朝鮮半島の非核化を考える(レジュメ) -...

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1 朝鮮半島の非核化を考える(レジュメ) 2009.7.17(金) 金栄鎬 日朝友好広島県民の会講演会 ☆主催者作成資料参照、★報告者作成資料参照 1 はじめに:朝鮮半島第 3 次核危機か? 4 5 日、北朝鮮「光明星 2 号」(「銀河 2 号」、テポドン 2 改良型)発射実験☆。 1998 8 月実験との差異と共通点;「人工衛星名目の弾道ミサイル」論の検討。 4 14 日、国連安保理議長声明「安保理決議第 1718 号に違反」⇒4 14 日、北朝 鮮外務省「安保理の行動基準に問題」「6 者協議に二度と絶対に参加しない」☆。 4 24 日、国連安保理、北朝鮮 3 社を制裁指定⇒北朝鮮外務省、 4 29 日「自衛的 核・ミサイル実験と軽水炉建設」☆;5 4 日「米国現政府は・・・前政府と少しも変 わりはない」☆。 5 25 日、北朝鮮が 2006 10 月に続く 2 回目の地下核実験☆。 6 2 日、労働新聞、米国の核政策の二重基準を批判☆⇒6 12 日、国連安保理決 議第 1874 号⇒6 13 日、北朝鮮外務省「プルトニウム全量を兵器化」「(軽水炉燃 料用)ウラン濃縮に着手」☆。 5 26 日、日米首脳電話会談☆;6 15 日、米韓首脳会談☆★;6 28 日、日韓首 脳会談☆:米国の「核の傘」保証と北朝鮮への制裁・封鎖。 「核の傘」の攻撃性;「東アジアの核ドミノ」を封じる「核の傘」保証。 7 4 日、北朝鮮が短・中距離ミサイル発射。 2 何が、なぜ、「失敗」しているのか? 前例-2006 10 月核実験:ブッシュ政権の対話拒否、圧力一辺倒政策の失敗。 2002 1 月「悪の枢軸」教書;同年同月、NPR(核態勢の見直し)で 7 つの核攻撃 目標に;2002 6 月ブッシュ「先制攻撃」ドクトリン。 ⇐ブッシュやライスなどが繰り返し「圧政国家」発言⇒2005 2 月、北朝鮮が「核保 有」宣言⇒2005 3 月、ライスが北朝鮮を「主権国家」「侵略しない」、同年 5 月ブ ッシュが「ミスター金正日」⇒2005 9 月、6 者協議 919 声明★⇒米国がマカオ の北朝鮮口座を凍結する金融制裁。 2006 10 月、米中朝 3 者協議で 6 者協議への復帰と金融制裁解除。 ネオコンと財務省による「金融制裁」の顛末。 2007 2 月、6 者協議で「初期段階措置」(凍結-補償)合意;2007 10 月、6 協議で「凍結-無能力化-廃棄」の 3 段階で合意。

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朝鮮半島の非核化を考える(レジュメ)

2009.7.17(金) 金栄鎬

日朝友好広島県民の会講演会

☆主催者作成資料参照、★報告者作成資料参照

1 はじめに:朝鮮半島第 3 次核危機か?

4 月 5 日、北朝鮮「光明星 2 号」(「銀河 2 号」、テポドン 2 改良型)発射実験☆。

※ 1998 年 8 月実験との差異と共通点;「人工衛星名目の弾道ミサイル」論の検討。

⇒4 月 14 日、国連安保理議長声明「安保理決議第 1718 号に違反」⇒4 月 14 日、北朝

鮮外務省「安保理の行動基準に問題」「6 者協議に二度と絶対に参加しない」☆。

⇒4 月 24 日、国連安保理、北朝鮮 3 社を制裁指定⇒北朝鮮外務省、4 月 29 日「自衛的

核・ミサイル実験と軽水炉建設」☆;5 月 4 日「米国現政府は・・・前政府と少しも変

わりはない」☆。

5 月 25 日、北朝鮮が 2006 年 10 月に続く 2 回目の地下核実験☆。

⇒6 月 2 日、労働新聞、米国の核政策の二重基準を批判☆⇒6 月 12 日、国連安保理決

議第 1874 号⇒6 月 13 日、北朝鮮外務省「プルトニウム全量を兵器化」「(軽水炉燃

料用)ウラン濃縮に着手」☆。

5 月 26 日、日米首脳電話会談☆;6 月 15 日、米韓首脳会談☆★;6 月 28 日、日韓首

脳会談☆:米国の「核の傘」保証と北朝鮮への制裁・封鎖。

※ 「核の傘」の攻撃性;「東アジアの核ドミノ」を封じる「核の傘」保証。

⇒7 月 4 日、北朝鮮が短・中距離ミサイル発射。

2 何が、なぜ、「失敗」しているのか?

前例-2006 年 10 月核実験:ブッシュ政権の対話拒否、圧力一辺倒政策の失敗。

⇐2002 年 1 月「悪の枢軸」教書;同年同月、NPR(核態勢の見直し)で 7 つの核攻撃

目標に;2002 年 6 月ブッシュ「先制攻撃」ドクトリン。

⇐ブッシュやライスなどが繰り返し「圧政国家」発言⇒2005 年 2 月、北朝鮮が「核保

有」宣言⇒2005 年 3 月、ライスが北朝鮮を「主権国家」「侵略しない」、同年 5 月ブ

ッシュが「ミスター金正日」⇒2005 年 9 月、6 者協議 9・19 声明★⇒米国がマカオ

の北朝鮮口座を凍結する金融制裁。

⇒2006 年 10 月、米中朝 3 者協議で 6 者協議への復帰と金融制裁解除。

※ ネオコンと財務省による「金融制裁」の顛末。

⇒2007 年 2 月、6 者協議で「初期段階措置」(凍結-補償)合意;2007 年 10 月、6 者

協議で「凍結-無能力化-廃棄」の 3 段階で合意。

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※ 凍結には補償とエネルギー支援、無能力化には関係正常化や軽水炉提供、核廃棄・

NPT 復帰には核放棄・安全保障などが対応。

⇒2008 年冷却塔の爆破、アルミ管サンプル提供、核稼働記録の申告。

今回-2009 年 5 月核実験:朝鮮半島非核化の「同時行動」原則からの逸脱。

・ 2008 年 6 月、北朝鮮が核計画書を申告、米国がテロ支援国リスト解除勧告(10 月

解除)。

・ 2008 年 7 月、検証は「凍結-無能力化-廃棄」のうち第 3 段階の「廃棄」における

同時行動として 6 者協議で合意★。

⇐2008 年 12 月、6 者協議の「決裂」、日米韓が一方的・前倒し検証(サンプル採取等)

を要求。

⇐2009 年 2 月、クリントン国務長官が「先核放棄・後関係正常化」発言★;2009 年 3

月、米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」。

⇐2009 年 3-5 月、北朝鮮、衛星発射と核実験に対する国連安保理の二重基準を批判☆。

北朝鮮の主張(2009 年 1 月 13 日、1 月 17 日)★:

・ 核問題は米国の敵対政策と核持ち込みが原因(北朝鮮の核開発が原因ではない)。

・ 米朝関係正常化を通した朝鮮半島の非核化、米朝敵対関係の清算と北朝鮮の核放棄。

米国の主張:

・ 6 月 6 日、オバマ大統領、「挑発に報酬を与える政策を続けるつもりはない」★。

・ 6 月 11 日、ホズワース北朝鮮政策特別代表、「未来の選択は北朝鮮にかかっている」

☆。

3 北朝鮮は「新たなゲーム」を始めたのか?

北朝鮮の「核抑制力」「戦争抑制力」論をどう見るか。

・ 米国が北朝鮮への武力行使を思いとどまる理由:D.オーバードーファーと W.J.ペリ

ーより★。

・ 北朝鮮外務省、2009 年 5 月 12 日「核を持つ相手には核だけが通じる」☆。

・ 質・量とも圧倒的に非対称(上下関係)の米朝核対立:C4I、誘導技術や命中精度や

探知・警報システム等々の不備⇒「核抑止」は当てはまるか?「核抑止」で安全が

図れるか?

北朝鮮の核=「外交カード」ではなく目的か?(Scot Snyder など)

・ 古いゲーム=「カード」ではなく、新たなゲーム=目的としての核保有?

・ 2005 年「核保有」宣言後、北朝鮮は「核保有国」自称、米国と「核軍縮会談」主張。

・ 金正日総書記の健康問題と後継問題、内政の必要から核とミサイルを選択?

⇒対話や譲歩では、「サラミ戦術」で北朝鮮が補償を手にするだけ、核を放棄しない?

依然として「核カード」論は有効?

※ 「カード」にたとえることの問題点(実態と異なる点)

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・ 2009 年 1 月 13 日、北朝鮮外務省スポークスマン談話、「米国の核脅威が除去され、

南朝鮮に対する米国の核の傘がなくなるとき、われわれの核兵器も不用となるであ

ろう。これがまさに朝鮮半島非核化であり、われわれの変わらぬ立場である。」★

・ 1994 年 10 月枠組み合意、2005 年 9 月 6 者協議声明などの違反★への不満、安全

保障の空約束では「手放せない」テコ。

北朝鮮「暴走」イメージ(侵略、攻撃、テロ支援、偽札、ハッカー、etc.)の検討。

・ 第 1 次危機から第 2 次危機の間の北朝鮮の行動の一定の合理性(予測可能性)。

・ 奇襲や先制が目的なら、予告や通知やデモンストレーションはやらない。

・ 北朝鮮の「軍事合理的」な生存行動としての核・ミサイル(「核抑制力」)。

・ イメージ操作の問題、政策・報道の検証の問題。

4 日米韓の対応の検討

オバマ大統領のプラハ演説(2009 年 4 月 5 日)★。

・ 戦略核の削減(合理化)、核兵器物質生産禁止条約、不拡散行動への制裁強化;2009

年内に START 後継条約、2010 年春に核安全国際会議、同年 5 月 NPT 再検討会議

*2009 年内に新 NPR(核体制見直し)。

・ 北朝鮮への脅威となる核削減は含まれていない。 *1991 年 9 月ブッシュ(父)の

地上配備戦術核全廃、1992 年 2 月チーム・スピリット中止との違い。

※ 「非核(不拡散)のための核抑止力や制裁の強化」の逆説。

李明博政権の対応。

・ 2008 年 2 月政権発足後、一貫性の不在で一貫:「太陽政策はバラマキ」⇆「基本的に

包容政策で行く」、「連携戦略は取らない」⇄「核放棄と経済協力を連携」、「米韓同盟

重視」⇄「相生共栄の南北関係」、etc.

・ 金大中、李明博政権下の「3 大危機」論(民主主義の危機、経済の危機、南北関係

の危機);5 月 24 日、盧武鉉前大統領の自殺★。

・ 5 月 27 日、PSI(拡散対抗構想)全面参加;6 月 2 日、バンカーバスター(地中貫

通爆弾)の来年度導入計画★;6 月 26 日、北朝鮮への先制攻撃力を向上させる国防

改革基本計画(~2020 年)★。

※ 「敵基地攻撃」と先制攻撃、「自衛」の恣意的判断の可能性。

・ 6 月 17 日、米韓首脳会談「未来同盟ビジョン」で「核の傘」の保証、北朝鮮を除く

「5 者協議」提案、及び自由民主主義と市場経済体制による統一★。

・ 7 月 7 日、李大統領「北朝鮮への資金協力が核保有に使われた」発言★、政策の選

択肢を自ら狭める。 *北朝鮮政策で割れる韓国世論★。

日本政府の対応。

・ 拉致問題で日本政府の内と外への二つの声;6 者協議エネルギー支援の拒絶。

・ 日本の核保有論(「核があれば攻められにくくなる」中川昭一、2006 年 10 月)の北

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朝鮮の「核抑制力」論との共通点、日本と北朝鮮の対米関係の差異。

・ 北朝鮮への独自制裁措置の延長と強化;次期「防衛計画の大綱」策定に向けた「敵

基地攻撃」論★-「座して自滅を待つ」論の大いなる飛躍。

・ オバマ演説への称賛と北朝鮮脅威論の併存、「被爆地の願い」と核不拡散のための核

抑止力維持の併存:アメリカの「ソフト・パワー」か? *非核 3 原則の抜け穴。

5 米朝核対立のジレンマから抜け出す道

危機打開のために求められる米朝協議と、二国間・多国間・グローバルの 3 層のロー

ドマップ。

核先制不使用、核による脅迫の不行使、核持ち込みの禁止、攻撃的連合作戦・合同演

習の中止。

脅威をめぐる相互関係(攻撃-防衛ジレンマ)への考慮、対立する双方の主張の比較

検討。

朝鮮半島の非核化と平和体制への「同時行動」は、「悪事」への「報酬」ではなく、北

東アジア諸国・市民の共通利益。

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朝鮮半島の非核化を考える(資料)

金栄鎬

2009.7.17 日朝友好広島県民の会講演会

米国が北朝鮮への武力行使を思いとどまった理由、1994年、1999年

・ ドン・オーバードーファー(菱木一美訳)、1998、『二つのコリア』共同通信社、369頁。

「朝鮮半島で戦争が勃発すれば、最初の 90 日間で米軍兵士の死傷者が 5 万 2 千人、韓国軍の死傷

者が 49 万人に上るうえ、北朝鮮側も市民を含めた大量の死傷者が出る見通しだ。財政支出も 610

億ドルを越えると思われるが、同盟国からの資金供給はほとんど期待できない。軍指導部の面 [々ペ

リー国防長官、シャリカシュビリ統合参謀本部議長、ラック在韓米軍総司令官]は、大統領にそう

話した。」

出所:http://kakujoho.net/susp/ntest.html#id25。

・ 米国の対北朝鮮政策に関する見直し:結論と提言、ウィリアム・J・ペリー大統領・国務長官特

別顧問(1999.10.12)。

「・・・われわれは、同盟国の軍隊が韓国領土を成功裡に防衛する能力と意志を有することを確信して

いる。われわれはまた、北朝鮮軍指導部もこのことを認識しており、その結果、攻撃を開始するこ

とが抑止されていると考える。

しかしながら、クウェートとイラクにおける「砂漠の嵐」作戦とは全く対照的に、朝鮮半島にお

ける戦争は、人口の密集地域で戦われることになる。非武装地帯周辺に100万人に上る北朝鮮軍が

配備されていることを考慮すると、朝鮮半島における新たな戦争は、米国にとって1950年から53

年までの朝鮮戦争以降経験したことのない激しいものになる。数十万人に上る米国、韓国、北朝鮮

の軍人と民間人が犠牲となり、数百万人もの難民が発生する可能性が高い。・・・」

出所:http://www.gensuikin.org/nw/perry_rep.htm、

原文は、http://www.state.gov/www/regions/eap/991012_northkorea_rpt.html。

R.ガルーチ、1994年10月米朝合意枠組みの履行の遅延理由、2005年

「・・・こうした数多くの困難ゆえに、米国は、本当は新たな軽水炉を建設する合意枠組みを履行する

つもりは全くなかったと推測する人々もいる。米国高官たちは北朝鮮が破産した経済と政治システ

ムの重圧で崩壊すると予測していたのだから、米国は北朝鮮の避けられない崩壊を期待し、ゆっく

り進めようとしていたという議論である。そうすれば、KEDOは新しい原子炉を建設する必要から

解放されるだろうというのである。原子炉を完成させる KEDO の義務を体制転換が代わってくれ

るかもしれないという可能性は、ワシントン、ソウル、東京の念頭にあった。しかし、そのような

考えは、合意枠組みに至る交渉を考案した広範囲な高級会合の期間中、米国の政策として決して支

持されてはいなかった。履行の遅れに関するよりよい説明は、マキアベリ的ではなく、ありきたり

のことである。つまり、合意枠組みは慢性的に不安定な政治的支えに苦しんでおり、米国とそのパ

ートナーはあまりに多くの実際上の困難に遭遇したのであった。・・・」

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出所:拙訳、Joel S. Wit, Daniel B. Poneman, and Robert L. Gallucci, 2005, Going Critical: The

First North Korean Nuclear Crisis, Washington, D.C.: Brookings Institution Press, p.374.

第4回六者会合に関する共同声明(仮訳)2005年9月19日 於:北京

第4回六者会合は、北京において、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、日本国、大韓民

国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国の間で、2005年7月26日から8月7日まで及び9月13日か

ら19日まで開催された。

武大偉中華人民共和国外交部副部長、金桂冠朝鮮民主主義人民共和国外務副相、佐々江賢一郎日

本国外務省アジア大洋州局長、宋旻淳大韓民国外交通商部次官補、アレクサンドル・アレクセーエ

フ・ロシア連邦外務次官及びクリストファー・ヒル・アメリカ合衆国東アジア太平洋問題担当国務

次官補が、それぞれの代表団の団長として会合に参加した。

武大偉外交部副部長が会合の議長を務めた。

朝鮮半島及び北東アジア地域全体の平和と安定のため、六者は、相互尊重及び平等の精神の下、

過去三回の会合における共通の理解に基づいて、朝鮮半島の非核化に関する真剣かつ実務的な協議

を行い、この文脈において、以下のとおり意見の一致をみた。

1. 六者は、六者会合の目標は、平和的な方法による、朝鮮半島の検証可能な非核化であることを

一致して再確認した。

朝鮮民主主義人民共和国は、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、並びに、核兵器

不拡散条約及び IAEA保障措置に早期に復帰することを約束した。

アメリカ合衆国は、朝鮮半島において核兵器を有しないこと、及び、朝鮮民主主義人民共和国に

対して核兵器又は通常兵器による攻撃又は侵略を行う意図を有しないことを確認した。

大韓民国は、その領域内において核兵器が存在しないことを確認するとともに、1992年の朝鮮半

島の非核化に関する共同宣言に従って核兵器を受領せず、かつ、配備しないとの約束を再確認した。

1992年の朝鮮半島の非核化に関する共同宣言は、遵守され、かつ、実施されるべきである。

朝鮮民主主義人民共和国は、原子力の平和的利用の権利を有する旨発言した。他の参加者は、こ

の発言を尊重する旨述べるとともに、適当な時期に、朝鮮民主主義人民共和国への軽水炉提供問題

について議論を行うことに合意した。

2. 六者は、その関係において、国連憲章の目的及び原則並びに国際関係について認められた規範

を遵守することを約束した。

朝鮮民主主義人民共和国及びアメリカ合衆国は、相互の主権を尊重すること、平和的に共存する

こと、及び二国間関係に関するそれぞれの政策に従って国交を正常化するための措置をとることを

約束した。

朝鮮民主主義人民共和国及び日本国は、平壌宣言に従って、不幸な過去を清算し懸案事項を解決

することを基礎として、国交を正常化するための措置をとることを約束した。

3. 六者は、エネルギー、貿易及び投資の分野における経済面の協力を、二国間又は多数国間で推

進することを約束した。

中華人民共和国、日本国、大韓民国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国は、朝鮮民主主義人民共和

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国に対するエネルギー支援の意向につき述べた。

大韓民国は、朝鮮民主主義人民共和国に対する 200 万キロワットの電力供給に関する 2005 年 7

月12日の提案を再確認した。

4. 六者は、北東アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力を約束した。

直接の当事者は、適当な話合いの場で、朝鮮半島における恒久的な平和体制について協議する。

六者は、北東アジア地域における安全保障面の協力を促進するための方策について探求していく

ことに合意した。

5. 六者は、「約束対約束、行動対行動」の原則に従い、前記の意見が一致した事項についてこれら

を段階的に実施していくために、調整された措置をとることに合意した。

6. 六者は、第五回六者会合を、北京において、2005 年 11 月初旬の今後の協議を通じて決定され

る日に開催することに合意した。

出所:日本・外務省HP、http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/6kaigo/ks_050919.html。

北朝鮮外務省談話の要旨 6カ国協議、2005年9月20日

【北京20日共同】北朝鮮外務省が20日、第4回6カ国協議の共同声明に関連して発表した談話

の要旨は次の通り。

一、軽水炉の提供なくして、われわれが既に保有している核抑止力を放棄する問題について論じ

ることはできない。

一、われわれは、米国が信頼づくりの基礎となる軽水炉を提供するのと同時に、核拡散防止条約

(NPT)に復帰して国際原子力機関(IAEA)と保障措置(査察)協定を締結、履行するだろう。

一、核問題解決の基本は、核の平和利用を実質的に認めるものとなる軽水炉を1日も早く提供す

ることだ。

一、米国が「核放棄が先、軽水炉提供は後」との主張を持ち出すなら、朝米間の核問題では変わ

るものは何もなくなり、その結果は極めて深刻で複雑になるだろう。

一、われわれはこれまで米国の強硬派を対象に政策を立てており、今後もそうする。

出所:http://www.fukushima-minpo.co.jp/news/syohou/CN2005092001001003.html。

石破茂・元防衛庁長官、麻生太郎・元外相の北朝鮮への「感謝」、2005-2006年

・ 「・・・私は戦争の危機があるのが常態、普通のことだと思っています。あまり楽しい発想っでは

ないでしょうが、そこの頭の切り替えをしなくてはいけません。その意味では、危機意識が国

民に高まってきたという点についてのみは、金正日様に感謝すべきなのかもしれません。」

出所:石破茂、2005、『国防』新潮社、31頁。

・ 「麻生太郎外相(65)は8日、広島市内で講演し、ミサイル発射で主要国の北朝鮮問題に対す

る関心が高まったとし「金正日(総書記)に感謝しないといけないのかもしれませんが」と発

言、直後に「冗談は抜きにして」と言い直した。

麻生氏は、自ら出席した先月のモスクワでの主要国(G8)外相会合について「G8 の関心は

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イランで(麻生氏が)北朝鮮の拉致、核、ミサイルが緊急だと言ったが、反応は鈍かった」と

指摘。「いきなりテポドンときたから『日本の言ったのはこの話か、結構えらいことになって

いたんだ』と如実に証明してもらった」と述べた。」

出所:http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20060708-57713.html。

ライス国務長官、ヘリテージ財団での米国のアジア政策講演、2008年6月18日

「・・・北朝鮮は、その核施設の稼動記録を詳しく記した1万9000ページ近くに及ぶ文書を米国に提

出しました。これは、北朝鮮の核開発計画に関する同国の主張の検証を始めるプロセスの重要な第

1歩です。北朝鮮が、確約した通り、核開発計画に関する申告を行った場合には、今回提出された

文書は、その他の文書の精査、関連施設の現地査察、主な人員への事情聴取と共に、その申告が本

当に正確かつ完全なものであるかどうかを検証する私たちの活動を助けることになります。

では、それと引き換えに私たちはこれまでに何を提供してきたのでしょうか。北朝鮮には多額の

経済援助を行っていません。貿易や投資も行っていません。また、北朝鮮は今も概して、国際金融

制度から孤立しています。私たちは、北朝鮮に対して安全保障も国交正常化もしていません。そし

て、最も重要な点として、私たちは、依然として北朝鮮に適用されている何ページにもわたる制裁

措置を解除していません。米国連邦議会が可決した多数の2国間制裁措置も、国連安全保障理事会

を通じて米国が当事国となっている多国間制裁措置も、どちらも解除していません。・・・

・・・北朝鮮が実際に生産したプルトニウムの量を検証するためには、記録がなければなりません。

その記録の多くはすでに北朝鮮が提供していますが、原子炉や使用済み核燃料プールへの立ち入り

も必要です。北朝鮮は、その立ち入りも認めると言っています。私たちが行ってきたことは、ある

意味で、検証や原子炉への立ち入りなど、第 3 段階で扱うことになっていた課題を前倒しして第 2

段階で対処したと言えます。その理由は、申告書が提出されれば、申告内容の検証が可能であるこ

と、そして、ある時点で何かおかしな点が見つかれば、相応の措置を講じるという理解に基き、一

定の期間にわたって検証することが重要になると分かっているからです。

核兵器そのものに関しては、私たちは第3段階の問題だと考えています。しかし、実際に生産さ

れたプルトニウムの量が明らかになれば、その行方についてより明確に把握できると私は考えてい

ます。・・・」

出所:駐日米国大使館HP、http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-20080618-50.html。

第6回六者会合に関する首席代表者会合のプレスコミュニケ、北京、2008年7月12日

第6回六者会合に関する首席代表者会合は、北京において、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民

共和国、日本国、大韓民国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国の間で、2008 年 7 月 10 日から 12 日

まで開催された。

武大偉中華人民共和国外交部副部長、金桂冠朝鮮民主主義人民共和国外務副相、齋木昭隆日本国

外務省アジア大洋州局長、金塾大韓民国外交通商部朝鮮半島平和交渉本部長、アレクセイ・ボロダ

フキン・ロシア連邦外務次官及びクリストファー・ヒル・アメリカ合衆国東アジア太平洋問題担当

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国務次官補が、それぞれの代表団の首席代表者として会合に参加した。

武大偉外交部副部長が、会合の議長を務めた。

六者は、共同声明の実施のための第二段階の措置における前向きな進展について高く評価し、こ

うした進展が北東アジアの平和と安定に貢献するとの点で一致した。六者は、第二段階の措置の完

全かつバランスのとれた実施について、重要なコンセンサスに達した。

1 六者は、2005 年 9 月 19 日に採択された六者会合に関する共同声明に従い、朝鮮半島の非核化

を検証するため、六者会合の枠組みの中に、検証メカニズムを設置することに合意した。

検証メカニズムは、六者の専門家により構成され、朝鮮半島の非核化に関する作業部会に対し

て責任を負う。

検証メカニズムの検証措置には、施設への訪問、文書の検討、技術者との面談、及び六者が合

意するその他の措置が含まれる。

必要な場合には、検証メカニズムは、国際原子力機関(IAEA)より関連する検証に対する助

言及び支援を受けることができる。

検証の具体的な計画及び実施は、コンセンサスの原則に従って、朝鮮半島の非核化に関する作

業部会により決定される。

2 六者は、六者会合の枠組みの中に、監視メカニズムを設置することに合意した。

監視メカニズムは、六者の首席代表者により構成される。

監視メカニズムの任務は、不拡散及び朝鮮民主主義人民共和国に対する経済及びエネルギー支

援を含め、六者それぞれが六者会合の枠組みの中で行った約束を尊重し履行することを確保する

ことである。

監視メカニズムは、六者が効率的と考える方法によって、その責務を遂行する。

六者の首席代表者は、適当な者に対して、その責務の遂行を委任することができる。

3 六者は、寧辺の核施設の無能力化並びに経済及びエネルギー支援に関する今後の日程を作成し

た。

朝鮮民主主義人民共和国による寧辺の核施設の無能力化、及び他者による朝鮮民主主義人民共

和国に対する残余の重油及び重油以外の支援は、並行して完全に実施される。

六者は、2008年10月末までに、朝鮮民主主義人民共和国に対する重油及び重油以外の支援を

完了するよう取り組む。

アメリカ合衆国及びロシアは、2008年10月末までに、朝鮮民主主義人民共和国に対する各々

の残余の重油支援分の供給を完了するよう取り組む。

中国及び大韓民国は、両者の残余の重油以外の支援の供給に関し、2008 年 8 月末までに、朝

鮮民主主義人民共和国との間で拘束力のある合意に署名するよう取り組む。

日本国は、環境が整えば、可能な限り早期に朝鮮民主主義人民共和国に対する経済及びエネル

ギー支援に参加する意向を表明した。

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朝鮮民主主義人民共和国は、2008年10月末までに、寧辺の核施設の無能力化を完了するよう

取り組む。

4 六者は、「北東アジアの平和及び安全に関する指針」に関する議論を継続することで一致した。

5 六者は、適切な時期に、六者閣僚会合を北京において開催することを改めて表明した。

6 六者は、2005 年 9 月 19 日の共同声明の実施のための第三段階の措置に関する初歩的な意見交

換を行った。

7 六者は、引き続き、六者会合プロセスを包括的に前進させること、及び北東アジア地域の永続

的な平和と安定のために取り組むことに合意した。

出所:日本外務省HP、

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/6kaigo/6kaigo6_skp2.html

「米国の核の脅威清算なしに核手放せない」朝鮮外務省スポークスマン、2009年1月13日

最近、米国で朝鮮半島非核化がまるでわれわれだけが核兵器を投げ出せば実現される問題かのよ

うに、世論をミスリードする誤った見解と主張が出てきている。

朝鮮半島の非核化を実現して東北アジアと世界の平和と安全を守ることは共和国政府の終始一貫

した政策である。

われわれの誠意ある努力によって、2005年9月19日、6者会談において朝鮮半島非核化を最終

目標と規定した共同声明が採択された。

会談参加国間での自主権尊重と関係正常化を通じて段階別に朝鮮半島を非核化すること、これが

共同声明の骨子である。

6 者は朝鮮半島の北半部ではなく全朝鮮半島を非核化することに合意し、このために米国はわれ

われとの敵対関係を清算し核の不使用を保障し、南朝鮮に核兵器がないようにするということなど

を公約した。

われわれが9.19共同声明に同意したのは、非核化を通じた関係改善ではなく、まさに関係正常化

を通じた非核化という原則的立場から出発したものである。

われわれが朝鮮半島を非核化しようとするのは、まず、過去半世紀の間持続されてきた、われわ

れに対する米国の核脅威を除くためである。

米国の対朝鮮敵対視政策とそれによる核の脅威によって、朝鮮半島核問題が生じたのであり、核

問題によって敵対関係が生じたのではない。

われわれが核兵器をまず放棄してこそ関係が改善されるということは、あべこべの論理であり、

9.19共同声明の精神に対するわい曲である。

共同声明に明示されているように全朝鮮半島の非核化は、徹底的に検証可能な方法で実現される

べきである。

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米国核兵器の南朝鮮搬入と配備、撤収の経緯を確かめられる自由な現場接近が保障され、核兵器の

再搬入や通過を正常に査察することのできる検証手順が用意されなければならない。

実践を通じて確証されたように、互いに信頼のない条件で9.19共同声明を履行することのできる

基本方法は「行動対行動」の原則を遵守することである。

検証問題でもこの原則が例外になりえない。

「行動対行動」の原則にしたがって非核化が最終的に実現される段階に至り、朝鮮半島全体に対

する検証が同時に行われなければならない。

米国の核脅威が除去され、南朝鮮に対する米国の核の傘がなくなるとき、われわれの核兵器も不

用となるであろう。

これがまさに朝鮮半島非核化であり、われわれの変わらぬ立場である。

米国の対朝鮮敵対視政策と核脅威の根源的な清算なしには、100 年を経てもわれわれが核兵器を

先に投げ出す事はないであろう。

敵対関係をそのままにして核問題を解決するには、全ての核保有国が一堂に会して同時に核軍縮

を実現する道しかない。

チュチェ98(2009)年1月13日 平壌

出所:総連、『コリアニュース』№276 (2009.1.15)、

http://www.chongryon.com/j/kr_news/k_news_back.html。

「米との関係正常化と核問題は別問題」朝鮮外務省スポークスマン、2009年1月17日

朝鮮外務省スポークスマンは 17 日、米国で、朝鮮との関係正常化が核放棄の見返りであるかの

ような誤った主張が出ていることに関して、朝鮮中央通信記者の質問に次のように答えた。

最近、米政府内で「朝鮮がまず核を放棄すれば関係正常化することができる」「関係正常化は完全

で検証可能な核放棄の前には不可能である」という主張が出ている。

これは関係正常化を、あたかもわれわれに与える贈り物であるかのようにみなす米国の大国主義

的な性質の発露であり、朝鮮半島核問題の本質に対する歪曲である。

米国が朝米関係正常化をわれわれの核放棄の見返り品と考えるなら、それは誤算である。

われわれが核兵器を作るようになったのは、米国との関係正常化や経済支援のようなものを望ん

でのことではなく、米国の核脅威から自らを守るためであった。

米国との関係正常化なしに生きていけても、核抑止力なしには生きていけないのが朝鮮半島の現

実である。

われわれは、米国との関係正常化がなくとも数十年を生きてきたのであり、今もびくともせず生

きている。

関係正常化と核問題は徹頭徹尾、別個の問題である。

われわれに渇望するものがあるなら、朝米関係正常化ではなく、わが民族の安全をより確かに守

るための核抑止力を強化することである。

朝鮮半島核問題は本質において、米国の核兵器対わが国の核兵器という問題である。

たとえ朝米関係が外交的に正常化されるとしても、米国の核脅威が少しでも残っている限り、わ

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れわれの核保有国としての地位はいささかも変ることはないであろう。

出所:総連、『コリアニュース』№277 (2009.1.19)、

http://www.chongryon.com/j/kr_news/k_news_back.html。

クリントン国務長官、アジア・ソサエティ演説 2009年2月13日

「・・・北朝鮮政府はすべての核兵器を放棄することと、早い時期にNPT条約に復帰する約束をして

きた。もし北朝鮮が彼らの核兵器計画を完全かつ検証可能な形で廃棄する準備が真にあるならば、

オバマ政権は二国間関係を正常化し、朝鮮半島の長く続く休戦協定を恒久的な平和協定に置き換え、

エネルギーやその他北朝鮮の人々が必要とする経済的な支援に応じるであろう。・・・」

出所:拙訳、米国務省HP、http://www.state.gov/secretary/rm/2009a/02/117333.htm。

バラク・オバマ大統領のフラチャニ広場(プラハ)での演説 2009年4月5日

・・・まず、米国は、核兵器のない世界に向けて、具体的な措置を取ります。冷戦時代の考え方に終

止符を打つために、米国は国家安全保障戦略における核兵器の役割を縮小し、他国にも同様の措置

を取ることを求めます。もちろん、核兵器が存在する限り、わが国は、いかなる敵であろうとこれ

を抑止し、チェコ共和国を含む同盟諸国に対する防衛を保証するために、安全かつ効果的な兵器を

維持します。しかし、私たちは、兵器の保有量を削減する努力を始めます。・・・

第 2 に、私たちは共に、協力の基盤として、核不拡散条約を強化します。・・・国際的な査察を強

化するための資源と権限の増強が必要です。規則に違反していることが発覚した国や、理由なしに

条約を脱退しようとする国が、即座に実質的な報いを受けるような制度が必要です。・・・

しかし、私たちは前進するに当たり、幻想を抱いてはいません。規則を破る国も出てくると思わ

れます。いかなる国であろうとも規則を破れば、必ずその報いを受けるような制度を整備する必要

があるのは、そのためです。

今朝、私たちは、こうした脅威に対処するための新しい、より厳格な手段が必要であることを、

改めて実感させられました。北朝鮮が再び規則を破り、長距離ミサイル用にも使うことが可能なロ

ケットの発射実験を行ったのです。この挑発行為は、行動を取ることの必要性を浮き彫りにしてい

ます。それは、本日午後の国連安全保障理事会での行動だけでなく、核兵器の拡散を阻止するとい

う決意の下に取る行動です。

・・・今こそ、国際社会が断固とした対応を取る時です。北朝鮮は、脅威と違法な兵器によって安全

保障と尊敬を勝ち取る道を切り開くことは決してできない、ということを理解しなければなりませ

ん。すべての国家が、より強力な国際体制を築くために協力しなければなりません。私たちが協力

して北朝鮮に圧力をかけ、方針を変更するよう迫らなければならないのはそのためです。・・・

最後に、私たちは、テロリストが決して核兵器を入手することがないようにしなければなりませ

ん。これは、世界の安全保障に対する、最も差し迫った、かつ最大の脅威です。1人のテロリスト

が核兵器を持てば、膨大な破壊力を発揮することができます。アルカイダは、核爆弾の入手を目指

す、そしてためらうことなくそれを使う、と言っています。・・・

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出所:駐日米国大使館HP、http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-20090405-77.html。

公開された金大中元大統領の盧武鉉追悼辞、2009年5月29日

「・・・私は今も忘れることができません。東橋洞でドイツの「シュピーゲル」紙とインタビューをし

ていると、秘書官から盧武鉉前大統領の逝去の消息を聞きました。その時私は、「体の半分が崩れた

みたいだ」と言いました。なぜその時、私がそのように表現したのか、考えてみます。

それは我々がともに生きてきた過去を振り返ってそうだというだけではありません。私は盧大統

領の生前に民主主義が再び危機に面している状況を見て、私たち二人が立ち上がらなければならな

い時が遠からずあるだろうと考えてきました。そんなときに亡くなられたので、そのように述べた

のです。

私は喪主の側から永訣式の追討辞の要請を受けて、ここの中で準備していました。ところが、そ

れはできませんでした。政府の方で反対したと聞きました。その時私は情けないとともに、そんな

ことをする政府に憐みを感じました。・・・

盧武鉉大統領、死んでも死なないで下さい。我々にはあなたが必要です。盧武鉉、あなたが我々

の心の中に生き続け、民主主義の危機、経済の危機、南北関係の危機、この3大危機をかき分けて

いく力になってください。・・・

盧武鉉大統領の逝去の消息に接し、われわれ国民は大変な衝撃を受け、弔問客が500万人に上り

ました。私はそれが恨(ハン)と恨の結合であると考えます。盧武鉉の恨と国民の恨が結合したの

です。・・・」

出所:拙訳、DJ-Road、

http://www.djroad.com/bbs/sub_zboard.php?id=djdata1&page=1&sn1=&divpage=1&sn=off&

ss=on&sc=on&select_arrange=headnum&desc=asc&no=412。

軍にレーザー誘導爆弾、有事に北核・地下施設爆破 2009/06/02 14:59 KST

【ソウル2日聯合ニュース】有事の際に北朝鮮の核施設や洞窟内の長射程砲など地下軍事施設を爆

破することができる、レーザー誘導地中貫通爆弾「GBU-28」数十発が導入される。軍消息筋が 2

日、「米国はこれまで戦略兵器に分類し国外輸出を厳格に統制してきた GBU-28 を韓国に販売する

ことを、最近承認した」と明らかにした。韓国軍は2010~2014 年の国防中期計画に購買計画を反

映したという。

米国は同じく戦略兵器とされる無人偵察機「グローバルホーク」の対韓販売も承認している。

GBU-28の販売まで認めたのは、北朝鮮が2度の核実験を行い長距離ミサイルも発射するなど、核

とミサイルの脅威が増していることに対応する意味合いがあり、韓米の信頼関係を表すものだと消

息筋は伝えた。韓国はグローバルホークの購買案も積極的に考慮しているという。

GBU-28 は米国が 1991 年の湾岸戦争の際に地下深くで指揮するイラク軍司令部を攻撃するた

めに設計した爆弾で、「バンカーバスター」とも呼ばれる。爆撃機などを利用して空中から投下し、

レーザーで目標物まで誘導すると、爆弾に装着された2000キログラムの弾頭は地下20~30メート

ルの深さまで貫通してから爆発する。全長3.8メートル、直径36.8センチメートル。韓国軍は戦闘

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機F-15Xに爆弾を装着する計画だ。

出所:連合ニュース、

http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2009/06/02/0200000000AJP20090602002100882.

HTML。

オバマ大統領とサルコジ大統領の共同プレス発言、2009年6月6日

問:イランと北朝鮮について両大統領に質問ですが、現在の政策は、北朝鮮とイランに核の野心へ

の時間を与えた以外、何をもたらしたでしょうか?

オバマ大統領:二つの国と彼らが何をやってきたのかを区別することが重要だと思います。この数

カ月の北朝鮮の行動は極めて挑発的であり、核実験とミサイル実験(大陸間能力を潜在的に持つ)

を行っている事実を平然と認めています。ですから、私たちは、挑発に報酬を与える政策を続け

るつもりはありません。6 者協議に参加してきた国々は、非常にはっきりと反対していますし、

現在、北朝鮮の行動を非難する明確な決議に取り組む過程にあります。この問題で中国とロシア

はかつてないほどに強力に対応しているのを見てとれます。北朝鮮の行動がいかに不安定をもた

らすかを彼らが認識している兆候があるからです。

私は常に外交アプローチを行使するのがよいと思っています。しかし、外交は、問題解決を試

みるのに別の厳しい方法を用いることを伴わなければなりません。北朝鮮からはそのような反応

が見られません。ですから、われわれの同盟国と6者協議に参加してきた国々と協議を続けます。

しかし、この問題がどのように進むのか、われわれは非常に厳しい見方をしています。そして、

北朝鮮が常に地域を不安定化させているのに、われわれが受動的に対応するだけという、北朝鮮

が行動を起こした後にそれに報奨を与えるという対応を単に続けることはありえません。

出所:拙訳、ホワイトハウスHP、

http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Remarks-by-President-Obama-and-President-Sa

rkozy-of-France-June-6-2009/。

自民党政務調査会 国防部会・防衛政策検討小委員会、「提言-新防衛計画の大綱について」(平成

21年6月9日)

「・・・強固な日米安保体制を前提とし、‘座して自滅を待つ’ことのないよう、弾道ミサイル防衛の

一環としての攻撃能力を確保。」(11頁)

「・・・専守防衛の範囲(予防的先制攻撃は行わない)で、日米の適切な役割を見出し、わが国自身に

よる敵ミサイル基地攻撃能力の保有を検討すべきである。」(11頁)

「武器輸出3原則等の見直し」(13頁)

出所:自民党HP、http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2009/pdf/seisaku-012.pdf。

* 首相が持ち出しているのは、鳩山一郎内閣当時の 1956 年 2 月、船田中防衛庁長官が鳩山首

相の答弁を代読し「誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能

である」と説明したことだ。政府はそれ以降、(1)急迫不正の侵害(2)攻撃を防ぐのに必

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要最小限度の措置(3)他に手段がない--の条件を満たせば、攻撃は自衛の範囲に含まれ

るとの解釈を採用してきた。

出所:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090601ddm003010154000c.html。

米韓同盟の共同ビジョン、2009年6月16日

・・・この同盟は21世紀の安全保障環境の変化に適応している。我々は、両国の安全保障の利益を

支持する同盟の利益に支えられながら、強固な防衛体制を維持する。米国の核の傘を含む拡大抑止

の継続した公約は、このような保証を強固にする。同盟再構築への両国の計画に先立ち、朝鮮半島

及び地域、そしてそれらを超えて継続する可能な駐韓米軍プレゼンスに支えられながら、韓国は連

合防衛で主導的な役割を果たすだろう。・・・

同盟を通して我々は、朝鮮半島の恒久平和と自由民主主義と市場経済の原則に基づく平和的統一

に至る、朝鮮半島の全民衆にとってよりよい未来を構築することを目的とする。我々は、北朝鮮の

核兵器と現存する核計画及び弾道ミサイル計画の完全かつ検証可能な廃棄を実現し、北朝鮮民衆の

基本的人権の尊重を増進するために、ともに取り組むであろう。・・・

出所:拙訳、ホワイトハウスHP、

http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Joint-vision-for-the-alliance-of-the-United-St

ates-of-America-and-the-Republic-of-Korea/

朝鮮メディア「核抑止力はいかなる者も脅かさない」、2009年6月17日

朝鮮「労働新聞」は17日に評論を発表し、「朝鮮が核抑止力を強化するのは自衛措置であり、い

かなる者も脅かさない。朝鮮は情勢が緊迫することを望んでいない」とした。新華社が伝えた。

「朝鮮半島情勢をどこに向かわせるか」と題されたこの評論の内容は以下の通り。

米国は最近朝鮮の核実験を理由に国連を操り、朝鮮に制裁を加える決議を採択し、朝鮮半島に未

曾有の対抗情勢をもたらした。それだけではなく、米国は駐韓、駐日米軍基地に無人偵察機・F-22

戦闘機など大量の新型兵器を配備し、韓日に対して「核の傘」を提供することを公言した。米国の

これらの挙動は、米国が現在あらゆる手段と方法を使い、朝鮮を軍事的に扼殺しようとたくらんで

いることを説明している。

現在の緊迫した情勢は、朝鮮の軍隊と人民に対し、警戒を高め、戦争抑制力を強めるよう要求す

るものだ。米国には、朝鮮を扼殺しようという野心を放棄し、理性的に行動するよう求める。

「労働新聞」は同日、「朝鮮が戦争抑制力を高めているのは、自国の安全を守るためだ」とする他

の評論を発表している。 (編集SN)

「人民網日本語版」 2009年6月18日

出所:http://j.people.com.cn/94474/6681331.html。

韓国・東アジア研究院(EAI)の世論調査、2009年6月5日、20日

太陽政策に対する選好(%)

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出所:拙訳、EAI(東アジア研究院)『世論ブリーフィング第47号』、1頁、12頁。

望ましい韓米関係の選好の変化(2月-6月)

出所:拙訳、EAI(東アジア研究院)『世論ブリーフィング第47号』、10頁。

現在の全般的な安保状況(6月5日調査)

現在の全般的な安保状況(6月20日調査)

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出所:拙訳、EAI(東アジア研究院)『世論ブリーフィング第47号』、8頁;同『世論ブリーフィン

グ第48号』、2頁。

国防部が中期計画発表、2014年北核防護施設構築 2009/07/03 16:27 KST

【ソウル 3 日聯合ニュース】国防部は 3 日、178 兆ウォン(約 13 兆 4800 億円)規模の「2010~

2014年国防中期計画」を発表した。

まず、北朝鮮の核攻撃に備え、事業費 1000 億ウォンを投じ、青瓦台(大統領府)と軍基地など

国家戦略施設に電磁パルス被害を防ぐ防護システムを構築する。来年度に施設設計予算 60 億ウォ

ンが反映された。電磁パルスは核爆発などで発生する電磁波で、コンピューターや通信機器をまひ

させる。20キロトン級の核兵器が爆発すれば、100キロメートル以内の通信機器や半導体などが破

壊され、一部指揮統制機能が停止することになる。

また、米国の高高度無人偵察機グローバルホークを 2015 年ごろ導入することを決め、事業着手

予算 80 億ウォンを来年度予算に反映した。グローバルホークは合成開口レーダー(SAR)や赤外

線探知機器などを搭載し、20キロメートル上空から地上の0.3メートルほどの大きさの物体を識別

できる、偵察衛星レベルに迫る戦略兵器。

北朝鮮の長射程砲基地、地下核施設を破壊できる地中貫通爆弾「GBU-28」数十発も来年導入す

ることを決め、予算640億ウォンを反映した。射程400キロメートル余りの統合空対地スタンドオ

フミサイル(JASSM)も来年米国から導入する計画だ。

このほか、ミサイル発射兆候を早期に探知する弾道弾早期警報レーダー事業に 2695 億ウォン、

衛星利用測位システム(GPS)が組み込まれた誘導弾「JDAM」事業に841億ウォン、レーザー誘

導弾「GBU-24」事業に712億ウォンを、それぞれ投じる計画だ。

さらに、北朝鮮の核・ミサイル基地で発生する特定信号音をとらえることができる新型装備を

2016年までに100億ウォンを投じて導入し、現在運用中の「白頭」偵察機(通信・信号情報収集)

に搭載する。

国防部のチャン・ギユン戦略政策官は、北朝鮮の脅威に備える戦力を優先的に確保し、国防化学

技術力を強化するため、国防 R&D(研究・開発)投資費をことしの 5.9%から 2014 年には 7.4%

まで拡大すると説明した。今回の中期計画で、300余りの防衛力改善事業に国防費の33%に相当す

る59兆ウォンを投じ、滞りなく展開していくと述べた。

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出所:連合ニュース、

http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2009/07/03/0900000000AJP20090703002600882.

HTML。

“北に10年間 あげたお金 核武装利用疑惑” 2009年07月09日

原文入力:2009-07-09午前01:20:24

イ大統領, 外信インタビューで北韓刺激強硬発言

‘最終責任者の大統領発言として不適切’批判

ファン・ジュンボム記者,ソン・ウォンジェ記者,イ・ジョンエ記者

イ・ミョンバク大統領が7日外信インタビューを通じて以前より更に一層強硬な対北刺激性発言

を吐き出した。

ヨーロッパ 3 ヶ国を歴訪中のイ大統領はこの日ヨーロッパの有力ニュース専門チャンネル<ユー

ロニュース>と行ったインタビューで「(過去政府が)去る 10 年間に莫大なお金を支援したが、その

金が北韓社会の開放を助けるのに使われず核武装をするのに利用されたという疑惑が起きている」

と話した。

国民の政府と参加政府の時になされた対北支援が核兵器開発に‘専用’されたという保守層一部の

‘むやみに与えること’疑惑を大統領が直接立ち上がって公式化したものだ。去る 3 月 30 日<ファイ

ナンシャル タイムズ>と行ったインタビューで「去る 10 年間、北韓をたくさん支援したにもかか

わらず北韓は結果的に核兵器を作った」と明らかにしたことよりも強度が高かった。このために大

統領にまかされた南北関係最終管理者としての責務に対する考慮が足りない事実上の‘南北関係放

棄’宣言という批判が出ている。

イ大統領はまた‘金正日北韓国防委員長をどのように評価するか’という質問に「事実、最も閉鎖さ

れた社会の指導者」と否定的に答えた。それと共に「すべての国が開放化と国際共助を通じて発展

しているのに北韓は完ぺきに閉鎖された私たちとしてはよく理解しがたい地球上の唯一の国」と付

け加えた。

イ大統領は「私たちは国連制裁のような国際共助を通じて北韓が積極的に対話に応じるようにし

ている」とし、圧迫を通じて北韓を対話に引き出すという意志を明確にした。彼は「中国,ロシアが

堅固に歩調を合わせれば北韓を対話のテーブルに呼び出すことができる」と強調した。

イ大統領の発言の後、キム・ウンヘ大統領府副報道担当者は「イ大統領の発言は既に維持してき

た対北政策基調と変わることがない」として「ただし北韓を非核化交渉テーブルに引き出すのは難

しいことや不可能ではないと話した点に照らしてみる時、より柔軟で弾力的な対北政策基調が維持

されること」としながら波紋縮小に出た。

しかし金剛山観光など北に金が行く南北協力事業は進展させないという現政権の内心を大統領が

直接表わしたものではないかという指摘が多い。キム・ヨンチョル ハンギョレ平和研究所長は「保

守的扇動を目的にした‘むやみに与えること’論を大統領が公式化したことで今まで出てきた対北発

言中で最悪」と評価した。パク・チウォン民主党議員は「金大中,盧武鉉政府で人道的支援を行い商

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業ベースで取り引きされたことが核開発費用に使われたとすれば 1994 年金泳三政府の時に北韓が

行った核開発とミサイル発射はどのように説明するのか」と問い直した。参加政府で統一部長官を

務めたチョン・ドンヨン議員は「去る 10 年間、政府次元で北韓に現金を与えた事実はなく、砂や

鉱物,労働力など貿易決済が大部分だった」として「(イ大統領の発言は)貿易もしないというような

南北交流協力廃棄宣言」と批判した。

大統領がいつかは対話相手になりえる北韓最高指導者を刺激する言及を直接行ったことも不適切

だったという批判が出ている。安保分野の前職高位当局者は「すでにイ政府が行動で示している南

北関係無視基調を大統領が言葉で確認したに過ぎない」としつつも「参謀らと調整もできていない

ようなメッセージが最終責任者の大統領の口を通じて出てくる状況にうんざりする」と話した。

ワルシャワ/ファン・ジュンボム,ソン・ウォンジェ,イ・ジョンエ記者 jaybee@hani.co.kr

原文: http://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/364686.html 訳J.S

出所:http://blog.livedoor.jp/hangyoreh/archives/706226.html