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「観光に関する懇談会」 第3回資料 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 平成20年6月3日 国土交通省総合政策局観光部門 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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Page 1: 「観光に関する懇談会」 第3回資料 - MLIT「観光に関する懇談会」 第3回資料 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 平成20年6月3日 国土交通省総合政策局観光部門

「観光に関する懇談会」第3回資料

Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

平成20年6月3日国土交通省総合政策局観光部門

Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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Ⅰ 人材育成

1.観光に関する人材育成について

2.観光に関する人材育成の現状と課題について

2-1 高等教育機関における人材育成

2-2 産業界における人材育成

2-3 観光地域づくりに関する人材育成

2-4 インバウンドの促進に関する人材育成

2-5 ガイドの育成

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Ⅱ 観光産業

1.旅行市場の動向

2.旅行業

2-1 旅行業の現状

2-2 旅行業における最近の動向

2-3 旅行会社の対応と国土交通省の施策

3.宿泊産業

3-1 宿泊産業の現状

3-2 宿泊産業における最近の動向

3-3 宿泊業者の対応と国土交通省の施策

Ⅲ 外部(マスコミ・外国人)の意見-2-

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Ⅰ-1 観光に関する人材育成について

観光に関する人材の全体イメージ

観光関連産業の人材育成と国の役割

観光地域づくりに関する人材育成と国の役割

インバウンドの促進に関する人材育成と国の役割

新しい時代の役割分担

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観光に関する人材の全体イメージ

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産業

・旅行業

・宿泊産業

・運輸業

・小売業

・飲食業

・有料ガイド(通訳案内士など)

・地域に密着した観光関連産業

地域づくり

・地方自治体

・観光協会

・商工会

・観光地域振興に関わる各種NPO

・ボランティアガイド

・地域における大学

教育機関

・専門学校、大学、大学院

(観光に関する専門教育の場)

人材の供給 教員の供給

・小、中、高等学校

(旅する、地域を愛する心を育む場)

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観光関連産業の人材育成と国の役割

従来の姿 環境の変化と観光立国推進の動き 新しい役割分担

産業界

高等教育機関

○業界独自の資格制度やOJTでトレーニング

○専門学校を除き高等教育機関には期待せず

○専門学校が観光産業のための教育をほぼ独占

○資格制度による最低限の質の保持

○旅行形態の変化(団体→個人)

○IT化による予約方法の変化

○外資系ホテルの進出等国際競争の激化

○事業再生や所有と経営の分離

○大学において観光系学部・学科が急増

○人材育成の重要性への認識(観光資源課の設置)

○経営環境の変化に対応できる人材の確保・育成

○教育機関に対し、具体的な人材育成ニーズを主張(自社養成主義→高等教育機関の活用)

○産業界のニーズを踏まえた高等教育の実施

○事業経営系や地域経営系など教育方針の明確化・差別化

○当該分野における魅力あるキャリアパスの形成のための戦略策定。

○産学連携の促進・カリキュラムの議論・インターンシップの円滑化

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観光地域づくりに関する人材育成と国の役割

地域

○地方自治体(官)中心のリーダーシップ

○各地域横並び

○各種補助金等、具体的な事業に注目した地域づくり支援

○人材育成については各地域まかせ

従来の姿

○官主導の観光協会等の非効率の顕在化

○NPO等の民間主導の地域づくりの動き

○地域間の差が顕在化

○先進事例を学ぶ必要性の増加

○人材育成にも一部直轄で支援実施・観光カリスマ塾・観光地域プロデューサーの派遣 等

環境の変化と観光立国推進の動き

○地域主導の自主的・自律的な人材育成

○地方自治体における専門家の養成

○地域における産学官連携強化

○地域における自主的・自律的な人材育成を支援・情報やノウハウの提供、先進事例の紹介等・地域における関係者の連携支援・各地域相互のネットワーク化(学び合い)支援・外部人材の紹介・マッチング

新しい役割分担

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インバウンドの促進に関する人材育成と国の役割

産業界

地 域

教育界

○当該マーケットに関する関心の低さ

○通訳案内士制度により最低限の質を保持

従来の姿

○インバウンドマーケットの拡大

○国際競争の激化

○専門的な人材育成の必要性の増加

○訪日外国人客受け入れ体制充実の必要性

環境の変化と観光立国推進の動き

○国際会議誘致等専門的な人材の育成・確保

○職業としての専門家の地位の確立

○各分野横断的な戦略の企画立案

○YJ大使等の仕組を通じて産業横断的な取り組みを奨励

○サービス向上を目指した通訳案内士制度の改善

新しい役割分担

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新しい時代の役割分担

産業界

教育機関

地 域

人材ニーズの主張

観光関連産業の発展の

ための連携強化

実践的人材の供給

観光の専門家が地域づくりに貢献

地域の資源を活用した旅行商品の開発

実践の場の提供地域づくりのための

連携強化

専門的アドバイス

・総合的な戦略の策定

・関係者間の利害調整

・関係者間の連携強化支援・市場メカニズムが機能しない場合における資格制度やモデル事業の実施による誘導

ビジネスチャンス拡大のための連携強化

・情報やノウハウの提供による各プレーヤーへの支援

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Ⅰ-2-1 高等教育機関における人材育成

観光に関する高等教育とホスピタリティ経営教育の俯瞰図

大学等における観光関係学部の増加

観光関係学部卒業生の進路

観光関係大学における観光教育の例(専門学校との比較)

観光関係大学院における観光教育の例(米国大学院との比較)

観光産業(特に宿泊産業等)におけるキャリアパスの日米比較(イメージ)

産学官連携検討会議の開催

インターンシップモデル事業の実施

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高等教育機関における人材育成

<現状>• 大学等では、観光関係学部が著しく増加。• 他方、大学の観光関係学部における人材育成のあり方と産業界等からのニーズについては、必ずしも合致していない可能性も。

<論点>• 大学側は、実社会からのニーズに合致した人材育成を実現していく必要があるのではないか。

• 産業側においては、高等教育機関に対し、具体的な人材育成ニーズを主張していくべきではないか。

• 国においては、産学の連携強化のための議論の場づくりやインターンシップモデル事業の推進等に積極的に取り組む必要があるのではないか。

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観光に関する高等教育とホスピタリティ経営教育の俯瞰図

観光 マーケティング

財務管理

歴史

政策分析 経済学

政治

地理学

戦略

組織論

都市計画

公共政策的観点 定量的スキル必要度

ホスピタリテイ経営

出所:第3回観光関係人材育成のための産学官連携検討会議米セントラルフロリダ大学原忠之准教授講演資料より

ビジネス感覚の観点

人類学 心理学

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240360

525645

995

1,455

3,000

3,520

3,900

1,9651,905

2,315

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

H4年度まで

H5年度

H6年度

H9年度

H11年度

H12年度

H13年度

H15年度

H17年度

H18年度

H19年度

H20年度

大学等における観光関係学部の増加

-12-

・ 1967年度に立教大学に初の観光学科設置。・ 1998年度に立教大学に初の観光学部設置。・ 2005年度に山口大学及び琉球大学に国立

大学として初の観光(政策)学科設置。・ 2008年度に和歌山大学及び琉球大学に国

立大学として初の観光(産業科)学部設置。・ 2008年度は、和歌山大学、琉球大学、ノー

スアジア大学、大阪学院大学、神戸海星女子学院大学、倉敷芸術科学大学で観光関連学部・学科が設置され、入学定員の合計は3,900人(37大学40学科等)となった。・ 大学院については、1998年度に立教大学

が初めて観光学研究科(観光学専攻)創設。国立では、2007年度に北海道大学が国際広報メディア・観光学院(観光創造専攻)を創設。

観光学部・学科等の設置状況の推移 現 状

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観光関係学部卒業生の進路

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観光施設2.06%

地方自治体0.33%

観光関連公益法人0.28%

旅客鉄道4.77%

航空業0.95%

宿泊業6.81%

旅行業8.02%

その他76.78%

【平成19年3月 国土交通省調べ(観光関連大学33大学へのアンケート調査 観光関連大学卒業生4,216名対象(H16~H18年度計)】

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観光関係大学における観光教育の例(専門学校との比較)

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立教大学(観光学部)

明海大学(ホスピタリティ・ツーリズム学部)

ホスピタリティツーリズム専門学校

日本ホテルスクール

設立時期 1967年 2005年 1937年 1971年

現在の体制観光学部に観光学科と交流文化学科の2学科体制。

ホスピタリティ・ツーリズム学部ホスピタリティ・ツーリズム学科

旅行学科、ホテル学科等7学科

ホテル科、ブライダル科等3学科

資格取得のための科目設定の有無

×○(English for TOEIC 500+等)→TOEIC

○(旅行業法、旅行業約款等)→旅行業務取扱管理者 等

○(ビジネス実務、TOEIC1 等)→ビジネス能力検定、TOEIC 等

接遇関連科目の有無

×○(プレゼンテーション・ビジネスマナー)

○(接客マナー演習、料飲サービス基礎演習、ベルサービス基礎演習 等)

○(料飲実務、メニュー解説、飲料解説 等)

就職状況観光関連産業への就職率は約30%。

(来年第1期生が卒業)

創設以来、観光関連産業への希望者就職率は100%(2008年3月には就職希望者355名全員が企業への就職内定)。

ホテル・ブライダル業界を中心に約8,400名以上の卒業生を輩出。33年連続、希望就職率100%の実績。

大学 専門学校

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観光関係大学院における観光教育の例(米国大学院との比較)

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コーネル大学

(米国)

立教大学

(日本)

北海道大学

(日本)

2007年

国際広報メディア・観光学院観光創造専攻

事業経営系科目の有無

○(Corporate Finance, Managerial Account, Operations Management 等)

△(観光経営研究) × △

地域経営系科目の有無

× △(観光地域計画論等)

○(観光地域マネジメント概論、観光地域マーケティング論演習、田園リゾート事業論演習 等)

一橋大学

(日本)

学科等の設置 1973年 1998年 2009年設置予定

学科・専攻等 Master of Management in Hospitality(School of Hotel Administration)

観光学研究科 商学研究科ホスピタリティ・マネジメント・プログラム(仮称)

×リーダー育成に関する科目の有無

○(Leadership Development Program, Human Resource Leadership等)

× ?

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観光産業(特に宿泊産業等)におけるキャリアパスの日米比較(イメージ)

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経営者

中間管理者

実務者

ホスピタリティ系大学

ホスピタリティ系大学院

観光系大学

観光系大学院

米国 日本

他産業への就職(77%)

他産業への就職(50%)

(2000年コーネル大学ホテルスクール卒業生実績)

(2007国土交通省調査)

インターンシップ就職

インターンシップ

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産学官連携検討会議の開催(産学の連携強化)

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1.ねらい

近年急激に増加している、大学における観光関係の学部・学科においては、観光分野への人材の輩出に当たり、産業界のニーズを踏まえ、教育の充実に向けて取り組んでいくことが必要であるという考えから、国土交通省では、産・学・官の連携強化が必要との認識に立ち、関係者が一同に会し意見交換を行う場を設けるため、平成19年1月に「観光関係人材育成のための産学官連携検討会議」を立ち上げ、これまでに3回開催をしている。

2.検討会議の概要 ~第3回検討会議について~

参加者

大学からは52大学、74名。業界からトップをはじめ69名。23の自治体から28名。他省庁関係者を含め延べ約200名が参加

分科会

個別テーマに基づき分科会を開催し、情報・意見交換を実施

地域における産学官連携のあり方-統計を中心として-

観光を感覚的なものではなく、データに基づいて科学的に捉えることの必要性、地域全体で観光統計の収集を行う等について議論

産業界が望む観光関係大学のためのカリキュラムのあり方

日米の社会構造の相違を踏まえた日本の高等教育のあるべき姿や、観光産業のそれぞれの分野ごとに分析する必要性等について議論

観光地づくりを担う人材育成のあり方

インターンシップの拡充や初等中等教育の充実により担い手を育成する手法や他分野での成功者の活用等の手法について議論

開催日

平成20年3月13日、14日の2日間

ワーキンググループ

①インターンシップ活用ワーキンググループ、②観光統計の整備及びそれに基づく観光経済分析のあり方ワーキンググループを開催。今後、教育内容に関するワーキンググループを設置していく予定。

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インターンシップモデル事業の実施

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学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行えるインターンシップは、業界や企業についての理解を深め、自分の適性に合った職業について考える機会を得るものであり、企業側にとっては観光産業が必要とする人材の育成に資するものであることから、今後、一層の普及促進が望まれている。このため、産学官連携検討会議のWGを活用し、インターンシップモデル事業を推進。

インターンシップの意義

課題の整理

①企業・大学双方に受入内容等について十分な共通認識がなされていない

②実施に至るまでには大学と企業との間で独自の協議を行い多大な労力をかけている

インターンシップモデル事業のポイント

①大学・学生側と企業側が遵守すべき事項を明確化(大学と企業との間で受入条件等に関する覚書を交わす等)②大学・学生側と企業側の間に業界団体が入り、インターンシップ成立までの過程を円滑化(大学・学生側と企業側双方の窓口の一元化等)

(観光関連団体関係:7)

日本旅行業協会全国旅行業協会日本ホテル協会国際観光旅館連盟

(省庁関係:3)

文部科学省厚生労働省国土交通省

高崎経済大学明海大学城西国際大学横浜商科大学和歌山大学山口大学

(大学関係:11)

WGメンバー

長崎国際大学琉球大学桜美林大学立命館アジア太平洋大学淑徳大学

日本観光旅館連盟日本観光協会日本ツーリズム産業団体連合会

産学官連携検討会議 ~インターンシップワーキンググループ~

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Ⅰ-2-2 産業界における人材育成

旅行業界における人材育成の取り組み事例

宿泊業界における人材育成の取り組み事例

外国人労働力の活用

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産業界における人材育成

<現状>• 観光関連産業において求められている人材は、業態、職能など多種多様。

• それぞれの産業において、職能(経営者、中間管理層、接遇者等)に応じた人材育成の取り組みが行われているところ。

• 他方、多くの旅行業者、宿泊業者等はビジネスモデルの変革を迫られるような構造的な変化に直面。

<論点>• それぞれの職能における課題は何か。• 当該産業を取り巻く構造的な変化に対応できる人材の育成が急務ではないか。

• この分野における国の役割は何か。

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旅行業界における人材育成の取り組み事例

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対象 制度 主催組織 概要

営業所の管理者

旅行業務取扱管理者研修日本旅行業協会、全国旅行業協会

・旅行業務取扱管理者(国家資格)の職務に関して必要な知識等の向上・職務遂行資質の向上

販売員

トラベル・カウンセラー制度・トラベル・コーディネーター・ディスティネーション・スペシャリスト・テーマ・スペシャリスト

日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本添乗サービス協会

【トラベル・コーディネーター】・「コミュニケーション・スキル」「販売実務」「旅行地理」など「ゼネラリスト」としての知識・技能の向上【ディスティネーション・スペシャリスト】・デスティネーションに関わる詳細な説明、コンサルティングの向上・新たな旅行商品の企画・開発、仕入れ・手配等に関する知識の習得【テーマ・スペシャリスト】・旅行需要の高い、クルーズ、世界遺産、ウエディング、ロングステイ等に関する知識の修得・特定の目的をもった旅行者への対応

ツアーコンダクターオブ・ザ・イヤーツアーコンダクターオブ・ザ・イヤー実行委員会

・添乗員の模範として多大な貢献を行った者を表彰(国内、海外のどちらか又は合計して100日以上添乗した者を対象)

添乗員能力資格認定試験日本添乗サービス協会

・添乗業務能力に関し、一定以上の水準にあることを試験により資格として認定

旅程管理研修

日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本添乗サービス協会

・国内または総合旅程管理主任者資格(旅行業法上必要)の取得に必要な研修として実施

添乗員

旅行業界においては、業界独自の資格制度や研修を設けることにより、人材育成を実施。

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宿泊業界における人材育成の取り組み事例

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対象 制度 主催組織 概要

トップセミナー 日本ホテル協会会員ホテルの役員や総支配人、幹部社員等の能力・資質向上を目指した研修等の実施。

トップマネジメントセミナー JTB協定旅館ホテル連盟JTB協定旅館ホテル連盟による経営者セミナーとして、年2回の研修を実施。

JKKオープンセミナー全国旅館生活衛生同業組合連合会

女性経営者ならではの悩みを解決する場として、全旅連の女性経営者の会(JKK)が有志により発足。男性も含め会員以外も参加できるセミナーとして実施。

観光トップセミナー 国際観光日本レストラン協会1995年より開催。当初は、女将トップセミナーとして開催していたが、現在は、会員に限らず、経営者、管理者も対象としている。

ホテルマネジメント養成プログラム

日本ホテル協会経営管理、人材管理、衛生管理の3分野で、世界に通用する総支配人(General Manager =GM)の養成を目指し、専門性の高い教育を行う(2006年8月) 。

幹部育成セミナー 日本ホテル協会 部長・課長など中堅管理職対象のセミナーとして実施

ホテルビジネス実務検定試験(マネジメントレベル)※2009年度より実施予定

日本ホテル教育センターホテル業における総合的資格制度。ホテルビジネスにおいて管理者として必要とされる実務知識に関する理解度を測定する。

接遇者ホテルビジネス実務検定試験(ベーシックレベル)

日本ホテル教育センターホテル業における総合的資格制度。ホテルビジネスにおいて実務者として必要とされる知識に関する理解度を測定する。

中間管理職

経営者

宿泊業界においては、各業界団体や職能別のセミナーを開催し、人材育成を実施。

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外国人労働力の活用

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① インバウンド市場の拡充による多様化する外国人顧客への対応

② 国内労働市場需給の逼迫

観光関連産業における外国人労働力へのニーズ

現在、観光関連産業における外国人労働力の活用方法としては、「研修」制度を用いるのが一般的。

しかしながら、在留資格「研修」では、通常1年間の滞在となり、中・長期的視点での人材確保に支障。

在留資格「技能実習」の対象とするためには、職業能力開発促進法に基づく技能検定の対象職種(政令指定)、又はJITCO(財団法人国際研修協力機構)が認定した技能評価システムによる職種となる必要があるが、観光分野(ホテルサービス業)は対象となっていない。

観光事業従事者の技能評価システムを確立し、JITCOの認定を取得するべく検討中

最長3年間

研修座学(1/3程度)実務研修(2/3程度)

通常12ヶ月 通常24ヶ月

技能実習

雇用関係の下での実習

【参考】 既存の研修・技能実習制度概要

外国人労働力の活用に関する制度的課題

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Ⅰ-2-3.観光地域づくりに関する人材育成

観光カリスマの選定

観光カリスマ塾の開催

観光地域プロデューサー事業の実施

観光に関する人材を育成する取り組みへの支援

児童・生徒による観光地域づくりへの参加事例

観光副読本の作成

地方公共団体を対象とした観光人材養成プログラムの実施

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観光地域づくりに関する人材育成

<現状>• 近年、この分野における人材の必要性が強く意識されている一方、その育成手法は必ずしも確立していない。

• 国としては成功者のノウハウの普及(観光カリスマ塾等)や外部人材の派遣(観光地域プロデューサー事業)等の政策的支援を行ってきたところ。

• 他方、各地域においては自主的な人材育成の取り組みも見られるようになってきたところ。

<論点>• 各地域における取り組みを支援することより、自律的な人材育成を促進し、層の厚い観光地域振興の担い手を育成する必要があるのではないか。

• 旅をする心を育むという観点からは、児童・生徒による実践的な活動への参画の機会を設けること等も重要ではないか。

• 地方自治体において観光に関する専門性を有する人材を育成していく必要があるのではないか。

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従来型の個性のない観光地が低迷する中、各観光地の魅力を高めるためには、観光振興を成功に導いた人々のたぐいまれな努力に学ぶことが効果的。各地で観光地域振興にがんばる人を育てていくため、その先達となる人々を「観光カリスマ」として選定。

-26-

観光カリスマの選定(成功者のノウハウを普及させることによる人材の育成)

○第1回選定委員会:平成14年12月26日~第8回選定委員会:平成17年2月23日において100名選定 ・温泉地の活性化

・グリーン・エコツーリズム、自然ガイド等の体験型観光の開発

・街並み・景観整備・外国人受入れ・伝統文化の活用・食・特産品による活性化・ホテル・旅館等の経営革新・伝統産業等の産業観光・新たな観光資源による活性化・イベント等による活性化

○観光振興を図るには、地域のオリジナリティが不可欠であり、そのためには観光カリスマの活動を形だけ模倣するのではなく、「考え方」を理解することが重要

・カリスマ名称 :「『心の活性化』のカリスマ」観光地の自然保護、住民参加のまちづくりなど、観光地づくりの先覚者

(選定理由)観光地において自然保護を主張したさきがけ的存在であり、自然景観を大切にした温泉保養地づくりに成功。また、町内の情報交換の促進などにより、住民のまちづくりへの参加意識の高揚、地域の活性化に貢献した。

○溝口 薫平氏(株)由布院玉の湯代表取締役会長

選定者の類型

○今後、観光に取り組もうという地域が、観光カリスマから直接話を聞くことなどにより、観光カリスマのノウハウを上手く活用して、人真似ではない、個性的な観光地づくりが進め

られていくことを期待

選定者一例

1.趣 旨

2.観光カリスマの選定 3.地域の取組への期待

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観光カリスマ塾の開催(成功者のノウハウを普及させることによる人材の育成)

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観光カリスマ塾は、地域のリーダーとして観光地づくりに成功した観光カリスマから、その取組みのプロセスを観光カリスマ

の現地で直接講義を受け、意見交換をすることにより、次代の観光まちづくりのリーダーを育成することを目的とする。

目 的

観光カリスマを講師として、観光カリスマの現地において、20名程度の受講生を対象に、講師となる観光カリスマ自身が

策定するカリキュラムを基に、講義・現地視察等を1泊2日(または2泊3日)のセミナー形式で開催する。

概 要

自治体関係者、観光関連業界の方、学生の方など、 地域の特色を活かした観光振興や地域の活性化、魅力のあるまち

づくりに熱意のある者

受講資格

・観光カリスマの取組活動などの講義

・観光カリスマによる現地視察・現場体験

・受講生によるグループミーティング

・地元の関係者との意見交換会

など、観光カリスマと地域が取り組んできたことを「体験」できる構成

カリキュラムの内容 平成19年度実施の様子

笑いの「夕日寄席」(愛媛県伊予市会場)

古代藻塩づくり体験(広島県呉市会場)

・平成16年度:大分県湯布院町(現在、由布市)等9地域で実施・平成17年度:群馬県草津町等5地域で実施※ 上記に加え、「観光カリスマシンポジウム」を開催(於:大阪市、平成18年3月)

・平成18年度:兵庫県豊岡市等9地域で実施・平成19年度:広島県呉市等8地域で実施

開催実績

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観光地域プロデューサー事業の実施

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・地域内の人材だけでは閉塞的な状況になる。・単なるアドバイザーでなく、地域づくりのまとめ役、リーダー役、実行役となる人材が必要

地域側の事情

・退職後、自分の知識と経験を活かしたい・地域の情報が不足しており、I・Uターンに踏み切れない

地域の外にいる観光専門家の状況

観光地域プロデューサー事業の実施

平成19年度 全国5地域を選定、5名のプロデューサーとのマッチングを実施

千葉県富津市:「石」を活用した芸術観光の振興 島田昌幸氏(20代会社代表取締役)

東京都台東区:新たな観光戦略の企画・立案

山梨県富士河口湖町:住民主導の観光まちづくり

静岡県伊豆の国市:新鮮な発想による情報発信

富山県立山市:アルペンルートのプロモーション

鈴木英雄氏(60代大学講師)

花岡利幸氏(60代大学名誉教授)

木村美穂氏(20代アートデザイナー)

井野和英氏(60代旅行会社)

取り組みのねらい:観光地域づくりにおける外部人材の紹介・マッチングによる人材の登用を支援

地域の外にいる人材に必要な研修を実施した上で、観光地域プロデューサーとして登録観光地域づくり戦略策定や着地型旅行商品の開発、流通への発信等の専門家を要する地域を紹介

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観光に関する人材を育成する取り組みへの支援

-29-

近年、全国各地において、地域レベルで観光まちづくり人材を育成する取組が行われ始めている。

・小樽観光大学校

・やまがた観光まちづくり塾

・飛騨高山観光大学

・NPO法人伊勢河崎まちづくり衆

・風待ち海道エコツーリズム大学

・ながさき“しま自慢”観光人材育成協議会

・人吉球磨グリーンツーリズム推進協議会

・九州ツーリズム大学 等

より層の厚い人材育成が実現していくためには、各地域における観光地域づくり人材育成の動きが、それぞれ自発的に発展していけるような環境整備が必要。各地で人材育成に取り組む団体や組織が、課題や先進事例に関する情報を共有・交換することにより、情報やノウハウ不足を解消できるような機会を提供。(観光に関する人材を育成する取り組みのネットワーク化)

○観光地域づくり人材育成シンポジウムの開催6月11日(水)13:00~ (於:三田共用会議所一階講堂)観光地域づくり人材育成の促進に関するパネルディスカッションの実施(観光地域づくりの人材育成を実践している方々から各地の取り組みを報告、共通の課題に関する情報・意見交換。)

やまがた観光まちづくり塾の様子

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児童・生徒による観光地域づくりへの参加事例

-30-

兵庫県加西市立北条小学校

北条小学校歴史ガイド隊

平成17年6月から、地元のボランティアガイド団体の指導を受けた6年生が、観光客に案内を行っている。

三重県松阪市文化財センター

夏季休暇期間中における中学生ボランティアガイドを募集し、はにわ館の常設展示や企画展示のガイド活動を行っている。

はにわ館のガイド活動

新潟県佐渡市立小木中学校

宿根木観光ボランティアガイド

平成16年から夏休み中に、宿根木ボランティア部が観光ボランティアガイドを行っている。

広島県廿日市市立宮島中学校

宮島ボランティアガイド

平成16年から幼・小・中一貫した英語教育活動に取組むこととなり、中国運輸局や広島通訳・ガイド協会の協力を得ながら、ガイド活動に取り組んでいる。

旧青山本邸ボランティアガイドクラブ

山形県遊佐町立西遊佐小学校

平成17年度から、原則毎月第3土曜日の午前10時から正午の間旧青山本邸のボランティアガイド活動を行っている。

将来の地域づくりの担い手の育成、旅をする心を育む等の観点から、実践的な活動を通じた教育として児童・生徒によるボランティアガイド等の事例が見受けられる。

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山形の将来を担う子ども達を対象に、交流の大切さについて理解を深めることを目的に作成され、また学校の授業でも活用できるよう作成されている。

小学校4年生以上の全小・中・高校生に配布、国際コンベンション・リゾートみやざきの魅力の紹介や、お客様を迎える際の「もてなしの心」などの内容が盛り込まれている。

山形観光副読本~個性と魅力ある地域づくりをめざして~

宮崎観光副読本~わたしたちにできることってなあに~

小学4~6年生を対象に観光に関する授業を実施し、小学生の頃から、観光に関する理解を深める取り組みを行うため教材として作成。

沖縄県めんそーれ沖縄観光学習教材~世界に誇る沖縄の魅力を見つけよう~

学校における地域固有の文化、歴史等に関する学習を進めることにより、次世代を担う子どもたちに対し観光に対する興味及び理解を早い段階から促すため、各地域独自の観光副読本を作成し、総合学習の時間等を利用し観光・交流の大切さについて理解を深めている。

観光副読本の作成(旅をする心を育む取組)

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地方公共団体を対象とした観光人材養成プログラムの実施

-32-

○専門的知識を学ぶ場を提供

期間:平成19年10月29日(月)~11月1日(木) 4日間(宿泊研修)地方公共団体からの参加者数:18名カリキュラム:観光政策の現状と地域振興/観光振興のための社会資本整備/インバウンドの観点から見た観光地づくり/観光地づくりの事例紹介/旅行会社、コンサルタント、外国人それぞれの視点から見た観光地づくり/班別討議 等

都道府県、市町村より3名受入

地方公共団体等の職員を一定期間内部部局において国土交通行政の実務に従事させ併せて、理論面の研修を実施することにより地方公共団体等中堅職員の養成を助け、当該地方公共団体等の国土交通行政に関する事務又は技術の向上を目的として実施。

○ 実務経験を積む場の提供

平成19年度実績

観光行政に従事する職員に対し、業務遂行上必要な知識を修得させ、事務能力の向上を図り、もって業務の発展的・能率的な運営を目的に観光行政研修を実施(平成16年度~)。

受入状況(平成20年4月現在)

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-33-

Ⅰ-2-4 インバウンドの促進に関する人材育成

YŌKOSO! JAPAN大使の任命

コンベンション誘致に関する人材育成について

JNTOにおける人材育成について

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インバウンドの促進に関する人材育成

<現状>• 国際会議誘致等、専門性を有する人材が求められている分野。• また、インバウンドの促進を加速するためには、訪日外国人客の受け入れ体制の整備など、産業横断的な取り組みが求められる。

<論点>• 国際会議誘致等については、プロの育成・活用の充実が必要ではないか。

• 国としても、「YŌKOSO! JAPAN大使」等の仕組みを通じて、産業横断的な取り組みを奨励する必要があるのではないか。

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YŌKOSO! JAPAN大使の任命(成功者を活用した人材の育成)

-35-

外国人旅行者の受け入れ態勢に関する「仕組み」の構築や外国人に対する日本の魅力の「発信」に貢献された方々をYŌKOSO! JAPAN大使として任命 ・これまでの活動実績を讃えることを通して今後の活動に

対するご本人の意欲を改めて喚起。・インバウンド促進に関する「お手本」としての教育的効果。・訪日外国人を顧客として捉えるという「気づき」を与え、訪日促進の諸活動の裾野をさらに広げていく。

3.期待される効果

平成20年1月18日 第1弾として17名を任命今後3年間で100名まで任命する予定

1.趣 旨

2.YŌKOSO! JAPAN大使の任命

アレックス・カー氏(米) 【(株)庵 取締役会長】【東洋文化研究者】景観保存や京都の町屋再生に取り組み日本文化を体感できる観光資源創出に貢献

安斎 隆 氏【(株)セブン銀行代表取締役社長】海外発行カードで日本円をキャッシングできる旅行環境を整備

岡田 邦彦 氏【日本百貨店協会副会長】【 (株)松坂屋取締役会長】案内等百貨店内を多言語化し外国人旅行者のショッピング環境を整備

甲斐 賢一 氏【ホテル風月HAMMOND代表取締役社長】地域ぐるみの外貨両替、外国人宿泊統計整備により別府での外客受入れを推進

クルト・キュブリ(スイス)【高野山無量光院役僧】仏・独・英・伊の各語で、高野山の魅力を紹介

小柳淳氏【小田急電鉄(株)経営政策本部カード戦略部長】鉄道事業者として外客向け案内所開設や個人用パック商品造成を推進

コシノ ジュンコ 氏 【ファッションデザイナー】鈴木弘之氏 【プロデューサー】「和」のイメージを体現したファッションを通じて日本を広く海外に発信

飛田克夫氏【旅館浅草指月社長】 【ジャパニーズ・イン・グループ会長】英語による情報発信を通じ、外国人旅行者の安価な常宿を提供

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YŌKOSO! JAPAN大使の任命(成功者を活用した人材の育成)

山崎 まゆみ 氏【文筆家】露天温泉を海外に紹介し日本の温泉文化を海外にアピール

横江 友則 氏【(株)スルッとKANSAI代表取締役専務】乗り放題チケットを海外展開し外国人旅行者が交通機関を利用しやすい環境を整備

李 容淑 氏(韓国)【(株)リンカイ代表取締役】韓国からのインバウンドツアーを促進し営利を超えた日韓の理解増進に貢献

ルーク・ハッフォード氏(豪)【ニセコ東山リゾート マーケティング支配人】【ふらの観光協会】ニセコやふらのの通年リゾート化・国際的リゾート化を推進

鳥本 政雄 氏【(株)加賀屋専務取締役 営業本部長】能登を中心とする広域観光ルートを設定し台湾からの誘客を推進

服部 祐子 氏【パリ日仏文化センターエスパス服部 代表取締役】私営の日仏文化センターで日本文化を紹介し仏国における訪日促進に貢献

マーティン・バロウ氏(英)【Japan Society副会長】執筆活動により日本をPRし英国における訪日促進に貢献

政所 利子氏【(株)玄代表取締役】使いやすいガイドブック制作や日本文化を体験できるワークショップ開催を推進

-36-

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コンベンション誘致に関する人材育成について

-37-

・提案書作成方法や効果的なプレゼンテーションの方法・キーパーソンとの関係構築及びアプローチの方法・開催地としての魅力の発信方法・国際会議の運営方法・諸外国の誘致手法、運営方法等

会議場・会議運営業者(PCO)・コンベンションビューロー(CB)に国際レベルでのノウハウ・経験を有する人材が少ない。

・国際会議の開催予定や候補条件に関する情報の提供・国際会議参加者の満足度を向上させるための受入対策、便宜供与等に関する助言・支援・国による誘致・開催支援ツールの周知

開催都市向けセミナーの開催

誘致戦略・開催運営マニュアルの作成

課題

誘致・運営に係る人材に対する研修

会議開催情報やベストプラクティスのデータベース化

・国際会議マーケットの把握・国際会議誘致のためのプロモーション手法の取得・具体的な会議運営のノウハウの取得。・関係者(会議場、CB、PCO)による情報共有・問題解決能力の向上。

・誘致の成功事例や開催運営における好事例を分析し、データベース化し、関係者が共有。・会議開催予定情報についてのデータベースを構築し、国内主催者と都市とのニーズのマッチングを行い、立候補を促す。

基礎的なノウハウを有する人材のレベルの底上げを図るとともに、人材を増やしていく必要

20年度予算において以下の取り組みを実施

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JNTOにおける人材育成について

• JNTO職員に求められる専門能力– マーケットに関する知識とネットワーク(語学力なども含む)

– ツーリズム・マーケティングに関するスキル

– 事務所管理能力(人事管理、経理など)

• OJTを基本とし、本部と海外事務所勤務のローテーションを通して、上記の専門能力の育成を図る。

• 階層別研修、自己研鑽支援などを行うことで、OJTを補う。

事業の企画・管理

事業の遂行

=本国採用職員 =現地採用職員

事業系(事業本部) 管理系(企画本部)

事業企画・CS

受入対策・TIC

経営企画

事務所管理予算管理

国内広報

マーケティング MICE

システム管理

広告宣伝

宣伝ツール

経理 人事・総務

調査研究

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Ⅰ-2-5 ガイドの育成

観光に関するガイドの概要について

通訳案内士制度

通訳案内士の登録者数の推移

通訳案内士制度の改善に向けた取り組み

地域限定通訳案内士試験の実施状況

ボランティアガイドに関する取り組み

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ガイドの育成

<現状>• 訪日外国人観光客の増加に対応するため、試験の制度・運用の改善や研修の実施により、通訳案内士の数と質の向上を目指している。

• 通訳案内士(外国人向けの有償ガイド)については、語学・所在地の需給バランスが問題。

• 他方、無資格ガイドの存在による料金の低下等により、職業としての地位の確立に困難な一面も。

<論点>• 訪日外国観光客へのホスピタリティの向上、職業としての通訳案内士の位置づけ等を考慮しつつ、通訳案内士制度のあり方を検討するべきではないか。

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観光に関するガイドの概要について

-41-日本人観光客向 外国人観光客向

無償

有償

バスガイド、エコツアーガイド等有料ガイド

通訳案内士

(国家資格)

報酬を得て、ガイド活動を行っている。 通訳案内士試験の合格により資格を得た上で、都道府県への登録が必要。通訳案内士になると、外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすることができる。

グッドウィルガイド

外国語のわかる人がボランティア精神に基づき、自発的に通訳や案内を行う 善意通訳運動。

ガイドを生業としない者が、ボランティアで自分達が暮らしている地域等を案内、紹介している。無料もしくは低廉な料金で、地域を紹介している。

ボランティアガイド

学校において総合的な学習の時間を活用し、創意工夫を生かした教育活動。

児童・生徒による

ボランティアガイド

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通訳案内士制度

-42-

試験科目

<筆記試験>①外国語(英語(s24~)、フランス語(s26~) 、スペイン語(s30~) 、ドイツ語(s34~) 、中国語(s34~) 、イタリア語(s35~) 、ポルトガル語(s36~) 、ロシア語(s37~) 、韓国語(s60~) 、タイ語(H18~) )②日本地理③日本歴史④産業、経済、政治及び文化に関する一般常識

<口述試験>

筆記試験に合格した者につき、通訳案内の実務について行う。

通訳案内士:報酬を得て、通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすること。)を業として行おうとする者

通訳案内士:報酬を得て、通訳案内通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすること。)を業として行おうとする者

通訳案内士の制度を定め、その業務の適正な実施を確保することにより、外国人観光旅客に対する接遇の向

上を図り、もって国際観光の振興に寄与することを目的とする。

国土交通大臣が通訳案内士試験を実施(独立行政法人国際観光振興機構が試験事務を代行)

都道府県知事が登録し登録証を交付

試験合格

業務の適正な実施を確保

業務開始

・無登録で、報酬を得て、通訳案内を業として行った者は50万円以下の罰金

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0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年

タイ語

韓国語

ロシア語

ポルトガル語

イタリア語

中国語

ドイツ語

スペイン語

フランス語

英  語

通訳案内士の登録者数の推移

-43-

言語別 通訳案内士登録者数

実 施 年英  語 フランス語 スペイン語 ドイツ語 中国語 イタリア語 ポルトガル語 ロシア語 韓国語 タイ語 合  計

(累 計)

平成16年 6,417 453 475 405 839 91 64 182 424 0 9,350平成17年 6,642 462 486 420 893 94 67 189 437 0 9,690平成18年 6,985 473 492 428 1,041 98 67 191 466 0 10,241平成19年 7,490 491 506 427 1,164 104 69 193 512 2 10,958平成20年 8,353 533 533 455 1,344 110 73 201 584 4 12,190

(人)

通訳案内士の登録人数を平成23年までに概ね5割増やして15,000人(地域限定通訳案内士を含む)とする。

観光立国推進基本計画

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通訳案内士制度の改善に向けた取り組み

-44-

改善の方向性

対 策

通訳ガイドのスキルアッププログラムの構築(平成19年3月)無資格ガイドに対する罰則の強化(3万円→50万円)通訳ガイド制度周知強化週間の実施

地域限定通訳案内士制度を導入(平成19年度~) → 平成19年度:4県(岩手、静岡、長崎、沖縄)、

平成20年度:2道県(北海道、栃木)

海外試験の実施(ソウル市、北京市、香港及び台北市)(平成18年度試験~)→ 最終合格者:平成18年度:70名、平成19年度:236名

通訳案内士の増加

通訳案内士の活動機会の拡大

通訳ガイドの質の向上

通訳ガイド検索システム導入等による通訳ガイド市場の活性化(平成18年9月) http://www.guidesearch.jp/

外国人旅行者の増加に対応した通訳案内士の増加や活動機会の拡大を目指すとともに、無資格ガイドの取り締まりも含め、通訳ガイドの質の向上を図る。

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地域限定通訳案内士試験の実施状況

-45-

都道府県知事が行う地域限定通訳案内士試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者は、通訳案内士法の規定にかかわらず、当該都道府県の区域において、報酬を得て、通訳案内通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすること。)を業として行うことができる。

地域限定通訳案内士試験:地域限定通訳案内士試験の実施に関する事項を含む外客来訪促進計画について、国土交通大臣の同意が得られた国土交通大臣の同意が得られた場合、都道府県において実施する。

【要件】イ)外国人観光旅客の需要に応ずるに足りる適当な通訳案内士が不足しているため、地域限定通訳案内士の育成及び確保を図る必要があると認められる地域であること。ロ)当該地域限定通訳案内士試験が、円滑かつ確実に実施されると見込まれること。

平成19年度 地域限定通訳案内士試験の実施状況

英語 中国語 韓国語 計

岩手県 16 4 0 20

静岡県 17 7 0 24

長崎県 8 2 3 13

沖縄県 16 8 3 27

合計 57 21 6 84

最終試験合格者数県名

※ 平成20年度からは、上記4県の他に北海道と栃木県が実施予定。

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ボランティアガイドに関する取り組み

-46-

ボランティアガイド活動に関する手引きを作成 → 実践面に関する質の向上ボランティアガイド運営活動マニュアルを作成 → ガイド育成のための組織活動の活性化ボランティアガイド全国大会の開催 → 情報交換を通じた活動の活性化観光圏整備法や観光ルネサンス事業の実施 → 地域の取り組みを財政的に支援

ボランティアガイドの数を平成23年までに概ね5割増やして47,000人とすることを目標とする。

観光立国推進基本計画

観光地域づくり人材育成シンポジウムの開催(6月11日(水) 於三田共用会議所)→ 児童・生徒によるボランティアガイドを通して、将来の地域づくりの担い手の育成や、児童・生徒の旅をする心を育む。

20,308

26,917

31,301

33,19734,290

29,292

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

H15年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年

人数(人)

ボランティアガイドの推移

(社)日本観光協会 調べ -46-

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Ⅱ 観光産業

-47-

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Ⅱー1.旅行市場の動向

-48-

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国内における観光旅行消費額

宿泊旅行15.7兆円(66.6%)

日帰り旅行4.7兆円(20.1%)

海外旅行(国内分)1.7兆円(7.4%)

訪日外国人旅行1.4兆円(5.8%)

国土交通省「平成18年度旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」による。

23.5兆円

我が国経済への貢献度(経済効果)

生産波及効果 52.9兆円 ・・・5.6%(対産業連関表国内生産額)

付加価値誘発効果 28.3兆円 ・・・5.6%(対名目GDP)

雇用誘発効果 442万人 ・・・6.9%(対全国就業者数)

生産波及効果 52.9兆円 ・・・5.6%(対産業連関表国内生産額)

付加価値誘発効果 28.3兆円 ・・・5.6%(対名目GDP)

雇用誘発効果 442万人 ・・・6.9%(対全国就業者数)

-49-

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国内の旅行消費額の推移

12.4 12.5

16.3 16.6 16.4 15.7

4.9 5.3

4.9 4.5 4.74.71.9 1.9

1.2 1.7 1.71.7

1.5 1.6

1.4 1.6 1.61.4

0

5

10

15

20

25

30

平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度

兆円

訪日外国人旅行

海外旅行

日帰り旅行

宿泊旅行

24.424.523.8

21.320.6

23.5

(国土交通省「旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」による。)

■国内旅行消費額の推移はここ数年伸びなやんでいる。

-50-

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国民1人当たりの宿泊観光回数及び宿泊数の推移

2.81 2.78 2.892.72

1.70 1.71

1.77

1.68

1.5

1.7

1.9

2.1

2.3

2.5

2.7

2.9

平成15年 平成16年 平成17年 平成18年

1.50

1.55

1.60

1.65

1.70

1.75

1.80

年間宿泊数

宿泊旅行回数

(国土交通省「旅行・観光消費動向調査」による。)

宿泊旅行回数(回)

宿泊数(泊)

■年間宿泊数は伸びなやんでいる。

■宿泊旅行回数はここ数年増加していたが、平成18年は減少に転じた。

-51-

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Ⅱー2.旅行業

-52-

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関係省庁との連携

食料品産業食料品産業

1.491.49兆円兆円

小売業小売業

1.521.52兆円兆円

宿泊業宿泊業

4.264.26兆円兆円

飲食店業飲食店業

2.562.56兆円兆円

旅行サービス業等旅行サービス業等

1.421.42兆円兆円

運輸業運輸業

6.366.36兆円兆円

農林水産業農林水産業

0.280.28兆円兆円 旅行消費額旅行消費額

23.5兆円23.5兆円

観光産業の競争力強化のためには、

幅広い産業間の連携、関係省庁間の連携が重要

<産業別経済効果>

観光に関係する産業は多岐に亘る

・宿泊業と不動産賃貸業との境界(タイムシェア型住宅、町屋等を活用した新たな宿泊サービスの

提供等)(国土交通省(住宅局等)、厚生労働省等)

・地産地消、泊食分離等の推進(農林水産省、厚生労働省等)

・中小企業に対する低利融資(中小企業庁)

・ニューツーリズムの促進(環境省、農水省等)

・査証発給要件の緩和(外務省、法務省等) 等

<関係省庁に関係する課題の例>

-53-

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関係省庁との連携(課題の例)

• 構造改革特区、地域再生の活用(内閣府)• 文化財の保存・活用(文化庁)• 伝統文化の保存・活用(文化庁)• 中小企業による地域資源の活用支援(経済産業省)• 駐日各国大使等による我が国の魅力の発信(外務省)• 日本食・日本食材等の海外への情報発信(農林水産省)• 国際放送による情報発信の強化(総務省)• 査証発給手続きの迅速化・円滑化(外務省)• 出入国手続きの迅速化・円滑化(法務省)• エコツーリズムの推進(環境省)

-54-

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Ⅱー2ー1 旅行業の現状

・旅行業の登録制度の概要

・旅行業者等の数の推移

・旅行業者数と規模

・旅行業者取扱実績額

・消費単価の変遷

・各社の経営状況

・旅行業の業態区分

・主要国との比較-55-

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旅行業の登録制度の概要

業務範囲 登録要件

企画旅行 (注1)

募集型 受注型

海外 国内 海外 国内

第1種 国土交通大臣 ○ ○ ○ ○7000万(1400万)

3000万

第2種 × ○ ○ ○1100万(220万)

700万

第3種 ×△(注2)

○ ○300万(60万)

300万

旅行業者代理業 (注3) 不要 -

主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事

必要

旅行業

手配旅行 営業保証金(弁済業務保証金分担金)

(注4)

基準資産旅行業務取扱管理者

の選任

登録行政庁(申請先)

(注1)「企画旅行」とは、あらかじめ(募集型)又は旅行者からの依頼により(受注型)、旅行に関する計画を作成するとともに、運送又は宿泊サービスの提供にかかる契約を、自己の計算において締結する行為である。

(注2)平成19年5月12日以降、第3種旅行業者も一定条件下での募集型企画旅行の実施が認められる。

(注3)旅行業者代理業の業務範囲は、その所属する旅行業者から委託された代理業務に限られる。

(注4)旅行業協会に加入している場合、営業保証金の供託に代えて、その5分の1の金額を弁済業務保証金分担金として納付する。また、金額は年間の取扱額が2億円未満の場合であり、以降、取扱額の増加に応じて、供託すべき金額が加算される。

-56-

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旅行業者数及び旅行業者代理業者数の推移(1)

4 ,413

6 ,393

7 ,731

12 ,921

11 ,069 11 ,12611 ,148

11 ,066 10 ,86810 ,621

10 ,68410 ,592 10 ,702

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

11,000

12,000

13,000

1975 1980 1985 1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007(年)

旅行業者数

(社

旅行業者及び旅行業者代理業者の数は、2007年4月現在で10,684社。

第1種旅行業者 808

2,793

6,153

930

10,684

第2種旅行業者

第3種旅行業者

旅行業者代理業

合 計

種別内訳(2007年4月現在)

(注)各年4月1日現在

-57-

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旅行業者数及び旅行業者代理業者数の推移(2)

第1種旅行業者は、JTBの分社化があった2006年を除き、この10年間一貫して減少傾向

旅行業者代理業者は、インターネットなど代替の流通手段を通じた取引の拡大の影響等により、この10年で40%減

(単位:社、%)

1998年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

実数前年比

10,976 1.3

2.8

△1.4

0.8

4.4

△6.9

9,495

936

2,737

5,822

1,481

実数 前年比 実数 前年比 実数 前年比 実数 前年比 実数 前年比

総数 11,066 △ 0.7 10,868 △ 1.8 10,702 △ 1.5 10,621 △ 1.0 10,684 0.6

旅行業者

9,937 △ 0.1 9,807 △ 1.3 9,687 △ 1.2 9,662 △ 0.5 9,754 1.0

第1種 841 △ 1.6 783 △ 6.9 781 △ 0.3 817 1.8 808 △ 1.1

第2種 2,782 0.1 2,765 △ 0.6 2,727 △ 1.4 2,757 1.1 2,793 1.3

第3種 6,314 0.0 6,259 △ 0.9 6,179 △ 1.3 6,088 △ 1.5 6,153 1.1

旅行業者代理業者 1,129 △ 6.1 1,061 △ 6.0 1,015 △ 4.3 959 △ 5.5 930 △ 3.0

(注)各年4月1日現在-57-

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旅行業者数と規模

取扱額上位10社以内の会社の取扱額を足し合わせると、総取扱額に占めるシェアが49.6%

その他の10,000社以上の会社が残りの50%超を分け合う構造(全旅行業者数の94%は従業員20人以下)

順位 2002年 シェア 2003年 シェア 2004年 シェア 2005年 シェア 2006年 シェア

1 JTB 17.5 JTB 17.0 JTB 18.1 JTB 16.4 JTB 16.4

2 近畿日本ツーリスト 8.9 近畿日本ツーリスト 8.2 近畿日本ツーリスト 7.1 近畿日本ツーリスト 6.4 近畿日本ツーリスト 6.2

3 日本旅行 6.1 日本旅行 5.9 日本旅行 6.3 日本旅行 6.1 日本旅行 6.0

4 阪急交通社 4.0 阪急交通社 4.0 阪急交通社 4.5 阪急交通社 4.8 阪急交通社 4.7

5 JTBトラベランド 2.9 JTBトラベランド 3.0 JTBトラベランド 3.2 H.I.S. 3.3 H.I.S. 3.7

6 H.I.S. 2.7 H.I.S. 2.5 H.I.S. 3.1 JTBトラベランド 3.1 JTBトラベランド 3.2

7 東急観光 2.6 東急観光 2.5 ANAセールス&ツアーズ 2.9 ANAセールス&ツアーズ 2.8 ANAセールス&ツアーズ 2.9

8 日本通運 2.1 ANAセールス&ツアーズ 2.4 トップツアー 2.4 JTBワールドバケーションズ 2.7 JTBワールドバケーションズ 2.7

9 名鉄観光サービス 1.6 日本通運 1.9 JTBワールドバケーションズ 2.1 トップツアー 2.1 トップツアー 2.0

10 ジャルパック 1.6 名鉄観光サービス 1.5 日本通運 2.0 日本通運 2.0 日本通運 1.8

※シェアは(財)日本交通公社推計。

49.6%

-59-

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旅行業者取扱実績額

2006年の旅行業者による総取扱額は7.94兆円

ピーク時の1996年の実績と比べると20%の大幅減

4 .86

3 .12

8.02

5 .24

3 .28

8.56

5 .01

3 .41

8.48

5 .81

4 .06

9.92

5 .70

4 .12

9.87

5 .28

3 .37

8.71

5 .14

3 .36

8.55

5 .08

3 .41

8.54

4 .91

3 .08

8.05

4 .68

3 .02

7.75

4 .63

2 .43

7.10

4 .22

3 .05

7.32

4 .45

3 .26

7.77

4 .37

3 .5

7.94

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

国内旅行

海外旅行

総取扱額

取扱額(単位・兆円)

資料:JTBF「旅行年報2007」

-60-

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旅行における消費単価の変遷

35.59 35.66 35.60 34.31 34.7938.08 37.39 36.94 36.50 35.55

309.3303.9294.6292.6300.8293.8293.0312.3

342.1355.2

0

100

200

300

400

98 99 00 01 02 03 04 05 06 07

(千円/人回)

国内宿泊旅行 海外旅行

-61-資料:JTBF「旅行年報2007」、2007年度の消費単価はいずれも推計

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各社の経営状況 ~第1種旅行業者(全規模・1社平均)の損益・財務状況(2006年度) ~

9003.5%32.8%全業種

11772.7%27.7%非製造業

5490.55%32.6%旅行業

従業員1人当たり営業利益(千円)

売上高営業利益率(%)自己資本比率(%)

自己資本比率・売上高(取扱高)営業費率・従業員1人当たり営業利益の比較

国土交通省総合政策局観光事業課「旅行業取扱実績等報告集計表」

財務省財政総合政策研究所「法人企業統計年報」

区分 取扱額 粗利益

国内 52.9% 55.2%

うち企画旅行 31.6% 37.5%

うち手配旅行 21.3% 17.8%

海外 46.5% 44.0%

うち企画旅行 24.3% 23.9%

うち手配旅行 22.2% 20.1%

外国人 0.6% 0.8%

国土交通省総合政策局観光事業課「旅行業取扱実績等報告集計表」

旅行業取扱高・粗利益構成比率

-62-

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旅行会社の業態区分

区分 業態 代表例

総合旅行系 広範な地域に販売ネットワークを有し、すべての旅行商品を造成、さまざまな流通チャンネルで販売

(JTBグループ)、近畿日本ツーリスト(株)、(株)日本旅行

商品造成自社販売系 旅行商品を造成し、基本的に自社のチャンネルで販売

(株)ワールド旅行サービス、(株)グローバルユースビューロー

メディア・通信販売系 主として、新聞広告や組織会員を通じて自社商品を販売(通信販売額が50%を超える)

(株)阪急交通社、クラブツーリズム(株)

リテーラー 専ら、他社の企画商品の販売、団体旅行や個人の手配旅行を取り扱う

京王観光(株)、西武トラベル(株)

インターネット販売系 国内旅行宿泊や海外旅行素材を中心に、半分以上を自社サイトを通じて販売

(株)i.JTB、楽天トラベル(株)

業務性旅行特化系 インハウス等、業務性旅行に特化 (株)日立トラベルビューロー、東芝ツーリスト(株)

ホールセラー 海外又は国内旅行パッケージを造成し、主として自社以外のリテーラーへ販売

(株)ジャルパック、ANAセールス(株)

-63-

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主要国との比較

日本 米国 ドイツ フランス

人数(千人) 17,295

(2007年)

63,505

(2005年)

77,400

(2005年)

22,270

(2005年)

旅行形態

パッケージツアー利用者が47.1%、旅行会社を通じた個人旅行者は22.3%。(国土交通省調査)

観光目的の86%、商用目的の97%が個人旅行者。パッケージ商品利用者の割合は低い。

パッケージツアー利用者が58.5%、個人旅行が29.1%。スペイン、ギリシャなど近距離リゾート地へのチャーター機を利用したパッケージ商品が低価格で販売されている。

個人旅行が主流。観光目的の旅行に占めるパッケージツアーの利用割合は21%。

旅行業界の状況

大手10社の市場シェアは約50%で、その他の10,000社以上の会社が残りの50%強を分け合う構造(全旅行業者数の94%は従業員20人以下)。

小規模事業者・オンラインエージェントが大半を占める。オンライン取引が急速に拡大している中で、既存のトラベル・エージェントのオンライン対応は遅れており、小規模事業者の廃業が進む傾向にある。

大手6社(TUI、Thomas Cook、REWE TouristikAlltours,FTI,OgerGruppe)が市場の約80%を占める。

小規模事業者が多い。

海外旅行の状況

-64-JNTO「国際観光白書2007」、「JNTO訪日旅行誘致ハンドブック」

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Ⅱー2ー2 旅行業における最近の動向

・旅行業者ニーズの個別化・多様化

・インターネット市場の拡大

・ニューツーリズムの潜在需要

・インバウンドの伸長

-65-

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旅行者ニーズの個別化・多様化

32 .7 27 .4 39 .9

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

2006

フルパッケージ フリープラン その他

資料:JTBF「旅行者動向2007」

フルパッケージ:添乗員やガイドが同行する団体型のパック旅行

フリープラン:添乗員やガイドが同行しないフリー型のパック旅行

その他:JR券、航空券、宿泊クーポンのみの購入

29.4

35.0

36.1

70.6

65.0

63.9

2006

2004

2002旅行会社利用

旅行会社未利用

国内旅行における旅行会社利用率は低下傾向。

-66-

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インターネット取引の拡大

旅行業等における電子商取引の市場規模

資料:経済産業省

EC市場規模(’06年)業種

(億円)対前年比(増分)

総合小売業 9,860 18.5%

衣料・アクセサリー小売業 440 37.5%

食料品小売業 2,040 38.8%

自動車・パーツ、家具・家庭用品、電気製品小売業 5,710 22.8%

医薬化粧品小売業 1,110 33.7%

スポーツ・本・音楽・玩具小売業 1,950 29.1%

宿泊・旅行業、飲食業 5,080 33.7%

娯楽業 870 27.9%

建設業 - -

製造業 1,350 12.5%

情報通信業 11,900 38.7%

運輸業 2,110 11.1%

金融 960 12.9%

卸売業、広告・物品賃貸業 530 17.8%

合計 43,910 27.1%

サービス

小売

「宿泊・旅行・飲食」分野における消費者向け電子商取引は2006年は対前年比33.7%増の高い伸び。

-67-

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ニューツーリズムの潜在需要

出所(財)社会経済生産性本部「レジャー白書2007」平成19年7月

「新たな旅」の経験率・参加希望率と潜在需要

10.0

7.8

3.1

2.0

1.3

18.2

10.4

5.3

4.7

3.7

病気回復や健康の維持・向上のための旅

創作体験をする旅

農業体験や滞在を楽しむ旅

漁業体験や滞在を楽しむ旅

ボランティア活動に参加する旅 経験率

参加希望率

経験率・参加希望率 潜在需要(参加希望率-経験率)

8.2

2.6

2.2

2.7

2.4

-68-

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主要旅行業者による外国人旅行取扱額の推移

旅行取扱区分別割合(平成19年度)

国内旅行,

59.4%

海外旅行,

39.6%

外国人旅

行, 0.9%

628

497

292258310

0

100

200

300

400

500

600

700

平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度

取扱額(

単位:億円)

旅行取扱額全体に占める割合は小さいものの、その市場規模は拡大している。

国土交通省総合政策局観光事業課「主要旅行業者旅行取扱状況年度総計」平成19年度の数値はいずれも速報値による。 -69-

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Ⅱー2ー3 旅行会社の対応と

国土交通省の施策

・旅行業者の対応例

・旅行業界と関係業界の関係

・国土交通省の施策例

-70-

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主要旅行会社の対応例

○A社の例:マーケットに正対し、迅速な意思決定を可能とする会社群とするため、マーケットに正対できる規模に分割する

地域会社地域会社

事業分類別会社事業分類別会社

地域ニーズに的確に対応するための事業展開

インバウンドやインターネットなど個別のマーケットに特化した事業展開

(例)各ブロックごとの地域会社 等

(例)インバウンド取引に特化した会社、インターネット取引に特化した会社、法人取引に特化した会社、海外での事業展開に特化した会社 等

○B社の例

・販売部門を分離分社化

・テーマ性の高い旅行商品等に関する情報発信等を強化するため、出版・映像関係企業

と新会社を設立-71-

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旅行業界と関係業界との関係

旅行業の発展のためには、関係業界との信頼関係に基づくパートナーシップが不可欠

旅行業旅行業

ツアーオペレーターツアーオペレーター

添乗員添乗員旅館旅館

貸切バス貸切バス

・客室ブロック制と低い消化率

・手数料率

・添乗員の労働問題

(待遇改善、長時間労働 等)

・低価格競争

・ツアーバス等の安全確保 航空会社航空会社

燃油サーチャージ問題

・低価格競争

・手配代金の支払時期

・キャンセル・変更・トラブル等の際の対応

-72-

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国土交通省の施策例(第3種旅行業務の拡大)

ねらい○ 観光による地域振興を進めるためには、地域の観光資源を熟知した地元の中小観光事業者による旅行商品の創出を促進することが必要。

○ このため、中小観光事業者が企画旅行の造成・募集を行いやすくするための規制緩和を行う。

営業所の存する市町村(黒塗り部分)

営業所の存する市町村に隣接する市町村(斜線部分)

※ 催行可能な区域のイメージ(黒塗り部分及び斜線部分)

・企画旅行の造成・募集を行うためには、第1種又は第2種の旅行業の登録が必要

第3種旅行業者も、次の条件の下で企画旅行の造成・実施が可能。・催行区域の限定:営業所の存する市町村及びこれに隣接する市町村の区域内に限定

・当日払い:旅行代金は、申込金(20%以内)を除き、旅行開始日より前の収受は行わないこと

従来

少なくとも営業保証金1100万円、基準資産700万円が必要

改正後(平成19年5月12日以降)

営業保証金300万円、基準資産300万円で参入が可能に。

中小観光事業者の参入が困難

-73-

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国土交通省の施策例(ニューツーリズム創出・流通促進事業)

● 「ヘルスツーリズム」、「産業観光」等の新しい形態の旅行市場を活性化するため、「ニューツーリズム創出・流通促進事業」を進めている(平成19年度予算 8,000万円、平成20年度予算 5,600万円)。

● 本事業においては、旅行商品化を進めるための留意点等をまとめたマニュアルやガイドラインの策定を目指すとともに、各地域の地域密着型のニューツーリズムに係る取組みを支援するため、各運輸局ごとに旅行会社や有識者等によるコンサルティングを行うとともにモニターツアーの実施の支援等を行う。

● また、これらの地域密着型のニューツーリズム旅行商品の流通を促進するため、データベースを構築し、大都市部の旅行会社によるパッケージツアーの造成や旅行者への情報提供を進めるとともに、ジンポジウムの開催等の普及活動を行う。

旅旅

行行

者者

旅行会社

旅行会社

「地域密着型ニューツーリズム」

「地域密着型ニューツーリズム」

旅行商品データベース

旅行商品データベース

各地域の地域密着型

各地域の地域密着型

ニューツーリズムへの取組

ニューツーリズムへの取組

各運輸局に設置された各運輸局に設置された

観光まちづくりアドバ観光まちづくりアドバ

イザリー会議によるイザリー会議による

コンサルティングコンサルティング

「ニューツーリズム」旅行商品「ニューツーリズム」旅行商品

モニターツアーモニターツアー実施等の支援実施等の支援

旅行会社による

フル・パッケージ

ツアーに組込・提供

旅行者に直接情報を公開・提供

-74-

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Ⅱー3.宿泊産業

-75-

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Ⅱー3ー1 宿泊産業の現状

・宿泊産業の市場動向

・宿泊産業の特色

規模、利用単価、軒数・客室数、客室利用率・定員稼働率の推移

ホテル客室稼働率の季節変動、旅館稼働率の曜日変動、

旅行業依存度

-76-

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宿泊産業の市場動向(1)

宿泊産業全体の市場規模は1991年に4.9兆円に達したが、その後は団体・法人旅行の落ち込みによる旅館市場の衰退を反映して縮小傾向。ホテルの市場規模はほぼ横ばいで推移している。

出所:(財)社会経済生産性本部「レジャー白書」

2.61 2.783.20

3.503.16 3.15 3.01 2.83 2.84 2.61 2.45 2.32 2.21 2.14 2.07 2.02 1.98 1.97 1.91

0.730.84

0.93

0.99

1.06 1.010.97

0.99 1.011.06

1.021.00 1.03 1.02 1.02 1.01 1.02 1.04 1.07

3.663.98

4.53

4.944.70 4.67

4.46 4.33 4.384.19

3.983.76 3.64 3.52 3.41 3.33 3.31 3.33 3.31

0.00

1.00

2.00

3.00

4.00

5.00

6.00

88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06

会員制リゾートクラブ

民宿

ペンション

ホテル

旅館

余暇市場の推移 ―観光・行楽部門― (抜粋)

ホテル +8.7%

旅 館 -45.4%

1991年~2006年の市場規模伸び率

(兆円)

(年)

-77-

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宿泊産業の市場動向(2)

12,549 13,221 12,757 12,76313,772 13,588 12,689 12,984 13,062

8,9829,1658,7289,148

7,756

9,4178,9849,3769,190

01,0002,0003,0004,0005,0006,0007,0008,0009,00010,00011,00012,00013,00014,00015,000

98 99 00 01 02 03 04 05 06

旅館 ホテル

資料:JTBF「旅行年報1999~2007」、

旅館における1人当たりの1泊2食分宿泊料及びホテル1室当たりの基本料金の単価は減少傾向にある

-78-

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宿泊産業の市場動向(3)

旅館の軒数は、1989年に比べて約30%減の55,000軒まで減少した。ホテルの軒数は8,800軒まで漸増している。一軒あたりの客室数はホテル、旅館ともに若干の増加が見られる。

1 0

1 1

1 2

1 3

1 4

1 5

1 6

1 7

8 9 9 0 9 1 9 2 9 3 9 4 9 5 9 6 9 7 9 8 9 9 0 0 0 1 0 2 0 3 0 4 0 5

客室数

500 ,000

600 ,000

700 ,000

800 ,000

900 ,000

1 ,000 ,000

89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05

40,000

45 ,000

50 ,000

55 ,000

60 ,000

65 ,000

70 ,000

75 ,000

80 ,000

客室数 軒数

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

700,000

89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

客室数 軒数

ホテルの1軒あたり客室数の推移

旅館の軒数と客室数の推移ホテルの軒数と客室数の推移

厚生労働省生活衛生局 厚生労働省生活衛生局

旅館の1軒あたり客室数の推移

68

70

72

74

76

78

80

89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05

客室数

-79-

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宿泊産業の市場動向(4)

ホテルの客室利用率は、1990年代前半の落ち込みの後、徐々に回復してきている。一方、旅館の定員稼働率は減少傾向が続いている。

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06

大旅館

中旅館

小旅館

全体

旅館の定員稼働率の推移

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06

京浜

京阪神

地方都市

リゾート

全国

資料 (社)日本ホテル協会 資料 (社)国際観光旅館連盟

ホテルの客室利用率の推移

都市部のホテルでは回復傾向 大旅館の落ち込みが激しい小旅館は近年、回復傾向

-80-

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宿泊産業の特色(1)

稼働率の変動稼働率の変動

宿泊産業は、需要の季節変動が大きく、特にリゾート地でその傾向が顕著である。

78.6 78.375.3

81.584.6

74.4

68.5

79.1

86.382.3

91.6

82.1

58.5

73.0

67.971.1 72.6 71.9

78.8 78.8

67.6

52.5

62.564.9

60.8 61.858.8

60.5

67.3 66.1 65.7

53.1

78.6

65.9

82.0

72.875.7 76.5

89.486.5

85.2

77.6 76.8

84.3

71.6

78.576.1

80.9

30

40

50

60

70

80

90

100

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

京浜

京阪神

地方都市

リゾート

ホテルの地域別月別客室利用率(2007年)

資料 (社)日本ホテル協会

-81-

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宿泊産業の特色(2)

旅館においては、休前日の稼働率はほぼ満室に近いが、平日の稼働率は定員の50%程度にとどまる。

旅館の定員稼働率の推移

50.8%

98.9%

74.8%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

平日 休前日 平均(平日・休前日)

資料 国土交通省総合政策局観光事業課「観光旅館・ホテルの客室流通の効率化に関する調査研究」 -82-

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宿泊産業の特色(3)

流通構造流通構造

旅館業においては、旅行会社を通じた販売が売上げの大きなウエイトを占める。旅行会社の依存度は、インターネット・直接販売等の拡大により低下傾向にあったが、旅館における宿泊者数が低迷する中で、この3年再び依存度が増大している。

平均年度 大旅館 中旅館 小旅館

平成 7 67.4 70.6 65.1 44.9

平成13 63.8 67.7 59.5 39.5

平成14 63.7 66.8 59.3 39.3

平成15 63.6 67.1 58.7 36.0

平成16 64.1 67.6 59.2 39.6

平成17 65.3 69.2 60.6 38.3

平成18 67.0 71.1 61.4 39.9

(単位:%)

旅館の販売における旅行業依存度(宿泊人数ベース)の推移

-83-資料 国際観光旅館連盟「国際観光旅館営業状況等統計調査」平成19年度

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Ⅱー3ー2 宿泊産業における最近の動向

・旅行者ニーズの個別化・多様化

・倒産件数の推移

・外国人利用率

・ホテルの営業収益構成の推移

・外資系ホテルチェーンによる都心進出

-84-

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宿泊産業における最近の動向(1)

宿泊観光旅行においては、団体旅行から個人旅行へと、旅行の形態が変わってきている。

出所(社)日本観光協会「観光の実態と志向(第26回)」平成20年1月

2.0

2.4

2.7

2.7

2.2

2.5

3.7

3.1

3.8

21.2

21.5

25.0

24.9

25.5

26.6

34.1

33.5

34.0

21.7

20.5

21.6

24.2

22.5

20.7

22.9

21.9

26.2

17.1

14.2

15.8

14.0

16.1

15.3

13.0

14.3

14.6

3.9

4.2

3.7

3.5

3.7

3.3

2.6

2.6

2.7

13.6

14.9

11.2

11.8

11.3

11.0

8.8

9.4

7.7

8.3

8.6

6.1

7.6

5.7

7.1

5.0

5.4

2.2

7.1

7.1

3.7

4.3

3.7

5.3

2.6

3.2

2.1

90年

92年

94年

96年

98年

00年

02年

04年

06年

1人 2~3人 4~5人 6~10人 11~14人

15~30人 31~50人 51人以上 不明

(%)1~5人 45% 6人以上 50%

1~5人 64%(対90年:+19ポイント) 6人以上 29%(-21ポイント)

宿泊観光の同行者の人数

2.5

2.8

2.7

3.2

2.4

2.7

4.0

3.8

3.8

28.5

27.0

30.2

34.5

37.3

36.4

40.1

40.8

41.3

31.0

30.9

31.3

31.2

29.6

31.2

29.3

27.2

25.6

12.5

13.4

11.5

12.2

14.0

11.5

11.0

12.5

13.6

15.5

14.6

12.0

10.9

8.9

8.8

6.0

6.6

7.3

4.0

6.2

2.9

4.3

3.2

4.4

2.8

4.3

3.9

90年

92年

94年

96年

98年

00年

02年

04年

06年

自分ひとり 家族 友人・知人

家族と友人・知人 職場・学校 地域など

その他・不明

(%)家族(1人含む) 31% 職場・学校 16%

家族(1人含む) 45%(対90年:+14ポイント) 職場・学校 7%(-9ポイント)

宿泊観光の同行者の種類

-85-

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宿泊産業における最近の動向(2)

近年、宿泊業者の倒産件数は高水準で推移している。

69

51

32

24

40

56 54 5359 57

71

8491

103

116112

100

8793

203 133 118

1,020

417

890734 867

2,349

507

1,5971,2671,517

2,854

5,622

4,902

3,380

12041714

0

20

40

60

80

100

120

140

87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 05 06

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

倒産件数 倒産企業の負債総額

(件)

(億円)

倒産件数

倒産企業の負債総額

資料 帝国データバンク

※2005・2006は年度集計

旅館・ホテル業者の倒産推移

-86-

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宿泊産業における最近の動向(3)

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

02 03 04 05 06

大旅館

中旅館

小旅館

全体

資料 (社)国際観光旅館連盟

0

10

20

30

40

50

03 04 05 06 07

京浜

京阪神

地方都市

リゾート

平成19年の宿泊旅行における外国人延べ宿泊者数の割合は、7.2%。外国人利用率は、ホテルは一貫して増加傾向にあるが、旅館については顕著な増加は見られない。

ホテルの外国人利用率

(万人泊)

延べ宿泊者数シェア

1月 2,199 141 6.4%2月 2,322 171 7.4%3月 2,683 173 6.4%4月 2,347 204 8.7%5月 2,532 178 7.0%6月 2,335 170 7.3%7月 2,492 200 8.0%8月 3,333 193 5.8%9月 2,513 170 6.8%10月 2,676 217 8.1%11月 2,640 197 7.4%12月 2,374 178 7.5%合計 30,445 2,191 7.2%

うち外国人

旅館の外国人利用率

資料 (社)日本ホテル協会

資料 国土交通省総合政策局観光経済課「宿泊旅行統計調査平成19年分」

月別延べ宿泊者数(平成19年分)

-87-

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宿泊産業における最近の動向(4)

ホテルについては、バブル期はレストラン・宴会などの飲食料収入が一定規模あったが、近年は飲食料収入の減少に伴い宿泊の室料収入の比率が高まっている。

21.3% 21.3% 22.1% 24.5% 26.6%25.2%

43.0% 42.2% 41.4% 39.6% 39.3%37.7%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06

ホテル事業以外

その他

賃貸収入

売店売上

サービス料

飲食料

室料

資料 (社)日本ホテル協会

ホテルの営業収益構成の推移

-88-

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旅館業における最近の動向(5)

シティホテル市場では、外資系ホテルチェーンによる都心の大規模再開発地への進出が相次ぎ、客室数が大きく増加している。

2005年 コンラッド東京 290室 汐留

179室 日本橋

六本木

有楽町

丸の内

248室

314室

204室

2005年 マンダリンオリエンタル東京

2007年 リッツカールトン東京

2007年 ペニンシュラ東京

2009年 シャングリ・ラ ホテル東京

-89-

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Ⅱー3ー3 宿泊業者の対応と

国土交通省の施策・旅館再生の取り組み

・新たな宿泊ビジネスの動向

・国土交通省の施策例

・諸外国の施策の例

・業種別生産性向上の取り組み

・(参考)-90-

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旅館再生に取り組む企業の事例

経営ビジョン:「リゾート運営の達人」

非日常へのこだわり時間の拘束の排除食のバラエティ滞在型

1万人の旅行動態調査顧客満足度のデータベース化スタッフ教育の充実

破綻したリゾートホテルの再生

•2001年 リゾナーレ小淵沢(山梨県)•2003年 アルツ磐梯リゾート(福島県)•2003年 アルファリゾート・トマム(北海道)•2005年 山代温泉白銀屋(石川県)•2005年 伊東温泉いずみ荘(静岡県)

•2007年 玉造温泉「有楽」(島根県)•2007年 皆生温泉「東光園」(鳥取県) 等

-91-

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新たな宿泊ビジネスの動向

町家・古民家等を活用した新たな宿泊ビジネスの動向

京都に古くから残る伝統的な京町家を借り上げ、その風情を充分に残しつつ、快適な滞在環境にリノベーション。旅行者とは、都度短期賃貸借契約を結んで一棟毎に貸出しをしている。茶道、書道、能楽等、日本の伝統文化の体験も行っており、内外の観光客から好評を博している。

<事例>

流通ルートの確立

消費者ニーズの多様化「癒し」を求める風潮(日本文化への再評価)外国人観光客の増加(日本文化の体験を希望)

町家、古民家等を活用して貸し出す等、既存の「ホテル・旅館」とは異なる新しい宿泊ビジネスモデルが誕生。日本文化の体験プログラム等を組み合わせたビジネスも誕生している。

消費者の動向消費者の動向

宿泊ビジネスの動向宿泊ビジネスの動向

抱える課題抱える課題

-92-

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旅館業における泊食分離の取組

「泊食分離」の推進による多様な選択肢の提供、地域の活性化

売上げ減少の懸念 → 既存客層の食事単価が下がる懸念が先に立つ

危機感の不足 → 好きな時に好きなものを食べたいという消費者ニーズを軽視

方法論の不在 → 客室部門と料飲部門を切り分けた部門別会計処理方法が未発達

地域の団結の不足 → 多様なニーズへの対応には地域が一体となった受入体制が必要

個々の旅館・ホテルが顧客の囲い込み→すべての用件は館内で済む→観光客のそぞろ歩きの減少→にぎわいの喪失

従 来 型 泊食分離型

多様化する旅行者のニーズに合わせる→単館ではニーズに対応しきれない→旅行者の外出→にぎわいの復活・活性化

ニーズに合わせた多様な選択肢の提供地域ぐるみの協力による効率化 等(バックヤードの共通化等)

1泊2食付きに固定されたシステム画一的なメニュー宿泊施設毎に異なる仕入れルート 等

泊食分離の導入に向けた諸課題

観光地としての魅力の低下 魅力のある観光地として発展

-93-

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実施地域 事業概要

北海道釧路市(阿寒湖温泉)

1泊夕食付き+朝食

1泊朝食付き+夕食を参加飲食店から選択

宮城県仙台市(作並温泉)

1泊朝食付き+夕食を参加旅館から選択

宮城県仙台市(秋保温泉)

1泊朝食付き+夕食を参加飲食店から選択

新潟県佐渡市 1泊朝食付き+夕食を参加旅館から選択

長崎県平戸市 1泊朝食付き+夕食を参加旅館・飲食店から選択、夕食はクーポン払い可

静岡県静岡市(舘山寺温泉)

1泊朝食付き+夕食を参加飲食店から選択

兵庫県神戸市(有馬温泉)

素泊まりor1泊朝食付きor1泊朝夕食付きから選択

京都府京都市 旅行業者による町家短期賃貸施設を使用する旅行商品の企画・運営・斡旋

【平成18年度モデル事業】

「宿泊産業活性化ビジネス戦略に関する調査検討委員会」報告書を踏まえ、18年度は阿寒湖温泉等全国8地域で泊食分離等に係る実証実験を実施した。19年度は、このうち作並温泉等全国4地域で長期滞在型(連泊型)の泊食分離に関する実証実験を実施し、各地域の取組みをベスト・プラクティスとして紹介し全国への普及を促進していくことにより、宿泊産業の活性化を図る。

事業概要

4泊素泊まり等「プチ湯治プラン」を実施

「滞在型泊食分離商品」を開発。

地産地消メニューの提供

2~6日の泊食分離プラン。高級泊食分離の「グルメプラン」。各旅館から売れない部屋を集めWEB上に「有馬仮想旅館」を設置

1週間の長期滞在型モニターツアー。個人単位と部屋単位の料金設定。観光協会が3種旅行業を取得し地域密着旅行商品を造成

長期滞在型へ

【平成19年度モデル事業】

宿泊産業活性化のための実証実験(概要)

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観光産業のイノベーション促進事業

実施事業を公募

第三者機関による

実施事業の選定

実証事業の実施

事業結果の分析

公表、普及・啓発

事 業 実 施 の 流 れ

同地域の複数旅館がネット上に仮想旅館を構築し共同販売。空室状況を一元管理することにより、空室のある旅館に割り振り、相互に稼働率向上。また、共同キッチン化し、食材の仕入れ・加工を効率化。

複数旅館で、「エコ」、「バリアフリー」、「のんびり滞在」、「地産地消」等をブランド化し、共同で情報発信や顧客管理をすることで、リーピーター確保等による客室稼働率の向上を図る。

・バーチャル旅館による共同販売、共

同キッチン化・連携・共同によるブランド戦略の取り組み

複数の旅館でインターネット上の仮想空間(旅館アウトレットモール)を構築し、旅行会社返室在庫の売れ残りの大幅削減等による客室稼働率の向上を図る。

・旅館アウトレットモールの構築

宿泊産業、観光産業の新たなビジネスモデルの構築を支援するとともに、そのノウハウの普及・啓発を行う(平成20年度予算2千万円)。○ 新たなビジネスモデルの例(客室稼働率の向上、業務の共同化・効率化等)

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宿泊施設の整備に係る貸付制度の創設(中小企業金融公庫)

「観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律」に基づく「宿泊サービスの改善・向上のための施設整備」に対する特別貸付制度を創設する。

<要求内容>○貸付期間:20年以内(設備資金)○貸付利率:特別利率③(最優遇金利。貸付後6年目以降は基準利率)※○取扱期間:平成21年3月末

対象事業のイメージ

※特別利率③→2.20%、基準利率→3.20%(貸付期間19年超20年以内(5月16日現在))

○パブリックスペースを地域文化の展示、体験・交流の場として活用(開放)するため改修を行う宿泊施設○外観の統一感を創出するため、外壁等の改修を行う宿泊施設○従来の団体旅行客から個人・グループ客へ対応するため、 客室改修を行う宿泊施設

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観光圏における旅行業法の特例

新制度創設によるメリット

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宿泊サービス

体験型ツアー

⇒集客力の向上、リピーターの確保 ⇒着地型旅行商品の販路拡大

<宿泊業者>○幅広いサービスの提供が可能 ○宿泊業者への委託販売が可能

<旅行業者><旅行者>○ホテル・旅館のフロントで着地型旅行を

申し込むことが可能

⇒旅行満足度の向上

商品提供

特例の内容① 国土交通大臣の認定を受けた滞在促進地区内の宿泊業者(ホテル・旅館等)が、観光圏内における宿泊者の旅行について、

旅行業者代理業を営むことができることとする(観光圏内限定旅行業者代理業)。② 上記①の場合には、旅行業法上の必置資格である旅行業務取扱管理者に代えて、一定の研修を修了した者等を選任できる

こととする。

地域の魅力を生かした着地型旅行商品による旅行者の滞在促進 -97-

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諸外国における施策の例

海外においては、政府や関係機関が宿泊施設の格付けを行っている国もある。

星の数 格付け内容

1つ星

最低7室ある湯と水が出る全室の25%の部屋に独立した洗面設備がある30人に1つのシャワー付き共同バスルームがあるトイレのない部屋10室に1つの共同トイレ(ワンフロアーに最低1カ所) がある

2つ星

1つ星の基準に加え、次の条件を満たさなければならない全室の40%がバスまたはシャワー付きであるシャワーのない部屋の宿泊客20人に1カ所の共同バスまたはシャワーがある各フロアーに電話ボックスがある4階建て以上の場合、エレベーターがある従業員が外国語を1つ話せること。客室内での朝食が可能

3つ星

1つ星と2つ星の基準に加え、次の条件を満たさなければならない部屋数が10以上あること全室に専用の洗面設備があること70%の部屋がバスまたはトイレ付きであること50%の部屋に専用トイレがあること全室に電話があること3階建て以上の場合、エレベーターがあること従業員がフランス語以外の言葉を2つ話せる

4つ星

1つ星~3つ星の基準に加え、次の条件を満たさなければならない90%の部屋にバスまたはシャワーがある90%の部屋に専用トイレがある2階建て以上の場合、エレベーターがあるレストランがある

4つ星デラックス1つ星~4つ星の基準に加え、次の条件を満たさなければならない全室がバス付きサロンに作り変えられる寝室1~2室を有するスィートルームがある

星の数 格付け内容

1つ星 シンプルで実用的、基本的なサービス

2つ星 十分な設備とサービス

3つ星 高水準のサービスと快適さ

4つ星 すべてについて優れたレベル

5つ星 非常に優れており高級

○イギリス

法律の根拠があるわけではなく、英国政府観光庁、スコットランド観光局、ウェールズ観光局、オートモービル・アソシエーション(AA)、ロイヤル・オートモービル・クラブ(RAC)の5団体の合意により決定

○フランス

法律に基づき、関係行政機関・県観光協会等が決定

フランス政府観光局公式サイト、英国政府観光庁HP-98-

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◎ ①住宅・建設・不動産、②食品加工、③宿泊・旅行、④物流、⑤人材ビジネス、⑥通信・コンテンツの業種について、関係省において、生産性向上プログラムを策定。(「基本方針2008」に盛り込む)

◎ 米国の6割に満たない我が国の生産性水準は、「付加価値の創造力の弱さ」、「効率化の不徹底」を反映した

もの。日本経済の成長力強化に当たって、克服するべき課題。

【現 状】

○生産性の低い業種には、ほぼ共通して以下の特徴が顕著①小規模事業者が多数存在する過剰供給構造②集約化・ネットワーク化の遅れ③ IT化の遅れ④人材の育成、技術面での遅れや経営力の問題(特に家業と経営の分離)

内閣府 「業種別生産性向上に向けた検討課題」調査(中間とりまとめ) 平成20年2月

①効率化を妨げるIT標準化・パッケージ化の遅れ②流通コストの増大をもたらしている不透明・複雑な流通・商慣行③事業転換や退出円滑化を遅らせる仕組み(開業率、廃業率ともに低い)

○ 「業種横断的な対策」と業種ごとの特性を踏まえた「業種別プログラム」を早期策定・実行

【生産性向上の阻害要因とその対応】◎阻害要因

◎対 応

【業種別プログラムの策定】

○チェーン化(共同仕入れ・物流共同化・商標共通化)の推進○所有と経営の分離○泊食分離、交泊分離の推進 等

業種別生産性向上に向けた検討課題(宿泊・旅行)

業種別生産性向上に向けて(概要)(経済財政諮問会議 民間議員提出資料 平成20年2月28日)

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業種別生産性向上プログラム(経済財政諮問会議 内閣府提出資料 平成20年5月23日)

4.宿泊・旅行

【総論】○課題旅行者ニーズの多様化等の環境変化、外国人旅行者のニーズに対応したビジネスモデルを構築するとともに、新た

なサービスの提供を促進することが課題。

○方向性①業務の共同化や流通の効率化等の経営革新を通じた経営基盤の強化②多様で付加価値の高いサービスの提供による顧客満足度の向上を通じた集客力・収益性の向上③長期的な生産性向上を可能とするソフトインフラの整備

平成20年2月28日の経済財政諮問会議における、業種別生産性プログラムを早期に策定・実行すべきという民間議員の提案を受け、各省庁が所管する主要業種について策定。

対象業種:①IT(ソフトウェア・情報サービス)、②通信・放送・コンテンツ、③建設・住宅・不動産、④宿泊・旅行、⑤小売、⑥食品製造、⑦物流、⑧人材ビジネス、その他サービス産業9業種

【政策としての取組】

新たなビジネスモデルの構築による経営基盤の強化

ニューツーリズムの創出・流通の促進

人材の育成

地域の一体的な観光振興との連携

顧客満足度を重視した経営の普及

統計の整備

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(参考)旅行業・宿泊業の主な関係団体

(社)国際観光旅館連盟 (社)全国旅行業協会

目 的:観光都市、観光地、温泉地において外客の宿泊に適する日本旅館の発展向上を期すこと。

設 立:昭和28年3月10日会 長:佐藤 義正((株)ホテル大観代表取締役社長)

会員数:正会員1,390

設 立:昭和41年2月22日会 長:二階 俊博(衆議院議員)

会員数:正会員5,778

目 的:旅行業者等の旅行業務等に関する取引の公正

を確保するとともに、会員相互の連絡強調を図ることにより旅行業の発展向上を期すこと。

(社)日本観光旅館連盟

目 的:旅客に快適で最良の宿泊サービスを提供することによって観光事業の推進に協力し、また旅館及びこれに関する調査研究並びに改良進歩を図るとともに連盟加入旅館の連絡を密にし、その向上を図る。

設 立:昭和28年3月10日会 長:佐久間 進((株)サンレーニジュウイチ代表取締役)

会員数:正会員4,075

(社)日本旅行業協会

設 立:昭和38年11月8日会 長:新町 光示((株)ジャルパック代表取締役会長)

会員数:正会員1,269

目 的:旅行者に対する旅行業務の改善並びに旅行

サービス向上等を図るとともに、会員相互の連絡協調につとめること。

(社)日本ホテル協会

設 立:昭和16年3月5日

目 的:ホテル業の健全な発展を促し、もって観光事業

の発展に貢献する。

会 長:中村 裕((株)ロイヤルパークホテル会長)

会員数:正会員223

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Ⅲ 外部(マスコミ・外国人)の意見

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ヒアリングの概要

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【マスコミ】・産経新聞 五十嵐 徹 論説副委員長・日経新聞 石鍋 仁美 論説委員・東京新聞 大沢 賢 論説委員・共同通信 奥原 一三 論説副委員長・時事通信 田崎 史郎 解説委員長・毎日新聞 玉木 研二 論説委員・読売新聞 丸山 淳一 論説委員・朝日新聞 山口 宏子 論説委員・NHK 山田 伸二 解説委員

観光庁のあり方をはじめとして、観光全般についてご意見を伺うため、マスコミ・外国人の方を対象にヒアリングを実施

【外国人】・エアバスジャパン グレン・フクシマ社長・韓国観光公社東京支社 呉 龍洙 支社長・アド・コムグループ ダネンバーグ・アンドレアス代表取締役・在日米国商工会議所 チャールズ・レイク会頭・ユナイティド航空 マーク・シュワブ太平洋地区副社長・立命館アジア太平洋大学 モンテ・カセム学長・中国国家観光局 范 巨霊 首席代表

(ご意見を伺った方)

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ヒアリングでの指摘事項(マスコミの方からのご意見)

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① 観光庁のあり方(組織・人事)

・ 組織は少数精鋭であるべき。・ 縄張りや縦割りのない効率的な組織運営をすべき。・ 観光庁の地方組織は地方運輸局となるが、観光部門であると名称を変更するくらいは必要ではないか。・ 観光庁の長官人事は民間人を登用すべき。・ 観光庁にはプロパーの職員及び大臣が必要ではないか。

② 観光庁の業務の進め方(政策・目標・期待感)

・ 観光庁創設にはニーズもあり、取り巻く状況も追い風である。その勢いを崩さないようにすべき。・ 観光庁が起爆剤・リードオフマンになって、観光政策を進めることに期待。・ できることからやっていくべき。その上で①初期の目標を達成する、②他省庁との連絡・連携を機能的に行う、③組み合わせの妙を考える(観光圏の話など、自治体レベルでは無理なことに力を入れる。)ことが重要である。・ 文化芸術分野と連携して、ソフト面のコンテンツを観光資源として活用すべき。・ 対外的な役割、重点性と公平性をどう両立させるかが重要。・ 「観光」という言葉には、世間的には悪いイメージが定着している。本来の意味を観光庁が正しく発信することが必要であり、また、新しい概念を作り出すことも必要ではないか。・ なぜ庁にしたのか、わかりやすく積極的に国民に意図を宣伝すべき。・ 庁の中に諮問機関を設けて、民間の知恵を観光政策に活用していくべきである。また、諮問機関において聞いた意見を観光庁が直接又は民間を通じて発信すべき。・ 第三者の視点を地域に取り入れる場を提供することが必要。

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ヒアリングでの指摘事項(マスコミの方からのご意見)

③ 国際観光の振興・ 日本側の外国人に対する認識のギャップを埋めることが必要。・ 入管の対応について、審査の迅速化などの改善を図るべき。・ 英語表記の案内板を充実させるべき。・ 国際会議の誘致は、コンベンションシティの「選択と集中」により行うべき。

④ 観光地づくり・ 先導的な取組みをモノにしていくことが重要。・ イベントを上手く利用して、個性ある観光とすることが必要。・ 同じブロック内で競い合うのではなく、東京からそれぞれのブロックまでどうやってつれてくるのかという観点で連携すべき。・ 珍しい「体験」としての都市観光を見直すことが必要。・ 特に観光資源が点在している地方においては、二次交通を整備することが必要。・ 観光の発展による負の側面を何とかすべき。・ 観光圏整備の支援対象地域の選定基準を明確にすべき。・ 国内旅行は高く、どう安くするかが課題。

⑤ 人材育成・ 文科省と学校教育について連携するなど、他省庁と連携をすることが必要。・ 通訳案内士の資格試験の勉強をしている留学生も多く、雇用促進すべき。

⑥ 観光産業・ 消費に関わるサービスだけでなく、地域につながるサービスを提供すべき。・ 泊まるインセンティブを高めるような取組みを進めるべき。

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ヒアリングでの指摘事項(外国人の方からのご意見)

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① 観光庁のあり方(組織・人事)

・ 韓国では、交通と観光を別組織にしたところ、航空行政と観光行政との結びつきが以前に比べて弱くなってしまったが、そういうことにならないよう組織づくりを進めるべき。・ ビジネスと文化について人事面でのバランスが重要。・ 観光は映画や農業との関連もある総合産業であるから、関係省庁との人事交流を大事にすることが必要。

② 観光庁の業務の進め方(政策・目標・期待感)

・ 観光庁はビジネスとしての観光振興と政策課題としての観光振興の双方を重視すべき。・ 他省庁や自治体間の調整、情報の一元化など、横をつなぐコーディネーターとしての役割を期待。・ 各国の政府観光担当者を集めて、日本の観光政策を説明する機会を設けるべき。・ 交流拡大は今後も重要であり、観光庁は国民に対して海外旅行の重要性を強調すべき。・ アウトバウンドを増やすと国内旅行が減ると思いがちだが、そのような発想ではなく全体のパイを増やすという考え方でなければいけない。・ 観光政策は皆でやっていかなければならないので、観光庁は地方の味方とわかってもらわないといけない。・ 米国では州単位で面白い施策を行っており、各州の東京事務所と連携してみてはどうか。・ 観光庁では、旅行する機運を高めることが必要。・ 観光統計について、市町村レベルの統計まで同一の基準で整備すべき。・ 観光行政においては、費用対効果を計るためのベンチマークを自ら作ることが必要であり、海外在住の外国人を対象に「世界観光フォーラム」のようなものを開催したらどうか。

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ヒアリングでの指摘事項(外国人の方からのご意見)

③ 国際観光の振興

・ 日本のイメージ向上や対外発進力強化を図り、国際社会における地位の向上を目指すべき。・ 国のイメージを正しく伝えるため、自国のブランドをきちんと作ることが必要。・ 日本を広報するため、映画の撮影スポットやメジャーリーグで活躍している日本人選手などを活用すべき。・ 地方をもっと魅力的にアピールすべき。・ WEBも積極的に活用することが必要。・ インバウンドを増やすには旅行者へのビザの問題について検討すべき。・ 留学生の入学式・卒業式には家族が多く訪れるが、このような形態のツーリズムにも対応するため、家族の入国ビザについて観光庁が一括して窓口となるべき。・ 入管の対応について、審査の迅速化などの改善を図るべき。・ 地方との連携が必要。・ 地方のホスピタリティは国内旅行者向けとなっており、インバウンド増加のためには訪日外国人旅行者向けのホスピタリティ向上が不可欠。・ 観光施策を推進していくに当たっては、満足度向上につなげるため、外国人観光客の意見を聞くことが重要。・ 国内にいる外国人ステークホルダーを組織的に取り込むことが重要。・ 外国人による観光地監査のようなものがあれば良いのではないか。・ 日本の平和外交戦略の一環として、世界の観光に関する叡智を結集してスタンダードを作る場となるような国際会議を開催してはどうか。・ 中国と日本はもっと連携を深めるべき。

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ヒアリングでの指摘事項(外国人の方からのご意見)

④ 観光地づくり

・ 魅力ある観光資源づくりには選択と集中が必要。・ 観光する主体(消費者)の変化に合わせて観光地づくりを進めていくことが必要。

⑤ 人材育成

・ 大学は中立的立場で様々な活動ができるので、大学の人材についても、観光庁の情報収集・調査に活用すべき。・ リタイヤした人材をガイドなどの形で観光に関われるようにできないか。

⑥ 観光産業

・ 観光産業においても、環境への影響を最小限に抑えた取組みが重要。