しょうがいしゃさべつおもじれいしゅう障害者差別にあたる ... ·...

障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

にあたると思おも

われる事例集じれいしゅう

平成へいせい

24年ねん

２月がつ

長崎県ながさきけん

目次もくじ

はじめに ····································································· 1


差別さべつ

に関かん

する作文さくぶん

・みんな心こころ

はつながっている·················································· 3

・わたしの宝物たからもの

······························································ 4

・ヒーローから学まな

んだこと······················································ 6


差別さべつ


われる事例じれい

・福祉ふくし

······································································· 9

・医療いりょう

······································································10

・教育きょういく

······································································11

・労働ろうどう

······································································12

・住宅じゅうたく

······································································13

・建築物けんちくぶつ

・交通こうつう

等とう

····························································14

・サービス提供ていきょう

······························································15

・情報じょうほう

······································································16

・政治せいじ

・行政ぎょうせい

・司法しほう

··························································17

・その他た

····································································18

社会しゃかい

モデルの考かんが

え方かた

と障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

·············································19

相談そうだん

窓口まどぐち

等とう

··································································21

編集へんしゅう

後記こうき

····································································22

1

はじめに

平成へいせい

１８年ねん

に国連こくれん

総会そうかい

本ほん

会議かいぎ

において「障害者しょうがいしゃ

の権利けんり

に関かん

する条約じょうやく

」（仮称かしょう

）

が採択さいたく

され、わが国くに

も平成へいせい

１９年ねん

に同条約どうじょうやく

に署名しょめい

するとともに、同条約どうじょうやく

の締結ていけつ

に必要ひつよう

な国内法こくないほう

の整備せいび

を始はじ

めとする、我わ

が国くに

の障害者しょうがいしゃ

に係かか

る集中的しゅうちゅうてき

な改革かいかく

を

行おこな

い、障害者しょうがいしゃ

施策しさく

の総合的そうごうてき

かつ効果的こうかてき

な推進すいしん

を図はか

るため、障害しょうがい

のある人ひと

等など

で

構成こうせい

する「障しょう

がい者しゃ

制度せいど

改革かいかく

推進すいしん

会議かいぎ

」において、障害者しょうがいしゃ

に係かか

る制度せいど

の抜本的ばっぽんてき

な改革かいかく

と基盤きばん

の整備せいび

に向む

けた検討けんとう

が行おこな

われております。

平成へいせい

２３年ねん

８月がつ

には同どう

推進会議すいしんかいぎ

の検討けんとう

を踏ふ

まえ、「障害者しょうがいしゃ

基本法きほんほう

」が一部いちぶ

改正かいせい

され、障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

の禁止きんし

を基本きほん

原則げんそく

とし、障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

対策たいさく

に向む

けた国くに

及およ

び

地方公共団体ちほうこうきょうだんたい

の責務せきむ

が規定きてい

されました。

また、「障害者差別禁止法しょうがいしゃさべつきんしほう

」（仮称かしょう

）制定せいてい

についても、平成へいせい

２５年ねん

の通常国会つうじょうこっかい

への法案提出ほうあんていしゅつ

を目指めざ

し作業さぎょう

が進すす

められているところです。

このような中なか

、長崎県ながさきけん

では、「障害しょうがい

のある人ひと

もない人ひと

も共とも

に地域ちいき

で暮く

らす

“共生きょうせい

社会しゃかい

”の実現じつげん

」を基本きほん

理念りねん

とした、「改訂かいてい



基本きほん

計画けいかく

」を平成へいせい

２１年度ねんど

に策定さくてい

し、この中なか

で障害しょうがい

を理由りゆう

とした差別さべつ

がないよう正ただ

しい知識ちしき

の

理解りかい

と普及ふきゅう

を促うなが

すための啓発けいはつ

・広報こうほう

に努つと

めるとしています。

この障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

禁止きんし

に向む

けた取組とりくみ

の一環いっかん

として、このほど「障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

に

あたると思おも

われる事例集じれいしゅう

」を作成さくせい

いたしました。

この事例集じれいしゅう

の作成さくせい

にあたっては、県民けんみん

の皆様方みなさまがた

から１５６事例じれい

のご応募おうぼ

をい

ただき、この中なか

から１０分野ぶんや

に分類ぶんるい

して、差別さべつ

と思おも


を掲載けいさい

しており

ます。

また、冒頭ぼうとう

には障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

に関かん

する作文さくぶん


しております。

2

この冊子さっし

が、障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

について考かんが

える機会きかい

となることで、障害しょうがい

について

の理解りかい

が深ふか

まり、障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

のない“共生きょうせい

社会しゃかい


に寄与きよ

することを願ねが

っ

て止や

みません。

最後さいご

に事例集じれいしゅう

の作成さくせい

にあたり、ご応募おうぼ

をいただいた県民けんみん

の皆様みなさま

をはじめ、貴重きちょう

なご意見いけん

をいただきました長崎県ながさきけん


施策しさく

推進協すいしんきょう

議会ぎかい

の委員いいん


に深ふか

く

感謝かんしゃ

を申もう

し上あ

げます。


福祉保健部長ふくしほけんぶちょう

※この冊子さっし

に掲載けいさい

されている事例じれい

は、障害しょうがい

のある方かた

やそのご家族かぞく

をはじめとし

た方々かたがた

の意見いけん


したものであり、実際じっさい

に差別さべつ

に当あ

たるか否いな

かについては

事例じれい

ごとの検討けんとう

が必要ひつよう

となります。

※この冊子さっし

に掲載けいさい


の中なか

には、長崎ながさき

県内けんない

から応募おうぼ

された事例じれい

のほ

か、内閣府ないかくふ

、千葉県ちばけん

、熊本県くまもとけん

が募集ぼしゅう

した事例じれい

も掲載けいさい

しています。

3

長崎市立飽浦ながさきしりつあくのうら

小学校しょうがっこう

６年ねん

中武なかたけ

紗希さき

みんな心こころ

はつながっている

私わたし

は、「障害者しょうがいしゃ

」という言葉ことば

が気き

になって辞書じしょ

で調しら

べてみました。すると、

『身体しんたい

の一部いちぶ

に正常せいじょう

に機能きのう

しないところがある人ひと

』とのっていました。私わたし

は、

このことについておかしいと思おも

いました。人間にんげん

をロボットのように機能きのう

しない

というふうに言い

うことは、変へん

に感かん

じます。そして、正常せいじょう

とはどういう人ひと

なのか

疑問ぎもん

に思おも

います。

私わたし

の親戚しんせき

に自閉症じへいしょう

のお兄にい

さんがいます。そのお兄にい

さんは、仕事しごと

もしているし、

一人ひとり

で旅行りょこう

に行い

ったことがあるし、お金かね

の管理かんり

もできて、普通ふつう

のくらしをして

います。お兄にい

さんは、いつもニコニコしていてやさしく明あか

るいので、私わたし

やみん

なにいつも元気げんき

をくれます。だから私わたし

は、お兄にい

さんのことを一度いちど

も障害者しょうがいしゃ

と思おも

ったことがありません。少すこ

し会話かいわ

が苦手にがて

なだけで、私わたし

たちと何なに

も変か

わりはあり

ません。

街まち

でよくお兄にい

さんのような人ひと

たちに会あ

うことがあります。母はは

はその人ひと

たちに

自然しぜん

に話はな

しかけます。その人ひと

からは、言葉ことば

は返かえ

ってきませんが、ちゃんと聞き

い

ていると私わたし

はいつも思おも

います。母はは

やその人ひと

たちの顔かお

を見み

ていると、たとえ話はなし

が

できなくても、心こころ

はつながっていて相手あいて

の気持きも

ちが分わ

かっているのだと思おも

いま

す。障害者しょうがいしゃ

だからといって関係かんけい

はないのです。

私わたし

たちが英語えいご

を外国人がいこくじん

に伝つた

えるために少すこ

しの言葉ことば

で表現ひょうげん

したり、身み

ぶり手て

ぶりで相手あいて

に伝つた

えようとするのは、お兄にい


たちが、日本語にほんご

をとぎ

れとぎれに話はな

したりするのといっしょではないかと思おも

います。

だから私わたし

は、お兄にい


たちを「障害者しょうがいしゃ


では呼よ

びた

くありません。「障害者しょうがいしゃ


は、同おな

じ人間にんげん

を差別さべつ

していると思おも

います。

みんな同おな


なのに、「障害者しょうがいしゃ

」だと、決き

めつけているようで、差別さべつ

してい

ると思おも

います。人間にんげん

はみんな心ごころ

はつながっているのです。たとえ話ばなし

ができな

くても、心こころ

では会話かいわ

をできるのではないかと私わたし

は思おも

います。

（平成へいせい

２３年度ねんど


入選にゅうせん

作品さくひん

）

4

つくば市立しりつ

手代木てしろぎ

南みなみ

小学校しょうがっこう

６年ねん

原市はらいち

紘奈ひろな

わたしの宝物たからもの

わたしの体からだ

に障害しょうがい

があることがわかったのは、二才にさい

のときでした。脳のう

の神経しんけい

の病気びょうき

のために、足あし

がうまく動うご

かないのです。

そのため、歩ある

くときに、大おお

きく肩かた

がゆれたり、速はや

く走はし

れなかったりします。

学校がっこう

からの帰かえ

り道みち

、向む

こうから歩ある

いてきた中学生ちゅうがくせい

のグループに、私わたし

の歩ある

き方かた

をまねされ、こそこそと話はなし

をされたことがありました。休やす

みの日ひ

に出で

かけると、

まわりの人ひと

にじろじろと見み

られることには、慣な

れていたつもりでしたが、さす

がに、くやしくて、悲かな

しくて、泣な

きそうになりました。

そのとき、一緒いっしょ

にいた友とも

だちが、

「あんなことするなんて、ひどいよね。許ゆる

せない！」

と、自分じぶん

のことのように怒おこ

ってくれたのです。わたしには、こんないい友とも

だち

がいるのだと心こころ

から思おも

いました。

クラスでドッジボール大会たいかい

をすることになったとき、「紘奈ひろな

ちゃんには当あ

て

ない」という特別とくべつ

ルールを作つく

ろうと言い

う提案ていあん

がありました。ほとんどの子こ

が、

「いいね、いいね」

と、賛成さんせい

しそうになりました。でも、わたしは、内心ないしん

、

「ええっ。困こま

ったなあ。当あ

てられないなんて、ドッジボールじゃないよ。どう

しよう」

と思おも

っていました。

そのとき、ある男おとこ

の子こ

が、さっと立た

ち上あ

がり、

「それじゃあ、紘奈ひろな

ちゃんは、つまらないと思おも

います。みんなと一緒いっしょ

にやった方ほう

が、楽たの

しいと思おも

います」

と言い

ってくれたのです。わたしも思おも

いきって、

「みんなと同おな

じようにやらせてください」

と伝つた

えることができました。みんなと同おな

じルールでやったドッジボールは、本当ほんとう

に楽たの

しかったです。

わたしのことを助たす

けてくれる友とも

だち、わたしの立場たちば

に立た

って考かんが

えてくれる友とも

だち、そんな友とも

だちがわたしの周まわ

りには、たくさんいます。

先生方せんせいがた

も、わたしが困こま

ることはないか、みんなとなるべく一緒いっしょ

にできる方法ほうほう

は

ないか、いつも考かんが

えてくださっています。

5

そのおかげで、これまでの小学校しょうがっこう

生活せいかつ

をとても楽たの

しく過す

ごすことができ、

感謝かんしゃ

の気持きも

ちでいっぱいです。

わたしを支ささ

えてくれる周まわ

りの人ひと

たちは、わたしにとって、かけがえのない

宝物たからもの

です。その宝物たからもの

の輝かがや

きに負ま

けないよう、自分じぶん

自身じしん

を輝かがや

かせていきたい

と思おも

います。


１８年度ねんど

内閣府ないかくふ


作品さくひん

）

6

岡山おかやま

県立けんりつ

岡山おかやま

操山そうざん

高等学校こうとうがっこう

２年ねん

田中たなか

達也たつや

ヒーローから学まな

んだこと

僕ぼく

は、生う

まれつきの脳性のうせい

マヒのため、足あし

に軽かる

い障害しょうがい

がある。車椅子くるまいす

や松葉杖まつばづえ


というわけではなく、足あし

の動うご

きが普通ふつう

の人ひと

とは違ちが

うため、筋肉きんにく

や関節かんせつ

に

負担ふたん

がかかりやすいのである。

「それなら特とく

に苦労くろう

はしないのでは」と言い

われるかもしれない。しかし、案外あんがい

大変たいへん

なこともあった。

小しょう

、中学生ちゅうがくせい

時代じだい

、僕ぼく

は体育たいいく

が大だい

の苦手にがて

だった。というのも、特とく

に小学生しょうがくせい

時代じだい

は、ほとんどの人ひと

が「障害しょうがい

＝重度じゅうど

障害しょうがい

」のイメージを持も

っているため、僕ぼく

は

「運動うんどう

音痴おんち

」として見み

られていた。いくら「僕ぼく

は足あし

が悪わる

い」と言い

っても言い

い訳わけ

と

しかとらえられず、授業中じゅぎょうちゅう

に罵声ばせい

を浴あ

び、教師きょうし

からも叱しか

られる始末しまつ

。しだい

に僕ぼく

は、激はげ

しい自己じこ

嫌悪けんお

に陥おちい

り、どんどん孤独こどく

になっていった。

そんなつまらなくて暗くら

い毎日まいにち

の中なか

に、突然とつぜん

現あらわ

れたやつがいる。東京とうきょう

からの

転校生てんこうせい

で、運動うんどう

ができて頭あたま

もいい、人ひと

を引ひ

きつける力ちから

を持も

っている人気者にんきもの

、彼かれ

が僕ぼく

の憧あこが

れとならないはずがなかった。

何なん

とか彼かれ

に近ちか

づきたかった。初はじ

めて「友とも

達だち

になりたい」という感情かんじょう

が生う

まれ

た。勇気ゆうき

をふりしぼって言い

った「一緒いっしょ

に遊あそ

ぼう」の言葉ことば

、「いいよ」と笑わら

った彼かれ

の笑顔えがお

が今いま

も脳裏のうり

にしっかりと刻きざ

まれている。

その秋あき

、クラス対抗たいこう

で球技きゅうぎ

大会たいかい

が開催かいさい

されることとなった。種目しゅもく

はサッカー。

一番いちばん

苦手にがて

なこの種目しゅもく

だったが、無論むろん

「参加さんか

できない」と言い

えるはずがなかった。

試合しあい

が終盤しゅうばん

に差さ

しかかって、僕ぼく

の足あし

に疲つか

れが出で

てきた。痛いた

みをおして走はし

って

いる僕ぼく

に、彼かれ

はさりげなく声こえ

をかけた。

「足あし

悪わる

いんだろ、無理むり

はするなよ」

さらに続つづ

ける。

「もしボールが来き

たら、僕ぼく

の所ところ

へ蹴け

ってくれ。最後さいご

はまかせろ」

数分後すうふんご

、そのボールが僕ぼく

の所ところ

へ来き

た。反射的はんしゃてき

に彼かれ

の所ところ

へ蹴け

り込こ

み、彼かれ

はシ

ュートを放はな

った。これが決勝点けっしょうてん

になった。

試合しあい

直後ちょくご

、彼かれ

は言い

った。

「やればできるじゃん、すごかったなあ、自信じしん

もてよ、これからもたのむぜ」

僕ぼく

が今いま

までの人生じんせい

で一番いちばん

嬉うれ

しかった瞬間しゅんかん

だった。この瞬間しゅんかん

、今いま

まで自己じこ

嫌悪けんお

を繰く

り返かえ

してきた自分じぶん

が馬鹿馬鹿ばかばか

しくなった。

7

今いま

思おも

えば、彼かれ

の存在そんざい

が僕ぼく

の転機てんき

だった。初はじ

めて家いえ

に呼よ

んだ友達ともだち

も彼かれ

だった。初はじ

めて一緒いっしょ

に飯めし

を食く

ったのも彼かれ

だった。僕ぼく

は彼かれ

に救すく

われ勇気ゆうき

づけられた。彼かれ

のお

かげで僕ぼく

は、学校がっこう

生活せいかつ

のうえでの暗くら

い日々ひび

から脱出だっしゅつ

することができたのだ。

「障害しょうがい

のある人ひと

とない人ひと

の心こころ

のふれ合あ

いの体験たいけん

」この一節いっせつ

を見み

た瞬間しゅんかん

、彼かれ

が

浮う

かんだ。

言い

い換か

えれば、彼かれ

との学校がっこう

生活せいかつ

、彼かれ

と仲なか

よく遊あそ

んだ日々ひび

、そのなかで僕ぼく

は彼かれ

と

「ふれあって」いたのだ。一緒いっしょ

に過す

ごした時間じかん

や日々ひび

そのものが「ふれあい」

なのである。

昔むかし

から消き

えない差別さべつ

のひとつに障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

がある。その典型てんけい

となるのは

「侮辱ぶじょく

」である。


にとって、自分じぶん

の障害しょうがい

を侮辱ぶじょく

されるのは一番いちばん

辛つら

いことであり、その

ダメージは計はか

り知し

れない。このような「言葉ことば

の暴力ぼうりょく

」は、障害者しょうがいしゃ

との「ふれ

あい」の機会きかい

の不足ふそく

によって起お

こり得う

るものであると思おも

う。


への「言葉ことば

の暴力ぼうりょく

」というのはたいてい、侮辱ぶじょく

した側がわ

にはたいして

悪意あくい

はない、ただ、障害者しょうがいしゃ

との「ふれあい」が不足ふそく

していて、障害者しょうがいしゃ

を熟知じゅくち

し

ていないために、その言葉ことば

がどれだけ相手あいて

にダメージを与あた

えるのかわからない

のである。「このぐらい言い

ってもいいや」という感覚かんかく

でどんどん心こころ

に傷きず

をつけ

ていく。ダメージを与あた

えているとは知し

らずに。

彼かれ

は、東京とうきょう

の学校がっこう

で、車椅子くるまいす

の少年しょうねん

が友人ゆうじん

のひとりにいた。その経験けいけん

から、

僕ぼく

に対たい

しても、さりげなく言葉ことば

を選えら

んで発言はつげん

しているのがわかった。

作文さくぶん

を書か

くにあたり、彼かれ

に意見いけん

を求もと

めた。

「障害者しょうがいしゃ

は、歩ある

くとか、物もの

を見み

るとかいう基本的きほんてき

なことができないけど、でき

ないことがあるのは他ほか

の人ひと

だって一緒いっしょ

だよね。自分じぶん

のできないことをいろいろ

言い

われたらやっぱり傷きず

つくでしょう。それと同おな

じなんだよ」

感銘かんめい

を受う

けた、まさしくその通とお

りなのである。障害者しょうがいしゃ

は、短所たんしょ

のひとつが

『表面化ひょうめんか

』しているだけで、障害しょうがい

のない人ひと

と同おな

じように、長所ちょうしょ

もあれば短所たんしょ

も

ある、同おな


なのである。障害者しょうがいしゃ

とのふれ合あ

いを通とお

してこのことに気付きづ

くこ

とができたら、差別さべつ

はまちがいなく減へ

っていくだろう。肝心かんじん

なのは「慣な

れる」

ことである。

これが、僕ぼく

が、僕ぼく

を救すく

ってくれたヒーローとのふれ合あ

いを通とお

して学まな

んだこと

である。


１８年度ねんど

内閣府ないかくふ


作品さくひん

）

9


差別さべつ



○通所つうしょ

の場ば

で、障害しょうがい

のある人ひと

の声こえ

が大おお

きいということで近所きんじょ

から苦情くじょう

があ

った。そのとき、「こういう人ひと

たちの作業所さぎょうしょ

は、こんな街中まちなか

ではなく、も

っと遠とお

い広ひろ

いところに作つく

るべきだ。」と言い

われた。

○３人目にんめ

を妊娠にんしん

しているときに保育所ほいくしょ

の申もう

し込こ

みに行い

ったら福祉ふくし

事務所じむしょ

の

窓口まどぐち

で「障害児しょうがいじ

がいるのになぜもう一人ひとり

産う

むのか。次つぎ

の子こ

も障害児しょうがいじ

かも

しれないのに。」と非難ひなん

された。

○作業所さぎょうしょ

の職員しょくいん

の中なか

には、人前ひとまえ

で暴言ぼうげん

を用もち

いて叱しか

ったり、重度じゅうど


は

入所にゅうしょ

させないなど、障害者しょうがいしゃ

への差別さべつ

軽蔑けいべつ

の言葉ことば

を平気へいき

で使つか

い、人権じんけん

無視むし

する人ひと

がいる。

○保育所ほいくしょ

の面接めんせつ

時じ

、「腐くさ

った魚さかな

のような目め

をしている。障害児しょうがいじ

の母はは

は働はたら

か

ないで自分じぶん

の子こ

どもの面倒めんどう

をみなさい。」と言い

われた。

○「身体しんたい


手帳てちょう

１級きゅう

を持も

っていては保育所ほいくしょ

に入はい

れない。２級きゅう

に取と

り

直なお

してから申もう

し込こ

みに来こ

い。」と言い

われた。

○「あの足た

らず者もの

のはいっとるところやろ。」との言葉ことば

を聞き

いたことがある。

○保育園ほいくえん

入園後にゅうえんご

、集団しゅうだん

行動こうどう

ができないことに対たい

して、担任たんにん

に「親おや

の愛情あいじょう

が

足た

りない。」、挙あ

げ句く

の果は

てに「来こ

ないでほしい。」とまで言い

われた。卒園そつえん

するまで「親おや

が悪わる

い。」と言い

われ続つづ

けた。

福祉ふくし

10

○内科ないか

病院びょういん

や歯科しか

病院びょういん

に行い

ったとき「同伴者どうはんしゃ

を連つ

れてきてください。」と

言い

われた。

○病院びょういん

にて、脳波のうは

検査けんさ

を受う

ける際さい

、じっとしていられない知的ちてき


のあ

る人ひと

に対たい

し、検査けんさ

技師ぎし

の方かた

から「やってられない。」「検査けんさ

はできない。」

といった声こえ

があった。

○医師いし

から「こんな子こ

が測定そくてい

できるわけがないだろ。」と診察しんさつ

も脳波のうは

測定そくてい

も

拒否きょひ

され、病気びょうき

の説明せつめい

がないまま追お

い返かえ

された。

○施設しせつ

利用者りようしゃ

と一緒いっしょ

に病院びょういん

受診じゅしん

した際さい

に、医師いし

から本人ほんにん

の目め

の前まえ

で「この

人ひと

は知的ちてき

があるから説明せつめい

してもわからない。」と言い

われた。

○病院びょういん

で、「重おも

い知的ちてき

障害児しょうがいじ

で「待ま

つ」という意味いみ

が分わ

からないので、順番じゅんばん

を早はや

めてください。」と頼たの

んだが、医師いし

から「どの子こ

にも平等びょうどう

に待ま

って

もらいます。」と言い

われ、子こ

どもが待ま

ち時間じかん

の長なが

さにパニックを起お

こし、

何回なんかい

か診察しんさつ

できずにあきらめて帰かえ

った。

○児童じどう

相談所そうだんじょ

での判定はんてい

時じ

、医師いし

から「福祉ふくし

の世話せわ

にならなければ生い

きてい

けない価値かち

のない子供こども

。」と言い

われた。

○障害児しょうがいじ

と診断しんだん

した医師いし

から「この子こ

のことはあきらめてもう一人ひとり

産う

みな

さい。」と言い

われた。

医療いりょう

11

○軽度けいど

の小児しょうに

麻痺まひ

のため、直立ちょくりつ

不動ふどう

ができない息子むすこ

が小学校しょうがっこう

入学にゅうがく

時じ

に

健康けんこう

診断しんだん

を受診後じゅしんご

、学がっ

校医こうい

が行儀ぎょうぎ

の悪わる

い子こ

と思おも

ったのか、息子むすこ

にげんこ

つをした。学がっ

校医こうい

が障害しょうがい

の有無うむ

を把握はあく

していないのが不満ふまん

である。

○小中学校しょうちゅうがっこう

に入学にゅうがく

するとき、養護ようご

学校がっこう

に行い

くよう強つよ

く勧すす

められた。子こ

ど

もは子こ

どもの中なか

で育そだ

てるのが一番いちばん

であり、義務ぎむ

教育期きょういくき

間中かんちゅう

に振ふ

り分わ

ける

のは差別さべつ

である。

○学童がくどう

保育ほいく

で、受入うけいれ

拒否きょひ

され「自閉症じへいしょう

の子こ

がいなければ、普通ふつう

の子こ

が１０人にん

入はい

れる。」と言い

われた。

○地域ちいき

の小学校しょうがっこう

へ入学にゅうがく

することが決き

まった後あと

、「希望きぼう

していた介助かいじょ

の先生せんせい

が確保かくほ

できるかわからないから覚悟かくご

していてください。」と言い

われ、不安ふあん

でいっぱいになり嫌いや

だった。

○「学校がっこう

は排はい

せつの介助かいじょ

をしない。」「排はい

せつの世話せわ

は教育きょういく

ではない。」と

いう考かんが

えが学校がっこう

や教育きょういく

委員会いいんかい

にあり、一日いちにち

に４回かい

学校がっこう

へ行い

き、排はい

せつ

介助かいじょ

をする親おや

がいる。若わか

い先生せんせい

は「中間ちゅうかん

の２回かい

は自分じぶん

が介助かいじょ

します」と

言い

ってくれたが、上司じょうし

から叱しか

られてせっかくの優やさ

しさはしぼんでしまう。

○普通ふつう

学級がっきゅう

から特別とくべつ

支援しえん


への執拗しつよう

な転級てんきゅう

推奨すいしょう

が行おこな

われている。

学校側がっこうがわ

は「あなたの子こ

どもが周囲しゅうい

にどれだけ迷惑めいわく

をかけているか考かんが

えな

さい。」という。たくさんの障害児しょうがいじ

が普通ふつう


から出で

ていった。

○幼稚園ようちえん

で、早退そうたい

を強要きょうよう

された。また、補助ほじょ

の保母ほぼ

がついていたにもかか

わらず、「ずっとお母かあ

さんがついて下くだ


われた。

○幼稚園ようちえん

で、多動たどう

といたずらなどの理由りゆう

で 2畳じょう

ほどの物置ものおき

に閉と

じこめられ

た。子こ

どもはトラウマ※になった。

○「オール1ではかわいそうだから成績せいせき

はつけません。」と言い

われた。子こ

どもと向む

き合あ

い、付つ

き合あ

えば必かなら

ずプラスに評価ひょうか

できることはあるはず。

※トラウマ：心理的しんりてき

に大おお

きな打撃だげき

を受う

け、その影響えいきょう

が長なが

く残のこ

る体験たいけん

。精神的せいしんてき

外傷がいしょう

。

教育きょういく

12

○ 就職しゅうしょく

活動かつどう

の際さい

、障害者しょうがいしゃ

という理由りゆう

で面接めんせつ

を行おこな

ってもらえない。

○車椅子くるまいす

に乗の

っていてもできる仕事しごと

はあるのに、障害しょうがい

を理由りゆう

に採用さいよう

を断ことわ

られた。

○一般いっぱん

就労しゅうろう

していた障害者しょうがいしゃ

が、雇用こよう

主ぬし

は理解りかい

していても、職場しょくば

の従業員じゅうぎょういん

からいじめを受う

けていた。また、仕事上しごとじょう

の失敗しっぱい

に対たい

して、罰金ばっきん

という形かたち

でお金かね

を取と

られたとも言い

っていた。

○精神せいしん


といっても個人差こじんさ

があるのに、パソコンができる人ひと

も


として就職しゅうしょく

すると、清掃せいそう

等など

に職種しょくしゅ

が限かぎ

られ職業しょくぎょう

選択せんたく

の自由じゆう

がない。精神せいしん


をオープンにするとなかなか職しょく

がない。

○雇用こよう

主ぬし

は、実習じっしゅう

をして雇用こよう

を決き

めたのに、従業員じゅうぎょういん

の反対はんたい

により取消とりけし

と

なった。また、従業員じゅうぎょういん


により辞や

めていった人ひと

もいる。

○就職しゅうしょく

活動かつどう

の際さい

、「身体しんたい


、知的ちてき


の人ひと

なら受入うけいれ

ＯＫだけど、精神せいしん


の人ひと

は遠慮えんりょ

したい。」と言い

われた。

○以前いぜん

、働はたら

いていたとき、上司じょうし

から「人生じんせい

もう一回いっかい

やり直なお

して来こ

い」「精神科せいしんか

の病院びょういん

に行い

って、二度にど

とこの社会しゃかい

に出で

てくるな。」「君きみ

は痴呆ちほう

ではなくて、

阿呆あほう

だね。」などと直接ちょくせつ

言い

われた。

○会社かいしゃ

で昇給しょうきゅう

のため英語力えいごりょく

の試験しけん

があるが、聴覚ちょうかく


はヒアリング

ができないのでその試験しけん

を受う

けられない。

○統合とうごう

失調症しっちょうしょう

※を患っているが、ハローワークの紹介しょうかい

で就職しゅうしょく

した。採用さいよう

当日とうじつ

は事務じむ

手続てつづ

きや仕事しごと

の説明せつめい

だけでほとんど仕事しごと

はしなかった。それ

にもかかわらず、翌日よくじつ

出勤しゅっきん

したところ、「採用さいよう

はなかったことで帰かえ

って

ほしい。」と言い

われ、一日分いちにちぶん

の賃金ちんぎん

と交通費こうつうひ

を渡わた

された。

○知的ちてき


の女性じょせい

を雇用こよう

している会社かいしゃ

が、本業ほんぎょう

ではなく職場しょくば

のお手洗てあら

い

掃除そうじ

、草取くさと

りや自宅じたく

の掃除そうじ

までさせていたらしい。賃金ちんぎん

も最低さいてい

賃金ちんぎん

に届とど

か

なかったようだ。

※統合とうごう

失調症しっちょうしょう

：内因性ないいんせい

精神せいしん

疾患しっかん

の一ひと

つで、自閉じへい

・興奮こうふん

・妄想もうそう

・幻聴げんちょう

等など

の症状しょうじょう

がみられる。

労働ろうどう

13

○住宅じゅうたく

ローンを借か

り換か

えしようとしたが、障害しょうがい

を理由りゆう

にできなかった。

対応たいおう

した銀ぎん

行員こういん

は「できません。」の一言ひとこと

で終お

わった。

○生活せいかつ

ホームとするための家いえ

を探さが

していたとき、大家おおや

が貸か

したいといって

も「障害者しょうがいしゃ

が隣となり

に引ひ

っ越こ

してきたら他ほか

の人ひと

が出で

て行い

ってしまう」と不動ふどう

産屋さんや

に言い

われた。また、逆ぎゃく

に大家おおや

から「障害者しょうがいしゃ

のような面倒めんどう

な人ひと

とか

かわりたくない。」と言い

われたこともある。

○施設しせつ

から地域ちいき

で生活せいかつ

しようとしても、不動ふどう

産屋さんや

に「知的ちてき


は困こま

る。」

と言い

われる。

○隣人りんじん

がアパートを経営けいえい

しており、その人ひと

が理解りかい

のある人ひと

で「部屋へや

が空あ

い

たら障害者しょうがいしゃ

の方かた

に貸か

してもいいよ。」と言い

ってくれた。しかし、数日すうじつ

し

て「不動ふどう

産屋さんや

が、貸か

さない方ほう

がいいと言い

ったから断ことわ

りたい。」と言い

って

きたのでがっかりした。

○マンションを借か

りるとき、障害児しょうがいじ

がいると不動ふどう

産屋さんや

に言い

ったら、「大家おおや

に

引ひ

っ越こ

してくれと言い

われたら引ひ

っ越こ

す。」と一筆いっぴつ

書か

かされた。

○障害しょうがい

のある人ひと

の施設しせつ

が近所きんじょ

にできるとわかったら住民じゅうみん


運動うんどう

が起お

き、根拠こんきょ

のない誹謗ひぼう

中傷ちゅうしょう

のビラを撒ま

かれた。

○うつ病びょう

になった事こと

を大家おおや

に告つ

げたら、「出で

て行い

って下くだ


われ

た。

○「聞き

こえないのでは何なに

かあったときに困こま

る。保護者ほごしゃ

の方かた

を連つ

れてきて下くだ

さ

い。」と聴覚ちょうかく


を理由りゆう

に借家しゃくや

を断ことわ

られる。



や生活せいかつ

保護ほご

の人ひと

はアパートに入はい

らないでと、入居にゅうきょ

拒否きょひ

をさ

れた。

○家いえ

を借か

りるときに障害しょうがい

があるため「火事かじ

にあったときに逃に

げられない。」

という理由りゆう

で入居にゅうきょ

を断ことわ

られた。

住宅じゅうたく

14

○道路どうろ

が狭せま

い、段差だんさ

が多おお

い、交通こうつう

機関きかん

が使つか

いづらい等など

、街まち

のつくりそのも

のが差別さべつ

である。

○エレベーターが狭せま

くて、電動車でんどうくるま

いすでは使つか

えないことが多おお

い。

○車くるま

いすで利用りよう

できるトイレが少すく

なすぎる。トイレがないので外食がいしょく

でき

ない。

○車くるま

いすトイレであっても、手て

が届とど

かなくてトイレを流なが

すことができない。

○障害者用しょうがいしゃよう

トイレの多おお

くは壁側かべがわ

によっているため、手て


や利き

き手て

に

よっては車くるま

いすから便器べんき

への移動いどう

が困難こんなん

となっている。

○公共こうきょう

機関きかん

の駐車場ちゅうしゃじょう

について、ある郵便局ゆうびんきょく

では勾配こうばい

のある、障害しょうがい

がな

くても不便ふべん

な場所ばしょ

が車椅子くるまいす

のマークの駐車場ちゅうしゃじょう

になっている。

○障害者用しょうがいしゃよう

トイレに十分じゅうぶん

な大おお

きさのベッドがなく、大おお

きくなった障害しょうがい

を

持も

つ子こ

どものおむつの交換こうかん

を行おこな

うことができない。

○聴覚ちょうかく


。マンションのエレベーターが緊急きんきゅう

停止ていし

し、インターフォ

ンで意思いし

疎通そつう

できず 40分ぷん

も閉と

じこめられた。



は、電車でんしゃ

の到着とうちゃく

時刻じこく

が遅おく

れる車内しゃない

放送ほうそう

があっても、聞き

こえ

ないのでわからない。

○視覚しかく


。バスの行い

き先さき

を表示ひょうじ

する文字もじ

が確認かくにん

できない。

建築物けんちくぶつ

・交通こうつう

等とう

15

○盲導犬もうどうけん

を連つ

れて飲の

み屋や

に行い

って入店にゅうてん

を断ことわ

られる。



。映画館えいがかん

で邦画ほうが

には字幕じまく

がなく、自由じゆう

に好す

きなものが見み

ら

れない。

○市民しみん

プールで「他ほか

の人ひと

の迷惑めいわく

になるので、他ほか

のレーンや子供用こどもよう

プールで遊あそ

んでください。」と言い

われる。

○バス旅行りょこう

ツアーに申もう

し込こ

もうとしたところ、ツアー業者ぎょうしゃ

に「付つ

き添そ

いが

あっても障害者しょうがいしゃ

はお断ことわ

りします。」と即答そくとう

された。

○町まち

のプールは水泳帽すいえいぼう

をかぶらないと入はい

れないことになっているが、子こ

が

感覚かんかく

過敏かびん

で水泳帽すいえいぼう

をかぶれないために追お

い出だ

された。


施設しせつ

のプールで、「よだれ、排泄はいせつ

のおそれがあるとの理由りゆう

で断ことわ

ら

れる。」という話はなし

を聞き

いたことがあり、それ以来いらい

そのプールには行い

って

いない。

○店員てんいん

に人数にんずう

を聞き

かれたので、「障害者しょうがいしゃ

5名めい

と引率者いんそつしゃ

2名めい

の計けい

7名めい

です。」

と答こた

えると、店員てんいん

に「障害者しょうがいしゃ

の方かた

はちょっと……。」と言い

われ、入店にゅうてん

を

拒否きょひ

されてしまった。



を理由りゆう

に生命せいめい

保険ほけん

に加入かにゅう

できなかった。

○習なら

い事ごと

をするとき、「普通ふつう

の子こ

と一緒いっしょ

にすると他ほか

の親おや

から苦情くじょう

が出で

るか

もしれないので、時間じかん

をずらして他ほか

の生徒せいと

さんが集中しゅうちゅう

する時間じかん

は来こ

な

いでほしい。」と言い

われたことがある。

○知的ちてき


2名めい

が、生活せいかつ

ホームの付添つきそ

い人にん

同伴どうはん

でビデオを借か

りるとき、

「会員かいいん

カードが本人ほんにん

名義めいぎ

（療育りょういく

手帳てちょう

）では作つく

れません。」と言い

われ、付添つきそ

い人にん

のカードで代替だいたい

して借か

りている。

サービス提供ていきょう

16

○テレビで外国人がいこくじん

の会話かいわ

を放送ほうそう

する際さい

、字幕じまく

だけでは視覚しかく


は内容ないよう

が

わからないのではないか。逆ぎゃく

に聴覚ちょうかく


にとっては、字幕じまく

がなけれ

ばほとんど内容ないよう

が伝つた

わらないだろう。

○ある企業きぎょう

へ通つう

訳者やくしゃ

を通とお

して電話でんわ

をし、「聴覚ちょうかく


があるためあとはＦＡ

Ｘで対応たいおう

したい。」と申もう

し入い

れたら、FAX での対応たいおう

はしていないとのこ

とで断ことわ

られた。



。ヘルパー２級きゅう

を取得しゅとく

しても、登録とうろく

させてくれる事業所じぎょうしょ

が

少すく

ない。聞き

こえない＝コミュニケーションがとれないという理由りゆう

と、ろ

う者しゃ

利用りよう

が少すく

ないので必要ひつよう

ないと言い

われた。

○会社かいしゃ

で重度じゅうど

の難聴なんちょう

では電話でんわ

は難むずか

しいとわかっているのに電話機でんわき

を机上きじょう

に置お

かれる。

○ワークショップなどで意見いけん

を求もと

められても、筆談ひつだん

では時間じかん

がかかり十分じゅうぶん

な意見いけん

を出だ

すことができず、結局けっきょく

能力のうりょく

を評価ひょうか

してもらえない。

○県けん

・市し

の広報こうほう

など、電話番号でんわばんごう

のみを記載きさい

したお知し

らせが多おお

いのは問題もんだい

。

聴覚ちょうかく


（電話でんわ

が使つか

えない）の事こと

は配慮はいりょ

されていないようで残念ざんねん

。

○災害さいがい

発生はっせい

時じ

、放送ほうそう

が聞き

こえず食料しょくりょう

や物資ぶっし

をもらえないことがある。

○災害さいがい

が発生はっせい

して避難ひなん

場所ばしょ

に行い

っても、コミュニケーションがとれないた

め、聴覚ちょうかく


が飲の

まず食く

わずでいたということが阪神はんしん

大震災だいしんさい

のとき

あったと聞き

きました。



。公共こうきょう

施設しせつ

等など

で、トイレにいるときは個室こしつ

状態じょうたい

になるの

で災害さいがい

等など

の状況じょうきょう

が分わ

からない。

○駅えき

などの構内こうない

放送ほうそう

や医療いりょう

機関きかん

の呼よ

び出だ

しについて、聴覚ちょうかく


にも分わ

かるような方法ほうほう

を考かんが

えてほしい。

○マスコミにおいて事件じけん

の報道ほうどう

の際さい

に容疑者ようぎしゃ

、犯人はんにん

に精神科せいしんか

の通院歴つういんれき

、あ

るいは治療中ちりょうちゅう

ということが流なが

されるのは差別さべつ

をつくり上あ

げる大おお

きな力ちから

になっている。

情報じょうほう

17

○民法みんぽう

第だい

７７０条じょう

の離婚りこん

の訴うった

えを提起ていき

できる項目こうもく

の中なか

に精神せいしん


が含ふく

まれている。


交通こうつう

機関きかん

の運賃うんちん

割引わりびき

が精神せいしん


と他た


とが同等どうとう

になってい

ない。

○選挙せんきょ

の投票所とうひょうじょ

に段差だんさ

や階段かいだん

があり、投票とうひょう

に行い

けない。

○市営しえい

住宅じゅうたく

に入はい

りたいのだが、介護かいご


というだけで入はい

れない。市役所しやくしょ

にいくら自分じぶん

でできると言い

っても、障害者しょうがいしゃ

だからという理由りゆう

で受う

け付つ

け

られない。

○裁判所さいばんしょ

で調停ちょうてい

※の時とき

に手話通しゅわつう

訳者やくしゃ

※を同行どうこう

した。調停中ちょうていちゅう

、調停員ちょうていいん

が

手話しゅわ

通訳者つうやくしゃ

に「このことは通訳つうやく

しないでください。」と言い

った。聞き

こえ

る状態じょうたい

と同おな

じように情報じょうほう

保障ほしょう

するのが手話通しゅわつう

訳者やくしゃ

の役割やくわり

である。聞き

い

てほしくないことはその場ば

で言い

わず、場所ばしょ

を変か

えて言い

うべきである。

○選挙せんきょ

のときに「手話しゅわ

通訳つうやく

をつけてほしい」とお願ねが

いしたら、「一人ひとり

のた

めには余裕よゆう

がない。」と言い

われた。参政権さんせいけん

の侵害しんがい

である。

○成年せいねん

後見こうけん

制度せいど

※を利用りよう

するにあたり、選挙権せんきょけん

の喪失そうしつ

についての説明せつめい

は一度いちど

もなかった。重度じゅうど

の知的ちてき


なので元々もともと

投票とうひょう

はしていなかったが、突然とつぜん

、

本人ほんにん

抜ぬ

きの親おや

だけの投票とうひょう

受付うけつけ

用紙ようし

が送おく

られてきた。悲かな

しく寂さび

しい思おも

いを

した。

※調停ちょうてい

：紛争ふんそう

において、第三者だいさんしゃ

の介入かいにゅう

により解決かいけつ

を図はか

ること。またはその制度せいど

。

※手話しゅわ

通訳つうやく

：言語げんご

・聴覚ちょうかく


のある人ひと

のコミュニケーション手段しゅだん

の一ひと

つである手話しゅわ

を用もち

い

て通訳つうやく

を行おこ

なうこと。

※成年せいねん

後見こうけん

制度せいど

：知的ちてき


、精神せいしん


、認知症にんちしょう

などにより、判断はんだん


が不十分ふじゅうぶん

な成年者せいねんしゃ

の

財産ざいさん

や権利けんり

を保護ほご

するための制度せいど

。

政治せいじ

・行政ぎょうせい

・司法しほう

18

○東京とうきょう

等など

と比くら

べ、県民けんみん

のボランティア精神せいしん

が感かん

じられない。道路どうろ

を歩ある

いて

いても声こえ

かけをしてくれない。バスに乗の

っても座席ざせき

に案内あんない

してくれない。

○バスの行い

き先さき

が見み

えなかったため、近ちか

くの人ひと

に聞き

いたら「一人ひとり

で出歩である

く

な。死し

ね。」と言い

われた。まわりのたくさんの人ひと

も見み

て見み

ぬふりをしてい

た。


のグループホームを経営けいえい

しているが、町内会ちょうないかい

にも入はい

り、町内ちょうない

の仕事しごと

もしているのに、精神せいしん

というだけで白しろ

い目め

で見み

られる。

○地域ちいき

交流こうりゅう

等とう

で近ちか

くの小学校しょうがっこう

に友達ともだち

ができたので、子供会こどもかい

に入い

れてもら

えないかとお願ねが

いに行い

ったが叶かな

えてもらえなかった。「入はい

ってもらうと

迷惑めいわく

。」と言い

わんばかりの冷つめ

たい言葉ことば

がショックだった。

○車くるま

いすでの外出がいしゅつ

時じ

、人ひと

によっては横目よこめ

で見下みお

ろし、ひそひそ話はなし

をしな

がら通とお

り過す

ぎる。

○兄弟きょうだい

のうち、知的ちてき


の兄あに

一人ひとり

で留守番るすばん

させていたときに電話でんわ

があっ

たが、一方的いっぽうてき

に切き

ったりしたため相手あいて

が気き

を悪わる

くした。母はは

が帰宅後きたくご

に連絡れんらく

があり、兄あに

には知的ちてき


があること等など

を説明せつめい

したが、許ゆる

してもらえな

かった。

○祖母そぼ

から「孫まご

は2人ふたり

だけ。」というようなことを言い

われ、ショックだっ

た。健けん

常児じょうじ

2 人ふたり

のことは頭あたま

に入はい

っているが、障害児しょうがいじ

の子こ

は孫まご

のうちに入はい

っていないようだった。

○知的ちてき


は見み

た目め

は健けん

常者じょうしゃ

と同おな

じところがあるために、外出がいしゅつ

時じ

、そ

の言動げんどう

に対たい

して冷つめ

たい視線しせん

を感かん

じる。

その他た

19

社会しゃかい


え方かた

と障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

２０１１年ねん

８月がつ

に制定せいてい

された「改正かいせい


基本法きほんほう

」には、“社会しゃかい

モデル”という考かんが

え方かた

が

採用さいよう

されています。

“社会しゃかい

モデル”を端的たんてき

に説明せつめい

すると、「障害者しょうがいしゃ

が社会的しゃかいてき

不利ふり

を受う

ける原因げんいん

は社会しゃかい

のあり方かた

にもある」という考かんが

え方かた

のことと言い

えます。

例たと

えば、視覚しかく


のAさんが、ある道路どうろ

を横断おうだん

することが困難こんなん

だったとします。こう

いった事態じたい

は何故なぜ

起お

こるのでしょうか。社会しゃかい


えに立た

てば、「音声式おんせいしき

信号機しんごうき

が設置せっち

されていないため」といった回答かいとう

になります。この問と

いに「Aさんに視覚しかく


があるため」

といった、障害しょうがい

自体じたい

に原因げんいん

を求もと

める考かんが

え方かた

を、“医学いがく

モデル”または“個人こじん

モデル”とい

います。現在げんざい

は、“医学いがく

モデル”から“社会しゃかい

モデル”へと、障害しょうがい

に対たい

する概念がいねん

の転換てんかん

が進すす

ん

でいます。

医学いがく

モデルを象徴しょうちょう

する図ず

として、ICIDHモデルが挙あ

げられます。（図ず

１）1980年ねん

に発表はっぴょう

されたこの図ず

では、社会的しゃかいてき

不利ふり

を被こうむ

る原げん

因いん

は、障害者しょうがいしゃ

自身じしん

の疾病しっぺい

であるとされています。

しかし、ICIDHモデルには「一方いっぽう

通行的つうこうてき

で、各要因かくよういん

の関連かんれん

が十分じゅうぶん

でない」「問題もんだい

が個人こじん

の

中なか

で完結かんけつ

している」等など

の批判ひはん

が挙あ

がりました。このような批判ひはん

をもとに「医学いがく

モデル」か

らの脱却だっきゃく

を図はか

った「社会しゃかい

モデル」の象徴しょうちょう

として、2001年ねん

、ICF モデルが発表はっぴょう

されまし

た。（図ず

２）

ICF モデルでは「環境かんきょう

因子いんし

」という新あら

たな要素ようそ

が加くわ

わっていることに特徴とくちょう

があります。

これは、ある人ひと

の生活せいかつ

しやすさ（しにくさ）の原因げんいん

を、その人ひと

個人こじん

だけでなく、社会しゃかい

にも求もと

めたものです。個人こじん

の中なか

で問題もんだい

が完結かんけつ

していた ICIDH モデルに比くら

べ、社会的しゃかいてき

視野しや

の広ひろ

いモ

デルとなっています。

「環境かんきょう

因子いんし

」は“物的ぶってき

環境かんきょう

”“人的じんてき


””

“制度的せいどてき


”に分類ぶんるい

されますが、“人的じんてき


”

の例れい

として、“周囲しゅうい

の人々ひとびと


に対たい

する意識いしき

や理解りかい

”が挙あ

げられます。

ICF モデルを理解りかい

することで、障害者しょうがいしゃ

の社会しゃかい

参加さんか

には、それを促進そくしん

するような周囲しゅうい

の人々ひとびと

の理解りかい


であることが改あらた

めてわかります。

20

＜参考

さんこう

＞WHO※の２つのモデル

図ず

１国際こくさい


分類ぶんるい

（ICIDH 1980）

社会的しゃかいてき

不利ふり

の原因げんいん

は、疾病しっぺい

を発端ほったん

とする能力のうりょく

低下ていか

にあると考かんが

えられている。

図ず

２国際こくさい

生活せいかつ

機能きのう

分類ぶんるい

（ICF 2001）


因子いんし

（外部がいぶ

要因よういん

）が挙あ

げられ、社会しゃかい

のあり方かた

にも社会的しゃかいてき

不利ふり

の原因げんいん

を求もと

めている。

※ＷＨＯ：世界せかい

保健ほけん

機関きかん

（World Health Organization）。国際こくさい

連合れんごう

の専門せんもん

機関きかん

。

疾病しっぺい


低下ていか

機能きのう


社会的しゃかいてき

不利ふり

活動かつどう

参加さんか


因子いんし

個人こじん

因子いんし

心身しんしん

機能きのう

・身体しんたい

構造こうぞう

健康けんこう

状態じょうたい

（変調へんちょう

又また

は病気びょうき

）

21

相談そうだん

窓口まどぐち

等とう

○法務省ほうむしょう

人権じんけん

擁護局ようごきょく

ホームページ

http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken20.html

○女性じょせい

の人権じんけん

ホットライン

TEL 057-070-810

○子こ

どもの人権じんけん

１１０番ばん

TEL 0120-007-110

○長崎ながさき

地方ちほう

法務局ほうむきょく

人権じんけん

擁護課ようごか

TEL 0570-003-110（全国ぜんこく

共通きょうつう

ダイヤル）

インターネット人権じんけん

相談そうだん

受付うけつけ

窓口まどぐち

http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken113.html

○長崎県ながさきけん


福祉課ふくしか

TEL 095-895-2451

○長崎県ながさきけん

人権じんけん

・同和どうわ

対策課たいさくか

TEL 095-826-2585

○各市町かくしちょう


福祉ふくし

担当課たんとうか

、人権じんけん

担当課たんとうか

22

編集へんしゅう

後記こうき

本県ほんけん

では、障害しょうがい

の有無うむ

にかかわらず、誰だれ

もが住す

み慣な

れた地域ちいき

で自立じりつ

した生活せいかつ

を送おく

り、共とも

に地域ちいき

を支ささ

え合あ

い、豊ゆた

かなふれあいを通つう

じて、健すこ

やかに安心あんしん

して暮く

ら

し、社会しゃかい

を構成こうせい

する一員いちいん

として、あらゆる社会しゃかい

活動かつどう

に参加さんか

することができる

“共生きょうせい

社会しゃかい


を基本きほん

理念りねん

とし、あらゆる施策しさく

に取と

り組く

んでおります。


は、県民けんみん


に、障害者しょうがいしゃ

を取と

り巻ま

く現状げんじょう

を知し

っていただき、


差別さべつ

に対たい

して考かんが

える機会きかい

となって欲ほ

しいとの思おも

いから作成さくせい

しました。

掲載けいさい


は、障害しょうがい

のある方かた

や、ご家族かぞく

などから寄よ

せられた実体験じったいけん

です。目め

を疑うたが

うような悲惨ひさん

な事例じれい

の他ほか

にも、思おも

わず自分じぶん

自身じしん

の言動げんどう

を振ふ

り返かえ

ってしまうような、普段ふだん

の生活せいかつ

の中なか

でおきた事例じれい

も掲載けいさい

されています。

読よ

む人ひと

によっては「この事例じれい

は差別さべつ

とは言い

えない」と思おも

われるものもあるか

と思おも

います。しかし、何なに

が障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

かという基準きじゅん

がはっきりしない中なか

で、

各事例かくじれい

について一人ひとり

ひとりが考かんが

えていただくこと自体じたい

に意義いぎ

があると考かんが

え、

掲載けいさい

いたしました。

人ひと

と交まじ

わる限かぎ

り、傷きず

つけたり傷きず

つけられたりすることは避さ

けられませんが、

「障害者しょうがいしゃ

だから」という理由りゆう

で障害者しょうがいしゃ

が傷きず

つけられるようなことは無な

くさな

ければいけません。

一人ひとり

ひとりが「障害しょうがい

」に関かん

する理解りかい

を深ふか

め、障害しょうがい

の有無うむ

に関かか

わらず交流こうりゅう

を

深ふか

めることで、障害者しょうがいしゃ

差別さべつ

のない“共生きょうせい

社会しゃかい


が図はか

られると考かんが

えます。


が、“共生きょうせい

社会しゃかい


に寄与きよ

することを期待きたい

します。


福祉ふくし

保健部ほけんぶ


福祉課ふくしか

しょうがいしゃ さべつ おも じれいしゅう 障害者差別にあたる ... ·...

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しょうがいしゃさべつおもじれいしゅう障害者差別にあたる ... ·...