化学工学プログラミング補助資料mishima/phys_ex13.pdf9.3...

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学籍番号 TK 氏名 平成 年 月 日 第13回のクイズ 工業物理化学 II 講義の開始にあたり、マイ(またはネットワーク)コンピュータ(fsv0Work_Winを用いて、布ファイルを自分のコンピュータのデスクトップコピーして下さい。さらに、各自の 3.5inchのフロ ッピーディスクへもコピーして下さい。コピー後、fsv0Work_Winのウィンドウ画面は閉じておいて 下さい。 「出席票」に氏名、学生番号とともに記入して下さい。 本日の主題 生物物理化学() 酵素反応および溶液の非理想性の復習 酵素反応の Michaelis-Menten 式の定数の決定 クイズ1 酵素反応の Michaelis-Menten 式とはどのような式でしょうか。インターネットを利用して 調べてみましょう。 クイズ2 通常の化学反応と酵素反応の違いについて、エタノールの酸化反応を例に物理化学的に説明 してみましょう。 問1 酵素反応の Michaelis-Menten 式の定数の決定してみましょう。配布されたプログラム EnzimeBath_0_1」を利用してみましょう。最小二乗法のVBプログラムが作成されています。実行 してみましょう。 問2 水(1)-ブタノール(2)の混合溶液がある。この溶液が 80℃で相分離した。次に示す溶液モデルで あるNRTL式(テキストP.93)を用いて2成分系液液平衡組成の計算し、相分離温度Tと、その温度にお ける上相(I相)と下相(II相)での各組成x1 I , x1 I , x1 II , x II ,を活量係数の計算から求めた。ここでは、 各組成からそれぞれの活量係数γ1 I , γ I , γ1 I , γ II ,を計算してみましょう。 + = k j kj m m mj mj ij j k k kj j ij k k ki j i ji ji i x x x x x x η η τ τ η η η η τ γ ln [] まず、NRTL 式を2成分系について書いてみましょう。 展開が複雑ですので、左辺第 1 項の分子について調べてみましょう。 i i i i i i j i ji ji x x x 2 2 1 1 η τ η τ η τ + = 9.化学反応と自由エネルギー 製造装置の設計・操作における物理化学の重要性を、燃料電池自動車の燃料として、現在工業界から 注目されているメタノールの製造プロセルを例に考えてみよう。図1に東洋エンジニアリング(株) (TEC)のメタノール製造プラント(10,000t/d plant)を示す。(「石油化学プロセス」;石油学会編 2001 より) 1

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Page 1: 化学工学プログラミング補助資料mishima/phys_ex13.pdf9.3 自由エネルギー変化と反応の方向 ある反応がある組成の状態からどちらに進行する可能性があるかは自由エネルギー変化を比較すると

学籍番号 TK 氏名 平成 年 月 日

第13回のクイズ 工業物理化学 II

講義の開始にあたり、マイ(またはネットワーク)コンピュータ(fsv0、Work_Win)を用いて、配布ファイルを自分のコンピュータのデスクトップへコピーして下さい。さらに、各自の 3.5inchのフロッピーディスクへもコピーして下さい。コピー後、fsv0、Work_Winのウィンドウ画面は閉じておいて下さい。 「出席票」に氏名、学生番号とともに記入して下さい。 本日の主題 生物物理化学(3) 酵素反応および溶液の非理想性の復習 酵素反応のMichaelis-Menten式の定数の決定 クイズ1 酵素反応のMichaelis-Menten式とはどのような式でしょうか。インターネットを利用して調べてみましょう。 クイズ2 通常の化学反応と酵素反応の違いについて、エタノールの酸化反応を例に物理化学的に説明

してみましょう。 問1 酵素反応の Michaelis-Menten 式の定数の決定してみましょう。配布されたプログラム「EnzimeBath_0_1」を利用してみましょう。最小二乗法のVBプログラムが作成されています。実行してみましょう。 問2 水(1)-ブタノール(2)の混合溶液がある。この溶液が 80℃で相分離した。次に示す溶液モデルであるNRTL式(テキストP.93)を用いて2成分系液液平衡組成の計算し、相分離温度Tと、その温度における上相(I相)と下相(II相)での各組成x1I, x12I, x1II, x2II,を活量係数の計算から求めた。ここでは、各組成からそれぞれの活量係数γ1I, γ2I, γ1I, γ2II,を計算してみましょう。

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

−+=∑

∑∑∑∑

kjkj

mmmjmj

ijj

kkkj

jij

kkki

jijiji

i x

x

xx

x

x

η

ηττ

ηη

η

ητγln

[解] まず、NRTL式を2成分系について書いてみましょう。 展開が複雑ですので、左辺第 1項の分子について調べてみましょう。

iiiiiij

ijiji xxx 2211 ητητητ +=∑

9.化学反応と自由エネルギー 製造装置の設計・操作における物理化学の重要性を、燃料電池自動車の燃料として、現在工業界から

注目されているメタノールの製造プロセルを例に考えてみよう。図1に東洋エンジニアリング(株)

(TEC)のメタノール製造プラント(10,000t/d plant)を示す。(「石油化学プロセス」;石油学会編 2001より)

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図1 メタンからメタノールを製造するプラント この化学プラントでは、天然ガス(主成分メタン)からメタノールを製造している。化学反応として、

メタンと水の反応(メタン改質)でメタノールを生成している。

9.1 石油代替資源としてのメタンの重要性

天然ガスの主成分は、メタンである。また、近年、未開発資源として注目されているメタンハイドレ

ートも主成分としてメタンを含んでいる。メタンハイドレートなどの地下資源は、その埋蔵量が膨大で

あることから石油代替資源としてメタンの重要性はさらに高まっている。メタンは、常温ではガスで存

在しているため、取り扱いに高度な技術を要する。また、メタンは、化学原料として利用する場合、種々

の生成物を生じる場合が多く、メタノールへの変換する反応が工業的にも重要であり、上述のメタノー

ル製造プロセスもそのような観点からも有用である。

9.2 物理化学の利用

物理化学の理論も重要であるが、その理論を利用する計算・プロセス設計技術も重要である。ここで

は、物理化学を利用する計算・プロセス設計技術についても説明する。 化学反応でどの程度の生成物が生じるかについては、反応平衡定数、反応速度定数の情報から求める

ことができる。メタン改質反応は、十分大きい反応速度を有しているので、反応平衡定数が重要となる。 上述のメタン改質反応について、化学装置の設計に頻繁に利用されているアスペンプラスやプロ IIなどのプロセスシミュレータで計算した結果を以下に示す。

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このように、温度の寄与は大きくそれらを制御するには、熱、自由エネルギーに関わる知見も重

要となる。以下に例として自由エネルギー、反応について説明する。

ギブスの自由エネルギーとヘルムホルツの自由エネルギー 自由エネルギーとして,次式で定義されるギブスの自由エネルギー(Gibbs’ free energy)とヘルムホルツの自由エネルギー(Helmholtz free energy)が有用である.

TSHG −= (1)

TSUA −= (2) これらの式では,熱力学第 1法則で用いられるエンタルピー,H,内部エネルギー,Uと熱力学第 2法則で用いられるエントロピ,S を同時に考慮できる.圧力が一定の下では,ギブスの自由エネルギーを使うのが便利であり,Gをたんに自由エネルギー,Aを最大仕事関数と呼ぶこともある. 熱力学的考察では,U,H,G,A,Sなどの状態量を用いる場合が多い.これらの相互関係の知見も有用である.式(5.1)の全微分は次のように表される.

SdTTdSdHdG −−= (3) エンタルピー,Hを全微分する.

VdppdVdUdH ++= (4)

さらに可逆過程であれば,dU+pdVは TdSに等しいので,次式が成り立つ.

VdpTdSdH += (5)

式(3)に式(5)を代入すると,次のようなる.

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VdpSdTdG +−= (6)

Aについても同様に,次式を得る.

pdVSdTdA −−= (7)

式(5),(6),(7)は,可逆過程における状態H,G,Aに関する重要な基礎式である.

[例題 1] 理想気体が,一定温度Tで,状態 1(p1,V1)から状態 2(p2,V2)へ変化する場合に対して,ギブスの自由エネルギー,ヘルムホルツの自由エネルギー,内部エネルギー,エンタルピーの変化量を求める

式を導出せよ. [解] ギブスの自由エネルギーについては,一定温度であるから dT =0となり,状態 1から状態 2へ変化するときのギブスの自由エネルギーの変化量をΔGとすれば,式(5.6)より以下のようになる.

∫∫∫ ====∆2

11

22

1

2

1ln

ppRT

pdpRTVdpdGG (1)

ヘルムホルツの自由エネルギーについては,先ほどと同様に,式(5.7)より以下のようになる.

1

22

11

22

1

2

1lnln

pp

RTVV

RTVdVRTpdVdAA =−=−=−==∆ ∫∫∫ (2)

内部エネルギーについても同様に,dT =0であり,内部エネルギーの変化量を⊿Uとすれば,式(4.12)よりdU=CVdTであり,以下のようになる.

02

1

2

1===∆ ∫∫ CvdTdUU (3)

エンタルピーについては,エンタルピーの変化量を⊿Hとすれば,上式(3)と式(5.4)より以下のようになる.

0lnln01

2

1

22

1

2

1

2

1=+−=++∆==∆ ∫∫∫ p

pRTppRTVdppdVUdHH (4)

[例題 2] 30℃の状態に保たれた二酸化炭素 1モルの,400atmと 20atmに対するギブスの自由エネルギーの変化量ΔGを計算せよ.ただし,二酸化炭素を理想気体と見なす. [解] 一定温度であるから[例題 5.1]より,ギブスの自由エネルギーの変化量を求める式は以下のようになる.

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1

212 ln

ppRTGGG =−=∆ (1)

したがって,計算すると以下のようになる. ΔG = 8.314×(273+30)×ln(400/20)=7547 J mol-1

9.3 自由エネルギー変化と反応の方向 ある反応がある組成の状態からどちらに進行する可能性があるかは自由エネルギー変化を比較すると

わかる.個々の物質の絶対的な自由エネルギーの値を決めることはできないが,1atm,298.2Kの標準状態におけるある元素の自由エネルギーを 0(ゼロ)とすることによって,それらの元素から生成される物質の自由エネルギーの変化を求めることは可能である.これらの値が標準生成自由エネルギー変化

である. たとえば,1atm,298.2Kにおいて,水素,窒素,酸素のそれぞれの気体のH2,N2,O2の標準生成自

由エネルギーは 0(ゼロ)となる.さまざまな物質の標準生成自由エネルギー変化は求められており,表などにまとめられている. ある反応における標準自由エネルギー変化は各成分の標準生成自由エネルギーより次式によって求める

ことができる. ⊿G゚=(生成物の標準生成自由エネルギー変化)-(反応物の標準生成自由エネルギー変化) [例題 3] 次の反応に対する⊿G298゚を求めよ.ただし,H2O(1)の標準生成自由エネルギー変化は-228.6 kJ mol-1である. H2(g) + 1/2O2 → H2O (1) [解] 標準状態で水素(g)と酸素(g)の⊿Gf゚は0であるので,次式のように解くことができる. ⊿Gf゚=-228.6-(0 + (1/2)×0)=-228.6 kJ mol-1 化学反応の自由エネルギー変化と,その反応が自発的に進行するかどうかには直接的な関係がある.

その系の自由エネルギーが増加する方向には自発的には進行しない.したがって,⊿Gが負であれば,

反応は順方向に進行する.また,⊿Gが正であれば逆方向に進行する.しかし,ここで進行するというのは可能性であって,速度が非常に遅いために進行してないと考えてもよい場合もある. 9.4 化学平衡 化学反応においては,生成物の化学ポテンシャルの総和が反応物の化学ポテンシャルの総和より小さ

ければ,化学反応は外部からエネルギーを与えなくとも進行し,その結果として,系の自由エネルギー

は低下する.しかし,反応が進むと生成物の活動度が増加して,生成物の化学ポテンシャルは増加し,

逆に反応物の活動度は減少してその化学ポテンシャルも減少する.そして,反応物の化学ポテンシャル

の総和と生成物の化学ポテンシャルの総和とが等しくなり,反応の推進力がなくなり,平衡状態が達成

される. 平衡状態は化学反応が起こらないといった状態ではなく,反応物から生成物が生じる反応速度と生成

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物が反応物にもどる反応速度が釣り合った状態であり,見かけの変化がなくなった状態となることであ

る.したがって,⊿Gの符号より,反応がどちらに進むかということの判定ができる.さらに反応がど

れほどまで進むのかということも知ることができる.この点について考察してみよう. 定温,定圧でおこる次のような気体の反応を考えてみよう.

aA + bB → cC + dD (27) それぞれのi成分 1molあたりの分圧pi気圧における自由エネルギーGiは,それぞれの成分の標準状態

での自由エネルギーGi°と分圧によって次式のようになる.

( °+°= ppRTGG iii /ln ) (28)

p°は標準圧力であり,通常は標準大気圧を使用する.この反応の自由エネルギー変化は⊿G=W(有効)に従って式(27)のように表すことができる. ΔG = (cGC + dGD) – (aGA + bGB) (29) 式(26)に式(27)を代入して整理すると次式のように書ける.

( ) ( )( ) ( ) ⎥

⎤⎢⎣

°°°°

−°∆=∆ bB

aA

dD

cC

ppppppppRTGG

////ln (30)

平衡状態においては⊿G=0となるので,

( ) ( )( ) ( ) ⎥

⎤⎢⎣

°°°°

−=∆ bB

aA

dD

cC

ppppppppRTG

////ln (31)

( ) (( ) (

))bB

aA

dD

cC

ppppppppK°°°°

=////

(32)

とおけば,(33)のように表される.

KRTG ln−=°∆ (33)

Kは平衡定数とよばれる.このように,標準自由エネルギー変化が分かれば,平衡状態が達成されたときに,どのような組成になるのか計算することが可能となる.分圧によって平衡定数を表すと次のよ

うになる.

bB

aA

dD

cC

p pppp

K = (34)

[例題 4] 水素と窒素からアンモニアを生成する反応(ハーバーボッシュ法)は下記のように表される。圧

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力 500atm、温度 500℃の反応器において 1モルのN2と 3モルのH2を反応させ、NH3が生じた。平衡に

達したときの反応器内のモル分率を調べたところ、xN2=0.194、xH2=0.582、xNH3=0.224 であった。このときのモル分率xによる反応平衡定数Kxを求めよ。 N2(g) + 3H2(g) ⇔ 2NH3(g) [解] モル分率xによる平衡定数Kxは次のように与えられる。

31.10.582194.0

224.0))((

)(33

H2N2

2NH3 =

×==

xxx

K x

[例題 5] 水素と窒素からアンモニアを生成する反応(ハーバーボッシュ法)は下記のように表される. N2(g) + 3H2(g) ⇔ 2NH3(g) このときの 25℃におけるKを求めよ.ただし,NH3(g)の標準生成自由エネルギーは,⊿Gf°=16.64 kJ

mol-1である. [解] 標準自由エネルギー変化は,⊿G°=(2)(16.64)=33.28 kJ mol-1となるので式(5.31)より K=exp(-⊿G°/RT)=exp(-33280/8.314/298.2)=1.49×10-6

9.5 平衡定数の温度依存性 系が平衡に達したときの組成は温度によって変化する.温度が変わったときに化学反応の平衡がどの

ように影響されるか,平衡定数と温度の関係についてここでは説明する.平衡定数は反応の自由エネル

ギー変化で式(33)の関係で表される. 定圧の条件で温度について式(33)を微分すると次式のようになる. d(ln K)/dT = -(1/R) d(⊿G°/T)dT (35) さらに,この式を変形させると次式となる.

d(⊿G°/T)dT = -⊿H°/T2 (36) この式を式(35)に代入すると次式のようになる.

d(ln K)/dT = -⊿H°/RT2 (37) この式はファントホッフ(van’t Hoff)の式と呼ばれ,次式のように書ける.

d(ln K)/dT = ⊿H°/RT 2 dT (38)

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⊿H°が温度によらず一定であるとすれば,式は積分することができて,次式のようになる.

ln(K2/K1) = -(⊿H°/R)(1/T2-1/T1) (39) 一般には⊿H°は温度によって変化するため,温度の関数として表し,式(35)に代入して積分してより正確な式を導くことができる. [例題 6] 次の反応の平衡定数は 298.2Kで 1.41×1017である. C6H6(g) + 3H2(g) → C6H12(g)

328.2Kでの平衡定数を求めよ.ただし,この温度区間でのエンタルピー変化は 298.2Kでの値が利用できるものとする.また,298.2Kでの標準生成エンタルピー変化は,ベンゼンとシクロヘキサンについて,それぞれ 82.93 kJ mol-1, -123.13 kJ mol-1である. [解] 298.2Kでの標準反応熱は,次式のようになる. ⊿H゜= -123.13 -82.93 = -206.06 kJ mol-1

この値を式(5.36)に代入して次の関係を得ることができる. ln(K2/1.41×1017)=-(-206.06×103/8.314)(1/328.2-1/298.2) よって,328.2Kでの平衡定数は次のようになる. K2 = 7.09 × 1013

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9.6 化学平衡とエンタルピー

[例題 7] メタンの標準生成熱を計算せよ。 [解] メタンの生成に関して熱化学方程式を立てると次のようになる。 CH4 + 2O2- CO2 + 2H2O (l) , ΔH298=―213,000 cal (1) 2H2+O2 -- 2H2O (l) , ΔH298=―137,000 cal (2) C(graph) + O2- CO2 , ΔH298=―94,000 cal (3) ここで、(l)、(graph)はそれぞれ液体と黒鉛(グラファイト)を表す。 左辺に反応物であるC(graph)と 2H2、右辺に生成物CH4がくるように式を計算するためには、 式(2)+式(3)―式(1)を計算すればよいことがわかる。

C(graph) +2H2 -- CH4 、

ΔH298=―137,000―94,000+213,000 =―18,000 cal

[例題 8] メタンの生成に関して任意の温度 Tにおけるエンタルピ変化ΔHを与える式を求めよ。 [解] メタンの生成に関して任意の温度 Tにおけるエンタルピ変化ΔHを求めるには、メタンの生成に関わる物質の定圧比熱の温度依存性を調べればよい。前例題より、メタンの生成反応については、既に

下記のようなことがわかっている。

C +2H2 -- CH4 (4) ΔH298=―18,000 cal (5)

生成物、反応物の定圧比熱の温度依存性は下記のように表されることがわかっている。 C; Cp=1.1+0.0048T-0.0000012T2 (6) H2; Cp=6.50+0.0009T (7) CH4; Cp=3.0+0.0228T-0.0000048T2 (8) 標準反応における反応熱と各成分の比熱との関係は、熱力学的に下記のように与えられる。

∑ ∑ ∑+++∆=∆ 320 3

121 TcTbTaHH iiiiii ννν (9)

[例題 9] メタン改質反応 メタンの改質反応は、下記の量論式で表される。いま温度、873K、圧力 1atm(101300Pa)にて、

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メタン 1molに対して水蒸気 5molを用いてメタンの改質を行った。反応後の平衡組成も求めよ。 CH4 + H2O -- CO + 3H2 (1) CO + H2O -- CO2 + H2 (2) ただし、反応(1),(2)の平衡定数がそれぞれK1=1.385 atm2 , K2=1.805 [-]であるとする。 [解] 反応したメタンの物質量を x [mol], 式(2)によって反応したCOの物質量を y [mol], とすると、反応後の各成分iの物質量,ni[mol]は、各反応式より、下表のように求まる。例えば、第 1成分であるメタンの反応後の残っている物質量n1は反応前に1molあったもののうちx[mol]反応したのだから、(1―x)となる。 式(1)だけを考慮すると、反応後の物質量は、下記のようになる。 1- x CH4 + H2O -- CO + 3H2 (1) 1 - x 5 - x x 3x 式(2)も考慮すると、 x y CO + H2O -- CO2 + H2 (2) x-y 5―x―y y 3x+y 反応後の混合物の全物質量Ntは、反応後の各成分iの物質量,niの和として次式のように求まる。

xnnnnnNt 2654321 +=++++= (3)

また、全圧をPとすると、i成分の分圧Piは、次式で与えられる。

PNn

Pt

ii = (4)

これらの式を用いて、反応の前後の物質収支から、反応後の各成分の物質量と分圧を計算すると下表の

ようになる。 No. 物質 反応前[mol] 反応後[mol] 分圧[atm] 1 2 3 4 5

CH4

H2O CO H2

CO2

1 5 0 0 0

n1= 1-x n2= 5 – x – y n3= x ―y n4= 3x +y n5= y

( 1- x) P / Nt

( 5- x - y) P / Nt

(x – y ) P / Nt

( 3x + y) P / Nt

y P / Nt

計 6 6 + 2x =Nt したがって、気体反応であるので、i成分の分圧Piを用いて反応平衡定数を表すと、

⎥⎦

⎤⎢⎣

⎡⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

+−−

⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

+−

⎥⎥⎦

⎢⎢⎣

⎡⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

++

⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

+−

=⋅⋅

= PxyxP

xxP

xyxP

xyx

PPPP

K26

526

126

326

3

21

343

1 (5)

10

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⎥⎦

⎤⎢⎣

⎡⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

+−−

⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

+−

⎥⎦

⎤⎢⎣

⎡⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

++

⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

+=

⋅⋅

= PxyxP

xyxP

xyxP

xy

PPPP

K26

52626

32623

452 (6)

ここで、全圧P=1atmとして、式(5),(6)を整理する。

⎥⎦

⎤⎢⎣

⎡⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

+−−

⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

+−

⎥⎥⎦

⎢⎢⎣

⎡⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

++

⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

+−

=xyx

xx

xyx

xyxK

265

261

263

26

3

1 (7)

⎥⎦

⎤⎢⎣

⎡⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

+−−

⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

+−

⎥⎦

⎤⎢⎣

⎡⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

++

⎟⎠⎞

⎜⎝⎛

+=

xyx

xyx

xyx

xyK

265

26263

262 (8)

(9) 0)26)(5)(1()3)(( 21

3 =+−−−−+− xyxxKyxyx

0)5)(()3( 2 =−−−−+ yxyxKyxy (10)

これらの式(9)、(10)を連立して解くことにより、x、yの値がわかり、反応後の組成がわかる。このような非線形連立方程式を解くには、種々の方法がある。自らプログラムを作成して数値計算により解くには、

修正Newton-Raphson法などが使える。Excelの拡張機能であるスルバーを用いて解くこともできる。Excel を使いなれた方には、この方法がもっとも容易である。プログラムを作らずに簡易的に解くにも種々の方法がある。Mathematicaなどの数学演算ソフトもその一つである。これらについては、下記にその使用例を示す。 科学技術計算ソフトであるMathematicaを用いてこの問題を解く方法を下記に示す。 Mathematicaを起動して、入力画面にて次のようにキー入力する。 In[1]:= NSolve[{(x-y)*(3x+y)^3-Ki*(1-x)*(5-x-y)*(6+2x)^2 0, y*(3x+y)-Kj*(x-y)*(5-x-y) 0, Ki==1.385, Kj 1.805} , {x,y},8] (11) 「shift」キーを押しながら「Enter」キーを押す。次のような計算結果が画面上に現れる。

Out[1]={{y→-1.83332-1.77999 ™,x→-1.28993-0.75229 ™}, {y→-1.83332+1.77999 ™,x→-1.28993+0.75229 ™}, {y→0.610793,x→0.952157}, {y→1.50807 -0.376682 ™,x→0.780438 -2.00006 ™}, {y→1.50807 +0.376682 ™,x→0.780438 +2.00006 ™}, {y→7.45868,x→-2.60506},{y→7.5,x→-2.5},{y→7.58102,x→-2.32811}} (12)

これらは、すべて上述の2つの方程式(式(9)、(10))を満足しているが、物理化学的に意味を持つのは、{y→0.610793,x→0.952157} である。 Mathematicaの入力について簡単に説明する。連立方程式を解く場合、SolveやNSolveなどの命令が使用できる。Solve は解析的解く場合(下に例を示す。)で、NSolve は数値的に解く場合に使用する。ここでは、非線形方程式で数値解をもとめればいいので、NSolveを用いた。 文法的には、 NSolve[{ 解く式(9), 解く式(10), K1の条件を与える式 , K1の条件を与える式} , {解くべき変数ここでは x,y }, 答えの有効桁数ここでは 8] Mathematicaでは、解析的な解がある場合、数値ではなく式として解を得ることもできる。

11

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[例題 10] 次の連立方程式をMathematicaで解け。

(13) 1=+ byax

(14) 2=− yx

[解] このような連立方程式をMathematicaの Solveを用いて解析的に解くと、下記のように解が求まる。 In[2]:= Solve[{a x+b y 1, x-y 2},{x,y}] (15)

Out[2]= ⎭⎬⎫

⎩⎨⎧

⎭⎬⎫

⎩⎨⎧

++−

−→+−−

−→baay

babx 21,21

(16)

さらに、Mathematicaは、微分演算なども式で解を得ることができる。例えば、式(9)、(10)を x、yで偏微分すると下記のような解を得る。これらの式は、数値解を求めるためにGauss-Newton法を用いる際に使用できる。 [例題 11] 次の偏微分をMathematicaを用いて行え。

xF ∂∂ 1 = 21

3 )26)(5)(1()3)(( xyxxKyxyx +−−−−+−

[解] In[3]:= D[(x-y)*(3x+y)^3-Ki*(1-x)*(5-x-y)*(6+2x)^2,x] Out[3]=

+−−+−−+− )5)(26)(1(4)26)(1( 2 yxxxKixxKi

322 )3()3)((9)5()26( yxyxyxyxxKi +++−+−−+

このように偏微分の結果を得る。同様に yF ∂∂ 1 、 xF ∂∂ 2 、 yF ∂∂ 2 も下記のように得られる。

D[(x-y)*(3x+y)^3-Ki*(1-x)*(5-x-y)*(6+2x)^2,y]

)3()3)((3)26)(1( 22 yxyxyxxxKi +−+−++−

D[y*(3x+y)-Kj*(x-y)*(5-x-y),x] -Kj (5-x-y)+Kj (x-y)+3 y D[y*(3x+y)-Kj*(x-y)*(5-x-y),x] 3 x+Kj (5-x-y)+Kj (x-y)+2 y Excel を用いてもこれらの非線形方程式を解くことができる。そのためには、Excel に「ソルバー」がインストールされている必要がある。Excel 購入時には一般にインストールされていないので、インストールしておくことをお勧めする。

12

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Excelに「ソルバー」をインストールするには(Office 2000、XPの場合を例に示す)、まず、Excelを起動し、sheet画面、「ツール」→「アドイン」を選択する。

下記のように「有効なアドイン」が表示されるので、「ソルバーアドイン」にチェックを入れて、「OK」ボタンを押す。

アラートメッセージが表示されるので、「はい」ボタンを押す。機器の設定によっては、このアラートメ

ッセージが出ず、「ソルバー」をインストールできる場合がある。その場合は、下記のようなインストー

ル CDの挿入の必要はない。

13

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ディスクの挿入を要求されるので、インストール CDなどを挿入して、「OK」ボタンを押す。 XPの場合、「”Microsoft Office XP Professional”ディスクを挿入し・・・」表示される。

この部分は、機種により異なる。

セルB1:B2 に変数x,yの初期値を設定し、B3:B4 のセルに平衡定数K1,K2の値を記述する。さらに、

B5,B6に式(9),(10)の左辺に相当する関数F1,F2をそれぞれ記述する。そして、F1,F2の絶対値の和をセルB7とする。 具体的には、B5,B6には、次のように関数を記述する。

B5 ; =(B1-B2)*(3*B1+B2)^3-B3*(1-B1)*(5-B1-B2)*(6+2*B1)^2 B6 ; =B2*(3*B1+B2)-B4*(B1-B2)*(5-B1-B2) B7 ; =ABS(B5)+ABS(B6) セルへの記入が完了したら、セル B7 をクリックし、その後、「ツール」→「ソルバー」と選択する。下記のような「ソルバー:パラメータ設定ウィンドウ」が現れるので、目的セルと目標値を決定後、「実

行」ボタンをクリックする。ここでは、ソルバーでセル B7を目的セルとし、目標値を最小値とする。ただし、セル B7を目的セルとする場合、$B$7として絶対参照すること。

実行後、下記のような「ソルバー:探索結果」が現れるので、解を記入するにチックがあることを確認

して「OK」ボタンを押す。

14

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セル B1:B2に x、yの解が現れる。また、「ソルバー:探索結果」中にあるレポートのリストボックスの「解答」、「感度」、「条件」をクリックしてから「OK」ボタンを押すと、Excelのシートに「解答レポート」、「感度」、「条件」ページが追加される。 解答レポート1(ソルバーで追加されるレポート Microsoft Excel 9.0 解答レポート

ワークシート名 : [ソルバー例題01.xls]Sheet1

レポート作成日 : 2004/08/24 15:43:55

目的セル (最小値)

セル 名前 計算前の値 セルの値

$B$7 誤差 52.435074 0.000368428

変化させるセル

セル 名前 計算前の値 セルの値

$B$1 x= 0.8 0.952155008

$B$2 y= 0.5 0.610758432

制約条件

なし

Sheet1の実行後の結果は下記のようになる。

15

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自らプログラムを作成して数値計算により解く方法を下記に示す。Excel の拡張機能であるスルバーを用いたり、科学技術計算ソフトであるMathematiocaなどで解く場合も、コンピュータの中では、プログラムによる数値計算が行われており、これらの式(9)、(10)のような非線形連立方程式を解くには、Gauss-Newton法や修正Newton-Raphson法などが使える。ここでは、Excelのマクロとしても使われている Visual Basic Editorを用いてコードを記述して、これらの数値計算より解く方法を説明する。 一元高次方程式の解法として、既にNewton-Raphson法やセカント法を学習した方には、それの多次元化した方法であると考えていただければよい。Gauss-Newton法でも、解の初期値を与え、連立方程式を線形化して得られる連立一次方程式を解き、近似の進んだ解を求める操作を繰り返して収束点を

探す。 一般に未知数をnとして扱うこともできるが、ここでは、この問題にあわせて未知数を2にして原理

を説明する。未知数x1,x2(式(9),(10)ではそれぞれx、yを表す)を含む二つの方程式F1(x1,x2)=0, F2(x1,x2)=0 (式(9),(10)の左辺のそれぞれをF1, F2で表す)が与えられたとする。

ここで、微係数の記号を ijji AxF =∂∂ と置き換えて行列の形で表す。

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛=⎟⎟

⎞⎜⎜⎝

⎛∆∆

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

2

1

2

1

2221

1211

FF

xx

AAAA

Ebertらのプログラムを書き換えて使う場合、下記のように修正するとよい。 Sub FUNCTIONS(N, F(), X()) ' Subroutine FUNCTIONS

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'The functions, whose roots must be calculated, are programmed here. xK1 = 1.385 xK2 = 1.805 F(1) = (X(1) - X(2)) * (3 * X(1) + X(2)) ^ 3 _ - xK1 * (1 - X(1)) * (5 - X(1) - X(2)) * (6 + 2 * X(1)) ^ 2 F(2) = X(2) * (3 * X(1) + X(2)) - xK2 * (X(1) - X(2)) * (5 - X(1) - X(2)) End Sub Sub DIFFCO(N, X(), A()) xK1 = 1.385 xK2 = 1.805 AB11 = (3 * X(1) + X(2)) ^ 3 + 9 * (X(1) - X(2)) * (3 * X(1) + X(2)) ^ 2 AB12 = xK1 * (-(5 - X(1) - X(2)) * (6 + 2 * X(1)) ^ 2 _ - (1 - X(1)) * (6 + 2 * X(1)) ^ 2 + 4 * (1 - X(1)) * (5 - X(1) - X(2)) * (6 + 2 * X(1))) A(1, 1) = AB11 - AB12 A(1, 2) = -(3 * X(1) + X(2)) ^ 3 + 3 * (X(1) - X(2)) * (3 * X(1) + X(2)) ^ 2 _ + xK1 * (1 - X(1)) * (6 + 2 * X(1)) ^ 2 A(2, 1) = 3 * X(2) - xK2 * ((5 - X(1) - X(2)) - (X(1) - X(2))) A(2, 2) = (3 * X(1) + X(2)) + X(2) - xK2 * (-(5 - X(1) - X(2)) - (X(1) - X(2))) End Sub 初期値を 0.8, 0.5 とした場合の計算結果を下表に示す。 X( 1) X( 2) F( 1) F( 2)

0.8 0.5 -51.8815 -0.55355

0.952569 0.616785 0.000755 0.063731

0.952149 0.61079 -0.00295 -1.6E-06

SUMF2 8.68E-06

Iteration 3

初期値を 0, 0 とした場合 X( 1) X( 2) F( 1) F( 2)

0 0 -249.3 0

1.005682 1.005682 1.509465 4.045584

0.971545 0.842638 -1.0842 2.424752

0.960336 0.745695 -1.11372 1.428243

0.950548 0.619252 -0.81369 0.098134

0.952159 0.610787 0.000651 -7.2E-05

SUMF2 4.29E-07

Iteration 6

また、微分をする部分をセカント法とどうよに変形すると、式を微分することなく、 式(9),(10)のみを記述して数値計算で求めることもできる。これらのプログラムを添付ファイルとして示す。

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[例題 12] メタノールから水素を取り出す反応を、次の式で表現した。 2CH3OH + H2O -- CO +CO2 + 5H2 (1) プロセスシミュレータを用いて、400~800K、1atmの条件のもとで平衡状態として計算したところ、下記の結果を得た。これらの結果が妥当な値であることを、素反応の各平衡定数から組成求めて確認す

る方法を示せ。 [解] 式(1)で示される反応は下記の3つの反応が同時に起こったものと考えることができる。 CH3OH + H2O -- CO2 + 3H2 (1) CH3OH -- CO + 2H2 (2) CO + H2O -- CO2 + H2 (2) 問題 1. 次の反応について,自発的に反応が進行するための温度条件について推測せよ. a) N2(g) + O2(g) → 2NO (g) ⊿H°= 180.7 kJ mol-1; ⊿S°= 24.7 J K-1

b) CO(g) + 1/2 O2(g) → CO2 (g) ⊿H°= -283.0 kJ mol-1; ⊿S°= -86.8 J K-1

c) H2O2(l) → H2O(l) + 1/2 O2(g) ⊿H°= -98.3 kJ mol-1; ⊿S°= 80.0 J K-1

解)省略 2. 光合成はCO2(g)とH2O(l)をC6H12O6(aq)とO2(g)へと変換する複雑な過程である.298.2 Kにおいてこの過程が自発的に進行するかどうか,ギブスの自由エネルギー変化を計算して確かめよ.ただし,それ

ぞれの物質の 298.2Kにおける標準生成自由エネルギーは,C6H12O6(aq)が-914.5 KJ mol-1,H2O(l)が-237.2 KJ mol-1,CO2(g)が-394.4 KJ mol-1である, 解)2875 KJ mol-1

3. 燃料電池では気体の水素と酸素からH2O(l)を生成する反応による化学エネルギーの変化を電気エネルギーとして取り出す.298.2K,1 気圧において最大のエネルギー変換効率はいくらになるか求めよ.また,このときに熱となってH2O(l)の標準生成熱は-286 kJ mol-1で,標準生成自由エネルギーは-237 kJ mol-1である. 解)0.83 4. 自動車の排気ガスの触媒浄化においては,いくつもの反応が進行している.次の反応によって NOは還元され,COは酸化される. NO + CO → CO2 + 1/2 N2

1)298.2K,標準状態においてこの反応は発熱反応か,吸熱反応か. 2)298.2K,標準状態においてこの反応は自発的に進行するか. 解)1)発熱反応,2)自発的に進行する 5. 次の反応の 298.2KにおけるKPの値を求めよ.SO2(g) およびSO3(g)の 298.2Kにおける標準生成自由エネルギーは,それぞれ,-300.4 kJ mol-1,-370.4 kJ mol-1である. SO2(g) + 1/2 O2(g) ⇔ SO3(g) 解)1.82×1012

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6. N2O4(g) ⇔ 2NO2(g)の平衡定数は 298.2KでKp=0.113 atm である.N2O4(g)を体積が変わる容器に閉じ込めて,298.2K,1atmで平衡に到達させた.それぞれの物質の分圧を求めよ. 解)0.716 atm 7. 高い温度で燃焼を行うと,空気中の窒素が酸素と反応してNOXが生成する. これをサーマルノックスと呼ぶ.2000Kにおいて次式でNOが生成する場合の大気圧でのNOの平衡組成を求めよ.ただし,空気組成は体積分率で,N2 78 %,O2 21 %,その他の不活性ガス 1%として考えよ.またこの温度での平衡定数KP=4.00 × 10-4とする. 解)0.0040 8. 次の反応のKPは 298.2Kで 0.113 atmである.348.2KでのKPはどれだけか. N2O4(g) ⇔ 2NO2(g) N2O4(g) および 2NO2(g)の標準生成熱はそれぞれ 33.85 kJ mol-1,9.67 kJ mol-1である. 解)0.262 atm 9. アンモニアの合成反応(N2+3H2⇔2NH3)を行った.このときの平衡定数Kと温度Tの関係は表のようになった.この実験点から以下の問題を考察せよ. 表 平衡定数と温度の関係(実験点)

T[K] K 1/T lnk 673 0.000164 0.001486 -8.71564 683 0.000152 693 0.000129 703 6.02E-05 713 4.48E-05 723 3.31E-05 733 4.74E-05 743 2.79E-05 753 3.34E-05 763 1.78E-05 773 1.44E-05

1)この表を埋め,1/Tと lnkのグラフを作成せよ. 2)このグラフから直線式を算出せよ. (ヒント)y=ax+bの形 3)1/T と lnk が直線関係になることは,ファントホッフの定圧平衡式により理論的に証明されている.以下にファントホッフの定圧平衡式を示す.

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛−−=

122

1 11lnTTR

HKK ⊿

この式を用いて各温度の平衡定数K2を求め,実験点から得られた傾きと-RH⊿を比較せよ.ただし,

400℃(T1=)での平衡定数K1は 1.64×10‐4,エンタルピー変化は,この温度範囲で⊿H=‐105.2×

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103Jと一定とし,ガス定数は 8.314JK-1mol-1である. 解)省略 生体分子 主な天然多糖類 名称 分類 天然光学異性体 存在 グルコース フルクトース ガラクトース マンノース リボース アラビノース キシノース

アルドヘキソース D デンプン、セルロース の成分 ケトヘキソース D ショ糖、イヌリンの成分 アルドヘキソース D 寒天、乳糖等の成分 アルドヘキソース D マンナンなどの成分 アルドヘキソース D RNA,ATP,NADなどの アルドヘキソース L 植物ゴム等の成分 アルドヘキソース D キシランなどの成分

D-グルコース セルロース

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1‘

5‘

4‘

3‘ 2‘糖 リン酸 塩基 ヌクレオチド

デオキシリボースと呼ばれる5つの炭素を使った糖(五炭糖)炭素の位置を黒丸で示し、それぞれの炭素に1‘~5’までの番号を付けてある

DNAの構成DNAの構成

DNA鎖の向きDNA鎖の向き

ヌクレオチド同士はリン酸とデオキシリボース2個で結合している。(ホスホジエステル結合という)

5‘- -3‘

糖の5‘の炭素が向いている方向を5’側、 3’側と呼3‘の炭素が向いている方向を ぶ

アデニン グアニン

チミン シトシン

2本鎖DNAの構造2本鎖DNAの構造

2本のDNAの鎖は4 種類の塩基によっA-T、G-Cとな逆向きに並ん

塩基対の数で表

て結合している。

この時の結合は必ず る。

また、2本のDNAの鎖は で結合している。

DNAの長さは す。上のDNAならば、6 塩基対となる。

1塩基対

アデニン チミン グアニン シトシン

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日本におけるバイオテクノロジーの将来日本におけるバイオテクノロジーの将来

DNAデータベース保有率DNAデータベース保有率

60%30%

10%

アメリカ欧州

日本10%知的所有権知的所有権

F.Hoffman-La Roche社Perkin Elmer 社US patent July 28, 1987

装置装置

¥1,000,000~数百万円以上

一検体につき期間:1~2週間費用:5万円~

欧米が独占

市場 雇用98年通産省調べ

10年後のバイオ産業予想

10年後のバイオ産業予想

+100兆円+20万人

・新薬製造↓

大量処理技術の需要大

バイオテクノロジーの必要性バイオテクノロジーの必要性

細胞

染色体

研究対象の遺伝子断片

分析可能量までの増幅が必要

・DNAコンピュータ

・DNAチップ有望な遺伝子技術

・遺伝子治療・バイオセンサー

デオキシリボ核酸

糖塩基リン酸

A,G,C,Tの4種類

微量

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DNA増幅に必要な試薬DNA増幅に必要な試薬

・鋳型DNA       

・プライマー(短いDNA断片)

・DNA増幅酵素

Taqポリメラーゼ

増幅したい部分

・dNTPs(DNAの構成成分)

アデノシン3リン酸

チミジン3リン酸

グアノジン3リン酸

シトシジン3リン酸

DNAの変性(94℃)

プライマーの結合(58℃)

DNAの伸長(94℃)

DNA増幅反応(ポリメラーゼ連鎖反応:PCR法)DNA増幅反応(ポリメラーゼ連鎖反応:PCR法)

鋳型DNA

増幅酵素

プライマー(短い遺伝子断片)

鋳型DNAが2つに増幅

増幅対象部分

1個

30サイクル後230 倍のDNA断片

1サイクルにつき2倍のDNA断片が得られる。

2個

二本鎖

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問題7.1 PCR(Polymerase Chain Reaction)法は人工合成した一組の短いDNA断片(プライマーオリゴヌクレオチド)を使ってそれらの間にはさまれたDNA断片を短時間のうちに大量増幅する便利な方法でキャリー・マリス博士によって発明された。

1)この方法の原理図の空欄を埋めよ。

2本鎖DNA

語群 d:熱変性c:プライマーg:プライマーと鋳型DNAの結合

a:Taqポリメラーゼ b:ポリメラーゼ伸長反応e:二本鎖DNAの完成 f:2回目の熱変性

ア) イ)

ウ) エ) オ) カ) キ)

2) PCR反応を一回経るごとに理論的(効率が100%の時)にはDNA量が2倍となる。  したがってn回の反応サイクルの後には、ネズミ算式に2n倍のDNAが作られる。  ここで、1サイクルの反応の平均効率をE(0<E<1)とすると、25回のサイクルの後に  DNA量は何倍に増幅されているか。

3) 2)でE=0.8の時、実際には何倍に増幅されているか。

1個 2個 4個

1サイクル 2サイクル nサイクル

2n個

Ans.              

平均効率をEとすれば25サイクル後は

1個 1.8個 3.24個

1サイクル 2サイクル

E=1ならば

増幅倍率=(     )25

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前回の講義ではPCR(Polymerase Chain Reaction)法を利用することにより同じ長さのDNAを大量に増幅する事が可能であることが分かりました。

DNAの大きさ

肉眼で確認?

問題 どんな方法なら長さの等しいDNAの増幅結果を確認できるでしょうか?

電子顕微鏡を使う?

白い糸状の物がDNA

3.4nm

光学顕微鏡を使う?

確認できるのは染色体レベルまで

固まり状のDNAを見る事は可能

PCR法の確認には不適

1本のDNAでも見る事が可能1本のDNAでも見る事が可能

但し、時間と労力が掛かる

らせん1巻き らせん1回転ごとに塩基対が10個

塩基対数が500個のDNAの大きさは?

Ans.      nm 

ゲル

試料 電気を流すとDNAが-極から+極に向かって流れる

塩基対数の少ないDNAの方が速く移動する

解答 電気泳動法を用いればよい

塩基

DNA構成成分のリン酸

電気的に負の電荷を持つ

移動媒体であるゲル→寒天のようなもの

3次元的立体構造を持つ

実際の泳動写真白く光っている部分にDNAが存在

塩基対数500個を増幅

塩基対数1000個を増幅

塩基対数2000個を増幅DNAの長さによって移動速度が異なる

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DNAを切る~制限酵素~DNAを切る~制限酵素~

DNA中の特定の塩基配列を認識→切れ目を入れる酵素

制限酵素の種類により切れ目を入れる部分は異なる

制限酵素とは・・・

-GAATTC-という配列を認識

始めのGとAの間に切れ目を入れる

同じ制限酵素で切った末端は必ず等しい

よって異なる種のDNAをつなげる事が可能に

自動シークエンサー

(サンガー法)

・・・・・・・ACGTGACGTGGTCGTGGTCAGCGATCGGATATTTAGCTGACGAGGTTTACGTACGCGATACGATCGGATATTCGTCTGACGAGGTTTACGTACG・・・・・・・・

1週間で70万の塩基を解析可能

目的のDNA

ヒトの全てのDNA(ヒトゲノム)の塩基配列の数

しかしながら、自動シークエンサーで一度に解析できる配列は1000から2000個

電気泳動を用いれば増幅したDNAの存在を容易に確認する事が出来ます。

では、増幅したDNAは本当に求める配列のDNAなのでしょうか。

DNAの配列を読むことを「シークエンシング」と呼びます。

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問題 階層的ショットガンシークエンスによって以下のような部分部分の配列が    得られた。もとのDNA配列はどのようなものと推測されるか。

ACGTCGCCATTGTCGTGCAGCGGTAACAGC

GTCGGACGTGCTCAGCCTGCACGA

TGCTACTGAAGTCAACGATGACTTCAGT

GTCATCGGTCAGTAGCCA

Ans.                             

しかし、DNAの中で遺伝に関係している部分のみを遺伝子と呼びます。

シーケンスによって全DNA配列を解読できました。

遺伝子の働きはただ一つ

タンパク質の生成タンパク質

DNA遺伝子

遺伝子

タンパク質の設計図

DNA RNA タンパク質

DNAから遺伝子配列のコピー(RNA)が作られる

アミノ酸を結合させタンパク質を生成

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タンパク質合成~転写反応~タンパク質合成~転写反応~

鋳型DNA

RNA構成塩基(A,U,G,C)

鋳型DNAにRNAポリメラーゼが結合

RNAポリメラーゼが塩基を結合

mRNA

転写反応終了

転写反応開始

mRNAの合成

RNAポリメラーゼの離脱

RNAポリメラーゼ

試薬

アミノ酸の集合体(タンパク質)の分離 アミノ酸

tRNA

mRNA

リボソーム

mRNAにtRNA、リボソームが結合

tRNAがアミノ酸を運搬しそれぞれのアミノ酸を結合

翻訳反応開始

アミノ酸鎖の成長

翻訳反応終了

mRNAからtRNA、リボソームが離脱

タンパク質合成~翻訳反応~タンパク質合成~翻訳反応~

転写反応生成物

試薬

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アミノ酸の配列対応表アミノ酸の配列対応表

Pheフェニルアラニン  LeuロイシンIleイソロイシン  MetメチオニンValバリン         SerセリンProプロリン  ThrトレオニンAlaアラニン  Tyrチロシン

Hisヒスチジン  GlnグルタミンAsnアスパラギン  LysリジンAspアスパラギン酸  Gluグルタミン酸Cysシステイン  TrpトリプトファンArgアルギニン  Glyグリシン

Stop終結

Pro:プロリンThr:トレオニンAla:アラニンTyr:チロシンHis:ヒスチジン

Asn:アスパラギンLys:リジンAsp:アスパラギン酸Glu:グルタミン酸Cys:システイン

Phe:フェニルアラニンLeu:ロイシンIle:イソロイシンMet:メチオニンVal:バリン

Arg:アルギニンGly:グリシンGln:グルタミンTrp:トリプトファンSer:セリン

アミノ酸の種類(20種)アミノ酸の種類(20種)

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問題1 生体内で合成されるタンパク質は必ずメチオニンというアミノ酸から     始まり次々とアミノ酸が結合されることで作られます。ではメチオニンに     対応するRNAの3つの塩基の並びはどのようなものになるでしょうか。     アミノ酸の配列対応表から見つけてください。

Ans. メチオニン(Met)=        

したがって長いDNA配列のなかでメチオニンを表す配列(    )を探せばタンパク質をつくる配列を見つけ出すことが出来るようになります。

問題 では下のようなRNA配列からできるタンパク質はどのようなものでしょうか。    アミノ酸の並びを記載してください。(アミノ酸の配列対応表を参照)

AUG AAU AGG GAG GAU GGA UAA

Ans.                                     

問題 階層的ショットガンシークエンスによって以下のような部分部分の配列が    得られた。もとのDNA配列はどのようなものと推測されるか。

ACGTCGCCATTGTCGGACGTGCTACTGAAGTCATCGGTTGCAGCGGTAACAGCCTGCACGATGACTTCAGTAGCCA

ACGTCGCCATTGTCGTGCAGCGGTAACAGC

GTCGGACGTGCTCAGCCTGCACGA

TGCTACTGAAGTCAACGATGACTTCAGT

GTCATCGGTCAGTAGCCA

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