地籍調査作業規程準則の一部改正に伴う 運用と解説平成28年4月...

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地籍調査作業規程準則の一部改正に伴う 運用と解説 平成28年4月 国土交通省土地・建設産業局 地籍整備課

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Page 1: 地籍調査作業規程準則の一部改正に伴う 運用と解説平成28年4月 地籍整備課 地籍調査作業規程準則運用基準及び別表の主な改正について

地籍調査作業規程準則の一部改正に伴う

運用と解説

平成28年4月

国土交通省土地・建設産業局 地籍整備課

Page 2: 地籍調査作業規程準則の一部改正に伴う 運用と解説平成28年4月 地籍整備課 地籍調査作業規程準則運用基準及び別表の主な改正について
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平成28年4月

土地・建設産業局

地籍調査作業規程準則等の一部を改正する省令について

1.改正の目的 近年、GPS等の測位衛星を活用した測量(以下「GNSS測量」という。)が普及し

ているほか、距離や角度を計測する測量機器等の性能が向上し、より高精度な測量の実施

が可能となっている。こういった背景を踏まえ、地籍整備事業に係る測量作業においても

GNSS測量や高性能な測量機器を用いた効率的かつ高精度な測量を可能とするため、国

土調査法(昭和26年法律第180号)第3条第2項の規定による地籍調査作業規程準則

(昭和32年総理府令第71号)等の内容を見直し、所要の改正を行う。

2.概要

(1)GNSS測量の普及への対応による地籍測量の効率化 地上法による地籍測量では、調査地域の中での測量誤差のばらつきを防ぐため、①地

籍図根三角測量、②地籍図根多角測量、③細部図根測量、④一筆地測量の順に作業を実

施することを原則としているが、単点観測法による地籍測量にあっては④の作業のみを

実施するものと規定されている。また、その他の測量手法にあっては、国土調査法施行

令に定める必要な精度が確保できる場合には、①から③の全部または一部の作業を省略

できると定められている。

一方で、単点観測法による地籍測量にあっては、「単点観測法により観測された筆界

点の座標値は、周辺の細部図根点等との整合性の確保を図るよう努めなければならな

い」と規定されており、筆界点の周囲に細部図根点等が存在することが前提となってい

る。

しかしながら、現行の規程では、上記のとおり単点観測法による地籍測量においては

①~③の作業を実施せず細部図根点等を設置しないため、周囲の細部図根点等との整合

性の確保ができない。このため、単点観測法による地籍測量を行う場合であっても、①

~③の作業により新たに細部図根点等を設置することとし、周囲の細部図根点等との整

合性の確保を可能とする。また、これに伴い、単点観測法による地籍測量の場合でも、

必要な精度が確保できる場合には①~③の作業を省略することを可能とする改正を行

う(地籍調査作業規程準則第42条)。

都市部官民境界基本調査作業規程準則(平成2年総理府令第42号)第18条及び山

村境界基本調査作業規程準則(平成23年国土交通省令第5号)第18条については、

これまで作業を省略することができなかったが、GNSS測量等の普及により測量技術

が高精度化している背景を踏まえ、地籍調査作業規程準則同様に必要な精度が確保でき

る場合には①から③の全部または一部の作業を省略できるように改正を行う。

(2)高度化した測量機器の普及を踏まえた効率的な地籍測量の実現

測量は測量作業を重ねる度にその精度や効率が低下するため、測量作業の回数(次数)

は少ない方が好ましいものの、従来の測量手法では地形の形状等により複数回の測量作

業が必要な場合があり、精度確保が可能な範囲でこれを認めている。

しかし、GNSS測量や高精度な測量機器の普及及び計算機器の計算能力の向上によ

り、原則として1回の測量作業で座標値を算出することが可能となった。そのため、現

行の次数制限を厳格化し、GNSS測量や高精度な測量機器を用いた方法により効率的

な地籍測量を実現する(地籍調査作業規程準則第49条、第54条)。

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また、都市部官民境界基本調査作業規程準則第23条、第29条及び山村境界基本調

査作業規程準則第23条、第29条についても同様の改正を行う。

(3)使用が見込まれない地籍測量の手法の廃止

地籍図根多角測量では、地籍図根多角交会点の選定が可能となっている。地籍図根多

角交会点とは、距離の計測技術が十分でなかった時代において定められた点であり、角

度の観測だけで位置を決定するものであるため、角度と距離の観測により位置を決定す

る地籍図根多角点よりも精度が低い。後続の測量において必要である場合に選定するこ

とができる点であるが、高性能な測量機器が普及したことで、距離と角度が測量できな

い場合が存在しなくなったため、現在では設置されていない点である。精度確保の観点

からも選定すべき点ではないため、地籍図根多角交会点に関する条文を削除する(地籍

調査作業規程準則第55条)。

(4)都市部での地籍測量の効率化のための手法の導入

細部図根測量や一筆地測量では、誤差の限度内の精度を保つために、測量の基準とす

る点等の制限を定めている。しかしながら、都市部の密集市街地などでは、建物等によ

り見通しが遮られるため、定められた制限内の測量が困難であり、都市部の地籍調査を

促進する上で大きな障害となっている。近年、高性能な測量機器や計算機器が普及した

ことで、上記の制限を緩和しても精度を保つことが可能となったため、関連条文を改正

し、放射法の利用領域を広げることなどを実現することで、都市部における地籍測量の

効率化を図る(地籍調査作業規程準則第60条、第64条、第70条の2)。

また、都市部官民境界基本調査作業規程準則第2条、第36条、第42条及び山村境

界基本調査作業規程準則第2条、第36条、第42条についても同様の改正を行う。

3.公 布・施 行

平成28年4月12日(火) 国土交通省令第42号

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平成 28 年 4 月

地 籍 整 備 課

地籍調査作業規程準則運用基準及び別表の主な改正について

【 地籍調査作業規程準則運用基準 】

○公共基準点における 4 級基準点の精度の扱いを 2 次の地籍図根多角点相当として取り扱

う。(第 19 条の 3)

○地籍図根多角測量を省略し細部図根測量を実施する場合は、地籍図根三角測量及び細部

図根測量と一筆地調査を併行して行うことができる。(第 19 条の 4)

○地籍図根三角測量の次数を 1 次とする。(第 22 条)

○地籍図根三角測量における新点の視通の確保に関する条文を削除する。(第 22 条)

○地籍図根多角測量の次数を原則 1 次とする。(第 27 条)

○準則において地籍図根多角交会点の規程を削除するため、関連する条文を削除する。(第

28 条)

○地籍図根多角測量におけるTS法の計算方法を原則、厳密網平均計算とする。(第 31 条)

○地籍図根多角測量において精度区分が乙 2、乙 3 の区分においては、標高の計算を省略

することができる。(第 31 条)

○細部図根測量の方法からデジタル方位距離計を用いる測量方法を削除することとする。

(第 32 条)

○多角測量法による細部図根測量において厳密網平均計算を行った場合で与点数のうち地

籍図根多角点等を 1/2 以上含む場合、与点とした細部多角点の最大次数をもって多角路

線の次数とする。(第 34 条)

○細部図根測量において閉合路線を形成する場合の路線長を 200m以下とする。(第 34条)

○細部図根測量における多角路線に属する新点の数は、50 点以下を標準とする。(第 34条)

○細部図根測量におけるTS法の計算方法について、厳密網平均計算を標準とする。(第

34 条)

○放射法による細部図根測量は、1 次の細部多角点等を与点として行うことを原則とする。

(第 35 条)

○放射法による細部図根測量において与点と同一の網平均計算された細部多角点等を基準

方向とする。(第 35 条)

○放射法による細部図根測量において与点から細部放射点までの距離は、100m以下を標準

とする。(第 35 条)

○開放路線により設置した細部放射点については、全数点検測量を行う。(第 35 条)

○放射法による一筆地測量において与点と同一の網平均計算された細部図根点等を基準方

向とする。(第 38 条)

○放射法による一筆地測量において与点から筆界点までの距離は、100m以下を標準とする。

(第 38 条)

その他、「概ね」、「以内」といった用語を見直す。

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【 地籍調査作業規程準則運用基準別表 】

○点の配点密度を「1図郭あたり」から「1㎢あたり」へ変更する。

(別表第 1、別表第 16)

○測量標の設置状況写真は、地籍図根三角点の全点と地籍図根多角点の令別表第四に定め

る甲区分の全点については、埋設前、埋設中、設置後の近景と遠景を、乙区分の全点に

ついては設置後の近景及び遠景の撮影を行うものとする。

(別表第 5)

○GNSS法において一つのセッションで観測を行う場合には、点検のため1辺以上の重

複観測を行うこととする。(別表第 6)

○電子基準点のみによるGNSS法の場合、重複辺の較差、環閉合差の点検、電子基準点

間の閉合差の点検を実施する。(別表第 8、別表第 12)

○点検測量の実施箇所の選定については、網平均計算結果を基に実施箇所を選定する。(別

表第 10、別表第 15、別表第 19)

○地籍図根多角測量における厳密網平均計算に用いる距離の重量の係数(角の一方向の標

準偏差 Mt)は、甲1及び甲2が 4.5 秒、甲1及び甲2以外が 13.5 秒とする。なお、細

部図根測量については、精度区分に関わらず 13.5 秒とする。(別表第 14)

○乙二、乙三地区において、地籍図根多角測量を省略して細部図根測量を行う場合には、1

級又は 2 級トータルステーション、1 級又は 2 級セオドライトを使用する。(別表第 17)

○ネットワーク型RTK法による単点観測法において、配信事業者からの補正データ等又

は面補正パラメータを通信状況により取得できない場合は、観測終了後に解析処理を行

うことができるものとする。(別表第 29)

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目 次

第1章 地籍調査作業規程準則について ・・・・・・・・・・・・・・・ 1

第2章 地籍調査作業規程準則運用基準について ・・・・・・・・・・・ 9

第3章 地籍調査作業規程準則運用基準別表について ・・・・・・・・・ 31

第4章 改正 地籍調査作業規程準則、同運用基準及び同別表

地籍調査作業規程準則及び同運用基準 ・・・・・・・・・・ 67

地籍調査作業規程準則運用基準別表 ・・・・・・・・・・ 81

第5章 改正内容 Q&A ・・・・・・・・・・・・・・・・105

第6章 用語解説 ・・・・・・・・・・・・・・・・111

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第 1 章 地籍調査作業規程準則について

1

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(作業の順序)――――運用基準第19条の4

第四十二条 地上法による地籍測量は、次に掲げる作業の順序に従って行うものとする。

一 (略)

二 (略)

三 (略)

四 (略)

2 前項第四号に掲げる作業において、令別表第四に定める誤差の限度内の精度を保つことが

できる場合は、前項第一号から第三号までに掲げる作業の全部又は一部を省略することが

できる。

3 (略)

4 (略)

(解説)

・地籍調査を行う地域の筆界点の座標値は、精度の高い座標を有する国土地理院の三角点や公共基準

点等を基礎として行う必要があるが、これらの点の設置密度が低いため、全ての筆界点を一度に測量

することができない。このため、より高密度に筆界点の測量の必要な点を設置するため、三角点や基

準点を基礎として、①地籍図根三角測量、②地籍図根多角測量、③細部図根測量の順序で新しく図根

点を設置し、これらを基礎として筆界点の測量(④一筆地測量)を実施し、座標値を求めている。

例えば、基準点が1平方キロメートル当たり1点である宅地が占める地域及びその周辺地域である

場合、基準点を補完する地籍図根三角点を3~4点(約500m間隔)設置し、調査地域の全体の精

度を均一とし、基準点と地籍図根三角点を基礎として地籍図根多角点及び細部図根点を約1000点

(約30m~50m間隔)設置し、筆界点の近傍に基礎となる点を整備していくものである。

上記の作業順序は、従来の測量技術に適合したものであるが、近年の測量機器の高性能化や衛星測

位技術(GNSS測量等)の普及により、長い距離を高精度に計測することが可能になり、作業順序

の一部を省略し測量作業を効率的に実施することが可能となった。

これまでの地籍調査作業規程準則(以下、「準則」という。)では、地籍測量において衛星測位技

術を用いた単点観測法を実施した場合、④の一筆地測量のみを行うものとすると定めている。しかし

ながら、単点観測法は全ての地域で採用できるものではなく、上空視界を十分に確保できない地域や

調査地域周辺との整合性を確保するための細部図根点等が設置されていない地域では、他の測量技術

を併用する必要がある。

他の測量技術を併用する場合には、①から③の全部又は一部を実施する必要があるため、単点観測

法による場合の記述は削除し、単点観測法と他の測量技術を併用した効率的な測量作業が可能となる

ように改正した。

なお、単点観測法による地籍測量であっても他の測量技術を併用する場合には、④以外の作業も実

施することとなるため、単点観測法による地籍調査についても、第2項の定めの対象とする。

・アメリカのGPS衛星や日本の準天頂衛星などの測位衛星を用いて行う測量をGNSS測量

(Global Navigation Satellite System)というが、GNSS測量には、2点以上の点で衛星

データを観測し、点間の相対位置を算出する手法と、1点のみで衛星データを観測し、点の位

置座標を算出する「単点観測法」がある。 単点観測法では、国土地理院が管理している電子基準点を受信した衛星データや衛星データを用い

て計算した補正データを携帯電話回線などのネットワークで取得し、10秒程度の観測によって受信

した衛星データと併せて解析することで、現地で観測した点の座標値や標高を求めることができる。

(例1)近隣に基準点等がない場合

地籍図根三角測量 → 地籍図根多角測量 → 細部図根測量 → 一筆地測量(省略工程なし)

(例2)調査区域周辺に地籍図根点等が設置されている地区で、

地籍図根三角点を補完的に設置した場合

地籍図根三角測量 → 細部図根測量 → 一筆地測量(地籍図根多角測量省略)

3

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(例3)電子基準点に整合の取れた地籍図根三角点等が 3 点以上存在し、これを与点として

GNSS法により地籍図根多角点を設置する場合(別表第1(1)備考4参照)

地籍図根多角測量 → 細部図根測量 → 一筆地測量(地籍図根三角測量省略)

(例4)電子基準点に整合の取れた地籍図根点等が 3 点以上存在し、これを与点として

地籍図根三角測量・地籍図根多角測量が不要な場合(別表第1(2)備考8参照)

細部図根測量 → 一筆地測量(地籍図根三角測量・地籍図根多角測量省略)

(多角路線の選定)――――運用基準第22条

第四十九条 (略)

2 (略)

3 多角路線の次数は、地籍図根三角点等を基礎として一次までとする。

(解説)

・次数とは、各作業工程において新点の座標及び標高を決定するまでに実施した測量作業(計算)

の回数を示すものである。

電子基準点が全国に配置されるまでの地籍図根三角測量は、国土地理院の三角点を基礎として

行われていた。この場合の地籍図根三角測量の測量作業の回数は1回目であり、これで決定した

地籍図根三角点は一次の地籍図根三角点となる。

さらに、1回目の測量作業で決定した地籍図根三角点を基礎として、2回目の測量作業を行っ

て新しい地籍図根三角点を設置すると、その地籍図根三角点は二次となる。

近年、電子基準点が高密度に配置され、四等三角点に代わり電子基準点を基礎とした地籍図根

三角測量が可能となった。また、測量機器(GNSS測量機)やパーソナルコンピュータの性能

が向上したことにより、作業地区全域の地籍図根三角点を1回の測量作業のみで設置することが

可能となった。これにより、地籍図根三角測量では、GNSS測量が主流となっている。

旧規定では、計算の回数を3回(三次)まで許容していたが、GNSS測量の普及状況を勘案

すると、1回の計算までとし、測量作業の効率化を推進すべきである。そのため、原則1回(一

次)とし、現在の測量技術に適合した測量方式に改正する。

(参考)

・公共測量の2級基準点測量では、同級の基準点を既知点として実施できて次数制限はない。

・地籍図根三角測量も、電子基準点を基礎とした測量が可能である。

・最近のTSは、機器誤差の自動補正機能を有し、測量性能が極めて良くなっている。

(多角路線の選定)――――運用基準第27条

第五十四条 (略)

2 (略)

3 多角路線の次数は、地籍図根三角点等を基礎として 一次までとする。ただし、隣接する調

査地域における地籍図根多角測量により設置された地籍図根多角点を与点とする場合には、二次

までとすることができる。

(解説)

・地籍図根多角測量は、細部図根点を設置する場合の基礎となる図根点を設置するものである。

過去のGNSS法が普及していなかった時には、後続の細部図根測量の精度を確保し、一筆地

測量の誤差を令別表第四に定める誤差の限度内に収めるため、基準点と地籍図根三角点を基礎と

して図根多角点を約900点(約50m間隔)設置していた。

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近年になって、電子基準点が高密度に配置され、さらにロシアのGLONASS衛星や日本の

準天頂衛星の運用が開始されたことで、これまで観測を実施することができなかった山間部の谷

間や住宅地区などの比較的上空視界が狭い所でもGNSS測量が可能となっている。

GNSS測量の実施可能な範囲が拡大したことで、GNSS測量による地籍図根多角測量が可

能となり、地籍図根多角点の設置点数を少なくすることが可能となった。

また、角度や距離を計測する測量機器(トータルステーション)の精度も一段と向上したこと

や、パーソナルコンピュータの性能の向上により、より複雑な計算処理が可能となったことから、

作業地区全域の測量データを一括で計算することが可能となり、1回の測量作業(計算)のみで

地籍図根多角点の設置が可能となってきた。

しかしながら、作業地区の外周に隣接する地域の地籍調査が完了している場合などでは、全て

設置済みの地籍図根多角点を基礎として、新しい地籍図根多角点を設置する場合がある。この場

合の新点は、2回目の平均計算で座標を求めることになるため、二次の地籍図根多角点となる。

旧規定では、計算の回数を3回(三次)まで許容していたが、近年の測量技術を活用すること

で、計算回数を減らし、より効率的な測量が可能となっていることから、原則1回(一次)とし、

隣接する調査地域に設置されている既設地籍図根多角点を与点とした場合には、2回(二次)ま

でとするよう準則第五十四条第3項を改正する。なお、「ただし、隣接する調査地域における地籍

図根多角測量により設置された地籍図根多角点」とあるが、運用基準第19条の3第3項に示す

とおり3級基準点、街区基準点も同等として取り扱うものとする。

<補足>

・街区基準点設置地区は、街区多角点が 200m 間隔で設置されているため、細部図根測量(細

部多角点)で細かな図根点等を配置する。

(地籍図根多角交会点の選定)――――運用基準第28条(削除)

第五十五条 (削除)

2 (削除)

(解説)

・交会法とは、距離の測定を行わず、与点又は新点から方向角(三角測量)の観測により新点の位置

の算出方法であり、距離と角度の測定で新点位置を算出する手法に比べ、精度が劣るものである。

地籍図根多角交会点とは、地籍図根多角点等を与点として交会法で位置を求めた点であるが、精度

が低いことや近年のTS法及びGNSS法の高精度化により、市町村から地籍図根多角交会点を設置

する事例がない。そのため、地籍図根多角交会点に関する規定を削除するものである。

(細部図根点)――――運用基準第35条

第六十条 (略)

2 前項の細部図根点のうち多角測量法により決定された点を細部多角点、放射法により決定された

点を細部放射点という。

(解説)

・細部図根点とは、細部図根測量によって設置された点をいう。

細部図根点は、多角測量法又は放射法で測量される。多角測量法では与点の持つ誤差や測量精度が

検証可能であり、高い精度の座標が決定できるため、この測量方法を採用した点を細部多角点として

区別している。

細部多角点は第2項に定義されていたが、放射法により求められた細部図根点の定義がされていな

かったため、放射法により求められた細部図根点を細部放射点と定義した。

近年の測量機器の高性能化により、放射法で設置した細部図根点についても、高い精度で座標を決

定することが可能となったため、細部放射点と定義し、後続の作業において測量の基礎として使用す

5

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ることができるようにする。

(放射法による細部図根測量)――――運用基準第35条

第六十四条 放射法による細部図根測量は、細部多角点等を与点として行うものとする。ただ

し、見通し障害等により真にやむを得ない場合には、節点1点による開放路線を形成するこ

とができる。

2 (略)

3 放射法による細部図根測量において水平角の観測を行う場合は、与点と同一の多角網に属

する細部多角点等を基準方向とし、与点から細部放射点までの距離は、与点から基準方向と

した細部多角点等までの距離より短くするものとする。

4 細部放射点の次数は、細部多角点等を基礎として二次までとする。

(解説)

・細部図根測量とは、土地の境界点を測量する一筆地測量を行うための与点(細部図根点)を設置す

るための測量であり、地籍図根点等(基本三角点、四等三角点、地籍図根三角点及び地籍図根多角点)

を基礎として実施するものである。

細部図根測量は、多角測量法を原則としているが、土地の形状や建物により視通障害等がある場合

は、多角測量によって求められた細部多角点等(基本三角点、四等三角点、地籍図根三角点、地籍図

根多角点及び細部多角点)を基礎とした放射法によることも認めている。

しかしながら、宅地部の袋地や山林部の崖地などでは、通常の放射法では測量できない箇所があり、

地籍測量の障害となっている。こういった箇所では、放射法により求めた点を与点として、再度放射

法により新点の位置を求める開放路線による測量が有効であるが、旧来の測量技術では放射法による

測量精度が十分ではなかったため、認められていなかった。

近年の測量機器の高性能化により、放射法で設置した細部図根点(細部放射点)についても、高い

精度で座標を決定することが可能となったため、上記の開放路線による測量を追加し、宅地部の袋地

や山林部の崖地などでの地籍測量の効率化を図る。

(第六十四条第3項、第七十条の二第3項共通内容)

・細部図根測量や一筆地測量では、土地の形状や建物により視通障害等がある場合に放射法による測

量を認めており、本条では、その基準方向について定めている。

旧規定では、作業の効率性や精度確保の観点から、基準方向とする点を同一の多角路線に属する相

隣る細部図根点等に限定している。これは、当時の測量計算が簡易網平均と呼ばれる簡易的な手法で

行われ、複数の多角路線を別々に計算していたため、別の路線に属する点を基準方向とすると、整合

性が確保できず、測量結果に悪影響を及ぼす可能性があったためである。

しかしながら、計算機器の高性能化により、現在では複数の多角路線を多角網として一括で計算す

る厳密網平均計算が採用されており、同一の多角網内であれば、別の路線に属する点であっても、与

点との整合性を確保することが可能となった。

密集市街地等では建物等により視通を遮られ、相隣る点までの距離が短くなるため、与点から新点

までの距離を長くすることができず、土地境界を測量できないなどの地籍測量に支障が生じている。

こういった場所で効率的な地籍測量を可能とするため、上記の機器の高性能化を踏まえ、基準方向と

する点の定義を変更する。

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(放射法による一筆地測量)――――運用基準第38条

第七十条の二 (略)

2 (略)

3 放射法による一筆地測量において水平角の観測を行う場合は、与点と同一の多角網に属す

る細部図根点等を基準方向とし、与点から筆界点までの距離は、与点から基準方向とした細

部図根点等までの距離より短くするものとする。

(解説)

・準則第六十四条(放射法による細部図根測量)の解説(第六十四条第3項、第七十条の二第

3項共通内容)参照すること。

8

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第 2 章 地籍調査作業規程準則運用基準について

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(基準点の精度)─── 準則第38条

第19条の3 (略)

2 (略)

3 (略)

4 4級基準点は2次の地籍図根多角点と同等なものとして取り扱う。国土調査法第19条第2

項の規定により認証され、又は同条第5項の規定により指定された基準点のうち4級基準点

に相当するものについても、同様とする。

(解説)

・都市部の地籍調査を推進するため二次の地籍図根多角点の位置付けを明確にしたものである。

このことにより、街区多角点節点・補助点を与点として、一次の細部図根点の設置が可能となっ

たが、街区多角点節点、補助点は仮設点(鋲)扱いであり、設置から10年以上経過しているた

め、これらを与点として使用する場合は、地籍調査作業規程準則運用基準(以下、「運用基準」

という。)第35条第6項及び第7項により、あらかじめ与点の点検測量を実施することが望ま

しい。また、運用基準第26条第2項において、「地籍図根多角測量により決定された節点は、

2次の地籍図根多角点とすることができる。」と規定されたことから、過年度の地籍図根多角点

節点を与点とする場合も、与点の点検測量を実施することが望ましい。

(参考)

(作業の順序)─── 準則第42条

第19条の4 地籍図根多角測量を省略し細部図根測量を実施する場合は、地籍図根三角測量

及び細部図根測量と一筆地調査を併行して行うことができるものとする。

(解説)

・準則第四十二条第4項において、地籍図根測量(地籍図根三角測量及び地籍図根多角測量)は、

一筆地調査と併行して行うことができると規定されているが、地籍図根多角測量を省略した場合

に、細部図根測量も一筆地調査と併行して行うことができると規定した。

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(節点等)───準則第43条

第20条 基準点測量(補助基準点測量を除く。)により決定された節点を地籍図根三角点とす

る場合には、事前に国土地理院の意見を求めるものとする。

2 地籍図根三角測量により決定された節点は、1次の地籍図根多角点とすることができるものとす

る。

(解説)

・第2項において、地籍図根三角測量により決定された節点の位置付けを明確にした。

(多角路線)───準則第49条

第22条 地籍図根三角測量における多角網は、地籍図根三角点等を与点とした1次の多角路線で構

成することとする。

2 (略)

3 地形の状況等により単路線を形成する場合に必要な与点の数は2点とする。

4 多角網の外周路線に属する新点は、外周路線に属する隣接与点を結ぶ直線から外側40度以下の

地域内に選定することを標準とし、路線の中の夾角は、60度以上を標準とする。ただし、地形の

状況等によりやむを得ない場合は、この限りでない。

5 与点から他の与点まで、与点から交点まで又は交点から他の交点までを結ぶ路線(以下「多角路

線」という。)の長さは、以下のとおりとする。

一 TS法による場合は、2.0キロメートル以下を標準とする。ただし、単路線にあっては3.

0キロメートル以下を標準とする。

二 GNSS法による場合は、5.0キロメートル以下を標準とする。ただし、電子基準点のみを

与点とする場合は、この限りでない。

6 同一の多角路線に属する新点間の距離は、なるべく等しく、かつ、150メートル以下はなるべ

く避け、著しい見通し障害によりやむを得ない場合にあっても100メートル以上とする。なお、

GNSS法による場合の新点間の距離は、別表第1に定めるところによるものとする。

7 同一の多角路線に属する新点の数は、8点以下とする。ただし、単路線にあっては9点以下とす

る。

8 当該作業地域の新点全てを電子基準点のみを与点とするGNSS法で設置するとともに、周辺の

地籍図根三角点等との整合を確認する場合には、点検のための観測を1点以上の既設点において行

い、観測図に含めるものとする。

(解説)

・現在の地籍図根三角測量は電子基準点を基礎としており、近年の測量機器の高性能化や衛星測

位技術(GNSS測量等)が向上していることから、公共測量作業規程の準則を参考にして、地

籍図根三角点を与点としても精度の劣化は無いものと判断し、第1項の与点を「基準点等」から

「地籍図根三角点等」とし、次数について準則第四十九条第3項を「一次まで」と改正され、複

数回の測量を実施しても精度の劣化はないことから、これまで規定されていた地籍図根三角点を

与点した場合の「与点の最大次数に一次を加える」という規定全文を削除した。このことにより、

GNSS法・TS法に関わらず、地籍図根三角点を与点に含んで求められた新点も一次とする。

過去に設置された二次、三次の地籍図根三角点の取り扱いについては、国土交通省(地籍整備

課)・都道府県に相談することとする。

このことにより、地籍図根三角点の次数を「一次まで」としたため、多角路線の長さ、新点の

数の二次・三次に関連する文言を削除したことにより、第5項及び第7項を改正した。

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・TS法による場合の路線長を、公共測量作業規程の準則第23条第2項及び第3項の2級基準

点測量を参考に、「TS法による場合は、2.0キロメートル以内を標準とする。ただし、単路

線にあっては3.0キロメートル以内を標準とする。」とした。また、GNSS法とTS法の新

点間距離の定義が分けられていなかったため、TS法の新点間距離は旧来のままとし、GNSS

法による場合の新点間距離を、第6項に規定した。

・第7項について、地籍図根三角測量と同等である2級基準点測量では路線の辺数「7辺以下」

となっているので、それに合わせる形で同一の多角路線に属する新点数を「8点以内」と改正し

た。

・これまで「視通の確保に努めるものとする。」と規定されていたが、地籍図根多角測量におい

ては、厳密網平均計算が原則(運用基準第31条第4項)となったため、方向角の取付が必ずし

も必要ではないことから、これに関わる規定全文を削除した。しかし、規定が削除されても方向

角の取付を実施しないという内容ではなく、必要に応じ、方向角の取付を実施し、取付した際は、

選点図・網図にも視通を記載するものとなる。

(観測、測定及び計算)───準則第52条

第25条 (略)

2 (略)

3 (略)

4 (略)

5 地籍図根三角点の座標値及び標高は、TS法の場合には厳密網平均計算により求めることとし、

GNSS法による場合にはジオイド・モデルを使用する三次元網平均計算により求めるものする。

この場合において、厳密網平均計算又は三次元網平均計算に用いる重量は、別表第9に定める数値

を用いて計算するものとする。

6 観測、測定及び計算結果が別表第6から別表第8までに定める制限を超えた場合は、再測をしな

ければならない。なお、再測は、観測中の諸条件を吟味し、許容範囲を超えた原因を考慮して行う

ものとする。

7 地籍図根三角測量を行った場合は、別表第10に定めるところにより点検測量を行わなければな

らない。

8 前項の点検測量における点検の数量は、TS法による場合には新設した地籍図根三角点数の10

%以上、GNSS法による場合には平均図において採用する観測辺数の総和の10%以上とする。

(解説)

・厳密網平均計算が一般化してきたことにより、地籍図根三角測量の平均計算は、厳密網平均計

算又は三次元網平均計算で実施することとし、簡易網平均計算に関わる文言を削除した。「TS法

の場合には厳密網平均計算により求めること標準」を、「TS法の場合には厳密網平均計算により求め

ることとし」と第5項を改正した。

・点検測量の数量について、「概ね10%」としていたが、曖昧な表現であったため、「10%以

上」と数量を第8項にて明確にした。

また、点検測量の数量算出方法は、TS法においては、旧来通り新設した点数によるが、GN

SS法においては、平均図において採用した観測辺数(三次元網平均計算において採用した基線

数)の総和の10%以上とし、TS法とGNSS法との点検数量の算出方法を分けた。

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(地籍図根多角点の選定)───準則第53条

第26条 地籍図根多角点の密度の標準は、別表第1に定めるところによるものとする。

2 地籍図根多角測量により決定された節点は、2次の地籍図根多角点とすることができる。

(解説)

・現在の標識は、全て金属標やプラスチック杭が使用されているため、「地籍図根多角本点」と

「地籍図根多角点」との区別を無くすことにより、「地籍図根多角本点」に関わる文言及び規定

を削除した。

・地籍図根多角測量の節点は、地籍図根多角点の精度が保たれており、その節点を多角測量法に

よる細部図根測量で有効利用するために、地籍図根多角点の節点を、二次の地籍図根多角点とす

ることができると第2項に規定した。

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(多角路線)───準則第54条

第27条 地籍図根多角測量における多角網は、地籍図根三角点等を与点とした1次の多角路線で構

成することを原則とする。なお、当該地籍測量の精度区分が国土調査法施行令(昭和27年政令第

59号。以下「令」という。)別表第4に定める乙一、乙二及び乙三の区域において、GNSS法

により実施する場合は、電子基準点のみを与点とすることができる。

2 (略)

3 (略)

4 電子基準点のみを与点とするGNSS法に必要な与点は、作業地域に最も近い電子基準点3点以

上とする。なお、単路線に必要な与点の数は、作業地域に最も近い電子基準点2点とする。

5 多角網の外周路線に属する新点は、外周路線に属する隣接与点を結ぶ直線から外側50度以下の

地域内に選定することを標準とし、路線の中の夾角は、60度以上を標準とする。

6 多角路線の長さは、電子基準点のみを与点とする場合における与点から交点までの路線の長さを

除き、1.5キロメートル以下を標準とする。ただし、2次の多角路線にあっては、1.0キロメ

ートル以下を標準とするものとする。

7 同一の多角路線に属する新点間の距離は、なるべく等しく、かつ、30メートル以下はなるべく

避け、見通し障害等によりやむを得ない場合にあっても10メートル以上とする。なお、GNSS

法による場合の新点間の距離は、別表第1に定めるところによるものとする。

8 同一の多角路線に属する新点の数は、1次の多角路線(単路線を含む。以下この項において同じ

。)にあっては50点以下、2次の多角路線にあっては30点以下とする。なお、GNSS法によ

る場合の新点の数は、別表第1に定めるところによるものとする。

9 当該作業地域の新点全てを電子基準点のみを与点とするGNSS法で設置するとともに、周辺の

地籍図根点等との整合を確認する場合には、点検のための観測を1点以上の既設点において行い、

観測図に含めるものとする。

(解説)

・第1項において、地籍図根多角測量における多角網は、地籍図根三角点等を与点とした一次の

多角路線で構成することを「原則」とした。しかし、「原則」ではあるが、「例外」もあり、隣接

する調査地域に設置されている既設地籍図根多角点を与点とした場合には、新点は二次となる

(※準則第五十四条第3項参照)。さらに準則第五十四条第3項ただし書きにて、地籍図根多角

測量の路線の次数制限を最大二次までとしたことに伴い、多角路線の長さ、新点の数の三次路線

に関連する文言を削除したことにより、第6項及び第8項を改正した。

・乙一、乙二及び乙三の区域において実施可能な、電子基準点のみを与点とするGNSS法で、

地籍図根三角測量同様に第4項に与点数を、第9項においては取付観測について規定した。

・これまで地籍図根多角測量における新点間距離は、地籍図根三角測量同様にGNSS法とTS

法の新点間距離の定義が分けられていなかったため、TS法の新点間距離は旧来のままとし、G

NSS法による場合の新点間距離を第7項に規定し、同様にGNSS法による場合の新点の数を

第8項に規定した。

(地籍図根多角交会点の選定)───準則第55条

第28条 (削除)

2 (削除)

(解説)

・地籍図根多角交会点について、準則第五十五条を削除したため、この規定は削除した。

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(標識の規格)───準則第57条

第30条 地籍図根多角点は、永久的な標識を設置するように努めるものとし、標識の規格は、

別表第2に定めるところによるものとする。

2 (略)

3 (略)

(解説)

・運用基準第26条において地籍図根多角本点の定義を削除したため、第1項の地籍図根多角本

点に関連する文言を削除した。

(観測、測定及び計算)───準則第58条

第31条 (略)

2 (略)

3 地籍図根多角測量における計算の単位及び計算値の制限は、別表第12に定めるところによるも

のとする。なお、電子基準点のみを与点とするGNSS法においては、セミ・ダイナミック補正を

行うものとする。

4 地籍図根多角点の座標値及び標高は、TS法の場合には厳密網平均計算により求めることを原則

とし、GNSS法による場合にはジオイド・モデルを使用する三次元網平均計算により求めるもの

とする。この場合において、厳密網平均計算又は三次元網平均計算に用いる重量は、別表第14に

定める数値を用いて計算するものとする。

5 当該地籍測量の精度区分が令別表第4に定める乙二、乙三の区域においては、標高の計算を省略

することができるものとする。

6 観測、測定及び計算結果が別表第11から別表第12までに定める制限を超えた場合は、再測を

しなければならない。なお、再測は、観測中の諸条件を吟味し、許容範囲を超えた原因を考慮して

行うものとする。

7 (略)

8 前項の点検測量における点検の数量は、新設した地籍図根多角点数の5%以上とする。

(解説)

・電子基準点のみを与点とするGNSS法において、これまではセミ・ダイナミック補正につい

て定義がなされていなかったことから、第3項において、地籍図根三角測量同様にセミ・ダイナ

ミック補正を行うものと規定した。

・TS法による地籍図根多角測量の網平均計算は、厳密網平均計算が一般的になっていることか

ら第4項においてTS法の場合には厳密網平均計算により求めることを原則とした。

・準則第五十五条において地籍図根多角交会点の規定を削除したため、地籍図根多角交会点に関

わる文言及び規定全文を削除した。

・地籍図根多角測量において、GNSS法を実施する際、標高が必要だったことから、平成22

年に地籍図根多角測量の標高について規定されたが、山林部(乙二、乙三区域)では不要な場合

もあるため、第5項において精度区分乙二、乙三地域の標高を省略することができるとした。標

高を省略するか否かは、発注者の判断が必要となり、積算も変わってくるため、計画段階での判

断が必要となる。

・第8項の点検測量の数量について、「概ね5%」としていたが、曖昧な表現であったため、「5%

以上」と明確にした。

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(細部図根測量の方法)───準則第59条

第32条 細部図根測量は、GNSS法又はTS法により行うものとする。

(解説)

・平成26年度の検討作業において、新測量機器の動向調査等から地籍測量(細部図根測量:乙

三)の精度を有したデジタル方位距離計の製造が中止されていることが判明したため、細部図根

測量におけるデジタル方位距離計に関する規定を削除した。

(細部図根点等の密度)───準則第61条

第33条 (略)

2 細部図根点の選定の結果は、細部図根点選点図に取りまとめるものとする。なお、地籍図根多角

点選点図を兼用して取りまとめることを妨げない。

(解説)

・既設点の配点状況等により、地籍図根多角測量を省略した場合(※別表第1(2)備考8参照)、

特に細部多角路線については、これまで以上に網構成が重要な位置付けとなることから、細部図

根点においても選点図を必要とする旨、第2項に規定した。(※別表第5参照)

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(多角測量法による細部図根測量)───準則第63条

第34条 細部多角点を与点とした場合の多角路線の次数は、与点の最大次数に1次を加えるものと

する。ただし、厳密網平均計算を行った場合で、かつ、与点数のうち地籍図根点等を1/2以上含

む場合は、与点とした細部多角点の最大次数をもって多角路線の次数とすることができる。

2 多角網に必要な与点の数は、3点以上とし、単路線に必要な与点の数は、2点とする。

3 地籍図根多角測量を省略した場合、1次の多角網の外周路線に属する新点は、外周路線に属する

隣接与点を結ぶ直線から外側50度以下の地域内に選定することを標準とし、路線の中の夾角は、

60度以上を標準とする。ただし、地形の状況等によりやむを得ない場合は、この限りでない。

4 多角測量法による細部図根測量の多角路線の長さは、1.0キロメートル以下を標準とする。た

だし、閉合路線を形成する路線の長さは、200メートル以下を標準とする。

5 同一の多角路線に属する新点の数は、50点以下を標準とする。

6 多角測量法による細部図根測量における観測及び測定の方法は、別表第17に定めるところによ

るものとする。

7 多角測量法による細部図根測量における計算の単位及び計算値の制限は、別表第18に定めると

ころによるものとする。

8 細部多角点の座標値は、TS法の場合には厳密網平均計算により求めることを標準とし、GNS

S法による場合にはジオイド・モデルを使用する三次元網平均計算により求めるものとする。この

場合において、厳密網平均計算又は三次元網平均計算に用いる重量は、別表第14に定める数値を

用いて計算するものとする。なお、簡易網平均計算による場合は、方向角の閉合差は測点数、座標

値の閉合差は路線長に比例して配分するものとする。

9 観測、測定及び計算結果が別表第17及び別表第18に定める制限を超えた場合は、再測をしな

ければならない。なお、再測は、観測中の諸条件を吟味し、許容範囲を超えた原因を考慮して行う

ものとする。

10 細部図根測量を行った場合は、別表第19に定めるところにより点検測量を行わなければなら

ない。

11 前項の点検測量における点検の数量は、新設した細部図根点数の2%以上とする。

(解説)

・多角測量法による細部図根測量の網平均計算は、厳密網平均計算の運用が多くなっていること

から、次数と与点数について、第1項及び第2項に規定した。

また、地籍図根多角測量を省略し(別表第1(2)備考8参照)、細部図根測量から実施するケ

ースも出てくることから、地籍図根多角測量同様に地籍図根点等及び細部多角点を与点とした場合の

1/2規定を入れている。これについては、公共測量作業規程の準則第22条第4項でも認められて

いる条項のため同様に規定した。これにより十分に次数が保持されると考えられる。

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・第3項において、地籍図根多角測量を省略した場合(別表第1(2)備考8参照)、網構成が重

要になることから、「地籍図根多角測量を省略した場合」という限定の中で、一次の網構成につ

いて規定した。

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・運用基準第32条において、デジタル方位距離計に関する規定が削除されたことから、デジタ

ル方位距離計に関わる規定を削除した。

・これまで閉合路線を形成する路線の長さが定義されていなかったため、第4項に「200メー

トル以下」と規定した。しかし閉合路線を形成できるのは、準則第六十三条第1項に規定されて

いるように「見通し障害等により真にやむ得ない場合」のみに適用できるものとなっている。

・これまで同一の多角路線に属する新点数が定義されていなかったことから、「50点以下を標

準」と第5項に規定した。

・第8項により、細部図根測量は座標値のみを求めることとなっており、標高は求めないため高

低網平均計算は不要だが、距離の投影補正が必要な精度区分(甲一、甲二、甲三及び乙一)につ

いては、標高の概算(点検計算)の実施は必要となるので注意すること。この場合の誤差の制限

は設けないが、地籍図根多角測量の標高の閉合差の制限(別表第12)を参考にすること。

・第11項の点検測量の数量について、「概ね2%」としていたが、曖昧な表現であったため、「2%

以上」と明確にした。

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(放射法による細部図根測量)───準則第64条

第35条 放射法による細部図根測量は、1次の細部多角点等を与点として行うことを原則とする。

ただし、地籍図根多角測量を省略した場合は、2次の細部多角点等を与点とすることができる。

2 開放路線で設置した節点は、細部放射点とすることができるものとする。

3 放射法による細部図根測量における観測及び測定の方法は、別表第20に定めるところによるも

のとする。

4 簡易網平均計算(定型網を除く)により求められた路線に属する細部多角点等を与点とする場合

は、与点と同一の平均計算により求められた細部多角点等を基準方向とする。

5 放射法による細部図根測量における与点から細部放射点までの距離は、100メートル以下を標

準とする。

6 あらかじめ行う与点の点検測量は、TS法による場合は同一の多角路線に属する他の細部図根点

等までの距離の測定又は基準方向と同一の多角路線に属する他の細部図根点等との夾角の観測を、

GNSS法による場合は基線ベクトルの観測を行い、当該点の移動等の点検を行うものとする。

7 前項の点検に当たっては、別表第17に定める観測及び測定の方法によるものとし、点検の較差

の標準は別表第21に定めるところによるものとする。

8 放射法による細部図根測量における計算の単位及び計算値の制限は、別表第22に定めるところ

によるものとする。

9 観測、測定及び計算結果が別表第20から別表第22までに定める制限を超えた場合は、再測を

しなければならない。なお、再測は、観測中の諸条件を吟味し、許容範囲を超えた原因を考慮して

行うものとする。

10 細部放射点の10パーセント以上については、他の細部多角点等からの同一方法の観測又は当

該点から他の細部多角点等への取付観測により点検を行い、その座標値の較差が別表第23の制限

内にあれば、最初に求めた位置を採用する。ただし、見通し障害等により他の細部多角点等からの

同一方法の観測又は当該点から他の細部多角点等への取付観測ができない場合には、別表第19に

定めるところにより点検測量を行うものとする。

11 開放路線により求めた細部放射点については、別表第19に定めるところにより全数において

点検測量を行わなければならない。

※ 放射法による細部図根測量は、多角測量法による細部図根測量が、見通し障害等によりやむ

を得ない場合に実施できるものである。(準則第五十九条参照)

(解説)

・第1項において、放射法による細部図根測量は一次の細部多角点等を与点とすることを「原則」

と規定した。しかし、地籍図根多角測量を省略した場合(別表第1(2)備考8参照)、網が薄

いことも想定されるため、二次の細部多角点を与点として、細部放射点を設置することができる

と規定した。あくまでも、地籍図根多角測量を省略した場合(別表第1(2)備考8参照)のみ

に適用できる規定であるので注意すること。

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・準則第六十四条第1項において、「見通し障害等により真にやむを得ない場合には節点1点に

よる開放路線を形成することができる。」と規定したことから、第2項において、開放路線によ

り設置した節点は細部放射点とすることができると規定した。このことにより、節点は、一筆地

測量の与点とすることが可能である。また、節点を細部放射点とすることができることから、節

点は一次の細部放射点となり、開放路線により設置した細部放射点は二次の細部放射点となる。

開放路線による場合は、あくまでも「真にやむを得ない場合」のみの規定であるため、むやみ

に開放路線により、節点・細部放射点を設置しないよう注意が必要である。

・第4項において、「簡易網平均計算(定型網を除く)により求められた路線に属する細部多角点等

を与点とする場合は、与点と同一の平均計算により求められた細部多角点等を基準方向とする。」と

したのは、簡易網平均計算は厳密網平均計算とは異なり、網構成により基準方向とできない点がある

ため、単路線の簡易網平均計算により求められた点を与点とする場合の基準方向は、注意が必要であ

ることから、あえて規定した。

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・準則第六十四条第3項において、「与点から細部放射点までの距離は、与点から基準方向とした

細部多角点等までの距離より短くするものとする。」と規定されているが、これまで距離数が規定さ

れていなかったことより、第5項において、「与点から細部放射点までの距離は、100メートル以

下を標準」と規定した。これは開放路線により節点を設置した場合であっても、与点~節点~細部放

射点(2辺)の距離の合計は100メートル以下とすることになる。この距離数については、用地測

量の規定を準用している。また、やむを得ず100メートルを超過する場合には、協議書にて発注者

の了解を得て作業すること。

・第10項の点検数量について、「概ね10%」としていたが、曖昧な表現であったため、「10%

以上」と明確にした。

またこれまでの点検方法である、他の細部多角点等からの同一方法の観測又は当該点から他の

細部多角点等への取付観測が、見通し障害等により、やむを得ず観測(点検)できない場合に「別

表第19」による点検測量を実施できることを規定した。

・第11項において、開放路線により求めた細部放射点(節点含む)は、設置した細部放射点(節点

含む)全数を別表第19による点検測量を実施するものと規定した。これまでの点検に追加して、精

度管理表への記載も必要となる。また、開放路線により求めた細部放射点(節点含む)の点検測量は、

第10項の点検数量(10%以上)には含めないため、注意すること。開放路線により求められた点

は、通常の細部放射点よりも精度が落ちるため、第11項において、全数点検測量と規定したことに

より、第10項の点検数量(10%)には含めないものとする。

例:新点33点(点検数量13点の場合)

(1次の細部放射点:節点除く=23点、開放路線により求めた細部放射点:節点含む=10点)

第10項の点検数量 : 23点×10%≒3点(1次の細部放射点:節点除く)

第11項の点検数量 : 10点全点(開放路線により求められた細部放射点:節点含む)

・第10項及び第11項に規定された、別表第19による点検測量については、通常の放射法の点検(座

標値の較差)とは異なり、点検測量となるため、工程管理上の現地立会(点検測量数の30%)も必

要となる。

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(一筆地測量の方法)───準則第70条

第37条 放射法又は多角測量法による一筆地測量は、GNSS法又はTS法により行うものとする

。ただし、当該地籍測量の精度区分が令別表第4に定める乙二又は乙三の区域の一筆地測量におい

ては、デジタル方位距離計を用いる測量方法(以下「デジタル方位距離計法」という。)により行

うことができるものとする。

2 単点観測法による一筆地測量は、ネットワーク型RTKによる測量方法(以下「ネットワーク型

RTK法」という。)により行うものとする。ただし、当該地籍測量の精度区分が令別表第4に定

める乙二又は乙三の区域の一筆地測量については、DGPS測量機を用いる測量方法(以下「DG

PS法」という。)により行うことができるものとする。

(解説)

・運用基準第32条において、地籍測量(細部図根測量:乙三)の精度を有したデジタル方位距離

計が製造停止になったことにより規定が削除されたが、現在販売されているデジタル方位距離計は

一筆地測量の乙二・乙三区域では精度が担保できる観点から、第1項からは削除していない。

(放射法による一筆地測量)───準則第70条の2

第38条 簡易網平均計算(定型網を除く)により求められた路線に属する細部図根点等を与点とす

る場合は、与点と同一の平均計算により求められた細部図根点等を基準方向とする。

2 放射法による一筆地測量における与点から筆界点までの距離は、100メートル以下を標準とす

る。

3 放射法による一筆地測量においてあらかじめ行う与点の点検測量は、TS法による場合は同一の

多角路線に属する他の細部図根点等までの距離の測定又は基準方向と同一の多角路線に属する他

の細部図根点等との夾角の観測を、GNSS法による場合は基線ベクトルの観測を行い、当該点の

移動、番号の誤り等の点検を行うものとする。

4 前項の点検に当たっては、別表第24に定める観測及び測定の方法によるものとし、点検の較差

の標準は別表第25に定めるところによるものとする。

5 放射法等による一筆地測量における観測及び測定の方法は、別表第24に定めるところによるも

のとする。

6 放射法等による一筆地測量における計算の単位及び計算値の制限は、別表第26に定めるところ

によるものとする。

7 観測、測定及び計算結果が別表第24から別表第26までに定める制限を超えた場合は、再測を

しなければならない。なお、再測は、観測中の諸条件を吟味し、許容範囲を超えた原因を考慮して

行うものとする。

(解説)

・第1項において、「簡易網平均計算(定型網を除く)により求められた路線に属する細部図根点等

を与点とする場合は、与点と同一の平均計算により求められた細部図根点等を基準方向とする。」と

したのは、簡易網平均計算は厳密網平均計算とは異なり、網構成により基準方向とできない点がある

ため、単路線の簡易網平均計算により求められた点を与点とする場合の基準方向は、注意が必要であ

ることから、あえて規定した。また細部放射点を与点とした場合の基準方向とする事ができる点は、

細部放射点を設置した際の与点もしくは節点のみが基準方向となる。

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・準則第七十条の二第3項において、「与点から筆界点までの距離は、与点から基準方向とした細

部図根点等までの距離より短くするものとする。」と規定されているが、これまで距離数が規定され

ていなかったことより、第2項において、「与点から筆界点までの距離は、100メートル以下を標

準」と規定した。

(多角測量法による一筆地測量)───準則第70条の3

第39条 多角測量法による一筆地測量の多角路線の長さは、当該地籍測量の精度区分が令別表第4

に定める甲一又は甲二の区域にあっては300メートル以下、甲三又は乙一の区域にあっては40

0メートル以下、乙二又は乙三の区域にあっては500メートル以下を標準とする。ただし、デジ

タル方位距離計法による場合は多角路線の長さは300メートル以下とし、その測点間の距離は5

メートル以上25メートル以下、測点の数は20点以下とする。

2 (略)

3 (略)

4 多角測量法による筆界点の座標値は、第34条第8項の規定を準用して求めるものとする。

5 (略)

(解説)

・第1項において、デジタル方位距離計による路線長を500メートルから300メートルと改

正した。これまで地籍測量(細部図根測量:乙三)の精度を有したデジタル方位距離計が製造さ

れていたが、このデジタル方位距離計が製造中止となり、現在、販売されているデジタル方位距

離計は、一筆地測量の乙二・乙三区域で300メートルまでは、精度が担保できているため、こ

の部分を改正した。

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(単点観測法による一筆地測量)───準則第70条の5

第41条 (略)

2 (略)

3 (略)

4 (略)

5 (略)

6 前項の場合における座標補正の点検は、座標補正後の筆界点の座標値と与点とした細部図根点等

以外の既設点の成果値による計算距離と、筆界点から与点とした細部図根点等以外の既設点までの

距離を単点観測法等の方法により求めた実測距離との比較により行うものとする。なお、点検数は

1点以上とする。

7 (略)

8 (略)

9 (略)

(解説)

・第6項のネットワーク型RTK法による単点観測法の座標補正の点検において、公共測量作業

規程の準則第94条第4項第三号に合わせ改正した。また公共測量作業規程の準則では点検数は

規定されていないが、同項において、点検数を1点以上と規定した。

(筆界点の位置の点検)───準則第72条

第42条 筆界点の位置の点検は、単位区域の総筆界点(多角測量法による一筆地測量により求めた

筆界点を除く。)から2パーセント以上を抽出して行うものとする。この点検においては、その位

置の較差が別表第26、別表第28又は別表第30に示す制限内にある場合には、最初に求めた位

置を採用するものとする。

(解説)

・点検数量について、「概ね2%」としていたが、曖昧な表現であったため、「2%以上」と明確

にした。

(原図の作成)───準則第74条

第43条 (略)

2 (略)

一 (略)

二 (略)

三 (略)

四 4級基準点は地籍図根多角点の記号により表示する。国土調査法第19条第2項の規定により

認証され、又は同条第5項の規定により指定された基準点のうち4級基準点に相当するものにつ

いても、同様とする。

(解説)

・運用基準第19条の3第4項において、「4級基準点は2次の地籍図根多角点と同等なものと

して取り扱う。」と規定したことにより、第2項四の「細部図根点」を「地籍図根多角点」と改

正した。

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(標定及び航測図根点)───準則第77条、第80条

第45条 (略)

2 (略)

3 (略)

4 航測図根点を選点した場合の密度の標準は、別表第1に定めるところによるものとする。

(解説)

・運用基準第26条において地籍図根多角本点の定義を削除したため、これと同様に航測図根本

点に関する文言及び規定を削除した。

(標識)───準則第77条

第46条 航測図根点は、永久的な標識を設置するように努めるものとし、新設の標定点及び航測図根

点の標識の規格は、別表第2に定めるところによるものとする。

2 (略)

3 (略)

4 (略)

(解説)

・運用基準第45条同様に、運用基準第26条において地籍図根多角本点の定義を削除したため、

同様に航測図根本点に関する文言の「標定点及び航測図根本点」を「標定点及び航測図根点」と

第1項を改正した。

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第 3 章 地籍調査作業規程準則運用基準別表について

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別表第1 点配置密度の標準( 1 ㎢当たり点数)〔第11条、第21条、第22条、第26条、第27

条及び第45条〕

(1)地籍図根三角点

見通し区分 新点間距離同一路線の

節点間の距離1㎢当たりの 標準点数

水田、畑、集落及び集落周辺等 700m 150m以上 3 点~5点

山林部及び山林部周辺等 1000m 150m以上 2 点~4点

市街地及び市街地周辺等 500m 150m以上 4点~9点

備考 1.水田、畑、集落及び集落周辺等とは、見通しが良好な地区をいう。 2.山林部及び山林部周辺等とは、樹木その他の障害により見通しが比較的困難な地区をいう。3.市街地及び市街地周辺等とは、家屋密集その他の状況により見通し距離が著しく短い地区をいう。

4.作業計画区内及び周辺に電子基準点に整合の取れた地籍図根三角点等が3点以上存在し、これを与点としてGNSS法により地籍図根多角点を設置する場合には、地籍図根三角測量を省略することができる。

(2)地籍図根点等又は航測図根点等

備考 1.水田、畑、集落及び集落周辺等とは、見通しが良好な地区をいう。 2.山林部及び山林部周辺等とは、樹木その他の障害により見通しが比較的困難な地区をいう。3.市街地及び市街地周辺等とは、家屋密集その他の状況により見通し距離が著しく短い地区をいう。

4.平坦とは 3度以下、中傾斜とは 3~15 度、急傾斜とは概ね 15 度以上の傾斜区分をいう。

5.1㎢当たり点数とは、1㎢当たりの区域における地籍図根点等又は航測図根点等の数をいう。

6.航測図根点等は、必要に応じてこの標準より密度を増加させるものとする。

7.電子基準点に整合の取れた地籍図根三角点等を与点としてGNSS法により地籍図根多角

点を設置する場合には、地形状況等により次の新点間距離を標準とすることができる。 ①市街地及び市街地周辺等及び水田、畑(果樹園等除く)等地区の新点間距離は200mとする。 ②山林部及び山林部周辺等地区の新点間距離は500mとする。

8.作業計画区内及び周辺に電子基準点に整合の取れた地籍図根点等が3点以上存在し、これを与点として細部図根点が設置できる場合には、地籍図根多角測量を省略することができる。

見通し区分

縮尺区分 地形 傾斜区分

1/250 1/500 1/1000 1/2500 1/5000

水田、畑(果樹園等除く)等

平坦 125~188 125~188 80~120 35~53 20~30

中傾斜 163~245 163~245 98~148 44~66 25~37

急傾斜 222~332 222~332 142~214 66~98 35~53

山林部及び山林部周辺等

平坦 163~245 163~245 110~166 44~66 26~40

中傾斜 189~283 189~283 142~212 55~83 34~50

急傾斜 264~396 264~396 190~286 80~120 47~71

市街地及び市街地周辺等

平坦 163~245 163~245 125~187 ――― ―――

中傾斜 222~332 222~332 142~212 ――― ―――

急傾斜 331~497 331~497 222~332 ――― ―――

GNSS法のみによる場合

全地区 25 以上 4 以上

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(3)筆界基準杭

縮 尺 区 分 1/250 1/500 1/1000 1/2500 1/5000

1㎢当たり点数 366~548 点 137~274 点 91~137 14~22 4~5

(解説)

・見通し区分の呼称が統一されていなかったため、(1)、(2)ともに見通し区分の呼称を改正

した。

・地籍図根三角点の点配置密度は、備考で表されていたが(1)において見通し区分ごとに新点

間距離の標準距離、同一路線の節点間の距離、1㎢当たりの標準点数を規定した。

また、地籍図根三角点等を作業地域の外周の境界線上又は外側近辺に必ず配置することとし、地籍

図根三角点の新点間距離を、水田、畑、集落及び集落周辺等の新点間距離 500m、水田、畑、集落及

び集落周辺等においては 700m、山林部及び山林部周辺等においては 1000mを標準として定めた。な

お設置点数は、改正前の配置密度からの新点間距離と公共測量の2級基準点測量の新点間距離 500m及

び今後四等三角点を設置しないこと等を考慮して定めた。

・地籍図根多角点は、公共用地など広大な土地が存在する図郭などでは、細部図根点等の設置が

不要な箇所もあり、1 図郭毎の点配置密度の解釈が難しいこと等から点配置密度を1㎢当たりに

改正した。

・地籍図根多角点の設置点数は、運用基準第5条第2項に規定する縮尺区分ごとの一筆地の平均

面積による単位面積当たりの筆数に対して、後続の細部図根測量及び一筆地測量の与点として無

駄なく使用できるように、改正前の点配置密度による新点間距離と3級基準点測量の最短距離 70

mを基準にして定めた。

・作業計画区全域又は、一定の作業範囲をGNSS法のみで地籍図根多角点を設置する場合の点

配置密度を定めた。なお、この場合の新点間距離の標準も規定した。

・地籍図根多角本点と地籍図根多角点に区分については、品質がJIS規格で補償されたプラス

チック杭や金属標を使用しているため、地籍図根多角本点と地籍図根多角点の区分が不要になっ

ている。運用基準第26条からも地籍図根多角本点に関わる文言が削除されたため、別表第1に

おいても、地籍図根多角本点の規定は削除し地籍図根多角点に統一し、同様に運用基準第45条

において、航測図根本点の規定は削除したため、別表第1において、航測図根点に統一した。

・電子基準点に整合の取れた地籍図根点等が3点以上存在し、これを与点として、規定にそって細部

図根測量が実施できる場合には、地籍図根多角測量を省略することができるとした。

・別表第 1 で定める点配置密度は、1㎢当たりの整形な作業範囲において、運用基準第5条第2

項に規定する縮尺区分ごとの一筆地の平均面積による筆数の一筆地測量を行うために必要な標

準点数を定めている。したがって、作業計画区域の面積が 0.5 ㎢以下の場合や、土地の筆数が過

多、過小の場合など、地形、地物、見通し障害等の状況、隣接する地域における地籍測量の精度

等により別表第 1 に規定する量より増減することがあるため、点の配置密度に大きな差異が発生

する場合には、発注機関と協議を行うこととする。

・地籍図根多角本点及び航測図根本点を削除したため(3)筆界基準杭及び航測図根点とし、地

籍図根三角点及び地籍図根点等同様に、1図郭当たりから1㎢当たりに変更し、かつ、縮尺区分

毎に規定した。

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別表第2 標識の規格〔第11条、第24条、第30条及び第46条〕

(1)地籍図根三角点及び標定点

(略)

(2)地籍図根多角点、航測図根点及び筆界基準杭

備考 1.地籍図根多角測量を省略して、細部図根測量を実施する場合には、交点等におおよそ 200

mの間隔で地籍図根多角点に準じた標識を使用するものとする。

2.宅地等において堅固な境界標識が既に設置されている場合には、筆界基準杭の設置を省略

することができる。

(3)標識の規格の特例

区 分 地籍図根三角点及

び標定点

地籍図根多角点、航測図根点

及び筆界基準杭 凡 例

金属標の寸法及

び形状D×L φ75×90 ㎜以上 φ50×70 ㎜ 以上

材 質

真鍮又はこれと同等以上の合金(JIS規格のもの

を標準とする。)

中心標示の方法 直径 3㎜以下

備考 1.(略)

2.地籍図根多角測量を省略して、細部図根測量を実施する場合には、交点等におおよそ 200

mの間隔で地籍図根多角点に準じた標識を使用するものとする。

3.道路等において、標識(地籍図根多角点、航測図根点及び筆界基準杭)の設置により構造

物の保全や環境等に影響を与える場合には、φ30×40mm の金属標を使用することができるも

のとする。 4.宅地等コンクリートブロック等構造物のある場所に筆界基準杭を設置する場合で、コンクリー ト杭や金属標の設置が困難な場合には、境界プレート(アルミ3~5センチ角・足付等)を使用することができるものとする。

区 分 説 明

寸法及び形状

7 ㎝×7 ㎝×60 ㎝角柱又はこれと同等以上のものとする。ただし、果樹園等

の急傾斜地区及び山林部等においては、4.5 ㎝×4.5 ㎝×45 ㎝角柱又はこれ

と同等以上のものとする。

なお、「地籍図根多角点」「航測図根点」「筆界基準杭」を識別できるよう

努めるものとする。

材 質 プラスチック(難燃性でありJIS規格のものを標準とする。)、コンクリ

ート、石又はこれらと同等以上の強度を有するものとし、空洞のものは除く。

中心標示の方法 直径 3㎜以下

(解説)

・地籍図根多角本点及び航測図根本点を削除したため、地籍図根多角点、航測図根点及び筆界基準

杭にて使用する標識の寸法は、(2)に定義し、「7 ㎝×7 ㎝×60 ㎝角柱又はこれと同等以上のものと

する。ただし、果樹園等の急傾斜地区及び山林部等においては、4.5 ㎝×4.5 ㎝×45 ㎝角柱又はこれと同

等以上のものとする。」と規定して、地形状況等に応じた標識を選択できるようにした。

・(2)備考1、(3)備考2に、地籍図根多角測量を省略した場合の細部図根点(交点等におおよ

そ 200m間隔)に使用する標識の規格を規定した。

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別表第4 地籍測量又は地積測定に用いる器械及び器材の性能又は規格〔第18条〕

(1)測量機器

備考 1.(略)

2.DGPS測量機、デジタル方位距離計の性能は、次表のとおりとする。

DGPS測量機

(略)

デジタル方位距離計

区分 種 類 適 用 範 囲 備 考

TS法

1級トータルステーション 地籍図根三角測量、地籍図根多角測量

細部図根測量、一筆地測量

2級トータルステーション

3級トータルステーション 細部図根測量、一筆地測量 乙二、乙三地区に

適用可

1級セオドライト 地籍図根三角測量、地籍図根多角測量

細部図根測量、一筆地測量

2級セオドライト

3級セオドライト 細部図根測量、一筆地測量 乙二、乙三地区に

適用可

2級測距儀 地籍図根三角測量、地籍図根多角測量、

細部図根測量、一筆地測量 中距離型とする。

GNSS法

1級GNSS測量機 地籍図根三角測量、地籍図根多角測量、

細部図根測量、一筆地測量

2級GNSS測量機

DGPS法

DGPS測量機 一筆地測量 乙二、乙三地区に

適用可

デジタル方

位距離計法

デジタル方位距離計 一筆地測量 乙二、乙三地区に

適用可

直接水準

測量法

2級レベル

地籍図根三角測量、地籍図根多角測量

細部図根測量、一筆地測量

自動レベル又は電

子レベルとする。

2級標尺

その他

鋼巻尺 JIS1級とす

る。

機器構成

①地球磁場に基づいて、電気的に磁方位角の測定を

行う角度測定器と鉛直角を自動計測する機能及び光

波距離計の機能を有していること。

②計測データを自動記録するPDA等の記録装置を

有すること。

光波距離計性能 ±0.30m

傾斜計の性能 ±0.25 度以内

磁方位角計測の再現性 ±1度以内

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(2)製図機器等

(略)

備考 (略)

(3)写真測量用機器等

(略)

備考 (略)

磁方位角計測の分解能 ±0.05 度以内

磁方位角計測部センサー デジタルコンパス

その他 キャリブレーション機能を有すること。

(解説)

・上位の性能を有している機器が定義されていなかったため、公共測量作業規程の準則を参考に、

1級トータルステーション及び1級セオドライトを使用できるよう規定した。

・細部図根測量、一筆地測量において、3級トータルステーション及び3級セオドライトのみが

適用範囲であったため、上位の性能を有している機器においても適用範囲とした。

・簡易トータルステーションは使用されておらず、最近のトータルステーションは、軽量化され

ていること等から簡易トータルステーションについて削除した。

・新測量機器の動向調査等から地籍測量(細部図根測量:乙三)の精度を有したデジタル方位距

離計の製造が中止されていることが判明したため、デジタル方位距離計の適用範囲は、一筆地測

量の乙二、乙三地区のみとし、性能についても現在販売されているデジタル方位距離計に合わせ、

改正した。

別表第5 地籍測量又は地積測定における作業の記録及び成果〔第19条及び第56条〕

単 位 作 業 記 録 及 び 成 果

1.各単位作業共通

①工程表

②検査成績表

③その他測量工程上必要な資料

2.地上法による地籍測量

(1)地籍図根三角測量

①基準点等成果簿写

②地籍図根三角点選点手簿

③地籍図根三角点選点図〔準則第50条〕

④地籍図根三角測量観測計算諸簿

⑤地籍図根三角点網図〔準則第52条〕

⑥地籍図根三角点成果簿〔準則第52条〕

⑦精度管理表

⑧測量標の設置状況写真

(2)地籍図根多角測量

①地籍図根多角点選点図〔準則第56条〕

②地籍図根多角測量観測計算諸簿

③地籍図根多角点網図〔準則第58条〕

④地籍図根多角点成果簿〔準則第58条〕

⑤精度管理表

⑥測量標の設置状況写真

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(3)地籍細部測量

①細部図根点選点図

②細部図根測量観測計算諸簿

③細部図根点配置図〔準則第67条〕

④細部図根点成果簿〔準則第67条〕

⑤一筆地測量観測計算諸簿

⑥筆界点番号図〔準則第74条〕

⑦筆界点成果簿(番号図区域ごとにまとめる)

〔準則第74条〕

⑧精度管理表

⑨地籍図一覧図〔準則第74条〕

⑩原図〔準則第74条〕

⑪地籍明細図(必要な場合)〔準則第75条〕

3.航測法による地籍測量

(1)対空標識の設置

①基準点等成果簿写

②標定点選点手簿

③標定点選点図〔準則第77条〕

④航測図根点選点図〔準則第77条〕

(2)空中写真撮影

①写真標定図

②写真フィルム

③密着印画

④撮影記録

⑤対空標識確認写真〔準則第79条〕

(3)標定点測量

①標定点測量観測計算諸簿

②標定点網図〔準則第80条〕

③標定点成果簿〔準則第80条〕

④精度管理表

(4)空中三角測量

①対空標識の機械座標読定値

②空中三角測量計算簿

③航測図根点配置図〔準則第83条〕

④航測図根点成果簿〔準則第83条〕

⑤筆界点番号図〔準則第83条〕

⑥筆界点成果簿〔準則第83条〕

⑦補備測量観測計算諸簿

⑧補備測量成果

⑨精度管理表

⑩測量標の設置状況写真

(5)図化 2 の(3)の⑧~⑩〔準則第84条〕

4.地積測定

①地積測定観測計算諸簿

②地積測定成果簿〔準則第87条〕

③筆界点座標値等の電磁的記録

④精度管理表

備考 1.観測計算諸簿とは、観測手簿、観測記簿、計算簿並びに平均図及び観測図である。ただし、

TS法による細部図根測量観測計算諸簿にあっては観測図を、一筆地測量観測計算諸簿にあ

っては、平均図及び観測図を、地積測定観測計算諸簿にあっては観測手簿、観測記簿、平均

図及び観測図を要しない。

38

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2.(略)

3.記録及び成果のうち各工程の選点図、網図、精度管理表、成果簿及び原図並びに地籍明細

図を除き電磁的記録によることができる。

4.(略)

5.(略)

6.(略)

7.(略)

8.測量標の設置状況写真は、地籍図根三角点の全点と地籍図根多角点の令別表第四に定める

甲区分の全点については、埋設前、埋設中、設置後の近景と遠景を、乙区分の全点について

は設置後の近景及び遠景の撮影を行うものとする。

9.地籍図根多角測量を省略した場合の一次の細部多角点については、地籍図根多角点に準じ

た標識を設置した測点について、8.により測量標の設置状況写真を撮影するものとする。

(解説)

・地籍図根多角測点選点手簿においては、平成22年に規定されたが、選点図に記載されている

内容と同様であり、活用性がないことから削除した。

・細部図根測量において、運用基準第33条第2項において、選点図を作成することを規定し、

運用基準第34条第1項~第5項においては、1/2規定・地籍図根多角測量を省略した場合の

網構成、同一路線の新点数が規定され、これまで以上に選点計画が重要になることから、細部図

根点選点図を成果とするよう規定した。

・備考1において、これまで細部図根測量においても観測図を成果の一部としてきたが、細部図

根測量のTS法において、観測図は必要性があまりないことから、成果の一部として要しないこ

ととした。また、一筆地測量においては、平均図及び観測図は作業上、不要であることから、一

筆地測量の平均図及び観測図を要しないと改正した。

・測量標の設置状況写真について、詳細な記録方法は、「地籍測量及び地積測定における作業の

記録及び成果の記載例(平成 23 年 12 月 27 日付け国土籍第 279 号国土交通省土地・建設産業局

地籍整備課長通知)(最終改正:平成 26 年 3 月 24 日国土籍第 347 号)(平成 26 年 4 月 25 日一部

改正)」にのみ記載されていたことから、備考8に規定した。

また、乙区分(山林部)においては、埋設前、埋設中、設置後の近景と遠景を撮影しても、周

辺の状況が変わり映えしないため、地籍図根多角点の設置状況写真については、乙区分のみ設置

後の近景及び遠景の撮影を行うものと、備考8に規定している。

・別表第2(3)備考2において、地籍図根多角測量を省略して、細部図根測量を実施する場合

の標識が規定されたため、地籍図根多角点に準じた標識を設置した一次の細部多角点(交点等に

おおよそ 200m 間隔)については、備考9により写真撮影をするものとした。

別表第6 地籍図根三角測量における観測及び測定の方法〔第25条〕

(1)TS法による角の観測

区 分 1級トータルステーション、

1級セオドライト

2級トータルステーション、

2級セオドライト

水平角

読定単位 1 秒 10 秒以下

対回数 2 3

輪 郭 0 度、90 度 0 度、60 度、120 度

観測差 10 秒以内 20 秒以内

倍角差 20 秒以内 30 秒以内

鉛直角

読定単位 1 秒 10 秒以下

対回数 1 1

定数差 15 秒以内 30 秒以内

39

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(2)TS法による距離の測定

備考 1.1セットとは、1視準 2回の読定をいう。

2.(略)

(3)直接水準測量法における高低差の観測及び距離の測定

(略)

備考 (略)

(4)GNSS法による基線ベクトルの観測

1)観測方法

観測は、干渉測位方式で行うものとし、次表により観測値の良否を点検できるよう、セッション

を形成するものとする。

区 分 測 定 方 法

環閉合差による方法 環閉合差を求め点検するための異なるセッションの組み合わせ

による点検のための多角網を形成する。

重複辺による方法 異なるセッションによる点検のため、1辺以上の重複観測を行

う。

備考 1.セッションとは、同時に複数のGNSS測量機を用いて行う観測のことをいう。

2.一つのセッションで観測を行う場合には、点検のため1辺以上の重複観測を行う。

2)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

(略)

3)観測時間等

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

3.(略)

4)GNSS衛星の条件

使 用 衛 星

項 目 GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角 15゜を標準とする

衛星の数 スタティック法 4 衛星以上 5 衛星以上

短縮スタティック法 5 衛星以上 6 衛星以上

備考 1.(略)

2.(略)

3.(略)

4.(略)

5)検測

(略)

区 分 光波測距儀及びトータルステーションによる測定

セ ッ ト 数 2 セット

1セット内の測定値の較差 20mm

各セットの平均値の較差 20mm

測定の単位 mm

40

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(解説)

・(1)、(2)において、セオドライト及びトータルステーションの区分の呼称、観測及び測定

条件を改正した。(1)の観測差、倍角差、定数差及び(2)の較差においては、公共測量作業

規程の準則第38条第一号の2級基準点測量を参考に改正した。

・(2)備考1において、1セットについての定義を改正した。1セットとは、1回の視準で2

回の距離測定のことのため、2セットは、計4回の距離測定が必要となる。

・(4)1)において、「多角網路線が閉じた多角形を形成するものとする。」と規定されていた

が、GNSS法において、路線が閉じない場合(単路線)もあるため、環閉合差及び重複辺によ

る点検ができるよう、「セッションを形成するものとする。」と改正した。

・GNSS測量機による多角測量方式においては、複数のセッションにより多角網を形成し、重複辺

の較差あるいは異なるセッションを含む環閉合差を点検することで、観測値の点検を行うが、平成2

7年に電子基準点のみを与点とした手法が規定されていることから、複数のGNSS測量機を用いた

一つのセッションのみによる観測が増えてくることが想定される。一つのセッションのみで観測を実

施した場合は、重複辺あるいは環閉合差による点検が不可能となるため、電子基準点間の閉合差のみ

点検すれば良いと解釈しがちであるが、電子基準点間閉合差の制限値は、長距離観測を含むため、本

来のGNSS測量機の精度と比較して大きな値となっており、電子基準点間の路線に含まれる短距離

基線や、電子基準点間の路線に含まれない基線に過誤があった場合、発見することが難しい。このた

め、一つのセッションで観測を行う場合にも1辺以上の重複観測による点検を実施することと、別表

第8(2)1)備考10に規定した。なお、この点検は通常の点検測量とは異なり、同日に実施して

も問題ない。この点検は、運用基準第25条第8項及び別表第10の点検測量ではないので、通常の

点検測量も必要であることに注意すること。また、1辺以上の重複観測による点検と点検測量の観測

基線は、運用基準第25条第8項及び別表第10の点検測量の基線とは、別の基線にすること。 ・公共測量作業規程の準則第37条第2項第二号チにおいても、「15度を標準とする。」と規定

されていることから、(4)4)を「15°以上を標準」から「15°を標準」と改正した。

また、備考1において、「最低高度角は、上空視界の確保が困難な場合は30°まで緩和する

ことができる。」と定義されているが、地籍図根多角測量(別表第11(3)4))においては、

削除されている。これは、地籍図根三角測量では、電子基準点のみを与点とするGNSS法が多

くなることが想定され、この場合、長時間測定するので、上空視界の確保が必要となる。マルチ

パスの影響を避けるため最低高度角15°を標準としているが、やむを得ない場合においては3

0°まで緩和できることとしている。

別表第7 偏心要素の測定方法〔第25条〕

(1)偏心角の測定

(略)

(2)偏心距離の測定

偏心距離 器械・器具及び測定方法 測定の単位 測定値の制限

30cm 未満 スケールによって測定する。 mm ―

30cm 以上

2m 未満

鋼巻尺を用いて、2回読定、往復測

定により測定する。 mm

(鋼巻尺)

往復の較差 5mm 以内

2m 以上

50m 末満

鋼巻尺を用いて、2回読定、往復測

定により測定する。

地形等の状況により、光波測距儀又

はトータルステーションを用いて別

表第6により測定する。

mm

50m 以上

光波測距儀又はトータルステーショ

ンを用いて別表第6により測定す

る。

41

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(3)本点と偏心点間の比高の測定

備考 1.(略)

2.(略)

(4)GNSS法を利用した偏心要素の測定

(略)

偏心距離 器械・器具及び測定方法 測定の単位 測定値の制限

30cm未満 独立水準器を用いて、偏心点と本点を

同標高に設置する。 - -

30cm以上

別表第6による。ただし、器械高の異

なる片方向の鉛直角観測とすること

ができる。

mm 比高の較差

100mm 以内

(解説)

・(1)においては、公共測量作業規程の準則第39条第三号を参考としているが、(2)及び(3)

は相違があったため、公共測量作業規程の準則第39条第四号及び第五号を参考に改正した。

別表第8 地籍図根三角測量の計算の単位及び計算値の制限〔第25条〕

(1)TS法

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

3.(略)

(2)GNSS法

1)環閉合差及び各成分の較差の制限

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

3.(略)

4.(略)

5.(略)

6.(略)

7.(略)

8.基線解析は、観測図に基づき計算の出発点に指定した与点の成果(与点の成果に基づく座

標値)を固定値として、必要な基線について実施する。以後の基線解析は、これによって求

められた値を固定座標として実施する。また、第二セッション、第三セッション等の固定座

標値は前セッションから引き継いで基線解析を実施する。

9.(略)

10.一つのセッションで観測を行う場合には、1 辺以上において重複辺の較差による点検を

行う。

2)電子基準点のみの場合

観測値の点検箇所等 点検数等

重複辺の較差、環閉合差の点検 1)の環閉合差及び各成分の較差の制限に準じる。

42

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備考 (略)

3)電子基準点間の閉合差の制限

(略)

電子基準点間の閉合差の点検路線数 使用した電子基準点数-1(点検路線は最少辺数路線とす

る)

(解説)

・(2)1)備考8の「与点の成果に基づく座標値」と改正されたが、経緯度、座標値、楕円体

高を含んだ総称である。

基線解析の固定点の経度と緯度は、成果表の値(以下「元期座標」という。)又は国土地理院

が提供する地殻変動補正パラメータを使用してセミ・ダイナミック補正を行った値(以下「今期

座標」という。)とする。なお、セミ・ダイナミック補正に使用する地殻変動補正パラメータは、

測量の実施時期に対応したものを使用するものとする。以後の基線解析は、固定点の経度と緯度

を用いて求められた経度と緯度を順次入力するものとする。

基線解析の固定点の楕円体高は、成果表の標高とジオイド高から求めた値とし、元期座標又は

今期座標とする。ただし、固定点が電子基準点の場合は、成果表の楕円体高(元期座標)又は今

期座標とする。以後の基線解析は、固定点の楕円体高を用いて求められた楕円体高を順次入力す

るものとする。ただし、電子基準点の楕円体高は、成果表の楕円体高とする。

・(2)1)備考10は、別表第6(4)1)備考2と同様の規定である。

GNSS測量機による多角測量方式においては、複数のセッションにより多角網を形成し、重複辺

の較差あるいは異なるセッションを含む環閉合差を点検することで、観測値の点検を行うが、平成2

7年に電子基準点のみを与点とした手法が規定されていることから、複数のGNSS測量機を用いた

一つのセッションのみによる観測が増えてくることが想定される。一つのセッションのみで観測を実

施した場合は、重複辺あるいは環閉合差による点検が不可能となるため、電子基準点間の閉合差のみ

点検すれば良いと解釈しがちであるが、電子基準点間閉合差の制限値は、長距離観測を含むため、本

来のGNSS測量機の精度と比較して大きな値となっており、電子基準点間の路線に含まれる短距離

基線や、電子基準点間の路線に含まれない基線に過誤があった場合、発見することが難しい。このた

め、一つのセッションで観測を行う場合にも1辺以上の重複観測による点検を実施することと、(2)

1)備考10に規定した。なお、この点検は通常の点検測量とは異なり、同日に実施しても問題ない。

この点検は、運用基準第25条第8項及び別表第10の点検測量ではないので、通常の点検測量も必

要であることに注意すること。また、1辺以上の重複観測による点検と点検測量の観測基線は、運用

基準第25条第8項及び別表第10の点検測量の基線とは、別の基線にすること。

・(2)2)については、公共測量における「電子基準点のみを既知点とした基準点測量マニュ

アル」第15条第2項を参考にし、「最短路線」を「最少辺数路線」と改正した。この最少辺数

は、平均図で確認すること。ただし、辺数が同じ場合は路線長が最短のものについて行うこと。

また、点検計算に使用する既知点の経緯度、楕円体高は、今期座標とする。

43

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別表第9 地籍図根三角測量における厳密網平均計算又は三次元網平均計算に用いる重量〔第25条〕

TS法

角 の 重 量 1.0

距離の重量の係数

長さに関係しない標準偏差(Ms) 10mm

長さによる誤差の比例定数(γ) 5×10-6

角の一方向の標準偏差(Mt) 3.5 秒

GNSS法

1.平均計算に用いる重量は、次のいずれかの分散・共分散行列の逆行列を用

いる。

①基線解析で求められた値

②水平及び高さの分散を固定値として求めた値

分散は、dN=(0.004m)2 、dE=(0.004m)2 、dU=(0.007m)2

とする。

2.電子基準点のみを与点としたGNSS法の場合は、セミ・ダイナミック補

正を行うものとする。

(解説)

・角の一方向の標準偏差(Mt)を、公共測量作業規程の準則第43条第3項第一号イを参考に、2

級基準点測量と整合を図ることを目的とし、4.5 秒から 3.5 秒に改正した。

44

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別表第10 地籍図根三角測量における点検測量の較差の許容範囲〔第25条〕

(1)点検値と採用値の較差の許容範囲

1)TS法

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

2)GNSS法

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

3.偏心点で観測した場合は、偏心要素の点検測量を行うものとする。なお、許容範囲は1)

によるものとする。

(2)点検測量実施箇所の選定等

実施箇所の選定

点検測量の数量はTS法による場合には新設点数の 10%以上(小数点以下切り上

げ)、GNSS法による場合には平均図において採用する観測辺数の総和の 10%

以上(小数点以下切り上げ)とし、網平均計算結果を基に次の事項を勘案して実

施箇所を選定する。

1.観測時の状況等(GNSSアンテナタワー使用観測箇所、偏心観測箇所等)

2.点検計算結果(方向角及び座標の閉合差、環閉合差、重複辺の較差)

3.網平均計算結果(新点位置の標準偏差)

比較点検計算

1.比較点検計算は、(点検値)-(採用値)とする。

2.TS 法による鉛直角の点検測量は、片方向の観測とし、同一方向の採用値との

比較を行う。ただし、許容範囲を超過した場合は、正反観測の平均値による比

較を行う。

点検測量手簿等

の整理

1.観測手簿等上部余白部には点検測量と記載する。

2.観測手簿等任意の箇所に比較点検計算結果を整理する。

再測等 点検測量の較差が許容範囲を超過した場合は、原因を調査し、再測又は観測点を

追加して観測を行うなど必要な処置を講じる。

備 考 点検測量実施後は、観測値等の点検を本作業と同様に実施する。

(解説)

・(1)2)備考3において、偏心観測をした場合は、偏心要素の点検測量を実施するものと規

定した。偏心要素の点検測量は、運用基準第25条第8項及び別表第10(2)の点検測量数に

は含まないものとするので注意すること。

・(2)において、点検測量の数量について、「概ね10%」としていたが、曖昧な表現であった

ため、「10%以上」と数量を明確にした。点検測量の数量算出方法は、TS法においては、旧

来通り新設した点数によるが、GNSS法においては、平均図において採用した観測辺数(三次

元網平均計算において採用した基線数)の総和の10%以上とし、TS法とGNSS法との点検

数量の算出方法を分けた。点検測量数量については、「小数点以下切り上げ」としていることに

注意すること。

また、点検測量実施時期は、「網平均計算結果を基に」としていることから、網平均計算前に

点検測量を実施することは出来ない。必ず、網平均計算後に実施することと改正した。点検測量

を網平均計算前に実施しているケースが多いことから、このように改正した。

45

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別表第11 地籍図根多角測量における観測及び測定の方法〔第31条〕

(1)TS法による角の観測

備考 精度区分が甲及び乙一において、基準方向を含む測点間距離が 200m を超える場合は、(1)(2)

の甲一及び甲二区分によるものとする。

(2)TS法による距離の測定

区 分 精 度 区 分

甲一及び甲二 甲三及び乙一 乙二及び乙三

セオドライト及び

トータルステーシ

ョンの種類

1級又は 2 級トータル

ステーション、1 級又は

2 級セオドライト

1級又は 2 級トータル

ステーション、1 級又は

2 級セオドライト

1級又は 2 級トータル

ステーション、1 級又は

2 級セオドライト

水平角

読定単位 10 秒以下 10 秒以下 10 秒以下

対回数 2 1 1

輪 郭 0 度、90 度 任 意 任 意

較 差 - 20 秒以内 40 秒以内

観測差 20 秒以内 - -

倍角差 30 秒以内 - -

鉛直角

読定単位 10 秒以下 10 秒以下 10 秒以下

対回数 1 1 1

定数差 30 秒以内 60 秒以内 60 秒以内

区分 規 格 条 件 精 度 区 分

甲 一 甲 二 甲 三 乙 一 乙 二 乙 三

光波測距儀及び

トータルステーション

1 器差補正 要 要 要 要 要 要

2 気象補正 要 要 要 要 要 要

3 傾斜補正 要 要 要 要 要 要

4 測定単位 ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜

5 読取回数 2 セット 2セット 2セット 2セット 2 セット 2 セット

6

1セット内の測定値

の較差 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜

各セットの平均値

の較差 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜

鋼巻尺

7 器差補正 要 要 否 否 否 否

8 温度補正 要 要 否 否 否 否

9 傾斜補正 要 要 要 要 要 要

10 張力計の使用 要 要 否 否 否 否

11 往復測定 要 要 要 要 要 要

12 往復測定の較差 1 ㎜√S 2 ㎜√S 4 ㎜√S 6 ㎜√S 10 ㎜√S 10 ㎜√S

13 読取単位 ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜

14 片道の読取回数 2 2 1 1 1 1

15 片道の読取値の較差 3 ㎜ 3 ㎜ - - - -

事共

通項

16 基準面からの高さの

補正 要 要 要 要 否 否

17 s/S補正 要 要 要 要 否 否

46

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備考 1.1セットとは、1視準 2回の読定をいう。

2.乙二又は乙三における温度補正、基準面からの高さの補正及び s/S補正で否については、

影響が著しい場合には、要とするものとする。

3.較差の欄のSは、測定距離(m単位)とする。

4.往復測定は、独立 2回測定とすることができる。

5.乙二、乙三地区において、水平距離補正機能付光波測距儀を使用する場合には、標高を求

めない場合に限り鉛直角、器械高及び目標の視準高を測定して傾斜補正を行ったものとみな

す。

6.乙二、乙三地区において、標高を求めない場合の傾斜補正に用いる鉛直角は、正方向のみ

によることができる。

(3)GNSS法による基線ベクトルの観測

1)観測方法

観測は、干渉測位方式で行うものとし、次表により観測値の良否を点検できるよう、セッシ

ョンを形成するものとする。

(略)

2)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

(略)

3)観測時間等

(略)

※RTK法においては各GNSS衛星から固定局と移動局で同時に受信した信号による 1 回の基線解

析を、ネットワーク型 RTK 法においては移動局で受信した信号と配信事業者から提供される情報を

利用した 1回の基線解析結果を、1エポックとする。

備考 1.(略)

2.(略)

3.(略)

4)GNSS衛星の条件

使 用 衛 星

項 目 GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角 15°を標準とする

衛星の数

スタティック法 4 衛星以上 5 衛星以上

短縮スタティック法

5 衛星以上 6 衛星以上 キネマティック法

RTK法及びネットワーク型RTK法

備考 1.GLONASS衛星を用いて観測する場合は、GPS衛星及びGLONASS衛星を、

それぞれ 2衛星以上用いること。

2.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

5)検測

(略)

(4)電子基準点のみを与点とするGNSS法

1)基線ベクトルの観測方法

(略)

47

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2)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

(略)

3)観測時間等

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

3.(略)

4)GNSS衛星の条件

使 用 衛 星

項 目 GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角 15゜を標準とする

衛星の数 スタティック法 4 衛星以上 5 衛星以上

短縮スタティック法 5 衛星以上 6 衛星以上

備考 1.(略)

2.(略)

3.(略)

4.(略)

(解説)

・(1)、(2)において、セオドライト及びトータルステーションの区分の呼称、観測及び測定

条件を改正した。甲一及び甲二区分の定数差においては、公共測量作業規程の準則第38条第一

号の3級基準点の高度定数差の較差を参考に、60 秒以内から 30 秒以内に改正した。

・(2)備考1において、1セットについての定義を改正した。1セットとは、1回の視準で2

回の距離測定のことのため、2セットは、計4回の距離測定が必要となる。

・(3)1)において、「多角網路線が閉じた多角形を形成するものとする。」と規定されていた

が、GNSS法において、路線が閉じることはない場合(単路線)もあるため、環閉合差及び重

複辺による点検ができるよう、「セッションを形成するものとする。」と改正した。

・(3)3)※において、1エポックの定義を分かりやすい内容に改正した。

・現在の衛星の配置数が増加していること等により、基線長が 10km 以下の 60 分以内で観測を行

う場合には、比較的狭い上空視界の範囲でも観測が可能なことから、(3)4)備考の最低高度

角の緩和についての規定を削除した。

・公共測量作業規程の準則第37条第2項第二号チにおいても、「15度を標準とする。」と規定

されていることから、(3)4)及び(4)4)を「15°以上を標準」から「15°を標準」

と改正した。

また、(3)4)備考1に、「最低高度角は、上空視界の確保が困難な場合は30°まで緩和す

ることができる。」と規定されていたが削除され、(4)4)備考1では旧来のままとなっている。

これは、電子基準点のみ与点とするGNSS法の場合、長時間測定するので、上空視界の確保が

必要となる。マルチパスの影響を避けるため最低高度角15°を標準としているが、やむを得な

い場合においては30°まで緩和できることとしている。

48

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別表第12 地籍図根多角測量の計算の単位及び計算値の制限〔第31条及び第55条〕

(1)TS法

(略)

備考 1.(略)

2.与点で方向角の取付観測がなく、かつ、厳密網平均計算の場合は、方向角の閉合差の点検

を省略できるものとする。

3.(略)

(2)GNSS法

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

3.(略)

4.(略)

5.(略)

6.(略)

7.(略)

8.基線解析は、観測図に基づき計算の出発点に指定した与点の成果(与点の成果に基づく座

標値)を固定値として、必要な基線について実施する。以後の基線解析は、これによって求

められた値を固定座標として実施する。また、第二セッション、第三セッション等の固定座

標値は前セッションから引き継いで基線解析を実施する。

9.(略)

(3)電子基準点のみを与点とするGNSS法

1)観測値の点検

2)点検計算の制限

①電子基準点間の閉合差の制限

(略)

②環閉合差及び各成分の較差の制限

(略)

3)地籍図根点等との整合の確認

(略)

観測値の点検箇所等 点検数等

重複辺の較差、環閉合差の点検 (2)のGNSS法、計算値の制限値の制限に準じる。

電子基準点間の閉合差の点検路線数 使用した電子基準点数-1(点検路線は最少辺数路線とす

る。)

(解説)

・(1)備考2において、「与点で方向角の取付観測がなく、かつ、」という文言を追加し、厳密

網平均計算の場合の方向角の閉合差の点検を省略できる条件を定義した。このことにより、与点

で方向角の取付観測した際は、方向角の閉合差の点検は省略できないことに注意すること。

・(2)備考8の「与点の成果に基づく座標値」とは、経緯度、座標値、楕円体高を含んだ総称

である。

・(3)1)については、電子基準点のみを既知点とした基準点測量マニュアル第15条第2項

を参考にし、最短路線を最少辺数路線と改正した。この最少辺数は、平均図で確認すること。

49

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別表第13 地籍図根多角交会点の計算の単位及び計算値の制限〔第31条〕

(削除)

(解説)

・準則第五十五条(地籍図根多角交会点の選定)を削除したことにより、別表第13も削除した。

別表第14 地籍図根多角測量における厳密網平均計算又は三次元網平均計算に用いる重量

〔第31条及び第34条〕

備考 細部図根測量において厳密網平均計算に用いる重量のうち角の一方向の標準偏差(Mt)について

は、精度区分に関わらず 13.5 秒とする。

TS法

角 の 重 量 1.0

距離の重量の係数

長さに関係しない標準偏差(Ms) 10mm

長さによる誤差の比例定数(γ) 5×10-6

角の一方向の標準偏差(Mt) 4.5 秒(甲1及び甲2)

13.5 秒(甲1及び甲2以外)

GNSS法

平均計算に用いる重量は、次のいずれかの分散・共分散行列の逆行列を用いる。

①基線解析で求められた値

②水平及び高さの分散を固定値として求めた値

分散は、dN=(0.004m)2 、dE=(0.004m)2 、dU=(0.007m)2 とする。

(解説)

・角の一方向の標準偏差(Mt)を、公共測量作業規程の準則第43条第3項第一号イの3級基準点

測量を参考に、甲一及び甲二区分については、4.5 秒とした。甲一及び甲二区分は、できる限り

公共測量と整合を図るためである。それ以外の精度区分は旧来通り 13.5 秒としている。

・多角測量法の細部図根測量の別表第18(1)備考3において、厳密網平均計算に用いる重量

は、別表第14によると規定されたため、備考に、関わる内容を規定した。

50

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別表第15 地籍図根多角測量における点検測量の較差の許容範囲〔第31条〕

(1)点検値と採用値の較差の許容範囲

1)TS法

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

3.乙二、乙三地区で標高を求めない場合の距離の点検は、水平距離で行うことができる。こ

の場合の鉛直角の点検は省略できる。

2)GNSS法

備考 1.(略)

2.(略)

(2)点検測量実施箇所の選定等

実施箇所の選定

点検測量の数量は新設点数の 5%以上(小数点以下切り上げ)とし、網平均計

算結果を基に次の事項を勘案して実施箇所を選定する。

1.観測時の状況等(GNSSアンテナタワー使用観測箇所、偏心観測箇所等)

2.点検計算結果(方向角及び座標の閉合差、環閉合差、重複辺の較差)

3.網平均計算結果(新点位置の標準偏差)

比較点検計算

1.比較点検計算は、(点検値)-(採用値)とする。

2.TS 法による鉛直角の点検測量は、片方向の観測とし、同一方向の採用値と

の比較を行う。ただし、許容範囲を超過した場合は、正反観測の平均値に

よる比較を行う。

点検測量手簿等

の整理

1.観測手簿等上部余白部には点検測量と記載する。

2.観測手簿等任意の箇所に比較点検計算結果を整理する。

再測等 点検測量の較差が許容範囲を超過した場合は、原因を調査し、再測又は観測点

を追加して観測を行うなど必要な処置を講じる。

備 考 点検測量実施後は、観測値等の点検を本作業と同様に実施する。

(解説)

・別表第11(2)備考5において、「乙二、乙三地区において、水平距離補正機能付光波測距儀を

使用する場合には、標高を求めない場合に限り鉛直角、器械高及び目標の視準高を測定して傾斜補正

を行ったものとみなす。」と改正されたことから、点検測量において、乙二、乙三地区で標高を求め

ない場合に限り、水平距離で点検を行うことができ、この場合の鉛直角の点検は省略できるものと(1)

1)備考3で規定した。

・(2)において、点検測量の数量について、「概ね5%」としていたが、曖昧な表現であったた

め、「5%以上」と数量を明確にした。点検測量数量については、「小数点以下切り上げ」として

いることに注意すること。

また、点検測量実施時期は、「網平均計算結果を基に」としていることから、網平均計算前に

点検測量を実施することは出来ない。必ず、網平均計算後に実施することと改正した。点検測量

を網平均計算前に実施しているケースが多いことから、このように改正した。

51

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表第16 細部図根点等の密度の標準(1 ㎢当たり点数)〔第33条〕

備考 1.水田・畑(果樹園等省く)等とは、見通しが良好な地区をいう。

2.山林部及び山林部周辺等とは、樹木その他の障害により見通しが比較的困難な地区をいう。

3.市街地及び市街地周辺等とは、家屋密集その他の状況により見通し距離が著しく短い地区

をいう

4.平坦とは 3度以下、中傾斜とは 3~15 度、急傾斜とは概ね 15 度以上の傾斜区分をいう。

5.1㎢当たり点数とは、1㎢当たりの区域における細部図根点等の数をいう。

(削除)

6.航測図根点等は、必要に応じてこの標準より密度を増加させるものとする。

7.地籍図根多角測量を省略した場合には、交点等におおよそ 200mの間隔で地籍図根多角点

に準じた標識を設置するものとする。なお、本表の配点密度をもって細部図根点の標準設置

点数とする。

8.単点観測法により一筆地測量を実施する場合、必要に応じて地籍図根多角測量を省略し細

部図根点を設置することができるものとする。

9.1㎢当たりの細部図根点の設置点数は、本表の密度の標準点数から別表第1、(1)及び

(2)の地籍図根点等の密度の標準点数を減じた数を標準とする。

見通し区分 傾斜区分 1/250 1/500 1/1000 1/2500 1/5000

水田・畑(果樹園等省く)等

平坦 320~480 320~480 189~283 80~120 35~53

中傾斜 395~593 395~593 222~332 98~148 44~66

急傾斜 500~750 500~750 320~480 142~212 66~98

山林部及び山林部周辺等

平坦 394~592 394~592 264~396 110~166 51~77

中傾斜 500~750 500~750 320~480 142~212 61~91

急傾斜 653~979 653~979 500~750 189~283 80~120

市街地及び市街地周辺等

平坦 1280~1920 500~750 290~434 ――― ―――

中傾斜 1580~2370 653~979 320~480 ――― ―――

急傾斜 2000~3000 889~1333 500~750 ――― ―――

(解説)

・細部図根点等は、公共用地など広大な土地が存在する図郭などで、細部図根点等の設置が不要

な箇所もあり、1図郭毎の点配置密度の解釈が難しいこと等から、配置密度は1㎢当たりに改定

した。

・細部図根点等の設置点数は、運用基準第5条第2項に規定する縮尺区分ごとの一筆地の平均面

積による単位面積の筆数に対して、後続の一筆地測量の与点として無駄なく使用できるように、

改正前の点配置密度及び現在の実施状況による新点間距離並びに4級基準点測量の新点間距離

50mと最短距離20m以上を基準にして定めた。なお、都市部や山林部の配置密度は、視通の

良い田畑等のように、周囲全方向に存在する筆界点を放射状に測定することは、家屋や樹木等の

障害でできないため、細部図根点等を境界線上や道路等の長狭物上に設置する方法で配置密度を

定めた。

・地籍図根多角測量を省略した場合には、一次の細部多角点について、交点等におおよそ 200mの

間隔で地籍図根多角点に使用する標識を設置して、設置状況の写真を別表第5備考9により、標識の

設置状況を撮影すること。

・地籍図根多角測量を省略した場合の細部図根点の設置点数は、別表第16の点数が細部図根点

の標準点数となる。

52

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・単点観測法により一筆地測量を実施する場合は、周囲に細部図根点等が3点以上必要であるため必

要に応じて、地籍図根多角点を設置せず細部図根点のみを設置することができる。この場合の設置点

数は別表第16が細部図根点の密度となる。なお、単点観測法地区に細部図根点を設置する場合は、

ネットワーク型RTK法による方法が望ましい。

・別表第16で定める配置密度は、1㎢当たりの整形な作業範囲において、運用基準第5条第2

項に規定する縮尺区分ごとの一筆地の平均面積による筆数の一筆地測量を行うために必要な標

準点数を定めている。したがって、作業計画区域の面積が 0.5 ㎢以下の場合や、土地の筆数が過

多、過小の場合など、地形、地物、見通し障害等の状況、隣接する地域における地籍測量の精度

等により別表第 1 に規定する量より増減することがあるため、点の配置密度に大きな差異が発生

する場合には、発注機関と協議を行うこととする。

別表第17 多角測量法による細部図根測量における観測及び測定の方法〔第34条及び第35条〕

(1)TS法による角の観測

備考 1.精度区分が甲及び乙一において、基準方向を含む測点間距離が 200m を超える場合は、別表

第 11 の(1)(2)の甲一及び甲二区分によるものとする。

2.乙二、乙三地区において、地籍図根多角測量を省略して細部図根測量を行う場合には、1

級又は 2級トータルステーション、1級又は 2級セオドライトを使用することとする。

(2)TS法による距離の測定

区 分

精 度 区 分

甲 一 甲 二 甲 三 乙一、乙二及

び乙三

乙二及び乙

セオドライト及び

トータルステーシ

ョンの種類

1級又は 2 級

トータルス

テーション、

1 級又は 2 級

セオドライ

1級又は 2 級

トータルステ

ーション、1 級

又は 2 級セオ

ドライト

1級又は 2級

トータルス

テーション、

1 級又は 2 級

セオドライ

1級又は 2級

トータルス

テーション、

1 級又は 2 級

セオドライ

3 級トータル

ステーショ

ン、3 級セオ

ドライト

水平角

読定単位 10 秒以下 10 秒以下 10 秒以下 20 秒以下 20 秒以下

対回数 2 2 1 1 2

輪 郭 0 度、90 度 0 度、90 度 任 意 任 意 0 度、90 度

較 差 - - 20 秒以内 40 秒以内 -

観測差 20 秒以内 40 秒以内 - - 40 秒以内

倍角差 30 秒以内 60 秒以内 - - 60 秒以内

鉛直角

読定単位 10 秒以下 10 秒以下 10 秒以下 20 秒以下 20 秒以下

対回数 1 1 1 1 1

定数差 60 秒以内 60 秒以内 60 秒以内 60 秒以内 60 秒以内

区分 規 格 条 件 精 度 区 分

甲 一 甲 二 甲 三 乙 一 乙 二 乙 三

光波測距儀及び

トータルステーション

1 器差補正 要 要 要 要 要 要

2 気象補正 要 要 要 要 要 要

3 傾斜補正 要 要 要 要 要 要

4 測定単位 ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜

5 読取回数 2 セット 2セット 2セット 2セット 2 セット 2 セット

6 1セット内の測定値

の較差 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜

53

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備考 1.1セットとは、1視準 2回の読定をいう。

2.(略)

3.(略)

4.乙二、乙三地区において、水平距離補正機能付光波測距儀を使用する場合には、鉛直角、

器械高及び目標の視準高を測定して傾斜補正を行ったものとみなす。

5.乙二、乙三地区において、傾斜補正に用いる鉛直角は、正方向のみによることができる。

(3)GNSS法による基線ベクトルの観測

1)観測方法

観測は、干渉測位方式で行うものとし、次表により観測値の良否を点検できるよう、セッション

を形成するものとする。

(略)

2)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

(略)

3)観測時間等

(略)

備考 (略)

4)GNSS衛星の条件

使 用 衛 星

項 目 GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角 15°を標準とする

衛星の数

スタティック法 4 衛星以上 5 衛星以上

短縮スタティック法

5 衛星以上 6 衛星以上 キネマティック法

RTK法及びネットワーク型RTK法

備考 1.GLONASS衛星を用いて観測する場合、GPS衛星及びGLONASS衛星を、それ

ぞれ 2衛星以上用いること。

2.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

5)検測

(略)

各セットの平均値の

較差 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜ 20 ㎜

7 器差補正 要 要 否 否 否 否

8 温度補正 要 要 否 否 否 否

9 傾斜補正 要 要 要 要 要 要

10 張力計の使用 要 要 否 否 否 否

11 往復測定 要 要 要 要 要 要

12 往復測定の較差 1㎜√S 2 ㎜√S 4 ㎜√S 6 ㎜√S 10 ㎜√S 10 ㎜√S

13 読取単位 ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜

14 片道の読取回数 2 2 1 1 1 1

15 片道の読取値の較差 3 ㎜ 3 ㎜ - - - -

共通

事項

16 基準面からの高さの補正 要 要 要 要 否 否

17 s/S補正 要 要 要 要 否 否

54

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(解説)

・近年の測量機器が高性能化してため、多角路線長 500m以上、500m未満の区別を撤廃し、500

m以上の規定に統一した。

・(1)、(2)において、セオドライト及びトータルステーションの区分の呼称、観測及び測定

条件を改正し、乙二及び乙三区分のみ3級トータルステーション、3級セオドライトを使用でき

ることとした。

・(1)備考2において、乙二、乙三地区に限り、地籍図根多角測量を省略して細部図根測量を行う

場合には、1級又は2級トータルステーション、1級又は2級セオドライトを使用することと規定した。

・(2)備考1において、1セットについての定義を改正した。1セットとは、1回の視準で2

回の距離測定のことのため、2セットは、計4回の距離測定が必要となる。

・(3)1)において、「多角網路線が閉じた多角形を形成するものとする。」と規定されていた

が、GNSS法において、路線が閉じることはない場合(単路線)もあるため、環閉合差及び重

複辺による点検ができるよう、「セッションを形成するものとする。」と改正した。

・公共測量作業規程の準則第37条第2項第二号チにおいても、「15度を標準とする。」と規定

されていることから、(3)4)を「15°以上を標準」から「15°を標準」と改正した。

・現在の衛星の配置数が増加していること等により、基線長が 10km 以下の 60 分以内で観測を行

う場合には、比較的狭い上空視界の範囲でも観測が可能なことから、(3)4)備考の最低高度

角の緩和についての規定を削除した。

・平成26年度の検討作業において、新測量機器の動向調査等から地籍測量(細部図根測量:乙

三)の精度を有したデジタル方位距離計の製造が中止されていることが判明したため、運用基準

第32条にてデジタル方位距離計に関わる文言を削除したため、別表第17においても、デジタ

ル方位距離計に関わるものは削除した。

別表第18 多角測量法による細部図根測量の計算の単位及び計算値の制限〔第34条〕

(1)TS法

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

3.厳密網平均計算による場合、単位重量の標準偏差は 20 秒、水平位置の標準偏差は 100mm を

それぞれ標準とする。また、閉合比の制限は、甲一、甲二及び甲三においては 1/3,000 を標

準とし、乙一、乙二及び乙三においては 1/2,000 を標準とする。なお、厳密網平均計算に用

いる重量は、別表第 14 によるものとする。

4.(略)

5.(略)

6.与点で方向角の取付観測がなく、かつ、厳密網平均計算の場合は、方向角の閉合差の

点検を省略できるものとする。

(2)GNSS法

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

3.三次元網平均計算に用いる重量は、別表第 14 によるものとする。

(解説)

・別表第17において、500m以上と 500m未満の区別を撤廃し、500m以上の規定に統一したた

め、同様に別表第18のおいても区別を撤廃し、500m以上の規定に統一した。

・これまで多角測量法による細部図根測量の厳密網平均計算の重量が規定されてなかったため、

(1)備考3において、別表第14(地籍図根多角測量)を使用することとした。

55

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・(1)備考6が追加されたことにより、地籍図根多角測量同様に厳密網平均計算の場合の方向

角の閉合差の点検を省略できる条件を定義した。このことにより、与点で方向角の取付観測した

際は、方向角の閉合差の点検は省略できないことに注意すること。

・運用基準第32条にてデジタル方位距離計に関わる文言を削除されたため、別表第18におい

ても、デジタル方位距離計に関わる文言は削除した。

別表第19 細部図根測量における点検測量の較差の許容範囲〔第34条、第35条〕

(1)点検値と採用値の較差の許容範囲

1)TS法

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

3.乙二、乙三地区において、距離の点検は、水平距離で行うことができる。この場合の鉛

直角の点検は省略できる。

2)GNSS法

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

(2)点検測量実施箇所の選定等

実施箇所の選定

点検測量の数量は新設点数の 2%以上(小数点以下切り上げ)とし、網平均計算

結果を基に次の事項を勘案して実施箇所を選定する。

1.観測時の状況等(GNSSアンテナタワー使用観測箇所、偏心観測箇所等)

2.点検計算結果(方向角及び座標の閉合差、環閉合差、重複辺の較差)

3.網平均計算結果(新点位置の標準偏差)

比較点検計算

1.比較点検計算は、(点検値)-(採用値)とする。

2.TS 法による鉛直角の点検測量は、片方向の観測とし、同一方向の採用値との

比較を行う。ただし、許容範囲を超過した場合は、正反観測の平均値による比

較を行う。

点検測量手簿等

の整理

1.観測手簿等上部余白部には点検測量と記載する。

2.観測手簿等任意の箇所に比較点検計算結果を整理する。

再測等 点検測量の較差が許容範囲を超過した場合は、原因を調査し、再測又は観測点を

追加して観測を行うなど必要な処置を講じる。

備 考 点検測量実施後は、観測値等の点検を本作業と同様に実施する。

(解説)

・別表第17(2)備考4において、「乙二、乙三地区において、水平距離補正機能付光波測距儀を

使用する場合には、鉛直角、器械高及び目標の視準高を測定して傾斜補正を行ったものとみなす。」

と改正されたことから、点検測量において、乙二、乙三地区に限り、水平距離で点検を行うことがで

き、この場合の鉛直角の点検は省略できるものと(1)1)備考3で規定した。

・運用基準第32条にてデジタル方位距離計に関わる文言を削除されたため、別表第19におい

ても、デジタル方位距離計に関わる文言は削除した。

・(2)において、点検測量の数量について、「概ね2%」としていたが、曖昧な表現であったた

め、「2%以上」と数量を明確にした。点検測量数量については、「小数点以下切り上げ」として

いることに注意すること。

56

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また、点検測量実施時期は、「網平均計算結果を基に」としていることから、網平均計算前に

点検測量を実施することは出来ない。必ず、網平均計算後に実施することと改正した。点検測量

を網平均計算前に実施しているケースが多いことから、このように改正した。

別表第20 放射法による細部図根測量における観測及び測定の方法〔第35条〕

(1)TS法による角の観測

備考 (略)

(2)TS法による距離の測定

精度区分 甲一及び甲二 甲三及び乙一 乙二及び乙三

測距器機の種類

光波測距

儀及びト

ータルス

テーショ

鋼巻尺

光波測距

儀及びト

ータルス

テーショ

鋼巻尺

光波測距

儀及びト

ータルス

テーショ

鋼巻尺

器差補正 要 否

気象補正 要 - 要 - 要 -

温度補正 - 要 - 否 - 否

傾斜補正 要

張力計の使用 - 要 - 否 - 否

往復測定 - 要 - 要 - 要

往復測定の較差 -

甲一

5 ㎜以内

甲二

10 ㎜以内

- 20 ㎜以内 -

30 ㎜以内

読取単位 ㎜

片道の読取回数 1 セット 1 回 1 セット 1回 1 セット 1 回

精度区分 甲一及び甲二 甲三及び乙一 乙二及び乙三

セオドライト及び

トータルステーシ

ョンの種類

1級又は2級トータルス

テーション、1 級又は 2

級セオドライト

1級又は 2 級トータルス

テーション、1級又は 2級

セオドライト

1 級、2級又は 3級トータ

ルステーション、1 級、2

級又は 3級セオドライト

水平角

読定単位 10 秒以下 10 秒以下 20 秒以下

対回数 1 1 1

輪 郭 任意 任意 任意

較 差 20(1000/S)秒以内 30(1500/S)秒以内 40(2000/S) 秒以内

観測差 ― ― ―

倍角差 ― ― ―

鉛直角

読定単位 20 秒以下

対回数 1

定数差 90(4500/S)秒以内

57

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1セット内の測

定値の較差 10 ㎜ -

甲三

15 ㎜以内

乙一

20 ㎜以内

- 20 ㎜以内

基準面からの高

さ補正 否

s/S補正 否

測定距離の制限 - 50m以内 - 50m以内 - 50m以内

備考 1.往復測定は、独立 2回測定とすることができる。

2.1セットとは、1視準 2回の読定をいう。

(3)GNSS法による基線ベクトルの観測

1)観測方法

(略)

2)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

(略)

3)観測時間等

(略)

備考 1.地籍図根多角測量の場合と同様に行うものとする(別表第11(3)3))。

2.(略)

3.(略)

4)GNSS衛星の条件

使 用 衛 星

項 目 GPS衛星のみ GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角 15゜を標準とする

衛星の数 5 衛星以上 6 衛星以上

備考 1.GLONASS衛星を用いて観測する場合は、GPS衛星及びGLONASS衛星を、

それぞれ 2衛星以上用いること。

2.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

(解説)

・(1)において、セオドライト及びトータルステーションの区分の呼称と分類を改正した。

・(2)備考2において、1セットについての定義を改正した。1セットとは、1回の視準で2

回の距離測定のことである。

・現在の衛星の配置数が増加していること等により、基線長が 10km 以下の 60 分以内で観測を行

う場合には、比較的狭い上空視界の範囲でも観測が可能なことから、(3)4)備考の最低高度

角の緩和についての規定を削除した。

58

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別表第24 放射法等による一筆地測量における観測及び測定の方法〔第38条〕

(1)TS法による角の観測

備考 1.(略)

2.(略)

3.(略)

4.対回数 0.5 とは、正観測をいう。

(2)TS法による距離の測定

(略)

備考 0.5 セットとは、1視準1回の読定をいう。

(3)GNSS法による基線ベクトルの観測

1)観測方法

(略)

2)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

(略)

3)観測時間等

(略)

備考 1.地籍図根多角測量の場合と同様に行うものとする(別表第11(3)3))。

2.(略)

3.(略)

4)GNSS衛星の条件

使 用 衛 星

項 目 GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角 15゜を標準とする

衛星の数 5 衛星以上 6 衛星以上

精 度 区 分 甲一及び甲二 甲三及び乙一 乙二及び乙三

セオドライト及び

トータルステーシ

ョンの種類

1 級又は 2級トータルス

テーション、

1 級又は 2級セオドライ

1 級又は 2級トータルス

テーション、

1 級又は 2級セオドライ

1 級、2級又は 3級トータ

ルステーション、

1 級、2級又は 3級セオド

ライト

水平角

読定単位 10 秒以下 10 秒以下 20 秒以下

対回数 1[0.5] 1[0.5] 1[0.5]

輪 郭 任意[任意] 任意[任意] 任意[任意]

較 差 20(1000/S)秒以内

[-]

40(2000/S) 秒以内

[-]

60(3000/S) 秒以内

[-]

観測差 -

[-]

[-]

[-]

倍角差 -

[-]

[-]

[-]

鉛直角

読定単位 20 秒以下

対回数 1[0.5]

定数差 90(4500/S)秒以内[-]

59

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備考 1.GLONASS衛星を用いて観測する場合は、GPS衛星及びGLONASS衛星を、そ

れぞれ 2衛星以上用いること。

2.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

(4)デジタル方位距離計法による観測及び測定の方法

(略)

(解説)

・(1)において、セオドライト及びトータルステーションの区分の呼称と分類を改正した。

・(1)において、対回数 0.5 とあるが、0.5 対回の定義がされていなかったので、(1)備考4

に定義した。

・(2)備考において、0.5 セットについての定義を規定した。0.5 セットとは、1回の視準で1

回の距離測定のことである。

・公共測量作業規程の準則第37条第2項第二号チにおいても、「15度を標準とする。」と規定

されていることから、(3)4)を「15°以上を標準」から「15°を標準」と改正した。

・現在の衛星の配置数が増加していること等により、基線長が 10km 以下の 60 分以内で観測を行

う場合には、比較的狭い上空視界の範囲でも観測が可能なことから、(3)4)備考の最低高度

角の緩和についての規定を削除した。

別表第27 多角測量法による一筆地測量における観測及び測定の方法〔第39条〕

(1)TS法による角の観測

(2)TS法による距離の測定

精度区分 甲一及び甲二 甲三及び乙一 乙二及び乙三

測距器機の種類

光波測距

儀及びト

ータルス

テーショ

鋼巻尺

光波測距

及びトー

タルステ

ーション

鋼巻尺

光波測距

及びトー

タルステ

ーション

鋼巻尺

器差補正 要 否

気象補正 要 - 要 - 要 -

温度補正 - 要 - 否 - 否

傾斜補正 要

張力計の使用 - 要 - 否 - 否

往復測定 - 要 - 要 - 要

精 度 区 分 甲一及び甲二 甲三及び乙一 乙二及び乙三

セオドライト及びト

ータルステーション

の種類

1級又は 2級トータルステーション、

1 級又は 2級セオドライト

1 級、2級又は 3級トータルステーション、

1級、2級又は 3級セオドライト

水平角

読定単位 20 秒以下

対回数 1

輪 郭 任 意

較 差 40 秒以内 60 秒以内

鉛直角

読定単位 20 秒以下

対回数 1

定数差 90 秒以内

60

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往復測定の較差 -

甲一

1 ㎜√S 以内

甲二

2 ㎜√S 以内

甲三

4 ㎜√S 以内

乙一

6 ㎜√S 以内

- 10 ㎜√S

以内

読取単位 ㎜

片道の読取回数 1セット 1回 1セット 1回 1セット 1回

1 セット内の測

定値の較差

甲一

10 ㎜以内

甲二

15 ㎜以内

甲三

20 ㎜以内

乙一

30 ㎜以内

- 30 ㎜以内 -

基準面からの高

さ補正 否

s/S 補正 否

備考 1.(略)

2.(略)

3.1セットとは、1視準 2回の読定をいう。

(3)GNSS法による基線ベクトルの観測

1)観測方法

観測は、干渉測位方式で行うものとし、次表により観測値の良否を点検できるよう、セッション

を形成するものとする。

(略)

2)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

(略)

3)観測時間等

(略)

備考 1.地籍図根多角測量の場合と同様に行うものとする(別表第11(3)3))。

2.(略)

4)GNSS衛星の条件

使 用 衛 星

項 目 GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角 15゜を標準とする

衛星の数 5 衛星以上 6 衛星以上

備考 1.GLONASS衛星を用いて観測する場合は、GPS衛星及びGLONASS衛星を、

それぞれ 2衛星以上用いること。

2.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

5)検測

(略)

(4)デジタル方位距離計法による観測及び測定の方法

(略)

備考 (略)

61

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(解説)

・(1)において、セオドライト及びトータルステーションの区分の呼称と分類を改正した。

・(2)備考3において、1セットについての定義を改正した。1セットとは、1回の視準で2

回の距離測定のことである。

・公共測量作業規程の準則第37条第2項第二号チにおいても、「15度を標準とする。」と規定

されていることから、(3)4)を「15°以上を標準」から「15°を標準」と改正した。

・現在の衛星の配置数が増加していること等により、基線長が 10km 以下の 60 分以内で観測を行

う場合には、比較的狭い上空視界の範囲でも観測が可能なことから、(3)4)備考の最低高度

角の緩和についての規定を削除した。

別表第28 多角測量法及び交点計算法による一筆地測量の計算の単位及び計算値の制限〔第39条か

ら第42条〕

(1)TS法

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

(2)GNSS法

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

(3)デジタル方位距離計法

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

3.(略)

4.座標の計算に用いる磁方位角から方向角を求めるための偏差の量は、同一器械の場合の日

ごとの量は同量とする。

(解説)

・運用基準第32条において、地籍測量(細部図根測量:乙三)の精度を有したデジタル方位距

離計が製造停止になったことにより関連する規程が削除されたが、現在販売されているデジタル

方位距離計は一筆地測量の乙二・乙三区域では精度が担保できる観点から、別表第28において

は削除していない。

・(3)備考4に、座標の計算に用いる磁方位角から方向角を求めるための偏差の量の取扱につ

いて規定した。

62

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別表第29 単点観測法による一筆地測量における観測及び測定の方法〔第41条〕

(1)ネットワーク型RTK法

1)観測のための設定項目、単位及び位

(略)

2)観測回数、データ取得間隔

(略)

備考 1.1セット目の観測終了後に再初期化を行い、2セット目の観測を行う。

2.配信事業者からの補正データ等又は面補正パラメータを通信状況により取得できない場合

は、観測終了後に解析処理を行うことができる。

3)観測の諸条件

(略)

備考 1.(略)

2.(略)

3.(略)

4)筆界点の整合性確保のために使用する細部図根点等までの距離

備考 (略)

(2)DGPS法

1)観測回数、データ取得間隔等

使用衛星数 観 測 回 数 データ取得間隔 セット間間隔

6 衛星以上

DGPS解を得てから 10 エポ

ックを1セットとして4セット

実施する。4セットの平均値を

成果値とする。

1 秒 5 分

2)観測の諸条件

(略)

備考 (略)

3)筆界点の整合性確保のために与点とする細部図根点等までの距離

精度区分 筆界点から細部図根点等までの距離

乙二及び乙三 1,000m以内

精度区分 筆界点から細部図根点等までの距離

甲一及び甲二 500m以内

甲三及び乙一 500m以内

乙二及び乙三 1,000m以内

(解説)

・(1)2)備考2において、公共測量作業規程の準則第37条第2項第二号ヌの規定を参考に、

通信状況により、データを取得できない場合の解析処理方法(後処理)を規定した。

・(1)4)及び(2)3)の筆界点から細部図根点等までの距離の制限を、地籍図根三角点の

配置密度を鑑みて改正した。

・(2)1)において、観測の回数と平均方法を改正した。

63

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第 4 章 改正 地籍調査作業規程準則運用基準、

同運用基準及び同別表

65

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地籍調査作業規程準則及び同運用基準

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○ 地 籍 調 査 作 業 規 程 準 則 及 び 同 運 用 基 準 ( 昭 和 三 十 二 年 総 理 府 令 第 七 十 一 号 )

改 正 準 則 改 正 運 用 基 準

第一章 総則

省略

第二章 計画

省略

第三章 一筆地調査

第一節 準備作業

第二節 現地調査

省略

第四章 地籍測量

第一節 総則

(地籍測量の方式)

第三十七条 地籍測量は、次の各号に掲げる方式のいずれかによって行うものとす

る。

一 地上測量による方式(以下「地上法」という。)

二 空中写真測量による方式(以下「航測法」という。)

三 前二号の方式を併用する方式(以下「併用法」という。)

2 地籍測量は、座標計算により筆界点の位置を求める方式によって行うものとす

る。

第1章 総則

省略

第2章 計画

省略

第3章 一筆地調査

第1節 準備作業

第2節 現地調査

省略

第4章 地籍測量

第1節 総則

(器械及び器材)───準則第37条

第18条 地籍測量に用いる器械及び器材は、別表第4に定める性能若しくは規

格を有するもの又はこれらと同等以上のものでなければならない。

2 観測又は測定に用いる器械は、作業開始前に点検し、その性能に応ずる観測

又は測定ができるように調整しておかなければならない。

3 前項の点検の要領は、別に地籍整備課長が定めるものとする。

(記録及び成果)───準則第37条

第19条 地籍測量における作業の記録及び成果は、別表第5に掲げるものとす

る。

2 前項の記録及び成果における座標値及び標高は、別記計算式により求めるも

のとする。

(測量の基礎とする点)

第三十八条 地籍測量は、基本三角点(測量法(昭和二十四年法律第百八十八号)

第二章の規定による基本測量の成果である三角点及び電子基準点をいう。以下同

じ。)若しくは基本水準点(同法第二章の規定による基本測量の成果である水準

点をいう。)若しくは法第十九条第二項の規定により認証され、若しくは同条第

五項の規定により指定された基準点又はこれらと同等以上の精度を有する基準点

(以下「基準点等」という。)を基礎として行わなければならない。

(位置及び方向角の表示の方法)

第三十九条 地籍測量における地点の位置は、令別表第一に掲げる平面直角座標系

(以下「座標系」という。)による平面直角座標値(以下「座標値」という。)

及び測量法施行令(昭和二十四年政令第三百二十二号)第二条第二項に規定する

日本水準原点を基準とする高さ(以下「標高」という。)で表示するものとする

2 方向角は、当該地点が属する座標系のX軸に平行な当該地点を通る軸の正の方

向を基準とし、右回りに測定して表示するものとする。

(地籍図の図郭)

第四十条 令第二条第一項第十号の規定による地籍図の図郭は、地図上において座

(同等以上の精度を有する基準点)─── 準則第38条

第19条の2 準則第38条に規定する「同等以上の精度を有する基準点」とは

、測量法第41条第1項の規定に基づく国土地理院の長の審査を受け、十分な

精度を有すると認められた基準点とする。

(基準点の精度)─── 準則第38条

第19条の3 1級基準点は基準点(補助基準点を除く。)と同等なものとして

取り扱う。国土調査法第19条第2項の規定により認証され、又は同条第5項

の規定により指定された基準点のうち1級基準点に相当するものについても、

同様とする。

2 2級基準点、街区三角点及び補助基準点(主として宅地が占める地域以外に

おけるもの)は1次の地籍図根三角点と同等なものとして取り扱う。国土調査

法第19条第2項の規定により認証され、又は同条第5項の規定により指定さ

れた基準点のうち2級基準点に相当するものについても、同様とする。

3 3級基準点、街区多角点及び補助基準点(主として宅地が占める地域におけ

るもの)、は1次の地籍図根多角点と同等なものとして取り扱う。国土調査法

第19条第2項の規定により認証され、又は同条第5項の規定により指定され

た基準点のうち3級基準点に相当するものについても、同様とする。

4 4級基準点は2次の地籍図根多角点と同等なものとして取り扱う。国土調査

法第19条第2項の規定により認証され、又は同条第5項の規定により指定さ

れた基準点のうち4級基準点に相当するものについても、同様とする。

69

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標系原点からX軸の方向に二十五センチメートル、Y軸の方向に三十五センチメ

ートルごとに区画して定めるものとする。

(原図)

第四十一条 地籍測量の結果作成された地図(複製されたものを除く。)を地籍図

原図(以下「原図」という。)とする。

第二節 地上法

第一款 総則

(作業の順序)

第四十二条 地上法による地籍測量は、次に掲げる作業の順序に従って行うものと

する。

一 地籍図根三角測量

二 地籍図根多角測量

三 細部図根測量

四 一筆地測量

2 前項第四号に掲げる作業において、令別表第四に定める誤差の限度内の精度を

保つことができる場合は、前項第一号から第三号までに掲げる作業の全部又は一

部を省略することができる。

3 第一項第一号及び第二号に掲げる作業を地籍図根測量と、同項第三号及び第四

号に掲げる作業を地籍細部測量と総称する。

4 地籍図根測量は、一筆地調査と併行して行うことができる。

(地籍図根点)

第四十三条 地籍図根三角測量により決定された点を地籍図根三角点、地籍図根多

角測量により決定された点を地籍図根多角点といい、これらを地籍図根点と総称

する。

2 前項に定めるほか、基準点測量(補助基準点測量を除く。)により決定された

節点を地籍図根三角点とすることができる。

(地籍図根点の配置)

第四十四条 地籍図根点の配置に当たっては、調査地域における基準点等の配置を

第2節 地上法

第1款 総則

(作業の順序)─── 準則第42条

第19条の4 地籍図根多角測量を省略し細部図根測量を実施する場合は、地籍

図根三角測量及び細部図根測量と一筆地調査を併行して行うことができるもの

とする。

(節点等)───準則第43条

第20条 基準点測量(補助基準点測量を除く。)により決定された節点を地籍

図根三角点とする場合には、事前に国土地理院の意見を求めるものとする。

2 地籍図根三角測量により決定された節点は、1次の地籍図根多角点とするこ

とができるものとする。

(地籍図根点等の密度)───準則第44条

第21条 基準点等及び地籍図根点(以下「地籍図根点等」という。)の密度の

考慮し、地籍図根点の密度を定めるものとする。

2 地籍図根点の密度は、調査地域における単位面積当たりの土地の筆数、地形、

地物、見通し障害等の状況、隣接する地域における地籍測量の精度及び縮尺の区

分その他の事項を考慮して定めるものとする。

(地籍図根測量の方法)

第四十五条 地籍図根測量は、多角測量法により行うものとする。ただし、地形の

状況等によりやむを得ない場合には、直接水準測量法を併用することができる。

(地籍細部測量の基礎とする点)

第四十六条 地籍細部測量は、基準点等及び地籍図根点(以下「地籍図根点等」と

いう。)を基礎として行うものとする。この場合において、地籍図根多角点は、

当該地籍細部測量の精度区分以上の精度区分に属するものでなければならない。

第四十七条 削除

第二款 地籍図根三角測量

(地籍図根三角点の選定)

第四十八条 地籍図根三角点は、後続の測量を行うのに便利であり、かつ、標識の

保存が確実である位置に選定するものとする。

2 地籍図根三角点は、地籍図根三角測量を行う区域に平均的に配置するように選

定するものとする。

(多角路線の選定)

第四十九条 地籍図根三角測量における多角路線(以下この条及び次条において単

に「多角路線」という。)の選定に当たっては、基準点等(補助基準点を除く。

以下この条において同じ。)又は地籍図根三角点(以下「地籍図根三角点等」と

総称する。)を結合する多角網を形成するように努めなければならない。ただし

、地形の状況等によりやむを得ない場合には、単路線を形成することができる。

2 多角路線は、なるべく短い経路を選定しなければならない。

標準は、別表第1に定めるところによるものとする。

(地籍図根測量の方法)───準則第45条

第21条の2 地籍図根測量は、トータルステーションを用いる測量方法、セオ

ドライト及び測距儀を用いる測量方法(以下「TS法」という。)又はGNS

S(GPS、GLONASS及び準天頂衛星システム等の衛星測位システムの

総称)測量機を用いる測量方法(以下「GNSS法」という。)により行うも

のとする。

第2款 地籍図根三角測量

(多角路線)───準則第49条

第22条 地籍図根三角測量における多角網は、地籍図根三角点等を与点とした

1次の多角路線で構成することとする。

2 多角網に必要な与点の数は、次の式により算出した値以上とする。ただし、

nは新点数とし、〔 〕の中の計算終了時の小数部は切り上げるものとする。

〔n/5〕+2

なお、電子基準点のみを与点とするGNSS法に必要な与点は、作業地域に

70

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3 多角路線の次数は、地籍図根三角点等を基礎として一次までとする。

(選点図)

第五十条 地籍図根三角点及び多角路線の選定の結果は、地籍図根三角点選点図に

取りまとめるものとする。

(標識)

第五十一条 地籍図根三角点には、標識を設置するものとする。

最も近い電子基準点3点以上とする。

3 地形の状況等により単路線を形成する場合に必要な与点の数は2点とする。

4 多角網の外周路線に属する新点は、外周路線に属する隣接与点を結ぶ直線か

ら外側40度以下の地域内に選定することを標準とし、路線の中の夾角は、6

0度以上を標準とする。ただし、地形の状況等によりやむを得ない場合は、こ

の限りでない。

5 与点から他の与点まで、与点から交点まで又は交点から他の交点までを結ぶ

路線(以下「多角路線」という。)の長さは、以下のとおりとする。

一 TS法による場合は、2.0キロメートル以下を標準とする。ただし、単

路線にあっては3.0キロメートル以下を標準とする。

二 GNSS法による場合は、5.0キロメートル以下を標準とする。ただし

、電子基準点のみを与点とする場合は、この限りでない。

6 同一の多角路線に属する新点間の距離は、なるべく等しく、かつ、150メ

ートル以下はなるべく避け、著しい見通し障害によりやむを得ない場合にあっ

ても100メートル以上とする。なお、GNSS法による場合の新点間の距離

は、別表第1に定めるところによるものとする。

7 同一の多角路線に属する新点の数は、8点以下とする。ただし、単路線にあ

っては9点以下とする。

8 当該作業地域の新点全てを電子基準点のみを与点とするGNSS法で設置す

るとともに、周辺の地籍図根三角点等との整合を確認する場合には、点検のた

めの観測を1点以上の既設点において行い、観測図に含めるものとする。

(縮尺)───準則第50条及び第52条

第23条 地籍図根三角点選点図及び地籍図根三角点網図の縮尺は、2万5千分

の1、1万分の1又は5千分の1とする。

(標識の規格)───準則第51条

第24条 地籍図根三角点の標識の規格は、別表第2に定めるところによるもの

とする。

2 前項の標識については、滅失、破損等の防止及び後続の測量の容易化を図る

ため、保護石、表示板等を設置するように努めるものとし、その設置状況を写

真により記録するものとする。

3 前項により記録した標識の写真は、電磁的記録又はフィルムにより保存し管

(観測、測定及び計算)

第五十二条 地籍図根三角測量における観測及び測定は、地籍図根三角測量により

設置された地籍図根三角点を基礎として行う一筆地測量及び地積測定において、

令別表第四に定める限度以上の誤差が生じないように行うものとする。

2 地籍図根三角点の座標値及び標高は、前項の観測及び測定の結果に基づいて求

めるものとし、その結果は、地籍図根三角点網図及び地籍図根三角点成果簿に取

りまとめるものとする。

第三款 地籍図根多角測量

(地籍図根多角点の選定)

第五十三条 地籍図根多角点は、後続の測量を行うのに便利であり、かつ、標識の

保存が確実である位置に選定するものとする。

理するよう努めるものとする。

(観測、測定及び計算)───準則第52条

第25条 地籍図根三角測量における観測及び測定は、必要に応じて、水平角、

鉛直角、器械高、目標の視準高、距離、気圧、温度、基線ベクトル及び高低差

について行うものとする。

2 前項における観測及び測定の方法は、別表第6に定めるところによるものと

する。

3 前項の観測及び測定において偏心がある場合には、別表第7に定めるところ

により偏心要素を測定するものとする。この場合において、偏心距離は、測定

距離の6分の1未満でなければならない。

4 地籍図根三角測量における計算の単位及び計算値の制限は、別表第8に定め

るところによるものとする。なお、電子基準点のみを与点とするGNSS法に

おいては、セミ・ダイナミック補正を行うものとする。

5 地籍図根三角点の座標値及び標高は、TS法の場合には厳密網平均計算によ

り求めることとし、GNSS法による場合にはジオイド・モデルを使用する三

次元網平均計算により求めるものする。この場合において、厳密網平均計算又

は三次元網平均計算に用いる重量は、別表第9に定める数値を用いて計算する

ものとする。

6 観測、測定及び計算結果が別表第6から別表第8までに定める制限を超えた

場合は、再測をしなければならない。なお、再測は、観測中の諸条件を吟味し

、許容範囲を超えた原因を考慮して行うものとする。

7 地籍図根三角測量を行った場合は、別表第10に定めるところにより点検測

量を行わなければならない。

8 前項の点検測量における点検の数量は、TS法による場合には新設した地籍

図根三角点数の10%以上、GNSS法による場合には平均図において採用す

る観測辺数の総和の10%以上とする。

第3款 地籍図根多角測量

(地籍図根多角点の選定)───準則第53条

第26条 地籍図根多角点の密度の標準は、別表第1に定めるところによるもの

とする。

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(多角路線の選定)

第五十四条 地籍図根多角測量における多角路線(以下第五十六条までにおいて単

に「多角路線」という。)の選定に当たっては、地籍図根点等を結合する多角網

又は単路線を形成するように努めなければならない。

2 多角路線の与点となる地籍図根多角点は、当該路線についての地籍測量の精度

区分以上の精度区分に属するものでなければならない。

3 多角路線の次数は、地籍図根三角点等を基礎として一次までとする。ただし、

隣接する調査地域における地籍図根多角測量により設置された地籍図根多角点を

与点とする場合には、二次までとすることができる。

2 地籍図根多角測量により決定された節点は、2次の地籍図根多角点とするこ

とができる。

(多角路線)───準則第54条

第27条 地籍図根多角測量における多角網は、地籍図根三角点等を与点とした

1次の多角路線で構成することを原則とする。なお、当該地籍測量の精度区分

が国土調査法施行令(昭和27年政令第59号。以下「令」という。)別表第

4に定める乙一、乙二及び乙三の区域において、GNSS法により実施する場

合は、電子基準点のみを与点とすることができる。

2 地籍図根多角点を与点とした場合の多角路線の次数は、与点の最大次数に1

次を加えるものとする。ただし、厳密網平均計算を行った場合で、かつ、与点

数のうち地籍図根三角点等を1/2以上含む場合は、与点とした地籍図根多角

点の最大次数をもって多角路線の次数とすることができる。

3 多角網に必要な与点の数は、3点以上とし、単路線に必要な与点の数は、2

点とする。

4 電子基準点のみを与点とするGNSS法に必要な与点は、作業地域に最も近

い電子基準点3点以上とする。なお、単路線に必要な与点の数は、作業地域に

最も近い電子基準点2点とする。

5 多角網の外周路線に属する新点は、外周路線に属する隣接与点を結ぶ直線か

ら外側50度以下の地域内に選定することを標準とし、路線の中の夾角は、6

0度以上を標準とする。

6 多角路線の長さは、電子基準点のみを与点とする場合における与点から交点

までの路線の長さを除き、1.5キロメートル以下を標準とする。ただし、2

次の多角路線にあっては、1.0キロメートル以下を標準とするものとする。

7 同一の多角路線に属する新点間の距離は、なるべく等しく、かつ、30メー

トル以下はなるべく避け、見通し障害等によりやむを得ない場合にあっても1

0メートル以上とする。なお、GNSS法による場合の新点間の距離は、別表

第1に定めるところによるものとする。

8 同一の多角路線に属する新点の数は、1次の多角路線(単路線を含む。以下

この項において同じ。)にあっては50点以下、2次の多角路線にあっては3

0点以下とする。なお、GNSS法による場合の新点の数は、別表第1に定め

るところによるものとする。

9 当該作業地域の新点全てを電子基準点のみを与点とするGNSS法で設置す

第五十五条 削除

(選点図)

第五十六条 地籍図根多角点及び多角路線の選定の結果は、地籍図根多角点選点図

に取りまとめるものとする。

(標識)

第五十七条 地籍図根多角点には、標識を設置するものとする。ただし、自然物又

は既設の工作物を利用することを妨げない。

(観測、測定及び計算)

第五十八条 地籍図根多角測量における観測及び測定は、地籍図根多角測量により

設置された地籍図根多角点を基礎として行う一筆地測量及び地積測定において、

令別表第四に定める限度以上の誤差が生じないように行うものとする。

2 地籍図根多角点の座標値及び標高は、前項の観測及び測定の結果に基づいて求

めるものとし、その結果は、地籍図根多角点網図及び地籍図根多角点成果簿に取

りまとめるものとする。

るとともに、周辺の地籍図根点等との整合を確認する場合には、点検のための

観測を1点以上の既設点において行い、観測図に含めるものとする。

第28条 削除

(縮尺)───準則第56条及び第58条

第29条 地籍図根多角点選点図及び地籍図根多角点網図の縮尺は、1万分の1

、5千分の1又は2千5百分の1とする。

(標識の規格)───準則第57条

第30条 地籍図根多角点は、永久的な標識を設置するように努めるものとし、

標識の規格は、別表第2に定めるところによるものとする。

2 前項の標識については、滅失、破損等の防止及び後続の測量の容易化を図る

ため、その設置状況を写真により記録するものとする。

3 前項により記録した標識の写真は、電磁的記録又はフィルムにより保存し管

理するよう努めるものとする。

(観測、測定及び計算)───準則第58条

第31条 地籍図根多角測量における観測及び測定は、必要に応じて、水平角、

鉛直角、器械高、目標の視準高、距離、気圧、温度及び基線ベクトルについて

行うものとする。

2 前項における観測及び測定の方法は、別表第11に定めるところによるもの

とする。

3 地籍図根多角測量における計算の単位及び計算値の制限は、別表第12に定

めるところによるものとする。なお、電子基準点のみを与点とするGNSS法

においては、セミ・ダイナミック補正を行うものとする。

4 地籍図根多角点の座標値及び標高は、TS法の場合には厳密網平均計算によ

り求めることを原則とし、GNSS法による場合にはジオイド・モデルを使用

する三次元網平均計算により求めるものとする。この場合において、厳密網平

均計算又は三次元網平均計算に用いる重量は、別表第14に定める数値を用い

て計算するものとする。

5 当該地籍測量の精度区分が令別表第4に定める乙二、乙三の区域においては

、標高の計算を省略することができるものとする。

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第四款 細部図根測量

(細部図根測量の方法)

第五十九条 細部図根測量は、多角測量法によることを原則とする。ただし、見通

し障害等によりやむを得ない場合には、放射法によることができる。

(細部図根点)

第六十条 細部図根測量により決定された点を細部図根点という。

2 前項の細部図根点のうち多角測量法により決定された点を細部多角点、放射法

により決定された点を細部放射点という。

(細部図根点の選定)

第六十一条 細部図根点は、後続の測量を行うのに便利であり、かつ、標識の保存

が確実である位置に選定するものとする。

(標識)

第六十二条 細部図根点には、標識を設置するものとする。ただし、自然物又は既

設の工作物を利用することを妨げない。

(多角測量法による細部図根測量)

第六十三条 多角測量法による細部図根測量における多角路線(以下この条におい

て単に「多角路線」という。)の選定に当たっては、地籍図根点等又は細部多角

点(以下「細部多角点等」と総称する。)を結合する多角網又は単路線を形成す

るように努めなければならない。ただし、見通し障害等により真にやむを得ない

場合には、閉合路線を形成することができる。

6 観測、測定及び計算結果が別表第11から別表第12までに定める制限を超

えた場合は、再測をしなければならない。なお、再測は、観測中の諸条件を吟

味し、許容範囲を超えた原因を考慮して行うものとする。

7 地籍図根多角測量を行った場合は、別表第15に定めるところにより点検測

量を行わなければならない。

8 前項の点検測量における点検の数量は、新設した地籍図根多角点数の5%以

上とする。

第4款 細部図根測量

(細部図根測量の方法)───準則第59条

第32条 細部図根測量は、GNSS法又はTS法により行うものとする。

(細部図根点等の密度)───準則第61条

第33条 細部図根点等の密度の標準は、別表第16に定めるところによるもの

とする。

2 細部図根点の選定の結果は、細部図根点選点図に取りまとめるものとする。

なお、地籍図根多角点選点図を兼用して取りまとめることを妨げない。

(多角測量法による細部図根測量)───準則第63条

第34条 細部多角点を与点とした場合の多角路線の次数は、与点の最大次数に

1次を加えるものとする。ただし、厳密網平均計算を行った場合で、かつ、与

点数のうち地籍図根点等を1/2以上含む場合は、与点とした細部多角点の最

大次数をもって多角路線の次数とすることができる。

2 多角網に必要な与点の数は、3点以上とし、単路線に必要な与点の数は、2

2 多角路線の与点となる細部多角点等は、当該路線についての地籍測量の精度区

分以上の精度区分に属するものでなければならない。

3多角路線の次数は、地籍図根点等を基礎として二次までとする。

(放射法による細部図根測量)

第六十四条 放射法による細部図根測量は、細部多角点等を与点として行うものと

する。ただし、見通し障害等により真にやむを得ない場合には、節点1点による

開放路線を形成することができる。

2 放射法による細部図根測量は、地籍図根測量又は多角測量法による細部図根測

量に引き続き行う場合を除き、あらかじめ与点の点検測量を行うものとする。

点とする。

3 地籍図根多角測量を省略した場合、1次の多角網の外周路線に属する新点は

、外周路線に属する隣接与点を結ぶ直線から外側50度以下の地域内に選定す

ることを標準とし、路線の中の夾角は、60度以上を標準とする。ただし、地

形の状況等によりやむを得ない場合は、この限りでない。

4 多角測量法による細部図根測量の多角路線の長さは、1.0キロメートル以

下を標準とする。ただし、閉合路線を形成する路線の長さは、200メートル

以下を標準とする。

5 同一の多角路線に属する新点の数は、50点以下を標準とする。

6 多角測量法による細部図根測量における観測及び測定の方法は、別表第17

に定めるところによるものとする。

7 多角測量法による細部図根測量における計算の単位及び計算値の制限は、別

表第18に定めるところによるものとする。

8 細部多角点の座標値は、TS法の場合には厳密網平均計算により求めること

を標準とし、GNSS法による場合にはジオイド・モデルを使用する三次元網

平均計算により求めるものとする。この場合において、厳密網平均計算又は三

次元網平均計算に用いる重量は、別表第14に定める数値を用いて計算するも

のとする。なお、簡易網平均計算による場合は、方向角の閉合差は測点数、座

標値の閉合差は路線長に比例して配分するものとする。

9 観測、測定及び計算結果が別表第17及び別表第18に定める制限を超えた

場合は、再測をしなければならない。なお、再測は、観測中の諸条件を吟味し

、許容範囲を超えた原因を考慮して行うものとする。

10 細部図根測量を行った場合は、別表第19に定めるところにより点検測量

を行わなければならない。

11 前項の点検測量における点検の数量は、新設した細部図根点数の2%以上

とする。

(放射法による細部図根測量)───準則第64条

第35条 放射法による細部図根測量は、1次の細部多角点等を与点として行うこ

とを原則とする。ただし、地籍図根多角測量を省略した場合は、2次の細部多

角点等を与点とすることができる。

2 開放路線で設置した節点は、細部放射点とすることができるものとする。

3 放射法による細部図根測量における観測及び測定の方法は、別表第20に定

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3 放射法による細部図根測量において水平角の観測を行う場合は、与点と同一の

多角網に属する細部多角点等を基準方向とし、与点から細部放射点までの距離は

、与点から基準方向とした細部多角点等までの距離より短くするものとする。

4 細部放射点の次数は、細部多角点等を基礎として二次までとする。

第六十五条及び第六十六条 削除

(細部図根点配置図等)

第六十七条 細部図根測量における観測及び測定は、細部図根測量により設置され

た細部図根点を基礎として行う一筆地測量及び地積測定において、令別表第四に

定める限度以上の誤差が生じないように行うものとする。

2 細部図根測量の結果は、図郭の区域ごとに、細部図根点配置図及び細部図根点

成果簿に取りまとめるものとする。

めるところによるものとする。

4 簡易網平均計算(定型網を除く)により求められた路線に属する細部多角点

等を与点とする場合は、与点と同一の平均計算により求められた細部多角点等

を基準方向とする。

5 放射法による細部図根測量における与点から細部放射点までの距離は、10

0メートル以下を標準とする。

6 あらかじめ行う与点の点検測量は、TS法による場合は同一の多角路線に属

する他の細部図根点等までの距離の測定又は基準方向と同一の多角路線に属す

る他の細部図根点等との夾角の観測を、GNSS法による場合は基線ベクトル

の観測を行い、当該点の移動等の点検を行うものとする。

7 前項の点検に当たっては、別表第17に定める観測及び測定の方法によるも

のとし、点検の較差の標準は別表第21に定めるところによるものとする。

8 放射法による細部図根測量における計算の単位及び計算値の制限は、別表第

22に定めるところによるものとする。

9 観測、測定及び計算結果が別表第20から別表第22までに定める制限を超

えた場合は、再測をしなければならない。なお、再測は、観測中の諸条件を吟

味し、許容範囲を超えた原因を考慮して行うものとする。

10 細部放射点の10パーセント以上については、他の細部多角点等からの同

一方法の観測又は当該点から他の細部多角点等への取付観測により点検を行い

、その座標値の較差が別表第23の制限内にあれば、最初に求めた位置を採用

する。ただし、見通し障害等により他の細部多角点等からの同一方法の観測又

は当該点から他の細部多角点等への取付観測ができない場合には、別表第19

に定めるところにより点検測量を行うものとする。

11 開放路線により求めた細部放射点については、別表第19に定めるところ

により全数において点検測量を行わなければならない。

(縮尺)───準則第67条

第36条 細部図根点配置図の縮尺は、1万分の1、5千分の1、2千5百分の

1又は千分の1とする。

3 前項の場合において、細部図根点配置図は、地籍図根多角点網図において取り

まとめることができるものとする。

第五款 一筆地測量

(一筆地測量の基礎とする点)

第六十八条 一筆地測量は、単点観測法によるものを除き、地籍図根点等及び細部

図根点(以下「細部図根点等」という。)を基礎として行うものとする。

第六十九条 削除

(一筆地測量の方法)

第七十条 一筆地測量は、放射法、多角測量法、交点計算法又は単点観測法による

ものとする。

(放射法による一筆地測量)

第七十条の二 放射法による一筆地測量は、細部図根点等を与点として行うものと

する。

2 放射法による一筆地測量は、地籍図根測量又は細部図根測量に引き続き行う場

合を除き、あらかじめ与点の点検測量を行うものとする。

3 放射法による一筆地測量において水平角の観測を行う場合は、与点と同一の多

角網に属する細部図根点等を基準方向とし、与点から筆界点までの距離は、与点

から基準方向とした細部図根点等までの距離より短くするものとする。

第5款 一筆地測量

(一筆地測量の方法)───準則第70条

第37条 放射法又は多角測量法による一筆地測量は、GNSS法又はTS法に

より行うものとする。ただし、当該地籍測量の精度区分が令別表第4に定める

乙二又は乙三の区域の一筆地測量においては、デジタル方位距離計を用いる測

量方法(以下「デジタル方位距離計法」という。)により行うことができるも

のとする。

2 単点観測法による一筆地測量は、ネットワーク型RTKによる測量方法(以

下「ネットワーク型RTK法」という。)により行うものとする。ただし、当

該地籍測量の精度区分が令別表第4に定める乙二又は乙三の区域の一筆地測量

については、DGPS測量機を用いる測量方法(以下「DGPS法」という。

)により行うことができるものとする。

(放射法による一筆地測量)───準則第70条の2

第38条 簡易網平均計算(定型網を除く)により求められた路線に属する細部

図根点等を与点とする場合は、与点と同一の平均計算により求められた細部図

根点等を基準方向とする。

2 放射法による一筆地測量における与点から筆界点までの距離は、100メー

トル以下を標準とする。

3 放射法による一筆地測量においてあらかじめ行う与点の点検測量は、TS法

による場合は同一の多角路線に属する他の細部図根点等までの距離の測定又は

基準方向と同一の多角路線に属する他の細部図根点等との夾角の観測を、GN

SS法による場合は基線ベクトルの観測を行い、当該点の移動、番号の誤り等

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(多角測量法による一筆地測量)

第七十条の三 多角測量法による一筆地測量における多角路線の選定に当たっては

、細部図根点等を結合する多角網又は単路線を形成するよう努めなければならな

い。ただし、見通し障害等により真にやむを得ない場合には、閉合路線を形成す

ることができる。

(交点計算法による一筆地測量)

第七十条の四 交点計算法による一筆地測量における仮設の表示杭の測量は、交点

計算法以外によるものとする。

2 仮設の表示杭は、筆界点の近傍に設置するよう努めなければならない。

の点検を行うものとする。

4 前項の点検に当たっては、別表第24に定める観測及び測定の方法によるも

のとし、点検の較差の標準は別表第25に定めるところによるものとする。

5 放射法等による一筆地測量における観測及び測定の方法は、別表第24に定

めるところによるものとする。

6 放射法等による一筆地測量における計算の単位及び計算値の制限は、別表第

26に定めるところによるものとする。

7 観測、測定及び計算結果が別表第24から別表第26までに定める制限を超

えた場合は、再測をしなければならない。なお、再測は、観測中の諸条件を吟

味し、許容範囲を超えた原因を考慮して行うものとする。

(多角測量法による一筆地測量)───準則第70条の3

第39条 多角測量法による一筆地測量の多角路線の長さは、当該地籍測量の

精度区分が令別表第4に定める甲一又は甲二の区域にあっては300メートル

以下、甲三又は乙一の区域にあっては400メートル以下、乙二又は乙三の区

域にあっては500メートル以下を標準とする。ただし、デジタル方位距離計

法による場合は多角路線の長さは300メートル以下とし、その測点間の距離

は5メートル以上25メートル以下、測点の数は20点以下とする。

2 多角測量法による一筆地測量における観測及び測定の方法は、別表第27に

定めるところによるものとする。

3 多角測量法による一筆地測量における計算の単位及び計算値の制限は、別表

第28に定めるところによるものとする。

4 多角測量法による筆界点の座標値は、第34条第8項の規定を準用して求め

るものとする。

5 観測、測定及び計算結果が別表第27及び別表第28に定める制限を超えた

場合は、再測をしなければならない。なお、再測は、観測中の諸条件を吟味し

、許容範囲を超えた原因を考慮して行うものとする。

(交点計算法による一筆地測量)───準則第70条の4

第40条 交点計算法による一筆地測量における計算の単位は、別表第28に定

めるところによるものとする。

2 観測、測定及び計算結果が別表第28に定める制限を超えた場合は、再測を

しなければならない。なお、再測は、観測中の諸条件を吟味し、許容範囲を超

(単点観測法による一筆地測量)

第七十条の五 観測に使用する測位衛星の数は五以上とし、受信高度角は十五度以

上とする。

2 単点観測法により観測された筆界点の座標値は、周辺の細部図根点等との整合

性の確保を図るよう努めなければならない。

(次数の制限)

第七十一条 一筆地測量(単点観測法によるものを除く。)における筆界点の次数

は、細部図根点等を基礎として、多角測量法にあっては二次まで、その他の方法

にあっては一次までとする。この場合において、地籍図根三角点等を基礎として

求めた筆界点の通算次数は、六次までとする。

(筆界点の位置の点検)

第七十二条 筆界点の位置は、その位置が現地の位置を正しく表示しているかどう

かを点検するように努めなければならない。

えた原因を考慮して行うものとする。

(単点観測法による一筆地測量)───準則第70条の5

第41条 単点観測法における観測及び測定の方法は、別表第29に定めるとこ

ろによるものとする。

2 単点観測法による一筆地測量における計算の単位及び計算値の制限は、別表

第30に定めるところによるものとする。

3 単点観測法により得られた筆界点と周辺の細部図根点等との整合性を確保す

るための細部図根点等の数は3点以上を標準とし、努めて当該地区の周辺を囲

むように選点するものとする。

4 ネットワーク型RTK法による整合性の確保は、ネットワーク型RTK法に

より得られた細部図根点等の座標値と細部図根点等の成果値の比較により行う

ものとする。

5 前項により比較した座標値の較差が、別表第30に定める制限を超過した場

合は、平面直角座標系上において前項で比較した細部図根点等を与点として座

標補正を行い水平位置の整合処理を行うものとする。なお、座標補正の変換手

法は、ヘルマート変換を標準とする。

6 前項の場合における座標補正の点検は、座標補正後の筆界点の座標値と与点

とした細部図根点等以外の既設点の成果値による計算距離と、筆界点から与点

とした細部図根点等以外の既設点までの距離を単点観測法等の方法により求め

た実測距離との比較により行うものとする。なお、点検数は1点以上とする。

7 前項により比較した距離の較差が別表第30に定める制限を超過した場合は

、水平位置の整合処理に用いた与点を変更し再度第5項による比較を行うもの

とする。

8 DGPS法による観測は、細部図根点等の観測を行いDGPS補正情報の質

を確認した後に、筆界点の観測を行うものとする。

9 前項により得られた細部図根点等の座標値と細部図根点等の成果値との較差

が別表第30に定める制限を超過した場合は、観測条件を変更し再度観測を行

うものとする。

(筆界点の位置の点検)───準則第72条

第42条 筆界点の位置の点検は、単位区域の総筆界点(多角測量法による一筆

地測量により求めた筆界点を除く。)から2パーセント以上を抽出して行うも

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第七十三条 削除

(原図の作成)

第七十四条 原図は、仮作図を行い図形その他の事項に誤りがないことを確かめた

後、地籍図の様式を定める省令(昭和六十一年総理府令第五十四号)に基づいて

必要な事項を表示した上、原図用紙に製図して作成するものとする。

2 前項の作業を終えたときは、筆界点番号図、筆界点成果簿及び地籍図一覧図を

作成するものとする。

(地籍明細図)

第七十五条 原図の一部について当該部分に属する一筆地の状況が当該原図の縮尺

では、所要の精度をもつて表示されることが困難である場合には、当該部分につ

いて所要の精度を表示するに足りる縮尺の地籍明細図を別に作成することができ

る。

のとする。この点検においては、その位置の較差が別表第26、別表第28又

は別表第30に示す制限内にある場合には、最初に求めた位置を採用するもの

とする。

(原図の作成)───準則第74条

第43条 原図は、自動製図機(プロッタ等)を用いて作成するものとする。

2 地籍図の様式を定める省令(昭和61年11月18日総理府令第54号)に

定めのない基準点の表示は、次の各号に従い表示するものとする。

一 1級基準点は基準点(補助基準点を除く。)の記号により表示する。国土

調査法第19条第2項の規定により認証され、又は同条第5項の規定によ

り指定された基準点のうち1級基準点に相当するものについても、同様と

する。

二 2級基準点及び街区三角点は地籍図根三角点の記号により表示する。国土

調査法第19条第2項の規定により認証され、又は同条第5項の規定によ

り指定された基準点のうち2級基準点に相当するものについても、同様と

する。

三 3級基準点及び街区多角点は地籍図根多角点の記号により表示する。国土

調査法第19条第2項の規定により認証され、又は同条第5項の規定によ

り指定された基準点のうち3級基準点に相当するものについても、同様と

する。

四 4級基準点は地籍図根多角点の記号により表示する。国土調査法第19条

第2項の規定により認証され、又は同条第5項の規定により指定された基

準点のうち4級基準点に相当するものについても、同様とする。

(地籍明細図)───準則第75条

第44条 地籍明細図の縮尺は、2千5百分の1、千分の1、500分の1、2

50分の1、100分の1又は50分の1とする。

2 地籍明細図には、原図に表示すべき事項のほか、次の各号に掲げる事項を表

示するものとする。

一 地籍明細図の図郭線及びその座標値

二 地籍明細図の図郭番号

三 地籍明細図の精度及び縮尺の区分

第三節 航測法

(作業の順序)

第七十六条 航測法による地籍測量は、次の各号に掲げる作業の順序に従って行うも

のとする。ただし、第三号の作業は、第二号の作業の前に行うことができる。

一 対空標識の設置(標定点及び航測図根点の選定を含む。)

二 空中写真撮影

三 標定点測量

四 空中三角測量(補備測量を含む。)

五 図化

2 併用法による地籍測量については、第四十二条及び前項に規定する作業の順序

を考慮してその順序を定めるものとする。

(標定点及び航測図根点の選定)

第七十七条 標定点は、既設の地籍図根三角点等のほか、必要な場合には新設点を

これに充てるものとする。この場合において、既設の地籍図根三角点等が他市町

村に属する場合には、あらかじめ標定点として使用することについて他市町村に

了解を求めておくものとする。

2 標定点は、次の各号に掲げる条件に基づいて選定しなければならない。

一 対空標識が明瞭に撮影される地点であること。

二 多角測量法により著しい困難を伴うことなく当該地点の位置を決定すること

ができる地点であること。

三 後続の測量を行うのに便利な地点であること。

四 対空標識及び標識の設置が容易であり、かつ、これらが確実に保存される地

点であること。

3 前二項の選定の結果は、標定点選点図に取りまとめるものとする。

4 航測図根点は、第二項第一号、第三号及び第四号に掲げる条件に基づいて選定

しなければならない。

5 前項の選定の結果は、航測図根点選点図に取りまとめるものとする。

6 標定点及び航測図根点(以下「航測図根点等」という。)には、標識を設置す

るものとする。ただし、航測図根点にあっては、自然物又は既設の工作物を利用

することを妨げない。

第3節 航測法及び併用法

(標定及び航測図根点)───準則第77条、第80条

第45条 標定点(既設点を含む。)の密度の標準は別表第31に、航測図根点

等の密度の標準は別表第1に定めるところによるものとする。

2 新設した標定点は地籍図根三角点と、航測図根点は1次の地籍図根多角点と

同格とする。

3 標定点選点図及び標定点網図の縮尺は、2万5千分の1、1万分の1又は5

千分の1とし、航測図根点選点図及び航測図根点配置図の縮尺は、1万分の1

、5千分の1又は2千5百分の1とする。

4 航測図根点を選点した場合の密度の標準は、別表第1に定めるところによる

ものとする。

(標識)───準則第77条

第46条 航測図根点は、永久的な標識を設置するように努めるものとし、新設

の標定点及び航測図根点の標識の規格は、別表第2に定めるところによるもの

とする。

2 新設の標定点については、保護石及び表示板等を設置するように努めるもの

とする。

3 第1項の標識については、滅失、破損等の防止及び後続の測量の容易化を図

るため、その設置状況を写真により記録するものとする。

4 前項により記録した標識の写真は、電磁的記録又はフィルムにより保存 し

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(対空標識の設置)

第七十八条 対空標識は、航測図根点等及び筆界点に設置するものとする。ただし

、所要点の位置を間接的に決定できるような地点に設置することができる。

(空中写真撮影)

第七十九条 空中写真撮影は、次の各号に掲げる条件に従って行わなければならな

い。

一 空中写真撮影及び空中三角測量に使用する器械及び器材の組合せ並びに地形そ

の他の条件を考慮して、適切な撮影縮尺を選定すること。

二 同一コースに属する相隣る写真画面は、コース方向について、その六割の画面

が重複するのを原則とすること。

三 相隣るコースに属する各コースの相隣る写真画面は、コース方向に直角な方向

について、その三割の画面が重複するのを原則とすること。

四 写真画面の水平面に対する傾斜角は、五度以内であること。

五 写真画面のコース方向に対する水平回転角は、十度以内であること。

六 空中写真撮影は、原則として、気象条件が良好で、かつ、撮影に適した時期に

行うこと。

七 露出時間は、飛行速度、使用フィルム、フィルター、撮影高度等を考慮して、

画像が十分な鮮明さを保つよう適正に定めること。

2 前項の空中写真撮影を終えた後、引き伸ばした空中写真を用いる現地確認によ

り、対空標識の確認を行うものとする。

(標定点測量)

第八十条 第四十三条第二項、第四十五条、第四十九条及び第五十二条の規定は、

標定点測量を行う場合について準用する。

管理するよう努めるものとする。

(対空標識)───準則第78条

第47条 対空標識の規格の標準は、別表第32に定めるところによるものとし

、これを水平に設置するものとする。ただし、周囲の状況その他の事情により

、2枚以上の対空標識によって1点の対空標識とし、又は明瞭な自然物を利用

することができる。

2 対空標識は、撮影時までの保存に支障を起こす恐れのある人畜に対する配慮

及び地表面の植生の色調等を考慮して設置し、所要の作業が終了するまで確実

に保存されるように努めるものとする。

3 併用法においては、原則として筆界点に対空標識を設置しないものとする。

(撮影縮尺)───準則第79条

第48条 空中写真撮影における撮影縮尺の標準は、別表第33に定めるところ

によるものとする。

2 前項の測量の結果は、標定点網図及び標定点成果簿に取りまとめるものとする

(空中三角測量)

第八十一条 空中三角測量における調整及び座標計算は、解析法によるものとする

(パスポイント及びタイポイントの選定)───準則第81条

第49条 パスポイント及びタイポイントは、空中写真の標定上適切な位置に、

かつ、空中写真上で座標を正確に測定できる地点に選定するものとし、努めて

対空標識を利用するものとする。

(測定及び調整)───準則第81条

第50条 空中三角測量の測定の方法は、別表第34に定めるところによるもの

とする

2 空中三角測量の調整は、多項式法、独立モデル法又はバンドル法により行う

ものとする。

3 調整計算においては、原則として地球曲率の影響を補正するものとする。

(多項式法)───準則第81条

第51条 多項式法による調整は、次の各号に掲げるところにより行うものとす

る。

一 コースの長さは、8モデル以内であること。

二 内部標定は、航空カメラの歪曲収差補正を行った上、検査値による指標の

座標値及び焦点距離を用い、かつ、4つ以上の指標を用いて空中写真座標

を決定すること。

三 相互標定は、パスポイント及び投影中心のほか、原則としてモデルに含ま

れるすべての標定点を使用すること。

四 接続標定は、パスポイント及び投影中心のほか、原則として隣接するモデ

ルとの共通部分に含まれるすべての標定点を使用すること。

五 調整計算は、すべての標定点及びタイポイントを使用し、水平位置にあっ

ては2次の等角写像変換式に、標高にあっては2次の多項式によること。た

だし、5モデル以内の場合には、1次の等角写像変換式又は1次の多項式に

よることができる。

2 各コースの変換式の係数は、同時平均によって決定すること。ただし、水平

位置の調整計算及び標高の調整計算は、独立に行うことができる。

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(独立モデル法)───準則第81条

第52条 独立モデル法による調整の内部標定及び相互標定は、前条第2号及び

第3号の規定を準用して行うものとする。

2 独立モデル法による調整の調整計算は、すべての標定点、パスポイント、投

影中心及びタイポイントを使用するものとし、原則として、水平位置と標高を

同時に調整する場合には縮尺を考慮した三次元直交座標変換式、独立に調整す

る場合には水平位置についてヘルマート変換式、標高について1次多項式によ

るものとする。

3 独立モデル法による調整の各モデルの変換式の係数は、同時平均によって決

定するものとする。ただし、水平位置の調整計算と標高の調整計算とは、独立

に行うことができる。

(バンドル法)───準則第81条

第53条 バンドル法による調整の内部標定は、第49条第2号の規定を準用し

て行うものとする。

2 バンドル法による調整の調整計算は、すべての標定点、パスポイント及びタ

イポイントを使用するものとし、原則として、写真の傾き及び投影中心の位置

を未知数とした射影変換式によるものとする。ただし、系統的誤差に対応した

セルフキャリブレーション項を付加することができる。

3 バンドル法による調整の各空中写真の変換式の係数は、同時平均によって決

定するものとする。

(内部標定等の制限)───準則第81条

第54条 前3条の内部標定、相互標定、接続標定及び調整計算における制限は

、別表第35に定めるところによるものとする。

(航測図根点の点検)───準則第81条

第55条 空中三角測量により求めた航測図根点の概ね2パーセントについては

、航測図根点間の辺長点検を行い、当該辺長の較差が別表第12に定める座標

の閉合差の値以内であれば、空中三角測量により求めた位置を採用するものと

する。

(補備測量等)

第八十二条 対空標識の破損その他の理由により航測図根点及び筆界点の位置が求

められない場合には、補備測量を行わなければならない。

2 第四十五条、第四十六条、第五十四条、第五十八条から第六十四条まで、第六

十七条、第六十八条及び第七十条から第七十一条までの規定は、補備測量を行う

場合について準用する。この場合において、航測図根点等の配置状況等によりや

むを得ない場合には、航測図根点と同等の精度を有すると認められる筆界点を一

筆地測量の基礎とすることができる。ただし、当該一筆地測量の次数は、一次ま

でとする。

3 前二項の補備測量を終えたとき又は補備測量を必要としないときには、第七十

二条に規定する点検を行うものとする。

(航測図根点配置図等)

第八十三条 前二条の測量の結果は、航測図根点配置図、航測図根点成果簿、筆界

点番号図及び筆界点成果簿に取りまとめるものとする。

(原図の作成)

第八十四条 第七十四条及び第七十五条の規定は、航測法において原図を作成する

場合について準用する。

第五章 地積測定

(地積測定の方法)

第八十五条 地積測定は、現地座標法により行うものとする。

(点検)

第八十六条 地積測定を行つた場合には、原則として単位区域ごとに、単位区域を

構成する各筆の面積の合計と当該単位区域の面積が等しくなるかどうかを点検す

るものとする。

第5章 地積測定

(記録及び成果)───準則第85条

第56条 地積測定における作業の記録及び成果は、別表第5に掲げるものとす

る。

2 前項の記録及び成果における地積は、別記計算式により求めるものとする。

(地積測定の方法)───準則第85条

第57条 筆界未定地の地積測定は、関係土地を一括して行うものとする。

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(地積測定成果簿)

第八十七条 地積測定の結果は、地積測定成果簿に取りまとめるものとする。

2 地積測定成果簿における地積は、平方メートルを単位とし、一平方メートルの

千分の一未満の端数を四捨五入して表示するものとする。

第六章 地籍図及び地籍簿の作成

(地籍簿案)

第八十八条 一筆地調査、地籍測量及び地積測定を終了したときは、地籍簿案を作

成するものとする。

2 前項の地籍簿案は、地籍調査票、調査図、原図及び地積測定成果簿に基づいて

、地籍簿用紙に必要な事項を記載して作成するものとする。

3 地籍簿案における地積は、次の各号に掲げるところに従って表示するものとす

る。

一 宅地及び鉱泉地の地積は、平方メートルを単位とし、一平方メートルの百分

の一未満の端数は、切り捨てる。

二 宅地及び鉱泉地以外の土地の地積は、平方メートルを単位とし、一平方メー

トル未満の端数は、切り捨てる。ただし、一筆の地積が十平方メートル未満の

ものについては、一平方メートルの百分の一未満の端数は、切り捨てる。

(地籍図及び地籍簿)

第八十九条 原図及び地籍簿案について、法第十七条の規定による手続が終了した

ときは、それぞれを地籍調査の成果としての地籍図及び地籍簿とする。

2 地籍図及び地籍簿は、そのままで保管しなければならない。ただし、地籍調査

後の土地の異動等については、地籍図写及び地籍簿写又は電磁的記録を用いて継

続的に補正するものとする。

(地籍図写)

第九十条 地籍図写は、次の各号に掲げるところに従って複製するものとする。

一 地籍図と同一縮尺であること。

第6章 地籍図及び地籍簿の作成

(地籍簿案の作成)───準則第88条

第58条 地籍簿案の作成については、「地籍簿案の作成要領」(昭和49年8

月5日付49国土国第3号国土庁土地局長通達)に基づいて行うものとする。

(法第17条の規定による手続き等)───準則第89条

第59条 法第17条の規定による手続等については、「国土調査事業事務取扱

要領」(昭和47年5月1日付け経企土第28号経済企画庁総合開発局長通達

)に基づいて行うものとする。

2 準則第89条第2項に規定する補正に関する事項については、別に地籍整備

課長が定めるものとする。

3 地籍集成図については、必要に応じこれを作成するものとし、これに関する

事項については、別に地籍整備課長が定めるものとする。

(複製方法)───準則第90条

第60条 地籍図の複製においては、地籍図に変形を与えるような方法を用いて

はならない。

二 ひずみがなく、かつ、鮮明であること。

三 十分な耐久性が保証されること。

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地籍調査作業規程準則運用基準別表

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別表第1 点配置密度の標準( 1

㎢当たり点数)〔第11条、第21条、第22条、第26条、第27条及

び第45条〕

(1)地籍図根三角点

備考 1.水田、畑、集落及び集落周辺等とは、見通しが良好な地区をいう。

2.山林部及び山林部周辺等とは、樹木その他の障害により見通しが比較的困難な地区をいう。

3.市街地及び市街地周辺等とは、家屋密集その他の状況により見通し距離が著しく短い地区をいう。

4.作業計画区内及び周辺に電子基準点に整合の取れた地籍図根三角点等が3点以上存在し、これを与

点としてGNSS法により地籍図根多角点を設置する場合には、地籍図根三角測量を省略することが

できる。

(2)地籍図根点等又は航測図根点等

備考 1.水田、畑、集落及び集落周辺等とは、見通しが良好な地区をいう。

2.山林部及び山林部周辺等とは、樹木その他の障害により見通しが比較的困難な地区をいう。

3.市街地及び市街地周辺等とは、家屋密集その他の状況により見通し距離が著しく短い地区をいう。

4.平坦とは

3度以下、中傾斜とは 3~15

度、急傾斜とは概ね

15度以上の傾斜区分をいう。

5.1㎢当たり点数とは、1㎢当たりの区域における地籍図根点等又は航測図根点等の数をいう。

6.航測図根点等は、必要に応じてこの標準より密度を増加させるものとする。

7.電子基準点に整合の取れた地籍図根三角点等を与点としてGNSS法により地籍図根多角点を設置

する場合には、地形状況等により次の新点間距離を標準とすることができる。

①市街地及び市街地周辺等及び水田、畑(果樹園等除く)等地区の新点間距離は200mとする。

②山林部及び山林部周辺等地区の新点間距離は500mとする。

8.作業計画区内及び周辺に電子基準点に整合の取れた地籍図根点等が3点以上存在し、これを与点と

して細部図根点が設置できる場合には、地籍図根多角測量を省略することができる。

見通し区分

新点間距離

同一路線の

節点間の距離

1㎢当たりの

標準点数

水田、畑、集落及び集落周辺等

700m

150m

以上

3点~5点

山林部及び山林部周辺等

1000m

150m

以上

2点~4点

市街地及び市街地周辺等

500m

150m

以上

4点~9点

見通し区分

縮尺区分

地形

傾斜区分

1/250

1/500

1/1000

1/2500

1/5000

水田、畑(果樹園等

除く)等

平坦

125~

188

125~

188

80~120

35~53

20~30

中傾斜

163~

245

163~

245

98~148

44~66

25~37

急傾斜

222~

332

222~

332

142~

214

66~98

35~53

山林部及び山林部

周辺等

平坦

163~

245

163~

245

110~

166

44~66

26~40

中傾斜

189~

283

189~

283

142~

212

55~83

34~50

急傾斜

264~

396

264~

396

190~

286

80~120

47~71

市街地及び市街地

周辺等

平坦

163~

245

163~

245

125~

187

―――

―――

中傾斜

222~

332

222~

332

142~

212

―――

―――

急傾斜

331~

497

331~

497

222~

332

―――

―――

GNSS

法のみによる

場合

全地区

25以上

4以上

(3)筆界基準杭

縮 尺 区 分

1/250

1/500

1/1000

1/2500

1/5000

1㎢当たり点数

366~

548点

137~

274点

91~137

14~22

4~5

83

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別表第2 標識の規格〔第11条、第24条、第30条及び第46条〕

(1)地籍図根三角点及び標定点

区 分

説 明

寸法及び形状

10㎝×10

㎝×70

㎝角柱又はこれと同等以上のものとする。(プラスチックの場合

は、9㎝×9㎝×70

㎝角柱も可)

なお、「地籍図根三角点」「標定点」を識別できるよう努めるものとする。

材 質

プラスチック(難燃性でありJIS規格のものを標準とする。)、鉄線入りコン

クリート又は石とし、空洞のものは除く。

中心標示の方法

直径

3㎜以下

(2)地籍図根多角点、航測図根点及び筆界基準杭

備考 1.地籍図根多角測量を省略して、細部図根測量を実施する場合には、交点等におおよそ

200m

の間隔で

地籍図根多角点に準じた標識を使用するものとする。

2.宅地等において堅固な境界標識が既に設置されている場合には、筆界基準杭の設置を省略すること

ができる。

(3)標識の規格の特例

区 分

籍図

根三

角点

び標定点

地籍図根多角点、航測図根点及

び筆界基準杭

凡 例

金属標の寸法及び

形状D×L

φ75×90

㎜以上

φ50×70

㎜ 以

材 質

真鍮又はこれと同等以上の合金(JIS規格のものを

標準とする。)

中心標示の方法

直径

3㎜以下

備考 1.建築物の屋上に設ける場合又は市街地等において表土の露出部分がなくコンクリート杭等の設置が

困難な場合においては、金属標によることができる。この場合において、建築物の屋上に設ける場合

に限り、金属標の頭部のみを接着剤等により固定することを妨げない。

なお、「地籍図根三角点」「標定点」等を識別できるよう努めるものとする。

2.地籍図根多角測量を省略して、細部図根測量を実施する場合には、交点等におおよそ

200m

の間隔

で地籍図根多角点に準じた標識を使用するものとする。

3.道路等において、標識(地籍図根多角点、航測図根点及び筆界基準杭)の設置により構造物の保全

や環境等に影響を与える場合には、φ30×40mm

の金属標を使用することができるものとする。

4.宅地等コンクリートブロック等構造物のある場所に筆界基準杭を設置する場合で、コンクリート杭

区 分

説 明

寸法及び形状

7㎝×7㎝×60

㎝角柱又はこれと同等以上のものとする。ただし、果樹園等の急傾

斜地区及び山林部等においては、4.5㎝×4.5㎝×45

㎝角柱又はこれと同等以上の

ものとする。

なお、「地籍図根多角点」「航測図根点」「筆界基準杭」を識別できるよう努め

るものとする。

材 質

プラスチック(難燃性でありJIS規格のものを標準とする。)、コンクリート、

石又はこれらと同等以上の強度を有するものとし、空洞のものは除く。

中心標示の方法

直径

3㎜以下

や金属標の設置が困難な場合には、境界プレート(アルミ3~5センチ角・足付等)を使用すること

ができるものとする。

別表第3 長狭物の調査における調査図素図等の表示〔第14条〕

区分

例 示 等

第14条第1項の場合

(地目変更及び分割)

1.調査図素図には、目測で長狭物を図示した上、公衆用道路の敷地にあ

っては赤色、運河用地、用悪水路、井溝及び河川の敷地にあっては青色

で彩色する。

2.地籍調査票は、一部地目変更及び分割があったものとして処理する。

(準則第29条及び第32条参照)

第14条第2項

ただし書の場合

(筆界未定)

1.調査図素図には、当該部分に「筆界未定」と朱書する。

(準則第30条参照)

2.地籍簿には、地籍調査後の土地の表示中の「原因及び日付」欄に次の

例により記載する。

(例1)公衆用道路と畑(42

番)との筆界が未定の場合には、畑(42

番)の地籍簿に「道路との筆界未定」と記載する。

(例2)水路と田(30

番及び

31番の

2)との筆界が未定の場合には、

田(30

番)の地籍簿に「31-2及び水路との筆界未定」、田(31 番

の2)

の地籍簿に「30

及び水路との筆界未定」とそれぞれ記載す

る。

第14条第3項

の場合

(現地確認不能)

1.調査図素図には、当該長狭物を構成する土地の地番、地目及び所有者

の氏名又は名称を記載し、現地において長狭物の両側の境界を調査の上、

公衆用道路の敷地にあっては赤色、運河用地、用悪水路、井溝及び河川

の敷地にあっては青色で彩色する。

2.地籍調査票には、異動事項欄に、例えば、当該土地が現地において公

衆用道路である場合には「現地確認不能(現況道路)」のように記載し、

その他の調査後の土地表示欄には何も記載しない。

3.地籍図には、長狭物の両側の境界線を表示し、その名称(例えば国道

1号、利根川等)を記載する。ただし、名称のないものについては、種

類別の略記号(例えば道、水等)を記載し、長狭物が交差する場合には、

登記所地図に従って表示する。

4.地籍簿には、原因及びその日付欄に、例えば当該土地が現地において

公衆用道路である場合には「現地確認不能(現況道路)」のように記載

し、地図番号欄に、当該土地の属する地籍図番号を記載する。

5.地積測定成果簿には、地積の欄に原則として地番区域内の名称又は種

類ごとに長狭物を一括して記載する。

84

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別表第4 地籍測量又は地積測定に用いる器械及び器材の性能又は規格〔第18条〕

(1)測量機器

備考 1.測量機器の性能は、公共測量作業規程準則の別表1「測量機器級別性能分類表」によるものとする。

2.DGPS測量機、デジタル方位距離計の性能は、次表のとおりとする。

DGPS測量機

区分

種 類

適 用 範 囲

備 考

T S 法

1級トータルステーション

地籍図根三角測量、地籍図根多角測量

細部図根測量、一筆地測量

2級トータルステーション

3級トータルステーション

細部図根測量、一筆地測量

乙二、乙三地区に適用

1級セオドライト

地籍図根三角測量、地籍図根多角測量

細部図根測量、一筆地測量

2級セオドライト

3級セオドライト

細部図根測量、一筆地測量

乙二、乙三地区に適用

2級測距儀

地籍図根三角測量、地籍図根多角測量、細

部図根測量、一筆地測量

中距離型とする。

G N S

S 法

1級GNSS測量機

地籍図根三角測量、地籍図根多角測量、細

部図根測量、一筆地測量

2級GNSS測量機

D G P

S 法

DGPS測量機

一筆地測量

乙二、乙三地区に適用

デ ジ タ ル 方 位

距 離 計 法

デジタル方位距離計

一筆地測量

乙二、乙三地区に適用

直 接 水 準

測 量 法

2級レベル

地籍図根三角測量、地籍図根多角測量

細部図根測量、一筆地測量

自動レベル又は電子レ

ベルとする。

2級標尺

そ の 他

鋼巻尺

JIS1級とする。

公称測定精度

GPS衛星の同時信号チ

ャンネル受信数

監視機能

±1m

以内

12チャンネル以上

電波受信状態

DGPS補正情報

DGPS記録状態

デジタル方位距離計

(2)製図機器等

備考 プリンタ等にはラスタプロッタを含む。なお、ラスタプロッタの性能又は規格は解像度

300dpi

以上、距

離精度±0.2%

以内とする。なお、ラスタプロッタを使用した場合で、かつ、ポリエステルベースの原図用

紙を使用する場合は当該機種専用紙を使用すること。

機器構成

①地球磁場に基づいて、電気的に磁方位角の測定を行う

角度測定器と鉛直角を自動計測する機能及び光波距離

計の機能を有していること。

②計測データを自動記録するPDA等の記録装置を有

すること。

光波距離計性能

±0.30m

傾斜計の性能

±0.25

度以内

磁方位角計測の再現性

±1度以内

磁方位角計測の分解能

±0.05

度以内

磁方位角計測部センサー

デジタルコンパス

その他

キャリブレーション機能を有すること。

種 類

性 能 又 は 規 格

自動製図機(プリンタ等)

描画精度:0.1mm 以内

位置精度:0.2mm 以内

原図用紙

大きさ:A3(JIS

規格)

伸縮

率:

1/2,000以

アルミケント紙の場合には、500g/㎡以上であること。

ポリエステルベースの場合には、#300以上、かつ、熱処理済

みであること。

85

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(3

)写

真測

量用

機器

備考 GNSS/IMU装置とは、空中写真の露出位置を解析するため、航空機搭載のGNSS及び空中写真

の露出時の傾きを検出するための3軸のジャイロ及び加速度計で構成されるIMU(慣性計測装置)、解

析ソフトウェア、電子計算機及び周辺機器で構成されるシステムで、作業に必要な精度を有するものをい

う。

種 類

性 能 又 は 規 格

航空機

1.撮影に必要な装備をし、所定の高度で安定飛行を行うことができるこ

と。

2.撮影時の飛行姿勢、フィルム航空カメラの水平規正及び偏流修正角度

のいずれにも妨げられることなく常に写角が完全に確保されているこ

と。

3.GNSS/IMU装置を用いた撮影を行う場合は、GNSSのアンテ

ナが機体頂部に取り付け可能であること。

フィルム航空カメラ

1.フィルム航空カメラは、広角航空カメラであること。ただし、撮影地

域の地形その他の状況により、普通角又は長焦点航空カメラを用いるこ

とができる。

2.フィルム航空カメラは、撮影に使用するフィルターと組み合わせた画

面距離及び歪曲収差の検定値が、0.01mm

単位まで明確なものであること。

3.カラー空中写真撮影に使用するフィルム航空カメラは、色収差が補正

されたものであること。

4.GNSS/IMU装置を用いた撮影を行う場合は、IMU

がフ

ィル

航空

カメ

ラ本

体に

取り

付け

可能

であ

るこ

と。

フィルム

1.写真処理による伸縮率の異方性が 0.01%

以下であること

2.伸縮率の異方性及び不規則伸縮率は、相対湿度1%について

0.0025

%以下であること。

3.フィルムの感色性は、特に指定された場合を除き、パン・クロマチッ

クであること。

図化機

検定を行った一級図化機であること。

解析図化機

測定最小単位

1μmの性能を有するもの。

別表第5 地籍測量又は地積測定における作業の記録及び成果〔第19条及び第56条〕

位 作 業

記 録 及 び 成 果

1.各単位作業共通

①工程表

②検査成績表

③その他測量工程上必要な資料

2.

(1)地籍図根三角測量

①基準点等成果簿写

②地籍図根三角点選点手簿

③地籍図根三角点選点図〔準則第50条〕

④地籍図根三角測量観測計算諸簿

⑤地籍図根三角点網図〔準則第52条〕

⑥地籍図根三角点成果簿〔準則第52条〕

⑦精度管理表

⑧測量標の設置状況写真

(2)地籍図根多角測量

①地籍図根多角点選点図〔準則第56条〕

②地籍図根多角測量観測計算諸簿

③地籍図根多角点網図〔準則第58条〕

④地籍図根多角点成果簿〔準則第58条〕

⑤精度管理表

⑥測量標の設置状況写真

(3)地籍細部測量

①細部図根点選点図

②細部図根測量観測計算諸簿

③細部図根点配置図〔準則第67条〕

④細部図根点成果簿〔準則第67条〕

⑤一筆地測量観測計算諸簿

⑥筆界点番号図〔準則第74条〕

⑦筆界点成果簿(番号図区域ごとにまとめる)

〔準則第74条〕

⑧精度管理表

⑨地籍図一覧図〔準則第74条〕

⑩原図〔準則第74条〕

⑪地籍明細図(必要な場合)〔準則第75条〕

3.

(1)対空標識の設置

①基準点等成果簿写

②標定点選点手簿

③標定点選点図〔準則第77条〕

④航測図根点選点図〔準則第77条〕

(2)空中写真撮影

①写真標定図

②写真フィルム

③密着印画

④撮影記録

⑤対空標識確認写真〔準則第79条〕

86

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(3)標定点測量

①標定点測量観測計算諸簿

②標定点網図〔準則第80条〕

③標定点成果簿〔準則第80条〕

④精度管理表

(4)空中三角測量

①対空標識の機械座標読定値

②空中三角測量計算簿

③航測図根点配置図〔準則第83条〕

④航測図根点成果簿〔準則第83条〕

⑤筆界点番号図〔準則第83条〕

⑥筆界点成果簿〔準則第83条〕

⑦補備測量観測計算諸簿

⑧補備測量成果

⑨精度管理表

⑩測量標の設置状況写真

(5)図化

2の(3)の

⑧~⑩〔準則第84条〕

4.地積測定

①地積測定観測計算諸簿

②地積測定成果簿〔準則第87条〕

③筆界点座標値等の電磁的記録

④精度管理表

備考 1.観測計算諸簿とは、観測手簿、観測記簿、計算簿並びに平均図及び観測図である。ただし、TS法

による細部図根測量観測計算諸簿にあっては観測図を、一筆地測量観測計算諸簿にあっては、平均図

及び観測図を、地積測定観測計算諸簿にあっては観測手簿、観測記簿、平均図及び観測図を要しない。

2.平均図は、選点図に基づき作成し、観測図は平均図に基づき作成する。

3.記録及び成果のうち各工程の選点図、網図、精度管理表、成果簿及び原図並びに地籍明細図を除き

電磁的記録によることができる。

4.補備測量成果とは、筆界点成果簿等である。

5.選点手簿、選点図、観測手簿及び対空標識確認写真は、作業用のものを記録及び成果とする。

6.記録及び成果の記載例については、別に地籍整備課長が定めるものとする。

7.併用法による地籍測量の場合には、3の(1)~

(3)、

3の(4)

の①~④及び⑦~⑨並びに

2の(3)

記録及び成果とする。

8.測量標の設置状況写真は、地籍図根三角点の全点と地籍図根多角点の令別表第四に定める甲区分の

全点については、埋設前、埋設中、設置後の近景と遠景を、乙区分の全点については設置後の近景及

び遠景の撮影を行うものとする。

9.地籍図根多角測量を省略した場合の一次の細部多角点については、地籍図根多角点に準じた標識を

設置した測点について、8.により測量標の設置状況写真を撮影するものとする。

別表第6 地籍図根三角測量における観測及び測定の方法〔第25条〕

(1)TS法による角の観測

区 分

1級トータルステーション、

1級セオドライト

2級トータルステーション、

2級セオドライト

水平角

読定単位

1秒

10秒以下

対回数

2 3

輪 郭

0度、90

0度、60

度、120度

観測差

10秒以内

20秒以内

倍角差

20秒以内

30秒以内

鉛直角

読定単位

1秒

10秒以下

対回数

1 1

定数差

15秒以内

30秒以内

(2)TS法による距離の測定

備考 1.1セットとは、1視準

2回の読定をいう。

2.測定値には、器差(器械定数、反射鏡定数)補正、気象補正、傾斜補正、基準面からの高さの補正、

s/S補正を行わなければならない。

(3)直接水準測量法における高低差の観測及び距離の測定

備考 Sは、路線長(km

単位)とする。

(4)GNSS法による基線ベクトルの観測

1)観測方法

観測は、干渉測位方式で行うものとし、次表により観測値の良否を点検できるよう、セッションを形成す

るものとする。

区 分

測 定 方 法

環閉合差による方法

環閉合差を求め点検するための異なるセッションの組み合わせに

よる点検のための多角網を形成する。

重複辺による方法

異なるセッションによる点検のため、1辺以上の重複観測を行う。

備考 1.セッションとは、同時に複数のGNSS測量機を用いて行う観測のことをいう。

2.一つのセッションで観測を行う場合には、点検のため1辺以上の重複観測を行う。

区 分

光波測距儀及びトータルステーションによる測定

セ ッ ト 数

2セット

1セット内の測定値の較差

20mm

各セットの平均値の較差

20mm

測定の単位

mm

区 分

高低差の観測

距離の測定

往 復 の 出 合 差

15mm

S

測 定 の 単 位

mm

m

87

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2)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

)観測時間等

測 定

方 法

観 測 時 間

データ取得間隔

摘 要

スタティック法

120分以上

30秒以下

観測距離が

10㎞以上

60分以上

30秒以下

観測距離が

5km以上、10km

未満

30分以上

30秒以下

観測距離が

5km未満

短縮スタティック法

10分以上

15秒以下

観測距離が

5km未満

備考 1.観測距離が

10㎞以上の場合、1級GNSS測量機を使用して2周波による観測を行うものと

する。

2.観測距離が

10㎞未満の場合、1級GNSS測量機を使用してスタティック法により

2周波による観

測を行うことができる。

3.節点を設けて、観測距離を

10㎞未満にすることで、2級GNSS測量機により

1周波による観測を

行うことができる。

4)GNSS衛星の条件

備考 1.最低高度角は、上空視界の確保が困難な場合は

30゜まで緩和することができる。

2.GLONASS衛星を用いて観測する場合は、GPS衛星及びGLONASS衛星を、それぞれ

2

衛星以上用いること。

3.観測距離が

10㎞以上の場合、GPS衛星のみを用いて観測する場合は

5衛星以上、GPS衛星及び

GLONASS衛星を用いて観測する場合は

6衛星以上を標準とする。

4.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

)検測

GNSS観測の結果、異なるセッションによる閉合多角形ができない場合には、当該セッションの一辺以

上について再度GNSS観測を行うか、異なるセッションの組合せができるようにGNSS観測を追加し

て実施し、検測とする。

設定項目

単 位

備 考

経度・緯度

度分秒

1 自動入力装置のある機種は、自動入力で行う。

楕円体高

m 0.001

(同上)

アンテナ高

m 0.001

使

用 衛

GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角

15゜を標準とする

衛星の数

スタティック法

4衛星以上

5衛星以上

短縮スタティック法

5衛星以上

6衛星以上

別表第7 偏心要素の測定方法〔第25条〕

(1)偏心角の測定

(2)偏心距離の測定

(3)本点と偏心点間の比高の測定

備考 1.偏心距離が

5mm未満かつ辺長が

1km以上の場合は、偏心補正計算を省略することができる。

2.測定距離が

10m以下の場合は、傾斜補正以外の補正を省略することができる。

偏心距離

器械・器具及び測定方法

測定の単位

測定値の制限

30cm

未満

偏心測定紙に無外心アリダード等を

用いて方向線を引き、分度器又は 計

算により測定する。

30分以下

30cm

以上

2m未満

偏心測定紙に無外心アリダード等を

用いて方向線を引き計算により測定す

る。

10分以下

2m以上

10m未満

セオドライト又はトータルステーシ

ョンを用いて、2対回、水平目盛位

置0度、90

度により測定する。

1分以下

倍角差 120

秒以内

観測差 90

秒以内

10m以上

50m未満

20秒以下

倍角差 60

秒以内

観測差 40

秒以内

50m以上

10秒以下

倍角差 30

秒以内

観測差 20

秒以内

偏心距離

器械・器具及び測定方法

測定の単位

測定値の制限

30cm

未満 スケールによって測定する。

mm

30cm

以上

2m未満

鋼巻尺を用いて、2回読定、往復測

定により測定する。

mm

(鋼巻尺)

往復の較差

5mm以内

2m以上

50m末満

鋼巻尺を用いて、2回読定、往復測

定により測定する。

地形等の状況により、光波測距儀又は

トータルステーションを用いて別表第

6により測定する。

mm

50m以上

光波測距儀又はトータルステーション

を用いて別表第6により測定する。

偏心距離

器械・器具及び測定方法

測定の単位

測定値の制限

30cm

未満 独立水準器を用いて、偏心点と本点を

同標高に設置する。

30cm

以上

別表第6による。ただし、器械高の異

なる片方向の鉛直角観測とすることが

できる。

mm

比高の較差

100mm以内

88

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(4)GNSS法を利用した偏心要素の測定

偏心要素測定のための零方向の視通がとれない場合には、方位標を設置し、GNSS観測に

り零方向の方位角を定めることができる。

別表第8 地籍図根三角測量の計算の単位及び計算値の制限〔第25条〕

(1) TS法

備考 1.nは当該多角路線の測点数、Nは

2与点間の辺数、Sは路線長(km

単位)とする。

2.厳密網平均計算の場合は、方向角の閉合差の点検を省略できるものとする。

3.環閉合差により点検する場合は、方向角、座標及び標高の各制限式の定数項を省いたものとする。

(2)GNSS法

1)環閉合差及び各成分の較差の制限

備考 1.点検計算の制限は、上記(ア)又は、(イ)の方法による。ただし、ΔN、

ΔE、

ΔU はベクトル終

点において、Δx、Δy、Δzから計算式により算出する。

2.ΔNは、水平面の南北方向の閉合差又は較差、ΔEは、水平面の東西方向の閉合差又は較差、ΔUは、

高さ方向の閉合差又は較差である。

3.スタティック法及び短縮スタティック法による基線解析では、原則としてPCV(Phase Center

Variation)

補正を行うものとする。

4.Nは、異なるセッションの組み合わせによる最少辺数である。

5.GNSS測量の軌道情報は放送暦を標準とする。

6.気象要素の補正は、基線解析ソフトウェアで採用している標準大気によるものとする。

項 目

制 限

方位標までの距離

100m

以上

GNSS観測の方法 別表第6の( 4

)の 1)

から 4)

までによる。

計 算 の 単 位

計 算 値 の 制 限

角値

辺長値

座標値

標 高

方向角の

座標の

標高の閉合差

新点位置の標準偏差

単位重量の

高低角の

閉合差

閉合差

直接法

間接法

水平位置

標高

標準偏差

標準偏差

秒位

mm位

mm位

mm位

10秒+15

秒√n

100㎜ + 100

㎜√S

150㎜ +

200㎜ +

10cm

20cm

15″

20″

15㎜√S

50㎜√N

計 算 の 単 位

計 算 値 の 制 限

辺長値

基線ベクト

ル3成分

座標値

標 高

(ア)

環閉合差

(イ)

重複辺の較差

(ウ)三次元網平均計算に

よる標準偏差

水平位置

標 高

mm位

mm位

mm位

mm位

水平(ΔN,ΔE)

20mm

N

高さ(ΔU)

30mm

N

(N:

辺数)

水平(ΔN,ΔE)

20mm

高さ(ΔU)

30mm

10cm

20cm

7.スタティック法による基線解析は、観測距離が

10㎞以上の場合は2周波で行うものとし、観測距離

が10

㎞未満の場合は1周波又は2周波で行うものとする。

8.基線解析は、観測図に基づき計算の出発点に指定した与点の成果(与点の成果に基づく座標値)を

固定値として、必要な基線について実施する。以後の基線解析は、これによって求められた値を固定

座標として実施する。また、第二セッション、第三セッション等の固定座標値は前セッションから引

き継いで基線解析を実施する。

9.基線解析に使用する高度角は、観測時にGNSS測量機に設定した受信高度角とする。

10. 一つのセッションで観測を行う場合には、1辺以上において重複辺の較差による点検を行う。

2)電子基準点のみの場合

備考 与点とする電子基準点の座標値は、セミ・ダイナミック補正を行った今期座標とする。セミ・ダイナミ

ック補正は、国土地理院が提供する地殻変動補正パラメータを使用して行う。なお、地殻変動補正パラメ

ータは、測量の実施時期に対応したものを使用するものとする。

3)電子基準点間の閉合差の制限

別表第9 地籍図根三角測量における厳密網平均計算又は三次元網平均計算に用いる重量〔第25条〕

観測値の点検箇所等

点検数等

重複辺の較差、環閉合差の点検

1)の環閉合差及び各成分の較差の制限に準じる。

電子基準点間の閉合差の点検路線数

使用した電子基準点数-1(点検路線は最少辺数路線とする。)

区 分

閉合差の制限

摘 要

結合多角方式

水平(ΔN、

ΔE)

60mm+20mm√

N:辺

ΔN:

水平面の南北方向の閉合差

ΔE:

水平面の東西方向の閉合差

ΔU:

高さ方向の閉合差

高さ(ΔU)

150mm+30mm√N

TS法

角 の 重 量

1.0

距離の重量の係数

長さに関係しない標準偏差(Ms)

10mm

長さによる誤差の比例定数(γ)

5×10

-6

角の一方向の標準偏差(Mt)

3.5秒

GNSS法

1.平均計算に用いる重量は、次のいずれかの分散・共分散行列の逆行列を用い

る。

①基線解析で求められた値

②水平及び高さの分散を固定値として求めた値

散は、d N=(0.004m)

2 、d E=(0.004m)

2 、d U=(0.007m)

2

する。

2.電子基準点のみを与点としたGNSS法の場合は、セミ・ダイナミック補正

を行うものとする。

89

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別表第10 地籍図根三角測量における点検測量の較差の許容範囲〔第25条〕

(1)点検値と採用値の較差の許容範囲

1)TS法

備考 1.Sは測点間距離(m単位)、eは偏心距離(m単位)とする。

2.水平角の許容範囲における測点間距離Sは、夾角をなす

2辺のうち距離を比較して長い方を採用す

る。

2)GNSS法

備考 1.ΔNは水平面の南北方向の較差、ΔEは水平面の東西方向の較差、ΔUは高さ方向の較差。

2.偏心点で点検を実施した場合は、偏心補正後、本点間の基線ベクトルにより比較を行う。

3.偏心点で観測した場合は、偏心要素の点検測量を行うものとする。なお、許容範囲は1)によるも

のとする。

(2)点検測量実施箇所の選定等

距離

水平角

鉛直角

偏心要素

偏心距離

偏心角

鉛直角

20mm

6000/S

7500/S

15mm

4500/e

7500/e

重複する基線ベクトルの較差

ΔN、ΔE

ΔU

20㎜

30㎜

実施箇所の選定

点検測量の数量はTS法による場合には新設点数の

10%以上(小数点以下切り上げ)、

GNSS法による場合には平均図において採用する観測辺数の総和の

10%以上(小数点

以下切り上げ)とし、網平均計算結果を基に次の事項を勘案して実施箇所を選定する。

1.観測時の状況等(GNSSアンテナタワー使用観測箇所、偏心観測箇所等)

2.点検計算結果(方向角及び座標の閉合差、環閉合差、重複辺の較差)

3.網平均計算結果(新点位置の標準偏差)

比較点検計算

1.比較点検計算は、(点検値)-(採用値)とする。

2.TS

法による鉛直角の点検測量は、片方向の観測とし、同一方向の採用値との比較を

行う。ただし、許容範囲を超過した場合は、正反観測の平均値による比較を行う。

点検

測量

手簿

の整理

1.観測手簿等上部余白部には点検測量と記載する。

2.観測手簿等任意の箇所に比較点検計算結果を整理する。

再測等

点検測量の較差が許容範囲を超過した場合は、原因を調査し、再測又は観測点を追加し

て観測を行うなど必要な処置を講じる。

備 考

点検測量実施後は、観測値等の点検を本作業と同様に実施する。

別表第11 地籍図根多角測量における観測及び測定の方法〔第31条〕

(1)TS法による角の観測

備考 精度区分が甲及び乙一において、基準方向を含む測点間距離が

200m

を超える場合は、(1)(2)の

甲一及び甲二区分によるものとする。

精 度 区 分

甲一及び甲二

甲三及び乙一

乙二及び乙三

セオドライト及び

トータルステーショ

ンの種類

1級又は

2級トータルステー

ション、1級又は

2級セオド

ライト

1級又は

2級トータルステー

ション、1級又は

2級セオド

ライト

1級又は

2級トータルステー

ション、1級又は

2級セオド

ライト

水平角

読定単位

10秒以下

10秒以下

10秒以下

対回数

2 1

1

輪 郭

0度、90

任 意

任 意

較 差

20秒以内

40秒以内

観測差

20秒以内

倍角差

30秒以内

鉛直角

読定単位

10秒以下

10秒以下

10秒以下

対回数

1 1

1

定数差

30秒以内

60秒以内

60秒以内

90

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(2)TS法による距離の測定

備考 1.1セットとは、1視準

2回の読定をいう。

2.乙二又は乙三における温度補正、基準面からの高さの補正及び

s/S補正で否については、影響が

著しい場合には、要とするものとする。

3.較差の欄のSは、測定距離(m単位)とする。

4.往復測定は、独立

2回測定とすることができる。

5.乙二、乙三地区において、水平距離補正機能付光波測距儀を使用する場合には、標高を求めない場

合に限り鉛直角、器械高及び目標の視準高を測定して傾斜補正を行ったものとみなす。

6.乙二、乙三地区において、標高を求めない場合の傾斜補正に用いる鉛直角は、正観測のみによるこ

とができる。

(3)GNSS法による基線ベクトルの観測

)観測方法

観測は、干渉測位方式で行うものとし、次表により観測値の良否を点検できるよう、セッションを形成す

るものとする。

区分

規 格 条 件

精 度 区 分

甲 一

甲 二

甲 三

乙 一

乙 二

乙 三

光 波 測 距 儀 及 び

ト ー タ ル ス テ ー シ ョ ン

1 器差補正

2 気象補正

3 傾斜補正

4 測定単位

5 読取回数

2セット

2セット

2セット

2セット

2セット

2セット

6 1セット内の測定値の較差

20㎜

20㎜

20㎜

20㎜

20㎜

20㎜

各セットの平均値の較差

20㎜

20㎜

20㎜

20㎜

20㎜

20㎜

鋼 巻 尺

7 器差補正

8 温度補正

9 傾斜補正

10 張力計の使用

11 往復測定

12 往復測定の較差

1㎜√S

2㎜√S

4㎜√S

6㎜√S

10㎜√S

10㎜√S

13 読取単位

14 片道の読取回数

2 2

1 1

1 1

15 片道の読取値の較差

3㎜

3㎜

事共

通項

16 基準面からの高さの補正

17 s/

S補正

区 分

測 定 方 法

環閉合差による方法

環閉合差を求め点検するための、異なるセッションの組み合わ

せによる多角網を形成する。

重複辺による方法

異なるセッションによる点検のため、1辺以上の重複観測を行

う。

2)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

3)観測時間等

※RTK法においては、各

GNSS

衛星から固定局と移動局で同時に受信した信号による

1回の基線解析を、ネット

ワーク型

RTK法においては移動局で受信した信号と配信事業者から提供される情報を利用した

1回の基線解

析結果を、1エポックとする。

備考 1.キネマティック法は、基準となるGNSS測量機を整置する観測点(以下「固定局」という。)

及び

移動する観測点(以下「移動局」という。)

で、同時にGNSS衛星からの信号を受信して初期化(整

数値バイアスの決定)などに必要な観測を行う。その後、移動局を複数の観測点に次々と移動して観

測を行い、それに基づき固定局と移動局の間の基線ベクトルを求める観測方法である。なお、初期化

及び基線解析は、観測終了後に行う。

2.RTK法は、固定局及び移動局で同時にGNSS衛星からの信号を受信し、固定局で取得した信号

を、無線装置等を用いて移動局に転送し、移動局側において即時に基線解析を行うことで、固定局と

移動局の間の基線ベクトルを求める。その後、移動局を複数の観測点に次々と移動して、固定局と移

動局の間の基線ベクトルを即時に求める観測方法である。なお、基線ベクトルを求める方法は、直接

観測法又は間接観測法による。

(1)直接観測法は、固定局及び移動局で同時にGNSS衛星からの信号を受信し、基線解析により固

定局と移動局の間の基線ベクトルを求める観測方法である。直接観測法による観測距離は、500

メートル以内を標準とする。

(2)間接観測法は、固定局及び2か所以上の移動局で同時にGNSS衛星からの信号を受信し、基線

解析により得られた2つの基線ベクトルの差を用いて移動局間の基線ベクトルを求める観測方法で

ある。間接観測法による固定局と移動局の間の距離は10キロメートル以内とし、間接的に求める

移動局間の距離は500メートル以内を標準とする。

3.ネットワーク型RTK法は、配信事業者(国土地理院の電子基準点網の観測データ配信を受けている

者又は、3点以上の電子基準点を基に、測量に利用できる形式でデータを配信している者をいう。以下

同じ。)

で算出された補正データ等又は面補正パラメータを、携帯電話等の通信回線を介して移動局で

受信すると同時に、移動局でGNSS衛星からの信号を受信し、移動局側において即時に解析処理を行

って位置を求める。その後、複数の観測点に次々と移動して移動局の位置を即時に求める観測方法であ

る。配信事業者からの補正データ等又は面補正パラメータを通信状況により取得できない場合は、観測

終了後に解析処理を行うことができる。なお、基線ベクトルを求める方法は、直接観測法又は間接観測

法による。

設定項目

単 位

備 考

経度・緯度

度分秒

1 自動入力装置のある機種は、自動入力で行う。

楕円体高

m

0.001

(同上)

アンテナ高

m

0.001

観 測 方

観測時間又は観測回数

データ取得間隔

スタティック法

30分以上

30秒以下

短縮スタティック法

10分以上

15秒以下

キネマティック法

1分以上

5秒以下

RTK法及びネットワ

ーク型RTK法

FIX解を得てから

10エポック※以上

1秒

91

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(1)直接観測法は、配信事業者で算出された移動局近傍の任意地点の補正データ等と移動局の観測デ

ータを用いて、基線解析により基線ベクトルを求める観測方法である。

(2)間接観測法は、次の方式により基線ベクトルを求める観測方法である。

(ⅰ)2台同時観測方式による間接観測法は、2か所の移動局で同時観測を行い、得られたそれぞれ

の三次元直交座標の差から移動局間の基線ベクトルを求める。

(ⅱ)1台準同時観測方式による間接観測法は、移動局で得られた三次元直交座標とその後、速やか

に移動局を他の観測点に移動して観測を行い、得られたそれぞれの三次元直交座標の差から移動

局間の基線ベクトルを求める。なお、観測は、速やかに行うとともに、必ず往復観測(同方向の

観測も可)を行い、重複による基線ベクトルの点検を実施する。

4)GNSS衛星の条件

備考 1.GLONASS衛星を用いて観測する場合は、GPS衛星及びGLONASS衛星を、それぞれ

2

衛星以上用いること。

.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

)検測

GNSS観測の結果、異なるセッションによる閉合多角形ができない場合には、当該セッションの一辺

以上について再度GNSS観測を行うか、異なるセッションの組合せができるようにGNSS観測を追加

して実施し、検測とする。

(4)電子基準点のみを与点とするGNSS法

)基線ベクトルの観測方法

測は、干渉測位方式で行うものとする。

)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

使 用

衛 星

項 目

GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角

15°を標準とする

衛星の数

スタティック法

4衛星以上

5衛星以上

短縮スタティック法

5衛星以上

6衛星以上

キネマティック法

RTK法及びネットワーク型RTK法

設定項目

単 位

備 考

経度・緯度

度分秒

1 自動入力装置のある機種は、自動入力で行う。

楕円体高

m 0.001

(同上)

アンテナ高

m 0.001

3)観測時間等

備考 1.観測距離が

10㎞以上の場合、1級GNSS測量機を使用して2周波による観測を行うも

のとする。

2.観測距離が

10㎞未満の場合、1級GNSS測量機を使用してスタティック法により

2周波による観

測を行うことができる。

3.節点を設けて、観測距離を

10㎞未満にすることで、2級GNSS測量機により

1周波による観測を

行うことができる。

4)GNSS衛星の条件

備考 1.最低高度角は、上空視界の確保が困難な場合は

30゜まで緩和することができる。

2.GLONASS衛星を用いて観測する場合は、GPS衛星及びGLONASS衛星を、それぞれ

2

衛星以上用いること。

3.観測距離が

10㎞以上の場合、GPS衛星のみを用いて観測する場合は

5衛星以上、GPS衛星及び

GLONASS衛星を用いて観測する場合は

6衛星以上を標準とする。

4.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

測 定

方 法

観 測 時 間

データ取得間隔

摘 要

スタティック法

120分以上

30秒以下

観測距離が

10㎞以上

60分以上

30秒以下

観測距離が

5km以上、10km

未満

30分以上

30秒以下

観測距離が

5km未満

短縮スタティック法

10分以上

15秒以下

観測距離が

5km未満

使 用

衛 星

項 目

GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角

15゜を標準とする

衛星の数

スタティック法

4衛星以上

5衛星以上

短縮スタティック法

5衛星以上

6衛星以上

92

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別表第12 地籍図根多角測量の計算の単位及び計算値の制限〔第31条及び第55条〕

(1) TS法

備考 1.nは当該多角路線の測点数、Nは

2与点間の辺数、Sは路線長(座標の閉合差の制限においては

m単

位、標高の閉合差の制限においては

km単位)とする。

2.与点で方向角の取付観測がなく、かつ、厳密網平均計算の場合は、方向角の閉合差の点検を省略で

きるものとする。

3.環閉合差により点検する場合は、方向角、座標及び標高の各制限式の定数項を省いたものとする。

(2)GNSS法

備考 1.点検計算の制限は、上記(ア)又は、(イ)の方法による。ただし、ΔN、

ΔE、

ΔU はベクトル終

点において、Δx、Δy、Δzから計算式により算出する。

2.ΔNは、水平面の南北方向の閉合差又は較差、ΔEは、水平面の東西方向の閉合差又は較差、ΔUは、

高さ方向の閉合差又は較差である。

3.スタティック法及び短縮スタティック法による基線解析では、原則としてPCV(Phase Center

Variation)

補正を行うものとする。

制限

項目

精度

区分

計 算 の 単 位

計 算 値 の 制 限

角値

辺長

座標 値

標高

方向角

座標

閉合比

標高の閉合差

新点位置

の標準偏差

単位重

量の標

準偏差

高低角

標準偏

閉合差

閉合差

直接法

間接法

水平

位置

標高

甲 一

秒位

mm位

mm位

mm位

10秒+

15秒√n

20㎜ +

4㎜√S

150mm+

15mm√S

200mm+

50mm√N

10cm

20cm

20″

(標準

30″

(標準)

秒位

mm位

mm位

mm位

15秒+

20秒√n

50㎜ +

6㎜√S

甲 三

秒位

mm位

mm位

mm位

20秒+

30秒√n

50㎜ +

10㎜

√S

50″

(標準)

乙 一

秒位

mm位

mm位

mm位

20秒+

45秒√n

60㎜ +

15㎜

√S

150mm+

30mm√S

250mm+

50mm√N

乙 二

秒位

mm位

mm位

mm位

40秒+

55秒√n

100㎜

+

20㎜

√S

70″

(標準)

乙 三

秒位

mm位

mm位

mm位

40秒+

65秒√n

120㎜

+

25㎜

√S

計 算 の 単 位

計 算 値 の 制 限

辺長値

基線ベク

トル

3成

座標値

標 高

(ア)

環閉合差

(イ)

重複辺の較差

(ウ)

三次元網平均計算に

よる標準偏差

水平位置

標高

mm位

mm位

mm位

mm位

水平(ΔN,ΔE)

20mm√N

水平(ΔN,ΔE)

20mm

10cm

20㎝

高さ(ΔU)

30mm√N

(N:

辺数)

高さ(ΔU)

30mm

20001

(標準)

30001

(標準)

4.Nは、異なるセッションの組み合わせによる最少辺数である。

5.GNSS測量の軌道情報は放送暦を標準とする。

6.気象要素の補正は、基線解析ソフトウェアで採用している標準大気によるものとする。

7.スタティック法による基線解析は、観測距離が

10㎞以上の場合は2周波で行うものとし、観測距離

が10

㎞未満の場合は1周波又は2周波で行うものとする。

8.基線解析は、観測図に基づき計算の出発点に指定した与点の成果(与点の成果に基づく座標値)を

固定値として、必要な基線について実施する。以後の基線解析は、これによって求められた値を固定

座標として実施する。また、第二セッション、第三セッション等の固定座標値は前セッションから引

き継いで基線解析を実施する。

9.基線解析に使用する高度角は、観測時にGNSS測量機に設定した受信高度角とする。

(3)電子基準点のみを与点とするGNSS法

)観測値の点検

2)点検計算の制限

①電子基準点間の閉合差の制限

②環閉合差及び各成分の較差の制限

観測値の点検箇所等

点検数等

重複辺の較差、環閉合差の点検

(2)のGNSS法、計算値の制限値の制限に準じる。

電子基準点間の閉合差の点検路線数

使用した電子基準点数-1(点検路線は最少辺数路線とする。)

区 分

閉合差の制限

摘 要

結合多角方式

水平(ΔN、

ΔE)

60mm+20mm√

N :辺数

ΔN:

水平面の南北方向の閉合差

ΔE:

水平面の東西方向の閉合差

ΔU:

高さ方向の閉合差

高さ(ΔU)

150mm+30mm√N

計 算 の 単 位

計 算 値 の 制 限

辺長値

基線ベク

トル

3成

座標値

標 高

(ア)

環閉合差

(イ)

重複辺の較差

(ウ)

三次元網平均計算に

よる標準偏差

水平位置

標高

mm位

mm位

mm位

mm位

水平(ΔN,ΔE)

20mm√N

水平(ΔN,ΔE)

20mm

10cm

20㎝

高さ(ΔU)

30mm√N

(N:

辺数)

高さ(ΔU)

30mm

93

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3)地籍図根点等との整合の確認

別表第13 地籍図根多角交会点の計算の単位及び計算値の制限〔第31条〕

削除

別表第14 地籍図根多角測量における厳密網平均計算又は三次元網平均計算に用いる重量

〔第31条及び第34条〕

備考 細部図根測量において厳密網平均計算に用いる重量のうち角の一方向の標準偏差(Mt)については、精

度区分に関わらず

13.5

秒とする。

別表第15 地籍図根多角測量における点検測量の較差の許容範囲〔第31条〕

(1)点検値と採用値の較差の許容範囲

)TS法

備考 1.Sは測点間距離(m単位)、eは偏心距離(m単位)とする。

2.水平角の許容範囲における測点間距離Sは、夾角をなす

2辺のうち距離を比較して長い方を採用す

る。

地籍図根点等との取付距離の制限

1,500m

以内を標準

GNSS法による座標の較差

精度区分

水平(ΔN、

ΔE)

高さ(ΔU)

乙一

60mm+20mm√

150mm+30mm√N

乙二

乙三

TS法による座標の較差

精度区分

方向角の閉合差

座標の閉合差

乙一

20秒+45秒√N

60㎜ + 15㎜√S

乙二

40秒+55秒√N

100㎜ + 20㎜√S

乙三

40秒+65秒√N

120㎜ + 25㎜√S

TS法

角 の 重 量

1.0

距離の重量の係数

長さに関係しない標準偏差(Ms)

10mm

長さによる誤差の比例定数(γ)

5×10

-6

角の一方向の標準偏差(Mt)

4.5秒(甲1及び甲2)

13.5

秒(甲1及び甲2以外)

GNSS法

平均計算に用いる重量は、次のいずれかの分散・共分散行列の逆行列を用いる。

①基線解析で求められた値

②水平及び高さの分散を固定値として求めた値

分散は、d N=(0.004m)

2 、d E=(0.004m)

2 、d U=(0.007m)

2 とする。

距離

水平角

鉛直角

偏心要素

偏心距離

偏心角

鉛直角

15mm

4500/S

7500/S

15mm

4500/e

7500/e

3.乙二、乙三地区で標高を求めない場合の距離の点検は、水平距離で行うことができる。この場合の

鉛直角の点検は省略できる。

2)GNSS法

備考 1.ΔNは水平面の南北方向の較差、ΔEは水平面の東西方向の較差、ΔUは高さ方向の較差。

2.偏心点で点検を実施した場合は、偏心補正後、本点間の基線ベクトルにより比較を行う。

(2) 点検測量実施箇所の選定等

別表第16 細部図根点等の密度の標準(1㎢当たり点数)〔第33条〕

重複する基線ベクトルの較差

ΔN、ΔE

ΔU

20㎜

30㎜

実施箇所の選定

点検測量の数量は新設点数の

5%以上(小数点以下切り上げ)とし、網平均計算結果を基

に次の事項を勘案して実施箇所を選定する。

1.観測時の状況等(GNSSアンテナタワー使用観測箇所、偏心観測箇所等)

2.点検計算結果(方向角及び座標の閉合差、環閉合差、重複辺の較差)

3.網平均計算結果(新点位置の標準偏差)

比較点検計算

1.比較点検計算は、(点検値)-(採用値)とする。

2.TS

法による鉛直角の点検測量は、片方向の観測とし、同一方向の採用値との比較を行

う。ただし、許容範囲を超過した場合は、正反観測の平均値による比較を行う。

点検測量手簿等

の整理

1.観測手簿等上部余白部には点検測量と記載する。

2.観測手簿等任意の箇所に比較点検計算結果を整理する。

再測等

点検測量の較差が許容範囲を超過した場合は、原因を調査し、再測又は観測点を追加して

観測を行うなど必要な処置を講じる。

備 考

点検測量実施後は、観測値等の点検を本作業と同様に実施する。

見通し区分

傾斜区分

1/250

1/500

1/1000

1/2500

1/5000

水田・畑

(果樹

園等省く)等

平坦

320~

480

320~

480

189~

283

80~120

35~53

中傾斜

395~

593

395~

593

222~

332

98~148

44~66

急傾斜

500~

750

500~

750

320~

480

142~

212

66~98

山林部及び山

林部周辺等

平坦

394~

592

394~

592

264~

396

110~

166

51~77

中傾斜

500~

750

500~

750

320~

480

142~

212

61~91

急傾斜

653~

979

653~

979

500~

750

189~

283

80~120

市街地及び市

街地周辺等

平坦

1280~1920

500~

750

290~

434

―――

―――

中傾斜

1580~2370

653~

979

320~

480

―――

―――

急傾斜

2000~3000

889~

1333

500~

750

―――

―――

94

Page 103: 地籍調査作業規程準則の一部改正に伴う 運用と解説平成28年4月 地籍整備課 地籍調査作業規程準則運用基準及び別表の主な改正について

備考 1.水田・畑

(果樹園等省く)等とは、見通しが良好な地区をいう。

2.山林部及び山林部周辺等とは、樹木その他の障害により見通しが比較的困難な地区をいう。

3.市街地及び市街地周辺等とは、家屋密集その他の状況により見通し距離が著しく短い地区をいう

4.平坦とは

3度以下、中傾斜とは 3~15

度、急傾斜とは概ね

15度以上の傾斜区分をいう。

5.1㎢当たり点数とは、1㎢当たりの区域における細部図根点等の数をいう。

6.航測図根点等は、必要に応じてこの標準より密度を増加させるものとする。

7.地籍図根多角測量を省略した場合には、交点等におおよそ

200m

の間隔で地籍図根多角点に準じた

標識を設置するものとする。なお、本表の配点密度をもって細部図根点の標準設置点数とする。

8.単点観測法により一筆地測量を実施する場合、必要に応じて地籍図根多角測量を省略し細部図根点

を設置することができるものとする。

9.1㎢当たりの細部図根点の設置点数は、本表の密度の標準点数から別表第1、(1)及び(2)の

地籍図根点等の密度の標準点数を減じた数を標準とする。

別表第17 多角測量法による細部図根測量における観測及び測定の方法〔第34条及び第35条〕

(1)TS法による角の観測

備考 1.精度区分が甲及び乙一において、基準方向を含む測点間距離が

200m

を超える場合は、別表第

11の

(1)(2)の甲一及び甲二区分によるものとする。

2.乙二、乙三地区において、地籍図根多角測量を省略して細部図根測量を行う場合には、1級又は

2

級トータルステーション、1級又は

2級セオドライトを使用することとする。

区 分

精 度 区 分

甲 一

甲 二

甲 三

乙一、乙二及び

乙三

乙二及び乙三

セオドライト及び

トー

タルステ

ーシ

ンの種類

1級又は

2級ト

ータルステー

ション、1級又

は2級セオドラ

イト

1級又は

2級ト

ータルステーシ

ョン、1級又は

2

級セオドライト

1級又は

2級

トータルステ

ーション、1級

又は

2級セオ

ドライト

1級又は

2級

トータルステ

ーション、1級

又は

2級セオ

ドライト

3級トータルス

テーション、3

級セオドライ

水平角

読定単位

10秒以下

10秒以下

10秒以下

20秒以下

20秒以下

対回数

2 2

1 1

2

輪 郭

0度、90

0度、90

任 意

任 意

0度、90

較 差

20秒以内

40秒以内

観測差

20秒以内

40秒以内

40秒以内

倍角差

30秒以内

60秒以内

60秒以内

鉛直角

読定単位

10秒以下

10秒以下

10秒以下

20秒以下

20秒以下

対回数

1 1

1 1

1

定数差

60秒以内

60秒以内

60秒以内

60秒以内

60秒以内

(2)TS法による距離の測定

備考 1.1セットとは、1視準

2回の読定をいう。

2.較差の欄のSは、測定距離(m単位)とする。

3.往復測定は、独立

2回測定とすることができる。

4.乙二、乙三地区において、水平距離補正機能付光波測距儀を使用する場合には、鉛直角、器械高及

び目標の視準高を測定して傾斜補正を行ったものとみなす。

5.乙二、乙三地区において、傾斜補正に用いる鉛直角は、正方向のみによることができる。

(3)GNSS法による基線ベクトルの観測

)観測方法

観測は、干渉測位方式で行うものとし、次表により観測値の良否を点検できるよう、セッションを形成

するものとする。

区分

規 格 条 件

精 度 区 分

甲 一

甲 二

甲 三

乙 一

乙 二

乙 三

光 波 測 距 儀 及 び

ト ー タ ル ス テ ー シ ョ ン

1 器差補正

2 気象補正

3 傾斜補正

4 測定単位

5 読取回数

2セット

2セット

2セット

2セット

2セット

2セット

6 1セット内の測定値の較差

20㎜

20㎜

20㎜

20㎜

20㎜

20㎜

各セットの平均値の較差

20㎜

20㎜

20㎜

20㎜

20㎜

20㎜

7 器差補正

8 温度補正

9 傾斜補正

10 張力計の使用

11 往復測定

12 往復測定の較差

1㎜√S

2㎜√S

4㎜√S

6㎜√S

10㎜√S

10㎜√S

13 読取単位

14 片道の読取回数

2 2

1 1

1 1

15 片道の読取値の較差

3㎜

3㎜

共 通

事 項

16 基準面からの高さの補正

17 s/

S補正

区 分

測 定 方 法

環閉合差による方法

環閉合差を求め点検するための、異なるセッションの組み

合わせによる多角網を形成する。

重複辺による方法

異なるセッションによる点検のため、1辺以上の重複観測

を行う。

95

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2)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

3)観測時間等

備考 地籍図根多角測量の場合と同様に行うものとする(別表第11(3)3))。

4)GNSS衛星の条件

備考 1.GLONASS衛星を用いて観測する場合、GPS衛星及びGLONASS衛星を、それぞれ

2衛

星以上用いること。

2.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

5)検測

GNSS観測の結果、異なるセッションによる閉合多角形ができない場合には当該セッションの一辺以上

について再度GNSS観測を行うか、異なるセッションの組合せができるようにGNSS観測を追加して実

施し、検測とする。

設定項目

単 位

備 考

経度・緯度

度分秒

1 自動入力装置のある機種は、自動入力で行う。

楕円体高

m 0.

001 (同上)

アンテナ高

m 0.

001

観 測 方

観測時間又は観測回数

データ取得間隔

スタティック法

30分以上

30秒以下

短縮スタティック法

10分以上

15秒以下

キネマティック法

1分以上

5秒以下

RTK法及びネットワー

ク型RTK法

FIX解を得てから

10エポック以上

1秒

使 用

衛 星

項 目

GPS衛星のみ

GPS衛星及びGL

ONASS衛星

最低高度角

15°を標準とする

衛星の数

スタティック法

4衛星以上

5衛星以上

短縮スタティック法

5衛星以上

6衛星以上

キネマティック法

RTK法及びネットワーク型RTK法

別表第18 多角測量法による細部図根測量の計算の単位及び計算値の制限〔第34条〕

(1)TS法

備考 1.結合する多角網の閉合差の点検計算は、与点から他の与点までとする。

2.nは当該多角路線の測点数、Sは路線長(m単位)とする。

3.厳密網平均計算による場合、単位重量の標準偏差は

20秒、水平位置の標準偏差は

100mmをそれぞれ

標準とする。また、閉合比の制限は、甲一、甲二及び甲三においては

1/3,000を標準とし、乙一、乙

二及び乙三においては

1/2,000を標準とする。なお、厳密網平均計算に用いる重量は、別表第

14によ

るものとする。

4.簡易網平均計算による場合の閉合比の制限は、1/2,000を標準とする。

5.環閉合差により点検する場合は、方向角及び座標の各制限式の定数項を省いたものとする。

6.与点で方向角の取付観測がなく、かつ、厳密網平均計算の場合は、方向角の閉合差の点検を省略で

きるものとする。

(2)GNSS法

備考 1.点検計算の制限は、上記(ア)又は、(イ)の方法による。ただし、ΔN、

ΔE、

ΔU はベクトル終

点において、Δx、Δy、Δzから計算式により算出する。

2.ΔNは、水平面の南北方向の閉合差又は較差、ΔEは、水平面の東西方向の閉合差又は較差、ΔUは、

制限項目

精度区分

計 算 の 単 位

計 算 値 の 制 限

角 値

辺長値

座標値

方向角の閉合差

座標の閉合差

甲 一

秒 位

㎜位

㎜位

10秒+15

秒n

20㎜ +

4㎜

S

甲 二

秒 位

㎜位

㎜位

15秒+20

秒n

50㎜ +

6㎜

S

甲 三

秒 位

㎜位

㎜位

20秒+30

秒n

50㎜ +

10㎜

S

乙 一

秒 位

㎜位

㎜位

20秒+45

秒n

60㎜ +

15㎜

S

乙 二

秒 位

㎜位

㎜位

40秒+55

秒n

100㎜ +

20㎜

S

乙 三

秒 位

㎜位

㎜位

40秒+65

秒n

120㎜ +

25㎜

S

計 算 の 単 位

計 算 値 の 制 限

辺長値

基線ベクト

ル3成分

座標値

標 高

(ア)

環閉合差

(イ)

重複辺の較差

(ウ)

三次元網平均計算

による標準偏差

水平位置

mm位

mm位

mm位

mm位

水平(ΔN,ΔE)

20mm

N

高さ(ΔU)

30mm

N

(N:

辺数)

水平(ΔN,ΔE)

20mm

高さ(ΔU)

30mm

10cm

96

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高さ方向の閉合差又は較差である。

3.三次元網平均計算に用いる重量は、別表第

14によるものとする。

別表第19 細部図根測量における点検測量の較差の許容範囲〔第34条、第35条〕

(1)点検値と採用値の較差の許容範囲

)TS法

備考 1.Sは測点間距離(m単位)、eは偏心距離(m単位)とする。

.水平角の許容範囲における測点間距離Sは、夾角をなす

2辺のうち距離を比較して長い方を採用する。

3.乙二、乙三地区において、距離の点検は、水平距離で行うことができる。この場合の鉛直角の点検は

省略できる。

2)GNSS法

備考 1.ΔNは水平面の南北方向の較差、ΔEは水平面の東西方向の較差、ΔUは高さ方向の較差。

2.偏心点で点検を実施した場合は、偏心補正を行い、本点間の基線ベクトルにより比較を行う。

(2)点検測量実施箇所の選定等

距離

水平角

鉛直角

偏心要素

偏心距離

偏心角

鉛直角

15mm

4500/S

7500/S

15mm

4500/e

7500/e

重複する基線ベクトルの較差

ΔN、ΔE

ΔU

20㎜

30㎜

実施箇所の選定

点検測量の数量は新設点数の

2%以上(小数点以下切り上げ)とし、網平均計算結果を

基に次の事項を勘案して実施箇所を選定する。

1.観測時の状況等(GNSSアンテナタワー使用観測箇所、偏心観測箇所等)

2.点検計算結果(方向角及び座標の閉合差、環閉合差、重複辺の較差)

3.網平均計算結果(新点位置の標準偏差)

比較点検計算

1.比較点検計算は、(点検値)-(採用値)とする。

2.TS

法による鉛直角の点検測量は、片方向の観測とし、同一方向の採用値との比較を

行う。ただし、許容範囲を超過した場合は、正反観測の平均値による比較を行う。

点検

測量

手簿

の整理

1.観測手簿等上部余白部には点検測量と記載する。

2.観測手簿等任意の箇所に比較点検計算結果を整理する。

再測等

点検測量の較差が許容範囲を超過した場合は、原因を調査し、再測又は観測点を追加し

て観測を行うなど必要な処置を講じる。

備 考

点検測量実施後は、観測値等の点検を本作業と同様に実施する。

別表第20 放射法による細部図根測量における観測及び測定の方法〔第35条〕

(1)TS法による角の観測

備考 1.測定距離が

50m未満の場合には、( )内の値とし、この場合のSは測定距離(m単位)とする。

精度区分

甲一及び甲二

甲三及び乙一

乙二及び乙三

セオドライト及び

トー

タルステ

ーシ

ンの種類

1級又は

2級トータルステ

ーション、1級又は

2級セオ

ドライト

1級又は

2級トータルステ

ーション、1級又は

2級セオ

ドライト

1級、2級又は

3級トータル

ステーション、1級、2

級又は

3級セオドライト

水平角

読定単位

10秒以下

10秒以下

20秒以下

対回数

1 1

輪 郭

任意

任意

任意

較 差

20(1000/S)秒以内

30(1500/S)秒以内

40(2000/S

) 秒以内

観測差

倍角差

鉛直角

読定単位

20秒以下

対回数

定数差

90(4500/S)秒

以内

97

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(2)TS法による距離の測定

備考 1.往復測定は、独立

2回測定とすることができる。

2.1セットとは、1視準

2回の読定をいう。

(3)GNSS法による基線ベクトルの観測

)観測方法

観測は、干渉測位方式で行うものとする。

)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

精度区分

甲一及び甲二

甲三及び乙一

乙二及び乙三

測距器機の種類

光波測距儀

及びトータ

ルステーシ

ョン

鋼巻尺

光波測距儀

及びトータ

ルステーシ

ョン

鋼巻尺

光波測距儀

及びトータ

ルステーシ

ョン

鋼巻尺

器差補正

気象補正

温度補正

傾斜補正

張力計の使用

往復測定

往復測定の較差

甲一

5㎜以内

甲二

10㎜以内

20㎜以内

30㎜以内

読取単位

片道の読取回数

1セット

1回

1セット

1回

1セット

1回

1セ

ット

内の

定値の較差

10㎜

甲三

15㎜以内

乙一

20㎜以内

20㎜以内

基準

面か

らの

さ補正

s/S補正

測定距離の制限

50m以内

50m以内

50m以内

設定項目

単 位

備 考

経度・緯度

度分秒

1 自動入力装置のある機種は、自動入力で行う。

楕円体高

m 0.001

(同上)

アンテナ高

m 0.001

3)観測時間等

備考 1.地籍図根多角測量の場合と同様に行うものとする(別表第11(3)3))。

2.

1セット目の観測終了後に再初期化を行い、

2セット目の観測を行う。

3.RTK法においては、固定局と移動局の観測距離は、

500m

以内を標準とする。

4)GNSS衛星の条件

備考 1.GLONASS衛星を用いて観測する場合は、GPS衛星及びGLONASS衛星を、それぞれ

2

衛星以上用いること。

2.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

別表第21 放射法による細部図根測量における与点点検の較差の標準〔第35条〕

別表第22 放射法による細部図根測量の計算の単位及び計算値の制限〔第35条〕

(1)TS法

(2)GNSS法

観測方法

観 測 回 数

データ取得間隔

RTK法及びネットワ

ーク型RTK法

FIX解を得てから

10エポック以上を1セット

とし、2セットの観測を行う。

1秒

使 用

衛 星

項 目

GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角

15゜を標準とする

衛星の数

5衛星以上

6衛星以上

精度区分

点検項目

甲一

甲二

甲三

乙一

乙二

乙三

距 離

40㎜以内

60㎜以内

100㎜以内

120㎜以内

160㎜以内

200㎜以内

角 度

20秒以内

30秒以内

40秒以内

40秒以内

80秒以内

80秒以内

制限項目

精度区分

計算の単位

角 値

辺長値

座標値

甲 一

秒 位

㎜位

㎜位

甲 二

秒 位

㎜位

㎜位

甲 三

秒 位

㎜位

㎜位

乙 一

秒 位

㎜位

㎜位

乙 二

秒 位

㎜位

㎜位

乙 三

秒 位

㎜位

㎜位

計算の単位

計 算

値 の

制 限

座標値

X座標、Y座標のセット間較差(ΔN、ΔEの比較でも可)

㎜位

20㎜以下

98

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備考 1.座標値は、2セットの観測から求めた平均値とする。

2.ΔNは、水平面の南北方向の較差、ΔEは、水平面の東西方向の較差である。

別表第23 放射法により求めた細部図根点の点検の較差の制限〔第35条〕

別表第24 放射法等による一筆地測量における観測及び測定の方法〔第38条〕

(1)TS法による角の観測

備考 1.測定距離が

50m未満の場合には、( )内の値とし、この場合のSは測定距離(m単位)とする。

2.鉛直観測は、高度角が

20度未満の場合には、対回数を

0.5とする。

3.トータルステーションによる場合には[

]内の値とする。

4.対回数

0.5とは、正観測をいう。

精度区分

甲 一

甲 二

甲 三

乙 一

乙 二

乙 三

較差の制限

40㎜

60㎜

100㎜

120㎜

160㎜

200㎜

精 度 区 分

甲一及び甲二

甲三及び乙一

乙二及び乙三

セオドライト及び

トータルステーショ

ンの種類

1級又は

2級トータルステ

ーション、

1級又は

2級セオドライト

1級又は

2級トータルステ

ーション、

1級又は

2級セオドライト

1級、2級又は

3級トータル

ステーション、

1級、2級又は

3級セオドラ

イト

水平角

読定単位

10秒以下

10秒以下

20秒以下

対回数

1[0.5]

1[

0.5]

1[

0.5]

輪 郭

任意[任意]

任意[任意]

任意[任意]

較 差

20(1000/S)秒以内

[-]

40(2000/S) 秒以内

[-]

60(3000/S) 秒以内

[-]

観測差

[-]

[-]

[-]

倍角差

[-]

[-]

[-]

鉛直角

読定単位

20秒以下

対回数

1[0.5]

定数差

90(4500/

S)秒

以内[-

]

(2)TS法による距離の測定

備考 0.5セットとは、1視準1回の読定をいう。

(3)GNSS法による基線ベクトルの観測

)観測方法

観測は、干渉測位方式で行うものとする。

2)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

3)観測時間等

備考 1.地籍図根多角測量の場合と同様に行うものとする(別表第11(3)3))。

2.

1セット目の観測終了後に再初期化を行い、

2セット目の観測を行う。

3.RTK法においては、固定局と移動局の観測距離は、500m

以内を標準とする。

精度区分

甲一及び甲二

甲三及び乙一

乙二及び乙三

測距器機の種類

光波

測距

及び

トー

ルス

テー

ョン

鋼巻尺

光波

測距

及び

トー

ルス

テー

ョン

鋼巻尺

光波測距儀

及びトータ

ルステーシ

ョン

鋼巻尺

器差補正

気象補正

温度補正

傾斜補正

張力計の使用

往復測定

読取単位

片道の読取回数

0.5セット

2回

0.5セット

2回

0.5セット

2回

読取値の較差

5㎜以内

甲三 8

㎜以内

乙一

10㎜以内

20㎜以内

測定距離の制限

50m以内

50m以内

50m以内

設定項目

単 位

備 考

経度・緯度

度分秒

1 自動入力装置のある機種は、自動入力で行う。

楕円体高

m 0.001

(同上)

アンテナ高

m 0.001

観測方法

観 測 回 数

データ取得間隔

RTK法及びネットワーク

型RTK法

FIX解を得てから

10エポック以上を1セット

とし、2セットの観測を行う。

1秒

99

Page 108: 地籍調査作業規程準則の一部改正に伴う 運用と解説平成28年4月 地籍整備課 地籍調査作業規程準則運用基準及び別表の主な改正について

4)GNSS衛星の条件

備考 1.GLONASS衛星を用いて観測する場合は、GPS衛星及びGLONASS衛星を、それぞれ

2

衛星以上用いること。

2.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

(4)デジタル方位距離計法による観測及び測定の方法

別表第25 放射法等による一筆地測量における与点点検の較差の標準〔第38条〕

(1)TS法

(2)デジタル方位距離計法

別表第26 放射法等による一筆地測量の計算の単位及び計算値の制限〔第38条及び第42条〕

(1)TS法

使 用

衛 星

項 目

GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角

15゜を標準とする

衛星の数

5衛星以上

6衛星以上

区 分

測定方法

測定回数

測定単位

読取値の較差

磁方位角

正又は反

2回以上

0.1度以下

6分√S以下

鉛直角

6分√S以下

距離

3㎝以内

精度区分

点検項目

甲一及び甲二

甲三及び乙一

乙二及び乙三

距 離

50㎜以内

100㎜以内

200㎜以内

角 度

60秒以内

90秒以内

120秒以内

精度区分

点検項目

乙二

乙三

距離

160㎜

200㎜

制限項目

精度区分

計 算 の 単 位

計算値の制限

角 値

辺長値

座標値

放射法の出合差

甲 一

秒位

㎜位

㎜位

30㎜

甲 二

秒位

㎜位

㎜位

50㎜

甲 三

秒位

㎜位

㎜位

90㎜

乙 一

秒位

㎜位

㎜位

120㎜

乙 二

秒位

㎜位

㎜位

160㎜

乙 三

秒位

㎜位

㎜位

200㎜

備考 放射法の出合差とは、2点以上の細部図根点等を基礎として測定した場合の筆界点の座標値の差をいう。

(2)GNSS法

備考 1.座標値は、2セットの観測から求めた平均値とする。

2.Δ

Nは、水平面の南北方向の較差、ΔEは、水平面の東西方向の較差である。

(3)デジタル方位距離計法

別表第27 多角測量法による一筆地測量における観測及び測定の方法〔第39条〕

(1)TS法による角の観測

計算の単位

計 算

値 の

制 限

座標値

X座標、Y座標のセット間較差(ΔN、ΔEの比較でも可)

㎜位

20㎜以下

制限項目

精度区分

計 算 の 単 位

計算値の制限

角 値

辺長値

座標値

放射法の出合差

乙二

秒 位

㎜位

㎜位

160㎜

乙三

秒 位

㎜位

㎜位

200㎜

精 度 区 分

甲一及び甲二

甲三及び乙一

乙二及び乙三

セオドライト及びトータ

ルステーションの種類

1級又は

2級トータルステーション、

1級又は

2級セオドライト

1級、2級又は

3級トータルステーション、

1級、2級又は

3級セオドライト

読定単位

20

秒以下

水平角

対回数

1

輪 郭

任 意

較 差

40秒以内

60秒以内

読定単位

20

秒以下

鉛直角

対回数

1

定数差

90秒以内

100

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(2)TS法による距離の測定

備考 1.較差欄のSは、測定距離(m単位)とする。

2.往復測定は、独立

2回測定とすることができる。

3.1セットとは、1視準

2回の読定をいう。

(3)GNSS法による基線ベクトルの観測

)観測方法

観測は、干渉測位方式で行うものとし、次表により観測値の良否を点検できるよう、セッションを形成

するものとする。

精度区分

甲一及び甲二

甲三及び乙一

乙二及び乙三

測距器機の種類

光波測距儀

及びトータ

ルステーシ

ョン

鋼巻尺

光波測距儀

及びトータ

ルステーシ

ョン

鋼巻尺

光波測距儀

及びトータ

ルステーシ

ョン

鋼巻尺

器差補正

気象補正

温度補正

傾斜補正

張力計の使用

往復測定

往復測定の較差

甲一

1㎜

S

以内

甲二

2㎜

S

以内

甲三

4㎜

S

以内

乙一

6㎜

S

以内

10㎜

S

以内

読取単位

片道の読取回数

1セット

1回

1セット

1回

1セット

1回

1セ

ット

内の

測定

値の較差

甲一

10㎜以内

甲二

15㎜以内

甲三

20㎜以内

乙一

30㎜以内

30㎜以内

基準面からの高さ補正

s/S補正

区 分

測 定 方 法

環閉合差による方法

環閉合差を求め点検するための異なるセッションの組み合わ

せによる多角網を形成する。

重複辺による方法

異なるセッションによる点検のため、1

辺以上の重複観測を行

う。

2)GNSS観測のために設定する項目、単位及び位

3)観測時間等

備考 1.地籍図根多角測量の場合と同様に行うものとする(別表第11(3)3))。

2.RTK法においては、固定局と移動局の観測距離は、500m

以内を標準とする。

4)GNSS衛星の条件

備考 1.GLONASS衛星を用いて観測する場合は、GPS衛星及びGLONASS衛星を、それぞれ

2

衛星以上用いること。

2.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

5)検測

GNSS観測の結果、異なるセッションによる閉合多角形ができない場合には当該セッションの一辺以

上について再度GNSS観測を行うか、異なるセッションの組合せができるようにGNSS観測を追加し

て実施し、検測とする。

(4)デジタル方位距離計法による観測及び測定の方法

備考 作

業開始前に器機の調整及び点検を実施し、観測日ごとの偏差の量の確認を行うものとする。

設定項目

単 位

備 考

経度・緯度

度分秒

1 自動入力装置のある機種は、自動入力で行う。

楕円体高

m 0.001

(同上)

アンテナ高

m 0.001

観 測 方

観測時間又は観測回数

データ取得間隔

短縮スタティック法

10分以上

15秒以下

キネマティック法

1分以上

5秒以下

RTK法及びネットワーク

型RTK法

FIX解を得てから

10エポック以上

1秒

使 用

衛 星

項 目

GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角

15゜を標準とする

衛星の数

5衛星以上

6衛星以上

区 分

測定方法

測定回数

測定単位

読取値の較差

磁方位角

正又は反

2回以上

0.1度以下

6分√S以下

鉛直角

6分√S以下

距離

3㎝以内

101

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別表第28 多角測量法及び交点計算法による一筆地測量の計算の単位及び計算値の制限〔第39条

から第42条〕

(1)TS法

備考 1

.nは当該路線の測点数、Sは路線長(m単位)とする。

2.環閉合差により点検する場合は、方向角及び座標の各制限式の定数項を省いたものとする。

(2)GNSS法

備考 1.点検計算の制限は、上記(ア)又は、(イ)の方法による。ただし、ΔN、

ΔE、

ΔU はベクトル終

点において、Δx、Δy、Δzから計算式により算出する。

2.Δ

Nは、水平面の南北方向の閉合差又は較差、Δ

Eは、水平面の東西方向の閉合差又は較差、Δ

U

は、高さ方向の閉合差又は較差である。

制限項目

精度区分

計 算 の 単 位

計 算 値 の 制 限

角 値

辺長値

座標値

方向角の閉合差

座標の閉合差

甲 一

秒位

㎜位

㎜位

30秒+25

秒n

20㎜+ 4

㎜S

甲 二

秒位

㎜位

㎜位

35秒+30

秒n

50㎜+ 7

㎜S

甲 三

秒位

㎜位

㎜位

40秒+40

秒n

100㎜+10

㎜S

乙 一

秒位

㎜位

㎜位

40秒+55

秒n

100㎜+15

㎜S

乙 二

秒位

㎜位

㎜位

60秒+65

秒n

150㎜+20

㎜S

乙 三

秒位

㎜位

㎜位

60秒+75

秒n

150㎜+25

㎜S

計 算 の 単 位

計 算 値 の 制 限

辺長値

基線ベクト

ル3成分

座標値

標 高

(ア)

環閉合差

(イ)

重複辺の較差

(ウ)

三次元網平均計算

による標準偏差

水平位置

mm位

mm位

mm位

mm位

水平(ΔN,ΔE)

20mm

N

高さ(ΔU)

30mm

N

(N:

辺数)

水平(ΔN,ΔE)

20mm

高さ(ΔU)

30mm

10cm

(3)デジタル方位距離計法

備考 1.Sは路線の長さをm単位で示した数である。

2.筆界点の座標値は、簡易網平均計算により求めるものとする。

3.閉合差により点検する場合は、座標の制限の定数項を省いたものとする。

4.座標の計算に用いる磁方位角から方向角を求めるための偏差の量は、同一器械の場合の日ごとの量

は同量とする。

別表第29 単点観測法による一筆地測量における観測及び測定の方法〔第41条〕

(1)ネットワーク型RTK法

1)観測のための設定項目、単位及び位

2)観測回数、データ取得間隔

備考 1.1セット目の観測終了後に再初期化を行い、2セット目の観測を行う。

2.配信事業者からの補正データ等又は面補正パラメータを通信状況により取得できない場合は、観測

終了後に解析処理を行うことができる。

3)観測の諸条件

備考 1.アンテナの整置は、三脚又はアンテナポールを用いること。

2.GLONASS衛星を用いて観測する場合は、GPS衛星及びGLONASS衛星を、それぞれ

2

衛星以上用いること。

3.準天頂衛星は、GPS衛星として取り扱うことができる。

精度区分

計 算 の 単 位

計算値の制限

角 値

辺長値

座標値

座標の閉合差

新点位置の標準偏差

水平位置

乙二

秒 位

㎜位

㎜位

150㎜+50

㎜√S

50cm

乙三

秒 位

㎜位

㎜位

150㎜+65

㎜√S

100cm

設定項目

単 位

備 考

経度・緯度

度分秒

1 自動入力装置のある機種は、自動入力で行う。

楕円体高

m 0.001

(同上)

アンテナ高

m 0.001

観測回数

データ取得間隔

FIX解を得てから10エポック以上を1セ

ット

とし、2セ

ットの観測を行う。

1秒

使 用

衛 星

項 目

GPS衛星のみ

GPS衛星及び

GLONASS衛星

最低高度角

15゜以上を標準とする

衛星の数

5衛星以上

6衛星以上

制限項目

102

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4)筆界点の整合性確保のために使用する細部図根点等までの距離

備考 地形の形状によりやむを得ない場合にはこの限りでない。

(2)DGPS法

1)観測回数、データ取得間隔等

2)観測の諸条件

備考 公的サービスによるディファレンシャル補正情報とは、海上保安庁のDGPS局からの補正情報や、国

土交通省航空局のMSASからの補正情報をいう。

3)筆界点の整合性確保のために与点とする細部図根点等までの距離

別表第30 単点観測法による一筆地測量の計算の単位及び計算値の制限〔第41条及び第42条〕

(1)ネットワーク型RTK法

1)基線解析の計算結果の表示単位

精度区分

筆界点から細部図根点等までの距離

甲一及び甲二

500m

以内

甲三及び乙一

500m

以内

乙二及び乙三

1,000m

以内

使用衛星数

観 測 回 数

データ取得間隔

セット間間隔

6衛星以上

DGPS解を得てから

10エポック

を1セットとして

4セット実施す

る。4セットの平均値を成果値とす

る。

1秒

5分

項 目

条 件

最低高度角

15°以上を標準とする。

アンテナの整置

三脚又はアンテナポール

DGPS補正情報

1.世界測地系に基づいて生成されたディファレンシャル補正情報

2.公的サービスによるディファレンシャル補正情報

精度区分

筆界点から細部図根点等までの距離

乙二及び乙三

1,000m

以内

区分項目

単位

基線ベクトル成分

m 0.001

2)計算値の制限

備考 1.座標値は、2セットの観測から求めた平均値とする。

2.ΔNは、水平面の南北方向の較差、ΔEは、水平面の東西方向の較差である。

3)細部図根点等における座標の較差の許容範囲

4)座標補正の点検における計算距離と実測距離の較差の許容範囲

5)運用基準第

42条に規定する筆界点座標値の精度点検の制限

(2)DGPS法

)観測値及びセット間較差の制限

備考 セット間の較差については、4セットの最大値と最小値の較差とし、制限を超えた場合は再測を行うもの

とする。

)細部図根点等における座標の較差の許容範囲

計算の単位

計 算 値 の 制 限

座標値

X座標、Y座標のセット間較差(ΔN、ΔEの比較でも可)

㎜位

20㎜以下

精度区分

甲一

甲二

甲三

乙一

乙二

乙三

許容範囲

2㎝

7㎝

15㎝

25㎝

50㎝

100㎝

点検距離

許容範囲

500m

以内

50㎜

500m

以上

点検距離の

1/10,000

制限項目

精度区分

計算値の制限

甲 一

2

甲 二

7㎝

甲 三

15㎝

乙 一

25㎝

乙 二

50㎝

乙 三

100

精度区分

計算の単位

観測値の制限

座標値

標高

観測値の較差

セット間の較差

乙二

㎜位

㎜位

±0.50m以内を標準とする。

乙三

㎜位

㎜位

±1.00m以内を標準とする。

精度区分

乙二

乙三

許容範囲

50㎝

100㎝

103

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別表第31 標定点の密度の標準〔第45条〕

備考 ブロックの最外周のモデルにおける標定点は、原則としてブロックの最外周線の近傍に配置するものと

し、その他の標定点は、標高のみの標定点として使用することができる。

別表第32 対空標識の規格〔第47条〕

備考 対空標識の材料は、原則として表面に白色塗装を施した耐水ベニヤ板とする。

別表第33 撮影縮尺の標準〔第48条〕

別表第34 空中三角測量の測定の方法〔第50条〕

備考 1.独立モデル法又はバンドル法による調整を行う場合には、原則としてコンパレータ又は解析図化機

を使用する。

2.図化機を使用する場合には、空中写真の指標を正確に乾板保持器の指標線に合わせて内部標定し、

計算による内部標定は行わない。

3.航測図根点及び筆界点の測定は、標定点、パスポイント及びタイポイントの測定と独立に行うこと

ができる。

区 分

調整計算の方法

多項式法

独立モデル法及びバンドル法

平均的密度

2モデルごとに

1点

3モデルごとに

1点

コースの両端のモデル

必ず

1点

必ず

1点

規格項目

標準撮影縮尺

大きさ及び形状

1/ 4,000~1/

5,000

1/ 5,000~1/

6,000

1/ 7,000~1/

8,000

1/ 9,000~1/

11,000

1/12,000~1/

15,000

18㎝×18

㎝の方形

22㎝×22

㎝の方形

30㎝×30

㎝の方形

45㎝×45

㎝の方形

60㎝×60

㎝の方形

区 分

標準撮影縮尺

甲三 1/ 500

乙一 1/ 500

乙一又は乙二 1/

1,000

乙一 1/2,500

乙二又は乙三 1/

2,500

乙二又は乙三 1/

5,000

1/ 4,000~1/

5,000

1/ 5,000~1/

6,000

1/ 6,000~1/

7,000

1/ 7,000~1/

8,000

1/ 8,000~1/

11,000

1/11,000~1/

15,000

測定対象

空中写真の指標、標定点、航測図根点、筆界点(航測法の場合)、パスポイ

ント及びタイポイント

測定回数

独立

2回測定

2回測定の較差

密着ポジフィルム上で

0.015㎜以内

別表第35 空中三角測量における内部標定等の制限〔第54条〕

備考 1.接続標定及び調整計算の欄における%表示の制限は、対地高度に対する比率を示す。

2.相互標定及び調整計算の欄における㎜表示の制限は、密着ポジフィルム上における値を示す。

3.接続標定及び調整計算の欄における制限は、水平位置及び標高とも同一とする。

調整方法

制限項目

多項式法

独立モデル法

バンドル法

内部標定

平均計算の結果に

おける指標の残存誤差

0.03

㎜以内

相互標定

標定後の残存縦視差

0.02

㎜以内

接続標定

隣接モデル間の

パスポイントの較差

0.05%以内

調整計算

標定点の残差

標準偏差

0.04%以内

最大値

0.08%以内

標準偏差 0.02%以内

最大値 0.04%以内

同一

ブロ

ック

内の

タイ

ポイ

ントの較差

標準偏差

0.04%以内

最大値

0.08%以内

隣接

ブロ

ック

間の

タイ

ポイ

ントの較差

0.09%以内

同一

ブロ

ック

内の

パス

ポイ

ント

及び

タイ

ポイ

ント

の調

整値

から

の残

差若

しく

は交

会残差

標準偏差

0.02%以内

最大値

0.04%以内

標準偏差

0.015mm以内

最大値

0.030mm以内

104

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第 5 章 改正内容 Q&A

105

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106

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№ 条数 項数 質問 回答

1 第54条 3項

原則1次のみ(隣接する調査地域における地籍図根多角測量により設置された地籍図根多角点を与点とする場合に2次まで)となっている。既設の2次路線の地籍図根多角点は与点として使用できなくなると、新たに1次路線(既設の2次路線の隣に新設する)を這わせなければならないことも想定される。

隣接する調査区域に地籍図根多角点、3級基準点、街区多角点が整備されており、それらを与点とし、新点が2次となる場合は、事前に国・都道府県にご相談ください。すでに地籍図根多角測量を実施し、改正前の準則で地籍図根多角点を設置している地域については、経過措置として改正前の準則に基づき、後続の調査ができることとしています。

2 第64条 1項開放路線で設置された節点より、一筆地測量の実施可能か。

可能です。運用基準第35条2項に「節点は、細部放射点とすることができるものとする。」と示しています。

3 第64条 1項

開放路線に節点1点を設けて良いとなっているが、細部放射点と節点の明確な区分が必要と考える。節点は本点として数えるのか、また節点の点名にルールが必要と考える。

点名のルールについては検討しますが、現在も任意の点名を用いる方法(任意法)がありますので、これに沿ってください。節点は、細部放射点として取り扱います。

4第70条の二

3項

放射法による一筆地測量において観測を行う場合、与点と同一の多角網に属する細部図根点等を基準点とするが、開放路線に属する細部放射点を与点とする場合の基準方向はどのように解釈したらよいか。

開放路線で設置した細部放射点を与点とした場合の基準方向ですが、基本的に視通方向が取れるのは、節点のみと考えます。単路線及び開放路線も一つの網と考えてください。

№ 条数 項数 質問 回答

5

「原則」は例外がある、「標準」は多少はいいのではとの認識であるが、現場では規定だけでは対応しきれない場合が多くあるので「標準とする。」がよいのではないでしょうか。

・原則手法が2つ以上有るが、優先する手法を示す場合等

・標準(1)遵守するのが基本であるが、どうしても必要な場合には、理由書を作成し、協議した上で規程以外の方法が可能な場合。

・標準(2)作業を進める過程での目安を示す場合。

6 第22条 1項既設の2次または3次の地籍図根三角点を与点とすることは出来ないのか。

既設の2次または3次の地籍図根三角点を与点とする場合は、事前に国・都道府県にご相談ください。

◎地籍調査作業規程準則

◎地籍調査作業規程準則運用基準

共通

107

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№ 条数 項数 質問 回答

7 第22条 1項

『地籍図根三角測量における多角網は、地籍図根三角点等を与点とした1次の多角路線で構成することとする。』とされているが、TS法であっても与点の最大次数に1次加えないのか。TS法で行う場合や、与点となる地籍図根三角点の精度が2次または3次の場合であっても規定をクリアすることとなり、精度管理上問題があると思われる。

現在のTS法は、器械の性能が一段と向上しているため,今回の改正では、使用できる器械、読定単位等の観測方法を見直しています。2級基準点測量と同じ扱いですので、TS法、GNSS法どちらで測量しても、規定どおりの測量方法で行えば同じ精度になります。なお、今後の地籍図根三角測量は電子基準点のみを与点とする方法となりますので、例外を除き、既設の古い地籍図根三角点を与点とすることはなくなります。2次または3次の地籍図根三角点を与点とする場合は、事前に国・都道府県にご相談ください(既設の地籍図根三角点の精度は、取付測量で確認する必要があります)。

8 第22条 4項但し書きにより、外側40度を超えた場合、認証時に添付する理由書(打ち合わせ簿)は添付必要なしと考えて良いか。

常識的な判断の中での作業をお願いいたします。あまりにも逸脱する場合は、協議願います。

9 第22条改正前

9項

GNSS法により地籍図根三角点を設置する場合には三角点等との視通の確保に努めるという項目が削除されていることから、網図や選点図への視通の表示も不要となるのか。

視通がある場合には、選点図や網図等に表示してください。

10 第27条 1項既設の街区多角点や1次の地籍図根多角点を与点に含んだ場合には、2次路線となるため、これらの点は与点として使用できないのか。

準則第五十四条第3項で、地籍図根多角測量は、一次までとしています。ただし、隣接する調査地域における地籍図根多角測量により設置された地籍図根多角点を与点とする場合には二次までとすることができるとしています。すでに街区基準点が整備されているため、やむを得ず次数が、二次になる場合などを想定しています。

11 第31条 5項

農地と林地が入り組んでいる区域において、一般的に精度の高い乙1を適用しますが、この様な場合、山林部において、標高の計算を省略することができないのか。

乙1が適用される区域については、地籍図根多角点へ標高を付与してください。

12 第31条 5項厳密網平均計算において、乙二、乙三区域の標高を省略した場合の計算は可能なのか。

乙二、乙三区域では、基準面からの高さの補正が不要なため可能です。

13 第34条 1項地籍図根多角点により決定された節点とはどういったものか。明確な定義はあるのか。

地籍図根多角測量において、後続の一筆地測量等に使用しないが、新点間で直接の視通が確保できないため、新点間に設置する観測点等を節点とします。

14 第34条 4項但し書きにより、外側50度を超えた場合、認証時に添付する理由書(打ち合わせ簿)は添付必要なしと考えて良いか。

常識的な判断の中での作業をお願いいたします。あまりにも逸脱する場合は、協議願います。

15 第34条 5項

他の多角路線に地形的な理由等で取り付け出来ない場合で筆界点を観測しなくてはならない為、距離の制限を超過することが想定されるが、その際はどのように対処すべきか。

規定は、あくまで標準であり、現場の状況等により、常識的な範囲で判断していただきたい。やむを得ない理由があれば、協議を行い実施してください。

108

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№ 条数 項数 質問 回答

16 第34条 9項

細部多角点の座標値は厳密網平均計算により求めることを標準とする旨記載されているが、地籍図根多角測量と同様に高低網平均計算も必要になるのか教えていただきたい。

高低網平均計算書の作成は不要です。ただし、距離の投影補正が必要な精度区分(甲一、甲二、甲三、乙一)については、標高の概算(点検計算)は必要となります。この場合の誤差の制限は設けませんが、地籍図根多角測量の標高の閉合差の制限(別表第12(1))を参考にしてください。

17 第35条 1項

放射法による細部図根測量について、「地籍図根多角測量を省略…2次の細部多角点等を与点とすることができる」としているが、準則第六十四条4項では「放射法による細部図根点の次数は、細部多角点等を基礎として二次までとする」となっているが、次数について説明がほしい。

放射法による細部図根測量は、細部多角点・地籍図根多角点等を含めた細部多角点等を与点とします。また、放射法による細部図根点(細部放射点)は、細部多角点等を基礎として2次までとしています。これは、開放路線時に節点が1次となり、細部放射点が2次となることを表しています。なお、与点とできる細部多角点は1次ですが、地籍図根多角測量を省略した場合は、2次の細部多角点を与点とすることができます。今回の改正では、細部多角路線の次数と、細部放射点の次数を区分しています。

例1)与点:1次の細部多角点 → 新点:1次の細部放射点例2)開放路線与点:1次の細部多角点   → 節点:1次の細部放射点   → 新点:2次の細部放射点

例3)地籍図根多角測量を省略した場合与点:2次の細部多角点   → 新点:1次の細部放射点

例4)地籍図根多角測量を省略した場合 +開放路線与点:2次の細部多角点   → 節点:1次の細部放射点   → 新点:2次の細部放射点

18 第35条 2項開放路線により、何点まで節点は設置可能か。

準則本文第六十四条第1項に1点と規定しています。

19 第35条 4項「簡易網平均計算(定型網を除く)により・・・」と基準方向を定めているが、厳密網平均計算における場合はどうか?

準則第六十四条第3項にて、「与点と同一の多角網に属する細部多角点等を基準方向とする。」と定義されていますので、厳密網で平均化された細部多角点等であれば、与点と同一の網平均計算=同一網で求められた点であれば、どの測点を基準方向にしても差し支えありません。定型網の簡易網平均計算で求められた与点、基準方向も同様です。単路線の簡易網平均計算で求められた点を与点とする場合のみ、与点と同一の平均計算=与点と同一路線により求められた点を基準方向とします。

20 第35条 6項100mを超過した場合は、規程違反として協議書対応が可能なのか。もしくはそもそも駄目なのか。

100mが標準です。やむを得ず超過する場合には、協議書で対応してください。

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№ 条数 項数 質問 回答

21 第39条 1項改正案において、デジタル方位距離計法による多角路線長の制限が500mから300mにされていますが、なぜでしょうか。

準則運用基準別表第4に定めるデジタル方位距離計の性能条件を緩和しているため、誤差の累積誤差を考慮して、300mに改定しています。(現行の規定を満たす機種が製造中止となっているため)

№ 条数 項数 質問 回答

22 別表1 (1)地区が小さい場合に新点間距離を下回ってしまう場合があると考えるが、どのようにしたらいいのか。

別表第1と第16に示す配置密度は、あくまで標準であるため参考とするものです。作業範囲の広さや形状に沿って計画をしてください。

23 別表2(2)備考1

地籍図根多角測量を省略した場合、細部図根測量で交点等に200m間隔で地籍図根多角点に準じた標識を設置するものとなっているが、この場合の標識は、地籍図根多角点のような写真による記録は必要ないということか?

地籍図根多角測量を省略した場合、細部図根測量の交点等(200m間隔)の写真について、地籍図根多角点と同じサイズの標識を使用した場合は写真が必要と別表第5の備考9に定めています。

24 別表6(4)4)備考1

「1.最低高度角は、上空視界の確保が困難な場合は30°まで緩和することができる。」は、他の工程におけるGNSS衛星の条件からは削除されていますが、電子基準点のみを与点とするGNSS法においては残るのか。

電子基準点のみを与点とするGNSS法においては、残ります。この場合、長時間測定するので、上空視界の確保が必要です。マルチパスの影響を避けるため最低高度角15度を標準としていますが、やむを得ない場合においては30度まで緩和できることとしています。

25 別表8(2)1)備考8

GNSS測量の基線解析に使用する与点について与点の成果に基づく座標値とあるが、経緯度、楕円体高を含む総称を意味するか。もしくは今後の計算においては与点成果の座標値を採用すると言う事か。

経緯度、楕円体高を含む総称を意味します。既設点の成果簿には、座標値のみのものありますので、総称しています。

26 別表8(2)1)備考10

一つのセッションで観測を行う場合、1辺以上において重複辺の較差による点検を行うこととなったが、どの基線で点検してもよいか。

ここで示す点検は、本観測に引き続き行う点検測量です。どの路線でも結構です。ただし、別表第10に示す点検測量の基線とは重複しないようにしてください。また、この点検の観測は、本観測と同日の観測でも問題ありません。

◎地籍調査作業規程準則運用基準別表

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第 6 章 用語解説

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・原則

手法が2つ以上有るが、優先する手法を示すこと。

・標準

①遵守するのが基本であるが、どうしても必要な場合には、理由書を作成し、協議した上で規

程以外の方法が可能な場合。

②作業を進める過程での目安を示す場合。

・GNSS測量

GNSS測量とは、Global Navigation Satellite System の略。観測方法は2種類。

①GPS衛星 のみを使用した測量・・・・アメリカの衛星(GPS)

②GPS衛星+GLONASS衛星+準天頂衛星を使用した衛星

・・・アメリカの衛星(GPS)+ロシアの衛星(GLONASS)+日本の衛星(準天頂)

平成 26 年 4 月 1 日より地籍調査においてもGNSS測量が規定された。

これまでのスタティック法の場合、GPS測量は衛星数4衛星以上に対して、GNSS測量で

は、GPS衛星のみを使用した場合は、これまで同様の衛星数だが、GPS衛星に加え、GLO

NASS衛星も使用する場合は、衛星数5衛星以上(GPS衛星及びGLONASS衛星各2衛

星以上)となっている。(※観測距離が 10 ㎞未満の場合。)

・電子基準点

電子基準点とは、国土地理院が全国に約 1,300 点設置している GNSS アンテナと受信機を備えた基準

点であり、常時測位衛星からの衛星データを受信し、リアルタイムで国土地理院にデータを送信して

いる。国土地理院では電子基準点で受信した衛星データをインターネットで公開しており、公共測量

や地籍測量等で使用されている。

・既設点

既設点とは、座標値を有する既設済みの基準点。

・与点

与点とは、位置座標が決定している既設点のうち、実施する測量の基準とする点。

・新点

新点とは、今事業で新たに設置する基準点(交点を含む)。

・交点

交点とは、3つ以上の路線が交差する基準点。(通常、交点は新点となることがほとんどであ

る)

・多角測量法

多角測量法とは、既設の与点等から新点または他の与点に向かって出発した折れ線からなる路線に

ついて、路線の距離と折れ点での角度を測定し、折れ点となる新点の位置を順次求めていく方法であ

る。多角測量は、位置座標が決定している与点を結ぶ路線で構成されるため、既存の位置座標と新た

に測量した位置座標を比較することで、測量精度等の検証が可能である。

・放射法

放射法とは、与点において、与点と新点間の距離及び他の与点を基準方向とした新点までの角度を

測定して新点の位置を求める方法である。

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・路線

路線とは、与点から他の与点、与点から交点、交点から他の交点までを結ぶ線をいう。

→ 多角路線・・・与点から他の与点、与点から交点、交点から他の交点間を 1路線とし、3本以

上の路線によって構成される路線

→ 単 路 線・・・路線の両端に与点を有する路線で新点を結ぶ路線(単路線は1本の路線のみ)

→ 閉合路線・・・与点からスタートし、スタートと同じ与点に戻る路線

(与点→新点→新点→同一与点)

→ 開放路線・・・与点からスタートし、どの既設点にも結合しない路線

(与点→節点→細部放射点)

※注意: 運用基準で規定されている路線は、上記の路線を指しており、点検計算における路線(点

検路線)とは異なる。点検路線は、「与点~他の与点」であり、点検路線における距離の

制限は設けられていない。

・多角網

多角網とは、3個以上の多角路線により形成される網の構成をいう。この多角網の中に、X型、Y

型、H型、A型の定型網も含まれる。

・方向角

方向角とは座標のX軸に平行する線から時計回りに計算した水平角をいう。

・楕円体高

楕円体高とは、標高とジオイド高を足したもの。(国家基準点の成果表はジオイド高が記載さ

れていないため、与点とする際、別途ジオイド高計算が必要。また他の地籍図根点等を与点とす

る際も、調整年月日・作成年月日によっては、最新のジオイド・モデルでのジオイド高計算が必

要となる。)

・夾角

夾角とは、2つの直線(2つの路線)に挟まれた角。

・選点

選点とは、新しい基準点(新点)を設置する場合、測量に先立って、視通等を考慮して設置場

所を選ぶ事。

・網平均計算

網平均計算とは、三次元網平均計算、厳密網平均計算、簡易網平均計算の3つがある。

→ 三次元網平均計算・・・GNSS法の場合はXYZの三次元による網平均計算を行い観

測誤差を各測点に配分する。(実用網平均計算)

→ 厳 密 網 平 均 計 算・・・最小二乗法の手法を用いて誤差を各測点に厳密に配分する。(X

Y網平均計算、高低網平均計算)

→ 簡 易 網 平 均 計 算・・・平均法により交点の平均値を求めて各測点に誤差を配分する な

ど簡易な手法で行う。(XY網平均計算、高低網平均計算)

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・標準偏差

標準偏差とは、観測値のバラツキ具合(平均値との差)を示す値のこと。数値が小さいほど観

測精度は高い。 → 新点位置の標準偏差(水平位置、標高)・単位重量及び高低角の標準偏差

・選点図

選点図とは、選点した結果に基づき、図面上に新点、与点及び既設点も描画。

・平均図

平均図とは、三次元網平均計算、厳密網平均計算、簡易網平均計算はこの平均図を基に計算さ

れる。平均図は平均計算を行うときの結線を示すので、平均計算とは関係ない偏心計算は省かれ

る。平均図は選点図に基づき作成、新点と与点のみ描画するものとなっている。

・網図

網図とは、平均図とは異なり、新点・今事業で使用した既知点(与点)以外にも周辺の基準点

も描画される。視通の有無(実線、矢印、破線)が記載され、平均図と同じ箇所に実線もしくは

破線が描画される。 ※注意:平均図と網図の基線箇所は一致する。

・観測簿(点検測量含む)

観測簿とは、観測記録簿(GNSS 法のみ)、観測手簿、観測記簿には、現地にて観測した結果(観

測日、観測時間、器械高、水平角、較差、距離等)が全て記載されている。

・計算簿(点検計算・網平均計算)

計算簿とは、現地にて観測した結果を基に、点検計算簿(GNSS 法:重複辺、環閉合差の較差、

電子基準点間の閉合差、TS 法:座標・高低)、網平均計算書(三次元、XY、高低)がある。点検

計算は測量の誤差(観測の誤差、与点の持つ誤差)を検出するために行う計算である。網平均計

算は、測量の観測値には必ず誤差が含まれているので、新点の位置誤差が偏らないように、その

誤差を各点に配分(平均化)する計算であり、新点の座標値・標高が決定する。

・精度管理表

精度管理表とは、点検計算結果、新点位置の標準偏差、点検測量結果がそのまま転記され、準

則・運用基準・別表に規定された許容範囲内かどうか精度管理するための帳票。

・成果簿(成果表)

成果簿とは、網平均計算結果で得られた、新点の座標値・標高が記載されている。

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