地域における職業訓練の質の検証・改善に係る業務について(概 …€¦ ·...

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地域における職業訓練の質の検証・改善に係る業務について(概要等) ○地域の関係機関の協働(地域レベルのコンソーシアム)による職業訓練コースの開発・検証事業当該事業で 培ったノウハウや 連携体制等を活用することは有効である。 ○地域訓練協議会のワーキングチームを活用し、労働局・都道府県・機構により、地域で実施している委託訓 練が効果的なものとなるよう、職業訓練の質の検証・改善を行う。(年間2コース程度) 取組内容 厚生労働省 地域訓練 協議会 ①定員充足率や 就職率などの実 績の低調な委託 訓練分野の要因 を分析 ②検証・改善を 行う訓練分野の 候補を選定 ①都の「再就職促進訓練室」へヒアリ ング ②都と東京支部にて確認事務 ③東京支部にて職業能力開発大学校訓 練技法開発室へ照会 ④都・東京支部・労働局にて、訓練実 施機関(2社)へヒアリング ⑤東京支部・職業能力開発大学校にて 業界団体、IT専門校等へヒアリング ⑥労働局にて、企業等へヒアリング ⑦ヒアリング結果の分析 ⑧検証・改善会議で精査する訓練カリ キュラム概要案の検討 次年度以降、 都道府県の委 託訓練として 実施 地域で実施する委託 訓練に関する現状と 課題を把握し、検証 ・改善を行う訓練 分野を選定 検証・改善を行う訓練分野に関連 する団体等が求める人材ニーズ等の 把握・分析 改善した訓練分野 の次年度以降の 実施検討 承認を得た訓 練カリキュラ ム概要に基づ く委託訓練を 実施(都道府 県) 事業スキーム 第2回 検証・ 改善会議 (厚労省通知:平成29年3月22日付能訓発0322第2号、3号、4号) 9月13日 2月15日 228東京都、機構東京 支部、東京労働局 の事務レベルでの 打合せ 10月22日 地域訓練協議会 第1回 検証・ 改善会議 IT分野における委託訓練で実施。 訓練科目は、第1回検証・改善会議の 議論を踏まえて、決定。 資料№5①

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地域における職業訓練の質の検証・改善に係る業務について(概要等)

○地域の関係機関の協働(地域レベルのコンソーシアム)による職業訓練コースの開発・検証事業当該事業で培ったノウハウや 連携体制等を活用することは有効である。

○地域訓練協議会のワーキングチームを活用し、労働局・都道府県・機構により、地域で実施している委託訓練が効果的なものとなるよう、職業訓練の質の検証・改善を行う。(年間2コース程度)

取組内容

厚生労働省

地域訓練協議会

報告

報告

承認

①定員充足率や就職率などの実績の低調な委託訓練分野の要因を分析

②検証・改善を行う訓練分野の候補を選定

①都の「再就職促進訓練室」へヒアリング

②都と東京支部にて確認事務③東京支部にて職業能力開発大学校訓練技法開発室へ照会

④都・東京支部・労働局にて、訓練実施機関(2社)へヒアリング

⑤東京支部・職業能力開発大学校にて業界団体、IT専門校等へヒアリング

⑥労働局にて、企業等へヒアリング⑦ヒアリング結果の分析⑧検証・改善会議で精査する訓練カリキュラム概要案の検討

次年度以降、都道府県の委託訓練として実施

地域で実施する委託訓練に関する現状と課題を把握し、検証・改善を行う訓練分野を選定

検証・改善を行う訓練分野に関連する団体等が求める人材ニーズ等の把握・分析

改善した訓練分野の次年度以降の実施検討

承認を得た訓練カリキュラム概要に基づく委託訓練を実施(都道府県)

事業スキーム

・検証結果のとりまとめなど

・選定カリキュラムにおける検証事項について

議題

第2回検証・改善会議

(厚労省通知:平成29年3月22日付能訓発0322第2号、3号、4号)

9月13日 2月15日

2月28日東京都、機構東京支部、東京労働局の事務レベルでの

打合せ

10月22日 地域訓練協議会

カリキュラム検証にあたり地域訓練協議会委員から意見聴取

・具体的な見直し方策の検討

・検証・改善を行う訓練分野の選定

議題

第1回検証・改善会議

IT分野における委託訓練で実施。訓練科目は、第1回検証・改善会議の議論を踏まえて、決定。

資料№5①

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1

地域における職業訓練の質の検証・改善に係る業務取扱要領

1 趣旨 地域における職業訓練の効率的かつ効果的な実施は重要な課題であり、平

成28年度より、全ての都道府県において、総合的な訓練計画を策定し、求

職者支援訓練と公共職業訓練の間で実施時期や分野の調整等を行っていると

ころである。 また、民間を活用した離職者訓練(委託訓練)については、地域の関係機関

の協働(地域レベルのコンソーシアム)による職業訓練コースの開発・検証事

業(以下「コンソーシアム事業」という。)により、平成26年度より地域に

おける関係機関が協働して、職業訓練コースの開発・検証を実施しているとこ

ろである。 コンソーシアム事業は、各都道府県において2か年にわたり実施するもの

であり、平成27年度末から段階的に事業が終了することとなるが、事業終

了後においても職業訓練分野の定員充足率及び就職率の向上等の観点から、

地域で既に実施している職業訓練の検証・改善を行う際に、コンソーシアム

事業で培ったノウハウや連携体制等を活用することは有効である。 なお、「日本再興戦略」改訂 2014 では、「各地域において、産業界のニーズ

を踏まえて職業訓練が真に役に立つものであったかを厳しく検証することに

より、教育・訓練内容の改善や雇用型訓練も含めた各訓練の強みを活かした

訓練のベストミックスの推進を図る」と、当該報告書の中短期工程表で「今

後5年間(2019 年まで)で地域において職業訓練の質を検証・改善する仕組

みを 47 都道府県に展開することを目指す」とそれぞれ明記されている。 このため、地域における職業訓練について、訓練ニーズを踏まえたより効果

的なものとするため、コンソーシアム事業のノウハウ等を活用して、地域訓練

協議会の下に設置されるワーキングチームにおいて、地域における職業訓練の

質の検証・改善を行うこととする。 2 業務の概要 都道府県労働局(以下「労働局」という。)、都道府県、独立行政法人高齢・

障害・求職者雇用支援機構(以下「機構」という。)等の関係者がワーキング

チームにおいて、地域の委託訓練を対象とし、定員充足率及び就職率の低調

な訓練、中止率の高い訓練分野等のカリキュラム内容等を検証し、必要に応

じて定員充足対策や就職支援のあり方も考慮しつつ、カリキュラムのブラッ

シュアップ等を行い、地域における訓練ニーズを踏まえたより効果的な職業

訓練となるよう改善を図る。

資料№5②

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2

3 実施地域 コンソーシアム事業が終了した地域において、コンソーシアム事業が終了

した年度の翌年度から実施すること。 4 関係機関との調整・準備事項 ワーキングチームにおいて、本業務の円滑な実施を図るため、労働局は都

道府県の職業能力開発主管課(室)に対し、業務に係る連携の確認、検証・

改善を行う委託訓練の訓練分野に関する代表的な訓練カリキュラム、訓練実

績及び課題の提示等の依頼を行うとともに、機構に対しては都道府県が提示

する訓練カリキュラムの改善可能性についての意見を求めるなど、訓練分野

の検証・改善に係る事前調整を行うこと。 なお、事前調整に当たっては、本業務の趣旨を丁寧に説明し、真摯に協力を

依頼すること。 5 訓練カリキュラム等検証・改善会議の開催 ワーキングチームとして、労働局・都道府県・機構等からなる訓練カリキ

ュラム等検証・改善会議(以下「検証・改善会議」という。)を開催し、地域

で実施している委託訓練について、検証・改善を図るべき職業訓練分野の選

定を行うとともに訓練カリキュラム等の見直し案について検討する。 なお、同様の検討等が可能であれば、労働局で実施している都道府県及び

機構との連携会議等を検証・改善会議と位置づけても差し支えない。 6 検証・改善会議の構成等 (1)検証・改善会議の構成

労働局、都道府県及び機構で構成することとし、必要に応じて有識者等を

加えることができる。 (2)委員の選定 委員の選定に当たっては、都道府県と緊密に協議の上、次に掲げる委員

をそれぞれ選定すること。 イ 都道府県の職業能力開発主管課(室)等を代表する者(課(室)長又

は同課(室)長補佐) ロ 機構の各支部や職業能力開発促進センター等の関係課長 ハ 協議内容により、必要に応じて次の者等を委員に委嘱することができ

る。 ① 検証する訓練分野と関連する産業・業種団体を代表する者

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3

② 企業・事業主団体を代表する者 ③ 労働組合を代表する者

④ 民間教育訓練機関を代表する者 (3)開催回数及び開催時期

検証・改善会議の開催回数は年2回程度とし、本業務で検討した内容を地

域訓練協議会で報告できるよう適宜開催すること。(別添1参照) (4)議事次第等 議事及び配布資料等については、別紙1「訓練カリキュラム等検証・改

善会議の議事等について」を参考に、都道府県と緊密に協議の上設定する

こととし、既存の資料で足りるものは当該資料を活用して差し支えないこ

と。また、検証・改善会議の開催に係る議事次第については、別紙2を参

考に作成すること。 (5)地域訓練協議会への報告 検証・改善会議で検討したカリキュラム内容及び改善経緯(別紙5、7)

について、地域訓練協議会へ報告すること。 (6)職業能力開発局能力開発課訓練企画室への報告 検証・改善会議の開催概要の報告については、別紙6により開催後速や

かに職業能力開発局能力開発課訓練企画室あてメールにより報告すること。 なお、開催概要の報告に当たっては、検証・改善会議に提出した資料一

式を添付すること。 7 関係機関の役割分担等 (1)検証・改善会議を構成する主な機関の役割 イ 労働局 ① 検証・改善会議の運営及びこれに関する調整 ② 上記4の事前調整で得た情報のとりまとめ ③ 各関係機関の意見等を踏まえた検証・改善を行う訓練分野の整理 ④ 地域における企業等の人材ニーズ及び求職者の特性を踏まえたカリ

キュラムへの意見出し ⑤ 検証・改善を行った訓練分野のモデルカリキュラム概要等の成果物

のとりまとめ ⑥ 地域訓練協議会及び本省(職業能力開発局能力開発課訓練企画室)

への報告

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4

ロ 都道府県 ① 委託訓練の実施状況及び課題等についての情報提供 ② 定員充足率及び就職率の低調な訓練、中止率の高い訓練分野の代表

的なカリキュラムの提示 ③ 地域産業動向を踏まえた人材ニーズ及び公共職業訓練実施機関とし

ての訓練ニーズ面からの意見出し ④ 検証・改善会議の報告を踏まえた訓練内容の見直しの検討(モデル

カリキュラム概要は委託訓練の受託事業者の募集の際に提示するなど

に活用) ハ 機構 ① コンソーシアム事業等で培った訓練の検証・改善に係るノウハウの

提供 ② PDCAサイクルによる訓練の見直しに係るノウハウの提供 ③ 公共職業訓練実施機関としての訓練ニーズ面からの意見出し ④ 検証・改善を行う訓練分野に関連する団体へのヒアリング及び結果

の分析 ⑤ 都道府県が提示する訓練分野のカリキュラムの改善案の提示 (2)検証・改善を実施する訓練分野の考え方及び訓練コース数 イ 検証・改善を実施する訓練分野の考え方

検証・改善を行う訓練分野は、定員充足率及び就職率の低調な訓練コー

ス、中止率の高い訓練コースのものとし、地域における効果的な訓練を実

施する観点から、カリキュラムの一部組み替えや他の要素の付加を含めた

ブラッシュアップを行う必要性のある訓練コースを含むものであること。 ロ 検証・改善を実施する訓練コース数 検証・改善を行う訓練コース数は、分野の数に関わらず、年間2コー

ス程度とする。 8 成果物 検証・改善を実施した訓練分野のカリキュラム等については職業能

力開発局能力開発課訓練企画室あて提出すること。 なお、具体的な提出物は次のとおりとする。

① 改善後のモデルカリキュラム概要(別紙5) 機構及び都道府県と調整の上、作成すること。 ② 訓練分野の検証・改善に係る概要(別紙7)

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東京都委託訓練の上記2科(Javaプログラミング関係)を比較検証し、課題の洗い出し、求人ニーズへの対応の確認、分析等を行い、カリキュラムの改善や訓練実施機関への助言に役立てる。

1 実施概要

検証対象コース

A:Javaプログラミング実践科(訓練期間3か月) B:Javaプログラマ養成科(訓練期間3か月)

5月開講 8月開講 3月開講 3コース計 6月開講 9月開講 2月開講 3コース計

応募率 1.17倍 0.97倍 0.93倍 1.02倍 0.45倍 0.85倍 1.15倍 0.82倍

入校者 30名 25名 25名 80名 16名 16名 18名 50名

修了者 29名 21名 24名 74名 14名 14名 14名 42名就職者(うち中途退校)

10名 10名(1名)

12名 32名(1名)

9名(2名)

7名(1名)

11名(3名)

27名(6名)

就職率(うち関連)

34.5%(31.0%)

45.5%(27.3%)

50.0%(33.3%)

42.7%(30.7%)

56.3%(43.8%)

46.7%(33.3%)

64.7%(47.1%)

56.3%(41.7%)

都の委託訓練の直接担当部署(中央・城北職業能力開発センター)へのヒアリング

上記2科を実施した委託訓練実施機関2施設へのヒアリング

IT関連団体へのヒアリング

職業訓練指導員(ポリテクセンター関東)へのヒアリング

検証の目的・内容

検証経過と確認できた内容●受講者応募率が低調 ●年齢は若・中年層が多く、7割程度が男性である。●パソコンのレベルが高い方やIT業界に従事したことがある方が多い。●プログラミング業界への就職を強く希望している方が多い。

●業界未経験で年齢が高い方は、関連での就職が難しい傾向。●訓練期間は、Javaプログラミングの「基礎部分の習得」という目的で3か月としている。●訓練期間中だけで繋がりが途絶え、継続的な就職支援ができない方がいることが課題。

●3か月という限られた訓練期間では、基礎をしっかり学ぶことが重要。●チームでの業務に備え、既存のプログラミングを読む(分析して理解する)能力、誰が読んでも分かりやすいプログラミングができる能力が必要。

●訓練目標を達成できる訓練内容になっているかという視点でのカリキュラム精査が必要。●現場ではチームでの作業が殆どのため、現場を実感できるよう課題設定の工夫が必要。●業界の一般的な雇用形態について理解した上での訓練受講・就職活動が望ましい。

「Javaプログラミング関連コース」の訓練カリキュラム改善等に係る報告書(案)資料№5③

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・システムエンジニア、プログラマー関連の求人は非常に多く、Javaは主要なプログラミング言語であるため、訓練内容に関連する求人ニーズは高い。(参考:東京労働局発表の平成30年12月の求人倍率によると、IT技術関連(一般常用)4.31倍、(パート常用)0.47倍)・人手不足の業界であるため、未経験者でも若年者であれば就職しやすい。・一方、業界の構造的な特徴として、未経験者で年齢の高い方(35歳以上)の就職は非常に厳しい。・システムエンジニア、プログラマーの雇用形態は、派遣で客先常駐となるケースが多い。

・客先常駐が嫌なことを理由にした社内SEの求職ニーズがあるが、社内SEも最近ではコンピュータ会社からの出向(客先常駐型の社内SE)が多い傾向がある。

・Javaは主要なプログラミング言語ではあるが、他にもプログラミング言語は多数存在するため、現場では幅広い知識が求められる。

・セキュリティ対策は、プログラミングレベルでも求められる(ソフトウェア開発段階で不正アクセス等のリスク対策を行うことが求められる)ことがあるため、リスクと一般的な対策について知っておく必要がある。

・プログラムの構築だけでなく、プログラムを正しく動かすための知識(エラー対策、試験(検証)方法等)も必要。

・チームでプログラミングを行うことがほとんどであるため、他人が作ったプログラミングを読む(分析して理解する)能力、誰が読んでも分かりやすいプログラミングができる能力が求められる。

求人動向 技術ニーズ

●業界・仕事内容の理解・IT業界には多種多様な職務があるため、「Javaプログラミングを学んでどのような仕事を行うか」ということについて、受講前に具体的に理解してもらうことが必要。→受講者募集パンフレットや受講希望者への説明会等の改善(事例:Webデザインとプログラミングの違いがわからない、思っていた訓練内容と違っていて中途退校する等)・Javaプログラミングの訓練ではあるが、Javaは多数存在するプログラミング言語のひとつであることを前提として、受講者が訓練終了後、幅広く他の言語にも目を向けられるようにすることが必要。→訓練内容や就職支援等の改善(事例:Javaに関連する求人しか見ないため可能性が狭まる、求人にJava以外の言語についての記載があると応募をあきらめる等)・正社員雇用を目指す受講者が多いが、業界の雇用形態等の特徴について、正しく理解させることが必要。→受講希望者への説明会、就職支援等の改善(特徴:派遣や契約社員として、客先常駐の就業形態が多いこと、未経験者で35歳以上の場合、就職が厳しい現状があること等)

●付加、又はさらに深めることが望ましい訓練の要素 →訓練内容の改善・セキュリティ対策:情報セキュリティにおいては、ハードウェアにおける対策だけでなく、ソフトウェア開発段階で不正アクセス等を想定したリスク対策を行うことが求められることがあるため、リスクと一般的な対策について、概念だけでも知っておくと良い。 (本格的に学ぶとセキュリティの内容だけで3か月くらい必要)

・プログラムを正しく動かすための知識:プログラムをただ構築するだけでなく、正しく動かすための知識(例外処理、デバック対応方法、試験(検証)方法等(エラーのチェックと対策方法等))についての科目があると良い。・チームでプログラミングを行うための能力:他人が作ったプログラミングを読む(分析して理解する)能力、誰が読んでも分かりやすいプログラミングができる能力が求められるため、訓練でも受講者に意識させると良い。・その他:理論を正しく理解することが、就職後の応用力、伸びに繋がるため、プログラミングの基礎をしっかり学ぶ内容が望ましい。

●資格受験できる関連資格として、オラクル認定Javaプログラマー試験やJavaプログラミング能力認定試験(サーティファイ)等があるが、難易度の差異はあるものの資格を3か月の訓練期間中に取得するのは困難であると思われる。(訓練内容にも含まれていない。)就職に当たって必須ではないが、取得していた方が有利にはなること、資格取得が受講者の自信やモチベーションの向上等に繋がることから、資格の情報提供等の側面的な支援があると良い。

職業訓練で求められる要素

2 ヒアリング結果等による改善提案

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●平成29年度に実施したJavaプログラミング関連コースのうち、訓練期間(3か月)、開講回数(3回)等に共通点のあるコース2コースを比較分析した。実績は、報告書1ページの表のとおり。定員や受講人数が異なるため、一概に比較はできないものの、Aコースが比較的就職率が低い傾向にある。(応募率はAコースの方が高い。)

<Aコースの就職率が比較的低いことについて、推測される関連要因>【パソコンレベルの設定】・Aコースは、カリキュラムで設定したパソコンレベルが中級、Bコースは初級である。ただし、受講者募集パンフレット等では「中級」「初級」についての具体的な説明がないため、Aコースの受講者のレベル感に、ばらつきが生じているものと思われる。【カリキュラムの内容】

・Aコースは、ある程度プログラミングのことを理解している方が受講すればよいが、プログラミング初心者が受講すると基礎的な理論の理解がないまま、とりあえず「Javaでプログラミングができる」ようになり、応用力が身につかない懸念がある。(訓練科目ごとに内容が分断されており、科目間のつながりがカリキュラムからは見て取れないとの意見もあった。)・Bコースは、基礎的かつ実践的なバランスのとれたカリキュラム内容であり、職業訓練としては、Bコースの方が就職後の伸びが期待できる。【就職支援の内容】・Aコースは、他の有料コースの受講者(若年者)と同じ窓口で、差異なく就職支援を行っている。カリキュラム上に定めた就職支援の時間は、12時間。・Bコースは、職業訓練に特化した内容で行っており、カリキュラム上に定めた就職支援の時間は、24時間。また、訓練習得度の把握のために、「個人別習得状況記録簿」というオリジナルの様式を活用し、毎日、受講者の理解度を10段階で自己チェックしてもらっており、講師、事務局スタッフが確認。講師の意見はキャリアコンサルタントに伝える等、訓練と就職支援の連携した取り組みを行っている。

以上のことから、Aコースの就職率が低い要因が推測され、パソコンレベルの詳細な説明、カリキュラムの見直し、就職支援の内容や時間数の見直し等が改善が望まれる点として挙げられる。一方、Bコースについても、就職率が56.3%であり、必ずしも高いとはいえない。以下は、Aコース、Bコース共通で、就職率が低い関連要因として推測される事項である。

・受講者は正社員希望が多く、派遣を敬遠することが多いが、業界の雇用形態として派遣や契約社員、就業形態は客先常駐が多い。・採用側は、若年者を希望している。

Javaプログラミングコースに限ったことではないが、受講者が希望している勤務形態と、一般的な業界の勤務形態等に乖離があり、訓練受講前に業界の状況を把握する機会に恵まれなかった受講者が多いことが要因と推測される。(ヒアリングでは、受講者の2割程度は事前の説明会に参加していないという声があった。) したがって、「訓練科の受講申込前に、事前説明会に参加することを求職者にさらに強く勧奨する」などの対応が引き続き必要と思われる。また、就職活動において、Javaプログラミングを学んだ経験から、Javaにこだわる、他の言語に挑戦しない等の傾向もあるとの意見もあったことから、キャリアコンサルティングの際に選択の幅を広げる支援(求人検索方法のコツや過去の修了者の事例提供等)も場合によっては必要である。

3 AコースとBコースの比較分析・カリキュラム等の改善について

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※ ←以下、この色のセル箇所にご記入をお願いします。

問1 最近のJavaプログラミング関係の求人動向等でお気づきの点があればご記入ください。

記載例 理由例

・○○の習得は△△のために重要であるので、もっと学ぶべき。・○○の実習は△△を強化する等、一層充実が必要。

・○○は採用後にきちんと学ぶので訓練では必要最低限でよい。・○○の習得は△△に絞り、効率的に実施すべき。

問2 以下の2コースのカリキュラム例について、実際の就職のために必要な知識・技能を習得するという 視点で、各科目の内容や訓練時間数が適当であるか、ご意見等をお聞かせください。    なお、「1日あたり6時間の訓練」と想定し、妥当と思われる科目は「○」、もっと時間数を増加すべき 科目は「△」、逆に減少してもよい科目は「▼」と併せてその理由をご記入ください。    その他、記載にない科目で必要なスキルとして追加すべき科目・内容等があれば、ご記入ください。

記載例・最近は○○等の需要もあり、求人は多いと思われる。・雇用形態は○○が多いが、△△等の動きもみられる。

「Javaプログラミング関係コース」の訓練カリキュラム改善等に係る調査票

公的職業訓練において、Javaプログラミング等の技術を学び就職を目指す求職者の方々向けの訓練コースを民間教育訓練機関が実施していますが、現下の求人ニーズ等に対応した一層効果的な訓練としていくために、訓練カリキュラムの改善等に係るご意見等を賜りたくご協力をお願いします。

事業所名

回答者名(役職)

氏名:                 (役職名:               )

回答欄

資料№5④

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時間数

60

練 18

12

90

150

技 36

実習

24

210

300

※追加すべき科目、内容等

実技時間計

総訓練時間(学科+実技)

3.データベース

記入欄

記載例

(7)まとめ、修了作成(Webページ等)

○○関係の実践演習

(2)Javaプログラミング概要

(1)VDT作業における労働安全衛生について

訓練目標

科目名 内  容

1.Javaプログラ

ミング

Javaプログラミング関係コース A(訓練期間3か月)

プログラミング言語の中でも主流であるJava言語のプログラミング技術を習得し、Javaの特徴を生かしたWebアプリケーションが作成できるスキルを身につける。

ご意見等

(4)制御構造

2.Web基礎

  ・関連法規(不正アクセス、プライバシーに関する

3.データベース (1)データベースの基礎

(2)データベースの定義

(3)データベース操作

(7)ファイルアクセス

  ・表の作成 ・データ型、入力規則

(2)問合せ

(6)JavaScriptを使ったホームページの概要

(2)インターネットの仕組み

(1)インターネットの特徴

(3)ホームページの仕組み

(5)配列

(6)関数

   法律)

(5)安全衛生について

(3)基本形

(4)HTML概要

科目、内容等 理由

社会人スキル関係の科目 顧客ニーズを引き出すために特に傾聴技法等のトレーニングが必要。

△△関係の作業を行うために必要。

  ・検索 ・更新

(1)基本操作1.Javaプログラ

(4)配列を用いたプログラムの作成

(5)関数の作成

(1)ブラウジング

  ・変数の定義 ・代入 ・インクリメント

(2)電子メール

学科時間計

ミング実習 (2)プログラミング作成

(3)制御文を使ったプログラムの作成

(6)ファイルアクセスによるプログラムの作成

2.Web基礎

(4)CSSによるスタイルシートの作成

  の作成

(5)JavaScriptを使ったホームページの作成

 ・HTMLでのJavaScriptの作成 ・JavaScript

(1)表定義

実習

(3)HTMLによる基礎的なホームページの作成

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時間数

3

学 3

6

容 24

24

12

12

84

5

6

技 18

30

34

28

30

89

240

324

※追加すべき科目、内容等

Java課題(HTML

弊社オリジナルの研修課題 「サーブレットの基礎」

環境をセットアップする

Java課題(サーブ

レット)

Java課題(DB接続)

Java課題(プログ

Javaプログラマとして抑えるべきセキュリティに関

社会人スキル関係の科目 顧客ニーズを引き出すために特に傾聴技法等のトレーニングが必要。

科目、内容等 理由

プログラムについて、プレゼンテーションを行う)

自由テーマにて各自修了課題を作成(作成したJava課題(修了課

題)

ラム基礎)

ライセンス講習(ソフトウェア著作権法規について)

総訓練時間(学科+実技)

弊社オリジナルの研修課題 「DBとは?」「SQLの

ス作成」「パッケージ」等

実技時間計

基礎」「DB接続の基礎」

弊社オリジナルの研修課題 「HTMLの基礎」「JSP

する

訓練目標

コンピュータシステムについての基礎知識を解説

Java言語の基本的な文法について解説する

セキュリティ実習

PC基本ツールの

使用実習 ルの習熟

、JSP)

弊社オリジナルの研修課題 「変数」「配列」「クラ

する基礎実習を行う

Javaシステム開発を実施するためのPC基本ツー

の基礎」「Javascriptの活用」

開発環境セット

アップ

「サーブレット・JSP連携」

記載例

○○関係の実践演習 △△関係の作業を行うために必要。

解説する

について を解説する

オブジェクト指向システム開発の考え方の基礎

Java言語を用いて、アルゴリズムとデータ構造

について解説する

Javaの典型的なサンプルプログラムを用いて

学科時間計

安全衛生・セキュ

リティ講習

サンプルプログ

コンピュータ使用、学科・実技においての安全衛生

ラム解説

解説

Java言語の基礎

Javaプログラミング関係コース B(訓練期間3か月)

プログラマとしての基本的な技術・スキルを身につける。オープン系・WEB系開発プロジェクトにおいてプログラマ・システムエンジニアとして期待されるパフォーマンスを生み出せるようになることを目標とする。

科目名 科  目  別  内  容

PC基本ツールの PC基本ツールの使用について解説する

やセキュリティ講習

記入欄

コンピュータシステ

ムの基礎

アルゴリズムと

データ構造

オブジェクト指向

Javaプログラミングを実施する為の基本的な開発

Page 12: 地域における職業訓練の質の検証・改善に係る業務について(概 …€¦ · 地域における職業訓練の質の検証・改善に係る業務について(概要等)

問3 A、Bコースと比較した感想等を記入してください。

記載例

 

 

 

 

 

問5 その他、お気づきの点、ご意見等があれば記入してください。

 

 

設問は以上です。ご回答ありがとうございました。

記入欄

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記載例

問4 プログラマー、システムエンジニア(Javaプログラミング関係)を目指した職業訓練を実施する上で、「受講者」及び「訓練実施機関」に対し、注意すべき事項等であればお聞かせください。

・○○をイメージして訓練を受講されると、△△等の実情から苦労される場合がある。

・就職後は○○なので、訓練期間中は△△を意識して学んでほしい。

 ・○コースは△△の科目が充実していて□□の視点からも良いと思われる。 ・○コースのほうが全体的バランスは良いと思われる。 ・全てのコースに○○の要素が少ないと思われる。

①受講者

記入欄

②訓練実施機関

記載例

・実際に就職すると、○○が必要となる点が忘れがちなので、訓練期間中に△△をきちんと指導すべき。

・最新の動向として○○のスキルを求める傾向にあるので、訓練内容に△△の演習を取り入れるべき。