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これからの“放送”は どこに向かうのか? 2030年に向けて~ 201937プログラム7

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Page 1: これからの“放送”は どこに向かうのか? · これからの“放送”は どこに向かうのか? ~ 2030. 年に向けて~ 2019. 年 3 月 7 日 プログラム7

これからの“放送”はどこに向かうのか?~2030年に向けて~

2019年3月7日 プログラム7

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研究報告 2030年に向けた“放送”を巡る論点メディア研究部 村上圭子

シンポジウム 地域メディアの公共的価値九州朝日放送 和氣靖 社長中海テレビ放送 加藤典裕 社長NHK新潟放送局 矢野達史 局長

本日の構成

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2015年渡辺克也 総務省大臣官房審議官

2016年吉田眞人審議官

2017年吉田眞人審議官

2018年井上弘民放連会長

これまでの文研フォーラム

放送の未来像を“政策の観点”から議論※肩書は当時

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最近の“放送の未来像”を巡る政策議論

放送を巡る諸課題に関する検討会(15年11月~継続中) 等

総務省

放送法の改正に関する小委員会第一次提言(15年9月)第二次提言(18年12月)

自民党

規制改革推進会議第3次答申(18年6月)

総理の諮問機関*NHK改革*常時同時配信*電波の有効利用*ローカル民放の基盤強化 等

“政治主導”による論点の提示が顕著に

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提示内容は制度や枠組みそのものの変革

NHK常時同時配信実施時代の新たな受信料制度

自民小委・一次

ローカル民放の積極的な再編やケーブルテレビの新たな位置づけ

自民小委・ニ次

通信・放送の枠を超えた新たな環境に対応したプ ラットフォーム・配信基盤の構築

推進会議・第3次

利害の調整や合意形成が容易でない内容

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個々の事業者は、いま何をしておくべきか*構造変化の全体像に目を逸らさず向き合う*法制度や既存モデルに逃げ込む思考停止をしない*視聴者,顧客,広告主,地域と直接つながり続ける*ミッションで最もコアな部分は何かを再定義する*創造的挑戦を続けるために合理的な将来像を模索*社会の持続可能な営みの中に位置を見いだす地域の事業者で模索や試行錯誤が先行中

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報告2030年に向けた“放送”を巡る論点

NHK放送文化研究所メディア研究部・村上圭子

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報告の構成

① テレビ・放送を取り巻く構造変化② 2030年に向けた論点:法制度③ 2030年に向けた論点:ビジネスモデル④ 「Society5.0」「共創・協働」

時代の放送事業者の存在意義

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① テレビ・放送を取り巻く構造変化~現状を俯瞰する~

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日時 事業者

1月1日 放 中京テレビとHAROiD 大喜利番組でスマホの音声吹き込みを利用した双方向企画を実施 ○ ○

1月1日 公 文化庁 改正著作権法施行。教育利用、アーカイブ活用、ユニバーサルアクセスを目的に見直し ○

1月2日 放 NHK 『バーチャルのど自慢』をドワンゴと共同制作し放送。キズナアイなど人気VTuberが出演

1月6日 メ サムスン電子 自社テレビがAppleの「iTunes Movies and TV Shows」「Air Play2」に対応予定と発表 ○ ○ ○

1月7日 メ バッファロー HDD間の録画番組移行サービスの受付を開始。著作権法改正以後初の試み ○

1月8日 メ シャープ 「CES 2019」一般公開ブースに4年ぶりの出展。8KやAIoT関連機器を中心に ○ ○

1月8日 メ LGエレクトロニクス 88型8Kテレビ「Z9」などを「CES 2019」に出展 ○ ○ ○ ○

1月8日 メ ソニー 「CES 2019」で8K液晶テレビ「Z9G」を発表。8K映像の情報処理に次世代プロセッサ ○ ○ ○

1月8日 メ パナソニックなど 共同で非営利団体「8Kアソシエーション」を結成。8Kの普及に向けた連携 ○

1月9日 ネ ドワンゴ VTuberの出演アニメ『バーチャルさんはみている』を制作し、放送と配信を開始 ○ ○ ○ ○

1月9日 メ ハイセンス 「CES 2019」でパネルを重ねる独自の特殊構造により色表現を向上させる技術 ○

1月9日 放 読売テレビ Oculus向け滋賀県観光用VRアプリ「しがVR」の提供を開始。VRコンテンツ第2弾 ○ ○

1月10日 ネ放 Netflixとフジテレビ 連続アニメ『revisions』をNetflixで先行全話一斉配信 ○ ○

1月10日 放ネ 読売テレビとGYAO 『人生が楽しくなる幸せの法則』で「チェーンストーリー」を共同制作。3度目 ○ ○

1月10日 有放 J:COM九州と九州朝日放送 福岡県内11市町のまちづくり事業に関する連携で合意 ○

1月10日 有 J SPORTS スポーツ情報アプリ「スポカレ」に投資。実際の観戦人口を増やすねらい ○

1月11日 放通 フジテレビとソフトバンク 格闘技『RIZIN.14』全試合をVR配信。4,500円のセットを要購入 ○ ○ ○

1月11日 放 IMAGICA Lab. ウェブ動画事業の子会社「IMAGICA IRIS」を設立。4月1日に事業開始予定 ○

1月12日 通放 KDDIとフジテレビ バレーボール高校大会でAR観戦の実証実験。5G通信活用の一環 ○ ○

1月13日 ネ AbemaTV 大相撲の生配信を継続。1日9時間半の取組全てを90日間配信する ○ ○

1月15日 放 メ~テレなど ドラマ『名古屋行き最終列車2019』コラボのデジタルスタンプラリー開催 ○

今年1月①

テレビ関連新サービスや政策の最新動向整理(2013年~)

多様な事業者

多様なサービス

資料最後に2019年1月、2月のまとめあり

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事業者

メディア環境

サービス

接触状況

2018年度の主な動向

新4K8K衛星放送開始

テレビのネット接続率

上昇有料動画配信加入者1年で倍増

見逃し配信TVerの存在感増ニュース・

災害時・スポーツの同時配信広がる

AIアナやVtuberのテレビ進出

OTTと他事業者との連携進む

eスポーツに積極的な局

増加

OTTがCH

サービス開始

視聴ログ活用本格化

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テレビ・放送を取り巻く構造変化事業者

メディア環境

サービス

接触状況

ビジネスモデル 法制度存在意義

社会環境 自然環境経済環境

ビジネスモデル 法制度存在意義

社会課題

地域活性化

Society5.0

共創・協働

言論・文化に

対する意識

情報・通信

環境

存在意義

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1月

*箱根駅伝の同時配信(日テレ・Hulu)*TVerのTVアプリ実験 ソニーのAndroidTVで開始*NHK「経営計画(18-20)」発表 公共メディア実現へ*NTTドコモ 「dTVチャンネル」開始。STBの販売も

2月

*ソフトバンク「スポナビライブ」2年間で終了を発表。*Perform「DAZN」プロ野球11球団等130種類配信を発表*電通「日本の広告費」ネット前年比117.6%、地上波98.9%*ビデオリサーチ 関西,名古屋にタイムシフト視聴率拡大

3月

*NHK「試験的提供B」結果公表・・・各日利用率20%推移*UHB GYAO!上で同時配信+番組連動特産物をECで*ジャニーズ事務所 YouTube「ジャニーズJr.チャンネル」*NHK 「radiko」での実験配信を継続。全国拡大へ

4月

*PPJ 「Paravi」サービス開始。テレ東は帯番組の同時配信*吉本興業 「沖縄アジアエンターテイメントPF」設立発表*テレ朝とAbemaTV連携強化。バラエティチャンネル開設*フジとAmazon連携強化。フジ制作の新作映画を配信

2018年の新サービス動向(1月~4月)

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7月

*「バーチャル高校野球」709試合生配信。去年の3倍増*「radiko」 ラジコオーディオアドの実証実験開始*中京テレビ バイリンガルVTuberプロジェクト配信開始*J:COM eスポーツのゲームリーグ設立。専門番組開始

8月

*NTTぷらら、吉本×電通、文春等で海外展開ファンド設立*au 「ビデオパス」のキャリアフリー化、Netflixとセット割*HBC 北海道のコミュニティFMと協定締結*Netflix初の値上げ 650円→800円へ*ソフトバンク 動画SNS使い放題サービス開始発表

5月

*スタンドアローン型VR「Oculus Go」2万円台で発売開始*日テレとYahoo 社会課題解決「すけっと」プロジェクト*NHK技研公開 3か年計画はAI活用“ダイバースビジョン”*NetflixとKDDIが連携を発表。auとのセット割りへ。

6月

*A-PAB 新4K8K衛星放送開始半年前セレモニー*民放連会長 日テレの大久保社長が就任*サッカーW杯開幕。NHK試験的提供A、民放はTVer配信*Amazon Prime Video Channel開始*「TVer」累計ダウンロード数が1300万突破

2018年の新サービス動向(5月~8月)

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9月

*「ひかりTV for docomo」開始 地上,BS,dTV-CH,ひかりTV*メーカー各社 4Kのチューナー,STB,レコ-ダ-発売リリース*在京5社 「TVer」で同時配信の実証実験(2度目)*読売テレビ×GYAO!、NHK×日テレなど共同の取組続く*ローカル民放各社 自治体や地元メディアとの協定続く

10月*テレビ朝日 社内に新組織「IOTVセンター」設立*電通と博報堂DYMP AbemaTVと資本業務提携*電通 ネット広告会社セプテーニHDと資本業務提携*メーカー各社 4Kチューナー&内蔵テレビの発売発表*日テレ アドバンススポットセールス開始

12月

11月*マル協 スマホでの「字幕キャッチャー」実証実験開始*吉本興業 「大阪チャンネル」 ローカル12局と連携*Google 「YouTube Premium」開始 月額1180円*アイリスオーヤマ 黒物家電事業参入 4Kテレビも発売*テレ東とドコモ 5G実証「VRソーシャルビューイング」

*新4K8K衛星放送開始*RKB毎日 「新しい地図」地上初冠番組をメルカリで配信*ジュピターショップチャンネル 4Kスタジオ整備へ*AbemaTV テレ朝と共同開発のAI字幕生成システム導入*テレ東 eスポーツ特化のウェブメディアプロジェクト始動

2018年の新サービス動向(9月~12月)

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1月

*LG電子 世界初のローラブル(巻取り型)テレビ公開*国内外家電メーカー CESで「8Kアソシエーション」結成*J:COM九州とKBC 福岡県内でまちづくり事業で提携*在京5社 総務省事業で視聴データ集約・分析の実証*A-PAB 新4K8K衛星放送対応機器45万台(年末時点)

2月*NTTドコモ ぷららを子会社化。5GとXRの活用に向け*電通と博報堂DYMP ウェブ広告のホワイトリスト運用開始*日本CATV連盟とHulu 共通ID基盤を活用した提携*AbemaTVとPerform 協定締結でJリーグを一部無料配信*在北海道テレビ6局 共同特別番組を全局同時生放送

2019年の新サービス動向(1月~2月)

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② 2030年に向けた論点:法制度~4つのキーワードを中心に~

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情通審・放送コンテンツの製作・流通の促進等に関する検討委員会(16年11月~18年7月)

親会:常時同時配信NHKの経営・サービス・受信料の三位一体改革

(~18年6月)

放送サービスの未来像を見据えた周波数有効活用に関する検討分科会

衛星放送の未来像に関するWG

電波有効利用成長戦略懇談会(17年11月~18年8月)

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放送を巡る諸課題に関する検討会(15年11月~)

自民党・放送法の改正に関する小委員会第一次提言(15年9月)

(18年末~)

放送用周波数の活用方策に関する検討分科会

新たなCAS機能に関する検討分科会

放送事業の基盤強化に関する検討分科会

自民党・放送法の改正に関する小委員会第ニ次提言(18年12月)

内閣府・規制改革推進会議<総理の諮問機関>

投資等WG (17年10月~18年6月)

総務省 自民党・総理の諮問機関

“放送の未来像”を巡る政策議論(詳細)

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電波の有効利用

将来の伝送ネットワークモデル

共通プラットフォーム(将来の二元体制?)

地上放送

*地上4K放送*4K‐IP

ナショナル・ミニマム

*民主主義に寄与*地域情報確保

ローカル局基盤強化

*支援策*合理化・再編

*見逃し配信*常時同時配信

NHK改革

衛星放送(BS/CS右旋)

*サービス(常時同時配信含む)

*ガバナンス*受信料制度

(値下げ実施)

“放送の未来像”政策議論の俯瞰図

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通信領域現在 今後は?

NHK ・・・・・・・民業とのバランス模索 肥大化批判は一層強く?

ローカル局 ・・・現状の体制での支援要望 再編は不可避か?

共通PF ・・・・・・コンテンツ(TVer)模索

伝送路 ・・・・・・放送直接受信5割弱 “あまねく”の追求どこまで?

今後、議論はどう進んでいくのか?

2020年までの経済状況 経済縮小

人口減少 自治体消滅

モバイル化 スマート化

地上2K 地上4K

NHK

ローカル局

共通PF

伝送路

共通PF

伝送路

ローカル局

NHK

視聴ログデータPF?

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共通PF ・・・・・・コンテンツ(TVer)模索 視聴ログデータPF?→放送由来の安心で便利:事業者主体のログ統合。常時同時も…

通信領域現在 今後は?

NHK ・・・・・・・民業とのバランス模索 肥大化批判は一層強く?

ローカル局 ・・・現状の体制での支援要望 再編は不可避か?

伝送路 ・・・・・・放送直接受信5割弱 “あまねく”の追求どこまで?

2020年までの経済状況 経済縮小

人口減少 自治体消滅

モバイル化 スマート化

地上2K 地上4K

NHK

ローカル局

共通PF

伝送路

共通PF

伝送路

ローカル局

NHK

→低コストで堅牢:IPの進化に柔軟に。オール放送に囚われない

→事業の継続:4K化見据えハード・ソフト分離を早期検討

→公共メディア化推進 :能動的に二元体制の下支えを提案

“状況対応型”でなく“目標志向型”で考える

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目標を定めるために問い直すべきこと

→国民の貴重な電波を活用するにふさわしい「公共的価値」を地上放送事業者は果たしているか→今後も、地上放送事業者は民主主義成熟と地域情報確保(ナショナル・ミニマム)のため欠かせない存在であり続けられるか

政治から再び問われる前に、事業者自身が“当たり前”と思わず絶えず問い直さなければ、国民や社会に受け入れられる放送の未来像の目標は定まらないのではないか?

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③ 2030年に向けた論点:ビジネスモデル

~ローカル民放とケーブルテレビ~

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テレビのビジネスモデル系列 地域メディア 一般放送

二元体制地上波再放送

NHK地域キー局 ロ-カル局 CATV IPTV独立局NHK

受信料 メインは広告 メインは課金受信料

NHKBS キー局系BS 有料多チャンネル

受信料 広告 メインは課金

地上放送

衛星放送

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地上波民放を巡るビジネスの近況

売上高シェアが平均1割程度に(2017年)出典:民放連調べ

東名阪・・・・・12.8%独立局・・・・・11.5%札幌・福岡・・・10.0%その他系列・・・・6.7%地上計・・・・・11.1%

*00年以降上昇(ほぼ倍増)*大都市圏以外の系列ローカル局の伸び幅低い

放送外(その他)事業放送(広告)事業

*ネット広告費が地上波テレビ広告費に肉薄出典:電通「2018年日本の広告費」

ネット:1兆7589億円・前年比116.5%地上波テレビ:1兆7848億円(前年比98.2%)(テレビメディア関連動画広告費は101億円

※ネット事業の区分は放送外事業)

*景気や企業収益が上昇傾向にあっても広告(スポット)出稿額が減少し続けている

出典:民放連研究所「2019年度のテレビ、ラジオの営業収入の見通し」(減少理由について尋ねた会員社へのアンケートより)

→ネット広告への流出→テレビ利用行動の変化→広告主が視聴率データだけでは不足感を感じている

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ローカル民放のビジネスの今後

番販

コンテンツ関連事業※民放連 諸課題検報告資料より

地域密着事業ローカルタイム

ローカルスポット(本社)

ネットタイム(ネット配分)

ローカルスポット(東京支社)

増加しない?

広告主への説明責任の充実*個人視聴率*視聴データ

等の整備

放送(広告)事業

事業・イベント

パッケージ販売配信など

ネット展開

地域活性化・自治体案件

各種コンテンツ制作

別ビジネス

・不動産関係・住宅展示場・第一次産業等

・ショッピング

観光・物販

放送外(その他)事業

地域企業等とも連携し相乗効果や新ビジネスを生めるか

自社制作向上(定時)

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地域情報伝達

地上再放送

サービス

多チャンネルインターネット

ケーブルテレビのビジネスの歩み

4K放送

電話

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ケーブルテレビのビジネスの今後プラットフォーム機能・ID活用サービス・IoTサービス

メディア機能・地上再放送・多チャンネルサービス・コミュニティチャンネル・4K放送・OTTサービス

生活インフラ機能・電気・ガス・セキュリティ・ スマートホーム

プロデュース機能・地域創生や課題解決・地域の広場

ビジネスの伸びしろは大きいが、投資も必要。大企業と競合も

いかにシナジーを生み出していくか

自社制作番組は顧客獲得に寄与するか、事業者でも考え方は二分

情報インフラ機能・電話・インターネット(有線)・Wi-Fi(地域BWA)・MVNO・5G

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地域における放送メディアの今後地域メディア

NHK地域ロ-カル局 CATV独立局

メインは広告 受信料メインは課金

今後はこれまで以上に地域密着がビジネスの基本に。地域課題の増大に伴い、メディアとして求められる役割も高まる中、メディア間でどんな連携・分担が望ましいか?

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④ 「Society5.0」「共創・協働」時代の放送事業者の存在意義

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ビッグデータ活用

IoT

スマートスピ-カ-

ドローン

ロボットAI

VR・AR・MR

クラウド出典:内閣府HP

「Society5.0」は2018年度の注目ワード

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Society5.0の目指す社会とは?

*課題解決型

*持続可能型

*個人中心型

サイバー(バーチャル)

フィジカル(リアル社会)

課題・要請

解決・処理

サイバー(バーチャル)

フィジカル(リアル社会)

課題・要請

解決・処理

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Society5.0時代の放送事業者の存在意義*地域、個人とつながり、ネットテクノロジーに明るいケーブルテレビ事業者はビジネス主体になりうる

*では、地上放送事業者は・・・?

*課題解決型

*持続可能型

*個人中心型

→ビジネス視点偏重で見落とされている課題はないか→解決のため活用する方法やツールは適切か→本当に課題は解決されているか→地域の持続可能性より企業のそれが優先されていないか→都市や大企業に資金が回るモデルになっていないか→人々が豊かさを実感できているか→居場所・役割は失われていないか?→人間の誇りは欠落していないか?

テクノロジー主導だからこそ、取材力・共感力・認識力・伝達力といったメディアとしての“身体感覚”がより重要に

サイバー(バーチャル)

フィジカル(リアル社会)

課題・要請

解決・処理

サイバー(バーチャル)

フィジカル(リアル社会)

課題・要請

解決・処理

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「共創・協働」のうねりは地域から

出典:総務省 地域おこし協力隊「クラウドファンディング官民連携事業」資料

出典:クラウドファンディングネットワーク FAAVO HPより

→ケーブルテレビ業界はコンソーシアムを作って積極的に取り組む

移住希望者やIターンの人達の仕事場や居場所作り

地域の課題解決や活性化等のため、テーマを立てて全国に呼びかけ

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出典:ケーブルCF HPより

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人の空洞化 土地の空洞化

ムラの空洞化誇りの空洞化

コンパクトシティ促進コミュニティ活性化

見守り・防災・防犯

地域・歴史アーカイブ地域文化の育成

観光・インバウンド

各種産業振興・物販新規ビジネス開拓

出典:「4つの空洞化」については、小田切徳美(明治大学教授・農業政策)の言論を引用

移住・定住促進

関係人口作り婚活・就労支援

新たな物語の創造

共創・協働時代の放送事業者の存在意義

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シンポジウム

地域メディアの公共的価値九州朝日放送 和氣靖 社長中海テレビ放送 加藤典裕 社長NHK新潟放送局 矢野達史 局長

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九州朝日放送(福岡県)

1981年朝日新聞社に入り、経済部記者、WEB編成マネジャーなどを経て、2012年から常務取締役および朝日新聞出版社会長。15年に九州朝日放送に移り専務を経て、16年から社長。18-22年度の中期経営計画を策定。

和氣靖(わけ やすし) 社長

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中海テレビ放送(鳥取県西部)

1989年、開局前の中海テレビ放送に入社。加入営業と新規事業等を担当し、2016年に代表取締役社長とローカルエナジー㈱代表取締役就任。ケーブルテレビ連盟基本運営委員会委員。鳥取県経済同友会観光戦略特別委員会委員長。

加藤典裕(かとう のりひろ) 社長

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NHK新潟放送局

1988年入局。報道局、京都局、札幌局などで報道番組やドキュメンタリー番組のディレクター。長野局、名古屋局などでチーフ・プロデューサー。2017年より新潟放送局長。地元民放やケーブル局との連携企画にも力を入れてきた。

矢野達史(やの たつし) 局長

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ご清聴ありがとうございました「「これからのテレビ」を巡る動向を整理する」~Vol10まで「これからの“放送”はどこに向かうのか?」Vol.2までは

下記 文研のWEBページで全文閲覧できますVol.3(2019年3月号)は会場で購入できます。http://www.nhk.or.jp/bunken/index.html

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[email protected]村上圭子