または疲労が報告された 173。

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬に分類される抗うつ薬

のベンラファキシンは、一群の乳癌生存者(70%がタモキシフェンを服

用していた)においてホットフラッシュ症状の管理に有効であったこと

が示されている。全用量(37.5mg、75mg、150mg)のベンラファキシ

ン投与群において、プラセボ群との比較でホットフラッシュの発現頻度

および重症度スコアの両方に有意な低下が認められ、75mg 群では

37.5mg 群より大きな改善が認められた(P=0.03)174。ベンラファキシ

ン群の参加者からは口渇、食欲減退、悪心および便秘が報告され、その

発現率は用量増加とともに上昇した。以上の知見に基づき、著者らは、

開始用量を 37.5mg とし、より高度な症状コントロールが望まれる場合

は必要に応じて 1 週間後に 75mg に増量することを提案した。しかし、

この研究では被験者の追跡期間がわずか 4週間であった。

別の抗うつ薬(SSRI)であるパロキセチンについても、ホットフラッ

シュの症状緩和効果が検討されている。ある二重盲検プラセボ対照試

験では、更年期女性 165 名が募集され、3 群(プラセボ群、パロキセ

チン 12.5mg/日群、パロキセチン 25mg/日群)にランダムに割り付け

られた。6 週間後には、パロキセチンの両用量群でホットフラッシュ

の複合スコアに有意な低下が認められた(12.5mg で 62%、25mg で

65%の低下)。用量群間では有意差は認められなかった 175。有害事象

は、プラセボ群では 54%、パロキセチン投与群では 58%の被験者で報

告され、その多くは悪心、めまい、不眠症であった。

層別ランダム化二重盲検クロスオーバープラセボ対照試験において、ホ

ットフラッシュの病歴を報告した女性 151 名が 4 つの群(パロキセチン

10mgまたは 20mgを 4週間投与した後にプラセボを 4週間投与する群と

プラセボを 4 週間投与した後にパロキセチン 10mg または 20mg を 4 週

間投与する群)にランダムに割り付けられた 176。パロキセチン 10mg が

投与された群では、ホットフラッシュの発現頻度および複合スコアがそ

れぞれ 40.6%および 45.6%低下したのに対し、プラセボ群での低下は、

それぞれ 13.7%および 13.7%であった。同様に、パロキセチン 20mg が

投与された群ではホットフラッシュの発現頻度およびスコアがそれぞれ

51.7%および 56.1%低下したのに対し、プラセボ群での低下は、それぞ

れ 26.6%および 28.8%であった。低用量と高用量のパロキセチン投与の

間では、有効性の有意差は観察されなかった。主な副作用の発現率につ

いては、4 群間に差はみられなかったが、パロキセチン 20mg が投与さ

れた群では悪心の発現頻度が他の投与群より有意に高く、高用量のパロ

キセチン投与を受けた患者の方が投与を中止する割合が高かった。

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NCCN Guidelines Version 2.2015

乳癌リスク低減

これらの報告は有望と考えられるが、ホットフラッシュの症状を経験した

女性、特にタモキシフェンも服用している女性を対象に、これらの薬剤の

使用について更なるランダム化試験を実施して、これらの薬剤の長期の有

効性および安全性を評価する必要がある。この点に関しては、最近のエビ

デンスにより、タモキシフェンと一部の SSRI(例えば、パロキセチンお

よびフルオキセチン)を併用すると、タモキシフェンの活性代謝物である

エンドキシフェンおよび 4-OH タモキシフェンの血漿中濃度が低下するこ

とで、タモキシフェンの有効性が損なわれる可能性が示唆されていること

に注意すべきである 145,177。これらの SSRIは、タモキシフェンの代謝に関

与するチトクロム P450 の特定のイソフォーム(CYP2D6)を阻害するこ

とによって、タモキシフェンからその活性代謝物への酵素変換を妨げると

考えられる。これらの薬剤のタモキシフェンとの同時投与には注意が必要

である。シタロプラムおよびベンラファキシンは、タモキシフェンの代謝

に最小限の作用しか及ぼさないとみられる。

この点で興味深い知見として、ランダム化試験である Women’s

Healthy Eating and Living Studyで得られたデータの後ろ向き評価の結

果があり、そこでは乳癌の病歴を有しタモキシフェンの投与を受けて

いる女性において、ホットフラッシュと乳癌再発の間で負の相関関係

が示唆されている。これらの結果は、タモキシフェンを服用する女性

ではホットフラッシュがバイオアベイラビリティの指標となり、ひい

てはこの薬剤の有効性の指標となる可能性を示唆するものである。た

だし、ホットフラッシュがタモキシフェンによるベネフィットの予測

因子であるかどうかをより詳細に解明する更なる研究が必要である 178。

DCIS を有する女性または乳癌リスクの高い女性(例えば、LCIS、AH、

Gailモデルによる乳癌の 5年リスクが 1.7%以上)を対象として、タモ

キシフェンの単独投与を受けた女性をタモキシフェンとホルモン補充

療法(研究開始時点でのホルモン補充療法の平均投与期間は約 10 年)

の同時併用を受けた女性と比較した、非ランダム化平行研究の 2 つの

コホートからの最近の報告では、タモキシフェンによるホットフラッ

シュの発生率に差は示されなかった 179。NCCN 乳癌リスク低減委員会

は、タモキシフェンまたはラロキシフェンを服用している女性につい

て、臨床試験以外ではホルモン補充療法を施行しないよう推奨する。

以上の他にもホットフラッシュの抑制に使用できる様々な物質が報告さ

れている 180。クロニジンの経口および経皮製剤は、どちらも用量依存的

にホットフラッシュを軽減する 181-183。クロニジンに関連する毒性として、

口渇、便秘、傾眠などがある。逸話的なエビデンスから、いくつかのハ

ーブ系サプリメントまたは栄養補助食品の使用によりホットフラッシュ

を緩和できる可能性のあることが示唆されている。ビタミン E はホット

フラッシュの発現頻度および重症度を軽減する可能性があるが、ランダ

ム化臨床試験の結果からは、プラセボと比較したときのこの物質に関連

するホットフラッシュの改善はごくわずかであることが示されている 184。

ブラックコホシュを用いたホットフラッシュの治療に関する二重盲検ラ

ンダム化プラセボ対照クロスオーバー試験では、ホットフラッシュの症

状改善について有意な群間差は認められなかった 185。一部のハーブ系サ

プリメントまたは栄養補助食品には活性を有するエストロゲン化合物が

含まれているが、その活性の大きさと安全性は明らかにされていない。

リラクゼーション訓練、鍼治療、カフェインおよびアルコール摂取の回

避、運動など、ホットフラッシュを管理するための他の方法については、

有益となる可能性はあるものの、依然として裏付けは得られていない 186。

ホットフラッシュの治療ではかなりのプラセボ効果が認められ、典型的

には 25%以上の低下が観察されることから 170,172-176、期間を限定した治

療を試みることがかなりの患者で有用となる可能性が示唆されているこ

とに注意すべきである。ただし、ホットフラッシュがみられる女性すべ

てに医学的介入が必要というわけではなく、介入実施の判断にあたって

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乳癌リスク低減

は、その介入の有効性と毒性を考慮する必要がある。さらに、早期乳癌

に対してタモキシフェン投与を受けている女性を対象とした研究により、

ホットフラッシュは経時的に軽快することが示されている 187。

リスク低減カウンセリングの要素

NCCN 乳癌スクリーニング・診断ガイドラインに従ったモニタリングを

行うべきである。BRCA1/2、TP53、PTENなどの乳癌リスクに関連する

遺伝子変異の存在が判明しているか疑われる女性ならびに乳癌および/

または卵巣癌の有意な家族歴を有する女性には、リスク低減療法を選択

するかどうかにかかわらず、乳癌および卵巣癌における遺伝学的/家族

性リスク評価に関する NCCNガイドラインに従ったフォローアップも行

うべきである。問診・視触診または両側マンモグラフィで異常所見が認

められた女性および LCIS の既往を有する女性は、NCCN 乳癌スクリー

ニング・診断ガイドラインに従って管理すべきである。乳癌に対するリ

スク低減介入の適切な候補となるすべての女性は、乳癌リスクを低減さ

せるために、健康な生活習慣を含めた選択可能な戦略について説明する

カウンセリングを受けるべきである 188。乳癌のリスク低減の選択肢は、

共同意思決定が可能な環境において話し合うべきである。カウンセリン

グでは、1)閉経状態、病歴および薬歴(例えば、子宮摘出術の有無、

VTE の既往、現時点でのホルモン剤または SSRI の使用、SERM の使用

歴)を含む個人の全般的な健康状態、2)リスク低減介入によって得ら

れる絶対的および相対的な乳癌リスクの低減、3)年齢に依存するリス

クを踏まえたリスク低減療法のリスク、4)タモキシフェンおよびラロ

キシフェン療法の禁忌(VTE の既往、脳血栓症の既往、一過性脳虚血発

作の既往、妊娠またはホルモン剤以外の有効な避妊法を用いない妊娠可

能な女性)、5)タモキシフェンおよびラロキシフェンの主な副作用およ

び重篤な副作用についての話し合いと検討を含めるべきである。

乳癌リスク低減薬の有効性を比較した 2009年の ASCOガイドラインで

は、個々のリスク低減薬について、1 名の乳癌を予防するための治療必

要数(NNT)か、1 名の副作用を引き起こすのに必要な治療数(NNH)

のいずれかの推定値が示されている 189。NNT および NNH はいずれも、

この状況におけるタモキシフェンおよびラロキシフェンのリスクおよび

ベネフィットを説明するための補助として有用となる可能性がある(例

えば、IBIS-I 試験の長期データを用いた場合、VTE に関するタモキシフ

ェンによる NNH は 73 と算出されたのに対し、RUTH 研究のデータを

用いて算出されたラロキシフェンでの値は 150であった)。

リスク低減薬による治療前のカウンセリング

手術によらない乳癌リスク低減を考慮している女性のカウンセリング

では、必要に応じて、P-1 試験、STAR試験、MAP.3 試験、IBIS-II 試験

で得られたデータの説明を盛り込むべきである。

子宮内膜癌のリスク増加を伴う遺伝性疾患であるカウデン症候群では、

85%の患者で PTEN 遺伝子の生殖細胞系列変異がみられる。したがっ

て、リスク低減薬を考慮する一方で、PTEN 変異を有する女性におけ

る子宮内膜癌のリスク増加について話し合うべきである。

乳癌のリスク低減を目的とする SERMの使用に関するカウンセリング

P-1 試験により、タモキシフェンの毒性プロファイルは若年女性の方がは

るかに良好となる一方、相対リスクの低下で見たベネフィットは、すべて

の年齢群およびリスク群で同程度となることが示された 73。タモキシフェ

ンによる治療のリスク/ベネフィット比は 35~50歳の女性で特に良好であ

る。残念ながら、タモキシフェンのリスク/ベネフィット比については、

50 歳以下と 50 歳超という大きな年齢区分で比較したデータはあるものの、

個別のデータは一般に得られていない。ラロキシフェンとは異なり、タモ

キシフェンは閉経前女性も使用できるリスク低減薬である。加えて、タモ

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考察

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乳癌リスク低減

キシフェンは非浸潤性乳癌の発生率低下という点でもラロキシフェンより

優れている可能性があるが、長期追跡では統計学的有意差は認められてい

ない 75,76。さらに、STAR 試験の患者からは、タモキシフェンはラロキシ

フェンより性機能が良好になりやすいと報告されている 138。しかしながら、

タモキシフェンは 50 歳以上の女性を対象としたプラセボとの比較で、浸

潤性子宮内膜癌の発生率増加 73,74、およびラロキシフェンとの比較で子宮

内膜増殖症および浸潤性子宮内膜癌の発生率増加 75,76 との関連が報告され

ており、このため子宮のある女性には魅力的な選択肢とはなりにくい可能

性がある。乳癌のリスク低減を目的とするラロキシフェンの使用は、子宮

のある閉経後女性または白内障の発症リスクがある女性では望ましいと考

えられる。乳癌リスク低減薬の投与を受けているすべての女性には、これ

らの薬剤使用に伴って生じうる副作用の徴候および症状、ならびに特定の

有害事象に対するモニタリングの推奨スケジュールについてカウンセリン

グを行うべきである。タモキシフェンまたはラロキシフェンの禁忌には、

VTE、脳血栓症または一過性脳虚血発作の既往、現在の妊娠または有効な

避妊法を用いない妊娠可能な女性、遺伝性の血栓性素因などがある。

乳癌のリスク低減を目的とする SERM 療法の至適継続期間は不明であ

る。P-1 および STAR 試験では、タモキシフェンまたはラロキシフェ

ンのいずれかによる 5 年間のリスク低減療法が検討された 73,75。しか

しながら、ラロキシフェンのベネフィットが治療中止後に減少するこ

とを示した STAR 試験の最新結果に基づけば 76、ラロキシフェンを 5

年を超えて継続することがこの薬剤のリスク低減作用を維持するため

のアプローチの 1つとなる可能性がある。

5 年間を超えるタモキシフェンの使用が術後補助療法の条件で検討されてい

る。タモキシフェンによる長期の術後補助療法を検討した 2 つのランダム化

試験 190,191により、癌の再発予防および乳癌生存率の改善において、最長 10

年間のタモキシフェン投与がより短い期間の投与よりも有効であることが実

証されている。NCCN乳癌ガイドラインと最近更新された ASCOガイドライ

ンでは、癌の再発予防を目的としてタモキシフェンによる 10年間の術後補助

療法を行う選択肢が、閉経前女性と閉経後女性の両方に対して推奨されてい

る 192。リスク低減を目的とした 5 年間を超えるタモキシフェンの使用につい

ては、データが限られている。更なる情報が得られるまでは、乳癌リスク低

減にタモキシフェンを使用する場合の投与期間は 5 年間が適切と考えられる。

5 年間のタモキシフェン療法を終了した後は、NCCN 乳癌スクリーニング・

診断ガイドラインに従ったモニタリングを継続すべきであり、さらに晩期毒

性(特に子宮内膜癌と白内障)に対するモニタリングも継続すべきである。

いくつかのプラセボ対照ランダム化試験の長期追跡の結果から、乳癌リ

スク(特に ER 陽性乳癌の発症リスク)を低減する薬剤としてのタモキ

シフェンの長期的な有効性が裏付けられている 74,124,131。最近報告され

た STAR 試験の結果からは、追跡期間中央値 81 ヵ月の時点で、5 年間

のラロキシフェン投与により浸潤性乳癌の予防としてかなりのベネフィ

ットが維持されるものの、5 年間のタモキシフェン療法による乳癌予防

上のベネフィットの方が有意に大きいことが示唆されている 76。

NCCN 乳癌リスク低減委員会は、乳癌のリスク低減を目的とするラロ

キシフェンおよびタモキシフェンの使用に関する閉経後女性のカウン

セリングで、Freedmanらの論文 3の表を使用することを推奨する。

乳癌のリスク低減を目的とするAIの使用に関するカウンセリング

現時点で、AI(エキセメスタンまたはアナストロゾール)のベネフィッ

トおよびリスクをタモキシフェンまたはラロキシフェンのそれと比較し

たデータは得られていない。エキセメスタンに関するデータは、Gail モ

デルによる乳癌の 5 年リスクが 1.7%であるか LCIS の既往がある 35 歳

以上の閉経後女性に限定された単一の大規模ランダム化試験である

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乳癌リスク低減

MAP.3 試験 4 で得られたものであり、これは患者のカウンセリングで利

用できる可能性がある。このデータから、エキセメスタンと SERM では

毒性プロファイルが全く異なることが示されている。MAP.3 試験では、

プラセボ群と比較して、エキセメスタンに重篤な副作用のリスク増加は

認められなかった。骨粗鬆症、心イベントおよび骨折の発生率は、

MAP.3 試験のエキセメスタン群とプラセボ群で全く同じであった。しか

しながら、追跡期間がわずか 35ヵ月であった。エキセメスタン群では、

ホットフラッシュ(18.3%対 11.9%)や関節炎(6.5%対 4.0%)などの

更年期症状について、統計学的に有意ではない小幅な増加が認められた 4。

アナストロゾールに関するデータは、大規模ランダム化試験である

IBIS-II 試験で得られたものである 5。この試験には、一般集団と比べて

癌の発症リスクが高い 40~70 歳の閉経後女性が登録された。また、こ

れらの基準を満たさないが、Tyrer-Cuzick モデルで乳癌の 10 年リスク

が 5%超と判定された女性も対象とされた 5。筋骨格および血管運動イ

ベントが両群で報告され、アナストロゾール群の方が有意に高率(P=

0.0001)で、骨折率は両群で同程度であった 5。AI 療法の至適継続期

間は現時点では不明である。AI 療法を受けている女性では骨密度の変

化が懸念される。したがって、エキセメスタン療法の開始前には、ベ

ースラインの骨密度スキャンが推奨される。エキセメスタンの投与を

受けている健康な閉経後女性には、骨の健康維持におけるカルシウム、

ビタミン Dおよび健全な生活習慣の役割を強調する必要がある。

リスク低減手術前のカウンセリング

RRM を検討している乳癌リスクが非常に高い女性では、RRM で生じる可

能性のある心理社会的影響に対応しておくことが重要であるが、この種の

影響については十分な研究が実施されていない 193-195。このような手術に

よって、身体イメージの受け止め方に負の影響が生じ、新たな人間関係が

築きにくくなり、既存の人間関係の質が低下する可能性がある。さらに、

この手術では性器としての乳房も除去されることになる。手術前の集学的

なカウンセリングが推奨され、そのカウンセリングには良性および悪性乳

房疾患の自然経過と治療 196 を熟知した外科医を関与させることで、女性

が治療選択肢、手術のリスクとベネフィット、乳頭乳輪温存乳房切除術、

ならびに乳房再建術の選択肢について十分な情報を得られるようにするべ

きである。多くの女性には RRM 後の即時乳房再建が選択肢も 1 つであり、

即時または術後の乳房再建を考えている女性には再建外科医との早期のカ

ウンセリングが推奨される 197。心理的カウンセリングも考慮してよい。

BRCA1/2 変異保有者であることが判明している女性では、卵巣癌のリ

スク、ならびに乳癌および卵巣癌リスクの低減を目的とする RRSO の

選択肢についても、話し合いを行うべきである。RRSO に関して対応

しておくべき他の問題点として、早期閉経に伴う骨粗鬆症および心血

管疾患リスクの増加のほか、生じうる認知機能の変化、骨量減少の加

速および血管運動症状が生活の質に及ぼす潜在的影響がある。さらに、

手術自体により合併症が生じる可能性もある。

RRSO を受けた女性における短期ホルモン補充療法は、手術に伴う乳

癌リスクの減少を打ち消すことはなかったと報告されている 198。さら

に、最近実施された BRCA1 変異保有者の症例対照研究では、閉経後

の BRCA1 変異保有者におけるホルモン補充療法の施行に乳癌リスク

増加との関連は示されなかった 198。しかしながら、NCCN 乳癌リスク

低減委員会では、ランダム化試験以外の研究に伴う限界を踏まえ、変

異保有者において RRSO 施行後にホルモン補充療法を考慮する場合に

は注意が必要であるという点でコンセンサスを得ている(「ホルモン補

充療法に関連する乳癌リスク」に関する後述の節も参照)199,200。乳癌

リスクの低減を目的とする RRSO の施行に関する前向きランダム化試

験が今後実施される可能性は低い。この手術による乳癌リスクの低減

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乳癌リスク低減

効果が RRMのそれより良好であるかどうかは、依然として個人の判断

による可能性が高い 201。表 2 に、乳癌および卵巣癌に対するリスク低

減戦略が生存率に及ぼす影響について、モンテカルロ法によるシミュ

レーションモデルに基づく推定値を示した。これらのデータは、リス

ク低減のアプローチの選択(特にリスク低減手術に関わる問題に関係

した選択)についての共同意思決定を促進するツールとして使用する

ことができる(表 2を参照)。

生活習慣の改善に関するカウンセリング

生活習慣上の特定の特徴、例えば肥満、飲酒量増加、ある種のホルモ

ン補充療法などが乳癌リスク増加の因子またはマーカーであることを

示唆したエビデンスが得られている 84。しかしながら、生活習慣の改

善と乳癌リスクの変化との関連はそれほど明白ではない。しかし、乳

癌リスクの増大と関連する生活習慣の特徴について話し合うことによ

っても、全般的な健康増進のために「教えられる時間」が得られ、健

康な生活習慣に沿った選択と変更を行うように女性を促す機会となる。

ホルモン補充療法に関連する乳癌リスク

Women’s Health Initiative(WHI)は、1993~1998 年に実施した一連

の臨床試験に 50~79 歳の閉経後女性を計 161,809 名登録した。その

うち 2 つの試験は、原発性疾患の予防におけるホルモン補充療法(エ

ストロゲン単独またはエストロゲンとプロゲスチンの併用)に関する

ランダム化比較試験であり、一方ではベースライン時点で子宮が正常

であった女性 16,608 名がエストロゲン+プロゲスチン群とプラセボ群

に 202、もう一方では子宮摘出術の既往のある女性 10,739 名がエスト

ロゲン単独群とプラセボ群に 203 ランダムに割り付けられた。前者の試

験は、全体的な害に関連する包括的指標とともに、乳癌による害を示

唆する所見が認められたため、早期に中止された。この試験では、治

療群において 26%の乳癌発生率の上昇が認められた(HR=1.26;

95%CI、1.00~1.59)。WHI の試験でエストロゲン+プロゲスチンの投

与を受けた女性においてもマンモグラフィでの異常所見の頻度増加が

観察され、それは乳腺密度の増大に起因するものと判断された 204。よ

り大きな懸念として、ホルモン補充療法に乳癌発生率および乳癌関連

死亡率の有意な上昇との関連が認められたが 205、乳癌リスクの増大は

ホルモン補充療法の中止後すぐに低下した 206。

子宮摘出術の既往があり、エストロゲンの単剤投与を受けている女性

を対象とした試験では、乳癌リスクの増大は観察されなかった。むし

ろ、乳癌発生率はプラセボ群よりエストロゲン投与群の方が低かった

が、その差は統計学的に有意とはみなされなかった 203。介入期間中に

エストロゲンを単剤投与する群で認められた乳癌発生率の低下は、平

均 10.7年の延長追跡で統計学的に有意となった 207。しかしながら、エ

ストロゲン投与群では、マンモグラフィでの異常所見の頻度が増加し

たほか 208、良性増殖性乳房疾患のリスクが倍増した 209。この WHI に

よるランダム化比較試験で得られたデータが解析され、エストロゲン

単独の使用により、プラセボ群との比較でマンモグラフィ上の乳腺密

度が有意に増加することが示され、この影響は少なくとも 2 年間にわ

たり観察された 210。WHI のランダム化比較試験の結果とは対照的に、

いくつかの集団ベースの前向き観察研究の結果からは、エストロゲン

単独でのホルモン補充療法が乳癌リスクの増大に関連することが示さ

れている。これらの研究に含まれる Black Women’s Health Studyでは、

10 年以上にわたるエストロゲンの単独使用に浸潤性乳癌リスクの有意

ではない増加傾向との関連が示され(RR=1.41;95%CI、0.95~

2.10)211、Million Women Study では、50~64 歳の女性における現時

点でのエストロゲン単独ホルモン補充療法と乳癌リスク増加との関連

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乳癌リスク低減

が示され(RR=1.30;95%CI、1.21~1.40;P<0.0001)212、また

Nurses’ Health Study では、エストロゲン単独の長期使用(20 年以

上)後に乳癌リスクの有意な増大が確認された(RR=1.42;95%CI、

1.13~1.77)213。

WHI のランダム化臨床試験に登録された集団では、観察研究で追跡さ

れた女性と比較して、ホルモン補充療法の曝露期間および開始年齢に

ついて重要な相違があることが指摘されている 214。例えば、WHI の臨

床試験に参加した女性の多くは閉経後数年が経過するまでホルモン補

充療法を開始していなかったのに対し、集団ベース研究の女性は閉経

時にホルモン補充療法を開始し、この治療に対する曝露期間がより長

い傾向があった。前述のホルモン補充療法に関する研究の要約にみら

れる一見すると矛盾に思える知見の説明として、エストロゲンの枯渇

が一定期間続いた後にエストロゲンを短期間使用すると、潜在性乳癌

の腫瘍細胞にアポトーシスが誘導されることで乳癌リスクが減少する

可能性があるのに対し、エストロゲンを長期間使用すると、新たな腫

瘍の成長を惹起および促進することで乳癌リスクが増加する可能性が

あるという仮説が提唱されている 215。しかしながら、この仮説の評価

には更なる研究が必要である。エストロゲン+プロゲスチンの投与を

受けている閉経後女性を対象とした WHI のランダム化比較試験におい

て最初の 2 年間で観察された乳癌リスクの低下については、乳房組織

に対するホルモン補充療法に影響とその後のマンモグラフィでの新た

な乳癌の検出率低下が関係しているという説明も可能である 214。

エストロゲン/プロゲスチン療法およびエストロゲン療法単独には、心

血管疾患(脳卒中など)リスクの増加および骨折リスクの低下との関

連も報告されている 202,203。しかしながら、WHIのランダム化比較試験

のデータを用いた最近の二次解析では、心血管疾患のリスク低下に関

しては、ホルモン補充療法の開始時期が閉経に近い場合の方が閉経か

らホルモン補充療法開始までの期間が長い場合よりも有効となる傾向

が示されている 216。しかし、フランスの大規模コホート比較研究の最

近の報告によると、閉経後すぐに短期間(2 年以下)のエストロゲン

+プロゲステロン投与を受けた女性では、投与を受けない女性と比べ

て乳癌リスクが有意に高かったことが示されている 217。

NCCN 乳癌リスク低減委員会は、タモキシフェン、ラロキシフェン、

アナストロゾールまたはエキセメスタンを服用している女性が、臨床

試験以外でホルモン補充療法を使用しないよう推奨する。

飲酒

多数の研究により、適量の飲酒(1 日当たり 1~2 杯)が乳癌リスクの

増大と関連することが実証されている 84,85,86,Chen, 2011 #836。2つのコホー

ト研究の解析では、1 日のアルコール摂取量 10g につき 10%の乳癌リ

スク上昇が認められた 49,87。閉経後女性 51,847 名を対象とした集団ベ

ース研究では、飲酒量の増加と ER 陽性乳癌を発症する可能性の増加

との関連を裏付けるエビデンスが得られている 218。疫学研究のメタア

ナリシスでは、乳癌と少量の飲酒との間に小さいながら有意な関連が

認められた(RR=1.05;95%CI、1.02~1.08)219。たとえ 1 日 1 杯で

あっても、乳癌リスクは小幅に増加する 84。ただし、飲酒量の減少が

乳癌発生率に及ぼす影響は十分に研究されていない。

NCCN 乳癌リスク低減委員会では、飲酒は 1 日 1 杯未満に制限すべき

であるという点でコンセンサスを得ている。なお当委員会は、飲酒量

としての 1 杯を蒸留酒約 30mL、ワイン約 180mL、またはビール約

240mLと定義している。

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乳癌リスク低減

運動

身体活動レベルの増加は乳癌リスクの低下と関連している 84,220-223。例

えば、40~65 歳の女性 90,509 名を対象とした集団ベース研究では、運

動が乳癌リスクに及ぼす影響が評価された 223。活発な運動を 1週間に 5

時間以上行ったと報告した女性における、レクリエーション活動に参加

しなかった女性と比較したときの相対リスクは 0.62(95%CI、0.49~

0.78)であった。これらの結果は、新たに診断された浸潤性乳癌患者

4,538 名および人種によりグループ化した対照患者(黒人患者 1,605 名、

白人患者 2,933 名)を対象とした別の集団ベースの症例対照研究によっ

て裏付けられている。生涯の年間運動活動レベルが高い(活動的な対照

被験者における活動レベルの中央値を超える)黒人および白人女性では、

活動的でない女性と比較して乳癌リスクが 20%低いことが明らかにさ

れている(OR=0.82;95%CI、0.71~0.93)220。加えて、45,631 名の

女性における身体活動の関連性を評価した前向き研究では、1 週間当た

り 10 時間以上のウォーキング/ハイキングを報告した女性で乳癌リスク

の低下が最大であったことが示された(RR=0.57;95%CI、0.34~

0.95)221。座位時間の長い閉経後女性 320 名を 1 年間有酸素運動を行う

群と対照群にランダムに割り付けた試験では、エストラジオールおよび

性ホルモン結合グロブリンの血清中濃度についてベースラインからの中

等度ながら有意な変化(それぞれ低下および上昇)が示された 224。しか

しながら、活動レベルの増加と乳癌リスク低下との関連には、まだ同定

されていない他の機序が寄与していた可能性が高いと示唆されている 225。

食事

閉経後女性 48,835 名を対象に、低脂肪食(例えば、脂肪摂取量を 1 日

当たりの総カロリー摂取量の 20%までに制限し、果物、野菜および穀

物の摂取量を増やす)が乳癌リスクに及ぼす影響を検討するためにデ

ザインされた WHI の比較介入試験では、平均 8.1 年間にわたり低脂肪

食を継続した介入群において、浸潤性乳癌の発生率に統計学的に有意

な低下は認められなかった(HR=0.91;95%CI、0.83~1.01)226。こ

の種の研究には、食事介入では避けられないコンプライアンス確保の

困難さや、想起バイアス、追跡期間が比較的短い、2 群間で脂肪摂取

量の差が不十分になる可能性などの限界がある 227。さらに、特定の食

事が乳癌リスクに及ぼす影響は研究対象集団の年齢に依存する可能性

がある 227,228。例えば、いくつかの集団ベース研究の結果から、食事の

組成が乳癌リスクに及ぼす影響は青年期と若年成人期ではるかに大き

くなる可能性が示唆されている 228,229。それでも、水素化されていない

脂肪と不飽和脂肪を主要な脂肪摂取源とする食事は心血管疾患の予防

に有益であることが示されている 228,230。

疫学研究により、ビタミン D(食事および太陽由来)が乳癌発症リス

クの低減において防御的な役割を果たす可能性のあることが示唆され

ている 228,231。さらに、そのような防御効果は皮膚の日光曝露時間が長

く、青年期に食事によるビタミン D 摂取量が多い女性で最大となるこ

とを示唆したエビデンスも存在する 232,233。現在、乳癌リスクに対する

ビタミン Dの役割を検討する研究が進行中である。

体重/BMI

過体重または肥満の女性では閉経後乳癌のリスクが高くなることを示

唆したエビデンスは、かなり多く存在する 47,83,84。

閉経後女性 87,143 名を対象として体重変化が浸潤性乳癌の発生率に及ぼ

す影響を検討した Nurses’ Health Study の最近の結果によると、18 歳以

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NCCN Guidelines Version 2.2015

乳癌リスク低減

降に 25.0kg 以上の体重増加を経験した女性では、体重が維持された女性

と比較して乳癌リスクが高くなる可能性が示唆される(RR=1.45;95%

CI、1.27~1.66)47。さらに、閉経後ホルモン補充療法の施行歴がなく、

閉経後に 10.0kg 以上減量してその体重を維持した女性では、体重に変化

がなかった女性よりも乳癌リスクが有意に低かった(RR=0.43;95%CI、

0.21~0.86)。興味深いことに、乳癌リスクは過体重の閉経前女性の方が

過体重ではない女性より低いというエビデンスが存在する 84。

BRCA1/2 変異を有する女性のペア 1,073 組を対象とした症例対照研究

の結果から、BRCA1 変異保有者の女性では、18~30 歳での 10 ポンド

(約 4,540g)以上の体重減少が 30~40 歳での乳癌発症リスク低下と関

連することが示唆された(OR=0.35;95%CI、0.18~0.67)234。

授乳

多くの研究において、授乳に予防効果があることが示されている 235-238。

47 の疫学研究の分析(浸潤性乳癌女性 50,302 名と対照 96,973 名)で

は、授乳期間 12 ヵ月当たり乳癌の相対リスクが 4.3%低下すると推定

されている 236。

臨床試験

リスク低減カウンセリングでは、臨床試験で受けられる乳癌リスクの

低減を目的とする介入についての話し合いを含めるべきである。

要約

乳癌リスク評価は、乳癌の既往歴がない健康な女性から将来乳癌を発

症するリスクが高い女性を同定する手段となる。すべての女性は、乳

癌リスクを低下させ、乳癌を発症する可能性を高めるであろう生活習

慣を避けるため、健康な生活習慣に関する推奨についてカウンセリン

グを受けるべきである。しかしながら、乳癌の危険因子の多くは是正

することができない。タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロ

ゾールまたはエキセメスタンにより将来の乳癌リスクが大きく低下す

ることが実証されたことで、リスク低減のための介入の機会が生まれ

ている。

個々の女性におけるリスク低減薬の使用に伴うリスクおよびベネフィ

ットについては、共同意思決定の一貫として本人とともに評価し、話

し合うべきである。リスク低減療法のベネフィットが害を有意に上回

る女性は、AHまたは LCISの患者である。そのため当 NCCN委員会は、

これらの女性におけるリスク低減療法を強く推奨する。リスク低減薬

を服用している女性は、これらの薬剤使用に伴い発現する可能性のあ

る副作用について、注意深くモニタリングしなければならない。

BRCA1/2 変異保有者の女性など、乳癌リスクが非常に高い特殊な状況

では、乳癌リスク低減のために両側乳房切除術または両側卵巣卵管摘

出術の施行を考慮してもよい。いずれかの手術を検討している女性は、

手術に先立ち、あらゆる治療選択肢、リスク低減手術のリスクおよび

ベネフィット、ならびに両側乳房切除術の場合は選択可能な各種の再

建法について十分な情報を得るため、集学的なカウンセリングを受け

るべきである。NCCN 乳癌リスク低減ガイドライン委員会は、女性お

よび医療提供者に対し、乳癌の新たなリスク低減戦略を検討する臨床

試験への参加を強く推奨している。乳癌リスク低減における更なる進

歩を達成するには、適切にデザインされた臨床試験での前向き評価に

より得られる経験の蓄積が不可欠である。

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乳癌リスク低減

表 1

改変 Gail モデルに従って乳癌の 5年リスクを計算するための基準

(www.breastcancerprevention.comで利用可能)

質問 回答

年齢 ____

初経年齢(最初の月経) ____

第一子出産年齢または未経産 ____

乳房生検の回数 ____

異型過形成 あり/なし

乳癌を有する第一度近親者の人数 ____

人種/民族 白人、アフリカ系

米国人、ヒスパニック、

その他

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乳癌リスク低減

表 2

25歳の BRCA1/2変異保有者において乳癌/卵巣癌のリスク低減戦略に従った場合の 70歳*での生存確率

変数

BRCA1 変異保有者における

生存確率(%)

BRCA2 変異保有者における

生存確率(%)

介入なし 53% [BCD=41%;OCD=36%] 71% [BCD=36%;OCD=20%]

40歳での RRSOのみ 68% [BCD=45%;OCD=12%] 77% [BCD=30%;OCD=4%]

50歳での RRSOのみ 61% [BCD=51%;OCD=20%] 75% [BCD=42%;OCD=6%]

25歳での RRMのみ 66% [BCD=5%;OCD=58%] 79% [BCD=4%;OCD=30%]

40歳での RRMのみ 64% [BCD=13%;OCD=53%] 78% [BCD=9%;OCD=28%]

25~69歳からの乳房スクリーニングのみ 59% [BCD=26%;OCD=46%] 75% [BCD=21%;OCD=25%]

40歳での RRSOと 25歳での RRM 79% [BCD=6%;OCD=21%] 83% [BCD=3%;OCD=6%]

40歳での RRSOと 25~69歳からの乳房スクリーニング 74% [BCD=30%;OCD=15%] 80% [BCD=18%;OCD=5%]

40歳での RRSO、40歳での RRMおよび 25~39歳からの

乳房スクリーニング

77% [BCD=18%;OCD=18%] 82% [BCD=9%;OCD=6%]

*一般集団における 70歳女性の生存確率=84%

(乳癌[BCD]または卵巣癌[OCD]の結果として死亡する確率;RRSO=リスク低減両側卵巣卵管摘出術;RRM=リスク低減両側乳房切除術;

乳房スクリーニング=年 1回のマンモグラフィおよび MRI)

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