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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス Oracleホワイト・ペーパー 20144Oracle Database Applianceのバックアップと リカバリのベスト・プラクティス

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

Oracleホワイト・ペーパー

2014年4月

Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

はじめに ......................................................................... 3

仮想マシンのバックアップとリストア ............................................... 3

仮想マシンのバックアップ ...................................................... 4

仮想マシンのリストア .......................................................... 4

データベース・バックアップ ....................................................... 4

テスト環境 ....................................................................... 6

全般的な決定事項 ................................................................. 6

テープ・ベースのバックアップ戦略 ................................................. 6

テープ・バックアップ用のメディア管理ソフトウェア ............................... 7

テープ・ベースのバックアップ .................................................. 7

ディスク・ベースのバックアップ ................................................... 8

ファスト・リカバリ領域(FRA)へのOracle RMANバックアップ ....................... 9

Oracle Database Applianceのローカル・バックアップと外部バックアップの影響 ...... 9

バックアップ形式 ............................................................. 10

ローカル・ディスク・ベースのバックアップ構成のパフォーマンス値 ................ 11

ネットワーク接続ストレージのバックアップ ......................................... 12

Oracle ZFS Storage Appliance 7120へのOracle RMANバックアップ .................. 12

ZFSSAベースのバックアップ構成のパフォーマンス値 ............................... 17

Oracle Engineered Systems Backup Utility ...................................... 17

ベスト・プラクティス ............................................................ 18

結論 ............................................................................ 21

付録:ロードバランシングのバックアップの構成 ..................................... 22

付録:サンプル・スクリプト ...................................................... 24

Oracle RACでのテープ・バックアップ............................................ 24

シングル・インスタンスとOracle RAC One Nodeのテープ・リストア ................. 24

イメージ・コピーのバックアップ(Oracle RAC、Oracle RAC One Node、

シングル・インスタンス) ..................................................... 25

Oracle RACでのイメージ・コピーのリストア ...................................... 25

Oracle RAC One Nodeとシングル・インスタンスのイメージのリストア ............... 25

バックアップ・セット用のバックアップ・スクリプト .............................. 26

ディスク・ベースのバックアップの監視 .......................................... 26

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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はじめに データベースやシステムのバックアップとリカバリはユーザーにとって重要な機能です。オラクル

は、データベースをローカル・ストレージ、NFS、またはテープにバックアップするための実績のあ

るソリューションを提供しています。Oracle Database Applianceをデータベース・サーバーとして

利用しているほとんどのユーザーにとって、これまでのバックアップでも十分機能していましたが、

Oracle Database Appliance 2.5でOracle VMがサポートされたことで、仮想マシンをバックアップ

する必要性が生じています。このホワイト・ペーパーでは、データベースと仮想環境のバックアッ

プに関するさまざまなオプションと考慮事項について説明します。

Oracle Database Applianceはハードウェアとソフトウェアで構成されたOracleエンジニアド・シス

テムであり、可用性の高いデータベース・ソリューションの導入、保守、サポートを簡素化するこ

とで、時間とコストを節約します。Oracle Database Applianceは、世界でもっとも普及したデータ

ベースであるOracle Databaseを使用して構築されています。また、Oracle Real Applications

Clusters(Oracle RAC)とともに、ソフトウェア、サーバー、ストレージ、ネットワークが完全に

統合されたシステムを実現し、カスタム開発あるいはパッケージ開発による広範囲のOLTPワーク

ロードとデータウェアハウス・ワークロードに対応する高可用性データベース・サービスを提供し

ます。

Oracle Database Applianceでは、独自のCapacity On Demandデータベース・ソフトウェア・ライセ

ンスを採用しているため、ハードウェアのアップグレードなしでシームレスにプロセッサ・コアを2

から48まで拡張できます。また、Oracle VMに基づいた仮想プラットフォームを導入するオプション

も利用できます。ユーザーやISVは、仮想化のサポートによって、リソースを効率的に利用しCapacity

On Demandライセンスをデータベースとアプリケーションの両方のワークロードに拡大した、1つの

筐体のソリューションを構築できます。そのためには、Oracle VMのハード・パーティショニングを

利用します。

仮想マシンのバックアップとリストア

Oracle Database ApplianceはOracle VMとともにセットアップできます。この構成によって、ロー

カル・リポジトリまたは共有リポジトリから仮想マシンを実行できます。共有リポジトリでは、

Oracle CloudFSを利用して高可用性を実現できます。共有リポジトリは、Oracle Appliance Manager

バージョン2.8で導入されました。共有リポジトリの利点は、保守やノード障害の際に、VMを別のノー

ドで起動するか、または自動的にフェイルオーバーできることです。ただし、共有リポジトリによっ

て高可用性を確保しても、論理的または物理的な破損のリスクから仮想マシンを保護する必要があ

ります。

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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仮想マシンのバックアップ

ODA_BASE(データベースを実行する仮想マシン)など、ローカル・リポジトリまたは共有リポジト

リに保存されるVMはすべて、バックアップ・クライアントやLinuxツールによりNFSマウント・ポイ

ントまたはテープにファイルを保存することでバックアップできます。

また、一般的なLinuxツール(tar、cpio、rsync、scp、sftpなど)を利用してdom0からVMの構成ファ

イルと仮想ディスクをバックアップすることで、VMを保存することもできます。同じLinuxツールを

利用してリポジトリ全体を保存することも可能です。

共有リポジトリの基盤となるのはOracle Cloud File Systemです。このファイル・システムにはス

ナップショットの作成機能があります。オラクルは、共有リポジトリ内にVMを保存することを推奨

します。これによりVMのスイッチオーバーと自動フェイルオーバー機能を実行できるためです。

Oracle Appliance Managerのoakcliコマンドではまだサポートされていませんが、スナップショッ

ト機能のライセンスを保持していた場合は、ユーザー自身で読取り専用スナップショットを作成で

きます。わずか数分間で、VMの停止、読取り専用スナップショットの作成、VMの起動までを実行で

きます。スナップショットからVMファイルまたはリポジトリをバックアップした後は、そのスナッ

プショットを破棄できます。Oracle Database Applianceでは、読取り/書込みスナップショットは

サポートされていません。

すべてのケースで仮想マシンのオフライン・バックアップを実行することを推奨します。スナップ

ショットの利用によって、VMの停止時間が大幅に短縮します。ローカル・ファイル・システムにデー

タが保存されていない仮想マシンのバックアップ頻度は低くなる場合もあるでしょう。データを

ローカルに保持しているVMでは、定期的なバックアップや、バックアップ・クライアントによるデー

タのバックアップが必要になるでしょう。MOS Note 1633166.1では、VMのバックアップに関するさ

まざまなオプションを示しています。

仮想マシンのリストア

あるVMが破損してリストアが必要になった場合には、そのVMに属するファイルだけを元の場所にコ

ピーすることが必要になります。

リポジトリの完全破損の場合には、VMのインポートとクローニングが推奨されます。VMのリストア

について、詳しくはMOS Note 1633166.1を参照してください。

データベース・バックアップ

Oracle Database Applianceを導入すると、運用上の重要な側面として、災害発生時にOracle Database

Appliance上にデプロイされているOracle Databaseをリストアできるように、データベースのバッ

クアップが確実に実行されます。Oracle Database Applianceのストレージ構成を三重ミラー化から

二重ミラー化(またはその逆)に変更し、データベースをバックアップおよびリストアすると、保

護を最大限に高めることができます。このホワイト・ペーパーでは、Oracle Database 11g Release

2を使用して、ミッション・クリティカルなデータおよび環境の保護に最適なバックアップ/リカバ

リ計画を策定するためのベスト・プラクティスについて説明します。Oracle Databaseは、高度でス

ケーラブルなバックアップ・テクノロジーを備えています。このテクノロジーは、1GbEおよび10GbE

の高帯域幅ボンディング・インタフェースを備えたOracle Database Applianceで有効に機能します。

以下のテクノロジーを利用して、Oracle Database Applianceでシンプルかつ信頼性の高いバック

アップ/リストア処理を実現しています。

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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Oracle Recovery Manager(Oracle RMAN)は、ネイティブなバックアップおよびリカバリ・イン

フラストラクチャをOracle Database内に提供し、Oracle Database Appliance環境で最適なデー

タ保護を実現します。

o バックアップ、リストア、およびリカバリ処理は、標準のRMANコマンドを使用して実

行します。

o Oracle RMANを使用すると、両方のOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)

ノード全体でバックアップ処理を並列化できます。そのため、システム内のすべての

ディスク、すべてのネットワーク接続、およびすべてのCPUをバックアップ処理の実行

に利用できます。

o Oracle RMANブロック・チェンジ・トラッキングを使用すると、増分バックアップを非

常に迅速かつ効率的に実行できます。ブロック・チェンジ・トラッキングでは、前回

の増分バックアップまたは全体バックアップ以降に変更があったデータベースの領域

のみディスクから読み取られます。

Oracle Secure Backupは、ファイル・システムやOracle DatabaseなどのIT環境全体に対応する、

テープ・バックアップの一元管理ソリューションです。組込みのOracle RMANと統合すると、Oracle

Secure BackupによるOracle Databaseの最高速のテープ・バックアップを実現できます。バック

アップ時間とテープ・コストを大幅に削減する重要なバックアップ最適化には、Oracle Secure

BackupとOracle RMANを組み合わせて使用した場合のみ利用できるものもあります。

o 未使用ブロックの圧縮により、表領域に割り当てられているが表では現在使用されて

いないブロックをバックアップするのに要する時間とスペースを排除できます。

o UNDOの最適化により、最新のバックアップを使用してリカバリする必要のないUNDO

データをバックアップするのに要する時間とスペースを排除できます。

Oracle ZFS Storage Applianceを、データベースのバックアップ・ストレージの場所として使用で

きます。高速ネットワークにより、高いパフォーマンスを実現できます。ZFS HAソリューションを

使用すると、ユーザーはネットワークのシングル・ポイント障害を心配する必要がなくなります。

すべてのスクリプトと構成ファイルを共有のACFSファイル・システム(Oracle Database Appliance

上で/cloudfsマウント・ポイントとして識別されるもの)に保存して、定期的に外部ストレージ

にバックアップすることを強く推奨します。

このホワイト・ペーパーではデータベースのバックアップ戦略、仮想バックアップのテクニック、

およびベスト・プラクティスについて説明します。

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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テスト環境

Oracle Database Applianceのバックアップおよびリカバリのテストは、さまざまなCPUコア数の構

成で、三重ミラー化された(高冗長性)Oracle Database Appliance X3-2上の仮想環境とベアメタ

ル環境の両方に対して以下のように実施しました。

テープ・バックアップおよびリストアのテストは、1つのOracle StorageTek SL150テープ・ライ

ブラリと2つのハーフ・ハイトLTO-6テープ・ドライブに接続された1台の管理/メディア・サーバー

で、Oracle Secure Backup Release 10.4.0.3を使用して実施しました。

ディスク・バックアップおよびリストアのテストは、さまざまなレベルのOracle RMAN並列処理を

使用し、Oracle Database Applianceにデプロイされたファスト・リカバリ領域(FRA)を使用し

て、イメージ・コピー形式とバックアップ・セットで実施しました。

ネットワーク接続ストレージのテストは、1Gbおよび10Gbネットワーク・インタフェース経由で

Oracle ZFS Storage Appliance 7120に送信されるOracle RMANバックアップ・セットを使用して

実施しました。

全般的な決定事項

バックアップ戦略を実装する前に、RTO(リカバリ時間目標)要件とRPO(リカバリ・ポイント目標)

要件を確認する必要があります。個々のリカバリ・ニーズに基づいて、確立されるバックアップ戦

略は、1つのバックアップ戦略の場合と、提案された複数のバックアップ・オプションの組合せの場

合があります。

テープ・ベースのバックアップ戦略

テープ・ベースのバックアップ戦略の主な利点には、次のようなものがあります。

Oracle Database Applianceとテープ・ベースのバックアップでは、バックアップとリストアが高

速です。

テープのみのソリューションでは、Oracle Database Applianceから障害が分離されます。

Oracle Database Applianceの容量と帯域幅が最大になります。

テープ・ベースのバックアップ・ソリューションでは、次のバックアップを実行する戦略を推奨し

ます。

週次のOracle RMANレベル0のデータベース(全体)バックアップ

日次のOracle RMANレベル1のデータベース累積増分バックアップ

Oracle Secure Backupカタログの日次バックアップ

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テープ・ベースのバックアップ構成例

テープ・バックアップ用のメディア管理ソフトウェア

テープ・バックアップを行うには、Oracle RMANをメディア管理ソフトウェアと統合します。メディ

ア管理ソフトウェアは、Oracle RMANのテープ・バックアップを容易にするソフトウェア・レイヤー

です。このホワイト・ペーパーで説明しているメディア管理ソフトウェアとして、Oracle Secure

Backupを使用しています。Oracle Secure Backupは、バックアップ・ドメイン内のすべてのホスト

が1つまたは複数のOracle Secure Backupロールを持っているクライアント/サーバー・アーキテク

チャで高いスケーラビリティを発揮する、バックアップ・ソリューションです。Oracle Secure Backup

について、詳しくはOracle Secure Backupのドキュメントを参照してください。

テープ・ベースのバックアップ

このホワイト・ペーパーに記載されているパフォーマンス値は、1Gbのアクティブ-パッシブの専用

ボンディング・ネットワークと10Gbのアクティブ-パッシブの専用ボンディング・ネットワークを備

えた1台のOracle Secure Backup管理/メディア・サーバーを、6Gb/秒のSAS接続経由でOracle Secure

Backupメディア・サーバーに接続され2つのLTO-6テープ・ドライブを搭載した1台のOracle

StorageTek SL150とともに使用して達成したものです。

ターゲット・データベースには、データ圧縮率が約1.4対1の1TBのデータがあります。データの構

成によって圧縮率が異なるため、テープ・ドライブへの転送速度が異なります。

バックアップ対象のアーカイブ・ログはごくわずかで、バックアップ時にデータベースはアイド

ル状態になっていました。アーカイブ・ログの数が多い場合は、小さいファイルを多数バックアッ

プするとパフォーマンスが低下するため、バックアップ時間に影響します。また、データベース

に高い負荷がかかっており、CPUが完全に使用されている場合も、バックアップ速度に影響する可

能性があります。

1Gbバックアップのパフォーマンスは、Oracle Secure Backupメディア・サーバーの単一のアクティ

ブ-パッシブ・ボンディングによって制限されました。Oracle Database Applianceの各ノードは、

複数の1Gbボンディング・インタフェースを備えています。構成されているインタフェースでは、

各ノードは120MB/秒で送信できるため、総合転送速度が240MB/秒となりますが、メディア・サー

バーのボンディングNICが1つのみであるため、使用できるのは最大120MB/秒となり、転送が120MB/

秒に制限されます。

10Gbバックアップのパフォーマンスは、2つのLTO-6テープ・ドライブによって制限されました。

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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テープ・ドライブあたりの平均速度は373MB/秒で、Oracle Database ApplianceのI/O帯域幅が最

初に使い果たされないことを前提に、最大1GB/秒までさらにテープ・ドライブを追加できました

(Oracle Secure Backupメディア・サーバーの単一のアクティブ-パッシブ・ボンディング)。

リストアのテストでは、テープから制御ファイルとデータファイルをリストアしましたが、リカ

バリ処理で、ローカルのファスト・リカバリ領域(FRA)からアーカイブ・ログを取得しました。

バックアップ速度は、ジョブが開始される前にテープ・ドライブがマウントされることを前提と

し、Oracle Secure Backupで記録される開始時間と終了時間を利用して、データ転送時間に基づ

いて計算しています。

ディスク・ベースのバックアップ

バックアップとリストアの要件、および利用できるリソースに応じて、ディスク・ベースのバックアッ

プが必要になることがあります。また、表領域のポイント・イン・タイム・リカバリ(TSPITR)が必要

な場合、これらのオプションはテープでは利用できないため、ディスク・ベースのバックアップ・ソ

リューションを使用して、コピーまたは増分マージに切り替えることが必要になることもあります。こ

の項では、RECOディスク・グループにデプロイされているFRAへのバックアップについて説明します。

ディスク・ベースのバックアップ戦略の主な利点には、次のようなものがあります。

データ破損と論理破損でリカバリ時間が短縮され、表領域のポイント・イン・タイム・リカバリ

(TSPITR)シナリオでリカバリ機能が向上します。

データベース、表領域、またはデータファイルのコピーに切り替えられるため、リストアせずに

バックアップをそのまま使用できます。

ディスク・ベースのバックアップ・ソリューションでは、オラクルは次のことを推奨しています。

ファスト・リカバリ領域(FRA)を使用する

最初にOracle RMANレベル0の(全体)バックアップを実行する

日次のOracle RMANレベル1の増分バックアップを実行する

増分バックアップを全体バックアップに24時間の遅延で展開する(『Oracle Databaseバックアッ

プおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照)

バックアップ速度(TB/HR) ホストのCPU使用率

両方のノード(2コア)の1Gbロードバランシング 0.43TB 2~6%

両方のノード(24コア)の1Gbロードバランシング 0.43TB 0.5~3%

1Gb単一ノード(2コア) 0.43TB 2~6%

両方のノード(2コア)の10Gbロードバランシング 2.7TB 2~6%

両方のノード(24コア)の10Gbロードバランシング 2.7TB 0.5~3%

10GB単一ノード(2コア) 2.7TB 2~6%

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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ファスト・リカバリ領域(FRA)へのOracle RMANバックアップ

ディスク・バックアップを管理するため、データベースのバックアップ場所として機能する専用の

ディスク領域を定義できます。この場所がファスト・リカバリ領域(FRA)です。Oracle Database

とOracle RMANは連携してこの領域内のスペースを管理し、必要なバックアップを追跡します。また、

必要に応じて、新しいバックアップのスペースを確保するために古いバックアップを削除します。

Oracle RMANは、イメージ・コピー、オンラインREDOログ、アーカイブ・ログ、制御ファイル、およ

びフラッシュバック・ログをFRAにバックアップします。新しいバックアップやファイルにさらにス

ペースが必要になった場合、Oracle Databaseが不要なバックアップを自動的に削除するため、DBA

はこのような削除作業を行う必要がありません。FRA内のファイルは、保存方針に基づいて古くなっ

た場合や、Oracle RMANによってすでにテープにバックアップされている場合、不要と見なされます。

Oracle Database Applianceのローカル・バックアップと外部バックアップの影響

Oracle Database Applianceのディスク・グループのレイアウトは、Oracle Database Appliance

Manager Configuratorユーティリティでの“バックアップ・タイプ”オプションの選択によって異

なります。このユーティリティでは、三重ミラー化(高冗長性)と二重ミラー化(一般冗長性)の

いずれかを選択することもできます。ローカル・バックアップ・タイプ・オプションでは、ディス

クの40%がDATA領域に割り当てられて、ディスクの60%がファスト・リカバリ領域(RECO)に割り当

てられます。外部バックアップ・タイプ・オプションでは、ディスクの80%がDATA領域に割り当てら

れて、ディスクの20%がファスト・リカバリ領域(RECO)に割り当てられます。これはデプロイ時に

構成できます。

つまり、X3-2またはX4-2へのデプロイ時にOracle Database Appliance Managerで外部バックアップ

とローカル・バックアップのいずれを選択するかによって、ディスク・グループ、+DATA、および+RECO

のサイズが影響を受け、次のようにFRAのサイズが決まります。

NFSマウントを使用してNASストレージ・アプライアンスにFRAを作成することもできます。

DATAディスク・グループにさらに多くのスペースを予約するためには、デプロイ時にバックアップ・

タイプとして外部バックアップ・タイプを指定してテープ・ベースのバックアップ・ソリューショ

ンを使用するか、少なくとも、データベースの全体バックアップをテープまたはZFS Storage

Appliance(ZFSSA)に対して実行し、ディスクの増分バックアップをファスト・リカバリ領域に対

して実行する、ハイブリッドのアプローチを使用することを推奨します。

拡張ボックスなし ローカル・バックアップ 外部バックアップ

ASMディスク・グループ+DATA 2.4TB 4.8TB

ASMディスク・グループ+RECO 3.056TB 0.657TB

拡張ボックスあり ローカル・バックアップ 外部バックアップ

ASMディスク・グループ+DATA 4.8TB 9.6TB

ASMディスク・グループ+RECO 6.114TB 1.314TB

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

10

バックアップ形式

Oracle RMANでは、イメージ・コピーとバックアップ・セットの2つの形式のいずれかでデータが保

存されます。

イメージ・コピーは、単一のデータファイル、アーカイブされたREDOログ・ファイル、または制

御ファイルの正確なコピーです。イメージ・コピーは、Oracle RMAN固有の形式では保存されませ

ん。イメージ・コピーは、オペレーティング・システムのコマンドを使ってファイルをコピーし

た場合と同じになります。Oracle RMANでは、Oracle RMANのリストア処理時とリカバリ処理時に

イメージ・コピーを使用でき、Oracle RMAN以外のリストア手法とリカバリ手法でもイメージ・コ

ピーを使用できます。

バックアップ・セットには、1つまたは複数のデータファイル、アーカイブされたREDOログ・ファ

イル、制御ファイル、またはサーバー・パラメータ・ファイルのデータが含まれます。最小単位

のバックアップ・セットは、バックアップ・ピースと呼ばれるバイナリ・ファイルです。バック

アップ・セットは、Oracle RMANがテープ・ドライブなどの順次デバイスにバックアップを書き込

むことができる唯一の形式です。FRAについて、詳しくは『Oracle Database高可用性ベスト・プ

ラクティス11gリリース2』を参照してください。

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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ローカル・ディスク・ベースのバックアップ構成のパフォーマンス値

Oracle RAC構成を使用してOracle Database Applianceでローカル・ディスクのファスト・リカバリ

領域へのバックアップ書込み速度を速めるため、次のようにしました。

両方のインスタンスを使用して、インスタンスごとに1つのRMANチャネルで開始しました。

インスタンスごとのパフォーマンスを高めるため、RMANチャネルを継続的に追加しました。

すべてのOracle RACインスタンスを使用し、インスタンスごとに1~4つのRMANチャネルを使用し

た場合の、最適なバックアップ速度を観測しました。

シングル・インスタンスとOracle RAC One Node構成を使用してOracle Database Applianceでロー

カル・ディスクのファスト・リカバリ領域へのバックアップ書込み速度を速めるため、次のように

しました。

1つのRMANチャネルで開始しました。

パフォーマンスを高めるため、単一のデータベース・インスタンスに継続的にRMANチャネルを追

加しました。

2~4つのRMANチャネルを使用した場合に、最適なバックアップ速度を観測しました。

これらの表に示したパフォーマンス値は、シングル・インスタンス(2コア)以外についてはベアメ

タル・インストールに対するものです。同じテストを仮想環境で実施した場合は、バックアップ速

度が2~5%低下し、ホストのCPU使用率が増加しました。

Oracle RMANバックアップ・セットは、同様のCPU使用率で作成およびリストアされました。選択し

た圧縮アルゴリズムに応じて、圧縮にはCPUがさらに必要になりました。

Oracle RAC バックアップ速度(TB/HR) リストア速度(TB/HR) ホストのCPU使用率

イメージ・コピー(8コア、4チャネル) 2.22TB 2.35TB 28~38%

イメージ・コピー(32コア、8チャネル) 2.25TB 2.40TB 10~20%

シングル・インスタンス バックアップ速度(TB/HR) リストア速度(TB/HR) ホストのCPU使用率

イメージ・コピー(2コア、2チャネル) 1.92TB 2.05TB 50~80%

イメージ・コピー(4コア、2チャネル) 1.99TB 2.10TB 25~38%

イメージ・コピー(16コア、4チャネル) 2.16TB 2.24TB 15~20%

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

12

ネットワーク接続ストレージのバックアップ

Oracle ZFS Storage Applianceは、幅広いストレージ・ニーズに対応した柔軟な構成オプションと

接続オプションを提供する統合ストレージ・システムです。高パフォーマンスNFSクライアントであ

るオラクル専用のdNFSを使用して、Oracle Database Appliance上の10Gbインタフェース経由で

Oracle RMANバックアップをネットワーク・ストレージに送信できることを実証するため、Oracle ZFS

Storage Appliance 7120を選択しました。

データベースのバックアップにネットワーク接続ストレージを使用すると、バックアップを内蔵ス

トレージから分離できるため、リモート・サイトへのレプリケーション、バックアップの追加コピー

のスナップショット、ZFS Storage Applianceによるバックアップの圧縮、他のデータベース・サー

バーとのバックアップの共有など、バックアップの管理においてさまざまな可能性が広がります。

ネットワーク接続ストレージでの手法は、FRAベースのバックアップと同様です。

NFS共有を使用して、dNFSクライアントが使用されるようにdNFSへのNFS Appliance共有を定義す

最初にOracle RMANレベル0の(全体)バックアップを実行する

日次のOracle RMANレベル1の増分バックアップを実行する

増分バックアップを全体バックアップに24時間の遅延で展開する(『Oracle Databaseバックアッ

プおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照)

Oracle ZFS Storage Appliance 7120へのOracle RMANバックアップ

ZFSSA 7120は、Oracle Database Applianceによく適合する容量とパフォーマンスを備えたシングル

ヘッドのストレージ・コントローラです。さまざまなプロトコルを使用して、3.3TB~177TBの物理

容量に構成したり、1Gb、10Gb、またはファイバ・チャネルのインタフェースを使用してアクセス可

能な73GBの書込み最適化フラッシュ・ストレージに構成したりできます。Oracle Database Appliance

バックアップ・ターゲットとして使用する場合、NFS共有を10Gbインタフェース経由でアクセスする

ことを推奨します。7120は、4つの1Gbネットワーク・インタフェースを標準装備しています。最適

なバックアップ・パフォーマンスを得るためには、7120にオプションの10Gbインタフェースを使用

することを推奨します。

ZFSSAアーキテクチャでは、柔軟な構成オプションを利用できます。このホワイト・ペーパーでは、

フォルト・トレランスを維持しながら、イーサネット・インタフェース経由でOracle RMANの大規模

なブロック、およびストリーミングの書込みパフォーマンスと読取りパフォーマンスを最適化する

構成を選択しています。ダブル・パリティ(RAID-Z2)の単一ストレージ・プール内にNFS共有を定

義すると、必要なパフォーマンスと可用性を実現できます。ZFSSA 7120に、オプションの10Gbデュ

アル・ネットワーク・インタフェース・カード、2つの専用ブート・ドライブ、およびデータ・スト

レージ用に12台の2TBまたは3TB HDDを搭載していることを前提としています。

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

13

ZFS Storage Appliance 7120は、Webベースのブラウザ・ユーザー・インタフェース(BUI)または

ZFS Storage Applianceで直接実行できるCLIコマンドを使用して構成できます。以下に示すすべて

の例で、ユーザーはrootユーザーとrootパスワードを使用してBUIにログインすることを前提として

います。BUI URLの通常の形式は、次のとおりです。

https://<ZFSSA名またはIPアドレス>:215

Storage Applianceのすべての構成の完全なドキュメントについては、BUIのヘルプ画面を参照して

ください。

プール - ZFS Storage Appliance 7120では、プールに集約されたハード・ディスクのグループに

データが保存されます。さまざまなプール構成が可能であり、シングル・パリティ、ダブル・パ

リティ、またはトリプル・パリティ、およびミラー化またはストライプ化などの構成に対応して

います。Oracle Database Applianceでデータ可用性を最大限に高めるとともに、適切なパフォー

マンスを実現するため、ダブル・パリティ(RAID-Z2)を選択し、パフォーマンスと可用性のバラ

ンスを最適にしています。複数のプールを専用の7120で構成することもできますが、単一のスト

レージ・プールを定義するのが最善の選択肢です。

「Configuration」→「Storage」をクリックします。

Available Poolsの横にあるプラス記号(+)をクリックします。

プールに名前(Pool-0など)を指定し、「Apply」をクリックします。

"Verify and add devices"画面で、すべてのHDDを選択します。ブート・デバイスは選択

しないでください。

「Commit」をクリックします。

次の画面で、ダブル・パリティのストレージのプロファイルを選択します。

「Commit」をクリックします。

共有 - ZFS Storage Appliance 7120は、NFS、CIFS/SMB、およびiSCSIの各ネットワーク・ストレー

ジ・プロトコル、およびオプションのインタフェース・カードを使用したファイバ・チャネルを

サポートしています。Oracle Database Applianceでは、dNFSと呼ばれる高度に最適化されたバー

ジョンのNFSファイル・システム・クライアントを実行できるため、NFS共有をOracle Database

Applianceバックアップのターゲットとして定義して使用するのが適切な選択肢です。NFS共有は、

さまざまなオプションを使ってOracle Database Applianceバックアップのターゲットに定義でき

ます。次のように定義することを推奨します。

データベース・レコード・サイズ:128KB

同期書込みバイアス:スループット

データ圧縮:最高のパフォーマンスを実現するには、オフ。適切なデータ圧縮を実現する

には、LZJB

Oracle Database Applianceバックアップに定義するNFS共有の数は、サービスの数およびOracle RMAN

バックアップを実行するように定義しているRMANチャネルの数によって異なります。

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

14

通常、RMANチャネルあたりNFS共有を1つに設定すると、最適なスループットが得られます。FRAベー

スのバックアップ構成と同様に、サーバーあたりRMANチャネルを2つに設定するのが出発点として適

しています。Oracle RAC構成では、合計4つのRMANチャネルと4つの共有を設定すると、有効に機能

します。NFS共有はアプライアンスのプロジェクトに属するため、まずプロジェクトを定義してから、

プロジェクトによって所有される共有を定義します。

BUIで、次の手順を実行します。

「Shares」→「Projects」をクリックします。

左側のProjectsペインで、"All"という文字の横にあるプラス記号(+)をクリックします。

プロジェクトの名前を入力し、「Apply」をクリックします。

Projectsペインで新しいプロジェクト名をクリックしてから、「General」をクリックしま

す。

同期書込みバイアスをスループットに変更し、データベース・レコード・サイズを128K

に変更し、データ圧縮を必要に応じてオフまたはLZJBに設定します。

プロジェクト内の共有に対するデフォルト権限を調整します。

「Apply」をクリックします。Oracle Database Applianceバックアップ共有でプロジェク

トを使用できるようになります。

Filesystemsペインが表示されたら、“Filesystems”という文字の横にあるプラス記号(+)

をクリックします。

共有名を指定します。

必要に応じて、共有に付与するデフォルト権限を調整します。

「Apply」をクリックします。

さらに3つの共有を作成します。

各共有のPropertiesページに表示されるエクスポート・マウント・ポイント名を書き留め

ます。

ネットワーク構成 – オプションの10Gbインタフェース・カードを2枚装備した7120構成を前提と

しています。ポートは、個別に使用することも、リンク・アグリゲーション・プロトコル(LACP)

またはIPマルチパス(IPMP)を使用してバインドすることもできます。通常、パフォーマンスを

高めるにはLACPを使用し、可用性を高めるにはIPMPを使用します。LACPでは、LACP手法を使用し

て物理ポート間でロードバランシングを実行できるスイッチが必要になりますが、IPMPでは、特

別なスイッチ構成は必要ありません。また、スイッチを使用せずに、Oracle Database Appliance

と7120間にルーティング不可能なプライベート・ネットワーク・ドメイン192.168.*を使用して、

ZFSSA 7120の10GbポートをOracle Database Applianceの各サーバーに1ポートずつ、直接接続す

ることもできます。ジャンボ・フレームを指定する必要があります。

Oracle Database Applianceの共有のマウントとdNFSの構成

ZFSSA 7120に作成した各共有を各サーバーに作成したマウント・ポイントにマウントするように、

各Oracle Database Applianceサーバーで各サーバーの/etc/fstabファイルを変更する必要がありま

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

15

す。

1. mkdir /mnt/backup1 /mnt/backup2 /mnt/backup3 /mnt/backup4を実行します。

2. 各マウントのエントリを含めるように、/etc/fstabを編集します。例:

192.168.2.1:/export/ODA/backup1 on /mnt/backup1 type nfs

(rw,bg,hard,nointr,rsize=1048576,wsize=1048576,tcp,nfsver=3,timeo=600)

3. コマンド'mount –a'を実行してfstabを読み取ります。

4. 必要に応じて、所有権と権限を調整します(chown/chmod)。

Oracle Databaseでは、Direct NFS(dNFS)と呼ばれる特別なNFSクライアントを使用できます。dNFS

を使用すると、Oracle DatabaseからNFS共有へのI/Oスループットが大幅に向上します。

次に、dNFSの構成方法について概要を示します。

1. 各サーバーでOracle Databaseインスタンスをシャットダウンします。

2. 各サーバーでoracle userから次のコマンドを実行します。

$ make –f $ORACLE_HOME/rdbms/lib/ins_rdbms.mk dnfs_on

3. 各サーバーに、ZFSSA 7120に定義されている共有を示すエントリが含まれた

$ORACLE_HOME/dbs/oranfstabという名前のファイルを作成します。

server: zfs-server

path:192.168.2.1

export /export/ODA/backup1 mount:/mnt/backup1

export /export/ODA/backup2 mount:/mnt/backup2

export /export/ODA/backup3 mount:/mnt/backup3

export /export/ODA/backup4 mount:/mnt/backup4

4. 各サーバーでOracle Databaseインスタンスを再起動します。

Oracle RMANの実行時に、次のSQL問合せでdNFSの使用を検証できます。

select * from v$dnfs_servers;

select * from v$dnfs_files;

また、データベース・アラート・ログを確認したり、データベース起動メッセージを確認したりで

きます。

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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ZFSSA 7120を使用するためのOracle RMAN構成

バックアップ時にデータベース・ノードにリソースを効率的に割り当てるためには、バックアップ

の負荷をRACノードに均等に分散する必要があります。

1. RMANチャネル/NFSマウント・ポイントごとに、クラスタ内の選択したノードで実行するサービス

を1つ作成します。

$ srvctl add service –d <dbname> -s <service name1> -r <instance1> -a<instance2>

$ srvctl add service –d <dbname> -s <service name2> -r <instance2> -a <instance1>

例:

srvctl add service –d isr –s isrsvc1 –r isr1 –a isr2

srvctl add service –d isr –s isrsvc2 –r isr2 –a isr1

2. サービスを起動します。

$ srvctl start service –d <db_unique_name> -s <service_name1>

$ srvctl start service –d <db_unique_name> -s <service_name2>

例:

srvctl start service –d isr –s isrsvc1

srvctl start service –d isr –s isrsvc2

ZFSSA 7120をターゲットとして使用する場合のデータベースのバックアップおよびリカバリ計画は、

ローカルのFRAにバックアップするRMANコマンドと同様です。Oracle RMANのRUNブロックにある

ALLOCATE CHANNELコマンドでは、7120に作成されたNFSマウント・ポイントをターゲットとする必要

があり、各マウントへの書込みを実行するために作成されたサービスに接続する必要があります。

この例では、サービス isrsvc1で /mnt/backup1への書込みが実行され、サービス isrsvc2で

/mnt/backup2への書込みが実行されます。各サービスを異なるサーバーで実行している場合、両方

のサーバーのリソースを使用してOracle RMANバックアップ・セットが作成されます。

例:

run {

allocate channel oem_backup_disk1 type disk format '/mnt/backup1/%U'

connect ’@isrsvc1’;

allocate channel oem_backup_disk2 type disk format '/mnt/backup2/%U'

connect ’@isrsvc2’;

allocate channel oem_backup_disk3 type disk format '/mnt/backup3/%U'

connect ‘@isrsvc3’;

allocate channel oem_backup_disk4 type disk format '/mnt/backup4/%U'

connect ’@isrsvc4’;

backup as BACKUPSET tag '%TAG' database;

backup as BACKUPSET tag '%TAG' archivelog all not backed up;

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

17

release channel oem_backup_disk1;

release channel oem_backup_disk2;

release channel oem_backup_disk3;

release channel oem_backup_disk4;

}

ZFSSAベースのバックアップ構成のパフォーマンス値

Oracle RAC構成を使用してOracle Database Applianceでディスクのバックアップ速度を高めるため、

次のようにしました。

両方のインスタンスを使用して、インスタンスごとに2つのRMANチャネルで開始しました。

各チャネルに専用のNFSマウント・ポイントを割り当てました。

インスタンスごとのパフォーマンスを高めるため、RMANチャネルを継続的に追加しました。

12TBの7120構成のOracle Database Applianceで、両方のOracle RACインスタンスを使用し、インス

タンスごとに2つのRMANチャネルを使用した場合に、最適なバックアップ速度が確認されました。

Oracle Engineered Systems Backup Utility

Oracle Database ApplianceのOracle ZFS Storage ApplianceへのOracle RMANバックアップは、Oracle

Engineered Systems Backup Utility 2.0(Oracle ESBU)を使用して自動的に構成できます。Oracle

ESBUは、OTNから入手できる無料のユーティリティです。Oracle ESBU 2.0のユーザーズ・ガイドに

は、このユーティリティのセットアップ手順が記載されています。このドキュメントでは別の方法

として、手動インタフェースを使用したZFS Storage Applianceへのバックアップ構成方法について

も説明しています。

バックアップ速度(TB/HR) リストア速度(TB/HR)

両方のノードの10Gbロードバランシング 1.2TB 0.6TB

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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ベスト・プラクティス

Oracle Secure Backupを使用して、低コストで高速な実証されたテープ・バックアップを実現する[テープ]

Oracle Secure BackupをOracle RMANと緊密に統合すると、最高速のデータベース・テープ・バック

アップを実現できます。Oracle Secure Backupを使用してテープにバックアップする場合、未使用

ブロックの最適化機能を使用できます。この機能は、サード・パーティのメディア管理ソフトウェ

アでは提供されていません。

Oracle Secure BackupサーバーでNetwork Time Protocol(NTP)デーモンを構成する[テープ]

NTPデーモン・サービスがOracle Secure Backup管理/メディア・サーバー上で実行されており、Oracle

Database Applianceと同じタイム・ソースを使用するように構成されていることを確認します。

Oracle Secure Backupは、データベース・ノードの時刻に基づいてジョブを実行しますが、スケジュー

ラは、Oracle Secure Backup管理サーバーの時刻に基づいてジョブを実行します。2つのシステムの

時刻が異なっていると、ジョブの開始に遅延が生じる可能性があります。

専用のギガビット・イーサネットまたは10ギガビット・イーサネットを構成する[テープ] [ZFSSA]

転送処理またはZFSSAに専用のインタフェースを使用すると、クライアント・アクセス・ネットワー

クへの影響を排除できます。Oracle Database Applianceで利用可能なインタフェースについて、詳

しくは付録を参照してください。

1Gbおよび10Gbのネットワーク・インタフェース経由でOracle Secure Backupのトラフィックを転送するように

優先ネットワーク・インタフェース(PNI)を構成する[テープ]

Oracle Secure Backupの優先ネットワーク・インタフェース設定は、特定のインタフェース経由で

バックアップ・トラフィックをルーティングするためにOracle Secure Backupが使用する構成パラ

メータです。バックアップに専用ネットワークを使用する場合、この設定を推奨されているとおり

にセットアップする必要があります。また、PNIを構成する場合、RDSバランシングを無効にする必

要があります。この設定はOracle Secure Backup 10.4.0.3ではデフォルトで有効になり、PNIのセッ

トアップに問題が生じるためです。RDSとロードバランシングを無効にするには、Oracle Secure

Backup管理サーバーから次のコマンドを実行します。

# obtool setp operations/disablerds yes

# obtool setp testing/supressrdma yes

増分バックアップの実行時に FILESPERSET=1を設定する Oracle RMAN構成を設定します。

BACKUP ...FILESPERSETを指定して、各バックアップ・セットのファイルの最大数を指定します。1

を設定すると、単一ファイルのデータベース・リストア処理が高速になります。

バックアップ速度を高めるため、テープ・ドライブごとに1つのRMANチャネルを構成し、テープ・ドライブを追

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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加する[テープ]

テープ・ドライブのパフォーマンス速度は、モデルやベンダーによって異なります。ドライブ・タ

イプ、圧縮オプション、およびデータによって、転送速度が異なります。データベース・レベルで

圧縮されたテーブルをバックアップすると、テープ・ドライブの圧縮効果が低下することに注意し

てください。管理/メディア・サーバーに使用可能なスループットがある場合、テープ・ドライブと

RMANチャネルをさらに追加するとバックアップのパフォーマンスが向上します。

すべてのデータ・インスタンスで実行されるバックアップをロードバランシングするように、Oracle RACサービ

スを構成する[テープ] [FRA] [ZFSSA]

バックアップ時にデータベース・ノードにリソースを効率的に割り当てるためには、バックアップ

の負荷をOracle RACノードに均等に分散する必要があります。Oracle RACサービスの作成について、

詳しくは付録を参照してください。

ファスト・リカバリ領域内のバインドされたスペースにDB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZEを設定する[FRA]

データベースでは、アーカイブされたREDOログ・ファイルと追加のリカバリ・ファイルがファスト・

リカバリ領域に書き込まれます。これらのファイルには、レベル0のイメージ・コピーやレベル1の

バックアップ・セットなどのディスク・バックアップ・ファイル、およびフラッシュバック・ログ・

ファイル(フラッシュバック・データベースが有効になっている場合)が含まれます。デプロイ後

に、データベースごとにこのパラメータの値を適切なサイズに設定することが重要です。

また、複数のデータベースでファスト・リカバリ領域を共有する場合、これらのさまざまなデータ

ベースに割り当てられているスペースの合計がディスク・グループの空きスペースの合計よりも少

ないことを確認します。Oracle Database ApplianceテンプレートではDB_RECOVERY_FILE_DESTが

+RECOに設定されることに注意してください。

例:

SQL> ALTER DATABSE SET DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE=30G;

Oracle RMANの増分バックアップとブロック・チェンジ・トラッキングを使用する[テープ] [FRA] [ZFSSA]

ブロック・チェンジ・トラッキングを有効にすると、増分バックアップが高速になります。ブロッ

ク・チェンジ・トラッキングを使用すると、増分バックアップの作成時に、変更のなかったブロッ

クをOracle RMANがスキャンしないようにできます。ブロック・チェンジ・トラッキングは、デフォ

ルトでは無効になっています。バックアップ時にデータファイル全体がスキャンされないようにす

ると、特にバックアップ間にごくわずかのデータ・ブロックしか変更されていない場合に、大きな

メリットが得られます。バックアップ戦略に増分バックアップが含まれている場合は、ブロック・

チェンジ・トラッキングを推奨します。ブロック・チェンジ・トラッキングを使用しても、増分バッ

クアップの実行に使用するコマンドに変更はまったくありません。通常、初回構成後に、チェンジ・

トラッキング・ファイル自体の保守はほとんど必要ありません。テストを実施して、バックアップ

時間が短縮されることを確認することを推奨します。

例:

SQL> ALTER DATABASE ENABLE BLOCK CHANGE TRACKING USING FILE '+RECO';"

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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外部Oracle RMANリカバリ・カタログを使用する[テープ] [FRA] [ZFSSA]

RMANリポジトリについて、詳しくは『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・

ガイド』を参照してください。

サード・パーティのメディア管理ベンダーを使用する場合は、ネットワーク通信をチューニングする[テープ]

オラクル以外のメディア管理ベンダー(MMV)を使用している場合、構成のベスト・プラクティスに

ついては、当該のベンダーにお問い合わせください。ほとんどのベンダーでは、ベンダー自社製品

をOracle Database Applianceでテストおよび検証しており、1Gbまたは10Gbネットワークをフルに

活用する方法を推奨することが可能です。Oracle RMANおよびメディア管理ベンダー(MMV)をOracle

Database Applianceとともに使用する場合、特別な認証は必要ありません。Oracle Database 11g

Release 2(11.2)およびOracle Linuxの場合は、MMVは認証が必要です。

インスタンスごとに1~4つのRMANチャネルを使用する[FRA] [ZFSSA]

ほとんどの場合、データベース・サーバーごとに2つのRMANチャネルで十分です。バックアップに必

要なCPU使用率は10%未満であるため、通常、バックアップ処理時に十分なCPUリソースを本番環境で

使用できます。リスナー・ロードバランシングによって、2つのインスタンス間で接続が分散されま

す。シングル・インスタンスのデータベースをバックアップする場合は、3つ以下のチャネルを推奨

します。

Oracle RMAN圧縮を有効化する [FRA]

Oracle 11g Release 2では、Oracle RMANバックアップ内の表データを圧縮するために使用できる圧

縮アルゴリズム・レベルが導入されています。圧縮レベルはBASIC、LOW、MEDIUM、およびHIGHで、

各圧縮レベルでバックアップのスループットと実現される圧縮度に関連するトレードオフが実行で

ます。ただし、LOW、MEDIUM、およびHIGHを使用するには、Advanced Compressionのライセンスが必

要になります。オラクルのユーザーは、これらの圧縮アルゴリズム・オプションをテストして、個々

の要件に最適なオプションを判断することが推奨されます。

865GBのデータベースで実施したテストでは、最良のシナリオで約4:1のバックアップ圧縮率が得ら

れ、CPU使用率が高くなるもののストレージ容量が削減されました。

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

21

結論

Oracle VMが稼働するOracle Database Applianceは、アプリケーションとデータベースの両方を運

用する1つの筐体のソリューションとして最適です。ユーザーは、VMが稼働する場所を、ローカル・

リポジトリと共有リポジトリから選択できます。共有リポジトリは、1つの筐体のソリューションに

とって不可欠となる高可用性を実現します。仮想マシンがオフラインのときに、標準ツールを使用

してすべてのVMをバックアップできます。スナップショットなどの高度なテクノロジーを利用する

場合はライセンスが必要になりますが、停止時間を大幅に短縮できます。

Oracle Database Applianceには、Oracle Database(Oracle RMAN)とバックアップをネイティブに

統合でき、さらにさまざまなバックアップ先を利用できるというメリットがあります。このホワイ

ト・ペーパーで説明しているベスト・プラクティスを使用してデプロイすると、Oracle Databaseの

バックアップ、リストア、およびリカバリ処理を最適化できます。バックアップ構成は、ローカル・

ディスクのバックアップから外部バックアップにまで渡ります。ローカル・バックアップはFRAに書

き込まれるのに対し、外部バックアップはNAS(ディスク)またはテープに保存できます。バックアッ

プの最大パフォーマンスは、1.2TB/時(ZFS Storage Applianceへのバックアップ)から、2.7TB/時

(Oracle StorageTek SL150へのバックアップ)、2.5TB/時(ローカルのFRAへのバックアップ)にま

で渡ります。

Oracle ZFS Storage Applianceは、Oracle Database Applianceで実行されているデータベースの外

部データベース・バックアップをホストするという、独自の価値提案を提供します。Oracle

StorageTek SL150は、拡張の柔軟性が高く、卓越したパフォーマンスを提供します。

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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付録:ロードバランシングのバックアップの構成

バックアップ時にデータベース・ノードにリソースを効率的に割り当てるためには、バックアップ

の負荷をRACノードに均等に分散する必要があります。

クラスタ内の選択したノードで実行するサービスを作成します。

$ srvctl add service –d <dbname> -s <service name> -r

<instance1>,<instance2>

$ srvctl add service –d isr –s isrsvc –r isr1,isr2

サービスを開始します。

$ srvctl start service –d <db_unique_name> -s <service_name>

$ srvctl start service –d isr –s isrsvc

接続を自動的にロードバランシングするために使用する新しいネット・サービス名を

$ORACLE_HOME/network/admin/tnsnames.oraに追加します。

ISR =

(DESCRIPTION =

(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = hamms-scan)(PORT = 1521))

(CONNECT_DATA =

(SERVER = DEDICATED)

(SERVICE_NAME = isr)

)

)

特定ノードの接続には、次に示すネット名を使用します。

ISR1 =

(DESCRIPTION =

(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = hamms1)(PORT = 1521))

(CONNECT_DATA =

(SERVER = DEDICATED)

(SERVICE_NAME = isr)

(SID = isr1)

)

)

ISR2 =

(DESCRIPTION =

(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = hamms2)(PORT = 1521))

(CONNECT_DATA =

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

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(SERVER = DEDICATED)

(SERVICE_NAME = isr) (SID = isr2)

)

)

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

24

付録:サンプル・スクリプト

この項のすべてのスクリプトで、リカバリに必要なアーカイブ・ログをディスクで使用できます。

これらのスクリプトでは、本番データベースのリストア時に生じる可能性がある特別な考慮事項に

は対応していません。ユーザーは、これらのサンプルを使用したり、ニーズに合わせて調整したり、

シェル・スクリプトに組み込んだりできます。

Oracle RACでのテープ・バックアップ

このスクリプトで、2つのチャネルを割り当てて(2つのテープ・ドライブを使ってテストしたため)、

アーカイブ・ログを含めた全体バックアップを作成します。

RUN {

ALLOCATE CHANNEL ch00 TYPE 'SBT_TAPE' CONNECT='@isr';

ALLOCATE CHANNEL ch01 TYPE 'SBT_TAPE' CONNECT='@isr';

BACKUP INCREMENTAL LEVEL 0 DATABASE PLUS ARCHIVELOG;

}

注:チャネルはOracle RAC内でロードバランシングされます。

シングル・インスタンスとOracle RAC One Nodeのテープ・リストア

リストアのため、2つのチャネルを適切に割り当てて、使用可能なアーカイブ・ログを使ってデータ

ベースを自動的にリカバリします。古いREDOログを使用して、オープンなリセットログを使用せず

にデータベースをリカバリできる場合もあります。

ALTER DATABASE MOUNT

RUN

{

ALLOCATE CHANNEL ch00 TYPE 'SBT_TAPE';

ALLOCATE CHANNEL ch01 TYPE 'SBT_TAPE' ;

RESTORE DATABASE;

RECOVER DATABASE;

{

ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;

注:並列リストアを実行するには、データベースを2番目のノードにマウントし、接続文字列を使用

してチャネルを割り当てる必要があります。

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

25

イメージ・コピーのバックアップ(Oracle RAC、Oracle RAC One Node、シングル・イン

スタンス)

バックアップをコピー処理として実行する前に、バックアップ・タイプや並列処理などの構成の詳

細を設定します。

CONFIGURE DEFAULT DEVICE TYPE TO DISK;

CONFIGURE SNAPSHOT CONTROLFILE NAME TO '+RECO/ISR/snap.cf';

CONFIGURE DEVICE TYPE DISK BACKUP TYPE TO COPY;

CONFIGURE DEVICE TYPE disk PARALLELISM 2;

CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP ON;

RUN

{

backup as copy database;

}

Oracle RACでのイメージ・コピーのリストア

チャネルの割当てで、インスタンスに接続しているユーザーの資格証明を使用します。

run

{

ALLOCATE CHANNEL ch1 DEVICE TYPE DISK CONNECT ‘@isr1';

ALLOCATE CHANNEL ch2 DEVICE TYPE DISK CONNECT ‘@isr2';

restore database;

recover database;

}

startup;

注:並列リストアを実行するには、データベースを2番目のノードにマウントし、接続文字列を使用

してチャネルを割り当てる必要があります。

Oracle RAC One Nodeとシングル・インスタンスのイメージのリストア

リストアを並列化してパフォーマンスを向上することもできます。

CONFIGURE DEVICE TYPE disk PARALLELISM 2;

run

{

restore database;

recover database;

}

startup;

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Oracle Database Applianceのバックアップとリカバリのベスト・プラクティス

26

バックアップ・セット用のバックアップ・スクリプト

configureコマンドで、バックアップ処理のバックアップ・タイプを設定します。

CONFIGURE DEFAULT DEVICE TYPE DISK;

CONFIGURE DEVICE TYPE DISK BACKUP TYPE TO BACKUPSET;

CONFIGURE SNAPSHOT CONTROLFILE NAME TO '+RECO/ISR/snap.cf';

CONFIGURE DEVICE TYPE disk PARALLELISM 2;

CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP ON;

Run

{

Backup database;

}

ディスク・ベースのバックアップの監視

Oracle RMANジョブを実行すると、デフォルトでジョブのトランスクリプトがstdoutに書き込まれま

すが、出力をログ・ファイルにリダイレクトし、このログ・ファイルでエラーや警告を分析したり、

書き込まれたバックアップ・ピース名を確認したりできます。また、 Oracle RMANでは、

NLS_DATE_FORMAT環境変数を使用して時刻(時/分/秒)がレポートされるため、実行時間を監視する

のに役立ちます。

SELECT sid, serial#, context, sofar, totalwork,

round(sofar/totalwork*100,2) "% Complete"

FROM v$session_longops

WHERE opname LIKE 'RMAN%'

AND opname NOT LIKE '%aggregate%'

AND totalwork != 0

AND sofar <> totalwork

/

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Oracle Database Applianceのバックアップ

とリカバリのベスト・プラクティス

2014年4月

著者:Erich Kreisler、Sankar Bose、

Kyle Noonan、Scott Ledbetter

共著者:RACPack / A-Team、

Integrated Storage Relations

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