海外における日本医療拠点の構築に向けた研究会...

海外における日本医療拠点の構築に向けた研究会

ミャンマーにおける透析センターのフランチャイズモデルによる普及促進事業

グリーンホスピタルサプライ株式会社

資料６

会社概要

2018/4/4 Copyright © 2018 Green Hospital Supply, Inc. All rights reserved. 2

商号シップヘルスケアホールディングス株式会社

本社大阪府吹田市春日３丁目２０番８号

資本金 155億5,301万円（2017年3月末）

創業 1992年8月

グループ 52社（2017年4月末）

社員数正社員5,864名/従業員10,742名（連結：2017年4月末）

２００５年【東京証券取引所２部】上場

２００７年【東京証券取引所１部】指定替え

ディスクロージャー新人賞受賞

第４回ハイ・サービス日本３００選に選定（財団法人日本生産性本部主催）

２００９年持株会社体制スタート

２０１３年 MEJ（メディカルエクセレンスジャパン）正会員

２０１４年 JPX日経インデックス４００に銘柄選定

弊社の業績の推移と目標


9 52 74 105140170190177178299351440528

622788

1,0581,186

1,4001,624

1,888

2,243

2,5912,733

3,068

4,084

4,250

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

売上高（億円）

（決算期）

事業セグメント


•商社系、コンサル系、メーカー系、IT系

◇トータルパックプロデュース事業（TPP）

• SPD系、地域ディーラー系、専門ディーラー系

◇メディカルサプライ事業（MSP）

•有料老人ホーム系、食事提供サービス系

◇ライフケア事業

•調剤薬局、訪問調剤

◇調剤薬局事業

ミャンマー医療の現状

1. ミャンマーの行政区画


No. 連邦領・地方域・州首都人口（人）県郡区

1 ネピドー連邦領ネピドー 1,160,242 - -

2 ヤンゴン地方域ヤンゴン 7,360,703 4 45

3 エーヤワディ地方域パテイン 6,184,829 5 26

4 マンダレー地方域マンダレー 6,165,723 7 31

5 シャン州タウンジー 5,824,432 11 54

6 ザガイン地方域ザガイン 5,325,347 8 37

7 バゴー地方域バゴー 4,867,373 4 28

8 マグウェイ地方域マグウェイ 3,917,055 5 25

9 ラカイン州シットウェ 3,188,807 4 17

10 モン州モーラミャイン 2,054,393 2 10

11 カチン州ミッチーナ 1,689,441 3 18

12 カレン州パアン 1,574,079 3 7

13 タニンダーリ地方域ダウェー 1,408,401 3 10

14 チン州ハッカ 478,801 2 9

15 カヤ州ロイコー 286,627 2 7

合計 51,486,253 63 324

出所）PUPULATION AND HOUSING CENSUS OF MYANMAR, 2014を基に GHS作成


2. 医療供給体制と施設数

a. 公立病院と母子保健センター• 総合病院、特定機能病院→ 連邦領、人口の多い県

• 病院、母子センター→ 上記以外の県

b. 地域保健センター• 郡区単位で設置

• 医師の配置はない。


施設数年

1988 2007 2008 2009 2010 2011

公立病院 631 839 846 871 924 987

（病床数） 25,309 36,949 38,249 39,060 43,789 54,503

母子保健センター 348 348 348 348 348 348

地域保健センター 1,337 1,437 1,481 1,504 1,558 1,565

出所）WHO Country Cooperation Strategy Myanmar 2014–2018を基に GHS作成


3. 医療従事者数

a. 人口1万人あたりの医療従事者数• 医師：5.4人（日本：25.8人）

• 看護師：5.1人（日本：85.5人）

• 助産師：3.8人


医療従事者数年

1988 2007 2008 2009 2010 2011

医師 12,268 21,799 23,740 24,536 26,435 28,077

看護師 8,349 22,027 22,885 24,242 25,644 26,928

助産師 8,121 18,098 18,543 19,051 19,556 20,044

出所）WHO Country Cooperation Strategy Myanmar 2014–2018を基に GHS作成

ミャンマーの医療関連政策

1. Myanmar Health Vision 2030

a. 長期（30年）の健康開発計画→ ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ（UHC）を目指す。

• 保健医療政策と法令

• 保健利用の促進

• 保健医療サービス供給

• 保健医療の人材開発

• 伝統医学の促進

• 保健医療研究の発展

• 協同組合、ジョイントベンチャー、民間企業、NGOの役割

• 保健医療制度開発のためのパートナーシップ

• 国際協力


ミャンマーの医療関連政策

2. Myanmar National Health Plan (2017～2021)

a. 第2期中期計画（2016年12月発表）• 伝染病のコントロール

• 非伝染病のコントロール

• ライフサイクルアプローチとして新生児、小児、高齢者、および歯科領域

• 病院内ケアの改善

• 伝統医療

• 医療人材の開発

• 医療研究の推奨

• 健康の決定要因

• 栄養促進

• 保健システムの強化

• ヘルスケアの及ぶ範囲を地方、周辺都市、国境付近へ拡大


ミャンマーの透析医療

1. 透析センターの整備状況

a. 人口1万人当たりの透析装置台数• ヤンゴン：約0.28台

• その他：約0.03台

（日本：約10.6台）

→ 透析医療においても、ヤンゴンと地方都市間の

医療格差が問題になっている。


ヤンゴンその他合計

公立民間合計公立民間合計

透析センター数 5 17 22 20 10 30 52

透析装置台数 53 146 199 79 50 129 328

透析患者数 276 998 1274 370 197 567 1841

出所）第3回ミャンマー腎臓泌尿器学会講演よりGHS作成

大都市

ミャンマーの透析医療

2. 透析センターへの透析患者アクセス透析センターは、ヤンゴンやマンダレーといった大都市に集中。

透析センターがない地方都市の透析患者は近隣都市の透析センターまで通院するか、大都市に転居する必要がある。

→現在ミャンマー政府は地方都市の透析センター整備を進めている。


公立病院透析センター

民間病院透析センター

透析患者

地方都市

公立病院透析センター

民間病院透析センター

透析患者

GHSのミャンマー事業

1. Parami General Hospitalとの透析センター事業

a. 2014年8月に透析センター（6床）を開設。


Parami General Hospital

開院：2010年1月

診療科目：内科・外科・救急・

産婦人科・小児科・

外国人向け外来

ベッド数：55床

No-60, G-1, New Parami Road, Mayangone Township, Yangon, Myanmar.E-mail: [email protected]

透析用RO装置

1. 日本製の東南アジア向けRO装置

a. 日本水準の透析用水を供給する装置

b. 日本式の一体型RO装置を開発


Japan Standard

幅：1,600mm

高さ：

1,9

00

mm

・加圧ポンプ・プレフィルタ・活性炭フィルタ・チェックフィルタ・軟水器・ROモジュール・ROタンク・送水ポンプ・ETRF

MOR-20 (20床用)

日本製RO装置の普及

1. 国立病院導入先


■ヤンゴンヤンゴン専門病院サンピア総合病院北オッカラパ総合病院ヤンゴン子供病院ヤンキン子供病院

■マンダレーマンダレー総合病院マンダレー教育病院マンダレー子供病院

■マグウェマグウェ総合病院マグウェ子供病院

■ミッチーナミッチーナ総合病院

■ハッカハッカ総合病院

■チャイントンチャイントン総合病院

■ネピドーネピドー1000床総合病院ザブティリ病院

合計：15病院（23台）

RO装置市場分析

1. ミャンマーのRO市場


現地販売価格 (USD)

水質 0.1

(EU/ml)<0.001

0.050

1.0<

25,000 50,000 100,000

日本水準(JSDT)

国際水準(ISO, AAMI)

150,000

欧米製品

タイ製品

日本製品

現地製品

東南アジア向けRO装置

ほとんどの施設がこの水準

富裕層向けの民間施設で採用

新規参入

ミャンマー未進出

良

悪

フランチャイズ事業モデル

1. 透析センター新設に係る課題地方都市の私立病院が透析センターを新設するには、多くの課題をクリアしなくてはならない。

a. 事業計画の作成

b. 高額な設備投資

c. 施設工事

d. 透析医療従事者の養成

e. 透析消耗品の安定供給の確保

f. 透析装置の安定稼動の確保

g. その他

→ ハードとソフトコンポーネントを

パッケージで提供することで解決を図る。


今後の課題1. ミャンマーの民間病院に透析センターのフランチャイズモデルを提案する際には、ハードの提供のみならず、ソフト面の支援も合わせてパッケージとして提案することが重要である。パートナー病院のスタッフ教育と業務フローの整備が疎かになれば、安全な透析医療を提供する現場環境が整備できない可能性がある。

2. 現在、ミャンマーの透析看護師、メンテナンス技術者は質・量ともに不足している状況である。これまでの経験から、OJTによる現場教育でスタッフの能力が向上することが分かった。トレーナーによる後輩の指導など、効率よく技術が伝達される環境をどのように構築するかが次の課題である。

3. ミャンマーは国内輸送費が高く、地方都市の医療材料は高額になるため、フランチャイズ展開によるスケールメリットの活用など、透析センターを整備した場合の医療材料の安定供給手段の確保が課題となる。


まとめ

1. ミャンマーの民間病院が透析センターを新設するには、高額な設備投資、医療従事者の確保、医療材料の安定供給、透析装置の安定稼動の確保等、課題が存在する。

2. これらの課題は、フランチャイズモデルを適用することで解決できるが、フランチャイズ展開には装置導入や人材育成に加え病院設備工事の支援を行う等、ハード・ソフト面を合わせた提案が重要である。


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