日本におけるims技術標準の導入状況...
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日本におけるIMS技術標準の導入状況
OneRoster®
2018年8月29日
藤原 茂雄 日本IMS協会 / 株式会社内田洋行
IMS認定 訓練/実装支援管理士
OneRosterとは?
1
• 校務系システムと学習系システムの間でクラス名簿や成績情報を安全に共有するための仕組み
• 校務系システムから学習者名簿データを書き出し、学習系システムに取り込むための①共通フォーマットと②通信方式を定義
• 以下のいずれかの方法によって情報を交換する。 • CSV -> Bulk (一括)or Delta (差分) • REST API
• 以下の3種類にカテゴリされるデータモデルを定義している。
クラス名簿
Class Roster
成績情報
Gradebook Results
教材情報
Resources
OneRosterのデータモデル
2
No. データモデル名 データモデル名
(日本語訳・案) 概要
1 Org 組織 学校、学区など
2 Academic Session
学期、年度 学期、年度など
3 User ユーザ 児童・生徒、教職員、保護者など
4 Demographics デモグラフィック
ユーザのデモグラフィック属性
5 Course コース、教科 各年度・学期、学年ごとの課程、教科
6 Class クラス、授業 コースの実体として特定の時限に特定の教員に より行われる授業
7 Enrollment 登録 クラスに対するユーザの登録情報
8 Resource 教材 各コース、クラスで利用されるデジタル教材情報
9 LineItem 課題 学習ツール上で行われる課題や小テスト
10 Category 課題カテゴリ 宿題、小テストなど、課題の種類
11 Result 成績 課題に対する各児童・生徒の点数
Rostering
Resources
Gradebook
データモデル詳細(User)
3
データ属性名 和訳案 多重度 (数量)
備考
username ユーザ名 1 例:[email protected] userIds ユーザID 0~多 外部システムのユーザID。Active DirectoryのIDなど type 種別 1 例:LDAP identifier ID 1 例:9877728989-ABF-0001
enabledUser 有効/無効 1 データは存在するが、システムへのアクセスを許可したくないユーザに対し、false(無効)を設定
givenName 名 1 familyName 姓 1 middleName ミドルネーム 0か1
role 役割(ロール) 1 administrator / aide / guardian / parent / proctor / relative / student / teacher のいずれか
identifier ID 0か1 例:9898-PJN email メールアドレス 0か1 sms SMS番号 0か1 phone 電話番号 0か1
agents 関係者 0~多 児童生徒のデータの場合は保護者のID 保護者のデータの場合は児童生徒のID
orgs 組織 1~多 所属する組織のID grades 学年 0~多 CEDS(*)で定義された学年データ password パスワード 0か1
*共通データ項目は省略
*:Common Educational Data Standards
IMS Globalの認証と認定製品数(参考) (OneRosterバージョン別/機能別)
4
認定製品数 33
OneRoster v1.0 17
OneRoster v1.1 29
Provider (Export)
3
Consumer (Import)
16
Rostering 28
Gradebook 9
Resources 8
Provider (Export)
8
Consumer (Import)
22
Provider (Export)
3
Consumer (Import)
8
Provider (Export)
4
Consumer (Import)
5
CSV 3
REST 1
CSV 12
REST 9
CSV 4
REST 4
CSV 12
REST 17
CSV 3
REST 0
CSV 2
REST 7
CSV 2
REST 2
CSV 2
REST 4
調査日: 2018/4/9 参照: https://www.slideshare.net/MinakoKubo1/imsoneroster-111137408
OneRoster 国内適用検討部会
5
• 日本IMS協会 技術委員会内のサブワーキンググループ。
• OneRosterを用い、校務系システムと学習系システム間で、生徒情報や成績(学習結果)、教材情報の交換を検討する。
OneRosterを用い、校務系システムと学習系システム間でのデータ交換を実践・検証する。
OneRoster適用(検討)の1st step
6
(方針)
• Rostering(名簿情報)を対象にする。
• CSV Bulk方式を採用する。
• IMS Globalの認証を取得する(Rostering, CSV Bulk, Export)
(効果)
• 名簿の二重管理の解消
• 将来の教材・成績情報の共有
• CSV形式の採用による、校務系/学習系ネットワーク分離問題の回避
校務系システム ・校務システム ・学籍管理システム(SIS)
学習系システム ・学習管理システム(LMS)
・授業支援システム
・学習教材プラットフォーム
・各種学習教材
校務系ネットワーク(職員室) 学習系ネットワーク(教室)
出力(Export)
名簿
(CSV) 取り込み(Import)
※ Exportの実装より着手。
7
システム構成例
校務系
システム
校務系システム
CSV Exporter
学習系
システム2
名簿
アカウント
台帳
校務 生徒ID
氏名 学習系1 学習系2 ・・・ 学習系n
10001 山田太郎 17000046 std00001 ・・・ abcdefg
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
・・・
・・・
名簿
アカウント
台帳
複製
複製
校務系ネットワーク 情報連携用ネットワーク
学習系ネットワーク
(インターネットを含む)
CSV
取得 CSV Import用
Gateway
https://sv1.ed.jp/ims/oneroster/v1p1/csv/users.csv
顧客ネットワーク(教育イントラ)
OR準拠
・校務システム側で、学習系システム
のアカウント(ID)が把握されていることが前提
・CSV Exporterは、個人情報を保持するため、
校務系ネットワークに配置する。
・将来のREST対応を見越し、学習系システムからのアクセスを仲介するゲートウェイを用意する。
夜間 1日1回
取得
学習系
システムn
学習系
システム1
・ ・
8
サンプルデータ(users.csv)
• 各データモデル内に、認証取得において必須/任意の情報がある。
• 今回は必須の項目のみを実装。
• 二バイト文字も問題なくテストを通過。
IMS OneRoster CSV Validator
9
IMS Global 認証
10
1. 校務系システムからのOneRoster CSV 形式での名簿情報の出力 (CSV Bulk Provider)
2. 学習系システムからのOneRoster CSV形式での名簿情報の取り込み (CSV Bulk Consumer)
まとめ
11
1. OneRosterの認証においては、形式・種類によって細分化されており、個々のシステムの要件・仕様に応じて、対応を選択することができる。
2. OneRosterのConformanceテストでは、通信方式とデータフォーマットを中心にチェックされる。
3. OneRosterの語彙(vocabulary)は米国のK-12での利用を前提としたものであるため、日本国内でOneRosterの適用にあたっては各データの定義・意味付けを(ある程度国内独自に)行っていく必要がある。
4. 現在定められているデータモデルに不足が認められる場合、データモデルの拡張(extension)の使用、あるいはIMS Globalへの仕様の提案のいずれかの方法がある。