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立命蝋経済学(第 六八 (三七四) 最近の資本蓄積 戸木 田嘉久 …魎提起 労働力「不足」と姐快別賃金絡差「縮少」の意味 労働力「不足」 企茱岨版別の賃金俗差「縮少」の意味 椚対的逃剰人口の析山と累秋 柵対的辿剰人口の「反携」と沈下慨向 労働考家炊の賃労働老化(以上前号) 小牛陸・小仰業の分解と賃労働者化(以下本号) 宋族多枕芙とその蹄胴性 低伐企搬逝のw編成とその方向 労働力「不足」閉魎の叱雌 B低貨分火盤の町編成 C低伐分峰帷の町編伐 締びにかえて

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  • 立命蝋経済学(第十三巻・第四号)

    六八 (三七四)

    最近の資本蓄積と低賃金構造一下一

    戸木

    田嘉久

    …魎提起

    一 労働力「不足」と姐快別賃金絡差「縮少」の意味

     A 労働力「不足」

     B 企茱岨版別の賃金俗差「縮少」の意味

    二 椚対的逃剰人口の析山と累秋

     A 柵対的辿剰人口の「反携」と沈下慨向

     B 労働考家炊の賃労働老化(以上前号)

     C 小牛陸・小仰業の分解と賃労働者化(以下本号)

     D 宋族多枕芙とその蹄胴性

    三 低伐企搬逝のw編成とその方向

     A 労働力「不足」閉魎の叱雌

     B低貨分火盤の町編成

     C低伐分峰帷の町編伐

    締びにかえて

  •  C 小生産・小営業の分解と賃労例者化

    …資本主義的牟産の寮と資本の急速な燕ポ・労禦震の集からたえず症業予狸を析出し、その賃労

    働考化をおしすすめているだけではない。さらに小生産・小営業の階層分解をすすめ、その業主と家族をますま

    す広い範囲で賃労働の場にひきだしている。ここでは、奈く日木の賃労働給源として位置づけられてきた、農

    業を巾心にそれをみてみることにしよう。

    縁後の口木農業は・農地改革による半封緒猛主的土地所有の基本的蒜体、広汎奮作農的土地所有の確

    立を擁とし・対米驚の圭での同家独占資李義の再編・強化を背景として、一定の窪力の震を達成し

    た・しかし奈ら・農民の舞と生-活は、采麦に包摂された小維済・零細農耕が一幣に背負わされる農

    工…の不均等茂にくわえて・脊独占による農{の不稀交捺大を蒜とした多様葎取と堵の粍、

    さらには杜会的独伽をともなった椰市的生沽様式の杵及などによって、破綻の度を深めている。

    このよう集件のもとで・雌篶の麻は最にすすみっっある。すなわち、一方では、板く映られた一杵の

    雌茅・猛耕地の仏大ないし篤化によ一て仰…小産批を仏大し、資、木稀を衣して土地および、循の生

    床力高め・農午推木外での一以為猛志めて、辛じて槻紡上向をとげっっある。そして他方に、人差

    の雌維常は・前述の比斥によ一万帖蒜の蒜がたえ丁向する圭で、小舳続叱からのたえざる鮒

    脱.」潅化をよぎなくされ、薪な地にしがみっいたま未計舳充のための兼着、協、出符脈、槻をよぎ

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    立命館経済学(第十三巻・第四号)

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    出は、二、三男から跡取りへ、さら

    に経営主にまで急速に拡大し、日本

    犯」尺業は制度的に解体の様相さえみせ

    はじめている(猪14表)。

    側このように農民とその家族は、破

    壊的な勢いで賃労働分野へ流出しつ

    っあるが、そこで注目されるのは、

    年率五劣を超える農業人口の流出に

    もかかわらず、農家戸数の減少は一

    九六二年までの最近三ケ年をとって

    みても年率○・七劣にとどまり、け

    っきよく第二種兼茱農家がいちじる

    しく棚大する結果となっていること

    である(第15表)。しかも流出が跡坂

    りから経蛍主まで拡大されるなか

    で、全流出者のうち「雌家に住みな

    、がら、非雌茱に就職する」形態での

  •                              (2)

    流出が、一九五八年の二八劣から、六二年には四六劣に達している。

     兼業農宗が、農業以外の賃労働者になっても、なおかっ阿らかの方法で「労働集約」的な零細農耕に執着せざ

    るをえないのはなぜだろうか。その理由は、はっきりしている、、零細農耕によっても、また賃労働によっても、

    そのいずれか一方だげでは、活々として新しい高度の生活様式が強制されてくるもとで、とうてい生活を維持

    し、労働力を再生産することはできたいからである。っまり、都市の労働者世帯でさえ、その労働力の再生産の

    ためには、いわゆる家族多就業形態をとらざるをえないような日本の低賃金水準と不充分な杜会保障制度のもと

    では、零落させられた農民は、自分は兼業賃労働者となり、主掃や老人を農業に就業させる一種の多就業形態を

                   (3)

    とらざるをえないということである。しかも、子弟にしろ業主にしろ、兼業賃労働としての流出は、中小企業、

    商店の住込み労働者、人夫・旦展たど、いわゆる低賃金部門に傾斜せざるをえなかったし(第16表)、最近では、

    季節出稼・人夫旦雇としての流出がさらに目立ってきている(第17表)。このような兼業賃労働のおかれている客

    観的な諸条件のゆえに、農家は零細な土地をいっそう強く、最後のぎりぎりまで死守せざるをえない。

     倒ところで、こうした資本制生産の発展にともなう農民層分解、兼業賃労働者化は、戦後の日本の低賃金を、

    どのように規定してきたであろうか。もちろん、戦後の日本農業は、労働者階級が就業人口の過半数を超える現

    在では、戦前の目本農業が、その半封建的な高率小作料と半隷農的生活水準によって、植民地以下的低賃金を規

    定したようた決定的た意味を、戦後の賃金にたいしとうぜんもちえないであろう。しかし、農業制度の事実上の

    解体ともいうべき事態を背景に、資本主義生産の急激な発展とともにー広汎に析出されっっある兼業賃労働が、い

    ぜんとして日本の低賃金の重要な基盤として位置づげられることだげはたしかである。

       最近の資本蓄積と低賃金構造(下)(戸木田)                    七一 (三七七)

  • 立命館経済学(第十三巻・第四号)

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      七二 (三七八)

     ここでは、その全面的な論

    証はできないけれども、一っ

    の具体例として、最近のK製

    鉄千葉工場における作業請負

    労働者(杜外工)と周辺農村と

    のつながりについてふれてお

    こう。同工場の労働力構成も

    他の欽鋼独占とおなじく、一

    九五三年以降における杜外工

    のいちじるしい増大を反映し、

    一九六三年木には、全労働者

    数一八、一五五名のうち親企

    業労働者は六六・二%、破り

    三三・八劣は作茉請負企茱の

    常用丁、鮒時〕.帷という状態

    である、だが、両考の労働市

    場は全く対照的であり、親企

  • 業労働者が職安経由で全国にまたがる開放的市場を形成するのにたいし(一九六二年一月-七月枕職者は、一〇〇弓職

    安経由)・作業請負労働者の約九〇%までが、本工の紹介により県内を給源としている。しかもその前職別構成で

    は農業出身者・兼茉賃労働が、作業請負の常用工で三三・一%(工員四四.七%、人夫.日雇六.○%)、おなじく臨

    時旦雇では八三・三劣(人夫日雇五・六完、工員四・八%)にのぼっており、欽鋼独占による段階的な低賃金利用と

                               (4)

    農民屑分解・兼業賃労働化との不可欠な対応関係が把握される。

    ↑D経済の「高度成長」が不可避的にひきおこしっっある小生産の階屑分解、その業主と家族の賃労働者化を、農

    業を中心に検討してきたが、そこにあらわれている事態は、基本的に郁市の手工業や白営商業にも貫徹している

    と考えてよい。総雅府「就業構辿基本調査」(一九六二年)によると、n営業主(但し農業を含む)八八六万人の年問

    平均所得はわずか二八万円、年問二四万円以下層が五五%を占めており、 (雇用労働者二、三四三万人の平均所得は

    二九万円、二四万円以下は五一%)、都市白営業者の多くもまた、本人または家族の賃労働者化をよぎなくされるよ

    うな条件下にあると推定される。事実、「就業構造基本調査」によると、第三次産茉では、一九五九年から六二

    年にかけて業主一九万六千の減、家族従業者九万の増加、差引き一〇万六千人の減という救他が記録されてい

    る・しかも、おそらくここでも、農業のぼあいと同じ班由によって、缶実上解体にひんしたn営業にあくまでし

    がみっきながら、兼茉賃労働の形態でいわゆる「三ちゃん農茉」式の宗族多就茱体制がとられているものと考え

    られる・そのことは、前述したように最近四年…に第三次雌茱で茱七が約Ll九万減じたのに、第三次帷茉におけ

    るn営茱のすくなくとも六割以上を占めるとみられる「卸・小、几茱」で(一九六〇年、旧幼洲介にょる)、一-川人

    の零細企業教が一九六〇年から六二年の…に約二万二千しか減少していないことによっても惟定される。ともあ

        最近の資本苓秋と低賃金彬逝(下)(戸木旧)                    七三 (、二七九)

  •     立命館経済学(第十三巻.第四号)                        七四 (三八○)

    れ、資本主義生産の急激な発展は、この面でも低賃金労働の基盤を拡大しっっある。

      (1) 農民層分解の詳細な分析は、大藪輝雄「現段階における農民層分解の特質」立命館経済学第十二巻第五.六号参照。

      (2) 一九六四年「経済白書」六九-七〇頁。

      (3) 井上晴丸教授は、農民が賃労働者となりながら、耕地を手離さぬ理由をっぎのように説明しておられる。 「兼業農家

      が農外の賃金労働者になっても土地を手放さない一つの要因は、わが国の賃金水準の杜会的変化に対応していないこと、

      雇用が不安定であること、杜会保障の貧困によって生活が不安であることなどである」。井上晴丸「現段階における日本

      農業」.北京シンポジューム紙上参加論文・京都民科経済部会ニュース第一号。

      (4) なお、念のため補足すれば、農業出身者を耕作反別にみると、作業請負常用工では三反-十反層に集中しているのに

       たいし、作業請負日雇では五反-十五反層に集中している。前者はその耕作反別からして賃労働者化の程度を深めざるを

      えず、後者はおなじ理由から相対的に兼業的性格が強いわけであろう。以上の統計数字は、芳村明ほか四氏の「製鉄業に

       おげる作業請負の構造と機能」(一九六四年杜会政策学会秋季大会報告)による。

     D 家族多就業とその階層性

    い資本の高度蓄積過程が、資本主義企業部門でどのように相対的過剰人口を析出しつつあるか、さらに労働者世

    帯.農家世帯.都市自営業世帯のなかで、どのように一家総働きの体制がっづられっっあるかを明らかにしてき

    た。現在の日本の低賃金が、「白書」式の論埋と現状分析が予定しているように、そう簡単に解消されないこと

    を示すためである。

     だが、低賃金がたえず再生産されるメヵニズムの分析としては、これだけでは充分ではない。私たちは、さら

    に、労働者階級の世帯にしろ、小生塵・小営茉の此帯にしろ、資本主義生陸の売展がもたらした労働力の再生塵

    費用の増大、すなわち労働力の伽惟の増大にたいして、広汎な「家族総労働」をその主たる対応策としながら、

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    まがりなりにも労働力の再生産をおこなっているという箏惜を考慮せねぼならない。とりわげ、その労働力の再

                                            (1)

    生産が、それぞれの世柑の所得階胴に応じて、低所得世柑にいたるほど、より「萎縮せる形態」での再生産にと

    どまる、という事情が考慮されねぼたらたい。ここから、 っぎのことが結論される。家族をもふくめて、より

    「萎縮せる形態」でしか労働力を再生産できぬ低所得階屑では、家族就労者もまたその「萎縮せる形態」での労

    働力の再生産の故に、それに照応した低賃金労働者として労働市場にあらわれざるをえず、しかも、その状態は

    たえず再生産される、と。

     このような低所得階層におげる労働力の再生陸条件は、他方におげる相対的過剰人口法則の貫徹にゴる労働力

    の「反携」と沈下の慎向と結合し、広汎な停滞的過剰人口層を形成する。そのことが、国家独占資本主義の機構

    と機能や、系列・下請・杜外工制度等々を通ずる独占資本の激しい収奪にもかかわらず、中小資本を執鋤に残存

                           (2)

    ・再生させる賃労働の側の条件となっているのであって、その意味では、「二重構造の堪礎は失なわれた」など

    と、簡単に言いきるわげにはいかない。

    吻ところで、前述するような世帯の所得階屑ないし杜会的階層と家族就業の関係は、現実にどのような展開をみ

    せているであろうか。その論証として、ここでは八幡大学清山卓郎氏の調査報告「北九州工業地帯における失業

    と低賃金労働の実態」(一九六四年五月)に捉二小されている数字を借用することにしよう。清山氏は、この報告のな

    かで、中小企業労働者世帯、失対労働者世帯、生活保護世帯について、それぞれ家族就業者の就業内容を追求し、

    「北九州工業地帯の低所得労働者屑における家族就茉は一般に低賃金郁門にいちじるしく集中している」と結論

       (3)

    している。しかも、同報告は、生活保護層へと労働者階屑が下降するにしたがい、家族の就業先もそれに応じて

       最近の資本蓄積と低貿金構遣(下)(戸木田)                    七五 (三八一)

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    低賃金部門ないし職種へ集中していること

    も、っぎの賃金階屑別分布によって示してい

    る(埼18表)。

     この表については、もはや何ら説閉を必要

    とはしないであろう。要するに、私の言いた

    いことはこうである。独占ブルジョアジーの

    子弟は、独占ブルジョァジーとして再生産さ

    れ、労働者階級の子弗は労働者階級として再

    生産される。しかも労働者階級や小n営業の

    内榊では、さらにその所得陪胴に照応して、

    肉体的・精神的に「萎締せる形態」での労働

    力の再化雌をよぎなくされる納火、低所得陪

    胴の子弟は、多くのぼあい低貨企労側者とし

    て、あるいはまた、初から停淋的過剰人口胴

    として町小叱されざるをえないということで

    ある。しかも私たちは、肚近の仔沽の“屹成

    艮がそのような低所糾附榊の吹辺をなす生沽

  • 保護膚を・その適格基準の低さと収入認定原川の厳格な適用にもかかわらず、ますます増大させていることを指

    摘しておく必要がある。すなわち、一九六四年「厚生白書」は、「三七年度にっいてみると月平均保護世帯数、彼

                                                   (4)

    保護人員はそれぞれ六二万四千世帯、一六七万四、○○○人と前年度に比し一万世帯、三万人の増加を示した」

    と記している。

    閉資本蓄積と棚対的過剰人口に関する分析をしめくくるにあたり、私はさらに産業循環の局面に関して、二一一口だ

    げっげくわえておきたい。私が以上であきらかにしたのは、資本蓄積が急速に進行している過杜、すなわち、資

    本による労働者の「吸引」が、その反携よりも大規模にすすんでいる過程のなかでも、資本による労働者のより

    大きい吸引は、そのより大きい「反携」と結びっいているということであった。だが、資本士上義的生産の溌展

    は・周知のように必然的に産茉循環の沈滞期と恐慌を坪びおこさずにはおかないであろう。戦後日本資本主義は、

    国家独占資木主義のもとで循環の形態が変化せられ、何度かの循環的な低下を経験したものの、これまで、過渡

    的な上昇過杵をっづげてきた。しかし、資本主義的生産の基本的矛盾はとりのぞかれていないぼかりか、むしろ

    沫刻に蓄債されっっある。その矛盾は、やがて爆売せずにはおかないだろう。その局廊では一、張本による労働者

    の「反携」が、吸引より大きな焼模ですすむ。したがってその局面では、「山書」流の諭〃と分析は、労働者階

    級の状態の「改善」や「二煎構辿」の「解消」にっいて岨象の仮象さえふりまわすことはできなくなり、その主

    張の偽嚇仕を[日の下にさらすことになるであろう。

    (1) マルクス「資本論」箏一巻嫡四市第三節、長谷椰沢、口評版第二分冊五七頁。

    一2一独暮本麦の下で、中小資本が箒、坪する采の側の洋にっいては、鶉「絆采上義と中小資本一忠思

     最近の汽本苓欲と低賃金撚造(下)(戸木田)                    七七 (三八三)

  •   立命館経済学(第十三巻.第四号)                        七八 (三八四)

     一九六〇年二月号五二-五三頁参照。

    (3) 江口英一氏も東京都足立区の一地域一九八世帯の調査(一九六二年)から同様の結論を出しておられる。江口氏によ

     れば、同地域では、「資本制家内労働者」「単純労働者」「工場労働老・下」(一01二九人規模製造業被用者・男子・女子

     全部)「建設職人」「建設以外の職人」(九人以下の手工業者、具体的には仏具師、木彫師、家具製造工等)「浮浪的自営業

     者」および「使用人」を「不安定階層」とすると、 一九八世帯のうち一一一世帯、五六%が、「不安定階層」であったが、

     これら「不安定階層」 の世帯員の就業先は、八五%まで 「不安定」陪脳的職業であった。 これにたいし残り八七世帯の

     「一般階層」では、世帯員の就業先が「不安定」階層的職業であったものは約五〇%であった。江口英一「生活水準一貧

     困論への反省」経済評論一九六四年二月号。

    (4) 一九六四年「厚生白書」一五四頁。

    三 低賃金構造の再編成とその方向

     生産拡張↓雇用増↓賃金増.格差縮少、こういういわぼ資本家階級の古典的な論理の上に構築された「白書」

    式の現状分析が、いかに現象の楯の一面しか見ていないかをあきらかにしてきた。だが、以上の現状分析は、

    「白書」のいう労働力「不た」閉題が、労働者階級にとって何ら閉題とするに価いしないと、いわんがためのも

    のではもちろんない。むしろ逆である。労働者階級にとって、当面する労働市場・賃金問題の焦点は、独占資本

    が、 一方では、「向蒔」流の淋〃と分析によって「礼会的繁栄」の幻想をふりまきながら、他方では、労働力

    「不足」の閉趣をテコとして低賃企構辻の再編成を倣行しようとしている点にあるからである。 「白揖」流の論

    珊分析が皿八している役割は、まさに逃行しつつあるこの低貨金構造の再編・強化の方向を蔭蔽することにあると

    いわねぼならない。

  •  そこで私たちのまえには、さらにっぎの課題が提起されることになる。労働力「不足」問題は、低賃金構造の

    再編成とどのようなかかわりあいをもっているのか。また低賃金構造は、具体的にどのような方向で再編成され

    っっあるのか。以下では、もはやその内容を詳細に論ずる余裕はないが、その骨格だけは画きあげておくことに

    しよう。

     A 労働力「不足」問題の位置

     すでにあきらかにしたように、今日の労働力「不足」問題の実質は、「過剰労働力は急速に消減しっっある」

    といったことではない。独占的大企業による若手労働力の独占が、中小企業におげる若手労働力の「不足」を乎

    びおこしたという問題である。にもかかわらず、独占資本とその政府は、な普労働力「不足」問題をやかましく

    とりあげるのか。それにはっぎのような理由がある。

     第一、独占的大企業じたいは労働力構成の若返りによって総支払賃金、平均賃金の節約に一定の成果をおさめ

    たものの、他方で、若手労働力の求人難による中小企業賃金の相対的な一時的な上昇さえもが、「開放体制」下

    で国際市場戦へ乗り出し、帝国主義的復活の道を追求しようとする日本独占資本主義にとっては、負担になって

    きていること。すなわち、具体的には、系列・下請下の中堅的な中小企業賃金の相対的上昇を一時的にしろ抑制

    するために、若手労働力・中年労働力の効率的利用を独占資本としても考えざるをえたくなっている、というこ

    とである。

     第二、しかも独占的な大企業における労働力構成の若返り政策は、一九六〇年以前までの雇入れ制限による労

    働力構成の老令化を是正する一時的な政策ではない。年功賃金・終身雇用制を検討しようとする動きからも明ら

       最近の資本蓄積と低賃金構造(下)(戸木田)                    七九 (三八五)

  •    立命館経済学(靖十三巻・第四号)                       八○ (三八六)

    かなように、最近の「技術革新」による労働過程の技術的条件の変化に照応した、資本にとってもっとも効率的

    な労働力構成を、労働力の適切な新陳代謝によって、将来にわたって恒常的に確保しようとする政策である。そ

    のために独占資本としては、将来にわたって若手の低賃金労働力が曲豆富に獲得されることに、深い関心を示さざ

    るをえない。しかるに予想される塊実は、一九六六年以降、新規学卒者の絶対数が減少傾向に転ずるということ

    である(靖19表)。これは、杜会的強制としてあらわれた現代の生活様式と低賃金との矛盾が、勤労者世帯にたい

                                          (!)

    し、前述した家族多就茉形態とともにマルサス的な「家族計画」を強捌した結果であるが、独占資本は皮肉なこ

    とに、この近い将来における搾取材料の不足を、いよいよ心配せざるをえなくなってきている。

     )

     人

     千唄(

    希職就者業卒し

    校通

    学児

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    83974062951

    34456778890

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    99827540160

    91654037829

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    10892788971

    03383767150

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    82583280982

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    39594573879

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    Hギ所民旧「庁.}い企済経〕註〔

     第三、独占的な大企業における労働力構成の若返り政

    策が、現在の資本主義的「技術革新」のもとではたんに

    一時的なものではありえず、労働力構成の恒久的な再編

    成であり、しかも他方に新規学卒労働力の絶対敬の減少

    が予想されるとすれぼ、中小企茱における若手労働力の

    「不足」は今後も持続してゆくことになる。したがって、

    中小企業としては、全体としてその労働力構成をひきつ

    づき中高令屑へ倣斜させてゆかざる.をえない。独占資本

    としては、こういう全体的な倣向のなかで、いいかえれ

    ぼ、中小企業が安場に若手低賃金労働の人海戦術をとり

  • えなくなっている条件のもとで、すくなくとも系列・下請の中堅的な中小企業に関して、独占的な高利潤の獲得

    にとってもっとも効果的な、恒久的な労働力対策をうちたてる必要にせまられている。

     労働力「不足」問題は、本質的には以上にみるように独占資本の執鋤な低賃金要求に根ざすものであり、単な

    る生産に対する労働力人口の伸びおくれといった問題ではない。戦後の低賃金が、その結果として生みだした生

    産にたいする労働力人口の伸びおくれを、独占資本の利益においてどのように受げとめ、日本の低賃金構造をど

                      、   、

    のように再編成するか、労働力「不足」問題の本質はそこにあるといわねぼならない。

      (1) 一九六四年「厚生白書」によると、人工妊娠中絶件数は、一九四九年の二四万六千件から五三年には一〇六万八千件

      にたっし、以来毎年約一〇〇万件から一一〇万件台を記録している。しかも坂寄俊雄教授は、このほかに統計数字にあら

      われぬ中絶件数を年問約一〇〇万件と推定しておられる。

     B 低賃金基盤の再編成

     私は、日本の低賃金構造というとき、それは低賃金の基盤と低賃金の決定機構という、二っの構成部分を統一

    した概念であると考えている。現在、独占資本が提起している労働力「不足」問題は、この両者のうち、主とし

    て低賃金の某盤にかかわる閉題、すなわち低賃金基盤の再編成と強化をはかることを、その目的としているとい

    ってよいだろう。それでは、独占資本とその政府は、労働力「不足」閉腫をテコとしながら、戦後の低賃金基盤

    を、どのような政策をもって、どのような方向に再編成・倣化しようとしているだろうか。

                                            (ユ)

    旧箪一には、若手労働力の「不だ」にたいする当面の措置としての、労働力「流動化」政策がある。それは、さ

    しあたり、二つの方向をとって低賃金茱.盤の仰編成をはかろうとしているように思われる。       .

       最近の籔本蓄積と低汽金搬逃(下)(戸木田)                    八一 (三八七)

  •    立命館経済学(第十三巻・第四号)                       八二 (三八八)

     そのっ一は、産業問・規模問・地域問において労働力の流動性を高めるという名目で、独占的な大企業、その

    系列下にある中堅的な中小企業へむけて、若手労働力の集中をはかろうとする方向である。このことは、産業別

    ・規模別・地域別の雇用計画の樹立、大型電子計算機や全国的なデータ伝送網をそなえた労働市場セソターの設

    置等々の施策が、「経済白書」がかかげるっぎのような発想と結びっくとき、どういう結果をもたらすかを考え

    てみると、明らかである。「白書」はこういっている。「労働力の給源の底がみえてくれぼ、生産を高めるために

                                  (2)

    は…-…生産性の低い部門から、高い部門への労働力の移動が必要になる」と。

     いま一っは、中高令層の流動化をその雇用問題の解決を重点的にすすめるという名目で、独占的な大企業にお

    げる中高令層の排除をさらに容場にしながら、中高令層を労働力「不足」の深刻な小企業へ組織的に投入するこ

    とである。これは、中小企業の杣対的な賃金上昇を抑制するとともに、中高令屑問題が杜会問題化するのを阻止

    しようとする方向である。労働省の「新労働政策」はこういっている。 「中高年労働者対策として、中高年令者

                            、   、   、   、   、   、   、   、   、   、

    のための麿附謄於、脚魯小掛定、これらの職種に対する若年労働者の就業規制、中高年者の優先採用(政府機関が

    卒先)などの方法をとる」(傍点筆者、毎日新聞一九六四年六月三日)。若年労働者を「就業規制」しながら、これを生

    産性の高い部門へ移動させ、その上で中高令者の「適職確保」「職種の指定」をやるとすれぼ、 これは結局どう

    いうことになるか。中高令層は中小企業へゆけということだし、中小企業は中高令労働者を雇用しろということ

    になろう。

    似第二に、労働力「不足」に対時し、低賃金の某盤を再編成するための、より恨木的な政災をあげることができ

    る。その一っは、農業にたいする構辿「改善」政策であり、いま一っは、巾小企業の「近代化」政策である。

  •  しうまでもないことだが、賓本主義は畏業に二っの任務を課する。その一っは、安い労働力を供給することで

    あり、いま一つは、安い食糧を生産させ低賃金を維持することである。理在の農業「構造」改善政策は、従属的

                                (3)

    性格を強くきざみこまれたアメリヵ余剰畏産物の輸入圧力をテコとして、この課題を追求しようとしている。す

    なわち、それは一方では、家族多就業、零細農耕と賃労働兼業によって辛じて生活を維持する貧農を土地から剥

    離し、資本の自由な搾取材料として農村から追放しようとしているし、また他方では、一部富農の上向的発展・

    農業の生産性向上によって、農産物の生産価格を切下げ、賃金を抑制することを期待している。だが、農業構造

    「改善」政策は、おそらく、結果としては第二の課題は塀決しえず、専ら農村における梢対的過剰人口の排出口

    を拡大し、いわぼ笏二の「原始蓄積、過程」を再硯するにとどまるであろう。なぜたら、農工閉の板端な不均等発

    展と独占の系統的な搾取が激しさをくわえるなかで、富悠の上向的禿展はすでに頭うちをみせているし、これに

    たいし政府は、「比較生産性の低いものを輪人する」 (六四年「経済白書」五五頁)という方針のもとに、アメリヵ

    余剰於産物の日本侵入を援助し、その圧力をもって低賃企を維持する方向をみせはじめているからである。かく

    て農茉構逃「改善」政策は、小実上、災芙枕茱人口の独圧的な切拾て政災としての仕格を前而に浮びあがらせる

    とともに、同民経済の倹概・丁茉原料のn姶火盤を掘りくづす、従属的た篶茉砿壊政災に砿化しつつある。

     労側力「不旭」にたいし、低貨企火.盤を仰編成しようとする第二の政災は、いわゆる巾小企茉の「近代化」で

    ある。独占資本にとって、その系列・下諦下にある巾小企災において、若年の低賃令労例力による人海秋術が不

    、珂能になったことは、もちろんその映りで、独{}^利洲に形科をあたえざるをえない。巾小企災の「近代化」、

    すなわち系列・下請下にある巾堅的た巾小企芙の技術的「八H〃化」は、人海秋術の映界を労例生陸仕の向上、労

       [収近の資本苓秩と低賃金桝逃(下)(戸木田)                    八三 (三八九)

  •    立命館経済学(第十三巻・第四号)                        八四 (三九〇)

    働力の節約によって乗りきるとともに、過剰人ロプールの維持をはかろうとする政策であるとみねぼならない。

      (1) 労働省「雇用の現在、見逝し、及び政府のに用対策」(一九六四年五月)、労働省「新労働政策」(一九六四年六月)

      参照。

      (2) 一九六四年「経済白書」五二頁。

      (3) 井野隆一「アメリカ余剰裟産物と日本撲業」・季刊経済・一九六四年六月号。

     C 低賃金機構の再編成

    ○Oアメリヵ帝因主義に従属しながら、「閑放経済」体制のもとで、帝国主義的復活の道をすすもうとする日木独

    占賓本羊滋は、低賃金塔盤の再編成をすすめるのみならず、低賃金構造のいま一っの煎要な構成郁分である、低

    賃金機構の再編成と独化をおしすすめている。

     すでにみたように寮本主、蔑生産の急激な准及と資木の急速な蓄秩は、資本主義企茱郁門における州対的過剰人

    口の析出規模を拡大するとともに、その流助と転落のテソポを加速化しっっある。くわえて、労働者の宋族や小

    牛産-〔営業の業キや家族を、ますます広範な規挟で貨労働の場に引き出しっっある。これらの諾条件は、

    金と杜八ム的に倣制された挑代の生沽、様式との矛后を妥脇的な方法のみでなく、階級闘箏への机繊的給災という、

    械枢的な方法で解決しようとする杜会的勢力が、ますます増大しっっあることを意味する。したがって、独占資

    本とその政府は、激化を予想される広汎な労働者の闘争に対時しながら低ほ企を維杵するために、賃金決定機構

    の再編・強化を秋版的に捉起せざるをえない。

     低賃企機構の仰編成と強化は、国宋独占賓本主義の賃金政策の面でも、また岬別的な独占的な大企茱の面でも

  • すすんでいるが、その一貫した特徴は、賃金の民主的決定の権利を侵害し、賃金の決定機構を非民主的な内容の

                                                  (1)

    ものに切り替えることである。黒川俊雄氏をしていわしめれぼ、「フアシズム的賃金統制を強行しよう」という

    ことである。

    ○第一に、この面で、同家独占資木主義の政策は旦ハ体的にどのように展開しているか。

     まず、一九四八年七月、「マッヵーサー書筒」にもとづく政令二〇一号にはじまる、国家公務員、地方公務員、

    公共企業体労働者、現業公務員にたいする労働基本権の侵害が今日まで依然として継続しているぼかりか、この

    恥部をおおいかくす”いちじくの葉〃として猿場した、人事院さえも邪魔物扱いする傾向があらわれてきたこと

    が、指摘されねぼならない。その具体策はまだあらわれていないが、たとえば口経連は、人箏院勧告が民閉の春

    闘相場にはねかえるという「悪循環は附じて断ち切る」ことを考えるべきだといい、公務員賃金は超特大企業と

                                 (2)

    もいうべき政府〔体がn主的にきめるべきだと主張しはじめている(しかも、労働某本権を剥傘した現状のもとにお

    いてだ)。

     っぎに、全同一律の批低賃金側は確立しないまま、資木家側の一方的な決定に委ねた業者…桃定に某く披低賃

    金の適用拡大が推遮されていることが指摘される。「業者…協定に基く披低賃金」が、政府の主張するように本

    格的な批低賃企制実施のための「杜会的経沽的火盤を育成する」ものでないことは、すでに広く指捕されてきた

    ところであるが、現在の帷牒ではこの適川拡大は、巾小企業における初任給、賃企の州対的上昇を上から索伽す

    る「ファシズム的」賃金統伽の一つの逝几一に砿化しはじめている。

     低貨令機椛の再細に閑連するいまひとっの正要な施災は、欠業保陳を巾心とする杜会保陳制度の確立を無視し

       最近の費本蓄秩と低賃金構逃(下)(戸木田)                    八五 (三九一)

  •    立命館経済学(第十三巻・第四号)                        八六 (三九二)

    たまますすんでいる、失業対策事茉の再編成である。それは、一方では、全n口本臼由労働組八口が闘争によって積、

    み上げてきた矢茉対策賃金や年末手当の水準(貧弱な現行の杜会保障のもとでは、それはH本の全労働者階級にとって、

    失業にさいして権利として確保された最低生活水準を怠味する)を切捨てるとともに、他方では、失対労働者のなかから

    選別された青・壮年層をより倣度の労働を要求する新しい失業対災事茉や比閉企茱に吸収することによって、口

                            (3)

    本の低賃金機構の最底辺を再編成しようとするものである。しかもこの再編成は、わが国における唯一の強力な

    全同的失茉者組織である全口木白由労働組合を糾織的に解体し、分断する企凶とも結びっいている。

    側第二に、賃金の民主的決定を抑制しようとする幼きは、独占的な大企茉の内郁火おいても、執鋤に系統的にす

    すめられようとしている。安定賃金制度の採用、職務給の導入がそれである。

     長期安定賃金制度。これは公務呉・公企体労働者にたいする労働基本権の剥摩に坪応し、民…企茉にあっても

    賃金を民士上的に決定する労働者の権利を、すなわち賃金闘争の権利を放棄させようとするものである。それは、

    資本の側からする労資閑係の安定、脇湖的な労働組八n主漉への働きかげと、強くからみあっている。

     職務給の樽人。資木主義的技術悼新のもとで年功賃、企を筏存させながらすすむいわゆる職務給化が、中高令屑

    の排除、その賃企ヵツトに結びっいていることは前述した。だが、それだけではない。それは「技術革新」に照

    応した一連の搾取強化方法の一環として阯置づけられている。すなわち、職猪給化は、職循分析・職務評仙・人

    箏考課の沽用、糾織・作茉竹〃の八H〃化、定〔一の股定、生産統制、予算統制などと結びつくことにより、独占的

    な大企茱における析しい搾取体系の中心環をなしている。しかも企茱毎の複雑な職務分析・職務評仙・人水考課

    と結今した職碕給化は、賃企の{土的な決定に閑しても厄大な杉禅をおよぼさずにはおかない。企茱毎に際眼な

  • いほど細分化された賃金と、資本による個々の労働者の一方的な賃金格けげは、企業内において個々の労働者を

    分裂させるだけでなく、産業部門別の統一賃金闘争を困難にし、賃金決定に関する労働者の氏主的権利を大きく

    制約することによって、労働組合の統一を弱める方向に作用するからである。

    ↑o現在すすめられている低賃金構造の再編成の方向にっいては、以上にあげた諸項目にっいて、本来もっと詳細

    に論ぜられるべきである。 また、失業保険の支給条件の変更(勤務六ヶ月から一年へ)、国家による児童手当支給

    票など、さらにっけくわえ検討されねぼならぬいくっかの項目も、その後、登場している。だが、当初の主題か

    らすれぼ、ここでそこまでふみこむ必要はないであろう。要するに、ここでは、口本の低賃金は、経済の「高度

    成長」による過剰労働力の喪失により、その存立条件をうしないっっあるという議論にたいし、過剰労働力の喪

    失は現象の仮象にすぎず、むしろより拡大された規模で相対的過剰人口の析出はすすんでおり、なおかっ低賃金

    構造の再編・強化がすすめられているということを指摘できれぼ、それでさしあたり充分だからである。

      (1) 黒川俊雄氏は、最近の低賃金構造の再編成に関し、賃金の決定機憐の再編成を重視し、その性格を「ファシズム的賃

      金統制」と規定している。詳細は、凧川俊雄「□木の低賃金構造」(一九六四年四月)三七一-四二二頁。

      (2) 「日経連タイムス」一九六三年一〇月二四日号。

      (3) 大木一訓「新たた”失業対策〃の性格をめぐって」、経済詐蒲一九六四年二月号。

    結びにかえて

     以上は、一九六四年「経済白書」や「労働白書」の労働市場や賃金に関する主張を、血接に批判することをそ

    の目的としたわげではない。ただ経済が「成長」すれぼ「完全雇用」が進成され、低賃企もまた解消されるとい

       蚊近の資本蓄稜と低賃金構造(下)(戸木田)                     八七 (三九三)

  •    立命館経済学(第十三巻・第四号)                       八八 (三九四)

    った「白書」流の論理が、その現状分析においてどのような限界をもち、また客観的にどのような階級的役割を

    になうことになるかを、私なりの現状分析によってあきらかにしたにすぎない。

     すでにみたように「白書」流の論理と現状分析は、資本制蓄積の一般法則の貫徹を正しく把握していないだけ

    でなく、もともとそうした把握を目的にもしていないように思われる。むしろそれらの論理と分析は、一方では

    資本制蓄積の一般法則の動かしがたい貫徹を蔭蔽しながら、他方では、独占資本とその国家によってすすめられ

    ている低賃金構造の再編・強化の方向について、労働者階級の眼をそらさせることをその目的としているといわ

    ざるをえない。主観的にはどうあろうと、すくなくとも客観的には、そのような階級的な役割を果しているとい

    うほかはない。

     ところで、私なりの現状分析に関していえぼ、現代の資本主義のもとでいわゆる窮乏化法則をどのように理解

    するのかといった、労働者状態を把握するにあたっての前提ともいうべき理論的諸問題にっいて、充分な展開を

    ここではしめすことができなかった。またすでにふれたように現在の低賃金構造の再編成の方向にっいても、さ

    らに分析を深めるという課題がのこされている。これらの課題についてはさらに研究を深め、また別の機会にま

    とめたいと考えている。