地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と …2014/09/12  ·...

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地域包括ケアにおけるケアの知識・ 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と普及における課題 技術の重要性と普及における課題 技術の重要性と普及における課題 技術の重要性と普及における課題 2014 2014 2014 2014年月日 年月日 年月日 年月日日 一般社団法人 一般社団法人 一般社団法人 一般社団法人 振興会 振興会 振興会 振興会 常務理事 常務理事 常務理事 常務理事 中井 中井 中井 中井 孝之 孝之 孝之 孝之 1

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地域包括ケアにおけるケアの知識・地域包括ケアにおけるケアの知識・地域包括ケアにおけるケアの知識・地域包括ケアにおけるケアの知識・技術の重要性と普及における課題技術の重要性と普及における課題技術の重要性と普及における課題技術の重要性と普及における課題

2014201420142014年9月7日(年9月7日(年9月7日(年9月7日(日日日日))))

一般社団法人一般社団法人一般社団法人一般社団法人 シルバーサービス振興会シルバーサービス振興会シルバーサービス振興会シルバーサービス振興会

常務理事常務理事常務理事常務理事 中井中井中井中井 孝之孝之孝之孝之

1

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目次

★データでみる介護サービス‥・・・・・‥‥・P.3

★地域包括ケアシステムについて・・・‥‥・P.8

★介護人材の確保、

キャリア段位制度について・・・・・・P.14

2

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データでみる介護サービス

3

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平成平成平成平成25252525年度介護給付費実態年度介護給付費実態年度介護給付費実態年度介護給付費実態調査調査調査調査報告報告報告報告((((平成平成平成平成25252525年年年年5555月月月月審査分~審査分~審査分~審査分~平成平成平成平成26262626年年年年4444月審査分月審査分月審査分月審査分))))

4

居宅サー

ビス

46.4%

居宅介護

支援

4.6%

地域密着

型サービ

11.5%

施設サー

ビス

37.5%

介護保険給付費用(予防を除く) 介護給付費請求事業

所数

1事業所あたり費用

(単位:百万円) (単位:円)

居宅サービス 3,890,888 46.4% 1,628,102 2,389,831

居宅介護支援 385,447 4.6% 438,986 878,039

地域密着型サービス 965,736 11.5% 264,231 3,654,893

施設サービス 3,151,068 37.5% 147,703 21,333,812

計 8,393,139 2,479,022 28,256,575

※介護給付費請求事業所数は、毎月の請求事業所数を足し上げたもの。(同一事業所が毎月請求をあげていたら、12とカウントされる。)

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平成平成平成平成25252525年度介護給付費実態年度介護給付費実態年度介護給付費実態年度介護給付費実態調査調査調査調査報告報告報告報告((((平成平成平成平成25252525年年年年5555月月月月審査分~審査分~審査分~審査分~平成平成平成平成26262626年年年年4444月審査分月審査分月審査分月審査分))))

5

介護保険給付費用(予防を除く)

介護給付費請求事業所数

1事業所あたり費用

(単位:百万円) (単位:円)

訪問介護 772,591 19.9% 371,389 2,080,274訪問入浴介護 59,081 1.5% 27,049 2,184,221訪問看護 171,601 4.4% 102,585 1,672,769訪問リハビリテーション 30,597 0.8% 42,381 721,951通所介護 1,319,083 33.9% 449,072 2,937,353通所リハビリテーション 401,965 10.3% 85,654 4,692,892福祉用具貸与 237,122 6.1% 83,954 2,824,428短期入所生活介護 384,381 9.9% 108,568 3,540,463特定施設入居者生活介護 395,073 10.2% 50,288 7,856,208その他 119,394 3.1% 307,162 388,700

居宅居宅居宅居宅 計計計計 3,890,888 1,320,940 2,945,545居宅介護支援居宅介護支援居宅介護支援居宅介護支援 385,447 438,986 878,039

定期巡回・随時対応型訪問介護看護 8,085 0.8% 3,396 2,380,742認知症対応型通所介護 85,724 8.9% 45,087 1,901,302小規模多機能型居宅介護 172,455 17.9% 50,507 3,414,477認知症対応型共同生活介護 580,251 60.1% 145,567 3,986,144地域密着型介護老人福祉施設サービス 97,457 10.1% 13,492 7,223,318複合型サービス 4,153 0.4% 1,011 4,107,814その他 17,611 1.8% 5,171 3,405,724

地域密着地域密着地域密着地域密着 計計計計 965,736 264,231 3,654,893介護老人福祉施設 1,602,223 50.8% 80,842 19,819,191介護老人保健施設 1,222,082 38.8% 47,919 25,503,078介護療養型医療施設 326,763 10.4% 18,942 17,250,713

施設施設施設施設 計計計計 3,151,068 147,703 62,572,982

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6

「介護「介護「介護「介護給付費実態調査月報」請求給付費実態調査月報」請求給付費実態調査月報」請求給付費実態調査月報」請求事業所数事業所数事業所数事業所数、「介護サービス情報公表制度」介護職員数、「介護サービス情報公表制度」介護職員数、「介護サービス情報公表制度」介護職員数、「介護サービス情報公表制度」介護職員数にみるにみるにみるにみる法人法人法人法人主体別の主体別の主体別の主体別の内内内内訳訳訳訳

社会福祉法人

医療法人 営利法人 農協 生協 NPO法人 その他 計

居宅系

訪問介護 請求事業所数 65,846 20,343 248,328 3,706 5,285 20,221 7,660 371,389

介護職員数 122,301 31,819 397,978 7,528 14,144 32,221 27,007 632,997

訪問入浴介護 請求事業所数 9,280 459 16,601 108 60 171 370 27,049

介護職員数 8,335 484 24,175 134 102 153 573 33,955

訪問看護 請求事業所数 6,432 40,088 30,442 960 2,689 1,384 20,590 102,585

介護職員数 9,824 89,075 31,479 1,765 3,660 1,889 53,997 191,689

訪問リハビリテーション 請求事業所数 1,732 29,634 137 280 797 0 9,801 42,381

介護職員数 9,339 142,497 582 5,929 2,728 29 36,456 197,560

通所介護 請求事業所数 123,734 28,200 259,514 2,548 4,317 21,294 9,465 449,072

介護職員数 257,949 51,142 347,425 6,410 8,354 28,735 31,359 731,374

通所リハビリテーション 請求事業所数 7,671 64,741 62 398 2,041 0 10,741 85,654

介護職員数 19,477 147,627 508 1,048 4,160 70 19,335 192,224

福祉用具貸与 請求事業所数 2,095 1,112 77,550 1,001 517 588 1,091 83,954

介護職員数 1,147 537 50,561 512 302 267 1,524 54,850

短期入所生活介護 請求事業所数 87,658 4,097 12,568 130 294 524 3,297 108,568

介護職員数 542,116 11,871 36,936 752 1,049 1,185 19,615 613,523

特定施設入居者生活介護

請求事業所数 11,895 2,351 34,365 0 124 237 1,316 50,288

介護職員数 56,504 19,066 324,905 298 1,651 1,018 17,081 420,523

その他 請求事業所数 7,294 103,010 68,365 567 3,584 201 124,141 307,162

介護職員数 55,531 332,578 662 4,961 4,777 545 62,163 461,217

居宅 計請求事業所数 323,637 294,035 747,932747,932747,932747,932 9,698 19,708 44,620 188,472 1,628,102介護職員数 1,026,991 494,118 1,214,5491,214,5491,214,5491,214,549 24,376 36,149 65,566 206,948 3,068,696

居宅介護支援請求事業所数 110,374 67,921 213,964 4,185 6,144 16,079 20,319 438,986介護職員数 72,612 41,206 78,253 2,436 4,602 6,128 13,282 218,519

※介護職員数は、平成25年度情報公表システム入力データより抽出(併設事業所における重複カウントを含む)居宅系のその他に含まれる居宅療養管理指導は情報公表制度対象外のため、介護職員数が不明

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7

社会福祉法人

医療法人 営利法人 農協 生協NPO法人

その他 計

地域密着型

定期巡回・随時対応型 請求事業所数 986 447 1,760 9 66 62 66 3,396訪問介護看護 介護職員数 3,573 1,871 6,680 67 414 215 325 13,144認知症対応型通所介護 請求事業所数 21,330 5,447 13,400 120 605 2,858 1,327 45,087

介護職員数 31,775 6,751 18,558 238 660 3,953 2,604 64,541

小規模多機能型居宅介護 請求事業所数 15,182 6,516 23,359 194 602 3,416 1,238 50,507

介護職員数 27,854 11,515 44,291 529 1,168 6,484 4,250 96,090認知症対応型共同生活介護

請求事業所数 33,499 24,622 77,717 78 647 6,985 2,019 145,567

介護職員数 70,081 53,353 162,066 408 1,350 13,022 13,199 313,478

地域密着型 請求事業所数 13,308 0 0 12 0 0 172 13,492介護老人福祉施設 介護職員数 50,919 48 65 60 64 1,153 52,308複合型サービス 請求事業所数 113 251 491 0 17 79 60 1,011

介護職員数 278 843 1,275 0 46 110 122 2,674その他 請求事業所数 1,511 644 2,666 0 24 135 191 5,171

介護職員数 5,425 2,279 8,208 0 108 403 1,480 17,903

地域密着型 計請求事業所数 85,929 37,927 119,393119,393119,393119,393 413 1,961 13,535 5,073 264,231介護職員数 189,905 76,660 241,142241,142241,142241,142 1,242 3,807 24,250 23,132 560,139

施設系

介護老人福祉施設 請求事業所数 76,743 0 9 22 0 0 4,068 80,842介護職員数 626,848 695 473 527 188 989 22,630 652,351

介護老人保健施設 請求事業所数 7,297 35,410 3 284 336 0 4,589 47,919介護職員数 68,574 307,685 272 2,246 2,197 224 36,906 418,103

介護療養型医療施設 請求事業所数 192 15,306 0 79 60 0 3,305 18,942介護職員数 9,078 369,180 100 2,395 2,007 256 59,010 442,026

施設 計請求事業所数 84,232 50,716 12 385 396 0 11,962 147,703介護職員数 704,500 677,560 845 5,168 4,392 1,469 118,546 1,512,480

「介護「介護「介護「介護給付費実態調査月報」請求給付費実態調査月報」請求給付費実態調査月報」請求給付費実態調査月報」請求事業所数事業所数事業所数事業所数、「介護サービス情報公表制度」介護職員数、「介護サービス情報公表制度」介護職員数、「介護サービス情報公表制度」介護職員数、「介護サービス情報公表制度」介護職員数にみるにみるにみるにみる法人法人法人法人主体別の主体別の主体別の主体別の内内内内訳訳訳訳

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地域包括ケアシステムについて

8

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出典:慶応義塾大学田中滋先生「日本医師会在宅医療支援フォーラム」資料9

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10

平成24年度介護報酬改定のポイントについて

在宅サービスの充実と施設の重点化在宅サービスの充実と施設の重点化在宅サービスの充実と施設の重点化在宅サービスの充実と施設の重点化中重度の要介護者が住み慣れた地域で在中重度の要介護者が住み慣れた地域で在中重度の要介護者が住み慣れた地域で在中重度の要介護者が住み慣れた地域で在宅生活を継続できるようなサービスの適切な宅生活を継続できるようなサービスの適切な宅生活を継続できるようなサービスの適切な宅生活を継続できるようなサービスの適切な評価及び施設サービスの重点化評価及び施設サービスの重点化評価及び施設サービスの重点化評価及び施設サービスの重点化。。。。

・日中・夜間を通じた定期巡回・随時対応サービスの創設(新サービス)・複合型サービス(小規模多機能+訪問看護)の創設(新サービス)・緊急時の受入の評価(ショートステイ)・認知症行動・心理症状への対応強化等(介護保険3施設)・個室ユニット化の推進(特養、ショートステイ等)・重度化への対応(特養、老健、グループホーム等) 等

特別養護老人ホームの重点化(見直し案)

○ 原則原則原則原則、、、、特養への新規入所者を要介護度3以上の高齢者に限定特養への新規入所者を要介護度3以上の高齢者に限定特養への新規入所者を要介護度3以上の高齢者に限定特養への新規入所者を要介護度3以上の高齢者に限定し、在宅での生活

が困難な中重度の要介護者を支える施設としての機能に重点化【既入所者は除く】

○ 他方で、軽度(要介護1・2)の要介護者について、やむを得ない事情により、特養以外での生活が著しく困難であると認められる場合には、市町村の関与の下、特例的に、入所を認める

2.7

3.1

12.5

9.0

8.7

14.9

26.1

20.3

19.0

36.7

32.0

28.7

25.6

35.8

22.9

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

平成23年

平成12年

要介護度別の特養入所者の割合

(3.35)

(3.89)

【【【【参考参考参考参考】】】】平成平成平成平成23232323年度年度年度年度におけるにおけるにおけるにおける特養特養特養特養のののの新規入所者新規入所者新規入所者新規入所者

※全体の約14万人のうち要介護1・2は約1.6万人

要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 (平均要介護度

(単位:万人)

≪ 施設数: 7,831施設 サービス受給者数:51.1万人 (平成25年8月) ≫

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Community-based care

地域を基盤とする地域を基盤とする地域を基盤とする地域を基盤とするケアケアケアケア

integrated care

統合統合統合統合ケアケアケアケア

11

我が国の地域包括ケアシステム

オランダのオランダのオランダのオランダの Community-based integrated care system

は日本の地域包括ケアシステムにつながるは日本の地域包括ケアシステムにつながるは日本の地域包括ケアシステムにつながるは日本の地域包括ケアシステムにつながる

慢性疾患を抱えた高齢者の急性増悪時のケアをどのように提供すべきか、あるいは認知症の高齢のがん患者への対応をどうすべきか、あるいは急性期医療とのcoordinationレベルでの連携システムの模索や、単身で賃貸住宅に住む低所得の要介護状態となった高齢者への対応という、貧困施策や住宅施策との施策レベルでのcoordinationの模索

※出典:「地域包括ケアシステムのサイエンス」兵庫県立大学筒井孝子氏

Page 12: 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と …2014/09/12  · 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と普及における課題

※出典:「地域包括ケアシステムの効果とリスク」兵庫県立大学筒井孝子氏

主要な5つのintegration(統合)の種類とそれに関する統合的プロセスの説明主要な5つのintegration(統合)の種類とそれに関する統合的プロセスの説明主要な5つのintegration(統合)の種類とそれに関する統合的プロセスの説明主要な5つのintegration(統合)の種類とそれに関する統合的プロセスの説明

1.システム的統合

政策、ルール、そして規制のフレームワークのコーディネーションと提携

例)病院外の協調的ケアを推し進める政策、多様化する(サービス提供者のための中心的起動力の形成、国による刺激策(インセンティブ)の開発、または、コストの高いケアに代わってコストパフォーマンスや医療的必要性のあるケアに置換するための財政的刺激策(ダウンワードサブスティチューション)

2.規範的統合

組織、専門家集団、個人の間で価値観、文化、視点の共有

例)共通の統合目的の設置、コミュニケーションの際に生じるギャップを解明し対応、現地でのイベントを通した臨床的関係と信頼の構築、ま たはサービス使用者やより広いコミュニティと関係を持つ。

3.組織的統合組織間での構造、ガバナンスシステム、関係のコーディネーション

例)資金のプールやPBC(業務歩合制)といった公的・私的な契約的・協調的取り決め。または、プライマリケア連合や地方の臨床的パートナーシップといった参加型組織構造の形成。

4.運営的統合事務管理業務、予算、財政システムの提携

例)説明責任方法、資金提供、情報システムの共有を行う。

5.臨床的統合

情報とサービスのコーディネーション、又は患者のケアの統合をし、一つの過程にまとめる。

例)臨床的役割・ガイドライン・専門的教育の拡大。または、患者との共有の意思決定における患者の役割を促進する。

・どの統合的プロセスにも優劣はない。むしろ、integrated careの取組みの目標は、結合的プロセスを選ぶ際の決定を導き、さらに特殊な条件下でも促進する。・関係するintegrationの種類を見極め、プロジェクトに合わせ統合の種類を選ぶ必要がある。・どのintegrationが最も関連性があるかの決定要素としては、例えばプロジェクトの目的、利害関係者、従来から現地で行ってきたヘルス(ソーシャル)ケアへの取組み、利用可能な資源などがある。

12

Page 13: 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と …2014/09/12  · 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と普及における課題

地域包括ケアシステム構築に際しての課題

①人と金の問題

専門職のマンパワー、特に医師やリハビリスタッフの確保が甚だ困難で、人材確保に必要な人件費などの財源調達も大きな課題となっている。

②保健・医療・福祉(介護)の親密な連携をどう構築するか

③首長や議会の理解とやる気をどう引き出すか

④地域住民の理解と協力をどう確保するか

⑤地域包括ケアを実践する上で中心となる「拠点」がその地域に存在するか

簡単には解決できない困難な問題であり、地域包括ケアが全国的に広く普及することを妨げている原因

※出典:「地域包括ケアシステムの効果とリスク」兵庫県立大学筒井孝子氏13

他でうまくいった事例の方式を他の地域に導入する上での課題

Page 14: 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と …2014/09/12  · 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と普及における課題

介護人材の確保キャリア段位制度について

14

Page 15: 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と …2014/09/12  · 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と普及における課題

介護人材を巡る現状と課題① ~将来に向け大幅な増加が必要~

140万人万人万人万人

0

50

100

150

200

250

2011年 2020年

必要介護職員数の推計必要介護職員数の推計必要介護職員数の推計必要介護職員数の推計

201~~~~211万人万人万人万人

(万人)

60万人強万人強万人強万人強のののの増加増加増加増加が必要が必要が必要が必要

高齢化の進行に伴い、介護職員の大幅な増加が必要。

資料出所:「医療・介護に係る長期推計」(平成23年6月社会保障改革に関する集中検討会議)

15「平成25年度アセッサー集合講習資料」より抜粋

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介護人材を巡る現状と課題② ~確保が困難な状況~

介護分野は、全産業平均に比べて離職率が高く、有効求人倍率が高い。⇒ 人材の定着や新規参入が進まず、人材確保が困難な状況。

資料出所:「介護労働実態調査」((財)介護労働安定センター)、「雇用動向調査」(厚生労働省)、「職業安定業務統計」(厚生労働省)

16.2%15.4%

14.6%

16.4%

14.5% 14.4%

20.3%

21.6%

18.7%

17.0%17.8%

16.1%

10%

12%

14%

16%

18%

20%

22%

24%

H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年

離職率の動向離職率の動向離職率の動向離職率の動向

介護職員介護職員介護職員介護職員

全産業計全産業計全産業計全産業計

0.81

1.72

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

H21年

7月

H22年

1月

7月 H23年

1月

7月 H24年

1月

7月

有効求人倍率の推移有効求人倍率の推移有効求人倍率の推移有効求人倍率の推移

介護関係職介護関係職介護関係職介護関係職

全産業計全産業計全産業計全産業計

16「平成25年度アセッサー集合講習資料」より抜粋

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介護人材を巡る現状と課題③ ~「業務への評価が低い」が不満~

介護職員は、「仕事内容のわりに賃金が低いこと」、「業務に対する社会的評価が低いこと」など、「自らの業務に対する評価が低い」という不満を抱えている。

13.3%

15.0%

19.8%

28.2%

29.3%

29.4%

30.8%

36.1%

40.2%

44.2%

0% 20% 40% 60%

労働時間が不規則である

健康面(感染症、怪我)の不安がある

夜間や深夜時間帯に何か起きるのではないかと不安…

精神的にきつい

業務に対する社会的評価が低い

休憩が取りにくい

身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)

有給休暇が取りにくい

人手が足りない

仕事内容のわりに賃金が低い

介護職員が働く上での悩み、不安、不満介護職員が働く上での悩み、不安、不満介護職員が働く上での悩み、不安、不満介護職員が働く上での悩み、不安、不満等等等等 (複数回答)(複数回答)(複数回答)(複数回答)

資料出所:「平成23年度介護労働実態調査」((財)介護労働安定センター) 17「平成25年度アセッサー集合講習資料」より抜粋

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介護人材を巡る現状と課題④ ~介護スキルが不安~

介護職員は、「利用者に適切にケアができているか」、「介護事故で利用者に怪我をおわせてしまうのではないか」といった「自らの介護スキルに対する不安」を感じている。

1.9%

4.0%

6.1%

9.7%

11.5%

14.8%

14.9%

18.0%

19.5%

25.7%

27.5%

48.3%

0% 20% 40% 60%

その他

禁じられている医行為を求められる

利用者や、その家との人間関係がうまくいかない

利用者の行動が理解できずに対処方法が分からない

(医行為以外で)定められたサービス以外の仕事を要求される

利用者及びその家族について特に悩み、不安、不満等は感じていない

良いと思ってやったことが利用者に理解されない

利用者の家族が必要なサポート・理解をしてくれない

利用者は何をやってもらっても当然と思っている

利用者と家族の希望が一致しない

介護事故(転倒、誤嚥その他)で利用者に怪我をおわせてしまう不安…

利用者に適切なケアができているか不安がある

利用者及びその家族についての悩み、不安、不満等利用者及びその家族についての悩み、不安、不満等利用者及びその家族についての悩み、不安、不満等利用者及びその家族についての悩み、不安、不満等 (複数回答)(複数回答)(複数回答)(複数回答)

資料出所:「平成23年度介護労働実態調査」((財)介護労働安定センター) 18「平成25年度アセッサー集合講習資料」より抜粋

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介護人材を巡る現状と課題⑤ ~エントリーレベルは比較的定着~

短時間労働者(エントリーレベル)である介護職員については、賃金は全産業計と同等以上であるとともに、離職率は全産業計よりも低い。 ⇒ エントリーレベルは比較的定着

23.1%

16.0%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

全産業計 介護職員

短時間労働者の離職率の比短時間労働者の離職率の比短時間労働者の離職率の比短時間労働者の離職率の比

較較較較

資料出所:「平成23年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)、「平成23年度雇用動向調査」(厚生労働省)

1,015円円円円

1,335円円円円

1,001円円円円

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

全産業計 ホームヘルパー 福祉施設介護員

短時間労働者の賃金(1時間当たりの短時間労働者の賃金(1時間当たりの短時間労働者の賃金(1時間当たりの短時間労働者の賃金(1時間当たりの

所定内給与額)の比較所定内給与額)の比較所定内給与額)の比較所定内給与額)の比較

19「平成25年度アセッサー集合講習資料」より抜粋

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11.7%

16.1%

0%

2%

4%

6%

8%

10%

12%

14%

16%

18%

全産業計 介護職員

常勤労働者の常勤労働者の常勤労働者の常勤労働者の離職率の比較離職率の比較離職率の比較離職率の比較

介護人材を巡る現状と課題⑥ ~中核となる職員の確保が必要~

一方、介護職員の常勤労働者(中核的な役割を担うことが想定される職員)については、賃金は全産業計よりも低く、離職率は全産業計よりも高い。⇒ キャリアを積んでも賃金が上昇しにくく、定着が進まない状況。

資料出所:「平成23年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)、「平成23年度雇用動向調査」(厚生労働省)

32.4万円万円万円万円

21.8万円万円万円万円 21.6万円万円万円万円

0

5

10

15

20

25

30

35

全産業計 ホームヘルパー 福祉施設介護員

常勤労働者の賃金(決まって支給常勤労働者の賃金(決まって支給常勤労働者の賃金(決まって支給常勤労働者の賃金(決まって支給するするするする

現金現金現金現金給与額給与額給与額給与額)の比較)の比較)の比較)の比較

20「平成25年度アセッサー集合講習資料」より抜粋

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介護人材を巡る現状と課題(まとめ)

○ 介護職員は、「自らの業務に対する評価が低い」という不満を抱え、自らの介護スキルに不安を感じている。

○ キャリアを積んでも賃金が上昇しにくく、定着が進まない状況。

キャリア・アップの仕組みを構築し、介護職員の定着と新規参入を促進するため、介護キャリア段位制度を創設

業務経験を積み重ねるごとに、スキル・やりがいが段階的に上昇し、処遇改善の材料につながっていく仕組み(キャリア・アップの仕組み)が構築されていない。

⇒ 人材の定着や新規参入が進まない要因の1つ。

21「平成25年度アセッサー集合講習資料」より抜粋

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実践キャリア・アップ戦略について

1.狙い・方向性1.狙い・方向性1.狙い・方向性1.狙い・方向性

2.システム・評価方法2.システム・評価方法2.システム・評価方法2.システム・評価方法

○ 成長分野における実践的な職業能力の評価・認定制度 (キャリア段位制度)

○ 当面、 ①介護プロフェッショナル ②カーボンマネジャー(省エネ・温室効果ガス削減等人材)③食の6次産業化プロデューサーの3分野について実施。

○ エントリーレベルから トップ・プロレベルまでの7段階で評価

○ 「わかる(知識)」と「できる(実践的スキル)」の両面で評価

○ 「わかる(知識)」の評価→原則として、認証された「育成プログラム」の履修により評価

○ 「できる(実践的スキル)」の評価

①介護プロフェッショナル:OJTを通じて評価(例:入浴介助・排泄介助などの基本介護技術、事故発生防止等)

② カーボンマネジャー:これまでの実務経験・実績により評価(例:省エネ法の定期報告書等)

③食の6次産業化プロデューサー:これまでの実務経験・実績により評価 (例:6次産業化の事業の売上、商品数、雇用者数等)

レベルレベルレベルレベル 各レベルの特徴各レベルの特徴各レベルの特徴各レベルの特徴

プロレベル

7・分野を代表するトップ・プロフェッショナル

6 ・プロレベルのスキル

・高度な専門性、オリジナリティ5

4・一人前の仕事ができる・チーム内でリーダーシップ

3・指示等がなくとも、一人前の仕事ができる

2・一定の指示のもと、ある程度の仕事ができる

1 ・職業準備教育を受けた段階22

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「できる(実践的スキル)」の評価・認定のスキーム

○ 実務経験など一定の要件を満たした介護職員が評価者(アセッサー)となり評価を実施。評価・認定の客観性を確保するため、評価者には講習の受講を義務付け。○ あわせて、内部評価の適正性を確保するため、定期的に、外部機関による評価を実施。

介護事業所・施設

介護介護介護介護職員・職員・職員・職員・実習生実習生実習生実習生

評価者評価者評価者評価者((((アセッサーアセッサーアセッサーアセッサー))))

評価

実施機関(シルバーサービス振興会)

申請 (手数料あり)

認定

評価者講習受講

外部評価機関

契約外部評価

事務局事務局事務局事務局

レベル認定委員会レベル認定委員会レベル認定委員会レベル認定委員会

●評価者講習開催●申請審査●データ管理 等

●レベル認定 等

※ 手数料の額は、実施機関が内閣府と協議して決定。介護WGでは、被災地3,400円、被災地以外6,900円を例示。 23

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介護キャリア段位制度のメリット

○ 現場で何ができるかを証明できる

・ 入浴・排泄介助等の介護技術、利用者・家族とのコミュニケーション、感染症・事故への対応、地域包括ケアの実践的スキルなどを現場の仕事を通じて評価。

○ スキル・やりがいの向上、処遇改善の材料につながる

・ キャリア段位の取得を目標に、できていないことを認識して現場で取り組むことで、スキル・やりがいの向上につながる。

・ 給料や評価を決める際の重要な材料になるので、処遇改善につながることが期待される。

○ 一時離職などのデメリットを軽減できる

・ キャリア段位の認定により、一時離職(出産・子育てなど)からの復帰や転職のデメリットを軽減できる。

◎職員の方にとってのメリット ◎事業所・施設にとってのメリット

○ OJTを通じて職員の能力を向上できる・ 「現場で実際に何ができるか」を測る評価基準であるため、OJTツールとして積極的に活用できる。

・ OJTの積極的な推進を通じて、介護職員の能力向上を図れる。

○ サービス水準をアピールできる・ キャリア段位を取得した介護職員が多ければ、質の高いサービスを提供していることをアピールできる。

○ 職員のスキル・やりがいの向上につながり、定着や新規参入を促進できる。・ 職員のスキル・やりがいの向上につながるとともに、客観的な能力評価が行いやすくなる。

・ これによって、介護職員の定着や新規参入を促進できる。

24

※ 介護事業所・施設において、資質向上のための計画に沿って、OJTの一環として介護キャリア段位制度を導入し、全ての介護職員に周知した場合、介護職員処遇改善加算のキャリアパス要件を満たしたことになる。

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介護プロフェッショナルのキャリア段位制度の目標

○ 社会保障・税一体改革においては、地域包括ケアシステム社会保障・税一体改革においては、地域包括ケアシステム社会保障・税一体改革においては、地域包括ケアシステム社会保障・税一体改革においては、地域包括ケアシステム(医療、介護、予防、住まい、生(医療、介護、予防、住まい、生(医療、介護、予防、住まい、生(医療、介護、予防、住まい、生

活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援)活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援)活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援)活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援)を実現するため、より多くの介護職を実現するため、より多くの介護職を実現するため、より多くの介護職を実現するため、より多くの介護職員が必要になる。員が必要になる。員が必要になる。員が必要になる。

○○○○ このため、介護職員の参入や定着を促進し必要な介護職員が確保できるよう、「日本再このため、介護職員の参入や定着を促進し必要な介護職員が確保できるよう、「日本再このため、介護職員の参入や定着を促進し必要な介護職員が確保できるよう、「日本再このため、介護職員の参入や定着を促進し必要な介護職員が確保できるよう、「日本再生戦略」の目標年次である生戦略」の目標年次である生戦略」の目標年次である生戦略」の目標年次である2020202020202020年において、キャリア段位認定者数の合計を13万人程度年において、キャリア段位認定者数の合計を13万人程度年において、キャリア段位認定者数の合計を13万人程度年において、キャリア段位認定者数の合計を13万人程度とすることを目標とする。とすることを目標とする。とすることを目標とする。とすることを目標とする。

年度

介護職員数

~~

2011 2020

140万人

188188188188~~~~198198198198万人万人万人万人

201201201201~~~~211211211211万人万人万人万人

現状投影シナリオにおける必要介護職員数

改革シナリオ(地域包括ケアシステムを構築)における必要介護職員数

13131313万人程度万人程度万人程度万人程度

(2020年における

キャリア段位認定者の合計の目標)

(注1)必要介護職員数は、「医療・介護に係る長期推計」(平成23年6月、社会保障改革に関する集中検討会議)の「現状投影シナリオ」及び「改革シナリオ」より。

(注2)現状投影シナリオ:現在の性・年齢階級別のサービス利用状況をそのまま将来に投影したケース

(注3)改革シナリオ:地域包括ケアシステムが構築され、在宅介護や認知症対応等が推進されたケース

○ 目標の達成に向け、制度創設後3年間で2万人程度、2015年度以降は各年度2万人程度のキャリア段位認定者の育成を目指す。

25

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介護職員の動向(イメージ)とキャリア段位制度の目標

介護職員 128.0万人(H20年)

介護福祉士:40.6万人

介護福祉士以外:87.4万人

介護職員 134.3万人(H21年)

介護福祉士:45.5万人

介護福祉士以外:88.8万人

○○○○ キャリアパスの明確化や処遇改善につなげることにより、「介護職員の定着促進・離職防止効果」キャリアパスの明確化や処遇改善につなげることにより、「介護職員の定着促進・離職防止効果」キャリアパスの明確化や処遇改善につなげることにより、「介護職員の定着促進・離職防止効果」キャリアパスの明確化や処遇改善につなげることにより、「介護職員の定着促進・離職防止効果」及び「新規参入の促進効果」の実現を目指す。及び「新規参入の促進効果」の実現を目指す。及び「新規参入の促進効果」の実現を目指す。及び「新規参入の促進効果」の実現を目指す。○○○○ これによって、これによって、これによって、これによって、2015201520152015年度以降は、キャリア段位認定者を年間2万人程度とすることを目標とする。年度以降は、キャリア段位認定者を年間2万人程度とすることを目標とする。年度以降は、キャリア段位認定者を年間2万人程度とすることを目標とする。年度以降は、キャリア段位認定者を年間2万人程度とすることを目標とする。

学卒就職者(高卒・専修・短大・大卒)

4.8万人

介護福祉士新規登録者

8.2万人

(うち5.8万人は介護分野で

既に就労)

国家試験 約6.8万人養成施設 約1.4万人

資料出所:厚生労働省「介護職員の処遇改善等に関する懇談会」資料を参考に、内閣府において作成。

26

キャリアパスの明確化、処遇改善キャリアパスの明確化、処遇改善キャリアパスの明確化、処遇改善キャリアパスの明確化、処遇改善につなげることにより、定着を促につなげることにより、定着を促につなげることにより、定着を促につなげることにより、定着を促進し、離職を減少進し、離職を減少進し、離職を減少進し、離職を減少

キャリアパスの明確化によりキャリアパスの明確化によりキャリアパスの明確化によりキャリアパスの明確化により新規参入を促進新規参入を促進新規参入を促進新規参入を促進

事業者・サービスを超えた実践的ス事業者・サービスを超えた実践的ス事業者・サービスを超えた実践的ス事業者・サービスを超えた実践的スキルの証明により、一時離職者(出キルの証明により、一時離職者(出キルの証明により、一時離職者(出キルの証明により、一時離職者(出産、子育て等)の再入職を促進産、子育て等)の再入職を促進産、子育て等)の再入職を促進産、子育て等)の再入職を促進

入職(入職(入職(入職(28.128.128.128.1万人)万人)万人)万人)

離職離職離職離職

離職者 21.8万人

介護福祉士:6.5万人

介護福祉士以外:15.3万人

6.3万人増

社会人からの入職者 23.3万人

介護分野からの再入職者:8.6万人新規入職者:14.7万人

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「介護プロフェッショナル」のキャリア段位の概要

レベルレベルレベルレベル 分野共通分野共通分野共通分野共通 介護プロフェッショナルのレベル介護プロフェッショナルのレベル介護プロフェッショナルのレベル介護プロフェッショナルのレベル

プロレベル

7 トップ・プロフェッショナル

6 ・プロレベルのスキル

・高度な専門性・オリジナリティ

・多様な生活障害をもつ利用者に質の高い介護を実践・介護技術の指導や職種間連携のキーパーソンとなり、チームケアの質を改善5

・一人前の仕事ができる段階

・チーム内でリーダーシップ

・チーム内でのリーダーシップ(例:サービス提供責任者、主任等)・部下に対する指示・指導・本レベル以上が「アセッサー」になれる

3指示等がなくとも、一人前の仕事ができる

・利用者の状態像に応じた介護や他職種の連携等を行うための幅広い領域の知識・技術を習得し、的確な介護を実践

2一定の指示のもと、ある程度の仕事ができる

・一定の範囲で、利用者ニーズや、状況の変化を把握・判断し、それに応じた介護を実践

・基本的な知識・技術を活用し、決められた手順等に従って、基本的な介護を実践

1エントリーレベル職業準備教育を受けた段階

・初任者研修により、在宅・施設で働く上で必要となる基本的な知識・技術を習得

27

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レベル わかる(知識) できる(実践的スキル)

介護福祉士であること(国家試験合格)

※ 介護福祉士養成施設卒業者について、国家試験の義務付け前においては、介護福祉士養成課程修了によりレベル4とする。

「基本介護技術の評価」、「利用者視点での評価」、「地域包括ケアシステム&リーダーシップに関する評価」

3介護福祉士養成課程又は実務者研修修了

※ 介護職員基礎研修修了でも可。「基本介護技術の評価」、「利用者視点での評価」

2 介護職員初任者研修修了(※)

※ ホームヘルパー2級研修又は1級研修修了も含む。

【レベル2②】「基本介護技術の評価」、「利用者視点での評価の一部(感染症対策・衛生管理など)」

【レベル2①】「基本介護技術の評価(状況の変化に応じた対応を除く)」

*介護福祉士養成課程において、レベル2①の評価基準を用いた実習の実施を推進

介護キャリア段位制度における評価の全体像

介護福祉士の資格取得や実務者研修・介護職員初任者研修の修了等を通じて「わかる(知識)」を評価しつつ、「できる(実践的スキル)」の能力評価を重点的に実施。

認定介護福祉士(仮称)の検討を踏まえて、評価基準を検討(当面、レベル5~7の認定は実施しない)

※ 網掛け部分は、キャリア段位制度において独自に評価を行う部分。(注)あるレベルの「わかる(知識)」の要件を満たしている場合、より下位のレベルの「わかる(知識)」の要件も満たされることとする。

28

Page 29: 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と …2014/09/12  · 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と普及における課題

キャリア段位制度にキャリア段位制度にキャリア段位制度にキャリア段位制度におけるおけるおけるおける評価評価評価評価の構造の構造の構造の構造

① ② ③

利用者 被評価者 アセッサー※

(評価者)①どのような利用者に、②どのような介護を提①どのような利用者に、②どのような介護を提①どのような利用者に、②どのような介護を提①どのような利用者に、②どのような介護を提供したかについて、③供したかについて、③供したかについて、③供したかについて、③介護技術の適正さと実介護技術の適正さと実介護技術の適正さと実介護技術の適正さと実行の事実行の事実行の事実行の事実を評価するとともに、その根拠となるを評価するとともに、その根拠となるを評価するとともに、その根拠となるを評価するとともに、その根拠となる記録を残す。記録を残す。記録を残す。記録を残す。

外部審査員④内部評価内部評価内部評価内部評価(同一事業所内における介護技術評価)(同一事業所内における介護技術評価)(同一事業所内における介護技術評価)(同一事業所内における介護技術評価)

※ 実務経験など一定の要件を満たした介護職員が評価者(アセッサー)となり評価実務経験など一定の要件を満たした介護職員が評価者(アセッサー)となり評価実務経験など一定の要件を満たした介護職員が評価者(アセッサー)となり評価実務経験など一定の要件を満たした介護職員が評価者(アセッサー)となり評価を実施。評価・認定の客観性を確保するため、評価者には講習の受講を義務付け。を実施。評価・認定の客観性を確保するため、評価者には講習の受講を義務付け。を実施。評価・認定の客観性を確保するため、評価者には講習の受講を義務付け。を実施。評価・認定の客観性を確保するため、評価者には講習の受講を義務付け。

※※※※※※※※内部評価結果が不適正と判断されれば、レベル認定は取り消しとなる。内部評価結果が不適正と判断されれば、レベル認定は取り消しとなる。内部評価結果が不適正と判断されれば、レベル認定は取り消しとなる。内部評価結果が不適正と判断されれば、レベル認定は取り消しとなる。

外部評価外部評価外部評価外部評価(外部機関による第(外部機関による第(外部機関による第(外部機関による第3者評価)者評価)者評価)者評価)外部評価外部評価外部評価外部評価(外部機関による第(外部機関による第(外部機関による第(外部機関による第3者評価)者評価)者評価)者評価)

評価結果およびその根拠(介護内容および状態に関する記録)

キャリア段位制度に取り組む事業所

それ以外の職員の勤務や提供サービス、OJTの実施に係る記録

④評価の適正性の確保のため、定期的に外部評価が実④評価の適正性の確保のため、定期的に外部評価が実④評価の適正性の確保のため、定期的に外部評価が実④評価の適正性の確保のため、定期的に外部評価が実施され、評価の適切性と実施体制の監査を実施施され、評価の適切性と実施体制の監査を実施施され、評価の適切性と実施体制の監査を実施施され、評価の適切性と実施体制の監査を実施※※※※※※※※。。。。

①介護技術評価に係る記録

②その他の職員や利用者の状態、サービス提供に係る記録

29

Page 30: 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と …2014/09/12  · 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と普及における課題

評価基準の特長

○ OJTツールとして活用できる基準(具体的なケアや業務の内

容を記載、現認を重視)

○ サービス(在宅・施設など)ごとにバラバラではない共通の基

○ 「適切に~できる」、「確実に~できる」といった抽象的な基準

ではなく、○×(できる・できない)で評価できる客観的な基準

○ 到達度に応じて、レベルを認定

○ 実証事業を通じて、レベル認定に必要な評価基準を選択

30

Page 31: 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と …2014/09/12  · 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と普及における課題

「できる(実践的スキル)」の評価基準の概要

事業者や評価者(アセッサー)ごとに評価がバラバラにならないよう、○×(できる・できない)で評価できる基準に基づいて、客観的な評価を実施。

大項目(3) → 中項目(13) → 小項目(41) → チェック項目(148)で構成

大項目

①基本介護技術の評価 ②利用者視点での評価③地域包括ケアシステム&リーダーシップ

中項目

・入浴介助・食事介助・排泄介助・移乗・移動・体位変換・状況の変化に応じた対応

・利用者・家族とのコミュニケーション・介護過程の展開・感染症対策・衛生管理・事故発生防止・身体拘束廃止・終末期ケア

・地域包括ケアシステム・リーダーシップ

【小項目→チェック項目の例】

●食事介助ができる ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小項目小項目小項目小項目

①食事の献立や中身を利用者に説明する等食欲がわくように声かけを行ったか。

②利用者の食べたいものを聞きながら介助したか。③利用者と同じ目線の高さで介助し、しっかり咀嚼して飲み込んだことを確認してから次の食事を口に運んだか。

④自力での摂食を促し、必要時に介助を行ったか。⑤食事の量や水分量の記録をしたか。

チェック

チェック

チェック

チェック項目項目項目項目

【チェック項目の評価】

A:できる

B:できる場合とできない場合があり、指導を要する

C:できない

-:実施していない

31

Page 32: 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と …2014/09/12  · 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と普及における課題

「できる(実践的スキル)」の評価基準のレベル対応

大項目 中項目 レベル2① レベル2② レベル3 レベル4

基本介護技術の評価

入浴介助 ○ ○ ○ ○

食事介助 ○ ○ ○ ○

排泄介助 ○ ○ ○ ○

移乗・移動・体位変換 ○ ○ ○ ○

状況の変化に応じた対応 × ○ ○ ○

利用者視点での評価

利用者・家族とのコミュニケーション

× 一部○ ○ ○

介護過程の展開 × × ○ ○

感染症対策・衛生管理 × ○ ○ ○

事故発生防止 × 一部○ ○ ○

身体拘束廃止 × × ○ ○

終末期ケア × × ○ ○

地域包括ケアシステム&リーダーシップ

地域包括ケアシステム × × × ○

リーダーシップ × × × ○

(注)レベル3又は2②の認定を受けている者がレベル4を申請する場合は、「基本介護技術の評価」を受ける必要はない。 32

PointPointPointPoint!!!!キャリア段位でも地域包括ケアシステムを重要視

Page 33: 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と …2014/09/12  · 地域包括ケアにおけるケアの知識・ 技術の重要性と普及における課題

360

81

122

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350

400

北海道★

青森県

岩手県★

宮城県★

秋田県

山形県

福島県★

茨城県★

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県★

東京都★

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県★

三重県

滋賀県

京都府

大阪府★

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県★

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県★

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

事業所・施設の所在地ごと事業所・施設の所在地ごと事業所・施設の所在地ごと事業所・施設の所在地ごとの評価者(アセッサー)数の評価者(アセッサー)数の評価者(アセッサー)数の評価者(アセッサー)数

33★は、H25集合講習を開催した会場のある11都道府県

都道府県都道府県都道府県都道府県ごとに取り組ごとに取り組ごとに取り組ごとに取り組み状況に差が出ているみ状況に差が出ているみ状況に差が出ているみ状況に差が出ている

平成26年度アセッサー平成26年度アセッサー平成26年度アセッサー平成26年度アセッサー講習は全国19都道府講習は全国19都道府講習は全国19都道府講習は全国19都道府県で開催(8県増)県で開催(8県増)県で開催(8県増)県で開催(8県増)

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レベル認定済 被評価者アンケートより(抄)

• いつもの援助している内容の意味を改めて思い出す機会になり、一つ一つの援助をより丁重に行うことができた。

• その時々により、バラバラの介護をしていたが、今回キャリア段位の取組みにより、毎回同じ統一の介護をしなければいけないことが分かった。出来る様になった。

• 介護過程の展開が苦手でしたが個別援助計画の作成を正しく理解できたことで、入居者の毎日の生活に気を配り、何がしたいかを考えて入居者の立場に立って支援できるようになりました。

• キャリア段位制度を取り組んだことで、介護技術の実践的スキルが向上したと感じています。また、介護過程では、アセスメント、カンファレンス、モニタリング等一連の流れを行い、スキルを身につけることができたので、今後生かしていきたいです。

• ヘルパー2級の講習を受けても、利用者の方に対しての介助がうまく出来ずに不安でしたが、評

価を受けることで、移乗、トイレ介助、食事介助、入浴介助など、自ら進んで介助できるようになれた。

• 自分の行っている介護技術の再確認ができて、自分の技術向上につなげられた。

• 自分の動きを文章に起こして考える事で改めてより良い援助方法を探ることができた。

• 介護技術向上により利用者を身体的心理的に安楽に介護できるようになる。

• 基本的なことは学んできたつもりだったが、改めて他の基本的なことを学ぶことが出来た。

• 通常業務の流れ作業的になっていたものを動作等を分割し、アセッサーの助言・指導を受けることで、それぞれが意味と意義のある事だと再認識することができた。他職員の前でも自信をもって介助等を行うことができるようになった。

34

・キャリア段位制度における一連の取り組み(介護技術の評価、OJT等)によって、あなた自身の能力開発やスキル向上を図ることができましたか。

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レベル認定済 被評価者アンケートより(抄)

• 今回勉強したことを、若い後輩に教えてあげたいとおもいました。

• 介護系の本をよく読み、情報を収集するようになった。

• 介護キャリア段位に取り組んだことで、自分に自信を持つことができました。新人の職員や実習生、他職員に対しても指導や助言を持ってすることが出来るとおもいます。

• 利用者の方に話しかけることも、会話もうまく話す事が出来ずにいたが、利用者の方に介助を行いながら話しかけ、上手く話を聞くことも出来るようになった。又、気持ち的にも余裕ができて利用者の方を見る(観察)事が出来てきている。

• 改めて、介護の基本やお客様に合わせたケアを行うように自分を見直す良いきっかけとなった。評価に関係なく、今後も常に個々に合わせたサービスを提供できるように、アセスメントを行い、またスキルの向上にも努めたい。

• 利用者に対して、自分の介護方法が本当に適切であるか、安楽なものであるか、これまで以上に考えて仕事に取組むようになったとおもう。

• ひとつひとつの援助に対して丁寧な言葉かけや関わりを意識するようになった。

• 介護技術に関する書物を読み、職員達と練習する、又、利用者さんに協力していただき練習しました。利用者とのコミュニケーションの取り方が大変大切なので今までより多く取れるようになりました。

• 一人一人に関わる時間が増えた(効率のみを追わなくなった)事で、利用者の様子を細かく観察でき、背景を深く考察できるようになった。記録を残す際も、今後のケアの展開につながるよう、参考になりそうな事柄も記入するなど視野が広がった。

35

・介護キャリア段位に取組んだことで、能力開発やスキル向上の点以外に、あなた自身に何らかの効果や変化はありましたか。