伏木富山港における「寄り回り波」の解析と設計への反映 · 2012-07-11 ·...

4
伏木富山港における「寄り回り波」の解析と設計への反映 国土交通省 北陸地方整備局 新潟港湾空港技術調査事務所 非会員 山下裕之 国土交通省 北陸地方整備局 新潟港湾空港技術調査事務所 非会員 廣木智秀 国土交通省 北陸地方整備局 新潟港湾空港技術調査事務所 非会員 清水美代 1. はじめに 平成20年2月23日から24日にかけて, 日本海側で発達した低気圧の影響により,北日 本の日本海側地域を中心に高波や暴風に見舞わ れた. 富山湾においては,来襲した「寄り回り波 (うねり性波浪)」により,伏木富山港(伏木 地区)の北防波堤(以下「北防波堤」)のケーソ ンが最大で約 13.5m も滑動するなど甚大な被害 となった. この被災要因としては,「寄り回り波」が富山 湾特有の「あいがめ」という急峻で複雑な海底地 形による屈折及び浅水変形等により,波浪が防 波堤の一部に収斂したことによるものと推定さ れた. そのため復旧構造を検討するにあたっては, 伏木富山港の複雑な地形により生じる波浪変形 の再現を試み,その解析結果を検討した後,設 計に反映することとした. 2. 北防波堤の被災状況 北防波堤は A F 区間からなる全長 1,500 の防波堤であり,被災は B 区間及び D D’ 区間 において,ケーソンの滑動及び消波ブロックの 沈下が生じた.被災状況を図-1に示す. 3. 被災時の気象海象状況 被災時の気象海象状況は,高波浪の期間(2月 23日0時~25日24時)において,伏木地区 (観測水深-46.0m)で 4.22m(24日14時), 富山地区(観測水深-20.0m)では 9.92m(24日 16時)の最大有義波高を観測しており,富山地 区においては既往最大波高を超える波高となった. 周期は24日0時から25日12時にかけて1 0秒を超え,24日午後には14 秒~15 秒に達して いる. また,伏木地区の潮位は,最高波高を記録した 24日14時時点でD.L.+0.21 となっており,潮位 記録には長周期波の影響による変動が見られた (図-2). 4. 「寄り回り波」とは 台風や低気圧が日本海側を通過する際に,冬型 の気圧配置が強まり,日本海北で発生した風波が 長い距離を伝播し,うねりとなって富山湾に到達 する.富山湾特有の「あいがめ」の影響により来 襲した高波は浅瀬でせり上がり,勢いを保ったま ま沿岸に打ち寄せる.この富山湾に来襲する「う 図-1 伏木地区の北防波堤被災状況 B区間 150m (15m@10函) F’ E D’ D C B A-2 A-1 F 伏木地区 北防波堤 B区間 150m (15m@10函) D区間 B区間 D、D’区間 F’ E D’ D C B A-2 A-1 F 波高 (m) 周期 (s) 0 5 10 15 20 0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時 2月23日 2月24日 2月25日 0 5 10 15 0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時 伏木 富山 2月23日 2月24日 2月25日 波高 (m) 周期 (s) 富山 伏木 (1分平均潮位) 潮位 (cm) 伏木富山 -20 -10 0 10 20 30 40 50 0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時 2月23日 2月24日 2月25日 図-2 被災時の海象状況

Upload: others

Post on 14-Aug-2020

3 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

伏木富山港における「寄り回り波」の解析と設計への反映

国土交通省 北陸地方整備局 新潟港湾空港技術調査事務所 非会員 山下裕之

国土交通省 北陸地方整備局 新潟港湾空港技術調査事務所 非会員 廣木智秀

国土交通省 北陸地方整備局 新潟港湾空港技術調査事務所 非会員 清水美代

1. はじめに

平成20年2月23日から24日にかけて,

日本海側で発達した低気圧の影響により,北日

本の日本海側地域を中心に高波や暴風に見舞わ

れた.

富山湾においては,来襲した「寄り回り波

(うねり性波浪)」により,伏木富山港(伏木

地区)の北防波堤(以下「北防波堤」)のケーソ

ンが最大で約 13.5m も滑動するなど甚大な被害

となった.

この被災要因としては,「寄り回り波」が富山

湾特有の「あいがめ」という急峻で複雑な海底地

形による屈折及び浅水変形等により,波浪が防

波堤の一部に収斂したことによるものと推定さ

れた.

そのため復旧構造を検討するにあたっては,

伏木富山港の複雑な地形により生じる波浪変形

の再現を試み,その解析結果を検討した後,設

計に反映することとした.

2. 北防波堤の被災状況

北防波堤は A~F 区間からなる全長 1,500m

の防波堤であり,被災は B 区間及び D,D’区間

において,ケーソンの滑動及び消波ブロックの

沈下が生じた.被災状況を図-1に示す.

3. 被災時の気象海象状況

被災時の気象海象状況は,高波浪の期間(2月

23日0時~25日24時)において,伏木地区

(観測水深-46.0m)で 4.22m(24日14時),

富山地区(観測水深-20.0m)では 9.92m(24日

16時)の最大有義波高を観測しており,富山地

区においては既往最大波高を超える波高となった.

周期は24日0時から25日12時にかけて1

0秒を超え,24日午後には14秒~15秒に達して

いる.

また,伏木地区の潮位は,最高波高を記録した

24日14時時点でD.L.+0.21となっており,潮位

記録には長周期波の影響による変動が見られた

(図-2). 4. 「寄り回り波」とは

台風や低気圧が日本海側を通過する際に,冬型

の気圧配置が強まり,日本海北で発生した風波が

長い距離を伝播し,うねりとなって富山湾に到達

する.富山湾特有の「あいがめ」の影響により来

襲した高波は浅瀬でせり上がり,勢いを保ったま

ま沿岸に打ち寄せる.この富山湾に来襲する「う

図-1 伏木地区の北防波堤被災状況

伏木地区 北防波堤

B区間 150m (15m@10函)

D区間

B区間

D、D’区間

F’ E D’ D C B A-2 A-1F

伏木地区 北防波堤

B区間 150m (15m@10函)

D区間

B区間

D、D’区間

F’ E D’ D C B A-2 A-1F

0

5

10

15

20

0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時2月23日 2月24日 2月25日

0

5

10

15

0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時

伏木

富山

2月23日 2月24日 2月25日

波高

(m)

周期

(s)

富山

伏木

0

5

10

15

20

0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時2月23日 2月24日 2月25日

0

5

10

15

0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時

伏木

富山

2月23日 2月24日 2月25日

波高

(m)

周期

(s)

富山

伏木

(1分平均潮位)

潮位(cm)

伏木富山

-20

-10

0

10

20

30

40

50

0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時 6時 12時 18時 0時2月23日 2月24日 2月25日

図-2 被災時の海象状況

ねり性波浪」を特に「寄り回り波」と呼んでいる.

風や波が静まり,漁や浜辺での作業を開始しよう

とする頃に突如として打ち寄せ,不意をつくため

被害も大きく,古来より多くの悲惨な記録が残っ

ている.

「寄り回り波」は,伏木の藤井家の家文書で初

めて「寄り廻り高波」として登場する.その後,

昭和に入り新聞報道で「波浪・海濠・激浪」に変

わって「寄り回り波」が使用されてからは「富山

湾特有の異常高波」の固有名称として知られるよ

うになった.黒部市,富山市,射水市,高岡市等

で高波の来襲に時間差があり,あたかも各地を寄

って回るように来襲するため「寄り回り波」と言

われている.

5. 「寄り回り波」の特性解明

(1) 富山湾における波浪の再現

まず,富山湾に来襲した被災時の波浪「寄り回

り波」状況を,一般的に港外波浪計算手法として

使用されているエネルギー平衡方程式により再現

した(図-3).

その結果,富山湾の湾奥では,複雑な海底地形

の影響で局地的な波高の増大が生じることを確認

できた.

また,図-4に伏木地区及び新湊地区の有義波

高・波向分布・海底地形図を示す.

今回,被災のあった北防波堤前面において,波

高が高くなっていることがわかる.これは海底地

形図からもわかるように,港前面の急峻な海底地

形(あいがめ)により屈折現象,浅水変形の影響

を受けて波浪が一部に収斂したものと推測される.

(2) 伏木地区における波浪の再現

今回のような「寄り回り波」による災害を繰り

返さないために,伏木地区の北防波堤付近におけ

る波浪特性を正確に把握し,防波堤破壊のメカニ

ズムを究明する必要がある.前述のエネルギー平

衡方程式は,最も一般的な港外波浪計算の手法で

あり,蓄積された実績はあるが,伏木富山港のよ

うな急激かつ複雑な地形条件においては,波浪変

形に対する再現性をさらに厳密に行う必要があっ

た.

そのため,近年その有効性が注目されている波

浪計算手法・ブシネスクモデルを用いた再現を試

みた.

なお,ブシネスクモデルの最大の特徴としては,

下記の点などが挙げられる.

① 港内と港外で別々の計算をする必要がない.

② 水深変化が大きい複雑な海底地形では,従来

の屈折系の手法と比較して計算精度が高い.

③ 波の非線形性が考慮できることにより,高波

浪時(波形勾配が大きい場合)や浅海域(水

深波長比が小さい場合)の計算精度が向上す

る.

今回使用したモデルは,(独)港湾空港技術研究

所のNOWT-PARIである.

その波浪計算結果を図-5に,防波堤前面の波高

分布の計算結果を図-6に示す.伏木地区の波浪特

性より,波向 22.5°及び波向 40°について検討を行

った.

これらの図より丸で囲まれた箇所について,計

算結果が設計波高を越えており,計算条件により

若干の差異はあるものの,被災が大きかった箇所

とも概ね一致している.

図-3 富山湾における有義波高・波向分布

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

0 1 2 3 4

WaveHeight (m)

km

波高増大

波高増大

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

WaveHeight (m)

回折域となる港内及び防波堤・離岸堤背後は評価対象外とする.

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

0 1 2 3 4

WaveHeight (m)

km

波高増大

波高増大

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

WaveHeight (m)

回折域となる港内及び防波堤・離岸堤背後は評価対象外とする.

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

0 5 10 15 20

WaveHeight (m)

km

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

0 10 20 30 40

急峻な谷が存在する複雑な地形(あいがめ)により波高が高くなる.

地形の影響により遮蔽域となり波高が低い

入善は外洋からの波浪を直接受けるため波高が高い.

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

0 5 10 15 20

WaveHeight (m)

km

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

0 10 20 30 40

急峻な谷が存在する複雑な地形(あいがめ)により波高が高くなる.

地形の影響により遮蔽域となり波高が低い

入善は外洋からの波浪を直接受けるため波高が高い.

図-4 伏木地区及び新湊地区の有義波高・波向分布・海底地形

この波浪変形計算による再現結果を

用いて,被災メカニズムの検討を実施

した.

6. 北防波堤の被災メカニズム

これまでの検討結果及び被災時の海

象条件より,北防波堤の被災時には,

現設計の設計条件を上回る波(有義波

高7m程度)が長時間作用していたこと

を確認することができる.

そこで,この波浪変形計算結果を用

い,当時の潮位及び長周期波による水

位上昇の影響も考慮して,被災の大き

かったB,C,D区間について安定計算を行った.

表-1に,滑動の安定計算結果を示す.当初断

面で,滑動に対する安全率が1.2を下回る結果とな

った.

この状況であれば,滑動限界の1.0には達してい

ないが,設計波以上の高波浪の影響により,堤体

に対し波圧低減効果のある消波ブロックが沈下し

た場合,防波堤天端付近に不完全消波となる部分

が生じ,滑動安全率が低下することとなる.

被災前の防波堤天端まで据え付けてあった消波

ブロックが沈下した場合,安全率Fs=1.0となる高

さを逆算したものが,表-2である.これによると

消波ブロックが1~1.5m沈下した時点で,滑動に対

する抵抗力と外力が均等となり,これ以上の消波

ブロックの沈下で防波堤ケーソンが滑動する可能

性が増大していく.

以上から,被災要因として高波浪・長周期によ

り消波ブロックの散乱・沈下が最初に生じ,その

後,これにより波圧が増大したことで,北防波堤

ケーソンが滑動に至ったものと考えられる.

図-7に北防波堤の被災メカニズムのイメージ図

を示す.

7. 被災時波浪を考慮した設計の反映について

(1) 設計波浪の考え方

これまで,防波堤の堤体安定計算及び消波ブロ

ック被覆堤の消波ブロック重量算定計算に使用す

る設計波浪は,統計処理により求めた理論上の5

0年確率波としていた.

しかし,今回の被災時の波浪である有義波高

(H1/3)4.22mは,20年確率波程度であったもの

の,周期が現設計の設計波周期(T1/3=12.0s)と

比較して14.2s(T1/3)と非常に長いため,波力が

大きくなったものと考えられる.

このため再度災害を防止する観点から,図-8

に示すように,これまでの50年確率波に加えて,

波浪観測地点

被災箇所における高波浪

波浪観測地点

波向 22.5° 波向 40°

被災箇所における高波浪

A-1

A-2

BC

DD'

EF

F'

A-1

A-2

BC

DD'

EF

F'

波浪観測地点

被災箇所における高波浪

波浪観測地点

波向 22.5° 波向 40°

被災箇所における高波浪

A-1

A-2

BC

DD'

EF

F'

A-1

A-2

BC

DD'

EF

F'

A-1

A-2

BC

DD'

EF

F'

A-1

A-2

BC

DD'

EF

F'

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

0100200300400500600700800900100011001200130014001500

波高

(m)

波向:40°,γ=3.3波向:40°,γ=10.0

設計波高観測波高(4.22m)

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

0100200300400500600700800900100011001200130014001500

波高

(m)

波向:22.5°,γ=3.3波向:22.5°,γ=10.0

設計波高観測波高(4.22m)

は被災(大)ありは被災(小)あり

A-1A-2BCDD'EFF'

A-1A-2BCDD'EFF'

波向:40°,γ=3.3

波向:40°,γ=10.0

波向:22.5°,γ=3.3

波向:22.5°,γ=10.0

波向40°

波向22.5°

設計波高

観測波高

設計波高

観測波高

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

0100200300400500600700800900100011001200130014001500

波高

(m)

波向:40°,γ=3.3波向:40°,γ=10.0

設計波高観測波高(4.22m)

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

0100200300400500600700800900100011001200130014001500

波高

(m)

波向:22.5°,γ=3.3波向:22.5°,γ=10.0

設計波高観測波高(4.22m)

は被災(大)ありは被災(小)ありは被災(大)ありは被災(小)あり

A-1A-2BCDD'EFF' A-1A-2BCDD'EFF'

A-1A-2BCDD'EFF' A-1A-2BCDD'EFF'

波向:40°,γ=3.3

波向:40°,γ=10.0

波向:40°,γ=3.3

波向:40°,γ=10.0

波向:22.5°,γ=3.3

波向:22.5°,γ=10.0

波向:22.5°,γ=3.3

波向:22.5°,γ=10.0

波向40°

波向22.5°

設計波高

観測波高

設計波高

観測波高

図-6 防波堤前面の波高分布

表-1 滑動安全率(被災前)

表-2 消波ブロックの天端高さ(Fs=1.0)

B区間 C区間 D区間

滑動安全率 Fs≧1.2 1.051 1.103 1.072

B区間 C区間 D区間

【天端高】(被災前 +4.0m) +3.0m +2.5m +3.0m

図-5 被災波の波浪計算結果(反射あり)

被災波についても比較検討を行って,防波堤に対

してより危険側の条件で設計を行うこととした.

なお,被災時波浪を正確に設計へ反映するため,

被災時の潮位及び長周期波による水位上昇につい

ても加味するとともに,波浪変形の計算は,富山

湾における特殊な地形条件等を考慮し,ブシネス

クモデルを用いることとした.

(2) 北防波堤の復旧方法

被災した北防波堤のケーソンは,下記のとおり

復旧することとした.復旧断面を図-9に示す.

1)波圧を低減し,滑動の安全を確保するため,

沈下した港外側の消波ブロックを防波堤天端

まで積み増しを行う.なお,設計波浪の見直

しによりC区間を除き,当初の消波ブロック

の規格よりランクアップした消波ブロックを

使用する.

2)港内側へケーソンが大きく滑動したB区間の

4函について,ケーソン基礎捨石より外れて

危険な状況であることから据え直しを行う.

3)1)により消波ブロックを復旧しても,設計

波高の見直し及び一部ケーソンが傾斜してい

て,所要の滑動安全率(≧1.2)を満足しない

箇所については,港内側を捨石のせん断抵抗

で補強する工法を採用した.

8. まとめ

今回,伏木富山港(伏木地区)において,富山

湾に来襲した寄り回り波といううねり性波浪によ

り,北防波堤1,500mのうち約800mのケーソンが陸

側へ滑動するなどの大規模な被害が発生した.

再度,このような被害が起きないよう,沿岸域

まで深く,複雑な海底地形が続く富山湾での波浪

変形を正確に再現するために,波浪計算手法の一

つであるブシネスクモデルを採用して解析を試み

た.

その結果,北防波堤前面において数十メートル

間隔で大きく変化する波浪を再現する事ができ,

復旧設計において「うねり性波浪」を反映した設

計が可能となった.

今後,ブシネスクモデルは,港湾工事や設計に

際して,強力なツールとして活用できることが期

待されるが,従来手法と比べ,モデル化や計算等

に膨大な時間を要するなど,実務面での課題はま

だ残る.そのため,港内外の波の変形を同時に,

かつ高精度に算出することが求められる複雑な地

形での設計業務に対し,その適用性を従来手法と

比較検討した上で,有効的に活用していきたいと

考える.

うねり性高波浪

ブロック沈下

波圧増大

滑動

被災後

うねり性高波浪

ブロック沈下

波圧増大

滑動

被災後

図-7 北防波堤の被災メカニズム

図-9 復旧標準断面図(ケーソン据え直し区間)

枠内:追加箇所

観測地点における50年確率波(実測波の統計処理)

水理模型実験結果による波高比

設計地点における50年確率波

(T1/3=12s)(H.W.L=+0.5m)

断面設定

安定性照査

(部分係数法)

安定性 OK

END

ブシネスク方程式による波浪変形計算

YES

NO

比較・検討

被災波〔観測地点 4.22m,14.2s〕

設計地点における被災波

(T1/3=14.2s)(H.W.L=+0.7m

;被災時の潮位及び水位上昇)

枠内:追加箇所

観測地点における50年確率波(実測波の統計処理)

水理模型実験結果による波高比

設計地点における50年確率波

(T1/3=12s)(H.W.L=+0.5m)

断面設定

安定性照査

(部分係数法)

安定性 OK

END

ブシネスク方程式による波浪変形計算

YES

NO

比較・検討

被災波〔観測地点 4.22m,14.2s〕

設計地点における被災波

(T1/3=14.2s)(H.W.L=+0.7m

;被災時の潮位及び水位上昇)

図-8 安定性の照査フロー