「岡山働き方改革パイオニア企業」 倉敷木材株式会社 資料 ·...
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・社会的責任
長時間労働等による過労自殺や過労死を防ぐことは最も基本的な
社会的責任である
・インクルージョンの実現
人口減少時代を迎える中、育児・介護・障害等の何らかの制約を抱
える社員も含めた相互尊重の風土作り
・企業競争力の向上
当社は住宅に関連した仕事をしている。社員がもっと家庭に関わり
生活者の視点を持つことで、より良い仕事ができる
・持続可能な社会の実現
生産性向上は、経済面だけでなく環境面でも地域にプラスとなる
・「ひと」と「会社」と「社会」の関係の変化
真の「社会人」となるためには、「会社人」だけでは不十分(後述)
1.取り組みの背景
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個人と家族の 幸福感
個人の成長と 自己実現
↑ 学生時代
↑ 子供時代
② 企業・団体の 社会的 責任
① 企業・団体の 経済的 責任 地域/国際
コミュニケーション
国連 SDGs/ CSR
顧客・仕入先等との関わりの中での商品・サービス
利益・ 納税・配当
産業人・企業人としての より良い社会づくり
地域人・国際人としての
より良い社会づくり 個人が社会の一員となり
真の「社会人」(≠会社人)となる
労働力・ イノベーション・
生産性向上 =働き方改革①
雇用・給与
多様な力を発揮
多様な個性を インクルージョン・
フェアな対応・ 遵法精神
=働き方改革②
組織の経済的責任と社会的責任をつなぐ概念としての「CSV」
「ひと」「会社」「社会」のつながりのイメージ
組織 組織
コンプライアンス/ アカウンタビリティ/
コーポレート・ ガバナンス
クオリティ/技術の向上
③企業として、個人と 会社以外(=家庭を含む社会全体)をつなぐ責任
育児・介護・兼業・学び・NPO・ ボランティア等の参加支援
社会の知見を組織に フィードバック
働き方改革③ →「生き方改革」へ
© 2019 倉敷木材株式会社
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2006年 ・17時以降の社内定例会議の段階的廃止に着手
(育児・介護を抱える社員の活躍の阻害要因を減らす)
2009年 ・環境認証取得にあたり、生産性向上に関する数値目標を設定
(「時間」「効率」への意識を高める)
2012年 ・働き方を変えることを経営の年間目標に明文化
「充実した仕事人生につながる新しい働き方に率先して取り組む」
2.具体的な取り組みの経緯①
改めて振り返ると、「時間」という貴重な概念へ意識を向けること、
長時間労働の削減、日常の営業活動の効率化、育児や介護を抱える
社員のモチベーション維持、性別にとらわれない公正な環境づくり、
管理職というものへのイメージの変革、社員の健康維持等、当社が
働き方改革を進めるうえで必要となるエッセンスが詰め込まれた、
いわば一連の取り組みの「センターピン」となるものであった
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2014年 ・多様性への取り組みを強化
(例 ・女性だけで構成されたチームを結成し、女性顧客に
向けた企画実施(「家づくり研究所」)
・女性社員の親睦組織を発足(「みらい塾」)
・女性専用休憩室を新設(県奨励金受給)
・男性も短時間勤務制度、フレックス制度、育児休業
制度等を利用するように個別に声がけ
2015年 ・ 国際インターンシップ開始(労働の多様化推進)
・ 営業活動を支援する「CSチーム」を発足
2016年 ・ 社員の行動規範を新たに設定(多様・公正・責任)
・年次有給休暇の計画付与を開始
2017年 ・ 組織のフラット化のため、役職の階層を半減
・社外の会議や行事等での発信増
2018年 ・ 両立支援に取り組む企業として厚労省「くるみんマーク」取得
・ 岡山労働局様よりベストプラクティス企業訪問を受ける
2019年 ・ 内閣府政府広報「働き方改革」特集にて事例掲載
・平成30年度「おかやま子育て応援宣言企業」岡山県知事賞受賞
2.具体的な取り組みの経緯②
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・お客様からの評価
属人的な営業スタイルからチーム営業スタイルに移行したことを
一部の法人顧客から評価された。また、個人顧客(特に女性のお客様)
から取り組み姿勢を評価される機会も増えた。
・有給休暇取得率の向上 (2016年 39%→2018年 75%)※計画付与含む
・生産性の向上
労働時間あたりの売上高の向上、売上高あたりの環境負荷の減少
特に、最も長時間労働となっていた住宅営業部門において、労働時間
の削減と適正な受注高の維持を両立
・社員の地域活動への参加
スポーツチーム監督、地域活動、社員のボランティア活動等への参加増加
・若手リーダー、女性リーダーの誕生
組織改編にあたり新たに若手や女性のリーダー誕生
3.成果の例①
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・当社の施工物件が「エコハウス・アワード2017」で最優秀賞を受賞
(多様な人材の包摂、挑戦の風土づくり、社員が自らの生活を大切にするといった、
企業としての取り組みが総合的に実を結んだ)
山陽新聞 記事掲載 (2017年4月22日)
パッシブハウス 「倉敷の家」を 設計した当社の
福本邦重(写真中央)
3.成果の例②
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・男性社員による育児休暇取得の定着
・単なる「女性活躍」、「男性の意識改革」といった施策を超えた取り組み
が求められる
(例:LGBT(性的少数者)への取組に関して、社内のトイレや休憩室
のあり方、「女性向け」のイベントはどうあるべきか等の問題がある)
・長時間労働は解消されつつあるが、IT化等による更なる業務のスリム化
及び業務そのものの削減が求められる
・同一労働同一賃金への対応(職務内容の明文化)
・高齢者雇用のあり方
・副業における制度面や労働時間管理の問題への対応
・世代間の「視点の断絶」の解消
中高年の社員は自らが実践してきた働き方との乖離に悩み、一方で若手
社員はマスコミ、ネット等で先進企業の情報に触れ、自社の現状との
ギャップに悩む。このように、働き方に疑問を持たなかった時代とは
異なり、現在は各世代が異なる視点から自社の現状の働き方に不満を
持ちやすい状況であると感じている
4.今後の課題①
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・地場の中小企業として人口減少社会に対して多方面から向き合うため
会社と社員との対話がより重要となる
人生の主導権は当然会社ではなく個人に帰属すべきもの。そうした
あるべき姿に戻す過程が真の「働き方改革/生き方改革」ではないか
4.今後の課題②
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高度成長期~2000年代初頭 ポスト平成
介護 育児
地域 趣味 老後
会社 介護
育児
地域・ NPO
ボランティア
会社 転職
副業
趣味
会社での仕事が生活の糧を得るベースであることには変わらない中で
「社会人」としての自己実現のあり方、幸福感のあり方が大きく変化(特に男性)
→地場企業として、こうした時代の社員の自己実現をサポートし続ける組織でありたい
「主役は会社ではない、社員自身が自分の人生をどう生きるか」それをともに考える
4.今後の課題③
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・生産性の向上 ・同一労働同一賃金
・長期優良住宅 ・リフォーム ・CSR活動
・地域材の利用 ・木の家具 ・木材加工
・エコアクション21 ・パッシブハウス
・暮らしと木のフェア ・国際インターンシッ プへの取組
・合法木材 ・省エネ建材
・太陽光発電 ・蓄電池 ・ペレットストーブ
・ESD(持続可能な 開発のための教育 ・森を訪ねる旅
・長時間労働撲滅 ・法令遵守
・多様性の推進 ・働き方改革 ・公正さの追求
国連SDGsとの関連においても、働き方改革への取り組みは必須
4.今後の課題④