北朝鮮による核・弾道ミサイル開発について 令和2年10月 防 …令和2年10月...

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令和3年3月 防衛省 北朝鮮による核・弾道ミサイル開発について

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Page 1: 北朝鮮による核・弾道ミサイル開発について 令和2年10月 防 …令和2年10月 防衛省 北朝鮮による核・弾道ミサイル開発について 北朝鮮の核・ミサイル能力に関する認識

令和3年3月

防衛省

北朝鮮による核・弾道ミサイル開発について

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○ 防衛力を質・量的にさらに強化する○ 核抑止力をさらに強化し、最強の軍事力を育てる○ 国防科学技術をさらに高い水準に引き上げる

H30.4.2時点北朝鮮の核・ミサイル能力に関する認識

1

北朝鮮 韓国 在韓米軍

総兵力 約128万人 約60万人 約3万人

陸軍

陸上兵力 約110万人 約46万人 約2万人

海軍

艦艇約800隻

11.1万トン約240隻

25.5万トン 支援部隊のみ

海兵隊 - 約2.9万人

空軍

作戦機 約550機 約620機 約80機

第3/4世代戦闘機

MiG-23×56機MiG-29×18機

F-4×30機F-16×162機F-15×59機

F-16×60機

(資料源:「ミリタリーバランス2020」など)南北の兵力比較 北朝鮮の発表(党大会) (画像:「労働新聞」)

○ 北朝鮮軍は韓国軍及び在韓米軍に対して通常戦力において著しく劣勢。その劣勢を補うべく、核兵器や弾道ミサイルの開発の推進及び運用能力の向上を図ってきた。

○ 北朝鮮は、2018年6月の米朝首脳会談において、朝鮮半島の完全な非核化の意思を表明。また、核実験及びICBM級弾道ミサイルの発射実験の中止を表明し、豊渓里(プンゲリ)核実験場の爆破を公開。しかし、これらの措置は、北朝鮮がこれまでに累次の核実験及び弾道ミサイル発射を通じて獲得した核・ミサイル能力に変化を及ぼすものではない。また、全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での廃棄は行っていない。

○ 北朝鮮が、① 核兵器の小型化・弾頭化を既に実現しているとみられること② 我が国を射程に収めるノドンやスカッドERといった弾道ミサイルを保有していることなどを踏まえれば、技術的な観点からは、北朝鮮はこれらの弾道ミサイルに核兵器を搭載して我が国を攻撃する能力を既に保有しているとみられる。

○ 北朝鮮のこうした軍事動向は、我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威であり、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものとなっている。

○ また、北朝鮮は2021年1月の党大会で、核抑止力の強化などに言及している。

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○ 2016年、2017年だけで、3回の核実験の他、40発もの弾道ミサイルの発射を強行。〇 2017年後半は特に、新型を含む長射程の弾道ミサイルを繰り返し発射。○ 2019年5月以降、新型短距離弾道ミサイル等を繰り返し発射。○ 2019年10月には新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射。

北朝鮮による核実験・弾道ミサイル発射

2月12日第3回核実験

1月6日:第4回核実験、9月9日:第5回核実験

9月3日第6回核実験

指導者 年弾道ミサイル

発射数核実験

金日成主席

1993年 不明 ―

金正日国防委員長

1994年~

2011年

16発

(1998年、2006年、

2009年に発射)

2回

金正恩国務委員長

2012年~

現在88発 4回

北朝鮮の弾道ミサイル発射数・核実験回数

北朝鮮による核実験・弾道ミサイル発射事案

2

■テポドン■テポドン2・派生型■SRBM/MRBM(スカッド、ノドン、「北極星2」)■SLBM■IRBM(ムスダン、「火星12」)■ICBM級(「火星14」「火星15」)■不明(弾種不明・弾道ミサイルの可能性があるもの等)■新型短距離弾道ミサイル

5月25日第2回核実験

10月9日第1回核実験

(画像:韓国統一部北朝鮮情報ポータル)

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※いずれも震源地は北朝鮮北東部・豊渓里周辺

豊渓里(プンゲリ)

観測された地震の規模及び推定出力

2006年10月

2009年5月

2013年2月

2016年1月

2016年9月

2017年9月

地震の規模(CTBTO発表の値)

M4.1 M4.52 M4.9 M4.85 M5.1 M6.1

推定される出力(※TNT換算)

約0.5-1kT

約2-3kT

約6-7kT

約6-7kT

約11-12kT 約160kT

過去5回の核実験と比較すれば、最大の出力

推定出力から考えれば、水爆実験であった可能性も否定できないものと認識。

○ 17年9月の核実験について、北朝鮮は、水爆実験を成功裏に断行したと主張。

技術的な成熟が見込まれることなどを踏まえれば、北朝鮮は核兵器の小型化・弾頭化を既に実現しているとみられる。

ICBMに搭載する水爆と主張する物体を視察する金正恩党委員長

○ 5回目の核実験について、「新たに研究、製作した核弾頭の威力判定のための核爆発実験が成功裏に行われた」と、6回目の核実験について、「ICBM装着用水爆実験を成功裏に断行」と発表

水爆の保有に関する評価 小型化・弾頭化に関する評価

北朝鮮による核開発の現状について

3

【参考】広島:約15kT(ウラン)、長崎:約21kT(プルトニウム)

(画像:朝鮮中央通信HP)

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※ 北朝鮮の保有する弾道ミサイルのペイロードは、ノドンが700~1,200kg 、スカッドERが300kgとされる。

(ジェーン年鑑) 4

核保有国が核兵器を小型化するために要した期間と実験回数

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弾道ミサイルとは○ 弾道ミサイルは、放物線を描いて飛翔する、ロケットエンジン推進のミサイルで、長距離離れた目標を攻撃す

ることが可能。核・生物・化学兵器などの大量破壊兵器の運搬手段としても使用される。○ 有効に対処するには極めて精度の高い迎撃システムが必要。

○一般的な弾道ミサイルの構成

推進部誘導部弾頭

(例は2段式ミサイル)

○弾道ミサイルと巡航ミサイルの違い

弾道ミサイル 巡航ミサイル

• 放物線を描いて飛翔する、ロケット推進の

ミサイル。

• 長距離にある目標を攻撃することが可能。

• 速度が速い。

• 基本的にジェットエンジン推進の、航空機

に似た形状の誘導式ミサイル。

• 低空飛行が可能。

• 飛行中に経路の変更が可能で、命中精度

が極めて高い。

区分ごとの弾道ミサイルの飛翔イメージ

○弾道ミサイルの区分

<1,000SRBM

1,000-3,000MRBM

>5,500ICBM

距離(km)

高度

3,000-5,500IRBM

※弾道ミサイルの区分は、米ミサイル防衛庁ホームページ記載のBallistic & Cruise Missile Threat.(National Air and Space Intelligence Center作成)による

極めて短い時間で、迎撃のための対応を行う必要

高高度まで、迎撃ミサイルを精密に誘導・管制し、確実に迎撃するため直撃させる必要

小さく高速な目標を確実に探知・追尾する必要

極めて精度の高い迎撃システムが必要

○弾道ミサイル迎撃における課題

ロフテッド軌道

ディプレスト軌道

ミニマムエナジー軌道

○様々な飛翔経路

ミニマムエナジー軌道:最も効率的な飛翔パターン。ロフテッド軌道:ミニマムエナジー軌道と比べ、高度を高くとり、高仰角で落下するため、対処が困難。ディプレスト軌道:ミニマムエナジー軌道と比べ、高度を低く抑え高速で飛翔するため、短時間で対処する必要。

発射後の制御により、いくつかの飛翔軌道を取らせることが可能。

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北朝鮮の弾道ミサイル開発の動向(概説)○ 北朝鮮は、極めて速いスピードで弾道ミサイル開発を継続的に実施。○ 近年、ミサイル関連技術の高度化を図ってきており、2019年5月以降の3種類の新型短距離弾道ミサイル

は固体燃料を使用して通常の弾道ミサイルよりも低空で飛翔をするといった特徴を有しており、ミサイル防衛網の突破を企図。高度化された技術がより射程の長いミサイルに応用されることも懸念。

○ 北朝鮮は、攻撃態様の複雑化・多様化を執拗に追求し、攻撃能力の強化・向上を着実に図っており、発射兆候の早期の把握や迎撃をより困難にするなど、我が国を含む関係国の情報収集・警戒、迎撃態勢への新たな課題。

短距離弾道ミサイルA 短距離弾道ミサイルB 短距離弾道ミサイルC

北朝鮮の呼称 「新型戦術誘導兵器」 「新兵器」「戦術誘導兵器」 「超大型放射砲」

発射事例4回

(19年:5/4, 5/9, 7/25, 8/6)

3回19年:8/10, 8/16

20年:3/21

7回19年:8/24, 9/10, 10/31, 11/28

20年:3/2, 3/9, 3/29

飛翔距離 600km程度 400km程度 400km程度

飛翔高度 北朝鮮が保有しているスカッドの軌道よりも低い(100km未満) 100km程度又はそれよりも低い

推進方式 固体燃料

運用 TEL

2019年以降に北朝鮮が発射した3種類の新型短距離弾道ミサイル ※分析中のものを含む。※飛翔距離について、過去の発射事例のうち最大のものを記載。

(画像:朝鮮中央通信HP)

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北朝鮮の弾道ミサイル開発の動向(1)

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注:「」は北朝鮮の呼称イメージ図

スカッドER(2017年3月)

①長射程化

②飽和攻撃のために必要な正確性・連続射撃能力・運用能力の向上

・過去に例のない地点から、早朝・深夜にTELを用いて複数発発射(2014年~)⇒任意の地点から任意のタイミングで発射できることを示す

・同時発射:スカッドER3発(2016年9月)、スカッドER4発(2017年3月)⇒運用能力の向上を企図

・スカッド改良型(2017年5月)⇒終末誘導機動弾頭を装備しているとの指摘。攻撃の正確性の向上を企図

・異なる場所から発射し、特定の目標に命中させることを追求(2019年5月~)

・2発の短距離弾道ミサイルの発射間隔が1分未満(2019年11月、2020年3月)⇒連続射撃能力の向上を企図

・新型の短距離弾道ミサイルと様々な火砲を組み合わせた射撃訓練等⇒実戦的な運用能力の向上を企図

ICBM級「火星14」(射程5,500㎞以上)

8月29日の発射イメージ

9月15日の発射イメージ

順安(スナン)

平壌(ピョンヤン)

「火星12」発射イメージ(いずれも2017年)

(画像:「朝鮮の今日」、朝鮮中央通信HP)

テポドン2派生型、 ICBM級「火星15」※

(射程10,000km以上)

短距離弾道ミサイル(2019年11月)

卵島への着弾(2019年8月)

※弾頭の重量等による

IRBM級「火星12」(射程約5,000㎞)

注:「」は北朝鮮の呼称

2020年10月10日の

軍事パレードには、新型ICBM級弾道ミサイルの可能性があるものが登場

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・ 発射台付き車両(TEL)や潜水艦を使用する場合、任意の地点からの発射が可能であり、発射の兆候を事前に把握するのが困難になる。

・ また、一般的に、固体燃料推進方式のミサイルは、固体状の推進薬が前もって充填されており、発射前に燃料充填が必要な液体燃料推進方式に比べ、即時発射が可能であり、発射の兆候が事前に察知されにくく、かつ、保管や取り扱いも比較的容易であることなどから、軍事的に優れているとされる。

⇒ 発射の兆候把握を困難にするための秘匿性や即時性を高め、奇襲的な攻撃能力の向上を図っているものとみられる。

固定式発射台/TEL・潜水艦の違い

発射台付き車両(TEL)

潜水艦

弾道ミサイルの燃料は、固体と液体の2種類がある。固体燃料

安定性があり、保管が容易燃料の充填が予め可能で、移動式ミサイルに最適推力の制御が難しい

液体燃料推力の制御が容易燃料の取扱いが難しく、長期保管は困難燃料の充填に時間がかかる

【参考】固体/液体燃料推進方式の違い

8

北朝鮮の弾道ミサイル開発の動向(2)③秘匿性・即時性の向上、奇襲的攻撃能力の向上

固体燃料/液体燃料の違い

外部からの攻撃に脆弱

移動可能任意の地点から発射可能⇒見つかりにくい

海中から発射⇒見つかりにくい

(画像:「朝鮮の今日」、朝鮮中央通信HP)

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変則的な軌道

○ イスカンデルは、尾翼を動かすことにより姿

勢を制御し、飛翔中の機動が可能。

○ 北朝鮮自身も「防御が容易ではないであろ

う…低高度滑空跳躍型飛行軌道」等と発表

イスカンデルの飛翔軌道(イメージ図)

・新型短距離弾道ミサイル(2019年5月、7月、8月)⇒通常よりも低高度を飛翔で変則的な軌道で飛翔可能とされる「イスカンデル」と外形上類似点がある。一般に、

「イスカンデル」のようなものは、ミサイル防衛網を突破することを企図しているとの指摘

イスカンデルがとるとされる迎撃回避方法①上昇時の機動②低空軌道によるレーダー回避③ステルス性が高く、小さいレーダー反射④終末段階の機動

(Jane’s)

9

④低高度・変則的な軌道

北朝鮮・短距離弾道ミサイルA(2019年5月、7月、8月)

ロシア「イスカンデル」

北朝鮮の弾道ミサイル開発の動向(3)(画像:朝鮮中央通信HP、CSIS Missile Threat)

2021年1月14日の軍事パレードに登場した、新型弾

道ミサイルの可能性があるものについては、短距離弾道ミサイルAとの外見上の類似が指摘されている。

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2017年5月14日の新型弾道ミサイル1発発射の翌日に公開された画像

・ 2016年6月22日に発射されたムスダン(2発目)は、1,000kmを超える高度に達した上で、約400km飛翔。

・ 2017年5月14日に発射された中距離弾道ミサイル(IRBM)級の新型弾道ミサイルは、2,000kmを超える高度に達した上で、約800km飛翔。

・ 2017年7月4日に発射された大陸間弾道ミサイル(ICBM)級新型弾道ミサイルは、2,500kmを大きく超える高度に達した上で、約900km飛翔。

・ 2017年7月28日に発射された大陸間弾道ミサイル(ICBM)級新型弾道ミサイルは、3,500kmを大きく超える高度に達した上で、約1,000km飛翔。

・ 2017年11月29日に発射された大陸間弾道ミサイル(ICBM)級新型弾道ミサイルは、4,000kmを大きく超える高度に達したうえで、約1,000km飛翔。

・ 2019年10月2日に発射された新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は、最高高度は約900kmに達したうえで、約450km飛翔

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北朝鮮の弾道ミサイル開発の動向(4)

・ 「ロフテッド軌道」 による発射(2016年~)⇒一般論として、迎撃がより困難・ IRBM級やICBM級弾道ミサイルも、発射角度(ロフテッド軌道)によっては我が国にも飛来しうる

⑤発射形態の多様化

ロフテッド軌道

ディプレスト軌道

ミニマムエナジー軌道

(画像:「朝鮮の今日」HP内の動画よりキャプチャ)

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北朝鮮が保有・開発してきた弾道ミサイル

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(JANE’S STRATEGIC WEAPON SYSTEMS等を基に作成)

【注】青字は北朝鮮の呼称

※1 新型SRBM(A)・(B)・(C)の射程は実績としての最大射程※2 弾頭の重量等による

トクサ新型SRBM(A)・(B)・(C)

スカッドB・C・ER・改良型

ノドン・

改良型SLBM

SLBMの地上発射改良型

SLBM ムスダン IRBM級 ICBM級 ICBM級 テポドン2派生型

射程約120

km約600km/約400km/

約400km※1

約300km/約500km/約1,000km/ 分析中

約1,300km/1,500km

1,000km以上

1,000km以上

約2,000km約2,500

~4,000km

約5,000km

5,500km以上

10,000km以上※2

10,000km以上

燃/段 固、1 固、1 固、1 固、1 液、1 液、1 固、2 固、2 固、2 液、1 液、1 液、2 液、2 液、3

運用 TEL TEL TEL TEL TEL TEL 潜水艦 TEL 潜水艦 TEL TEL TEL TEL 発射場

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SLBM関連の開発動向等

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SLBM 地上発射改良型

北朝鮮の呼称 「北極星」 「北極星3」 「北極星2」

射程 1,000km以上 約2,000km 1,000km以上

推進方式 固体燃料

運用 潜水艦 TEL

※ このほか、北朝鮮は、15(平成27)年5月9日にSLBMの試験発射に成功した旨発表し、16(平成28)年1月8日に、15(平成27)年5月に公開したものとは異なるSLBMの射出試験とみられる映像を公表

日付 推定される弾種 発射数 場所 飛翔距離 発射プラットフォーム

2016.04.23 「北極星」 1発 新浦(シンポ)沖 約30km(韓国合参) コレ級潜水艦

2016.07.09 「北極星」 1発 新浦(シンポ)沖 数km(韓国報道) コレ級潜水艦

2016.08.24 「北極星」 1発 新浦(シンポ)付近 約500km コレ級潜水艦

2017.02.12 「北極星2」 1発 亀城(クソン)付近 約500km TEL

2017.05.21 「北極星2」 1発 北倉(プクチャン)付近 約500km TEL

2019.10.02 「北極星3」 1発 元山(ウォンサン)付近 450km程度※水中発射試験装置から発射され

た可能性

発射事案

(画像:朝鮮中央通信HP、「労働新聞」)

新型SLBMの可能性があるもの

2020年10月10日及び2021年1月14日

の軍事パレードに登場。それぞれ「北極星4」及び「北極星5」との記載があり、北朝鮮は「水中戦略弾道弾」と紹介。

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名 称 コレ級SSB ロメオ級SS

写 真

保有数 1隻 24隻

排水量 1,500t(水中) 1,859t(水中)

最大速力 10ノット(水中) 13ノット(水中)

兵 装 SLBM「北極星」(KN-11)、魚雷魚雷、機雷(魚雷を搭載しない

場合)

乗 員 35名 54名

備 考SLBM発射母体。14年3月に進水したとの指摘。

攻撃用潜水艦。70年代に中国からの輸入・北朝鮮内での生産を開始。

北朝鮮の保有・開発する潜水艦(資料源:Jane’s Fighting Ships 2019-2020、各種報道等)

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※ SSB:弾道ミサイル潜水艦 SS:潜水艦

○ 北朝鮮は、弾道ミサイルを発射可能な潜水艦(コレ級)を1隻保有。同潜水艦にはSLBMを1発搭載可能との指摘。

○ さらに、より大きな潜水艦の開発を追求しているとの指摘もある。例えば、北朝鮮メディアは金正恩委員長が「新たに建造された潜水艦」を視察したと発表(2019年7月)しており、当該潜水艦は新浦(シンポ)でロメオ級潜水艦を改修して建造、SLBMを3発搭載可能といった指摘がある。

〇 SLBM及びSLBMの搭載を企図した新型潜水艦の開発により、北朝鮮は弾道ミサイルによる打撃能力の多様化と残存性の向上を企図しているものと考えられる。

コレ級・ロメオ級

小型潜水艦

サンオ/サンオⅡ級 ヨノ級 ユーゴ級

北朝鮮が公表した画像(2019/7/23)

(画像:「朝鮮の今日」HP内の動画よりキャプチャ)

※特殊部隊の潜入・搬入などに使用(約300t未満)

(画像:JANES)

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テポドン2派生型ICBM級「火星15」※

(射程10,000km以上)

テポドン2派生型ICBM級「火星15」※

(射程10,000km以上)

※弾頭の重量等による

スカッドER (射程約1,000㎞)スカッドER (射程約1,000㎞)

ムスダン(射程約2,500-4,000㎞)ムスダン(射程約2,500-4,000㎞)

ICBM級「火星14」(射程5,500㎞以上)

ICBM級「火星14」(射程5,500㎞以上)

IRBM級「火星12」(射程約5,000㎞)

IRBM級「火星12」(射程約5,000㎞)

(注1)上記の図は、便宜上平壌を中心に、各ミサイルの到達可能距離を概略のイメージとして示したもの

(注2)「」は北朝鮮の呼称

ノドン (射程約1,300㎞/1500km)

14

北朝鮮の弾道ミサイルの射程

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北朝鮮による核実験・弾道ミサイル発射事案(2016年)

日付 挑発の概要 場所 弾種(「」は北朝鮮の呼称) 飛翔距離

16.01.06 4回目の核実験を実施 豊渓里(プンゲリ)

16.02.07 「人工衛星」と称する弾道ミサイルを発射 東倉里(トンチャンリ) テポドン2派生型 約2,500km(2段目落下地点)

16.03.10 弾道ミサイル2発を発射 西岸・南浦(ナンポ)付近 スカッド 約500km

16.03.18 弾道ミサイル1発を発射 西岸・粛川(スクチョン)付近 ノドン 約800km

16.04.15 弾道ミサイル1発を発射 東岸地域 ムスダン(指摘) 不明、失敗と推定

16.04.23 弾道ミサイル1発を発射 新浦(シンポ)沖 SLBM「北極星」 約30km(韓国合参)

16.04.28 弾道ミサイル2発を発射 元山(ウォンサン) ムスダン 不明、失敗と推定

16.05.31 弾道ミサイル1発を発射 元山(ウォンサン) ムスダン(可能性) 不明、失敗と推定

16.06.22 弾道ミサイル2発を発射 元山(ウォンサン) ムスダン1発目: 約100km(最大)2発目: 約400km

16.07.09 弾道ミサイル1発を発射 新浦(シンポ)沖 SLBM「北極星」 数km(韓国報道)

16.07.19 弾道ミサイル3発を発射 西岸・黄州(ファンジュ)付近 スカッド及びノドン1発目:約400km3発目:約500km

16.08.03 弾道ミサイル2発を発射 西岸・殷栗(ウンニュル)付近 ノドン約1,000km(1発は発射直後に爆発)

16.08.24 弾道ミサイル1発を発射 新浦(シンポ)付近 SLBM「北極星」 約500km

16.09.05 弾道ミサイル3発を発射 西岸・黄州(ファンジュ)付近 スカッドER 約1,000km

16.09.09 5回目の核実験を実施 豊渓里(プンゲリ)

16.10.15 弾道ミサイル1発を発射 西岸・亀城(クソン)付近 ムスダン 不明、失敗と推定

16.10.20 弾道ミサイル1発を発射 西岸・亀城(クソン)付近 ムスダン 不明、失敗と推定

核実験

弾道ミサイル発射

15

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北朝鮮による核実験・弾道ミサイル発射事案(2017年)

日付 挑発の概要 場所 弾種(「」は北朝鮮の呼称) 飛翔距離

17.02.12 弾道ミサイル1発を発射 西岸・亀城(クソン)付近SLBMを地上発射型に改良した弾道ミサイル「北極星2」

約500km

17.03.06 弾道ミサイル4発を発射 西岸・東倉里(トンチャンリ)付近 スカッドER 約1,000km

17.03.22 弾道ミサイル1発を発射 元山(ウォンサン)付近 分析中発射後数秒以内に爆発、失敗と推定

17.04.05 弾道ミサイル1発を発射 新浦(シンポ)付近 分析中 約60km

17.04.16 弾道ミサイル1発を発射 新浦(シンポ)付近 分析中 発射直後に爆発、失敗と推定

17.04.29 弾道ミサイル1発を発射 北倉(プクチャン)付近 分析中約50km離れた内陸部に落下、失敗と推定

17.05.14 弾道ミサイル1発を発射 西岸・亀城(クソン)付近 IRBM級の弾道ミサイル「火星12」 約800km

17.05.21 弾道ミサイル1発を発射 北倉(プクチャン)付近SLBMを地上発射型に改良した弾道ミサイル「北極星2」 約500km

17.05.29 弾道ミサイル1発を発射 元山(ウォンサン)付近スカッドミサイルを改良した弾道ミサイル 約400km

17.07.04 弾道ミサイル1発を発射 西岸・亀城(クソン)付近 ICBM級の弾道ミサイル「火星14」 約900km

17.07.28 弾道ミサイル1発を発射 舞坪里(ムピョンニ)付近 ICBM級の弾道ミサイル「火星14」 約1,000km

17.08.29 弾道ミサイル1発を発射 順安(スナン)付近 IRBM級の弾道ミサイル「火星12」 約2,700km

17.09.03 6回目の核実験を実施 豊渓里(プンゲリ)

17.09.15 弾道ミサイル1発を発射 順安(スナン)付近 IRBM級の弾道ミサイル「火星12」 約3,700km

17.11.29 弾道ミサイル1発を発射 平城(ピョンソン)付近 ICBM級の弾道ミサイル「火星15」 約1,000km

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核実験

弾道ミサイル発射

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北朝鮮による核実験・弾道ミサイル発射事案(2019年)

日付 挑発の概要 場所 弾種(「」は北朝鮮の呼称) 飛翔距離

19.05.04 弾道ミサイル2発を発射 虎島(ホド)半島 短距離弾道ミサイル 最大250km程度

19.05.09 弾道ミサイル2発を発射 西岸・亀城(クソン)付近 短距離弾道ミサイル1発目:400km程度2発目:250km程度

19.07.25 弾道ミサイル2発を発射 虎島(ホド)半島 短距離弾道ミサイル 600km程度

19.07.31 弾道ミサイル(可能性)2発を発射 元山(ウォンサン)付近 短距離弾道ミサイル(可能性) 250km程度

19.08.02 弾道ミサイル(可能性)2発を発射 永興(ヨンフン)付近 短距離弾道ミサイル(可能性) 250km程度

19.08.06 弾道ミサイル2発を発射 クァイル付近 短距離弾道ミサイル 450km程度

19.08.10 弾道ミサイル2発を発射 咸興(ハムフン)付近 短距離弾道ミサイル 400km程度

19.08.16 弾道ミサイル2発を発射 通川(トンチョン)付近 短距離弾道ミサイル 250km程度

19.08.24 弾道ミサイル2発を発射 宣徳(ソンドク)付近 短距離弾道ミサイル 350~400km程度

19.09.10 弾道ミサイルを2発発射 价川(ケチョン)付近 短距離弾道ミサイル 300~350km程度

19.10.02 弾道ミサイル1発を発射 元山(ウォンサン)付近 SLBM「北極星3」 約450km

19.10.31 弾道ミサイルを2発発射 順川(スンチョン)付近 短距離弾道ミサイル 350~400km程度

19.11.28 弾道ミサイルを2発発射 連浦(ヨンポ)付近 短距離弾道ミサイル 380km程度

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弾道ミサイル発射

Page 19: 北朝鮮による核・弾道ミサイル開発について 令和2年10月 防 …令和2年10月 防衛省 北朝鮮による核・弾道ミサイル開発について 北朝鮮の核・ミサイル能力に関する認識

北朝鮮による核実験・弾道ミサイル発射事案(2020年)

日付 挑発の概要 場所 弾種 飛翔距離

20.03.02 弾道ミサイル2発を発射 元山(ウォンサン)付近 短距離弾道ミサイル 約240㎞程度

20.03.09 弾道ミサイル2発を発射 宣徳(ソンドク)付近 短距離弾道ミサイル 最大約200㎞程度

20.03.21 弾道ミサイル2発を発射 宣川(ソンチョン)付近 短距離弾道ミサイル 約400km程度

20.03.29 弾道ミサイル2発を発射 元山(ウォンサン)付近 短距離弾道ミサイル 約250km程度

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弾道ミサイル発射