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「決済照合システム」 システム概要 2000年 9月7日 決済照合実務検討会

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「決済照合システム」

システム概要

2000年 9月7日

決済照合実務検討会

Page 2: 「決済照合システム」 システム概要決済照合システム システム概要 - 3 - 1.2.4 機動性・柔軟性 当システムは、当面は国内株式の機関投資家取引を開発対象とするが、項番2の

目次

1. システム開発基本事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・  1

1.1 システムの目的・背景               1

1.2 システム化基本方針   2

2. サービススケジュール ・・・・・・・・・・・・・・・・・  4

3. システム化対象範囲 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・  5

3.1 対象有価証券   5

3.2 対象取引種類   6

3.3 対象業務   7

4. 対象処理範囲 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  8

4.1 注文回送連動機能   10

4.2 約定照合機能   11

4.3 決済照合/決済連動機能   18

4.4 基準価額計算業務のサポート機能   22

4.5 電子帳簿機能   23

4.6 運用支援機能   23

4.7 対外接続機能等   24

5. 対象処理概要(業務処理フロー図) ・・・・・・・・・・・  26

5.1 約定照合機能   26

5.2 決済照合機能   35

6. 取消,訂正処理(業務処理に関する諸事項) ・・・・・・・ 41

6.1 取消処理,訂正処理の意味   41

6.2 取消処理,訂正処理が可能な状態   41

6.3 売買報告/運用指図データの取消,訂正   41

6.4 決済指図データの取消,訂正 42

7. リンケージ情報(業務処理に関する諸事項) ・・・・・・・ 43

7.1 リンケージ情報の設定内容   43

7.2 リンケージ情報の設定方法   43

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目次

8. システム構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  45

8.1 システム構成図   46

8.2 システムイメージ   47

9. 電文フォーマット ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  48

9.1 採用予定の電文フォーマット   48

10. コード体系 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  49

10.1 金融機関識別コード   49

10.2 銘柄コード   50

10.3 統一ファンドコード   51

11. オンライン時間など ・・・・・・・・・・・・・・・・・  52

11.1 システム稼動日(営業日)   52

11.2 オンライン・サービス時間   52

12. その他特記事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  53

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決済照合システム システム概要

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1. システム開発基本事項

1.1 決済照合システムの目的・背景

欧米を中心に海外では、証券取引にかかる処理の効率化を目指したSTP(Straight

Through Processing)の実現に向けた動きが加速化している。アメリカでは、SIA

(Securities Industry Association:全米証券業協会)の委員会を中心に、2004年

6月までに証券決済のT+1(約定日の翌営業日決済)化を実現する目標を掲げ、

その12~15ヶ月前(2003年春)までには関係業者、サービス提供者の準備

(システム対応)を完了させる方向で、官民をあげて取り組むなど、決済期間の短

縮が具体的なタイムテーブルに上っている。

また、国際間の証券取引(クロスボーダー取引)についても決済期間の短縮を実現

しようという動きがあり、その目的のためにGSTPA(Global Straight Through

Processing Association)が設立され、クロス・ボーダー取引の照合を行うシステム

(TFM)の構築が始まっている。

 更には、米国の証券取引の照合サービスを二分しているTHMSON社とDTCC

社が、合弁企業を設立し、米国内の取引の照合の他にも海外取引の照合も行おうとす

る動きも具体化している。

日本においても、「金融ビッグバン」にともなう動きとして、取引所集中義務の撤廃、

委託手数料の完全自由化などの急激な変化の中で、決済関係インフラの早急な整備の

必要性が高まっており、決済照合システムの早期導入に対する要望が多数の金融機関

から寄せられている。

本システムでは、機関投資家と証券会社間の証券取引に関する「約定照合」と「決

済照合」の処理業務のSTP化を実現することによって、決済の安全性・処理の効率

性の一層の向上を図り、証券決済の円滑化に貢献することを目的としたものである。

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決済照合システム システム概要

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1.2 システム化基本方針

喫緊の課題である「決済期間の短縮化」を実現するためには、アメリカのDTCの

ように約定,決済段階での照合業務をセンタで集中処理することが不可欠であると

いう考えにもとづき、当システムは「センタ・マッチング方式」を採用する。

また、法制度の整備状況や利用予定者のコンセンサスを踏まえた上で、以下の点を

基本方針とする。

1.2.1 決済照合システム(仮称)の業務範囲

当システムにおいては、売買報告データと運用指図データの照合から、決済指図

データの照合,決済指図の確定までをおこなう。

また、証券取引~決済までのSTPを推進する上で必要となる「売買報告書など

の電子化・ペーパーレス化」を実現する。*1

*1… 売買報告書、信託財産運用指図書に係る法律環境の整備が必要

1.2.2 時限性

当システムは、早期に「証券決済のT+1化」を実現するためのインフラを提供

することを目指す。ただし、法制度の環境整備,証券保管振替機構における一般

振替DVPの実現時期,利用者側システム対応の負荷など諸条件を勘案して、段

階的開発をおこなう。

なおサービススケジュールについては、項番2を参照のこと。

1.2.3 グローバル・スタンダード

取引形態の多様化や金融制度変更への対応では、国内取引のみならずGSTPA

のTFMへの接続などクロス・ボーダー取引への拡張性をにらんで、グローバル・

スタンダードに合致したシステムとする。

また、データ・フォーマット,データ項目で使用する各種コード体系についても、

極力グローバル・スタンダードに合致させる。

・データ・フォーマット: ISO15022の各種メッセージ・タイプを使用

・銘柄コード: 新証券コード(ISIN)を標準採用

・金融機関識別コード: BICコードを標準採用

これらコードの詳細については、「項番10 コード体系」を参照のこと。

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1.2.4 機動性・柔軟性

当システムは、当面は国内株式の機関投資家取引を開発対象とするが、項番2の

システム開発スケジュールを考慮して、状況変化に対応可能な機動的かつ柔軟性

のあるシステムとする。

1.2.5 低コスト

当システムの開発にあたっては、センタ側のシステム構築のみならず、利用者側

システムの対応も必要となる。多くの利用者が積極的に利用するシステムとする

ため、低コストのスキーム,システムを目指す。

1.2.6 効率性

当システムの開発にあたっては、高い利便性,低コスト,かつ短期間での構築を

おこなう必要があるため、既存のインフラを活用するとともに、新規構築部分に

ついても既存ソフトウェア,実績のある類似システムのノウハウを活用すること

により、効率的かつ品質の高いシステムを目指す。

1.2.7 安全性・信頼性

当システムでは、主要なハードウェア装置や通信回線を二重化することによって

高い信頼性の確保に努める。

また、最近の安全性(セキュリティ)意識の高まりを受け、必要なセキュリティ

対策を施す。

1.2.8 既存システムからの移行

既存の証券インフラサービスからの移行を低コストで実現する方策を検討する。

これによって、より多くの利用者が当システムを利用することを促す。

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2. サービススケジュール

当システムのサービススケジュールを表2に示す。

表2 システム開発スケジュール

開発段階名称 第一期 第1フェーズ 第一期 第2フェーズ 第二期

サービス開始

予定時期2001年 春 2001年 秋

(証券保管振替機構の

一般振替DVPの実施に

あわせて実施)

サービス概要・国内株式の機関投資家

取引を中心とする

・対象有価証券として、

転換社債を追加する

・対象業務として、非居

住者取引を追加する

・DVP決済対応

(項番4.3の対象処理

範囲の「決済連動」部

分を指す)

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3. システム化対象範囲

当システムでシステム化の対象範囲としている、有価証券,取引種類,業務(機能)

について、以降に説明する。

3.1 対象有価証券

当システムにおける取り扱い対象有価証券を表3.1に示す。

なお、データ・フォーマットに表現できる商品は、対応可能である。

表 3.1 対象有価証券一覧

開発段階 第一期 第1フェーズ 第一期 第2フェーズ

対象有価証券

・株式

(国内株,東証上場外国株含む)

・株式(左記に同じ)

・ 転換社債

(日本国内にある)その他の有価証券,海外有価証券への展開については、今

後の検討課題とする。

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3.2 対象取引種類

当システムにおける取り扱い対象取引種類を下の表3.2に示す。

表 3.2 対象取引種類一覧

商品区分 取引種類 備 考

取引所取引

(信用取引、発行日決済取引を除く)

店頭取引

(信用取引、発行日決済取引を除く)株 式

OTC取引

第一期 第1フェーズ

転換社債 第一期 第2フェーズ

ワラント債

国 債地方債

特殊債

金融債

円建外債

債 券

事業債

一般取引

対応可能

(開始時期未決定)

国内CP,CD

株式先物・オプションその他

債券先物・オプション(現時点では、未検討)

(注記)

株式については、レンディング(貸借取引),証券会社間の特殊な取引(JASDA

Q MMS取引,会員MMS取引など)も対象取引とする予定で今後検討をおこなう。

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3.3 対象業務

当システムにおける取り扱い対象業務を下の表3.3に示す。

表3.3 対象業務一覧

対象業務 業務の例 備 考

信託銀行が取り扱う業務

特定金銭信託

特定金外信託

ファンドトラスト

単独運用指定金銭信託

年金

年投

銀行勘定

指定合同金銭信託

貸付信託

投資信託

プロパー

その他

第一期 第1フェーズ

(取り扱い可能な業務

も含む)

生命保険会社,損害保険会社が

取り扱う業務

プロパー

一般勘定

特別勘定

その他

第一期 第1フェーズ

(取り扱い可能な業務

も含む)

信託銀行,都市銀行

証券会社などが取り扱う業務常任代理人 第一期 第2フェーズ

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決済照合システム システム概要

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4. 対象処理範囲

当システムの対象処理(機能)を次ページの図4に示す。

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図4 対象処理範囲

決 済 照 合 シ ス テ ム

信 託 銀 行

機 関 投 資 家 証 券 会 社

売買報告データ

※ 対応可能だが、 開発時期未定

注文

出来連絡

FIX カ バ ー ・ エ リ ア

・情報ベンダ

注文回送システム

など

注文

連動 (※ 対応可能)

出来連絡

・注文回送連動

・アロケーション

運用指図データ

売買報告/運用指図データ

売買報告承認データ売買報告承認結果

通知データ

資 金 決 済 機 関

決 済 シ ス テ ム振替請求

連動 (※第二期で実現予定)

(決済指図データ) (決済指図データ)

決済照合結果通知データ 決済照合結果通知データ

振替請求

約定照合

・売買報告データと運用指図

データとの照合

・売買報告データと運用指図

データの送信

売買報告承認

決済照合

・決済指図データの照合

SSIデータベース

SSI 機能

電子帳簿データベース

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4.1 注文回送連動機能(開発時期未定)

当システムと接続された情報ベンダの「注文回送システム」などから、注文,出来

データを受けとり、必要となる情報を当システムに取り込み連動させる機能である。

下の図4.1の点線枠内で示す部分である。

図4.1 注文回送連動機能

4.1.1 注文回送連動機能の前提

機関投資家,証券会社が注文,出来通知,分割(Allocation)指示の各データを、

FIX(Financial Information eXchange)プロトコルを利用した「注文回送シス

テム」などで送受信していることが必要である。

また、データ1件の単位が分割指示後の状態になっていることが必要である。

4.1.2 注文回送連動機能のねらい

注文段階で入力した情報がデータの状態でシステム内で引き継がれていくため、

証券取引プロセスのSTP化に大きく貢献することが可能である。

なお、分割指示が「注文回送システム」でカバーできない場合は、必要に応じて、

当システムの業務範囲に分割機能を加えることでSTP化を目指す。

注文入力

出来通知

証 券 会 社機 関 投 資 家

決 済 照 合 シ ス テ ム

分割指示・顧客口座指定

情 報 ベ ン ダ

注文回送システム

注 文 回 送 連 動 機 能

分割約定通知

約定承認通知

注文入力

出来通知

分割指示・顧客口座指定

分割約定通知

約定承認通知

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決済照合システム システム概要

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4.2 約定照合機能

当システムの利用者(機関投資家,信託銀行,証券会社など)は、約定照合機能を

利用して、証券取引における約定内容が正しいか否かを確認する。

そこで当システムは、次に示す「基本機能」と「SSI機能」をシステム利用者へ

提供し、約定内容の確認作業と次の「決済照合」へのデータ引継ぎをサポートする。

4.2.1 基本機能

当システムは、できるだけ多くの利用者にシステムを利用してもらえるように、

複数の業務処理フローに対してそれぞれ約定照合機能(基本機能)を提供する。

なお、各約定照合機能は次に示す個別機能で構成される。

・機関投資家~信託銀行間における運用指図データの送信/受信

・証券会社~信託銀行間における売買報告データの送信/受信

・運用指図データと売買報告データとの照合および当該照合結果の送信

・ 運用指図承認データの受信および当該承認結果の送信

・ 売買報告承認データの受信および当該承認結果の送信

・約定照合のステータス管理

以降では、約定照合機能の種類を示す。(なお、約定照合機能の詳細については、

項番5.1を参照)

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決済照合システム システム概要

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(1) 「運用指図部分サポート」型

「運用指図部分サポート」型の機能の特徴は、当システムにおいて、運用指図

データと売買報告データの照合(データ項目内容の照合)をおこなう点である。

下の図4.2.1-1に業務フローを示す。

図4.2.1-1 「運用指図部分サポート」型

信 託 銀 行

 ③ 売買報告データ/ 運用指図データ

 ④ 売買報告承認データ

機 関 投 資 家

 ① 運用指図データ

本 シ ス テ ム

売買報告/運用指図データ

の受信

売買報告/運用指図データ

の照合

売買報告/運用指図データ

送信

売買報告承認

証 券 会 社

 ① 売買報告データ

② 約定照合結果通知データ

※非承認の場合は、証券会社が 訂正後の売買報告データ①を 再送 or 機関投資家が訂正後 の運用指図データ①を再送 する。

アロケーション

注文回送連動

 ② 約定照合結果通知データ

④ 売買報告承認結果通知データ

※ 注文回送連動機能 アロケーション機能

については開発時期未定

※不一致の場合は、証券会社が 訂正後の売買報告データ①を 再送 or 機関投資家が訂正後 の運用指図データ①を再送 する。

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(2) 「運用指図フルサポート」型

「運用指図フルサポート」型の機能の特徴は、当システムにおいて、証券会社

から受信した売買報告データをもとに運用指図データを作成し、機関投資家へ

送信する点である。これにより、機関投資家の運用指図データ作成負担の軽減

を図る。

下の図4.2.1-2に業務フローを示す。

図4.2.1-2「運用指図フルサポート」型

本 シ ス テ ム

運用指図データ

作成/送信

運用指図承認

売買報告/

運用指図データ送信

売買報告承認

信 託 銀 行 ③ 売買報告データ/

運用指図データ

④ 売買報告承認データ

機 関 投 資 家 証 券 会 社

 ① 売買報告データ

※非承認の場合、証券会社  が訂正後の売買報告データ① を再送する。

④ 売買報告承認結果通知データ

※非承認の場合は、証券会社が 訂正後の売買報告データ①を

再送する。

アロケーション

注文回送連動

 ① 運用指図データ

 ② 運用指図承認データ ② 運用指図承認結果通知データ

※ 注文回送連動機能 アロケーション機能

については開発時期未定

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決済照合システム システム概要

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(3) 「運用指図サポート対象外」型

「運用指図サポート対象外」型は、機関投資家が当システムを利用しない場合

を想定したものである。利用しない場合とは、機関投資家が作成した運用指図

データ(あるいは運用指図書)が、信託銀行との間でFAX,電子メール,他シス

テムなど、当システムを経由せずにやりとりされることである。

従って機能の特徴は、証券会社が送信した売買報告データだけを当システムを

経由して信託銀行へ送信する点である。

下の図4.2.1-3に業務フローを示す。

図4.2.1-3 「運用指図サポート対象外」型

機 関 投 資 家

信 託 銀 行  ① 売買報告データ

運用指図データ送信(本システム外)

 ② 売買報告承認データ

証 券 会 社

 ① 売買報告データ

売買報告承認

売買報告データ送信

※非承認の場合は、証券会社 が訂正後の売買報告データ① を再送する。

アロケーション

注文回送連動

② 売買報告承認結果通知データ

※ 注文回送連動機能 アロケーション機能

については開発時期未定

本 シ ス テ ム

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(4) 「プロパー取引」型

「プロパー取引」型は、生命保険会社,損害保険会社、信託銀行などが、「機関

投資家」として1社で約定照合(売買報告データの内容確認,承認)をおこなう

ことを想定したものである。

機能の特徴は、証券会社が送信した売買報告データを「機関投資家」へ送信し、

当該「機関投資家」から売買報告承認データを受信することである。

下の図4.2.1-4に業務フローを示す。

図4.2.1-4 「プロパー取引」型

売買報告データ送信

証 券 会 社

 ① 売買報告データ

機 関 投 資 家

 ① 売買報告データ

売買報告承認

 ② 売買報告承認データ

※非承認の場合は、証券会社が 訂正後の売買報告データ①を

再送する。

アロケーション

注文回送連動

② 売買報告承認結果通知データ

※ 注文回送連動機能 アロケーション機能

については開発時期未定

本 シ ス テ ム

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決済照合システム システム概要

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4.2.2 SSI(Standing Settlement Instruction)機能(=約定照合/決済照合連動=)

(1) SSI機能の目的

決済をする場合、通常は、決まった決済条件(証券保管振替機構の,どの口座を

使って,振替処理で、といった条件)でおこなうことが多い。そのため、取引が

発生する都度、その決済条件をデータに設定することは、煩雑な作業であると

同時にミスの原因になりかねない。

そのため、当システムのSSIデータベースに「決済情報」を事前に登録して

もらい、これをもとに当システムで決済指図データも作成することで、上述の

問題点を解消することがSSI機能の目的である。

(2) SSI機能の概要

当システムに構築したSSIデータベースに、通常時の(よく使用する)決済

条件を「決済情報」として証券会社,信託銀行から事前に登録してもらう。

当システムでは、SSI機能を利用する旨の情報をつけて登録された約定照合

済みのデータに対して、SSIデータベースの「決済情報」を自動的に付与し、

決済指図データを作成する。

処理フローを次ページの図4.2.2に示す。

(3) SSIデータベースのメンテナンスについて

SSIデータベースへの「決済情報」登録,その内容変更などメンテナンス作業

については、システム利用者がおこなう。

また、当システムへのメンテナンス結果の反映は、対象業務の性質を鑑みて、

準リアルタイムでおこなう。

なお、メンテナンスのためのインタフェースはWeb端末により提供する。

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決済照合システム システム概要

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図4.2.2 SSI機能の処理フロー

信 託 銀 行

証 券 会 社機 関 投 資 家

売買報告データ送信

約定照合

売買報告承認データ

売買報告データ送信

運用指図データ送信

運用指図/

売買報告承認

結果通知データ

売買報告データ

SSI 機能

SSIデータベース

決済代理人(渡方)

ファンドコード

渡方証券口座

口座所在金融機関(受方)

資金決済口座(受方)

決済条件

決済場所

決済代理人(受方)

受方証券口座

口座所在金融機関(渡方)

資金決済口座(渡方)

(決済情報部)

SSI機能を利用する

売買報告承認

決 済 情 報

決済照合

(照合一致状態となる)決済照合結果

通知データ

決済指図データ決済指図データ

送信不要

決済指図データ 決済情報部

決済指図データ 決済情報部

決済指図データ決済情報部

自動作成

決済照合結果

通知データ

本 シ ス テ ム

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決済照合システム システム概要

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4.3 決済照合/決済連動機能

当システムの利用者(証券会社,信託銀行などカストディ業務をおこなう銀行)は

決済照合機能を利用し、証券取引(国内取引,非居住者取引)における決済条件など

決済情報が正しいか否かを確認した上で、決済をおこなう。

そこで当システムは、次に示す「決済照合機能」と「決済連動機能」を当システム

の利用者へ提供し、決済情報の確認作業と利用者における決済業務をサポートする。

4.3.1 決済照合機能

決済照合機能は次に示す個別機能で構成される。

・証券会社,信託銀行などカストディ銀行が送信する決済指図データの受信

・決済指図データ受信の照合

・証券会社,信託銀行などカストディ銀行への照合結果データの送信

なお、当システムでは、システム利用者の利用形態に応じて柔軟な対応を用意す

る。以降ではその種類を示す。(なお、決済照合機能の詳細については項番5.2

を参照)

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決済照合システム システム概要

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(1) 「約定照合から利用」型

「約定照合から利用」型は、約定照合済みとなった売買報告データに対して、

SSIを利用して決済情報を追加する利用形態である。また、決済指図データ

を使用して決済情報を追加することも可能である。

主に、第一期第1フェーズの国内取引での利用を想定している。

下の図4.3.1-1に業務フローを示す。

図4.3.1-1 「約定照合から利用」型

資 金 決 済 機 関

決 済 シ ス テ ム   振替請求    振替請求

② 決済照合結果通知データ

① (決済指図データ)

決済指図

データ照合

約定照合

① (決済指図データ)

② 決済照合結果通知データ

機 関 投 資 家信 託 銀 行

証 券 会 社本 シ ス テ ム

SSIデータベース

SSI機能

※不一致の場合は、証券会社  機関投資家または信託銀行  が訂正後の決済指図データ ①を再送する。

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決済照合システム システム概要

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(2) 「決済照合から利用」型

「決済照合から利用」型は、決済指図データの照合だけを利用する利用形態で

ある。約定(売買)を国外でおこなう場合、約定照合までは他システムを利用

する場合を想定した利用形態である。

第一期第1フェーズの国内取引,第2フェーズの非居住者取引での利用を想定

している。

下の図4.3.1-2に業務フローを示す。

図4.3.1-2 「決済照合から利用」型

資 金 決 済 機 関

決 済 シ ス テ ム振替請求 振替請求

② 決済照合結果通知データ

① 決済指図データ

② 決済照合結果通知データ

決済指図データ照合

① 決済指図データ

機 関 投 資 家証 券 会 社信 託 銀 行

本 シ ス テ ム

※不一致の場合は、証券会社  機関投資家または信託銀行  が訂正後の決済指図データ  ①を再送する。

機 関 投 資 家証 券 会 社信 託 銀 行

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決済照合システム システム概要

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4.3.2 決済連動機能

決済連動機能では、以下の機能を提供する。

・決済照合済み(照合一致状態)となったデータから、連動する決済システムで

使用する決済指図データ(振替請求データなど)を自動的に作成する

・作成した決済指図データを決済システムへ送信する

・決済システムでの実行結果を受信し、当システムの利用者へ通知する

なお現時点では、証券保管振替機構の一般振替DVP実施にあわせて当該機能を

サポートする予定である。

下の図4.3.2に業務フローを示す。

図4.3.2 決済連動機能

機 関 投 資 家証 券 会 社信 託 銀 行

 ① 決済指図データ

 ② 決済照合結果通知データ決済指図

データ照合  ② 決済照合結果通知データ

 ① 決済指図データ

決 済 銀 行決 済 シ ス テ ム

証券振替指図

 ③ 証券振替指図データ

④ 証券振替指図承認  ④ 証券振替指図承認

③ 証券振替指図データ

※ 一 般 振 替 D V P と の 連 動 部 分 に つ い て は 、 検 討 未 開 始 で あ る 。 議 論 の 整 理 が で き 次 第 、 着 手 す る 。

本 シ ス テ ム

連動

機 関 投 資 家証 券 会 社信 託 銀 行

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決済照合システム システム概要

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4.4 基準価額計算業務のサポート機能

4.4.1 基準価額計算業務のサポート機能の目的

当システムでは、信託銀行が行うファンドの基準価額計算業務を考慮し、約定照合

において「運用指図部分サポート」型、「運用指図フルサポート」型の業務フローを

利用する場合、基準価額計算業務のサポート機能を提供する。

4.4.2 基準価額計算業務のサポート機能の概要

機関投資家は当日分約定が確定すると、約定確定報告データ(機関投資家~決済照

合システム間)を送信する。当システムでは、機関投資家から約定確定報告データ

を受信すると、以下のデータを信託銀行に送信する。

・ 運用指図データ(プレアド)

登録されている当日分約定の運用指図データから、「運用指図部分サポー

ト」型の場合は照合結果が‘未照合’または‘不一致’のもの、「運用指図

フルサポート」型の場合は‘未承認’または‘非承認’のものを抽出し、処

理コード「プレアド(プレアドバイスの略)」を設定したデータ

・ 約定確定報告データ(決済照合システム~信託銀行間)

当該機関投資家の当日分約定が確定したことを信託銀行に報告するデータ

下の図4.4.2に業務フローを示す。

図4.4.2 基準価額計算業務のサポート機能

信 託 銀 行

 ③ 約定確定報告データ

機 関 投 資 家

 ① 約定確定報告データ

本 シ ス テ ム

 ② 運用指図データ(プレアド)

約定確定報告

データ受信

運用指図データ

の抽出

運用指図データ

送信

約定確定報告

データ送信

約定確定報告

データ作成

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決済照合システム システム概要

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4.5 電子帳簿機能

当システムでは、売買報告書、信託財産運用指図書などの法定帳票について、記載

要件を満たしたデータ・フォーマットを使用し、取引当事者間における交付を電子化

することを目指している。金融審議会のワーキング・グループ報告の中でも取引報

告書及び信託財産運用指図書の電子化の必要性は謳われており、当システムとして

は、電子化の実現のために同報告において必要とされている証拠保全等の機能の確

保等に努め、当システムを利用する場合にはこれらの書面の交付を省略できるよう、

行政当局と調整を進めてまいりたい。

また、当システムでは、交付の電子化が認められることを前提として、電子帳簿機

能(法定帳票のぺーパレス化)を提供することを検討している。

現時点で想定している機能は以下のとおりである。

・当システムに登録(送信)された、電子化した法定帳票(データ)を、一定の条

件のもとで電子帳簿データベースに保管する。

・監督官庁、税務当局、システム利用者などの請求に応じて、当該法定帳票を出力

する。

なお、言うまでもなく、この機能の実現のためには、これら監督官庁、税務当局、

自主規制機関等の了解が必要となる。

4.6 運用支援機能

当システムでは、上述の機能に加えて次に示す機能もサポートする。

4.6.1 処理状況照会機能

処理状況照会機能は、当システムにおけるデータの処理状況をWeb端末にて照

会できる機能である。

4.6.2 データ繰越機能

データ繰越機能は、当システムに登録(送信)されたデータを処理可能期間内は

自動的に翌営業日へ繰り越して、処理を継続する機能である。

決済照合の場合、照合一致状態(決済照合済み)となるまでシステム内で繰越を

おこなうが、その繰越期間は、国内取引では10営業日,非居住者取引について

は99営業日とし、利用者のニーズに応えられるようにする。

なお、約定照合の場合、承認済みまたは照合一致以外のデータ繰越は、決済日の

当日までとする。

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4.7 対外接続機能等

今後、証券取引の国際化が一層進展することは明らかであり、海外におけるT+1

への動きを勘案すると、海外との情報交換のSTP化の早期実現は不可欠である。

照合データの海外との送受信手段としては、従来から利用されているS.W.I.F.T.

の他、GSTPAのTFM(Transaction Flow Manager)の開発が進んでおり、更に

はDTCC/THOMSONの合弁会社がGSTPAのTFMと同様のサービスを

提供する動きも具体化している。

我が国におけるT+1の実現の為に、海外の照合システム等との接続をおこなう機

能を、当システムでサポートする必要があるか否かの判断も必要となる。

その判断に当たっては、以下のような整理を行う必要があり、そのうえで、ユーザ

ー・ニーズの確認が取れ次第、必要なシステム接続を進めていく予定である。

(1) 海外システムの仕様の確認

TFMの機能、TFMにアクセスするための接続インタフェースの仕様の詳細な確

認が必要であり、併せて、類似したサービスを提供するであろうDTCC/THO

MSONの合弁会社の新システムの仕様の確認も不可欠である。必要な情報が入手

できた段階で各システムとの接続に関する技術的要件を詰めることとなろう。

(2) 接続条件の確認

それぞれの海外照合システムの運用主体との間で、技術的な調整や接続コストの調

整など、接続条件の確認が必要である。各運用主体と保振機構との間では、調整窓

口を定めて話し合いを行う方向にある。

(3) 接続メリット(ユーザー・ニーズ)の確認

我が国の決済・照合環境は欧米と異なる部分もあり、海外照合システムとの接続に

より、どのようなメリットが発生するか、現時点では不透明である。明確なメリッ

トが明らかとなり、当システムと海外システムとの接続に係るユーザー・ニーズが高

まることが必要である。また、我が国機関投資家の海外投資についても当システム

と海外システムとの接続を利用するニーズが高いかどうかも重要な判断要素となろ

う。共通インフラによるワン・ストップ・ショッピングのニーズが確認できれば、具

体的検討を進めることとなる。

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決済照合システム システム概要

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(4) 業務スキームの調整

現在、クロス・ボーダー取引(非居住者に関する証券取引)においては、投資家~

グローバル・カストディアン~サブ・カストディアン間で決済指図データなどがやり

取りされる一方、投資家~海外証券会社~本邦証券会社の間でも決済指図データな

どがやりとりされており、その二つのデータに基づき我が国における決済当事者間

で改めて決済照合が行われたうえで、最終決済に至るというスキームになっている。

しかし、当システムがTFM等の海外照合システムと直接接続すれば、海外の海外

照合システムから当システムを経由して、直接決済指図データを受け取ることも可

能となるため、現行の業務スキームにも大きな影響が出ることが予想される。

このため、上記③の検討によりTFM等との接続メリットを明らかとし、ユーザ

ー・ニーズを確認したうえで、業務スキーム等を早急に詰めることとなる。

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決済照合システム システム概要

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5. 対象処理概要(業務処理フロー図)

当システムにおける取り扱い対象の業務処理について以下に記述する。

5.1 約定照合機能

利用形態に応じて以下に示す。

5.1.1 「運用指図部分サポート」型

(1) 業務処理フロー図

次ページの図5.1.1に業務処理フローを示す。

(2) 業務処理フロー概要

・証券会社から送信された売買報告データと機関投資家から送信された運用指

図データを受信する。

(処理ボックスA,D)

・当システムでは、売買報告データと運用指図データの照合をおこなう。(照合

方式,照合項目については (3) (4)に記述)

(処理ボックスE)

・照合結果を証券会社と機関投資家へ通知する。

(処理ボックスF,データ・フロー③)

・約定照合結果が「照合一致」となった場合、信託銀行へ売買報告データと運用

指図データの送信をおこなう。

(処理ボックスJ,K,データ・フロー④,⑤)

・信託銀行は、約定照合結果を確認後、「承認」あるいは「非承認」の通知を当

システムへ送信する。

(データ・フロー⑥)

(3) 約定照合方式

 ① 証券会社から送信される売買報告データと機関投資家から送信される運用指図

 データに基づき、全ての照合項目((4)項で後述)を検索して特定する。

 所定の順序により全ての照合項目の検索を行う。この検索により、以下の3つ

の照合ステータスを特定する。

 A 照合項目(15項目)が完全一致するものを“照合一致”とする

 B キー項目(11項目)が一致し、キー項目以外の4項目のいずれかが相違し

ている場合を“照合不一致”とする。

C その他上記 A 及び B に該当しない場合は“未照合”とする。

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決済照合システム システム概要

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 ② 新規データの入力がある度に、①の処理を繰り返す。

※ 売買報告データと運用指図データは、アロケーション済みの同一単位を入  

力することが前提となる。

(4) 照合項目

<約定照合キー(※)、機関投資家、売り手、買い手、ファンドコード、銘柄コー

ド、約定日、決済日、売買区分、数量、単価、約定金額、消費税、国内手数料、

決済金額>

※  約定照合キーとは、注文 No 等対象となる約定データの範囲を絞り込むた

めのキーであり、取引当事者間で共通認識を持ったリファレンス番号である。

一括注文等の場合で、アロケーション処理後は、複数のデータに分離する場合、

他の一括注文との混同を避け、処理の正確性を向上させるためには、データ処

理単位を跨るブロック・レベルであったとしても、原則として、当該約定照合

キーの入力は不可欠のものとする。

※  下線部はキー項目を表す。

(5) 約定照合結果の通知方法

・照合結果通知は、ステータス(「照合一致」「照合不一致」「未照合(照合相手

未確定)」)を問わず、双方に通知する。

・通知のタイミングは「照合一致」「照合不一致」の場合、照合処理後、すぐに

通知する。(但し、メッセージ連携型処理の場合)

「未照合」の場合は、定時処理で双方に通知する。

・ 約定照合結果通知のメッセージタイプは、「MT509」を使用する。

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決済照合システム システム概要

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図5.1.1 「運用指図部分サポート」型

証券会社決済照合システム

信託銀行

売買報告データ受信

(A)売買報告データ

受信

売買報告データ送信

売買報告データ

運用指図データ受信

売買報告データ

(D)

運用指図データ受信

運用指図データ運用指図データ

送信

運用指図データ 売買報告承認

(L)売買報告承認処理

売買報告承認データ送信 ⑥

売買報告が非承認の場合、

証券会社が訂正後の売買報告データ①を再送

アロケーション

アロケーション処理

売買報告/運用指図データ作成

注文回送連動

注文回送連動

処理

約定照合処理

(E)

約定照合処理

(F)約定照合結果

通知データ送信約定照合結果

通知データ

③ ③

約定照合結果

通知データ

(J)

売買報告/運用指図データ作成

(K)売買報告/運用

指図データ送信

売買報告承認データ

売買報告承認結果通知データ

※ 注文回送連動機能 アロケーション機能

については対応可能だが、開発時期未定

機関投資家

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5.1.2 「運用指図フルサポート」型

(1) 業務処理フロー図

次ページの図5.1.2に業務処理フローを示す。

(2) 業務処理フロー概要

・証券会社から送信された売買報告データを受信して、このデータをもとに機関

投資家への運用指図データを作成,送信する。

(処理ボックスA,B)

・機関投資家は運用指図データの内容確認をおこない、問題がなければ「承認」

を、問題があれば「非承認」を当システムへ送信する。

(データ・フロー③)

・当システムは、機関投資家から「承認」を受信した場合、信託銀行へ売買報告

データと運用指図データを送信する。

(処理ボックスK)

・信託銀行は、売買報告データと運用指図データの照合をおこなった後、「承認」

あるいは「非承認」通知を当システムへ送信する。

(データ・フロー⑦)

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決済照合システム システム概要

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図5.1.2 「運用指図フルサポート」型

決済照合システム 証券会社機関投資家

信託銀行

運用指図承認データ受信

運用指図承認結果通知データ(C)

運用指図承認データ受信

運用指図が非承認の場合、証券会社が訂正後の

売買報告データ①を再送

運用指図承認データ運用指図承認

データ送信

運用指図データ作成

(A)売買報告データ

受信

売買報告データ送信

売買報告データ

運用指図データ (B)運用指図データ

送信

アロケーション

アロケーション処理

売買報告データ

売買報告/運用指図データ作成

(J)

売買報告/運用指図データ作成

(K)

売買報告/運用指図データ送信

売買報告承認運用指図データ

売買報告承認データ送信 ⑦ 売買報告

承認データ

売買報告承認結果通知データ(L)

売買報告

承認処理売買報告が非承認の場合、

証券会社が訂正後の

売買報告データ①を再送

注文回送連動

注文回送連動

処理

※ 注文回送連動機能 アロケーション機能

については 対応可能だが、開発時期未定

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決済照合システム システム概要

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5.1.3 「運用指図サポート対象外」型

(1) 業務処理フロー図

次ページの図5.1.3に業務処理フローを示す。

(2) 業務処理フロー概要

・証券会社から送信された売買報告データを受信し、当該売買報告データを信託

銀行へ送信する。

(処理ボックスA,B)

・信託銀行は売買報告データと、システム外で受け取った運用指図書(データ)

の内容確認をおこない、問題がなければ「承認」を、問題があれば「非承認」

を当システムへ送信する。

(データ・フロー③)

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決済照合システム システム概要

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図5.1.3 「運用指図サポート対象外」型

決済照合システム 証券会社機関投資家

信託銀行

運用指図データ

(システム外)

売買報告データ送信

(B)売買報告データ

送信処理

(A)売買報告データ

受信処理

売買報告データ送信

売買報告データ

売買報告

データ売買報告承認

(L)売買報告

承認処理

売買報告承認データ送信

売買報告が非承認の場合、証券会社が訂正後の

売買報告データ①を再送

アロケーション

アロケーション処理

注文回送連動

注文回送連動処理

売買報告

承認データ

売買報告承認結果通知データ

※ 注文回送連動機能 アロケーション機能

については対応可能だが、開発時期未定

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決済照合システム システム概要

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5.1.4 「プロパー取引」型

(1) 業務処理フロー図

下の図5.1.4に業務処理フローを示す。

図5.1.4 「プロパー取引」型

決済照合システム 証券会社機関投資家

売買報告データ送信

(A)

売買報告データ

受信

②売買報告データ (B)

売買報告データ 送信

売買報告データ送信

売買報告データ

売買報告承認

(C)売買報告承認

処理

④売買報告承認

データ送信

アロケーション

注文回送連動

注文回送連動

処理

アロケーション処理

売買報告が非承認の場合、

証券会社が訂正後の売買報告データ①を再送

売買報告

承認データ

売買報告承認

結果通知データ

※ 注文回送連動機能 アロケーション機能

については対応可能だが、開発時期未定

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決済照合システム システム概要

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(2) 業務処理フロー概要

・証券会社から送信された売買報告データを受信し、当該売買報告データを機関

投資家へ送信する。

(処理ボックスA,B)

・機関投資家は売買報告データと自社内の注文書(データ)の内容確認をおこな

い、問題がなければ「承認」を、問題があれば「非承認」を当システムへ送信

する。

(データ・フロー③)

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決済照合システム システム概要

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5.2 決済照合

利用形態に応じて以下に示す。

5.2.1 「約定照合から利用」型

(1) 業務処理フロー図

下の図5.2.1に業務処理フローを示す。

図5.2.1 「約定照合から利用」型

決済照合システム

約定照合

決済指図データ照合 ①

決済指図

データ送信

(A)

決済指図

データ受信

決済指図

データ決済指図

データ送信

決済指図

データ

(B)

決済指図

データ照合

②②

(C)

決済照合結果

通知データ送信

決済照合結果

通知データ

決済照合結果

通知データ

決済当事者(受方)

決済当事者(渡方)

SSI 機能 SSI

データベース

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(2) 業務処理フロー概要

① 決済当事者の双方がSSI機能を利用する場合

4.2.2 で記載されているとおり。

・ SSI機能によって、既に決済照合段階でも照合一致状態になっている。

従って、データ・フローの①のプロセスは不要であり、直接、②のプロセスで、

照合システム側から双方に決済照合結果通知データを送信する。

② 決済当事者の双方がSSI設定情報の修正等で再入力する場合

・ 約定照合済データについて、決済条件がSSI設定情報と異なる場合、或いは

決済当事者双方がSSIを利用しない場合などに、決済当事者の双方が決済指

図データを再入力する。(データ・フロー①)

・ 決済当事者双方から、新たな決済指図データが入力された場合は、双方の新デ

ータが照合対象となる。(照合方式、照合項目については、下記(3)(4)に記述。)

・決済照合システムは、照合結果を決済当事者に送信する。

(データ・フロー②)

(3) 上記(2)②の場合の決済照合方式

・約定照合から利用する場合は、双方の決済当事者が約定照合済の「売買報告デ

ータ」を特定できるので、決済当事者は約定照合時に付番されたセンタリファ

レンスNOを設定し、決済指図データを入力する。

・ 照合相手のデータを特定する前に、約定照合済の「売買報告データ」との整合

性チェックを行い、不整合の場合、エラーとする。

売買報告データとの整合性チェックを行う項目は以下の通り。

<売り手、買い手、ファンドコード、銘柄コード、約定日、決済日、数量、

単価、約定金額、消費税、国内手数料、決済金額>

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決済照合システム システム概要

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(4) 上記(2)②の場合の照合項目

・照合相手データ特定後は、決済情報における照合項目について照合を行い、項

目の一致(「照合一致」),不一致(「照合不一致」)判定を行う。

・決済照合の対象項目は次のとおり。

<決済条件,決済場所,資金決済方法,受方証券口座番号,受方口座所在金融機

関,資金支払人,受方資金決済口座番号,渡方証券口座番号,渡方口座所在金

融機関,資金受取人,渡方資金決済口座番号>

(5) 決済照合結果の通知方法

・照合結果通知は、ステータス(「照合一致」「照合不一致」「未照合(照合相手

未確定)」)を問わず、双方に通知する。

・通知のタイミングは「照合一致」「照合不一致」の場合、照合処理後、すぐに

通知する。(但し、メッセージ連携型処理の場合)

「未照合」の場合は、定時処理で双方に通知する。

・ 決済照合結果通知のメッセージタイプは以下のとおりとする。

照合相手が未登録の場合、「MT548」

照合相手が登録済の場合、「MT578」

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5.2.2 「決済照合から利用」型

(1) 業務処理フロー図

下の図5.2.2に業務処理フローを示す。

図5.2.2 「決済照合から利用」型

決済照合システム

決済指図データ照合 ①

決済指図

データ送信

(A)決済指図

データ受信

決済指図データ

決済指図

データ送信

決済指図データ

(B)決済指図

データ照合

②②

決済照合結果通知データ (C)

決済照合結果通知データ送信

決済照合結果通知データ

決済当事者(受方)

決済当事者(渡方)

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決済照合システム システム概要

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(2) 業務処理フロー概要

・決済当事者双方から「決済指図データ」が送信される。

(データ・フロー①)

・当システムでは、決済指図データを受信して照合処理をおこなう。(照合方式,

照合項目については (3) (4)に記述)

(ボックスA,B)

・照合結果を決済当事者双方へ送信する。

(ボックスC,データ・フロー②)

(3) 決済照合方式

① 決済当事者双方から送信される決済指図データに基づき、全ての決済照合項

目((4)で後述)を検索して特定する。

所定の順序により全ての決済照合項目の検索を行う。この検索により、以下

の3つの照合ステータスを特定する。

A 決済照合項目(23項目)が完全一致するものを“照合一致”とする。

B キー項目(9項目)が一致し、キー項目を除いた決済照合項目のみが相

違している場合を“照合不一致”とする。

C その他上記AおよびBに該当しない場合は“未照合”とする。

② 新規データの入力がある度に、Aの処理を繰り返す。

(4) 照合項目

<決済照合キー(※)、約定日、決済日、ファンドコード、銘柄コード、単価、

数量、決済金額、決済条件、決済場所、資金決済方法、受方決済代理人、受方

証券口座番号、受方口座所在金融機関、資金支払人、受方資金決済口座番号、

渡方決済代理人、渡方証券口座番号、渡方口座所在金融機関、資金受取人、渡

方資金決済口座番号、売り手、買い手>

※ 決済照合キーとは、対象となる決済データの範囲を絞り込むためのキーであ

り、決済当事者間で共通認識を持ったリファレンスNOである。

※ 下線部はキー項目を表す。

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(5) 決済照合結果の通知方法

(「約定照合から利用」型と同じ。)

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6. 取消,訂正処理(業務処理に関する諸事項)

6.1 取消処理,訂正処理の意味

当システムでは、取消処理とは送信(登録)したデータを当システムから削除する

こと,訂正処理とは取消処理をおこなった後(取消したデータと同じ取引に関する)

データを再送(登録)すること,をいう。

つまり、データの誤りを訂正したい場合は、訂正処理をおこなうことになる。

なお、取消処理,訂正処理ができるデータは次のとおりである。(メッセージ・タイプ

(MT)については項番9 電文フォーマットを参照)

・売買報告データ(MT515)

・運用指図データ(MT54x)

・決済指図データ(MT54x)

取消処理を行った場合、関係当事者宛に取消通知電文の送信を行うものとし、送信

先については、業務フローおよび処理状況によりセンタで判定する。

6.2 取消処理,訂正処理が可能な状態

当システムでは、取消,訂正可能期間内であれば、当該データのステータスを問わず、

処理することが可能である。

なお、取消,訂正可能期間内とは、約定照合から決済照合まで利用する場合、次の

とおりである。

・決済照合結果が照合一致の場合、決済日当日まで

・決済照合結果が照合不一致,未照合の場合、繰越期間内

6.3 売買報告/運用指図データの取消,訂正

売買報告/運用指図データの取消,訂正をおこなう場合、当システムでの処理状況

によって、必要なオペレーションが異なる。

6.3.1 決済指図データ登録前

双方とも決済指図データを送信(登録)していない場合は、売買報告/運用指図

データに対するオペレーションだけで、取消,訂正処理ができる。

6.3.2 決済指図データ登録後

どちらか一方からでも決済指図データを送信(登録)されている場合には、売買

報告/運用指図データに対するオペレーションの前に、決済指図データに対する

取消処理をおこなう必要がある。

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6.4 決済指図データの取消,訂正

決済指図データの取消,訂正をおこなう場合、決済照合結果のステータスによって、

必要なオペレーションが異なる。

6.4.1 決済照合結果「照合不一致」「未照合」の場合

どちらか一方(「未照合」の場合は送信(登録)元からのオペレーション)から

の決済指図データを取消すだけで、取消,訂正処理をおこなうことが可能である。

6.4.2 決済照合結果「照合一致」の場合

双方から決済指図データを取消さない限り、取消処理は実行されない。

SSI利用により決済条件が内部で設定された場合も、同様の処理とする。

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7. リンケージ情報(業務処理に関する諸事項)

当システムでは、各データの「リンケージ情報」という項目を利用することで、各デ

ータがどの取引に対応しているのかを特定させている。以下にリンケージ情報の取扱

いについて説明する。

7.1 リンケージ情報の設定内容

リンケージ情報には、送信者リファレンスNO,リンケージリファレンスNO等を

設定する。

7.2 リンケージ情報の設定方法

新規の取引に設定されたリンケージ情報を、以降の同一の取引に対するデータに引

き継ぐことにより、各データがどの取引に対応しているのかを特定させている。

以下にリンケージ情報の設定方法を示す。

7.2.1 送信者リファレンスNO

(1) 利用者から決済照合システムへ送信する場合

利用者は、利用者単位でユニークな番号を付番し、途中で変更しないことを前提と

する。

(2) 決済照合システムから利用者へ送信する場合

当システムは、データが新規に登録される度に付番し、以降、同一の取引に対する

データには同じ番号を設定する。

当システムが設定した番号をセンタリファレンスNOとよぶ。

7.2.2 リンケージリファレンスNO

(1) 利用者から決済照合システムへ送信する場合

センタが付番したセンタリファレンスNOを設定する。ただし、当システムではデ

ータを受信してからセンタリファレンスNOを付番しているため、各業務フローの

最初(1番目)のデータは除く。

また、約定照合にて約定照合キー(5.1.1 (4)照合項目 参照)を利用する場合や、

決済照合にて決済照合キー(5.2.2 (4)照合項目 参照)を利用する場合は、各照

合キーを設定する。

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(2) 決済照合システムから利用者へ送信する場合

当システムから利用者へデータを送信する場合、リンケージリファレンスNOには

送信先(受信者)が付番した送信者リファレンスNOを設定する。

ただし、業務フロー、データ種別により、当初に登録された送信者リファレンスN

Oを引き継ぐケース、または複数のリファレンスNOを設定するケース等がある。

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8. システム構成

当システムのシステム構成について以下に示す。

8.1 システム構成図

システム構成図を次ページ以降の図8.1に示す。

8.2 システムイメージ

処理方式,接続形態などに関するシステムイメージを次ページ以降の図8.2に示す。

8.2.1 接続形態

当システムにおける接続形態を表8.2.1に示す。

表8.2.1 接続形態

利用者接続形態 通信プロトコル ネットワーク 備 考

専用線オンライン

リアルタイム

処理方式接続

TCP/IPプロトコル ISDN

(INS-P)

大規模(大量データ)を処理

するシステム利用者向け

ファイル伝送

処理方式接続

全銀協標準通信プロトコル

(TCP/IP手順)

ISDN

(INS-C)ファイル転送型

Web 端末接続 HTTPプロトコルISDN

(INS-C)照会機能をサポートする

8.2.2 接続形態ごとのセキュリティ方式

当システムにおけるセキュリティ方式を接続形態ごとに示す。

(1) オンラインリアルタイム処理方式接続

発信者番号チェック,パケットフィルタリング,パスワードチェックなどによ

って、正当なシステム利用者以外の者が当システムへアクセスすることを制限

する。

(2) ファイル伝送処理方式接続

発信者番号チェック,CHAP認証,パケットフィルタリング,全銀協手順に

よる認証などによって、正当なシステム利用者以外の者が当システムへアクセ

スすることを制限する。

(3) Web 端末接続

発信者番号チェック,CHAP認証,パケットフィルタリング,パスワードチ

ェックなどによって、正当なシステム利用者以外の者が当システムへアクセス

することを制限する。また、SSLによりデータの暗号化を実現する。

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8.1 システム構成図

決済照合システム

ISDN

専用線

ISDN

チャネルサブシステム

決済照合/連動サブシステム

約定照合サブシステム

機関

投資家

証券会社

銀行

信託銀行 約定照合

入出力JNL

約定照合DB

電子帳簿サブシステム

決済照合

決済連動

入力

フォーマット変換

ファイル送信

電文送信

ファイル受信

電文受信

出力

フォーマット変換

受信F送信F

決済照合DB

ルータ

帳簿DB

DB連携

ルータ

SSI DBルータ

Webサーバ

計算会社

FireWall

FireWall

認証サーバ

認証サーバ

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8.2 システムイメージ

ISDN

Web端末接続

ファイル伝送処理方式接続

オンライン

リアルタイム処理方式接続

※1 決済連動は、第二期にて対応

約定照合サブシステム

決済照合/連動

サブシステム

電子帳簿サブシステム

チャネルサブシステム

ユーザシステム

(計算会社を含む)

電文受信

TCP/IP

ユーザシステム

全銀手順

ファイル

  受信

端末

Web Browser

TCP/IP送信F

ファイル

  送信

Web Server

約定DB

約定照合

電文送信

受信F

決済照合

決済連動

※1出力

フォーマット

    変換

入力

フォーマット

    変換

入出力JNL

決済DB

メッセージ連携

ミドルウェア

帳簿DB

専用線

SSI DB

WebDB

TCP/IP

ユーザシステム

(計算会社を含む)

TCP/IP

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9. 電文フォーマット

当システムにおいて採用する電文フォーマットについて以下に示す。

9.1 採用予定の電文フォーマット

電文フォーマットとして、ISO15022で制定されているメッセージ・タイプ

(MT)のうち、証券取引用のカテゴリ5と呼ばれるメッセージ・タイプを採用する。

下の表9.1に電文フォーマット一覧を示す。

表9.1 電文フォーマット一覧(決済連動で使用するデータについては未検討)

No. データ名 電文フォーマット 備 考

1 売買報告データ MT515 約定照合で使用

2 運用指図データMT541

MT543約定照合で使用

3・運用指図承認データ

・売買報告承認データMT517 約定照合で使用

・売買報告承認結果通知データ

・運用指図承認結果通知データ

・ 約定照合結果通知データ

・ 約定繰越通知データ

MT509

約定照合で使用

なお、運用指図承認結果通知

データは「非承認」のみを、

約定照合結果通知データは

「不一致」のみ通知する

5 約定確定報告データ MT599 約定照合で使用

6 決済指図データ MT54x(x=0~3)

決済照合で使用

7 決済照合結果通知データMT548

MT578同上

8 決済繰越通知データ

MT509

MT548

MT578

同上

9 エラー通知データ MT509 約定,決済照合とも使用

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10. コード体系

当システムの開発にあたっては、データ項目内容を表現するコードとして以降で示す

コード体系を採用する。

10.1 金融機関識別コード

当システムのシステム利用者,あるいは売り手,買い手などの取引当事者を識別する

ためのコードである。このコードは、次項の「使用できるコード体系」に示した、

いずれかのコード体系をベースに作るものとする。

10.1.1 使用できるコード体系

使用できるコード体系を表10.1.1に示す。

表10.1.1 金融機関識別コードに関するコード体系

コード体系 付番者など 概要

BICコードS.W.I.F.T.(S.W.I.F.T.ユーザ・ハンド

ブック参照)

固有名コード4桁+国名コード2桁+

所在地コード2桁+支店コード3桁

で構成される。

ISO9362で制定されている。

統一金融機関番号

全国銀行協会連合会内の

金融機関共同コード管理委員会

(金融機関コード便覧参照)

金融・証券区分コード1桁+統一金融

機関番号4桁+統一支店番号3桁で構

成される。

証券会社等標準コード

証券コード協議会

(新証券コードブックまたは、

証券コードブック参照)

金融・証券区分コード1桁+証券会社

等標準コード4桁+支店コード3桁で

構成される。

日本銀行を通じて定め

るコード

金融・証券区分コード1桁+固有名コ

ード4桁+支店コード3桁で構成され

る。

当システム独自コード 当システム

区分1桁+固有名コード4桁+支店コ

ード3桁を独自に付番する。

固有名コードは申請順に「0001」

から連番を付与する。

10.1.2 使用する際の適用ルール

当システムでは、原則として、BICコードを使用する。BICコードを持たな

いシステム利用者には、利用の前提としてBICコードを申請,取得してもらう予

定である。

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なお、(当システムの利用者以外の)取引当事者を表現する際には、原則として

BICコードを使用するが、BICコードがない場合は次の適用ルールに従う。

① 統一金融機関番号、証券会社等標準コードおよび日本銀行を通じて定めるコ

ードを使用する。

② ①のいずれのコードも持たない場合は、当システムが付番する独自コードを使

用する。

10.2 銘柄コード

当システムでは、銘柄コードとして、現在でも広く使用されている現行コードと新

証券コード(ISINコード)および参加者が独自で管理を行っている独自銘柄コ

ードの使用を可能とする。

10.2.1 使用できるコード体系

使用できるコード体系を表10.2.1-1に示す。

なお、新証券コード、現行コードは証券コード協議会が付番,管理している。

表10.2.1 銘柄コードに関するコード体系

コード体系 概要

新証券コード

国名コード2桁+発行体コード6桁(属性コード1桁+固有名コード5桁)

+証券種類コード3桁+チェックディジット1桁

で構成される。

ISIN(国際証券コード体系:ISO6166)に準拠している。

現行コード

(株式の場合)

固有名コード4桁+予備コード1桁

で構成される。

(債券の場合)

予備コード1桁+回記号コード4桁+固有名コード4桁

で構成される。

独自銘柄コード

参加者が独自で管理する最大10桁の銘柄コード

独自銘柄コードを使用する場合、銘柄コードの前に商品区分1桁を付与

して運用する。

10.2.2 使用する際の適用ルール

当システムでは新証券コードを標準採用とし、内部処理(照合処理など)も新証

券コードで行う。

ただし、現状も現行コードを使用しているシステム利用(予定)者がいること,

新証券コードをもたない銘柄があること,に配慮し、前者については当分の間は

新証券コードへの読み替え,後者については現行コードのままでの処理を行う。

独自銘柄コードについては、コード変換処理等は行わない。

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10.3 統一ファンドコード

現在、ファンドを特定するためのファンド・コードは、各金融機関で異なるコード

を使用しているため、当システムでは「統一ファンド・コード」を制定して、標準化

を図るものとする。

10.3.1 統一ファンド・コードのコード体系

統一ファンド・コードのコード体系は、次のとおりである。

「ファンド・コードの付番,管理元の金融機関識別コード

+(当該金融機関が付番した)個別ファンド・コード」

10.3.2 適用ルール

当センタでは、(特金などの)業務毎に「個別ファンド・コード」を付番する金融

機関を決めて、当該金融機関から登録された「個別ファンド・コード」をベースに

統一金融機関コードを付番する。

(特金の場合は、信託銀行を付番者とし、使用しているファンド・コードを「個別

ファンド・コード」に設定する。)

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11. オンライン時間など

当システムのオンライン時間などについて以下に示す。

11.1 システム稼動日(営業日)

システム稼動日は日本国内の金融機関の営業日とする。

ただし、非居住者取引をサポートする第一期第2フェーズでは、海外の金融機関の

営業日を考慮し、システム稼動日を再検討する。

11.2 オンライン・サービス時間

当システムのオンライン・サービス時間を以下に示す。

表11.2 オンライン・サービス時間

機能(サービス) オンライン・サービス時間 備 考

約定照合(国内取引) 08:00~21:00 第一期第1フェーズ

決済照合(国内取引) 08:00~22:00

決済照合(非居住者取引) 08:00~27:00 第一期第2フェーズ

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12. その他特記事項

当システムのサービス開始当初から、できるだけ多くの利用者が、容易に利用できる

よう、端末機能を提供する予定である。現在、提供形態、業務,システム要件を整理中

である。