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MIZUSAWAVLBIOBSERVATORY国立天文台水沢VLBI観測所
日本のSKA参加とGlobal VLBI
小林 秀行国立天文台 水沢VLBI観測所 計画部門2018/12/1-2 VLBI懇談会@熊本大学 1
1. 日本のSKA参加
2018/12/1-2 VLBI懇談会@熊本大学 2
1. 日本のSKA参加SKAで挑む天文・宇宙物理の地平線
SKA1はこれらに先鞭をつける2020年代の大型電波計画
2018/12/1-2 VLBI懇談会@熊本大学 3
宇宙再電離第一世代星の質量は?宇宙再電離はどのように
進んだ?
重力理論背景重力波は存在する?アインシュタイン重力理論
は正しい?
銀河進化・宇宙論銀河の水素量はどのくらい?原始に宇宙の非ガウス性は
あった?
宇宙磁場磁場と乱流の宇宙進化は?ミッシングバリオンは
見つかる?
天の川銀河ダークガス問題は解決?銀河中心より向こう側はどうなっている?
AGNジェットの構造は?ブラックホールの成長とフィードバックの歴史は?
星惑星形成原始惑星系円盤の氷雪帯内の構造は?系外にアミノ酸は存在?
突発天体FRBの起源は何?
重力波はどこから来た?宇宙人はいる?
SKA協会(登録210名, 実働70名)
理論家が中心
VLBI懇談会(登録150名, 実働30名)
観測家が中心
MWA/LOFAR ASKAP/Parkes/MeerKAT JVN KaVA/EAVN100 MHz 1 GHz 6.7/8 GHz 22 GHz
波及SKA
コミュニティ
SKA先駆機を使った準備研究がすでに始まっている
1. 日本のSKA参加日本の参加方法
n日本の参加方法• SKA1建設費の2-4%(20-40億円)を目標• 国立天文台にSKA推進室を設置• アソシエイトメンバーでの参加
• IGOに条約で参加できないメンバー(ドイツなど)
n期待する見返り• KSP/PI/建設へのアクセス• 電波天文の科学・技術の振興• 次世代の研究者の育成• 国際的な存在感と地位
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5%25%70%
1. 観測時間割り当て 2. フェアリターン 3. IGO SKA国家 各機関
国家代表機関
◯
各個人
✕見返り 投資
KSP**
PI** OpenSky
n SKA計画における3つのポリシー
4%というのは中国の半分人数では100名規模か?
広視野でマルチモードà多目的の観測提案が可能
4%を上回る成果(論文)と教育(学位)を排出することは可能
Band5GC pulsars
MW-VLBIISMmagnetism
LOWEoR deep
transientspulsarcosmology
1. 日本のSKA参加日本の技術貢献
1A. Band5c受信機の開発と67台の製造1B. Band5c受信機の開発と133台の製造1C. BandB受信機&デュワーの開発と66台の製造
2. システム統合(AIV)と性能評価(SC)への貢献n 干渉計の運用経験を活かす:コヒーレンス・時刻同期・位相安定度・相関安定性などの計測、アンテナ・相関器の結合評価、アレイの総合評価
n 人材提供がSKA本部より依頼されている3. ソフトウェア開発と導入
n On the flyマッピングパイプライン、SKA地域センターのEoRソフト4. VLBIシステムの設計と製造
n VERAの技術をそのまま応用・世界のVLBIの大幅な感度向上に貢献5. SKA推進室経費+運用費(現金分)
n マネジメントやプロモーション2018/12/1-2 VLBI懇談会@熊本大学 5
日本が担当ALMAやVERAの開発経験とサイエンスが活きる!
周波数(GHz)
0.05 0.3 1.0 1.7 3 5 8 15 24
LOW Band 1 Band 2 Band 3 Band 4 Band 5a Band 5b Band 5c
Band5cはSKA1の設計に収まらなかった項目ながら重要度が高いVLBIサイエンス(水メーザーや銀河中心)や分子輝線(アミノ酸など)の探査をSKA1の段階から可能にする科学的に有意義な性能向上に日本が貢献できる
※金額は人件費を含める
Band B
どのオプションプランを選ぶかはSKA本部とのさらなる調整が必要。その見極めを国立天文台に期待する
いずれか
1. 日本のSKA参加Band 5c受信機の開発
• Band 5c受信機の設計、製作(67台)、試験• (66Kステージ) (ワイドフレアコルゲート)ホーン、偏波分離器• (20Kステージ)低雑音アンプ・送電回路• (常温ステージ)ダウンコンバーター
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Band 5cカートリッジのイメージ
目標値雑音温度 Trx=~10K開口効率η=60%台
LNA雑音温度<6K@20K15(4.6) - 24 GHz
Band 3,4,5一体型デュワー(他国で設計済)
筐体
回転台
5c5b5a
4
31 2
最終スペックはSKA機構と調整が必要
詳しくは河野さん講演
1. 日本のSKA参加大学と役割分担し概算要求を目指す
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2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 西暦
詳細審査 AA1 AA2 AA3 AA4
SKA1建設入札SKA2建設
公募観測
リスクシェア科学検証政府間機構化 サーベイ
システム検証用アレイ アレイアセンブリ:
概算要求 6千万円/年【Bプロ共同利用】
概算要求 12-30億円【建設・教育】・高周波受信機開発製造費(ATC・府大ほか)・VLBIシステム開発製造費(水沢ほか)・MID/LOW統合試験(水沢ほか)
・旅費(SKA理事会、交渉、各種調査) ・技術実証費 ・人件費 ・管理費
競争的資金 3-9千万円/年【先端科学研究・技術開発】・SKAアンテナ(水沢)・UHF(水沢)・Band B(鹿児島)・光IO(水沢)・解析ソフト(名古屋)・結像ソフト(熊本)
・MID科学試験 (鹿児島・山口・茨城ほか)・LOW科学試験、結像ソフト(熊本・名古屋)・地域科学センター・解析ソフト(名古屋ほか)
国立天文台
大学
役割・工程管理・資金管理・国外交渉・国内調整・研究振興・広報宣伝
・拠点形成・機能強化・科学研究・技術開発・人材育成・地域還元
・成果の果実の収穫
・SKA
2への発展
SKA天文台
Aプロ Cプロ・管理・運用・調査
1. 日本のSKA参加天文台(Aプロジェクト)の役割
• 計画推進事業nSKA1への参加方法(マイナーメンバー)をSKA機構と交渉n概算要求を軸とした資金調達とそのための大学との調整n予算執行・人員雇用・スケジュール管理などのマネジメント
• 科学推進事業n日本の強み(ALMA, Subaru等)を活かした科学事例の検討n国際プロジェクトへ参加し研究基盤とプレゼンスを確保nSKA地域センターアライアンスへの参加、中国との連絡調整
• 技術推進事業nSKA機構への渡航や技術系会議への参加による技術仕様の確認nBand 5c/B受信機開発の見極めとそのための試験的な開発実証
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日本の強みを活かしマイナーパートナーとして世界の大型望遠鏡計画に参加する成功例
1. 日本のSKA参加大学の役割à意向調査
• SKA1建設期での大学研究者の参画の希望を調査• 2018年9月実施•6機関と5名の方が回答•お礼申し上げます
•この基礎データをもとに、きめ細かくSKA参加の道筋を検討していく
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1. 日本のSKA参加学術会議マスタープラン
• 2018年7月• LOI提出à「SKA1」の推進で提案
• 2018年9月13日• 天文天体物理分科会第1回シンポジウム• 詳しい情報が必要なものについてプレヒアリング• SKA1は対象となったため、杉山直(SKAJP会長・名古屋大学)と小林秀行(水沢VLBI観測所)の2名が登壇した
• 2018年11月• 宇宙電波懇談会より推薦内定「強く推薦する」(ngVLA, LSTも)
• アンケート:SKA1を1位とする意見が22人/137回答者いた• 今後の予定:2019年1月17-18日
• 天文天体物理分科会第2回シンポジウム• 全提案について発表。SKA1も対象
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1. 日本のSKA参加SKA本部での会合・交渉
• 6月26日-29日(小林・赤堀)• 日本の状況の説明
• Associate memberとしての参加の可能性を伝達• 観測時間は、貢献割合に応じることが基本であることを確認
• 日本の貢献の可能性• 組立統合検証(AIV)と性能試験(SC)への参加意思の伝達• 受信機(Band5c)→BandB+冷凍機・Dewerの検討を依頼• VLBIバックエンド(CSPとのIFはVDIF)の情報収集
• 11月13日-15日(小林・河野)• 日本の状況の説明
• 国立天文台にSKA推進室Aプロを申請したが予算の目処はない• 日本の貢献の可能性
• AIVのCDR(2019.3)にオブサーバー参加が認められた• DSHコンソーシアムにオブサーバー参加が認められた• BandBなどの広帯域受信機についてはbaseline外なのでOnsalaと共同検討• VLBIバックエンドはシステム側でも貢献できうる。 baseline外なのでJIVEと共同検討
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1. 日本のSKA参加東アジアとの連携
• 5月14日 上海天文台との連携の会合(小林・赤堀)• Shangpin Wu(SKA China PI), An Tao (Chinese Regional Center Chief)
• 上海が予算申請するSKA Reginal Center (SRC)への連携• EA-SKAのWSを提案 à 11月を目指したが翌年春以降に
• 9月5日 東アジア連携の会合@韓国(小林・赤堀)• 上海天文台、韓国天文研究院、台湾とサイエンス、エンジニアリング、SRCの連携の可能性を考えていく
• 日本からは長谷川(名古屋大学)・赤堀・小林が当面対応• 2か月に1回程度の定例会合を持つことにした à その後、中国側から当面は2国間連携を望むと打診があった
• 11月22-23日 中国SKA会議@上海(小林)• 10+VLBIのSWGが検討を進めている。Hong, Wu, An氏らと懇談。中国は日本との連携の意向、今後具体化する。2019年May/Juneに日中Science WSの可能性を検討
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2. Global VLBI
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2. Global VLBIGlobal Array 分布と議論の経緯
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2018年5月 EVN BDで議論のキックオフ (Astro2020)2018年9月 EVNシンポジウムで会合 (米、欧、アジア、オーストラリアから各2名の代表で議論を進める)
2. Global VLBIGlobal Arrayの観測帯域
• L band 1405-1440MHz, 1625-1705MHz• VLBA, LBA, EVN, EAVN (Tianma, Usuda, Kashima)
• C band 6500-6725 MHz• VLBA, LBA*, EVN, EAVN(VERA, Kashima, Yamaguchi, Usuda) *6564MHzまで
• K band 22100-22500 MHz• VLBA, LBA, EVN, EAVN
• Q band 42500-44110 MHz• VLBA, LBA(ATCA), EVN(Ef, Yb, Pv..), EAVN
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Global VLBIはいままで何度も議論をしてきた
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VLBA+EVN -> Global VLBI array主にL,C bandの共同網として運用中
VLBAもEVNに続いて、K,Qバンドでも共同アレイの可能性に言及(2018EVNシンポ)
2018EVNシンポ WalkterBrisken
2019年 Global VLBI (World Array) with SKA の議論
2018/12/1-2 VLBI懇談会@熊本大学 17
国内、東アジアでのWorld Arrayの議論が必要・Science Case・Operation image・Collaborationstrategy
今井さん(鹿児島大)にSOCに加わってもらった。
まとめ• SKA1は2020年代の大型電波計画
• 天文・宇宙物理の様々なサイエンスフロンティアに挑む• 日本は宇宙再電離や宇宙磁場、VLBIを使った科学に興味がある• SKA1の先駆機などを使い準備を進めている
• 日本は建設費2-4%(18-36億円)程度のシェアを狙う• 高周波受信機の開発によりサイエンス分野を拡大する• VLBI機能の追加により国際VLBI網の感度を大幅に向上する• 大学の人的貢献/受け皿で「顔の見える」統合科学試験への貢献• ソフト開発で宇宙再電離の研究競争を勝ち抜く
• Global VLBI• SKAの実現を想定したGlobal VLBI Array(World Array)の検討が開始されている。
• 日本のコミュニティもサイエンス、望遠鏡、運用での参画が求められるので、そのための議論を開始すべきである。
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