2015 年 7月 10 日

博報堂「インバウンド・マーケティング・ラボ」、

春節期における訪日中国人観光客の消費行動調査結果発表

－中国人観光客の消費のキーワードは、「普段購入している物を日本でリーズナブルに」－

株式会社博報堂（東京都港区、代表取締役社長：戸田裕一）のインバウンド消費に関する研究を行う社内横断チ

ーム、博報堂「インバウンド・マーケティング・ラボ※」は、春節期における東アジア 4 地域（中国・韓国・台湾・香港）の

訪日観光客のインバウンド消費行動調査「IMBA（Inbound Marketing Breakdown Analyzer）」を実施しました。今回は、

調査結果のうち、訪日中国人観光客の消費行動分析の一部をご紹介いたします。

2014年度の訪日観光客は1300万人、インバウンド消費については、2兆円を超え、国籍・地域別の消費額では

中国が 1位（前年比 102.4%）と言われています（出典：日本政府観光局、観光庁）。

しかし、訪日、購買行動要因を詳細に明らかにしたものがなく、精緻なインバウンドマーケティングができないという課

題がありました。今回実施したインバウンド消費行動調査「IMBA」では、購入商品のカテゴリー毎に、「いつ」「どのメデ

ィアで」「どんな情報に触れて」訪日・購買行動を決定しているかを、詳細に調査・分析いたします。この調査結果を

元に高度なインバウンドマーケティングを可能にいたします。

博報堂「インバウンド・マーケティング・ラボ」では、東アジアの訪日観光客が最も多い夏休み期と春節期に継続し

て調査を行い、インバウンドマーケティングの２大最需要期を捉えたソリューションとして、クライアント企業の課題にお

応えしてまいります。

インバウンド消費行動調査・調査概要

合計 1,000 サンプル 中国=300s 韓国=300s 台湾=300s 香港=100s 性別・年代均等割付 年齢：20 歳～49 歳 直近 3 カ月で日本渡航経験有り and 訪日時に購買経験有り インターネット調査 中国：2015.03.11～03.19 韓国・台湾・香港：2015.03.19～03.31

*アンケート回答者は訪日時に購買したカテゴリーを 5 つまで選択。中国の調査では、平均 3.6 カテゴリーが選択され、購買した商品についての回答結果数は、延べで 1091。

中国人観光客のインバウンド消費の特徴（爆買の実態）

●訪日中の消費額は、20万円～40 万円が多い。

●訪日前に購入商品を決定している人が７割程度。買い物リストは訪日前に作られている。

●７割が自分用に購入。普段から使っているものを購入し、継続的に使用している。

●購入に寄与した情報でも「日本ならではの商品」であることよりも「日本で買うと安い」が多くのカテゴリー

で重視される。

●商品購買決定に強いサイトは EC サイトや旅行情報サイトなど。いずれも日本限定のメディアではなく、

一般生活者が訪日観光、訪日中に買物をした経験を踏まえたコメント等が情報源。

【本件のお問い合わせ】 博報堂 広報室 西尾・大足 TEL：03-6441-6161

【調査結果詳細】

●訪日中の消費額は、20万円～40 万円が多い。

訪日滞在中にいくら消費したかをたずねたところ、20 万円～40 万円が最も多い。他の国・地域と比べてもかなり高

額な消費をしていることがうかがえる。男女差を見てみると、40 万円以上の高消費額帯には男性が多く、14 万円以

下の中～低消費額帯では女性の割合が多い。

※参考

台湾→3.8 万円～7.6 万円。

韓国→6万円程度と 10万程度の二つに山。

香港→男女共 7万円程度。15 万円程度の男性も多い。

●訪日前に購入商品を決定している人が７割程度。買い物リストは訪日前に作られている。

購入商品決定のタイミングについて聞いてみると、訪日検討前 46.5%、訪日検討期 26.9%と、訪日前に購入商品を

決定している人が約 7 割という結果となった。男女ではその傾向に差異はなく、若干、女性の方が訪日検討前に決

定していることが多い。（女性 48.3%、男性 44.5%）

購入商品カテゴリーごとにみても、ほとんどが訪日検討前、訪日検討期に決定していることから、買い物リストは訪日

前につくられていることがわかる。

但し、ファッション製品、トイレタリーカテゴリーに関しては、訪日後～店頭で決定している人が約半数おり（ファッション

製品 44.9%、トイレタリー47.3%）、カテゴリー毎にみていくことも重要。

【訪日中の消費額】 1 元=約 20円n=300

■ 訪日を検討する

■

●購入した商品は７割

購入した商品の用途を聞

女で比較してみると、自

男性の方が多い（男性

【購入商品の決定タイミング】

【購入した商品の用途】

男性

⼥性

美容化粧品

電化製品

菓子類

ファッション製品

カメラ・時計

医薬品

飲料・酒

⾷料品

日本コンテンツ関連グッズ

日用品

トイレタリー

介護・ベビー用品

その他

全体

性

別

購

入

商

品

カ

テ

ゴ

リー

する前から購買を検討しており、買おうときめていた ■ 訪日を検討検討し始めてから、買おうときめた

訪日中、店頭

が自分用

いてみると

分用に購入

48.4%、女性

(n)

(1,091)

(528)

(563)

(206)

(155)

(134)

(118)

(109)

(77)

(67)

(64)

(57)

(40)

(36)

(27)

(1)

店頭を訪れるまでに買おうときめた ■ 訪日中、

自分用。

いてみると、全体で約 7 割が自分用、約 4 割がお土産用に購入

購入するのは女性の方が多く（女性 78.0%、男性 67.7%

女性 40.3%）。

46.5

44.5

48.3

45.1

51.6

44.8

28.8

67.9

48.1

44.8

48.4

43.9

40.0

33.3

55.6

26.9

29.0

25.0

32.5

30.3

23.9

26.3

26.0

29.9

20.3

24.6

27.5

19.4

23.7

30.6

100.0

、店頭で見て買おうときめた

購入していることがわかる。男

67.7%）、お土産用に購入するのは、

n=1091

30.3

22.0

29.6

13.4

14.6

12.3

9.2

13.5

15.7

23.7

4.6

15.6

13.4

15.6

3.5

12.5

30.6

11.1

13.2

11.9

14.4

13.1

4.5

15.7

21.2

5.5

10.4

11.9

15.6

28.1

20.0

16.7

3.7

●購入商品の使用・購入経験は

に使用している。

訪日中の購入商品についてこれまでの

本での購入経験ないし使用経験がある

ト買いをしていることが想定される。

購入重視点を聞いてみると、「安全

ナブル（46.5%）」という点が高く、「日本

ない日本ならではの商品（18.8%）」

ャパンプレミアムよりも品質の高い製品

母国で

ことがある今回が初めて

【今回の購入商品のこれまでの使用

リーで重視される。

は今回が初めての人は4割弱。普段から使っているものを

についてこれまでの使用、購入経験を聞いてみると、今回が初めてという

がある商品が多く、6 割が今までに使ったことが有る商品

。

安全・安心であること（54.2%）」「コストパフォーマンスが良

日本お土産の定番（31.7%）」や「『Made in Japan』である

）」という、日本ならではの商品かどうかのポイントが低く

製品を安く購入できることが重要となっている。

日本で購入した

ことがある

で購入した

ことがある母国で友人など

にもらって使用

／飲食したこと

がある

日本

にもらって

／

がある

使用・購入経験】

っているものを購入し、継続的

めてという人は約 4 割。母国か日

商品を日本で購買する、リピー

良い（47.9%）」「価格がリーズ

である（25.1%）」「母国では買え

く、日本製品であるといったジ

日本で友人など

にもらって使用

／飲食したこと

がある

n=1091

【購

●購入に寄与した情報でも「日本日本ならではの商品」であることよりも「日本で買うとうと安い」が多くのカテゴ

入重視点】n=1091

●商品購買決定に強いサイトは

なく、一般生活者が訪日観光、

どのようなメディアを見て購買を決定

（SNS・口コミ等）」「百度旅遊（旅行情報

頭スタッフ」、「店頭ＰＯＰ」、「Ｊａｐａｎ

また、検索エンジンでの検索結果

み、記事がみられていることもわかった

【訪日前商品購買決定者の活用メディア

【訪日中商品購買決定者の活用メディア

いサイトは EC サイトや旅行情報サイトなど。いずれも日本限定

、訪日中に買物をした経験を踏まえたコメント等が

決定するのか聞いてみると、「検索エンジン」「天猫（ECモール

旅行情報サイト）」が上位となった。訪日中でも大きな差異

Ｊａｐａｎ-i（無料ガイドブック）」が情報源となっている。

検索結果を分析すると、旅行情報サイト内のコンテンツページが

いることもわかった。

メディア】

メディア】

日本限定のメディアでは

が情報源。

モール）」「自国の親族、知人

差異はなく、これらに加え、「店

のコンテンツページが上位となり、個人の書き込

n=290

n=801

【インバウンド消費行動調査「

■特徴

※博報堂インバウンド・マーケティング・ラボ

インバウンド消費、観光など、訪日客

ープの横断プロジェクト。本調査のほか

ーポン配信サービス、「Cyber Go

訪日観光客の

→それぞれの

訪日観光客が

→カテゴリー

調査対象者は

→直近の訪日

「IMBA（Inbound Marketing Breakdown Analyzer

インバウンド・マーケティング・ラボ

訪日客の意識・行動を国内外のネットワークを活用して

のほか、訪日観光客向けのソリューションとして 2015

Cyber Go」などの開発も行っています。

の約 7 割を占める中国・台湾・香港・韓国で

それぞれの国と地域ごとの比較・分析が可能

が日本で購入する 12 商材カテゴリーを網羅

カテゴリー別に比較することでカテゴリー特徴が抽出可能

は購買行動が最も活発な「春節」「夏休み」時

訪日に関する調査であるため、回答精度と信憑性

Inbound Marketing Breakdown Analyzer）」概要】

して調査研究する博報堂グル

2015 年２月に発表した電子ク

で実査

抽出可能

時の訪日者

信憑性の高い調査