反応状態分析方法及び装置、並びに 土壌中油分の分析方法及...

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福井大学 大学院工学研究科 材料開発工学専攻 准教授 内村智博 2012.9.4 福井大学 新技術説明会 反応状態分析方法及び装置、並びに 土壌中油分の分析方法及び装置

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Page 1: 反応状態分析方法及び装置、並びに 土壌中油分の分析方法及 …...従来技術 油含有土壌のTPH試験 (Total Petroleum Hydrocarbon) ・ピークが重なっている

福井大学

大学院工学研究科

材料開発工学専攻

准教授

内村智博

2012.9.4

福井大学 新技術説明会

反応状態分析方法及び装置、並びに 土壌中油分の分析方法及び装置

Page 2: 反応状態分析方法及び装置、並びに 土壌中油分の分析方法及 …...従来技術 油含有土壌のTPH試験 (Total Petroleum Hydrocarbon) ・ピークが重なっている

イオン化レーザー

飛行時間型質量分析計 試料

質量

質量スペクトル

レーザーイオン化飛行時間型質量分析法

・ソフトなイオン化・芳香族化合物を選択的に測定可能

レーザーイオン化法

・生成イオンを全て検出可能

飛行時間型質量分析法

Page 3: 反応状態分析方法及び装置、並びに 土壌中油分の分析方法及 …...従来技術 油含有土壌のTPH試験 (Total Petroleum Hydrocarbon) ・ピークが重なっている

波長 波長

信号

強度

信号

強度

300 K2-3 K 励起状態

基底状態

超音速分子ジェット法

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・土壌に蓄積したガソリンによる環境汚染が問題となっている

・ガソリンの構成成分は多種多様

・ガソリン自体の経時変化、様々な夾雑成分の存在

土壌中ガソリンの簡易・一斉分析法

土壌の汚染度を評価するために

迅速かつ網羅的な分析法が必要

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従来技術

油含有土壌のTPH試験(Total Petroleum Hydrocarbon)

・ピークが重なっている油汚染対策ガイドライン(平成18年、中央環境審議会)

JIS

K 2536-2

ガスクロマトグラフによる 全成分の求め方

GC-FID法

・約90~140分の測定時間・テトラデカンまでの結果

GC-FID法

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解決する課題

バイオレメディエーションによる土壌浄化

→土壌の浄化状況に応じて微生物の種類や導入量を変える必要

→納期、価格に影響

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発明の効果

レーザーイオン化質量分析 法による迅速・簡易評価

ガスクロマトグラフィー/ レーザーイオン化質量分 析法による網羅的分析

イオン化レーザー

飛行時間型質量分析計

ガスクロマトグラフ

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ガソリン試料

固相抽出

カートリッジろ紙土壌

抽出

・標準試験用ガソリン(溶媒:ヘキサン)

Ⓑカートリッジ1Ⓐろ液 Ⓒカートリッジ2

・土試料にガソリンとヘキサンを混ぜ、

ろ紙によるろ過と固相抽出カートリッジ

2種(GCサイエンス、InertSep SIおよび

InertSep RP-1)で前処理

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実験装置1(LI/TOFMS)

イオン化レーザー

オシロスコープ

飛行時間型質量分析計

TOFMS

試料導入部

試料

ヒーターヒーター ミニユニオン

キャピラリー

キャピラリー

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・ピークを迅速に取得でき、濃度を推定可能

ガソリン試料の質量スペクトル

m/z=92 トルエン

m/z=106キシレン異性体

m/z=120 プロピルベンゼン異性体

LI/TOFMSによるガソリン試料の測定

10 11

0

飛行時間 (s)

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実験装置2(GC/LI/TOFMS)

TOFMS

イオン化レーザー

GCデジタイザー

・ガスクロマトグラフ(GC)とレーザーイオン化飛行時間型 質量分析計(LI/TOFMS)を接続

・レーザーによる選択的なイオン化

・(保持時間×質量) の二次元スペクトルの取得

Page 12: 反応状態分析方法及び装置、並びに 土壌中油分の分析方法及 …...従来技術 油含有土壌のTPH試験 (Total Petroleum Hydrocarbon) ・ピークが重なっている

従来技術との比較

0 10 20 30 40

10

14

・芳香族炭化水素だけを選択的に検出

・50分程度の測定時間で多くの芳香族化合物を検出

保持時間 (分)

飛行

時間

(s)

50

ガソリン試料の二次元スペクトル

m/z=120 1-メチル-2-エチルベンゼンm/z=92

トルエン

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想定される用途、課題等

・土壌中の油分分析だけでなく、化学物質の高精度分析に適用可能

・今後、多くのサンプルの測定を試み、有用性を確認する必要

・汚染土壌からの粗抽出液を測定した場合でも、ガソリン成分のみを 迅速に、かつ高精度に分析できる

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本技術に関する知的財産権

発明の名称:土壌中油分の分析方法及び装置

出願番号

:特願2012-101914

出願人

:国立大学法人福井大学

発明者 :内村智博

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イオン化レーザー イオン化レーザー

×

試料の利用効率が悪い ○

試料の利用効率が良い

試料

キャリアガス

パルス試料導入法連続試料導入法

質量分析計

レーザー

死容積が小さい

使用温度に制限がない ×

使用温度に制限がある

×

死容積が大きい

試料

飛行時間型質量分析法における試料導入

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イオン化レーザー

脱離レーザー

オンライン濃縮/レーザー脱離試料導入法

・超音速分子ジェットの形成

・試料の凝縮

1.オンライン濃縮

2.レーザー脱離

3.レーザーイオン化

Online COLD法

(online concentration by analyte adsorption/laser desorption)

キャリアガス

試料

特許公開2009-69088

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・脱離レーザーの照射⇒高温状態

・・・反応が起こるのでは?

数 μs・・・反応の初期段階を観測可能?

・脱離、イオン化間の時間が短く、可変

Online COLD法による導入の特徴

・・・反応過程を細分化して観察?

反応機構解明手法への応用

Online COLD法

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縮合体の生成

・反応物Aから縮合体Bの生成を確認

・それぞれの信号強度の過渡的変化を確認

A

B

飛行時間[s]

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従来技術・解決する課題

反応容器 配管 真空中

・ある程度の試料量が

必要

・迅速に分析できない

レーザーヒーター

・反応物、反応雰囲気が

変えられない・反応時の温度が一定

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新技術の特徴

・分子間で生じる化学反応について、反応途中の中間体や 生成物を、その発生直後に観測できる。

・反応開始から終了までの過渡的な反応状態を、わずかな サンプル量で分析することが可能。

・反応物Aを検出できない場合でも、生成物Bを検出して、 反応物Aを類推

・試料、反応雰囲気、反応温度を容易に変更可能。

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本技術に関する知的財産権

発明の名称:反応状態分析方法及び装置

出願番号

:特願2012-101913

出願人 :国立大学法人福井大学

発明者 :内村智博

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お問い合わせ先

福井大学

産学官連携本部

知的財産部

高岡

(総合戦略部門

研究推進課)

TEL

0776-27-9725

FAX

0776-27-9727

e-mail

[email protected]