「明日から、これをやってみよう」€¦ ·...

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「明日から、これをやってみよう」 と思えるきっかけになりました! 1 パネルディスカッション(実践発表)より コミュニティ・スクール先進県の山口県より長尾さんと林さんの2名のパネリストをお迎えし、教育委員会と してのコミュニティ・スクールの組織づくりや学校現場での具体的な取組ついて教えていただきました。 持続可能なコミュニティ・スクールを目指して ~あせらず、楽しく、仲間づくり~ ※CS…コミュニティ・スクールの略 合言葉は「ありがとう!」 ~人の役に立つ、褒められる、必要とされる、愛される~ 山口県教育委員会 山口 CS コンダクター 長尾 彰 さん 山口市立潟上中学校 校長 林 秀樹 さん 学社連携・ 協働フォーラム 報告 「山口 CS コンダクター」の配置 →地域や自治体のコミュニティ・スクールを総括的にコーディネート し、各校のニーズに応じた支援を推進する。 学校や地域の特色を生かす →子どもが学ぶ教室は山口市とい う「まち」であるという意識改革 をする。 子どもが多様な人々と関わることができる仕組みづくり →支援ボランティア組織、絵本の読み合い、保・小・特支 合同のイモほりなどを行う。 CS に必要 予算を 確保 する。 学校に来やすい環境づくり →地域の方の作品を学校の玄関 に展示し、いつでも見られる ようにする。 校長のコーディネート力は重要 →校長自らが、地域に出て人集 めをして地域とつながる。 地域貢献ができる場の設定 (地域への愛着アップ) →生徒がお祭りや清掃のボランティア活動に参加することで、地域の方 から「助かるよ」「また頼むね」などの温かい声をかけてもらえる。 公民館の活動を校内で実践 →お花や茶道等の講師として指導。 地域の方のやりがいもアップ 保護者やОGがコーディネーター となり、学校と地域のつなぎ役と して活躍。 その先にあるもの…人づくり →豊かな心をもった生徒、地域 の後継者を育てていきたい。 先生同士の対話が生まれる学校づくりへ向けて 平成 30 2 14 日発行 第7号 長野県中信教育事務所

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Page 1: 「明日から、これをやってみよう」€¦ · →地域の人材がかかわる学習場面がどのくらいあるか整理し、地域カリキュラムを作る。そして、

「明日から、これをやってみよう」

と思えるきっかけになりました!

1 パネルディスカッション(実践発表)より

コミュニティ・スクール先進県の山口県より長尾さんと林さんの2名のパネリストをお迎えし、教育委員会と

してのコミュニティ・スクールの組織づくりや学校現場での具体的な取組ついて教えていただきました。

持続可能なコミュニティ・スクールを目指して ~あせらず、楽しく、仲間づくり~

※CS…コミュニティ・スクールの略

合言葉は「ありがとう!」 ~人の役に立つ、褒められる、必要とされる、愛される~

山口県教育委員会

山口CSコンダクター

長尾 彰 さん

山口市立潟上中学校

校長 林 秀樹 さん

学社連携・

協働フォーラム

報告

「山口CSコンダクター」の配置

→地域や自治体のコミュニティ・スクールを総括的にコーディネート

し、各校のニーズに応じた支援を推進する。

学校や地域の特色を生かす

→子どもが学ぶ教室は山口市とい

う「まち」であるという意識改革

をする。

子どもが多様な人々と関わることができる仕組みづくり

→支援ボランティア組織、絵本の読み合い、保・小・特支

合同のイモほりなどを行う。

CS に必要

な予算を

確保する。

学校に来やすい環境づくり

→地域の方の作品を学校の玄関

に展示し、いつでも見られる

ようにする。

校長のコーディネート力は重要

→校長自らが、地域に出て人集

めをして地域とつながる。

地域貢献ができる場の設定 (地域への愛着アップ)

→生徒がお祭りや清掃のボランティア活動に参加することで、地域の方

から「助かるよ」「また頼むね」などの温かい声をかけてもらえる。

公民館の活動を校内で実践

→お花や茶道等の講師として指導。

(地域の方のやりがいもアップ)

保護者やОGがコーディネーター

となり、学校と地域のつなぎ役と

して活躍。

その先にあるもの…人づくり

→豊かな心をもった生徒、地域

の後継者を育てていきたい。

先生同士の対話が生まれる学校づくりへ向けて 平成30年2月14日発行

第7号 長野県中信教育事務所

Page 2: 「明日から、これをやってみよう」€¦ · →地域の人材がかかわる学習場面がどのくらいあるか整理し、地域カリキュラムを作る。そして、

2 パネルディスカッション(意見交換会)より

◇学校の敷居の高さを口にされる方もいます。さらに、学校を地域

に開いていくには…

→待っていてもだめなので、学校あるいは地域から働きかけ

ていく努力が必要である。

→A市の中学校では、地域の方を講師にした講座を年10回

行っている。とてもよい活動になっているので、地域の方から飛び込んでいくこともよい。

→学校の敷居とは何か。学校に課題がある場合と地域に課題がある場合があるので、問題を互いに

出し合うことが大切である。

◇ボランティアがなかなか集まらない。何かよい工夫はないだろうか。

→B市の小学校では、「いつでも学習ボランティアに来てください!」ということで、学校の玄関に

各クラスの算数の時間を表示している。また、一斉メールによる学習支援のお願いも出している。

→地域の人材がかかわる学習場面がどのくらいあるか整理し、地域カリキュラムを作る。そして、

PTAや地域の方のネットワークを活用してボランティアバンクを整備していく。でも、あせら

ず、できるところから少しずつ進めていくとよいと思う。

◇地域のよさを感じとれる子どもを育てるには、どんな工夫が

考えられるか。

→私は、子どもたちと長年にわたり米作りを行っている。こ

のかかわりの中で、その子たちが雪の日に家の雪かきを手

伝ってくれた。私は、村の子どもたち先生たちは家族だと

思っている。

3 参会者の方々の感想より

・コミュニティスクールに対する考え方が変わりました。どんな子どもを育てるのかを地域と学校で

しっかりと話し合うことが大切だと感じました。

・地域の方とかかわることが、子どもたちにとってすばらしい財産になることがわかりました。自分

の学校でも工夫次第でできそうだと感じました。できるところからやっていこうと思います。

・いろいろな立場の方々からのお話、そして自分の思ったことに関して様々な意見を聞くことができ

て、とても充実した時間、機会となりました。明日から何か、これを、と思うことをやってみよう

と思えるきっかけとなりました。

コーディネーター 文部科学省初等中等教育局参事官

(学校運営支援担当)付 専門職 相田 康弘 さん

【今後、大切にしてほしい2つのこと】

① 共有すること →情報のみならず、お互いの意思を伝え合い、「課題やミッ

ション」も共有した上で、取組につなげていくことが大切。

② ネットワークの視点→人口減少は避けられないが、むしろ人と人とのつなが りは工夫次第で無限に広がる可能性を秘めている。自

治体を越えたネットワークづくりも大切にしたい。

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全体計画の必須の要件の についてお伝えします。

各校において定める 総合的な学習の時間の内容

総合的な学習の時間では,地域や学校,子どもたちの実態に応じて創意工夫を生かした内容を

定めることが期待されているため,どの学年で何を指導するのかという内容を,学習指導要領で

明示していません。自校で具体的に内容を設定します。

全体計画の必須の要件

各校における

学校教育目標

各校において定める 各校において定める

来年度からの「総合的な学習の時間」の全体計画の内容には

探究課題 と 目指す資質・能力を!

「各校において定める」ってどういうこと? Q4

各校において定める 総合的な学習の時間の内容

今までとは違います。内容は,次の二つに改善されました。

中信中学校 総合的な学習の時間の内容例

目標を実現するにふさわしい

探究課題

探究課題の解決を通して育成を目指す 具体的な資質・能力

地域の自然環境とそ

こに起きている環境

問題の解決に取り組

む人 々

・地域の自然の価値や必要性について理解する

・学区内の環境問題等についての情報を調べたり,整理したりする

・複雑な問題状況の中

から,適切に課題を

設定する

・課題解決を目指して

事象を比較したり,因

果関係を推測したり

して考える

・異なる意見や他者の

考えを尊重した上で

・自分の将来を考え,夢

や希望をもつ

・自己の目標を明確に

し,課題解決に向けて

計画的に行動する

・互いの特徴を生かし

協働して課題を解

決する

・課題の解決に向けて

国際理解

地域に暮らす外国

人とその人たちが

・日本文化の伝統とその

よさや価値について

理解する

・世界の国々の文化や

内容は,今までとは違うの? 5内容に「資質・能力」を

書くようになったよ。

資質・能力の三つの柱で設定

よりよく課題を解決し自己の生き方を考えていくことに結び付く

ことができる課題を設定(学習対象)

探究課題の解決を通して育成を目指す 具体的な資質・能力

目標に示された資質・能力について,「どのようなことができるようになるか」を具体化したものです。自校の目標が実現された際に現れる望ましい子どもの姿で示されるようにします。

目標を実現するにふさわしい

探究課題 目標の実現に向けて,「何を学ぶか」子どもが探究的に取り組む課題をさします。

課題解決に向け

た探究的な学習

の過程を意識(学

習方法)

自校の探究課題に応

じて「知識及び技能」

を設定

知識及び技能

思考力,判断力,

表現力等 学びに向かう力,

人間性等

自分自身に関する

ことと,他者や社

会に関することの

関係を意識

Page 4: 「明日から、これをやってみよう」€¦ · →地域の人材がかかわる学習場面がどのくらいあるか整理し、地域カリキュラムを作る。そして、

【友との話し合いの場面の様子】

【グループでの話し合いの場面の様子】

小学5年 単元名「グラフや表を用いて書こう」 〈池田町立 池田小学校〉

池田町の暮らしについて意見文を書くために,グラフや表を用いた文章の構成を考えることをねらった授

業。前時,児童は自分の考えに合ったグラフや表を選択し,4色の短冊型原稿用紙に「何を表すグラフか(黄)」

「グラフの情報の説明(緑)」「注目する言葉や数字(ピンク)」「注目する言葉や数字から考えたこと(青)」

を分けて記入した。本時は,2つの例文を比較し,グラフを用いた文章を書く場合はどちらの構成がよいか,

短冊型原稿用紙を並べ替えたり,友と考えを伝え合ったりしながら,構成順序について主体的に追究した。

【ポイント】主体的な学びのために

複数のモデルを比較し,子どもたちが感じたモデルのよ

さや課題を意見交換する場を設ける。

【考察】導入場面で構成のモデルを2つ提示し,

どちらの構成がよいか考え,選択し,友とその根拠

について意見交換する場を設けた。比較することで

相違点が明確になり,自分が感じたそれぞれの構成

のよさや課題について考えやすくなった。このこと

によって,主体的に友と考えを伝え合い,構成順序

の効果に気付き,文章の特徴(グラフや表を用いた

文章)に応じた構成を決めだす姿が生まれた。

教育課程研究協議会の様子と成果を

ご紹介します。

まず最初に黄色がない

とおかしいよ。

やっぱりこの並び方がいい。

グラフを使うから,

例文2のように最初

にグラフの説明があ

ると分かりやすい。

例文1はピンクと青

が離れてるから分か

りにくいんだ。この2

つはつながっている

から,セットだね。

【ポイント】社会的事象の意味や意義を考えるには…

○調べて分かった事実や情報を比較する,関連付ける

などし,考察する場を設けること

○自分の生活と結びつける資料を活用すること

A社,憲法とか多

いよね。B社は消

費税とか経済。

(資料から県内の多くの人は複数紙をとってい

ない事実をじっと見つめる)私たちが新聞やニュ

ースを見て,いろんな考えを取り込み,理解して

いくことが民主政治につながっている。

新聞によって取り上げる

記事は違うから,いろん

な新聞を見た方がいい。

【考察】「いろんな新聞を見た方がいい」と考えてい

たM生は,教師が「県内の新聞シェア」の資料を提示

し「実際に何紙とっているか」と問い返したことで,

実際に複数紙にあたること

が可能なのかと立ち止まっ

た。そして,友と,他のメ

ディアの利用の可能性を語

り合い,メディアリテラシーの意味を自分の生活に寄

せて考えていくことができた。

ネットは

真偽が…

でも,いろ

いろって…

そうだよね。ネ

ットとかは?

うん,みんなは実際何紙とってる?

中学3年 現代の民主政治~マスメディアと世論~ 〈池田町立 高瀬中学校〉

単元の学習問題「私たちは民主政治にどう関わっているのか」について,投票行動に関わる大きな情報

源であるマスメディアからの情報を自分はどう扱っていけばよいか考える授業。同じ政策に関心をもつ仲

間とグループを組み全国紙3紙における政策の取り上げ方を比べ,記事の取り上げ方の違いがあることへ

の気付きをもとに,マスメディアからの情報をどう扱うべきかについて自分の考えを語り合い,主権者と

して政治に関わるためにメディアリテラシーが必要であることを理解していった。

【友と話し合う場面の様子】

【ポイント】

「問い」を見いだし探究的な学習につなげるには,

体験的な活動や調査をもとに事実にふれること。

【考察】

ポスターセッション方式で共有したことをもとに

生徒の考えが深まるように,友と話し合う場を設け

た。情報を整理・分析したことで,安曇野を目的にす

る観光客を増やすためには,「自分たちが安曇野のこ

とをもっと知らなければいけない」という新たな問い

を見いだしていった。

確かに少ないね。安曇野を目的にしている人は,安曇野の観光地に来ているみたいだよ。

安曇野を目的にしている人は3人しかいなかった。何でこんなに少ないのかな。

中学 1年 レッツ・サーチ・フォー・安曇野 〈安曇野市立 豊科南中学校〉

高遠宿泊学習で,高遠町の名所を目的に多くの観光客が来ている事実を目のあたりにした生徒たち。

「郷土の安曇野」にも観光客は来ているのか,また,訪れた観光客は安曇野についてどんなイメージをも

っているのか知るために,最寄りの梓川 SAで観光客にインタビューをおこなった。収集した情報を班ご

とにまとめ,ポスターセッション方式で共有し,他の班からの情報について友と話し合うことを通して,

新たな問いを見いだしていった授業。

観光地かぁ。そっか!安曇野の観光地をもっと PR したら,安曇野が目的になりそうだ。

そのために,まずは自分たちが安曇野のことをもっと知らなければいけないよ。安曇野を自慢したいな。

【根拠を明確にしながら話し合う場面】

小学3年 学級活動(1)「『いつも仲がいいね』と言われる学級を目指して」 〈松川村立 松川小学校〉

これまでに行ったお楽しみ会の経験などを踏まえて,お楽しみ会の内容を決め出すことをねらいとした話合い活動。クラスとして取り組みたいお楽しみ会の内容を,根拠を明確にして主張しながら,学級目標「『いつも仲がいいね』と言われる学級」の達成を意識することで,折り合いをつけて合意形成を図っていった授業。

【考察】

T 先生は,学級目標の達成を柱に据えた話

合い活動を継続的に行ってきていた。子ども

たちは,これまでに経験したお楽しみ会での

想いを素直に表現する場面で,よりよいお楽

しみ会にするための提案や問題の解決策を

出し合い,それらが学級目標の達成につなが

るかを検討することで,折り合いをつけたよ

りよい合意形成を図ることができた。

【よりよい合意形成を図るポイント】

めあてに沿った話合いの中で自分の気持

ちを素直に表現し,主張の根拠を明確に

して伝え合うこと。また,問題点の解決

策や折衷案を提案すること。

サッカーの練習を入れ

たり,失敗しても優し

い言葉をかけたりすれ

ば,仲が深まるな。

(Aくん)ボランティ

アとかでやり方が分

からない人に教えて

あげればいい!

(Kくん)サッカー

はチームワークだか

ら,シュートが入れ

ばみんなで喜べる。

(Yさん)もし負けた時「(サッカー

を知らない)おまえのせいで負け

た」と言う人がいるから反対です!

当初Yさんは,サッカーをしたくないと反対していまし

た。それは,サッカーのことがよく分からないことでKく

んたちに責められると感じていたからです。しかし,Kく

んの発言から,学級目標の達成のためにサッカーを勧めて

いることや,A くんが Y さんの不安を解消してくれようと

していることに気付いたYさんは,最終的にサッカーをし

てもよい気持ちに変わり,クラスとしてサッカーをするこ

とが決まりました。

Page 5: 「明日から、これをやってみよう」€¦ · →地域の人材がかかわる学習場面がどのくらいあるか整理し、地域カリキュラムを作る。そして、

中心的な発問「はっとした時,「私」はどんな気持ちだったかな?」

K先生

【考察】K 先生が,「わるいことしちゃっ

たな」に注目し,具体的にしようと問い

返したことで,「あゆむさんが一人が我慢

すれば…」と考えてしまったと振り返る

M さんの姿につながりました。さらに,

K 先生が“あゆむさんだけが楽しめれば

いいの”と問い返したことで,「はっ」と

したのは,自分の意見を通すだけでなく

どの子も楽しめるようにと折衷案を考え

た 5 年生の考えのよさに出会ったからだ

と子どもたちは気付いていきました。 うーん,ドキドキして発言したのに,川に

入って遊べないのは嫌だな。(つぶやく)

【ポイント】子どもの発言やつぶやきを捉え

意図をもって問い返すことで,子どもの道徳

的価値の理解は深まります。

小学3年 資料「なかよしグループ」内容項目B-10〔相互理解,寛容〕 〈松本市立菅野小学校〉

「私」がはっとした時の気持ちを考えることを通して,あゆむさんを心配する6年生のことも,勇気

を出して意見を言った「私」のことも大切にした5年生の考えのよさに気付き,自分の意見を相手に伝

えるとともに,自分とは異なる相手の意見をよく聴くことを大切にする心情を養おうとした授業。

あゆむさんにわるいことしちゃったな。

みんなもそう思う?何がわるかったの?

だから,あゆむさんもできる石のタワー

積みの競争をやればいいね。

でも,石のタワー積みだけで本当にいいの?

【資料のあらすじ】1年生から6年生までの縦割り「なかよしグループ」が,飯盒炊さんの後の遊びについ

て話し合う場面。誰も意見を出さない中,「私」は勇気を出して「川の中に入って,遊びたいです。」と発言

する。しかし,1年生のあゆむさんが初めての所だと緊張して川に入れないかもしれないと心配する6年生の

意見に,「私」は「あゆむさん一人が,我慢すればいい」と思う。そのような時,「川原の石をタワーみたい

に積んで競争して,あゆむさんの緊張がほぐれてきたら,ちょっと川に入ってみたらどうかな」と言う5年

生の意見を聞いた「私」は,はっとする。

あゆむさん一人が,我慢すればいいと思

っちゃったこと。(つぶやく)

みんなでやれることが一番楽しいよね。

K先生

(発言する友を見て深くうなずく)

そうか。5年生は,あゆむさんのことを心配

する 6 年生の意見と「私」の意見と両方聴

いてくれた。5年生ナイス!

Mさん

【より得点を多く取るために、アドバイスし合う場面】

中学校 知障学級・自情障学級 保健体育「集まりっこベースボール」

〈松本市立 清水中学校〉

様々な特性のある異学年の生徒たちが共に学ぶために,「攻撃は進んだ塁の分だけ得点

する」,「守備は捕球したボールを持って輪の中に全員集まったらアウトになる」等,ルー

ルを工夫した『集まりっこベースボール』。生徒が打ち方の練習をしたり,打つ方向をア

ドバイスし合ったりすることを通して,より得点がとれる場所をねらって打つことを追究

した授業。

【考察】

・塁をコーンにする,集まる輪を色別にする

など,特性に応じて視覚的にわかりやすく

示したことにより,見通しや意欲がもて,

生徒が主体的に活動に参加できた。

・個別の指導計画を基に,生徒一人ひとりの

ねらいを具体の姿で設定したことにより,

ホワイトボードやボールの印など必要な支

援が明確になり,自らアドバイスしたり,

打ち方を工夫したりする姿につながった。

【ポイント】

主体的に活動に取り組み,ねらいを達成するために

〇ルールや用具など,視覚的にわかりやすく示す。

〇生徒の具体的な姿で本時のねらいを設定する。

守備が手薄になっている位置を

ホワイトボードを用いて示し,

「この辺(をねらって打って)」

アドバイスを聞いてうなずき,ボールに

つけたの印が見える位置に立つ。

【野球経験があるAさんのねらい】

バッティングのアドバイスができる。

【打つことに自信がもてないBさんのねらい】

ボールの芯にバットを当て力強いバッティングができる