基本技術実習 実習書 - 北海道大学...ノリタケ・デンタルプラスター(dental...
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基本技術実習 実習書
2009年度 41期生
学生番号 氏 名
基本技術実習/2009
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目 次
ページ 項 目 担 当
2 目次
3 シラバス
4 実習日程表
5 3階実習室の座席表
6 4階実習室の座席表
7 石膏の練り方・石膏棒の製作 歯周・歯内療法学教室(2保存)
13 道具の使い方(ストレート) 口腔機能補綴学教室 (1補綴)
24 カービング(歯型彫刻) リハビリ補綴学教室 (2補綴)
42 ワックスの取り扱い 小児・障害者歯科教室
48 アルジネート印象 口腔機能補綴学教室 (1補綴)
50 道具の使い方(コントラ) 歯科保存学教室 (1保存)
52 基本屈曲 歯科矯正学教室
基本技術実習/2009
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シラバス
担当教員(各科代表): 奥山( 保存1),川村(保存2),高山(補綴1) 上田・谷野(補綴2),菊入(小児),岩崎(矯正)
基本技術実習/2009
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41期基本技術実習日程
実習時間:毎週木曜日第1・2講目(8:45~12:00)
第1講(8:45~10:15)第1講(8:45~10:15)第1講(8:45~10:15) 第2講(10:30~12:00)第2講(10:30~12:00)第2講(10:30~12:00)
4月 9日
4月16日
4月23日
4月30日
5月 7日
5月14日
5月21日
5月28日
6月 4日
6月11日
6月18日
6月25日
7月 2日
7月 9日
7月16日
7月23日
実習予定 場所 担当 実習予定 場所 担当
歯牙解剖① 講堂 解剖1 歯牙解剖② 講堂 解剖1
歯牙解剖③ 講堂 解剖1 歯牙解剖④ 講堂 解剖1
歯牙解剖⑤ 講堂 解剖1 歯牙解剖⑥ 講堂 解剖1
歯牙解剖⑦ 講堂 解剖1 オリエンテーション道具の配布
3F 2補綴
歯牙解剖⑧ 講堂 解剖1 歯牙解剖⑨ 講堂 解剖1
歯牙解剖⑩ 講堂 解剖1 歯牙解剖⑪ 講堂 解剖1
歯牙解剖⑫ 講堂 解剖1 歯牙解剖⑬ 講堂 解剖1
歯牙解剖⑭ 講堂 解剖1 歯牙解剖⑮ 講堂 解剖1
大 学 祭大 学 祭大 学 祭大 学 祭大 学 祭大 学 祭
カービング 3F 2補綴 石膏の練り方石膏棒の作製
3F 2保存
カービング 3F 2補綴 道具の使い方(ストレート)
3F 1補綴
アルジネート印象① 3F 1補綴 アルジネート印象② 3F 1補綴
カービング 3F 2補綴 ワックスの取り扱い 3F 小児
カービング 3F 2補綴 基本屈曲① 3F 矯正
基本屈曲② 3F 矯正 基本屈曲③ 3F 矯正
道具の使い方(コントラ)カービング
4F3F
1保存2補綴
カービング道具の使い方(コントラ)
3F4F
2補綴1保存
基本技術実習/2009
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基本技術実習/2009
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4階実習室の座席表
A・C・E班A・C・E班A・C・E班A・C・E班A・C・E班A・C・E班A・C・E班A・C・E班A・C・E班A・C・E班A・C・E班5
070050みやべ ゆうすけ宮部 悠佑
6070049みなみ きみえ南 季未恵
14060051
ひらばやし なおと平林 直人
15070041ひかさ ひろし日笠 紘志
22070025たかい りひと高井 理人
23070024せがわ やうき瀬川 憂樹
31070005おおはた やえ大畑 ハ重
32060015
おおつか ゆうき大塚 祐輝
4 7070048まちだ ゆり町田 友梨
13070043
ふくなが こうへい福永 康平
16070030なかかじ りな中鍛治 里奈
21070026ちの けいすけ知野 圭佑
24070023
すながわ ゆうき砂川 雄貴
30070007
おもて あきひろ表 明宏
33070004
いとう けいすけ伊藤 啓介
3 8070047
まえだ りょうこ前田 良子
12070044
ふじしま ゆうき藤島 佑貴
17070029
とみた りゅういちろう冨田 隆一朗
20070027
ちゃや たつひと茶谷 竜仁
25070022しらかわ ちほ白川 千帆
29070008
かとう じゅんや加藤 純也
34070003
いちかわ まりこ市川 真理子
2 9070046
まえおか りょうま前岡 遼馬
11070045
ふじたに じゅん藤谷 淳
18070028といだ ゆう戸井田 侑
19060043
てらい ゆきひろ寺井 浩之
26070011
きのした まりな木下 真里菜
28070009
かみやなぎ あゆこ上柳 安友子
35070002あらき しほ荒木 志保
1 10
ライター用
27
ライター用
36070001あつた ゆうか熱田 結香
実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口
B・D・F班B・D・F班B・D・F班B・D・F班B・D・F班B・D・F班B・D・F班B・D・F班B・D・F班B・D・F班B・D・F班5 6070060
わかな けいいちろう若菜 慶一郎
14070056ようだ みのる養田 稔
15070052
やすもと のりゆき安元 行徳
22070034ながい ともや永井 伯弥
23070033
なかもと あやこ中元 絢子
31070017
さいとう ゆりこ齊藤 由里子
32070016
さいとう のぶかず齊藤 伸和
4 7070059よしだ まりえ吉田 麻莉絵
13070055
やまぐち よしひろ山ロ 賀大
16070040
ばんどう ともこ坂東 智子
21070035ながお けいし長尾 敬志
24070032
なかとみ たかひろ中富 貴大
30070018さとう まゆ佐藤 まゆ
33070015こんどう かい近藤 絵
3 8070058よしだ こうじ吉田 昂司
12070054
やまぐち ひろゆき山ロ 裕之
17070039
にとり けいすけ似島 圭佑
20070036なるせ まち成瀬 真智
25070031なかだ すぐる中駄 優
29070019
さとがわ ゆうや佐戸川 佑弥
34070014
こばやし ゆたか小林 泰
2 9070057よこい ありさ横井 有沙
11070053
やまぐち かおる山ロ 郁
18070038にしやま あき西山 亜希
19070037
におか こうへい新阜 宏平
26070021しみず りくか清水 六花
28070020しのはら さき篠原 早紀
35070013
くりはら のぶしげ栗原 延茂
1 10
ライター用
27
ライター用
36070012くらた まさし倉田 雅志
実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口実習室入口
基本技術実習/2009
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石膏の練り方・石膏棒の製作
担当:口腔健康科学講座歯周・歯内療法学教室
基本技術実習/2009
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1.目 的 石膏は、その使用目的によって様々な種類がある。ここでは、その種類と用途を確認し、最も一般的な普通石膏を使って、これから各自が取り組むカービング(歯型彫刻)のための石膏棒の製作を行う。
2.石膏の種類 石膏および石膏系の材料にはおもに下記のようなものがある.(詳細は参考資料参照)①歯科用石膏 種類により, ・普通石膏 ・硬質石膏 ・超硬質石膏 使用目的により, ・模型用石膏 ・印象用石膏 ・義歯埋没用石膏
②鋳造用埋没材・耐火材 耐熱性を要求される作業に用いる石膏系,もしくは石膏類似の材料には下記のようなものがある. ・ロストワックス鋳造用埋没材 ・鑞着用埋没材 ・耐火模型材
3.練和方法 石膏の練和方法には手練りと真空練和があるが、模型材として用いる場合は、いかにうまく脱泡するかがポイントである。
①手練りの場合 1) 用意するもの ・ラバーボール ・石膏スパチュラ ・はかり ・メスシリンダー 2) 道具の準備 ・ラバーボール、石膏スパチュラをきれいに洗っておく 3) 石膏の計量 ・ラバーボールをあらかじめ秤にのせておき、その重さを見定めておいたうえで石膏 を計量する ・計量時、石膏の入っている缶の中に水分を飛ばしたり、逆に石膏の粉を周囲にこぼ したりしないよう注意 4) 水の計量 ・メスシリンダーで水を計量する ・メスシリンダーのメモリの読み方に注意する 5) 石膏の練和 ・ラバーボール内で十分に練和する ・特に硬化の速いもの(印象用石膏など)以外は、操作時間は十分に余裕があるので 慌てない
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・バイブレーターをかけながら、ラバーボールの側面をいかして十分に脱泡を行う 6) 石膏の注入 ・練和した石膏泥をバイブレーターをかけながら印象・型枠に注入する ・気泡が混入しないように十分に注意 ・一気に大きな塊で流しすぎると細部には注入できない ・細かく流しすぎても気泡を混入しやすい
②真空練和の場合 1)用意するもの ※上記のもの ・真空混和器(カップ+フタ) 2) 道具の準備 ・ラバーボール、石膏スパチュラ、真空混和器をきれいに洗っておく ・真空混和器を空のまま使用してみて、確実に減圧されることを確認する ・真空混和器の本体のオイルが空になっていないか確認する ・カップと接続する部分の口に、石膏が詰まっていないか確認する 3) 石膏の計量 ※上記同様 4) 水の計量 ※上記同様 5) 石膏の練和 ・ラバーボール内で十分に練和する ・真空混和器に移して減圧下でさらに練和する 6) 石膏の注入 ※上記同様 7) 混和器(カップ)の洗浄 ・必ず、石膏が硬化する前に完全に洗い落とすこと
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【参考資料】:各種石膏系材料
石膏および石膏系の材料には種々の物があるが、ここでは具体例として本学で使用している材料についてあげることとする。
・普通石膏 ノリタケ・デンタルプラスター(DENTAL PLASTER) 混水比(W/P) = 0.42~0.47 撹拌時間 = 30~120秒 硬化時間 = 17~25分 硬化膨脹 = 0.20~0.25% 圧縮強さ = 165~180kg/cm2(1h)
・硬質石膏 ジーシー・ニュープラストーン(NEW PLASTONE) 混水比(W/P) = 0.24 練和時間 = 30~60秒 硬化時間 = 11分 硬化膨脹 = 0.25% 圧縮強さ = 500kg/cm2(1h) 印象材からの撤去時間 アルジネート印象材 40分 シリコーン印象材 60分
・超硬質石膏 ジーシー・ニューフジロック(NEW FUJIROCK) 混水比(W/P) = 0.20 練和時間 = 30~60秒 硬化時間 = 11分 硬化膨脹 = 0.08%(2h) 圧縮強さ = 63.7MPa(1h) 印象材からの撤去時間 アルジネート印象材 30分 シリコーン印象材 40分
KERR・Vel-Mix Stone(ベルミックスストーン) 混水比(W/P) = 0.23 練和時間 = 30~60秒 硬化時間 = 7.5~9分 硬化膨脹 = 0~0.10%(2h) 圧縮強さ = 350kg/cm2(1h) 印象材からの撤去時間 60分
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・印象用石膏 Heraeus・XANTHANO(キサンタノ) 混水比(W/P) = 0.52 練和時間 = 30~60秒 硬化時間 = 約3分 硬化膨脹 = <0.15%(2h) 圧縮強さ = ※不明
・埋没用石膏 ジーシー・アドバストーン(ADVASTONE) 混水比(W/P) = 0.38 練和時間 = 30~60秒 硬化時間 = 10分 硬化膨脹 = 0.09%(2h) 圧縮強さ = 16.7MPa(1h)
・クリストバライト系埋没材 ジーシー・クリストバライトミクロⅡ 混水比(W/P) = 0.33 練和時間 = 30~60秒 硬化時間 = 14分 硬化膨脹 = 0.5% 熱膨脹 = 1.45%(700℃) 圧縮強さ = 4.9MPa(2h)※埋没後1h後に乾燥へと移り、30分かけて室温から200℃までゆっくりと上昇、650~700℃で鋳造
・急速加熱クリストバライト系埋没材 ノリタケ・クリストバライトFF 混水比(W/P) = 0.35 練和時間 = 60秒 硬化時間 = 12分 硬化膨脹 = 0.6% 熱膨脹 = 1.25% 破砕抗力 = 60kg/cm2(1h)※埋没30分後に700℃の炉に入れ、30~60分係留後に鋳造
・高温鋳造用石膏系埋没材 サンキン・サニメント-D 混水比(W/P) = 0.28 練和時間 = ※手早く 硬化時間 = 9分 硬化膨脹 = 0.40% 熱膨脹 = 1.00% 破砕抗力 = 100kg/cm2(2h) 加熱温度 = 760℃
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・高温鋳造用リン酸塩系埋没材
ジーシー・セラベストG 混液比(L/P) = 0.24 練和時感 = 手練和30秒+真空練和60秒 硬化時間 = 12分 硬化膨張 = 1.86% 熱膨張 = 1.40% 圧縮強さ = 12.1MPa(24h) / 6.1MPa(850℃加熱後放冷後)
・耐火模型材 松風・ラミナベスト 粉液比(L/P) = 0.15 練和時感 = 手練和15秒+真空練和30秒 硬化まで = 1h(いわゆる硬化時間とは異なる) 熱処理 = 700℃に加熱(リングファーネス)→
ノリタケ・ノリベスト 粉液比(L/P) = 0.2 作業時間 = 3分 圧縮強さ = 24MPa(1h) / 48MPa(Degassing後)
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道具の使い方(小器具とストレートハンドピース)
担当:口腔機能学講座口腔機能補綴学教室
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1.目 的 歯科の治療や技工操作では多くの手用器具が使用されるが、それらの器具がそれぞれの目的に合った適切な使われ方で使用されないと、危険であり能率も悪い。 そこで、この実習では小器具の基本的な使用方法を学び、今後の実習でそれを習熟する。
2.実習で使用する手用小器具の種類と取り扱い上の注意
1)刃物類
○切り出し
○石膏刀
注意! 使用後は汚れを拭き取りワ セリンを塗布する。石膏を 削った場合は、水洗・乾燥 の上でワセリンを塗布す る。
注意! 加熱して使用してはならない
○彫刻刀(エバンス)
※刃物類は常に手入れをし、良く切れる状態に保っておかねば ならない。研ぎ方は別項を参照のこと。
2)金冠鋏
○金冠鋏(直) 合わせた時に、刃先 は合っているが後ろ の方は少し隙間があ る。 先端が
合って いる 注意!
厚さ0.5mmの銅板程度が限界。 それ以上の物を切ってはいけ ない。
基本技術実習/2009
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○金冠鋏(曲)
先端が合っている
合わせた時に、刃先は合っているが後ろの方は少し隙間がある。
注意!厚さ0.5mmの銅板程度が限界。それ以上の物を切ってはいけない。
○金冠鋏(小曲)
3)ワックススパチュラ
○ワックススパチュラ・大
○ワックススパチュラ・中
○ワックススパチュラ・小
注意!厚さ0.4mmの銅板程度が限界。それ以上の物を切ってはいけない。
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*ワックススパチュラは加熱して使用する器具で、ワックスを削ったり盛り上げたりする場合に用いる。そのため、表面を傷つけないようにし、ワックスが焼けて黒く付着した時は、目の細かいサンドペーパーで研磨し、いつも表面を滑らかに保たなければいけない。
5)石膏スパチュラ
*主として石膏を練和する時に用いるヘラで、使用した後はよく水洗し、付着した石膏を洗い流しておかねばならない。
4)PKトーマス
*PKトーマスは、クラウンの咬合面などの細かい形成に用いる器具で、加熱して使用してよい。しかし、先端が細いので床に落したり、他の用途に用いたりして無理をすると変形するので注意を要する。万が一変形させてしまった場合は、直ちに元の形態に修正しなければならない。
基本技術実習/2009
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3.技工用エンジンのメンテナンスと取り扱い上の注意
基本技術実習/2009
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4.刃物の研ぎ方
オイルストーンを用いて両面を均等に研ぐ。
刃の断面
約30度
オイルストーン
油平行に移動する
○石膏刀および彫刻刀
刃がひどく欠けている場合を除き、普通は中砥を使用する
1)傾斜している面を砥石の面に密着させて刃と直角の方向に水をかけながら動かし、刃先が少し上方にめくれるまで研ぐ。
めくれ
砥石
砥石
2)次に、刃を裏返して平らな面をめくれた部分がとれるまで軽く4~5回研ぐ。
砥石
○切り出し
基本技術実習/2009
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4.刃物の研ぎ方
オイルストーンを用いて両面を均等に研ぐ。
刃の断面
約30度
オイルストーン
油平行に移動する
○石膏刀および彫刻刀
刃がひどく欠けている場合を除き、普通は中砥を使用する
1)傾斜している面を砥石の面に密着させて刃と直角の方向に水をかけながら動かし、刃先が少し上方にめくれるまで研ぐ。
めくれ
砥石
砥石
2)次に、刃を裏返して平らな面をめくれた部分がとれるまで軽く4~5回研ぐ。
砥石
○切り出し
基本技術実習/2009
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○ 持ち方
5.手用器具の持ち方
1)金冠鋏
◎この図のような持ち方が一番安定しているし、目的の部位を正確に切ることができる。
基本技術実習/2009
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2)刃物の持ち方
○切出しの持ち方
◎支点なしで右手(利き手)のみで切る場合 比較的大まかに削ったり切ったりする場合の持ち方
大きな範囲と量を大まかに削るときに用いる。
作業動線
◎左手の拇指を補助として使用する場合 削る範囲や量をかなり細かくコントロールできる持ち方
作業動線
基本技術実習/2009
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○ハンドピースの持ち方と支点
6.エンジン用ストレート・ハンドピースの持ち方
これからの実習ではこの器具は非常に多く用いられるので、基本的な持ち方、支持の方法等をマスターする必要がある。
作業動線支点
ハンドピース
右手
◎鉛筆を持つように3 本の指で保持し、薬指が支点として使われる。保持する位置は作業が可能な限り先端近くを持つ方が安定する。作業動線としては手前に引く方向が一番安定する動きであるので、加工する対称物の位置を変えたり、バー、またはポイントを当てる位置を変えたりして安定した位置で作業を進める。
基本技術実習/2009
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7.実習:アクリル棒の切削(ストレートハンドピースの扱い方)
作業動 線
薬指による支点 (保持)
ラウンドバー # 3~ 4 程度を使用 削除された部分
アクリル棒 この面に自分のイニシャル を彫る
ラウンドバーが半分埋ま る深さ
アクリル棒
アクリル棒の切削
フィッシャーバー # 702 程度を使用
アクリル棒
50 mm
13 mm20 mm
アクリル棒
削除す る
◎回転する方向に動かすと 正確に削れる。反対方向 はきれいに削れない。
1mm 4 mm
○
×
H.U.
基本技術実習/2009
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カービング(歯型彫刻)
担当:口腔機能学講座リハビリ補綴学教室
基本技術実習/2009
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カービング(歯型彫刻/前歯)
1.目 的 歯冠形態の立体的把握を充分におこなえる技能は,歯科医にとって最も基本的かつ重要なものである.ここでは,4倍大模型を参考に,石膏棒を用いて前歯の歯型彫刻を行い,歯冠形態のイメージをつかむ.
2.用意する物 ・石膏棒 ・切り出し,もしくは石膏刀 ・エバンス ・鉛筆 ・水(容器は各自で用意)
3.手 順 ①概形の5面スケッチ ・石膏棒の一端に,4倍大石膏模型および次項以降に載せた図を参考に歯冠概 形を鉛筆で記入する.
②大きな面の削除 ・削り始める前に,石膏棒を水で濡らして柔らかくする. ・鉛筆で記入した概形をもとに,切り出し,もしくは石膏刀で大きな面の削除をお こなう.
③細かな形態の付与 ・エバンスを用いて,裂溝や細かな豊隆の形態を少しずつ付与していく. ・全体のバランスが崩れないように,つねに5面を交互に見比べながら行う.
基本技術実習/2009
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2
唇側面 舌側面
近心面遠心面
d m
b
l
m d
b
l
カービング(前歯):右上顎側切歯基本技術実習/2009
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1
唇側面 舌側面
近心面遠心面
d m
b
l
m d
b
l
カービング(前歯):右上顎中切歯基本技術実習/2009
-27-
d m
b
l
唇側面 舌側面
近心面遠心面
dm
b
l
3
カービング(前歯):右上顎犬歯基本技術実習/2009
-28-
カービング(前歯):右下顎中切歯
1
基本技術実習/2009
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2
カービング(前歯):右下顎側切歯基本技術実習/2009
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カービング(前歯):右上顎中切歯
3
基本技術実習/2009
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カービング(歯型彫刻/小臼歯)
1.目 的 小臼歯は,犬歯とともに咀嚼時の側方運動に関与し,歯列全体の機能的な咬合関係を考える上でも重要な葉である.ここでは,将来それらの機能もイメージしつつ形態を考えられるよう,基本的な形を頭にとどめるよう訓練していく.
2.用意する物 ・石膏棒 ・切り出し,もしくは石膏刀 ・エバンス ・鉛筆 ・水(容器は各自で用意)
3.手 順 ①概形の5面スケッチ ・石膏棒の一端に,4倍大石膏模型および次項以降に載せた図を参考に歯冠概 形を鉛筆で記入する.
②大きな面の削除 ・削り始める前に,石膏棒を水で濡らして柔らかくする. ・鉛筆で記入した概形をもとに,切り出し,もしくは石膏刀で大きな面の削除をお こなう.
③細かな形態の付与 ・エバンスを用いて,裂溝や細かな豊隆の形態を少しずつ付与していく. ・全体のバランスが崩れないように,つねに5面を交互に見比べながら行う.
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d m
b
l
頬側面 舌側面
近心面遠心面
dm
b
l
4
カービング(小臼歯):右上顎第一小臼歯基本技術実習/2009
-33-
d m
b
l
頬側面 舌側面
近心面遠心面
dm
b
l
5
カービング(小臼歯):右上第二小臼歯基本技術実習/2009
-34-
dm
b
l
頬側面 舌側面
近心面 遠心面
d
b
l
4
m
カービング(小臼歯):右下第一小臼歯基本技術実習/2009
-35-
dm
b
l
頬側面 舌側面
近心面 遠心面b
l
5
d m
カービング(小臼歯):右下顎第二小臼歯基本技術実習/2009
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カービング(歯型彫刻/大臼歯)
1.目 的 大臼歯は,歯列全体の中で最も咬合力を発揮する部分である.特に,第一大臼歯は, 一番最初に生えてくる歯であり,かつ最も早期に歯冠崩壊を招きやすい歯である.ここで は,クラウン&ブリッジでいちばん作製することの多い大臼歯の形態を充分につかみ,後 期の臨床基礎実習に向けての準備を整えていく. 2.用意する物 ・石膏棒 ・切り出し,もしくは石膏刀 ・エバンス ・鉛筆 ・水(容器は各自で用意) 3.手 順 ①概形の5面スケッチ ・石膏棒の一端に,4倍大石膏模型および次項以降に載せた図を参考に歯冠概 形を鉛筆で記入する. ②大きな面の削除 ・削り始める前に,石膏棒を水で濡らして柔らかくする. ・鉛筆で記入した概形をもとに,切り出し,もしくは石膏刀で大きな面の削除をお こなう. ③細かな形態の付与 ・エバンスを用いて,裂溝や細かな豊隆の形態を少しずつ付与していく. ・全体のバランスが崩れないように,つねに5面を交互に見比べながら行う.
基本技術実習/2009
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6
頬側面 舌側面b
l
遠心面 近心面
dm
b
l
d m
カービング(大臼歯):右上第一大臼歯基本技術実習/2009
-38-
d m
b
l
頬側面 舌側面
遠心面近心面
dm
b
l
7
カービング(大臼歯):右上顎第二大臼歯基本技術実習/2009
-39-
カービング(大臼歯):右下顎第一大臼歯
頬側面 舌側面
dm
b
l
近心面 遠心面
d m
b
l
6
基本技術実習/2009
-40-
dm
b
l
頬側面 舌側面
近心面 遠心面
d m
b
l
7
カービング(大臼歯):右下顎第二大臼歯基本技術実習/2009
-41-
ワックスの取り扱い
担当:口腔機能学講座小児・障害者歯科教室
基本技術実習/2009
-42-
ガスバーナーの取り扱い方
1,948 1,9611,9560.97
1,9700.96
基本技術実習/2009
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25kcal/mm2・h13kcal/mm2・h
基本技術実習/2009
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基本技術実習/2009
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○ワックスを盛り上げる練習
[実習:ワックスの扱い方]
・PKトーマスを用いて、インレーワツクスを 半円球状に盛り上げる
コピー用紙
4.5mm
・PKトーマスを用いて、インレーワツクスを 円錐状に盛り上げる
○ワックスを棒状に細くする
20mm以上
2mm の穴からインレーワックスを軟化圧接し、細くし、20mm 以上突き出させる
約2mm
インレーワックス
2.5mm3.5mm
1.5mm
基本技術実習/2009
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○テーパー部は加不足なく滑らかに移行させる。 ○隅角部などが正確に再現されているかどうか、取り外し確認する。
○アクリル棒を切削し、ワックスでその形状を回復する
分離材を薄く塗布した後、軟化 したインレーワックスを圧接する
加熱したワックススパチュラ(小、#7)で バニッシュしながら周囲を仕上げる
H.U.
H.U.
基本技術実習/2009
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アルジネート印象-アルジネート印象材による印象採得および石膏模型の製作-
担当:口腔機能学講座口腔機能補綴学教室
基本技術実習/2009
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平成21年度 基本技術実習(41期)
アルジネート印象-アルジネート印象材による印象採得および石膏模型の製作-
目的 印象採得から模型製作までの一連の作業を理解する。
器具および材料 実習用模型・ラバーボウル・スパチュラ・網トレー・計量カップ・アルジネート印象材・普通石膏
実習手順1.印象採得 1)印象材、水の計量
印象材:3杯(計量前に印象材の容器を振り、中の粉末をほぐしてフワフワの状態にしておく。)、水:3目盛
2)練和① 水、印象材の順にラバーボウルに入れる。② まず、印象材を水になじませるように手早く撹拌する。③ なじんだらラバーボウルの内壁にスパチュラの彎曲を利用して粉末をすりつぶすように力を入れ、手早くスパチュラを回転させる。
④ スパチュラに付着したものをラバーボウルのヘリでこすり取ったり、練りむらのある部分を集め さらに練和する。
⑤ 練り上げてくると最初ボソボソしていたものが次第にペースト状になってくる。気泡を押しつぶ しながら、練りむらがいよう均一に手早く練和することが肝心である。
3)トレーへの印象材の盛り上げ• 網目に食い込ませ、隅角を埋めるように、圧接しながら盛り上げていく。• 気泡の混入を防止するため、できるだけ一塊として(下顎は2回に分けても可)盛り上げること。
4)模型への圧接• 印象材の一部を指で人工歯の咬合面に塗りつけた後、印象材を盛ったトレーを実習用模型に圧接する。
5)撤去• 印象材が硬化したら模型から撤去する。印象を変形させないように一気に撤去させること。• 正確に印象採得されているかどうか、印象面を確認する。
2.水洗 (今回の実習では省略)• 実際の臨床では、唾液や血液を流水下で十分に(1~2分以上)洗い流す。
3.普通石膏の練和、注入• 普通石膏:150g、 水:63ml • 練和時・注入時にはバイブレータを用い、気泡が印象面(模型表面)に混入しないようにする。
4.石膏模型の取り外し• 石膏の発熱がなくなり、硬化が終わったら印象からはずす.• 模型が壊れないように、慎重に(徐々に)、できるだけ歯(冠)軸の方向に撤去する。
5.石膏模型のトリミング• トリマーで石膏模型周囲をトリミングする。• トリマーの台に模型の基底面を固定して使用する。フリーハンドで使用しないこと。• 前歯唇側を誤って削除しないように注意。
6.トレーの清掃
注意点・ アルジネート印象材は寸法安定性が悪いので、正確な模型を得るためには少しでも早く石膏を注入しなければならない。
・ 印象材や模型材を取り扱う際には、できるだけ気泡を混入させないように注意すること。
基本技術実習/2009
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道具の使い方マイクロモーター用ハンドピース(コントラアングル型)の使用法ならびに切削の練習
担当:口腔健康科学講座歯科保存学教室
基本技術実習/2009
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平成21年度基本技術実習(41期生)
道具の使い方-マイクロモーター用ハンドピース(コントラアングル型)の使用法ならびに切削の練習-
目的 1)マイクロモーター用ハンドピース(コントラアングル型)の使用方法、切削時の適切な回転数と圧を体得する。2)適切な形態に切削できるようにする。
1. 器具の準備 マイクロモーター用ハンドピース(コントラアングル型) マイクロモーター用スチールバー(CA用 #556, 557, 558) 人工歯
2. ハンドピースの使用法1. バーの着脱方法2. 把持法
執筆状把持 第1指、第2指および第3指で把持する。 固定には第3指または第4指を用いる。固定は作業点にできるだけ近い位置に置く。
悪い持ち方 ハンドピースのグリップ部を第1指の付け根のところで支えてしまう。 固定指のない把持。
3. 切削の練習#556、557、558のいずれかを用いて人工歯(中切歯唇側面)に対して、垂直に直
径 4 mm、深さ2 mm の円柱窩洞を形成する。
4mm
基本技術実習/2009
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基 本 屈 曲
担当:口腔機能学講座歯科矯正学教室
基本技術実習/2009
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線屈曲
1.線屈曲(0.8mm) 1)目的:線屈曲の基本的操作、特にプライヤーの使用方法を理解する。 2)方法:所定の設計図(別紙)に合わせて屈曲する。 3)材料および用具:設計図、0.8mm線、ヤングプライヤー、ニッパ、カーボランダムポイント 4)手順と要点(1) 図の(1)の部分の屈曲を行う。この際、プライヤーを用いず、すべて手指で屈曲する。注)ワイヤーの中央を円弧の中央に合わせて屈曲し始める。 この際には、指の腹を使って行うようにして、ワイヤーに角がつかないように注意する。 屈曲の際には、中央に印を付けて作業中にずれないように注意する。
(2) 図の(2)の部分を屈曲する。a) ヤングプライヤーを用いて屈曲する。プライヤーの先端の細い部分はこの太さ(0.8mm)のワイヤーには使用しないこと。
b) プライヤーは、ワイヤーを保持するためのものであって、屈曲は指でワイヤーを押すことにより行う。また、プライヤーの先は、円錐と四角錐の形をしているが、ワイヤーを屈曲する際には円錐の方に向かって屈曲する。
c) ワイヤーとプライヤーとが常に直角をなすように保持して屈曲すること。d) 屈曲する部位とプライヤーで保持する部位との関係を理解すること。屈曲したい部位をプライヤーで把持して屈曲すると、プライヤーの把持している部分の半径分だけ屈曲部位が把持している所とずれる。
(3) 0.8mm線の屈曲を完成させる。ただし設計図上の(2)’屈曲部分は、紙面に対して直立させること。屈曲完成後、ワイヤーの末端は所定の長さに切断し、断端が静的な状態で接するようにカーボランダムポイントを用いて調整する。
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【参考資料】
基本技術実習/2009
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