と地理空間情報に関する取組について ·...

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経済産業省デジタルトランスフォーメーション(METI DX) と地理空間情報に関する取組について 2019年11月 経済産業省商務情報政策局総務課情報プロジェクト室

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Page 1: と地理空間情報に関する取組について · 総合職2年目にデザイン思考やデータ 利活用に関する研修を実施 タブローを試験的に活用開始。

経済産業省デジタルトランスフォーメーション(METI DX)と地理空間情報に関する取組について

2019年11月経済産業省商務情報政策局総務課情報プロジェクト室

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行政サービスと民間サービスとの圧倒的な質の差が見過ごせないレベルになってきている

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海外行政行政のデジタル化が先進国だけでなく新興国でも進行。• エストニアでは99%以上の行政手続がオンライン

で完結• インドではインディアスタックにより10億以上の国民

にデジタルIDを提供。• 中国では8割がモバイルペイメントを利用。行政

サービスもモバイルに対応。

民間セクターデジタル化を通じたサービスのオンライン化、パーソナライズ化が進行。サービスレベルが向上。• GAFAはAIの活用を通じて個人向けサービスの最

適化を進め、ユーザーエクスペリエンスを改善。• 他の産業においてもデジタル・トランスフォーメーショ

ンを通じたICTによるサービス改善を進める。

国内行政対面、紙を中心とする行政手続、使いづらいシステムにより事業者の生産性が低下。• 行政手続の手順が複雑でわかりづらい。どこに手続情報があるのかわからない。• 多くの手続で同じ情報を何度も申請様式に記載が必要。• 1つの手続でいくつもの部署や役所を回らなければならない。

国内行政のサービスレベルの低さが日本全体の生産性を棄損

サービスレベルに大きなギャップあり。

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デジタルトランスフォーメーションで行うこと

職員の効率的・効果的な業務の実現

国民・事業者にとって便利な行政サービスの提供

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行政のデジタル・トランスフォーメーション(DX)とは

⚫ これまでの「電子政府」は、手続や業務の電子化による行政効率化という発想

⚫ DXでは、政策の質を高めるため、データを徹底活用。官民の手続コスト削減による生産性向上と、企業等の客観的な把握・個々の状況に沿ったオーダーメイド型の行政サービスを実現

⚫ さらに、公的な認証やデータ連携の基盤を民間と共有することで、行政と民間サービスが融合する「ノンストップガバメント」を目指す

単純な文書のPDF化等

従来の電子政府

個別業務で実施

①手続効率化・利便性向上

②データ活用による政策の質向上

③官民データ連携・行政の自動化

デジタルガバメント

毎年、数百万件単位の手続が行われているが、データは死蔵

• データが部署ごとに偏在。誰がどんなデータを持っているのかわからない

• データが政策と結びつけて使われていない。社会で共有されていない

• 形式がバラバラ、構造化されていない

組織としてデータを利活用できる環境・文化の構築が鍵

デジタルファースト・ワンストップ・ワンスオンリーにより、官民双方の効率化・利便性向上

データに基づく政策効果の検証、政策ターゲティング、プッシュ型支援

民間サービスと行政サービスを連携、規制・検査・支援等のAI等による自動化

データ活用の壁

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政府全体でも生産性の向上、国民・事業者の利便性拡大の観点からデジタルガバメントの取組が進展

2019年5月 通常国会でデジタル手続法成立

2019年6月 総理指示に基づくIT調達一元化

• デジタル3原則:デジタル・ファースト、ワンスオンリー、コネクテッドワンストップ• データ、APIの標準化、共通システムの活用• 本人確認、公金決済の電子化、添付書類の撤廃• デジタルデバイド対策、民民手続のデジタル化 等

• 内閣官房IT総合戦略室による府省共通システム、デジタルインフラ等の一括調達

• IT総合戦略室の機能強化• クラウド利活用等による政府のIT投資コスト3割減

2018年12月 デジタルガバメント実行計画の決定

2019年6月 骨太の方針、未来投資戦略でもデジタルガバメントを位置づけ

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経産省のデジタルガバメントに関するアプローチ

②政府全体の法人行政手続のデジタル化へ反映

①経済産業省の法人向行政手続のデジタル化

システム開発環境の整備開発のための組織体制の整備

• 大臣官房DX室の設置

➢ 官房長をヘッドとしてBPR、システム開発、EBPMを連携して見られる体制を構築

• デジタル化推進マネージャーの民間採用

➢ 各原課のプロジェクトのマネジメントを民間出身IT人材がサポート

• 各局におけるDX人材の組織化

➢ 中企庁、保安Gでは訓令室を設置、プロジェクトメンバーを特定

• 共通仕様書の策定

➢ 各システムの連携が可能となるよう、標準的な機能を仕様書上で共通化

• データ項目・APIの標準化

➢ 法人データに関する項目を標準化し、他のシステムと連携利用可能な形にする。

• プロジェクト管理ツールの利用

➢ プロジェクト管理を効率的に行うツールを通じ進捗管理や開発状況の共有を効率化。

個人向け行政手続のデジタル化(総務省・国民番号室)

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プロフェッショナル転職サイトでデジタル化マネージャーを募集

大臣の前でモックイメージに中小事業者からヒアリング

総合職2年目にデザイン思考やデータ利活用に関する研修を実施

タブローを試験的に活用開始。データを見える化

CIO補佐官、デジタル化マネージャー、官民交流で専門家チームを結成

シビックテック、クラウドソーシング、アジャイル開発を得意とするベンチャーとの協業

組織の変革に向けた取組を実施

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DXの基盤となる法人デジタルプラットフォームの実現

• 2016年度以来、経済産業省では、法人番号をキーに認証・手続き・共有等の階層からなる法人デジタルサービスの全体デザインのもと、デジタル化を進めてきた。

• 補助金など主要先行分野のほか他省庁・自治体のサービスも接続する、政府全体の法人デジタルプラットフォームに育ちつつある。先行プラクティスを活用し、今後更に取組を拡大。

省内・官民データ連携(法人データ交換基盤)

オープンデータ(法人インフォ)

API API API API

API API API API

事業者のログイン(GビズID(法人共通認証基盤))

API

API

補助金(Jグランツ)

中小企業(ミラサポplus)

産業保安(保安ネット)

貿易管理 資源エネルギー

本人確認

サービス手続き

データ(クローズド)

(オープン)

・・・

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主なプロジェクト

共通機能

フロント

エンド

2019年度 2020年度

• gBizID(法人共通認証基盤)

• 会計課:jGrants(補助金システム)• 中企庁:ミラサポPlus• 産業保安G:保安ネット

• DeXP(法人データ交換基盤)• 行政手続PaaS

• 貿易管理部:通関のUX向上• エネ庁:事業者申請の電子化

• 法人データ項目の標準化• データ活用ルールの整備

• クラウドサービスのガバナンス強化• 共通仕様書の運用

ガバナンス

法人インフォメーション

RESAS(地域経済分析システム)

中小企業データ分析基盤

データ

利活用

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GビズID(法人共通認証基盤)

これから:1つのID/パスワードで手続を可能に

手続A

手続B

手続C

手続A

手続B

手続C

管理が煩雑

法人共通認証基盤

これまで:複数のID/パスワードが必要

• 事業者にとって、複数のID/パスワードの管理は非常に煩雑

• また、複数の制度・手続でID発行のために代表者確認を行うことは、非効率的かつ事業者にとっても負担大

1つのID/パスワードでの手続の実現により、官民双方における手続に要する時間やコストを削減

発行コスト高

発行コスト低

⚫ 2019年2月に法人番号を活用し、一つのID/パスワードで複数の行政サービスにアクセスできる認証システムとして「法人共通認証基盤」をリリース

⚫ まずは経産省の主要な法人向け手続で実証を実施、政府全体への展開を進めていく。

https://gbiz-id.go.jp/top/

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法人インフォメーション⚫ 政府が保有する法人情報の利用促進に向け、法人番号を共通コードとするオープンデータサイトとし

て、平成29年1月に運用開始。

⚫ 各府省庁のHP等で公表されている法人活動情報(補助金・委託契約の実績、一部の許認可・表彰等情報)について各府省に提供を依頼、法人番号の付番・データ構造の共通化をして掲載。

法人インフォメーション

法人基本3情報(法人番号、商号・屋号、所在地)

補助金 資格・表彰 許認可 その他

事業者国民

取引先等の他社の情報収集etc..

自治体

各府省庁

○○省 ○○庁 A企業への許認可等B企業への補助金C企業への表彰 etc

法人に関する情報の一括検索・参照

※公開可能なものから実施

地元企業との連携先の開拓等に活用etc..

各府省庁から法人情報を提供

民間データと組合せたサービス提供

民間のビッグデータ

サイバー法人台帳ROBINS等

掲載されている法人活動情報数(R1.11.25現在)

◆ 勤務実態情報 ・・・・・約 37,000件◆ 補助金交付情報 ・・・・・約 316,000件◆ 調達情報 ・・・・・約 165,000件◆ 届出 ・ 認定情報 ・・・・・約 136,000件◆ 表彰情報 ・・・・・約 55,000件◆ 特許情報 ・・・・・約 1,092,000件◆ 財務情報 ・・・・・約 4,000件

※各府省庁提供情報より法人番号が付与されたものを掲載

約180万件の法人活動情報を掲載今後も、順次追加していく

法人番号公表サイト

全省統一資格検索サイト

API接続

https://hojin-info.go.jp/hojin/TopPage

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法人データ交換基盤(2019年度実証事業)

法人データストア(仮) 業務B 業務C 業務D

民間企業DB1

民間企業DB2

中小企業等

法人データ交換基盤

法人共通認証基盤

業務A

行政データ

民間データ

データ入力データ入力

オープン化できるデータ

1つのアカウントで複数の行政手続を可能に

申請等

官民データ連携を通じて、添付書類撤廃・ワンスオンリーを

実現、手続を簡素化法人インフォメーション

⚫ 添付書類撤廃・ワンスオンリーの実現、データに基づく政策の分析・立案の基盤として、法人関連のデータを連携して申請処理等に活用する、法人データ交換基盤の構築を進める。

⚫ 今年度、海外の先行事例等の調査研究を実施中。この結果を踏まえ、2019年度にプロトタイプ開発・試行運用を目指す。

業務E

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jGrants

行政・執行団体

①管理者登録

国民・事業者

②補助金情報登録

③公募

④審査/承認

⑤通知

⑥交付通知

⑦各種手続き

①法人共通認証基盤

登録/ログイン

②公募申請

③結果通知

④交付申請

⑤各種手続き

• 補助金適正化法で定められた手続きをベースに、シンプルな機能を提供する

• 国民・事業者向け機能(フロント機能)と行政・執行団体向け機能(バックエンド機能)を提供

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法人共通認証基盤

データ分析基盤「ミラサポplus」

補助金申請システム

中小企業支援プラットフォーム

支援制度ナビ

事例ナビ

「中小企業支援プラットフォーム」の構築(2019年度開発事業)

⚫ 中小企業支援施策を事業者のニーズや事情に合わせて簡易に入手(リコメンデーション)、共通IDで申請可能に。オンライン手続き等により得られたデータを活用し、行政サービスの質の向上を実現

~ 中小企業向けオンライン行政手続サポートサイト ~ ~ 中小企業施策統合分析基盤 ~

経営力向上計画申請

専門家派遣システム

認定支援機関申請

経営者向け経営状況可視化

事業者情報管理

各種サイトと情報連携

ワンスオンリー用API

蓄積されたデータの有効活用を実現。補助金等の提出データを取り出せるほか、法人インフォ・統計等の定量データを掛け合わせた分析を行う。

中小企業事業者データベース

省外(ユーザー)向けサービス 行政執行機関向けサービス

各種申請に関連する情報発信

電子申請サイトのポータル

申請サポート機能

レポート機能

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自治体向けアプリマーケットプレイス(2019年度実証事業)

自治体A 自治体B 自治体C

マーケットプレイス

自治体(需要)サイド

Govtechベンチャー

Civictech開発者

アプリα アプリβ

・・・ ・・・

・ ・ ・

需要側の課題

• 実績のあるアプリが見分けられない

• 他市の取組を導入したい際に、具体的な手間・負担が分からない

• マーケット開拓が難しく、スケールしない

• 自治体ごとに作り込んだ仕様になっており横展開できない

標準化とマーケット化を通じて両方を解決

サービス供給サイド

アプリγ

ベンダー

利用者(市民)サイド

• 本当に有用な行政サービスが受けられていない

• 自治体によってサービスのクオリティがバラバラ 作り手側の課題

⚫ 自治体が活用できるデジタルサービスが増えてくる中、実績あるサービスの見極めや導入プロセス等の知見が自治体間で共有できていない状況。

⚫ 自治体向けのデジタルサービスのベストプラクティス横展開の場(マーケットプレイス)を作ることで、①自治体によるデジタルサービスの導入促進、②市民目線での自治体サービス提供、③ベンチャー・シビックテックの市場拡大の機会創出を図る。

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自治体アプリマーケットプレイス実現に向けた検証項目

1. どのような自治体向けアプリを載せるか

2. 供給側によるマーケットプレイス登録のプロセス

<マーケットプレイスのアプリ例>① 市民向けサービスとしてシビック

テックが作成したアプリ

② 自治体の業務の効率化に貢献するSaaS(開発不要なもの)

3.行政機関が登録サービスを利用するプロセス

<登録に必要なプロセス>① 供給者の認証(存在確認)

② セキュリティレベルの確認

③ 必要な登録データの入力※サービス内容に係るデータ項目の必要が整理

④ 登録のインセンティブ設計

<利用に必要なプロセス>① マーケットプレイスの果たすべ

き機能のスコープ※アプリの紹介~アプリの実導入のサポート

② 自治体のアプリ導入方法※上記のスコープに対応した自治体のアプリ導入手順

③ 登録サービス利用のメリット具体化・インセンティブ設計

マーケットプレイスの全体デザイン検討とβ版の構築

等等

海外の先行事例を参考に、2019年度中に、マーケットプレイスの全体デザイン・ルール設計・β版の構築を進める

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データの標準化と政府全体への展開

⚫ 共通語彙基盤や文字情報基盤、これらを使った法人情報群の標準化

⚫ 経済産業省が検証を行い、政府全体に展開

法人インフォメーション

申請システム

共通認証システム

ミラサポプラス

企業等

各部門

制度情報事例情報イベント情報支援機関情報

契約情報資格情報表彰情報処分情報特許情報

法人基本情報申請情報財務等情報

法人基本情報1(認証用)

申請情報法人基本情報2(ミラサポ・パーソナライズ用)

財務情報

法人基本情報(法人3情報等)

法務省・国税庁

基本データ要素

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ワンスオンリーへの課題

⚫ これまでは目視なので、大体あっていればOKとしていた様々な課題があったが、デジタル化により課題が顕在化している。

– デジタルによる自動審査に移行できない

法人番号を入力以前提出したデー

タを表示

表示データの内、

修正できるものを

修正

情報を追加 提出

•法人住所が古い場合がある

•財務データが再利用できないため再添付が必要

•登記住所等が修正できない(修正可能にすると正確に登記された住所でないところによる申請を認めることとなる)

申請者

受領申請書の情

報の確認

登記や資格

の確認

会計データ

の確認審査

•住所の実在確認ができない

•類似の企業でもわからない•旧住所の評価ができない•資格が偽造されていてもわからない

•間違っている可能性があるが確認できない

審査者

•照合すべきマスターデータがないので、自動審査ができない

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既存データの扱いにくさ

「ー」→「一(イチ)」:95627件 うち該当例「○○会社ア一ト」

「ロ」→「口(クチ)」:19810件 うち該当例「□□会社口イヤル」

「ト」→「卜(ボク)」:938件 うち該当例「△△会社グレー卜」

➡いずれも全てカタカナ入力での検索では該当法人ヒットせず。マスターデータ(法人登記情報)のデータがこのような状態のため、2次利用の際に多大なる影響が出てくる。

例えば法人インフォで下記法人名を検索してみると。。

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データ標準化の動向

⚫ Society5.0のコンパクトモデルであるスマートシティのプロジェクトが次々と立ち上がり、相互運用性(インターオペラビリティ)の確保が求められている。

スマートシティ•各地でスマートシティの実証が開始しており、みんなデータ連携と言っているが、実際に連携できるかわからない。

•まちひと本部、CSTIが協力して相互運用性のルールとデータモデルを検討中。

•国際的にも都市OSの競争があるが、まだ整理はついていない。

スマートシティ

コネクティド・

インダストリ

デジタル

ガバメント

行政施設データ社会基礎データ

センサーデータ

申請証明データ

基本データ

コネクテッド・インダストリ•産業分野の実証等でデータ連携が言われるが、独自の連携が多く、社会のプラットフォームになっていない。

•欧州のIndustry4.0 など特定エリア内での標準は推進されている。

全体:データ取引所や新たな産業創出にもデータの標準化は必須の要素になってきている

スマートシティ関連データ

◆施設データ

◆モビリティデータ(人流)

◆自動運転データ

◆信号灯色データ

◆街頭カメラデータ

◆カメラによる交通活動データ

◆インフラ維持管理データ

◆道路管理データ

◆水路水位データ

◆環境センサーデータ

◆地域電力等データ

◆清掃データ

◆警備データ

◆購買データ

◆地域産品データ

◆SNSデータ

◆健康データ

◆鳥獣監視

◆騒音

◆大気データ

◆駐車場データ

◆交通データ

◆人流データ

◆ごみデータ

◆街灯データ

◆犯罪データ

デジタルガバメント•経産省が開発した標準を、IT室を使って政府内に展開中。

•自治行政局もシステム標準化の一環としてデータ標準に着手。

•デジタルガバメントのデータ標準はEUが先行。

•米国は安全保障に集中して独自に進化中。

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住所建物名

路線名

施設名

閉店時間

連絡先

アクセス

人口

法人数

交通量

位置データ

カメラデータ

携帯電話密度データ

運転データ

気温

路面データ

スマートシティ、Society 5.0に向けたインタオペラビリティ

静的データ(台帳、リストなど)

動的データ(センシングデータ)

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戦略・政策

ルール

組織

ビジネス

利活用機能

データ

データ連携

アセットセンサー、アクチュエーターハードウェア、ネットワーク

データ収集、データ統合データクレンジング、デバイス管理

データ項目定義、データセット定義コード

カタログ、検索、AI、解析

業務プロセス業務ルール

組織間調整体制

法律規則

ビジョン重点分野

セキュリティ

・認証

ライフサイクル

Society5.0 実現のための詳細構造⚫ アーキテクチャとしてSociety5.0 参照モデルがあり、IT室の推進するデータ標準群が中

核を支えている。アーキテクチャ全体の中で、ルール整備、ツール整備とともに、データ体系が重要

ツール群 行政データ連携標準

コア語彙

テンプレート群

文字情報基盤」

コード

カナ、ローマ字、英字センサーデータ

データ項目(データ定義)

情報(データモデル)

データ形式

検索・配信 プライバシー管理 コミュニティ

カタログ管理 共通語彙・コード管理 統計解析・シミュレーション

評価・品質 原本性保証

認証・認可/匿名・秘匿 データ接続/データ統合 データ変換

サービスポータル

共通機能

連携機能

データ

Society 5.0

コネクテッド・インダストリ

スマート・シティ

データ流通市場

IT基本法官民データ法デジタル手続法政府標準利用規約オープンデータ推進方針標準ガイドライン群 等

ルール

ツール

データ

Society5.0 参照モデル

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日本のベースレジストリの状況

⚫ 政府内にマスターデータやベースレジストリの考え方がなく、担当府省が業務のために基本データを独自に整備しているが更新されていないものも多い。

⚫ これまでは、紙で処理したので曖昧なまま処理してきた。しかし、デジタル処理ではデータの正確性が問題になるので処理が困難となっている。

⚫ 今一気に整備しないと、社会の効率性が著しく阻害されることとなる。

•戸籍と住民票の二重

管理になっている

•文字種などが特殊で

データ連携が困難

法人

•商業登記のデータが

最新でない上、オー

プンにされていない

•会計情報は正確だが

目的外利用できない

不動産

•正確でない上、相続

情報等が反映されて

いない

•建築情報が、住所情

報に反映されていな

住所、道路等

•法務省の地籍、総務

省の住所で二重管理

している

•一括して把握するこ

とができない

•道路は管理主体ごと

に管理。

地理情報

•国土地理院が管理

•正確でオープンに活

用可能

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欧州と日本の取組の比較

⚫ 欧州と日本でデータ標準が進められているが、欧州の方が人材の層が圧倒的に厚く、しかも体系的に取組が行われている。

収集・蓄積クレンジング

・連結利活用

AIについて注目が集中・AIプロジェクト・人材育成

ブロックチェーンに注目が集まるが、守るべき正確なデータが少ない

ベースレジストリを整備ブロックチェーンを試行

クレンジングツールを整備 AIプロジェクト

手作業などで、PoC用にデータクレンジング

PoCばかりで、持続することができない

長期的に整備し、持続が可能

この部分に注目しないと、永遠にデータ駆動社会はできない。課題• 整備されていない• 公開されていない• 品質が低い

欧州

日本

ボトムから整備

アプリから整備

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詳細品質⚫ データ品質を上げるにはデータをマネジメントするという文化を定着させる必要がある。

正確性(Accuracy)完全性(Completeness)一貫性(Consistency)信憑性(Credibility)最新性(Currentness)アクセシビリティ(Accessibility)標準適合性(Compliance)機密性(Confidentiality)効率性(Efficiency)精度(Precision)追跡可能性(Traceability)理解性(Understandability)可用性(Availability)移植性(Portability)回復性(Recoverability)

Data-related support

Resource provision

Implementation

Data quality planning

Requirements management

Data quality strategy management

Data quality policy/Standard/ Procedures management

Data quality implementation planning

Data quality improvement

Root cause analysis & solution development

Data cleansing

Process Improvement for data nonconformity prevention

Data quality control

Provision of data specification & work instruction

Data processing

Data quality monitoring & control

Data quality assurance

Review of data quality issue

Provision of measurement criteria

Measurement of data quality & process performance

Evaluation of measurement results

Data architecture management

Data transfer management

Data operation management

Data security management

Data quality organization management

Human resource management

Detailed structure of data quality management (ISO8000-61)

ISO/IEC 25012:2008 Software engineering -- SQuaRE -- Data quality model

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欧州におけるベースレジストリの取組(デンマーク)⚫ The Danish Basic Data Programで、基本データの整備を推進。

2011~2015年にベースレジストリの整備を重点的に行い、現在はサービス整備のステージへ。

委員会(Basic Data Community)の設置

•2002:建物、住居に関する情報の公開•2004:花火倉庫の大規模火災をきっかけに危険物情報、避難情報、従業員数などのデータを紐付け。•さらに、窃盗、強盗などの犯罪に関し、エリアマップなど民間業者から常に新しいデータを購入し、治安向上活動に活用している。

2016年に相関チャート開示。これに沿ってシステムが作られている。

1:個人情報3:不動産情報 2:企業情報 4:地名情報

5:地理情報

登記 所有者リスト 住所情報など

資産評価 資産場所デンマーク国土地理院データ

森林など建物

水(港、湖など)

交通

その他(防波堤など) 地図

集落

※出典:電子政府に関する取り組みについて(デンマーク大使館/上郡明子)

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BasicDataのブロック図の抜粋例(デンマーク)

※出典:電子政府に関する取り組みについて(デンマーク大使館/上郡明子)

⚫ 各項目についてクリックすると展開図が現れる。展開図より、相互関係データやデータ構成を確認することができる。

例:住所

地名

所有者リスト地図と地理情報

資産評価

資産場所

デンマーク国土地理院データ

登記

企業情報

住所

建物・住居

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データ整備が地域の明暗を分ける

⚫ 圧倒的なビジネス・スピードの差が出現しつつある

サービス(アプリケーション)はすぐに導入できるが、インフラ整備は時間がかかる

データ整備の進んだ国 データ整備の遅れた国

AIAI

目的地(サービス)に早くたどり着ける

Interoperability framework(Architecture)

ルールツール

目的地(サービス)に時間がかかる

Interoperability framework(Architecture)

Data quality

Base registries