日本産イチイ科植物内生菌のタキソイド生成能の検討日本産イチイ科植物内生菌のタキソイド生成能の検討...

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日本産イチイ科植物内生菌のタキソイド生成能の検討 誌名 誌名 東京大学農学部演習林報告 ISSN ISSN 03716007 著者 著者 石野, 貴久 寺田, 珠実 鮫島, 正浩 鴨田, 重裕 巻/号 巻/号 126号 掲載ページ 掲載ページ p. 45-58 発行年月 発行年月 2012年2月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

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日本産イチイ科植物内生菌のタキソイド生成能の検討

誌名誌名 東京大学農学部演習林報告

ISSNISSN 03716007

著者著者

石野, 貴久寺田, 珠実鮫島, 正浩鴨田, 重裕

巻/号巻/号 126号

掲載ページ掲載ページ p. 45-58

発行年月発行年月 2012年2月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

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論文

, 126,45 -58 (2011)

日本産イチイ科植物内生菌のタキソイド生成龍の検討

石野貴久井・寺田珠実*.鮫島正浩*・鴨田重裕**

Ability to Synthesize Taxoids of Endophytic Fungi in J apanese Taxaceae Plants

Takahisa ISHJNOヘTamamiTERADAヘお1asahiroSAMEJIMAヘShigehiroKAMODA料

1. はじめに

イチイ成樹木特有の二次代謝物であるタキソー)v(一般名 PacIitaxeI)は,鍛小管の脱亜:合i損

害という特徴的な作用機構を有し,幅広い痛に効果を示す強力な抗感剤である O 近年Aではさらに,

アルツハイマー病への効果も示されてきた 1)。

また,今まではその副作用が使用の課題になっていたが,アルブミン付与やミセル化など使用

方法の改善がなされてきており,その手IJ胞は拡大を続けている O 現在タキソールを含むタキソイ

ド系薬剤のアメリカで、の販売価格は年間 6億ドルにも上る。

有用で、市場ニーズも大きいタキソールは以下の 4つの方法で供給がなされている 2)0

A)太平洋イチイ (TaXliSbrev扮ria)の樹皮からのおIJlH3)

B)化学・的全合成 4)ぷ)

C) n切[~物質 Baccatin IIIからの三j':合成(含有卦は葉の 0.1%程度)6)

D) Plant cell fermentation (PCF)法 (キIIlJJ包培養法)7)ぷ)

しかし成人一人の治療に年間]3gが必要で、あるにもかかわらず¥樹齢 100年の樹木の樹皮か

らわす、か 0.3gしか取れない。またタキソールの北学的会合成は工程が多いため,コストの聞で

実用的で、はない。よって. A),B)の方法ではなく,現在は主に. C),D)の方法で供給されている O

特に D)の方法は,エ 1)シター,槌物成長調節剤,生合成詰iIT駆体などをくわえることで,主主践を

数H;,:に地加することに成功している。しかしラ!とだ lmgあたり 1000円と非常に南側であり,

現状の生産性では需要に応えるには至っていない。

そこで,タキソールの生産増加を目指し,新規ソース候補として,イチイ科植物の内生誕iの利

用に若目した。植物内生存iは植物組織的jや細胞内で生育し基本的に病兆を示さない微生物と定

義され.その正体は主に糸状蕗と放線1;¥1である。植物内生は宿主植物と似た生活!活性物質を生

産することが知られており 土壌微生物とは異なる代謝経路を獲得していると考えられている。

微生物の生理活性物質のスクリーニングは 50年以上前から行われてきており,近年ーその多様性

に再び注目が集まり, タイ,カンボジア,ラオスなどの東南アジアでは新規有m~色沼!活?生物質の

探索と多様性を生む生合成関連酵素遺伝子の調査,および生産系の確立に向けて研究が進められ

* ボ京大学大学おむじ命科学研究科生物材朴科マWJ主。cpartmcntof BiOI11Htcria! Scicnccs, Graduatc School of Agricultural and Life Sciencc丸 ThcじnivcrsityofTokyo

**京京大ι/火と主役 J;~~<;::~[:.{n :f+:'了間究科nt~~iiîd'f林総長研究所

Arboricultural Research lnstitute. The Univcrsity of Tokyo Forcsts. Graduate School of Agricultural and Lite Scicnccs, Thc Uni、c日ity01

Tokyo

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46 石聖子iT久ら

ている。現在も,ペニシリンやセファロスポリンといった抗生物質や植物ホルモンであるジベレ

リン,プラパスタチンという高脂血症用薬が放線苗や糸状菌の培養によって供給されており,そ

の他の生理活性物資や薬剤の生産に放線龍や糸状菌といった微生物の利用が期待されている 9)。

本研究では,内生菌の培養によるタキソール供給源としての利用可能性はもちろん,タキソー

ル生合成関連欝素遺伝子についての知見を得ることも目的とし日本産のイチイ,およびいくつ

かのタキソール生成酵素遺伝子を有しているイチイ科植物カヤ 10)の内生菌を単離しそのタキ

ソール生成能を検討した。

2.1 内生菌の単離と同定 11)

2.1.1 試料採取

2. 試料と実験方法

試料として,東京大学問属小石川核物園よりイチイ (TaxusCu.平idata) とカヤ (Torreya

nuciferα)の葉,樹皮,葉柄を採取した。

2.1.2 単離

試料より内生閣を単離するため, 70%エタノールで2分,次亜塩素離ナトリウムで 5~ 15分

滅菌して,各部位とも lcm長の陸rr片に切断し, Potato dextrose agar (PDA)培地に置床した。

伸長してきた菌糸を, PDA.培地に継代して, 目視で単一菌糸となるまで継代を繰り返した。

2.1.3 再定

種間で変異が存在する rDNA(リボソーム DNA)のスベーサー領域 (Intemaltranscribed spacer ;

ITS)の境基配列情報を調べることで龍種を同定した 12)。まず 菌糸を液体窒素中ですりつぶ

して粉末状にし, DNA拙出用キットである DNeasyPlant Maxi kit (QIAGEN社)を用いて,

添付ーのプロトコールにf足い, DNAを抽出した。 抽出した DNAをテンプレートとして, rDNA

のうち 18S,28SRNAをコードする保存性の高い遺倍子領域から作製したプライマーITSlf-F(5'-

CTTGGTCATTTAGAGGAAGTAA-3') とITS4-R(5二.TCCTCCGCTTATTGATATGC附 3') を

用いて PCRを行った(図一1)0 PCRはサーマルサイクラーVeriti200(ABI社)を用いて, 94

't -1分ー (94't-20秒,450

C-20秒,720

C-2分) x 35サイクルヴ2't-2分の反応サイクルで行

ったo PCR 産物をアガロースゲル電気泳動で、確認したのち, SUPRECTMPCR (TAKARA社)

を用いてプライマー除去して, OPERON社のシーケンス解析サービスに委託して配列を解読し

た。そして,日本 DNAデータパンク (DDBJ)のBLAST検索を用いて菌種を向定した。

5‘

ブライマー ITSH-F

l'DN_-¥ ろ88

l'DN_-¥

ブライマ… iτS4-R

閲 l 箇移[[湾APCR増l陥鎮域とプライマー結合位置

Fig. 1 Target regions and the binding sites of primers for endophytic fungi identification.

3事

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日本産イチイ科植物内生I省のタキソイド生成能の検討 47

土:::〉cpをい古川 O

DMAPP

回一 2 タキソール生合成綬路

Fig.2 Overview ofthe paclitaxel biosynthetic pathway and enzymes.

2.2 内生蓄のタキソール生成能の検討

2.2.1 ドットプロットハイブリダイゼーション

準高I~間定できた菌種のうち,イチイ内生菌 6 種類,カヤ内生菌 5 種類についてドットブロッ

トハイブリダイゼーションを行った。 2.1.3と同様に DNeasyPlant Maxi kitを用いて 11種の内

生麗から抽出した DNAを IOllgずつ, Hybond N +メンブレン (GEヘルスケア杜)にしみ込

ませ, 254nmのuvをあてメンブレンに固定した(イチイ Taxuscuspidateをコントロールとし

て用いた)0 イチイ属樹木で既知のタキソール生成関連酵素のうち,特に利用性の高い TXS

(taxadienesynthase) ,BAPT (3 -amino輔 3-phenylpropanoyl-13網 O輔 transeferase), TαH

(taxadiene 13α-hydroxylase)という 3つの酵素遺伝子(図-2) 13)~ 16)から作製した (OPERON

杜)50 ~ 100bpの連続した DNA街片をプローブ(表 1)とした。市販の AlkPhosDirect (GE

ヘルスケア杜)のプロトコールに従い, 550

Cで一晩ハイブリダイゼーションを行い, 650

Cでメ

ンブレンを洗浄した。その後,一晩露光して状態を観察した。このドットプロットハイブリダイ

ゼーションの結果をタキソール生成能の有無を示す一次スクリーニングとした。

2.2.2 サザンハイブ1)ダイゼ…ション

2.2.1の3つのタキソール生成酵素のプローブにおいてスポットを確認することのできた内生

菌の DNAを用いてサザンハイブリダイゼーションを行った。まず DNAを2種類の制限酵素

HindillとEcoR1を時時に用いて処理し (doubledigest処理),アガロースゲル電気泳動を行っ

た。電気泳動を行ったゲルを, 10 x SSC (standard saline citrate)で浸した掠紙の上に置き,

ゲルの上に HybondN +メンブレンを乗せ, DNAのトランスファーを一晩行った。その後,

東京大学長学部i資習林報告, 126,45-58 (2011)

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48 石ilJ!J-i't久ら

表 l ドットブロットに{定則したプロープ配列

Table 1 Sequ巴ncesof probe for dot blot hybridization.

TXSl aatgcagcgctgaagatgaatgcattggggaacaaggcaatccacgatccaa (52bp)

TXS2 cgaattgcagagccaaatctgaggggcaaatgatgtgggtttgctccaaatcagggcgaaccagagtaaaa

atgtcgagaggaagtggtggtcctggtcc (1 OObp)

TXS3 tgtcgtaatg atgagcagta gcactggcac tagcaaggtg gtttccgaga cttccagtac (60bp)

BAPTI cccttttgctgggcggctcagaaataaagaaaatggggaacttgaagtggagtgcacagggcagggt

gttctgtttctggaagccatggctgacagcgac (1 OObp)

BAPT2 ctttcagtcttaacagatctcgataactacaatccatcgtttcagcagttgattttttctctaccacagg (70bp)

BAPT3 atacagataltgaggacctccatctcttgattgttcaggtaactcgtlttacatgtgggggttttgt tgt (70bp)

TαH ggtaaaagacctcgtcttctccgtcgcaagccgcttgttttttgg1ataactgagga (57bp)

Thesc probes were produced from災7XlISclI.¥pidate DNA sequences

2.2.1と河本去に 254nmのuvを照射して DNAをlli!15Eした。市(j反の AlkPhosDirect (GEヘルス

ケア社)のプロトコールに従い 550

Cで一晩ハイブリダイゼーションを行った。この|民イチ

イ属樹木のキャラボク (Taxuscuspidata vm:nana)の DNAをテンプレートにして,表 2に

示したプライマー (BAPTに関しては fl,rlの組み合わせのみ)を用いて PCRを行い,その

PCR 産~ío (TXS877bp, BAPT444bp, Tα H311bp) のシーケンスを{iuHi?!,f?t,プロープとしてf史

用した。 650

Cで洗浄した後 一晩露光して状態を観察した。

2.2.3 ゲル抽出と PCR解析

COI吟cepsd伊terigeneの DNAをHindIIIとEcoR1で doubledigest処理して,アガロースゲ

ル電気泳動を行い,サザンハイブリダイゼーションでバンドが確認できた部分を切り出して,

τXSf

TXSτ

BAPTfl

BAPTrl

BAPTf2

BAPTr・2

TαHf

TαHr

まえ 2 キャラボクのタキソール~Lê成解禁逃伝子フ。ライマ­

Table 2 Primers specific for taxol biosynthetic enzymes

atgcgatcga ttgcttaacac

tccagcagat cgatggaatac

atccgctctg ttctgaatac

ggtcctcaat atctgtatcc

acgacgcatc atggaagaat

agtgctcacg ttcattgcat

ggtaaaagacc tcgtcttctccgtcg

tctccttgtc cgccagtgaattcc

f: forward, r: reverse

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1=1本産イチイ科椴物内生菌のタキソイド生成fiEの検討 49

QIAquik Gel Extraction kit (QIAGEN社)を用いてゲルからのフラグメントJ:rllt討を行った。ゲ

ルから揚出したフラグメント DNAをテンプレートにして,表 2のプライマーを用いて PCR

を行い, PCR産物をアガロースゲル電気泳動によりサイズを確認した。 PCRはサーマルサイク

ラーVeriti200(ABI社)を用いて, 940C-2分ー (94t-30秒,530C-30秒ラ72t-2分) x 30サ

イクルー720C-3分の反応サイクルで、行った。

次にその PCR産物を, pGEM-T Easy Vector System 1 (PROMEGA社)を用いて TAクロー

ニングをした。コンピテントセルは E.coliDH5α(TAKARA宇土)を用い,アンピシリン(100

μg/mI)入りの LB培地上,3rCでー挽培養した。コロニーからボイル法で DNAを調製し

pGEM-T Easy Vector System 1のクローニングサイトの両側にある T7プロモーターおよびSP6

プロモーター配列のプライマーを用いた PCRによりサイズ篠認を行い,陽性クローンの絞り込

みを行った。バンドが確認できたものは,シーケンス解析サービス (OPERON社)に委託して

配列を読んだ。

3. 結果と考察

3.1内生菌の同定結果

イチイとカヤの内生践を培養して得たi1si糸から DNAをJ:r!i出し, rDNAの部分境基配列を決定

して磁の同定を行った。

イチイからは PhomopsisJ,去を中心に 10種類 13僧体 (A-M)の閣が,カヤは砂laria塙を 11:1

心に 11 韓類 13 個体 (A-M) の留が単liJlí~された(表- 3)0 ほほ同じ場所に生育するイチイとカ

ヤの内生TfJが大きく異なる結巣となり,宿主特異性がうかがえる結果となった。

また,今回ljiJ訴されたイチイ内生産iのうち 3醜類 (Phomopsisphaseolorum, Colletotrichum

gloeosporioides, Paraconiothyrium microd,伊lodiasp) , カヤ内~tT請のうち 2 f:lfIJjJj (Sordariomycete,

λylaria venosula)は,既にタキソール生産性が報告されているものであった 17)。

3.2内生菌のタキソール生成能の検討

3.2.1ドットブ口ットハイブ1)ダイゼーション

間定した菌種のうち,タキソール生産性が報告されている 3種を含むイチイ内生蕗 6種類,

タキソール生産性が報告されている 2極を含むカヤ内生T!f<i5種類を対象として,タキソール生

成能を知るため,これらの内生存iがタキソール生合成経路で働く 3種の酵素遺伝子 TXS,

TαH, BAPTを有するかどうかをドットプロットハイブリダイゼーションで調査した。イチイ

内生認で、は,タキソール生産性が報告されていた菌種以外は, 1種類しか単離されてこなかった

PIぴllostictapapayaeとPhomopsis属のうち国体培地で成長の17Lい2種を選抜した。カヤ

では, r~î撞名が戸j定しきれないものが多かったが,タキソール生産性が報告されている 2 鵠に

近く,成長の早いえylaria属 3種と hypoxylonI,ill; 1種を選抜した。

3稜 (TXS,TαH, BAPT)の酵素遺伝子をプロープ、、として行ったドットプロットの結果を図 3

と去一 4に示した。今回のハイブリダイゼーションの結果としてイチイ内生誌JH [Colletotrichum

gloeosporioides], L [Paraconiothyrium microゆ lodia],カヤ内生龍人[吟lariaceaeCOI・0与Jceps

dipterigene] ,日 [Sordariomycete]の4種において, TXS, TαH, BAPT 3っすべての解禁

のプロープでハイブリダイズし これらの酵素の遺伝子配列を有する可能性が示唆された。 4穂

のうち 3種はタキソール生産性が報告されているものであったが,カヤ内生i1siA [えCylariaceae

来京大学12学部泌>m林報告, 126,45-58 (2011)

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50 石野j¥l久ら

表 3 イチイとカヤの内生磁の単隣同定結果

Tab!e 3 Molecular identification of endophytic fungi based on DNA sequence analysis shaded area:

endophytic fungi reported taxol production.

Taxus cllspidata

Names offungi

A BO/lyosphaeria parναstazn

B Phomopsis phyllanthicola

C Phomopsis liqaidambari

D Phomopsisαmygdal

Phomopsis pliaseolonim

F Phomopsis liqaid,αmbari vOllchel

G Pho/llopsis vcCInill

H I Colletotrichllm VlUEU¥fJ()J"lUl.Wぉ

Phomopsis sp

Phomopsis vcCInill

K Melanconium juglandium or Phyllosticta papayae

L ?araconioth下山m/1:昨 ro吻lodiasp

M 1.!hyllosticta pap仰 E

Torreya l1ucifera

Names of fungi

A 持lariaceaesp Cordyceps dipferigene

B f今poxylol1sp

C めpoxylol1sp llllidentijiedλ:ylarialean

D f仰 oxylonsp lInidentijied Xylarialean

E Not identijied

F f抑 oxylol1sp lInident作 dJ<.シlarialeall

G Xylariasp

SordG/ 〆二9

flt.4,ノ

あJlariahypoxyl

j Xvlaria venosula

K Pholl10psis amygdali

L Phomopsis allりJgdaliPhomopsisfilkusii

M Not idellfijied

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日本政イチイ科植物内生菌のタキソイド生成能の検討 51

a.

Probe TXS

Probe BAPT

東京子三学淡学音[ii!.ii習林報告, 126,45-58(2011)

Probe TαH

間-3 ドットブロットハイブリダイゼーション結果

Fig. 3 Dot blot hybridization analysis.

a:イチイ内生的 b:カヤ内Lj三百{

a: endophytic fungi from長)XlISclIspidata

b: endophytic fungi合omTorreya 1711C~たm

..e.. :Hybridization signal

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52 お!Il}1t久ら

LU

Probe TXS Probe T αH

Probe BAPT

図-3 ドットプロットハイブリダイゼーション手古来 u売さ)

Fig. 3 Dot blot hybridization analysis. (Continued)

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日本産イチイ科植物内生菌のタキソイド生成能の検討

表-4 11ヨ生磁とハイブリダイゼーション給条

Table 4 Summary of dot blot hybridization analysis using genomic DNA fr・omendophytic fungi

TaxlIs cllspidata

Names of釦ngi TXS TαH BAPT

B Phomopsis phyllanthicola X O X

E I Ph仰 '1Opsisphaseolorum O O X

G Pholl1opsis vccinill X O X

H I Colletotrichllln gloeosporioides O O O

L Paraconiothyrium microclが!odiasp O O O

M PIり;llostictαpapayae X X ×

Torreya I1lIC仲間

A え凶riaceaesp Cordyceps dipterigene O O O

G λ'ylariasp O X O

H Sordariomycete付laria) O O O

身!ariahypoxylon O X O

j ){ylaria vcnosu!a × × O '-

53

COI1ψceps dipferigeneJ は今回初めて,これらの遺伝子がそろっていることが示唆できた。また,

この他のI誌においても, 1つないしは 2つの酵素のプローブでハイブリダイズしていた。今|自の

プロープでは 3つ全てを検出できなかっただけで これらの内生菌にはタキソール生合成経路

を有している可能性は捨てきれないが,現段階においてはイチイ属樹木内でタキサン骨格の水強

化以降の段階において, タキソール生産に関わっているTh¥i種の可能性が推測された。

3.2.2サザンハイブリダイゼーションと遺缶子配列

調査した 3種の群素全ての存在が示唆された 4種の内生産1のうち,これまでタキソール生産

性が報告されていなかった Cordycψsdipterigeneについて,これら 3種の酵素遺伝子の存在の

確証を得るため,よりプロープ長の長いキャラボクの 3遺伝子の部分配子IJをプローブとして用い

てサザ、ンハイブリダイゼーションを行った。そのサザンハイブリダイゼーションの結果を国 4

に示した (Tα日をプローブとして用いた場合に関しでは,シグナルが弱く, -1-分な感度を得ら

れなかったため今罰は記載していない)0 この結果,Cor,ψcψs dipterigeneの DNAをHindIII

とEcoR1でdoubledigest 処理したものの 9kb~ 4kbのあたりに TXSをコードする遺伝子が,

6kb~ 2kbの陪に BAPTをコードする遺伝子が含まれていることが示唆された。

そこでこの部分に含まれる DNAをゲル抽出してテンプレートとして PCRを行い,その PCR

産物をすAクローニングして遺伝子配列を読んだ。その結果を図… 5に示した。その結果,イチ

イ属出来の既知lのTXSと97%の相向性を示す 877bpの DNA断片を確認した。また, I司様に

東京大学f見学部i良資林報告, 126,45-58 (2011)

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54 石野安:久ら

a. b:

Molecular siz岳

23kb 23kb 9.4kb

9.4主b 6.6kb

6.6kb 4kb

4kb 2kb

2kb

DtJA Doubl母dIg母stion むトIA Doubl母dIg母stion

図-4 Cor,命cepsdipterigene のサザンハイブリダイゼーション結果

Fig. 4 Southem hybridization analysis. CO/ψceps dipterigene genomic DNA was double digested with Hind

III and EcoR 1. a:フ。ロープホ TXS b:フ。ローフ、 BAPTl

註:TXS b: BAPT 1 (プライマ-flrlの組み合わせ)

各図1r.より ①.イチイ、②.カヤ、③キャラボ夕、③ Cor.砂cepsdipterigeneのDNA、それら 4サンプルの

HindIIlとEcoR1による doubledigest処理サンプル

1r.はマーカーサイズ

CD : Taxus cuspidata.② Torreya nucグera.③ Taxuscuspidate VG/: na問。④ :Cor.φicepS dipterigene

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日本産イチイ科植物内生磁のタキソイド生成能の検討

a:TXS 877bp

TGCGATCGAT TGCTTAGCAC GACCAATTCT GTTATCTCCC TCTCGGCTTG

CAiミAACAGGG C出CAGCCAAC TA日AACATGG TTAGAATCAT GCCATTTTGG

GAAAAAAAAA CAGTGTTGAA GGTTTACTGG TCAATCAACT AAτ 日τTτ'TGT

TτCTCATTτ'T TTGGGGGGGA TTTATCATTG GτGGGTGGAC CAGTCAGCC1'

1'GCAAA1'ATT TGTGATGTTT AAGCGCCAAA TCTG羽 'GTCT CATTAT'ITTT

ι:TAT'I'1'TTTT CTCCACAGAT ACTGAGTTTA TTGCAGAGA.A. TCTAGAT'rAC

TCAATGAGGA AGATGAGCTG TCCCCGGATT TCGAll.1¥TAAT CTTTCCTGCT

CTGTTGCAAA AGGNAAAAGC Gτ'TGGGGGTC AATCTTCCTT ACGATCTTCC

ATτ'TATCAんA '行TTTGTGGA CA.t..CACGGGA AGCCAGGC'l'T AC冶GAG宝GAG

TGAAAACTCT GTTACTGTTT τもAA1¥AAA人生 AA札:1'GG1'AA TC出TGTTC1'G

GAT'ITGTAATτ寸GTTCTT'l'T TGGCじATTGC AGTGTTTC1'G CGGCAGCAG凶

CAA1'A'I'TCCA GCCAACATGT TGAATGCGTT GGAGGGTCTC GAGGAAGT'rA

TTGACTGGんA CAAGA1'τ正I'G AGGτ'TTCAAA GTAAAGATGG ATCTTTCCTG

AGCTCCCCTG CCTCCACTGC CTGTσI'ACT GATGAATACA GGGGACGAAA

AATGTTTCAC TT'ITCTCA.AC A.A.TCTGCTGG ACAAATTCGG CGGCTGCGGT

A1'GA'l'1'TGTT TTT'I'AACA.".G AAATTCTTTG TGTGCGTGCT GATTCCA.".CA

TT注GCATTCA AGTGATTAAA T寸'AAATGGTA CG,vミCTG1'GA ATTACAGTGC

CCTGTATG'rA 守?口CATC日AT GAGCTGGr,

bブroH

GGGATCTTτ'T TCTG'ITCCAC TCAACATTCC CGGATTCAGT TACCATAAAG

CGATTCAGGC AAGGGCCACC CTCGCTGACA 1'CλTGACCTC TTTGATAGAA

AAGAGGAGAA ATGAGC1'GCG TGCAGGCACT GCATCTGAGA ATCAAGATTT

GCTCTCTGTTτ'TGC1'CACTT 1'CACTGACGAA.".GGGGGAAT TCACT

じBAPT1444bp

ATCCGC1'C1'G TTCT守AATAC T'rAGAGA'I'GA AGAAGACAGG TTCGTTAGCA

GAGTTCCA1'G 1'GAATATGAT TGAGCGAGTC A1'GGTGAGAC CGTGCCTGCC

TTCGCCCAAA ACAATCCTCC C1'C1'CTCC日C CATTGACAAC A1'GGCAAGAG

CTτTI'TC1'AA CG'l:A1'TGCTG GTC1'ACGCTG CCAACA1'GGA CAGAGTCTCT

GCAGATCCTG CAAAAGTGA1' TCGGGAGGCT CTCTCCAAGG T日C1'GG'l'1'TA

T寸ATTACCCT TT'rGCTGGGC GGCTCAGAAA 1'AAAGAAAAT GGGGAACTTG

A.AGTGGAGTG CACAGGGCAG GGTGTTCTGT TTCTGGAAGC

CATGGCTGAC AGCGACCTTT ClえGTCTTAAC AGATCTCGA1' AACTACAATC

CATCGT'I'TCA GCAGT寸M灯'1' T'l'1寸C1'CTAC CACAGGATAC AGA1'ATTGAG

虫AQQ

d,BAPT2431bp GACGACGCAT CA'l'GGAAnAA 1'GCAAAGAAAσl'1'TATCT寸C ATT'rGAAAT'1'

GTAGCAGCA1' 1'GG'1'1寸GGCT AGCA.".AGATA .".AGGCτ'T1'TC AAATTCCACA

TAGτGAGAAT GTGAAGCTTC TT'ITTGC出AT GGACTTGAGG AGATCATTTA

ATCCCCCTCT 1'CCACATGGA TACTATGGCA ATGCCTT'rGG 1'ATTGCi口GT

GCAA'rGGATA ATGTCCATGA CC'ITC1'AAGT GGATCTCTTT TGCGCACTAT

AATGATCATA AAGAAATCAA AG'l可'CTCτγr ACACAAAGAA CTCAACτCAA

AAACCGTGAT GAGCTCGTC TG1'AGTAGAT GTCAATACGAA GTTTGAAGA'r

GTAGTTTCAA TTAGTGA'τ"l'G GAGGCATTCT ATATATTATG AAGTGGACTT

TGGGTGGGGA GA'T日CAA1'GA ACG1'GAGCAC l'

図-5 COI・dycepsdipterigeneのタキソール生成酵素巡;伝子の部分配列

Fig. 5 Partial sequ巴ncesofthree paclitaxel biosynthetic pathway genes from CO/ψceps dipterigene.

a:TXS, b:TαH, c:BAPTl, d:BAPT2

Under1ine : primer site

東京大学農学音1¥演習林報告, 126,45-58 (2011)

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56 石野安久ら

イチイ属由来の BAPTとほぼ 100%の相向性を示す 431bpと444bpのDNA断片を確認した。

また,Cor,砂cψsdipterigeneのDNAをテンプレートとして, TαHのプライマーで PCRを

行った結果,イチイ属由来の既知の TαHと相向性 100%の 195bpのDNA断片を確認した。

これらのことから,Cordyceps dipterigene はTXS,BAPT, Tα日という 3つのタキソ-}レ

生成酵素遺伝子を有していることが示され,そのタキソール生成能がうかがえる O また,これら

の遺伝子配列の知見は,イチイ属樹木以外では初の報告となる。

要 冨

イチイ属樹木特有の抽出成分として知られるタキソールは, Ip]li広い癌に効果のある強力な抗痛

剤であるが,供給不足のため依然として高価な薬剤である。この供給不足解消の新たな手段とし

て,内生菌の科用に着目した。イチイに加え,同じイチイ科であるカヤの内生直の単高世間定を行

い,そのタキソーjレ生産可能性についてタキソール生成酵素遺伝子の有無という観点から検討を

行った。まず,イチイからは Phomopsis属を仁川、に 10種類の閣が,カヤは身laria属を中心に

11 種類の躍が単語1~ された。次に,既知のタキソール生合成関連群素の内,特に利用性の高い

TXS (taxadienesynthase), BAPT (3ωamino-3-phenylpropanoyl-13ωO-transeferase), TαH

(taxadiene13αhydroxylase) という 3つの酵素遺伝子の存在可能性を, ドットプロットハイブ

リダイゼーションj去を行うことで調べ,一次スクリーニングとした。その結果,イチイ内生蕗

[Colletotrichllm gloeosporioides J, [Paraconiothyrillm microdiplodiaJ,カヤ内生繭〔砂lariaceαε

平,COl吟JcepsdipterigeneJ, [SordariomyceteJの4菌種において, 3種全てのプロープ仰で、ハイ

ブリダイズした。このうち,カヤ内生閣の C0l1砂cepsdipterigeneに注目して,サザンハイブリ

ダイゼーションを行ったところ 上記3麓の酵素のプロープでバンドが確認できた。その部分

をゲル拙出してテンプレートとし PCRを行い,塩基配列を読んだところ,上記 3つの酵素遺

と95%以上の高い相向性を示し,タキソール生成酵素遺伝子を有する椴生物を初めて発見

することができた。

キ…ワード タキソイド,イチイ科横物,内生菌,ハイブリダイゼーション,タキソール生成酵素

4. 引用文献

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日本政イチイ科織物内生官、iのタキソイド生成能の検討 57

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Summary

(2011 {j三5月 913受付ー)

(2011 年 7J'J II日受理)

TaxoI is a potent antimitotic agent with excelIent activity against a range of cancers. SeveraI

methods have been developed for taxoI production, e.gラ totalchemical synthesis, semisynthesis

from precursor Baccatin III and plant cell culture, But, taxoI supply does not meet demand. So, in

order to lower the price of taxoI and make it more widely availableラ wefocused on endophytic

fungi as an alternate source of supply. This study investigated the endophytic fungi diversity of

Taxus cupidata and Torreya nuc仲間 and screened the taxoI-producing fungi in the host.

Endophytic fungi obtained from barkラ leafand leaf stem were identified by sequence analysis of

the internal transcr・ibedspace (ITSト5.8S-ITS2)of rDNA. 10 endophytic fungaI strains were

isolated from TaxlIs Clψidata and 11 strains from To/'l匂Janllcifera. We researched the gene

sequences of the pacIitaxel biosynthetic pathway enzymes in 21 endophytic fungi to discover

taxol-producing fungi. We examined the presence ofTXS, BAPT and Tα日ラ thoughtto be a key

enzyme for taxoid production, by dot blot hybridization for first screening of taxol-producing

fungi. As a result we were able to obtain four fungi strains in which TXS, BAPT and TαH

hybridization signals were obsereved. They were Colletotrichun1 gloeosporioides and

Paraconiothyriun1 microdiplodia from 'TIαxus cuspidate, Cordyceps dipterigene and

Soraαriomycete from Torreya nucifera, Secondly we focused on Cor,めJcepsdipterigene and

researched the gene sequence ofTXS, BAPT and TαH by southern hybridization, gel extraction

東京大学災学部演習林報告, 126,45-58 (2011)

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and PCR. As a result we were able to obtain the sequences of thre巴taxolbiosynthetic pathway

genes from Cor吟Jcepsdipterigene and from this we conc1uded that Cor,砂c伊sdipterigene has

the ability of taxoid production. This report is the first discovery of an endophytic fungus which

has several taxol biosynthetic pathway genes.

Key word: taxoid, Taxaceae, endophytic fungi, hybridization, taxol biosynthetic enzymes