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「生活支援ロボット実用化プロジェクト」 概要説明 平成26217独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 技術開発推進部長 久木田正次

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「生活支援ロボット実用化プロジェクト」 概要説明

平成26年2月17日 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

技術開発推進部長 久木田正次

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リスク アセスメント

(移動作業型、人間装着型、搭乗型)

生活支援ロボットの 安全性検証手法の研究開発

安全技術を導入した 生活支援ロボットの開発

●対人安全性基準の確立 ●安全性基準に関する 適合性評価手法の研究開発

●ロボットの安全技術の開発 ●ロボットの安全性検証 安全性試験

適合性評価

密接な 連携

(1)生活支援ロボットの対人安全性基準、試験方法及び認証手法の確立 (2)安全技術を搭載した生活支援ロボットの開発 (3)安全性基準の国際標準化提案、試験機関、認証機関の整備

認証スキーム(案)

<プロジェクト体制> 期間 :H21年~H25年(5年間)

移動作業型ロボット

装着型ロボット 搭乗型ロボット

第三者認証機関(ISO/IEC Guide 65適合)

ロボット製造者 その他の試験機関 ※機種の特殊な 試験項目を試験

第三者試験機関 (安全検証センター)

※共通な試験項目を試験

ISO13482 (非医療用パーソナルケアに関する安全要求事項)の制定

(TC184/SC2/WG7)

国際標準化

※本プロジェクト成果を国内審議団体を通じて提案

<目的>

1

生活支援ロボット実用化プロジェクト概要

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2

NEDO

委託

協議 プロジェクトリーダー (独)産業技術総合研究所 知能システム研究部門 研究部門長 比留川博久

②安全技術を導入した移動作業型(操縦が中心)生活支援ロボットの開発

④安全技術を導入した人間装着(密着)型生活支援ロボットの開発

指導

●パナソニック (株) ●国立障害者リハビリテーションセンター

●CYBERDYNE(株)

●筑波大学

(A)安全技術を導入した移乗・移動支援ロボットシステムの開発

(A)安全技術を導入した人間装着型 生活支援ロボットスーツHALの開発

(B)安全技術を導入したリズム歩行アシストの開発

●(株)本田技術研究所

③安全技術を導入した移動作業型(自律が中心)生活支援ロボットの開発

(C)安全技術を導入した配送センター内高速ビークルシステムの開発

●(株)ダイフク

(D)安全技術を導入した配送センター内のフォーク型物流支援ロボットの開発

●(株)日立産機システム ●(株)日立製作所

⑤安全技術を導入した搭乗型生活支援ロボットの開発

(B)安全要素部品群と安全設計に基づく搭乗型移動ロボットの開発

●アイシン精機(株) ●日本信号(株)

●オプテックス(株) ●(株)ヴィッツ

●千葉工業大学

●トヨタ自動車(株)

●(独)国立長寿医療研究センター

(A)搭乗型生活支援ロボットにおけるリスクアセスメントと安全機構の開発

(C)屋外移動支援機器における安全エンジニアリング技術の研究開発

●IDEC(株) ●大阪大学 共同実施

①生活支援ロボットの安全性検証手法の研究開発

●(一財)日本自動車研究所

●(独)産業技術総合研究所

●(独)労働安全衛生総合研究所

●名古屋大学

●(一財)日本品質保証機構

●日本認証(株)

●(一社)日本ロボット工業会

●(一財)製造科学技術センター

●筑波大学附属病院

共同実施

プロジェクト実施体制

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3

プロジェクトにおける対象ロボット

移動作業型(操縦中心)ロボット 移動作業型(自律中心)ロボット

人間装着(密着)型ロボット 搭乗型ロボット

ロボティックベッド(パナソニック)

歩行アシスト (本田技術研究所)

ロボットスーツHAL (CYBERDYNE)

搭乗型ロボット (トヨタ自動車)

電動車いす (アイシン精機)

屋外移動支援機器 (IDEC)

物流センターの無人搬送ロボット (ダイフク) (日立産機システム)

・耐荷重試験 ・衝撃耐久性試験 ・電波暗室試験

・静的安定性試験 ・複合環境試験

・衝突安全性試験機

・障害物接近再現試験機

・電波暗室試験

・環境認識性能試験

・多目的走行試験

・耐荷重試験

・衝撃耐久性試験

・ベルト走行耐久試験

・電波暗室試験

・複合環境試験

・耐荷重試験

・衝撃耐久性試験

・ドラム型走行耐久性能試験機

・障害物接近再現試験機

・複合環境試験

・電波暗室試験

ISO13482、IEC6060-1、EN12184等

ISO13482

JIS D 6802 、IEC61508、 ISO13849

ISO13482、IEC61496、IEC61508等

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4

1年目 (H21)

2年目 (H22)

3年目 (H23)

4年目 (H24)

5年目 (H25)

CD(コミッティ ドラフト)可決

DIS(ドラフト)・2ndDIS の審議

改訂

・安全検証手法の確立 ・安全基準案の策定 ・認証制度の構築

・リスクアセスメント手法開発 ・試験方法開発 ・試験・評価手順策定

・再リスクアセスメントと安全技術開発 ・実証用ロボット開発 ・安全性試験と実証試験

・リスクアセスメント実施 ・安全技術の抽出と開発 ・開発したロボットの評価試験

パイロットスタディの実施 評価手法 ロボット

安全検証手法の研究開発

安全技術を搭載したロボット開発

国際標準化(ISO13482) FDIS(ファイナルドラフト)の審議後、IS発行

研究開発スケジュール

ISO13482正式発行

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5

生活支援ロボット安全検証センターの役割

標準化提案機関(事務局:日本ロボット工業会)

ロボット製造者

安全性認証機関

試験依頼 認証依頼

品質管理体制 及び製品の審査, 認証書の発行

試験データ提供

生活支援ロボット安全検証センター

試験結果

●つくば市に2010年末に完成 ●生活支援ロボット用の安全性 試験拠点は世界初 ●日本主導の国際標準化に向けた 拠点として安全研究の実施

標準化団体(ISO)

提案

(一財)日本自動車研究所

(一財)日本品質保証機構

データ 提供

技術・制度・法規制 等の相談

データ 提供依頼

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6

①多目的走行性試験路 ②傾斜走行性試験路 ③環境認識性能試験装置 ④ロボット走行状態模擬装置 ⑤3次元動作解析装置 ⑥障害物接近再現装置 ⑦衝突安全性試験機 ⑧静的安定性試験装置 ⑨ダミー校正装置 ⑩複合環境振動試験機 ⑪衝撃耐久性試験機 ⑫耐荷重試験機 ⑬装着型生活支援ロボット耐久試験機 ⑭ベルト型走行耐久性能試験機 ⑮ドラム型走行耐久性能試験機 ⑯重心移動制御装置 ⑰装着型生活支援ロボット強度試験機 ⑱電波暗室

(1)走行試験関連エリア (2)対人試験関連エリア (3)強度試験関連エリア (4)EMC試験関連エリア

安全検証センターの内部エリア概要

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ISO13482正式発行

7

移動作業型 ロボット

人間装着型 ロボット

搭乗型 ロボット

<ロボットの例>

パーソナルケアロボットの安全規格で2014年2月1日にISO(国際標準化機構)より発行

ISO 13482の構成 1. 適用範囲 2. 参照規格 3. 用語と定義 4. リスクアセスメント 5. 安全要求事項と保護方策 代表的危険源 (エネルギー源、振動、熱、耐久性など) に対する要求事項 6. 安全関連制御システム要求事項 安全関連制御システム (停止、速度制御、環境センシング、力制御など)

に対する要求事項 7. 検証と妥当性確認 8. 使用上の注意

NEDO生活支援ロボット実用化PJメンバーが草案を提出。 議論をリードして正式発行に至った!

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生活支援ロボット実用化PJ参画企業のISO13482認証

昨年:2013年2月27日

ISO/DIS 13482

今回:2014年2月17日

ISO13482: 2014

ドラフト(原案)版

CYBERDYNE(株) 「ロボットスーツHAL」

パナソニック(株) 「リショーネ®」

(株)ダイフク 「エリア管理システム」

正式版

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「生活支援ロボット実用化プロジェクト」 意義と成果

平成26年2月17日

プロジェクトリーダー 比留川博久

知能システム研究部門長

独立行政法人 産業技術総合研究所

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New Energy and Industrial Technology Development Organization

生活支援ロボットの現状と課題

・業務用清掃ロボットや搬送ロボットが事業化 ・家庭用掃除ロボットが世界で400万台以上を販売 ・手術支援ロボット、放射線治療ロボットが販売

①サービスロボットの国際的な安全規格が未整備 ②規格適合のための試験機関が未整備 ③規格適合を認証する認証機関が未整備

・人と共存する生活支援ロボットの対人安全技術が未確立 ・生活支援ロボットの安全規格等の社会制度の未整備

安全規格、安全性試験技術、安全性認証技術の開発 ロボットの対人安全技術の開発

実用化の動きあり 事業化は限定的

1

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サイバーダイン 本田技研

パナソニック

国の基盤整備/実証支援 数十億円/年

アイシン トヨタ

ダイフク 日立産機/日立

民間企業の研究開発投資 数百億円/年

研究開発/実証フェーズ

サイバーダイン社 資本金66億円

iRobot社 資本金67億円

Rethink社 資本金65億円

新規事業立ち上げフェーズ

日本

米国

生活支援ロボットの研究開発状況

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2.5

0

2.0

1.5

1.0

0.5

1.0 2.0 3.0 4.0

パソコン

携帯電話

自動車

エレベーター

電動車いす

エスカレーター

家庭用ゲーム機

マッサージチェア

電磁式調理台 ドラム式洗濯機

洗浄機能付き便座

ジューサーミキサー

リスクーベネフィットのバランスによる製品の受容

リスクとベネフィットの関係(全体)

家電製品

情報機器

自動車

自律作業ロボット

パワードスーツ

ロボテック・ヘッド

産業技術総合研究所 「製品の安全性イメージに関する調査」(2010年11月実施)

ベネフィットの多さ(指標値)

リスクの多さ(指標値)

パーソナルモビリティ

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ISO 13482:2014 Robots and robotic devices – Safety requirements for personal care robots

パーソナルケアロボットの安全規格で2014年2月1日にISO(国際標準化機構)より発行

適用範囲 年齢や能力に関係なく、意図した機能を利用者の生活の質の向上のためタスクを実行するロボット。主に次の3タイプがある Mobile servant robot (移動作業型ロボット) Physical assistant robot(人間装着型ロボット) Person carrier robot(搭乗型ロボット) <適用外> - 20km/hrより速い速度で移動するロボット - おもちゃのロボット - 海事又は飛行ロボット - 産業用ロボット - 医療機器としてのロボット - 軍事、治安に供されるロボット

<ISO 13482説明資料(1/3)>

移動作業型 ロボット

人間装着型 ロボット

搭乗型 ロボット

<ロボットの例>

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ISO 13482の構成

<ISO 13482説明資料(2/3)>

1. 適用範囲 2. 参照規格 3. 用語と定義 4. リスクアセスメント 5. 安全要求事項と保護方策 代表的危険源(エネルギー源、振動、熱、耐久性など)に対する要求事項 6. 安全関連制御システム要求事項 安全関連制御システム(停止、速度制御、環境センシング、力制御など)に 対する要求事項 7. 検証と妥当性確認 8. 使用上の注意 付属書A(参考) パーソナルケアロボットの重大ハザードリスト 付属書B(参考) 作業空間の例 付属書C(参考) 安全防護空間の遂行例 付属書D(参考) パーソナルケアロボットの機能タスク例(ロボットの例示) 付属書E(参考) パーソナルケアロボットのマーキング例

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リスクアセスメント

リスク低減プロセス(3ステップ) - 本質安全設計 - 保護方策 - 使用上の情報

保護方策に制御 を使用した場合

PL/SIL対応

妥当性確認

保護方策に制御 を使用しない場合

ISO 12100を適用(4項)

安全要求事項に対して リスク低減プロセスを適用

(5項)

ISO 13849-1 or IEC 62061を適用(6項)

使用上の情報(マニュアル、マーキング等)

妥当性確認試験など(7項)

マニュアル、マーキング等(8項)

ISO 13482の構成(概要)

<ISO 13482説明資料(3/3)>

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New Energy and Industrial Technology Development Organization 7

生活支援ロボットは人との接触度が高くなるため,安全対策を

確認する制度が必要

日本自動車研究所・産業技術総合研究所・労働安全衛生総合研究所・名古屋大学・日本品質保証機構・日本認証・日本ロボット工業会・製造科学技術センター

生活支援ロボットに適した認証スキームの確立

研究開発内容

認証スキーム

ISO/DIS 13482 への適合認証第一号(HALR福祉用)

・・・

・・・

認証に関する決定

サンプリング(選択)

特性の確定

レビュー

認証契約の締結

サーベイランス

・・・

・・・

・・・

【適用規格の選択】 ISO/DIS 13482(安全性要求) 【評価の対象を選択 】 設計管理体制,リスクアセスメント, 製品の安全性評価

【評価手法と評価基準の確定+評価活動】

フェーズ1) 設計管理体制の評価, 設計コンセプト検証, 設計検証など

フェーズ2) 製造現場の品質管理

体制評価+製品試験

ライセンス授与

設計管理体制の評価、製品試験, 品質管理体制評価

評価活動の結果(評価結果)の検証

認証可否の判断

・・・

課題

成果

本件に関するお問い合わせ先:日本品質保証機構http://www.jqa.jp/service_list/fs/action/form/index.html

ISO 13482 認証スキームの開発

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New Energy and Industrial Technology Development Organization 8

日本自動車研究所・産業技術総合研究所 労働安全衛生総合研究所・名古屋大学・日本品質保証機構

日本認証・日本ロボット工業会・製造科学技術センター

生活支援ロボットは人との接触度が高くなるため安全対策の立案と確認のためのツールが必

・設計コンセプトチェックシート ・リスクアセスメントシート ・機能安全設計支援ツール

研究開発内容

安全なロボット開発を支援するツールの開発

危険源同定 リスク見積

段階 No. 危険源 危険状態/危険事

象 危険 区域

対象者 危害の酷さ S

危害の発生確率

頻度 F

確率 Ps

回避 A

リスク点数 R

起動・シャットダウン

12 電磁波 車いすが電磁波で誤動作して衝突する

周辺 搭乗者 第三者

4 7 2 2 3 28

前進/後退/旋回/停車

22 加減速 不安定性

車いすが転倒する 乗車部周辺

搭乗者 第三者

4 6 3 2 1 24

27 誤操作 車いすが周囲の人に衝突する

周辺 第三者 4 6 3 2 1 24

28 制御系の故障

車いすが周囲の人に衝突する

周辺 第三者 4 8 3 2 3 32

安全整合性 水準

機能安全設計支援ツール

リスクアセスメントシート雛形

(http://robotsafety.jp/wordpress/で参照可能)

課題

成果

故障率 データベース

部品表

FMEDA

本件に関するお問い合わせ先:日本認証 http://www.japan-certification.com

安全なロボットの開発支援ツールの開発

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New Energy and Industrial Technology Development Organization 9

日本自動車研究所・産業技術総合研究所 労働安全衛生総合研究所・名古屋大学・日本品質保証機構

日本認証・日本ロボット工業会・製造科学技術センター

生活支援ロボットは人との接触度が高くなるため,安全対策を確認する試験方法が必要

・試験方法の確立

・国際標準化への提案

研究開発内容

安全検証試験方法開発

生活支援ロボット安全検証センター

課題

成果 振動

温湿度 サイクル

EMC試験 関連エリア

強度試験 関連エリア

対人試験 関連エリア

走行試験 関連エリア

EMC 試験

耐久試験

耐環境試験

衝突試験

光学センサの試験

障害物回避試験

走行安定性試験

センターに関するお問い合わせ先:

生活支援ロボット安全検証センターhttp://robotsafety.jp/wordpress/

試験実施に関するお問い合わせ先:

日本自動車研究所 http://www.jari.or.jp

安全検証試験方法の開発

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まとめ

• ISO 13482 Safety Requirements for Personal Care Robotsが2014年2月1日に正式発行

• ISO 13482認証スキーム、開発支援ツール、試験方法を開発

• 生活支援ロボットの安全技術を開発

10

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1

国際標準 ISO13482 にもとづく 生活支援ロボットの安全検証

一般財団法人 日本自動車研究所

ロボットプロジェクト推進室

藤川 達夫

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2

Personal Care Robots の安全規格 対象は,生活支援ロボットとほぼ同等

ISO13482 とは

Mobile servant Physical assistant Person carrier

移動・作業する 物を扱う

情報交換する

身体機能を補助する 人を運搬する

2014年2月1日発行

日本が基本構成を提案

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3

ISO13482 における安全の考え方

保護方策により,リスクを受容可能なレベルまで低減する. 「リスク = 危害の酷さと危害発生確率の関数」 リスクアセスメントが基本 受容可能なレベルは,製造者が判断する. 保護方策は,3ステップ法に従う=本質安全が最優先 (1) 本質的安全設計方策 (2) 安全防護方策(機能安全を含む) (3) 使用上の情報 保護方策の妥当性確認,検証を行う

機械安全の設計原則にもとづくが,具体的基準値は示されていない.

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4

日本にとっての ISO13482 の意義

日本 欧州

安全の文化 事故発生時に責任

事前に妥当性確認 説明責任

安全規格への対応

規格は 法規ではないという

思想

・規格は説明の根拠 (第3者認証,自己宣

言のよりどころ) ・規格は戦略の一部

商品化により,国内の需要に応え,将来の国際市場を先導する.

新規分野は欧州型が適

する

国際市場に向けて 規格への取組が 必須

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5

ISO13482 における安全の考え方

保護方策により,リスクを受容可能なレベルまで低減する. 「リスク = 危害の酷さと危害発生確率の関数」 リスクアセスメントが基本 受容可能なレベルは,製造者が判断する. 保護方策は,3ステップ法に従う=本質安全が最優先 (1) 本質的安全設計方策 (2) 安全防護方策(機能安全を含む) (3) 使用上の情報 保護方策の妥当性確認,検証を行う.

機械安全の設計原則にもとづくが,具体的基準値は示されていない.

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6

安全設計と評価の流れ リスクアセスメント

リスク低減プロセス 本質安全設計 保護方策 使用上の情報

保護方策に制御 を使用した場合

PL/SIL対応

保護方策に制御 を使用しない場合

使用上の情報(マニュアル、マーキング等)

安全性検証 試験,測定,外観検査,図面確認 などにより,

製品が設計どおりにできているかを確認する.

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7

リスクアセスメントの考え方

リスクアセスメント 合理的かつ系統的な保護方策の選択を実施するために

リスク低減目標を定めること。

危害の酷さ リスク は と の関数

危険源に人が晒される頻度及び時間

危害回避または制限の可能性

危険事象の発生確率

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8

リスクアセスメントの例 危険源同定 リスク見積

段階 No. 危険源 危険状態/危険事象 危険 区域

対象者 危害の酷さ S

危害の発生確

頻度 F

確率 Ps

回避 A

リスク点数 R

起動・シャットダウン

12 電磁波 電磁波で誤動作して衝突する

周辺 搭乗者 第三者

4 7 2 2 3 28

前進/後退/旋回/停車

22 加減速 不安定性

転倒する 乗車部周辺

搭乗者 第三者

4 6 3 2 1 24

27 誤操作 周囲の人に衝突する 周辺 第三者 4 6 3 2 1 24

28 制御系の故障

周囲の人に衝突する 周辺 第三者 4 8 3 2 3 32

産総研ディペンダブルロボティックカートの例

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9

リスク見積方法の一例

危害の発生確率:F+ Ps + A 危害の酷さ:S 3 4 5 6 7 8 9 10 11

重大傷害(長期間治療) 4 12 16 20 24 28 32 36 40 44

医療措置(短期間治療) 3 9 12 15 18 21 24 27 30 33

応急手当で回復 2 6 8 10 12 14 16 18 20 22

無傷/一時的痛み 1 3 4 5 6 7 8 9 10 11

晒される頻度又は時間:F 危険事象の発生確率:Ps 危害を回避又は 制限できる可能性:A

連続的/常時 4 高い 4

頻繁/長時間 3 起こり得る 3 困難 3

時々/短時間 2 起こり難い 2 可能 1

まれ/瞬間的 1 低い(まれ) 1

リスク見積値:R = S × (F + Ps + A)

リスク低減不要 リスク低減推奨(条件付き受容)

リスク低減必須

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10

再リスクアセスメントシート 初期リスク分析結

果 リスク低減 再リスク見積

No. 危険源

リスク点数R

優先順位

保護方策

危害の酷さ S

危害の発生確率

頻度 F

確率 Ps

回避 A

リスク点数R

安全性能目標

残留リスク方策

関連 試験

22

加減速 不安定性

24

1 低重心化を図る

4 3

3 1 1

12 手順、警告

安定性 1

最高速度を2km/hに制限する(転倒するような加減速の抑制) 1

27 誤操作

24 1 外装から鋭利部分を排除する 3 3 1 1 1 9 警告、教育

障害物検知

28 制御系の故障

32

1 最高速度を2km/hに制限する 2

5

3 2 1

10 「機能安全」へ

警告、教育

衝突

1 モーター出力を低出力にする

3 障害物近接センサで速度制限と警告をして衝突を避ける

1 3

障害物接触センサで制動をして衝突を避ける

使用者によるリスク低減効果を期待

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11

ISO13482 における安全の考え方

保護方策により,リスクを受容可能なレベルまで低減する. 「リスク = 危害の酷さと危害発生確率の関数」 リスクアセスメントが基本 受容可能なレベルは,製造者が判断する. 保護方策は,3ステップ法に従う=本質安全が最優先 (1) 本質的安全設計方策 (2) 安全防護方策(機能安全を含む) (3) 使用上の情報 保護方策の妥当性確認,検証を行う.

機械安全の設計原則にもとづくが,具体的基準値は示されていない.

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12

機能安全

本質安全と機能安全 身体がロボットの可動部に挟まれるリスクへの対策例

本質安全

可動部の駆動力を制御する. センサーで監視する.

可動部の隙間が人体より狭くならない構造.

危険源が取り除かれる.

リスクは制御の信頼性に依存

ロボットの機能を損なわない範囲でのみ可能.

HW(回路,センサ),SWの信頼性検証が必要

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13

機能安全:SIL決定の考え方

保護方策に制御を使用した場合 リスクアセスメントから要求SIL(安全整合水準)または PLr(要求パフォーマンスレベル)を決定して実現

受け入れらないリスク 受け入れるリスク

リスクレベル高 リスクレベル低

制御で低減すべきリスクの差が大きい 要求SIL 3 低減前 低減後

低減前 低減後 制御で低減すべきリスクの差が小さい 要求SIL 1

例 1

例 2

SIL が高い程, HW/SW に, 高い信頼性を要求

・部品 ・多重化 ・管理

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14

保護方策の例

巻き込み防止

モータ出力制限

速度制限

障害物対応 衝突抑制

衝突部位形状

ユーザ教育

冗長化 故障検出 電磁波対策

本質安全

安全防護

使用上の情報

機能安全

機能安全 機能安全

本質安全

機能安全

産総研ディペンダブルロボティックカートの例

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15

ISO13482 における安全の考え方

保護方策により,リスクを受容可能なレベルまで低減する. 「リスク = 危害の酷さと危害発生確率の関数」 リスクアセスメントが基本 受容可能なレベルは,製造者が判断する. 保護方策は,3ステップ法に従う=本質安全が最優先 (1) 本質的安全設計方策 (2) 安全防護方策(機能安全を含む) (3) 使用上の情報 保護方策の妥当性確認,検証を行う (1) 計画の立案 (2) 妥当性確認,検証

機械安全の設計原則にもとづくが,具体的基準値は示されていない.

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16

安全検証の例

緊急停止・復帰試験ジグ 倒立振子式ロボット支持台

ダミー移動装置 装着型ロボット用ダミー

10m法対応電波暗室

EMC試験

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17

安全検証の例

安定性試験 耐久試験

JARI

最高速試験・制動試験 段差乗り越し試験

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18

安全検証の例

障害物検知・対応試験 衝突試験

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19

安全検証の例

振動パターン

温湿度サイクル

接触安全試験

耐環境試験

EMC試験

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20

安全検証と認証

つくば市役所

つくば市

ロボット製造者

認証機関

試験依頼 信頼できる 試験結果 認証依頼

生活支援ロボット 安全検証センター

http://robotsafety.jp/wordpress/

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21

安全検証センターの役割り(案)

開発試験サポート

安全検証事業(予定)

2014夏からプレ事業予定 連絡先:日本自動車研究所

http://www.jari.or.jp

試験計画 の立案

認証取得の ための試験

試験企画

試験

アドバイス 保護方策 の開発

計画立案のサポート

試験の実施 信頼できるデータの提供

NEDOプロ成果

プレ事業案 生活支援ロボットの技

術発展,普及に資する

分野の試験を実施

・EMC試験 ・温湿度振動耐久試験 ・走行耐久試験 ・耐荷重,耐衝撃試験 ・走行耐久性試験 ・障害物検知対応試験 ・光学センサ機能試験 ・静的,動的安定性試験 ・感電試験 ・騒音試験 ・表面温度試験 ・衝突試験

想定分野:生活支援ロ

ボットおよびロボット技術

(センシング・制御・通信

等)を利用した機器,生

活支援ロボットと類似の

利用分野(介護機器等)

の機器の試験

ロボットメーカ 検証センター

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一般財団法人 日本品質保証機構(JQA)

1

2014年2月17日@機械振興会館

NEDO生活支援ロボット実用化プロジェクト成果報告会

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2

制度設計にあたって考慮したこと

ISO CASCO(Committee on Conformity Assessment 適合性評価委員会) 1970年発足 Participating countries (Pメンバー) : 73 カ国 Observing countries (Oメンバー) : 47 カ国 発行規格数(定期更新を含む) : 29 規格 規制当局、規格開発機関、認定機関、認証機関など幅広い規格ユーザーの 専門家が参加

CASCOの役割 製品、プロセス、サービス及びマネジメントシステムの適合性を 評価する方法について検討 製品、プロセス、サービスの試験、検査、認証の実施ならびに 管理システムの認証機関、認定機関の評価、及びそれらの運用と 採用に関する国際的な規格及び指針の作成 国及び地域レベルの適合性評価システムの相互承認、ならびに試験、検査、 認証、評価、及び関連目的のための国際規格の適切な使用の促進

ISO CASCOが作成する適合性評価規格に基づいた制度設計

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生活支援ロボットの認証スキームについて (ISO/IEC 17067 システム5を活用)

選択 (モデル単位のサンプリング)

特性の確定 (評価)

レビュー

認証の決定

認証契約の締結

サーベイランス

【適用規格の選択】: ISO 13482(安全要求) 【評価の対象を選択】:設計管理体制、リスクアセスメント、 製品の安全性評価

【評価手法と評価基準の確定+評価活動】 フェーズ1)設計管理体制の評価、設計コンセプト検証、 設計検証など フェーズ2)製造現場の品質管理体制評価+製品試験

評価活動の結果(評価結果)の検証

認証可否の判断=認証要求事項を満たしているかどうか

設計管理体制の評価、製品試験、品質管理体制評価

ライセンス授与

3

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4

リスクアセスメント

リスク低減プロセス(3ステップ) - 本質安全設計 - 保護方策 - 使用上の情報

保護方策に制御 を使用した場合

PL/SIL対応

妥当性確認

保護方策に制御 を使用しない場合

ISO 12100を適用(4項)

安全要求事項に対して リスク低減プロセスを適用 (5項)

ISO 13849-1 or IEC 62061を適用(6項)

使用上の情報(マニュアル、マーキング等)

妥当性確認試験など(7項)

マニュアル、マーキング等(8項)

ISO 13482の安全要求(概要)

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5

フェーズ1とフェーズ2の概要(ライフサイクルとの対応)

リスクアセス メントレポート 安全要求仕様 安全要求

配置仕様

E/E/PEシステム 安全要求仕様

E/E/PEシステム 設計要求仕様

モジュール検証

E/E/PEシステム 統合試験報告

E/E/PEシステム 妥当性確認計画

E/E/PEシステム 運用・保全手順

E/E/PEシステム 妥当性確認報告

<フェーズ1>

<フェーズ2>

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6

認証までの流れ

認証機関に相談 機器の概要 要求事項の解釈とすり合わせ 必要ドキュメントなど

↓ お見積り ↓ お申込み ↓ 評価

ドキュメント評価(提出又は現地で) 実機評価(試験所での試験又は立ち合い試験など) 現地評価(製造現場など) レポート作成

↓ 認証

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7

リスクアセスメント

ロボットのタイプや使用用途などから、 類似規格の基準を引用して試験を実施 例えば、 福祉施設等で使用することが意図されている 場合はIEC 60601-1の許容温度値を引用 家庭等で使用することが意図されている場合 はIEC 60335-1の温度上昇値を引用

リスク低減方策

妥当性確認(試験)

As much as Reasonably practicable

極端な温度 ロボットから発せられる熱から ユーザを保護しなければならない

<規格要求事項>

使用上の制限 - 意図した使用 -合理的に予見可能な誤使用 - 意図した空間など

<前提条件>

「極端な温度」の要求事項に関する事例

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8

要求事項の解釈とすり合わせ

評価項目の決定 どの要求事項を適用させるか

評価基準の決定 なにをもって要求事項を満足したとするか

検証方法の決定 どのような検証を行うか(試験方法など)

ISO 13482は概念的な規格 対象はパーソナルケアロボット

(主に装着型、搭乗型、移動型) 具体的な評価基準値がない

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9

評価に必要な資料

リスクアセスメント

試験用サンプル品 評価用資料(製品関連) リスクアセスメントレポート 各種仕様書類 電気回路図 機械図面 パーツリスト 取扱説明書 など

評価用資料(設計管理関連) 教育訓練記録 不適合製品の管理手順 調達購買管理基準、記録 など

<42秒>

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10

No. ドキュメント 記載内容

1 リスクアセスメントレポート

ロボットの基本仕様(諸元)、使用上の制限(意図した使用、合理的に予見できる誤使用、意図した空間/時間制限)、リスク評価基準、潜在危険及びリスク分析結果、リスク低減方策及び再リスク分析結果など

2 安全要求仕様 潜在危険及びリスク分析から導出された危険事象に対して、どのような安全機能として対応するか(どのような安全機能が必要となるか)など

3 安全配置図 機能ブロック図、安全要求仕様で決定した安全機能をどこの機能で実行させるかを示したものなど

4 妥当性確認計画 ロボットシステムとしての妥当性確認として実施する試験(含む合格基準や条件)など

5 E/E/PEシステム安全要求仕様

E/E/PEシステムが動作した時のロボットの挙動、関連する運転モード、サイクルタイム、応答時間、他の機能が同時に作動した場合の挙動、他のシステムとの相互作用、E/E/PEで要求するSIL又はPLレベル、要求SIL又はPLの設定基準、耐用年数など

6 ハードウェア設計仕様

システムブロック図、電気回路図、機械図面、部品表、購入品の仕様、FMEA、ハードウェアモジュール試験仕様など

7 ソフトウェア設計仕様

ソフトウェア構造仕様、開発ツール、コーディング基準、ソースコードのコードレビュー結果報告書、ソフトウェアモジュール試験仕様など

フェーズ1で必要となる文書(設計コンセプト検証、設計検証)

※No.2、3及び5は、リスク低減方策として機能安全を駆使している場合に必要

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フェーズ1で必要となる文書(設計管理体制の評価(抜粋))

No. 項目 要求事項

6.1 是正処置 製造者は認証された製品に関する技術的ないかなる苦情も記録しなければならず、定期的に受けた苦情の内容をレビューしなければならない。

6.2 製造者は、再発防止のため、不適合の原因を除去する処置をとり、処置の内容や結果等を記録しなければならない

7.1 予防処置 製造者は、再発防止のため、不適合の原因を除去するため及び起こり得る不適合の発生を防止するために文書化された手順を確立しなければならない。

7.2 不適合の発生を防止するために採られた処置の記録を維持しなければならない。

8.1 不適合製品の管理 製造者は、要求事項に適合しない製品が誤って使用されたり、引き渡されることを防ぐため、それらを明確に特定し分離して管理しなければならない。

8.2 不適合製品の処理に関する管理およびそれに関する責任及び権限を規定するために文書化された手順を確立しなければならない。 8.3 不適合の性質の記録及び不適合に対して採られた処置の記録を維持しなければならない。

9.1 力量、教育・訓練及び認識

製造者は、特定の設備の操作、試験又は校正の実施、結果の評価及び試験等を行うすべての要員は、適切な教育、訓練、技能及び経験を判断の根拠としての力量があることを確実にしなければならない。 9.2 製造者は、教育、訓練、技能及び経験について該当する記録を維持しなければならない

10.1 設計・開発の変更管理

製造者は、変更に係る検証や妥当性確認等、必要な処置に関する記録を維持しなければならない。

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評価用資料のポイント

評価者は、要求事項への適合/非適用などを文書など で確認する

文書や記録は認証の証拠として扱うため、出典が 明らかで必要がある - 出所が不明な文書や記録類は評価用資料として扱えない

文書や記録は管理される必要がある - 購入品の仕様書や認証書なども入手してファイル - 固有の識別番号とページ番号なども必要

事前に自社で行った試験レポートは 評価用としては扱えない - 自社で行う試験の場合は、評価者の立ち合いが必要

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標準化提案機関 (JARA)

研究機関 (産総研,安衛研,名古屋大)

ロボット製造者

適合性認証機関 (JQA)

新技術の 評価方法提案

試験依頼 試験結果 認証依頼 品質管理体制と 製品の審査 認証書の発行

試験データ 提供

安全性検証試験機関 (安全検証センター)

安全情報DB(RT-SIC)

機能安全 開発支援機関 (JC)

標準化団体(ISO等)

調査研究機関 (MSTC)

情報収集

調査結果

提案

支援依頼 支援

機能安全 評価ツール

試験設備 試験手順

適合性評価方法

試験方法案,評価基準案

コンセプトチェックシート リスクアセスメントシート 調査研究報告書 など

プロジェクト成果の運用体制

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